電力問題に関する特別委員会 閉会後第6号
- 発言数
- 14 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1951/07/16
会議録
○委員長(西田隆男君) 只今から電力問題に関する特別委員会を開会いたします。本日は先ず派遣議員諸君から調査の結果を御報告願いまして、それが終りましてから今後の委員会の運営について打合せをしたいと考えております。 先ず東北、北海道班から御報告を願います。東北について椿繁夫君。
○椿繁夫君 本班は私と須藤委員、林專門員、及び酒井参事を以て構成し、六月の二十日に東京を出まして、二十一日に仙台にて東北電力会社の調査を済ませましてから、東北地方座談会に列席し、二十三日に札幌にて北海道電力会社の調査及び同地の座談会に臨み、二十四日から砂川火力、雨龍水力の両発電所を視察し、層雲別水力開発地点、阿寒湖の毬藻の棲息状態、阿寒川筋発電所及び然別第一発電所予定地点等を視察して予定の計画を終了いたしました。その間札幌より層雲別までは加賀委員が特別に参加されまして、一行の調査に援助を与えられたことを御報告いたします。 先ず東北電力会社における調査の結果を申上げますと、同社の最終改訂案につきましてはこれを当委員会に提出されました原案に比較しますと、お手許に配付してあります減額表の2にありますごとく、総支出において六億七千六百七十八万九千円、比率にして五・三%が減額されております。これを項目別に示しますと、表にありますごとく、金額から見ますならば修繕費を最高とし、給料手当、諸費、需用者指導費、役員給与等となつており、又項目別の削減率から見ますれば、役員給与の五八%減、需用者指導費の二四・六%減、修繕費の一八%減、諸費の八・四%減等が主要なものとなつております。減額内容をいま少しく述べますなら、修繕費においては一般修繕費から表記の金額を差引いており、発電関係及び変電関係の三割、その他に対し一割の削減となつております。併しながら最終案の修繕費は約二十億円に上り、これは東北電力の固定資産再評価額の五・〇六%に相当し、前年度実績に比しても丁七三倍に当る金額であります。給料手当においては元配電関係従業員の給料手当の五%、一億九十三万八千円を建設費に振替えて経費から落しておりますが、他方原案において役員給与中に含まれていた理事十二名、単価八十万円合計九百六十万円が加算されましたので、差引九千百三十三万八千円の減額となりております。諸費においては、原案では前年の実績三六%増であつたものを二五%増に抑えて、六千五百十九万八千円を減額しております、需用者指導費においては在来の経費は前年実績の二割増を一割増に圧縮し、新規項目であるサービス強化運動費を半額以下にとめております。役員給与においては原案の役員二十名、理事十二名を役員十三名に削減しております。 以上御報告しました如く前回に当委員会において問題となつた項目の二、三については改善の跡が見られるのでありますが、減価償却費や修繕費等の大口については満足すべきものになつていないのであります。以上の原価引下による原資はこれを業務用電力、小口及び大口電力の引下げに充当しております。この点につき需用種別毎の料金率決定に当や、原価主義によつたのか、政策的に配分したのか質問をいたしましたが、産業の振興が東北人の幸福となるという政策的回答しか得られなかつたことを附加えて置きます。機構、人事等についても調査をしたのでありますが、これらは省略し、再編成によつて主要開発工事の進捗には些少の支障もなく、むしろ再編成後は進捗がいいということ、又旧日発配電関係の役員従業員の間も頗る円滑に経過しているとの社長の話を御報告するにとどめます。 次に仙台市における座談会は二十一日午後、元日発支店にて公益事業委員会の増井支局長司会にて行われ、東北七県から地方公共団体、商工会議所、各種産業団体代表、仙台主婦連合会代表、仙台通産局長を初め、出先機関代表者等約五十名の出席者がございました。時間の関係から発言は制限されましたが、書面提出の意見をも参酌して概況を報告すれば次の通りであります。 会社の最終案が六月十八日に公益事業委員会に提出された直後で一般に知られていないときでありましたから、最初に会社側から最終案の説明があり、次いで一般意見の開陳がありました。先ず金属鉱業を代表した岩手県鉱業会会長得能善太郎という人でありますが、その人の意見は東北地方の金属鉱業は、全国の四〇%の産額を上げているが、政府の国内不足鉱物増産要請があるにもかかわらず、今回の料金改訂により地区内代表鉱山について調べて見ると、電気料金が銅、鉛、亜鉛鉱山においては三三・六倍、硫化鉱では三倍、金山においては二倍にはね上り、増産は阻害され、特に金山についてはその買上価格が統制されておるので、経営放棄の危機に直面しておる。更に金属鉱山の最終製品価格に影響するのみならず、これが順次加工業者に渡るごとに料金値上げの影響が加重されて行くから、インフレ激化を恐れると述べております。対策としては排水、通気、鉱水の処理等に要する約三割の保安電力を低廉に供給すること、水火力調整金制度の廃止、電力会社の経費節減及び再評価額の引下げ等を要望しております。常盤炭鉱の林田という人は磐城炭鉱の特質として出炭一トン当り二百キロワツト時を要し、今回の値上げは致命的であるから最高三割以下にとどめてもらいたい。需用家は電気料金合理化のため巨額の資材と資金を投じておるが、当社としても集約受電を有利として約六千万円を投じて変電所を建設中にて九月には完成する予定であるが、今回の料金制度の改編は甚だ迷惑である。三千キロ以上に対する割当制、負荷率割引、力率割引等の制度を存置し、炭鉱の保安電力については特段の取計らいを希望する。現在のごとき電力不足の際は国として自家用火力発電所の利用を推進すべきであるが、現状では自家用所有者は割当電力の制約を受け却つて不利な状況にある。料金制度改訂を機会に自家用火力発電所を以て需用家が欣然として需給調整に協力し得るような制度を採用されたいと述べております。山形県の商工会議所会頭代理窪山氏は、天恵に乏しい東北の振興には農官低廉な電力の供給は欠くベからざるものである。然るに今回の大幅値上案は閉店続出の中小企業の不振に拍車をかけるものである。設備の補修や電源開発は当然実行せねばならんが、東北産業の実情を考慮に入れず高率値上げを実施することは同意しがたいと述べております。宮城県生活安定主婦連合会の薄田さんは、今回の値上案で定額電燈が八割値上げとなることは明るい家庭生活を望む主婦として納得しがたい。電力会社は技術的改善や企業の反省を行なつた上で値上げの止むなきを訴うべきである。割当についても大口と同様に家庭用電力割当の適正を望むと述べております。更に東北鉄鋼協議会会長代理の大野氏は、今回の値上案は七割九分と言われているが、鉄鋼関係工場につき個別に計算して見たところ、十割乃至十五割という結果が出ている。鉄鋼の生産原価に占める現行電力費の割合は品種により一様でないが、少ないもので五分、多いものでは三割五分に達しておるから、電力会社の値上案がそのまま実施されると電力費の値上がりのみで最低一割、最高は三割から五割の値上がりとなり、他の物価からのはね返りをも考えると、原価高は飛躍的なものとなり、日米経済協力の線から価格引下げが要望されておる際の今回の値上げは、負担に堪えない。東北地方は低廉なる電力を産業の呼び水として発達して来たものであるが、その水力に対して九億円の水力賦課金の負担を負わすことは不当であるからこれを削除されたい。なお原価内容を検討すると、再評価限度及び定率法の採用、修繕費の上げ方等に関して値上げを最小限度に食いとめようとの努力の跡が認められないことを遺憾とする。昨年度の料金原価が四十七億であつて支出実績は七十一億にて収支のバランスがとれた実績から見て、今回の案も相当大幅の圧縮が可能であると断定し、なお三千キロ以上に対する割当制の存置、三千キロ以下に対する割当制の復活、設備補償料金制の実施に当つては電圧の降下、周波数の低下、停電等電気事業者の責任に帰すべき補償と同時に実施すべきこと、料金改訂後も特殊電力の確保に努めること、及び料金改訂に当つては三カ月間の予告期間を置き註文生産品に対する不測の紛糾を防止すること等を要望されておりました。更に高倉氏は三千キロ以上に対する割当制の存置は結構であるが、小口に対する一律割当は困る。中小企業のためにも地方別に調整保留を与え、修正をされたいと述べています。宮城県知事代理の坂本商工部長は、中小企業につき今回の値上げによる支払料金を算出して見ると、二・六倍乃至一・八倍になる。然るに受注はすべて入札制度で競争が激しいから製品の値上げは不可能で、生産者の負担となる。これが対策として水力賦課金の廃止、電力会社の企業合理化、割当制度の合理化、需用料金の引下げ、電気料金の手形払等を要望しています。新潟県電気炉工業電力確保委員会会長江原氏は、電気事業者の企業合理化を強く要望すると共に、地域差は本質的に存在すべきものとの観点から水力賦課金の廃止及び融通電力量の伸縮性を要求し、電気工業ごとく電気を原料とする需要に対しては特別契約の途を残し、なお準常時的料金制を設定して操業の安定を期されたいと述べております。山形県議会経済部常任委員の鈴木伝六氏は、立地条件の悪い東北地方を開発するには電気料金を関東、関西より三割低廉にすべきである。そのためには電力会社の内部整理を行わねばならん。新会社には三十八課あるが、これでは煩雑であつて運営は困難である。値上は三割にとどめ、企業を合理化し、官僚的経営から脱却せよと論ぜられました。宮城県耕地協会の牛田義治氏は、宮城県の水田は六五%までが灌漑排水を要する、今回の案で二割引をされることになつたのは感謝に堪えないが、もとは三割引されていたのであるから、極力負担の軽減を図ると共に割当の確保を望むと述べております。新潟県議会の池田議員は、他の参加者と同様に経営合理化による値上率の低下を望むと共に、電源県としての新潟県に対し低率な料金制度の設定を望んでおられました。なお派遣議員側より値上はどの程度ならよいかとの質問に対し、二割又は三割という声がありました。 なお北海道電力の調査に関しましては同僚の須藤委員から御報告をお願いすることにいたします。
○須藤五郎君 椿議員の報告に続きまして北海道の調査を報告いたします、 北海道電力会社におきましては、最終案において二億九千五百八十三万六千円、原案に比し四・一三%の総括原価引下げを行なつております。その項目別内訳は別表1に示す通りでありまして、金額からいいますと、修繕費の一億九千八百八十四万円を最高とし、その他に諸費、運炭灰捨費、役員給与、給料手当、需用者指導費等から削減を行なつております。これを比率で申しますと、役員給与の七三%減を最高とし、運炭灰捨費の二四%修繕費の一八%需用者指導費の一七%減等があります。 次に削減の内容について説明しますと修繕費については原案の一般修繕工事費が六億七千九百六十万四千円、損失軽減工事費四億二千八百二十二万円、合計十一億七百八十二万四千円に対しまして、今回の最終案は、九億八百九十八万四千円でありますから、原案の一般修繕費より二億二千九百万円多く、前年実績の八七%増となつております。 諸費におきましては、原案に比し二千九百六十八万六千円を減額しておりますが、それでもなお前年実績の二割増であります。 運炭灰捨費の減額はトン当り単価二百六十二円を二百円に引下げた結果であります。役員給与につきましては、役員数を定款の二十名から十一名に切下げ、そのうちの非常勤務役員の給与を十五万円に切下げたことと、理事十名分の給与を給料手当の項に繰入れた結果であります。給料手当の項は配電関係従業員の三%を建設費に振替えたための二千五百六十九万四千円の減と、理事給与の繰入れによる九百六十万円増との差引減であります。需用者指導費につきましては、在来の経費については旧自発配電合計実績の二割増をとり、別にサービス強化運動費として、一千三百五十万円を加算したものが最終案でありまして、これは在来の実績の八割増をとつた原案に比しまして、一千三百七十九万四千円、一七%の減額となるのであります。減価償却費については本質的の変化はないのでありますが、基礎数字が全般的に変化をしておりまして、結果的には約一千五百万円の増加となつております。これは工事負担金施設に対する減価償却費の半額を新たに計上し、別に陳腐化資産に対する償却を減じた差引増に大略一致いたしておるのであります。 以上を総括いたしますと、減額の模様は東北電力と大同小異でありまして、当委員会の空気は反映はしておりるますがまだ満足するに至つていないと思うのであります。原価引下げによる原資は定額電燈、業務用電力、小口及び大口電力、並びに臨時電燈等の引下げに当つておるのであります。新会社の機構は再編成前の日発四部十七課配電の六部十五課が九部三十課に再編されております。社内の空気は別に異常なく、出身別を忘れるように仕向けておられる社長の努力も認められるのであります。 重要工事の進捗も、再編成の影響なく順調に進んでいるとの話でありました。北海道電力の他社と比較して不利な点は、中央から離れているとのことであります。東京において打合せに招集される場合も大抵は間に合わず、役員を常駐せしめねばならんこと、工事費が内地に比して二割方高いことなどは悩みの種であると申されていました。 札幌市における座談会は六月二十三日午後一時半から町村会館に開かれ、道内各階層から約五十名の参会春を得て岡崎支局長司会の下に進められました。仙台市におけると同様に電力会社の最終案が一般に周知されていないときでありましたので、先ず会社側から案の概要に関して説明がありましてから、札幌市交通局の立花氏は市電も同じく公共事業であるが、常時基本割当は二割不足し、特に冬期積雪季には除雪や抵抗のため所要電力が夏より二割増加するのに、割当は反対に二割減じられる。前の改訂案によつて試算すると、今回の値上げで十割以上の値上げとなる。これでは公共のために努めるほど損失を増すことになるから考慮を望むと述べ、北海道製鋼の木村氏は、大口甲の需用者であるが、電力使用の合理化によりピークを減少しても、それだけ設備補償料金を徴集されることは納得しがたいと述べています。北海道指導農業協会の代表者のかたは、電気事業が低物価政策のしわを伸すと、農村に響いて来る。農家の電気使用量は少いが、電燈料に、水関係に、又農村工業に響いて来る。農産原価の二割を占める肥料や農薬も上るが、米価の値上げは簡単に期待しがたいから電気料金の改訂については高い政治的見地から善処されたいと述べています。清水工業の岡崎茂治氏は、旧案によつて試算してみると、実際の支払いは二倍以上となる。これでは承服しがたいから、電気事業経理はガラス張りとし、適正なる料金とされたい。公益委員は五人であるが人数が少い。元電気事業出身者の入つていることもよろしくない。電気料金の決定は影響するところが大きいから、衆参両院にて決定するよう変更願いたいと述べています。富士室蘭製鉄の大沼氏は、大口甲の需用者として旧案によつて試算してみると、二・七倍となるが、何故それほど上げなければならんか了解に苦しむ。会社経営上必要とあれば止むを得ないが、建設資金にでも向けるというのであれば精強計画を需用家の前に明瞭にしなければならない。自分の社では自家用を焚いて所要電力の九七%まで賄つているが、何ら補償の途がなく、自家発電にも火力補給金を出すことを考えてもらいたい。当社では年に二億円から三億円を自家発の修繕に投じていると述べています。札幌放送局の信楽氏は、道内の放送聴取者の九五%までは高周波一段の受信機を用いており、所要馬力は大多数が二九・八ボルト・アンペア以内であるから小型器具の料金率に三十ボルト・アンペアの段階を設定されたいと述べております。別子鉱業の高野氏は鉱業者の立場としてはすべての鉱産品が自由価格となつているわけではなく、金のごときは戰前価格の三十倍に抑えられているから、電気料金の値上によりコストを引下げることになると、低品位の鉱石は放棄することになるから、国家的に損失が大きい。設備補償料金制を設けてピーク・カツトをやることは矛盾ではないか。新規需用制限に対しても緩和をしてもらいたいと述べております。北海道水産業協同組合の中野氏は、中小企業は原料高の製品安に苦しんでおり、一般の購買力もないから、料金値上によるコストは吸収し得ない。改訂案を見ると、支出面が徒らに多く、収入は過小に見積られていると感じられる。公益事業委員会での決定は不安であるから国会できめてもらいたいと述べておられます。北海道水産冷凍協会の酒井氏は、電力会社の説明書には製氷事業に占める電力費の割合は〇・三%と書いてあるが、協会の調査では二〇%となつており、七割上げると更に比率は高くなる。実例について調べたところでは、二倍乃至四倍という数字が出ているから御調査を願いたい。電力費がそれだけ上つても製品はそれほど上げられない。製氷事業はその性質上夏の生産が多く、冬は少いが、今回の料金制でとり上げている設備補償料金を徴収されると更に余分の支払をしなければならなくなると述べております。北海道電力民主協議会の長島氏は、再編成後の七割値上げ案は、電気事業の公益性を無視するもので承服しがたい。食い足りない割当制によつて超過により二倍、三倍の料金を取る方式は看板に偽りあり、再編成を限度一ぱいに行うことは先般市会でも大議論のあつたところである。今回の値上げの理由は人件費、石炭費、税金、設備の復旧にあると言われるが、合理化の必要があるから、国民の納得するよう努力されたい。国民生活に重大関係のある料金値上げには国会も十分に連絡を保たれたいと要望しています。 山田所長から経理内容は公益事業委員会に提出してある。企業の合理化は当然に努力するが、石炭は七月から値上げが予定されている。今後の建設には四百億円を要するが、本年度は四十億円を要する。又前回の逓増料金制では二倍にもなる場合があるが、今度の割当制ではそれほどにはならん旨の説明がありました。 加賀委員からは、割当の不適正が問題の種となるが、公平なる割当方法の案があるかとの質問に対しまして、北軍民協の長島氏は、電気の消費失態はなかなか把握しがたいから、少数の役人や電気会社ではできない。これを明かにするためには、官民合同の電気審議会を作つてやらねばならんと述べられております。 以上で座談会を終り二十四日より二十人目まで道内各地の視察を行いましたが、時間の関係から詳細は省略することにいたしまして、重要事項数点の御報告をいたします。 砂川の東洋高圧訪問において、両者の料金試算を見ますと、現行料金における年平均単価を一としますと、第一次案にありましては三・五六倍、第二次案では二・三倍となつております。但しこれは通常の割当がある場合でありまして、超過使用を増す場合には更に高くなることは当然であります。硫安一トンに対する電力費の値上りは、第二次案によりましても、千五百六十円となり、年支払料金は砂川一工場におきまして約二億円の増加となるのであります。需用家が料金問題に如何に真剣であるかはよくわかることと存じます。砂川火力発電所は昭和二十四年十二月着工、本年三月末に二方七千キロ・タービン一台及びボイラー三罐の竣工検査を終つております。一日二百七十トンの石炭を要求しておりますが、百五十トン程度しか入炭がなく、石炭生産地でも入炭の容易ならん模様が窺われた次第であります。 雨竜発電所は設備容量五万一千キロの北海道第一の水力発電所でありまして、一億八千万立方メートルの貯水地を有し、サイクル調整の役目を持つておりますが、水路に亀裂があつて修理を要するとの話がありました。修理の緊急性については專門的な調査を要するのでありますが、かような点に電力会社の心配する理由も認められるのでありますが、北海道における電力不足の実情から見まして、雨竜に代る程度の発電所の開発が望まれる次第であります。層雲別、阿寒川、然別湖等を視察いたしましても、開発地点には不足することなく、国立公園との関係を考慮の上、これらの開発が結局電力問題の解決峰あることを痛感した次第であります。 以上を以て調査報告を終りますが、調査に当りまして、快く便宜を與えられました現地の支局及び電力会社の関係者に深く感謝する次第であります。 なお、この際現地調査とは関係ありませんが、当委員会として先般調査の上から東京電力に関する事項を御報告して置くほうが便宜ではないかと考えます。東京電力に関しましては我々委員としまして直接調査に出向く機会を失つたのでありますが、東京の專門員の調査結果を簡単に御報告いたしたいと存じます。東京電力会社では、最終案として前回の委員会に原案より十七億一千五百五十三万円、六%を減額したものを提出いたしております。而してその削減内容は、先刻御説明しました表の3に出ております。数字は表によつて御覧願うことにいたしまして、削除の内容を簡単に説明いたしますと、修繕費においては腐朽電柱建替二億四千万円、高圧線改修工事費二億二千万円の二件を削除し、その他は工事費の節約によつて捻出いたしております。諸費においては所要経費の二割を節約することにしていますが、更に内容的には消耗品一億円、雑費一億二千万円の減額を考えております。給料手当の項目は理事給與の単価を八十万円から七十方円に引下げ、建設費振替人員を五%から七%に増額、基準外賃金の五%引下げ等によつております。運炭灰捨費は単価を百三十五円から百円に引下げた結果であり、役員給與は定款人員二十二名を現在人員十九人との比率による引下げであります。以上を以て第一班の報告を終つております。なお我々の報告は我々の所属する政党の意見、或いは我々個人の意見を今回は差控えて現地で調査した事実を御報告したものであります。
○委員長(西田隆男君) 只今東北、北海道、東京電力について須藤、椿両君から調査の報告がありました。御質問がありましたら御発言願います。御意見ありませんか。御意見がないようですから、それでは次に中部関西方面の調査について、古池信三君から御報告を願います。
○古池信三君 先般派遣されまして関西及び中部方面に行つて参りました調査の概略について、私から簡単に御報告申上げたいと存じます。 私ども第二班は岩木委員及び私の両名が参つたのであります。七月三日から数日間に亘りまして、大阪府、愛知県を中心として電力問題について調査をいたしたのであります。調査は当面重大なる問題となつておりまする電気料金の値上げ問題を中心にいたして進めたのでありまするが、先ず順序としましてそれぞれの地区において、最初に電力会社に参り公益事業委員会に今般提出されました料金認可申請書について総括的な説明並びに会社側の意見を聴取し、そのあとで大阪市及び名古屋市において、附近の各地のかたがたに集つて頂いて、一般消費者代表者との座談会、並びに各産業団体代表者の座談会、それぞれ二回ずつ座談会を開いてそれぞれの立場から詳細なる意見を聴取いたして帰つたのであります。 先ず第一に関西の電力会社において先般当委員会において説明を聞きました改訂案と、最終の認可申請書とを比較いたしまして説明を聞いたのであります。その説明によりますると、総指原価の面から見まするならば、役員給与、修繕費、諸費、この三点が相当削減さるれておるように見て参つたのであります。役員給与につきましては、元の案では役員二十二名に対して年額単価九十万円、従つて合計千九百八十万円でありましたが、この役員二十二名を十六名に減じまして単価は八十万円として、結局三五%経費を減じております。 修繕費につきましては、当初は五十一億六百万円が、修正案によりますと、四十五億八千百万円となり、一〇%以上の削減を見ておるのであります。この削減されました修繕費の内訳は、全部いわゆる特別修繕費でありまして、電柱立替費の二億七千九百万円、期満計器取■費一億四千万円その他となつておるのであります。更に諸費約一億円の削減、これと台計いたしまして全部で六億三千万円の縮減をいたしておるのであります。これを収支計算の面で見まするならば、電燈料金収入の百十五億二百八万円が百十三億四十六百万円、一億六千百万円の減になります。電力料金の収入におきましては百七十九億三千六百万円が百七十四億千六百万円、約五億千九百万円の減となります。料金の原価について比較いたして見まするならば、電燈の料金は十円十九銭が十円四銭になり、現行の六円三十一銭に対しますると丁六一倍が一・五九倍に下つております。又電力料金につきましては四円三十六銭という原案から四円二十三銭に下つておりまして、現行の二円四十一銭に対しては一・八一倍から一・七五倍に若干減つておるのであります。すべて平均いたしますると、当初案一・七三倍か一六・九倍になつております。即ち七割三分値上げが六割九分値上げということになつたわけであります。 会社の説明を聞きまして後に、一般の消費者代表のかたがたといたしまして、農業団体、労働団体、婦人団体、中小、商業団体等のかたがたに集まつて頂きまして、それぞれの御意見を聞いたのでありますが、重複しておる部分はこれを省略いたしまして、概略を整理して御報告申上げますと、先ず第一に電力会社自体の健全経営ということのみを主眼としておるように思われる。事業本来の公益的性質が余り考えられていない、換言すれば消費者即ち国民大衆の経済状態ということは一向料金値上げに関して考えられていないではないかということが第一に言われております。 第二点としましては電気事業は基礎産業であるから、料金の値上げが直ちに他の産業に影響いたしまして、従つて物価の騰貴を招来し、物価体系を混乱に陥れ、インフレ傾向の助長に拍車をかける。その結果は市民生活の安定を脅やかし、文中小企業の経営を極度に困難にする。いわゆるはね返りの問題が誠に重要である、こういう御意見であります。 第三番目としましては農事用電力料金の値上げは、殊に弾力性に乏しいところの農村の経営を圧迫し、農業を全く危殆に陥れる虞れがある、 かい摘んで申しますると以上のような理由でありまして、この料金値上げに対して反対をする意見が多く、今後一層会社の企業の合理化、更に再評価の問題、減価償却の方法に関する問題、或いは石炭費の予定等について根本的な再検討を要望されておつたのであります。特に婦人会関係のほうからは、家庭用の電気は他の産業用とは違つて、これを他に転嫁するという余地は絶対になく、すべてこの家庭において負担せねばならないという場合で、もはや料金値上げを認める余地は絶対にない。特に同じ電燈といいながら、享楽的な用途に向けられるものは、これは或る程度値上げをして一般家庭の電燈との間に相当差別をつけるべきであるというような意見も出ておつたのでありまするが、ともかく家庭の立場からは絶対反対であるという声を聞いたのであります。 更に次いで産業団体代表のかたがたの座談会におきましては、先ず鉄鋼連盟の関西支部から、現在の電気料金は比較的には安いということが言える。なお設備の荒廃の甚だしい電気事業において正当なる資産の再評価をし、適切なる減価償却をして、電気事業を健全なる業態に戻すということがそれはよくわかるが、併しながら一挙に六割九分というような高率の値上げをするということは、公益事業たる性格から見ましても、又その与える影響が案に深刻重大であるという面からいつても、今回の値上げは必ずしも妥当ではない。鉄鋼連盟関係で計算したところによると、大体二割六分見当の値上げが妥当ではあるまいかと思うという発言があつたのであります。この意見を更に敷衍いたしますると、電気事業の企業内容の合理化がまだまだ不十分である。例えば諸費であるとか需用家の指導費であるというようなものは、発送配電一元化による合理化を全く無視した主張であり、これらは昨年度の実績を認めればそれで十分であると思う。又電気事業の健全化ということを考えることが非常に急であつて、国の全般の経済事情であるとか、或いは事業家の負担能力がどうであるとかというることは全然考慮に入れられていない。例えば減価償却についても定率法を採用して早急に設備の更新をするということは、即ちこれが電気料金の急激な値上りを招来するわけで、よつて以て他産業に与える影響は誠に甚大である。電気事業会計規則を見ても、原則として償却は定額法によることに規定されてあるから、我が国の目下の経済状態等を勘案して再評価も限度額に対しては七〇%程度にし、更に償却は定額法によることが最も妥当であると認める。又修繕費についても昨年度一般修繕費をそのまま据置きにする程度で妥当であると思う。その他特別費の削減、仮払修繕償却費の損失計上による経費の削除等を圧縮するならば、二割六分くらいが妥当であるという意見を述べられたのであります。 次いで紙、パルプ関係代表者からは、主として料金制の立場から先ず第一に今回の申請書には、火力料金適用限度が削除されておるが、割当制度の存続することによつて火力料金の適用限度を設くべきである。第二としては、申請書には最大需用電力が契約電力に満たない場合には、設備補償料金を徴収することになつておるが、これは根拠がないと思うから撤廃すべきである。第三には、オフ・ピーク電力を五百キロワツト・アワー未満の需用者にも適用されたい。そして適用期間中の料金は全部標準料金とし、割引率を大幅に引上げられたい。第四としては、電圧の低下、電気使用制限、並びに緊急停電等に対しては産業及び民生の安定に重大なる影響を及ぼすので、これは電気事業者のみが一方的に実施すべきではなく、その方法等については公益事業委員会支局、電気事業者、需用家とそれぞれ協議の上で決定すべきである。なお、使用制限、緊急停電等は重大な契約違反であるから、これに対しては会社側において罰則を設けることが妥当であると思うというような意見もあつたのであります。 更に印刷工業代表者からは、申請書によると、平均六九%の値上げとなつているが、これは実際の値上率とは違つておる。申請通りに実施する場合には、印刷工業においては二・五倍程度の値上げになると思う。再評価については、他産業並みに限度に対しては、六〇%内外とし、償却方法は定額法を採用して将来の建設資金は飽くまで外部から調達すべきである。石炭費の見積りは設備能力から見まして、過大であり、量とその価格について更に綿密に検討される必要がある。石炭の輸送については、輸送力を動員する等の方法によつて政府が従来通り将来も大いに協力すべきであると思う。料金値上げは国会において議決するようにすべきであると思うという発言もなされたのでありました。 最後に製パン組合関係者からは、製パン業の特殊性に鑑みまして、業種別料金を考慮されたいという要望がありました。その他一般的意見といたしましては、現在の三千キロワツト未満の需用に対するいわゆる凍結式割当方法は絶対に廃止し、電熱料金制度も反対である。値上げの時期については、決定後三カ月程度の猶予期間を置かれたいという意見が強く言われておつたのであります。 更に電気料金問題とは若干話が違うのでありまするが、大阪におきまして各界一致した意見としましては、電源の帰属変更反対の問題であります。現在一応きめられておりまする電源の帰属を将来変更されることになれば、関西の電力需給の上に大きな支障を来たすので、これに対しましては関西としては絶対に反対であるという強い要望がなされたのでありました。 以上を以ちまして関西における座談会を終つたのであります。 次に中部に参りまして、中部電力会社に参つて説明を聞いたのでありますが、中部電力会社は総括原価の面において、役員給与で六百七十五万円、給料手当で七千七百万円、運炭灰捨費で千人百万円、需用者指導費において二千五百万円、修繕費において三億円、その他研究費、養成費などを合理化し、総計において四億八千万円の縮減を図つておるのであります。従業員の給料は配置転換によつて経費支弁を減らして、建設費支弁に振替え、修繕費は一般修繕費の中から配電線工事費を削除し、特別修繕費の中から無効放流防止のための水路及び水車修理費を削除し、極力償却費支弁として修繕費の軽減に努力をしておるのでありますが、昭和二十五年度においても十四億八千万円の修繕工事を実施、これによつても料金収入面より甚だしく制約を受けておるために、現状維持のための絶対に必要とする修繕費二十五億円の半数にも過ぎなかつたという説明であります。二十六年度は、最小限前年と同程度の工事を必要とするが、物価の値上りを考えて、三〇%程度の工事費の増加は避けられないために、一般修繕費の十六億五千万円は真に止むを得ない工事を施行するに過ぎない状態であるという説明を聞いて来たのであります。 支出の面で見ますると、人件費が一億二千二百万円、三・五%減、準人件費が千五百万円で三・三%の減、物件費において三億千八百万円、一〇・七%減、その他の経費が二千五百万円で一%減、収入面では電燈料金が十二万円、電力料金四億五千万円、その他を含めまして、四億八千万円の減となつております。その大部分が電力料金の軽減に向けられておるように見て参りました。これを値上率に直して見ますと、電燈料金においては九円三銭から九円になり、倍率は一・五五倍で据置であります。電力料金においては、三円八十五銭から三円六十八銭、一・八一倍から一・七四倍と大幅に引下げられ、平均をいたしますると、四円九十九銭から四円八十五銭、一・六九倍から一・六五倍になつておるのであります。即ち、産業に及ぼす影響を極力防止するという建前から、大口電力料金の軽減を図つておるように見受けられるのであります。 名古屋におきまして座談会を二回催したのであります。この機会には電力会社からも出席してもらいまして、或る程度の質疑も繰り返し、相互に電気事業を健全化しようとする真剣な意見を見たのであります。その主なものを申上げますと、東海北陸鍛造協会の意見としましては、或る程度の値上げ、即ち当時新聞に報道されましたごとく、通産省が主張しておる平均三割の値上げくらいの程度は止むを得ないと思う。併し、これは段階的に行つて、更に予告期間を置くべきである。又昨年一昨年等、経済界が混乱しておるときの数字を基準にして今後を測るということは、誠に不穏当である。更に減価償却を適正にされたい。発送配電一貫経営による送電ロス、擅用等の軽減には特に努力を傾けてもらいたい。現行二五%は更に縮小すべきである。現に昭和十九年は一九%までロスは、減少しておる実績に徴しても技術的に大いに研究すべきである。更にその上に、企業の合理化を徹底的に実施されたいという発言があり、又鉄鋼連盟の支部からは、東海地区鉄鋼業の発達の特異性が豊富低廉なる電力に恵まれた電源地帯としての立地条件を背景としておる関係上、電気炉による製鋼業が発達して来ておるし、又他産業におきましても、石炭よりはむしろ電気を動力源とする産業が多く発達し、このような産業構造は将来自由経済の発達と共にますます顕著となる傾向にあるから、料金決定に当つては地域差を認められ、低率にとどめらるべきであるという要望が一般になされておつたのであります。又東海化学工業協議会からは、料金決定に当つては単に物価指数上昇のみを基礎に考えることは不穏当で、或る時期に或る程度の産業が成立するか否かはその時期の経済界の状況をよく考慮する必要がある。その意味において、今回の案のごときは、時期と方法とにおいて大いに再検討の余地があると思われるから、先ず第一には、電気化学工業が経営力を失わないように業種別料金を考慮すべきである。第二には、九分割されたからにはおのおのその特徴を発揮した料金が決定されることが最も妥当であり、望ましいことであるという御発言がありました。次いで公益事業関係としては、水道、私鉄関係者からそれぞれ公共性の高度のものに対しては特別な低率料金決定を望み、特に私鉄関係はこれ以上の値上げは吸収の余地がないという意見の開陳がありました。名古屋水道局長から、中部地方の水道関係者を代表いたしまして、次のような意見が述べられました。要約すれば、第一は、水道のごとく二十四時間一定の電力を使用しておるものは、負付率割引を更に大きくしてもらいたい。第二に、緊急停電、サイクル低下には相当な割引を考えられて欲しい。第三には、自家用の変電設備を施設しておるものについては大幅な割引を考慮されたい。かような希望が述べられたのであります。更に又冷凍協会、製パン組合等からも、各事業の公共性、又電力の特殊な使用実績から特別料金を設定されたいという意見が開陳されたのであります。 次に一般消費者代表の座談会を開いたのでありまするが、これには岐阜長野、三重、静岡の各県から約四十名近くの代表者が参集されまして、各県の特殊性を強調された発言が多くあつたのであります。長野県電力委員会及び長野県市町村会よりは、先ず第一に、電源県である長野が、東北関東よりも高いというのは不当である。即ち県内に発生する電力量の八五%を県外に送電し、送電ロスの少い電力を使用し、且つ年々莫大なる額に上る災害復旧、河川改修、林野砂防等に多額の県費を投じ、水源の涵養、河川の管理に力に尽し、電気事業に多大の寄與をいたしておる本県が、農業揚水の使用にさえ事欠き、消費地よりも高い料金を支払うという矛盾は如何にしても了解しがたいから、本県の特殊性を認め、大幅に引下げてもらいたいという意見、第二に、電力は長野県の産業立地上の唯一の好条件であり、又農業に占める電気料金の率も高いので、今度のごとき大幅の引上げは、本県産業界を倒壊に瀕せしめ、県民生活に甚だしい悪影響を及ぼし、長野県民の死活問題でさえあるという強腰なる意見の開陳がありました。又岐阜県議会からは、今回の公益事業姿県会の聴聞会の前に認可申請書が十分に余裕をとつて明示されていないのは甚だ不穏当である。事前に十分に校訂をなす余裕がない。これは聴聞会の運用上の欠陥であつて、今後十分に注意するように配慮願いたいということでありました。第二には、農業用排水の電力は、豊水期にのみ使用するものであるからして、常時料金の少くとも三割引程度の特殊な料金として設定をされたい。第三に、設備補償料金制は不合理であるから廃止されたいというような発言がありました。又愛知県教育農業協同組合からは料金値上による一般物価のはね返りは、農家は到底負担できないという発言があり、又三重県灌漑排水対策協議会からは、電力料金値上げが直ちに肥料農機具の値上りとなり、現に相当な値上りを示しておるものもあつて、米麦の価格さえ決定していないときに、電気料金を値上げすることは農家には非常な悪影響を及ぼすものであり、十分考慮してもらいたいという意見でありました。 以上各地を通じまして、電気料金の値上げは公益事業委員会のみで決定されてもこれには承服できないので、国会は世論を十分に反映して、物価政策或いは農業政策とも一致した電力政策を樹てるべきである。これがためには公共事業令の改正も考慮する必要があるのではないかという意見が相当まじめになされておつたのであります。 以上で名古屋を中心にした中部地区の事情を終りたいと思います。 最後に、今回は現地について調査する機会を得なかつた北陸関係の分につきまして、原案と最終案との比較を簡単に申上げて見たいと思います。 北陸電力会社の経費削減の主力は、修繕費の約一〇%で一億三百万円、その他については、金額的にはさして重要な影響はないのでありますが、運炭灰捨費の四五%、雑損失の四一%、石炭費の三一%、役員給與の二〇%等、大幅の削減を加えているようであります。その内容を概略説明いたしまするならば、修繕費は全部配電関係でありまして、一般修繕費において三千五百万円、特別修繕費において六千七百万円となつております。諸費につきましては、雑費二千二百万円、一五・四%が主力でありまして、消耗品費その他、委託手数料、被服費を若干削減しており、石炭費におきましては三一・五%を削減して、これに対する火力発電量は三九%の減少となつておるのであります。又、雑損失は、事業貸倒損を企業努力によつて補うという意味合から、ゼロに見込んだものであります。その他、役員給與におきまして、増員予定の五名を削減し、又同じく増員予定の理事二名を削減し、単価を年額八十万円から七十二万円と減額したのであります。以上、甚だ簡単でありましたが、関西中部、最後に北陸の分を概略報告申上げた次第であります。
○委員長(西田隆男君) 只今中部、関西、北陸に関する調査報告が、古池君からありましたが、何か御質疑ありましたら御発言を願います。
○山川良一君 今日の新聞に、関西経済連合会は五三%の値上げを必要と認めるというようなことを一応内々決議したように書いてあつたですがね。大阪方面でそういうふうな話がありましたか。
○古池信三君 只今私が御報告申上げましたように、産業団体のかたがた、これは四、五十名来ておられたと思います。各業界の人の集られた座談会の席上において、或る程度の値上げは止むを得ない。併しそれも今お話のような五割というような戸は、私は聞いて参りませんでした。大体二、三割というところが妥当であつて、特にその大きな理由は再評価と減価償却、更に修繕費、こういうような問題が特に言われておつたのであります。五割の値上げが妥当であるというような声は、私が調査に参つた席上では一切開いておりませんでした。
○委員長(西田隆男君) ほかに御発言ありませんか。……御発言がないようですから、それでは最後の中国、四国、九州の調査報告を、吉田法晴君にお願いいたします。吉田法晴君。
○吉田法晴君 只今から第三班の、四国、中国、九州地方の視察の経過並びに状況について御報告を申上げます。 派遣されました議員は、私と自由党の小野委員の二名でございまして、六月二十一日から三十日まで十日間でごさいました。視察をいたしました順序に従つて各地区ごとに御報告を申上げますが、特に今回の調査につきましては、各地区とも極めて熱心且つ広範囲に亘る関係者の御協力によつて、各電力会社所在地における座談会のごときは、会場に溢れるばかりの出席者を見、会を閉ざす機を見出すのに困つたほどであります。その熱意のほどが測り知れると思うのでございます。 先ず最初に、四国地方に参りまして、四国電力を訪問、今度の新たに提出されました申請書について説明を聴取いたしました。特に前回、参議院の当委員会において説明されました七割五分値上案と、今回の七割値上案についての相違点を申上げます。先ず総括原価面において、役員、理事給与を九十万円を六十一万円、これは現在支給されておる金額であります。九十万円を六十一万円に減額し、理事の給与八十万円を七十万円にそれぞれ減額、修繕費において二十五年度の五六%増しを三八%増しにして、約一億円の減、特別費において五%減、約四百万円、諸費において四%減、約九百万円、委託火力発電費においては、住友共電に対する委託火力に対するキロワツト・アワー当り単価を六十銭を八十五銭に増額、その費用約四千万円、総計において約七千八百七十万円の減額にして、七割値上げにとどめたとの説明でございました。 収入面においては、住友共電直配収入約六億八千四百万円、一般配電の収入が約四十八億四千七百万円、計五十五億、キロワツト・アワー当り単価五円十三銭六厘から、五円六銭となつたとの説明でございました。 これが料金面においては、定額電燈において一割六分引、大口電力において九分引となつております。特に四国電力におきましては、対住友共電の問題について触れ、自家発返還問題についての意見を聴取いたしました。四国電力としては返還の意思は全くなく住友共電としては早急なる返還要望があり、将来の問題として両者の善処を要望した次第であります。 次いで高松においては公益事業委員会支局長の司会の下に、関係者との座談会を開きました。出席者は各官庁関係、各種産業団体、地方自治団体、労働組合等二百名にも達しました。先ずその発言の要旨を総括的に判断いたしますと、殆んど出席者の全部が、一挙に七割の値上げをすることはその影響するところが致命的で、特に産業、国民生活の破壊であり、絶対反対であつて、どうしても値上げが必要であれば最少限度にして、段階的に上げてもらいたいという趣旨でございました。そのときの各代表の発言は陳情書の形で提出してございます。四国冷凍事業協会代表の発言によりますれば、七割値上げは実際において二・七五倍の値上げになり、氷一トンについて三百円の値上げとなり経営困難になるとのことでありました。又四国四県議会議長会においては、電気料金値上げ反対の要望書が提出され、なお各県議会電力委員会、各市議会等からそれぞれ値上げ反対陳情書が提出され発言がございました。なお、それらはすべて値上げ反対で新電力会社はもつとみずから合理化してから値上げ案を提出すべきであること、電気事業の経理を公開すること、再評価は六〇%にして償却は定額法によること、公益事業委員会は聴聞会の意見を殆んど尊重しておらず、これは民主政治の理念にもとるものであつて、我々国民としては納得できない。料金決定については制度上の改革をすること、基礎産業たる電鉄、水道、農業用については政策料金を設けること等の要望がありました。なお四国地方の特殊産業である製塩業について、特に專売公社より発言があり、四国は全国の二分の一の塩を作つておるが、目下国の方針として内地食糧塩の自給が企てられておるが、今回の値上りによりトン当り電力原価が百五十八円から四百四十五円となり、これは直接小売価格の値上げによるよりほかに途がないとして農業用電力並みの政策料金設定の要望がございました。四国鉄道よりは今回の値上げにより、電気料金は一〇〇%増加して、三千四百万円の支出増加となり、これは管内で使用する枕木の代金が六、七千万円であるので、その半分が電気料金に喰われることは困る、政策料金を設定して欲しいとの要望もございました。又高知県におけるカーバイト工場においては、北陸に比してトン当り九千円の差ができ、これでは企業の運営はできない旨の発言がありました。なお電産代表よりは電気事業は現在までその疲労が表面に表われなかつたことを奇貨として、料金に補修費を認めず犠牲となつて来た。これは政府の責任であり、これを一挙に今回の料金改訂に織込むことは不当であり、独善的値上は絶対反対で、これらは全国的電気事業の一貫運営によつて打開さるべきである旨の発言がありました。特に四国地方では何割値上が妥当であるというような数値的発言は殆んどなく、小野委員らの質問に対し、自家用協会代表より、大まかに見積つて三割五分ぐらいなら消化きるのではなかろうかとの発言があつた次第でございます。 次いで新居浜の住友共同電力株式会社を訪問しました。同社は水力三発電所二万一千九百キロワツト、火力一ヵ所四万八千キロワツト、計六万九千キロワツトの設備を持ち、四国電力からの購入電力と合せ、主として旧住友来会社、日新化学及び同菊本工場、別子鉱業所、四国機械、新居浜化学等、新居浜地区の大口産業に電力供給華美を営んでいるのでありますが、新居浜所在工場の所要電力七万キロワツト、電力量一年間約四億八千万キロワツト・アワーの三分の一を賄い得るに過ぎず、残余三分の二の電力はこれを四国電より購入しなければならない現状で、今回の値上により、これら工場の受ける打撃は極めて人なるものがあり、特に日新化学及び同菊本工場においては今回の値上げにより約電気料金支払額は三倍になり、企業運営は困難であり、値上げは最小限度にとどむべきである旨の要望書が提出されました。当住友共同電力における供給力料金は漸次全国平均単価より高くなる傾向で、例えば昭和二十四年においては全国平均キロワツト・アワー当り単価八十七銭八厘九毛に対し九十六銭六厘八毛と高くなつており、これが数値は値上げにより一層大なるものとなり、重大なる影響がある。以上のごときことを総合的に考えると、当社としては日発に強制出資された水力発電設備七万一千キロワツトの返還以外に解決の途がなく、早急に返還して欲しいとの要望がございました。なお日新化学新居浜工場、菊本工場、別子鉱業所等を視察し、中国地方に参つた次第であります。 先ず広島におきまして中国電力を訪問、今回提出された料金改訂申請書につき説明を聴取いたしました。今回は七割五分案を種々検討し、できる限りの節約をし、七割案にせられた。その主要なる変更部分は、理事給与八十万円を六十万円に減額、給与人件費において約三千七百万円減、修繕費において二億円減、諸費において三千六百万円の減、総額において三億九百万円の減、キロワツト・アワー当り単価六円二十銭を六円二銭とし、結局七割値上げになつた由の説明でありました。料金面においては定額電燈において六分引、従量電燈において四分引、大口電力において七分引になつております。次いで広島におきましては四国と同様公益事業委員会の支局長の司会のもと、山口県を除く各県関係者と座談会を開催、ここでも出席者二百名にも達し、終始熱心なる発言が行われました。その主要な点を御報告いたします。本座談会においては、特に中国電力会社の副社長より、今回の電気料金改訂に関し資料を配布説明され、了承を求められ議事の進行に当られたことは、他の地域に見られなかつた状況で、我々としても非常に賛意を表した次第であります。 中国地方は各県ごとに電力協議会を設置、それぞれ電力会社の申請書を計数的に検討し、値上率を算定しておられるほど熱心でございます。これら各県電力協議会が一団となつて、中国五県電力協議会連合会の一致した要望を申上げますと、資産再評価を一〇〇%とし、償却を定率法によることは妥当でない。会社案には合理化が含まれていない。地域差について、現在以上金額差をつけないこと、地帯間融通を確保すること、そうして値上りのあらゆる物資に対するはね返り等を考慮し、種々検討した結果七割値上は不当であり、平均現行料金の一割九分引上が妥当であるとの趣旨であります。その計数的裏付けとしては人件費において従業員の二〇%減、石炭費において平均単価六百四十円減、消費量において三万トン減、修繕費において一億減、償却費は三分の一にし、総括原価にして約二十四億の減額は可能であるとし、一割九分値上案を作成している次第であります。この趣旨は、中国地方における大部分の消費者が加入している各県電力協議会の一致した意見であつて、中国地方における輿論の趨勢と判断しても間違いないと思われます。従つて、各産業団体その他の発言も大体この線に沿つてなされた次第であります。その他婦人団体代表よりは、当委員会宛八千五百三十五名の署名を本委員会に提出、値上反対意見の開陳がありました。今度の値上げにより広島県の家庭においては家計費の一三%が電気料金になり、又あらゆる生活必需品のはね返り、交通費等の値上り等、家庭は他に転嫁することのできない最終の犠牲場所であり、家庭生活の破壊を招くものであり、値上絶対反対との発言がありました。なお、日本中小企業連盟広島支部より、適正料金設定要望、又各自治団体及びその議員団、中国五県議会議長代表よりは、電力会社の合理化の徹底、再評価の縮少と定額法による償却、農業電力に対する特別政策料金の設定についての要望がありました。 次いで翌日は宇部興産小野田発電所を視察、宇部興産会議室において山口県の関係者多数と懇談会を開催、盛況を極めました。その発言要旨は、広島における場合と殆んど同様でした。宇部興産における今回の値上による製品に対する影響を見ますと、電気料金の値上りは、硫安においてトン当り二・三倍、セメントにおいて一・九三倍、石炭に驚いて約二倍の値上りとなり、これをそのまま直ちに合理化によつて消化することは非常に困難であるから、或る程度の期間を與え順次消化することができるよう、時間的に段階的に行つてもらいたいとの要望が行われました。 次いで九州に行き、九州電力を訪問しました。九州電力におきましては前回と今回の申請の大なる変化は損失軽減千八十五万キロワツト・アワーの工事費約八億五千万円は、電源拡充とみなして修繕費から落したことであります。他は役員、給與、その他の面において殆んど変化はなく、七割五分値上案を七割に引下となり、この点は参議院電力特別委員会の意見を十分参酌したとのお話でありました。なお修繕費内訳のうち、腐朽電柱の取替について資料の提出を求め調査しましたところ、本年度分五万三千六百本の取替のうち、その五七%、約三万六百本を修繕費において支出、その費用約二億七千万円を計上しているとの説明でありました。なお、設備の面からのみ見ての石炭消費能力調査のため資料の提出を求めましたところ、現在火力発電所をフルに動かして年間二百二十一万七千トンという数字の提出がありました。然るに申請書に見込まれている石炭の消費量は二百十万二千八百トンにして、殆んど設備の面から見ても最高に近い数量であり、果してこれだけの石炭が消費し得るか否か大いに考慮を要する点であると思われたのであります。 次に福岡における座談会の状況について御報告申上げますと、九州では他の地方と違つて一般の空気としては電力会社と一般大衆との精神的融和といいますか、対立的感情が特に強いように思われたのであります。九州の懇談会は九州産業団体、電力懇談会、経済同友会、九州商工会議所連合会、九州電気協会の主催の下に行なつたのでありますが、先ず九州各県議会代表よりは要望書を提出、最高の資産の評価、定率法償却について反対、石炭費人件費、修繕費が過大に見積られ、合理化が全然認められない。地域差は金額差において現状以上にしないこと。地帯間融通の確保等の観点から値上げ絶対反対の意見の開陳があり、次いで長崎県電力協議会代表より、先ず電力会社の資料に信頼性がないこと、この点国会において十分計数的検討を加えられたい。人件費、役員給與等二五%削減可能であること、石炭費は過去の消費実績は百六十五万トンであつて、二十六年度の二百十万トンは消費できるかどうか疑わしい。需用者指導費は多額に過ぎる等の発言がございました。又福岡県農地協会よりは昭和二十四年の料金改訂以前にあつた休止料金免除、普通料金の三〇%引の復活要望と、現在の買上げ米価には全く電力費、……揚排水関係でありますが、こういう揚排水関係の電力費を考慮してないが、買上代に考慮するか、電気料金の大幅引下げの要望がございました。又九州化学工業電力委員会代表よりは七〇%値上げは九州の化学工業にとつては致命的打撃で、二割値上げを妥当とする旨の発言がありました。又福岡通産局長より、再評価の最小限と償却の定額法、割当制の存続、地域差の現状維持等についての発言がございました。 かくて大牟田に行きまして電気化学、東洋高圧の大牟田工場を視察いたしました。電気化学大牟田工場は今回の値上げにより一番打撃が大きく、特にこれに対しましては九州電力においても然るべき処置をとるべきだとの発言がございました。当社の製品である石炭窒素一トン当り電気料金は現行の約二倍に上り、売価に占める電気料金の割合は割当量のみ使用の場合、現行の三千九百円が七千八百円になり、売価の三九%に当る。一〇%追加使用の場合九千円になり、売価の四五%になり、その上に北陸、東北との地域差はキロワツト・アワー当り一円五十二銭となり、これでは到底工場の生産は続けることは困難であり、自滅の寸前にあり、これが対策として大淀川自家発電返還の要望が強く要望されました。なお、これに対しましては福岡県知事より、存廃の岐路に立つ石炭窒素工場に対する措置要望書が提出されています。次いで東洋高圧を視察、当工場においては硫安トン当り千三百円の電気料金が二千六百四十円になり、生産費の中に占める割合は一三%、追加一〇%使用の場合は三千五十円となり、生産費に占める割合は一五・二%となつて、硫安製造には絶対追加は使用できないので、値上げは段階的に二割程度にして欲しいとの要望でありました。 次いで港第二発電所を視察、大牟田地方における大口消費者との懇談会を開きましたが、電気化学、東洋高圧、三井鉱山より発言があり、七〇%の値上げになると二十六年四月実績に比して割合によつて違つては参りますが、料金は大体二倍乃至二・七倍の値上げとなつて、石炭一トン当り二百円の値上げとなり、これに他物資のはね返りを考慮すると、石炭鉱業にとつては重大なる影響があり、値上げは最小限度にして欲しいとの発言がありました。 かくて大牟田を最後に第三班の視察は日程通り終了いたした次第でございます。最後に関係各位の御協力配慮のほどを謝し、御報告を終りたいと思います。
○委員長(西田隆男君) 只今吉田法晴君からの御報告に対して、御意見がありましたら御発言を願います。
○水橋藤作君 先回の電力の視察に四国、中国方面に派遣されて事情を聴取したのでありまするが、その当時は非常に自家発電の多いところでありまして、自家発電を持つている会社からは特に要望がたくさんあつたわけであります。今回の視察された場合に、今度の電力の値上げに対して電気会社としてこの自家発電に対する取扱い、或いは又自家発電に対して自家発電側のほうからの要求その他が只今の報告の中には聞かれなかつたのですが、その点に何か発言があつたかつたということについての御質問をいたしたいと思います。
○吉田法晴君 只今の中で新居浜の住友共同電力、それから大牟田の電気化学につきましては旧発電所の返還要望がありましたことを御報告申上げたのであります。これは旧発電所所有会社からの返還要望はございました。かように七割に上つて参ると、自分のところの工場の生産を進めて参るのに非常に不利になる。だから返してもらいたいという要望が二つの工場からはあつたわけであります。それは先ほど御報告申上げて置きました。併し電力会社のほうからは、四国にいたしましても、或いは九州にいたしましても、返還の意図は少くとも当局の発言には出て参りませんでしたし、四国のごときはこれははつきり返還し得る実情にないという答弁をそのときに承わつた次第であります。その他の工場にあります自家発電の問題については、これは私どもが参りました節にはお話は出ておりません。
○委員長(西田隆男君) ほかに御発言はありませんか。御発言もないようですから、派遣議員諸君の御報告はこれで終了いたします。 委員諸君にお諮りしますが、委員会終了後に今後の委員会運営についてのお打合せをすることと、山口県、鳥取県、岡山県、島根県、岐阜県等より本委員会に陳情をしたいという申出でがございますので、これを許可して皆様こ陳情を聞いて頂きたいと思います。委員会の終了後なおお残りを願いたいと思います。 本日の委員会はこれにて散会いたします。 午後三時十九分散会 出席者は左の通り。 委員長 西田 隆男君 理事 高橋進太郎君 小林 孝平君 結城 安次君 水橋 藤作君 委員 石坂 豊一君 石原幹市郎君 岡田 信次君 小野 義夫君 古池 信三君 島 清君 椿 繁夫君 山田 節男君 吉田 法晴君 奥 むめお君 山川 良一君 須藤 五郎君