建設委員会 第24号
- 発言数
- 38 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1951/05/30
会議録
○委員長(小林英三君) 只今から建設委員会を開会いたします。 住宅金融公庫法の一部を改正する法律案を議題に供します。質疑に移ります。
○田中一君 第十七条の一項の償還期間延長の問題ですが、木造住宅についてこれを十八年以内に延ばした、曾つては十五年であつたのを十八年に延ばした。こういうことは私自身としては十五年以上木造の場合にやつてはいけないという議論を持つているのです。なぜかというと、この償還が完全になし得るかどうかということに疑問を持つのです。今日住宅金融公庫が貸付けている貸付額によつて建てるものが果して十五年そのままで保ち得るかどうか非常に疑問があるのです。この際提案者並びに住宅局長がこの点についてどういう見解の下に十八年に延ばされたか。無論延ばすということに対しては賛成です。併しながら今日の木造住宅に対しての延ばし方は一応技術的に安心なものがなくちやならんと思うのです。そういう点で提案者と並びに政府の見解を聞きたいと思います。
○衆議院議員(瀬戸山三男君) 田中さんの今の御質問にお答えいたします。木造建築につきまして従来償還期間が十五年であつたものを一八年に延ばしたのは、公庫の運営と申しますか、貸付金の回収状況並びに現在の建物の状態から見て十八年は少し長過ぎやしないかというお話でありますが、私どももその点については或る程度考慮いたしたのでありますけれども、何しろ御承知の通りに住宅金融公庫から貸付けまして家を建てて償還をされるかたがたが何と申しますか、中程度の大衆のかたがたを目標にいたしておりますので、できるだけ各月の償還金額を少くいたしたい、負担を成るべく長期にしてそのときそのときの償還の負担額を少くいたしたいという熱望から、最初の案では二十年という考え方をいたしておつたのでありますけれども、現在の建物の耐用年月というようなことも考え合せまして十八年にいたした次第であります。まあ專門家ではありませんけれども、この頃建ちます住宅では途中の補修も勿論あるわけでありますけれども、二十年ぐらいの木造建築の耐用年限はあるという考え方からいたした次第であります。
○田中一君 この改正案が通りました上は、一坪当りの貸付金は幾らにするような考え方ですか。
○衆議院議員(瀬戸山三男君) 多分お手許に資料が配付いたしてあると思いますが、今度は木造につきましては二万六千円、簡易耐火建築につきましては三万八千円、耐火構造は五万四千円というものを貸付の坪当り基準に考えておる次第でございます。
○田中一君 木造の耐久年限といいますか、それは何年に抑えておるのですか。
○衆議院議員(瀬戸山三男君) 先ほどの御質問にお答えいたしましたように、現在の建物で專門家の考え方からいたしましてもまあ二十年は十分に持つと、こういう見当で立案いたしておる次第であります。
○田中一君 簡易耐火構造並びに耐火構造は何年か御説明願います。
○衆議院議員(瀬戸山三男君) 簡易耐火構造につきましては、これも経過して見なければわからないことでございますけれども、現在の技術家の考え方としましては、簡易耐火構造で四十年乃至五十年、それから純粋の耐火構造にいたしますれば、こいつも今日までそれほど経過した建物は余り日本ではないのでありますけれども、少くとも六十年乃至百年は十分に持てると、こういう考え方をいたしておるわけであります。
○田中一君 無論これは曾つて総裁にも質問したんですが、耐久年限が純粋の耐火構造は六十年乃至百年、耐火構造は四十年乃至五十年というものならば、木造に対して貸付けるということが危険だということは、これははつきりわかるのですが、二十年の耐久性を持つておるものに十八年間貸付けるということと、或いは六十年持つておるものに三十五年貸付けるということは、比率といいますか、償還の合理的な点から見れば危険が伴うと、こう考えるのです。私の考え方としては、曾つて衆議院を通つて参りました公営住宅、無論これは木造住宅の場合は、公営住宅的なものに移つて行くんじやないか、これでは丁度木造を奨励する形になつておる。実際住宅として木造がその家を建てる者に対して不利である経費も非常にかかつて来るということもわかつておるけれども、無論困つておる人に家をたくさんやるのはいいけれども、実際金を借りる者は、木造よりも簡易耐火構造のほうが利益があるのです。そういう点から言つて、これは提案者よりも住宅局長の意見を聞きたいと思うのです。二万六千円という単価で実際二十年のものができ得るか或いは二万六千円の貸付ならば三十年くらい持つものができるか、こういう点を技術的にはつきりと御説明願いたいと思うのです。
○委員長(小林英三君) 田中さん、住宅局長は間もなく参ります。
○田中一君 ではそれはあとにして、一部修正したい個所があるのです。 これは十七条の第二項ですが、「前項に規定する住宅の構造について必要な技術的事項は、主務省令で定める。」構造についての技術的な事項をきめてあるのですが、これが四十九条の罰則の五に当てはまるものでありますが、構造について必要な技術に違反したときということになるわけであります。主務省令で定めるところの構造についての技術的事項の違反をここに示すことになるわけですが、これは少し酷ではないか、こう考えるのです。若しそれが実際に厳密な意味において、当然この罰則を適用しなければならないということをきめているならば、主務省令で定めるものがどういうものか、構造についての技術的事項ということがどういうものかということを御説明願いたいと思います。
○衆議院議員(瀬戸山三男君) 只今の罰則の関係の御質問は御尤もであると思います。第十七条の二項については、まだ細目は、これについて規定してありますように、大体建設省令で定める予定にいたしておりますので、詳細の技術的な点は私からお答えするよりも、あとで政府側の住宅局長がお答えするほうが適切であると思います。ただ第一項の規定の内容が、御覧の通りに簡易対火構造若しくは対火構造、木造、それから木骨防火造というような抽象的な言葉で現わしてありまするので、さような構造はどの程度のものがそれではこの規格に入るかということを省令できめたい、こういう考え方で立案いたしておるわけであります。そこで先ほど御指摘の四十九条の第二項の第五号、この罰則に当てはまるわけでありますが、第二項を仮に罰則のほうを修正いたしまして、第一項及び第三項というふうに規定いたしましても、やはり第二項は第一項の内容をなすという恰好に相成りますので、まあ私どもの考え方といたしましては、やはり従前の四十九条の第二項第五号の罰則をそのまま存置した、こういう事情でありますので、御了察を願いたいと思います。
○田中一君 内容がはつきりしない。提案者、住宅局長にも伺いますが、技術的な事項、これは例えば具体的な例を引くとどういうことになるのですか。
○衆議院議員(瀬戸山三男君) 恐縮でありますが、技術的な事項は、成るべく專門家の住宅局長からお聞き頂きたいと思います。
○田中一君 我々の希望は、第十七条の貸付金の利率の問題です。これがもう少し低利になることを希望しておつたのですが、やはり現行法通り五分五厘になつたということは、どの点から改正ができなかつたかということを伺いたいと思います。
○衆議院議員(瀬戸山三男君) 只今の質問極めて尤もであると思います。私ども提案をいたします前には、もう少し詳細なと申しますか、大部分の改正にいたしたい、こういうつもりで準備を進めて参つたのであります。特に只今御指摘の利率五分五厘というのを、成るべく、できれば四分、少くとも四分五厘ぐらいに引下げて、当初に申上げました償還期間と合せて負担の軽減を図りたいということであつたのでありますけれども、現在の日本の金利の最低が五分五厘ということでありますので、諸般の情勢から、やむなく据置きのままで提案いたしたということを御了承願いたいと思います。できるだけ将来はこの改正だけにとどまらないで、私どもも、皆様もそうだと思いますが、今後の努力いたしまして、この公庫を利用されるかたがたの便宜を図りたい、かように考えている次第であります。
○田中一君 今住宅金融公庫の事務を放つております各銀行の窓口ですね、これに対してはどのくらいの手数料が支払われているのですか。
○衆議院議員(瀬戸山三男君) それはあとで住宅局長に……。
○田中一君 それでは政府のかたが来るまで待つております。
○委員長(小林英三君) 住宅局長が見えましたから御質問願います。
○田中一君 住宅局長に質問しますが今提案者から伺つたところによりますと、償還期間の問題ですが、木造の場合には二万六千円の貸付であつて二十カ年の耐久力があるものができる、こういうような御見解ですが、二万六千円の建物が実際に二十年間持ち得る構造内容を持つているのかどうか。という質問は何もこれを掣肘するのではなくて、簡易耐火構造若しくは耐火構造の単価並びに耐久力から割出すところの償還期間が非常に足りないのじやないか。例えば今耐火構造の場合には六十年乃至百年持つのではないか、六十年としても四割何分、それから簡易耐火構造の四十年乃至五十年、これが五十年としまして半分、それから木造は二十年耐久力を持つといつて十八年間に貸付ける。償還期間が十八年間というので、貸付に対する危険が多いのじやないか。むろん金融公庫ですから金を返してもらうのですから、そういう点について、構造が二十年以上或いは三十年ぐらいは耐久性を持つのならば話はわかるのですが、どういうふうな技術的な政令が出ているのですか。又政令を改正する意図があるかどうかその点を伺いたいと思うのであります。
○政府委員(伊東五郎君) 木造は大体お話のように二十年ぐらいの耐久力のある構造につきまして、建設基準というものを定めております。基礎はどうしろとか、柱はどうとか、その他いろいろ耐久力に関係のあることをいろいろ規定しております。それで最小限余り贅沢をせずに、普通のものならば、別に定めました標準単価、例えば二万六千円でやれるだろうと、こういうことになつております。それで簡易耐火構造、耐火構造につきましては、今回二十五年、三十五年となるわけでございますが、これは耐火構造の場合はやはり私どもも五十年、六十年という耐久力、殆んど根本的な改造を加えずにそのままで五十年、六十年持つだろうと、こう考えます。で毎月、毎年の負担の軽減から申しますと、成るべくこの期間を長くいたしたいのでありまして、御承知のようにもつと延長することについてはいろいろと努力して見たのでありますが、結局この程度しかできないということで、衆議院のほうからこういうことが御提案になつたものと思います。ただ一方耐用年限だけでなくて、同時に考えなきやならないことは金融公庫の資金を成るべく回転率を早くしなければならん、そうして同じ金を成るべく多数の人に運転するようにしなければならないという見方もございます。それからやはり五十年、六十年といつて長過ぎるというと、借りたときの人が子の代、孫の代になると、いろいろ借りました人の償還の気持もだんだん変つて来るというようなこともございましようし、償還を確実にするためには成るべく短くするほうがいい、回転を早くするためには成るべく短くするほうがいい、こういう見方もございまして、取りあえずこういうふうに立案者のほうでおきめになつたものと、かように思います。
○田中一君 この提案者の原案はどうなつていますか。ちよつとその点お伺いしたいと思うのですが。
○衆議院議員(瀬戸山三男君) 先ほどもちよつと申上げたのでありますが、最初の私どもが努力目標といたしたのは、木造については多少御意見が違いますけれども、木造建築は二十年、それから簡易耐火構造のものを三十五年耐火構造のものを五十年と、こういう最初の案で大体折衝いたしまして、その後いろいろに違つたのでありますが、最後はこういうなにになつたわけであります。
○田中一君 もう一点住宅局長に伺いますが、十七条の第二項ですね、住宅の構造について必要な技術的事項、これは主務省令で定める、これに対する四十九条の罰則の関係なんです。この罰則を適用しなければならない、この政令で定めるところの構造に必要な技術的な事項がこの罰則に適用しなきやならないというような政令はどういうものか、具体的に御説明願いたいと思います。
○説明員(前田光嘉君) お答え申上げます。従来の公庫法の規定で、その技術的事項につきましては説明的な条文でございますので、それを技術的事項に違反するということだけを以て罰則に付するというふうには考えていなかつたのであります。それで一般的に、その前の第一項によりまして、公庫法のきめた法律の範囲内、範囲を超えて貸付をした場合には罰則に付する、こういう考え方で進んでおりましたので、今回の改正案におきまして、第二項、第三項と並んでおりますが、実質はこの罰則を適用する場合には、全部第一項の場合に包含されて行つていいのじやないかと、こういうふうに考えておる次第でございます。
○田中一君 そうしますと具体的にどういうものがかかるのです。無論これは貸付の場合だと思いますが、言い換えればこの第二項には罰則は適用しないで以て、第一項があるならばその目的は達せられるわけですね。
○説明員(前田光嘉君) そう思います。
○田中一君 そういうわけですね。そういうわけならばこの第二項という文字をとつて頂くように修正したいのですが、そのほうが実際に扱う人たちが非常に明瞭になつてこの運営の上においても複雑な、危険がなくなるのじやないかと思います。扱いやすくなるのじやないかと思います。若しも実際にこの構造上例えば排気が少いとか何とかというような問題があつた場合には、それを罰するのだというようなことになるならば、ちよつとこの法律で明文化するところの罰則を適用するのは酷じやないかと思うのです。これは監督官なり検査員がおるのですから……。
○説明員(前田光嘉君) お答え申上げます。従来出ました主務省令は木造、それから簡易耐火構造、耐火構造、こういうものの概念がこの法文だけでははつきりいたしませんので、その概念を規定したのが技術的の省令でございます。例えば木造住宅の定義としまして、木造の住宅とは主要構造部を木造とした住宅をいい、同項に規定する木骨防火造の住宅とは、主要木造を木骨とし、且つ外壁面及び軒裏をモルタ塗、しつくい塗その他の防火性能を有する構造としたものをいう。又そのほか耐火構造住宅、それから主要構造を不燃火、耐火で作つた住宅、こういうものを右のような規定に従いまして規定をしまして貸付する場合には、これはどつちの部類に入るかということをはつきりさせるために規定した省令でございます。
○田中一君 その第四十九条第五号の規定は「違反して貸付をした」となつていますね、そうするとそのかたがたが、その貸付をする役職員がそういうことまでも行わなければ、例えば検査官といいますか、何というのですか、検査をする業務を一緒にしなければこれは発見できんと思うのですが、結局技術者の問題であつて、そういうかたがたの答申によつて行なわれると思うのです。検査する者と貸付をする者とは違うのですから、これは貸付に対する罰則なんですから、ないほうがはつきりするのじやないかと思うのです。今課長の説明のように、第一項にこれが織込んである、こういうようなものをなぜ設けたか。これについては法務府関係の罰則、行政上の罰則、こういう点について意見を聞きに行つて参りました。これはまあ名前をここで言つていいのかわかりませんけれども、法務府の検務局の総務課長です、これは少し酷である、ないほうがはつきりすると、こういうことを言つておりました。無論私は法律的な知識はありませんけれども、そこへ相談に行きまして、無論これは罰則ですから何かの間違いがあつて苛酷なものが行われて、自分で考えておらずに適用を受ける場合もあるし、又第一項で以てすべての貸付業務というものが包含されるものならば、こうした政令できめるところの内容がはつきりしないものを、又罰則規定を持つということはどうかと思うのです。これは私の私見ばかりでなく、そのほうの所見も叩いた上の修正案です。私はこういうように修正したらどうかと思うのです。「第四十九条第五項中」「第一項から第三項まで」を「第一項又は第三項」に改める。」と、こういうようにしたらどうかと思うのです。ちよつと速記をとめて下さい。
○委員長(小林英三君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(小林英三君) 速記を始めて。
○田中一君 私の質疑はこれで終ります。
○委員長(小林英三君) ほかに御質疑ございませんね。それではこの住宅金融公庫法の一部を改正する法律案の質疑は一応これで打切りたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小林英三君) 御異議ないと認めます。次に北上川開発法案を議題に供します。質議を続行いたします。ちよつと速記をとめて。 午後二時三十九分速記中止 —————・————— 午後三時九分速記開始
○委員長(小林英三君) 速記を始めて。それでは委員会はこの程度で本日は散会いたします 午後三時十分散会 出席者は左の通り。 委員長 小林 英三君 理事 岩崎正三郎君 赤木 正雄君 小川 久義君 委員 石川 榮一君 平井 太郎君 田中 一君 三輪 貞治君 衆議院議員 瀬戸山三男君 政府委員 建設省住宅局長 伊東 五郎君 事務局側 常任委員会專門 員 武井 篤君 常任委員会專門 員 菊地 璋三君 説明員 建設省住宅金融 課長 前田 光嘉君