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10回国会参議院1951/06/16

水産委員会 閉会後第1号

発言数
59
登壇者
5
会派数
3
開催日
1951/06/16

会議録

木下辰雄緑風会

○委員長(木下辰雄君) 只今から水産委員会を開会いたします。本日はさんま漁業取締規則の改正の案が水産庁にできているということを聞きますので、福島、茨城、千葉、神奈川、その方面からのいろいろな陳情もありますし、聞くところによると七十トン以上は禁ずるとか、八十トン以上は禁ずるというような噂もぼつぼつ聞こえますので事極めて重大と思いますので、本日委員矢を開いて水産庁の御意見を聴取いたしたいとさように存じます。  先ずこの問題についで水産庁から御意見を御発表願いたいと思います。

藤田巖水産庁長官

○説明員(藤田巖君) さんま漁業の取締の問題については、これは北海道方面と、内地、東北、関東その他の方面の意見が必ずしも一致をいたしませんので、これまでもたびたび会議を開いて相談をいたしたのでありますが、なかなか一致点には達しなかつたのでありましたが、一応水産庁として意見をまとめまして一案を作つたのでおりますが、それが大体お配りをいたしておりますこのさんま漁業取締規則要綱、これであります。  ただこのうち二の点についてはこれは実は衆議院の水産委員会のほうから、水産委員会の懇談会の御意見として、水市庁は当初百トン以上の船によるさんま漁業を禁止するとこういうふうに考えておりましたのでありますが、それを更に七十トン以上というふうにもつとトン数を低くしてやるべきではないかというような御意見が出て、それによつて水産庁に勧否があつたわけであります。その点はございますが、それ以外の点についてはまあ大体水産庁の意見が了承されておると思います。問題はその点が残つているわけであります。これにつきましては、私どもといたしましては本年におきまして急速に七十トンで切るというふうなことは、これは非常に困難でもあると考えております。従つて本年においては、やはり水産庁の原案通りで百トン以上のものはこれは一つ御遠慮を頂くということにして、その百トン未満のものについてはやはり他のものと同様の條件で認めて行きたいというふうに考えておりますが、そういうふうな水産委員会の御意見もございますので、私どもといたしましては、この案で一度中央漁業調整審議会にかけまして、中央漁業調整審議会の御意見をよく伺つた上、最終的にどうするかということを決定をして行きたいということに現在考えております。なお一応これを読みながら、大体どういうふうな意見でありますかということを御説明いたしたいと思います。問題になつておりますポイントはそんなことであります。

高橋泰彦水産庁漁政部漁業調整第一課長

○説明員(高橋泰彦君) それでは只今長官より概略について御説明のありましたさんま漁業取締規則の要綱、これについて御説明申上げます。  先ず第一点は、『現行規則では総トン数十トン未満の漁船による「さんま漁業」は規則の適用を除外しているが、今後は漁船を使用してさんまを捕る漁業を規則の対象とする。』これは現行規則では十トン未満のものは禁漁期においでもさんまを取ることができたのでありますが、去年の実際の状況を見ますと、この例外規定によつて相当さんま漁業の調整が乱れましたいきさつに鑑みまして、今年はそういつたような十トン未満の船による例外規定をやめまして、さんま漁業をすべて規則の範囲の中に入れるということを考えた次第であります。  第二の点は、百トン又は「七十トン以上の漁船によるさんま漁業を禁止する。」ということでございますが、その点については只今長官より御説明した通りでございます。  第三の点は「適用海域は現行通り」、これは適用海域につきましては、現在は野島崎より以北の太平洋の海面、こうなつておりますが、これについていろいろと御意見があつて、御前崎より以北、又はもつと全国全部適用したらどうかという御意見もあつたのでありますが、まだそこまでには研究が進みませんので、一応適用海域は現行通りというような案になつております。  第四番目の点は、「解禁日は原則として七月一日とするが、海況、漁況に応じ変更し得ることとする。」この点は昨年度の実績を見ますと、成るほど漁獲高はほぼ三千万貫という今までになかつたような漁獲高を上げたのでありますが、その捕れたさんまの年令を見ますと、非常に年の若いさんまが殖えまして、このままではさんまの資源が枯渇する虞れがあるというふうに調査研究の結果が入つておりますので、従いまして只今の九月二十日という解禁日を十月一日といたしまして、操業期間の短縮を図つたらどうかというようなことで考えてみた次第でございます。なおこれは海況、漁況に応じまして多少の変動をする場合があることは当然でございます。  第五の点は、「終漁日は原則として十二月十五日とするが、資源保護上必要ある場合、又は農林大臣があらかじめ定める数量に達した場合は、終漁日を繰り上げる。」という規定でございます。これは只今御説明した趣旨の通り、操業期間を短縮することによつて、資源の保護を図りたいというような趣旨に基きまして立案したのであります。十月一日から始めまして十二月十五日に一応切り上げるといたしまして、なおその漁業が行われておりまするうちに、いろいろ私どもの方で調査をいたしまして、資源保護上必要のある場合、と申しますのは、非常に年の若いさんまが多かつたような場合、非常に資源が危険になつて来たような場合、「又は農林大臣があらかじめ定める数量」と申しますのは、昨年の三千万貫に対して本年度は大よそ二千万貫乃至は二千四、五百万貫程度に抑えたらどうかというふうに考えたので、随時報告を陸揚地から頂きまして、その報告を中央で睨みましてほほ二千万貫乃至は二千四、五百万貫程度に達した場合には、場合によつては十二月十五日を更に短縮して終漁日を繰上げるというようなことを考えておるような次第でございます。  第六の点は、「禁漁期中は水揚を禁止する。但し、輸送証明書を保持する場合は、この限りでない。」この点は只今読上げました通りで、結局取締の完全を期したいために禁漁期中の陸揚は禁止しようという趣旨と、運搬船によるような場合は輸送証明書によつて漁船と運搬船との関係をはつきりさせて取締の便に供したい、こういう趣旨でございます。  「七、出漁証明書制度をとる。」、これは曾つて水産局時代にやつたことのある制度でございますが、解禁日ということを守らせるためには、こういう制度が過去においても非常に効果がありましたので、今回もこの制度を復活してみたらどうかというふうに考えておる次第でございます。  八番目の点は、「水揚港を指定する。」、これは只今申しましたように、或る程度こちらで漁獲数量を的確につかまえる必要がありますので、水揚港を指定したらどうかというふうに考えておるのであります。  異常が大体の原則でございますが、次に北海道及び内地における或る程度の特例の措置について考えた項目を起しております。それを読みますと、「北海道においては禁漁期中左記内容の特例の措置をとることができることとする。」その内容は、「知事の許可漁業とする。」或いは「原則として二十トン未満の漁船に限る。」(ハ)その許可による「解禁日は八月十五日よりさかのぼることは禁ずる。その次の点は「本措置による操業期間については、資源保護上必要ある場合又は農林大臣があらかじめ定める数量に達した場合は許可の期間を繰り上げる。」という点であります。この「農林大臣があらかじめ定める数量」と申しますのは、北海道においてはおおむね内地の漁獲数量の五%乃至一〇%程度にしたらどうかというふうに考えておりますが、只今去年の報告並びに去年の各地における実績なども調査した上で、中央漁業調整審議会にもお諮りした上でこの点を考えて参りたいというふうに考えておる次第でございます。  その次の項目は内地における特例の措置でございまして、「北海道を除く都府県においては、海況、漁況に応じて二十トン未満の漁船による操業を一月三十一日まで認めることがある。」という項目であります。  只今御説明した通り、さんまは原則としてやはり三陸を主体として漁業の調整を図り、北の端と南の端とにおきましては、或る程度の特例を設けなければならないというのは、さんまが北と南とでは相当漁期が違いますので、そういつたような点を考慮いたしまして、こういつたような措置をとることは止むを得ないのではないかというふうに考えて立案しておるような次第でございます。以上簡単でございますが。

木下辰雄緑風会

○委員長(木下辰雄君) 御質問ございませんか。

千田正第一クラブ

○千田正君 さんま漁業取締規則要綱なるものをここで拝見して、只今長官初め課長の御説明を承わりまして、先ほど長官のおつしやつたうちで、第一項の「百トン以上の漁船によるさんま漁業を禁止する。」括弧して七十トンとなつておりますが、これは衆議院の水産委員会の勧告を入れてここに一応出しておるという御説明でありますが、参議院といたしましては実はこの問題を本日初めて伺うのでありまするが、どういうわけで衆議院の委員会との折衝があつたが参議院としての折衝がないのか私は甚だ胸におちないのであります。勿論衆議院といい参議院といい、国民の代表においては何ら変りなく、且つ又参議院におきましても水産常任委員会は厳然としてあるのでありまするので、かような重大な問題を取締規則によつて仮に政令でこれを実行するにいたしましても、当然我々委員会に了解を得べきものと我々は思考するのでありますが、先ず第一に水産庁長官としましては、この規則を出す前におきまして、何故に我々参議院の水産常任委員会に諮らなかつたかということをお答えを頂きたい。

藤田巖水産庁長官

○説明員(藤田巖君) これはたしか参議院のほうにも例のポイント計画についての全体的のお話をいたしましたときに、さんま及捲網或いは小型底曳等について全般的には触れまして御説明をいたしたのであります。なおこのさんまの漁業の具体的な要綱がきまりましたのが前国会閉会間際であつたかと記憶いたします。従いましてこの内容については参議院の水産委員会には正式に御説明する機会がなかつたと思いますが、たしか專門員のお手許まで何か御説明をい大しましたように記憶をいたしております。決して特に衆議院だけ説明して参議院は説明しなかつたというようなことも故意に考えたわけではございませんので、その点を御了承願います。

千田正第一クラブ

○千田正君 我々委員会としましては、休会中といえども継続審議することになつておりまして、たとえ第十国会が閉会になりましても、重大な問題につきましては何どきにおいても審議することができることになつておりますので、必ずしも衆議院のみがそういう問題にタッチするわけじやないと思います。今長官の御説明で了承いたしましたが、この漁業取締規則要綱を見ますると相当矛盾があると我々は考える。  第一に五という所にあるところの「辰林大臣があらかじめ定める数量に達した場合は、終漁日を繰り上げる。」これはまあ抽象的の問題と思いまするが、先ほど説明によると昨年は三千万貫であつた、二千万から二千五百万貫程度でこれは抑えて行きたい、その気持はよくわかりますが、トン数を制限した場合において、漁獲高の減ることは当然なことでありまするが、二千万に達しないという場合においてはどういうふうに考えられますか。例えば漁獲高の制減だけをいわゆる資源保護において取締規則を実行するが、二千万貫に達しない場合においては漁民の漁業経営というものは成立たない、そういう面におけるところの考え方は、水産庁としてどう思うか。我々は取締規則の実施ということのみを考えてその蔭に行われるところの漁民の生活の保護であるとか、漁業経常という段階については何ら考えておらないように考えるのであつて、その点におけるところの水産庁の意向を伺いたいと思います。

藤田巖水産庁長官

○説明員(藤田巖君) 先ほど高橋課長から御説明いたしましたように、まだ詳細なさんまの資源についての完全な調査はできておりませんが、現在調査いたしました範囲では未成育魚が非常にたくさんとられているということであります。これは電気棒受が急速に発達した結果であると思います。併しながら現在のような状態で進みますと、さんまの資源については恐るべき状態が来るというふうに考えます。従つて私どもの大体の考え方として何らかの制限をする必要はあるわけでありますが、さんま漁業の制限のやり方は非常にほかの漁業とは変つた事情がございますので非常にむずかしい点があるように考えております。従つて水産庁といたしましては、本年一応漁期の制限ということを主にして、而もこの新らしい試みといたしまして、一定の数量に達した場合に一応これにストップをかけるというようなやり方で抑えて行きたいと考えております。  従つて、仮にその定める数量に達しない場合はどうかということでございますが、これはやはり私どもといたしましては、十二月の十五日を終漁日と原則として考える「やはり大体の心積りといたしましては、大型のものについてはこの十一月十五日というふうなことを一応終漁日としたいと思つております。小型の二十トン未満の漁船による操業につきましては、これは特例を認めておりますが、さようなところで非常にむずかしい問題でありますが、海況、漁況に応じてこれをよく調査しながらその間調整して行きたい、こういうふうに考えております。

千田正第一クラブ

○千田正君 制限の方法にはいろいろあると思います。今考えておるようなトン数のみの制限と、それから漁期の制限でありまするが、例えば電力という問題に対するところの制限もあると思うのであります。未成育のさんまが相当昨年とられておる。漁業のこの資源が枯渇するからという意味であると思います。北海道においては毎年未成育のさんまをとつて飼料にしております。こういう北海道の問題に対してはあなた方はどういうふうに考えておりますか。

藤田巖水産庁長官

○説明員(藤田巖君) これは昨年も御承知の通りこの十トン未満の漁船によるさんま漁業については規則の例外といつて自由に認めたのであります。これはやはりさんまが或る期間北海道に止りその期間において北海道の沿岸漁業或いは定置その他について従来南京さんまがとられておるというようなことがあるのであります。これは理論で申せばもつと油の乘つた大きなさんまになるまでこれを禁止をしてずつと南に下つてからとるべきではないかというふうな考え方もこれに成立つかと思いますが、やはり北海道の漁民として」は自分らの地先に来る場合にそれをそのまま何もとるわけに行かないというふうなことについては、やはり沿岸漁業者の気持としてなかなかそれをそのまま認めないということも非常に困難であるかと思つております。従つてやはり南京さんまについては或る程度北海道においては沿岸漁業の見地から一定のトン数を切りまして、その範囲においては或る程度とらせるというふうなこともやはり止むを得なかろうというような措置からいたしまして、この例外を設けた次第であります。

千田正第一クラブ

○千田正君 どうも長官の御説明によると北海道の漁民に特殊なことを考えてやるのは止むを得ないであろうというようなお考えのようであるが、北海槽の漁一興であろうと内地の民であろうと漁民という問題に対しては変りはないじやないか。北海道の特殊性ということを、同じ日本の漁民であつてただ島が北海道と内地と分れておるというだけのことで、何らそこに私は特殊た考え方を持つ必要はないのではないかと思う。そこにやはり行政機構の欠陥があるのではないかと私は考える。例えばここにトン数の制限ということは、我々が考えるというと、大きなトン数を持つというと北海道の沿岸へ行くからこれを制限するというふうにも考えられる。その点など非常に私どもはこれを検討してみる場合において誠に遺憾に考えるのでありますが、このトン数の制限は北海道の出漁という問題に対しての制限であるかないかということについても一応伺つておきたいと思いますが、どうでありますか。

藤田巖水産庁長官

○説明員(藤田巖君) この二の百トン或いは七十トンで切ると、こういうふうな問題は、これは全体的にさんまの資源が憂うべき状態にあり、而も電気棒受の大型の船がそこに操業するということから小型船との間に操業上のいろいろの問題も発生をいたしております。従つて資源の関係も極力他の漁業に転漁し得べきものにはそれに転漁して頂いて、それによつて出漁船数というものを或る程度少くして行きたいという気持と、大型の船によろ操業が小型の船の操業との間のいろいろな操業上の調整をするという見地からこれを考えましたのであります。

千田正第一クラブ

○千田正君 もう一つ伺つておきたいのでありますが、これは水産庁は一応成るほど資源枯渇の防止の意味から立案したものと見まするが、これによつて制限されたところのいわゆる例えば七十トン以上若しくは百トン以上の漁船がこれで就業できない。然らばこの人たちの一体生活の保障なり漁業の企業の保障というものは何を以てこれを行うつもりでおりますか。一方的の制限をつけそれによつて今後継続できないものに対するところの保障というものは何を以て考えておられるか。裏付のないところの取締規則であると私は考えるが、それにつきまして水産庁の御意見を承わりたいと思います。

藤田巖水産庁長官

○説明員(藤田巖君) 七十トンに切ります場合に、御指摘のようなそのさんまを目的として仕立てました船、そういうふうなものの操業ができないというふうな現実の問題がこれは深刻に出て来ると考えるのであります。従つて七十トンでありますような問題については私どもも非常にこれは重大な問題であるので、本年から急にこれをやるということはできなかろうかと考えております。ただ百トン以上の船に相成りますると、これは転換の先といたしましてはやはりまぐろの延繩等の問題もこれは出漁できるかと考えます。隻数も勿論絶無ではありませんがそう非常に多いというふうなことでもございませんので、我々といたしましては百トン以上の船はさんまがとれないというふうなことに相成りましても先ずまぐろの延繩等によつてそのほうの漁をして頂くということを、何とかお願いすることによつてでき得るのではないかと考えております。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 私もこのさんまの取締改訂につきまして初めて伺うのでありまして、現状がどうなつているかということもくわしく存じませんが、先ずお聞きいたしたいのは、この七十トン以上或いは百トン以上といつたような漁船が現在どのくらいさんまとり漁業に従事しているか、恐らく大部分が棒受網であろうと思いますが、どれくらいの船数が操業しているか。それから七十トン以下におきましても、或いは五十トン、三十トン、二十トン、その未満といつたような各種の漁船があるだろうと思いますが、最も多く操業されている漁船はどれくらいのトン数であるかということを一応お伺いしたい。

藤田巖水産庁長官

○説明員(藤田巖君) さんまの漁獲高は二十五年度におきまして約三千万貫、正確に申しまして二千九百七十二万貫、そうして操業船数は千三百九十五隻に相成ります。で七十トン未満の船による漁獲高が約二千万貫、全体の七〇%、それから操業船数は一千百七十四隻、全体の八四%が七十トン未満、それから七十トンから百トンまでのものが約七百万貫、二三%隻数は百六十七隻で、全体の一二%、それから百トン以上の船は百七十六万貫、全体の漁獲高の七%、隻数は五十二隻で全体の隻数の四%と相成つております。それからさんま漁船の千三百九十五隻のトン数別の内訳でございますが、これの一番大きいのは大体三十トン乃至三十九トン九、四十トン未満の船が千三百九十五艘の中で三日四十三艘、それから二十トンから三十トンまでが二百四十一艘、それから十五トンから二十トンまでが二百二十艘、それから上の方の四十トンか戸五十トンまでが百七艘、大体中心はその三十トン前後、これが大体この中心をなしておみと考えております。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 更に二千万貫乃至二千三百万貫を以て大体本年度の漁獲限定数量といたしたいというお考えのようでありますが、これの根拠はどこにあるわけですか。る、

高橋泰彦水産庁漁政部漁業調整第一課長

○説明員(高橋泰彦君) これは漁期制限の方とうらはらの関係になつておりますが、昨年度の実績を季節別に検討いたしまして、更にこの案に書いてありますような十月一日から十二月十五日というふうに大体考えますと、昨年度のおよそ七割五分乃至八割程度の数量になろうかと思います。従いまして三千万貫に対しまして予危の数量といたしましては二千万貫乃至二千四、五百万貫程度に相成るわけでございますが、結果としてはおおむね昨年度の数字の上では二割程度の数量を制限する結果になるように漁期をきめて行つたらどうか、かように考えております。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 只今の御説明ではまだはつきりした根拠を私は承知できませんが、只今長官からの御説明によりまして七十トン未満の船を操業するものが大体二千万貫であるということでありましたので、この七十トン未満によつて操業させると二千万貫になるからその数で抑えるというふうにもとれるわけでありまして、二千万貫をとるならば資源枯渇を恐れる必要はないという見地でありますか、若しそうでありとすればこの二十万貫の根拠はどこにあるか、かように思います。

高橋泰彦水産庁漁政部漁業調整第一課長

○説明員(高橋泰彦君) お答えいたします。このさんまの漁獲量を何千万貫程度に抑えたらよいかという確たる根拠は、これはございません。ただ去年も三千万貫とつておりまして、若年の魚が非常に多かつたということ、それをそのまま放つて置いてはいけないしいうふうに考えるのでありますが、かと申しましてこれを三分の一にするとか半分にするとかいう思い切つた措置をとるほど、又資源調査の方も確定して参つておりませんので、これは漁期短縮というところに主眼を置きまして数量もおおむね昨年度の二割をとるということ、そういうような見当で本年度はやらざるを得ないのではないか。なお本年度さんまをとつておりまする過程におきまして時々刻々調査をいたしまして、先ほどの案にもありましたように資源保護上必要のある場合、具体的に申しますと去年の年齢構成よりも更に今年のさんまの年齢構成が非常に悪くなつておるような場合には、数量の如何にかかわらず更に操業期間の短縮を図らなければならない事態になるかとも思いますので、若し年齢構成が昨年度よりもいいような状態になりますれば、必ずしも数量にはかかわる必要がないかと、かようにも考えておるような次第でございます。それは本年度のさんまを始めて経過をよく調べた上で、最後的に決定する以外に方法はないのじやないかというふうに考えて立案しておる次第でございます。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 なかなかこの数量を限定する根拠を見付けるということは短期間には困難な問題だと思いますので、検討ということも止むを得ないかと存じますが、この大型漁船がさんまを漁獲するようになつたのはまあ大分前からのように我々も聞いておりますし、この棒受網がさば或いはその他あじ等の漁獲に利用されるようになりまして、九州方面まで伝わつて参つております。この大型船による電気集魚燈を以て漁獲するところの七十トン或いは百トンそれ以上の漁船がさんまをとるようになつたのはいつ頃からでございますか。いつ頃から始まつて今日のようにあるかということを一応伺いたいと思います。

高橋泰彦水産庁漁政部漁業調整第一課長

○説明員(高橋泰彦君) さんまの電気集魚燈を使つて漁業をするという方法は、終戰前に千葉県の漁業者によつて発見されたというふうに我々は聞いて参つております。但し当時は燈火管制その他の事情でこの漁法が発展できませんような状態でありまして、これが急速に発展したのは終戰後でございます。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 終戰後いつ頃でございますか。

高橋泰彦水産庁漁政部漁業調整第一課長

○説明員(高橋泰彦君) 終戰後ですから昭和二十一年にはもうかなり相当普及されて、二十二年頃にはほぼ棒受に転換された。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 大型の点については。

高橋泰彦水産庁漁政部漁業調整第一課長

○説明員(高橋泰彦君) 大型の点につきましてはちよつと研究不足で確たる答えはできかねますが、最初小型から始まつて大型は割方遅れて棒受に転換したように私は聞いておりますが、これははつきり答えかねます。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 今非常に問題になりますのはこの大型の漁船の操業禁止なのであります。従つてこの大型の船を禁ずることによつて資源涸渇を防止することもでき、又この幼魚の育成と申しますか、発育にも障碍のある点を除去するというような建前からこれが取られて来て、專ら今日の問題になるのはこの大型漁船の操業禁止という問題であると思います。従つてこの点については愼重に考えなければならない。今七十トン以上或いは百トン以上の船かいつ頃からそういうふうに増加しておるものであるかということがはつきりせぬようでありますが、水産庁においてははつきりしておるだろうと思いますが、今御出席の方がはつきり御存じないのじやないかと思います。この先ほどお伺いした数字によりますと、百六十七艘というものは七十トン以上の船である。これが昨年初めて操業したものであるか、或いは数年間これをやつて来たものであるかということについては重大なここに問題がある。先ほど同僚の千田委員からも裏付の問題についてお話がありましたが、何年間かこの仕事をやつてこれを一つの漁業の経済のうちに織込んで来ておるものが、突如として禁止されるということになりますと、漁業経営に大きな響きがあるということは、これはもう論ずるまでもない問題であります。他の漁業に転業する、勿論これらの船がただ秋のさんまのみを目的として作られたものでないということも、我々も想像ができるのでありますけれども、この漁期においてさんまをとるということが大きな継承上の一つの要素をなしておるといたしまするならば、これを禁止せられたときにはこれが仮にかつを或いはまぐろ漁業を営んでおるといたしましても、その全体の漁業に響くことは大きいと思います。そういう際に突如として禁止するについての裏付についてはどういうふうにお考えになつておられるか、長官の御意見を伺いたいと思います。

藤田巖水産庁長官

○説明員(藤田巖君) この正確なことはちよつといつ頃から発達したものかというふうなことの正確なことは私詳細には知りませんが、この電気棒受が発達して、殊に大型になり、いろいろな問題を起して来たのはここ両三年の問題だろうと思います。殊にそれが調査が進むにつれて非常に未成熟な魚をとり出したということから、さんまの問題が非常にやかましい問題になり、五ポイント計画による指示もございますので、これを何とかやつて行かなきやならんというふうに考えたのでありますが、先ほども申しました通り、この七十トン以上の漁船というふうなものについては、これは衆議院の水産委員会の御勧告もあるわけでありますけれども、これはやはり、茨城、福島、或いは千葉等、このさんまに相当裏作とは申しますけれども、その一年における漁業経営の相当大きな部分として当初からもくろんで考えられておるものがあると考えております。従つてかようなものについて直ちにこのさんまをとらせないということについては、これはやはり愼重に考慮すべき問題であつていろいろ調査し、又その対策を考えなければ軽々にできない問題であることは承知しております。従つて私どもの意向といたしまして現在この七十トンから百トンまでございますような百六十七艘、これを直ちにどうしようということは私どもとしては考えておらない。ただ百トン以上の船、これは五十二艘ばかりあるわけでありますが、これは勿論この航海の安全その他操業能率というふうな点から、さんまだけを対象にしたのではないのでありますが、やはり最近非常に船が大きくなつて来ておるわけでありますが、この百トン以上の船については隻数も全体の四%程度でもございまするし、これはまぐろ延繩等によつてやり得るというふうなこともございますので、我々としては先ほども申しました通りに、やまつた場合にそれを補償するというふうなことを現在直ちに考えてはおりませんが、これは一つさんまの方への操業ができないにいたしましても、まぐろ延繩等によつて、勿論そのさんまをとるだけの何と申しますか有利な採算ができろかどうかということは疑問であろうかと考えますが、やはりまぐろ延繩等によつてその操業をすることも可能である。又そういうふうに百トン以上の大きな船については、やはりこのやかましいさんまの問題については一つ遠慮して頂いて、その方に專念をして頂きたいというふうな気持から、この程度は止むを得ないのではなかろうかというふうに考えておりますが。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 もう一点お尋ねいたしますが、私どもは昨年からさんまの形が小さくなつて来たということを承わつております。これは昨年から急にそうなつたものであるか、或いは昨年は大体比較的小さいさんまが、全体的に三十万貫取れたうちで、どのくらいのパーセンテージを占めておるかということをお伺いいたします。  それから次に七十トン以上の船が北海道方面に内地から出漁しつつあるかどうか、今後七十トン以上の船百六十七隻の大部分が北海道へ行くのであるかどうかということ。  それからもう一つは、時期的に見て、さんまの形が遅くなつて、小さくなるのか、或いは初めのうちが小さいのか、或いは又それ以後おいても大小まざつておるのか、これもを御調査ができておれば伺いたいと思います。先ずどのくらいのパーセンテージで小さいのが入つて来たか、昨年、一昨年あたりはそういうことはなかつたのであるかということを伺いたいと思います。

藤田巖水産庁長官

○説明員(藤田巖君) このさんまの今の未成熟魚、或いは小さいものの数子というものは調査研究部の調べがあるわけでありますが、今ちよつとその專門家が来ておりませんので。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 あとでもいいですから至急に。

藤田巖水産庁長官

○説明員(藤田巖君) 調べがございますのであとでお知らせいたします。  それから七十トン以上の船が全部北海道へ行くかどうかというお話でございますが、これはご承知の通りさんまはだんだん時期によつて、又水温等に従つて南に下つて来る。その時期は必ずしも毎年々々同じではないわけです。だんだん南に下るにつれて漁船も下へ下つて来る。でありますからして解禁日には相当ずうつと北の方に行つておるということは考えられております。これは併し毎年々々の事情によつてその位置は必ずしも一定ではございません。

木下辰雄緑風会

○委員長(木下辰雄君) 私から一つ又重複するかも知れませんが質問しますか、水戸六庁は五ポイント計画の当時に、すでにさんまの問題については概括的なお話はしたとおつしやるけれども、私どもまだ聞いたような記憶はない、併しそれはまあ話されたかも知れない。あの場合においては機船底曳と、あぐり網ということは聞きましたか、さんまのことはお話なかつたと私は記憶しております。それはともかくとして非常に水産庁は資源枯渇ということを言われますが、私はこの規則の要綱を見て、資源の枯渇する原因は、八月十五日から実施するところの、北海道の七十トン未満の漁船による漁獲量に一番関係があると思う。陳情書によりますと、北海道には三百隻内外の船が八月十五日から操業する、これが一番小さいさんまを一時に濫獲するということが資源枯渇に最も影響があると思う。すでに成熟して廻游してこつちへ来た場合においては、それをとつたからといつて資源の枯渇にはなんら関係はない、かように思つております。そこが水産庁のお話と私は非常に見解を異にするのです。成熟魚になつてから南に下る場合において、それをとつたから資源が枯渇するということは全然なかろうと、私はかように思つております。稚魚の場合に而も二月前に小さい船で以てたくさんとるということが炎源の枯渇に最も影響する、かように思つておる。これをここで認めておきながらこちらへ来た時分に漁獲を制限して二千万貫から二千五百万貫くらいにとどめるということは、これは私、増産に非常に悪影響を及ぼすものだとかように思います。むしろ北海道における八月十五日からの操業を禁止してやれば、私は漁獲は三千万貫とつても四千万貫とつても資源の枯渇には関係はない、かように思つております。だからこの方針そのものは非常に矛盾しておる。これは一つ再考を促したいと思います。  それから千田君及び秋山君からも言われましたが、百トン以上のものを禁止する、こうなつた場合において、それらはまぐろに転換するから補償金は出さんでもいいというようなお考えのようですが、いやしくもさんま漁業に対して二月間以上の漁獲をするためには、相当漁具にも金を入れてその漁具が全部ロスになるということは漁業者に対して非常な痛手である。もう一つは秋山君が指摘された通り、このさんまの二月間くらいの漁獲がそのまぐろの経営自体にも非常に大きな部門を占めておるということも考えなければならん。いやしくもこれを禁止する場合において、それに対して補償をせんということはこれは甚だおかしい。衆議院においては機船底曳を整理する場合において裏付がないという法律はいかんといつて、その場合に衆議院は、これは百トン以上の船は禁止してもかまわんじやないか、補償をやらんでもかまわんではないかというようなことは非常に矛盾撞着であると思う。いやしくも百トン以上の船を禁止する場合においては、それによつてこうむる損害は当然補償すべきものだと、私はこれは強く主張いたしたいと思います。  それから先に秋山君から指摘されました何ら資源の調査も完備してないのに昨年三千万貫とつたものを二千万貫、若しくは二千五百万貫にとめるということは、これは全く根拠のないナンセンスのものであつて、こういうことは私は十分愼重に調査したのちにこういう制度に規定すべきものだと思つております。農林大臣はあらかじめ定めるということはすでにおかしい、こういうことも水産庁は再考をしてもらいたいと思います。この私が今申上げました問題について水産庁長官のもつとはつきりしたお答えをお願いしたい。

藤田巖水産庁長官

○説明員(藤田巖君) 成るほど北海道において南京さんまをたくさんとつてしまえば、それこそ資源枯渇の大きな原因でないか、それは御尤もだと考えておりますが、併しながら従来南京さんまの漁獲量というものは全体の大体一割程度であります。それから南下いたしましたあとにおいてやはり未成熟魚がとられる、むしろ未成熟魚をとるとらんの問題は、北海道がとるとか内地はとらんとか時期の問題ではなくて、その漁区の漁法が電気棒受である限りは、やはり未成熟魚の問題は私は時期或いは場所の問題ではなくてこの漁法の問題であると考えております。だから根本的にはやはり電気棒受をどうするかということがさんま漁業の核心の対策にならなければならんと思うのでありますが、併しながらさりとて電気棒受を今年直ちにこれを禁止するということも、これは言うべくして行われ得ない実情で、従来通り流し綱に帰れということを言いましてもそれは簡単には行かないと考えております。従つてこの問題は私どもといたしましてはやはり今後調査を進めて、そうして更にはつきりした結論を得てから、電気棒受網の問題はこれを処置するということが適当であろう、差当り本年の程度としてはやはり操業期間を短縮する等の措置によつて、或る程度の制限をするというような漸進的なやり方がよかろうというような結論に達したわけであります。  それから又北海道においてさればとて南下をいたします魚をみすみす北海道におるときはとるなということをやりますことも、これはなかなか実際の行政措置といたしましては困難な点があるわけであります。従いまして私どもといたしましては大体のめどは全体の漁獲高の五%乃至一〇%に相当するものは、これはやはり或る程度北海道において特例として認めざるを得ないのじやないかというふうな結論に考えたわけであります。  それから二の百トン以上のものといえどもやはり補償なくしてこれを禁止することは酷じやないかというふうなお話でありまして、これも御尤もだと考えるのでありますが、先ほど申しました通り私どもといたしましては、これは七十トン以上のものについては、これは原則的な立場で、或いは例外なものもあるかも知れませんが、七十トン、百トンの間の船はこれは初めからさんまを対象にしての特殊な装置もあり、或いはそれと結びついた計画も当初からあるというふうなものもはつきりしているだろうと思います。百トン以上というふうなことに相成りますと中には勿論さんまを対象にして船を大きくしたということもあるでありましようけれども、ものによればやはりまぐろの延繩に行くか、あるいはさんまに行くかというようなことは、その時時の漁模様というふうなことによつて判断をするというふうなものもあるだろうと思う。従つてこれは勿論苦痛は生ずるわけでありますが、再トンについては比較的まぐろ延繩に転漁することもそうさして困難でなく、多少採算上の問題は出て来ますけれども何とかやれるのじやないだろうかというような見当から私どもとしてはこれをいたしたいというふうな気持になつておるわけであります。  それから資源の根本的な調査がもつとはつきりしてからこれをやるべきではないかというふうな御意見も御尤もだと思いますが、御承知の通り海の上の調査というものはなかなか簡単には完了いたしません。予算その他の関係でそれが完成するには相当長年月を要する至難な問題で、従つて、さればとて調査が完了するまで然らば何も手を打たないでいいかというふうなことになりますと、現実の問題としてはさんまの資源が相当憂うべき状態にあるわけであります。従つて私どもといたしましては、やはり調査を一方進めながらそれと並行をいたしましてやはり或る程度の見当によつてこれをできるだけ抑えて行く。少くとも現状よりも濫獲にならないようか抑え方をして、それからだんだん調査を完了して、それを一定の適正漁獲量までこれを引下げて行くというふうな、まあ漸進的なやり方をせざるを得ないじやないかというふうな見地から、本年度といたしましては完全な調査はできませんが、現在程度のやり方で抑えて行くことが全体的に見ていいのじやないかというふうな結論から考えたわけであります。

木下辰雄緑風会

○委員長(木下辰雄君) 今長官が答えられたことはいずれも前のことを繰り返されたに過ぎんで、百トン以上の船はまぐろ漁業に転換するのだ、又まぐろ漁業の間にやつておるものであるから別に大して影響はないのじやないかということは再々繰返しますが、漁業法によつても許可若しくは免許を禁止する場合には政府は補償するということを明記せられておる。いわんや百トン以上の船を禁止するという場合において、漁具その他に対しても相当命を入れている、又これが漁業経営の或る部分を担当しているという場合において、これを禁止するという場合に何らの補償をせんということは私は非常に違法じやないかと思う、これは飽くまでも禁止する以上はその損害を補償するのが当然である、私はかように思います。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 今いろいろ応答のうちにどうもこのさんまの形が小さくなつて来たから資源が枯渇しつつあるのじやないかという感じが私にはピンと来ない。三千万貫を二千万貫或いは二十五百万貧に減らす、漁獲を制限するということによつて資源の枯渇が防止されるか。資源を保護するために私は極く小さい稚魚を保護するとか、或いは本当の親魚の産卵期を保護して生れたものが或る程度大きくなるまで保護するといつたようなことは考えられるのであるが、壯年期になつた本当の親にはならんかも知れませんけれども、或る程度大きくなつて食用価値、経済価値も成る程度できて来て、これは本当の成熟魚に比べれば或る程度落ちるかも知れんけれども、大体において経済価値もあるというものを形が小さくなつたからこれは資源が枯渇しつつあるのであると考えるべき何らかはつきりした根拠があるかどうか。海流の変化或いは天然の現象によつてその年の発育の状況の悪いということも或る程度考えに入れるべきではないかというふうに私は考えるのであります。いわしの漁獲が地方的に非常に減少したということにつきましての何ら原因が今まで究明されておらん。従つて水産庁がどうも形が小さくなりかけたからこれはもう枯渇するのじやないかという非常な心配をされてかような措置をとられたということも肯けないではありませんが、今日の漁業状態が極めて不良であることは水産庁も御承知でありまして、漁業者が総合的に或る時期にはまぐろに、或る時期にはさんまをとり、又高度に漁船を利用するということも今日の経済状態から見ればどうしても考えなければならん問題であるのであります。その際に我々としても資源を枯渇せしめてはいけないということは、ここに指摘されるまでもなく我我は多年考えておつたことである。余談になるかも知れませんが、いわしのごときにいたしましても、あの稚魚のちりめんじやこをとることはよくないから何とかこれを防止しようじやないかということはもう古い話なんであります。併しこれが今日までできないということは経済上のそれを禁止する裏付がなかなか困難である、又それを業としている漁夫を救済する方法がなかなかつかんというような関係から今日までこれが実現せずにおるものと思うのでありますがそのうちにとれなくなつて来た。併し形が小さくなつてとれなくなつたというような例は余りないのであります。そういう点から考えまして、水産庁が魚形が小さくなりかけたから枯渇し始めたのじやないかという何かはつきりした根拠があるのでありますか。私は單なる形が小さくなつたからということのみによつて枯渇しつつあるということを考えるのは少し早計じやないか、もう少し考えて行かなければならんということが頭に浮ぶのであります。  それからもう一つ、繰返すようでありますが、この禁止による損害に対して補償の問題でありますが、なお先ほどのお話によりましても水産庁といたしましては本年は先ず以て百トンで抑える。これは五十二艘の船に過ぎませんが、更に北海道は七十トンということを強調しておるということでありますが、今後の漁獲の状態によりましては或いはそういうことが実現せんとも限らん。本年は百トンだが来年は七十トンが基礎になるかも知れん。そういう場合には七十トンでもなお補償しないのであるか。或いは七十トンならば補償しなければならぬか。百トンならば補償しないが七十トンならば補償するということは私は成り立たないと思う。今日資源枯渇防止法が制定されたのは一般国民のために世界人類のために資源を保護しようという精神から生れたものであつて、その犠牲が或る一部の人に強いられた場合には当然補償すべき性格のものであるとさように誰つてある、法律にも出ておると思うのでありまして、船が少いからとか或いは他に転業する途があるからとか、転業する途があつて仕合せでありましてなかつたらこれは大きな損害である。これは全部補償しなければならん。併し一部分だけでも損害のあるものに対しては補償するのは当然ではないかとかように考えます。その辺の御見解は如何でありましようか。今後七十トン以上のものを制限することは絶対ないか。或いはあつた場合にそれも補償しない、そういう点はどういうふうにお考えですか。

藤田巖水産庁長官

○説明員(藤田巖君) 秋山委員からちよつと形が小さくなつたから禁止をするというお話がもりましたが私どもはそうは言つておらないので、つまり航気棒受網になります結果、昔の刺網でありますと大きなものしかひつかからないが小さなものまで全部とつてしまう。つまり未成熟な魚までとつてしまう。例えば、私は專門家でないから技術的な説明はできませんが、成熟するのに四年なら四年かかるとする場合に、四年魚というようなものは一体とつてしまつてもいいという場合、それが三年魚というような場合にもつと若い齢のものが相当漁獲に上がつて来る。そういう漁獲は延いてつまり後続部隊を絶やしてしまうことになる。そういうような問題が現在起つて来ておりますので、これはやはり憂うべき問題だというふうなことから、これを我々としては何らか制限措置をしなければならんというふうに考えておるわけであります。なおこれは数字で以て御説明できないのは甚だ残念に思つておりますが、この点は資料もございますので差上げまして御研究頂きたい、こう思います。  それから補償する問題でございますが、これも私は、漁業法で繁殖方法或いは漁業取締上必要のある場合には一定の漁業についてこれを制限する、禁止するという場合も予想されておると思います。従つて何らかの禁止いたします場合にそれがすべてのものについて全部補償がなければ何もやれないというふうなことでありますと、非常に運用上困る場合が出て来るかと考えております。或いはこれは何と申しますか、質的な問題或いは程度の問題ということが出て来るかと考えておるわけであります。私どもといたしましても、従来それが経営の大きなウエイトを占めておるものについては、これは極力これを、尊重して行くべきであり、又そういうようなものを転換させるものについては、これは法規上はたとえ可能でありましても補償すべきものと思います。例えば小型底曳というようなものについて、率直に申せば無許可船についてこれを取締ることは何ら補償なくして法理論的には可能でまるかも知れませんが、現実問題としてはやはりそういうふうなことも社会的にはむずかしいと考えますので、我々も何らかの補償ということを考えるということは当然考えて行かなければならんと思つております。やはりこれもそのときどきの具体的な問題についてこの補償の問題は決定をして行きたいと思うわけでありまして、何らかのそれが制限になりその結果経営上に影響を及ぼすことはこれは承知いたしておりますが、我々といたしましては勿論できる限りの制限というようなものについては、やはり全体の漁業の繁殖方法なり或いは取締の見地その他全体の大きな公益の立場からこれを判断して、或る程度のものは漁業者の方々にも我慢してやつて頂きたい、こういうふうな気持であります。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 只今の稚魚、幼魚の問題につきましては、これは議論になるように存じます。私も生物学者でないのでそういう点については究極まで、議論する資料を持つておりませんが、親魚をとることも、とり過ぎれば濫獲になる、従つて後続の魚を絶やすことになります。私はこの水産庁には調査部もあることでありますし、これを保護しなければならんということに至つた調査の内容をもう少しくつまびらかに我々に説明をして頂きたいということを感ずるものであります。今長官も素人であると言われましたし私も素人ですから、素人同士議論をしたところで書きない問題でありますから、後日にここに至つた根拠をもう少しく詳しく舞聴いたしたいと思います。これはひとりさんまのみの問題ではございません、他の魚族にも及ぼす問題でございますから、かような措置をとることにつきましては特に慎重を期すべきものであろうと考えます。  只今補償の問題につきまして、なるほど一々制限し、禁止したものについて補償するということは到底できないのでありますけれども、少くとも資源、国民食糧というような、広く言えば世界人類に影響するところの資源の問題につきましては、ひとり漁業者のみに犠牲を強いるということは酷である、これはアメリカの方々も東支那海、黄海における漁族の問題を考えましても、広く世界の人類に対する食糧資源の確保であるということを常に言われるのであります。従つてそういう広い見地から考えましたときに、これを制限して資源をいつまでも持続しようとする高邁なる考え方は当然のことであると同時に、これは一般の人たちがこの犠牲をかぶつて然るべきじやないか、単にこれを操業して供給している漁業者が利益のためとはいいながらこれはとつてくれなければ我々は生活に困るのでありますので、この職業に、全部或いは一部その人たちに犠牲を加えて、そうして資源を守るということになりますと、どうしても或る程度の補償をすることが私は当然だと、かように考えます。従つて今回の措置については勿論予算の裏付がないでありましようが、こういう問題は突発的に起る問題でもないのでありますので、十分さような指十を考えられて警告されることが私は当然じやないか、かように考えます。従つて今後も水産に対する漁業の資源に対する大きな例ともなりますので、悪例にならないような措置をとつて頂きたいと思います。

木下辰雄緑風会

○委員長(木下辰雄君) 関連して私からも伺いたい。長官のお話によると電気棒受網がよくないということですが、然らば百トン以下の船がやるのか、或いは百トン以上の船がやるのか、何のために百トン以上の船をのみ禁止して、百トン以下の船を禁止しないのか、ちよつとそこに矛盾があるのではなかろうか。  もう一つは、長官に根本的に考えてもらいたいと思うのは、今までは漁業の許可、免許があつた場合において方法に害があるとか或いは公益的に害があるという場合には取消す、こういうようなことです。併し如何なる場合においても水産庁としては免許又は許可を取消す場合には全補償の見地から、漁業者愛護という見地から考え直して頂きたいと思います。これは当然だと思います。これは憲法が許し又水産庁が許しておるものを、こういう事情の下に取消す或いは禁止するという場合においては、これは当然その損害賠償をするというのが水産庁の考えでなくちやならんと思う。或る場合においてはかまわないじやないかというような措置は、これは水産業者に対して非常に無慈悲なことだと思つております。そういう見地から私はあくまでも水産業者の犠牲に対しては当然補償の措置をとつて頂きたいと思います。

藤田巖水産庁長官

○説明員(藤田巖君) この電気棒受網の性質上稚魚までとる、これは小さい船であろうと大きい船でふろうと同じだろう、それは御尤もであります。ただ大きければ大きいだけそれが非常に漁獲能率が多いということはこれは言えるかと思います。それから又その大きい船である関係が、やはりいろいろ小型の船との間の操業上の問題を起すということもこれはあり得ようかと考えます。大きいから弊害がある、小さければ電気棒受網も差支えないというふうなことは、これは言えないのであります。  それから補償の問題は、これは私ももう少し研究してみますが、私の感じとしては、免許又は許可によるようなものについてこれを取消すものについての補償の問題、これは私どももよくわかる。併しながら今日のさんま漁業というのは自由業であります、全然自由です、誰の地域も禁止しておらない、これを許可漁業にしようかという問題は今後の問題で、我々研究しなければならない。放つて置きますと、私どもとして憂うべきものは、ますます大きな大型の船まで、百トン以上の船まで、いわゆる電気棒受網の形で出て来るということになると、これは非常に困るのじやないか。従つてやはりこの際は取りあえず百トン以上のものはまぐろ、たいなどをやつてもらうということをはつきりして、今後ともさん、まのほうは少くともそれ以下というふうに区切りをつける必要があるというふうに考えたのが一つ。そしてかような自由漁業について繁殖保護、或いは取締の見地から、抑える場合に補償が要るかどうか、こういう法律的の問題があるのであります。これはもう少し私ども研究をしなければならんと思いますが、そういうふうな点についてもう少し私どもとして研究をいたしましてやりたいと思いますが、すべてのものについての補償制度、こういうふうな場合に、法律的に必ずしも補償が要るかどうかということは、なお疑問だと思うのであります。

千田正第一クラブ

○千田正君 今の長官の説明では自由漁業だと言うけれども、さんまは知事の許可漁業ではありませんか、知事の許可によつてやつているんじやありませんか。

藤田巖水産庁長官

○説明員(藤田巖君) これは県によつては許可しているものがあるかも知れませんが、全体的にはそこまではなつておりませんし、それから県の許可漁業というのは、単に県に揚がる場合に、その管轄区域に関する限りの問題です。ですから全然そういう管区制度をとつていない所はどこの船も自由にとれる、こういう恰好になつております。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 どうもおかしいのですが、今長官は自由漁業であるからというお話でありますが、然らば許可漁業で違反船に対しても補償しなければならんという理窟はどこにあるか。小型底曳が漁獲禁止のものをどんどんやつている、これにもこれを取締るためには補償をやらなければならん、そういう問題も先日衆議院で潰れている。ところが許された漁業であります、自由漁業という許可というおよそ手続をとつていないものがある。許されていない漁業を制限するのを補償するのはおかしい。禁止された無千百でやつているのを補償するというのは矛盾で、事の大小じやなくて理論的にその考え方を直して……。

藤田巖水産庁長官

○説明員(藤田巖君) 私ども小型の底曳の整理の場合に或いは補償するという考え方も持つておりますのは、漁業自体には補償することは、ちよつと無許可のものについての補償はできないのであります。ただ現実の船を、その船を買取るというふうな意味で現実の問題としてそれが補償に当るというやり方たをとつて行く。従つて何らかの船の買取りということがなくて、ただ無許可のもの、成いは許可違反のものについて補償するという考え方については、これはやはり法律的にはその必要があるかないかは疑問であるということ……。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 ここも又議論なんですがね、船を買取る必要がどこにあるか。無許可でやつてるものはその人が勝手に法を犯したものであるから、その船を買取る必要がないじやないかというのは、それは議論になると思う。ただ問題は、先ほどお話になつたように自由漁業のものを制限するのについては補償することはどうだろうか、こういうお考えがある。一方はやつちやいけないというものをやつておつたが、それをやめさすためには船を買取つてやらなければいかんという慈悲があるなら、許されている漁業が操業できなくなつたものに対しても慈悲を與えるべきじやないか、こういう大まかな考え方なんです。その点を一つ今後は考え画してやつて……。自由漁業だといつて今後如何なる制限を受けるかわかりませんが、そういう場合に、自由漁業にはそういう必要なしという観念に変えて頂きたい、かように考えます。

千田正第一クラブ

○千田正君 ちよつとこれを作られた課長さんにお伺いいたしますが、この取締規則要綱の六條は甚だ矛盾しでいると思いますので一応お伺いしたいと思います。禁漁期中は水揚を禁止する、但し輸送証明書を保持する場合はこの限りではない。禁漁期中には水揚を禁止する、禁漁期中には勿論輸送するものもないはずでありますが、この輸送証明書は何に対して出すのですか。

高橋泰彦水産庁漁政部漁業調整第一課長

○説明員(高橋泰彦君) お答えいたします。この言葉が少し足りなかつたと思いますが、禁漁期が地域によつて違いますのでこういうことを考えたわけでございます。具体的に説明いたしますと、北海道ではとつていい時期でありながら内地では禁漁期だということ、そういう時期が八月十五日から九月三十日までにありますので、この際北海道からさんまを内地に輸送する場合には証明書を持たしてやる方が取締上はつきりいたすのじやなかろうかと思います。これがありませんと北海道から運んで来たのだという名目で禁漁期中に漁船がさんまを水揚をするということでは困りますので、確かに北海道から輸送するのだという証明書がありますとその間の事情がはつきりいたすのではないか、かように存じております。

千田正第一クラブ

○千田正君 然らばこの文は甚だ不備であります。というのは、禁漁期中に輸送があるはずがないのであつて、あるとすれば地域においてこれを漁獲したものを運ぶ場合におけるところの輸送証明書というものを付けなければこういう文は活きて参りませんので、一応勧告して置きます。

木下辰雄緑風会

○委員長(木下辰雄君) それではちよつと私申上げますが、今長官は自由漁業だと言われましたが、このさんま漁業取締規則の條文を読んでみますと非常にいろいろな制限、いろいろな負担をかけている。これは決して自由漁業じやないと私は思う。ただ許可をやらんければとることができんという法文はありませんけれども、相当これはむずかしい制度内において操作している。そのためには漁業者は相当これに対しては設備或いは義務を負担している。これは単なる自由漁業じやないと思うが如何でしようか。

藤田巖水産庁長官

○説明員(藤田巖君) 私の自由漁業と言いました意味は、いわゆる漁業を営むについて許可が要る、特に許可を受けたものだけがやる、そういつた意味の法律上の言葉として、自由漁業、許可漁業というふうに分けたわけであります。勿論さんまについてもいろいろ制限はありますが、漁業を営むについての制限というわけであります。或いは言葉の使い方が適当でなかつたかも知れ長せんが気持はそういうふうなことであります。

木下辰雄緑風会

○委員長(木下辰雄君) そういう制限の下に認められている漁業であるからして、単に自由漁業に対する態度と違つて、これに対しては十分一つ第二を適用する場合において更に考慮してからもう一度御発表願いたいということを私は要望して置きます。……ほかに御質問ありませんか。  今皆さんにお諮りしますが、各委員の水産庁長官に対する御質問その他を考えまして、水産委員会としてここに態度を決定して水産庁に勧告することにしたいと思いますが、如何でございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

木下辰雄緑風会

○委員長(木下辰雄君) 御異議ないと認めます。それでは勧告の案を私から読んでみますからして御異議があつたら御指摘願います。  さんま漁業取締要綱制定について左の事項を勧告する。  一 要項(二)のトン数制限は撤廃すべきである。若しやむを得ざる場合、百トン以上禁止するときはこれに対する補償の方法を講ずる要がある。  二、資源調査の結果が明確にならない以前に二千万貫乃至二千五百万貧に制限することは適当でない。  この二項目如何ですか。まだほかにありましたら……、別に御異議がなければこの通り決定して差支えございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高橋泰彦水産庁漁政部漁業調整第一課長

○説明員(高橋泰彦君) 資源調査の問題について、もう少し詳細に説明する時間を與えて頂きたいと思いますが、如何ですか。

木下辰雄緑風会

○委員長(木下辰雄君) ちよつと待つて下さい。それではこの二項目について参議院の水産委員会として水産庁に勧告することにいたします。

高橋泰彦水産庁漁政部漁業調整第一課長

○説明員(高橋泰彦君) 只今資源調査が不十分であるというような趣旨の…

木下辰雄緑風会

○委員長(木下辰雄君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕

木下辰雄緑風会

○委員長(木下辰雄君) 速記始めて下さい。とにかくこういう重大問題に対してあらかじめ参議院の水産委員会にお打合せがなかつたことについては非常に遺憾の意を表します。  只今は静岡県、それから茨城県、福両県の各代表者がお見えになつて陳情いたしたいという希望がありますけれどもこれはこの際お控え願いまして、直ちに今の勧告書について水産庁に十分要望しまずから陳情の方々はさよう御承知願います。私どもはあなたたちの陳情の趣旨はよくわかつております、各業者の意向も決して忖度せずして水産庁は独善的に衆議院と相談してやられたと、私たちはかように思わざるを得ない。それでわざわざここで委員会を開いてこのことを強く要望するわけでおります。

千田正第一クラブ

○千田正君 議事進行について。ほかにもう問題がないと思いますから一応閉じまして、或いは業者の方々の陳情をするとしても懇談会なら懇談会に入つて頂きたいと思います。如何でしようか。

木下辰雄緑風会

○委員長(木下辰雄君) それではこれから懇談会に移りますから委員会はこれで散会いたします。    午後零時十五分散会  出席者は左の通り。    委員長     木下 辰雄君    理事            千田  正君    委員            秋山俊一郎君            入交 太藏石            松浦 清一君   事務局側    常任委員会專門    員       岡  尊信君   説明員    水産庁長官   藤田  巖君    水産庁漁政部漁   業調整第一課長  高橋 泰彦君

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