厚生委員会 第11号
- 発言数
- 21 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1951/03/12
会議録
○委員長(河崎ナツ君) これより厚生委員会を開会いたします。上條委員から医療従事者の待遇問題につきまして御質問がございます。御質問をお許しいたします。
○上條愛一君 私の御質問申上げたい問題は、癩、結核、精神病関係職員の削減した調整号俸の復元問題についてであります。これは御承知の通り二月の二日に人事委員会、厚生委員会において厚生御当局の御説明によりまするというと、この削減いたしました調整号俸の復元は特別昇給の処置で処理いたしたいと、こういう御答弁でありました。ところが御承知の通り十二月五日に厚生委員会から人事委員会に対して申入を行いましたうちにも、調整号俸は現行俸給に対する比率を決して切下げないこと、こういうふうになつておりますし、又本年二月の厚生委員会から人事委員会に対して申入れましたのは、少くとも従来通りにするために至急適切なる処置を講ぜられたい、こういうふうに明白になつておるのでありますが、特別昇給による処置によりまして、こういう現在よりも切下げしたという処置が講ぜられるかどうかという問題であります。これは今回の改正案によりますと、昇給制度というものは、六カ月、九カ月一年に亘つて行われるのでありますが、それは勤務成績の良好なるものと明白になつておるわけであります。そこでこの特別昇給によつて果して全般に亘つて現在よりも低下しないという処置が講ぜられるかどうかという問題であります。それからよし講ぜられるといたしましても、現在勤めておるものはそのような処置によつて従来より下らないということができましても、新らしく入つて参ります職員に対しましては、このような処置は困難であろう、こういうふうに考えられるのであります。そこで我々の意見といたしましては、特別昇給という処置では十分ではない。それでこれはどうしても給與法の第十條の二項によりまする調整額表を新らしくきめて頂く方策をとつて頂きたい、こう思うのであります。これに対して厚生大臣から人事院総裁に対しまして、癩、結核、精神病関係職員の特殊性に基いて一般の号俸によることは適当でないから、給與法第十條によつて従来通りの調整号俸に戻し得る適正なる調整額をきめて頂きたいという申入をして頂いて、これによつて復元を実現して頂きたいということのお願いであります。それからもう一つは、かような処置によりまして復元できまするというと、二十六年度の予算には織込んで頂けると思いまするが、二十五年度の一月から三月までのこの処置をどうするかという問題であります。御承知の通り今従業員全員二万三千三百名ほどでありまして、これが一月から三月まで従来通りの調整号俸を支給するといたしますれば千五百九十二万円余の金が必要になつて参りまするので、これを是非緊急に御処置願つて、復元いたしましたらば一月から三月まで遡つて支給して頂くところの処置を講じて頂きたいということが第二点のお願いであります。これは申すまでもなく、癩、結核、精神病のごときは、これは特殊性の中でも最も特殊性の顯著な職業でありまして、これらの職員の生活を保障しないというようなことでは、これは重大な問題であると考えられるわけであります。昭和二十三年の二月に国立病院、療養所職員特殊勤務手当委員会というものを厚生大臣が作つて諮問いたしました案によりましても、癩のごときは一〇〇%調整号俸を出すということになつております。それから同年の十月の末弘中央労働委員会の会長の建議書によりましても、本俸に対する比率はやはり一〇〇%支出せよということになつておるわけでありまして、併じ従来通りにいたしましても一八%皆以下であります。こういう実情は政府といたしましても、如何にこれらの従業員に対する生活保障の問題について熱意がないかという一端ではないかと我々は考えられるのであります。従つて我々の希望といたしまして、従来の調整号俸よりも以上に、これは出して頂かなければならんと思いまするけれども、特にそれが不可能だといたしますならば、従来通りの調整号俸を復元して頂くということは、これは早急にやつて頂きたい。そうしてこれらの諸君が安んじて職に勉励することのできるような処置を講じて頂きたいということを切にお願い申上げる次第であります。
○国務大臣(黒川武雄君) お答えいたします。医療関係におきまして、癩、結核、精神病の看護に従事する者につきましての調整号俸の削減は、私自身が身を切られるように辛い思いをいたしまして、直ちに各係に命じまして人事院に御相談申上げましたところ、御説の通り特別昇給の制度は困難になりまして、只今俸給の調整額の制度についてお話合中でございまして、人事院におかれましても非常に厚意を持たれまして、私どもの交渉の要求に応ぜられまして、大体俸給の調整額制度で従来の収入程度にはなり得るということに見極めが大体ついております。なお、第二点の一月から三月までというお話でございますけれども、今のところ三月からくらいでないと困難かと考えられます。この点につきましては、細かいことは人事課長、管理課長からお話がございます。私どものほうから簡單にこれだけ申上げます。
○政府委員(淺井清君) 只今厚生大臣から御答弁を頂きましたが、人事院のほうといたしましてお答えを申上げます。 御質疑誠に御尤もでございまして、人事院といたしましては全然御同感でございます。実はかような問題が起りますから、人事院といたしましては、この調整号俸の切下げということについては最も強く反対をいたして来たのでございます。一体職務の困難なるもの、或いは危険なるものにつきまして調整号俸をつけるということは、これは決して理由のないことではないのでありまして、これは当然のことでございます。然るところ過般の給與法改正に当りまして、この調整号俸を切下げしますることは、それが若し財源を生み出す手段であるといたしますれば、最も不合理なものであつて、かくのごとき特殊の職務に従事する者の犠牲において財源を生み出すなんということは全然理由のないことだろうと思つております。併しながらすでに国会で政府原案通り御制定になりました以上は、人事院といたしましては誠実にこの法律を施行するよりほかはないのでございますが、人事院といたしましては、只今お示しの癩、結核等の療養所の職員というものは最も優遇すべきものであるという考え方を少しも変えておりません。それで給與法規等人事院に與えられております権限に基きましてでき得る限りこれをやる。そこで特別昇給というお話がございましたが、これはこのような人々のためにも、又昇給制度自体のためにも、どちらにとつても不合理でございますから、昇給の制度はとらずにおきまして、そうして只今お示しのごとき俸給額の調整という、人事院に與えられておりまする権限によりまして、これを優遇いたすということにきめたわけでございます。そういたしまして先週これに基く人事院規則を、人事院会議において議決いたしておる次第でございますからして、これは遠からず実施されるものと存じております。尤もこの解決方法は二つございまして、根本的な解決方法は職階制の完成と、給與準則の制定を待ちまして、このような人々殊に癩の療養所に勤務しておりますような人人に対しては最も十分なる優遇を與えたいと思いまするが、問題はそれまで現状のまま放置して置くことができませんので、現行の給與法で認めている範囲において調整をいたす、こういうことに相成つたのでございます。これは俸給額の百分の二五%を超えることができないという法律の條文がございまするから、その程度でこれを準用いたすという次第でございます。その内容につきまして御希望がございますれば、ここに給與局長が出ておりますから御説明申上げてよろしいと思います。
○上條愛一君 なお今厚生大臣からの御答弁によりますというと、復元いたしましても三月以降というお話でありましたけれども、これは大した額でもありませんので、是非やはり一月から遡つて実施して頂くような御処置を願いたいと思います。
○政府委員(淺井清君) その遡及することはどうもいろいろな事情からできかねるように思つておりますので、その点は甚だ処置が遅れまして遺憾でございますが、これはどうぞ一つ惡しからず御了承願いたいと思います。
○上條愛一君 これはすでに十二月五日に厚生委員会から人事院総裁にも申入れてあると思いますので、当然このような重要な問題については、緊急なる御処置を願うのが妥当だと思いますので、そういう意味から申しましても、これはやはり一月に遡つて御処置を願うということが、これは至当ではないかと思いますのですが、何とか工面、工夫をいたしまして一月から支給するように御配慮を願いたいと、重ねてお願いしたいと思います。
○政府委員(淺井清君) 誠に御尤もでございまして、私どもといたしましても、つまりでき得る限り早く処置をいたしたいと、こういう気持でかかつておりましたが、いろいろの関係からこれが非常に遅れて参つたのでございますが、そこでどうも一月に遡及いたしますることは、只今の情勢といたしまして、どうも不可能であろうと思つております。
○上條愛一君 もう一つお聞きしたい問題は、今人事院総裁のお話で百分の二十五までという制限がおありだというお話でございましたが、これは従来のやつを見ますると、一八%が一番最高になつておりまするのですが、これをなお引上げて二五%までするというような御意向はありませんでしようか。
○政府委員(淺井清君) それでは只今の案の内容を一つ御説明申上げたほうが却つてよかろうと思います。
○政府委員(瀧本忠男君) それでは案の内容につきまして御説明申上げたいと思います。尤も予算の関係等もございまして、或いは今我々が考えておりまする人事院会議で御決定になつた通りにできない場合が或いはあるのではないかということを恐れておるのでありまするが、この点につきましても厚生省当局の善処を十分願いまして、成るべく我々のきめた方法でやつてもらいたいという考えを持つております。それで、その癩、結核、精神病等につきましては、従来の調整号俸という考え方をやめまして、そうして一応こういう人々につきましては、真に多く職務の特殊性ということから、当然調整額というものをつけるのが適当である、こういうふうに我々は解釈をしておる次第であります。それでこういう人々の勤務状態というようなものを詳細に調査いたしました次第であります。その結果従来でありまするならば、例えば癩の看護婦、看護人というようなものが、四号俸の調整号俸というものがあつたのでありまするが、今回は我々はそれを六号俸にしよう、尤も四号俸乃至六号俸の幅があつたのでありますが、それを六号俸にいたしてしまいたい、即ち我々の研究の結果によりますると、癩の療養所に勤務いたしておられまするこういう人々につきましては、従来のものではなお不十分である、こういう結論に達したのであります。尤も六号俸が適正かと申しますと、先ほど総裁からお話がございました通り、現在の給與法の十條によりまして、二五%の範囲を越えて調整額を定めることができませんから、我々はその最高限まで使いまして、これは大約六号俸、約六百円くらいになるのでありますが、六号俸ということになりまするので、この一番きつい看護婦、看護人等に対しましては、六号俸くらいの調整額をつけて行きたいと、こう思つております。それから医師、歯科医師、やはり癩の療養所に勤務いたしておりまするこういう人々につきましては、従来一号俸乃至五号というような調整号俸であつたのであります、これを今回は五号俸にいたしたい。それからレントゲン、患者係りの事務職員、これも又やはり従来は三号乃至五号であつたものを、今回は五号俸にいたしたい。それから消毒夫とか清掃人、巡視というようなものは三号乃至四号でありましたものを、四号俸にいたしたい。薬剤師、一般事務職員につきましては、一号俸乃至二号俸でありましたものを、一律に三号俸にいたしたい。こういうふうに考えておる次第であります。只今申上げましたのは癩について申上げたのでございます。癩、結核、精神病おのおの十分検討いたしまして、それぞれ適当な号俸に定めよう。従いまして、今回我々がやろうというものは職務の特殊性に基いてやるというわけでございまして、従来の三号俸、切下げ号俸、調整でその後始末としてやるという趣旨でなしに、真にこういう作業がどれだけの調整額を必要とするかというそういう検討から始めまして、今回このようにいたしたいというように考えている次第であります。
○中山壽彦君 只今の上條委員からこの実施を一月に遡つてという御要望がございましたが、私もこういうように一応考えておるのであります。と申しまするのは、昨年十二月五日の当委員会の席上において、実際実施をするのは一月であるから、一月に間に合うように何とか始末しようという当局からの御答弁があつたのです。
○委員長(河崎ナツ君) そうです。
○中山壽彦君 それが三月からということになりますと、二カ月間当該者たちは非常に不幸になることでありますから、何とかでき得るだけの方途を講じられて、一月から遡つて給與を受けられるように一つお願いをしたいということを重ねて申上げます。
○委員長(河崎ナツ君) 速記を止めて。 〔速記中止〕
○委員長(河崎ナツ君) 速記を始めて。
○松原一彦君 只今御説明になりました癩のほうの調整額はほぼわかりましたが、それを結核、精神病にまで及ぼしたときの二五%の率がどの程度低下するかお示し願いたい。
○政府委員(瀧本忠男君) 結核につきましてはこれは、癩とよほど趣きが異なつておるのでございまして、従来看護婦、看護人等につきましては、一号乃至三号の調整号俸でございましたものを、それをやめまして三号調整額をつけております。それから医師と歯科医師につきましては、一号乃至二号でありましたものを、一律に二号にいたしたい。レントゲン、消毒夫、清掃人等におきましては、一号乃至二号でありましたものを、これを二号にいたしたい。それから作業手、運転手等の一号乃至二号でありますものを、これは直接患者に接するということも割合ございませんので、一号俸にいたしたい、薬剤師は一号でありましたものを、一号にいたしたい。 精神病につきましては、看護婦、看護人が一号乃至三号でございましたものを、三号にいたしたい。尤も脊髄療養所が箱根にございますが、戦争におきまして脊髄等に貫通銃創を受けまして、そうして非常に脊髄に障害を起して困難だというそういうかたがたを収容いたしております療養所であります。そういうところに勤務いたしております看護婦、看護人につきましては、特に四号俸にいたしたい。医師、歯科医師につきましては、従来一号乃至二号でありましたものを、二号。レントゲン関係、それから消毒夫、清掃人を従来一号でありましたものを、二号。薬剤師、作業手、運転手は一号を一号、大体こういうように考えております。
○松原一彦君 厚生大臣がおられるうちにと思いましたけれども、帰られましたから、人事課長おいででしたらお伝え願いたいのですが、私は極く生々しい材料でお願いして置きたいのですが、極く近い先日広島療養所とそれから和歌山県の延壽ヶ浜療養所との二つを見ましたのですが、広島療養所は地域も広いし位置もよいし、誠によい結核療養所でありまして、定員は一千人であります。然るに只今入つておる者は八百五十一人、どうしてこんなに少いかと、定員に対して收容の実数が少いかと言いますというと、端的に言つて看護婦が足らんのであります。看護婦の定員は百五十人であるにかかわらず、現在の看護婦は百二人であります。それに雑仕婦三十三人と見習八人を加えましてもなお定員に足りません上に、七名のこの結核感染患者を持つておるのであります。でここで看護婦を縁故募集或いは広告募集等によつてやりますというと、その広告費だけでも今日までのところ平均二千五百円かかりておると言う。そうしてなお且つ一人も看護婦は得られないのであります。一方この延壽ヶ浜のほうは定員は百十名でありますが、これに対して看護婦は二十名、この年末には四十名になるのでありますけれどもが、事実今日おります看護婦の数は十二名であります。そのうちに三名はすでに病気に罹つております。かようなわけでベツトは増すような計画にもなつておるけれどもが、看護婦がない、看護婦がないために折角の施設がその用をなさんというのがどこの病院に行つて見ても通じての一つの悩みであります。一方に看護婦の資格は頻りに向上せしめよという計画がある、そうして一方には危険な看病に従事する者に調整号俸等を省いて冷遇しておる。待遇と要求とが一致しない。そういうことのために折角国策として取上げて、今その効果をめきめき挙げつある結核撲滅の仕事がこの面から非常に障害を起しておるというはつきりした事実があるのであります。医者その他の関係者に対して待遇面の稀薄なことは申上げるまでもありませんが、特に看護婦の欠乏というものが各方面で著しい現実になつておりますことをば、厚生省は御承知でもありましようけれどもが、よくよく一つ考え頂きまして、そうして今回のような、かような理不盡な、危険な病人に接する人々に不安を與え、実際上の待遇を引下げるようなことのないように十二分の御用意を以て、殊に厚生大臣は責任を持つてやると言われたのでありますから、私は責任を負つて頂きたい。必ず相当額の只今では調整額ということに改めたそうでありますが、名前はとにかくとして実際上に、かねて勧告せられておりますところまでは、是非進めるように切望するものであります。どうか厚生大臣に強くお伝えを願いたい。
○委員長(河崎ナツ君) 速記を止めて。 午後二時十五分速記中止 —————・————— 午後二時五十四分速記開始
○委員長(河崎ナツ君) 速記を始めて。 それでは本日はこの程度で散会いたします。 午後二時五十五分散会 出席者は左の通り。 委員長 河崎 ナツ君 理事 有馬 英二君 委員 中山 壽彦君 長島 銀藏君 上條 愛一君 藤森 眞治者 松原 一彦君 国務大臣 厚 生 大 臣 黒川 武雄君 政府委員 人事院総裁 淺井 清君 人事院事務総局 給與局長 瀧本 忠男君 事務局側 常任委員会專門 員 草間 弘司君 常任委員会專門 員 多田 仁己君