決算委員会 第2号
- 発言数
- 56 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1951/02/05
会議録
○委員長(前之園喜一郎君) 只今より決算委員会を開会いたします。 昭和二十三年度一般会計歳入歳出決算、昭和二十三年度特別会計歳入歳出決算を議題といたします。本日は昭和二十三年度決算検査報告書の三百十七から三百二十三の御審議を願います。会計検査院の御説明をお願いいたします。
○説明員(小峰保榮君) 只今議題になつております検査報告の三百十七から三百二十三までを御説明申上げます。これは立川、宇都宮、東、大阪の福島、茨木、東山、それから神田、この税務署で係の者が納税義務者から取りました税金を横領した案件であります。この横領金額はこの表に出ておりますが、神田を除きまして合計五百八十九万四千五百九十円、検査報告を作成いたします当時までに弁償になりました金が半分足らずの二百五十万三千八百五十六円、こういうことになつております。税務署の税金の横領というような問題は、年々殖えて来ておりますが、二十三年度といたしましてはここに掲げた七件を検査報告に入れたわけであります。
○委員長(前之園喜一郎君) 大蔵省の御説明を願います。
○説明員(忠佐市君) 主税局の調査課長でございますが、現在租税の賦課徴収に関する事務は国税庁に移管されておりまするので、行政面の責任は国税庁に讓つておるわけでございますが、歳入の事務管理庁として主税局から御出席させて頂いた次第であります。 この事件につきましては、説明書に書き上げておりまする通り、会計検査院の御指摘の通りでございまして、税務職員の監督について十分できなかつた点がございますために、相当件数の公金横領という事件を起しましたことにつきまして誠に申訳ないと考えておる次第でございます。それでこれに関連いたしまして、私どものとつた措置といたしましては、先ず第一に横領された公金が納税者に対してどのような関係に相成るかという点が第一だと思います。この点につきましては国家の職員といたしまして、納税者からその権限に基きまして受取りました金額は、納税義務者は完了するという見解をとりまして、納税者に対しましては二重に御迷惑をおかけしないということにいたしてございます。従いまして横領されました公金は一応は歳入として国庫に入つたという形式をとりまして、国庫の歳出からその金を支出いたしまして補填いたしておる、かような関係になりまして、被害者は国庫というふうになる次第でございます。なおこの点につきましては正当の権限がある職員であつた場合と、正当の権限が認められていない職員であつた場合とにおいて多少法律上の問題はございますが、この点につきましては会計検査院の御了解も得まして、表見代理というような関係におきまして、税務職員が納税者から受取つた公金、受取つた金額につきましては納税義務消滅というような解釈をいたしまして、これは国庫の損失ということに考えておる次第でございます。このような第一の問題が解決されますと、第二の問題は国庫の損害に対して如何なる措置をとつておるかという点でございますが、この点につきましては被害者である国は、その加害者である横領をいたしました税務職員に対しまして請求権を持つ、その請求権につきましてはできるだけ個人の道義心に訴えて弁償させるというのが第一の手段でございます。これにつきましては本人の資力ということにつきましては余り当てになりません。従いまして若い税務職員がこの案件にあずかつておりますが、それにつきましては親戚或いは友人というものが懸命にその穴埋めに骨を折つておる。ある財産を殆んど投げ出しても子供のために弁償するという、こういつた事件がこの中にございます。従いまして相当弁償の済んだ事件もございまするし、又このような手段がとり得なかつたために相当国庫に御迷惑をかけておる事件もございます。その結末といたしましては、弁償について相当誠意を示しておる場合におきましては裁判上においても相当の恩典が与えられておりまして、執行猶予というような判決を下されております。この案外庁の下にそのことが出ております。併し弁償の責任を果さないような場合におきましては実刑を科されておるというような場合がございます。このような場合におきましては裁判上の認諾の手段によりますれば、或いは裁判上の和解の手続によりまして国庫に与えました損害を分割して、収入を分割して納めさせるという手段を講じておりまして、その点につきましては当該所属の税務署等におきまして始終督促いたしておる次第でございまするが、大体の経過といたしましては刑事上の判決が確定するまでにおきましては、本人並びにその親戚、友人等が相当の誠意を持つて弁償に努力をいたす状況が現われておりまするが、判決が確定いたしましたあとにおきましては、弁償の速度が非常に鈍つて参ります。この点につきましてできるだけ国庫の損害を埋めたいということで努力をいたしておる次第でございます。更に問題はこのような事態を惹起したことについての監督上の責任をどうとるかということにつきまして国税庁からそれぞれ行政上の戒告を加えておる次第でございます。なおこのような問題を未然に防止いたしまするために適切な措置を講ずる、こういうような税務職員を外部に派出いたしまして滞納税を納めて頂きます際には、このような失態を起さないような措置をとります。例えて申上げますと、この事件を発生いたしました当時は、カーボンで二枚の受取を書きまして、一枚は原符と申しましてこれは税務職員が自分で持つておりますと同時に署長に対する報告の材料とする。それから一枚は納税者に領収証として渡すということにいたしておりましたのですが、領収証を上にいたしまして、原符が下である。従いまして納税者に対しましては納税者から受取りました現金と同額の受取証を書いて置いて、下に残す場合にはそれより少い金額を書くというようなトリツクを使う。こういう例もございます。従いまして最近はこれを三枚綴りのカーボンにいたしまして、表面を原符にする。それから真中を領収証にする。それから一番下の紙を署長に対する報告の用紙とする。まあこういうことによりまして、できるだけ改竄その他の手段による公金横領という手段をなくすというようなことを考えまするほか、帳簿の整理を嚴格にいたしまして、監督者がときどき目を通し、それによりまして只今のような相当時間を置いて監督の手が緩んでおつたために横領をするという機会をなくするようにいたしておりますのもその一例でございます。かようにいたしまして、できるだけこのような国家並びに国民に御迷惑のかからないような手段をとることにいたしております次第でございます。
○西山龜七君 今の大蔵省の御説明を聞きますと、この犯罪に対して監督者たる人々にそれぞれの制裁を与えておるような御説明でありましたが、三一七と三二三に対しましては、署長に対して、又監督者に対して、どういうような制裁をしておるか、これを聽取したいと思います。 それからもう一つは今の御説明を聞いておりますと、納税者にやるものと控えとが違つておる。それがために改めて三つの控えを取ることにした、かような御説明でありますが、そうしますと今までやつておつたことは、違つたことをやつておれば必ずいつかは判明するということがわかつておるにかかわらずやつたことになりますので、どうもこの犯罪が、そういうようなことでいずれかわかるものを知りつやるといもことはあり得ないと思いますが、もう少しこれは所得税に対して或いは物品税に対して、こういうような犯罪を起したもとがわからないようなことに、できるようなことになつておつてやつたのではないか、かように感ぜられますが、その点のことについてもう一度御説明願いたいと思います。それからもう一つは金銭の収支につきまして、毎日嚴格にどういう方法をとられておるか、この三つにつきましてお伺いいたしたいと思います。
○説明員(忠佐市君) 第一番の御指摘の点は三一七号と三二三号の責任者に対する戒告の措置につきましてのお尋ねだと思いますのですが、所轄の国税局長が書面によりまして、行政上の戒告を与えたと私承知しておりまするが、その詳細につきましては書面によりまして委員長までお届けさして頂きたいと思います。 それから第二点の問題でございまするが、これは先ほど御説明が足らないで失礼でございましたが、二枚続きのカーボン・ペーパーによつて書きまする場合には、最初に十五万何がしと書くべきものを五万何がしと書いて置きまして、最初は原符が、領収証が上でございまするから、十五万とこう書きます。そのときに下の、手許に残りまする紙には、十万單位の所に白紙を入れて置きますと、残りました上のほうには十五万と書きますが、下には十万の單位が拔けまして、五万幾らと書き上げる。従いまして自分は十数万受取つて置きながら、数万の収入があつたように報告をいたして十万を横領をする。こういうことになります。従いましてこれは納税者が指摘して来ますれば直ちに発見される結果になると思いますのですが、それが滯納件数が相当多いことと、それから監督者が万一加うべき注意を怠りますると、こういう事件が起るということになると思います。そこで第三点といたしまして、毎日どういう監督をいたしておるかという点でございます。これは必ず一綴りの只今のカーボン・ペーパーになる帳簿を持つて行きまして、これは番号が打つてございます。一より五十というような通し番号を打つておりまして、而も何月何日何某に渡したということがはつきり登録されてございます。この領収証の一まとめになりました帳簿は嚴重に受払いの監督をいたしております。従いまして第何冊目の第何番目から残つておるということがわかります。そこで本日出張いたしまして、納税者から現金を受取つて参る。それを現金の受入高とその帳簿に記載されました金高とを合せまして、それでそれを銀行に払込ませる。最近はこの監督だけは嚴重に各税務署でとつております次第でございまして、あとはその原符に書き上げられたものと納税者に渡したものとが一致しておるかどうかという点だけになると思います。この点は只今申上げました三枚続きの帳簿組織に変えましたことによつて大体防止できておるような気がいたします。只今申上げましたように、正当な領収証を使いました場合には大体において監督は行届くと思います。ところが納税者の側におきましてそういうような方式をまだよく知らない、或いは税務職員を信用しておるというような関係がございまして、例えば名刺の裏に金何十万円也預りとか、或いはその正当な領収証以外の仮領収証という形で金を受取つて来る。それを横領するということになりますと、これは若干危険がございます。従いましてそのような仮領収証、或いは名刺にちよつと受取を出して来るという方式をとらないことについて十分の訓戒とそれから注意を与えて置く。こういうような次第でございまして、只今その面につきましては、この昭和二十三年当時とは格段の改善がされておるというように考えております。
○岩男仁藏君 ちよつとお伺いして置きたいと思いますが、この三一七号から各号に亘つて犯罪金額が余りに大きいことに対して弁償の金額が余りに少な過ぎる。これは保証金はどうなつておりますか。
○説明員(忠佐市君) 保証金は只今税務職員からも取つておりません。
○岩男仁藏君 大蔵事務官を採用するときの保証人の関係は……。
○説明員(忠佐市君) その点につきましては、金銭上の保証まではいたさないということを了解で保証いたしてもらつておる関係がございまして、保証人に要求することはございません。但し先ほど申上げましたように、弁済済のものがございまするが、これは只今申上げました友人とか、親戚とかいう関係で全額弁済をするという、こういう際に、保証人という方が相当御心配になつておるということを非公式に聞いておりましたのですが、公式にその報告がございません。併し只今のような関係で、保証の最初の要件といたしまして、金銭的に迷惑をかけた場合に、金銭の保証義務を負うということをはつきりいたしておりませんので、保証人に対しては請求をいたしておらないということになります。
○岩男仁藏君 それがおかしいのだね。今、地方庁でも会社でも、人を採用するときはそれが一番大きな要件になつておる。どうして国がそういうことを閑却するかということが私はおかしいのですよ。それがあれば、これはあなたがいろいろ事件が起つたそのときには、親兄弟或いは友人とかいろいろ奔走するというようなことをせんでもいいんですよ。私の知つておる限りは、こういう種類のことは県庁にもあれば会社にもたくさんあります。ありますが、各弁済の、弁償の金額がこういう開きのあるようなことはないのです。殆んど解決しておりますがね。殊に地方庁、県庁あたりでは新採用についてはしつかりした保証人を二人以上立てております。殊に会計関係の職員については最もしつかりした保証人を、いわゆる財力のある者を保証人に、しておりますから、こういうことはありません。どうして大蔵省当局はこの金銭を扱う税務関係について保証金を取らないで採用するか、これは将来の大きな問題ですが、どういう考えを持つておりますか。
○説明員(忠佐市君) 只今の御指摘の御意見誠に御尤もだと思います。この問題につきまして、国税庁に税務行政運用審議会というのがございまして税務行政の改善ついていろいろと案を練つております。非常に御参考になる御意見だと思いますので早速国税庁のほうにその旨をお伝えしたいと考えております。
○西山龜七君 先ほどの第二点のことについてもう一度お尋ねしたいと思いますが、税務署において納税者に正確に納税をさすべき金額の決定、即ち納税金額の台帳となるものに対しましては、どういうような意味においてそれが確定をせられておりますか、その点をお聞きしたい。それからつまり台帳に出ました納税の金額というものに対しては、実際において徴収をしたものとの照合せとか、銀行との対照なんかはどういうふうにやつておるのですか。それをお伺いしたい。
○説明員(忠佐市君) 第一の問題は所得税で申上げますと、先ず申告書は本人から出て参ります。そうしますとその申告の申告書に記載せられました税額がそのまま台帳に載ります。これが納税者から納めて頂く税額になります。それから税務署で更正決定をいたしますと、その更正決定の金額に応じた増加税額というのが出て参ります。そういたしますと、前に申告された税額と、更正決定によつて殖えました税額と、その合計額がその納税者の納めるべき基本的な納税額になるということでございまして、それが申告首の分と更正決定の分とが同じ納税者の台帳の一口座にまとめて書き上げられます。そのまとめて書き上げられました税額のうち、納税済になりました金額が又台帳に書き入れられまして、残額が出て参ります。そこで第二の問題に入りますのですが、納税者から税額が納まつたということがどういう経過で記録されるかということだと思いますが、これは納税は銀行或いは郵便局の窓口を通りますことが大多数でございます。従いまして、郵便局又は銀行の窓口を通つて参りましたという税務官庁に対する通知がございます。御承知のように一枚の紙に三分或いは四分された記載欄がありまして、納税者がそれを一緒に銀行又は郵便局に持つて参りますと、領収証だけ納税者に渡して、あと銀行なり郵便局で取つてしまいます。そのうち郵便局又は税務署が自分で持つております分と、それから税務署がその一部を廻してよこす分とありまして、同じ金額がそれぞれ三片又は四片に書いてございますから、その一片を税務署に送つて来る。その送られた金額で納まつたという帳合いをする、かような関係に相成ります。従いまして郵便局又は銀行を通して納めた分につきましては、金額の間違いというのはないと思います。ところが収税官吏、税務職員が現金で受取つて来た税金につきまして、それを一まとめにして銀行に納め、そうして内訳書を出しまして、内訳書で帳合いをするということになります。従いまして、只今申上げました三枚続きの甲の一枚が、銀行又は郵便局から送られる通知書と同じような働きをする、かようなことになりまして、その金額をできるだけ正確にする、完全に正確にするということが間違いを全然無くしてしまう方法である、かように考えておる次第でございます。
○委員長(前之園喜一郎君) よろしうございますか。ほかにございませんか……。それじや私から忠説明員にちよつとお尋ねいたしますが、先ほど表見代理のお話がありましたがね、表見代理はどの程度なんですか。
○説明員(忠佐市君) 実は私表見代理と申上げたのですが、余りはつきりそこまで行政的には固めてございません。それで問題は、昔の制度で申しまする雇員でございます。現在事務員と申しておりますが、この雇につきましては、収税官吏としての正当な滯納処分をする権限がないということになつております。従いまして、雇員が収納官吏の補助として出て参りまして、実際は収税官吏と同じような納税者に対する交渉をして税金を仮に預つて帰る、その場合におきましては、収税官吏であるかどうかということは納税者が要求いたしますれば身分証明書を提示する、収税官吏の証というカードがございまして、そのカードをお見せいたしますれば資格がはつきりいたすのでありますが、納税者の方が一々そういう要求をなさらない、従いまして税務署から伺いましたと言つて訪れます際に、信用して税金を渡して下さる、かような事情に基きまして、納税者において、本人を税務署の役員であり而も収税官吏としての権限があるということについてそれを信用してしまうということについて、過失がないというような場合におきましては、これは収税官吏としての正当な権限に基いて受取つたものと同じように考えておる、まあこういう考え方を私が仮に表見代理という言葉で申上げました次第でございます。
○委員長(前之園喜一郎君) そうすると収税関係の事務官、或いは雇以外のものですね、そういうものが収税した場合はどうなるのですか。
○説明員(忠佐市君) 例えばかような例がございます。
○委員長(前之園喜一郎君) 簡單に……。
○説明員(忠佐市君) 収税官吏がたまたま納税者から便宜的に納税を頼まれて、それを預つて帰りました場合に、納めないで横領したというような事例におきましては、これは納税者にそれだけの過失があるという見解を持ちまして、この場合は公金とは考えないというように、只今考えております。
○委員長(前之園喜一郎君) 併しですね、納税者のほうではやはり収税事務に関係のある人だと思つて納税した、或いは預けたというような場合は…。
○説明員(忠佐市君) その点、その当時の事情によりまして考えるほかはないと思うのですが、税務職員としての資格において行動をいたしました場合と、まあ單に知人というような形で好意的にそういう事務を、事務の委託を受けました場合と、大体そういう標準で考えて、その当時の事情がどちらに強いかということで、きめるほかはないというような気がいたします。
○委員長(前之園喜一郎君) それからですね、監督者の処分の問題ですが、これを見ると三百十七は二十三年十二月から二十三年七年まで、三百十八の場合は二十二年十一月から二十四年の三月まで、三百十九は二十三年分六月から二十三年の八月まで、この長い間の横領がわからないということは、全く私監督不行届きだと思うのです。それに対して三百十七のごときは、單に戒告、その他どういう処分をされておるかわからないが、これは非常に監督者に対する責任の追及が軽きに失するという感じを抱くのですが、あなたのほうではこれが相当だとお考えになるのかどうか、その点を承わりたいと思います
○説明員(忠佐市君) その当時の税務の状況から考えまして、行政上の戒告というところで問題を打切つた次第でございます。当時の状況は御承知のように税の事務が非常に輻輳いたしましたところへ持つて参りまして、未経験の税務職員を採用して、その急場を拔け切る必要があつたということ、もう一つは労働攻勢の非常に高潮に達した時代でもございまして、このような場合において監督者の責任を如何に考えるか、という場合に、御酌すべき事情があるというように考えられた次第でございます。
○岩男仁藏君 どうですかね、これは刑事問題としてそれぞれ有効な判決を受けるのでしようが、更に家資分散の宣告を与えるような訴訟でも起こしておるかどうですか、一罰百戒という言葉が昔からありますが、寛大過ぎると、こういう種類のものが続々出て来るのです。懲役にさえ行けばいいということで、甚だこれは面白くないと思うのです。懲役にも行くと、一方においてそういう悪いことをしたやつは更に家資分散の宣告を与えられる、一生浮ばれん、こういうことになれば、これは一罰百戒で、その人に対しては残酷ですが、非常に効果があると思うのですが、こういうことについて御見解を……。
○説明員(忠佐市君) この弁明書にも書いてございますように、御意見の通り一方刑事罰を嚴格に適用すると同時に、弁償すべき金額については嚴重な手段をとりまして、資力がありますればその弁償債務を履行させるということを考えておる次第でございます。従いまして、訴訟上の和解或いは認諾という手段をとりまして、若し弁済をいたさない場合におきまして、資力がありまするならば直ちに強制執行ができるというところまで考えております。ところが如何にせんこのような社会的な最悪の罰を受けました者が、なかなかそこまで余裕がないのでございまして、その後弁償金額が遅々としておりますのですが、若し資力が許されまするならば、そのような手段をとる、こういうことにいたして十分準備を整えておる次第でございます。
○委員長(前之園喜一郎君) 忠さんに申上げますがね。今の岩男さんの御質問は強制執行をして取れない場合は、更に進んで破産宣告の申請まで行くべきものじやないか、そうすることが一般に対する効果があるのじやないかという、こういうことでしよう。
○説明員(忠佐市君) その点につきまして先ほど申上げましたように、国税庁の運用審議会における審議の一つの項目として、非常に適切なる御意見として検討させて頂きたいと考えておる次第でございます。
○委員長(前之園喜一郎君) それからさつき問題になりました身許保証ですね。その雛型みたいなものがあると思うんですが、それを一つお出しを願いたいと思います。それからこれは局長は今日おいでになつていないが、できるだけ局長以上の方の御出席を是非お願いしたいと考えております。ほかにございませんか。ほかになければこれは留保いたしまして、次に参ります。三百二十四乃至三百三十二を議題といたします。
○説明員(小峰保榮君) 三百二十四以下の案件について御説明申上げます。先ず三百二十四でありますが、これは関東信越財務局で、浦和で建物を購入したということにいたしまして、二十四年の四月に百三十六万円余りを支出したのでございますが、その年の十月に会計実地検査をいたしますと、買つたという建物が実際にはなかつた、こういう案件であります。その支出した百三十六万円余りの代金はどうしたかといいますと、そのまま財務局の営繕課で保管いたしまして、そのうち百六万円で別の庁舎のペンキの塗替工事を、これをやつておる、そうして残り三十万円余りは手許に保管しておるという案件であります。甚だこういうのは面白くないのでありますが、ちよいちよいこんなのが出て参ります。 それから三百二十五号から三百二十七号までは、これはいわゆる経費の年度違いの案件であります。工事をやるとか、或いは物品を買うとかいたす場合に、年度末三月三十一日までにでき上るなり、或いは現品が入るなりいたしませんと、その年度の経費は使えないのであります。それを実際には工事ができない、或いは物品が入らないというのに、経費だけを支出して、而も証拠書類は年度末までに完成したものが入つた、こういうふうに作為して置く案件があります。これも非常に多いのでありますが、財務局関係で三百二十五、三百二十六の二件、それから三百二十七は逆の案件であります。年度内に仕事が終つたのに、金がなくてその年度に払えず翌年度の予算を使つた逆の年度違いの案件であります。 それから三百二十八号、これも東京財務局で、伊勢崎の税務署の新築工事を行いまして三百九十万円を支出したものでありますが、これは実は、その工事は三百二十八万円という入札で作り上げたのでありますが、最初の予定価格が三百九十万円でありまして、その差額の六十二万円、こういう差が出たのに、先ほど申上げましたように、三百二十八万円で入札したにかかわらず、三百九十万円で入札があつたようなふうに作為をいたしまして、差額の六十二万円で職員宿舎、これは平家建の四十坪余りの、まあ大いしたものでありませんが、六十二万円で四十坪余りの職員宿舎を建ててしまつた、そうして書類は三百九十万円で庁舎ができたかのようにできていた案件であります。 それから三百二十九号でありますが、これは元の相模陸軍造兵廠及び元第一海軍航空技術廠釜利谷支廠の賠償機械の梱包に当りまして、木材の調達がまずい、それから作業の監督が不十分で非常にたくさんの手直し、やり直ししなければならなくなりまして二百六万円以上の損失を来たした、こういう案件であります。賠償の梱包作業というものにつきましては、規格もきちんと建つておりまして、手直しをするというようなことは、方々検査いたしましたが、ほかに余り例がないのでありまして、結局本件は、官給材の中に非常に悪い、腐つたりしたような材木が多かつた、それから又乾燥が十分でないような材料が多かつたために、こういうものをよく調べないで配給したための手直しということの会計検査の結果をここに掲げたのであります。 三百三十号、これは賠償施設評価調書のプリントを作るわけでありますが、その青写真の感光紙の在庫がたくさんあるのに、在庫のほうは使わないで、新らしく二千十本、金額にいたしまして二百七十四万円余り買い過ぎてしまいまして、その大半が使用されないで、長く死蔵されておる、こういう事案であります。 それから三百三十一号は、賠償指定工場の管理委託費の支払いに当りまして、算定基準を誤つたため、二十九万七千三百六円を余計に払つてしまつた、それが会計実地検査の際におきまして注意したのでありますが、なかなか全額返つて参りません。 それから三百三十二号は、これもやはり職員の犯罪であります。広島財務局山口地方部宇部分室の職員が、実在しない人間の給料を支払つたことにして公金を取つた、こういう案件であります。
○委員長(前之園喜一郎君) 政府の説明を願います。
○政府委員(小川潤一君) 只今小峰局長から御説明の通りでございますが、財務局、その他一般支出に関しましては、本省会計課が所管、一応の所管としての監督をいたしております立場上、私が御説明申上げます。三百二十四の架空の名儀により予算外に使つたという、これは私の所管いたしております本年度の決算の中で、一番悪質のものでございまして、非常に遺憾なところであります。確かに第一線現場によりますと、営繕工事をいろいろやりたい、或いはペンキも塗りたいというようなことがありますが、それは当然予算の手続をとつて、予算に明記して、これをなすのが当然でありますが、だんだん現場になりますと、現地になりますと、一々国税局を通し、例えば税務署になりますと、国税局を通し、国税庁を通し、それから本省会計課を通して、そうして主計局に行つて予算を請求し、或いは流用して頂くということは非常に面倒なものですから、ついこういうようなことをやりまして、国の会計組織を乱して、国会できめた予算以外に、而も会計法を間違つて運用して行くという結果が出て非常に法の権威にも関することでございます。予算の権威にも関することでありますし、非常に申訳けない次第だと思つております。事実はこの通りでございまして、建物を買つたということにして小切手を切つて、而もそれが架空の建物であつて、その小切手を勝手に第一線で使いたいほうへ使つているというような状態でございます。従つて検査院の検査によつて発覚いたしまして、所管といたしましても関係者を呼び寄せまして、どういうことだということで責任をそれぞれとつてもらうというふうに処置いたしまして、委員会のほうに出しております。処分調書のように、その当時の局長にはやめて頂きまして、それからその当時の課長をしております笹川君には訓告処分をいたしまして、履歴書にはつきり書くことにしてもらいました。なお当時の第一線の経理課長或いは営繕課長には、いわゆる嚴重なる注意処分という処分をいたしております。この点はいろいろ調べましたのですが、個人的に、ただ要するにみんな広い意味の、いろいろ公けのために使つたという点がまあ恕すべき点がありましたので、ただ個人的に飲み食い或いは私腹を肥すという点は、追究いたしましたが見当りませんでしたので、この程度の処分で所管としても引き退つておるわけでございます。 それから三百二十五から二十七というものは、いつも毎年問題になりますが、いわゆる会計年度の年度区分を誤つたもの、これも会計法にはちやんと確かに四月一日から三月三十一日までの予算で、それ以外の年度に亘るときはあらかじめ手続をすれば、国としても大蔵大臣が許可を与え、去年の予算を使つてよろしいという手続ができる道ができておるのでございますが、やはり第一線になりますと、そういう書類を起して、それが許可にならないときは困るとか、とにかくイー・ジー・ゴーイングになりまして、品物を買つたということにしまして、小切手を切つて銀行へ入れて、そうして現実に品物が入つて来たときに払うというようなことになりまして、これも官庁会計をやつていると、もういけないことは当然常識になつて行かなければならないのですが、今なおぽつぽつこういう件数が出るということは、一層職員の予算並びに会計に対する知識の養成に努めなければならないと思つております。そういう関係も主計局では思いまして予算会計事務に携わる者を毎年相当集めまして講習をいたしたり、或いは研修という点に昨年から積極的に働いております。処分といたしましては、それぞれ三百二十五、三百二十六には嚴重なる注意処分という従来のまあありきたりな処分でございますけれどもやつております。 それから三百二十八号、これも実際私も会計課長として第一線でやつておりましてよくわかるのではございますが、確かに建物を造るときは、競争入札させるときに予定価格というものを営繕課で以て当時の時価で見積りまして伏せて置いて競争に出すわけでございますので、これは御承知の通りですが、それは案外入札を開けて見ると安かつた、そこで勿体ない、折角予算があるのだからついでにこれもやつてくれないかというようなことでうつかり乗つたことで、まあ実情としてはよく起り勝ちなことなんですが、併し国の会計を見ますと、これはとんでもないことなんで、こういう点は実際会計マンとしての常識を疑いたくなるのでございますが、現実問題としては、その差額を而も職員寄宿舎に建設させてしまつたということで、悪意はないけれども、とにかくやはり国の予算の制度、或いは法規を誤つたという点においてはやはり社会人としての秩序を棄したものとして責任があると思いますので、これもそれぞれの処分をいたしたと思つております。特に営繕課長には履歴書に載る訓告をやつております。それから当時の局長には嚴重なる注意を与えております。 三百二十九号以下は第一線の賠償関係で現実にやつておられました大竹説明員のほうからちよつと説明させて頂きます。現実に大竹さんがやつたわけじやないけれども、大竹さんがより置く監督しておられたので……、今賠償庁より、終戰処理のほうをやつております大竹さんに説明してもらいたいと思います。
○委員長(前之園喜一郎君) 説明員であと説明して下さい、三百二十九から三百三十二までですね。
○説明員(大竹健吉君) 特別調達庁司計課長の大竹健吉でございます。 私は当時賠償関係の経費にも大蔵省でタツチしておりましたので、その関係で説明さして頂きます。 三百二十九号の手直しの工事は全くこれは会計検査院の御指摘の通りでございまして、根本の企画についてはスキヤツピングもありまして、嚴重な軍の指示によつてそれぞれ処置するようになつておつたわけでありますが、ところがこの案件は相当の金額を加えて手直しをしなければならないということになつたのでありまして、これは先ほど御指摘のあつた通りの事情でございまして誠に遺憾に存じます。これは当時の財務局長に対して大蔵省から注意処分をした次第でございます。 次の三百三十の案件でございますが、これは結果においては誠におつしやる通りでございますが、これは商工省において当時御案内の通り賠償撤去ということは幾ばくであるかという見通しが非常に困難でございまして、当時としては数十万トンとかいうような声がありましたので、大体それを目安に置いて我がほうで推知できる数量を基礎としまして、それに応じた資材を手配した次第でございますが、結果においては殆んど行かなくなつてしまつたわけでございまして、見通しが悪かつたということに相成るのでございまして、これはその後商工省で売払いを促進してもらうということに大蔵省としては連絡をとつて多分その処分が済んでおると思います。
○委員長(前之園喜一郎君) 三百三十一、三百三十二は……。
○説明員(大竹健吉君) 三百三十一号はこれも御指摘の通りでございまして、弁明書に申上げてありますように、未納の冨士産業ほか三社からはその後全部徴収いたしました。これは御指摘の通り会計事務の疎漏でございまして、誠に潰憾でございます。 三百三十二号の山口の財務部の職員の犯罪の件でございますが、これも御指摘の通りでございまして、説明書によつて弁明の通りでございます。それで犯人の坪井某から取上げまして現金は、弁明書を作る当時地方部において金庫に現金を保管しておつたのでございますが、それは工合が悪いから正規に国の歳入に納めろという指示をいたしまして、その後二十五年分三月末にこの現金は国の歳入に取立てた次第でございます。
○委員長(前之園喜一郎君) 御質問がございましたら……。
○溝口三郎君 会計検査院にお伺いいたしたいのですが、経費の年度区分を乱すものに三件ありますが、私は会計を乱すことについて御指摘の通り嚴重にこれをやらなければいかん問題だと思つております。初めの二件は年度内に完了しないものを完了したようにしたいということ、もう一つは前年度に完了しておるものを翌年度に支払つたもの、どつちも御指摘の通りなすべきものだと思います。ここに関連して私はこの際会計検査院の御見解を承わつて置きたいと思うのでございますが、ちよつと委員長、速記を止めて頂きたいと思います。
○委員長(前之園喜一郎君) 速記を止めて。 午後零時十分速記中止 —————・————— 午後零時三十四分速記開始
○委員長(前之園喜一郎君) 速記を始めて。
○西山龜七君 大蔵省の方にお尋ねしたいと思いますが、先ほど説明になりました三二四と三二五の事件はやはり同一の人がこういうことをやつておるのであります。特に三二四のごときは非常に悪質の事件であります。局長は引責辞職をしておりますが、部長は訓告或いは嚴重な注意というような課長以上がそういうようなことになつておりますが、こういうようなことでは到底こういうふうな悪質の事件を将来起さないようにするということはできないのであります。御承知のように訓告、嚴重な注意とか或いは注意とかいうものはこれは法律上の行政処分にはなつておらないように思います。こういうような軽い処分の仕方で将来これを、こういうことを根絶して行くことができるか、私はできない、かように思いますが、これに対するお答えを願いたいと思います。 それから三二八号でありますが、これもまあ文書の偽造というような意味のものでありまして、課長に対して訓告の場合もこれも余りにも軽過ぎる。課長は無論この不法行為に対しまして知つているはずであります。それに対して嚴重な注意というようなことで、この問題をこのままにして置くというようなことでいいのであるか、かように思われるのであります。三二四号なんかは、これは本当に詐欺、横領というようなものになるべきものが余りにもその処分の仕方が軽いように思います。この点につきまして御意見を聞かして頂きたいと思います。
○政府委員(小川潤一君) 三二四号の処分につきましては私は所管といたしても同様に考えまして、非常にこの処分については関係者が集まりまして協議いたしましたのでございますが、まあ何しろまだ終戰の間もありませんでしたことですし、それからまあ非常に一つ嚴重に調べましたのです、ところがまあ、個人的問題は全然伏在しないという点もありましたので、まあこの程度の処分にしたのですが、この処分につきましてもまあ現地のほうでは人事院試驗にも影響するからちよつと待つてくれと申します、いろいろ待つてくれとかいうような同情論など出ましたのでございますが、こいつはまあ強行いたしましたわけでございまして、訓告は履歴書にも書きましたし、従いましてこの程度でまあ将来に対する戒めにはなつたと、大蔵当局は考えた結論でございます。 三二八号も従いまして同じように片つ方には訓告処分として履歴書に記載するという方法をとつております。この点も元はプライベートの問題はなかつたという点で処分をこの程度にとどめて置いたのであります。
○西山龜七君 先ほどより大蔵当局のお話を聞いておりますと、大体こういうようなことはあり勝ちであるというような意味のものが腹の中におありのような感じがしてならないのであります。こういうような三二四、三二五にありましてはこれは全部の方がこれは知つてやらなければできんことであります。そういう意味におきまして單に一人だけを遺憾として訓告に処したというようなことでは、私は将来を思いやられますので、どうかそういうような意味に申しておるのでありますからして、再びこういうことのないようなことに適当な処置をとられるように希望を述べまして、私はこれで質問を終ります。
○岩男仁藏君 今実は西山委員からお話がありましたが、私も同じ感じを持つておるのですが、実は私官庁に勤めておりました経験から、いろいろ役所の中におりますと土木、建築、それからそこに先輩がおられる耕地関係、こういうところはこんなことは当り前のことと思うて、別に不正とも思うておらん、違反とも思うておらん、朝飯のように当り前のことと考えておるのが従来のしきたりであります。そこでどうもこの悪習というか、悪弊を根絶ができない。私は終戰前に役人をやめたのでありますが、経戰後において特にその弊が甚だしい、これは私大分県……大分県ということは言わんほうがいいが、最近やはり大きな土木事件が起つておる。それは土木事務所、元の出張所でありますが、数百方円の金を、工事は一つもこれはやつておらないのであります。特にこれは悪質でありますが、所長と県会議員の方でしようが、贈収賄に全部使つて今刑事問題を起しておるが、それが中途で中だるみをしておつたのですが、検察庁へ我我の血税をそういう不正に使つて不都合だという投書が盛んに舞い込むという関係で、近頃取調べを開始しておりますが、責任者の所長は拘置所か、留置場か、警察署のそばで自殺をいたしました。あとはあいまい模糊となるだろうと思つても、なかなかそうは行かん。土木関係は、繰返して言うが、或いは建築或いは耕地、こういう工事に関係しておる役人はこれは何とも思うておらんのですね、これを根絶できないというと、これからいろいろ悪い影響がそこにもここにも起つて来るのですが、これは一つ大蔵当局として私は将来余ほどお考えを願いたいと思うのです。西山さんの言われる通りに、これは一つの行政上の問題でない。背任或いは詐欺、横領、いろいろたくさんあります。或いは公文書偽造、これは刑事問題としては大きな問題でありますが、それでさつき私が言つたように、一罰百戒という言葉が昔からあるのだから、時によつてはそういう方法でもとつて、これは甚だ残酷のようでありますが、そういう方法でもとつて根絶するということを一つお考えにならんと私はいかんのじやないか、他山の石として御参考までに申上げて置きます。
○委員長(前之園喜一郎君) 同じことですが、三百二十四ですね、これにあなたのほうの法的の一つ見解を承わりたいと思うのですが、今文書偽造、詐欺、横領というふうになるというお話も出ておるので、あなたのはうではどういうふうに刑事問題としての法的見解を持つておられるか、一応御説明を願いたいと思います。
○政府委員(小川潤一君) 全く御指摘の通り、我々もやはり詐欺、文書偽造であり、横領であり、又背任にはなりませんけれども、詐欺と文書偽造と横領は構成要件を満たしておると思つております。併し刑事訴訟法にもございますように、全部構成要件に入つておるものが訴えになるか、ならないかという問題は別問題だという、そこのところにいわゆる微罪不検挙というようなことに足掛りを求めてこのままにして、おるわけで、追及されれば全くその通りで、これは訴えられても何とも言えないというふうに感じております。それからさつきも御注意がありましたけれども、今後は、去年ですか、昭和二十五年の五月に法律が出まして、予算執行職員の責任に関する法律というのを皆さんが作られまして、非常に嚴重になりまして、違法であるということと、重大なる過欠があるということと、国に損害をかけたという三要件があれば弁償を負わなければならない、これが施行されまして、実は我我会計職員は非常に人によつてはこわばつたという形さえありまして、非常に注意深くなつております。従いまして今後はこういう問題は非常な激減をするんじやないかというふうに思つております。
○委員長(前之園喜一郎君) もう一つちよつとお伺いして置きますが、三百二十五ですね、これは工事が済まないのに工事が済んだようにして金を払い出しておる。その払い出しについては竣工届とか、或いは受入代金の請求書という必要書類が添付されて払い出しておるわけなんですね。そうすると一応国としては支払済であるということになるので、支出された金はどういう性質を帶びるかということです。性質上は公金であるのか私金であるのか、それらの見解はどうなんですか。
○政府委員(小川潤一君) これは形式から行きますと文書偽造によつてその年度の工事が完成したとして、請求書も領収証も恐らく業者からは一日付なしで出さしておるのだろうと思います。従いまして国の支出をするときは、形式上は正当にその年度のものというふうにやつたことになりまして、その当事者はやはり文書偽造と、詐欺は成立ちますか、文書偽造は明らかにあるわけで、従つてその金というものは本来業者のものだと私は思うのでありますが、業者のものでも併し渡してしまえば工事ができないから預つて置く、預つておるうちに検査院で来て金庫を開けられてこれは何か……。
○委員長(前之園喜一郎君) そこで公金なのか私金なのか。
○政府委員(小川潤一君) 私金だろうと思います
○委員長(前之園喜一郎君) これははつきり言えるんですね。
○政府委員(小川潤一君) 私は専門家じやないですがそう思います。
○委員長(前之園喜一郎君) それから三百二十四はあなたは微罪だという御見解は非常に私ども心外であります。私どもは重大な犯罪だと思います。これは大蔵省はこういう問題が起つたら率先してこれを是正するために告発をするとか何とかというところまで将来行かれなければ、到底これは直らない、私どもはそういう強い考えを持つておるのです。ですから微罪なんというようなことは言葉のあやとしておつしやつたかも知れませんけれども、一つお考え直しを願いたいと思います。
○政府委員(小川潤一君) それでは微罪という言葉は取消しいたします。私も冒頭申上げましたように、非常に悪質なのでございます。
○溝口三郎君 工事の不正事件ということにつきまして先ほどいろいろお話が出ましたが、私どもも工事の不正防遏、嚴重な工事をやろうということについては、在官当時におきましても最も私は嚴重に指示いたしておつたのでございますが、たまたま何万人の中で一人か二八の悪質な者が出た。こういうものについても非常に遺憾に考えておるのであります。先ほど岩男さんのお話で土木工事関係、それから建築工事関係等の役人はそういうことを何でもないことと思つているんだというように私伺つたのでございますが、これは誤解のないように、私ども大多数の八は、殆んど全部の人は、これは不正事件ということには携わらん、嚴重な工事をやつておるのでということをつねづね心がけているのでございます。(笑声)たまたまそういう一人か二人の悪質な者が出たのはこれは嚴重に処分すべきだと思いますが、これはそういうものに関係している役人の名挙のために私は一言弁明いたして置きたいと思います。誤解を招くといけないと思いますから……。
○委員長(前之園喜一郎君) 別に御質疑ございませんか。別に御質疑がなければ本日はこれを以て散会いたします。次回は水曜日の午後一時から開会いたします。大体終戰処理費のうちの三五三から三九六まで御質疑を願う予定をいたしております。これで散会いたします。 午後零時五十二分散会 出席者は左の通り 委員長 前之園喜一郎君 理事 岩沢 忠恭君 棚橋 小虎君 溝口 三郎君 委員 大矢半次郎君 小杉 繁安君 西山 龜七君 小泉 秀吉君 赤澤 與仁君 小林 政夫君 岩男 仁藏君 鬼丸 義齊君 深川タマヱ君 千田 正君 森 八三一君 政府委員 特別調達庁財務 部長 川田 三郎君 大蔵大臣官房会 計課長 小川 潤一君 説明員 特別調達庁財務 部司計課長 大竹 健吉君 大蔵省主税局調 査課長 忠 佐市君 会計検査院事務 総局検査第四局 長 小峰 保榮君