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第10回国会参議院1951/02/28

水産委員会 第15号

発言数
25 件
登壇者
5 名
会派数
2
開催日
1951/02/28

会議録

木下辰雄緑風会

○委員長(木下辰雄君) 只今から委員会を開会いたします。  最近において政府は国際捕鯨取締條約に加入を許されて、近く加入手続をとるというような報道をされておりますが、その経緯並びに真相について外務省の西村條約局長よりお話を伺いたいと思います。

西村熊雄外務省条約局長

○政府委員(西村熊雄君) 国際捕鯨取締條約につきましては、昨年の春以来、できるだけ早い機会に加入いたしたいという日本側の希望を申上げまして、総司令部の好意ある御斡旋を懇請いたしておりましたところが、今年の一月になりまして、正式に加入の手続をとつてもよろしいというお言葉が参りました。そういうふうな次第で、本月十日でございましたろうか、閣議の決定によりまして、同條約加入について国会に対して承認を求める件を御決議願いまして、すでに案件は国会に政府のほうから提出いたしまして、本日衆議院の外務委員会で第一回の審査を頂いておるような次第であります。

木下辰雄緑風会

○委員長(木下辰雄君) この問題について御質問がありましたら、お願いいたします。

青山正一日本社会党

○青山正一君 これは條約局長ではなしに、水産庁長官からお聞きしたいと思いますが、この條文の中に全長が、「しろながす」鯨は七十フィートとか、「ながす」では五十五フィート、或いは「ざとう」、「まつこう」は三十五フィート、「いわし」四十フイト、こういうことを限度としなければならないというふうに出ておりますが、今まで日本の戰時中或いは戰争前において、この條約の中に入つていないときに、日本がこういつた線を守つていなかつたのですか、どうか、その点につしてお伺いしたいと思います。

家坂孝平水産庁長官

○政府委員(家坂孝平君) 日本は條約には加入しておりませんでしたけれども、大体国内法によりまして、国際捕鯨取締條約の内容とほぼ合致しておる内容の法令を作りまして、それによつて取締をやつておるような次第であります。

青山正一日本社会党

○青山正一君 戰争後アメリカの好意によりまして、南氷洋に捕鯨に出漁しておつたのでありますが、そういつた線はやはりこの国際捕鯨取締條約に基いての行きかたに進んでおつたわけですか、どうですか。

家坂孝平水産庁長官

○政府委員(家坂孝平君) 連合軍司令部からの許可を得まして、終戰後南氷洋に出漁しておつたのでありますが、それはこの国際捕鯨取締條約の法規を遵守するという條件付の下に出漁を許可されておつたのであります。

青山正一日本社会党

○青山正一君 まだ全文を読んでいないのでわかりませんが、この日本近海、例えば北海道とか、或いは金華山沖、或いは小笠原諸島、或いは千島の附近、そういつた方面の鯨というものは、この條約の適用を受けるかどうか、この点一つお伺いしたいと思います。

家坂孝平水産庁長官

○政府委員(家坂孝平君) 国際捕鯨取締條約は全世界の全域に亘つての取締條約でありますので、日本の沿岸捕鯨事業も勿論この條約の規則を遵守してやらねばならんこととなるのであります。それで先ほど申上げました、今までどうであつたかということにおきましては、やはりこの沿岸捕鯨もその国際捕鯨條約の内部の規則を遵守をしましてやつておつたような次第であります。

青山正一日本社会党

○青山正一君 今度この、例えば地域とか、或いは時期、頭数を制限して保護を図つているわけでありますが、今度正式に国際捕鯨協定に参加できるということになりますと、これはどうなんです。実質的な利害関係というものはどうですか、プラスになりますか、マイナスになりますか。

家坂孝平水産庁長官

○政府委員(家坂孝平君) 差当つてはプラスにもならず、マイナスにもならんということが言い得ると思います。それは何故かと申上げますると、沿岸捕鯨におきましては、捕獲頭数について別に制限もないのでありまして、ただ漁期の制限が非常にやかましく言われているのであります。それから南氷洋捕鯨に参おきましては、御承知と思いまするが、一万六千頭という大きな枠に制限されておりまして、それを各国が定められた漁期の間に、捕獲は二万六千頭とつてしまつたら、いつでもやめなければならん、こういうふうな状態でありますので、差当つてはこの條約に加入して参りましても、プラスにも、マイナスにもならんかと思うのであります。ただ遠い将来を考えますと、この取締條約というものは、多数の国が遵守して参りますれば、非常に鯨族の繁殖保護にも和成りまするので、長い目で見ましたときには、確かにプラスになるというように私どもは考えております。

青山正一日本社会党

○青山正一君 條約局長にお伺いしたいと思いますが、つまり今水産庁長官がおつしやつたように、実質的な利害関係よりも現在まで、この前の委員会でもおつしやつていたようなんでありますが、異端者であつた日本漁業が国際信用を回復したところにこの協定の意義がある、こういうふうに解していいわけですね。

西村熊雄外務省条約局長

○政府委員(西村熊雄君) そういうふうに思つております。この加入した後、日本としてはこの條約の規定を忠実に実行することによつて国外における信用というものを高めなくてはいけない、そういうふうに一応感じている次第であります。

木下辰雄緑風会

○委員長(木下辰雄君) 私から一つ條約局長に御質問いたしますが、この講和條約前に、他の漁業協約に加入するというような手続をとつておられるかど、か、又その必要があるかどうかというようなことについてお答え願いたいと思います

西村熊雄外務省条約局長

○政府委員(西村熊雄君) 講和條約締結前におきます日本の国際條約加入につきましては、昨年の二月でございましたか、中間指令が公表されております。それによりますれば、技術的性格の條約であつてそれに加入することが連合国の日本の占領管理に役立つと総司令官において判定されたものについては、日本政府に対して総司令官が加入を許可してよろしいという趣旨になつております。こういうところから、実はこの捕鯨條約加入という問題も、日本側から懇請いたすというような機縁になつた次第でございます。現有の国際的條約であつて、漁業の関連いたしておるものといたしましては、日本の加入という見地から申しますると、大体この捕鯨取締條約に盡きているように思います。従前ありました北太平洋における「おつとせい」保護に関するアメリカ、イギリス、ソ連、それから日本の間の條約は、戰争前にすでに効力を失効いたしておりまして、その後にできておりますアメリカとカナダの條約がございます。四十八年にできておると記憶いたしております。この條約は北太平洋における「おつとせい」の保護というものを目的として結ばれておるものでありますが、百八十五度以東の北太平洋における地域を対象といたしておりますものであつて、而もその協定の中に、将来もつとしつかりしたものを関係国との間に結ぶ條約、そういうものができるまで効力を持つというような規定があるような次第でございまして、現存のほかの條約に日本が加入するという途はちよつとないように了解いたしております。繰返して申しますと、捕鯨取締條約のほか、現在我々のほうで加入をいたしたいということを考えております通常関係の條約はないということであります。

青山正一日本社会党

○青山正一君 もう一点お伺いしたいと思いますが、先般ダレス或いは吉田、この往復書簡ですね。ああいつた意味合のことが、これは私の考えとしては決してこれはプラスになつていないと、こういうふうに考えておるわけでありますが、殊に私の考え方では、あちらの方面はそう大して……、僕は魚のいない海の沙漠だと、こういうふうに考えておりますので、むしろああいうふうな関係を、例えばこの捕鯨協定の中にはそれらも人づておるわけなんでありますから、一応日本が誠意を示してやつて、例えば日本として将来マッカーサーラインが外された場合において、又そういうことを何かソヴイエトなり、中共と以西底曳、或いは北の水域の関係でソヴイエトとそういつた関係で漁業協定を結ぶ用意があるか。それから資源のことも考えているつもりだというふうなことを政府として声明を出すお気持があるかないか、この問題も僕は非常に誠意を以て当れば、僕は非常にいいのじやないかと思いますが、こういつた中共の拿捕の問題とか、何とかというような問題も、恐らく起きないようなふうなことにもなりはせんか。つまり資源の保護をやつて、将来において講和を結んだ曉におきましては、マツカーサーニラインが外された場合において、又沿岸の漁獲の問題につきまして、できるだけ誠意を以て結ぶ気持があるのだという、むしろその吉田、ダレス氏の書簡よりも、そういつた面が僕は非常にいいのじやないか、こういうふうに考えております。が、これはただ私の私見ですが、一つ條約局長の私感を承わりたいと思います。

西村熊雄外務省条約局長

○政府委員(西村熊雄君) でき上ります講和條約の形もまだ固まつておりません。アメリカといたしましては、あの七原則の趣旨に従つて関係諸国と目下折衝中でございますので、御質問の点は、でき上る講和條約の形が具体的になつた後の日本の漁業問題について、とるべき態度についての御所感をお述べになり、それに対して私の考えを御要求になつたと、こういうふうに了解いたします。講和條約の現段階におきましては、私はまたそういう問題について我々の所感を述べる時期は来ていない。こう考えておる次第でございます。

青山正一日本社会党

○青山正一君 條約局長は非常に古田さんに倣われて口が固いので、その点には触れていないのですか、併し私は真備のほどはわかりませんが、この間のヘビイングトンさんがお帰りになる送別会の席上においてああいつた、ダレス、吉田書簡のような関係も、以西底曳あたりも利用してやつて、ああいうふうに妥協したらいいじやないかというふうなことを、僕はほのかに聞いておるのですが、これは真偽のほどはわかりませんか、そういうことを私は業者の一部から聞いたわけなんです。そうすると、占領軍当局もそういう気持があるとすれば、別にそこまで私は固く取扱う必要がないのじやないかと、こういうふうに私は考えておりますので、そういつた点で、もう一度占領軍あたりとその辺を御交渉になつて、若しそれが可能ならば、まあそれぞれの国と渡りを付ける。そうすれば、今言うようなダレス、吉田書簡後、相当中共から日本の船が九隻か十隻拿捕されておるというような、こういつた問題もおのずから解決するのじやなかろうかと、そういうふうにも考えておるわけなんで、そういう点について局長さんに重ねてお聞きするわけなんです。若し向うと交渉して可能ならば、そういうふうな手を打つのもいいのじやないかと、こういうふうに考えておるわけなんです。

西村熊雄外務省条約局長

○政府委員(西村熊雄君) その点は、もうちよつと吉田総理のダレス特使に宛てられた書簡の前半をお沈み願いたいと思う次第であり観す。書簡の趣旨はここで繰返して申すまでもありませんけれども、今おつしやつたような趣旨が述べられてありまして、前半は如何に漁業が日本にとつて重要な問題であるかということを述べられ、その次に、併しいわゆる公海における漁業というものについては、いわゆる資源の保護というものが非常に大事である。それがためには国際協力が必要であります。そうして現にそういうふうな国際協力のための措置もとられておるし、乃至は自発的にとつておるものもあります。こういうことを述べられた後、従つて日本政府は、日本への完全な主権の回復の後、できる限り速かに他の国々と日本及びこのような他の国国の国民が接近できる漁場の発展と保存のため、公正な取極めを作成する目的を以て交渉の用意がありますと言つておられるように、決してアメリカ国だけを目標としての手紙ではございません。前半に盛られた一般的の見解は、日本の公海における漁業について考えておるところを率直に述べられたものであります。そういうふうに了解いたしておる次第でございます。又それを公表されたものであると、私はこう思うのであります。

木下辰雄緑風会

○委員長(木下辰雄君) ほかに御質問ありませんか……。ありませんければ、この問題はこれで打切ります。

木下辰雄緑風会

○委員長(木下辰雄君) 次に、漁業権証券の資金化に対する課税問題に対して、現在水産庁がとつておられる措置及び経過を久宗君からお述べ願います。ちよつと速記を止めて……。    〔速記中止〕

木下辰雄緑風会

○委員長(木下辰雄君) 速記を始めて……。

久宗高水産庁連絡官室長

○説明員(久宗高君) 只今の税金問題につきましては、一部の新聞紙上に相当大きな額が課税されるという形で数字まで上げて出ておるわけでございますが、この問題につきましては、その数字自体にも問題がございますのと、税法上の解釈乃至は適用の問題についても問題があるわけでございます。本件につきましては、漁業権の非常な特殊な形態と内容から、財産税の評価の場合にも問題があり、再評価といつたような問題のときも問題になつたまま、実はズレた関係がございますので、只今大蔵省のほうと漁業権の消滅に伴う補償の内容と現行税法の適用を文字通りやつた場合どうなるか。又それの内容が妥当であるかどうかという問題について、事務的にその内容を合せておる段階でございます。法文の解釈についても若干の疑問な点がございますのと、更には漁業権というものの経済的な価値、こういうふうな点について、大蔵省といたしましても、まだ十分に実体がつかめていない。従つて最終的な判断が下せないという段階にございますので、私どももいろいろ作業いたしまして、具体的な例はこうなるとか、それを個々の漁業権の実例についても折衝中でございます。更に漁業権、殊に専用漁業権の内容というような問題について御説明を進めながら交渉いたしておるわけでございます。それにつきましては、事務的には圧縮記帳といつたような問題とか、再評価の問題もございますし寸なお根本的に考えますと、補償金の内容そのものにも触れて参るわけでございます。そういう点で只今いろいろな資料を求めまして、双方の実体の判断の基礎を固めよう。その上でこれについての最終的な話合をまとめたいということで話を進めておる段階でございます。  極く最近の機会に、実体についての双方の考え方というものが明らかにされて、それについての論議が更にそれから展開するという段階になろうかと考えます。

木下辰雄緑風会

○委員長(木下辰雄君) この問題につきましては、後刻委員会の終了後、懇談会を開いて、なお委員の意見その他についてもお述べ願いたいと思います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

木下辰雄緑風会

○委員長(木下辰雄君) 委員会は、これにて散会いたします。    午後二時十九分散会  出席者は左の通り。    委員長     木下 辰雄君    理事            青山 正一君    委員            秋山俊一郎君            松浦 清一君            櫻内 義雄君   政府委員    外務省條約局長 西村 熊雄君    水産庁長官   家坂 孝平君   事務局側    常任委員会専門    員       岡  尊信君    常任委員会専門    員       林  達磨君   説明員    水産庁連絡官室    長       久宗  高君

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