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10回国会参議院1951/07/26

厚生委員会 閉会後第1号

発言数
40
登壇者
9
会派数
5
開催日
1951/07/26

会議録

梅津錦一日本社会党

○委員長(梅津錦一君) それではこれから開会いたします。  お暑いところをお寄り頂きまして有難う存じました。厚生大臣のほうから発言がありますので、お聞取り願いたいと思います。

橋本龍伍自由党厚生大臣・行政管理庁長官

○国務大臣(橋本龍伍君) お暑いので上着を脱いだまま失礼をいたします。私このたび厚生大臣を拜命いたしました橋本でございます。誠に不敏浅才の身を以ちましてこの重大な時期にこういう大任を拜しましたことをみずから光栄とも存じ、且つ又極めて重大な責任を感じておる次第でございます。何分未熟な者でございまするし、むずかしい問題も山積の折から皆様がたの御指導、御鞭撻によりまして国政の上に誤りなきを期したいと思つております。どうかよろしくお願いいたします。

梅津錦一日本社会党

○委員長(梅津錦一君) 公報でお知らせしておきましたように、本日の主な議題は、社会保障制度に関する継続調査の問題がありますし、行政整理に伴う厚生関係職員中被整理者の対策についての件と、厚生省関係予算についてのこと等が主でありまして時間がございまするならば、派遣議員の報告をお聞きしたい、こういうつもりでおるのでありますが、幸い大臣が二時まで時間的な余裕がございますので、三時まで一ぱい御説明を頂くことができると思いますが、二時からは重要な会議がございますので、この席におられないというので、甚だ残念でありますが、この残されている二時までの時間を御利用下さいまして御質問をお願いしたいと思うのです。特に行政機構改革が現政府によつて考えられており、それに伴うところの厚生省の存廃の問題も当然考えておるかどうかわかりませんが、そうした問題があるとするならば、厚生大臣であり、行政管理庁の長官である橋本長官から、この点もお聞かせ願いたいと、こういうようなつもりでおりますので、なお厚生予算に関係する傷痍軍人、遺家族や社会保障制度に対する審議会の勧告に対する政府の態度、或いはそれに伴うところの予算措置、並びに結核予防対策、それに伴うところの予算関係と、こういうようなものが当然考えられまするので、いろいろおありだと思いますが、そうした点から一つ御発言願いたいと思います。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 社会不安の激化しておるこの大切なときに新大臣が就任されましたので、私は新大臣に対しまして非常に期待しておるわけでございます。そこで先ず第一にお伺い申上げたいところは、もとよりこれは新聞の報ずるところでございまして私どももはつきりしたところはつかんでいないかもわかりませんが、先ず第一に一つ大臣から明らかして置いて頂きたいと存じますことは、行政機構の改革及び行政整理の問題に対して一つお伺いをいたしたいのでございます。厚生省の存廃問題であるとか、或いは巷間伝えるところによると兒童局が廃止せられるとか、或いは人員の整理によつてただでさえ足りない国立病院、国立療養所なんかにおきましても、非常に最近廻つて見ますると動揺を来たしておるような向もございますので、この点を先ず大臣から一つお伺いさして頂きたいと、かように存じます。

橋本龍伍自由党厚生大臣・行政管理庁長官

○国務大臣(橋本龍伍君) 藤原さんの御質問にお答えを申上げます。  行政改革の問題につきましては、二年前からいろいろ検討をいたして参つたところではございまするが、私も兼任の行政管理庁長官といたしまして就任以来種々検討をいたしております。今日の現状から見まして官庁の機構も非常に錯雑厖大化いたしておりまするし、地方行政の面におきましては、地方財政委員会は本年度当初予算において府県は五百億を超える赤字を出しておるという報告を出しておるような実情にもあり、今日この行政の組織全体を検討をいたしまして、これに何らかの整備を要するものと考えております。ただ具体的にどこをどうするということはまだ成案を得ておりませんし、なお検討をいたしておる次第でございます。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 それではあの新聞紙上等に伝えられておるのは、そういう案もあるという程度で、大臣からここではつきりしたお答えを頂くには至つていないとおつしやるわけでしようか。

橋本龍伍自由党厚生大臣・行政管理庁長官

○国務大臣(橋本龍伍君) 只今までの間にはつきりした案として公表されたのは行政制度審議会の答申案だけであります。あと巷間伝うるところによれば、廣川前行政管理庁長官の試案や、或いは木村篤太郎氏の試案があると伝えられておりますが、これもはつきりと公表されたものではありません。で、その三つの案が新聞に従来出ました。これの中には行政機構の改革についていろいろな意見が述べられておるようでございます。それからやはり一つの権威のあるものとしてこれは総合的に発表されておるわれでもありませんし、総合的に考えられたものでもありませんが、行政管理庁に附設された行政監察委員会におきまして、監察の結果の報告の中に機構としてもこの点はこう改めたほうがいいじやないかという断片的な報告があるようでございます。厚生省関係があるかどうか私は覚えておりませんが、そういうようなものがちらほら従来新聞に出ておつたようでございます。私就任いたしまして以来、まだ総合的な案を立てておりませんので、今日まで私の案として出たものは恐らく、事実ありませんから、ないと思います。多分藤原さんの御質問は、以上の三つの案の中の話だと思います。そういつたようなものは、すべて十分参酌をいたしまして私検討したいと思つております。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 重ねてお伺いしたいのでございますが、大臣が厚生大臣であり、且つそのほうの責任者でいらつしやる。で、大臣といたしましては、厚生省関係の問題につきましては、何か腹案をお持ちでございましたらお洩しを願いたいと思います。

橋本龍伍自由党厚生大臣・行政管理庁長官

○国務大臣(橋本龍伍君) 私こういうふうに考えております。これは総体的に理想の状態と、それからいろいろな、この行政手続が煩雑のために民間に厄介をかけないとか、財政的な負担を軽くするとか、いろいろなことを考えてきめなければなりませんが、私は今日の状態におきまして、つまりこうしたなかなかむずかしいと国際情勢の中で国が独立をして行く上には、国内の民心が落着いて統一するということが非常に大事なことであります。そのためには、厚生省の行政というものはそれの一つの大きな要素をなすものと思いまするので、この機構改革の過程におきましては、少くともこの厚生行政というものはできるだけ落着いて能率を発揮し得るような方法を考えて行きたいと考えております。全体として簡素化、能率化を図りまするが、その間において厚生行政を、今言つたような目的を達成するに一層役立ち得るような方法を考えたいと思つております。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 そこでその点は、大臣の言われましたように、本当に今の時局をお考えになりまして、この厚生行政については慎重に一つお考えを煩わしたい。そこで又伝え聞くところによると、人員整理が画一的に行われるというようなこともまあ新聞に散見しておるわけでございますが、それについて私は整理すべき点もあるかもわからない。けれども、いつでも行われまするのが、画一的な三割なら三割減というようなことでやられておりまするので、今度の人員整理等についての若し今お考えがありまするならば、お洩し頂きたい。と同時に、若し整理されるような人の今後の対策ですね。被整理者の今後の対策、失業救済とでも言いましようか、そういう点につきましても何かお考えになつてお進みになつておられるかどうかというふうなことを伺いたい。

橋本龍伍自由党厚生大臣・行政管理庁長官

○国務大臣(橋本龍伍君) まだ非常に具体的なことは考えておりませんが、こういうふうに思つております。政府といたしましても、一昨年あれだけの大整理をいたしたようではありまするが、昭和六年の末に比べまして、国鉄、専売等の公共企業体をのけました一般官庁の人員が昭和六年末に三十六万人でありましたのが、今日約九十万人であります。それから国鉄、専売及び、昭和六年のときには一種の公共企業体として八幡の製鉄所がありましたが、これを全部合せて二十三、四万でありましたのが、今日約五十一万であります。それだけはやはり税金なり料金なりの形で国民の肩にかつておるわけであります。私は今日の実情から見まして、これだけの人員がたつて必要であつて、これが少しでも欠けると、とても働いている公務員たちが辛くてやり切れないというほどの問題じやない。やはりどうしても全体的に見直す必要はあると思いますので、或る程度の人員整理は必要だと存じております。ただその場合に、一律に全体を何割というようなことでなしに、いろいろ仕事の内容から見て参りたい。それから又総体的に見て、戦後相当たらしのない役人もなきにしもあらずでありますが、だらしがなくても、まあ戦さに負けたのだから、もう少しお互い働こうじやないかということもできんわけじやないという意味で、総体的に幾らかの能率向上を図るということはありますが、それだけでやるというつもりはございません。一昨年のときと違いまして、今年は講和になりますと、賠償庁とか特別調達庁とかいつたような所は仕事が当然大きく変つて来るわけでありまするし、いろいろ問題があると思います。それでその辺をもう少し掘下げて検討いたしたいと考えております。  なお、やめる人があつた場合の対策でございますが、これはそれぞれ所管の閣僚とも相談いたさなければなりませんが、私は当然むしろ昨年の整理のときに比べて優るとも劣らないだけの準備は十分必要だと考えております。ただ終局的に問題を解決するものは、国の産業政策全体から見て雇用量の増大を図るような経済政策をやるということが一番根本だと思いますが、直接の施策につきましても、これはよほどその間の手当等は考えなければならんと思つております。このほうにつきましても従来の事例等で研究しておる段階でありまして、その仕組なり、それで総体にどれくらいかかつて、どの程度まで全体に振り込み得るかというようなことについては、まだまだ進んでおりません。

松原一彦第一クラブ

○松原一彦君 私からもお尋ね申上げたいと思います。政府は厚生行政に対してどういうふうな熱意を持つておられるであろうかとかねて思つておつたのでありまするが、先般来新聞に伝えるところを以てするというと、どうも大した熱意は持つておられないように思う。只今厚生大臣、殊に新鋭の、信頼すべき手腕をお持ちになつていると思われる厚生大臣を配せられたのでありまするから、まさかとは思いますものの、併し伝えるものはやはり幾らかのものはその事実があつてのことだと思われるのあります。例えば結核予防対策費のごときも、漸く今日癩病をほぼ片付けて、これから日本国民病としての民族の非常な悩みである結核対策を国策に取上げて八十四億円という予算を漸くきめたかりのときに、首相の意思としてこれを半減せよという命令が出たと伝わつておる。事実かどうかは私どもわかりませんけれども、さようなことが伝わり、又一面においては児童局が廃止せられるとか、厚生省と労働省とを合併するというようなことがあり、或いは橋本大臣は非常な手腕家であるからして、厚生省を取り潰す使命を持つておいでになつたのではないかとすら世間では噂をしておる者もあるのであります。さようなわけで、この方面に大きな期待をかけておる者から見ますというと、非常に疑惑がある。只今の御挨拶の中では心強いものを覚えますけれども、その一例としても、例えば首相は果して結核対策費八十四億円を半減しろといつたような、国力に応じてやるのだから削るのが当然だといつたような御意思をお洩しになつた事実があるのかどうか。又厚生当局としてはそういうことをお受けになつたことがあるのかどうか。それに対するところの只今の御態度はどうか。この点について一つずつ承わりたいと存じます。

橋本龍伍自由党厚生大臣・行政管理庁長官

○国務大臣(橋本龍伍君) 結核対策費の問題でありまするが、総理大臣から結核対策費を半減せよというような話を私も聞いたことがありませんし、前大臣からもそういう引継ぎを受けておりません。ただ総体的に見まして、先般私が就任いたす前の閣議にもありましたように、総体的にこういう時勢、そうして殊に今後いろいろな面での経費の増加も予想される時期であります、それらの中で一番大きいものは遺族、傷痍軍人の対策費でありましようが、そういつた面が予想される折からとして、予算をできるだけ節約して有効に使わなきやいかん、できるだけ無駄のないように効率を上げるようになお考えなければいかんということは、方針として進めておつたようでありました。私もその点は経費の全体として心がけて参らなければならんと思つております。で結核の対策に関しましては、今日なおなお力の足りないのを覚えておるのでありまして、相当今後も努力をする必要はございます。昭和二十六年度の予算に実現された結核の施策は黒川前厚生大臣の近来稀な大きな私は業績だと実は思つております。私はこの国会の意思を加味して、意思によつて議決されましたところのこの予算を十分に効果のあるように使いたいと考えております。

松原一彦第一クラブ

○松原一彦君 それを承わつて非常に安堵をいたしたのでありますが、吉田総理大臣が御提案になつて、国会が一致してこれをば協賛可決いたしました予算であります。一人のほしいままなる意思を持つて勝手に削減すべき性質のものでは断じてないのでありますから、私どもはまさかさようなことはないとは信じますものの、今日まで非常な疑惑を持つておつたのであります。ここでこの疑惑を一掃いたしたいのでございますから、どうぞ大臣、今のお言葉通りになお一層の御努力を以てこの予算が効率高く使われますようにお願い申上げたい。  なお重ねて厚生省問題としてはいろいろな点が、たくさんな懸案が残つております。私ども先般地方を見て参つて、今日は報告をいたさねばならんのでありますが、その中でも特にこの児章福祉の問題などは、先般児童憲章が華やかに出て、非常に大きく取上げられたにかかわらず、これに対するところの対策費は非常に乏しいばかりではないのです。事実法律に示したものすらも実行のできないような平衡交付金の中に含まれて地方では困り抜いておる。民生部などに我々顔を出すというと、もう真向から非常な反対、非難を受けましてこれを弁解するに余地がないといつたようなものが随分たくさんある。いずれ大臣にもはつきりこれはおわかりになると思うのでありますが、そういう面におきましても、今後特に御努力を煩わさなければならんものがあると思いますし、なお国民健康保険のごときは、将来社会保障制度の完備に伴つてどうしても基礎をなすべき重大なる問題で、これが今庶民一般の保健衛生の上に如何に大きな効力を挙げておるかということは申すまでもないのでありますが、併しこれも危殆に瀕しております。全く危殆に瀕しておつて、休止又は廃止といつたような町村が続々と起つて参つておる。併しその中でも態本県のごときは、結核の全額を国が負担せらるるような方針がとらるるか、或いは今日の状態において、最低二割を国で負担してもらえば十二分にやつて行ける確信を持つと、まで申しておる。これはひとり態本ばかりではありませんけれどもが、事実各地方においてもそのような意見が多いのでございます。何もかも国の予担にしようなどとは私は思いませんけれどもが、日本が今後立つて行く上に、平和なる国家として憲法で保障せられたような面を社会保障の点からも進めて行こうとするならば、こういう点にも十二分な力を盡さなぎやならん、如何に苦しくてもこれは基本的な條件でありますから、これをば忘れてはならんと思うのであります。そういう点につきましても、明年度予算の編成の上に一体どういう点に重点をお置きになつて御編成になるか。もうすでに予算編成期は参つておるのでありますが、只今のお話の中に傷痍軍人の年金の改善、又新聞に伝えられておるところの遺族に対するところの対策、これを大きくお取上げになつておる。橋本厚生大臣はここには特に力を入れてこれを実現する決心だと新聞が伝えておりますので、私は非常に心を強ういたしておるのであります。あの傷痍軍人の恩給と称するものは恩給法によつておらんので、今日平和産業の厚生年金と同額でありますから、二回も増額して見ても、先に、標準につかい棒がして上げられないのでありますが、年額平均が、鉄の足をがちがちいわしおる人たちが僅かに四千六百円をもらつておる実情であるのであります。月割にして四百円に充ちません。目も当てられない惨状であります。西ドイツあたりに比べてどんなに無理なことをしておるかということは、これははつきりわかりますので、これだけでも二、三十億の金はどうしても出さなければならん立場に私はあると思う。又二百万人に余る遺族、これは実に大きな数であつて、この遺家族が今日どんなに苦しんでおるかは御承知の通りであります。これをば豊かにというまでにはとても行きますまいけれども、最低限度にでも何かの慰藉の方法を講じなければならんというので、参議院は先般全会一致を以て対策の審議会を設けるということを決議したが、これは衆議院において保留せられて今日は実を結んでおりません。非常に遺憾に思つております。こういう方面におきましてもいろいろ厚生行政には懸案が続出いたしておるのでありますが、明年度予算編成の上に、特に新聞に伝うるようなふうに厚生大臣は力をお入れなさろうとなさつておるのかどうか、一応承つておきたい。

橋本龍伍自由党厚生大臣・行政管理庁長官

○国務大臣(橋本龍伍君) 明年度の予算の編成の方針も、内閣全体としてはまだ基礎的な討議も、方針の討議もいたしておりませんので、全く各省がそれぞれ今肚づもりをやつておる段階でざざいます。私の卒直の感じを申上げますれば、こう考えております。大体昨年社会保障制度審議会の答申がございまして、これを全面的にそのまま実現するということは、新規の財源が八百億も要るといつたような状態であつてなかなか、集計はもう少し少くなるかも知れませんが、相当要るということでむずかしいわけでございますが、現行の社会保障関係の制度をできるだけ充実して参りたいと思いまして、私どもも黒川前厚生大臣の助けをいたしまして、結核対策の充実であるとか、国民健康保険の事務費の全額国庫負担ということを実現いたしたのであります。本年度におきましても、何もかもやりたいことがたくさんございますけれども、経費の総体の点からいいましても、今日はどうしてもこの講和、独立というチャンスを控えまして、同胞愛の見地からいつて、極東委員会の指令によつて取上げになりました遺族扶助料を考え直す。それから同時にやはりこれも極東委員会の指令によつて、厚生年金なみになりました。今松原さんの仰せになりました傷痍軍人の年金を考えますと、これは相当の経費を食いますが、是非実現をしなければならないと考えております。はつきりそう決心をいたしまして具体策を練つておる次第であります。  なお前厚生大臣の施策によつて実現されましたところの結核対策は、二十六年度だけの問題ではなくて、年度割りで続けてずつと実現をして行きたいという一つのプランがあります。私はこれを踏襲してできるだけ充実して参りたいと思つております。なおそのほかの点に関しましては御指摘の国民健康保険の力の入れ工合とかいういろいろな問題がございますが、それはもう少しあとで検討いたして参りたいと思つております。ただ遺族、傷痍軍人の問題に関しましては、何さま極東委員会の指令でできたことでありまして、これについてはなお講和條約ができ、批准されて條約が発効しないとむずかしいというような意見もありますし、それから我々は、飽くまでも政府といたしましては、遺族、傷痍軍人の問題は本当に同胞愛の見地からして、人道的の見地から放置できない問題だと思つておりますが、これが外国に何か再軍備問題とからんでおるといつたような、そういう誤り伝えられた印象がありまして、一部の国々において何か一つの疑惑を持たれがちだといつたような心配もする向きもありまして、この扱い方等については、なおもう少し研究をいたしておる次第でございます。どうか一つこういう題に関しましてはなかなか我あやりたいアイデアは相当ございますするけれども、金額的にも遺族扶助料など相当大きく嵩みまするし、皆さまがたにおかれましてもこういうのがいいんだという御意見等もありましたが、従来承わつておりまする御意見のほかにも、なおいろいろ御援助を賜わりたいと思つております。

松原一彦第一クラブ

○松原一彦君 只今御決意を承わつて非常に心を強ういたします。世間では厚生省はどうしても今後はなくなるものと、従つて厚生省公務員の諸君の中には若干の動揺があるとも言われておるのでありますが、只今の御決意ならば、私は名目は如何であろうとも、実態に一つ弱味を見せないというだけの御決意をお持ちになるものと確信しますから、どうぞ行政機構に携つておらるるかたがたの消極的な態度にならないようにお引締め下さいまして、積極的に一つ新らしい日本のこれからの出発でございますから、民族的な健康、優生方面にがつちりとした基礎を据えまして殊に結核のごときは一つ年次計画をお立て下さいまして、日本民族が平和な立場においての今後の世界への奉仕のできますように御盡力を頂きたと私は切望しまして、御信頼申上げます。よろしくどうぞ……。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 私今の松原さんの御質問に関連していま少し伺つて置きたいことがあるのであります。それは結核について総理が言われたことは、まああなたの先ほどのお話で了承いたしましたが、伝え聞くところによると、国会を通過したものだから今年度の予算は護り得る、併し来年度の結核対策費は非常に悲観的なものであるというようなことが案ぜられておるのでございますが、来年度の結核予算の獲得についてのお見通し、私どもは五カ年計画で出発したことでございますから、是非とも来年度も本年以上に一つ獲得してもらわなければ困ると思つておりますが、それらについての大臣のお見通しを伺いたいということが一つ、それから最近の新聞紙上で国立病院、国立療養所を地方へ移管するというようなことが殆んど確定的なような記事さえ見受けられておりまするが、私どもは国で持ち扱いかねたから地方へ委せるなんということは絶対に反対でございますし、そういうことはやるべきでないと、かように考えておりまするが、これらについての大臣のお考えを伺いたい。  それから地方を廻りまして松原さんたちと共に強く胸を痛めておりまするのは、児童の措置費でございます。これが平衡交付金の中へ織り込まれておりますために紐が付いていないので、声なきものが絶えず虐げられ後廻しになるというような形で、結局児童の措置費が正当に使われていない、そのために措置されるべき子供が却つて措置されないで、保育所が幼稚園化しつつある傾向がございますが、来年度の予算におきましては児童措置費に対して平衡交付金の枠から外して行くか、紐をはつきり付けるということでなければ、この問題は解決しない、かように考えておりまするが、大臣はそれに対してどのようなお考えで進んでおられるか。  それから最近のこれ又新聞でございますので根拠はあるかないかは存じませんが、福祉事務所とそれから福祉司等の廃止というようなことが政府で考えられておるというようなことも出ていたのでございますが、これらは重大なる問題だと存じますので、この点も明らかにして頂きたいと思います。

橋本龍伍自由党厚生大臣・行政管理庁長官

○国務大臣(橋本龍伍君) 結核予算の来年度の見通しということでございました。これはどうか一つ前厚生大臣の立てられた方針を踏襲してできるだけ努力して見たいということで、何十億何千万円という見通しはどうか御勘弁願つて、願わくば予算の取得につきましても、微力ながら不肖私を御援助願いたいと思つております。ただ言葉の綾でなしに、真剣にそう思つております。具体的な内容については、私は今なおいろいろ検討をいたしおります。結核の対策も御承知のようにペットの増強の関係、予防検診の関係、ストレプトマイシンだとか、パスだとか、人工気胸だとか、経費の点についていろいろ問題がありますので、どこにどういう重点を置くかということも考えなければならないと思つております。  それから国立病院の問題についてでありますが、これは相当いろいろな問題があるようであります。私も今藤原さんが仰せのように、ただ国が持ち扱い兼ねたから、厄介だから地方に押付けるいうふうな筋でものを考えるべきものではないと思つております。ただこれは国の法的医療機関のあり方その他の問題について、今日のままで然らば非常に結構かというとそうでもないのじやないかというので検討を要するものと思いまして、研究も命じ、いろいろな意見を私もそれとなく心掛けている次第であります。  行政機構改革の面でも意見を具申される向もありますし、衆議院の厚生委員会におきましても、委員のかたの中から、何らかの考えを要するという御発言の向もあつたというようなことで、もう少し研究して見たい。ただ要するに面倒たから地方へ皆押付けてしまうというような筋ではありません。  それから児童福祉の問題でありますが、これはただ平衡交付金の中に計算基礎として入れるものを紐付で表に出せばそれで済むという問題では勿論ないと思つております。福祉事務所の問題も実はそういつた問題の一環でありまして、私も職責上国会の定められた法律をできるだけうまく円滑に実施して行く責任を重んじて実は非常に悩んでおるのであつて、皆さんがたの御意見を実は伺いたいと思つておるのでありますが、本年度の、二十六年度当初予算におきまして、つまり各地方自治体が自分の独得の単独の予算によつて、いろんな事業計画を抜きにして、今日の行政機構を維持し、それからきめられた仕事をやつて行く、国の予算できめられたのに附随して行くだけの仕事であつて、都道府県総体で、二十六年度当初予算において五百億を超える赤字があるというのは、地方財政委員会が公式に報告をいたしておるところであります。これに対して地方財政委員会といたしまして、これは今日の行政機構の上で、責任を負つているのは地方の行政委員会であります。地方の行政委員会におきましても、各都道府県におきましても、実はどうするんだというはつきりした結論を出しておりません。そこでどういうことになつておりますかと申しますと、架空の財源を挙げて、例えば借金が幾らできるというようなことで、借金ができるかできないかわからないで、そういう架空な財源を挙げて辻棲を合わしたところは別でありますが、そうでないところはなかなか年間の予算が組めないという現状にあるのです。今日は公共事業費につきましても、例えて申せば、県道改修に国から千万円出すときには、地方で県費負担で千万円を出すと、五割補助ということになつておるのです。つまりそういつたような問題、国できまつた公異事業費と、地方の負担分というものを総体にして、全体で五百億を超える赤字が出ておる状態であります。つまり府県としてはどの仕事をやつて、どの仕事は我慢してしまうかという決心がなかなか付きかねておる今日では、打出の小槌のようなものがない限り、まあどうにかして勘定を合わさざるを得ないというわけでありまして、そこで或いは道路費の計上を遅らし、或いはその児童福祉関係の方面の、県の持分を計上するのを遅らし、まあいろんなふうのやりくりが行われておる。社会福祉事務所の設置関係についても同じ状態でありまして、総体的の五百億の赤字というものは、どこかで仕事をやめるか、或いは役所なり、人なりをやめるか、どつちかしなければならん。そこで県によりますると、ほかの仕事はやめても、この福祉事務所のほうはやりたいということで、その準備は非常に進んでおりますし、それから福祉事務所をやるぐらいなら、災害の復旧のほうも全部やつてしまいたいという気持で、公共事業費の付け足し分を先に上げたところ、そういうところは先に行つて、こういう面に手が伸びていないというふうな状態にあるわけです。地方財政委員会は今言つたような状態にありますし、かたわら知事会議におきましては、今日の状態ではバランスが合わないからなかなかやれない、たつてやると言うなら財源を別に考えてもらいたいということを言つておるのです。これはそれぞれ地方財政委員会なり自治庁なりで考えてもらわなければならん問題でもあるし、それから又今日の憲法で、自治体は完全自治体で、余りああせいこうせいという仕事の指図を我我としてはできかねるものでありますから、この現実の事態に対応して、一体どうやつたら定められた国の法規の執行が円滑に行くかということに関しましては、甚だ恐縮でありますが、私卒直に申して非常に困つておるのです。どうか一つこの点に関しましては、一つの問題たけを取上げますと、うまく行かんことばかりで、腹の立つことだと思います。総体的な関連のございますことでありますので、この点についても、例えば全部は完全に実施できなければ、こういつたような方法がなかろうかといつたふうな、具体的に何とかやつて効果を挙げる方法というものを、私ども検討いたしております。どうか皆さんにおかれましても、そういう意味でお智慧のあるところを一つなおなお御教示願えれば誠に幸いだと思います。

梅津錦一日本社会党

○委員長(梅津錦一君) 大臣のほうは十分ぐらい時間を延長してもよろしいということですから……。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 いろいろ大臣のお話で御尤もな点も多々あるのでございますが、私ここで強く大臣に要望しておきたいところがあります。要望いたしまして私の質問を終りたいのでございますが、戦争前は、従来古い日本におきましては、とかく教育とそれから福祉問題、厚生行政が軽んぜられて参りました。ところが占領下におきまして、強い指示等もございまして、漸く厚生問題がややほかの行政に追付こうとして来たのが今の段階だと思うのです。ところが講和を前にいたしまして、この頃の動きを見ておりますと、又再び昔の政治に逆転するような空気が多々見えるのでございます。私はほかの面でも実際やらなければならん仕事もたくさんございますけれども、これらは十分取上げてやつて行くのは、大人の人々の問題が多いのでございますけれども、何分にも子供の問題、病人の問題は騒ぎがないから後廻しになる。そこで大臣が今言われましたように、児童福祉司の問題は、平衡交付金の紐を付ける付けないの問題ではないと思う。無論そうでしよう、根本的に行けば私が全国を廻りましても、或いはあなたの部下にしましても、是非とも平衡交付金に紐を付けて、児童を是非守つで行きたいという熱望は強いのであります。それから子供は申すまでもなく、次の時代を担つてもらう私たちの宝でございますが、ほかの事業は待つということはできるけれども、子供は三年も五年も同じ年齢にいないのです。そんな子供を守つて参りますことは、私はどうしてもなおざりにはできない。さて日本は立派に再建したけれども、中身が腐つていた、中身が不在んでいたというようなことになりますと将来の日本の現実は憂うべきものでありますので、子供の問題、結核の問題は特に私は大臣に強い強い決意を以て声なき人の代表として、私はあなたの御手腕を強くお願い申上げまして、私は一人質問をしてもいけませんので、私の質問は終りたいと思います。

井上なつゑ緑風会

○井上なつゑ君 先ほどから藤原委員、松原委員から御質問申上げましたので、私今大して申上げることはないのでございます。ちよつと大臣に念を押しておきたいのでありますが、これは先ほども藤原委員も言われましたように、終戦後病人の問題、特に病人を看護いたします看護の面におきまして非常に進歩いたしましたと申しましようか、拡大いたしましたものでございますから、この頃皆看護婦、助産婦、保健婦の間で、この講和條約が済めば又元の通りに戻るのではないかという不安があるのです。殊にいろんな噂によりますと、厚生省の看護課初め各都道府県の看護課、看護係付は廃止になるのではないかという声が出ておるのでありますが、厚生大臣におかれましては、その方面のお考えはどのようなものでありますか。そういうことがおありではないのか、ちよつと伺つておきたいと思います。

橋本龍伍自由党厚生大臣・行政管理庁長官

○国務大臣(橋本龍伍君) 機構の問題につきましては、これは総体的に検討いたして見たいと思います。仕事の内容といたしましては私前に申上げました通り、厚生行政というものは今後ますます充実する必要はありましても、日本がアメリカの庇護から離れて独立をして凌いで行く上からは、ますます今後必要なんだということを私は考えております。今日まででも少くとも最近両三年の状況を、私も党内におりまして予算の編成等に触れておりまするときに、厚生行政というような面は、決して弱い力では私はなかつたと思つております。ただ力の現われ方が違つておりまして、農業でありまするとか、或いは又そのほかの面でありますると、非常に、まあ何といいますか、農業協同組合とか、いろいろな利益団体みたいなものが非常に力強いものがある。つまり代議士の選挙でいえばつまり基礎票的勢力を持つておる。ところがこの厚生行政のような面はそういつたような特殊の利益団体といつたようなもので、自分たちがやるというようなものは少うございますから、一種の散票的な部面はあると思いまするけれども、併し我々の選挙からいつても基礎票より散票のほうが大きいので、そういう面は国政の面でも非常に力強く反映をいたしまして、予算の折衝等の上でも力の程度が違いますけれども、私は厚生行政というものは非常に継子になつていたとか弱かつたとは決して思つておりません。教育についても同じことであります。どうしてもただこの問題は結核の患者がみずから政治運動をやるといつたようなことができないのが、或いは農業とか工業とかいうものとの違いであります。どうか一つ私どもも心掛けて参りまするけれども、皆様がたにおかれましても政治的なウエイトのバランスがとれますように、いろいろの面で御支持、御盡力をお願いいたしたいと思つております。

谷口弥三郎国民民主党

○谷口弥三郎君 私から一つ二つお伺いしておきます。先ず来年度の予算におきまして、癩に対する関係がどういうようなふうな面に出ておりましようか。最近癩の問題はだんだん先が見えで来たような気持もいたしますけれども、なお日本にはかなりのまだ地方にも癩患者がおりますし、従つてこれを収容する上におきましても、或いは癩を研究するということがどこでも、世界各国にもできておらんような関係でありまするが、特に日本におきましては癩患者がほかの部面と違つて非常はたくさんあるのでありまして、是非この際癩の研究を国家が十分にやらせる、言い換えれば、結核の国立の療養所などはすでに数カ所できておりますが、癩に関する国立の療養所などは、全然一カ所もないという状況でありますから、これを国が国立の研究所でもこしらえて、本気になつてこれを研究すればかなりの成果を挙げることができはせんだろうか。従つて参議院におきましては、癩に関する委員会もできますし、又第十国会の終り頃には貞明皇后様の記念事業として、是非一つ癩に関するいろいろの施策をやつて頂こうというようなことを言つておるのですが、大臣におかれましてはこの癩に対してどういうふうな御見解を持つておられますか、一つお伺いできましたら仕合せでございます。

橋本龍伍自由党厚生大臣・行政管理庁長官

○国務大臣(橋本龍伍君) 発言の機会を与えて頂きましたことを私非常に喜ばしいと思つております。実はもう少したちましたら御報告申上げたいと実は思つておつたのであります。先ほど来年度予算の上でのいろいろの主要眼目ということつについておのずから金額的な大きさを主体にして一、三のことをお話を申上げましたけれども、この癩の問題はそう何も何千億、何百億という話ではございませんが、私は来年度の予算において、気持の上においては極めて重点を置いて構えて、二十七年度の施策で根本解決を図り得るところまでやりたいと思つております。只今国立の療養所がないというお話がありましたが……。

谷口弥三郎国民民主党

○谷口弥三郎君 研究所でございます。

橋本龍伍自由党厚生大臣・行政管理庁長官

○国務大臣(橋本龍伍君) 研究所でございますか、研究所も療養所に附設されたのがありますが、これも御承知の通りに、癩の問題も初めの頃には、私立の癩療養院というようなところがむしろ問題の先鞭を付け、それから府県の公営の療養所等がずつとございましたけれども、昭和六年でございましたか、貞明皇后様が救癩の思召しを持たれて御下賜金があつて、癩予防協会ができました。そのとき以来政府は本格的に考えまして、どうしても本式にやるには国立の療養所でなければ駄目だということで、今日では癩のベットが一万一千ばかりございまするが、その殆んど大部分が国立の療養所になつております。私立の療養所は三カ所でございますが、たしか数百ベットであつたと思います。今後におきましても療養所の充実も一層図りまするし、又そのほかのいろいろの施策をいたしたいと思つております。今日登録された患者の未収容の者は約二千あると言われております。それから未登録で、従つて未収容の者は、これは見方によりますが、まあ二、三千あるのじやないか。或いはもう少し多いと見る人もありますけれども、これを何とかして収容して問題の解決を図りたいと思つております。ただ今日のところでは収容することが相当むずかしい状態にある。普通収容のできるような者は大体収容し終りまして、今日ではやはり家族に対する気持あたりからして、頑強に収容を拒否して、まあ行くと必ず逃げてしまうといつたようなものがある。或いは又老人、子供を抱えておつて田舎で百姓をしておる。自分がいなくなると困るからということで、病気でありながらやつておる。そういう者はなかなか病院に入らないといつたようなものが残つておるわけであります。従つて病院とベットを作るほかに、そういう人たちが生活の上でも安んじて収容されるし、又気持の上でも村人に嫌われておるよりは病院に行つたほうがよいのだというような、本当に安らかな気持で行き得るような、本当の救癩事業、例えば残つた老人の保護だとか或いはいなくなつた後の農地を誰が耕すかというようなこと、誰が手伝うかなどということも必要なんであります。今回貞明皇后様が亡くなられましてから御遺金の中に将来とも救癩事業に使いたいとの思召しのお金は御自分がお使いにならないで、特別な資金として貯えてお置きになつたそうであります。それが天皇陛下及び三直宮様が御相続されたのでありますが、天皇陛下も全く自発的な思召しで、これは自分が相続するよりは、あれだけの気持があつたんだから救癩事業に、自分は使いたい。ほかの直宮様がたの意見も聞けというお話であつたそうでありまして、秩父宮、高松宮、三笠宮、三殿下の御意見を伺つたところが、全く天皇陛下の御意見に同意たと、是非そうしてくれというお言葉がございまして、これを癩予防協会がお受けをすることに相成りました。御承知の通り憲法第八條の規定によりまして、皇室から御下賜金がありまするについては、国会の承認等の手続きが要りますのですぐにはできませんけれども、秋の臨時国会を待つて措置されることになろうと思います。この折角の思召しを体して政府側としては、ベッドの増設であるとか、今お話のありました通り、或いは研究所の増設ということも非常に有効でありますればなお考えて参りたいと思います。政府として措置すべきものについては、二十七年度の予算で十分に考えます。それと同時に政府の措置と併行して今言つたような効果を挙げ得るための救癩事業を、貞明皇后様の御遺金を主にして一つの国民運動的なものによりまして今までのようにあえて金持が多額を出すというのでなくて、十円でも二十円でも集めたいという気持の人がおりまして、あつちこつちぼつぼつそういう動きが出ております。こういうものを結集いたしまして、癩予防協会で政府の施策と相待つて根本的に癩の問題を来年度は解決をいたしたいと考える次第であります。

谷口弥三郎国民民主党

○谷口弥三郎君 只今大臣からいろいろとお伺いしまして、よほど心強くいたしたのでありますが、実は今癩の療養所の中に研究室などもございまして、大分研究は進んでおりますけれども、従来の研究は単に癩療養所の職員とか或いは細菌学者、皮膚科の学者という程度であつたのですが、これを根本的に解決するのには、やはりそのほかの種々な学者も入れてやらなければなりませんので、どうしてもやはり国立の研究所を作るというふうなことが癩を完全に撲滅する上においては必要であろうと存じております。  それからそのほかに、実は最近、以前一時人口問題或いは優生問題に対してかなり御熱心な模様でありましたが、最近この方面が案外進んでおらんように思いまので、今度厚生省の機構の中あたりでも、人口局か或いは優生人口局というようなものか、或いは誤でも結構ですから、そういうものが入るようになれば、これは非常な今後の大きな問題だと思いますので、その点もお考えおき願いまして、今日はお忙がしいから、又次に御質問するとして、そういうこともお考えおき願いたいと存じます。

藤森眞治緑風会

○藤森眞治君 時間がありませんから、極く簡単に伺いますが、先ほどもちよつと大臣もお触れになりましたが、健康保険或いは国民健康保険の経済が非常に悪い、而も国民医療というものに非常に大きな影響を持つておるということは、大臣もよく御承知であります。而も社会保障制度審議会の勧告案が保険に対する医療費の国庫二割負担ということを勧告しておる。併しまだ勧告についても十分な施策が講ぜられておらないという状況であります。而も一方には保険経済はますます窮乏に瀕しておる。こういう際におきまして、勧告案に示されておりまする医療費の二割国庫負担ということにつきましては、大臣はどういうふうにお考えになつておりまするか。なお健康保険に対する今後の大臣の御所信を一つ承わりたいと思います。

橋本龍伍自由党厚生大臣・行政管理庁長官

○国務大臣(橋本龍伍君) 只今のお話でありますが、国民健康保険の医療費の国庫負担という関係は、私は財政が許す場合にはできるだけ早くこれを実現をいたしたいと思つております。ただ二十七年度の予算につきましては、何と言いましても遺族、傷痍軍人問題がこれは相当莫大な経費として計上されざるを得ないだろうと思いまするし、総体的な問題については、いつどの程度にやつて行くか、もつと研究さして頂きたいと思いまするし、なお政府総体の問題としては、ほかの行政の面でどういうようなものが、あるかということも、総体的にからみ合せて見なければならないと思つております。国民健康保険、健康保険の問題に関しましては、ますます今後充実を図つて行く必要があるということは、私十分考えておるのであります。ただ私一つ自分が従前から問題として考えておるところでありまして、何かお考えがありましたらいずれの折かに御教示を願いたいと思つておりますのは、終戦後生活保護費が年々非常に急膨脹をいたしまして、而もその膨脹している内容がだんだんに変更しつつある。変更しつつあると申しまするのは、医療扶助が非常に殖えつつある。今日多分総体の生活保護費の中で生活扶助が六割で医療扶助が四割ぐらいになつておるのじやないかと思いますが、府県によりますと、医療扶助が半分を超えつあるような状態あります。これはどうも何かしら国民健康保険とからみ合せて、生活保護法の医療扶助という分がぐんぐん増大して行つて、そうしてそれは一種の義務的な経費として国が必要なものだけ出す、抹県も出して行く、国民健康保険のほうはますます保険経済は苦しいというのは、どこかしらなおその間に研究を要する問題があるのじやないかということを昨年あたりから私自身問題として感じておりまするが、どうしていいのか自分としても結論を持つておりません。事務当局にも研究をしてもらいたいと思つておりますが、委員会におきましても、何か御見解のありまする折にはお教えを願いたいと思います。

梅津錦一日本社会党

○委員長(梅津錦一君) 大臣は只今お帰りになりましたけれども、局長さんが大分おみえになつておりまするので、大体大臣の御見解はおわりだと思いますので、なお続行いたします。  お諮りいたします。予算関係のほうの政府委員が来ておられませんので、残念でありますが、そうした重要な予算問題を審議することができないわけですが、幸い公衆衛生局長、保険局長、これは庶務課長さんが代理に来られております。それから児童局長、社会局長、国立公園部長、医務局長、薬務局長が見えております。丁度先般来三班に分かれまして御視察を頂いたわけですか、地方の実情をこの際局長、部長さんにお聞き頂いてその後に質疑応答に入りたいと思いますが、そういう関係から調査の報告を頂ければ結構だと思いますが、如何でございましようか、変更ですが、お諮りいたします。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

梅津錦一日本社会党

○委員長(梅津錦一君) それでは一班は報告いたされるかたは松原さん、二班が中山さん、三班が石原さん、いずれのかたでも結構ですが、それでは一班からお願いいたします。

松原一彦第一クラブ

○松原一彦君 先般の地方視察第一班の御報告を申上げます。  第一班は藤原委員と私、専門員室から長谷川、早船の両君、厚生省からは木屋事務官が同行され、一行五名で去る六月八日から九日間の日程で熊本、鹿児島、岡崎の二県下における厚生行政の実情を見て参りました。特に熊本鹿児島両県下の視察には谷口委員も参加されました。  先ず態本県の状況から御報告申上げます。態本県では最初に県庁を訪問いたしまして、民生部長外関係課長から、県政一般並びに厚生行政の大要につきまして説明を聽取いたしたのであります。その概略を申上げますと、次の通りであります。  (一) 生活保護法の実施状況  被保護者は昨年三月頃から漸増の傾向を辿り、本年四月末現在で約一万五千三百世帯(県下全世帯の四・三%)被保護へ員約四万三千八百名(全人口の二・四%)、金額にして約三億円支出いたしております。保護施設といたしましては、公私立合せて養老施設一〇、更生施設二、医療保護施設四となつております。  (二) 児童福祉法の実施状況について  児童相談所は県下にニカ所(熊本市、八代市)ありまして、本年四月中の取扱件数は二九四件で、その取扱種別は乳幼児の養育問題、環境不良児の問題等で毎月増加の傾向を示しているようであります。児童福祉施設としては乳児院六、母子寮三、保育所五三、養護施設一六、教護院一、助産施設一でありまして、これらの収容定員合計五千五百六名に対し、現在収容実員五千七百二十五名という実情で、更にこれらの施設を拡充する必要があると思われます。県下に配置されている児童福祉司の数は七名で、約一千九百名の児童委員がこれに協力しています。  (三) 未亡人の援護施策状況について  本県における有子未亡人の数は約三万八千五百で、そのうち、生活保護法の適用を受けている者が約五千人、その他にも母子寮による保護を必要とする者が相当数あります。母子寮は現在三カ所で、近く四カ所を新設することになつていますが、これでもなお不遇な母子たちを保護するには不十分のようであります。なお不遇母子に対しては婦人相談所を設置して諸般の相談に応ずるほか、生業用器具を無償で貸与して極力その生活を援護いたしております。  (四) 援護住宅の概況について戦災により住宅を焼失した者約四万性帯(十七万人)、外地からの引揚者約十四万世帯(三十三万人)で、そのうち住宅無縁故者が約二万世帯(九万七千人)ありましたが、諸施設の転用又は新築等により、これらを収容しているが、今なお防空壕、橋下等で悲惨な生活を続けている者が約二千四百世帯(九千五百人)もあるので、県においてはこれらの人々を救済するため二十六年度において五百戸を建設する計画を樹てております。  (五) 身体障害者の保護更生に関する   状況  本県下における身体障害者の数は、本年六月一日現在で一万三千九百六十二名で身体障害者手帳交付数二千三百八名、補装具等交付数七百九十名となつています。なお身体障害者に対する援護策としては、更生授産施設の設置及び更生相談所の開設等を計画中であります。  (六) 国民健康保険の状況について管内市町村の約五割(百五十カ町村)が事業継続中で、うち十カ町村は模範経営をしている。なかんずく八代郡八千把村では診療費の五割の一部負担をさせ保険料は徴収していないそうであります。保険料の実収状況は一世帯当り最高二千六百九十円最低四万二十円、平均千百三十四円となつています。要するに被保険者は国保の必要性をよく認識しているので、診療費の二割が或いは結核診療費の全額を国庫で補助すれば、国保の経営は可能とのことでありました。  (七) 衛生行政の概要について  先般制定公布された結核予防に基いて六月来日までに完了の目標を以て目下健康診断を実施中であるが、同法実施に伴い県の負担すべき結核予防策費については、県財政の逼迫により末だ予措置がつかないようであります。本県下に於ける病院数は公私立合計七十四(六千三百八十一床)で診療所数は三百九十、(一千六床)であります。結核患者数は約二万八千人、病床数一千八百五十、待期患者二百乃至四百名で二十六年度においては五百床の増床を計画しています。  癩患者の数は次の通りとなつていま  す。   菊池恵楓園入所者       二百七十一名   待労院入所者         六十五名   県外療養所入所者         七十一名   在宅患者       二百七十九名   推定数    二百名   計八百八十六名  在宅患者に対しては、癩に対する認識と社会への協力及び療養生活への希望等を指導し、積極的入所を勧奨しております。次に実地に視察いたしました施設の概要について申上げます。  (一) 国立療養所菊池恵楓園  本園は癩の療養施設でありまして所在地は態本県菊池郡合志村で、敷地総面積二十一万坪、建坪一万一千坪(二百三十三棟)患者収容定員二千百名(現在収容実員一千二百十八名)という堂堂たる施設で園長は医博宮崎松記氏であります。今回一億一千万円の国費を投じて一千床増築工事を行い、去る六月十日にその落成式が行われましたので、我々一行もこれに参列いたしました。式典は園内の公会堂に入所者一同を参集せしめ、多数来賓列席の下に取進められ、国内はもとより国外からも祝辞祝電が寄せられ、我々一行を代表して谷口委員からも祝辞を述べて頂きました。入所者代表の感謝の辞、音楽隊の奏楽、落成祝賀短歌俳句の朗読等があり、実に感銘深い式典でありました。新築建物はモダンな夫婦寮、独身寮、少年、少女寮等四棟(四千三百十五坪)と鉄筋コンクリート二階建約五百坪の本館、七十五尺の「希望の塔」その他中央炊事場、食事配給所、診療所、重症患者病棟等で旧病棟と合せて延建坪一万一千坪で、日本一の大療養所となつたのであります。園内には立派な礼拜堂もあり、入園者の教養と文化、慰安と娯楽のためには特に意を用いており、又軽患者には各種の作業を行わせて適当な運動と経済的自立を図らせています。要するに本園は設備が広大完備せるばかりでなく、園内もよく整頓され、何となく明るい印象を受けた次第であります。  (二) 国立療養所再春荘(結核療養所)  この療養所は恵楓園の隣にありまして、昭和十九年に工事完成、開所したもので、敷地八万余坪、建物百五十三棟(建坪五千余坪)、病床数七百三十という大きな療養所でありますが、何分にも建築が粗雑で、屋根は損壊し、雨天の際は病室に雨漏りがするので、患者を転々と移動させるという始末で、緊急に修理を要する箇所が多々あるように思われました。医師は定員二十二名に対し、現員十六名で六名の欠員となつていますが、うち四名は目下任官方内申中のそうであります。待遇が比較的悪い点、結核感染の危険が多い点等のため優秀な医師を補充することは困難であるとのことでありました。看護婦は定員百三十二名に対し現員百四名で二十八名の不足であるが、これは結核療養所に就業希望者の少いこと、雑役婦の定員がないため看護婦定員の予算でこれを賄つているのに起因するそうであります。要すに恵楓園に比較いたしまして、諾設備が不完全で何となく暗い感じがいたしました。  (三) 財団法人慈愛園  本園は日本福音ルーアル教会の経営する社会福祉施設で、大正八年に事業を開始し、熊本県内に数カ所、別府市内に一カ所の分院を持つています。理事長が小坂常次郎氏(盲人)園長モードパウラス女史、職員七〇名、経費年額約一千六百万円、共同募金から八十五万円の配分を受けています。事業種別は乳児、養護、保育、母子、養老等で保護人員は児童二百八名、老人四十五名、婦人六名、園児二百六十六名であります。現在本園から小学校へ四十八名、中学、高等学校へ五十名通学させています。本園の出身者中二十三名は社会事業に従事しており、一名は最近の医師国家試験に一番でパスしたそうであります。本園の特質は、設備がよく清潔であること、及び養護については各戸ごとに保母に責任を負わせ、一カ月分の経費を前渡して家庭的に且つ自治的に行わせていること等であります。 (四) 援護住宅「建軍八寮」  本寮は戦時中三菱の工員寮でありましたが、現在は国有財産となり、態本県が之を借り受けて援護住宅に供用しているのであります。態本市建軍町にありまして、敷地四千十五坪、建物は木造二階建で総建坪一千六百八十坪(一戸当八坪)、百七十九世帯(七百五十二名)が居住しています。建物はお粗末で設備も悪く廊下で炊事をしている実情であります。現在月六十円の家賃をとつております。県が有償で払下を受けることになつていますが、県財政逼迫のため買収困難のようであります。  (五) 待労院  本院はカトリツク経営の癩療養所で、この外養護施設、幼稚園等も経営しています。院長はオランダ人で三十貫ぐらいもあらうかと思われる大型な御婦人で、二十七年間も勤続しているそうであります。癩患者収容定員百二十名のところ現在百名収容しています。患者の中には三十年間もここで過している者があるさうで、死亡者も相当数あるが、皆信仰の力により死を恐れず、新らしく幸福に生れ変るものだと堅く信じて喜んで死んで行くそうであります。待労院という名称はキリストの「労苦して重荷を負える者よ、我に来れ、我汝等を恢復せしめん」という言葉から来でいるさうでありまて。本院は全体として設備がよく清潔に保たれていますが、敷地が比軽的狭小なので之が拡張に苦慮しているようであります。  次に態本県の要望事項を御報告申上げます。    熊本県要望事項  (一) 県当局の要望事項   (一) 社会福祉事業法により設置すべき福祉事務所の予算的裏付を講じてもらいたい。(然らざれば法の実施を延期するか又は法を改正してもらいたい)   (二) 児童福祉法による措置費を平衡交付金から外して特別補助金制度に切り換えてもらいたい。   (三) 国民健康保険の給付費に対し二割の国庫負担をなすと共に事業費に対して長期融資の方途を講じてもらいたい。  (二) 国立療養所再春荘の要望事項   (一) 結核療養所に対しても医療法に規定された患者四名に対する看護婦一名の定員を適用すると共に寮棟婦の定員配置を希望する。   (二)患者給食費一日六十八円を八十円に増額せられたい。   (三) 左の通り改修工事を必要とするのでこれに要する予算配付方を切望する。    (イ) 各病棟屋根修理工事    (ロ) 排水施設整備工事    (ハ) 野菜の消毎所設置工事    (ニ)ランカシヤ、ボイラー一基取付工事    (ホ) レントゲン室電気設備事    (ヘ) 喀痰消毒所移築改造工事      所要経費一千三十八万五千円鹿児島県の状況  (一) 生活保護法の実施状況について  昭和二十六年四月末現在の被保護世帯一万七千二百四十世帯、保護人員五万二千百四十人で逐次増加の傾向にあり、保護費支出額は四月分だけで約三千二百万円であります。本県の全世帯及び人口に対する被保護者率は世帯に於て五・二%、人口に於て二・九%となつています。保護施設は、養老施設二、救護施設一、授産施設三、宿所提供施設一、計六でありますが、本年度において養老施設三を新設することになつております。  (二) 引揚者の住宅対策について  本県は海外よりの引揚者が約三十四万人もあり、その住宅には特に窮迫しつていたが、終戦以来国庫補助を受け、元軍用建物や団体施設等の一部を借受け、応急的に修理改造して引揚者を収容すると共に、二十四、五両年度に新築住宅を建設して極力住宅の緩和に努めているが、今なお住宅に困窮している引揚者が約八千世帯もあるので、二十六年度においては一千世帯分の住宅を建設する計画を立てています。  (三) 更生資金の貸付状況について  更生資金制度創設以来二十五年度までに本県に交付された金額は一億一千余万円で、これが貸付件数三千七百件、借受者の大部分は引揚者で、その更生に役立つてはいるが、割当額が少いため僅かに申込額の三割程度しか貸付できないそうである。なお回収率は一五・六%で甚だ成績が悪く、殊に最初に貸付けた者の中には全然返還意思のない者もいる由で、県当局としてはこれが回収について相当苦慮しているようであります。  (四) 授産事業について  要援護者を対象とする授産施設は、現在市立ニカ所、町村立六カ所、鉄道弘済会経営一カ所計九カ所ありまして、竹細工、藁工品、木工品、パナマ帽、和傘等の製作及び洋裁等をやらせているが、現在の経済状勢下においてはいずれも経営が困難のようであります。  (五) 児童福祉及び母子福祉対策につ    いて  本県における児童数は七十七万人で、そのうち要保護児童数が九千五百人となつています。これらは施設収容、里親委託、児童福祉司の指導等により適当な施策を講じています。児童福祉施設としては、教護院一養護施設九、保育所五十四、母子寮七、乳児預り所三、盲ろうあ児童施設一計七十五あります。その他一般児童に対しても二十六年度は青少年対策費三十八万円を計上して不良化防止に努めております。なお母子援護資金として、三十五年度八百万円、二十六年度一千万円の県費を計上して有子未亡人、留守家族等母子世帯に対し生業資金技能修得資金、育英資金等の貸出をなし、法外援護の手を差延べています。  (六) 国民健康保険事業の概況につい    て  本県における市町村数は百二十二で、国保を行なつている市町村は二市、三十七町村、被保険者数約三十八万人で県人口の約二二%に相当していまつて。二十五年度保険料調定済額約八千二百万円に対し納入済額が約四千三百万円(調定済額の五三%)で成績不振の状況であります。従つて医療費の本年三月末における未払額約一千三百万円もありまして経営困難な実情であります。  (七) 衛生関係について  二十五年度におきましては、保健所の整備拡充を図ると共に、衛生モデル村を指定して衛生実態調査並びに衛生思想の普及、妊娠調節指導の強化を図り、その他レントゲン自動車を購入して、集団検診、僻地住民への啓蒙宣伝を行い、結核撲滅に努力したようでありますが、本年度においては結核対策に最重点を置き、五カ年計画を建てこれが撲滅対策に万全を期しているそうであります。なお人口問題研究費として四十万円を計上し出水郡野田村及び肝属郡無水村のニカ村において同避妊法を実施する計画を立てています。次に本県における癩患者数は六百五十六名で、うち療養所へ入所者数四百三十一名、在宅患者二百二十五名となつていますが、二十六年度において約二百名を敬愛園と恵楓園へ入所せしめる計画を立てています。  次に見て廻りました施設の概要について申上げます。   (一) 国立療養所里塚敬愛園  本欄は癩の療養所でありまして、昭和九年十月に開所、敷地十万四千坪、建坪六千二百余坪(三百三十二棟)収容定員一千百二十五名(現在入所者数九百八十四名)で、園内には公会堂、礼拝堂、図書館等もあり、昨年百床増設した際夫婦舎も七戸できています。この夫婦希望者は随分多く、現在八十六組が待期しているそうであります。規模、設備その他唐楓園に比し見劣りがいたしますが、やはり明るい感じがいたしました。本園におきましては、本年二月頃諮問機関たる役員の改選に当りまして二派に分れて相抗争し、告訴沙汰まで起したのであります。而して一派の者は園長の措置が不公平だとして、今なお不満を抱いておりますので、我々は入所者一同及び職員を公会堂に参集せしめ、谷口、藤原両委員及び私からそれぞれ挨拶をいたし、参議院厚生委員会においては、特に癩に関する小委員会を設置して、癩の予防乃至治療に関し調査研究を進めていること、入所立一同は井蛙の見を以て互に相争うことをやめ、相協力し明るい希望を持つて療養生活に精進すべきこと等々を力説いたした次第であります。  (二) 仁風寮  本寮は鹿児島県同胞援護会の経営する養護施設でありまして、昭和二十年事業開敷地二千二百坪、建坪二百九十五坪、改容定員百名に対して現在百三十三各収容しています。昨年天皇陛下の行幸を仰いだ施設でありまして、寮長島田稔氏は元垂水高等学校長を勤めた人で、仁風療という名称は「人たるの風格満つる療」という意味で、徳育に重点をおいて養育しているそうであります。外人経営のこの種施設には劣りますが、設備も相当整備され経営も比較的順調のように認めました。  (三) 引揚者住宅「第一鶴峯療」  この療は鹿児島市清水町にありまして、木造二階建延建坪三百七十八坪、収容定員六十世帯(三百四十名)に対し、現在七十世帯(二百四十六名)収容しています。例により建物がお粗末で日当りが悪く何となく陰惨な感じがいたしました。  (四) 国立療養所霧島病院  この病院は霧島国立公園の入口にありまして、元海軍病院として昭和十九年二月に竣工したのでありますが、終戦に伴い厚生省に移管、二十二年国立療養所に転換されたもので、敷地面積四万二千余坪、建坪三千坪、病棟数六棟、五百床を有する総合病院でありまして、高等看護学院も附設されています。当院は環境がよく設備も一通りは整つていますが烹炊の改築と焼却炉の設置とは早急に実施する必要があると認めた次第であります。  次に鹿児島県の要望事項を申上げます。    鹿児島県要望事項  (一) 県当局の要望事項   (1) 児童福祉法による措置費を平衡交付金より特別補助金へ切換えられたいこと。   (2) 公益質屋設置に対する国庫補助の枠を拡げると共に、運転資金に充当する起債は市町村の単独起債として認可せられたい。   (3)霧島国立公園の施設を整備するに要する経費を国庫より助成せられると共に、鹿児島湾桜島以南、指宿、佐多、硫黄島及屋久島一帯の地域(九国会では陳情採択)を国立公園(仮称海洋公園)に指定せられんことを望む。  (二) 国立療養所霧島病院の要望事項   (2) 烹炊所改修工事(所要経費二百二十八万円)   (2) 庁舎(外来)外来(病舎)転換改修工事(所要経費百八十万円)   (3) 焼却炉新設工事(所要経費二十万円)   右については厚生省に対し工事予算配付方申請中に付早急に実施できるよう切望する。次に宮崎県の厚生行政の概要について申上げます。  本県における生活保護法実施状況を見ますと、本年四月において居宅保護を受ける者は一万八百六十八世帯、人員にして三万三千百七十一名で、金額にいたしますと、一千七百二十六万三千円(四月分)となつております。このうち生活扶助が一千一百七万一千円で、総額の約六四%を占めております。  児童福祉法の実施状況を見ますと、児童措置費が補助金制度から平衡交付金制度に移されたため、多大の支障を来たしておるようであり、更に又本年五月児童憲章が制定され、ますます使命が重くなつて来ておるにもかかわらず、実績は遅々として挙がらないが、一歩々々その実を挙げるべく努力いたしておるようであります。過去三カ年における措置児童の取扱数は、昭和二十三年度二百十七名、三十四年度三百八十五名、二十五年度五百三十六名となつており、これに要した費用は昭和二十三年度三百五十二万円、二十四年度七百七十九万円、二十五年度一千二百六十万円と毎年増加しておりますが、平衡交付金になつたため思うように支出ができないで、児童はだんだん痩せて行くと申しておりました。これら児童の内訳を見ますと、昭和二十五年度五百三十六名中児童福祉施設取扱が四百八十名、里親取扱が五十六名となつております。社会事業施設は生活保護法による保護施設は十二カ所、児童福祉法による児童福祉施設は三十三カ所であります。  次に母子福祉施策の状況を見ますと、本県には母子福祉相談員というものを設けており、母子世帯の福祉の増進を図ると共にその精神的支柱となつて活動いたしております。相談役は母子福祉について深き熱意を有し、且つ徳望のある婦人の中から知事が委嘱するものであり、現在十五名の相談員が活動しております。その職務といたしましては、社会福祉主事、児童福祉司、民生委員等と協力して常に母子世帯の生活及び環寿の状態をつまびらかにし、これに関する相談斡旋指導に当つております。これら知事の委嘱する指導員は郡部に限り、市にあつてはこれに準じて市長の責任において相談員を設置することになつているのであります。これら相談員には毎月三千円くらいずつ旅費として支給しております。  身体障害者の保護更生について申上げますと、身体障害者数は昨年十月の調査によると、三千三百四十一名となつており、現在までに身体障害者手帳を交付したものは一千八百二十三名であります。身体障害者更生指導所では、現在授産事業として時計科十名、ラヂオ科十名、洋裁科男女各十名、計四十名を一年間の期間を以て補導いたしております。又本県では山間僻地が多く、職業別に見ても農業、工業、漁業が多く、義肢補助器の酷使による破損が甚だしいので、昭和二十三年二月に全国に先がけ県営の義肢製作所を設置し、身体障害者福祉法が施行された今日なお継続して事業を行なつております。現在技師一名、技工二名がおり、この製作所の生産能力は毎月新調八本、修理八本となつておりますが、(現在義肢の製作、修理申請は新調三十二本、修理二十八本で)まだ十分な機能とは言えないと思います。  本県の結核死亡数は、昭和三十四年は一千八百十名であり、二十五年は一千五百五十四名と減少しておりますが、死亡率は二十五年一月から六月までの推計によると一四%で、全国最下位に位しており、衛生部においては今後集団検診による感染源の早期発見、これに対する早期治療、就学前における児童のBCG接種の実施によりその効果を挙げるべく努力を払つているのが窺われます。昨年十月にはレントゲン自動車を購入し、十一カ所の保健所管内の集団検診を殆んど完了しておる模様であります。結核病床数は国立、公立、私立併せて僅かに九百七十床で、二十六年度において二百二十床の増床計画がありますが、在宅患者が全患者の九四%を占めておる現状で、今後感染防止の上から十分考慮を払わねばならない点と思われます。なお厚生省の結核予防対策五カ年計画に即応して、本県においても七千八百六十三万円の予算を以て五カ年計画を進めております。  次に癩予防について申上げますと、県内には癩患者収容施設がなく、熊本の恵楓園及び鹿児島の敬愛園に患者を入所せしめておりますが、現在までに入所した数は二百六十五名ありますが、現在なお在宅患者は登録されているものだけで百六十四名あり、推計によれば五百名は県内にいるものと言われております。昭和二十五年度におきまして恵楓園並びに敬愛園に一千百床が増床されたので、本県の在宅患者も多少は収容できる見込でありますが、本問題は本県のみでなく全国的に考慮すべき点であろうと思います。  次に県内の医療施設を見ますと、国立療養所三カ所(うち一カ所は建設中)国立病院一カ所、県立病院三カ所、その他県立診療所、私立病院、一般診療所等合せて八百十三カ所、病床数にして三千二百七十二床であります。このうち県立の三病院は五カ年計画を以て増床、整備の準備を進めております。右のほかに本県には公的の精神病院が皆無で精神病監置者は四百名遍く発生しているので、精神衛生法の趣旨に副い、本年度において二百床の県立の精神病院を設立する予定であります。又産院も収容施設を有するものが一つもなく、これも又本年度三十床の産院を新設する計画もあります。  次に保健所について申上げますと、規株別に見てA級ニカ所、C級九カ所合計十一カ所で本県の人口百十万に対し数的には大体よいようであり、最低限度の建物の整備は完了していますが、今後は内容の充実に重点を置いております。なお各保健所とも保健婦の定員は大体確保しておるようであります。  次に社会保険の現状を見ますと、各種の保険料の収納状況を総合してみますと、昭和二十五年度は平均九三・四%の収納率を見ており、艦員保険の低調を除き他はどうにか運営しているようであります。国民健康保険の普及状況県は下六市七十三町村のうち、組合のできている所は三市四十九町村で、このうち十七町村が休止しておりますので、実施中のものは三市三十二町でこのほか組合経営のものが一カ所実施中であります。国民健康保険の保険料の収納率を見ますと、平均五一・八%であり、又受診率は七で全国平均と同じくらいであります。負担割は殆んど全部が五割で、これは県の方針のようであります。  国立公園としては霧島国立公園があり、その面積の約五分の三は宮崎県側にありますが、昭和九年指定以来、施設としては、僅かな県道と指導標の設置程度で、戦時中これらの開発も一時中止状態であつたため、本公園の特異性のあるものの開発利用は国庫の積極的援助なくしては不可能であるとのことでありました。  次に宮崎県におきましては、国立赤江療養所(目下建設中)、県立授産場、宮崎市立民生館、宮崎保健所、県立病院、カリタスの園(養老、養護、幼稚園、学校等経営)等の諸施設のほか、日南国定公園候補地を実地視察いたしたのでありますが、そのうち二、三について簡単に御報告申上げます。  (一) 宮崎県営授産場この授産場は宮崎市下水流町にありまして、昭和二十四年に事業を開始し、敷地九百五十坪、建坪三百五十坪で、場内にはハム工場、罐詰工場、澱粉工場、揚豆腐工場、製麺工場、搾油工場等があつて、相当優秀な施設であります。職員は所長以下八名で、熟練専門職工十名を置き、未亡人四十五名を収容してその生活更生を指導育成しております。  (二) 宮崎市民生館  この民生館は宮崎市谷川町にありまして、館内には養護部、母子寮及び保育園の三施設があります。養護部は収容定員二十八名に対し、現在三十一名収容しておりまして、その内訳は戦災児童四、引揚孤児四、一般孤児五、環境不遇児十八となつておりますが、館長演出ステ女史が中心となり、母性愛による家庭的養育補導に努めています。母子寮は収容定員十五世帯のところ、現在十四世帯収容しておりまして、その内訳は戦災母子二、遺族母子八、引揚母子二、その他二となつています。保育園のほうは、収容定員五十名に対し、現在七十四名収容しております。保育費の負担状況は三百円負担四名、二百円三名、百五十円四名、百円二十三名、五〇円十二名、全額免除二十八名となつております。以上三施設とも設備は不備の点が多いのでありますが、館長以下職員一同は感心誠意職務に精進しているのを認めた次第であります。  (三) 日南国定公園候補地について  宮崎県は御承知の通り災害の多い県でありまして、これが復旧費の一部に当てるため、観光収入の増収を企図し、日南沿岸一帯の地域を国定公園として指定を受ける計画を立て、目下厚生省べ申請中でありますが、該地域は海と山とが交錯して奇岩、怪石の岩礁と曲浦とを連ね、頗る景勝に富み、特に青島にはビンロウ樹、ナツメ椰子、蘇鉄、芭蕉その他の熱帯植物が繁茂して、南国情景豊かなものがあり、国定公園として適当な地域と温めた次第であります。    宮崎県要望事項  (一) 社会福祉事業法実施に伴う財政的措置を国において講ぜられたい。  (二) 児童措置費を平衡交付金より外して特別補助金とせられたい。  (三) 保健所職員を拡充する必要があるので、これに対する国庫補助金を増額すると共に保健所医師の待遇改善を図られたい。  (四) 宮崎県は災害多くこれが復旧費に充当するため観光収入の増加を図らねばならぬ、従つて日南沿岸地域を国定公園に指定せられたい。  (五) 医療法の病院基準の二十床を十床に切り下げるか又は法実施を延期してもらいたい。  (六) 公的医療機関に対する国庫補助をしてもらいたい。  以上を以て御報告を終わます。

梅津錦一日本社会党

○委員長(梅津錦一君) ちよつとお諮りいたしますが、先ほど申上げましたように、会計課長さんは今予算折衝で来られない。併しながら各所管局長さんがおられますので、所管の局に対する予算問題の概要はおわかりになるということでありますので、報告が終りましたら各関係局の予算について御説明願いたいと、こう思うのですが、如何ですか、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

梅津錦一日本社会党

○委員長(梅津錦一君) それでは第二班を一つお願いいたします。中山さん。

中山壽彦自由党

○中山壽彦君 私どもの一行は有馬委員、藤森委員、堂森委員と私の四名でありました。草間専門員、渡邊委員部第二課長を帯同して、今月の八日から十四日まで一週間、岩手「青森、秋田の三県へ派遣せられ、厚生行政の現状を実地について調査いたしたのであります。以下その模様を民生及び衛生関係に分けて簡単に御報告申上げます。  先ず民生関係につきましては、一、生活保護法関係、三県ともに当局の努力によりまして、円滑に行われ、予算的にも支障は見受けられませんでした。昭和二十六年四月現在、岩手県では被保護世帯数一万一千九百七十、同県総世帯数の五%、被保護人員五万九千八百六人、同県総人口の二・九%、保護費平均月額四百四十六円、青森県では被保護世帯数九千三百二十八、同県総世帯数の四・二三%、被保護人員三万二千七百五十四人、同県総人口の二・五八%、保護費平均月額六百八十四円、秋田県では被保護世帯数一万三千百八十八、同県総世帯数の五・八%、被保護人員四万七千七百四十一人、同県総人口の三・六%、保護費平均月額七百十三円を示しております。朝鮮動乱後の物価騰貴等による経済状況の変動に伴い、保護を要するものが漸次増加しつつあることが三県共通の現象でありました。  二、身体障害者福祉法関係、本院の発議にかかるこの法律は、施行後一カ年を経過したのでありますが、身体障害者にとつて一大福音として歓迎され、地味ながらも着実な成果を挙げつつありますことを見聞し得ましたことは、その立案に参画した一人として大なる喜びでありました。岩手県では、身体障害者推定数五千名に対し、身体障害者手帳交付者千五百九十二名、青森県では四千名に対し二千六十八名、秋田県では五千百四十八名に対し、千七百四名でありまして、関係当局は同法律の趣旨の徹底を図ると共に、各種の援護の手を差延べ、歩一歩目的の達成に堅実な努力を続けていることが看取されたのであります。なお青森県におさましては、  1、身体障害者のうち、国有鉄道運賃割引該当者の範囲が狭いので、これを拡大されたいこと、鉄道のみに限らず、国営バスにも適用してもらいたいこと、付添のない者には割引を行わないという鉄道告示第二十号の制限を緩和されたいこと。  2、満十八才未満の身体不自由児に対ても同法の適用を受けるようにすること。  3、補装具装着に付随して生ずる治療その他の費用を措置費として支出できるようにすること等の要望があり、本委員会としても研究すべき点と考えます。  三、児童福祉法関係、同法の精神が逐次実を結びつつある状況を見まして意を強くした次第であります。ただ児童福祉に関する措置費を平衡交付金の中へ入れないで、生活保護法と同様、補助金制度にしてもらいたいというのが三県異口同音の要望でありました。民間の児童福祉施設の中には、市町村と同様に施設費の補助をして欲しいとの声もありました。今度の視察中特に興味深く眺めましたのは、秋田県立児童会館であります。同館は、次代を担う児童健康と文化の向上を図り、その福祉を増進するための各種の事業に使用されることを目的とするものでありまして、昨年秋田市において開催された児童文化博覧会の残存建物を利用して作られたものであります。図書室、理科室、郷土室、特産室、工業参考室、地下資源量、芸能館等を有し、児童の利用に供すると共に、宿泊施設を備えて県下児童の終学旅行の便を図つております。このような児童厚生施設は、児童福祉の積極的な施設として少くとも各県に一カ所ぐらいは欲しいものであります。  四、社会保険関係、先ず健康保険について見ますと、三県を通じ、政府管掌健保の平均報酬月額が、全国平均七千二百円に比し遥かに低いことであります。即ち岩手県は五千四百円、青森県は六千七百二円、秋田県は五千七百八十七円で、これが保険経済赤字の一つの原因をなしており、各県共にこの是正に努力中であります。保険料の収納状況は調定額に対し、岩手県八七・六%、青森県八八・二%、秋田県九九・二%で、秋田県は全国第一位の収納率を示しております。本年度の保険経済の見通しとしては、関係当局の盡力によりまして大体収支とんとんぐらいに行ける見込であります。給付の内容の面で、岩手県においては県民の衛生思想が低いのと、その地理的環境とによつて重症となつてから初めて医療を受ける関係上入院患者が多いこと、全診療の八割が注射診療であること等が特異な現象として挙げることができます。  次に、国民健康保険につきましては、その普及状況、岩手県は市町村数二百二十五に対し保険者数二百六、青森県は市町村数百六十に対し保険者数九十二、秋田県は市町村数二百二十四に対し保険者数百四十五であります。受診率は、いずれも昭和二十五年末において岩手県六・八%、青森県西%、秋田県五・三%を示し、低位にあります。保険経済の点より見ますと、岩手県は保険料一世帯当り千八百円、被保険者一人当り三百円、保険料収納率六〇%、青森県は保険料一世帯当り千三十八円、被保険一人当り百七十円、保険料収納率六六%、秋田県は保険料一世帯当り千三百八十四円、被保険者一人当り二百三十円、保険料収納率五六・六%という状況であります。市町村当局も、これに対し市町村費を以て相当の補助をしているのでありますが、国保の保険経済はいずれも窮境にあります。前国会において地方税法の改正により国民健康保険税が創設さた、外観的には保険経済の確立が整備されたように見えますが、近時の市町村財政の窮迫のため、これだけでは到底不十分であり、真に保険経済を確立するためにはもつと前進した対策が要望されるのであります。殊に寒冷、積雪且つ単作地帯である三県におきましては、この要望が熾烈で療養給付費に対し、二割程度の国庫補助の切望しております。給付形態の面で特異な事例といたしましては、岩手県の一、二の町村の国保におきましては、その町村に在住する開業医の一人を指定して、一—三万円程度の定額請負診療を実施させ、被保険者には十割給付を行い、又岩手県立病院ともこのような契約を結んでいることであります。一方他の開業医にかかるときは五割給付なのであります。この点、県医師会に不満があり、公平な取扱を要望しております。併しこの現象も或る考え方に基くものではなく、赤字に苦しむ保険経済を打開するために止むを得ずとつた措置でありまして、他に波及する模様はありません。青森県においても十割給付を行なつている町村が二、三ありますが、これは無医村で直営診療所でやつている所なので、開業医とのトラブルはありませんでした。秋田県は全部五割給付であります。  次に岩手県の衛生状況について簡単に申します。結核予防事業として、東北地方は一般に近来まで結核の発生率の高い所が多く、岩手県においても昭和二十三年には結核死亡二千七百人で、人口比率が二一・三を示して相当高位にありましたが、漸次下降して昭和二十五年には人口比一七・二に減じ更に本年はその三分の二に減少の傾向を示し、全国でも顕著な成績を得ております。県当局も熱心にこれが予防に力を注いでおります。集団検診、BCG接種等相当広範囲に行われております。予防接種率も七〇%に及んでおります。本県の結核病床数はおよそ千四百床で、死亡数の六割に過ぎないため二十五年度五十床の増設を行いました。更に二十六年度には三百九十五床の新増設が予定され、なお二十七年度にも四百十床が増設される計画になりますから、これが完成すれば本県の結核予防事業は一段と著しい効果を期待することができると思います。寄生虫、トラコーマ等の疾病は農村又は僻陬の地に多いのでありますが、本県でも虫卵保有者七一%に達しております。サントニン、ヘキシール、レゾルシン等による治療を行なつて、万全の努力をいたしております。癩の予防については、本年度新患者三十七人を検診により発見、内十六人を収容、更に宮城県東北新生園に県費六十四万円を以て病棟一棟を建て十名収容の予定であります。性病については、真相の把握は困難でありますが、年々若干ずつ減少の傾向にあるようであります。保健所に併設の診療所を活用して、患者の発見治療に努力しつつあります。伝染病はいずれも著しい減少の傾向がありますが、赤痢は先年に比して約二倍半の増加を示しています。これが対策としては保菌者の検索、環境衛生、食品衛生指導等に努力しております。昨年中に発見した保菌者は百五十六人に達しました。保健所については拡充整備に努力しつつありまして、現在A級ニカ所、B級二カ所、C級十一カ所合計十五カ所あります。二十五年度において、整備したもの九カ所に達しており、保健町活動に機動性を持たせるため、払下げ自動車四台を購入して、盛岡、宮古、一関、水沢に配置してあります。本県の公衆衛生状態は逐次向上して来ておりますが、他府県に比してまだまだの観もあります。保健所もC級の大部分は内部充実を急務としてありますか、経済的に行き悩んでおるようであります。本県の施設として最も注目すべきものは、医療団所管診療施設と農業会所属の診療施設をそれぞれ県において買収して、県直営の医療機関として運営しておることであります。県においてはこの運営の円滑改善を図るため、昨年十一月岩手県医療局を新設いたしました。  現在その所管に属するものは病院二十五、診療所四十三、病床数千八百五であつて、県下の病院数の七六%、病床数の七八%を占めております。県では更に県立病院整備計画五カ年計画を立て、医療法完全実施に伴う既存施設の充実、医療機関網の達成、合理的運営体系の確立、県立病院の無医村策的機能の充実等を目標としております。本計画について、開業医側の意見としては、県において病院、診療所等の整備統合を行い、県直営で管理することは差支えないが、その運営に当つては、公平な医療機関として運営せられて、他の一般診療機関の運営を阻害しないようよく協調して、医療の普及向上に努められたいとの意見でありました。  次に青森県について申しますと、本県における結核は全国的に見て最も高く、北海道に次いでおり、二十三年二二・八%二十五年二〇・二であり、予防については岩手県同様懸命の努力を盡しております。癩については、在宅患者がなお七十六名を数えておりますが、近く松ケ丘保養園の百五十床増床完成の暁には、全部収容できるものと見込まれております。国立松ケ丘保養園は、青森市の郊外にあつて、現在患者六百名収容、阿部院長のもとによく運営されております。患者代表にも面会していろいろと要望するところを聞きましたが、一、燃料費の支給、燃料費が不足して医料費のほうに食い込むことが多いから一、寒冷地として特別に見られたい。二、道路不完全のため、冬期は患者が治療所まで通うのに困難しておるから、道路の改修を急速に行われたい。三、娯楽所が遠く離れていて行かれない、近い所に設けられたい。四、被服の点については寒い所であるから綿入れが必要である、未だ曾つてその支給がない。全員の要望であるから実現を期せられたい。五、現在重病床は七十床に過ぎない、更に二棟百五十床の増築を願いたい。六、本院は三回も火災の厄に会つたが、消防設備が不完全で困る。七、本院には医師が不足しているため治療が徹底されない、院長を入れて三人に過ぎない。殊に外科医がいないのは誠に遺憾である。肢部切断患者だけでも昨年十人もあつた。医師の充足を心配されたい等であります。  以上いずれも尤もの要望であるから、厚生当局も十分にその実現に努力されたいと思います。  なお本県トラコーマ、寄生虫の罹患率が極めて高く、徹底した方策の樹立を望んでやまない。本県の発疹チブスは殆んど風土病的に県の上北地方に蔓延しており、昨年十六人、本年もすでに四十人に達する患者の発生を見ております。一般に本県は、文化の程度も低く衛生思想のごときも極めて遅れておるので、この種の疾病予防には県当局も頗る苦心しております。予防接種についてはときたま不慮の死亡を見ることがある。この場合国家補償が必要と考えるから、この点検討すべきものと思う。  秋田県の衛生状況も岩手、青森と大略似ておりますので、詳細の説明を省略いたしますが、結核死亡も最近著しく良好に向つて来ております。一般に結核に対する関心が強まつて来ておるのと、保健所活動が目立つてよくなつて来たためと思われる。本県は、特に脳溢血による死亡が多いのと、妊婦の死亡、乳児死亡が高いのが注目される。殊に乳児死亡は未熟児に多く、この方面の指導強化が緊要であると思う。一般に県南地方が交通もよく、人口も密であつて、文化の程度も高く医療の施設も充実しておるが、県北地方は、山間僻地で衛生思想も行き渡つておらない所が少くない。保健所も以上の地理的状況を考慮すれば、人口三万に対し一カ所を必要とすると言つておりました。なお一行は十和田国立公園の視察をいたしましたが、県の案内により青森から八甲田連峰を左に見て奥入瀬渓流を上り、十和田湖に出て、子の口から遊覧船で夕景休屋観光ホテルに着き一泊、翌日秋田県の案内によつて湖畔を出て、毛馬内から大館に至るコースを通りました。道路は秋田県がよく手入れが行き届いていましたが、青森県側も目下各所で修理をいたしておりました。交通も省線バスが定期的に通い、宿泊施設も一応できておりますが、内容の整備等には更に一段の改善に努力を要するものと思う。利用者は青森県例十九万人、秋田県例二十一万人を越すとのことで、今後ますます多くなるものと思われます。公園の設備には案内板、腰掛、里程表等もだんだん増加して来ております。温泉も各所にありますから、これも大衆向きな設備を考えて行けばますます利用されることと思います。キャンプ、山小屋、スキー場等も漸爽整備されております。国立公園の整備は極めて重要であるが、その地域が広範囲に互り、又多数の人々の利用に資すべきこと等を考えても、多額の費用を要するのであるが、今後我が国の観光国としての設備を十分ならしめる上にも、国庫の支出もでき得る限り多くして、これが完成に万全の努力を払うべきであると考える。  以上で簡単ながら報告を終りますが、なお要望事項については、刷り物にしてお手許に配付いたしておきましたから御覧下さい。

梅津錦一日本社会党

○委員長(梅津錦一君) 第二班が終りました。次は第三班。

石原幹市郎自由党

○石原幹市郎君 第三班は私と井上両委員が多田専門員、斎藤参事、厚生省の徳永事務官を同行して七月十六日から七日間に亘り滋賀、鳥取、島根の三県を視察して来たのでありますが、各県とも詳細なる資料を準備して知事以下関係部課長から熱心な説明要望を聴取し、又各地の厚生関係の施設も県当局の便宜供与を得まして短時間に比較的多くの施設を調査することができ、大体において派遣せられました目的を達成することができたと存じておるのであります。時間の関係もございますので、地方の厚生行政において当面問題になつておりますこと、要望事項の主要なもの等についてその概要を御説明して報告に代えたいと存じます。   一、地方財政の窮乏  これは各県共通の問題でありますが、各県とも非常に財政が窮乏しておりますために、民生部、衛生部関係の予算が特別に圧縮されて関係者が事業を経営して行くのに非常に苦慮している実情でございます。殊に従来の補助金制度が廃されて平衡交付金制度が実施されましてからは、特にその傾向が強くなり、各県とも民生部、衛生部においてはこの制度に疑問を持ち従来の補助金制度に還ることを希望しておるのであります。例えば例の福祉事務所の問題にいたしましても、中央ではそれに必要な経費は平衡交付金の中に算入してあると言明し、又各県にそういう通牒を出しているのでありますが、県では現在の交付金では到底基準通りの人の増員もできないし、円滑な法の運用も期待できないと主張しておるのであります。島根県で開いたことでありますが、昭和二十六年度において各種の法令に基いて増額せねばならぬ職員の数が四百七十九人あり、そのうち三百三十人ほどが厚生省関係の職員であり、その他が農林省その他のものでありますが、その大部分は平衡交付金に入れられておるのでありまして行政整理を必要とする地方自治体の財政の実情から考えて、到底その増員はできないのでありまして、非常に無理なことであり、関係法令の今後の運営が心配せられ、県首脳部は苦慮いたしておるのであります。  二、福祉事務所設置の問題  只今の財政の問題と関連するのでありますが、本年三月公布された社会福祉事業法に基く福祉事務所の設置が地方財政の大きな負担、重圧になります関係上、当面の最大の問題として論議せられているのであります。即ち本制度の運用には各県とも多数の社会福祉主事を必要とし、而もその任用には一定の資格が要件となつております関係上、資格附与のため長期講習会が必要であり、又初度調弁費の増加、生活保護法の改正により県負担が一割から二割に増加されたこと等のため、地方財政の負担が非常に加重され、而もその設置に必要な経費は平衡交付金に含まれているのでありますが、地方財政委員会と大蔵省の間に単位費用の食い違いがあり、ために基準財政需要額に大きな誤差があり、法に示す基準の人員の確保が困難でありますので、各県ともこの経費を平衡交付金から外して紐付の補助金として地方へ交付されるように変更方を要望しているのであります。併し三県とも、この福祉事務所の制度そのものには賛成しているのでありまして、適当な財政措置が講ぜられ基準通りの人員が確保できるならば、福祉事務所のあることが望ましいと言つているのであります。滋賀県では次のようなことを言つておりました。現在二億円の生活保護費を出しているが、福祉事務所ができて専門の適当な人員が配置されるようになれば不正乱給等もなくなり、大体一億七千万円ぐらいに減ずることができる。その減額された経費を明白に補助金として府県に交付してもらえば社会福祉事業法を適正に運用して行く自信があるということを聞いたのであります。なお各県ともとにかく十月一日から実施せねばなりませんので、その心構えで準備しており、島根県のごときはすでに講習会を実施しておりまして、県の他の部課員も参加して配置転換に備えているような状況であります。  三、児童措置費につて  この問題についても前の問題と同様な論議が行われているのでありまして、平衡交付金から外して補助制度に還してもらいたいというのが各県の強い要望であります。  四、戦争犠牲者に対する特別保護   これも各県共通の問題でありますが、鳥取、島根の両県から要望されたのであります。殊に鳥取県においては、引揚促進同盟の代表の陳情がありましたが、次のごときことを要望されたのであります。1、留守家族、戦災者、引揚者の生活援護に特別措置を講じ、現在の抑留邦人の引揚につき国会として強く促進してもらいたい。  2、講和條約の草案の中に捕虜送還の條項を入れてもらいたい。  3、国立病院、療養所の入所者に対する国費支弁の期間が本年を以てその期限になるのであるが、その期間を更に延長してもらいたい。  4、引揚者住宅の建設について昭和二十四、二十五年度には鳥取県において百九十六戸、鳥取県において二百三十二戸を建設したが、本年度はこの建設が停止せられておる。二十六年度以降においても大量的に実施してもらいたい。  五、同和事業について  近畿及び山陰地方においては今なおこの問題を取上げござるを得ない実情にあるのでありまして、実際に生活保謹の適用を受ける者の比率も高く、又国民保険の成績も悪いのであります。又鳥取県ではチブスの予防接種を集団的に拒否しているというような事実もあります。その教化指導と排水抗、共同浴場の設置等の環境改善のために各県とも相当県費を支出しているのでありまして、国においても特別の考慮を払い、多少なりとも国費を補助されることを要望しているのであります。  六、各種社会保険の現状  各種社会保険は診療費の激増と経済界の困難に伴い保険料の滞納とにより、保険経済が極度に逼迫しているのでありますが、各県ともこれが打開策として収入面において平均標準報酬を引上げ保険料の完全徴収に全力を傾注すると共に、支出面において不正又は濫受診の排除、結核の予防、寄生虫駆除等による医療費の節減を図り、或いは現金給付の適正に重点を置く措置を講じているのであります。国民健康保険も県当局の強力な啓蒙工作、或いは国民健康保険税の創設等により、休止市町村で再開する所もありますけれども、なお実施町村の保険経済の窮状を見て再開を躊躇している町村もないではないのであります。なお各県とも県当局の勧奨もあつて直営診療所を開設する所がだんだん多くなり、殊に無医村においては開設した結果、住民の福祉の上に、非常に役立ち、住民から喜ばれているという例も多いのであります。保険料の微収についても各県非常に努力しておるのでありまして、三県とも全国平均以上の成績を収め、殊に滋賀県の国保のごときは、全国第一の成績であります。各県とも事務費補助の増額、できれば医療費の補助、診療所、保健婦に対する補助増額を要望しております。それから診療所設置について起債の認められる額が非常に少いし、又承認されない町村も鳥取県でも六ケ村ぐらいあり、自己負担のみでは設置できないので困つているという話も聞いたのでありまして、起債の枠の拡大を要望いたしております。滋賀県においては事務費等の一般的補助もさることながら保険施設を設ける場合、これに対し特別補助することを考えてもらいたいと要望していましたが、十分考慮を払うべきものと存ぜられるのであります。   七、結核予防対策の推進について   三県とも結核による死亡率は全国的に見て上位にあり殊に島根県のごときは全国六位であり、年間二千人に達する死亡者を数え憂慮すべき状態にあるのであります。各県におきましても、保健所の整備拡充を行い、健康診断、予防接種の普及、保健婦による患者家庭訪問指導等に力を注いでいるのでありますが、財政上の制約から計画通りの対策が困難な様子であり、殊に収容施設の増設は最も肝要なことであるにもかかわらず、必要病床を確保できない実情にありまして、各県とも大体結核による死亡者数と同数程度の病床を希望しておりまして、国費による増床を強く要望しているのであります。なお第一線においても、新結核予防法の施行は結核対策に極めて適切であり、その成果を大いに期待しているのでありますが、最近世上、結核予防に関する国の予算が削減せられるやの風説が流布せられ、各県衛生当局もその成行きを心配しているように見受けられますので、厚生省においても、この問題についての態度を明らかにする必要があると考えるのであります。  八、新医療法の四十八時間制について  全国的に見て、この問題は二つに意が分かれているようであります。即ち新医療法を完全実施して四十八時間制を本年十月から適用すべしという意見と、更に二カ年延期せよという意見と対立しているようでありますが、中国各県では打合せの結果、意見をまとめたとのことであります。即ち市にありては八口万当り三十床、その他にありては人口万当り十五床の標準に達している市町村の数が保健所管内の市町村数の四分の一以下であるときは、今後二カ年間四十八時間制を適用しないということに意見の一致を見て、全国衛生部長会議に提出することになつております。これによりますれば、中国地方では広島、呉市のみが四十八時間制を適用され、その他の県では更に二年間の猶予ができることになつておるのであります。滋賀県で聞きますと、近畿地方ではブロツクの関係者の会議において二カ年延期することに意見が一致したとのことであります。  九、医療機関、保健所の整備について  各県ともだんだん一般病院、結核、精神病等の医療機関の整備強化に力を注ぎ、一般病院において滋賀県は人口戸当り十四床、鳥取県は三十床、島根県は十五床の収容力を有するに至つておりますが、各県とも或いは医療機関整備計画を樹立して、更に強化すべく国庫補助と起債の認承を中央に折衝しておるようであります。無医村の状態は滋賀県は六カ村、うち四カ村は附近医療機関利用、鳥取県は十二カ村、うち六カ村は国保の診療所を計画中、島根県は十三カ村ありますが、これらについては、新規開業医師の斡旋に努めるほか、国保の診療所設置を勧奨しつつあるのであり—す。  それから地方における衛生行政の第一線機関であり、公衆衛生の中心である保健所の整備充実については、各県とも非常に努力しており、順次建物の増改築、施設の整備、職員の充足を行いつあります。滋賀県は十カ所(A級二)、鳥取県は六(A二)、島根県九(A二)、支所一の保健所網を有しておるのでありますが、鳥取県が特に保健所の整備とその機能促進に力を注いでいるように感ぜられたのであります。鳥取県では四カ年計画で五カ所の支所を置き、又本所の増改築を順次計画しており、すでに鳥取、米子(婦人所長)の両保健所は改築せられており、全国にも稀な立派な建物でありました。又各保備所にダツトサン、ジープ各一台を備えており、職員の数も多く、非常に充実せられておるようであります。  一〇、地方病について  滋賀県では琵琶湖の周辺に発生するマラリアが地方病の形をとつて、マラリア患者数も全国最高位でありますので、マラリア対策の強化を図り、干拓排水事業を行うと共に、越冬蚊の駆除、原虫保有者、既往患者に対するアデプリン、キニーネの無料投薬、その他一般民衆の教育啓蒙等に努めた結果、非常に蚊も少くなり、GHQ民事局長から知事が感謝状を受けるほどの成績を挙げておりますが、これに要する費用について、県としては特別平衡交付金を要望しているのであります。鳥取県では地方病として班状歯病というのがあります。これは温泉附近の地帯に発生するのでありまして、水分に弗素が過剰であるために歯が悪くなり、特に発育時の子供の時にかかるので、子供の発育にも影響するとのことでありまして、その対策として、県では簡易水道の敷設を奨励しておるのでありまして、簡易水道敷設について国庫補助を要望しております。島根県では宍道湖に近い籔川郡出東村を中心に蔓延する椋鳥住血吸虫病(湖岸病)という地方病があり、これは患者が五千人ぐらいあり、ひらまきもどき貝という貝殻に寄生する虫が媒介するのでありまして、手が発疹して癩病のような症状を呈し、非常に掻痒を感ずる病気であり、多年病原体がわからなかつたのでありますが、岡山医大の田部教授に調査研究を委嘱して衛生部と共同研究を行い、病原体も発見できて一応の曙光を見たのでありますが、本年度は現地に湖岸病予防治療所を設立して、その撲滅を期しているのであります。即ち予防治療の研究、BHC水和剤によつてひらまきもどき貝の撲滅作業を行なつているのであります。   二、国立公園管理の状況、観光事業について  今回視察した三県のうち鳥取県には大山国立公園がありますし、滋賀県には国定公園として琵琶湖を中心とした地帯が指定されておるのであります。又島根県は非常に風光明媚な所でありまして、松江市については観光都市法が制定せられましたし、県当局として松江市、宍道湖、隠岐島、三瓶山並びにその周辺を大山国立公園の地域に入れてもらいたいと熱望しているのであります。三県とも観光事業に相当力を注いでいるのでありますが、これにつきましても財政難のためはなかなか計画通り事業が進行しない模様であります。鳥取県は大山国立公園に四カ年三百五十方円の県費を支出しているのであるが、国としても国費を投じてもちいたい。又国費支弁の国立公園専門の職員を配置してもらいたいと要望しておりました。  一二、七月豪雨による災害について  今回の熱帯性低気圧による豪雨により視察した三県ともに人命の被害、住家の流失、道路河川の決壊、田畑農作物の流失等、若干の被害を受けておるのでありますが、島根県の西部地方が比較的被害が大きかつたようでございまして、島根県の被害は総額十八億円と称されております。災害発生しますや、一部西部地方に災害救助法を発動し、救助隊現地本部を美鹿地方事務所に設置し、保健所、日赤支部、青年団、婦人会も奉仕活動をして被服、生活必需物資の給与、浸水家屋、飲料水の消毒、汚物の完全処理等の伝染病予防の措置を講じたのであります。なお目下厚生資金の優先的貸付、家屋の流失、半壊罹災者に対して、生活保護法の住宅修理費の支給等を行なつているのでありますが、中央に対してもこれら経費の補助方を要望しているのであります。  以上が今回の視察によつて見聞いたしました主な問題の概要であります。  なお厚生関係の施設の調査といたしましては、各県において乳児院、児童の養護施設、精神薄弱児の収容施設、養老院、保健所、国立病院、結核療養所、看護婦養成施設、キリスト教関係のサナトリウム、国立公園等を視察いたしまして、施設の実情を見聞し、施設に職を奉ずる人の意見や希望もいろいろと承わりましたが、要望事項等は印刷にしてお配りしてございますから、各施設についての説明は省略することにいたしますが、比較的私たちの注意を引きましたのは、児童の養護施設として滋賀県立の近江学園、財団法人近江兄弟社経営のキリスト教関係の近江サナトリウム、鳥取県の米子、松江の保健所、島根県の看護婦養成施設の島根看護学園等であります。その他の施設も事業の種類、規模の大小、建物の新旧等いろいろ異なつていますが、それぞれ特色があり、関係者が鋭意その運営に努力いたしておるのであります。  以上簡単に御報告申出げます。

梅津錦一日本社会党

○委員長(梅津錦一君) お諮りします。大分時間も過ぎており、本日は非常に暑気が激しいので、派遣団のかたがたに対する質問は将来時間もありますので、本日はこれで打切りまして、厚生関係に対する補正予算の概略を簡単にお聞きして参考にしたいと思いますが、如何ですか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

梅津錦一日本社会党

○委員長(梅津錦一君) 速記をとめて。    午後三時八分速記中止    —————・—————    午後四時二十五分速記開始

梅津錦一日本社会党

○委員長(梅津錦一君) 速記を始めて。それでは本日はこれで散会いたします。    午後四時二十六分散会  出席者は左の通り。    委員長     梅津 錦一君    理事            小杉 繁安君            井上なつゑ君            有馬 英二君    委員            石原幹市郎君            大谷 瑩潤君            中山 壽彦君            長島 銀藏君            堂森 芳夫君            藤原 道子君            藤森 眞治君            谷口弥三郎君            松原 一彦君   国務大臣    厚 生 大 臣 橋本 龍伍君   事務局側    常任委員会専門    員       草間 弘司君    常任委員会専門    員       多田 仁己君

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