水産委員会 第7号
- 発言数
- 21 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1951/02/07
会議録
○委員長(木下辰雄君) 只今から委員会を開会いたします。 先ず水産金融問題を議題に供します。水産金融機関の設置について、いろいろ農林大臣がお見えになつておりますので、その構想を一つ概略お述べ願いたいと思います。
○国務大臣(廣川弘禪君) 水産金融は今まで実際独立した金融機関を持たんということは、日本が水産に関しては少くとも世界一だと誇つておるこの状態を持ちながら、独立した金融機関を持たんということは実際上におかしいくらいの話であつたのですが、だんだん漁区の制限或いはその他のことからしてどうしてもこれは独立した金融を持たなければならんという声が一般から起きて来ておりますが、そこで我々としてはこの漁業改革にすべて漁業証券を一般に交付するのですが、これを資金化して実際に仕事に着手させなければ、実際の漁業改革ができたとは言われないので、農地改革とその点非常に違うので、今後政府納入金等にも非常に影響がありますので、これを資金化することと、もう一歩一般金融とを並び結付けて考えなければならんと思つておるのですが、その方法としては一番手つ取り早く考えたのは、單一組合を基礎とした連合体の上に立つ金融それからもう一つは單に市中一般から金を集める一つの普通銀行の形、それからあとは国家資本を投入してそれを基礎とした金融の形、こういうふうに三つあるわけですが、今その案をいろいろ取まぜて検討中でありまして、金融の専門家並びに実際の漁業家、その他といろいろ打合して省内において衆智を集めてやつておるのですが、まだ省内で批判を受けるまでに行つていませんが、とにかくこれは早く作り出さなければならんので、省内において馬力をかけておるような次第でありまして、もうそろそろ大蔵省とも交渉を始めてもいいのではないかというくらい考えておるようなわけであります。
○委員長(木下辰雄君) もう一つお伺いしますが、この前農林大臣のお骨折りによりまして、農林水産金融公庫の案ができて、我々は非常に期待しておりましたが、GHQにおいてOKが取れなかつたというので実現しなかつたのです。若し万一国家資本による水産金融公庫というようなものも、再び出しても私ども実現の可能性は非常に薄いと思う。一方においては水産協同組合の調査に対してマツカーサー元帥から招聘されたゴールドン氏が約三ケ月に亘つて日本の沿岸漁業並びに協同組合を視察した結果、広汎なる報告書をマツカーサー元帥に提出しております。その中で水産金融、殊に沿岸漁業は金融上行詰つておる。今にしてこれを救済しなければ崩壊をするだろうという前提の下に、是非水産漁業協同組合中央金庫を作れ、若しこれができなかつたら、農林中央金庫を八億に増資して水産の協同組合の金融部を独立してやれというような勧告がありまして、それについていろいろGHQにおいても検討されておるということを聞いておりますが、若し水産漁業協同組合中央金庫であればGHQの方でも私はOKを取れるだろうと確信しておりますが、この協同組合中央金庫にしても政府が融資した額の二十倍債券発行をしますれば、その中の一部は一般水産金融にも使えるという方式を取れば、水産全般の金融機関としても相当益すると、こう思いますが、それに対して農林大臣の御意見は如何ですか。
○国務大臣(廣川弘禪君) 只今言われた勧告書の中についての検討は天然資源局でやつておるようであります。それでそれも実は睨み合していろいろ意見を聞いておるのですが、まだ結論に達しないので、一番手つ取り早い方法は、さつき言つたように、個々の協同体を集めた連合体の上に立つ金融が一番楽なんですが、但しこの一般から資金を集めるというところに欠点が少し出て来る。それから中央からそれに幾分の金を出資してそうして債券を発行すればいいのじやないかということもその通りですが、そういつたようなことも我々の研究の対象として実際やつております。
○委員長(木下辰雄君) 何か御意見ありませんか。
○千田正君 先般新聞や或いはその他において大臣が発表なされておる三案があるようでありますが、参議院の水産委員会といたしましては、昨年以来この問題は十分検討されておるのであります。でき得ればやはり漁民の自主性に待つところの今の漁業協同組合が新らしい意味において発足した裏付としての証券に対する政府の補償金を積立てて、それを一つの金融制度に持つて行くというほうが、むしろ現在の民主的な行き方のあり方であるのではないか。そこへ重点を置いて更に政府がこれに勘案する施策をやつて貰いたいこういうのが恐らく全漁民の要望であると思います。荏苒として日を延ばすわけに行きませんので、できれば早く態度を決定して本会期のうちに決定して頂きたいという我々の要望なのですが、大臣としましては見通しはどのくらいのところでけりを付けるかという点をお話して頂ければ、非常に結構だと思います。
○国務大臣(廣川弘禪君) もう御存じのように四月になると選挙で殆んど私いなくなると思うのです。ですから大体三月いつぱいに両院とも済ますような方向で進まないと、とんでもない間違いを起すと私考えておる。それで二月いつぱいにまとめて三月中に審議をしてもらうくらいな考えでないと、事実問題として私はつぶれてしまうと思うのです。ですから二月いつぱいにはどうしても拙速主義で、あとで惡いところは直すとしても、そのくらいにこぎつけなければならないと思うのです。
○委員長(木下辰雄君) 時間がありませんので、もう一つ私から御質問いたしますが、多年の懸案であつた水産省設置問題、これは全漁民といつていいほど、七十万の漁業者の要望署名がありますし、それがすでに両院の請願としてこの国会に提出されております。更に衆議院、参議院の各政党過半数が水産省設置法案に署名をしております。全漁民の熱意、又関係者の熱意に対してそのまま等閑に附するわけに行かないというので、衆議院の水産委員会においても相当熱意を持つてやつておるようですが、若し衆議院が議員提出をしないというような場合があつたならば、参議院としては全漁民のために等閑に附するわけに行かないので、或いは議員提出としてこの参議院に出すようになるかも知れない。その場合においては恐らく参議院は満場一致で通過するだろうと私は信じておりますが、こういう場合における農林大臣のお考えは如何ですか。
○国務大臣(廣川弘禪君) ちよつと速記をとめて下さい。
○委員長(木下辰雄君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(木下辰雄君) 速記を始めて。実はその行政簡素化という問題は、この内閣の一つの御主張のようですが、実際においては十六、七の委員会ができて、而もそのうちの半分くらいは大臣待遇の委員長がおつて、相当スタツフもあつて、相当行政は複雑化しておる。行政簡素化に逆行しておるというような現状であるようです。然るにこの水産省は現在のところ水産庁がそのまま水産省に昇格して行つて、力を入れる、筋金を入れるというだけでありまして、財政的にも一つも膨脹しない。これで以て水産の将来、国際的の場面も多分にありますが、その将来の水産を育成強化するという非常に大きな役割を演ずる。殊に私の推定によりますと、農林における生産は全部で七千五百億円、然るに水産は、マツカーサーラインの内側においても、而も現在低落しておる価格においても二千五百億円も上げておるというように私ども信じております。約三分の一上げておる。而もこの産業は将来相当伸びるというような場合において如何に行政簡素化の場合といえども、水産省設置ということは非常な意味を成す、有意義な問題であるということを信じております。且つ又これは多年の懸案でもあり、現在は非常な熱意を持つてこの運動が行われておるという場合において、農林大臣としても一つ十分なお考えを願いたいということを特に私要望いたします。
○国務大臣(廣川弘禪君) 慎重に検討します。
○委員長(木下辰雄君) 次に私から水産庁長官にちよつとお伺いしますが、このほど内閣から水産に関する法案が相当衆参両院及び内閣提出として廻つて来ておるようですが、これはいづれも相当の予算が伴う。これに対する十分な折衝が今行われておりますかどうか。或いは決定したものがありましたらお述べ願いたい。それは一は漁業法等一部改正法案、それから二は漁業共済基金法案、この一は参議院提出、二は衆議院提出となつておりまして、それから三番目は内閣提出で漁業災害復旧融資損失補償法案、その次は漁船法の一部改正法案、これだけは大体決定して議員提出及び内閣提出とこうなつておるようですが、この裏付の予算の関係はどうなつておりますか、一応お述べ願いたい。
○政府委員(家坂孝平君) この予算の裏付でありまするが、いづれもこれは現在の、二十六年度予算にはないのでありまして、大体今後の補正予算、或いはそういつた機会にこれを織り込んで行かなければならないのであります。なおその金額等につきましては大体の線を取調べまして、数学的に研究はしておるのであります。
○委員長(木下辰雄君) 何か千田さん御質問ありませんか。
○千田正君 さつき廣川大臣が時間がないというので、私はあえて更に質問をやりませんでしたが、丁度島村次官がお見えになつておりますからお伺いしたいのでありますが、廣川農林大臣の非常な朗報、相変らずの朗報でありまするが、水産金融に対するところの金庫、若しくは公庫というような性質のものは長年のこれは漁民の要望でもあり、当委員会の数年に亘つて研究しておる問題でありますが、幸いにして廣川農林大臣の言うように、この二月中にこれを法文化し、三月若しくは四月から直ちに窓口が開けるということになれば、これは全国民にとつて誠に長年の希望が容れられるわけでありますから、幸いなことでありますが、果して農林大臣の先ほどもおつしやるように、この二月中に国会を通過して、そうして三月若しくは四月からこの運営の取り運びになるかどうか、恐らくそうやりたいというのが大臣の意向であろうと思いますが、実際においてそういうことがすぐにもできるような段階になつておるかどうかという点について一応伺いたいと思います。
○政府委員(島村軍次君) この問題は大臣がお答えを申上げたと思いますが、熱心さにおいては大臣が一番熱心であります。従つてその大臣の命を受けて夜を徹してでもやれというくらいな元気で目下折角やつておるのでありますから、早い機会に提案することは間違いないと存じております。
○千田正君 先般来当委員会、並びに恐らく衆議院でも同じでありましようが、油の問題に対する減税、或いはその他についていろいろ大臣からも、或いは次官、長官からも大蔵当局と折衝を頂いたはずでありますが、油の問題、その他の問題について大蔵当局との折衝の経過につきまして、簡單でよろしいからお知らせ願えれば結構だと思います。
○政府委員(山本豐君) 実は関税審議会が丁度一週間ほど前にございまして、その前後を通じて大蔵省にも我々の考えておることを申述べ、又衆参両委員会におきましても、両方をお呼びになりまして、その席でもいろいろとお話合いがあつたわけでありますが、只今は大蔵省と懸案の問題は、関税の問題と塩の問題の二つがあるわけでありますが、塩の問題につきましては、大体大蔵省並びに専売公社におきましても、とにかく或る程度の立法措置をしよう、特別価格を設けようという空気になつておつたと思うのであります。ただその特別価格の内容を一万円にするか、或いは四五千円にするかという細部の点については、まだきまつておりませんし、更に又どういう部類だけを除外するかという点についても、まだきまつておらないのでありますが、これは今後の折衝にかかつておるのであります。関税定率の問題につきましては、御承知のように、審議会で一応……審議会は決定機関ではないのでありますが、一応原案が無修正で、意見なしということで一応原案通りにきまつたのであります。併しこの際農林次官から、水産関係の油については非常に困るという実情は訴えて頂いたつもりであります。併し審議会自体がこれを左右するわけけにも行かない、又そういう性質のものでもないから、まあ原案は一応認めようじやないかということで原案の通りにきまつたように聞いておりますが、併し今後なおこれが法律になりますまでには、いろいろと閣議にかかる機会があろうと思うのであります。それらの閣議に出る以前に我々の意見を十分事務的にも申述べて、又衆参両院の各委員のお力にもおすがりいたしまして、これの阻止、阻止と言つては語弊がありますけれども、何とか合理化を図つて頂くように努力したいと考えておるのであります。この石油の関税につきましては、その後安本或いは物価庁におきましても、ずつと以前も必ずしも反対でなかつたのでありまするが、最近は物価庁その他におきましても、事務的にいろいろ当つてみました結果は、幹部の間におきましても、石油の価格、更に運賃その他が相当上ると見ておりまして、更に関税がかかるということになりますと、物価庁としては相当に苦しくなる。現に最近は我々と同じような歩調でこれは何とか、少くとも法律できまつても、当分はとらないとかいうふうな方法はないものだろうかというような空気になつておるのであります。その線に我々といたしましても同調いたしまして、今後も極力努力を続けたいと考えておるわけであります。
○委員長(木下辰雄君) それでは只今から懇談会に移ります。 午後一時四十五分懇談会に移 る。 午後二時懇談会を終る。 —————・—————
○委員長(木下辰雄君) これを以て懇談会を閉じます。 本日はこの程度で散会いたします。 午後二時一分散会 出席者は左の通り。 委員長 木下 辰雄君 理事 千田 正君 委員 入交 太藏君 大野木秀次郎君 櫻内 義雄君 国務大臣 農 林 大 臣 廣川 弘禪君 政府委員 農林政務次官 島村 軍次君 水産庁長官 家坂 孝平君 水産庁次長 山本 豐君 事務局側 常任委員会専門 員 岡 尊信君 常任委員会専門 員 林 達磨君