厚生委員会 第14号
- 発言数
- 38 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1951/03/16
会議録
○委員長(河崎ナツ君) それではこれから厚生委員会を開きます。 先ず最初に派遣議員の報告をお願いいたすこととします。調査して参りましたのは社会保障制度に関する調査でございます
○松原一彦君 私が今回派遣をせられました一人でございますので、これから調査報告をいたしたいと思いますが、お許しを得たいと思います。よろしうございますか。
○委員長(河崎ナツ君) どうぞ……。
○松原一彦君 院議により地方の厚生行政の実情について調査に参りましたので、その報告をいたします。 〔委員長退席、中山壽彦君委員長席に着く〕 今回の調査は主として国民健康保險及び健康保險運営の実態と結核施設の実情その他厚生関係事務の概要等を調査いたしました。調査地は山口、広一島、和歌山の三具で、私のほかに草間専門員、渡邊委員部第二課長が同道されまして、二月二十五日から一週間調査して参りました。その概要を御報告申上げます。 山口県の結核は年々著しい減少を示しておりまして、昭和二十二年に死亡率二三、九を示して全国の一九・〇に比して著しく高率でありましたが、二十四年には一八・九、全国は六・八であります、に下り、二十五年には一六・二にまで下つております。青年層において著しく減少し、高年層には変りがない。B・C・Gの普及に主たる原因があると県では見ております。病床数は公私合せて二千四百二十五床、入院者二千二百九十五人でありますが届出数はその四倍に近く、約八千四百二十六人と申しております。他県からも入つて来ております。病床は本年度中に二百六十床、国立に増床の計画になつております。病床が現在のところ著しく不足しておりまするので、これが増設は急務であると当局も申しております。伝染病院の一部転換も計画しております。病院では看護婦が著しく不足しており、三—四割も不足しておるのであります。これが補足に見習を使つております。一千二百人中三百人くらいもおるのでありまして、一方栄養士の割当がないために、看護婦や事務員の定員を喰うことになつております。療養所における看護婦不足の対策は緊急に立ててもらいたいと言つております。看護婦は平均四千五百円乃至五千円程度の給料で、見習は一千四百円くらいであります。更に医者も国立、公立では不足しており、保健所の医者も不足でありますから、待遇について考慮してもらいたいとのことであります。待遇は必ずしも金銭上のことばかりではございません。結核予防ではB・C・Gの接種に力を入れております。法定の五〇%は行われております。結核ツベルクリン反応を行なつたものは六十四万六千人、これは二十五年度に行なつたのであります。反応は約四割くらいの陽性率で、B・C・Gは三十三万五千人に行いました。県下で予防接種の該当者は九十万人くらいあります。なお接客業者、工場、学校等約三万人の集団検診を行なつております。学校教員の結核が多く、一万人中五百人も患者があるという実情でありまして、学校のほうでは定期に身体検査を行い、後に学校医がB・C・Gをか行つております。 山口県の療養所では、国立山陽莊が最も設備の完備したものであります。宇部市に近く海浜の風光明媚の地にありまして、現在三百十床、敷地総計七万八千坪、広大なもので病床も更に百五十床増設の計画があります。院長八塚博士は熱心に本療養所を全国のモデル療養所たらしめる目標で施設運営の充実を急いでおります。患者の大部分は外科手術を施すことによつて好成績を收めており、入院は平均三百日にして好転退所しておるという実情であります。退所後も常に病院との文通による指導を行なつておることを認めました。医師は定員十二人のところを七人、看護婦は定員六十六人とところに僅か四十七人で不足補充に非常な困難を来たしております。 山口県で特長のある施設は徳山にある博愛病院であります。これは保健所長、開業医師及び市民等の協力によつてオープン・システムの病院として設置されておるのでありまして、この運営は従来の病院の組織と相当趣きを異にして、関係医師は自己の患者をみずからの責任を以て入院せしめ、病院は委託された患者の看護療養に万全を期するものであつて、経済的であり、公開治療で医師は常に他の医師の意見を徴することができ、治療効果を倍加せしめることができる等いろいろの有利なものが認められております。この病院は昭和二十二年に開設し、更に二十五年から徳山標準保健所附属簡易保養所の経営施設全部を本院の結核病棟として移管を受け、オープン・システム結核療養所として発足いたしたのであります。本院の運営維持は開業医師五名から成る運営委員会が当つております。開業医二十二人が本院と協力しております。職員は事務長一、医師一、看護婦十五人、ほかに薬剤師、調理人等でありまして、病床は現在百床、一般患者用七十床、結核用三十床、入院料は医師の分十点中二点、手術料二分の一、これは健康保健の分でありますが、これは医師へ薬品、注射等原価を差引いたものの二分の一は医師の收入となつております。本院の運営は今後我が国病院運営の上に新らしい示唆を與えたものであると認めました。 広島県の結核状態を御報告申上げます。 本県の結核も最近著しく下降の傾向を示しております。死亡数は昭和二十二年三千八百二十六人、死亡率一九・〇で全国平均よりやや高かつたのでありますが、漸次下降して二十五年には死亡二千八百六十一人、死亡率一二・四を示しております。全国的にも有数の減少率であります。併し本県においても結核死亡は各種死因の第一位を占めております。広島県では二十二年結核患者管理規則を定め、指定病院をきめて、入院患者数の把握と入退院の斡旋及び調整に努めて参つております。現在公私の病床二千九百三十五床のところ、三千三十八名の入院があり、待機患者が今なお三百人乃至五百人を数えておるのであります。結核收容の療養所は六カ所にあり病院二十七カ所ありますが、大体死亡数と同数の病床に達しておりますが、待機患者が極めて多いので、社会保險、国立、市立、赤十字等の病院でも増床の要望が強まり、ツベルクリン反応は該当者の七割、即ち七十万に実施し、四十万、即ち六割近くが陰性、うち三十三万人にB・C・Gの接種を行なつております。二十六年度の結核予防費六千四百三十三万円を要求いたしたのに対して千九百五十一万円の査定がありました。尤も人件費六十五万円はこのほかであります。即ち三分の一程度に切下げられたわけであります。最少限当初計画の八割くらいを遂行せしめたいと希望していたのでありますが、來年度は在宅患者の指導強化と、県、福山両市を特別予防都市に指定して重点的に特別措置を講じたいとのことで努力いたしておるのでありす。 結核施設として視察した主なものは国立廣島療養所でありまして、廣島から汽車にて一時間余り、西條駅で下車四キロの丘陵地帯にありまして、昭和十四年傷痍軍人療養所として発足、二十年機構改組今日に至つたのであります。敷地は極めて広く八万七千坪、病床一千床、現在八百七十人を收容しております。医師不足のため全部入院ができないでおります。医師は定員二十五人のところ二十二人、看護婦定員百五十人のところ百二人、ほかに助手三十人でいずれも定員を満たすことができず、作業も困難の状況である。在所患者の多くには人工気胸、胸廓整形を行なつております。退所者の六三%は軽快、全治等であります。退所者の職業補導として、所内売店に四人、一品料理店四人、うち二人再発、ラジオ修理一人、時計修理一人、あひる飼育一人等が所内にあつて自活の用意をいたしております。完全にこれのみで生活を全部立てることは困難のようでありますが、健康の管理等が十分に行われておるから、成績は次第にいいほうに向うものと見て参りました。 広島療養所における要望といたしましては、本所に看護婦養成所の許可を得られるようにせられたい。なお、職員の待遇改善について十二分に考慮され、たいとの希望の申出があります。その他、社会施設として、精神薄弱者の收容所六万学園、県立中央兒童相談所等を視察した。相談所における要望事項は左のようであります。 要望事項 中央兒童相談所 一、島の国立浮浪児收容施設設置の件 終戰直後に比し街頭浮浪児の数は非常に減少しましたが、数年に亙り全国的に浮浪を続け、幾度か施設又は就職先等を逃走したような、多くの悪癖を伴う極めて固疾化した浮浪兒が今に相当の数に上つております。彼らの前途を思うとき、誠に寒心に堪えないものがありますが、かかる兒童は言うまでもなく、開放施設では容易に落ちつかず、といつて強制的措置をするも精神的にはむしろ逆作用を呈することとなりますから、次の要領による島の收容施設を全国数カ所に早急設置し、地理的條件によつて逃走を制約し、保護の実を挙げるよう御配慮を願います。 要領1、相当経費を要することであり、且つ移動性を有する兒童であるから国営とすること。2、隔離感情を除去し、その生活を満足させるため、設備及び処遇に最も意を用い、且つ適切な職業補導を行なつて逃走衝動を解消すると共に、退所後の職業生活に資すること。3、職員に人を得、且つ打込んでその職に当らしめるため、特に優遇して家族別居、子弟の教育等のことに支障を來たさぬよう、その経済生活を保障し、且つ憩いの家を提供し、交代休養をとらしめる等不安と過労を除くことに努めること。二、国立教護院の増設の件国立教護院増設のことは多年要望し來たつたところでありますが、高度の性格異常兒等で普通の收容形態ではその保護ができぬ兒童が相当ありまして、これら兒童の保護のため強制的措置の設備を要しますが、この設備を全国の教護院に附設することは、一般收容兒童に與える心理的影響及び措置兒の受ける精神的刺戟並びに一般世人への刑務所的印象等頗る考慮を要するものがあり、且つ最も困難な教護を特に合理的に研究実施する立場からも国立を増設してこの種兒童を専門的に收容教護するよう、早急にこれが実現を熱望いたします。三、措置費増額の件官公吏の給與ベースの引上げに伴い、民間兒童福祉施設の職員の給與もこれに準じて速かに引上げられねばならぬ次第であります。そしてその財源は措置費によるものでありますが、措置費は本年一月から事業費において一人一日につき一円八十五銭の増額を見たのみで、事務費の増額は行われておりません。よつて速かに給與の引上げを実現し得るよう事務費の増額を断行せられるよう要望いたします。なお事業費においても物価に照らし、二次増額の要あることを認めます。和歌山県の結核状況を御報告いたします。本県の結核予算は、二千百万円で、衛生費予算六千五百万円余の三割二分に相当いたしております。本県衛生部予算は県予算四十一億一千万円の一・六%であります。県内死亡数は二十五年には一千三百一人で一三・二%の死亡率であります。二十二年の一六・八に対して本県も著しき減少の傾向にあります。收容可能床数は公私合せて五百五十四床であるが、実際收容しておりますのは五百七十人であります。多少無理をして入れております。国立、県立等の療養所において今年度百七十床増設中でありますが、本県は病床数が極めて貧弱でありますので、今後国立療養所の増床、伝染病院からの転換、その他紀南地方の施設なき地方にも新設の希望があり、済生会、赤十字社においても増床の希望を持つております。予防接種もB・C・Gの配付に従つて漸次施行せられ、三月末日までには二十一万七千人に達する見込であります。接種率は六三・二%となつております。一般に各府県ともB・C・Gの注射は普及されて参りましたが、容器のアンプルが大きくて不経済であるから二〇cc又は十ccぐらいの小さいものにして欲しいとの要望があります。B・C・Gは町村では二十円ぐらい徴收しておりますが、これは無料にすべきだとの要望が多く聞かされました。 和歌山県唯一の国立療養所延壽浜園は和歌山市の南方、御坊駅近くの海岸、松林の間にあります。当所は医療団の施設として健康保險と一般の結核療養所として四百五十床を以て開始されましたが、二十二年国立に移管されました。その後燒失いたしましたが、昭和二十四年、二十五年度において復旧が行われ、定員二百二十床を今年度末までに完了する予定で工事を行なつております。敷地は二万一千坪、患者は目下百一人收容されております。健保、共済組合、生活保護法による者が大多数を占めていることは他と変りはありません。待機患者も百五名に達しておりますので、建築の完成を急いでおります。園長天川博士は真劍に本事業と取組んで創業の困難を切り開いておりますから、将来は立派な病院となると思われます。 要望事項として主なるものは、看護婦の不足に対する特別措置、医師と事務職員の待遇改善を考慮せられたいとのことでありますが、医師の就職希望者は甚だしく少いが、事務職員の希望者は相当多くなつているとのことであります。要するに今後の收容施設は急速に一定計画に基いて拡充されて行くものと思われますが、医師、看護婦等勤務職員の補充について特別な考慮が払われない限り、收容施設拡充に伴う患者の收容は容易でないと認められます。 次に社会保險の状況について申上げます。 山口県の国民健康保險の状況について申上げます。現在本県百七十五カ市町村中国民健康保險を実施しているところは三十三カ町村に過ぎません。これは財政状況その他の理由で従来あつた国民保健の実施を中止したもの、整理されたものが多数に上つたからであります。他の県においても大体同様の傾向が見られたのであります。国民健康保險の加入世帯主数は昨年十月末日現在で三万五千四百五十二、被保險者数は十六万三千九十四人であります。これを本県の人口百五十四万人に比べますと約一一%、受診率は七七%であります。本県の国民健康保險の保險料は最高が三千百二十円、最低が七十円、一戸当り平均七百九十三円であります。これを全国平均千五百円に比べますと遥かに低いのであります。この原因は主として国民健康保險を行なつている町村が大部分直営の診療所を持つているからであるということであります。県当局においても極力この直営診療所の設置を奨励いたしているのであります。さて、国民健康保險の経済状態について見ますると、昨年十月末現在で約七百八十九万円の赤字を出しております。これを現在農協その他から約九百万円の一時借入によつて凌いでいる状況であります。これが赤字の原因は、保險料の徴收不良と、結核の療養費が嵩むことに起因しているということでありました。赤字の解消対策として保險料及び一部負担金の滞納整理、保險料の引上げ等により切り抜けようと努めております。 要望するところは、国民健康保險の保險給付に対する国庫補助、殊に結核に対しては金額国庫負担を切望しているのであります。又地方税としまして国民健康保險税を設定されたいとの要望も聞いて参りました。 次に政府管掌の健康保險につきましては、その経済において昨年十二月末現在の保險料の調定額が約二億三千七百万円、これに対し收入済額がその約六四%、即ち一億五千二百六十八万円、一方支出済額が二億二千四百六十三万円、従つて差引七千二百九十五万円の赤字を出しておるのであります。今後今年度調定額の約九四%の保險料が取れれば、本年度の経済はどうにか收支相償うということになつております。本県は石炭の生産地であるだけに、政府管掌の健康保險に加入しておるものの中に中小炭鉱が多く、それが最近の石炭の値下りで経営状態が芳しくない。その影響で保險料の納入工合も大変に悪い。従つて相当努力はしておるが、調定額の九四%の徴收はなかなか困難であるようであります。併し今度の健康保險法の改正による保險料率の引上げで百六十八万円ばかり増收となるので、最近の医療費の値上りはあるけれども、大体とんとんぐらいには行ける見込であるとのことでありました。なお本県の標準報酬は六千円であります。昨年の四月から九月までの統計によりますと、本県政府管掌健康保險の一般診療(入院外来を含む)に対する結核患者の比率は件数にして一七%、日数にして二七%、金額にして三七%という数字を示しており、これは如何に結核が保險経済をむしばんでいるかということを物語るものであります。本県の組合管掌健康保險は四十あります。大部分が著名なる工場であるだけに保險経済の收支はバランスがとれており、心配はございません。殊に我々が見学いたしました宇部興産の保險組合は被保險者二万、被扶養者八万という大きな組合でありますが、会社幹部の熱意により組合の運営並びに施設共に良好であり、殊に本県に割当てられた結核病床九十八全部を引受け、百ベツドの結核療養所を設置する計画で進行中であります。 第二に広島県の状況を申上げます。本県の国民健康保險は県下三百四十四カ市町村に一応殆んど設立せられたのでありますが、その後国民健康保險を休止する市町村が殖え、今日国保を継続しておるのは百三十カ町村に過ぎません。而もこれらの町村も国保経済の危機に直面し、次第に休止の声が高まりつつある状況であります。この原因としては被保險者が保險料又は一部負担金の負担に堪えられなくなつたこと、受診率の上昇、殊に長期療養を要する結核患者が激増したことなどが挙げられます。国保を実施中の世帯数九万一千四百五、被保險者数四十三万二千三百八十二人、本県人口二百四万の約二一%であります。保險料は一世帶当り平均一千百十八円、被保險者一人当り二百三十三円であり、受診率は平均九五%を示しております。保險給付は一世帯当り平均二百八十一円、被保険者一人当り五十九円、一町村当り十六万八千百八十八円の補助を行なつております。保險経済の実態につきましては昨年十二月末現在で借入金八百六十五万九千八百八十円、診療報酬未払額二千万四千三百二十円、従つて約二百八十六万六千円の赤字となつておるのであります。併し保險料及び一部負担金の收納額は調定額に対しそれぞれ八五%乃至九〇%を示し、これが完納されれば純計赤字は年度末約三百五万となります。この赤字は保險料を二割程度値上げすれば解消するものと申しております。 本県では不振の国保に対し次の諸対策を講じ、その振興を図ろうとしております。即ち 一、国保未開始市町村に対しては 1、各地方ごとに未開始市町村の再開協議会の開催。 2、再開見込確実なる市町村を決定の上集中的に指導する。 3、来年度においてはおよそ二百カ町村を目標に再開を勧奨する。 4指定地区の育成指導により他の範たらしめるようにする。 二、滞納について 1、臨時職員等を設置して年度内に整理する。 2、物納等の方法をとる。 三、保健施設の拡充強化、保健婦の増配置、保健指導医等の設置。 四、宣伝啓蒙の徹底 次に健康保險についてでありますが、本県の政府管掌健康保險に加入しておる事業所数は四千二百九、被保險者の数が八万五千五百四十二人、標準報酬は五千六百六十円となつております。終戰後の経済状況の激変を反映して健保の利用率は準々増加の傾向を示し、昨年十一月末日において受診率は二九%、受診件数は四万八百十六件、金額にして約千三百八十三万円でありまして、この数字は今後一層増加の趨勢であります。ところが一方保險料の收納状況は現在調定額の約八〇%でありまして、これが保險経済に重大な影響を與えております。この対策としましては滞納の整理に当ると共に、いわゆる濫診濫給の摘発に努めておるのであります。結核と健保の関係を見ますると、昨年の四月から本年一月までの傷病手当金の支給において結核の全体に対する割合は一カ月平均件数三九%、日数にして五〇%、金額にして五〇%、健康保險の診療状況においての件数(入院外来者を含めまして)一五%、日数二三%、金額にして二七%、又資格喪失後継続療養受給者においても結核は全体の七四・八%という数字を占め、ここでも結核が保險経済に大なる脅威を與えておることを知るのであります。 第三に和歌山県の状況は次の通りであります。本県二百カ市町村のうち国保事業を実施しておる町村は九十六カ町村であります。被保險者数は二十六万二千二十二人であり、本県人口約九十八万人の二六%を占めております。そして受診率は八七・二%となつております。国民保險の経済状況は他の府県と同様楽観を許さない有様でありまして、各町村とも国保に相当の補助をいたしておるのでありますが、保險料の徴收はなかなか思う通りに参らないような模様であります。保險経済の実態は昨年十二月末現在で保險料の徴收額は調定額の五三・七%、一部負担金については九二・七%で約三百四十四万の支出超過となつておるのであります。併し調定額は一ぱいに取れるとすると逆に六百三十万の黒字となる計算であります。従つて町村当局としては滞納整理に大いに努めているように認められました。本県においても結核が保健経済を喰い荒していることは他の県と同様であります。 要望といたしましては、国保事務費補助の増額、国保の事務職員の拡充強化、県に国民健康保險課の設置等であります。 次に本県の政府管掌の健康保險の経済状態は、昨年十二月末で保險料の徴收額が七六%、相当の赤字を占めておりますが、今後の見通しとしましては大体一ぱい一ぱいにおいて行けるとのことでありました。本県の標準報酬は六千七百九十七円でありますが、これについて興味深く感じたことは、標準報酬に対する事業主の報告に虚僞の報告が多いので、県で強く是正措置を講じたところ、千円くらいの開きはあつたそうで、こうすれば別段保險料率を引上げる必要はないという意見があつたということであります。労働者災害補償保險などの関係で労働基準監督署に対する報酬の報告に上れば、よいということも言われております。 以上でざつと三県の国保と健保の状況を概観したのでありますが、三県共に国保事業は極めて不振であり、我が委員会としましてもその振興策を大いに研究すべきであると痛感した次第であります。それと同時に国保並びに健保の保險経済を危機に陥れておるものは実に結核であります。結核の予防対策が完璧となれば、保險経済は好転するであろう。結核撲滅こそは社会問題解決の重大なる鍵であるということの確信を一層強くいたしたのであります。 以上概要を御報告申上げます。
○委員長代理(中山壽彦君) 第二班の派遣議員の有馬委員は、今日病気で欠席をされましたから、その報告を次回にやります。以上で派遣議員の報告を終ります。暫らく休憩いたします。 午前十時四十三分休憩 —————・————— 午前十時五十七分開会
○委員長(河崎ナツ君) 休憩に引続きまして厚生委員会を再開いたします。議題といたしますのは、社会保障制度に関する調査の一環として厚生年金保険等の経済に対する資金運用につきまして関係当局から意見を聽取いたします。大蔵省の舟山銀行局長から政府預金部資金との関係をお伺いいたします。
○政府委員(舟山正吉君) このたび政府におきましては従来の大蔵省預金部を拡充いたしまして、資金運用部といたしたいという法案を御審議願うことになつておるのであります。この経緯を極く簡單に申上げます。 現在大蔵省預金部に対しましては、郵便貯金の資金、或いは簡易保險の資金、或いは厚生年金の資金等が預入れられまして、ここで一括運用しておるのでございます。この大蔵省預金部の資金につきましては、終戰後昭和二十一年二月に司令部の指令がございまして、戰前におきましては、この国債地方債の引受等のほかに特殊会社に対する社債の引受等広汎な運用が認められておつたのでございますが、先ほど申上げました指令に基きまして、資金の運用は国債、地方債に原則として限定せられるということになつて今日に至つておるのでございます。その指令が出ましてから昨今に至ります間、この預金部の資金をもつと広範囲に運用して日本の経済再建にも寄與せしめたいという希望が各方面から起つたのでございますが、これにつきまして司令部当局の了解を得ることに努めておつたのでございます。たまたま昨年の秋に漸くこの預金部資金を金融債の引受に充当することが認められるようになつたのでございますが、それにはこの際預金部の制度を改組いたしまして資金運用部とする、そうしてこれらの資金が国民から政府を信頼して政府に信託せられておるということを明らかにし且つそういうような資金でございますから、運用には極力安全確実を期し、且つ公共の目的のために使われなければならないという趣旨を従来にも増してはつきりさそうというのが、この資金運用部への改組の眼目でございます。従いましてこの資金の運用につきましては戰前ほどには参りませんけれども、戰後の指令が出ました後に比べますと、金融債の引受が認められるということによりまして運用方面が拡大せられたのでございます。これは日本の財政経済のために喜ぶべきことと考えるのでございます。この改組に伴いまして、従来の預金部の資金の扱い方につきまして若干の改正があつたわけでございます。細目に亘りましては、この資金運用部資金法の御説明になりますので、御質問がありました際にお答えいたすことといたしまして、主な点を申上げますると、従来預金部に対しましては、政府資金は定期預金、当座預金との二つがあつたのでございますが、今後は資金運用部に対しまする資金の預託は、原則としては三カ月以上の定期的な預託金に限るということになります。且つ三カ月以上五年までの間に四段階設けまして、預入れの期間の長いものについては高い利率を付する。即ち約定期間三カ月以上一年未満のもの年三分五厘から始まりまして、約定期間五年以上のもの年五分五厘の間になお二段階あるわけであります。こういうふうにいたしまして、資金部に預入いたします側といたしましては、従来に比べまして利廻りがよくなるという結果になつて来ておるわけでございます。それからこの資金運用部資金の運用につきまして、従来の預金部でありますと、大蔵省内に預金部資金運用審議会というものが大蔵大臣の諮問機関として設置せられておりましたが、これは各省の関係官等も入つて、これら預金部に預入せられました資金の最も妥当な運用方法について意見を具申しておつたわけでございますが、今度この運用審議会を内閣に置くことにいたしたのでございます。そうしまして総理大臣が会長となり、大蔵大臣、郵政大臣が副会長となりまして、その他委員は郵政、厚生等の事務次官、それからなお学識経験ある者等も加えることといたしたのでございます。こういうふうにいたしまして、資金運用部に預託せられました資金は、その運用につきましては、内閣において国民全般の利益になるように十分配慮するという建前をはつきりさしたわけでございます。それから資金運用部資金特別会計というこの特別会計におきましては、この資金運用部で運用いたしました、運用につきまして万一欠損を生じました場合には、これは一般会計から補填することにいたしましてそうしで資金運用部に集まりました資金については、国民に一切迷惑をかけないということをはつきりさした次第でございます。これらが実質上の大きな改正点であるのでございます。その他につきましては大体この預金部の現状を、それを資金運用部に引継ぐと御了承頂いて結構だと思うのでございます。 簡單でございますが、一応今度の制度改正の趣旨並びに主要点を申上げた次第でございます。
○川村松助君 只今の御説明の中に欠損ができても国民には一切迷惑をかけかいというお話がありましたが、その点をもう少し詳しく御説明を願いたいと思います。
○政府委員(舟山正吉君) 特別会計の規定におきまして、欠損が生じました場合には、一般会計から資金を繰入れましてこれを補填するという規定があるのでございます。即ち特別会計法の四條にその規定がございます。
○藤森眞治君 この厚生年金の積立金につきましては、これまで預金部資金の中から何とかこれを厚生方面のいろいろな仕事に使いたいということで非常に希望なり要望が強かつたわけでありますが、この法律ができまして、果してそういうふうに希望がかなえられるように行くんですか。一応これを見るとどうも却つて窮屈になつてそういうことはできないというふうにもとれるんですが、その辺は如何ですか。
○政府委員(舟山正吉君) 厚生年金の資金につきましては、今度の資金運用部資金法によりますれば、ほかの政府資金と同じようにこれは原則として国債、地方債に重点を置いて運用する。それから一定額を限りまして、金融債の引受ができるという規定になつておるのでございます。併し厚生年金につきましては、従来ともこれを資金の集まつて来た勤労者方面への施設等に使いたいという御要望も十分伺つておるのであります。 〔委員長退席、中山壽彦君委員長席に着く〕 そうしてこれを実現すべく努力しておつた次第でございますが、これは今後も運用によりまして、できるだけ御趣旨に副いたい、それには資金運用審議会等におきまして厚生省の代表のおかたの意見も十分できる建前になつておりますから、これは重要なる国の政策としてこれを実施して参りたい、こう考えておる次第であります。
○藤森眞治君 この審議会の中に厚生事務次官が入つておるので一応そういうふうな考え方もされるのではございますが、併しながら今日までの事情によりましてもなかなか預金部資金は思うようにそういう方面に廻らない。それのために非常に強い要望が出て来ているので、却つてこういうような一つの法律ができると余計そういう使い方がむずかしくなるのじやないかということが考えられるわけなんですが、これによつて厚生年金の積立金が厚生方面のいろいろなことに使われることが強くなり、そのほうが強くなるのだということになれば非常によろしいのですが、そこの運用はどういうふうにしてされるわけですか。
○政府委員(舟山正吉君) 終戰後預金部資金の運用に極度にいろいろな制約がございまして、国債、地方債の引受等を原則とするということになつておりまして、その他の用途につきましては、インフレ收束の過渡期にありました関係もありまして、私ども初め各方面でいろいろ努力しましたが、なかなか認められなかつた。それでこの法律の改正によりまして、まあ金融債のところまでと申しますと、結局産業方面に金が流れ出る蛇口がついたわけでございます。これらも活用したならば御趣旨のような目的が達成せられるのじやないかというふうに考えておる次第であります。
○藤森眞治君 今のお話の産業方面等に流れることが多くて、そうして厚生方面の、折角厚生年金を積立てたものがその方面に流れないようになるということをみんな一番心配しているわけなんですが、かねがね或いは陳情とか或いは請願の形におきましても、厚生年金の積立を成るべく厚生方面に使えるようにしてくれということがたびたび出ておる。これはあなたがたもよく御存じのことと思いますが、これはただ今のここに出ている法律だけでは厚生事務次官が審議会に入つているという以外には何もそういうことが現われておらんのですが、それによつて今の目的が若干でも達せられるかということなんですね。
○政府委員(舟山正吉君) 運用の方法は、法制的にはこの法律に掲げられておるものに原則としては限られておるのでございますが、実際の運用に当りましては、厚生方面に使いたいとという気持につきましては私どもすつかり同感なのでございまして、何とか方法を見付けてそちらのほうに金が流れるようにして行きたいと考えておる次第でございます。
○石原幹市郎君 今の問題につきまして、厚生当局の見解も聞いて置きたいと思います。
○政府委員(安田巖君) 最初からのいきさつをちよつと申上げて御参考に供したいと思うのでありますが、厚生年金制度ができましてから戰争が終るまでは、先ほど銀行局長からお話がありましたが、積立金を預金部に預けまして、そうして国債を買うか、或いは預金部に預けるか、この二つが許されておつただけであります。そこで預金部に預けました金の中からこれは特別預金というようなものがありまして、その方面につきまして労働者の福祉施設に貸付をして頂く、こういう協定があつたわけであります。その協定に基きまして共同省令が出ておりまして、その共同省令によつて大体枠をきめまして、その枠の中では厚生大臣が貸付先でありますとか、その貸付先に対する貸付額でありますとかいうものを自分できめ得るという協定があり、その協定に基いてやつておつたわけでございます。ところが二十一年に向うの指令が出まして、預金部資金というものは、一切国と公共団体以外に貸付けてはいかんということになつておつて現在に至つておるわけであります。その後私どもは厚生年金が御承知のように現在は労働者に対して大した利益を與えておりませんので、そういう関係もございまして、従来のこういういきさつを知つているかたがたから、是非一つ病院なり、或いはその他住宅とかいうものに対して使わしてもらいたい。特にいろいろ金融がむずかしくなつておりますときだけに、その要望は非常に熾烈だつたわけであります。そこでこの話を大蔵省に持込んだわけでありますが、大蔵省としても十分厚生省の立場に共鳴して頂きまして、実はもう厚生省と大蔵省が一体といつても言い過ぎじやないと思いますけれども、そういう途が開けるように努力して頂いたわけであります。つまり大蔵省自体の決定もそういうふうにしようじやないかという決定にもなりましたし、それから預金部の資金運用審議会というものがございますが、これに対して勿論向うのアプルーヴアルを得ておりませんからして、形式的な承認を得たわけではございませんけれども、事前に説明をいたしまして、それも了承を得まして、それで結局あと残るところは関係方面だというので、約一年に亘つて私どもも参りましたけれども大蔵省のほうに主としてやつて頂きまして、大体まあ了解を得てうまく行きそうだというところまで一年くらいかかつて行つたのであります。ところが最後に先ほどお話がありましたところの昨年の十月でありましたか、ドツジ氏が見えたときの覚書によりまして、そういつた資金というものは、資金の源泉によつて貸付先を左右されるということはいけないことだというようなことがありまして、結局その結果が今度の資金運用部資金法というものになつて来たわけであります。資金運用部資金法はそういう趣旨でありますから、一応形式的にはこの法律の第七條の貸付先を見ましても、そういつた労働者の福祉施設のほうに廻すという規定はありません。ですから事務次官が入つておつてもそういつたような途は現在のこの法案ではないわけなのでありますが、併し今銀行局長の言われるのは、金融債なんかの引受ができるようになつて来ますから、そういつた場合紐付きと育つちやおかしいのでございますが、若干そういうものの中から厚生省の要望に副い得るような措置を講じて頂げるという御趣旨じやないかと今承わつたのでありますが、そういうふうに非常に原則的にはお互いに了承し、同じ方向に進んでおるわけであります。先日もいろいろ銀行局長にお話を申上げたのでありますが、銀行局長といたしましてもできるだけ又早い機会にそういうふうな御要望に副い得るように考えるということでございました。
○藤森眞治君 それからもう一つ伺いますが、資金運用部資金法の施行に伴う関係法律の整理に関する法律案、これの第五條で、「第十二條第一項中「大蔵省預金部ニ預入ルベシ」を「資金運用部ニ預託スルコトヲ得」に改める。」これはどういう意味でございますか。
○政府委員(舟山正吉君) これは政府の特別会計の積立金、余裕金等を運用する場合には資金運用部に預託するという原則を謳つたもので、法律的な根拠を與えたものでございます。
○藤森眞治君 「預入ルベシ」が「預託スルコトヲ得」というのは、預託してもいい、する場合としない場合とある、又全額をしないでもいいということですか。
○政府委員(舟山正吉君) これは普通の場合することができるといたしまして、それ以外のものにつきましては預託ができないという趣旨を現わすものでございまして、いわば資金運用部に対しまして預託をするものは法律によつて、そういう形によりまして限定するわけでございます。
○政府委員(安田巖君) この問題につきましては、郵政省関係の簡易生命保険或いは郵便年金の資金の積立金でございますか、それの運用について今いろいろ問題になつておるわけであります。私ども非常に弱いということをそういつた方面から言われましてお叱りを受けておるのでありますが、大体郵政省のほうは戰前も自分のところで完全な運用審議会を持つて運用するような権限を持つておつたのを元へ戻すようになりましたし、私どものほうは大体預金部のほうに預けておつて、或いは国債も買いましたけれども、その中から一部を自分のところで運用する程度のものであつたのです。ただそういつたように厚生年金保險の積立金を全然預金部から切離して独立な運用機構を持つべきであるかどうかという問題は、丁度社会保障審議会の勧告によりますと、そういつたように独立のものを持つて運用すべきだということになつているのです。これは一つ社会保障審議会の勧告を政府がどうこなすかということを折角準備しておりますからその際に私どもも十分に研究いたしまして、意見を出しまして方向をきめて頂くというふうに思つております。
○藤森眞治君 先だつて公布になりました厚生保險特別会計法の一部改正では、健康保險事業の福祉施設に充てるため必要あるときは一般会計から予算の定める金額を業務勘定に繰入れることを得、というふうに改正になつている。そうするとこちらのほうの「資金運用部ニ預託スルコトヲ得」ということと少し食い違いがあるのじやないかと思うのですが……。
○政府委員(舟山正吉君) 先ほどの御説明もちよつと壷に外れておつたかと思いますが、第五條は厚生保險特別会計法でありますが、この資金運用部資金法におきましては、特別会計の積立金は必ず資金運用部に預託しなければならない、それから余裕金につきましては全部が全部資金運用部に預託を強制してなくて、政府へ預託することを得という規定に変つたわけでございます。
○政府委員(安田巖君) 今の藤森委員のお話は一般会計でなくして、厚生年金特別会計の中で剰余金が出ましたときには全部積立金のほうに廻さなければならんという規定があつたが、その中で積立金全部を廻さなくて一部を福祉施設のほうに使うことができるという規定だつたと私は思つているのですが、そこで厚生年金の特別会計自体そういつた福祉施設を持つことができるというふうに実はこの前改正になつたのです。その具体的な現われは昨年預金部資金の預入れておりましたところの利率が上りましたので、その利差益約一億五千万円ばかり出て参りました。その一億五千万円出て来たものを積立金に何もかも入れないで、それを是非私どものほうの福祉施設のほうに使うことができるということのためにそうなつたのでありまして、それで実は私どもは、昨年の予算をきめておりまして、今度の予算に出ておりますけれども、厚生年金のほうで病院を建てたいというふうに思つております。
○藤森眞治君 そういたしますと、余裕金ができた折には預金部に預ける。ところが健康保險の福祉施設のほうには一般会計のほうから、足りない場合は一般会計から出してもいい。こつちには余つてもこつちは足りないというそういうふうな金がどうしてできるかということであります。
○政府委員(舟山正吉君) なお補足させてもらいますと、先ほど申しましたのは、「特別会計の積立金は、すべて資金運用部に預託しなければならない。」これは資金運用部資金法の二條の二項にございます。それで三條の二項になりまして、「政府の特別会計の余裕金は、資金運用部への預託の方法による外、運用してはならない。」余裕金は国庫に残して置くことはかまいませんけれども、およそ運用ということになりますと、資金運用部への預託に限ると、こういう趣旨でございます。そこで只今お尋ねの点はこの資金運用部に欠損を生じました場合はこれは一般会計からの繰入れによつて、つまり予算を以ちまして予算に計上いたしまして、その赤字を埋めるということなのであります。これは資金運用特別会計法にございます。
○政府委員(安田巖君) 先ほど一般会計とおつしやいましたのはその通りなのでございまして、厚生保險特別会計のこの前の改正で、一般会計から繰入れることができるというのは、今度の結核ベツトの増床につきまして、政府管掌の健康保險でも実は四千ベツトばかり殖やすのでありますが、その三分の一は国庫負担になり、その国庫負担を受入れるための改正でございます。そういうふうに御承知を……。
○委員長代理(中山壽彦君) ちよつと皆さんに申上げますが、銀行局長は大蔵、郵政連合委員会に出席される都合がございますので、若し銀行局長に御質問がありましたら成るべく早く御申込を願います……ほかにございませんか。では有難うございました。なおほかに何か御質疑がございませんか。
○藤森眞治君 安田保險局長にちよつと伺いたいのですが、実はこういうふうな厚生保險特別会計というものの一部改正であるとか、或いは資金部の法律であるとか、こういうようなものが出るのを我々が何も知らないでおるということも、これも甚だ困つたことである。まだ気が付いて何するから一応わかりますけれども、いろいろの問題があつて何しておるのに、こういうふうに、一応承わつて置けばよくわかるが、わからないで行くことがありますから、今後こういうふうなことはあらかじめこの委員会にもお話を願いたいと存じますが……。
○政府委員(安田巖君) 承知いたしました。
○委員長代理(中山壽彦君) 他に御質疑はございませんか。 それでは山口公衆衛生局長が幸い御列席になつておるのですが、昨日の夕刊の宮城県の結核云々のことをちよつとお話願つて置きたいと思います。大分誤解があるようでありますから……。
○政府委員(山口正義君) 昨日の夕刊毎日に百日咳ワクチンの注射によつて結核が発病したと大きく取上げられておりまして、大分お騒がせしておるような様子なのでございます。この機会にこのことにつきまして、一応御説明を申上げたいと存じます。 この問題は最近に新らしく起つた問題ではございませんので、去る二十三年十一月に宮城県岩ヶ崎町におきまして、百日咳の予防接種をいたしまして、二百数十名いたしましたが、その後翌二十四年二月に至りまして、この百日咳のワクチン注射を受けました中から百十数名の結核兒童が発病いたしました。当時国会におきましてもいろいろ御質問があつたのであります。これに対しましていろいろ政府当局といたしましても御報告を申上げたわけでございます。昨日新聞に取上げられておりますのは、その後六十数名の当時の患者のうち、大部分は治癒いたしたのでございますが、なお数名完全に治癒せずに入院治療を受けておるものがあるということの記事でございまして、今回別に新らしくそういう事件が起つたのではないということを御報告申上げて置きたいと存じます。なおその事件の原因につきましては、当時国会におきましても御報告申上げましたように、政府側或いは学者のかたがた、各方面のかたがたにいろいろ調査研究をお願いいたしまして、政府といたしましてもいろいろ調査いたしたのでございますが、原因がいろいろな場合が考えられるのでございます。どれが決定的な原因であるかということはまだはつきりしないような状態なんでございます。患者に対しましての治療につきましては、第一次的には町が責任を持ちまして、生活保護法の適用その他の医療を十分いたしておりまして、なおそれに対しまして県、国ができるだけの援助をいたしまして、その患者の治療をその後続けているのでございますが、残念ながらまだ数名の患者が残つておるような状況なのでございます。一応御報告申上げます。
○藤森眞治君 この問題につきましてはいつだつたか本会議におきましても当時民主党の高橋啓君だつたかと思いますが、緊急質問をしまして吉田総理からもこれについてはできるだけ十分考えたいという答弁があつたように記憶しておりますが、私も昨夜新聞を見てまだこれが解決されないのかとちよつと驚いたような次第でございます。これは法律は公布になつたけれども、施行期日前にやつたというだけで、これを十分引受けてやることができないというのが実際の実情のように承わつておりまするが、なお法律の上からいえばそういうことがありましようが、併し実際今日までやつておる状況を見ましても法律が公布された、実施がいつだというよりは、実施前に、殊にこういう予防方面のことにはいわゆる気をきかして、早くやつたというようなことがあるようにも思うのです。たまたまこれがこういう問題を起したからというので、ただ実施前だからやれない、而も法律は公布になつておるのだと、そこの法律の建前だけで突つ放してしまうのはどうかと思うんですね。そういうところにもう少し法律を十分に運用するような、何かこれはあなたがたのほうで適当な処置を講ぜられる必要があるんじやないかと思うんです。どうしてもこれはいい方法はつきませんか。
○政府委員(山口正義君) 昨日の新聞は、まだ少しあの記事の書き方に誤解があるように感ずるのでございますが、治療につきましての経済的な部面につきましては、大体解決いたしております。町が経済的な部面を引受けてやつてくれておりまして、それに対して県も援助いたしております。国といたしましては費用そのものにつきまして、先ほど藤森委員からもお話がございましたが、法の関係などもございまして、費用そのものを出す、補助するという建前は現在とられておりませんが、ストレプトマイシンの特別配給とか、或いはララ物資を特別に配給するというようなことで、発生いたしました患者ができるだけ十分に療養できまして、できるだけ早く全治いたしますように努力はいたしておりますのです。
○藤森眞治君 これは京都の予防注射の問題は、実施後であつたために国が十分補償してやれた、一方は実施前であつたからというので、非常な違いがあるわけなんですね。これはまあ一般の国民に及ぼす考え方から見ても、もう一つ割切れんところがあるわけなんですね。そこをもう少し何とかしてやることができないかということなんです。
○政府委員(山口正義君) 只今の点御指摘の通りでございまして、私どもも一般の国民のかたがたに対する感情からいたしまして、何とか国で補償するというような方法をとりたいと思いまして、関係方面にいろいろ折衝いたして見たのでございますが、只今までのところ、残念ながらその措置がとれないような状態なのでございます。
○委員長代理(中山壽彦君) 他に御質問もないようですから、今日はこれにて散会いたします。 午前十一時三十五分散会 出席者は左の通り。 委員長 河崎 ナツ君 理事 小杉 繁安君 委員 石原幹市郎君 中山 壽彦君 川村 松助君 長島 銀藏君 上條 愛一君 藤原 道子君 常岡 一郎君 藤森 眞治君 松原 一彦君 政府委員 大蔵省銀行局長 舟山 正吉君 厚生省公衆衞生 局長 山口 正義君 厚生省保險局長 安田 巖君 事務局側 常任委員会專門 員 草間 弘司君 常任委員会專門 員 多田 仁己君