通商産業委員会 第3号
- 発言数
- 82 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1950/12/13
会議録
○理事(廣瀬與兵衞君) 今から開会いたします。
○小野義夫君 それではもう一遍改めてお伺いしますが、だんだん統制物価が、金属で申しますならば硫化鉱、銀、或いはマンガン等の統制をはずして頂くと、残るものは非常に僅少なる物価が金属では残るのでございますが、その他まあいろいろ消費物件については金属以外のものもあると思いますが、物価庁におきましてはこれらの統制物価を全面的に廃するような時期の見透し並びにそういうお考えがあるかどうかということを一つ承わつて置きたいと思います。
○説明員(川上為治君) 非常に割の悪いところにおりまして、生産方面それから消費方面両方から悪く言われこそすれ、決してよく言われたためしのないところにおりまして、この物価政策をどういうふうに持つて行くかということにつきましては非常にむずかしい問題でありまして、特に最近の国際情勢に照しますと、現在いろいろまだ統制しておりまするが、この統制を全面的に一日も早く解除するように持つて行つたほうがいいだろうかどうだろうかという問題につきましては、相当意見が分れると私は思いますけれども、一応物価庁としましての今日までの考え方、又今後どういうふうに持つて行こうかという考え方につきましては、成るべく早くすべての物資を、いわゆる(公)制度というものをなくして行きたいというような考え方でやつておりまして、その時期につきましては、これ又非常にむずかしいという見通しでありますけれども、少くとも来年の四月、九月頃におきましては、極めて特殊なものを除きましては、殆ど大部分のものを解除して行きたいというような考えでやつております。例えば電気料金でありますとか、或いはガス料金でありますとか、そういう特殊なものにつきましては、或いは相当長く統制は行れるかも知れませんけれども、その他のいわゆる物資についての価格統制というものは、来年の四、五月頃になりましたらば全面的に解除されるように持つて行きたいというような気持で今のところはやつておりますが、先ほども申上げましたように、何分最近における国際情勢等からいいまして、見通しが非常に混沌としておりますので、私の今申上げました考え方がそのまま実施されるかどうか相当疑問があると考えております。
○小野義夫君 そこでこの場合に二つ問題があると思うのでありますが、一つは輸入物件でありまして、政府若しくは政府の諸機関によつて輸入する、つまり苦しい為替資金を與えて、そうして国民生活に寄與しようというお考で輸入した物資のごときものにつきましては、只今お話のごとく、政府は国際情勢に鑑みて大いにその輸入の問題なりその他の事情から、これを物価統制というよりは、むしろ配給面において高くなつても買わなければならん品物でありますから、場合によつて物価の問題ではなく、もう一つ進んだ配給それ自体の統制をしなければならん理由があると思うのです。もう一つの場合は、日本が戰争に介入した際に、若しくは間接に介入した場合にはともかくといたしまして、今アメリカに対する……アメリカのいわゆる要望若しくは何によりまして、日本は戰時経済のごとく金属が高くなる、そうすれば戰争経済になつて来る。実は戦争中におきまして私どもは、日本の戰争経済というものが、戰争財政というものが、私は世界の歴史に乏しいほどの安き戰争をしたということのその結果は、これは物価庁のむしろ功労の一つに数えていいのだ。若し物価庁というものが日本になかりせば、日本の戰争はあんな安い金でできてはいない。とつくに大蔵省は破産を来しておつたかも知れませんが、その点についての功徳は将来の歴史に書くべきでありましようが、今私どもが第三国的と言つちやいけませんけれども、世界の軍備拡張のためにその反映しているところの金属について再び値段が上つた、よく金属の値段、殊に銅などの値段が上ると、どことなく消費者の筋がいろいろなことを言い出して、物価庁や至るところに申出るであろうと思いますが、何とかせにやいかんだろう、或いは勧告の価格をきめなければいかん、暴利でははいかということがあるのでありますが、私どもの考えは、例えば暴落のときに際して、政府は今日の状態ではこれを救済する必要はないし、救済することはいけな、その状態を運命としてこれを認めなければならないと言う。然らば暴騰したからといつて、これに対して消費者階級、一部の人が言うようなことに即応して、或る種の抑制その他を加うるがごときは、これはまああちらの非常な熱望が強いものがあれば、これ以上俺は知らんということは言えんかも知れませんけれども、これはどうも私は簡單に統制その他のことをすべきじやないというように考えるのでありますが、国際情勢とおつしやるのは、アメリカその他いわゆる連合国の戰争に寄與するために、或いは戰争が成るべく安く上るようにというような意味合において、銀行その他が何らかの抑圧価格をとろうというお考えではないかと思うのですが、如何でしようか。
○説明員(川上為治君) すでに統制解除をしましたものを、この際直ちに再再統制するというような考えを持つていないのであります。勿論国際情勢の如何によりましては、或る程度の統制をしなければならんような場合が生ずるかも知れませんけれども、私のほうとしましては成るべくそういう現在とつておりますような(公)制度というようなものを採用しない、そういうような場合におきましても、極めて彈力的な大きな統制をいたしまして、そうして今申上げましたような(公)制度的なことは成るべく避けたほうがいいのじやないかというふうに考えております。なおそういう場合におきましても、その前提としまして価格は非常に国内におきまして金属等について暴騰するような場合におきましては、或いは生産増強なり或いは輸入のような措置をもつととつて頂いて、それでもどうしても価格が高騰いたしまして、他の産業なり或いは一般国民の生活に対しまして甚大なる影響を及ぼすというような場合に限つて、さつき申しましたような統制はしなければならないだろうと考えております。
○小野義夫君 そこで統制に関する機関と統制に対する罰金、制裁のないような統制というものは、いわゆる道徳別な統制になつて、これは意味がなくなると思うのですが、制裁を加える統制でございますというと、これの違反というものは、今日の制度におきましては司法機関によつてやる。例えば先般来起つた綿糸布のつまり買溜め、或いは闇といいますか、ああいう場合におきまして、警察官が堂々たる天下の大商店に或いは会社に臨検に及んで、そうして違反があるとかないとかいうようなことになるのは、これは非常に好ましくない。これを厳重にやれば、往年の経済違反令をこしらえて、民の怨嗟の声を物価庁が背負うことになるのであつて、将来そういう統制をする場合には必らずその一種の、何と申しますか、官民の委員会制度のようなものを設けて、そうしてこれが統制違反であるかどうかというようなことにつきましては十分の審議を、そういう民主的な機関によつて審理をし、民主的な機関によつて処罰するというような行き方で行つたほうがいいのじやないかということを私は以前から考えているのでありますが、この点に対する物価庁の部長のお考えはどんなものでございましようか。
○説明員(川上為治君) 先ほど申しましたように、現在のところはむしろ再統制というのじやなくて、現在の統制をしているものを一日も早く解除して行きたいというような考え方でやつておりますので、再統制した場合には、再統制の方法についてどういうようなやり方で行くか、或いはどういうような機関によつてやるかという問題につきましては、私どもまだ物価庁としまして全然検討もいたしておりません。併しながら個人としましては、若し再統制するような場合におきましては、今おつしやいましたような点を十分考えてやるべきじやないかというふうに考えております。
○小野義夫君 その次に統制価格の問題で、昨日の御説明によりますれば、大体金属その他はまあ国際標準の物価まではこれを大体差支えないように思うし、又銀のごときも大体国際標準までくらいは上げようというようなお考えのように考えますので、それは非常に有難いと思つておるのですが、国際標準という言葉が非常に茫漠たる言葉でありまして、一体国際標準とは輸出相場をいうのか、輸入相場をいうのか。国際標準のその基準は、輸入であるか輸出であるかということについて物価庁のお考えを聞きたい。
○説明員(川上為治君) 国際価格というのは非常にものによりましてまちまちでありまして、国際相場のあるものもあれば、必ずしも国際相場のとれないものもあるわけでありまして、私のほうとしましては、何を基準とするかという問題については、国際相場又は輸出価格というふうに考えておりまして、例えば亜鉛のごときは大体アメリカの相場が相当支配をいたしておりますので、アメリカの写真相場というものを一応国際相場として考えておりますし、人絹、スフにつきましては、国際相場そのものがなかなかまちまちでありまして、いずれをとつていいかわかりませんので、輸出価格そのものを一応基準としてやつておる次第であります。ものによつてその点は輸出価格なり或いはいわゆる国際相場というようなふうに、それぞれ違つたとりかたをいたしております。
○小野義夫君 そうしますと非常にメーカや或いは業者のかたと物価庁の間に見解の相違が起つて来ると思うのでありますが、この場合において、官庁側においていわゆる国際価格或いは輸出相場、いろいろ基準があるとした場合におきまして、これを民主的にきめるというような、今でも業者の声を聞くとか、業者といろいろ相談し合うというようなことは、実際において御実行になつておるように承知しておるのでありますが、それはただ官庁の一種の道義心といいますか、まあそういうことをすることがいいという手続に過ぎないのでありまして、何かそれを法制化して、かかる場合における物価をきめるのには一定の機関、それは物価は御承知の通り百万もあるのだから、どのものに当りましても通ずるという人はないのですけれども、大体そういうような民主的な機関を設けて、そういう見解の相違が出た場合に、これを調整するというようなことについてのお考えはどうでしよう。
○説明員(川上為治君) 私どものほうで基準価格を現在羊毛、人絹、スフ等についてやつたのでありますが、その際におきましては民間の団体に対しましても何遍もお話申上げ、相談申しましてああいう価格が出ておるわけでありますが、今お話がありましたような公式にそういう機関を設けて、それに諮問するとか、或いはその意見に従うというような点につきましては、もつといろいろ研究をして見たいと考えております。
○小野義夫君 物価のきめ方及び物価の違反、或いはその他のことについての総論的なものは大体今申上げたところでほぼ私は了解ができたのでありますが、今度は各物価について一、二御質問を申上げたいと思うのですが、これは或いは場合におきましては鉱山局長、若しくは資源庁方面の御説明を願うことになるかも知れませんが、先ずその一つとして硫化鉱の問題です。これは物価庁中心に御質問申上げたいと思うのですが、硫化鉱は一本価格に最近十二月になさつたようで、今度二月には統制を撤廃する考えだということのお話であつたが、果して二月に全面的に硫化鉱の統制をおやめになるかどうか、その点ももう一遍確めて置きたいと思うのですが、それよりも現在生産高月統計を、お示しの統計を拝見するというと、二十一年度八、九十万トンから二十五年度は大体年二百余万トンの御予定のようであつて、一ケ月に対して十七万トンということをお示しになつておるのでありますが、これは消費のほうは硫安が五〇%、過燐酸が三〇%、その他が二〇%という消費量でありますが、今私ども肥料業者の建前では、硫安輸出ということについて非常に馬力をかけなければならない。ついては近き将来において三十万トンも五十万トンも硫安を増産したい。政府計画は百五十何万トンという硫安の計画があるようですが、それよりも以上に二百万トン、三百万トンも作りたいというような考えを持つております。過燐酸も燐鉱石が続く限りはこれを輸入して、台湾、朝鮮は勿論のこと、その他にも輸出したい。又事実輸出しなければ、その地方の農業というものは殆んど行われんと思うのですが、これに対して将来硫化鉱の資源の開発及び発展というものについてどういうふうに年々増して行くということについては、あらかじめお見込がありますならばそれを承わりたいと思います。
○政府委員(徳永久次君) 生産の見通しでございますが、私どもとしてはこういう大体の考え方を持つておるわけであります。硫化鉱につきましては、国内的に見まして一般地下資源として石炭、或いは石灰石とほぼ等しい、日本として豊富な資源の代表的なものの一つとして考えておるわけであります。従いまして国内的に相当程度有効需要というものが継続してあるということがわかりましたならば、それを前びろに生産関係を担当しておられる鉱山会社に十分の見通し等を御相談申上げれば、それに応じて増産が可能になつて参るというふうに非常に楽観いたしておるわけであります。事実既往におきましてそのような方針で鉱山、生産各社の協力を得て年々二割、三割程度の上昇を終戰後毎年継続して今日に至つておるわけでありますが、資源が豊富な鉱物でございまして、前びろに需給の推算を誤りなしということで進めますならば、供給に遺憾のないだけの措置はいたしてもらえるのじやないかと考えておるわけであります。
○小野義夫君 只今局長のお話のようなことも一面の真理でありますけれども、なかなかこれは今、例えば柵原その他の硫化鉱の山の増産は、曾てはそれ以上に出した経験のある山が回復状態にあるのでありまして、新しく鉱源として今後非常な開発がつき、将来大いに見込があるというような山があると思うのですけれども、私は余り知らないのでありますが、局長において、こういう山は将来今のような増産に大いに堪え得るという山が現実にありとすれば、そのお見込を承わることは非常に結構なんですが。
○政府委員(徳永久次君) 日本の具体的な各山の状況で、どこが有望であるかというようなことは、私どもよりもむしろ小野委員のほうが詳しいと思うわけでございますが、ただ今もお話がございましたように、肥料を原料の許す限り幾らでも輸出したいという業者側の立場というものもよくわかりますので、現実問題として見ました場合に、非常に極端な言い方で申しますならば、日本の産業の発展力というものが、現在電力で押えられておるという状況に相成つておるわけであります。電力の供給力から見て、既往のものがいきなり一年の間に五割を増すとか、或いは倍になるとかいうようなことは想像もできないわけであります。おのずからその間の発展のテンポというものが制約もありますし、又来年度は我我が化学局から受けております情報によりますと、価格はできるだけ奮発して増産するということにしても、原料としては二百十万トンから十五万トンの硫化鉱があればよろしいし、あと三年先になつて二百四十五万トンぐらい、二百三十五万トンかと思いますが、ほしいのだというくらいの連絡を受けておるのであります。その程度の数というものは、本年度二百四万トンございますし、来年度二百十五万トンといたしましても、その差十万トン、パーセンテージにしますれば一〇%程度であります。これは極端に申しまして、今年の下半期の生産程度というものが継続すれば、二百十五万トンは楽に行ける、こういう工合に楽観しておる状況でございます。勿論新らしい資源の問題といたしまして、例えば松尾なら松尾鉱山が第二鉱体の採掘を計画しておるというような事情もありますし、例えば柵原なら柵原等につきましても、坑内の集配系統を整備して、今の三万五千トンベースを四万五千トンぐらいに上げたい、そういう具体的な計画になつておることはこれは御承知の通りだと思います。さような計画の実現につきまして、例えば見返資金その他につきまして我々がお手伝いする面があれば、お手伝いすることを惜しむわけではございませんが、大筋としまして、確実な需要がある限りにおきまして、山のほうで十分手配をして下さるし、又して頂くだけの資源的な埋蔵量というものを日本は持つておるのだというふうに考えるわけであります。さような趣旨で申上げたわけであります。
○理事(廣瀬與兵衞君) ちよつと、鉱山関係の質問は、これは昨日二時までに終りたいという約束がございますので、一つ簡單にお願いいたします。
○小野義夫君 それではいろいろ硫化鉱の問題とか鉄鉱などについて非常にたくさん問題があるのですけれども、これは資源庁の岡田次長に質問したいと思うのでありますが、天燃ガスの問題でありますが、私は帝石と共に本邦の天燃ガス開発に従事しておる者でありますが、新潟県における天燃ガスは大体三百億立方キロメーターの埋蔵量がある。現在一日十万キロ立方メーターであつて、一ケ年に三千六百万立方キロメーターであるからして、百年以上のものがある。こういうことにまあ大体、それが嘘か真かわからんが、ともかくもそういうことが伝えられておるので、そして新潟から東京に持つて来る新東ガス会社というものがあつて、新潟のガスを東京へ引張つて来よう、鉄管で引張つて来ようということで、この会社が途中で行き悩んでおるような状態にあるのですが、日本で、大阪は現に私どもの会社で一本日を試錐をいたしまして、今專らガス井戸の掃除をやつておるのですが、今のところでは余り豊富とはいえない状態であります。第二本日を続いて大阪は試錐することになつて、大阪府は非常に天燃ガス開発に熱意を持つて、目下非常に努力をしていることは御承知の通りであります。ところがまだ私どもの見解としては、福岡、九州におきましては有明湾、筑後川、或いは遠賀川の沿線、東海においては、矢作川、揖斐川、天龍川流域、四日市、名古屋近郊でも相当現に出る。静岡県も天燃ガスをやつております。それから岐阜県の養老にも出ております。北海道は至るところ天燃ガスがあるので、青森県の周り、山形県の周り、これは要するに大小の別はあるけれども、全国至るところ天燃ガスが出るというところがあるわけであります。講釈じみて長くなりますけれども、南米におけるアルゼンチンでも、最近の情報には十五億ドルを投じて一千一百マイルの鉄管を引いて、五ケ年計画の大天燃ガス輸送管が完成したと伝えられておりますが、どうも日本で燃料というと、石炭と石油でなければ燃料はないように考えておるのが一般大衆の現在であり、又いわゆる資源を開発する人の常識みたいになつておるのですが、私は天然ガスが如何に石炭や石油よりももつといろいろな意味において、化学工業の面から見ましても、燃料経済の上から見ましても、有望ではないかと思うのですが、これに関する資源庁のお考えを承わりたいと思います。
○政府委員(岡田秀男君) 天然ガスが我が国に相当広範囲に亘つて賦存いたしておること、並にこれが工業用燃料その他の原料用といたしまして、或いは文化学用として非常に貴重なものであるというお説に対しましては、私どももかねがね同様の見解をとつておるのでございます。アメリカその他における天然ガスの利用状況等もそれぞれの文献等によりまして承知いたしておるのでございまして、我が国におきましてもこの天然ガスの開発並びに利用促進に大いに今後努力を傾注いたすべきものであるという見解を我々も同様に持つておるのでございます。我々の現在のところにおきましては、先ず我が国の天然ガスの賦存状況が的確にどの程度であるか、それぞれの地方々々におきまする賦存状況、又開発するにいたしましても、消費地帯との連繋の問題、その他各般の調査すべき事項が非常に多いわけでありまして、それらの基礎調査その他が完備いたしますと、輸送管の問題等もおのずから起きて来るかと存ずるのであります。資源庁といたしましても、すでに昨年におきましても約一千万円程度の試錐の補助を出しておりまするし、来年度の予算案におきましても、石油の試錐補助のほかに天然ガスの試錐補助も同じく一千万円程度を計上いたしまして、先ほど私申上げましたような天然ガスの賦存状況の調査というわけではございませんけれども、先ず試錐を助成いたしまして、的確にその状況を把握する、それと同時に現在すでに利用されつつある地帯におきましては、これが開発の助成をするというような意味合におきまして予算を計上いたしておるのでございます。追つて御審議を煩わすことと存ずるのでありますが、それに応じまして逐次、例えば新潟の天然ガスにいたしましても、千葉の天然ガスにいたしましても、東京までパイプを敷設して来て、これを利用するというような問題も遠からん将来においてはこれが具体化されるような域になるかと存ずるのであります。ただまあ新潟の問題にいたしましても、先ほどお触れになりましたようにパイプを敷設して持つて来る場合、一体現地において利用する量と、それから東京へ持つて来る量と、それから又敷設しましたる設備の償却その他の関係と、いろいろまだ調査せねばならん点が多々あるのでありまして、資源庁におきましても、鉱山局において若干の調査はいたしておりまするけれども、未だこれを企業化する等の段階にまで至つていないことは遺憾でございまするが、それも逐次今申上げましたような順序によりまして、具体化の域に達するのではないかと考えております。
○小野義夫君 今天然ガスの問題は、いわゆる千葉の天然ガスと新潟の天然ガスについてはその賦存の状態もやや明らかになつておりますし、その量も又従つてやや明らかになつておるのですが、問題はこういう点に行き詰つております。御承知の通りあれをとりますというと、悪水が出る、非常な悪水が出る。千葉のは沃度を幸いに含んでおるものもありますし、又含まないで海水のみのもあるが……、新潟のほうは大体塩分もたくさんありますけれども、非常な悪水で、一たび田園に氾濫しますというと、非常に稻作を害するということになる。それであれだけ多く、広くある新潟のガスをとるためには、いわゆる悪水を疏水道を開いて、土木的に悪水を除去する小さいカナルをこしらえれば、恐らく新潟の大部分、三條地区或いは長岡各地に亘つて開発の余地がありますけれども、たくさんの鉱区があるけれども、みんな排水問題で行き詰つてやれないということになつておるのでありますから、資源庁としては、これらの問題を一つどうぞ御研究下さいまして、そういうものは受益者も或いはその負担をしてもいいと思いますし、ガスに転嫁してもいいと思うのだが、何しろああいう熱田の真ん中に広いカナルを作るのでありますから、相当地方の問題もありますし、経費も一時的には多額に上るので、営利会社としてはなかなか実行に困難だと思います。これについて一応御調査を願つて、今未開発の資源としての天然ガスは決してそう放つて置くべきものでないように考えますので、是非一つやつて頂きたいということを希望的にお願いを申上げて置きます。 もう別段お答えも要りませんが、それならば、私はまだ鉄鋼その他の問題について相当伺いたい点があるのですけれども、お約束によりまして他日に留保いたしまして、私の質問を終りたいと思います。 〔理事廣瀬與兵衞君退席、委員長着席〕
○委員長(深川榮左エ門君) 次に通産省から今期国会に提案しようと考えておる諸法案について永山官房長から大約の御説明を願いたいと思います。
○説明員(永山時雄君) それでは私から第十国会に通産省として提出を予定しております法律案につきまして概略御説明申上げます。実はまだこの中にも内容的に必ずしもきまつていないものが非常に多うございまして、お手許に配付申上げました資料を御覧頂きましても、司令部との関係、或いは見込期日等の欄を御覧頂きましてわかりますように、未折衝、未定ということが非常に多うございまして、特に司令部との関係の未折衝が非常に多うございますから、従いまして私がこれから御説明申上げることも本当の試案、試みの案という程度に考えておるものが多いわけでございますから、その点一つ御了承をお願いいたします。 これの順序によつて一応御説明申上げますが、先ず一覧で申上げますとたくさんこの件名が並んでおりますが、余り大した法律は少うございまして、先ず大きなものといたしましては計量法、それから産業機械設備近代化法、大体まあこの二つが特にこの中では重要性のあるものでございまして、その他は大概雑件に該当するという程度であります。 最初この輸出信用保險特別会計法の一部改正についてでございますが、これは現在輸出信用保險が動いておりますことは御承知の通りでございますが、最近の運用状況からいたしまして、現在の法律の不備を直して行かなければならない、それから現行法によりますと、特別会計の支拂において現金に不足が生じた場合には、年度内の一時借入金、これは年度内に限定されておるのでありますが、その一時借入金をする途だけしか認められておりませんで、年度を跨がつて借入金をするという途が認められておらないのでございます。最近の運用状況からいたしますと、特に例の先般施行になりました中共貿易の特別な制限が加わりまして以来、この損失、或いは資金の不足という問題が目先に出て参りましたので、従いましてこの特別会計の改正をいたしまして、年度に跨つて借入金ができるような改正を認めて頂こうというのがこの趣旨でございます。 それから計量法でございますが、これは相当に大部な法律になろうかと存じますが、現在は度量衡法というものがございますが、これは、現在の法律は明治四十二年に制定をされました法律で、その後一、二回改正は行われて参りましたが、とにかくその基本は非常に古い法律でございまして、現在の時勢に即応しない部分が非常に多い、そこでこれを全文改正をいたしまして、新しく計量法として制定をして参りたいというのがこのわけでございますが、内容的には現在の計量の単位が、現行法では長さとかそれから面積とか、温度とか、圧力とかいうような、比較的少数の單位しか規定をしていないのでございますが、その後の時勢の変化に照しまして、時間、速さ、それから角度、年度、密度、そういうような新らしく單位を必要とするものをこの計量法に盛つて行こう、そうして、それは同時に国際單位に合致した基準を採用して行こうというのがその狙いの第一点でございます。それから現在の度量衡法は製作、それから修復、販売、そういうものについて免許制度を採用しておるのでございますが、今回の改正では製作或いは修復の事業については許可制度、販売事業については登録制度を採用いたしたいという点が第二点。それから第三点は、現行法におきましては、検定は種類によりまして通産大臣と、それから都道府県知事等が別々に行う二元的な建前になつておりますが、これを統一をするという意味合におきまして、通産大臣の責任に一応統一をするということに持つて行こう、それから現在の検定機関に新らしく検定を要求をされた場合に、拒否ができない、或いは直ちに検定をするというような義務、或いは不合格になつた場合には、その理由を明示しなければならないというような義務を課して行きまして、検定制度の確立をして参ろうというようなこと。それから更に計量考証業といいますか、貨物の運送、それから売買、そういうものに関連して積込み或いは積下し、それから庫出し庫入れというような場合に、貨物の計量單位の証明をする、考証をする、そういう必要が非常に多いのでございますが、その計量考証業というようなものを新らしく定めようというようなことがその内容になつております。 それから現在の度量衡制度におきましては、メートル法を基本として、尺貫法、ヤード法、ポンド法、これらは昭和三十三年末まで併用することになつておるのでございますが、この点につきましては、新らしい計量法におきましてもその建前をそのまま踏襲をして行こうということにいたしております。大体計量法の主要な点は只今申上げたようなことになつております。それから計量法の施行法、これは只今申上げました計量法の施行に伴つて経過規定を設けるというための法律でございます。 それから産業機械設備近代化法、これは後ほど企業局長から詳細御説明を申上げますので、それによつて御了承を願いたいと思います。 それから高圧ガス保安法、これも計量法と同じように現在の圧縮瓦斯及び液化瓦斯取締法というものは非常に古い法律でございまして、従つてこれを整備しよう、勅令或いは省令というようなものにいろいろ譲られておりましたり、或いはその後運用方法等が非常に変つて参つておる点が多いものですから、従つてこれを新らしい法律に統一的に整備しようというのがその内容でございます。 それから輸出品取締法の一部改正の法律でございますが、これは現在の輸出品取締法の建前は大体規格を確認をする、A級或いはB級と、特定の品物についてA級に該当する、B級に該当する、そういうクラスを確認をしてその表示をするということが主眼でありまして、従つてその建前は相手方が品物は悪いものだということを、たとえ不良品を輸出する場合におきましても相手方がそれを承知して買つて行く場合においては少しも差支えないじやないかというような意味の建前をとつておるのでございますが、それを不良品の輸出を積極的に防止をしよう、従つて一定の基準を設けて、それに該当しない場合におきましては、輸出を禁止をするという制度に改めて参ろうというのが今回の改正の骨子でございます。それからその検査を確実にする趣旨におきまして、検査人或いは検査機関の登録制を実施して参るということがその第二点の内容になつております。 それから次は中小企業等協同組合法の一部改正の法律でございますが、これは現在この協同組合の定款の認証が、公証人による認証に限定されておるのでございますが、これを行政庁による認証制度に変えて行くということ、それから現行法では理事は組合員の中から選ぶということになつておりますが、これは彈力性を持たしめる趣旨におきまして、総数の四分の一の範囲内で組合員以外の者から選挙し得るということに彈力性を持たしております。それから現行法では事業協同組合とそれから信用業務を行います信用協同組合というものとは全然別にいたしておるのでございますが、改正をいたしまして、事業協同組合に組合員の預金或いは定期積立金の受入業務というようなものを兼ねて行い得るように改正しようというのが主要な改正点でございます。 それからその次の特許法、実用新案法、意匠法、商標法の一部改正の法律、それから弁理士法の一部改正の法律、これはいずれも現行法の手数料が非常に安きに失しますので、これを大体現在の一倍半から二倍ぐらいに手数料の引上げをしようというのがその内容でございます。 それから熱管理法でございますが、これは現在臨時物資需給調整法に基きまして熱管理規則というものが制定されておるのでございますが、これを廃止いたしまして、新らしく熱管理法のほうに移して行こうということがその内容でございます。おおむね現在の内容を踏襲するわけでございますが、若干変つております点は、現行法では石炭だけを対象にいたしておりますが、新たに石油、ガス、電力というように、その対象を若干拡めて行こうということ、それから現行法の建前は、これは消費規正、石炭の非常に逼迫をしておりました当時の情勢に照して消費規正を主眼にして制定をされておるのでございますが、それを使用の合理化を促進して行こうという方面にその狙いの重点を移しておるというような点で、その他はおおむね現行法を踏襲するという建前をとつております。 それから石油及び天然ガス資源開発でございますが、これは先ほど或いは資源庁のほうから説明があつたかと思いますが、現行法は、これは石油資源開発法という標題の下に戰時中の立法でございまして、従つて戰後の現状にいろいろ即しない点が多いものですから、従つてこれを実用に即するように改めて参ろうということでありまして、非常に統制的な性格が濃厚である点を大体廃止する。それから帝国石油株式会社法というのが従来ございましたが、現在では帝国石油株式会社は一般の石油会社と並んだ全然同じ立場の会社になりましたので、この帝国石油株式会社について、石油資源開発法の中で優先的な取扱いをいたしておる点を改めて一般の会社並にする。それから石油につきまして助成金制度が現在でもあるのでございますが、その制度につきまして現在の法規が不備な点が、不明瞭な点が多いものですから、そういうようなところを明瞭にして行こうというような点がこの改正法の主な骨子です。 それから帝国鉱業開発株式会社法の廃止の法律、これは現在では帝国鉱発は再建整備法の下に第二会社として存続をしておるわけでございますが、特別会社として扱う何らの必要を、又事実扱つておりませんで、従つてこの法律の必要が全然ないものですから、従つてこの法律を廃止しようということでございます。 それから重要物資交易資金特別会計法、これは現在の貿易特別会計を廃止いたしまして、来年度はその清算に入るのでございますが、これは従来の貿易の建前が、今年の一月以前におきましては御承知の通り政府貿易、特に輸入の面におきましては政府貿易がその原則的な形であつたのでございますが、一月から民貿、民間貿易の形態に移りまして、従いまして貿易特別会計の性格というものが変つて来たというわけで、これを清算をいたしまして、同時に部分的になお政府貿易を或る程度存続をしなければならない必要に応じまして、新らしく重要物資交易資金特別会計法というものを作ろうということでございますので、大体の主な狙いは特需物資の原材料の輸入を一応主たる狙いにいたしております。なお情勢の進展に応じまして、必要に応じて政府買付なり、政府貿易ができるようにして参りたいと、かように考えておるのであります。そうして従来の貿易会計と性格的に著しく違つております点は、従来の特別会計が予算制度、歳出歳入の制度をとつておりますのに対しまして、これは資金二十五億を予定いたしておりますが、この二十五億円の一般会計からの出資金を元にしたしまして、それを常に運用して参る。回転資金に使つて行くということが性格的の違いでございます。 それから最後に通産省の設置法でございますが、これは御承知のような、只今政府全般として、行政機構の改革の問題を根本的にとり上げておりますので、その一環としてこの通産省の設置法の改正を出そうということでございますが、これはまだこの案そのものが内容的に全然きまつておりませんので、説明は省略させて頂きたい。
○委員長(深川榮左エ門君) 只今の永山官房長の御説明に対して質問のおありのかたは御発言を願いたいと思います。
○境野清雄君 今の産業機械設備近代化法で、これは通産省の産業機械設備の近代化の予算は幾らでございますか。
○説明員(永山時雄君) それは予算は当初に実は要求をして何をしたんですが、結局大蔵省とドツジさんとの交渉の過程において落ちてしまつたので、それで私のほうの大体の考え方と、最後に大蔵省でまとまつた数は六億円ですが、六億円で機械の買上なり助成なり、そういうものをやつて行こうというような考えでおりましたが、それが全然落ちましたので、従いましてこれは後ほど企業局長からいろいろ御説明いたしますが、大体考えております骨子は、近代化の関係におきまして、輸入税なり所得税なりいろいろの免税でこれを促進をして行こうということと、なおできますれば見返資金を基本にして何らか特別会計、そういうような制度ができますれば、それによつて只今の五億円に該当するような仕事をもう少し大きなところでやつて行きたいという構想を持つておりますが、それは全然未熟なのであります。
○境野清雄君 これは一番最初にありました輸出信用保險特別会計法、これは今の御説明で非常に結構だと思いますが、現在中共貿易で何か今朝の新聞を見ても、三十億くらい出てしまつたというような話ですが、現在のものに対する処置は、大体確信がおありですかどうか。
○説明員(永山時雄君) 大体現在の保險契約高が、中共やその他の地区全部を入れてたしか八十億くらいだと思います。そのうち中共と香港の関係がその約半分でございます。四十数億と聞いております。それで今回の措置によりまして、これはまだほんの見込でございまするが、損失は大体十億見当出て参るのじやないかと思つておりますが、十億ちよつと超えるのじやないかと思う。そういたしますと、これは現在の資金が十億でございまして、従つてその支拂にまあ差支えが出て参るという問題もあるわけであります。その意味で取りあえず年度に跨がつて借入金の途を開いて、それでその関係を泳いで行こう。ただ最終的にこの欠損をどうして参るかという問題が今後に残る問題でございますが、まだこれは信用保險がスタートいたしまして日にちもまだ幾らも経ちませんし、それから現在の国際情勢の流れというものが、非常に移り変りが激しいものですから、従いましてもう少し見通しをした上で、欠損の処置をつけて参りたいということになろうと思います。
○境野清雄君 この輸出信用保險特別会計法の一部を改正する法律案は、大体司令部との折衝もまだ未折衝のようですが、これはやはり跨がつて借入しなければ、今の問題なんかも解決つかんのじやないかと思うので、これは政府自体としても、成るべく急いで出す御予定にはなつておるわけですな。
○説明員(永山時雄君) その通りであります。
○委員長(深川榮左エ門君) なお石原企業局長より先ほど永山官房長官が言われたように産業機械設備近代化法について説明を願うことにいたします。
○政府委員(石原武夫君) 先ほど官房長からお話がありましたようにまだ非常に省としても意見がまとまつておりません状況でありますので、資料として今日御配付するほどの案になつておりませんので、本当に恐縮でありますが、口頭で説明さして頂きたいと思います。 先ほどちよつと官房長からもお話がありましたように当初は政府案の予算にも多少そうした助成の案ができておりましたので、それを合わせて一つの法律案にまとめたいということで研究をいたしておつたわけでありまするが、そういう法案を作りますことを考えました根本は、現在やはり産業の合理化、殊に設備の近代化なり或いは更新なり、或いは新らしく機械化するということが是非日本の産業に必要だろうということからいたしまして、それを遂行いたしますために、一つはやはり何といつても資金の問題が一番重点がございまするが、ただ資金だけでは必ずしも急速に合理化が進み得ないのであります、ということからいたしまして、政府でも、国におきましても、何らかの方策でその合理化を促進する方策を考えたいということで考えたわけであります。予算としては当初そうした設備の更新なり何なりについて助成金を出すという案を考えておつたのであります。それともう一点は、相当金額も大きくなりますし、いわゆる資金面以外で助成をいたしますと、税の関係でその促進を図るということが、れは欧洲の各国でもとつておるもののようでございますし、恒久的な方策としても最も時宜に適しておるという考えの下に、その二点を主眼といたしまして立案をいたしておつたわけであります。ところが先ほどのように予算の関係がなくなりましたが、第一点の税の関係につきましては、この予算の関係を離れても一つ是非実現いたしたいということを考えております。先ほど官房長の話がありましたように、一応予算が落ちておりますが、是非ああした趣旨を何か見返資金等を使いましても、一つ何らか少し違つた形で実現したいということで、その二点を中心に目下研究をいたしておりますので、以下少しその内容について御説明申上げたいと思いますが、この案はまだ私どもの手許で研究しております案で、省全体としてもまだこれから一つ審議を願うはずになつておりますので、極くほんの試案として一つお聞き取りを願いたいと思います。 税の関係で申しますと、現在の法人税におきましても第六條で、重要産業と申しますか、いわゆるその当時の増産を特に必要とする石炭でございますとか、或いは肥料というようなものにつきましては、設備の新設なり或いは増設の場合に、その設備から出てくる事業収益については法人税を、事業を開始した年と、その後三ケ年、まあ四ケ年になりますか、一定期間だけ免税をするような規定がございます。これは現在でも必ずしも不要とは申し得ないかと思いますが、現状ではそう増産を是非しなければならないという産業よりも、この際設備の合理化を図るという点が非常にウエイトも掛つて参つておりますので、そらした面に税の取扱も変えて頂きたいということで、設備を近代化する、或いは更新をし、或いは新らしく機械化するというような部門につきまして、やはり今の法人税法にありますと少し違つた方法でございますが、法人税の軽減を図つて行きたいということで案を考えておるわけであります。その範囲は、現在の法人税法によれば、免税をしております範囲は非常に限定して狭くなつておりまするが、設備の合理化近代化という意味から申しますと、相当広く業種を考える必要があるということで、我々としては相当広く、いわゆる重要産業のほか、輸出産業にいたしましても、その他の関連産業にいたしましても、広く非常に新しい機械を入れ、設備の近代化合理化をする場合には、一つその範囲を拡げたいというのが一点でございます。それから軽減の方法といたしましては、そうした設備資金の一応七割くらいのものに該当する金額を、税法の計算上損金に落すということを認めてもらいたい。例えば新らしい機械を更新いたしまして、据附けて参りました場合に、一台一千万円の機械でございますれば、そのうちの七割と申しますと七百万円だけは、その事業年度における法人税法の清算上損金に落すことを認め、従つてその計算の下に利益を考え、課税をして行くようにして行きたい。そうしてその七百万円は必ずしも一気に落ち得ないで、七百万円を税の計算上損金を立てますと赤字になる場合もあると思いますが、これは現在の税法でも損金の繰越を五年間認めておりますので、同じような税法の扱いにおきまして損金の繰越を五年間認めて行くというふうなことにいたしまして、設備の更新のために、会社からいえば非常な利益になるような取扱いをやつて行きたい。例えば七割に該当する分が若し利益に上れば、三五%の少くとも課税を当然受けるわけでございますが、それが免除されることになりますので、従つて七割の損金に落すことを若し認めますと、通算いたしまして二割四、五分の助成金を出した結果と同じことになるかと思います。結局利益金が上りましても、全部税にとられるわけではございませんので、そのうち三五%だけでございますので、三五%税が助かるという計算をいたして参りますと、たしか二割四、五分ぐらいの助成をしたのと同じ結果になろうかと思います。若しこれを五割ぐらいにいたしますれば、これは一割七分ぐらいの助成をしたのと結果において同じことになるかと思いますが、さようなことで現在は一応七割、初めは五割と考えておりましたが、五割乃至七割ぐらいのものを当該事業年度の税法上の扱いだけにおきまして損金に算入を認める。若しそれがその計算において赤字になれば、五年の範囲内において繰越を認める、かような方法によつて一つ免税の関係をやつて行きたい、かように考えておるのが一点でございます。但しさようなことにいたします関係上、又現在非常に資本蓄積の問題がやかましくいわれておりますので、さようにいたしまして、税がかけらるべき、当然普通の税法で申しますれば税がかかる分に該当する金額だけは、別途企業内部に積立金として保留をさせまして、それを損金に当てる場合以外は使用を認めないということにいたしまして、そうして恩典を與えました資金は、社内保留として、或いは将来更に設備の更新なり、そうしたものに使われて行くように、社内保留にいたすという制限を置きたい、かように考えております。二番目は地方税法の関係でございまして、これは皆さん御承知のように償却資産につきましては今回地方税が、固定資産税がかかりますので、これの負担が相当重いことに相成ると思いますので、以上申しますような新税法上の扱いと同じような対象になるような機械については、その設置の日から三年くらいの期間固定資産税を免税にいたしたい、これは大体三年くらいということにいたしますれば、地方税の收入につきましてもそれほど大きなマイナスには少くともならんだろう、或いは取り得る税金が入らないという点は勿論一部当然出て参るわけでありますが、これらの設備だけについて一定期間免税いたすということは、現在の地方税法の免税の趣旨からいつても大した障碍にはならないと思いますので、そうした近代化、機械化された設備につきましては三年くらいの固定資産税の免税を図る、かように考えております。 なお設備の合理化をいたしますために相当の機械の輸入ということが考えられておりますので、これらにつきましては、機械については無税のものもございますが、相当二割くらいの税がかかつておりますので、この輸入税を、或る程度の機械の輸入につきましては、これも臨時的に、例えば大体三年くらいの範囲内で機械の輸入税を免除して行きたい、かように考えて、税関係の助成は以上の三点をいずれも考えております。 それから次の問題は特別会計を作り、或いは見返資金からその財源を仰ぎたいということにつきましては、これは内部でも議論がございますので、まだ省としては意見がきまつておりませんが、一応の案といたしましては、いわゆる金融で以て片の付くところは、成るべく金融の方式によりたいというふうに考えておりますが、相当輸入機械等で内地に入れましても、直ちに十分その外国におけると同様の効果を発揮するかどうか非常にリスクがある。或いは炭鉱等におきまして自然條件が違いますので、向うでよくても、そのままその機械でできるかどうかといつた点になおリスクがある。さような点で機械を輸入する場合に一応のリスクがあるというものにつきましては、これを政府で買上げまして、一定期間を貸與したらどうかというのが一つの考え方でございます。これはその企業でそれを使用いたしまして、十分使えるという場合には、それを売渡して行くというようなことにいたしたいと思いますが、そういうことで機械設備の近代化の促進に資して行きたいというのが一つ。それからなおもう一つは、現在まだ相当国産化されていない機械がございまして、これがなかなか民間の資力に待つておりましたのでは国産化しにくいという機械も相当ございますので、それらのものにつきましては、或いは試作的な機械を政府で買上げて、それを貸與の形で運用して行くというようなことで、一部現在国産化されておりません機械につきまして、国産化するための助成を図るためにその試作機械を買上げて、そうして民間に貸與して行くというような方法で国産化を図つて行きたい。以上のような点につきまして特別会計を作つて、財源を見返資金に仰ぎましてそうしたことをやつて行きたい。こういう二点が現在考えられている案でございます。これにつきましてはいろいろ財政当局等には相当意見もあろうかと思いますけれども、通産省といたしましては、かような考え方で行きたいということで、省としての意見をきめて頂くというふうに取り進めているような事情でございます。 どういう機械をこれの対象にするかということにつきましては、いろいろ目下研究中でございますが、この法案全体に対象になるような機械設備でございますが、原則といたしましては、その事業における最も優秀な機械ということを中心に考えようと思つておりますが、併し業界によりましては、いわゆる中小企業の多い業界もございますし、従つていわゆる輸入機械というようなものに限定するつもりはございませんので、その業界に応じたところで相当優秀な機械であれば、この対象にして助成を図つて行きたい、かような考え方で、我々のほうで業種別のどういうものを対象にすべきかということを検討中でございます。具体的にまだこうしたものということを申上げるほどに案がまとまつておりませんが、そういうような観点で今研究を進めているような次第であります。
○委員長(深川榮左エ門君) 先ほどの永山官房長並びに通商企業局長に御質問のあるかたはお願いいたします。
○境野清雄君 産業機械設備近代化法というのは、前から出されることを聞いておりましたし、私どもはこれは相当な予算をとりまして、そうして企業局長の話がありました通り、政府自体がこの機械を買いまして、それを各工場に貸付けをして、そうして設備の近代化を図るというようなことを聞いておりましたが、たまたま今の官房長の話、或いは局長の話によりますと、この予算が或いは望みが持てないので、今局長のお話しの見返資金ででもそういうようなことにできれば非常に結構ですが、それができ得ない場合に、今お話しになりましたように税金問題というようなものを主体にして、結局助成金を出したのと同じだというような話ですが、そういうような場合には、大企業においては確かにこれだけの自己資金を以て機械を買入れて近代化できますが、中小企業の面においては、これはなかなか買入れ得ないので、是非この法案を作ると一緒に、今のような財源がない場合には、中小企業の場合、金の借入れができるというところまで、一つ通産省のほうとしても考えて頂きませんと、なかなか大企業のほうは近代化ができるが、中小企業のほうは置いて行かれるという場面も非常に多いと思いますが、金融措置に対しても何かとコネクシヨンをつけて頂くように、格別にこの法案を作るときにお考えを願いたいと思います。
○政府委員(石原武夫君) 今お話しの点は誠に御尤もでありまして、中小企業につきましてはもとよりのこと、大きな企業につきましても金融の措置がうまく参りませんと、税金のほうは負けてもらえるということになつても、設備のほうはなかなか方針ができないということになりますので、金融のほうはまだ我々詳しく事情を大蔵当局から聞いておりませんが、いわゆる金融債によつて相当の資金を出してもらうというようなことにつきましても、目下これをただ銀行の資金源として政府資金を與えるということではなく、政府は、是非一つやらなければならんというような面には、資金が流れるというような、そういうような制度を是非作りたいということで目下交渉しておりますが、お話のようなことは、できるだけ通産省のほうといたしましては、そういうような方法をとりましても、努力いたしたいと思います。
○境野清雄君 今のと関連して、産業合理化を図るということで産業合理化審議会というのがありますが、あれはどんなような活動をしておりますか。おわかりでしたらちよつとお伺いしたいと思います。
○政府委員(石原武夫君) 実は今日或る程度まとめまして資料として御配布申上げようと思つておつたのでありますが、間に合いませんで甚だ恐縮でございますが、次の機会にでも一つ、各部会で検討しておりますので、その結論を要約いたしましてお手許に御覧願うようにいたしたいと思います。現在の進行状況は、合理化審議会は、一応各業種別にできておりますが、約三十くらいの業種に細分いたしまして、部会を作つて、その部会で各々その業種の合理化なり今後の業界の見通しと申しますか、そういうようなものを検討願つているのでありますが、そのほかに一般的な業態の問題を取扱います一般部会というようなもので併せてその審議を進めておりますが、現在までに一応答申案としてその部会でおきめになつて、一応の案が出ておりますのは、例えば鉱山の関係で銅工業につきまして、これは普通のほかの業種と多少事情が異つておりますが、御承知のように今までの生産は相当上つておりますが、いわゆる鉱石から作ります銅につきましては御承知のように僅かな数字で、スクラツプによつてそれを精錬することによつて現在の銅の需要が賄われている。従つてさようなスクラツプの供給源が減ります関係上、国内で相当増産して需要を賄つて行かなければならないということで合理化もできますが、銅のほうにつきましては、非鉄金属につきましては増産の計画を織込んだ計画でございます。二十七年度以降三ケ年くらいの間に大体現在の日本で、銅で申しますと経済的に採算が一応可能だろうという、年産六万トンくらいのところまで持つて行こうという計画で、それに併せて設備の更新を図るということで一応の案ができております。資金は約三十億くらいの所要資金が必要だということで、これは部会で一応の結論を出しておいでになります。 それからそのほかにガス、コークスの部会で、これも一応三ケ年計画で合理化の目標をきめて、そうして現在相当復旧はいたしておりますが、まだ相当老朽しておる設備もございますし、殊に配管等におきましては相当のガスの漏れで、現在でもまだ十二、三%程度のロスがございまするが、そういうものの復旧でありますとか、そういう計画を一応三ケ年計画として作られております。 それから化学工業につきましては、繊維につきましては、化学繊維の部会がこれは一応の案を出しておいでになりまするが、これはまあ勿論この場合設備の合理化の問題もありまするし、今後の増産と申しますか、増設計画というようなものも併せてお考えのようでございまするが、これにつきましては一番大きな問題は、原料のパルプをどうするかという問題が問題になつておりまして、これの全体は輸入の問題もございまするが、国内の林産資源との関係をどうするかという問題がございまして、それは農林当局でも非常に頭を悩ましておられまして、炭鉱の抗木と、それからパルプ原料の木材との関係もございまするし、全体の日本の木材資源との関係、従つて薪炭等の関係も併せて、全体の日本の木材を一体どうするのだという大きな問題になりまするので、これはこの審議会ではやつておりませんが、別途最近農林当局等に入つて頂いて、将来のそうした木材資源のあれをどうするかというようなことを今後打合をいたすようなことにいたしております。 それから化学のほうにつきましては、無機の関係は、一応各その業種に応じます合理化計画という問題を三ケ年計画で進めておられまして、例えばソーダにつきましては三ケ年にほかの條件が同じであれば、大体一七%くらいのコスト引下げをするというような案で、所要資金約五十七億ということで案が出ております。 それから電気機械、セメント等につきましても同じように設備の主として近代化の関係でございまするが、そうした業種別に一応の答申が出ております。それで我々のほうといたしましては、各部会によりまして多少事情が異りますが、多くのものにつきましては、やはり設備の合理化、或いは近代化というような点に重点がございまして、その所要資金を如何にして賄らかというのが、一番この大きな合理化を進め得るかどうかという要点でございますので、各部会から出て参りましたのを一応集計をいたしまして、全体の資金繰りとの関係をつけてこれを検討し、一応の審議会全体としての意向としてとりまとめたいということで、まだ部会として結論が出ていないこともございまするが、それを促進いたしまして、資金の問題は全体まとめて一つ審議会の結論を出したい、かようなことで目下進めております。 それから一般的な部会につきましては、これはいろいろ分れておりますが、例えば輸送の問題につきましては、これは通産省の関係ではございませんが、コストを引下げるという問題につきましては、運賃の問題と申しますか、荷役の関係を入れまして、そうした輸送の負担が相当大きな関連がございますので、それらのコストを引下げるということがまあ非常に大きな問題になりまするので、例えば銑鉄につきましては、原料全部入れますと、コストの半分くらいを運賃が占めるというようなことになりまするし、ソーダ等も、塩の問題があるからでございまするが、四〇%くらいをやはり運賃が占めるというようなことでございまするが、荷役の設備の合理化によりましてその輸送費の軽減されることが、コストに非常に大きく響きますので、それらの点を検討いたしまして、これは主として荷役設備に相成るわけでございまするが、鉄道運賃、或いは汽船の運賃ということになりますと、これはちよつと通産省としてもタツチする範囲外でございますから、いろいろ国鉄の特別会計の問題にもなりますので、その辺は我々としてタツチができませんので、主として荷役の設備の合理化の点を取上げまして、そのうちいわゆる公共事業に取上げられ得る港湾でありますとか、道路というようなものにつきましては、公共事業に順次織込んで参りたいということで年度計画として出して、安本等にも折衝をいたしております。なお個々の企業につきましてもそうした合理化の必要がありますので、それらは合理化資金の中に入れて、それの確保を如何に図つて行くかということで考えております。 それから金融の関係と申しますか、こういう部会を設けておりますが、一つプラント輸出の問題があるのですが、これは最近の輸出銀行で片が付きました。そのほかにもう一点ゼネラル・モーゲイジの点を取上げて、この部会としては成案が出ております。これは詳しく御説明をする時間はないかと思いますが、従来の日本におきましても、特殊会社につきましては一般担保の適用がございますので、財団抵当によらずに社債が出せておつたわけでございますが、特殊会社が廃止されました現在は、電力だけにこのゼネラル・モーゲイジの制度が残つておりますが、日鉄法はあの廃止のときに経過規定がございますが、将来ゼネラル・モーゲイジの適用を受けられないというようなことになりまして、非常に不便が多いものでございますので、英国等の例に傚いまして一般的にゼネラル・モーゲイジの制度を布きたいということで草案を作つて、今関係各省で相談中でございます。御承知のように現在の財団抵当法によりまして、非常に登記その他について時間を要し費用を要しますので、今後新らしい社債などによる金融をやります上において、なかなか実際問題としてそういうことに障害がございます。例えば八幡製鉄は今までは一般担保、ゼネラル・モーゲイジの社債を出しておりますが、これを若し工場財団で出すといたしますれば、少くとも一年ぐらいの期間を要しますし、金額としても或いは一億乃至二億くらいの金を要するというようなわけでございますので、これは製鉄に限らず、相当広く一般担保で社債等が出せるような規定を英国等の例に傚つてやりたいということで案を作つて、今大蔵省でございますとか、法務府に連絡しておりますが、聞くところによりますと、大蔵省はこの通常国会にその案によりまして一般担保制度を出されるということをお考え中だそうでございます。或いはこの通常国会に大蔵省のほうから御提案があるかも知れないというふうに私ども聞いております。それからもう一つは、一つ財務管理の関係の分科会を作つておりますが、これは主として経営の内部監査と申しますか、いわゆる標準原価とか、会社内部の管理制度を如何にして確立すべきかということを目下研究をいたしております。経営監査制度を如何にするか、その組織を如何にするかということを研究をいたしておりますが、これは御承知の通りアメリカ等におきましてはコントローラシツプということで、相当経営の内部監査の組織が非常に戰時中、或いはその後発達して来ておるようでございます。今後の日本の企業全体の合理化という点から申しますと、そうした組織的な或いは監査制度というようなものも順次取入れて行く必要があるだろうということで、目下それを検討いたしております。もう一つは生産管理の関係の分科会を作つてやつておりますが、これは戰前に臨時産業合理局というようなものがございました当時に、いろいろ合理化問題を取上げましたのでございまするが、そのほかに最近の問題といたしまして品質管理の問題でございますとか、いろいろ経理管理でありますとか、或いはその後の合理化の問題がございますので、そうした技術的な問題を取上げて目下研究しております。これらにつきましてはまだ成案を得るに至つてはおりません。それから中小企業の分科会におきましては、これは現在やつておりますのは企業組合の設立方針でありますとか、中小企業診断制度の改善方策というようなものを現在立案中でございます。 以上極く大雑把でございましたが、現在の状況はさようなことになつております。
○境野清雄君 今日の問題と違うのですけれども、丁度局長さん見えられたので都合がいいので、一つだけ御質問したいのですが、例の商品取引所開設が大変遅延しているようですが、それに対する事情を簡單で結構ですから一つ御説明願いたいと思います。
○政府委員(石原武夫君) これは我々事務当局としても甚だ困つておりますのですが、実は各取引所の申請が出て参りまして、取引所から申請が出ましてから我々のほうの手許の審査は一週間以内にいたしまして、司令部に全部出しておるのでございます。一つだけ大阪の化繊取引所が割合早く認可になりまして現在動いておりますが、それ以外のものは全部司令部にとめられまして、従つてまだ設立ができないで、業界も非常にお困りのことでございますし、我々としても甚だ恐縮に思つておるのでございますが、司令部の審査がまだ済みませんので、これはマーカツト会見等でたびたび大臣からもお話を願つておりますが、実は担当官が今向うに行つておるというような事情でございまして、それが帰るまでどうしても待つてくれということで、未だに解決が付かないような状況でありますが、我々としてはできるだけ来年早々にでも解決ができるというようなことで話をしておりますが、担当官がまだ帰つて参りませんので、はつきりしためどは付きかねるような状況でございます。
○境野清雄君 担当官が戻つて来て、いつ頃かということは全然お見通しは付きませんか。
○政府委員(石原武夫君) 実はこの前マーケット会見で話をしましたときに、年内に帰つて来るから、年内に返事ができるだろうという話でありましたが、はつきりいつ帰つて来られるか、今我々のところでははつきりわかりかねております。
○境野清雄君 特殊な難点があるというような点はありませんか。
○政府委員(石原武夫君) 我々もたびたび参りまして、向うのファイナンスが一番問題があるわけでありますが、いろいろ議論をいたしまして、向うがこれがいいのだというような点が我々にはつきり呑み込めないのであります。一つは綿につきましては、向うの審査の方針は、綿の取引所について審査をしておるわけでありますが、それが今問題なので、それがきまればあとは右へならえで全部片付くと、こういうお話ですが、そのうちに絹等も全部はずれるような状況になるだろうから、それまで待つたらどうかというようなことも言われたこともございますし、一つは取引所を開設しますと、相当そのために金融がそれのほうに流れやしないか、従つて今の金詰りから或いはインフレーシヨンに拍車をかけるというような心配が非常に……、資金的にそちらのほうに、綿の需要が殖えて来やしないかというような、こういう点を言つておられます。併しあとの問題につきましてはさようなことにならんという説明をいたしましたについて、何らそれに対して反駁をいたしませんし、全体につきましては、これはいろいろ今後の綿の情勢がどうなるかはつきり見通しが付かんので、そう簡單に国内にこれが全部自由になるかということが言えるかどうか、その見通しははつきりしませんけれども、輸出に限つてやるので、輸出については統制ということを考えないという話をいたしておりますが、どこに本当の真意があるか、実ははつきりつかめないような状態であります。
○境野清雄君 綿に関しては今の御説明で大体納得できるのですが、大阪の化繊を許可してあつて、福井は多分人絹糸だけだと思いますが、又東京の化繊のほうは別個に建つような話なので、そういう面が、大阪の化繊が許可されたのなら、私たち常識的に考えて見ても、福井と東京の化繊の分はいいのじやないかというふうに解釈しているのに、依然としてそのほうもとまつておるようですが、それは別に大阪の化繊を開いた結果が悪いとか、或いは大阪の化繊を開いたものに対して、一応何か考えがあるとかというような点は見受けられないのでありますか。
○政府委員(石原武夫君) 今のお話のように全く我々の折衝している範囲ではございません。ただ向うが申しますのは、綿の関係をとにかく片付けて、それがきまり次第という今のお話のような点は、我々も向うへ申しておるのですが、とにかく綿の問題を片付けてからという回答でございます。
○境野清雄君 極力御努力願いたいと思います。
○吉田法晴君 先ほど問題になりました各産業の合理化審議会の結論の出ておりますものについては、あとで資料で頂きたいと思うのでございます。それからもう一つお尋ねいたしたいのは、こういう合理化審議会の結論と、それから安本で最近立てられかかつております自立経済計画ですか、これとの関係はどういう工合になりますか。
○政府委員(石原武夫君) 実は合理化審議会が先に発足しておりますが、安定本部のほうは、この秋からやつておられるわけであります。それで我々のほうとしましては、合理化審議会につきましてはああいうふうに、安本の計画しておりますように日本の経済が牧支のバランスがとれるというようなことで発足をいたしておりませんので、実はこの一、二年を目標にして、客観的な情勢から各産業別に、どの程度の生産規模に一応想定するのが最も現実的かという想定が一つと、それからその範囲内におきまして合理化を進めて行くということになりまして、どういう方法をとるということを検討しているわけであります。それで鉄とか石炭等につきましては、大体三ケ年の計画を我々のほうもしておりまするし、その他のものについては三ケ年くらいの計画を立てておりますところもありますし、或いは極く短期間の三ケ年計画について対策を立てることはむずかしいので、差当りのところで、少くともこれだけの合理化をやらなければならんというようなことで案を作つておられるところや、我々のほうでは必ずしも三ケ年ということでなくて、むしろ一両年の見通しで以て合理化審議会というものをやつておりますので、多少目的は違いますが、我々のほうで一応検討いたしました結果は全部安定本部のほうへ出しまして、それを自立経済審議会のところで資料として出しまして、それをできるだけ採用して頂くようにという、こういう方向で進んでおります。今のところ両審議会のあれが矛盾するということには一応相ならんというふうに考えております。
○吉田法晴君 それから先の産業機械設備の近代化法案の一点、これは聞き漏らしましたので、固定資産税の三ケ年間の免除というのは、これは全部で三〇%と言われましたが、どの程度の免除だということを一つ。それからもう一つは、それは危險の多い機械、それから国産化しない機械を買上げて、そうして貸與する、こういうような構想でありますが、危險の多い機械、国産化しない機械というので、どういうのが考えておられるのかということ、それから疑問に思うのですが、補助金その他のやり方は、いわゆるドツヂ・ライン以後私どもはとられない方策のように考えて参つたのですが、政府で買上げて貸與するという方法と、そういう考えとは矛盾しないのか、どういうふうにこれが考えておられるのか。
○政府委員(石原武夫君) 第一の御質問の固定資産税につきましては、その設備を新設いたしましてから三ケ年間固定資産税は全額免除するというように考えております。たしか一・六だけかかつておると思いますが、そのうちの何割か、それは三ケ年間は全部免税するということになつております。 第二の御質問のどういう機械があるかというような点につきましては、実は今詳しく承知いたしておりませんので、甚だ恐縮でありますが、炭鉱等で、外国で相当機械化されておる、それを日本にそのまま持つて行つて、自然的條件も違うので、一応まあこれならという機械を入れても、果してこの通り能率が上り得るかどうか、従つてそれだけの投資をしてこつちが引合うかどうかという点があると思います。そういうようなものと、その他これはちよつと機械局長が御説明申上げるといいのでありますが、それに類したような機械が相当あるということで、こういうものについて考えるということにいたしております。 第三点の御指摘の点は、全くお話の通りでございます。我々といたしましては一応助成的な予算を組んで、それが落ちたということで、それの交渉は非常に困難だとは思いますが、是非もう一度やつて見たいというようなことであります。
○吉田法晴君 ちよつと重ねてですが、今の炭鉱の例を引いてお話になりましたが、そういうことですと、或いは試験的にとにかく使つて見る。効率その他をテストする意味で使つて見るということならば、これはいわゆるドツヂ・ラインと申しますか、考え方に余り矛盾しないと思いますが、そうすると何といいますか、この機械のために費す国費にいたしましても少額でありましようし、或いは機械それ自身も非常に少いものになるのじやないか、こういう感じがいたしますが、その辺の何と申しますか、考えておられる量と申しますか、或いは使い方についてはどの程度のものでありましようか。
○政府委員(石原武夫君) その点は、どの程度の機械が今申しましたように非常にリスクが多くて、普通の銀行ではむずかしいので、一部そうした貸與とか、そういう制度が必要なんだということを検討しておりますので、はつきりどのくらいということはちよつとまだ数字が出ておりませんが、極く大ざつばに言つて、金額にいたしまして四、五十億ぐらいはあるだろうということでございますが、これはまだ検討いたしておりませんので、数字は変るかも知れません。さよう御了承願いたいのであります。 —————————————
○委員長(深川榮左エ門君) 次に繊維産業事情に関して近藤繊維局長に説明を願いたいのですが、それは委員長の手許まで次のような問題に関し質問要項が出ておりますので、先ずその点を説明して頂きたいのであります。 それは第一に綿花、羊毛の輸入状況、第二に特需の現状と繊維品需給の見通し、第三に輸出繊維品の海外需要、特に南アにおける関税引上に伴う諸問題、第四に綿業統制の現状と解除の見通し、第五に最近における高級品繊維製品に対する物品税課税の噂に対する当局の意見、等であります。 それでは右に関して説明をお願いいたします。
○政府委員(近藤止文君) 只今の質問要項に準じまして、只今までわかつております事項につきまして概略御説明を申上げます。 第一の御質問の要点は、綿花、羊毛等の輸入状況、その見通しという問題でございまして、これはお手許に繊維原料の輸入状況並びに今後の見通しという刷り物を差上げてございますので、それによりまして御説明を申上げます。繊維原料の輸入の問題で一番大きな問題は、原綿の見通しがどうなるかということでございまして、最近新聞紙上等にも相当賑かに出ておりますこの原綿の輸入の問題は、一番の要点は米綿の輸出割当制の下におきまして、日本がどれだけの割当を得られるかということにあるのでありまして、お手許に差上げてございます表から見て参りますと、今年の十月から来年の九月までの一ケ年間をとつて見ますと、全体の所要量といたしまして百七十七万六千俵という数字のほかに、二十四万俵というランニングストツクを必要とする、つまり大体二百万俵程度のものが要るということになるのでありまして、この需要に対しまして供給の関係を申しますと、本年の九月末日の在庫が三十七万四千、十月の入荷実績は十七万九千俵、十一・十二の予想といたしまして二十九万二千俵、これはプリントがちよつと間違つておりますが、来年一月から三月までの入荷見込が六十三万二千俵、合計いたしますと百四十七万七千俵ということになりまして、四月以降に五十三万九千俵の綿を確保いたしませんと、新らしい綿花年度の切替に際しまして下足を生ずるという計算になるのでございます。この内訳を多少詳しく申上げますと、御承知のように米綿の割当は、本年の八月から来年の三月までに第一次といたしまして五十五万俵の割当がございまして、その後追加といたしまして十四万三千俵の割当がございまして、来年の一月に保留として残つております六十五万俵のうち、日本に何がしかの割当があるということになつておるのでありまして、この六十五万俵の保留の数字のうちからどのくらい入るかという見通しでございますが、大体司令部関係その他の意見を打診して見ますと、十二万俵程度のものが割当てられるのじやないかというように考えられるのであります。それで参りますと、只今までのところ概略この八月から来年三月までに八十二万俵という米綿の割当が得られるであろうというふうに考えられます。ところがその以後の割当数量でございますが、つまり来年の四月から七月までの間に一体米綿がどれだけ輸出されることになるか、その場合に日本に対してはどのくらいの割当が来るかということが非常に大きな問題でございまして、この場合に殆んどこの期間にアメリカが輸出しないということになりますと、非常に大きな数字の不足を生ずるということになるのでございます。この点は現在のところでははつきりいたしません。或る程度楽観的な見込を言われるかたもありますし、又司令部の係官の中にも、非常な悲観的な見込を言われるかたもありますし、どの程度の数字になるかということははつきりいたさんのでございまして、これは一つはかかつて来年におけるアメリカの国内の消費が一体どれくらいになるかという問題と、新らしい綿花の作付面積、それが大体来年の三、四月頃にはきまると思いますが、どのくらいの植付をするか、又来年六、七月頃になりますと、新綿の収穫予想というものが出て参るのでありますがこれがどのくらいの收穫になるかということと関連いたしまして、数字が最後的にはきまるかと思うのでございます。従つてそれらの不確定な要素が相当ございますので、四月以降にどれだけのものが入るかということを予想することは現在非常な困難な状況にございます。若しこのアメリカの綿の割当が非常に減るということになりますと、いきおい半面におきましてアメリカ以外の地方からの綿を余計に買わなければならんという問題になるのでございまして、例えばブラジルでありますとか、メキシコ或いはパキスタン、エジプトその他アフリカ地区、そういつた方面から相当多量に買付をいたしませんと、原綿の事情は可なり窮屈になるのでございます。これも一体どのくらいのものが買付得るかということになるのでございまして、将来の問題でございますから、見通しといたしましては非常にむずかしい問題でございますが、いろいろ仮定を置いて計画をいたして見ますと、まあこれは今後の問題としていろいろ事情が違つて参ると思いますが、楽観的に見て計算をいたしますれば、大体五十三万九千俵の不足分、いわゆる四月以降における要確保量というものは大体確保されるという計算になるのでございます。併しその場合におきましては、ブラジルあたりの綿が相当スムースに買付けられる、又四月以降におきましても米綿が大体十万俵ぐらいのものは割当があるだろうというような予想をいたしまして計算いたしますと、大体予定いたしました数字に殆んど合つて来る。 それからもう一つ大きな問題でございますが、新しいアメリカの綿は、普通に申しますと十月に入つて参りまして、十一月の国内消費に当てられるという計算になるのでございますが、これが若し相当潤沢に収穫されるということになりますれば、相当繰上げてアメリカの綿というものが輸出されるという見込もございまして、十月分くらいの綿は古い綿、或いはもつと古いようないわゆる古綿、古々綿というようなもので賄い得るというようなことも考え得るのであります。そういつた事情になりますと、大体只今計画いたしております予想数量、これは年間平均毎月の生産を十四万五千梱と押えておるのでございます。今年の九月から来年の十月までを見込んでおるのでありますが、平均数量十四万五千梱、来年の十月になりますと月産十六万梱という数字で計算いたしておりますが、その計画数量が充足できるということになるのでございます。併しこれは相当楽観的な見方をいたしておりますので「この数字からなお相当削減される要素ができて来るということになつて参りますと、来年の生産の平均は月平均いたしまして十四万梱、或いは十三万五千梱程度の生産にとまるということも考えられるのでございまして、いずれにいたしましても、それまでの、いわゆる新編の出廻つて参りますまでの期間、できるだけ原料の食い繋ぎをいたしまして、生産を上げられるだけ上げて参るという方向で進んで参りたいと思つて、いろいろ目下努力をいたしておるのでございます。何分にも綿の買付けは、すべて国と国との間の協定関係その他でございますし、又最も大きな米綿につきましては、輸出割当制というのがございますので、今後相当これらの数量を確保しますことには困難があるというふうに見込んでおるわけであります。 それから次に原毛の事情でございますが、それはイといたしまして原毛の需要がここに書いてございます。当初私どもで計画しました数字は、年間の所要量を三十七万七千俵というように押えまして、この数字に基きまして供給のほうをマツチさせるように今まで努力をいたして参つたのでございます。ところが原毛は御承知のように綿花以上に価格が最近の濠洲市場におきまして暴騰いたしておりまして、そのために予想いたしました為替資金を以ていたしましては、到底予想しただけの数量を買うことができないという状態になりまして、この第三四半期、十月から十二月の期におきましても、数度為替資金の追加をいたしまして、何とか計画量の買付けをする予定を立てたのであります。特に原毛は濠洲が大部分でございまして、この濠洲にはポンドを以て充てるということになるのでございますが、ポンド資金が最近非常に枯渇いたしまして、ドルは余つておりますけれども、ポンドのほうがなかなか思うように確保できないという問題から、大変に難航いたしまして、結局ドルをスワツプいたしましてポンドに替えて、これで買付けをするということで、この第三四半期の計画も一応組んだわけでございます。この数字はここにございますが、二十二万二千五百俵という数字が、今年の七月からこれは十二月までの間に買付けを済んだ数字でございます。二月ずつ実際の消費とはずれて参りますので、買付けのほうは七月から十二月ということになつておりますが、それで二十二万二千俵という数字を確保することが漸くできたのでございまして、この中には特にベルギーあたりから輸入をいたしましたのも約三万俵含んでおります。当初の計画を実行いたしますためには、今後どうしても十三万三千七百俵の綿を買付ける必要があるという状態でございますが、来年一月以降における見通しの点を申上げますと、実はポンド不足は依然としてやはり非常な極端な状態にございまして、若し一—三におきましてポンドをできるだけ多量にドルを以てスワツプするということをいたしませんと、羊毛の買付けは殆んど不可能になるのであります。現在為替管理委員会を中心にいたしまして、ドルをポンドにスワツプすると、而もそれをできるだけ多額に廻すということで努力をしておりますが、それが若し相当量実現するということになりますれば、大体来年一—三月の間におきまして約十万俵の買付をいたしまして、四—六月の間に三万三千俵という不足量を買付けるという計画をいたしておるのでございますが、これは必ずしもこれだけの数字が確保できるかどうか、多少疑問があるのでございまして、堅く踏みますと、大体年間に三十二万俵程度のものが買付け得るという結果になるのじやないかと思うのでございます。 その下に人絹、パルプの需給関係の表がございますが、簡單に申上げますと、人絹、パルプはやはり輸入を相当予定しておるのでございますが、なかなか輸入のほうがスムースに参りません。その代り逆に国内用のパルプの生産は急速に伸びておるのであります。結論的に申上げますと、国産パルプを相当来年度作りまして、逆に輸入の足らずまいを補うということにならざるを得ないかと思うのであります。現に輸入パルプにつきましては長期資金の割当をもらいまして、八万五千トンの買付けをするというつもりでおつたのでございますが、実際はそこまで参りませんで、よほど努力をいたしましても七万トンぐらいのところまでではないかと思われますので、そういたしますと二十万トンちよつとの実際の数量が必要でございますが、その足らずまいは十三万トン余り国産を以て賄わなければならないという問題になるのでございます。この場合に生産力につきましては勿論問題はないのでございますが、森林の過伐の問題がございまして、できるだけ日本の森林を保護するという意味におきまして、伐採量をできるだけ節約するという観点から、現在あらゆる方面で、そういつたいわゆる植林なり或いは新らしい林道の開発なり、そういつた方面と、それから不用な用途に濫伐する点を防ぎまして、薪に代えるに豆炭のようなものを使用する、或いは坑木につきましてもできるだけ防腐剤等の施設をいたしましてこの壽命を延すということをいたしまして、極力パルプの原木の確保ということに努めたいというふうに考えておるのであります。この国産パルプの生産に必要といたします木材の数量は、大体三百万石程度のものでございまして、大きな数字ではないのでございますが、やはりほかの関係にも相当影響いたしますので、そういつた方策と併せまして国産パルプの増産をいたしたいというように考えておるわけであります。大体原綿、原毛、パルプの輸入の状況と見通しは只今申上げましたようになつておるのであります。 それから次に繊維に関する特需の関係と、国内需要に及ぼす影響につきまして申上げますと、最近特需のうちで繊維は第二番目の大きな数量になつて参つて来ております。十月までは非常に繊維に関する特需が少うございまして、先ず殆んど問題にするに足らないような数字であつたのでございますが、十一月に入りましてから相当多量の特需が出まして、金額が急速に伸びまして、二番目くらいのところに今上つておるわけであります。十一月一ぱいで大体どのくらいの特需があるかと申しますと、金額にいたしまして約五十億円の金額に上つておるのであります。そのうちで一番大きな金額に上つておりますのは綿花でございまして、これは数量にいたしまして千三百万ヤール、目方にいたしますと約四百万ポンドという数字になつておるのでございます。 その次に大きな特需は砂袋、これはジユートの袋でございまして、土嚢にいたすのでございますが、これがやはり相当大きな数になります。個数で申しますと二千五百万個でございますが、金額も十四億というような相当の数字に上つております。それ以外のものは余り大きなものはございませんで、毛布、寝具、それからあとカタン糸、そういつた細かいものがございます。それを合計いたしますと五十億円という数になるのであります。このうちで綿につきましては、実は御承知のように本年八月に司令部からメモが出まして、特需用というような、いわゆる特需向けといたしまして毎月五百万ポンドの数字を保有することになつておるのでございます。現在まで毎月それだけの数量を保有して参つております。その保有数量に比べますと、実は特需の綿の数量は極めて僅かでございまして、人絹その他の分まで合計いたしましても、漸く一月分の五百万ポンドになるかならんかという数字でございまして、これは輸出と同じ枠に入つておりますので、この特需がございますために特に内需を制約する、或いは内需を圧迫するという、内需に食い込むということはございません。 それからジユートの関係でございますが、これはジユートは実は急速に注文が出ましたので、新らたにこの袋を作ることが間に合いませんので、最初におきましては食糧関係の麻袋を一時徴発といいますか、徴発ではございませんが、その袋を一時利用いたしまして、この麻袋に充てておつたのでございますが、その後新らしいものをどんどん作りまして、これを特需に振向けておる状態でございます。このほうはこういつた古袋を先ず利用いたしましたので、最近の生産から申しますと、この特需の関係を新らしいもので補いまして、なお且つ食糧のほうにも相当量の麻袋を廻し得るという状態に現在なつております。又輸入の関係が非常に円滑でございますので、大体国内の輸送、その他食糧の輸送等に支障を生ずるようなことは現在のところでは起つておりません。 それからその他のものでございますが、いずれも数量が余りまとまつておりませんし、又毛布のようなものは、特別の規格のものでございまして、非常に低劣な規格の毛布でありまして、純毛が僅かに一割入つております。あと三割はスフを混ぜまして、六割は落綿処分、つまり襤褸で毛布を織るということになつておりますので、実際に国内の各製品に対する圧迫ということは殆んどございません。ただ一遍に需要が殺到いたしましたので、一時的にこの特需用の毛布を充足することに追われまして、国内用毛布の生産が多少時期がずれるということはありましたが、現状におきましては殆んど計画も進みまして、元へ復して参つております。余り大きな影響はなかつたと思います。 それから三番目に今後の繊維の輸出の見通しの問題、特に南阿における高率関税の問題についての質問でございますが、今後の繊維の輸出の問題につきまして、一番大きな問題は、やはり国際情勢がどうなるかということであります。先ほど申上げました綿花、羊毛の輸入の問題につきましても、これは国際情勢如何によりまして、例えば運んで来る船腹がないということになれば、当然非常に窮屈なことになるのでありますが、特に今後の輸出の問題にいたしましても、国際情勢に影響されるところが非常に多いのでございます。現状を申しますと、大体綿製品、或いは毛製品、或いは人絹、スフ等の製品にいたしましても、大体三月までのものの輸出の約定は済んでおる状態でございまして、四—六月ものにつきましてまだ多少商談の余地があるという状態でございまして、大体来年上半期におきましては、殆んど輸出し得るものにつきましては、八、九分通り商売が済んでおるというのが実情でございます。ところがこの四—六から先の問題、来年の七月以降というような問題になりますと、今後の市況がどうなるか、綿の問題にいたしますれば、米綿の、いわゆる新綿花年度における米綿の生産がどうなるかということで、現にアメリカの綿花相場が先安になつております。その場合に製品が一体どの辺の値頃でさばけるか。若し非常な豊作であつて、そのために綿製品価格が暴落するというようなことになりますれば、今までのものにつきましてもキヤンセルを受けるというようなところもございますので、ちよつと来年七月以降の問題につきまして気迷いの状態にあるわけでありまして、そのほかの繊維につきましても、人絹、スフ或いは毛等の製品にいたしましても、殆んど同じような状態でございまして、上半期におきましては比較的順調な貿易が行われますけれども、下期には相当波瀾があるのではないかというように考えられるのでございます。 南阿の高率関税の問題でございますが、これは誠に私どもといたしましても心外の点でございますが、日本からの繊維品特に毛織物等につきまして六割というような非常に高率な関税をたしかかけられておるのでございます。これは禁止的な関税でございまして、この適用を受けております国はソヴイエトとか、或いはその他南阿に殆んど輸出のないような国に対して適用しておる税率を日本にかけておるということなのであります。この点は誠に遺憾であると同時に、南阿における向うの商社も極めて不合理である、何とか早くこの問題は運動すれば下げてもらえるのだろう、一つそれをやつたらどうかという話もあるくらいでございました。現に西ドイツにおきましてはいろいろ運動をいたしました結果、関税の引下げに成功いたしました。この点は私どもは司令部その他を動かしまして、関税引下げを早急にこれを実現したいということで只今いろいろ陳情その他努めておる状態でございます。それでまあ西ドイツの例もございますので、多少強力にいたしますれば、南阿の関税率は引下げられる可能性が相当あるものと考えております。 それからその次に綿業統制の現状と見通しという御質問でございますが、綿業の統制は、御承知の通り現在は途中の段階まで、多少中途半端でございますが、統制が残つておるという状態でございます。ほかの繊維につきましては、輸入の為替資金の割当制が残つておるものがございますけれども、国内におけの生産配給の統制の残つておりますものは全くございません。ただ綿だけは現在綿糸、綿布につきまして、特に綿糸は全面的に統制をいたしておりますが、綿布につきましては部分的な統制が残つておる状態であるわけでございます。この綿の統制が今後どういうことになるかという問題でございますが、第一に綿糸の生産がどんどん上りまして、輸出にも相当出し、国内需要も大体賄えるという状態になれば、綿の統制を継続する必要はないことになるのでございますから、どのくらいのところまで生産が上れば統制を解除し得る段階になるか、又そういう段階がいつ頃日本におきまして実現するかという問題が、先ほどの輸入の予想の問題等々とからみまして非常にむずかしい問題でございます。大体来年の一月以降順調にに綿の生産が上つて参るということになりますれば、四月以降の時期におきましては、綿の需給関係につきましても或る程度安定をする時期が来るものと考えておるのでありますが、そういう時期が綿の統制をもう一遍再検討する時期であろうというふうに考えるのでございます。ただ一つ具体的の問題といたしまして、非常に統制の継続を困難とする事情があるのでございまして、これをどうするかということが差当りの問題として非常に大きな問題だと思うのでございます。それは現在国内用の綿製品に対しまして当てられております綿花は、政府の手持ちの綿花でございまして、これはいろいろな値段で買付をいたしておりますけれども、拂下げをいたしますときには、一本のプール価格によりまして拂下げをいたしておるのであります。現に四十二セント何がしというようなところの平均価格を以て拂下げをいたしておるわけであります。ところがこの綿花はもう十三万俵ほどしか残つておりません。普通の状態で推移いたしましても、来年の三月に入りますと、との国有の綿花は零になるわけでありまして、その後におきましては、国内用の綿花にいたしましても、すべて民間の業者が買付けました原綿を当てて供給をするということになるのでございます。ところがその原綿につきましては価格が非常にまちまちでございまして、安いのは三十セント台から高いのは七十二セントまで現在買付けられております状態でございますので、それぞれの会社の手持ちの綿花の価格というものは非常に開きがあるわけでございます。その場合に一体国内用の綿製品の価格をきめることができるかどうかという問題があるのでございまして、そういつた目先に引つかかつております統制の技術的に困難な事情が一つここにあるわけであります。その問題から結局国有の綿花がなくなる時期におきまして、やはり綿の統制の問題を検討せざるを得ないことになると私どもは考えております。予想通り綿花が相当入りまして、生産が大体来年の十月頃には十六万梱くらいのむのが上るというふうなことになりますれば、余り遠い時期でない機会に綿の統制というものは撤廃し得ると思うのでございますが、これは今後における国際情勢と原綿の入手の状態如何ということにかかると思うのでございます。その事情如何によりましては、やはり統制というものは継続せざるを得ないということになりますが、その場合には統制の技術的な問題につきましては、相当違つたことを考えざるを得ない状態に今あるわけでございます。この点はまだ政府部内におきましても、司令部との関係におきましても、なかなか具体的には決着をいたしておりません。もう暫く時間がかかるものと考えております。 それから最後に高級織物に対する物品税の課税に対する見解はどうかという御質問でございますが、実はこれは通産省といたしましては、まだ正式に大蔵省から何にも話を聞いておりません。先般たしか参議院の委員会でございましたか、本会議でございましたか、大蔵大臣から、目下この問題は検討しておるという御答弁があつたようでございますが、まだ通産省として、はつきりした意見をきめるというところまでは参つておらないのでございます。ただシヤウプ勧告によりまして、一挙に織物につきましてはすべて消費税を今年の一月から撤廃したという状態でございまして、それを又々振返つて物品税というようなことで課税したほうが適当かどうかということにつきましては、相当問題もあろうというふうに考えております。まだ通産省としましては正式に何にもきめておりませんので、現在のところではお答えを申上げかねる状態でございます。
○委員長(深川榮左エ門君) 御質問はございませんか。
○加藤正人君 原綿につきましては、私は当業者として非常にこれを心配しておるのであります。只今局長から御説明になりました通り、米綿割当の五十五万俵と、最近割当られた十四万三千俵、それから六十万俵割当中の日本向け割当が十二万八千俵、これすべてお話の通りでありますが、特需用の十万俵というものがまだはつきりせんので、一昨日も私はマグダーモツト氏のところに参りまして確かめたのですが、大体よかろうと、今後努力するがというようなことで、余りはつきけした答弁がなかつたのでありますが、更に四月以降の日本向けの割当はどうかという質問に対しましては、日本、ドイツの割当が比較的多いものであるから、英国その他が非常に憤慨しておるので、どうも四月以後はむずかしいというので、先ず四月以後は諦めたほうがよかろうというような口吻であつたのであります。それからそういうようなわけで、一方パキスタン綿の当にしておる契約のうち十四万俵ばかりキヤンセルになるらしいような点もありまするので、非常に我々焦慮しておるのでありますが、こういつたようなわけでありますから、できるだけ米国の、米綿のほうは政府のほうの御努力がございまして、特に我々にはもうはつきりくれるといつたような約束をしておるように見える十万俵のごときは、必ずこれを獲得するように、政府のほうでも御努力を願いたいと思うのであります。それから又こういう場合でありますから、数量が殖えたが、物は必ずよくない、できるだけ世界各地の原綿を集めることに我々は努力しておるのでありますが、それがなかなかいろいろな通商上の約定その他で、さつき局長からも御説明になりました通りでありまして、現にブラジル綿のごときは、ブラジルにおいてオープン・アカウントの関係のために、向うではエキスポート・ライセンスを許されたのでありますが、ストレート・ダラーを以てこれを拂うということが今自由に許されない、こういうような点については、特に政府のほうでも司令部と御交渉を願いたいと、こう思うのでありまして、そういつたような次第で端境期には原綿も安くなるから、ないといつたようなものも出て来るだろうというような楽観をしておる者もありますけれども、そういう楽観は到底できんような節もございますので、この点については特に御努力をお願いしたいと思うのであります。 それからもう一つお願いしたいのは、今南アフリカのことであれますが、南アフリカに対する日本の進出ということについては、イギリスは非常に神経を過敏にしておるのでありまして、イギリスの国民は、弁護士であろうと新聞記者であろうと、皆これは一様に日本人に会えば、アフリカにどういう考えを持つておるかというような心配を持つておるという状態で、今度のこともイギリスのいろいろインフレに影響があつたようにも考えられるのです。ドイツのごときは余りこういう方面では貿易上競合もせんというような関係もあるので、ジェネラル・アグリーメント・オブ・タリフ・アンド・トレードに加入をしたようでありますが、單にこの普通の交渉ばかりでなく、外国のこういうものに入会するような点についても、政府のほうでも今後努力を願いたい、こう思うのであります。取りあえず最も影響のある毛織物がいかんということは、誠に日本の羊毛工業に対して非常に心配になるのでありますから、この点についても特にお願いをしたいと思います。業者からは司令部その他関係筋に陳情しておりますが、同時に国会としても非常に関心を持つというような意思を表明するために、通産委員会の委員長の名を以てそういう部面にもこの問題に関心があるというような書類を提出するというようなことをお計い願えれば甚だ結構だと思います。
○委員長(深川榮左エ門君) 通産委員長としてはそういう工合に取計います。専門員に一任いたします。
○吉田法晴君 一つお尋ねします。先ほど特需向けに内需五百万ポンドが保留してある、十一月以降その方面の需要が四百万ポンドほどあつたということで、そのあとでも大体同じような実情だというようなお話があつたのですが、朝鮮事変以後繊維製品、それから特に一般民需に関係のあります繊維製品の騰貴はこれは歴然たる事実で、例えば具体的に言つても、私どもの近くでワイシャツ一つ買つても、この前の通常国会のときに六、七百円したものが千円から千二百円になつておる。特に入れるたびに上つているというのが実情なんです。この五百万ポンドが全部使われて参るというあれがなければ、これの放出について懇請する余裕はないか、貨車につきましても二千両からの貨車をリザーブしてあつたというのを、鉄道のほうで責任を持つということで問題が片付いて、保留はなくなつたということを聞いておりますが、こういう問題についてそういう交渉、懇請の余地がないものですか。
○政府委員(近藤止文君) この特需用として八月から毎月五百万トン保留いたしておりますのは、実は輸出の枠の中に入つておりました内地向けが、八月以降十一月まで毎月千五百万ポンドという数字にきめられてあるわけであります。月に三万七千五百梱の数字でありますが、それで五百万ポンドはそれ以外のものとして保留してございまして、これは特需がない場合には輸出のほうに振り向ける、こういうことになつておりますので、表向きにこれを内需にプラスとして廻すということは参らんと思います。ただ輸出にそういうものが割当てられるといろふうに現在行われております。ところが実際問題といたしまして、内需に出廻りの悪い場合に一時的に流用いたしまして、まあ現在といたしまして輸出の枠でございますから、内需というように参りませんけれども、或る程度内需のほうには操作上振り向けて行くというのが実情でございます。
○加藤正人君 ちよつと今それに関連したお話ですが、この問題はいわゆる一週七日操業の問題でありますが、原綿がこう逼迫して参りますと、現在まであれは七日操業であるところもあるし、各社任意というような形になつておつて、ますます原綿が逼迫してこれが困難な感じがある。これがこのまま継続して行くべきかどうかということについて、この間マグダーモツト氏に会つたのでありますが、どうも顧みて他をいうというようなことを言いまして、例えばここに或る会社がある、そこの重役会を開いて、そういうときにはその会社の経営に最も安全の途をとるというような協議をするであろう、又その間には非常に売れば利益があるというような思惑的なことも起つて来るというような、はつきりわからんような例を引いて、そうして全く水遁の術とか何の術とか、我々にはさつぱりわからなくなつちやうのですね。そうして結局帰るまで、この問題がはつきりせんのでありますから、そのうちに先生は中座するといつて帰つてしまつた。そこであとへ残つたキヤンデル氏に、今の説明はとても我々にはわからんが、一体ああいうことはどういうことを意味しておるのか、あれはやはり継続を嚴重にしなければならんのかどうか、原綿もこういうように窮迫して来たしと言つたところが、キヤンデル氏は若いだけあつて、これは諸君の良識によつてジヤツジしてもらいたい、これも甚だ抽象的なんですが、我々は必ずしも強行せんでもいいと受取つたのですが、どうも司令部の話は、はつきりそういうことをやめていいということは言つたことはないというようなことを、今後に開き直られては困るような場合がありますから、我々業者もそういう話合があつたということだけを記憶して置いて頂きたい。
○政府委員(近藤止文君) 実はこの七日操業の問題は、スキヤツプのほうから実は正式にメモランダムで七日操業をやるように持つて行けというような指令がございまして、これはやはり日本政府としてもその方針でやらざるを得ない状態にあるわけであります。ただ先日紡績のかたがたが行かれた場合に、そういう話が出たというので、私どものほうもいろいろ司令部の係官に確めに参つたのでありますが、現在のところでは、はつきりそういう七日操業をやめてもよいという考えはどうもないように見受られます。結局まあ七日操業をやめてもいいというようなことをはつきり言わせるためにできれば一札この際取りたいというように考えておりますから、お含みを願いたいと思います。
○境野清雄君 原綿と原毛の最近の買入れ価格は何ほどなんですか。
○政府委員(近藤止文君) 原綿は実は買入れ価格が非常にまちまちでございまして、はつきりどれだけということを申上げることはむづかしいのでございますが、大体米綿は四十四セント乃至四十五セント、こちらに参りまして四十六セント、CIFジヤパンで四十六、七セントというところじやないかと思います。ただ現在人つて参りますのは、前に買付けました既約定のものが入つて参りますので、これは各所によりまして非常に違いますが、CIFジヤパンで四十三、四セントのところじやないかと考えております。ところがほかの地域の綿につきましては、非常に値段が乱高下をいたしておりまして、下というのはおかしいので、非常にまちまちに高いのでありまして、一番高いのはたしかトルコの綿であつたかと思いますが、七十二セントという数字も出ておるようなのもございますし、パキスタンあたりにいたしましても六十セントから七十セントの間ぐらいの買付けのものが相当多いようでありまして、先ず六十セントぐらいのものが相当多いというように考えられます。それから原毛でございますが、原毛は大体オークシヨンの都度向うの相場が出て参りまして、それがだんだん高い方向に向つておるのでありまして、オークシヨンの始まりました頃には二百ぺンス程度の相場があつたのでございますが、その後逐次上りまして、これは二百二十ペンスからまあ二百三十ペンスぐらいのところに現在来ております。今後の見通しといたしましては、金の一ポンドと目方の一ポンドと大体同じくらいのところまで行きはしないかというように考えるのでありまして、これは今年の一月の濠洲羊毛の輸入価格が百十ペンスでございますから、大体現在買付のものは倍である、倍に上つております。 それから原綿のほうは、米綿のごときはそれほど上つておりません。三十セントベースぐらいのものが四十四、五セント乃至六、七セントというところに来ております。併しほかの地域の原綿は非常に上りまして、ものによりましては今年一月頃のべースから見ますと、倍以上のものを買つておるというものもございます。
○境野清雄君 綿の生産状態は、前に繊維局で計画しました通り大体進んでおりますか。そうして十一月末は大体十二万俵を突破したくらいになつておるかどうかを……。
○政府委員(近藤止文君) 綿の生産は、実は私どもが計画いたしました数字よりも遥かに増産になつておりまして、十月が梱に換算いたしまして十二万八千梱くらい、十一月は十三万、これは正確にはまだ出て来ておりませんのでございますが、十三万、多く行つて五千梱、十三万三千梱ぐらいは堅いところ生産されておるように聞いております。
○境野清雄君 そうしますと、事変が起こつた当初、国内用として三万七千五百俵ですか、きめられたものが、大体九月の下旬には、この生産と睨み合せまして国内への放出も殖やそうというような話を聞いておつたのですが、現在前の十一方俵弱であつたものが十三万俵近いものができましても、国内の三万七千五百俵というものは釘付けになつておるのですか。
○政府委員(近藤止文君) 三万七千五百梱というものが、八月から十二月まで、月別三万七千五百梱ということにメモランダムできめられておるのでございます。それで九月の末に、この問題についてもう一遍デイスカツスをするというようにメモには書いてあつたのでございますが、実際はジエーン台風その他の関係で、朝鮮の動乱の影響等もありましたのと、もう一つ大きな問題は本棉の輸出割当制が布かれたので、そういう要素を入れた関係だと思いますが、スキヤツプと日本政府側との話が遅れ々々になつておりまして、これは現在その話に取り掛りつつあるところなんであります。従いまして十二月までは三万七千五百梱を国内向として供給せざるを得ないということになつておりまして、一月以降国内用にどれだけ何するかということを現在スキャップを相談中でございます。
○境野清雄君 現在の国内用綿布は、大体政府の手持ちの原棉をやつて、その価格は四十二セントだといろ先ほどお話がありましたが、大体政府が買つておるやつは、三月までは三十六セントくらいで買つておつたのじやないかと思いますが、それは値上げになつたのですか。それとも又新しく政府は三月までのを追加買入れをしておつたのかどうか。
○政府委員(近藤止文君) ちよつと御質問の趣旨がよくわからないのですが、政府で買いました綿にはいろいろの値段のものがあるのでございます。それを適当に組合せまして、プール計算で平均価格を出して拂下げをしておるわけであります。先般拂下げをしましたときの価格をプール計算をすると、四十二セントという価格が出たのでありますが、今後におきまして入つて来ますものは殆んどございませんので、大体今の四十二セントの価格で残り一三万俵というものを放出してしまうという、只今のところは考えをいたしておるのであります。特にこれをもう一遍拂下げ価格を改訂しまして値上げをするという方向は、今考えておりません。
○境野清雄君 三月以降民間買入れを、民間のほうから国内用の綿布を、綿糸を出すというような場合には、勿論先ほど来お話の通り価格は非常に統制が困難だろうと思うのですが、その場合は一応割付制か何かにして、今の三万七千五百というものを、来年度になりましてもきめられた数字というものは、一応政府のほうとして強制的にもこれだけのものは確保するという方針をとるというふうに解釈してよろしうございますか。
○政府委員(近藤止文君) 実は民間の綿で内需用を供給するということになりました場合に、今お話のありましたように一定のものは強制的に確保するという実は方法をとることが現状では誠に困難なわけでありまして、結局値段の統制も非常にむづかしいのでありますが、同時にどこにどれだけのものを出すというので仮りにやりました場合におきましても、価格の問題がいろいろ動くということになりますと、二番の綿糸も或いは十万円であつたり十八万円であつたということになりますので、そういつた配給を細かくする、いわゆるクーポン、切符制によつて確保するということは、技術的にもむづかしいと思うのであります。従つてそういう場合におきましては、現在の統制方式につきましても、仮りに統制を継続するといたしましても、統制方式はよほど根本的に考え直しませんと、実効が挙がらないということになると思うのであります。従つて一月から国内用を幾らにするかということは現在討議いたしておりますが、その問題は少くとも政府の綿のある間におきましては、そういつたことが続けて実行できますが、これがなくなりました曉におきまして、どういう方法でどういう加工手段をとるかということは、そのときにもう一遍論議せざるを得ない問題だと思います。従つて民間の綿に全部国内用のものがなつてしまつた場合におきましては、改めてこの問題を検討せざるを得ないというように考えております。
○境野清雄君 原綿の来年度の総数が百七十七万六千俵と謳つてありますが、これは大体増錘をしたり何かしまして、何方錘を基準にしまして百七十七万六千俵というものを割出しましたのか、その点を……。
○政府委員(近藤止文君) 実はこの数字は今年の十月から来年の九月まで月別に具体的に、各社々々につきましての増錘の計画を積上げまして、今月は十二万五千梱作る、来月は十二万八千梱作るというふうに、年間を通計いたしまして出て来た数字がこの数でございます。従つて平均何万錘ということでございませんので、だんだん毎月錘が殖えて行くと、それに対応して生産が上つて行くということで計算した数字でございます。ただ最近の状態から申しますと、私どもが予想いたしましたよりも遥かに急速に増錘は進んでおるのでありまして、予想から申しましても来年の末におきましてそう大きな錘にはならんと思つておつたのでありまして、まあ少くとも四百八十万錘程度に止まるのではないかというふうに考えておつたのでありますが、或いは今の状態から申しますと、五百万錘近いものが来年の末におきましては完成するのではないかというような見通しも現在持つておるようなわけでありす。
○境野清雄君 原毛のほうについては、大体この毛の紡績のほうはどのくらいの錘数のスタンダードになつておりますか。
○政府委員(近藤止文君) 羊毛のほうは実は設備が綿と違いまして、サルに操業いたしておりませんが、現在でも粗毛の工場が相当部分二交替作業をいたしておりますけれども、紡毛の関係では一交替のところが相当ございますし、又粗毛でも或る程度錘を休ませて交替で使つておるというところもあります。現在錘数は、粗毛につきましては殆んど増加はございませんので、約七十六万錘くらいのところにございますが、稼働は六十万錘くらいのところだろうと思います。それから紡毛のほうは、現在八百三十セントくらいになつておると思いますが、これは操業率から申しますと、平均いたしまして四割程度のものでございます。従つて設備の問題ともの消費の関係とは相当隔りがあると思うのであります。
○境野清雄君 粗毛につきましても紡毛にしましても、大体羊毛の紡績会社のほうの設備が少くつて、織機のほうが非常に殖えておるというような話を聞いておるのですが、その辺の数字がおわかりでしたらちよつと……。
○政府委員(近藤止文君) 只今数字を持つておりませんので、後ほど表にいたしましてお届けいたします。
○境野清雄君 実はその質問をしますのは、全国各地とも羊毛が非常に好況だということによつて、各地区が無謀と言つては申訳ないですが、大体羊毛に対する織機を殖やそう、殖やそうというような気運が非常に多いように聞いておりますので、そういう点をはつきりして頂いて、私どもが聞いておるところによりますと、紡績のほうは七〇%ぐらいしか復元しておらないのに、織機のほうは一〇〇%復元しておるというようなお話も聞いておるので、その間に相当アンバランスがあるのじやないかということ、そういうようなことを見越さないで、知らないでどんどん殖やすいうことは、日本の羊毛工業にとつて非常な危險があると思いますので、是非その数字についてお調べ願つてお知らせ願いたいと思います。
○委員長(深川榮左エ門君) 先ほど加藤委員から、南阿の日本繊維製品に対する高率課税適用について、当委員会の中でも、委員長からその引下げについて何らかの活動をして欲しいとの御発言がございましたが、これにつきましては委員長において善処する旨お答えして置きました。これは委員各位におかれても別に御異論ないものと存じてお答えした次第であります。併し必要に応じては南阿の関税引下げに関して司令部に懇請する等のことが必要になるかと存じますが、そのような場合、委員会の御承認を得たものとして取計つて差支ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(深川榮左エ門君) 御異議なしと認めます。それではそういうことにいたします。
○境野清雄君 今の問題に関して場所は忘れたが、どこか近東諸国でも雑貨に対して関税が非常に高いというようなことを、先般名古屋に参りましたときに聞いたように記憶しておるので、専門員のほうで御調査を願いまして、それと別個でも結構ですが、そういうものに対しても一応お取上げを願いたいと、こういうように思います。
○委員長(深川榮左エ門君) 只今の境野君の発言に対して皆さんの御意見は差支ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(深川榮左エ門君) 御異議ないと認めます。それでは調査の上善処したいと思います。 本日の委員会はこれにて散会いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(深川榮左エ門君) 御異議なしと認めます。それではさよういたします。 午後四時十六分散会 出席者は左の通り。 委員長 深川榮左エ門君 理事 廣瀬與兵衞君 結城 安次君 委員 上原 正吉君 小野 義夫君 吉田 法晴君 加藤 正人君 山川 良一君 境野 清雄君 西田 隆男君 政府委員 資源庁次長 岡田 秀男君 資源庁炭政局長 中島 征帆君 資源庁鉱山局長 徳永 久次君 通商産業省通商 企業局長 石原 武夫君 通商産業省通商 纎維局長 近藤 止文君 説明員 通商産業省大臣 官房長 永山 時雄君 物価庁第三部長 川上 為治君