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10回国会参議院1951/03/15

決算委員会 第14号

発言数
91
登壇者
7
会派数
3
開催日
1951/03/15

会議録

前之園喜一郎国民民主党

○委員長(前之園喜一郎君) 只今より決算委員会を開会いたします。  昭和二十三年度一般会計歳入歳出決算、昭和二十三年度特別会計歳入歳出決算を議題といたします。先ず終戦処理費の三百七十と二百七十三、それから三百八十六から三百九十六まで政府の説明を求めます。

川田三郎特別調達庁財務部長

○政府委員(川田三郎君) それでは昭和二十三年度、会計検査院から当決算委員会に御報告になりました事項の第三百七十について説明を申上げます。本件はバスの借上使用料の支払いに関するものでございまして、会計検査院の御指摘の点は二点に要約されると存じます。この二点につきまして、私ども第一点として、走行キロ数の算定が過大であるという点、これは当時の事情といたしましては止むを得なかつたかとは存じますが、この現場を担任いたしまする者がもつと努力をいたしましたならば、これだけの走行キロ数でなく、実際の走行キロ数というものを、或いはより少い数量によつて確認し得たのではないかと私どもも考える次第でありまして、会計検査院の御指摘の趣旨は誠に御尤もであると存じます。又第二点の炭価の問題でございますが、第二点は炭価が公の炭価よりも低く、百六十円が相当ではなかつたかと、炭価のとりかたが公とはいえ高過ぎたのではないか、こういう御指摘でございまして、この点につきましても私どももつと契約を締結するに当りまして、業者に対して熱心なる交渉を行つたならば、或いはより安く炭価の設定ができたのではないかと考えます。御趣旨においては検査院の御指摘は御尤もであると存じます。当時の事情としては、これは二十三年度のことでございます。一般に公というものがあります場合、契約に当りましてそれを切下げるということは相当の努力が要ります。すべて公、即ち最低価格である、というような経済上の観念を皆持つておりました時代であります。併し一般の市中のバスと比べると、待料金につきましても、一面においてはこうしたハス契約は有利であるという面もございますので、御指摘はその点においては御尤もであると存じますが、これについて若干申上げたい。そういう会社側のコストが余計に一般の自動車サービスよりもかかるのだという材料もあるにはあるのでありますが、結論的にこの両方の二点についての契約の仕方が不十分である。もつと努力をすれば安くできたのではないかということは考えられますので、この点は総合的に検査院の御指摘を私どもは相当のものと存じまして、今後の契納に当りましてはこうした面を十分に注意して、できる限りの努力によつて、実際に合うような契約をやつて行きたいと存じます。  それから次の三百七十三に移ります三百七十三、これは機帆船の契約に当りまして運賃の支払いが当を得なかつたものでございますが、運航手数料につきまして特別調達庁が支払いました手数料は、もつと減率すべきものではないか、私どももこの点は検査院の御指摘をやはり相当と存ずるのでございます。当時この点につきましては特調側も引継ぎ後は、その御趣旨のように手数料を全廃いたしてはおりますが、この御指摘のありました当時の問題といたしましては、海運局に対しまして、当時その認定をいたします権限が海運局にあつた、それで海運局に率の低下、低めることを要請はしておつたのでございますが、その結果が十分に現われなかつたというところに私どもの不十分の点がございます。この点は誠に遺憾に存ずる次第でございますが、当時の権限の分野の関係上如何ともなし得なかつた。それでその後において自分たちの職域に入りましてからその改善をした。結果においてこの御指摘の時期においては過大と認められる運賃を払つておるということになります。今後もこうした問題には十分注意をいたしますが、何とぞそうした事情でございますので、御了承願いたいと存じます。  次は三百八十六から三百九十六までに亘ります労務関係の職員犯罪等による損害に対しての御指摘でございます。この点は殆んど全体が職員の監督不十分のため招来いたしました国の損失でございまして、現在その回収状況も十分とは申せない状態でございます。これらにつきましては、なお私ども回収に努力をいたし、関係都道府県も十分努力をいたしております。ただ中には犯罪によりまして刑事訴追されて、判決を受け、入所しておる者もございますが、それらは出所を待つより手がない次第でございますが、全体で三千四百万円何がしの金額に対しまして、現在までに回収いたしておりますのは二千七百八十万円何がしでございまして、なお六百五十万円余が未回収になつております。誠にその点は努力の不十分でございまして……、只今の表を読み違えまして恐縮……いたしました。被害金額三千四百万円何がしでございまして、回収いたしましたものが六百五十万円余でございます。末回収金額が二千七百八十万円余という状態でございまして、回収金額のほうが未回収よりなお少いというような状態でございます。事情はございますが、誠に努力不十分でございまして、今後とも大いにこうしたものもできる限りの方法によつて回収いたしたいと思います。又こうした原因を招来いたしました職員の監督につきましては、当時よりも十分監査等をいたしておつたのではございますが、監督官庁としての処置その当を得なかつたものと見えます。今後も会計法規の準法、公務に就さまする職員の心構えということにつきましても、十分私ども努力いたしまして、こうした事故の絶滅を期する所存でございます。現在の状況を申上げて、この点遺憾の意をここに披瀝いたしまして、今後の努力をお誓いする次第でございます。

前之園喜一郎国民民主党

○委員長(前之園喜一郎君) 三百七十から三百九十六までの間、御質疑がございましたら、御質疑を願います。

カニエ邦彦日本社会党

○カニエ邦彦君 三百八十六の……職員の犯罪により国に損害を与えたもの、これの説明が総括的に十把一からげになされたのですが、一応この三百八十六、三百八十七、三百八十八、三百八十九、三百九十、三百九十一、三百九十二、三百九十三、三百九十四、三百九十五、三百九十六、この件につきまして、三百八十六はどういうような結末をつけた、そうしてどういうような原因からこういうことが起きたということをやはり御説明を願わないと、全部これだけで、三千四百万円の国損を与えた。そのうち六百五十万円を回収している。なお二千七百八十万円余の未回収があるので、甚だこれは遺憾である、今後努力するというだけのことでは、余りに何というか、簡単過ぎてわかりにくいと思うので、やはりそれはこういう重要な問題でありますから、三百八十六の件についてはどういうことでこういうことが起きました、そうしてこれについてはどういうようなふうで現在はどうやつているということを、やはり一項目ずつお話し願えればなお結構だと思います。

前之園喜一郎国民民主党

○委員長(前之園喜一郎君) なお未回収のものが大分あるようですから、各項目ごとに、未回収の分についてはどのくらい回収の見込があるかということも附加えて、極く要点だけ御説明願います。

川田三郎特別調達庁財務部長

○政府委員(川田三郎君) 三百八十六について要点を申上げます。これは特別調達庁で経理局の雇をしておりました松本外二名が、部外者と共謀いたしまして小切手を詐取いたしました。その結果二十四万六千七百八十九円というものが損害になつたわけでございますが、そのうち七万三千七百八十一円は二十四年の六月までに弁償済でございまして、その後の状況は、現在服役中でございますので、その残額については親族等にも交渉して、納入方を督促しておりますが、やはり生活が苦しいので、未だにその弁償が完済されず、服役しております関係で、出て来たら又働けるようになる、本人の手によつて納入をさせるという関係でございます。

前之園喜一郎国民民主党

○委員長(前之園喜一郎君) 政府委員にちよつと伺いますが、ついでに御説明願いますが、これは身元引受とかというものはないのですか。

川田三郎特別調達庁財務部長

○政府委員(川田三郎君) 身元引受はございません。

前之園喜一郎国民民主党

○委員長(前之園喜一郎君) 全部ないのですね。それじや続けて、ここに書いてあることはわかつていますから、書いてないことでですね、三百八十七。

川田三郎特別調達庁財務部長

○政府委員(川田三郎君) 三百八十七は、現在懲役二年に服役しております関係で、やはりこれも出所を待たないと回収が困難でございまして、これは未回収額は被害金額そのままが未回収の状態になつております。

前之園喜一郎国民民主党

○委員長(前之園喜一郎君) これは補助者として、どういうふうにして詐取したのですか、詐取の手段ですね。

川田三郎特別調達庁財務部長

○政府委員(川田三郎君) この労務関係は、特別調達庁労管部々長代理も出ておりますので、そうした細部の点につきましては部長代理に説明をさせて頂きます。

曾田忠特別調達庁労務管財務部次長

○説明員(曾田忠君) 三百八十十七から御説明いたします。三百八十七につきましては二件ありますが、最初の中川某、これから先に御説明申上げます。これは事務補助員でありまして、年齢は二十六歳です。二十三年の四月から二十三年の七月まで、御指摘のように四十四万二千五百二円を詐取しておりますが、その方法は、支払調書に架空の人名、金額を加算いたしまして、所長その他監督官を欺瞞して、その差額を詐取した、そういう事件であります。  次は千葉某でありますが、これは二十三年の四月九日に労務者に払うべき給与の一部を、四十四万二千二百四十二円、これを拐帯逃亡したわけであります。両者とも今までの状況によりますと、弁済の見込はないようであります。

前之園喜一郎国民民主党

○委員長(前之園喜一郎君) 処分は……。

曾田忠特別調達庁労務管財務部次長

○説明員(曾田忠君) 処分は、中川某のほうが懲役二年、それから千葉某のほうが懲役一年。  それから二百八十八。これは資金前渡に余裕がありまして、その余裕金を工藤某が労務者の生活物資購入資金として借受けまして、二百十六万七十七円のうち九十七万余円を費消しております。それでそのうち六十五万五千円は返済しております。それからその後二十四万八千余円を本人から弁済しております。それから約五十三万四千余円の物資がありまして、それを販売した金額の二十二万三千余円、これも返されております。従いまして二百十六万円何がしの資金前渡を借受けまして、現在百三万二千円未回収のものが残つております。これは懲役一年で、控訴しております。

前之園喜一郎国民民主党

○委員長(前之園喜一郎君) これは回収の見込があるのですか、ないのですか。

川田三郎特別調達庁財務部長

○政府委員(川田三郎君) 労管部の説明、又徴収のほうの報告から見ますと七十六万円の未回収に進みましたが、若干百三万円からそうした回収がありまして、幾らかずつは回収されるという状況でございます。併しこの七十六万円以降がなかなか骨が折れるという見込でございます。

前之園喜一郎国民民主党

○委員長(前之園喜一郎君) 見込薄だね。

曾田忠特別調達庁労務管財務部次長

○説明員(曾田忠君) 次の三百八十九ですが、これは前田某が資金前渡官吏であります。年齢は四十五歳ですが、資金前渡官吏であります関係上、いろいろ余裕金は持つておりますし、又小切手を保管しておつたわけでありますが、従いまして本人は自由に出納できるという立場にあつたわけであります。大体本人は朝鮮、満洲、中国、そういう方面の、何と言いますか、歌劇団の秘書とか支配人、そういう仕事をしておりまして、まあ外地を放浪しまして、終戦によりまして北海道に帰りまして、まあ職業安定所の窓口に採用になつたわけでありますが、独身でもありますし、それからまあ、前職がそういうような関係しかも知れませんが、自分の資金前渡官吏という身分を利用しまして、まあ公金を勝手に使つた、殆んど遊興費だけに使つておるようであります。これは進駐軍物資を不法所持しておりまして、その関係で検挙されまして、まあ今の公金の横領をやつたわけであります。懲役二年六カ月で控訴しております。被害金額は六百九十万余円でありますが、そのうち手許に持つておりました二十三万五千五百四十円、これが一応回収できておりますが、そういう殆んど三十何年間外地におりました関係上親戚関係も余りないようでありますし、相当資金の回収は困難じやないかと考えております。  それから三百九十、これは前渡資金受領のために北海道道庁の出納に金を受領に行つたわけでありますが、その金を受領しまして行方不明になつたわけであります。現在全部弁済しております。

前之園喜一郎国民民主党

○委員長(前之園喜一郎君) 処分は、刑事処分を受けているのでしよう。

曾田忠特別調達庁労務管財務部次長

○説明員(曾田忠君) 取調中だと思いますが、まだ処分は確定しないと思います。

前之園喜一郎国民民主党

○委員長(前之園喜一郎君) 家族が金を返したのですね。

曾田忠特別調達庁労務管財務部次長

○説明員(曾田忠君) そうです。

前之園喜一郎国民民主党

○委員長(前之園喜一郎君) 本人はまだ逃亡中ですね。

曾田忠特別調達庁労務管財務部次長

○説明員(曾田忠君) 本人はまだ逃亡中と思います。  それから三百九十一の宮城県ですが、これは労務者の家族員数をこまかしまして、その差額を横領しておつたという事件であります。それで処分は徴役一年になつております。それから三百九十二号、これは自分の担当の労務者約二百六十五名に対します二十三年八月からの給料の支払に際しまして、実際の支給額よりも合計欄に水増しの金額を加算いたしまして、その差額を横領しておつたという事件であります。二十三年八月分から二十四年五月まで約二十回に亘りまして、連続百五十三万二千百二十円の金額を横領しており、懲役三年になつております。

前之園喜一郎国民民主党

○委員長(前之園喜一郎君) 弁償は行わなかつたのですか。

川田三郎特別調達庁財務部長

○政府委員(川田三郎君) この二百九十二の回収状況は、被害金につきまして横須賀の簡易裁判所で和解に漕付けました。取立ての権利は確定いたしたのでありますが、本人が現在収入が皆無のために返納猶予願いを提出しておりまして、強制処分はできる関係にはなつておりますが、資産がないために強制処分はまだできない状態でございます。

曾田忠特別調達庁労務管財務部次長

○説明員(曾田忠君) 今の和解の点でございますが、二十五年の二月二十一日までに五十万円、それから二十五年の七月三十一日までに五十万円、二十五年の十二月二十五日までに五十三万二千百三十円、これを返済するような和解はできておるわけです。

前之園喜一郎国民民主党

○委員長(前之園喜一郎君) これは何ですか、懲役の確定したあとですか、審理中ですか。

曾田忠特別調達庁労務管財務部次長

○説明員(曾田忠君) いや、一応私訴を提出いたしまして、私どものほうで……。

前之園喜一郎国民民主党

○委員長(前之園喜一郎君) 私訴ですか。そういうことでこれは執行猶予になつたのではないのですか。結局これは実刑を課せられたのですか。

川田三郎特別調達庁財務部長

○政府委員(川田三郎君) これは浅川某は二十四年に懲役三年に処せられております。執行循予はなかつたと存じます。

曾田忠特別調達庁労務管財務部次長

○説明員(曾田忠君) 三百九十三、京都の問題ですが、これは労務者の給与の小切手を銀行に取りに行きまして、そのまま拐帯逃亡したという事件であります。二十五年の十一月現在、なお行方不明であります。  三百九十四の神戸の問題ですが、これは労管事務所で、手許にありました未渡金或いは保管金、そういう金を貸付けて費消横領したという事件でありまして、神戸におきましては、その当時殆んどが日傭労務者でありまして、神戸の労管事務所におきましては約一万数千名日傭労務者がおつたわけであります。毎日支払をします関係上、労務者は窓口に長蛇の列でならんでいる。そういう関係で非常に急ぎました関係上、誤払いとか過払い、そういうものが続出したこと、それを個人の給料から弁済するのはちよつと酷に過ぎるという関係で、手許にありました金を関係者に貸付けて、それの回収、弁済をやらしたのであります。或いは又当時の状況といたしまして、非常に日傭の募集とか、或いは管理というものが困難でありました関係上、相当ここの人夫の管理人という者を、いわゆるボス的なものでありましようが、そういう者を県庁の嘱託といたしまして、管理させておつたわけでありますが、そういう人夫の管理上金が必要であるというような関係で、管理人に金を貸しております。そういうような事件の内容であります。で関係者は八名ですが、懲役一年から一年半となつておりまして、全部三年乃至四年の執行猶予になつております。執行猶予になりました理由といたしましては、先ほど申しましたような、私腹を肥やしたという点は殆んど僅少であるという裁判所の判定に基いたのであります。  三百九十五ですが、これは資金前渡官吏の官印を冒用して小切手を振出したり、或いは資金前渡官吏の手持金を使つたわけでありますが、大体最初は生活費のほんの一部に使つておつたようでありますけれども、爾後遊興に足を入れまして、相当多くの金額になつておるわけであります。現在なお取調中でありまして、処分は確定しておりません。

前之園喜一郎国民民主党

○委員長(前之園喜一郎君) どこでですか、検察庁ですか。

曾田忠特別調達庁労務管財務部次長

○説明員(曾田忠君) ええ、そうです。

前之園喜一郎国民民主党

○委員長(前之園喜一郎君) 起訴されていないのですか。

川田三郎特別調達庁財務部長

○政府委員(川田三郎君) まだ起訴の段階になつておるかどうかが判明しておりませんが、小倉地方検察庁でやつております。回収額は二月二日現在で八十一万九千円の未回収がございます。

曾田忠特別調達庁労務管財務部次長

○説明員(曾田忠君) それから最後の長崎の問題でありますが、これは御指摘のように非常に大きな金額となつております。この事案は関係者約四十八名ですかおりまして、この殆んどはちよつと兵庫の関係で申上げましたいわゆる人夫の管理人というような状態でありまして、県庁の職員はまあ僅かと思つております。これは結局人夫の管理人であります関係上、いろいろ労務者の監督或いは書類の点検、それから労務賃金の請求、受払、そういう仕事をやつておつたわけなんです。従いましてそういう関係上幽霊人夫を計上いたしまして、あたかも実働したごとく点検簿を偽造しておつた。賃金の鞘をはねたり、それに伴いますいろいろな追徴金、追加金、或いは退職金こういうものも合わせて二十一年の九月から二十三年の五月まで、約二年間に亘りましてそういう状況を続けておつたわけであります。最初はそういう人夫の管理人だけでありましたけれども、その後は県の職安の職員も一緒になつてやつた、こういうことであります。処分は最高は懲役七年であります。それで現在半数以上は控訴しております。

前之園喜一郎国民民主党

○委員長(前之園喜一郎君) 回収状況は。

曾田忠特別調達庁労務管財務部次長

○説明員(曾田忠君) 回収金額は大体三百三万円であります。三百三万百二十六円であります。二十六年二月現在であります。簡単でありますが……。

前之園喜一郎国民民主党

○委員長(前之園喜一郎君) カニエ委員この程度でいいですか。

カニエ邦彦日本社会党

○カニエ邦彦君 大体その程度でよろしうございますが、二百九十五の事案は、今お聞きしますと、まだ処分も取調中であるということでありますが、本件は昭和二十三年度の決算報告でありまして、それが今日においてもその取調が済んでいない、まだそれを調べておるのだということではどうもおかしいように思うのですが、この点会計検査院がお調べになつて来た状況について、会計検査院のほうから御説明を願いたいと思うのであります。

小峰保榮会計検査院事務総局検査第四局長

○説明員(小峰保榮君) 三百九十五の案件でありますが、これは十一件ございます中でも最も悪質な案件であります。これはもうここにもございますが、給与係長瓜生某ほか関係職員が全部共謀いたしまして、手当り次第に金を取つたという案件でございます。検査なんかございますと、丁度この建物の下に労働省の職業安定所でございますか、あれがあるのでございます。そこから金を持つて来てこつちへ埋めて置くというのでわからなかつたのであります。会計検査院も、これ前に行つたこともございませんでしたが、県のほうでこれは監査しておるのであります。県のほうで二階のほうの労管だけは監査いたしました。職員が、もう大体この労管の人というのは労働省でございますか、関係の人が移つて来た人が多いのであります。下へ行つて金を持つて来て埋めて置きますから、長い間わからなかつた、こういう案件なんであります。この中でも実は一番……、若し何か説明の御要求がありましたら申上げようと思つておつた、一番悪い案件であります。これと三百八十九号資金前渡官吏が直接取つたそれも六百九十万円も取つております。この二つがこの中では一番質が悪い案件であります。補助者が、若い者が拐帯して、金をでき心で拐帯して逃げるというのもこの中に二、三ございますが、そういうのに比べますと、責任者が直接にもうやつておつた、取つておつた、この二つは私ども一番質の悪い案件だと思つております。その後の処分がちよつと私のほうもまだ刑事上の措置がどうなつたか伺つておりませんが、何でしたら又調べまして後ほど申上げたい。非常に、先ほど特調のほうの御説明の通り、まだ調べ中としましたら、ちよつとゆつくりし過ぎるのじやないかと思つております。が、これは裁判係属中じやないかと思います。ほかの案件も、三百九十六なども控訴中、これは大体弁償をいたしますると執行猶予をつけてくれるというので、裁判のほうをずるずると引張つておりまして、それでその間にできるだけ金策して、自分の責任額、これは四十数名関係しておりますが、責任額だけ弁償いたしましてそうして執行猶余にしてもらう、そういうために裁判が長く続いております。佐世保の案件でございましてそういう関係もございますし、恐らく三百九十五のほうも、これは全額責任額を弁償いたしまして、執行猶余をつけてもらいまして、そのために裁判が長びくのじやないかと思つております。

前之園喜一郎国民民主党

○委員長(前之園喜一郎君) 政府のほうで、これは現在の状況をお調べになつて、次の委員会までに御報告願います。

川田三郎特別調達庁財務部長

○政府委員(川田三郎君) 承知いたしました。

小林亦治日本社会党

○小林亦治君 この三百九十二でございますが、殆んど資力のない者と、この百五十三万二千というものに対して五十万円ずつ数回というような和解をしたそうであります。その和解をなされるにしても、回収の目当が大体期待博きるような人とみなされなければならないと思うのでありますが、家も、家敷もない、職業もないといつたような、いわゆる風来坊といつたような者と、国家が財政上の和解をするのは、毎年五十万といつたようなことで、一体どうお考えになつておるか。何故そういう和解をしたのか。その間のいきさつを伺いたいと思います。

川田三郎特別調達庁財務部長

○政府委員(川田三郎君) その間のいきさつについて、只今ここで直ちにお答えすることはできない、申上げられませんが、やはりこれは債務名義を取りつけるということに急でありましたために、又本人も和解の当時においては、それだけのものを払うという申立を一応したものと見えます。金を取る側から申しますと、債務者のほうがそれだけ払うと言つているのを、払わないと言つて延ばすというわけにも行くまいと思いまして、払うと言うことで和解した。債務名義を相手方が承認いたしましたのでありまするから、こちらは国に有利な意味合いにおいて、それだけの和解を成立せしめた。その当時の県の担当官といたしましても、恐らく五十万円は取れまいとは思つたと存じますが、止むを得なかつたのだと思つております。

小林亦治日本社会党

○小林亦治君 どうもそこが私どもにはわからないのでして、官庁のおやりになるのは、債務名義になればよろしい、いわゆる紙に書いた権利書を見ればそれでよろしいといつたようなお考えの下に処理されるように窺えるのであります。御承知のように、債務名義というものは、その債務名義により執行力の対象になるような物を持つておつて、初めてこの債務名義か活きるのです。何ら、何物もない者との間に債務名義を作つても、これは何にもなりません。そういう場合には和解によつて解決をつけるのでありますから、果して実際にそれだけの資力があるか、或いは将来弁済力が期待せられるかどうかということをお調べになつた上でなければ、弁済の金額、時期というものは決定できないのじやないかと思います。そこのところがどうも腑に落ちないし、結局そういつた杜撰な取決めをするところの役所自体がこの責任者になると思うのです。まあ共犯とか協力者というのではありませんけれども、そうした数十万というものをちよろまかすのと同じような、いわばけりをつけてしまうというような簡単なお考えを私どもは非難いたしたいのであります。どうなんでしようか。債務名義さえ得ればよろしいのか、債務名義を作つた以上は、その債務名義が生きるような実際の点まで調べなければならないものとお考えですか、一つその点を伺いたいのです。

川田三郎特別調達庁財務部長

○政府委員(川田三郎君) 債務名義さえ取ればいいという考えは毛頭ございません。その際若し実情に合うような和解をいたしますと、年五十万というものがずつと少くなりまして、期間も延びるという関係になりますので、実現性は無論つかまなければいけない次第でありますが、当時としては、五十万円のところで相手がたに責任を負わせて行こうという考えでやつたものと存じます。でお説のように、実際に弁償できるような程度において和解をするのが全く妥当だとは存じますが、国の側から行きますと、一日も早く取りたい、それには成るべく早く取れるような條項で和解をすることが有利だと、こう考えてやつたような次第でございまして、この実情も今、全く推測の下に申上げておるのでございまして、なお当時の和解の事情を取調べまして、御説明をする機会を与えて頂きたいと存じます。

前之園喜一郎国民民主党

○委員長(前之園喜一郎君) これは私むしろこういうふうに考えるのですがね。和解をやることによつて、相手かたは刑事裁判が大体において有利になるのですね。そういうことだから、結局加害者に利用されたのだというふうに私は考えるのです。そういうことを漫然とやられては非常に困るのですね。

川田三郎特別調達庁財務部長

○政府委員(川田三郎君) 和解というのは、如何にも言葉から感じを受けますと、妥協というふうに見えますのですが、つまり本訴を起しまして確定判決を受ける簡易な手段としてやつたのです。これは簡易裁判所の和解……。

前之園喜一郎国民民主党

○委員長(前之園喜一郎君) そこを一つはつきりして下さい。さつきあなたは私訴と言われたのですね。刑事裁判に附帯してやるのが私訴なんて……。

川田三郎特別調達庁財務部長

○政府委員(川田三郎君) 若し私訴と申しておれば誤りでございます。簡易裁判所による即決和解と存じております。つまり支払命令をかけますのが一番簡単なのでございますが、支払命令で、相手かたが簡裁に異議を申し立てると成立をしない。その次が民事訴訟の意味の起訴前の和解ということになります。

前之園喜一郎国民民主党

○委員長(前之園喜一郎君) それは刑事裁判の確定前でしよう。確定後ですか。

川田三郎特別調達庁財務部長

○政府委員(川田三郎君) 刑事裁判の確定前でも……。

前之園喜一郎国民民主党

○委員長(前之園喜一郎君) いや、この事件は確定前だろうと思う。だから結局加害者に利用されておるのだ。和解ができたということによつて、或いは執行猶予になるかも知れない。だから政府がまんまと欺されているのですよ。

川田三郎特別調達庁財務部長

○政府委員(川田三郎君) 政府は現在のところ、この支払命令による和解によるか、本訴を提起するか、すべてそれが本訴提起に対する筋道になるのでありまして、これよりほかにとる方法が……。

前之園喜一郎国民民主党

○委員長(前之園喜一郎君) 和解をするということは、大体和解の期日に支払を受けるという目安がつかなければ和解してはいけないわけですね。払うという意思があり、払う能力があり、又債権者の側から言えば取れるのだという目安がつかなければ、和解したつて仕方がないのですから、あなたの言われる五十万円という支払ができないということは、大体想念像はついたのだと、だけれども小口にやつては長くなるから三カ年にしたのだと、こういう御説明なんですね。ですから債務者の側から言うと、この和解ができたことによつて裁判は非常に有利になりますよ。有利になるから、結局政府は加害者に欺されたのだと、そうして和解を作つたのだと私は考える。それらの点についてよくお調べになつて次回に御答弁願います。

小林亦治日本社会党

○小林亦治君 その点に関してなんですが、この当時は新らしい訴訟法で、私訴というものはないのです。

川田三郎特別調達庁財務部長

○政府委員(川田三郎君) 私訴は誤りです。

小林亦治日本社会党

○小林亦治君 それだから、委員長が念を押された通りに、もう一遍これは政府のほうが欺されたのでありまして、結局和解をしたということは、その和解の衝に当つた当該官吏のその取決めそのものが批難事項に又でき上るわけなんであります。これは相当重要だと思うのであります。その点将来かかることのないように、その和解の衝に当つた官吏について詳細なお調べを願つて、そうして経過と願末を御報告願いたいと思います。今の御説明では、本訴に行く筋道が即決和解だとおつしやるのでありますが、それは違うのであります。むしろ支払命令による請求のほうがこれは妥当なのであります。本訴を出そうと出すまいとそれは勝手なんで、そのほうが正当なんでございます。和解というとやわらかいとおつしやるが、これは和解ですから、やわらかいものなんです。そうすると結局これは執行猶予の材料になつたり、二重にも三重にも加害者のほうから欺されることに帰するのであります。なおその点を将来のためによく観念をつかんで置いて頂くために、これは詳細にお調べ願いたいと思います。

川田三郎特別調達庁財務部長

○政府委員(川田三郎君) 御趣旨はわかりました。つまり和解をすることなく、本訴なら本訴を提起してしまつて、民事訴訟法上、本訴を係属して置いて、一方の刑事のほうをやれば、本訴が確定しないから有利になる。それが和解というようなことになれば、国のほうが不利益になるじやないかという御趣旨であると存じますので、よく事情を取調べまして、次回までに出すことにいたします。この取調が果して一日、二日でできますかどうか、その点はちよつとむずかしいと存じますが、努力いたします。

カニエ邦彦日本社会党

○カニエ邦彦君 大体今の小林君並びに委員長の御質問で、この要点ははつきりして参つたのでありますが、私は和解されることは別にいいと思うのです。何も悪くない。ところがその現在和解をされた、約束をされたことが履行されていないというところに、その和解をしたということの適否が論じられて来るのじやないか。だから今後和解をされるなれば、それが長期に亘ろうと短期に亘ろうと、やはり実行のでき得る和解でなければならん。ただ形式的な和解であれば、実行できないことが生じて来るということを十二分に考えてもらいたい、こう思うのであります。  そこでもう一つは、この案件の中で二、三拐帯して逃亡したきりで、未だにわからないという説明があつたと思うのですが、この件については、ただその当時にそういう手配をしたというだけに、私は恐らく、その程度でしか行われていないのじやないかという推察をするのですが、その後年々或いは又数カ月ごとにこれに対する追及をしておるかどうか、この点について伺いたいと思うのです。

川田三郎特別調達庁財務部長

○政府委員(川田三郎君) 逃亡いたしました者の一例として三百九十七がございます。これは京都府に対しまして、特調の側からもその後の処理を始終督促しておりますので、行方不明の者を尋ねる方法としては、京都市も十分努力はしておるのでありますが、まあわからない。ただその状況をはつきり特調が把握しておりませんのは甚だ遺憾であります。今後も直ちにこういう者についての追及の状況を把握するようにいたします。

カニエ邦彦日本社会党

○カニエ邦彦君 追及の状況をつかむということでなくして、被害者は国なんですから、その国が適当な方法があるのじやないかと思うのです。私は法律家でないしわかりませんが、少くともその犯罪を犯して逃亡しておるということは事実なんだから、この犯罪者を追及するということは、別にその京都府がどうこう云々ということでなくして、ほかにもつと全国に指名手配をするとか何とかあるのじやないかと、非常に困難な犯罪人でも手配をして、そうして数カ月にはつかまえて来ておるのですよ。ましてやこの場合は、勤務しておつて、人相とか或いはその他のこともよくわかつておるのですから、手配をすればつかまるのじやないか。それが二十三年度の批難事項が、今日に至るまでも逃亡して、現在そのままになつておるというこの厳然たる事実は、これは少くとも国の権威に関する問題だ。国の金だから持逃げし、そうして盗んで逃げて、逃げて隠れておればそれでしまいになるというようなことであつてはならない。だからその点を、ただ今言われるようにその方法を把握するのでなくして、積極的にどういう方法でやるか、直ちにそれを検事局なり或いは警察、国警なりに行つて指名手配をして頂いて、早くつかまえるとか何とかしなければ、いずれこういう悪質なことをする人間であるから、外へ出ておれば出ておるだけ又悪いことをせんとも限らないのであるから、そういう点からいつても社会の不安の面からいつても国の権威の面からいつても、やはりこれは徹頭徹尾追及し、そうして速かに措置をする、こういうことを願いたいと思うのです。この点はどうですか。

川田三郎特別調達庁財務部長

○政府委員(川田三郎君) 先ほど私の説明が抜けておりまして失礼いたしました。全くカニエ委員の言われるように、指名手配の必要があるのでございまして、指名手配は実は当時やつております。で状況を把握するというのは指名手配までやつておるので、その後の手配の結果等を私どもは把握しておりませんので、それを把握したいということでございまして、京都と申しますのも、労管事務所及び現在であれば京都の市警ということになりますので、その点の把握でありまして、ここに明確な御報告ができるようになつておればよろしかつたのでありますが……。直ちにそのほうをとりまとめます。御了承願います。

前之園喜一郎国民民主党

○委員長(前之園喜一郎君) 一遍告発してそのまま放つて置けば、下積みになつてだめになる。絶えずあなたのほうから督促を検察庁と御連絡をとられないと、毎日山のように事件があるのだから、そのことをカニエ委員は言われたのだと思いますから……。

川田三郎特別調達庁財務部長

○政府委員(川田三郎君) 私が最初言わなかつたので……。

千田正第一クラブ

○千田正君 大体まあ一読して見てもわかる通り、殆んど犯罪を犯した者は渉外労務関係の、而も下級のかたが多いのでありますが、そこにどういうためにこういうふうな……大体において労務の渉外係であるが、何かそこに欠陥があるのじやないか。その点を一応御説明願いたいと思います。

川田三郎特別調達庁財務部長

○政府委員(川田三郎君) この説明は結局私の推測にしか過ぎなくなるのでありまして恐縮でありますが、この当時の職員が、戦後の比較的思想関係が、十分に修養を積んだ程度の者でなかつたのでありまして、又監督につきましても事務組織上十分な監督ができなかつた、中央官庁といたしましても、これを監査する方法につきまして一応はやつておるのでありますが、それを見破ることができなかつた。事前の予防策に十分なことができなかつた。そういう組織上、及び職員の質の問題であろうと存じます。これをその当時としてそうであつたのを、現在において何らか改善呈の方法をとるというより、私どもとしては微力のいたすところ方法がないのでありますが、なせこういうものが、起つたかということにつきましては、生活上の窮迫ということもあつたろうと存じます。又資金前渡官吏制度というものが、或る職員に対して一定の枠の範囲内で金が出し入れできる組織になつておつた。これは労務の給与でありますために、一々支出官がそのときどき支出をするということでは実情に副わないので、止むを得ず、こういう制度がとられた。制度そのものは恐らく維持しなければならんと思いますが、そうして前渡官吏の資金の管理面をより強く監督いたすことができれば、こういう事項は防ぎ得たものではないかと存じます。

前之園喜一郎国民民主党

○委員長(前之園喜一郎君) ちよつと今の千田委員の質問に対して会計検査院の御意見を一つ聞きたいと思います。

小峰保榮会計検査院事務総局検査第四局長

○説明員(小峰保榮君) 千田さんの御質問でありますが、会計検査院といたしましては、実はこういうふうな一つの、一件違うのがありますが、殆んど全部が労務者給与が対象になつております。こういう一つのものでこんなにたくさん同種の犯罪が一年間に出るということは、従来も実はなかつたのであります。で数年間ずつとこういう種数の犯罪が続いておりまして、それで私どものほうといたしましても、何かただ人が悪いと、先ほどの御説明では、大体戦後の思想的な混乱というようなものが中心のようなお話がございましたが、人の悪いだけでしたらこれは国の現金を扱つておるのはほかでもたくさんありますので、終戦処理費だけが際立つて十件以上も同種の犯罪が並ぶということはないわけであります。何か組織なり制度の上で悪いところがあるのじやないか。これは実は一昨年来からいろいろ特調当局にも御研究願いまして、当時大蔵省が終戦処理費の元締官庁であつたのでありますが、いろいろ御研究願いまして、大分いろいろな点を直して頂いております。それから人の問題は、これはやはりどうもいい人を使つて頂くより仕方がないのでありまして、拐帯逃亡なんということは、犯罪としては最も単純なもので、持つて逃げてしまうのでありますから、これなんかは若い人に一人で預けないで、二人で行つてもらうとか、そういうことを考えるより手がないのでありまして、いろいろお願いいたしまして、大分細かい点を直して頂いております。私どものほうといたしましても、そう犯罪が出るようでは射る。三千万円を超えるようなものが盗まれてしまう。これでは困ると存じまして、昨年実は労務関係、労管部、全国の労管でありますが、特別検査をいたしまして、それで犯罪は、初めは実は犯罪防止、見付けるということよりも、むしろ防止しようというような趣旨で特別検査を全国一般にいたしまして、その結果二十四年にはこの件数がずつと減つております。又質もよくなつたのだと思いますし、制度の上でも改善が施されたと思います。この種のものは逐次減少しておる傾向にございます。特別検査の結果、犯罪現場をとらえるということは実はなかつたのであります。手続のまずい点、それからその結果生ずる不当給与というものが、これも三千数百万円に上りまして、これは二十四年度の検査報告にまとめて掲げてございますが、会計検査院といたしましても、同種のものにつきましてこういうふうにたくさん犯罪があつたということは、実にどうも嘆かわしい次第でありまして、いろいろ部局にも御注意申上げますし、しておりますので、これはだんだん減つて来ております。それだけ御報告申上げて置きます。

前之園喜一郎国民民主党

○委員長(前之園喜一郎君) これは何ですね、会計検査院のほうでは非常に綱紀の弛緩ということを考えられるのじやないかと思いますが、長い間に亘つて発見できなかつたということは、監督不行届の点が多いのじやないか、そういう点についての御意見はどうですか。

小峰保榮会計検査院事務総局検査第四局長

○説明員(小峰保榮君) 今の委員長の御質問御尤もと思います。  これは大体進駐軍労務者を取扱う役所というのは、やはり古い伝統を持つておりません。そうして制度が何回か変りまして、いろいろ関係方面からのまあ要請もあつたわけですが、丁度渉外労務管理事務所というのが、二十三年の五月だつたと記憶いたしておりますが、その頃発足した役所でありまして、役所の伝統もございませんし、それから職員は寄せ集めというような傾向もございますし、それから県のほうも監督が必ずしも万全ではない、それから特別調達庁も、まあ実はここに関係者もおられますが、非常にむずかしい、横文字を縦に直したようなむずかしい規定をたくさん出しまして、取扱が現地で非常に困り、この指導方面、監督方面が不徹底だという点もありますので、これなども昨年来いろいろ御注意申上げまして、逐次軌道に乗つておるようであります。今のような関係がいろいろ重りまして、検査院といたしましても、本当に前代未聞なんでありまして、一つの対象に対しまして十も犯罪が一年の間にあるということは、そういうことは検査報告にないので、そういう結果を来たしたのだと思つております。

千田正第一クラブ

○千田正君 今、会計検査院からの御報告がありましたが、大蔵当局といたしましては、私は実際終戦後における大蔵省の官吏の人たちの養成、なかなか大蔵官吏の養成は一年や二年ではできないことは十分わかつております。技術の方面においても、又、実際国の税金、いろいろ公共のものを扱うものでありますから、そう簡単には、ほかのものなんかのように簡単には立派な官吏を養成することは容易でないと思うのでありますが、この点はよくわかりますが、こういうふうに引続いて同じようなものが出て来るのは何か欠陥がありはしないか。その欠陥に対していろいろ善処しておられるようでありますが、最も著しい改善の点はどういう点においてやつておられるかという点を伺いたいと思います。殊に採用の際にですね、国の金を取扱う、現金を取扱うような立場にある人たちに対しては、或いはその保証人、その他に対して、当人が若しもの場合、こういうような逃亡した場合、これは全然補償の見込みはないというような場合において、誰がそれをやるかというようなことの点までも十分気をつけて採用しているかどうか。或いはこの現金の取扱に対して、組織の変更改善に対して、その後どういうふうにやつておられるかという点について一応御説明頂きたいと思います。

川田三郎特別調達庁財務部長

○政府委員(川田三郎君) 第一の採用の点につきましては、全く御趣旨の通りに実行いたしたいと存じているわけでありますが、この当時の人に対しましては、むしろ就職難より求人難のような状態にございまして、現在では採用が比較的容易でありますのでよい人を選び、保証人も立てさせるように指導しております。そうしてその他の改善方法として、ここで非常に、自分から申すことは余り得意げでありまして、それだけの自信はないわけでありますが、資金前渡官吏の、その毎月の金額を、従来は渡し切りでありまして、最後の決算報告を見るというよりも、毎月現在幾ら残金があるか、つまり金の櫃の検査、金櫃検査というものをやつております。これによつて浮いた金がないようにする。それから労務者の給与の支払に当りましても、県が、一応出た人員の審査をいたしますが、それにつきましても、県の審査官と取扱う人間との間に何か特別の申合せでもないかという点を審査する。その他規定を簡明にいたしまして、その規定の指導を全国的にやる。今までは個々の県と大蔵省なり特別調達庁なりの間の打合せの程度でございまして、それを成るべく印刷物をきちんと作りまして、全国的に基準を常に与えて行くというふうでやつております。なお経費が許しますならば、会計検査院にもお願いいたしまして、取扱職員の講習の方法をとろうと存じておりますので、新年度になりますれば、予算の関係から実現できると思います。先ず心構え、規定の実践方法、それから事務のとりかたというものを初めから叩き直すという計画を立てております。

前之園喜一郎国民民主党

○委員長(前之園喜一郎君) 千田委員に申上げますが、大変大事な御質問だと思うのですが、これは根本的な問題であるので、人事院総裁と関係の閣僚においでを願つて、御質問なさるほうがいいのじやないかと思いますが、如何ですか、そういたしますか……。それではこの問題に対しては次の機会に人事院の総裁並びに関係閣僚の出席を求めて、改めて御質問をお願いいたします。

カニエ邦彦日本社会党

○カニエ邦彦君 今の説明の中で、当時は非常に現在と事情が違つて、求職者がなかつた、人がなかつたので非常に質の悪い者が多かつたために事情はそういうことになつたのだ、こういう話でありますが、千田君の言われている趣旨は、幾ら人がなくつたつて、そういう悪いような者ばかりが全部でなかろうと、だから特にこういう金を扱うところの出納官吏とか或いは前渡官吏とか、或いは直接補助者とかという者に対しては、その多くの中から選つて頂くなれば、周囲の事情から推して、万が一事故があつても返済でき得るのじやないかと思われる者とか、或いは又、そういう者が調べて見てなかつたとしても、非常な事故が出て来ておる者は、殆んどが身の軽い、若い者ばかりなんですね。そこでそういう者でなくして、そういう者が、今言つたような適格者がなければ、年輩者の、相当家族もあり、子供もあり、家庭的にも責の重たい人間にそれをやらしめるということであれば、こういう事故が起きたにしても非常に少数で済むのじやないか。そういう措置ができるにかかわらず、していなかつたのではないかというような点にもあると思うのです。だからそういうことが当時できないのだとはどうも想像ができないのです。私は何故それを、そういう措置をせずに、かようなだらしのないような結果になつたのかと、こう言うのです。

川田三郎特別調達庁財務部長

○政府委員(川田三郎君) これは只今御指摘のように人員の配置、人の使い方につきましては、確かに不十分なものはあつたと存じます。この点につきましても今後は十分こちらから、中央からも督励を加えますし、現在においても各都道府県にこうした指摘事項が出ておりますものによつて鑑みましても、必ずやその会計職員の選任につきましては十分の注意をしておるものと存じます。なおこの上とも注意をいたします。

カニエ邦彦日本社会党

○カニエ邦彦君 それから先ほどの総括的な問題でお話になりました三千四百万円、当時の金で非常に厖大な統計でありますが、被害額の中の六百五十万円が辛うじて返済された。残り二千七百八十余万円というものは未だそのままになつておる。ところが今の説明を順々に聞いて参りますと、この未回収の金というものは焦げ付いて取れないのじやないかと言う。我々が想像するのに、取れそうもないのじやないかというものが大多数であろうと思うのです。そこで先ずその逃亡した者或いは又うまく逃げておる者は別として、それぞれの刑に服して、そうして四年なり或いは三年なり、一年なりの刑をおさめた者が、なお残余のものが残つておると、それに対して高額な額を取れないものを取り立てるということになれば、結局又そういう人間が元に逆戻りするというようなことも考えられるし、そういうような取り得ないものを無理に残して置くという思想でなくして、何とかこれに対しては方法を国としては考えられておるのかどうか。これを未回収の措置について伺いたい。なおこの点については政府の見解と会計検査院がどういうような、こういう厄介なものは、今後どうすれば一番いいんだというようなお考えがあれば、会計検査院からも重ねて伺つて置きたいと思うのです。

川田三郎特別調達庁財務部長

○政府委員(川田三郎君) 只今の未回収に対する、政府としての今後の扱いをどうするかという問題につきましてお答えいたします。これは私ども欠損を招来しました責任官庁としては飽くまでも取り立てるということに第一は専念すべきであろうと存じますが、只今御指摘のように、その反作用があるという点も考えないではありません。そこで現在これを本人の経済状況によつて、追及はして参りますが、どうしても失業者であるというような状態の者にまで、更に追及することは不合理でございますが、欠損は欠損として背任はありますが、本人に対しましては、大蔵大臣に協議いたしますので、政府の個人に対する貸付金という形に置き替えられる制度になつておるわけであります。で欠損をする前、一応政府貸付金に切替えまして、それによつて債権は債権として一応認めさして置きますが、無理な取り立てはせないという点に落着くことになろうと思いますが、私どもとしては、成るべくそこまで持つて行かずに取り立てたいとは存じております。

小峰保榮会計検査院事務総局検査第四局長

○説明員(小峰保榮君) 今のこの種の債権の処理の問題でありますが、これはカニエさん御承知の通り、なかなか実は取れない性質のものであります。無理に取り立てるということも、例えば只今差押さえするとかいうようにきめてしましても、実にはならない、こういうあれでございまして、そして政府委員から簡単に説明がありましたが、現在の制度といたしますと、定期貸し、据置貸しというのがございます。これは各取扱官庁から大蔵省に移管いたしまして、大蔵省が都道府県に取り立たせるのであります。これが大体二十年間経ちますと、時効で消滅してしまう取扱になるわけであります。定期貸しと申しますと、年賦で幾らずつかそれを納める。据置貸しは或る期間据置でございまして証文みたいなものでありますが、そのときに払い得たら払う、こういう制度は現在もあるのであります。各担当官庁といたしましては、これにいきなり持つて行つてしまうということは、非常に無責任でもありますし、成るべくその地方で取り立てを図るのでありますが、どうにもこうにも取れないというような者には、そういう制度を使いまして大蔵省に移すと、こういうことをやつておるわけであります。

千田正第一クラブ

○千田正君 最後に一点だけお伺いいたしますが、こういう犯罪のために、労務者に当然払うべきところの賃金、或いは労務関係のそうした諸給与がこれによつて影響されたかどうか。例えばよくあるところの、これは官庁などではどうか知りませんが、土建業者なんかよくありますが、いわゆる労務者のぴんはねというような、そういうようなことになつて、正当にもらうべきところの労務者が、こういう犯罪の結果、正当の賃金がもらえなかつたというようなことがなかつたかどうか。この点もう一点伺いたいと思います。

川田三郎特別調達庁財務部長

○政府委員(川田三郎君) これにつきまして労務者のほうに賃金が渡せなかつたということはございません。あとでその事実がわかりますと、結局政府は同じものを二度出すようなことも起りますが、労務者のほうの給与は出ております。

千田正第一クラブ

○千田正君 併しそれは或る犯罪がわかつて、そうして実際は渡せなかつたということがわかつてから、そういう補給をしたのだろうと思いますが、少くとも当時の、恐らくこういう労務者でありますから、毎日々々の生活そのものが非常なる悲惨な生活の立場において、恐らく労務に従事したのだろうと思います。一日といえどもそういうことで遅滞させますならば、その人たちの生活というものは、相当こういう人たちがあつたために苦しい立場に置かれたと思うのでありますけれども、単に賃金のあとからの補給によつて云云ということじやなくて、人道上道義上からいつても、こういう問題は、或る程度究明をしなければならない問題と思いますので、その点を確めて置きたいと私は思つたわけであります。

川田三郎特別調達庁財務部長

○政府委員(川田三郎君) そういう事故の起りましたときに、或いは支給が遅れるということは、個々の場合には発生したかもわかりませんが、恐らくそれは一日か二日、これだつて問題でありますけれども、止むを得ざる遅滞があつたかと存じますが、直ちにそうした事故につきまして、一方で事故があつて停頓しておるような場合、そのまま、それがわからずに、成る期間流れて行くということはございません。やはり一定の支給日がせまつておりますので、労務者がもらえなければ、事情は何であろうと、騒ぎますから、支給をされておる。それで私も全体から見て、今労務官財部のほうに聞きまして、不支給とか支給が甚だしく遅延したという事故は起つていないのです。

千田正第一クラブ

○千田正君 これはむしろ渡さるべきところの労務者が、渡されないために騒いだからこういう犯罪がわかつたんじやないですか。そうじやなくて、ちやんとあとからわかつたのですか。私はむしろこれは渡さるべきものが渡されないから労務者側で騒いだので、こういう事件の発端になつたのではないかと思いますが、その点はどうでございますか。

小峰保榮会計検査院事務総局検査第四局長

○説明員(小峰保榮君) 今の千田さんの御質問でありますが、そういうことは実際上でございません。と申しますのは、これは御覧願いますとわかりますが、先ず附け書きをしたり有り金を抜いたりするのであります。附け書きになると、これは当然労務者に、仮に百万円払うのに百十万円附け書きして十万円取るのでありますから、百万円だけは労務者に正当に行くわけであります。この中で千田さんの御懸念になるようなことが仮にありますならば、拐帯逃亡だけになるわけであります。小切手を持つて参りまして、それを現金化いたしまして、労務者に払うために持つて来ると、それを持逃げいたしますから、取りあえず労務者に払えないというような事態があるわけでありますが、この中で拐帶逃亡は三件ほどでありまして、大部分は今の附け書きとか、有り金の穴をあけたというようなことでありますから、御懸念の点はございません。それから拐帶逃亡は、事案を御覧願いますとわかりますが、比較的金額も小そうございます。このくらいの金額ですと、すぐに埋合せがつきまして、労務者のほうには迷惑をかけないということができるわけでありまして、ほかの案件は先ほどから申上げますように附け書きしたり或いは有り金を抜いたりというのでありまして、別に労務者には直接のあれはございません。従つて労務者のほうから騒いでこういう案件がばれたというのは、今まで聞いたことがございません。

前之園喜一郎国民民主党

○委員長(前之園喜一郎君) 三百七十三に対して若し御質問がありましたら……。  この部屋を一時から電力委員会で使うので、十二時半までに空けてくれということでありますが、あと十五分間くらいに御質問がありましたら……。

カニエ邦彦日本社会党

○カニエ邦彦君 もうあと十五分であれば、本日はこの程度でどうでございましようか。

前之園喜一郎国民民主党

○委員長(前之園喜一郎君) それでは本日の三百七十から三百九十六までは、本日は保留いたしまして、次の委員会で御審議を願います。  本日はこれを以て散会いたします。次回は明日午前十時から開会いたします。    午後零時十四分散会  出席者は左の通り。    委員長    前之園喜一郎君    理事            岩沢 忠恭君            岡崎 真一君            相馬 助治君    委員            大矢半次郎君            小杉 繁安君            寺尾  豊君            西山 龜七君            カニエ邦彦君            小林 亦治君            赤澤 與仁君            小林 政夫君            岩男 仁藏君            千田  正君            森 八三一君   政府委員    特別調達庁次長 堀井 啓治君    特別調達庁財務    部長      川田 三郎君    特別調達庁契約    部長      長岡 伊八君   事務局側    常任委員会専門    員       森 莊三郎君    常任委員会専門    員       波江野 繁君   説明員    特別調達庁労務    管財務部次長  曾田  忠君    会計検査院事務    総局検査第四局    長       小峰 保榮君

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