水産委員会 第12号
- 発言数
- 15 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1951/02/19
会議録
○委員長(木下辰雄君) 只今から委員会を開会します。ちよと速記をとめて。 午後一時四十一分速記中止 —————・————— 午後三時十一分速記開始
○委員長(木下辰雄君) では速記を始めて。 只今漁業権に関する補償金の問題について、いろいろ課税問題が残つておりますが、これについて久宗君から今中間的の御報告がありまして、千田委員と山本次長との間に質疑応答がありましたが、なおこれについて御質問がありましたらお願いいたします。
○青山正一君 大蔵省の国税庁の調べによりますと、百七十億の補償金に対しまして九十五億三千八百万円、約五六%余りが課税対象となつているらしく、そのうち漁業会所有、つまり漁業協同組合所有の漁業権に対する補償金百三十五億に対する税金として、先ほど久宗さんから御説明があつたわけでありますが、法人税が四十五億五千万円、それから事業税が十億四千万円、それから所得税が二十三億七千三百万円、百三十五億の補償金に対しまして合計七十九億六千三百万円が税金として差引かれておると、その差引手取が五十五億三千七百万円という非常な僅かな数字であります。即ち収入に対しまして、手取は四一%の僅少さであると聞き及んでおります。又漁業会以外の分は三十五億の補償金で、うち十五億七千五百万円が課税せられるようなふうに聞き及んでおります。若しこういうことが事実とするならば他の面からこれを究明いたしたいと存じますが、例えば御参考までに申上げておきますが、この補給金の撤廃によりまして資材というものは第一四半期におきまして、これは昨年度ですが、大体二十七億、それから第二四半期においては四十七億、第三四半期においては、二十二億、それから第四四半期においては四十億、結局百四十億という大きな額を漁業者が余分に納めなければならん。それから今度の戦乱により、或いは国際情勢が非常に変化しておる、国際物価が非常に高くなつておる。それに応じて大体百億の価上りがある。結局二百四十億から二百五十億を毎年漁業者が資材の代金として余分に納めておるというふうなかつこうになります。そうしますと、今こういつた漁業権の補償金に対する課税の問題等も、その面から考えて是非これは免除して行かなければならないという理窟になりますし、又漁業金融の問題においても、一年間に二百四十億という厖大な数字を漁業者が余分に納めているということになるとすれば、これを長期的に何とか考えてやらなければならんという理窟にもなろうし、又他の面を考えますれば、つまりこの二百四十億といような厖大な額を漁業者が余分に納めているのでありますから、どうしても税金のほうの関係とか、或いは金融のほうの関係を解決しないとすれば、補給金としてこれは出さなければならんというような理窟にもなります。こういう方面から一つ政府としてどういうふうなお考えで進んでおりますか、その点の一つお考えを述べて頂きたいと思います。
○政府委員(山本豊君) 青山委員の申されたことは私も同感であります。併し補給金の復活の問題につきましては、これは我々としましては戦後の、最近特需景気と、こう言われますが、それらの面等の釣合い上から考えましても、漁業関係が非常に、原始産業一般であるかも知れませんが、非常に負担が過重になつている。この点は十分我々としましても認めるのでありますが、ただ現階段におきましてはなかなか補給金の問題は、ドツジ氏の第三ラインと申しまするが、そういう面からも、ひとり漁業界のみについて認めることはこれは廃すべきことで、なかなか困難なことがあると思いますので別途の方法で何とか漁業者が立ち行くようにしたいという考えで、只今いろいろと施策を考えているわけであります。従いましてそういう面から今度の漁業証券も、曾つてない一つの機会でありますので、これを何とか有効適切な資金化を図りまして、非常に困つているこの金融の疏通に資したい。征つて又そういう材料にしたい唯一の財源でありますので、これを漁民に渡しながら税金で取上げるというようなことは、何としても忍びないという考えで、よく税の問題についても大蔵省といろいろ折衝しておるわけであります。補給金問題につきましては、併しなおその要求度は今後ますます深くなつて参るかと思うのであります。現に石油の問題等につきましても、近く単価の値上げ等について、又値上りが相当近いうちに出て来るのではないかというふうな事情もありますし、この上更にそういう事情がだんだんと加わつて参りまするとなりますと、水産庁としましては、これは背に腹は代えられませんので、補給金問題も以上申しました税金等の問題を抜きにしましても、又再考慮をしなければならんかと思うのでありまするが、今までの半年の考えは、先ほど申しましたような観点の下に、大蔵省としても税等については、是非これは、法律は別として一つ免除してもらいたいという建前で、折衝して来ておるわけであります。
○青山正一君 先ほどの久宗さんからのお話では、主として法人税の四十五億五千万円の関係を何とかして少くしようというふうな問題について述べられたわけでありまするが、この所得税も二十三億七千三百万円という非常な厖大な数字になりますが、この点を何かこれは解決する途はないのですか。その点を一つ。
○説明員(久宗高君) 今青山委員のほうから具体的な数字が出ているわけでありますが、これは国税庁のほうでどういうお調べか存じませんが、これは取れ取らんという問題はまだきまつていないわけであります。で、問題の焦点は、漁業権の補償は、これは損失補償でございますから、損失を補償いたします場合は、それの価値以上の損失を補償するわけがないという建前で、普通損失補償については課税の対象外とするということになつているわけでございまするが、たまたま漁業権の場合につきましては、漁業権という特殊な権利の性格上、それが正当に、殊に法人の場合に財産的に現実に評価されておらない。そこで計算上のそこに差額が出て参るわけであります。そこでそれをどうすべきかということは、むしろ本質論に帰つて漁業権を消滅した場合の損失補償について、税をかけるべきかどうかという極めて常識的な疑問が先ず先に立つて、その話がきまりますれば、あとは形式の問題だと思うのであります。ただ所得税の場合にも、たまたま所得税につきましてはそういう具体的な規定があるわけであります。つまり損害賠償のようなものについては、これに類するものについては、課税の対象外にするという具体的な規定があるわけでございまするが、普通これをよく税務署あたりで詳しく内容が理解できないために、あれは漁業権の買収費じやないかという考え方を持つておるわけでございます。従つてこれは昔幾らで得たものだ、そうしてこれが補償金が幾ら来たから、それだけ何と申しますか、国に譲渡した譲渡の利益が出て来たのだといつたような考え方で計算したのだと思います。これは理論的に間違いであります。そこでそういう内容について、もつと税の根本的な制度について、責任のある主税局の税制課とお打合せいたしまして、その結果をこちらに御報告申上げたいと思います。
○委員長(木下辰雄君) 委員外の発言を許すことに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(木下辰雄君) 御異議ないと認めます。小林君。
○委員外議員(小林政夫君) この漁業証券に対する課税問題は、我が国の漁業界にとつても実際引かれない線ですね。絶対に課税してもらつては困る線です。これを何とか或る程度余裕があつて万一課税されてもしようがないというような余裕のあることならば、技術的に主務者間において研究するという方法もいいわけですが、絶対に引かれない線なので、課税してもらつては困るのですから、少くとも大臣間においては、農林大臣と大蔵大臣との間においては、はつきり課税をせんという話合いを付けて、或いは閣議決定でもして、そうしてそのせんという建前においてどう技術的にそれを考えるかということを事務折衝してもらわんと、今の経過を聞くと、そういう話が付いておらないように思います。上の話が……。その上の話が付きさえすれば、法律改正が必要ならば、敏速に行くし、この問題が解決せん限りは、漁業証券の資金化という問題も意味が非常に薄らぐし、それに関連した政策というものは全然意味をなさなくなる。だから少くとも課税しないという原則がきまれば、立法措置その他において、実際に課税しないということが確定する。法的に取扱うのが遅れても、その他の対策が推進できると思う。先ずその点をやる必要があるのじやないか。そういう点についての話合い、上のほうの話というものがどうなつておりますか。
○政府委員(山本豊君) 大臣同士の話はまだしておりません。ただ今小林さんの言われますように、これは相当、額にしましても青山委員のお話のように、大きな問題にもなりまするので、恐らく問題は大臣同士のところまで参らんと、なかなか解決しないと思うのでありますが、ただすべてを政治的解決にいきなり持つて行くというのも、結局いい結果を得られる上から言いまして如何かと思いますので、事務的にも無益だと思いましても、一応問題のあるところを究明いたしまして、大蔵省のほうでも下から上に上げて行くと思うのでありますが、そういたしまして最後に、小林議員のお考えのような方向に持つて行きまして、我々としましてもこれを取りやめるようにしたい。これは屍理窟になるかと思うのでありますが、御承知の通り漁業証券の補償というものは、要するに漁民が全部ただもらいするわけではないのでありまして、あとの漁民が永年に亘つて免許料、許可料を納めることになるのであります。結局政府の懐ろ勘定になると思うのでありますが、こういうところから取つて見たところで始まらないじやないか、これは私、雑な考えでありますが、意見を持つておりますので、今折角の御注意もありましたので、時期も急ぎますので、できるだけ事務的に早く上にのばせるようにいたしまして、最後には大臣同士で話をしてもらうように取計らいたいと思つております。
○千田正君 これは何回も言う通り、漁業改革にとつて最も根本的な一つの最近のベースなのですから、十分考えて頂きたいと思います。というのは、先ず例えて言えば、山崎街道の定九郎みたいなもので、金をやつて途中から取上げるということで、強盗と同じで追剥です。大蔵省に対してはあなたがたは本当に水産の行政庁にあつて憤然として起ち上つてもらいたい。これは特に追剥退治に乗り出して頂きたいということを要望しておきます。
○委員長(木下辰雄君) ほかに御質問ありませんか。
○青山正一君 大体大蔵省の調べによると、本当の課税の対象というものは五九%ということになつていますが、手取りが、四一%、こういうようなことになつていますが、これを全部撤廃して頂けば非常に結構なんですが、どの程度まで行く目算があるのですか。
○説明員(久宗高君) この点は繰返して申しますように、まだ取るということできまつておるわけじやないのであります。むしろ末端のところで取るということでなしに、いろいろ調べたことから取るような御議論が出て来ておるわけでありますから、そこでむしろそういう形になつておりますので、理論的に申しますと、損失補償について税を取るということは、全く間違いなんであつて、ただそれと漁業権の現実の実態がちよつと形式的にくつ付かないところがあるわけでございます。それをどうくつ付けようかという問題であります。先ほど上のほうの話というお話が出たのでありますが、そういうところが非常に細かい問題が残つておりますので、それを早く整理いたしまして、こういう実態になつておるのだが、筋はこうだということをきめて行けば、簡単に片付く問題だと思います。又そうしなければならんと思います。
○委員長(木下辰雄君) この課税問題は今千田君が言われたように、全く不当の課税と存じますので、至急水産当局においは大蔵省と折衝せられて解決してもらいたい。場合によつては、委員会としても態度を決定する場合もあるかも知れませんが、現在の段階においては、水産当局として至急折衝を希望いたします。 ほかに御質問もありませんければ、本日の委員会はこの程度で散会いたします。 午後三時二十八分散会 出席者は左の通り。 委員長 木下 辰雄君 理事 青山 正一君 千田 正君 委員 秋山俊一郎君 櫻内 義雄君 委員外議員 小林 政夫君 政府委員 外務省政務局長 島津 久大君 外務省條約局長 西村 熊男君 水産庁次長 山本 豊君 事務局側 常任委員会專門 員 岡 尊信君 常任委員会專門 員 林 達磨君 説明員 水産庁漁政部連 絡官室室長 久宗 高君