通商産業委員会 第30号
- 発言数
- 4 件
- 登壇者
- 2 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1951/05/19
会議録
○委員長(深川榮左エ門君) 只今から通産委員会を開きます。 先ず硫酸アンモニア増産及配給統制法を廃止する法律案を議題にいたします。これは予備審査で今出ておりますので、先ず政府側から大臣より提案理由の説明を聞くことにいたします。
○国務大臣(横尾龍君) 硫酸アンモニア増産及配給統制法を廃止する法律案の提案理由を御説申上げます。 硫酸アンモニア増産及配給統制法は第七十三帝国議会において成立したのでありますが、昭和十三年当時硫安は我が国肥料消費額のうち首位を占め、その消費増加趨勢は極めて著しいものがあり、毎年海外から二十万トン内外を輸入し、海外支払が巨額に達しておりましたため、硫安の国内生産を豊富にすると共にその配給の円滑及び価格の公正を図ることが我が国の国際収支の改善に寄与し、同時に農村の経済的安定と農業生産の確保のため極めて緊要であると考えられましたから、硫酸アンモニア製造事業とその配給機構との確立を図る方策を講ずることが頗る緊要であるとされたのであります。かかる目的によつて昭和十三年四月成立した硫酸アンモニア増産及配給統制法の骨子は大要次の通りであります。 第一点は民間の硫安製造事業の拡充を促進するために昭和十八年までの五カ年に製造設備を新設又は増設した者に対して、その設備をもつて営む硫安製造業につき一定年間諸税及び器具、機械の輸入税の免除を行うほか、右事業は土地收用法により土地を使用又は収用し得る事業として同法を適用し、又事業資金調達上の便宜を得させるため、社債発行限度を払込株金額の二倍とする等諸種の保護、特典を与えると共に、必要に応じて硫安製造業者及び次に述べる日本硫安株式会社に対し増産命令をなし、速かに硫酸アンモニアの自給を図らんとした点であります。 第二点は特殊会社である日本硫安株式会社を設立せしめて硫酸アンモニアの配給統制事業を完全に遂行せしめようとしたと共に、必要ある場合においては本会社をして硫酸アンモニアの製造その他供給確保上必要な事業を行わしめた点であります。 事実この法律の施行によりまして、硫安の生産は昭和十三年度百十万七千トンから十五年度百十三万七千トン、十六年度百二十四万八千トンと逐次増加を見たのであります。併しながら現実の問題としましては、当時戦争の拡大に伴う肥料工場の軍需工場への転換、更には戦災による甚大なる被害のため硫安の生産は昭和十六年度を頂点としまして、十七年度百八万トン、十八年度九十三万トンと激減するに至り、昭和十八年においては先に申述べました法人税等に関する特典を更に五カ年間即ち昭和二十三年まで延長することにいたしましたが、実質的にはその効果を生ぜず、昭和二十年には遂に僅かに二十万トンという悲惨なる事態に立至つたのであります。終戦後におきましては、前述の農業経営の改善にとどまらず我が国経済の復興、民生安定の基礎條件としての食糧の増産にとつて硫酸アンモニアの増産が不可欠のものとして最重点的に取扱われ、硫酸アンモニア製造事業の生産設備の早急な復旧及び拡充がその供給の潤沢、配給の円滑更には価格の適正のために要請されるに至つたのであります。然るに法人税の免除については別途法人税法に規定され、本法の関係條文はすでに廃止され、先に申述べました免税に関する期限も間もなく経過し、又日本硫安株式会社乃至これを承継しました日本肥料株式会社もその配給業務を肥料配給公団に引継いで解散いたしましたため、現実においては僅かに社債の限外発行に関する規定のみが適用され得るに過ぎないのであります。この規定も昨年資産再評価法の実施により、再評価積立金の四分の三に相当する金額までは三カ年間に逐次社債の発行限度が拡張されることになり、更に昨年の商法の一部改正によりまして、一般に社債の発行限度は資本金総額及び積立金に相当する金額までに引上げられることになりましたので、この法律は現在においてはすでに各條文とも空文にひとしく、今次商法改正を機に廃止するのが妥当であると考へられるに至つたわけであります。以上簡単に提案の理由を申述べた次第でありますが、どうか慎重御審議の上速かに御可決の程お願いいたす次第でございます。
○委員長(深川榮左エ門君) つきましては、右提案理由に対する質疑等は後刻に譲りまして、一旦委員会を閉じて懇談会にいたしたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(深川榮左エ門君) 御異議はないと認めます。それではこれで散会いたします。 午前十一時九分散会 出席者は左の通り。 委員長 深川榮左エ門君 理事 結城 安次君 委員 上原 正吉君 小野 義夫君 小松 正雄君 椿 繁夫君 加藤 正人君 山川 良一君 駒井 藤平君 境野 清雄君 国務大臣 通商産業大臣 横尾 龍君 政府委員 通商産業通商化 学局長 長村 貞一君 事務局側 常任委員会專門 員 山本友太郎君