人事委員会 第18号
- 発言数
- 43 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1951/05/26
会議録
○委員長(木下源吾君) それでは委員会を開きます。 本日の議事は国家公務員の給與問題に関する調査でございます。その前にちよつと報告を一つ……。
○専門員(川島孝彦君) ちよつと御報告申上げます。今日電気通信委員長の寺尾先生から電気通信職員に対する特別俸給表の制定について申入れがございました。文書でございましたので、その文意を朗読いたします。 電気通信職員に対する特別俸給表制定について 電気通信職員は、現在一般職員と同一の俸給表を適用せられているが、電気通信事業は書夜を分たず運行せらるる複雑な現業事務であり、且つ特殊の技能の習熟を要するため職員が永く同一職務に従事することが必要である。 然るに現行制度は右特殊性に合致しないばかりでなく、同一職務に永く留まると級の昇格をしない限り給料が頭打となり、現にその該当者は現業職員の三〇%にも達しており、職員の志気及び勤労意欲を著しく沮喪し、事業の再建に大きな悪影響をもたらしているのは誠に寒心に堪えない。よつて本委員会はこの際本事業職員の性質に適応した特別俸給表を制定し速かにこれが実施を図るよう特に貴委員会の御配慮を要望するものである。 昭和二十六年五月二十六日
○委員長(木下源吾君) 以上です。
○千葉信君 この際大蔵省当局に対して御質問申上げたいと思います。問題は本通常国会において先に成立いたしました国家公務員等に対する退職手当の臨時措置に関する法律の一部を改正する法律に関する問題でありまするが、当時御承知の通りに本院人事委員会におきましても、又衆議院における大蔵委員会等における審議の経過を見ましても、この法の成立自体が国会の全面的な賛意の下に成立したとは受取れない傾向が非常に濃厚であつた。而も当時政府の答弁は、非公式ながら当時問題になつたところの修正案に対する賛成の意見が濃厚であり、大蔵省当局としても予算上の検討をまじめに加えながらできるだけ修正の方向へ賛同するという傾向さえ非常に濃厚であつたにかかわらず、結論が御承知の通りその筋の関係から我々の予期しない方向に移行してしまいましたけれども、この際、私どもこれら公務員に対する退職手当の法規の改正については、どうしても従業員諸君の実情のあり方から考えまして、何とか今度の補正予算の編成の際にこの問題を解決する必要があると考えますが、大蔵省当局としては国家公務員に対する退職手当の臨時措置に関する法律のうち、その一部の修正についてどう考えておられるか。或いは又補正予算の編成に当つて、どのような考えで現在対処しておられるか、この点についての御見解をこの際承わりたいと思います。
○政府委員(西川甚五郎君) 実はこの問題につきましては、今千葉委員がおつしやる通り衆議院の大蔵委員会におきましても、各党から皆賛成を得まして、そうして修正案が出ておる。又参議院のほうでも同様と思いますが、それ以後におきまして、第十国会において司令部との折衝において一応皆さんの修正案がうまく行かなかつたのは事実でございます。それ以後におきまして、再びこの国会が再開せられましてから、この問題について相当衆議院のほうからもやかましく申されまするし、千葉委員或いは他の委員からも再三の御要望もありまして、その後司令部と大蔵省は折衝いたしましてやつて参つたのでありまするが、結局皆さん御存じの通り予算関係においてぶつかりまして、予算があれば何とかなるというところまで行つたのでございますが、最後の点はやはり繊維公団の問題になりまして、そこに繊維公団に対して予算がないというので、実は一昨昨日でございましたか、給與課長を呼びまして、そうして司令部とその予算措置が何とかならないかということを交渉さしておるのでございますが、今のところはつきりいたしませんのでありまするが、これは国会から皆さんの各党の御賛意がある問題でございまするから、当然この繊維公団の僅かの予算措置によつて、できることができないというのは、これは司令部との関係で現在はできませんのでしようが、当然これは補正予算に組みまして、そうしてこの問題を解決したい。これは私もできるだけ努力いたしますので、その方向に行くのは当然と存ずる次第であります。
○千葉信君 重ねて御要望を申上げますが、只今の御答弁で判名いたしましたところの繊維貿易公団の関連におきまして、私どもの希望を申上げておる修正額というものと現行予算との開きというものは一千三百八十七万六千円だけの非常に寡少な金額でございます。これは恐らく大蔵大臣の袂に潜んでおるごみ程度の金額でございますし、この程度については是非何とか人事委員もやつておられる西川政務次官の政治力で以て、できるだけ今度の補正予算の際には明確にこれら公務員に対する退職手当の不足を修正できるように、御努力をこの際強く御要望申上げまして私の質問を以上を以て打切りたいと思います。
○政府委員(西川甚五郎君) 極力努力さして頂きます。
○委員長(木下源吾君) 次は請願の件でありますが、川島君から御報告を……。
○専門員(川島孝彦君) 今日の議題に上つておりまする請願陳情の件数は、請願四十五件、陳情一件でございまして、そのうち請願二十九件、陳情一件は地域給に関するものであります。それから十二件は恩給に関するものでありまして、その他に請願四件ございます。便宜その他の請願から申上げますと、文書番号千七百四十三号、岐阜県飛騨地方の特殊勤務手当に関する請願、これは岐阜県の大野郡白川村長ほか二十六名から提出されましたものでありまして、飛騨地方の山間は高地区にあつて且つ非常に交通の便が悪く、郡の中心である高山市へ出掛けまするのに二泊三日以上を要する僻地でありますが、その僻地の手当につきましては殆んど皆無の所もありますし、又僻地手当を給されておる所も支給率が月額百五十円という低率であつて、隣接の富山県下に比べまして大変な差がありますので、実地を調査された上、この改正を願いたいというのでございます。それから次は文書番号千八百六十六号でありまして、林野庁経営の林野事業に従事する労務者を特別職に編入して頂きたいという請願であります。これは前の国会にも提出いたされましたが、山林労務者と称する国有林の伐採、運搬等に従事する現業員が、現在国家公務員の一般職非常勤の職員として取扱われておりまするがために、公務員としての正当な保護を受けることができないので、これを特別職としてむしろ労働法規による利益保障を與えられたいという趣旨でございます。その次は文書番号千九百五十一号、公務員の給與ベース改訂等に関する請願でありまして、横浜市磯子区丸山町神奈川県官公庁労働組合協議会内の山ノ内厚太郎君から提出されております。これは現在の公務員の生活が困難な情勢と、物価の騰貴との形勢に鑑みまして、一万二千円のベースを即時家施するようにお願いしたいという趣旨でございます。次の請願は千九百八十七号の電気通信職員の特別給與表制定に関する請願でございまして、東京都日本橋郵便局内の全国電通従業員組合東京地区本部内大野三四郎君ほか五名から提出されております。これは電気通信職員の業務は複雑且つ困難であつて、その上長年月の経験を必要とするものでありまするから、当然特別の給與表を制定して民間同一職種との均衡、又国鉄、專売職員の給與等を十分考慮して制定されなければならないのに、現存では一般職と同一の俸給表の適用を受けております。従つて職員の積極的作業意欲を失い、又退職者、配置転換の希望者が続出して、常に職場は未経験者とそれから腰掛的気分の下に運営されておる実情でありまするので、我が国の通信業務を再建する必要上この情勢を改正して、電気通信職員に最も適応する特別給與表を制定せられたいという趣旨でございます。
○千葉信君 只今御報告のありました請願を順序に従つて審議いたしますには、今のところ政府当局並びに人事院の出席がございませんので、御出席がなくとも審議できる部分から動議を提出し、或いは審議を展開して行きたいと思います。 先ず第一番に動議を提出いたしたいのは、新恩給法制定に関する請願、この問題については先の委員会におきましても同様の措置をとつたのでありますが、御承知の通りに、新恩給法の提案されます時期というものは、大体通常国会に出されようとしている人事院当局の御説明もございましたし、又これらの請願を審議する上には、やはり私どもとしては地方公務員諸君の恩給の問題をつまびらかにする必要があるという建前から地方自治庁の出席も要求しなければならないし、又現在所管しているところの総理府も同様に御出席願つて実情をもう少し詳細にしなければならない。こういう関係から今国会の会期を考えて見ますると、相当切迫した段階の中でいろいろな請願もありますし、又更に重要法案としては地域給に関する請願も法案待ちの状態にございますので、これらの問題については、時期的に妥当と考えられる臨時国会において新恩給法に関する請願を十分に審議することによつて公正な結論を出したい、こういう意味から新恩給法に関するこの請願は、この際継続審議の形が可能ならばその方向へ持つて行つて、そうして……。
○委員長(木下源吾君) 会期一日きり……。
○千葉信君 そういたしますと従来私ども保留にしておきましたが、最終委員会等において、それではこの法案に対する最後の結論を出すという方向に持つて行きたい。それからその次の林野庁経営の林野事業に従事する労務者を特別職に編入したいとの請願につきましては、本件はもうすでに参議院における人事委員会においては、常にこれを採択して参つておりまするし、又願意も、私どもとしては十分検討の結果その願意を妥当と認め、更に一歩進んでは、国家公務員法の第二条を修正するという意向さえも非常に強いという、私ども参議院人事委員会の結論から見て、この請願は採択することの動議を提出し、更に第千九百五十一号の公務員の給與ベース改訂等に関する請願でありまするが、本件請願が一万二千円べースという形において請願されておるという状態については、私ども果して一万二千円という低い賃金ベースが妥当かどうかということについては、まだ当委員会として相当検討の余地があると思いまするけれども、併しその趣旨について私ども賛成でございまするので、このベース改訂に関する請願は、同様採択することの動議、それから又その次の第千九百八十七号の電気通信職員の特別給與表制定に関する請願につきましては、先に当委員会においても電気通信職員並びに郵政職員に関する特別俸給表の設定の請願が採択になつておりまする状態から、この問題については一応私は採択することの動議を簡單に提出いたします。なおこの際附帯して申上げておきたいことは、郵政職員に関する特別俸給表の設定については、その請願の状況から見ましても、又郵政職員の実情から見まして一も、できるだけ本国会等において、議員提出法案として、その法案を提出することの空気が非常に濃厚でございます。現在の情勢から見ますと、その筋との折衝において、その承認が得られるかどうかということについても問題があるために、一応足踏みの形になつておりまするけれども、併し若しこの問題等に対して継続審議等の方法によるという前提で承認を得られるということになりますれば、これは一歩前進だと考えまするので、そういう方向へ行くことについて、後ほど当委員会の委員諸君にできるだけ各会派から出席して頂いて、各会派一致した結論においてこの問題を処理して行きたい。この問題については後ほど又改めて動議を提出したいと思います。なお地域給に関する請願が相当数出ておりまするが、これらについては、従来の地域給に対する当委員会の採択の趣旨とするその方法と同一に採択されることの動議を提出いたします。なお最後に、岐阜県飛騨地方の特殊勤務手当に関する請願については、一応この際僻敵地手当等の関連がどういう形になつているか、給與局長がお見えになつておりますので……、その前に、只今のこれを除く請願について採択を一つお願いしたいと思います。
○委員長(木下源吾君) そういたしますと、只今千葉君の動議は、今川島君から説明がありましたうち、恩給法に関する問題を除いたほか全部を採択する、こういう動議のようでありますが、如何でございますか。
○紅露みつ君 あとで又動議をお出し直しになるというようなお話でありましたけれども、私あとの時間の都合がわかりませんので、千葉委員の動議至極妥当だと存じまするので、この際賛成しておきます。
○委員長(木下源吾君) では千葉君の動議のように決定して御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(木下源吾君) 採択と決定いたしました。
○千葉信君 給與局長にお尋ねいたしますが、岐阜県飛騨地方の特殊勤務手当に関する請願が提出されておりまするが、現在本件請願が内容とする僻陬地手当等の支給がどういう形において行われているか、概略でも結構でございます。から、この際御説明願いたいと思います。
○政府委員(瀧本忠男君) 僻陬地手当につきましては、我々目下その規定を考えておるのでありまするが、併しこの僻陬地手当というものは、そうやたらに考えるべきものではないというように考えるのであります。例えば絶海に離れております孤島、そういう所で燈台の監視をしている人たちでありますとか、まあ一例でありますが、そういつた程度の非常な、何と申しますか、かけ離れた地域でありまして、そしてすべての不自由な生活に耐え忍んでいる、勤務上止むを得ずそういう状況の下にある、そういう程度の職務に対して考えるべきものであろうと考えます。尤もそういう程度のものにいたしましても、なお且つ現在我々が大蔵省時代から引継いでおりまする僻敵地手当の支給が十分であるとは考えておりませんので、その点につきましても研究中でございます。飛騨地方がそれに該当するかどうかということになりますると、よほど問題があるのじやないかというふうに考えておるわけであります。すべてそういうふうに見て参りますと、地域給というものは、地域によつて生計費の差等があるということが主でありますけれども、ずつと極端な場合を考えて見ますると、僻陬地というようなもので考えたほうがいいのではないかというような点があるものもあります。それから又例えば今回の地域給の我々の勧告に従いましても、相当島嶼が地域給が支給されておるという所もありまして、幾らかあいまいになつておる点があるかと思うのです。併し僻陬地手当というのは、やはり官署別に非常に小部分というような場合にむしろ考えるべきものじやないか。又飛騨地方におきましては、寒冷地手当というような問題も当然考えに入つて来るのではないか。でありまするから、飛騨地方の僻陬地というものはよほど考えて見なければいけない。只今考えております我々の僻陬地の観念と申しますか、範囲には飛騨地方は入つて来ないのじやないかというように考えております。
○千葉信君 大体只今の僻陬地手当に関する人事院当局の考え方としては、了承いたしまするけれども、今提出されておりまする飛騨地方の特殊勤務手当に関する請願を見ますると、実際上これは只今お話のありました例えば地域給との関連であるとか、或いは寒冷地給との関連等の問題につきましても、同様に寒冷地給等が支給されておる富山県或いは石川県等の接壤地帯で、而も僻陬地としては同一条件にあると考えられる接壤しておる地域の富山県のほうにおいては、僻陬地手当が五百円乃至六百円支給されておる。私ども実情はまだつまびらかにいたしておりませんけれども、願意からそういうことが明瞭に数字となつて出ておりまして、大体飛騨地方の場合には百五十円程度の僻陬地手当で、全く接壤しておる地帯であるということが請願の中にはつきりと出ております。従つてこういう実情については、私どもも本来ならばその地域を十分調査の上で審議すべきありますけれども、いろいろな関係からこういう問題等については、できるだけ人事院当局が人事院の責任において御調査の上適正な結論を出して頂くように私はこの際お願いいたします。そうして同時に飛騨地方の特殊勤務手当に関する請願については、この際採択して政府に送付することの動議を提出いたします。
○委員長(木下源吾君) 千葉君の動議は岐阜県の飛騨地方の特殊勤務手当に関する請願の採択の動議であります。
○紅露みつ君 千葉委員の動議に賛成いたします。
○委員長(木下源吾君) それでは千葉君の動議のように決定して御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(木下源吾君) では採択いたします。速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(木下源吾君) 速記を始めて。
○専門員(川島孝彦君) 先ほど千葉委員からお話がありました新恩給法制定促進に関する請願につきましては、その最終決定について御審議になるといたしますと、前回の委員会で三十四件の同じ新恩給法制定の請願並びに町村吏員の恩給改善に関する陳情一件がございますので、その点併せて御審議を願つたら如何かと思います。
○委員長(木下源吾君) 只今川島君の説明のようにして御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(木下源吾君) では前回の分も併せて議題にいたします。
○紅露みつ君 只今専門員から御説明のありました新恩給法制定に関する請願の三十四件並び陳情一件、今回の請願十二件、併せて請願四十六件、陳情一件ですが、これは前回の人事院のお約束もあるので当然採択して頂きたいと思いますので、採択することの動議を提出いたします。
○委員長(木下源吾君) では新恩給法制定に関する請願四十六件陳情一件を採択することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(木下源吾君) では採択することに決定いたします。 —————————————
○千葉信君 人事院当局にお尋ねいたしますが、人事院の今度の勧告として一月から実施されておりまおのおの五分ずつ減額した政府原案による地域給の支給額からは、おのおのの地域をこれ以上減額しないという方針、これを一つの給與政策として伺いましたが、以上給與政策としてお伺い申上げます。 人事院としてはこういう給與政策によつて保障された地域と、その周辺の地域等において或る程度のアンバランスが生ずることは当然のことでございますが、これらのアンバランスに対して何らかの考慮を周辺の地域に対して拂われたかどうか、この点を御答弁願いたいと思います。
○政府委員(瀧本忠男君) 人事院といたしましては、実は従来の、即ち今千葉委員からお話がございました給與政策でありますが、給與政策というものを本当はとりたくなかつたわけであります。併しながら何回も繰込して申上げますように、我々が八千五十八円のベースを勧告いたしましたのは昨年の八月でございます。昨年の五月の水準に基いて勧告したわけでございます。地域給の区分の改訂ということも実はそれの一環であつたわけであります。ところ義々の勧告はなかなか思つた時期には実現いたしませんで、今年の一月から実施になつたという経緯がございます。而も昨年の五月以降におきまして朝鮮動乱というようなことがございまして、その後経済事情も相当変化しておる。そうするならば今年の一月の初めにおきまして我々の勧告が、金額においては大体我々の希望するようなものが容れられたわけでありますけれども、なお且つもう時期のズレがございますから、十分であつたというわけには参らぬであろうというようなことであります。而もそのときにおいてなお地域区分の改定ということが我我の勧告通りに、まあ当時実際の地域区分はまだお示しはしていなかつたのでありますが、いつでも用意があつたのでございます。その我々の希望通りに再格付けされるということでありましたならば、こういう問題は勿論起らなかつたと思うのであります。併しながら実際問題といたしましては、二割五分、一割五分、五分という線で一月からすでに今年の五月まで暫定的に行われて来ている。そうするならば、これは新らしい地域給に当らなかつた地域につきましては誠にお気の毒な話と思いますけれども、現実にそういう地域給をもらつておつた地域からいたしますれば、一月にとにかく給與が上がるという時に理論的に是正されたものならば、最小限度是認されたかもしれないと思いますけれども、すでにそのときはそれで一応二割五分から一割五分なりもらつた、これがこの給與べースの改訂であつたというふうにその地域の人々は考えておられますが、そういう場合に相当期間経過いたしまして、今やるものは、一月一日の再改訂であるというようなことを申しましても、これはなかなか通用しないのであります。すでに現在の給與水準というものは低いのでありますから、これはなかなか困難であるということでこの基準というものを入れて参つたわけであります。従いまして我々はこの基準は給與政策上止むを得なかつたものであるというふうに思つております。従いまして今回の作業におきましては、これは基準にすべてを合わして行くというやり方はやらなかつたのであります。飽くまで特別CPIから求めました地域差指数というものを、府県の基準表というものを根幹にいたしまして、これで作業し、もう一つ基準が横から入つて来た、こういう関係になつておりますので、飽くまで基礎はCPIの数字であり、且つ又府県の基準表と、これにそういう横から基準が入つて参つたのでありまするから、そのほうは最小限度に補正するという程度でありまして、これは基準にすべてを補正して行つたということはございません。従いましてこの或る程度のアンバランスは残るのでありますけれども、従前に比較いたしますならば、そのアンバランスというものは幅が狭ばまつておるということは確かに言えると思います。
○千葉信君 給與政策上人事院がとつた既得権の保障というか、こういう制度が果して地域給の問題に関する限りいい措置であつたか、悪い措置であつたかということについては非常に大きな問題が残ると思います。一応只今の給與局長の御答弁で、少くとも給與局長自身としては、そういう方針には賛成しておらなかつたような印象を私が受けましたが、これは当然至極そうあるべきだと思います。それから又私自身もこういう給與政策上とられた措置に対しては、相当不満の意思を表明したし、又それを裏付けるだけの私自身の理論的な根拠を持つております。併しこの問題に関しての論議は、私は次の機会に讓ることにいたしまして、今おつしやつておられる今年の一月から本年五月まで、一応給與ベースが思い通りに上らないところへ、実際上五分減ずつの給與が支給されて来た、従つてこれを人事院当局としては、減額するに忍びないから、只今勧告されたような、いわゆる給與政策というものをとつたというお話でございまするけれども、私どものこの問題に対する考え方といたしましては、こういう給與政策をとらなければならないような形に、むしろ人事院自身が追い込んでいると、仮に一月に地域給の改訂が行われなかつたにいたしましても、若し人事院が一月下旬なり、若しくは又只今給與局長がおつしやつたように、当時我々はすでに準備ができておつたというその言葉を正直にとるならば、その当時に若し人事院が地域給の勧告をなされる、ならば、少くとも四カ月或いは五カ月経過したという既得権に対する考え方、單に一カ月程度で、あとその段階では何とかなつたかも知れないという段階との違いを考えて見ますと、むしろ人事院当局は自分みずからこういう給與政策に追い込まざるを得ないところに行つてしまう。而も今日もうすでに五カ月も経過してしまつた。こういう状態の中で人事院当局はどうしてもこういう給與政策をとらなければならなかつたという只今の弁解を、私はむしろ人事院自身がそういう方向へ追い込んで行つてしまつたから、それを口実にしているというふうにしかとれませんので、この点に関して、私ははつきり不満であるということを申上げておきたい。これは給與局長にこういうことを追及するということはどうかと思われまするけれども、少くとも人事院全体としてのこういうやり方は、私どもとしては到底納得できない方針だ、こう私は一応考えざるを得ない。特に只今の御答弁から判明いたしましたように、これらの給與政策によつて保障された地域の周辺の地帯に対しては、何らの考慮をなされかなつたということになりますと、一方だけが既得権を保障されながら、全くその接壤地帯であるとか、その周辺の地帯に対しては何らの考慮を加えないという、そういうやり方も全く一方的な給與政策のやり方をとられた、こういう点で私は更に周辺の地帯に対する考慮を拂わなかつたという点について、我々としてはこれ又不満の意を表明せざるを得ない。併しこれは一応この問題は、只今の御答弁で判明いたしました点を、将来我々はこれを基礎としてこの問題を考える必要はありませんので、この問題については一応以上で打切つて、次に御質問申し上げたいことは……。
○委員長(木下源吾君) ちよつと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(木下源吾君) 速記を始めて下さい。
○政府委員(瀧本忠男君) 私は給與政策上、従来の地域を認めることが必要であるということを言つたのですが、それは不本意ながらそういうことを言つたというふうにお聞き頂きまして、本当は適当でなかつたと認めておるというふうに御判断になつたわけでありまするけれども、一月一日に若し既得権を認めるならば、これは勿論不当であると思つております。併し経過したあとでそういうことは止むを得ない、不本意というよりむしろ適当な方法であつた。この点も御了承願います。それからもう一点は、最小限度の補正を加へたものです、この点も御了承願います。
○千葉信君 そういたしますると人事院としては、現在支給されている地域給を保障された周辺の地域或いはその接壊する地帯とは、明らかに保障された地域との間には成る程度のアンバランスがあるということはお認めになつているわけですね。
○政府委員(瀧本忠男君) 先ほども申上げたのでありまするが、今回特にアンバランスが増大したということはないのであります。むしろ従来の既得権は尊重しておりまするし、又今回CPI並びに府県の基準表で補正しておりまするから、従来に比べますればアンバランスはよほど縮小されておる、こういうことが言えるのであります。それに最小限度止むを得ないところは或る程度のバランスをとつております。又見方によりましては、不満足の点があるかもしれませんが、我々としては従来よりはずつとよくなつておる、こういうふうに考えております。
○千葉信君 もう一点給與局長に重ねてお尋ねいたしますが、他にもいろいろ問題がありまするけれども、速記の関係等で次の一点たけ明らかにしたいと思います。これは給與局長にお尋ねするということはいささか苛酷な点があるかも知れませんけれども、併しこの際どうしても必要があるので、御答弁願いたいと思うのですが、今御答弁がありましたように、それから従来の委員会においても明らかになりましたように、人事院当局としては、今度の地域給の勧告に当つて、給與べースが人事院の思う通りに改訂されなかつた。而も暫定的に実施されたところの地域給を若し下廻るような勧告を行うということがあれば、これは給與政策上とるべきでないという立場から、今度の勧告となつて現れて来た。従つてそういう従来の、具体的に言うならば、既得権を保障せざるを得なかつたということについては、一応、論議はとにかくとしてそういう方針をおとりになつたわけですが、今度若し新らしく給與べースが勧告され、更にその給與べースが改訂される場合には人事院当局としては今度の地域給の改訂に当つてとつたような給與政つ策をとる根拠が消滅するわけですが、その場合には人事院当局としてそういう既得権を全然問題にしないで新らしい角度に立つて合理的な地域給を決定する用意があるかどうか、この点を御答弁願いたいと思うのです。
○政府委員(瀧本忠男君) 新改訂の際の地域給のきめ方についてどういうふうにやるつもりであるかというお尋ねでございまするが、この問題につきましては、現在我々は現存の地域給の改訂ということで手一ぱいでございましたし、それから勿論我々が次にいたさなければならないと思われまする給與べース引上げの勧賞という問題につきましては、むしろその中心問題に取組んでおります。準備を進めておるような次第であります。又今後給與ベースを改訂いたしまする際に、どういう方針でやるかということについて、具体的な方針というのは、また人事院としてはきまつておりません。併しながら考え得る一つの方向は、やはりどういいますか、地域差というものが漸次減少して行くならば、この幅は狭ばまるということが原則であろうというふうに思います。なお先ほど私がお答えいたしました中で、ちよつと不備な点がありましたから訂正いたします。それは、人事院としてはできておつたというようなことを不用意に申上げたのでありますが、原則的な用意ができておつたのでありまして、まだまだ十分検討しなければならん点が残つておつたのであります。
○千葉信君 私の質問が廻りくどいために非常に廻りくどい御答弁になつたようですが、私のお尋ねしているのは、端的に申上げますならば、今度の地域給の勧告の際には、給與べースが思う通りに改訂されなかつたから、給與政策上従来の地域給を保障するという形で勧告を行なつた。ところが今度新らしく給與ベースが勧告され、更にこれが改訂される場合には今度とられたような既得権を尊重するというような給與政策をとる根拠というものが消滅するわけです。その場合に人事院としては当然これは新らしい調査なり或いは又合理的な基礎の上に立つて地域給を改訂するという態度をとらなければならないという理論がはつきり生ずるわけです。そういう態度を人事院としておとりになるかどうかということを私はお尋ね申上げたのです。
○政府委員(瀧本忠男君) 先ほども私お答え申上げたつもりでおるのでありますが、(千葉信君「明確に一つ」と呼ぶ)人事院といたしましては、現在新らしい勧告をいたしまする準備をいたしております。その問題につきましては、千葉委員も特に或る点につきましては御存じだろうと思いますが、例えば特別俸給表というような問題もありまするし、いろいろ根本的な問題もあるわけです。そういうような問題に勿論現在拘束されておりまするから、現在、それでは今後地域給の問題はどうするかという点まで具体的にまだ我々として研究が進んでおりません。従いまして今どうするかということをおつしやられましても、これは私の立場といたいまするならば、事務当局としてのことしか申上げられないと思うのでありまするが、それもまだはつきりきめておるわけではございませんし、そういう問題はむしろ人事院総裁、或いは人事官が出席いたしました際に質問して頂くことが適当かと思います。
○委員長(木下源吾君) では本日はこれで散会いたします。 午後二時三十五分散会 出席者は左の通り。 委員長 木下 源吾君 理事 加藤 武徳君 千葉 信君 委員 大谷 瑩潤君 西川甚五郎君 森崎 隆君 紅露 みつ君 政府委員 人事院事務総局 給與局長 瀧本 忠男君 大蔵政務次官 西川甚五郎君 事務局側 常任委員会専門 員 川島 孝彦君 常任委員会専門 員 熊埜御堂定君