P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
10回国会参議院1951/02/16

水産委員会 第11号

発言数
15
登壇者
6
会派数
3
開催日
1951/02/16

会議録

木下辰雄緑風会

○委員長(木下辰雄君) 只今から委員会を開会いたします。  漁業法改正に伴い、旧来の漁業権等の消滅に対しまして補償金が交付せられることになりますが、この補償金に対して所得税を課するというような風説がありますので、当業者に対しましては大きなシヨツクを與えております。それに対しまして富山県の定置漁業協同組合の組合長大西亮三君から本委員会に陳情いたしたいという希望がありますが、この陳情を許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

木下辰雄緑風会

○委員長(木下辰雄君) 御異議ないと認めます。陳情を許可いたします。大西亮三君

大西亮三富山県定置漁業協同組合組合長

○参考人(大西亮三君) 大変御貴重な時間を割いて陳情さして頂きまして甚だ光栄に存じます。只今委員長からちよつとお話がありました通りにこの漁業法改正に伴いまして、昭和二十七年の三月までに全国の漁業権及び入漁権というようなものが政府の強制的な発動によりまして消滅することに相成つておることは私から申上げるまでもないのであります。それに伴いまして補償、賠償という意味合いにおいて補償額を各前の漁業権者並びに入漁権者に交付せられることに相成つておるのであります。それが承わりますところによりますと譲渡所得というような形で所得税が課せられるかのような風評を承わつておるのであります。若しさようなことがありますとしますれば漁民といたしまして甚だ大問題になりますのでこの点とくと委員会に陳情いたしまして、善処して頂きたいと考えております。先に農地改革のときには特別法を以ちましてその補償に対して所得税を課せないということに相成つておるやに聞いておるのでありますが、漁業権の補償は、農地の改革より以上に我々から考えますと、全然国としては負担をせないのでありまして、結局補償を一旦出しますが、免許料によつて再びそれを回收する、そしてそのすべての預金の利息に至るまで加算して免許料から徴収するというようなことに相成つておるやに聞いております。そういたしますと、結局国家が一文も補償をせずに漁民から所得税だけを取るというような形に相成りますので、漁民としてはこの負担は重大な問題であります。私らは別に確かな計算はしておりませんが、或いは地方税を含めると、その補償額の六割近くも全部で取られるのではなかろうかというふうに考えておるのであります。この補償料は長い二十五カ年間の年賦で我々に交付せられるので、一枚の紙をもらいまして、そうして再び現金で税金を納めるということになりますれば、結局全国の漁民は倒産をするというような現状に相成りますので、この点とくと御考慮をして頂いて、譲渡所得の性質でありませんので、これは損害賠償的な意味の補償でありますので、この点も一つお含み下さいまして、是非とも所得税というようなものを課せないように御努力を願いたい、こういうふうに考えておるのであります。極く簡單でありますが、どうぞ一つよろしくお願いいたします。

木下辰雄緑風会

○委員長(木下辰雄君) 陳情に対する御質問がありましたら……。

青山正一日本社会党

○青山正一君 陳情者に対する質問というよりも、実は私昨日大蔵省から農林省へ回つておる公文書を見たわけなんであります。その公文書の中身を見ますと、今度の漁業権補償額百七十億に対しまして、大体五割五分から六割近くのものを法人税として課する、こういうふうなかつこうになつております。内容の計算を見ますと、九十五億が課税の対象になる、五十五億が協同組合に與えられるいわゆる金である、あと二十億が個人に與えられる金である。こういうふうな文書が大蔵大臣から今度の金融問題に絡んで水産庁のほうへ行つておつた。その公文書を見たわけであります。こういうことになりますと、これは非常な大きな問題でありまして、最行人税をいろいろな方法で変える、例えば非常に減額するとか、或いは免除するというような考え方がありますが、差当りこの漁業の面は、今大西さんのおつしやつたことはその一番重大な点を衝いておるわけでありまして、一つ当委員会といたしましても、この問題につきまして来週の定例の水産委員会の席上、例えば月曜とか或いは木曜に一つ委員長のほうから大蔵当局とそれから水産庁へ渡りをつけて頂いて、それぞれの担当者をこの委員会の席上に呼んで頂いて、そうしてその公文書もはつきり委員会のほうへ明示して頂いて、一つ十分に研究して、今大西さんのおつしやつたようなことのなからんように、一つ善処して行くことが最善の方法だろうと、こういうふうに考えておりますから、一つ月曜なり木曜の定例水産委員会におきまして、この問題を特にお取上げ願いたいと、こういうふうに希望いたします。

木下辰雄緑風会

○委員長(木下辰雄君) 委員外議員として小林君の発言を許すことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小林政夫緑風会

○委員外議員(小林政夫君) 私は大蔵委員をやつておるわけでありますが、この問題について実は陳情を受けて意外に思つておるわけであります。漁業証券の資金化の問題については、いろいろ水産庁当局においては善処されておるようでありましたが、併しこういう問題は当然その前に解決しておるべき問題であつて、未だに解決しておらんということは、非常に水産庁当局としても怠慢である。この点は如何に資金化資金化といつても、こういうふうな税金がかかつたのでは、今陳情の趣旨の通りでありまして、是非本委員会としも強力に水産庁当局を督励し、大蔵と十分な折衝をするように御努力をいたいと思います。又どうせ大蔵委会にかかりますから、そのときは微ながら全力を盡したいと思います。事務当局のほうにも、事務的にもすでに解決しておるべき問題でありますので是非督励を願いたいと思います。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 私も只今の補償金に対する税金の問題は意外に感ずる次第であります。陳情者のお話のごとく、旧来生業の根拠としてやつて来たものを一応取上げられるということに対する補償でありまして、いわゆる損害賠償に値するようなものであります。これが今回の漁業法の改正に伴つて現われて来た問題ではありますけれども、そのほかに幾多のかような補償制度は今後においても補償の事実は起つて来る、と思います。すでに近き過去においてそういう実例もございますが、それらのものがことごとく税金を課せられるということになりますと、結果としては補償にならない事態を惹起すのでありまして、まるで漁業者を騙したような仙かつこうになる。殊に今日漁業証券を出して置いて税金はキヤシユで取上げて、而もその漁業権の使用料をどんどん取上げるということになりますと、実に矛盾も甚だしい結果になりますので、この点は是非とも阻止しまして、本来の補償の実際の価値のあるように我々としては努力いたしたいと思いますが、先ほど青山委員のお説の通り、月曜の委員会において、関係当局の御意向をはつきり伺つた上で、当委員会としては処置を考えたらどうかと、かように考えますからその点……。

木下辰雄緑風会

○委員長(木下辰雄君) 青山、秋山両委員の御希望通り、月曜の委員会におきまして、大蔵省主税当局、その他関係官庁をこの委員会に呼びまして、十分検討して、その上で当委員会の態度を決定いたしたいと思いますが、取りあえず只今水産庁から山本次長がお見えになりましたので、水産庁としては課税問題に対してどういうお考えを持つておられるのか、一応お述べを願いたいと思います。

山本豐水産庁次長

○政府委員(山本豐君) 今回漁業制度の改革がいよいよ実施期に入りまして、漁業証券が約百七十億程度のものが出るわけでありますが、現在水産業界は非常に金融逼迫その他によりまして窮極のどん底にある際でありますので、この折角の機会をとらえまして、これの資金化を政府といたしましても極力図りたいと、只今いろいろと準備を進めておるわけでありますが、その際に問題になりますのは、この折角の收入に対して税金がかかるということになりますると、虻蜂とらずになりますので、水産庁といたしましても極力これは無税でやつてもらわなければ困るという線で強く大蔵省ともかれこれ話合を進めつあるわけであります。まだ決定的な結論は出ておらんのでありまするが、前に農地証券の例にもありますようにいたしますと、我々といたしましては解釈で以て或る程度目的を達成し得るのではなかろうか。併しそれで疑義があるということになりますれば、法律を改正いたしましても是非これを無税に持つて参りたい、こういうふうな考えの下に進めつつあるわけであります。簡単でございますけれども……。

青山正一日本社会党

○青山正一君 只今次長からいろいろなお話につきまして承わつたわけでありますが、実は私一昨日大蔵省から農林省へ行つて来た。課税の対象になる文書を見たわけです。その内容を見ますと大体百七十億のうち九十五億が課税の対象になる。そうして協同組合関係が五十五億ですか、個人関係が二十億というふうな文書を見たわけです。この通りになりますと、これは大変なことで、現在のところ大蔵省の考え方はその解釈で進んで行つておるということはこれは間違いなかろうと思いますが、今後法人税を一体どうするか、或いはこういつた関係のものをどういうふうにして扱うかという皆さんの折衝によつてこれはきまることでありますが、一つそういうような申入があるにしましても、又農林省といたしましてできるだけ漁業証券に対する課税を絶対につけないというような方向へ特に進んで頂きたいということを希望いたしますし、現在大蔵省との折衝は一体どうなつておるかということをちよつと簡單に承わりたいと思います。

山本豐水産庁次長

○政府委員(山本豐君) 実は漁業証券のいわゆる資金化の面におきましてどういう構想で進めるかという点が非常に各方面にも影響もするところが多いのでございますので、細部に亘つての詳細な折衝ということは避けておるのでありまするが、併し再三担当官程度のところではやがて出て来る問題であり、ますので、いろいろ下話は願つおるわけであります。ただ省と省との間で取りきめをしたというところまでは行つておらんのであります。併し御承知のように証券の資金化の問題がどん詰りに参つておるのでありますから、早急にこの辺も明瞭にいたして不安のないような建前で今後の施策を推進して参りたい、かように考えております。

木下辰雄緑風会

○(木下辰雄君) ちよつと山本次長に私からお尋ねしますが、最近に以西底曳の減船に対して政府は補償金を出されるが、これに対して何ら別に課税はかかつていないのですか。

山本豐水産庁次長

○政府委員(山本豐君) その点よく調べました上で……。

木下辰雄緑風会

○委員長(木下辰雄君) なお課税の対象になるということが万一あつたら大変ですから、それに対する善処方を私として御希望して置きます。この問題に対するいろいろ大蔵当局との問題は月曜の委員会に移しまして、この問題はここで一先ず打切りをいたしたいと思います。  それでは委員会はこれを以て閉会いたしまして、これから懇談会に移りたいと思います。    午後二時五分散会  出席者は左の通り。    委員長     木下 辰雄君    理事            青山 正一君    委員            秋山俊一郎君            入交 太藏君            櫻内 義雄君   委員外議員            小林 政夫君   政府委員    水産庁次長   山本  豐君   事務局側    常任委員会專門    員       岡  尊信君    常任委員会專門    員       林  達磨君   参考人    富山県定置漁業   協同組合組合長  大西 亮三君

国会会議録検索システムで原文を見る ↗