公職選挙法改正に関する特別委員会 第3号
- 発言数
- 10 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1951/05/24
会議録
○委員長(堀末治君) それではこれから公職選挙法改正特別委員会を開会することにいたします。 前回の申合せによりまして、今日は全国管理委員側から、この間の選挙の状況についてお聞きすることにいたしております。幸い事務局長の吉岡君が見えておりますから、先ず吉岡君から状況をお聞きしたいと思います。
○政府委員(吉岡惠一君) この間の地方選挙につきまして、大体の御報告を申上げます。ただこの地方選挙の状況、数字的なものも、或いは選挙の執行に関連していろいろ法律上の問題、或いは執行上の問題等、起りました事柄も、我々のところにまだ十分な資料が集まつておりません。数字等につきましては、極めて大ざつぱなものだけを電話或いは電報で集めたものがあるだけでありまして、法律上の問題等については、なお今後十分実地の調査をしたいというつもりでおりますの、で、本日申上げます事柄は、地方から上京した人々をたまたま捕まえて聞いた事柄や、或いは国会方面その他から話で聞いたことを元にしまして申上げるのであります。従つて今後実際に調査をいたしますれば、或いはこの点が、申上げます事柄について多少変更を加えなければならん点があるかもわかりませんから、そういう資料で申上げるということを御承知置きをお願いいたします。 今度の選挙で最も特色がございましたのは、まあ法文の順序で大体特に注意すべき事柄というようなことを申上げますれば、投票率が非常によかつたということが一つの特色だと思います。これは尤も従来の地方選挙の投票率の状況を見ますと、市町村、府県、国という工合に、下の団体の選挙の投票率ほどよくなつておつた状況でありまして、今回出ました市町村が九一%、都道府県が八三%という投票率は、従来の実績から見ますと、そうえらい従来の実績とかけ離れた数字ではないのであります。併しながらやはり従来の投票率等から見ますと、いい投票率であるということは言えると思うのであります。この投票率のよかつたということの見方についてはいろいろあると思います。第一の原因は、やはり私どもは競争が激しかつたということが一つの原因だと、これが一番大きな原因だと考えます。それから地方選挙であつて身近であるというような原因もいろいろあると思いますが、競争が激しかつたことが一番の原因だと私は見ております。それから手続の点で注意される事項を申上げますと、不在者投票が悪用をされた面が相当見受けられるということであります。併しながらこの不在者投票がどの程度に悪用されたかということは、特に目に付く事柄が我々の耳に入りませんので、全般的にどういう状況であつたということはまだはつきりした事情はわかりません。在宅投票というような制度がやはり心配されておつた欠陷が現われたと見られることは確かにあるのであります。代理投票についてもいろいろのことが言われております。 それから次は手続的な点での話でありますが、公務員の立候補制限ということがございますが、これは立候補の届出を受付けるとき、事務当局者として非常に困つたようであります。国の公務員と地方の公務員とで立候補制限の範囲に食い速いがあつたりいたしますので、実際は受付けるべきでない立候補届出を受付けたその結果、有効、無効の問題などがいろいろあとで問題になりまして、地方の選挙管理委員会では非常に困つたということを言つております。 それから第三審日は、選挙運動期間が長かつたということを聞くのであります。都道府県会議員の選挙は二十日前ということで法律で短くなつたのでありますが、今度の選挙は告示の期日を同一にいたしました関係上、二十日前という適用がなく、都道府県については二十七日前に告示がされ、結局二十七日間が運動期間ということになつたのでありますが、これが長いという議論を相当各方面で聞きます。それから次は無効投票がやはり相当たくさん見られました。これは結局同時選挙をやるについてのいろいろの議論を生ずる元になるわけでありますけれども、無効投票はやはり相当数ありました。尤も昨年の参議院の選挙ほどの無効投票は見られなかつたのであります。昨年の参議院の選挙の無効投票は約一割の無効投票が出ましたが、これほどの無効投票はありませんが、單独に行われます地方選挙、従来の補欠選挙であるとか、或いは個々の一般選挙等に比較いたしますと、やはり無効投票が見られたようであります。それから次は選挙運動に関する事柄でありますが、今度の選挙の特色といたしまして、事前運動が相当活溌であつた。事前運動と言い得ない、まあ事前の選挙運動とまでは言い得ない折衝等も考えられましたが、相当事前に選挙、いわゆる選挙気分というものが相当盛んであつたということは言われると思います。まあこれと共に事前運動の禁止についていろいろ議論が前にもあつたのであります。これは取締りの方面では非常に技術上やりにくいということを言つておられることを我々伺つたこともあります。それから次は戸別訪問の問題でありますが、戸別訪問は候補者について一定範囲認められておりますが、これが一般にはやややはり全般的に戸別訪問の禁止が解除をされたのだという感じを受けたのではないかということが考えられまして、相当戸別訪問の件数は多かつたようであります。それから次は連呼行為でありますが、連呼行為は今度の選挙では最も多く使われた選挙運動でありまして、この連呼行為をやるために相当たくさんの労務者を使用した。労務者を使用すること、つまり労務者を確保することが選挙運動の一方法だというふうに考えられまして、この連呼行為に今度の選挙運動の重点が置かれた地方が相当あつたように考えます。これは結局私ども考えますのに、文書図画の制限がきびしい。きびしいと申しますか、範囲が狭い関係上、この連呼行為に重点が移らざるを得ないというような恰好になつたのではないか。選挙運動の方法としてあまり感心した選挙運動の方法ではないと考えるのでありますが、連呼行為が相当盛んに行われたということは、今度の選挙の大きな特色だと考えます。それから只今申しましたことに次は関係するのでありますが、文書図画の制限を少し緩和したらどうか、或いは選挙公報等を、これは田舎には起らないと思いますが、市街地等では、やはり候補者がわからんから、もう少し公報を発行する範囲を拡げたらどうかというようなお話を聞いたのでありますが、文書図画の制限を緩和するとか、公報を発行する範囲を広くするとか、つまり候補者の人物紹介と申しますか、それをもう少しさせて、連呼行為というような、候補者が何もわからんような選挙運動ではなく、もつと候補者の学歴その他についてよくわかるような選挙運動方法を考えるべきであるという意見を相当聞きます。 それから次は選挙運動費用の点でありますが、これはやはり選挙運動費用の制限額が実情に即していない。従つて取締るはうにいたしましても、又選挙運動費用を届出るほうにいたしましても、あまりばかばかしいという感じを持つておるようであります。選挙運動費用を実情に合せるということはやはり一つの今度の選挙において感じられた事柄だと思うのであります。それから次は政党の政治活動が選挙に関連して非常に活溌であつたということは、これはやはり大きな特色だと考えます。それから次に目に立ちましたことは、新聞の活動が非常に盛んでありました。これはいい意味の新聞の活動も相当活溌でありましたが、ややどうかと思われるような新聞が或る特定の人を目当に選挙運動類似の記事を載せたということが相当考えられました。それから又告示前に各方面で行われたのでありますが、人気投票というような感じの選挙に関連しての投票を行なつた新聞が相当あつたようであります。以上申上げましたことが大体今度の選挙に関連して、我々が特に法令改正という面から注意をしなければならん諸点だと考えるのであります。それに関しての意見でありますが、いろいろ各方面で言われておりますこの選挙運動については、只今のような声があるから、きびしく取締つてしまえという論が相当強いのであります。併しこれはやはりそういうふうにきめますにいたしましても、現在の警察その他の取締能力というようなことも頭に置きまして、相当慎重に考えなければならん問題だということを私ども感ずるのであります。以上大体申上げましたことが、私どものほうとして特に注意される点でありますが、ただこれは只今申しましたことは、私どもの委員会として十分練つておる問題でもありませんし、又改正意見というような問題でもありませんので、その点をお含みの上お聞きとりを頂きたいと存ずるのであります。
○相馬助治君 お尋ねいたしますが、法の不備から生じた選挙違反というものが実に公々然と今般行われたと思うのです。それが只今御報告がありました戸別訪問の問題も然り、連呼のために労務者を狩り集めて、狩り集めた労務者に賃金を支払うことによつて実は買收が行われるというようなこと。それから政党が、例えば自由党が自由党という大きな幔幕をめくらした自動車を県内に馳せめぐらせて、警察の近くでは自由党の候補者に投票してぐれ、山の中に行きますというと、公々然として誰々に投票してくれと言う。これは例として自由党だけを言うたので、自由党だけという意味ではありません。そういうようなわけで、法の不備から選挙違反というのが公々然と行われて、候補者の運動員も、それから一般有権者も、今度の選挙はこういうふうに緩やかになつたのであるという、とんでもない錯覚を所々方々に起したと思うのであります。そういう意味で一つ私は只今の報告を関係條文と照して、我々の審議の都合のいいような書類にして、一つ我々に配られることを先ず第一にお願いして置きたいと思う。それから次は二つの点についてお尋ねいたしますが、第一点は、人気投票の問題ですが、私は栃木県ですが、下野新聞というのが「我等の選良人気投票」というのをやつたのです。そうして知事、市長、県会議員、この投票をやつたのです。これは何人が見ても事前運動であつて悪質なものであるというので、自由党、民主党、私ども社会党が三党共同で声明を発して、これに戰う態勢をとつたのです。ところが現にその人気投票が行われ始まりますというと、だんだん脱落するものができてしまつて、どうもこれはうつちやつても置けないというので、みんなこれに参加したという事例があるのです。そのときに私どもが栃木県の選挙管理委員会に抗議を申込んだところが、現行法によつてこれが違法であるかどうかわからない、全国管理委員会にこれを尋ねるということで、この会見が終り、のちに全国管理委員会としてそれは別に違法ではないという結論が與えられた事実があるのでありますが、さような照会を受けたことがあつたかどうか。そうして且つ又この人気投票めいた新聞社のこういう企画に対してどのようにお考えであるか。これがお尋ねする第一点です。それから第二点は、三日ほど前の新聞に報ぜられておりますように、国警管轄内における選挙違反の数に比較して、自警管轄区内における選挙違反の数が非常に少いという極めて注目すべき事例が報告されております。この問題に関して、実は警察法をめぐつて自警と国警の感情的対立めいたものがあることを我々は否定できないと思うのでありまして、全国選挙管理委員会として、当然これらの問題について調査されていると存じまするが、それらについての調査されている点から御見解をこの際承りわつて置きたいと存じます。以上二点をお尋ねします。
○政府委員(吉岡惠一君) 只今のお話にお答えを申します。それから先ず最初にお話のあつた点は承知をいたしました。第一点は、正式に私のほうへ照会を受けたわけではありませんけれども、非公式にそういう話があつたので、私どもとして協議をいたしましたところでは、やはりどうも現在の公職選挙法に、選挙違反としてぴつたり当てはまるとは言い切れんと思います。そういうことを申上げたように思つております。ただああいう事柄は私どものほうといたしましても、やはり選挙運動として感心した選挙運動ではありませんが、選挙に関連して余り感心したことではないということを申上げて、新聞協会ですか、そのほうへも一応話はしたこともあります。何か新聞協会の雑誌、新聞に載せるとかいう話は聞きましたが、載せましたか、どうか知りませんが、そういうことを申し伝えたことはあります。それから自治体の警察と国警の関係でありますが、これは新聞で拝見した程度でありまして、まだそういう新聞のような事実は聞いておりません。
○相馬助治君 重ねてお尋ねしておきますが、この新聞社がやつた人気投票めいたことが違法でないとしても、具体的な問題としてAという男がその人気投票の際に札集めに狂奔した。そのことは選挙違反でないが、今度Aが立候補した、その場合には立候補した瞬間に私はこれが事前運動としての選挙違反に該当する事例であるというふうに判断していたのです。ところがこれが二百人近い人間がそこにいて、その人気投票におどり出たもののうちで百人程度が立候補しているというので、実際問題としては手も足も出ないというのが栃木県の状況だつたのですが、その事前運動としての、これは性格というか、法律的に見てですね、違反であるかどうか、これを一つお尋ねしておきたいと思う。
○政府委員(吉岡惠一君) お答えをいたします。只今の点は具体的の事情をよく調べた上でないと申上げられんと思いますが、なお国警等についても解釈はお聞きを頂きたいと思いますが、私どもといたしましては、選挙違反というためには、事前運動についてはそういう場合、非常にやはり事前運動であるという断定が下しにくいように感じます。例えば大勢の人が運動をしたというような場合でも、それはやはり投票を得るために、投票を得るためというよりか新聞の上での得票が余計になるために運動をしたのだということになりますと、たとえあとで立候補いたしましても、事前運動だということは非常に言いにくいのじやないか、こういうふうに考えます。
○相馬助治君 それでよろしいです。誠に困つたということを私は言いたいにとどまつておるのであつて、さようなることが新聞社によつて企画されないような法律案を作らなければならないというのが我々の責務でございますから、相共に選挙管理委員会としても、局長の今の答弁に現われているその心理的雰囲気は困つたものであるということを私も十分読み取りますから、それでお答えは私をして満足せしめました。
○委員長(堀末治君) 御質問はございませんか……。ちよつとお尋ねいたしますが、先ほどずつと話されましたのは、まだ確実な資料によつたものではなくて、外から伝わつているいろいろな断片的なものの綴り合せだ、こういうことでございますので、大体確実な選挙管理委員会ではつきりした報告をお出しになると思いますが、大抵いつ頃までにまとまりましようか。
○政府委員(吉岡惠一君) お答えを申上げます。大体六月中旬くらいになれば、およそまとまると考えております。
○委員長(堀末治君) 他に御質問ございませんか……。それでは今日の委員会はこれで散会することにいたします。皆さん有難うございました。 午前十一時散会 出席者は左の通り。 委員長 堀 末治君 理事 小笠原二三男君 松原 一彦君 委員 石村 幸作君 上原 正吉君 川村 松助君 北村 一男君 相馬 助治君 吉川末次郎君 岡本 愛祐君 小林 政夫君 鈴木 直人君 有馬 英二君 政府委員 全国選挙管理委 員会事務局長 吉岡 惠一君