P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
10回国会参議院1951/05/16

外務委員会 第11号

発言数
94
登壇者
11
会派数
4
開催日
1951/05/16

会議録

櫻内辰郎国民民主党

○委員長(櫻内辰郎君) これより外務委員会を開会いたします。  本日は最初に、国際連合教育科学文化機関憲章を受諾することについて承認を求めるの件を議題として御審議を願いたいと存じます。前回の文部、外務連合委員会におきまして提案理由の御説明は伺つておりますので、本委員会としては直ちに質疑に移りたいと存じます。御質疑がありましたらこの際にお願いいたしたいと存じます。

團伊能自由党

○團伊能君 この前の文部、外務連合委員会におきまして、文部委員会を中心とする御意見もいろいろ伺い、又それに対する御答弁として文部省及び外務省の御意見も伺いましたが、二、三なお質疑して、御説明頂きたいと思う点もございますので、それをお伺いしたいと思います。  第一に、この承認になりまして参加いたしますにつきまして、これにはそれ相当なる分担金が要求されているように思いますが、この分担金は曾つてユネスコ代表の李代表と話したことがございまして、これは中華代表ですか……、李代表も分担金がなかなか高いので非常に困つているというようなお話がありましたが、この点御説明頂けませんでしようか。

草葉隆圓自由党外務政務次官

○政府委員(草葉隆圓君) ユネスコの分担金についての御質問でございますが、憲章の第九条第二項によりまして、この六月の第六回総会において幸いに加盟が承認可決されますると、一九五一年及び五二年度におきまする我が国の仮分担金の負担率が決定すると想像される。これはWHOの分担金と同様国民所得を基準として算出されると存じまするが、その具体的なことを一応考えますと、一九四九年の国民所得が、経済安定本部の調査を基といたしますと、一応私どもは七十五億ドルと予定いたしておりますから、これに対しまして一・七三%となると存じます。従いまして各加盟国の総負担率を一〇〇%といたしますると、超過分を調整するともつとあると存じますが、負担率は大体総予算額に対しまして一・九八%程度になりはしないか、従つて本年度のユネスコの総予算が八百二十万ドルになりますので、十六万ドル、五千七百六十万円程度となりはしないかと存じております。併しこの国民所得七十五億ドルという点につきまして、WHO等で算定いたしましたのによりますと、少し率が違つて八十二億ドルという計算等もいたしておる状態でありますから、確実には決定いたしかねると存じますが、一応その程度で考えられるのではないか。又加盟が第二四半期或いは第三四半期になりますると、それだけこの率が減額されるのではないかと考えます。従つて大体現在の状態から考えますると、五千七百余万円程度の分担金と相成ると存じます。

團伊能自由党

○團伊能君 この分担金は要するにユネスコ本部にこれを提供するものでございまして、この使途は、ユネスコの総会或いは理事会において決定される方向に使われるのであつて、必ずしもこれはその分担金を出したから、それが還元して日本のためというものに使われるというわけのものでないと思います。それでこれは全く分担金でございますので、この分担金の、各国が出しました分担金を使用する決定はどういう形になりますのですか、その点を伺いたいと思います。

草葉隆圓自由党外務政務次官

○政府委員(草葉隆圓君) お話の通りに還元するやり方をせずに、ユネスコ総会におきまして、事業計画に基いた事業費に支弁をする、こういう形をとつておるようでございます。

團伊能自由党

○團伊能君 そういたしますと、これを決定する総会或いは理事会、或いは常任理事会というものが、この決定権を持つと思うのでございますが、分担金を出しました以上、日本からこの理事会に代表を送ることになると思いますが、この代表が常時理事会或いは常任理事会に出まして、その使途を決定いたしますと、その代表の参加についてのお考えを伺いたいと思います。

草葉隆圓自由党外務政務次官

○政府委員(草葉隆圓君) このユネスコ総会に附属いたしておりまする委員会の中に、事業計画及び予算委員会等がありまして、そういう方面で事業計画と合わしてこの予算の使途等を決定すると思います。この予算と事業計画を調整いたしますために、第五回の総会におきましては、八人の委員を以て委員会を組織して参りましたが、今後におきましても或いはそういう運営をいたしますか、これは第六回総会において又決定するのではないかと存じております。

團伊能自由党

○團伊能君 この分担金を支払つて正式に加入いたしました際には、これの議決権を行使する委員会乃至は理事会に、日本からも是非平等な資格におきまして出席するということに御努力頂きたいと存じます。この委員会は常時本部にありまして、つまり外国にあるわけでございますが、ユネスコ本部の所在地にやはり駐在している人が日本を代表して、これと始終タッチしてこの議事に加わつて行くということがあると思いますが、そのいう際は将来におけるユネスコ傘下の機構がいろいろ決定いたしますまでの間におきましても、在外事務所その他でお世話になるお考えでございますか、如何でございますか。

草葉隆圓自由党外務政務次官

○政府委員(草葉隆圓君) 事務局は常住して、各国からそれぞれ大分関係事務のほうに出ているようでございますが、総会並びに委員会等は別に常住という形をとつておらないのです。従いましてその開会都度開催するというかつこうをとつているのであります。

團伊能自由党

○團伊能君 実はこの問題につきまして、将来ユネスコが一つの定住した機関を作り、国際的な形で運営して行くといたしますと、どうしてもここに常時的に日本の代表がおりまして、始終参画いたし、又委員会その他の決定以前においてもあらかじめ予備的な交渉をいたして行くことが必要でないかと存じます。実はその点が非常に欠けておりますると、日本は結局分担金を出すにとどまつて、そしてユネスコが又日本に働きかけるべき仕事、或いは予算のうちで、日本に使つてくれるというものがだんだん等閑に付されて行くということもあるかと思いますので、従来、これはユネスコと同一には考えられないかも知れませんが、国際連盟の一翼で丁度ユネスコと同様の働きをいたしておりました学芸協力委員会がパリにございましたのが、フランスの大使館が大体この事務を扱つて来て、事務員も又フランス大使館のお世話でそこにおりましたような形でございます。それでこれもリエゾン・オフイサーがどうしても必要と考えますので、その点までお考えも頂いて置くことが必要でないかと存じます。  なお次に、分担金が只今政務次官の御説明のように五千万円以上かかると思いますが、なおこれを運営する費用は相当多くを要しまして例えば代表が出席するにいたしましても、又そこに書記を常任させて置くにしても、又ユネスコ関係で日本の国内において種々な調査要求をいたすための調査事業を行うにしても、又この国内委員会といたしましては、いろいろなユネスコに対する啓蒙運動をするにいたしましても、相当大きな費用が、予算がここに計上されなければ、この参加も意味ないことになると思いますが、その辺の予算手当につきましてはどういうお考えでいらつしやいますか、一応伺います。

草葉隆圓自由党外務政務次官

○政府委員(草葉隆圓君) お話のように加盟分担金がこれは只今申上げましたように、いわゆるユネスコ本部に対しまして、総会に対しましてと申しますか、分担する金額でありまするから、このほかに相当ユネスコの十分なる運営、国内運営その他の運営につきましては費用が要ると思います。殊に国内の場合におきましては、先般本参議院でたしか公聴会をなさつたときにも、国内における費用が不十分のために活動が十分にできないという意見の発表もあつたかのように承知いたしまするが、従いまして今後国内の活動に十分なる進展を期しまするユネスコ精神の徹底のためには、それぞれの経費が要ると存じまするが、これらの点は分担金以外におきまして相当政府も考慮し、又関係機関の御協力も願わなければならんと考えております。

團伊能自由党

○團伊能君 そして只今これもすぐ参加いたしますと、即時事務を始めなければならないと存じますが、将来におきましてユネスコが如何なる管轄下に置かれるか、それは別といたしまして、差当りの入費、参加に関する入費、或いは参加してすぐ始まるべき費用は、只今のところ外務省の予算からお出しになるお考えでありますか、ちよつと……。

草葉隆圓自由党外務政務次官

○政府委員(草葉隆圓君) これは大蔵省に予備費としてとつてもらつておりまする費用から支弁をいたしたいと思つております。

團伊能自由党

○團伊能君 有難うございました。

曾禰益日本社会党

○曾祢益君 一つ、二つ伺いたいのですが、このユネスコの目的が第一条の一に書いてあるわけなんですが、この文章は非常にわかりにくくて、結局教育、科学、文化を通じて諸国民の協力を促進することは、平和及び安全に貢献することという最初の目的に行くのか、その前の正義、法の支配、人権及び基本的自由に対する普遍的な尊重を助長すると、そつちにも、そのために協力を促進するということが書いてある。協力を促進することによつて平和及び安全に貢献することであると……。そこでこれは変にアカデミックな議論のようにおとりになるかも知れないけれども、かなり本質的な問題じやないかと思うのです。そこで外務省と文部省が作られた国際連合教育科学文化機関憲章の説明書によると、この点を非常に簡単に……、第二に、この機関の目的とするところは平和及び安全に貢献することであるとなつているのですが、勿論相互に関係は非常に深いと思うのですが、平和及び安全に貢献するということは、大きく言つてやはり非常に政治的なんじやないか。正義、法の支配、人権及び基本的自由に対する普遍的な尊重を助長すると、このことはより根本的なものに触れていると思うのです。そこでユネスコの性格というようなものに関して、昨日もいろいろ御議論があつた。それらの点から、両方とも目的だろうとは思うのですが、この条文の解釈の上から言つて、一体どこがまあ目的なんだろうかというような点についての政府の見解をお伺いしたい。

草葉隆圓自由党外務政務次官

○政府委員(草葉隆圓君) こちらの説明が不十分である点もあろうと存じます。平和及び安全に貢献するその前提、その目的の下に、具体的にユネスコでは教育、科学、文化を通じて諸国民の間の協力を促進して行く。その促進することによつて、平和並びに安全に貢献しようと、こういう目的に基いて進んで来ておると存じております。

曾禰益日本社会党

○曾祢益君 いや、その説明じや僕の質問に対する答えにならないのすがね。勿論その点は書いてあることなんです。間違いないわけなんでございますが、その前に、即ち法の支配、人権及び基本的自由に対する普遍的な尊重を助長するという、これがやはり一つの大きな目的のようにもとられるわけなんですね。それとこの平和及び安全に貢献するためには、教育、科学、文化等を通じて国際間の協力や、その力点の置き方を聞いているわけなんです。若し平和及び安全ということが目的ならば、これは非常に一部に盛んに悪宣伝をされておるようですが、非常に政治的な機関だというようなことになる。私はそれよりか、もつと根源的な、初めに書いてあるほうに相当やはり力点があるのじやないかと思うのですが、どうなんですか。日本語ばかりじやわからない。英語やフランス語から見て、条約局長に一つ専門的意見を聞きたい。

西村熊雄外務省条約局長

○政府委員(西村熊雄君) これはまあ憲章の条文それ自身に、この条約の解釈は英語又はフランス語によると書いてありますから、英文又はフランス文の原文を見て考えるべきものかと、こう思うのです。ただフランス文を対照して読みますと、同じ表現になつておりまして、条文の間に食い違いはありません。ですから曾祢委員のように英語の達者なかたですと、お読みになるとすぐおわかりになると思いますが、やはり原文から申しますと、ユネスコという機関の目的は何かというと、ただそこの原文にありますように、大目的は平和と安全に貢献することだと思うのです。そうして、それじや如何なる方法によつて貢献するかということが、その目的を制限する方式で言い表わしているわけです。それは教育、科学、文化の面における諸国家間のコーポレーシヨン、協力を増進することによるんだ。そうすると更に何のために増進するかという増進の目的をその次に置いておるわけなんであります。それが曾祢委員の御指摘されました日本文で最初に来る文句、人種、性、言語、又は宗教の差別なく確認している正義、法の支配、人権及び基本的自由に対する普遍的な尊重を助長することを目的とした諸国家の教育、科学、文化の面における協力を増進するという、その方法によつて世界の平和、安全に貢献するものである、こう考えるべきものかと考えます。

曾禰益日本社会党

○曾祢益君 そういたしますると、大体最終目的は平和及び安全に貢献することにある。そうして教育、科学、文化を通じて諸国民の協力を促進することは又何のためかというのがその先に書いてあるのです。こういうわけですね。どうも少しわかつたようなわからんような……まあ結構です。  それからこれは昨日いろいろな御議論があつたんで、一つ今度は外務当局から伺いたいのですが、一体各国におけるユネスコの所管省というようなものはどんなふうになつておるかという先例をお調べになつておると思うのであります。そこで詳しくなくてもいいのですが、大体どういうふうになつておるか、この点を我々にも一つ聞かして頂きたいと思います。

草葉隆圓自由党外務政務次官

○政府委員(草葉隆圓君) 昨日もちよつと申上げましたが、五十九の加盟の中で国内体制、委員会その他の協力体制を持つておりますのが五十、五十の中で大多数が文部省系統と申しますか、外務省系統が一部分であると思います。併しこの実際の活動の状態はどうかと申しますると、むしろこの省の系統によつてよく行つておるということよりも、ユネスコの性質から言つて対外的な方面の協力、連絡、助言という点から私どもの承知しております限りでは、外務省系統がよく行つておるのじやないかと思われる点が多いようであります。

金子洋文日本社会党

○金子洋文君 この間、一昨日の合同委員会にもいろいろ本質的な問題で質疑応答があつたのですが、私の理解している点では、このユネスコというものは国際連合と表裏一体になつているというふうに思つているのですが、その点はどうでございますか。そうして表裏一体となつていて、而も教育、科学、文化を通じて平和と安全に貢献する、こういうふうに理解しているのですが、その点どうですか。

草葉隆圓自由党外務政務次官

○政府委員(草葉隆圓君) ユネスコは先ほど申上げましたような意味におきまする国際連合の一つの専門機関として認められておりますから、その専門機関という立場からこれらの点を考えますと表裏一体とも言えるかとも存じます。

金子洋文日本社会党

○金子洋文君 そうなりますと、この間の朝鮮問題にユネスコが幾らかの金を出したということも私はまあ肯定されるのじやないかと考えるのですが、従つて或る場合、大きな意味でやはり政治的な働きもユネスコはするだろう、平和の問題に対して政治的な動きもあり得る、その点はどうですか。政治的な動きがあり得ると思うが、その点は……。例えて言うと朝鮮に幾らかのお金をやつたというふうな問題ですね。

西村熊雄外務省条約局長

○政府委員(西村熊雄君) ユネスコはこの憲章にも明白にありますように、精神分野における諸国民の協力によつて世界の平和と安全の増進に協力をするという立場にあるものでありますから、従つてその目的から見ましても、政治的な動機によつて、ユネスコ機関が機関として政治的な動機によつて行動をするということはあり得ないと、こう考えます。

金子洋文日本社会党

○金子洋文君 大きな意味において政治性がある、政治性を含んでおる、こういうわけなんです。含んでおるのが当然じやないか。それでなかつたならば朝鮮動乱に対してユネスコが幾らかの金を出すというようなことはあり得ないじやないか。

西村熊雄外務省条約局長

○政府委員(西村熊雄君) ユネスコが朝鮮動乱に対して金を出したというのは、どういう動機からだか私は思い当らないのですが、仮にそういうことがあつたとするならば、恐らくユネスコとしてはユネスコ創設以来、今やその事業の一つとして戦災によつて破壊された教育機関の復興ということを主要な事業の一つとしております。そうしてその対象を必ずしも連合国側だけではなく旧敵国の側における教育施設の破壊復旧についてすらも或る程度の活動をいたして来ているような経緯がございます。ですから仮に朝鮮においてユネスコが何かの事業をいたしましたとするならば、恐らくそれは朝鮮事変における韓国共和国側をバツクするというような政治的動機は少しもなくして、戦乱にさいなまされておる朝鮮における教育の復興乃至はそういつた敵味方の観念を超越した精神的動機から発出した行為であろうと、こう考えるのであります。

櫻内辰郎国民民主党

○委員長(櫻内辰郎君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

櫻内辰郎国民民主党

○委員長(櫻内辰郎君) 速記を始めて。

金子洋文日本社会党

○金子洋文君 一昨日の合同委員会では大分文部委員のかたがたが、所管の問題だが、管轄する省の問題でセクシヨナリズムに堕さないようにという希望を述べ、政府もそういうセクシヨナリズムに堕さないということを御答弁になりましたが、意外なことは、文部委員のかたがたがどういうものか国際連合という頭についておるのを拔かして、教育、科学、文化ということを力説して、どうも文部省に一致して持つて行きそうな傾向が多分に僕は見られたと思うのです。すでにセクシヨナリズムに反対しながら肯定しておるような感じを受けたのですが、これは必ずそういうものは僕は出て来ると思うのです。好むと好まざるとにかかわらず出て来る。そこでよほど政府は肚をきめてかからないとこの問題で摩擦が生じると思うが、ほかの外国の例で、文部省、外務省によらない内閣直属というふうになつておる所がございませんでしようか。

草葉隆圓自由党外務政務次官

○政府委員(草葉隆圓君) たしか記憶いたしておりますところはフイリツピンがそうであつたと思いますが、最近外務省へ変つたと記憶いたしております。

徳川頼貞自由党

○徳川頼貞君 私も今伺いたいと思つたのでありますが、諸外国の国内委員会の所管に関しての点ですが、今曾祢さんからのお話の議題として、政務次官から外務、文部に属するもの、殊に文部が多いということのように伺いましたけれども、外務と文部と両方で所管しておる所もあるのじやないかと思うのでございますが、外務及び文部両方で所管しておる数字を伺うことができませんでしようか。

草葉隆圓自由党外務政務次官

○政府委員(草葉隆圓君) はつきりした記憶はございませんが、フランスが今のお話のような所であつたろうと思います。その他三、四ヵ国お話のような系統をとつておるのじやないかと思います。

徳川頼貞自由党

○徳川頼貞君 外務及び文部のほうがおのおのどのくらいの数かということはおわかりでございませんか。

草葉隆圓自由党外務政務次官

○政府委員(草葉隆圓君) わかつておりますから後刻申上げます。

杉原荒太自由党

○杉原荒太君 この憲章の大目的ですが、知的の国際協力ということ、これはもう何人も異存のないところなんですが、一方実際の問題としましてこの種の条約で非常に気を付けなければならん点は、更に各国それぞれの特殊性と言いますか、事情、そういう点から来る一つの要請、そこでこの憲章それ自体も用意を持つてその点臨んでおるわけで、いわゆる各国の国内管轄事項というものは留保してある。ところがこの国内管轄事項なるもの、これは非常にむずかしい問題で、この憲章に書いてある国内管轄事項に関する内容、本質についても余りまだ国際的にエスタブリツシユされた原則がないように承知する、それだけにこの点は非常に慎重なんである、その点誤りまするというと運営上非常に誤りを来たすばかりじやなくて、又条約違反の問題まで起す虞れがあります。一体このいわゆる国内管轄事項というものをこういつた知的教育の面について適用した場合に、具体的にどういうことがこの条約のこれによつて干渉を禁止されておる、国内管轄事項であるか。それらの具体的の或る程度の、例示的でもよろしゆうございますが、それをできるだけ具体的に、又どういうふうに考えておられるか、文部当局の一つ御説明を願いたい。

櫻内辰郎国民民主党

○委員長(櫻内辰郎君) 説明員より……。

杉原荒太自由党

○杉原荒太君 説明員で結構です。

深井龍雄文部事務官(大臣官房渉外ユネスコ課勤務)

○説明員(深井龍雄君) 例えば一国の教育制度の問題なんかは、国際法上一国の国内管轄権に専ら属する事項と思われますから、例えば日本の国内の教育制度をどうするかというような問題につきましてはユネスコのほうからいろいろと干渉したりすることは禁止されるものと思います。

杉原荒太自由党

○杉原荒太君 教育制度の独立という点については、これは割にはつきりした点だと思うし、条約でも明示してありますがいそのほかもう少しその点を御説明できませんですか。

深井龍雄文部事務官(大臣官房渉外ユネスコ課勤務)

○説明員(深井龍雄君) その問題は相当慎重に研究を要する問題と思いますので、目下いろいろ研究いたしておる状態でございまして、なお研究が進みましたら御報告する機会もあるかと思つております。

杉原荒太自由党

○杉原荒太君 その点は相当具体的に研究して行くことが非常に必要だと思う。

伊達源一郎緑風会

○伊達源一郎君 私はこの間の外務、文部連合の会のときに中座しましたので、或いは質問が出ておることが二重になるかも知れませんけれども、一つ伺いたいことは、極めて根本的なことですけれども、ユネスコが国際連合の働きの一部を受持つておるものとしますれば、国際連合に入つていない国のユネスコ活動というものはどういう形で行われるものか、ユネスコに日本が参加されるということは、近く国際連合に入るものと仮定して参加ができるということになるのか、今後長く国際連合に入ることができないでもその活動は長く続けられて行くか、国際連合の一部でありながら本体に参加していないで部分だけに参加しておるということがどういう意味なのか、その点を一つはつきり伺いたいのであります。

草葉隆圓自由党外務政務次官

○政府委員(草葉隆圓君) これは国際連合教育科学文化機関憲章の第二条の一項に示しておりますように、国際連合の加盟国は当然このユネスコの加盟国となる権利を持つておりまするし、又国際連合の加盟国でない国は、第二項におきまして執行委員会の勧告に基いて総会の三分の二の多数投票で、この機関の加盟国となることを認めておるような次第であります。加盟国になりましたあとの受けまするもろもろの問題は、国際連合加盟国たると、非加盟国の承認を得ましてこのユネスコに加盟いたしました国たるとを問わず同様のことであります。

伊達源一郎緑風会

○伊達源一郎君 それは今の政府次官の御説明は、憲章に書いてあるようによくわかることですけれども、私の伺いたいのは、それが他日、近く国際連合に日本が入るものと予定してのことであるか、いつまでも入らんでもやはりその部分だけでやられるか、又国際連合に入らないでユネスコだけに参加している国がほかにどういう例があるのか伺いたいと思います。

草葉隆圓自由党外務政務次官

○政府委員(草葉隆圓君) 現在日本が加盟いたそうといたしておりまするのも、国際連合の加盟を前提とする意味でなくとも、このユネスコだけの問題におきましても、実は入りたいという意思を以て進んでおるような次第でございます。又現在国際連合の加盟国でユネスコに加盟しておりまする国は五十一ヵ国ございます。国際連合に加盟しておりません国でユネスコに加盟しておりまする国が八ヵ国あります。又国際連合の加盟国でユネスコに加盟しておりません国が、従つて今年の一月現在におきまして九ヵ国ということに相成つております。

伊達源一郎緑風会

○伊達源一郎君 それはほかの国はどういう意味なのですか。ちよつとこの国際連合に加盟しておつて、ユネスコに加盟しない、或いはその反対に国際連合に加盟しないで、ユネスコに加盟しておるという国も、いろいろありましようが、どういう意味でそういうことになつておるかをお聞きしたいと思います。

草葉隆圓自由党外務政務次官

○政府委員(草葉隆圓君) 国際連合に加盟しておりまして、ユネスコに加盟していない国の九ヵ国は白ロシア、チリー、エチオピア、アイスランド、二カラガ、パラガイ、ウクライナ、ソ連、イエーメンと、これだけございますが、殊に大体におきましてソ連関係が中心に考えられておるのではないかと存じます。でこれは最初はソ連もこの連合国文部大臣会議がロンドンで開れましたような際は、相当これに関心を寄せて一九四三年の会議にはオブザーバーなどを送りまして参つたのでありますが、ユネスコの設立に際しましては、教育、文化の事項は、国連の経済社会理事会がその衝に当ることが適当であると主張いたしまして、協力を拒んだようであります。その後ユネスコ自体はソ連の参加を力を尽して勧誘いたして参つておるようでございますが、ソ連のユネスコに反対いたしておりまする一つの見解としましては、ユーゴーのオブザーバーがソ連圏を代表しましてユネスコの問題について申述べております。ユネスコ憲章はマル・クスの弁証法的唯物論を勘定に入れておらない、この失敗がソ連と西欧諸国間の知的協力を阻害しておると、まあこういう考え方が中心になつておるのではないか。又実際問題でマス・コミニュケーシヨン、いわゆる大衆通報なんかという方法で、一般的な大衆の開放的な通報、自由な通報の交流というのがユネスコでは強くとられておりまするので、実際の問題として、いわゆる国内情勢を余り発表いたしません鉄のカーテンと言われておりまするこれらの国々では、こういう点に具体的な活動の問題が残されて来ておる点もあるのではないかと考えられます。

櫻内辰郎国民民主党

○委員長(櫻内辰郎君) ほかに御質疑はございませんか。

團伊能自由党

○團伊能君 一昨日の文部、外務両合同委員会におきまして、若しもそれがまあ最終的なものであると仮定いたしますと、この間の会議の印象は非常にこの文部関係の御発言が多かつたためか、このユネスコ活動の所属は文部省に属するという先ほど曾祢委員も御指摘になつたような印象を持つものでございますが、これは結局ユネスコの本部における総会なり、委員会が仕事を決定いたし、そうして日本国内にあります教育、文化、科学の活動と結び付いて行こうという仕事でございまして、その中に介在いたしてこれを円滑ならしめるという意味におきまして、外務省がその世話をするとか、文部省が世話をするとかという形が出ておるのだと思います。なおそれ以外に内閣に直属する機関がこの世話をするということになることもでき得ると考えます。それからヨーロツパ諸国におきましては、御承知の通り日本と非常に事情が違つて、文部省というようなものがありましても、決してそれは国内的のものだけでなく、非常に外交的関係が密接でございますから、常に往き来をいたしておりますので、必ずしも文部省であるということはこの国際的連絡に大いに欠けるということはないと思いますが、日本の国情のような所、又地理的に非常に遠い所におきましての連絡というものは、外務省、殊に講和後における外務省の在外機関が完成いたしましたときは、これによらなければ殆んど不可能なことだと考えます。殊にこの総会、委員会に時々日本から代表が出張するというようなことでは、殆んどこの機構、これに完全に協力することができないものでございまして、やはりこの中央機関の中に入つて日本も発言権を持ち、その日々の運営の中に一つの立場を持つて連絡して行かなければならず、或る場合にはこの中央の動きを日本が動かして行くべき立場にも立つときがあると思いますので、その点から考えますと、常時より在外公館というようなものが、大体直接この本部との折衝事務に当つて頂くのが私は当然と思います。そうしてその結果として日本国内と連絡する事務が起つたときに、日本にそれを通達し、それを日本が受入れまして、これを完全に連絡して行くということが、先ず今日の形における日本の政府の形とし、又非常に連絡の遠い国である日本といたしまして、それが適当な方法ではないかと思うのであります。その点で文部省がこれに当ることが今多数の意見であるかのごとき御決定があることは非常に私も遺憾とするところでございますが、なおこの点は実際の機関に参加して後に、この中央との連絡を中心として外務省も十分その点は御研究になつて、そうしてここに一つの国内機関を作るといたしまして、又その所属をいずれにするかという場合には、十分実際の運営に当つての御考慮を一つ御発表して頂きたいと思います。従来の学芸協力委員会のごときは、最初第一次欧洲大戦のあとで各国が宣伝ということに重点を置きましたため、殊にそのときに初めて国際的文化事業というものがそのいろいろな政治面に浮き上つて来ましたときは非常に熱心で各国も参加いたしましたが、その後、何と申しましても一応平和も回復いたし、各国の国政も常道に還りましたときに、やはり文化という面が非常に弱くなりまして、ほかの実際政治の面が強くなつたためにだんだん忘却されまして、実は分担金を日本も漸く出すだけであつて、ほかの活動に対する予算を殆んど削つてしまつた。日本から相当な分担金を出しながら、中央で与えられたのは、約千二百フランの月給をもらつた一人の書記を置いた。それが到底千二百フランではパリーでは生活できないので、日本大使館の一員としてその補助を受けておつた。又理事には大使なり、参事官が出ておられる。これは無料で働いて頂いたのでありますが、そういう形で漸く繋いで来たという状態であります。今日と違いまして、これが五年、十年たつた後には国際、対外的な文化事業が今日のような国のあり方に密接な関係を持ちませんためにユネスコが忘れられておるだろうと思います。そういうときに不便な形の生じないように今から御考慮を願つて、予算面にも確乎たるものがあつて、十分将来の御協力並びに将来の国情その他御勘案頂いて、その上に立つての所属その他の機構を御決定あることを、私はここに希望するものであります。

草葉隆圓自由党外務政務次官

○政府委員(草葉隆圓君) 只今の問題につきましては、一昨日の私の答弁にもその点をよく申上げたつもりであつたのでありますが、結局日本の情勢に最も即応した国内委員会の設置、或いはその構成の方法という問題が取上げられて来なければならないと存じまして、殊にこの国内委員会の目的が、教育、科学、文化の事業に携つております国内のいろいろな団体が、ユネスコの事業に参加しまするためにユネスコとそれらの主要団体との間に介在して、両者の連絡を図るというのが一つの最大の目的であろうと存じます。従いまして国内という名前は付いておりますが、むしろ国際的のユネスコの機関に対する働きかけというのが大変大きな役割を持つておるのではないかと存じます。又国内委員会の直接主要目的は、総会における代表団となり、又政府にいろいろ助言いたしまする直接の機関でありますと同時に、ユネスコに関係のあるすべての事項についての連絡機関でありますから、こういう点をよく勘案いたしまして、只今御意見にありましたような点を十分に尊重いたしまして、将来の活動に支障ないように文部省その他の省とも十分連絡をとつてこれが設置をいたすように進めて行きたいと存じております。従つてこういう点につきましては、何分国会方面におきましても十分御意見等を拝承すると結構だと思います。

櫻内辰郎国民民主党

○委員長(櫻内辰郎君) ほかに御質疑はございませんか。……御質疑はないようでありますから、質疑は終局したものとして討論に入ることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

櫻内辰郎国民民主党

○委員長(櫻内辰郎君) 御異議ないものと認めます。討論に入ります。本案に対しましては、国際連合教育科学文化機関憲章を受諾するごとについて承認を与えるか与えないかということで討論を願います。別に御発言はございませんか。……別に御発言もないようでありますから、直ちに採決に入ることにいたしたいと思います。国際連合教育科学文化機関憲章を受諾することについて承認を求めるの件でありますが、承認を与えることに御異議ございませんか。    〔「異議なしと」呼ぶ者あり。〕

櫻内辰郎国民民主党

○委員長(櫻内辰郎君) それでは満場一致承認を与えることに決定いたしました。  それから本院規則の第七十二条によりまして、委員長が議院に提出する報告書には、多数意見者の署名を附することになつておりますから、本案に対して承認を与えることを可とされたかたは順次御署名を願います。   多数意見者署名     徳川 頼貞  曾祢  釜     杉原 荒太  團  伊能     加藤シヅエ  金子 洋文     伊達源一郎

櫻内辰郎国民民主党

○委員長(櫻内辰郎君) 署名漏れはございませんか。……署名漏れはないものと認めます。なお会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四条によつて、あらかじめ多数意見者の承認を経なければならないことになつておりますが、これは委員長において本案の内容の説明並びに本委員会における質疑応答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することとして御承認を願いたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

櫻内辰郎国民民主党

○委員長(櫻内辰郎君) 御異議ないものと認めます。

杉原荒太自由党

○杉原荒太君 これは議題についてではありませんが、ちよつと発言してよろしうございますか。……これは政府委員に対する一つの希望でもあるのですが、今まで国会で条約案を審議するようなことも数多くはなかつたのでありますが、これからだんだん多くなる。今までもちよいちよいあつたわけですが、実は私が特に申すまでもなく、国際条約に加入するかせんかということは、これは非常に重大なことです。私らの経験からもつくづく感ずるのですが、初めひよつと入つて、あとで何かいろいろ文句が出て、日本は条約違反をやつておるというようなことを言われる、これがないようにすることが非常に大事です。それだけに審議というものを非常に慎重にする必要があると思う。それがためには、実は条約案の場合には、国内法案の審議以上にその点を考えなければならん。そのときどきに改廃するということはできないから、その点非常に重要な問題だと思う。従つてこの審議の際、質疑の際なども関係の政府委員などは、いろいろのお差支はあるでしようが、あつても、条約案の審議の際などは是非ほかの関係の省のかたみんな出て頂くということが是非必要だと思います。恐らく私、従来だつてそれは関係の政府委員も出ないでやつたということは例を見たことがない。これは今後それぞれの関係の方面にもよく一つ趣旨が徹底するように、外務省のほうからも是非その辺のところを御連絡願うようにお願いいたします。

草葉隆圓自由党外務政務次官

○政府委員(草葉隆圓君) 御発言の趣旨誠に御尤もと存じます。今後十分、殊に講和条約を前にいたしまして、いろいろな条約その他の問題が頻りに御審議を願う状態になつて来ることと存じますが、一層慎重にいたしますと共に、関係政府委員が十分御質問等に手ぬかりのないようにいたしたいと思います。殊にユネスコの加盟の件につきまして御承認を頂きまして、誠に感謝いたす次第でございます。この六月に執行委員会、総会が開かれまする際に、我が国の加盟が承認いたされますると、直ちに憲章の規定に従いまして、署名並びに受諾の寄託を行なつて、正式加盟の手続をとつて行く所存でございます。従来殊に本委員会の皆さんがたはユネスコ議員連盟等を御結成になつて、ユネスコの活動に対しましては十分中心となつて御協力を願い、又国内におきましても澎湃としてこの熱が上つておりまする際でもございます。正式に加盟いたしました上は、ユネスコ憲章の精神を十分尊重し、一層徹底を期しまして、文化的、社会的な分野を通じて、世界の平和と人類の福祉のためにその精神を活かすように努力をいたしたいと存じております。只今の御注意に対しまして、今後十分その態度をとつて参りたいと思います。   —————————————

櫻内辰郎国民民主党

○委員長(櫻内辰郎君) 次は日本政府在外事務所設置法の一部を改正する法律案であります。先ず政府より提案理由の御説明を願います。

草葉隆圓自由党外務政務次官

○政府委員(草葉隆圓君) 日本政府在外事務所設置法の一部を改正する法律案の提案理由を説明申上げます。  今回の改正は、ワシントンほか六ヵ所に在外事務所を新たに設置すること、及び在外事務所の職員の在勤手当及び住居手当の支給額の決定方法を変更することの二点にあるのでございます。  先ず第一に、ワシントンほか六カ所の在外事務所の新設につきまして御説明いたします。日本政府はすでに、日本政府在外事務所設置法によりまして、十八カ所に在外事務所を設置して参つたのでありますが、その後も引続きその増置方を総司令部を通じて関係諸国と交渉しておりましたところ、このたびワシントン、ロンドン、オタワ、メキシコ、リマ、ジャカルタ及びスラバヤの七カ所に在外事務所を設置することについて、各関係国の承諾を得ましたので、これらの在外事務所を前記日本政府在外事務所設置法の第二条第一項の表に追加し、同時にこの機会に、総計二十五に及ぶ在外事務所を北米、中米、南米、東南アジア及びヨーロッパの地域別に配列して同表を改正するのが、改正の第一点であります。  次に第二に、在外事務所の職員の在勤手当及び住居手当の支給額の決定方法の変更について御説明いたしますが在外事務所に勤務する職員の在勤手当及び住居手当は、従来は日本政府在外事務所設置法第九条によりまして、アメリカ合衆国に設置される在外事務所については別表を適用し、その他のものには別表の九割から十一割までの範囲内で、所在地の物価水準と所在国通貨の対米為替相場とを基準として外務大臣が定めることとなつていたのでありますが、在外事務所の数が増加して、その人的構成等が複雑化して来るに従つて、在勤手当及び住居手当の決定基準として、各職員の職を考慮に入れる必要を生じて参つたのであります。  そこで前記法律の第九条第一項の改正案によりますと、在勤手当及び住居手当の支給年額は、すべて別表の九割から十二割までの範囲内とし、その範囲内において外務大臣が各職員について支給額を決定するのでありまするが、その基準としてはアメリカ合衆国にある在外事務所については当該職員の職を、その他の在外事務所については、当該職員の職のほかに、従来通り物価水準及び為替相場を考慮するということにしたのであります。これによりまして、在勤手当及び住居手当の年額は、各職員ごとに定められることとなりまして、実際に即した支給をいたすことができるのであります。なお附則におきましては、この法律の施行期日を定めたのでございます。  以上がこの法律案を提案いたしました理由でございます。何とぞ慎重御審議の上、速かに御採択あらんことをお願い申上げまする次第でございます。

櫻内辰郎国民民主党

○委員長(櫻内辰郎君) 御質疑がありましたら、この際御質疑を願いたいと存じます。

曾禰益日本社会党

○曾祢益君 ちよつと細かいことを伺いますが、これによると各職員別に外務大臣がきめる。そうじやなくて、例えばそれはフランスのパリにある何とかの職の人は幾らという基準、各職員ごとというのは個々に、個人々々にきめるということでありますか、どういうことになりますか。

島津久大外務省政務局長

○政府委員(島津久大君) 通常は号俸によりまして、それにこの表にございます号俸を合せて決定するのでありますが、特別の場合に、今回御承認頂きたいという点は、相当場所によりまして、この職掌柄上級の者を送りますとか、特殊の技能を持つておる人、そういうようなことから附表の場合より高い給料を出したい、そういうような場合を予想しております。

曾禰益日本社会党

○曾祢益君 そうしますると、普通は一号の在勤手当年額と、別表にこう書いてありますね、これで行くのだ、併し特別な場合には、この何の太郎兵衛については、特殊技能があるからというので殖やして行く、それを外務大臣がアービトラリリーと言つては悪いかも知れませんが、勝手にきめられる、こういうことになるのですか。

島津久大外務省政務局長

○政府委員(島津久大君) 金額で個々の場合に外務大臣が決定するのであります。

曾禰益日本社会党

○曾祢益君 それにしてもやはり何らかの標準がないと、非常に外務大臣が勝手に、誰々書記官なら誰々書記官は非常にうい奴だというわけで上げるということになると、非常に面白くないと思うのです。何らかの客観的な標準があつてやられるのじやないのですか。これではわけがわからないのですがね。

島津久大外務省政務局長

○政府委員(島津久大君) それは大体例を申しますというと、従来出ております事務所員、その号俸が大体まあ附表にあつたような程度のものでございます。それよりも少し現在の地位が高い者が出るということも予想されます。そういうときにはそれに応じただけ増額をする、それでありますから、大体の標準は勿論あるのであります。アービトラリリーにやることは実際上には避けられると思います。

曾禰益日本社会党

○曾祢益君 つまり例えば一号手当というものの基準がありますね。従来一号手当というものを予想していた人は、例えば外務本省でいえば局長級ぐらいだつた。ところが今後の在外事務所のほうの構成、その重要さから言つて、昔でいえば公使級の人が行くというのに合わないから、号俸を変えるので、手続をとらずに、事実この一号のほかに特号なんかというものをやはりその人の資格に応じたものができるような余地を開いて置こうと、こういう意味ですか。

島津久大外務省政務局長

○政府委員(島津久大君) その通りでございまして、大体現在まで出ておりまするのが、十三号乃至は十四号、大体十三号程度の人が出ております。

曾禰益日本社会党

○曾祢益君 それは内地の人ですね。

島津久大外務省政務局長

○政府委員(島津久大君) 内地の人です。それがもう少し高級な人を予想して、その余地をとつて置こうというのです。

曾禰益日本社会党

○曾祢益君 そうするとまあ上の人が出る場合に、そういうことを予想して、かような幅をとつて置こうと、こういうわけですか。

島津久大外務省政務局長

○政府委員(島津久大君) 大体そういう趣旨であります。

曾禰益日本社会党

○曾祢益君 大体この暮しの程度ですね、どうなんですか。これで通常の日本の現状に鑑みて、余り体面が恥しくない程度のあれができるのですか。非常に苦しいとか、まあ大体やつて行けるとか、極めて漠然としたあれでいいのですが、どうなんですか。

島津久大外務省政務局長

○政府委員(島津久大君) 遺憾ながらどうも決して十分とは申せないのでありまして、非常に苦しいというのが実情なのであります。併し著しく体面を汚すというようなことは、そういう事例は聞いておりません。何分できますときが大分以前の話であります。当時から考えて一般の日本の環境も相当改善されて参つております。当時はいろいろな意味から極端に切詰めざるを得なかつたような状況であります。今後はその点は改善される見込があるというふうに思つております。

伊達源一郎緑風会

○伊達源一郎君 ちよつとその給与の問題の別表について伺いますが、住居の手当年額というものは、一号から十号までの人は全部同じですか。

島津久大外務省政務局長

○政府委員(島津久大君) 同じでございます。

伊達源一郎緑風会

○伊達源一郎君 それはどういうわけですか。下のほうの人も、上のほうの人も、同じ住居をさせる、同じ家に住まわせるという考え方ですか。今までのやり方は違つておつたように思いますが……。

島津久大外務省政務局長

○政府委員(島津久大君) これはまあ家族手当というような意味でございまして、国内でもこれは差別を設けずに、大体まあそういう考え方で、一律に……。

櫻内辰郎国民民主党

○委員長(櫻内辰郎君) ほかに御質疑ございませんか。

團伊能自由党

○團伊能君 在外事務所は、今仮定的なものかも知れませんが、この機構が近い将来において領事館なり、公使館なり、在外公館として認められるものの基礎であるかと存じます。それにつきまして一、二伺いたいのは、第一に、従来外国におきましては、そのときの余裕もございましたためでもございましようが、殊に戦争直前にあつては、各省が盛んに在外事務所を作つて、大使館なり、公使館なり、領事館を認めないで自己の活動をされるということが非常に多く、農林省とか、内務省とか、或いは大蔵省とか、商工省がどんどん自由な事務所をほうぼうに必要な所に置かれまして、外務省は極く形式的な仕事をむしろやられるということに過ぎなかつたような形もあつたかと存じます。勿論外務省の中でも商務長官その他も行かれまして、いろいろとやられましたけれども、それで間に合わなくなつて来て、殊に陸海軍はもとよりでありますが、このたび非常に日本の財政も逼迫しておる折柄でもございまして、でき得べくんばそういう事態が再び起らないで、外務省の出張所、在外事務所、全部日本の政府活動を引つくるめて代表して頂くという形に行かなければ、非常に国家財政としても無駄が多くなることになりはしないかと思いますが、その点におきまして、この在外事務所は将来日本の政府を代表する在外機関を包括して、一つ外務省一本でおやりになるというお考えがありますかどうか、ちよつとお伺いしたいと思います。

草葉隆圓自由党外務政務次官

○政府委員(草葉隆圓君) お話のように過去におきましては、そういう相当弊害と申しまするか、大変力の分散をしておつたような状態もあつたと存じます。幸い現在では、この在外事務所にほかの各省関係も統括されたような形になつておりますので、今後これがいろいろな、いわゆる正しい姿に復元いたしまする場合におきましても、お話のように一本の姿で成るべく参りまするように、各省が十分連絡をとつて御希望に副うように進めて参りたいと思います。

伊達源一郎緑風会

○伊達源一郎君 ちよつと関連して三…、この設置法案は、講和条約が締結されるまでの極めて短い暫定的のものというお考えでありますか。

草葉隆圓自由党外務政務次官

○政府委員(草葉隆圓君) 独立いたしまして、講和条約が成立いたしました後におきましての行き方は、この在外事務所でなく、普通の外交官としての形に切替えて行くべきものと考えております。

團伊能自由党

○團伊能君 なお今日只今ありましたような給与の表もございますが、なかなか外国に駐在されて、今日の為替状態から考えて、非常な御不足の点が多いと思います。又、給与だけはそうでありますが、その在外事務所が十分に活動する費用というようなものも、非常に十分でないということは御同情いたしますが、ドイツが第一次大戦のあとに、その非常な窮迫した経済状態から、頻りに在外しておるドイツ人、外国で或いは職業を持ち、立場を持つておる者を任用いたし、或いは外国で生まれた二世のような人を使いまして、その一部を埋めて非常に能率を挙げて行つたようなことも承知いたしておりますが、在外事務所の所員の採用方法につきまして何かそういう点におけるお考えがありますかどうか、伺いたいと存じます。

草葉隆圓自由党外務政務次官

○政府委員(草葉隆圓君) お話のように、在外で日本国をいろんな意味において代表して活動いたしまする上におきましては、やはり相当な体面を保つて行くように進んで参りますことが殊に必要と存じまするし、従つて御質問の一つにありました、又先ほど来いろいろお話ありました在勤手当、或いは居住手当の問題におきましても、国内は数十に分けておりまするが、一応この程度にいたしまして、いずれはもつと内容の充実した方法をとつて行かなければならないと存じております。又その他海外の活動を、国家のいろいろな機関の代表となつてやつて参りまする外交的な使命を果しまするために、或いはその内容を充実する意味におきまして、一般人の、民間と申しまするか、そういう方面の人たちの活動も期待しながら進む方向もとつて行かなければならないと存じますが、現在は公務員制度等でなかなか簡単に参りかねておるのであります。併し将来はこういう点につきましてもいろいろ方法をとなて進み得る方向を検討いたしたいと存じております。

曾禰益日本社会党

○曾祢益君 これは今團君から言われた点に関連するのですが、私も非常に時宜を得た御意見だつたと思うのですが、費用の点もさることながら、これから外交の一元をどうしてもやつておかなければならん。従つて在外事務所、在外機関というものははつきりと外務大臣の統轄の下に置いておく必要がある。ただその場合にいろいろ公務員法のことがありまするが、在外サービスのほうは特別なものがあるから、十分なゆとりをとつて、大いに人材を登用して、そして門戸は、或いは文化アタツシエになるか、農業アタツシエというかつこうになるか、いろいろありましようが、併しその人材を登用し門戸を解放すると共に、統轄権ははつきり外務大臣の下に置いておかないと、これは前車の覆轍になつてはいけない。この点は釈迦に説法かとは思いますが、大いに外務当局においてもしつかりやつてもらいたい。

櫻内辰郎国民民主党

○委員長(櫻内辰郎君) ほかに御質疑はございませんか。御質疑もないようでありますから、質疑は終局したものと認めて討論に入ることに御異議ありませんか。    〔「異議なしと」呼ぶ者あり〕

櫻内辰郎国民民主党

○委員長(櫻内辰郎君) 御異議ないと認めます。直ちに討論に入りたいと存じます。別に御発言もないようでありますから、討論は終局したものとして採決に入りたいと存じます。御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

櫻内辰郎国民民主党

○委員長(櫻内辰郎君) 御異議ないと認めます。それでは日本政府在外事務所設置法の一部を改正する法律案の原案に賛成の諸君の御挙手を願います。    〔総員挙手〕

櫻内辰郎国民民主党

○委員長(櫻内辰郎君) 全員一致と認めます。満場一致を以て可決をいたしました。  それから本院規則第七十二条によりまして、委員長が議院に提出する報告書には、多数意見者の署名を附することになつておりますから、本案を可とされたかたは、順次御署名を願います。   多数意見者署名     徳川 頼貞  曾祢  益     杉原 荒太  團  伊能     加藤シヅエ  金子 洋文     伊達源一郎

櫻内辰郎国民民主党

○委員長(櫻内辰郎君) 署名漏れはありませんか。……署名漏れはないと認めます。なお本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四条によつて、あらかじめ多数意見者の承認を経なければならないことになつておりますが、これは委員長において本案の内容並びに本委員会における質疑応答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することとして御承認願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

櫻内辰郎国民民主党

○委員長(櫻内辰郎君) 御異議ないと認めます。   —————————————

櫻内辰郎国民民主党

○委員長(櫻内辰郎君) それから次にお諮りをいたしたいことがございます。外務省設置法の一部を改正する法律案が内閣委員会に付託になつているのであります。本委員のかたがたからもこの設置法の一部を改正する法律案については、内閣と外務との連合委員会を開くようにという御希望の向きもございまするので、連合委員会の要求をいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

櫻内辰郎国民民主党

○委員長(櫻内辰郎君) 御異議ないと認めますから、さよう決定をいたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時四十九分散会  出席者は左の通り。    委員長     櫻内 辰郎君    理事            徳川 頼貞君            曾祢  益君    委員            杉原 荒太君            團  伊能君            加藤シヅエ君            金子 洋文君            伊達源一郎君   政府委員    外務政務次官  草葉 隆圓君    外務省政務局長 島津 久大君    外務省条約局長 西村 熊雄君   事務局側    常任委員会専門    員       坂西 志保君    常任委員会専門    員      久保田貫一郎君   説明員    文部事務官    (大臣官房渉外    ユネスコ課勤    務)      深井 龍雄君

国会会議録検索システムで原文を見る ↗