外務・文部連合委員会 第1号
- 発言数
- 74 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1951/05/14
会議録
○委員長(櫻内辰郎君) 只今から外務・文部連合委員会を開会いたします。国際連合教育科学文化機関憲章を受諾することについて承認を求めるの件を議題といたします。先ず政府の御説明を求めます。
○政府委員(草葉隆圓君) 国際連合教育科学文化機関憲章を受諾することについて承認を求むるの件の提案理由を御説明申上げます。 国際連合教育科学文化機関、いわゆるユネスコは今次大戦中にロンドンに参集していました連合国亡命政府の文部大臣を中心として構成された連合国文部大臣会議を母体として世界平和の維持を目的とする教育科学及び文化の世界的組織となることを目指して発足いたしたのであります。ユネスコ憲章は一九四五年十一月十六日にロンドンで作成されまして、翌四十六年十一月四日に効力を発生いたしたのでありまして、国際連合との間の協定によりまして、国際連合の専門機関となつておるのでございます。ユネスコは国際連合の設立の目的であります国際平和と人類の共通の福祉に教育、科学、文化の面を通じて貢献しようとするものでありまして、そのためにいわゆる大衆通報、マス・コミュニケーションの方法によりまして、加盟国国民一般に広く知識の普及を図ろうとするものであります。加盟国の数は昨年十二月十五日現益におきまして、五十九に達しております。政府はこの機関に加盟して国際教育文化科学事業に積極的協力をいたすことは甚だ有意義であると認めまして、又国会におきましても昭和二十四年十一月二十九日には参議院、十二月一日には衆議院の議決によりまして、政府に対してユネスコ参加のための処置を講ずることを要望され、国内におきましても広くユネスコ加盟の希望が表明されていた事実に鑑みまして、かねて加盟の準備を進めておりましたところ、昨年十二月連合国総司令部から我が国のユネスコ加盟に異義がないとの申越しがありました。そこで政府は直ちにユネスコ事務局に対しまして我が国の加盟を申請いたしたのであります。我が国の加盟申請は本年三月十四日憲章の規定に従いまして、国連経済社会理事会の過半数による承認を得たのであります。この申請は更に本年六月パリで開催されますユネスコ執行委員会及び総会に提出されまして、執行委員会の過半数及び総会の三分の二の多数による承認を得ることが必要であります。政府はこれらの承認によりまして、我が国がこの憲章を受諾してユネスコの加盟国となり得る状態となつた場合にはユネスコ憲章を受諾することといたしたいと存じます。 何とぞ慎重御審議の上、速かに御承認あらんことをお願いいたす次第でございます。
○委員長(櫻内辰郎君) これより本件に関しまする御質疑がありましたらば御質疑をお願いいたしたいのでありますが、最初にこれは外務委員のかたがたにお願いしておきたいと存じますが、本日は連合委員会で、外務委員の人々の質問は次回の単独の委員会でできることでありますから、できるだけ文部委員のかたがたの御質問を先にお願いすることにいたしたいと、こう考えますから、御了承を願いたいと存じます。 それから只今文部大臣が御出席になつておりますが、大臣は四時半に他の御会合にお出掛けにならなくてはならないそうでありますから、その点をお含みの上御質問を願いたいと存じます。
○平岡市三君 主として文部大臣にお伺いいたしますが、文化外交、経済外交等々とちよいちよい新聞その他に出ておりますが、私は外交はその本質上政治的、現実的なものでありますが、文化は理想的、非政治的なものであると思うのであります。従つて文化活動は国境を超越いたしました世界普遍的なものであるのであります。ユネスコの理想もこの文化の保有する普遍的な基礎の上に国際平和を築こうといたしておるのであります。従つてユネスコその他の国際文化交流はいわゆる外交とは本質的に異なるものであると思うのであります。この外交と文化との違いについて先ず第一に文部大臣の御所見をお伺いいたします。
○国務大臣(天野貞祐君) 私は今平岡さんのおつしやつた通りだと思つております。そういう文化の持つておる超国家性、超民族性と申しましようか、そういうような世界性というものがこの場合に一番問題になつておると思います。だから国家間の政治的な協同というようなことでは到底この本当の意味における平和というものを招来することが非常にむずかしいからして、そういう国家を超えて世界性を持つておる科学とか、文化とかいうものを媒介として世界に平和をもたらそうというのがこのユネスコの趣意だと思つております。そういう点で平岡委員のおつしやつた通りだと自分も考えております。
○平岡市三君 私の意見と文部大臣の意見と全く同一に伺うことができました。そこで日本がユネスコへ加入いたしますし、或いは講和が成立いたしましたときに、文部大臣乃至文部省の立場というものは或いは外務大臣乃至外務省の立場上り極めて重大ではないかと思うわけであります。お伺いいたしますれば、文部省にはユネスコ課がありまして、ここでこういう文化交流の仕事をやつておるようでありますけれども、今後これに加盟し、或いは講和が成立した後におきましては、そのユネスコ課を部なり省なりに拡充いたしまして、十分な努力をなさる意思があるかどうか。最近聞くところによりますれば、行政機構の改革を行おうというようなことで研究いたしておるそうでありますが、この点につきまして文部大臣はユネスコ加盟後における国際文化交流の推進につきまして、何かお考えがありましたら御所見を伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(天野貞祐君) 只今申しましたように、文化というものは超国家的な世界性を持つておるということがこのユネスコという運動の本質だと思つております。従つて教育とか科学とか狭い意味の文化ということを言えば、それは当然文部省の活動と非常に密接なものを持つておる。従つてユネスコ加盟後においては文部省も現在のような組織では到底この使命を果すことができないことと思つております。
○平岡市三君 もう一点文部大臣並びに外務省の当局のかたにお伺いをいたすのでありますが、これは私が質問するよりも却つて共産党のあそこにいらつしやる岩間さんが質問するほうが適当であるかとも思いますが、(笑声)ソ連その他の国々がこのユネスコに加盟しておらない現在におきまして、たとえ急に日本がこれに加盟いたしましたといたしましても、思想知識の自由な交流によつて世界の平和をもたらすことは甚だ困難ではなかろうかと思うのであります。これに対する文部大臣並びに外務省当局のかたの御意見を一つお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(天野貞祐君) 私もこのユネスコの運動をやつたらば、それで直ちに世界全般の平和がもたらされるということはそれはむずかしいことだと思うのです。それはもう我々の理想であつてそれを現実にするということは、ユネスコ運動というものを始めればすぐできるというものではありません。これには我々は非常な今後努力をして行かなければならないし、又私は相当な時日を要さなければできないかと思いますが、それなら、それができないからそれでこの運動が意味がないかどうかというと、そうではなくて、ソ連を除いても世界には多数の国がありますからして、そういう間の文化的交流、そういう間の本当の意味におけるこの平和精神の交流ということは私は非常に意味を持つていることだと思う、又そうすることによつて他日全世界に平和をもたらすことに一歩前進するのではないかと思つております。
○政府委員(草葉隆圓君) 只今文部大臣の御答弁の通り私ども外務省としても考えております。ソ連は第二次世界大戦中に連合国の文部大臣会議がロンドンで開かれました頃は、ソ連も大いにこれに関心を示しまして、一九四三年のこの会議にはオブザーバーを送つたこともあつたのでありまするが、ユネスコの設立に際しましては、教育文化の事業は国連の経済社会理事会がその衝にあたるべきであると主張しまして、新らしいユネスコの設立に関する協力を拒んだのであります。爾来ユネスコは力を尽してソ連の参加を求めて参つたのでありますが、ソ連のユネスコに反対する根本的な見解といたしましては、第一回の総会の際にユーゴースラヴイアのオブザーバーがソ連圏諸国を代弁しまして発言をいたしておりまするうちに、ユネスコ憲章はマルクスの弁証法的唯物論を勘定に入れていない、この失敗はソ連邦と西欧諸国間の知的協力を阻害したと述べているようなところに置かれているのではないかと存ずるのであります。併しこの以上のようなイデオロギーの面における主だつた反対ばかりではなく、ユネスコの活動面におきましても、或いは大衆通報その他の問題についても、ソ連のとつております政策等と或いは抵触する点があるために、現在加盟を拒んでいる点がありはしないかと考えられるのでありまするが、いずれにいたしましても、只今文部大臣の答弁をされましたように、このユネスコ憲章に加盟いたしまして、広く教育文化その他の面において協力して参りますことは、世界平和の上に大いに貢献を尽すことであると存じております。
○高良とみ君 今回ユネスコに対しまして、日本が加盟する機運に向いましたことは慶賀すべきことだと存ずるのであります。従つて今後の問題は条約の締結面における問題でありまするから、外務省の手を通じまして外務委員が主査として我々文部委員に対しましても御協力頂いておることと了承いたすのであります。併し私ども今後ユネスコに日本が加盟いたしまして、たとえ国際連合に加入いたしません国でありましても、スイスその他がいたしておりまするように、国内に平和思想及びユネスコ、この国際連合憲章の唱えておりまするところの人権を基本にした新らしい世界文化を建設するために、幾多の負うべき責があると思うのであります。その点につきましてユネスコに加盟いたしましたのちの我が国内体制、即ち外務省及び文部省における組織活動の受入れ準備について現在までの進捗の工合を御報告頂きたいと思うのであります。先ず外務省等において情報部のうちに文化課をお持ちでありまするが、この文化課はどういうことを目的にし、ユネスコ活動以外にもほかの仕事がおありになると思いますので、この行き方及び今後共にユネスコとはどういう面で協力をして行かれるつもりでありますか、その面を草葉外務政務次官にお伺いいたします。
○政府委員(草葉隆圓君) 御質問にもありましたように、ユネスコ加盟後におきまする問題の中心は国内体制の整備強化というのが中心になる、従つてユネスコの目的を達成し得ることは、国内機関の整備の活動の如何にかかつていると存ぜられる点が最も大きいと思うのであります。ユネスコ憲章の第七条にもこれははつきりと述べておりまするように、国内協力団体に関する問題並びに国内協力団体がユネスコ関係機関に対してとりまするいろいろな報告その他の行き方、こういう点に関しまして当然国内委員会を設置しまして、これによつて進んで行くことが義務付けられてはおりませんが、当然の結果として考えるべき問題と存じております。現在五十九ヵ国のうちで、このような国内委員会等を作つて進んでおりまする国が五十ヵ国に上つておりまする点から考えましても、将来我が国におきましてもかような体制を整備して十分ユネスコの目的を達し得るように国内活動を十分にすることが必要ではないかと存じております。従いまして、目下これが具体的な形体組織というものをどうして行くかということにつきましては、文部省その他関係省とも十分連絡をとりまして、又国内のいろいろな機関、教育、科学、文化の事業に直接関係しておりまする機関とも十分提携をいたしまして、又諸外国の例等も十分調査をいたしまして、ユネスコ活動における国内活動の万全を期するよう進めたいと目下研究を続けておる状態でございます。
○高良とみ君 文部大臣にお伺いしたいのでありますが、この受入体制の先ず概念としての国内にユネスコ運動を普及いたしまするときに、平和の推進ということを是認してこれをお流しになつておられるのかどうかということなんであります。仄聞いたしまするところによると、ユネスコ運動及び国際連合関係の運動においても平和運動ということは遠慮すべきものであるというような声をしばしば耳にいたすのでありまして、民間の協力団体におきましては、果してユネスコは平和を目的とする国際連合の目的に我々が努力するためのものであるのか、或いは国際連合に加盟するための運動であるのかというような疑問さえも起しておるのであります。この点はユネスコ課をお持ちになつておられる文部省としましては、一応明確にして頂きたいと思うのであります。この点一つ……。 第二の点はユネスコ課をお持ちになつておられる以上は今後ユネスコに加盟いたしますると、一層責任が大きくなりますが、外務省にありまする文化課とどういう責任の分担、事務の分担をなさるお考えでありますか、その点をお伺いいたします。
○国務大臣(天野貞祐君) ユネスコ運動といえば即ち世界の平和運動でございます。だからユネスコの運動が平和運動を阻害するとかそういうようなことは自己矛盾のことで、あり得ないと存じますけれども、平和という同じ名であつても、場合によれば平和を阻害するようなことが平和という名で以て行われる場合があります。現在の日本の状態はそういう点が非常にあいまいな概念がたくさん使われておる。例えば愛国というようなことでも全然反対のことが愛国という名によつて呼ばれておりまして、だから平和という名だから何でもよいというわけには行かない。本当の意味において平和の精神を振興するということであれば、それは何も阻害すべきことではない。その所そのときによつてどういうその運動が意味を持つか、真に平和の意味を持つかということに対して現在の日本の置かれている現実は非常に慎重でなければならないということは、これは止むを得ない事態ではないかと私は考えております。 第二の点につきましては、教育、科学、文化というようなものが本来これは文部省の正に担当すべき分野のものでございますが、併しそういう超国家的なもの、又世界的なものといえども基盤なくしてはやれない、いつでもそういう基盤は国家にある。そういう文化運動といえどもその促進ということになれば政治を伴つて来ないわけに行かないから、その限りにおいては外務省のお力を借りなければいけない。だから私どもはよく外務当局のおかたとも話合いをして、その所管争いとかそういうけちな根性ではなくして、本当に公明正大な考え方を以つ、て将来どういう組織を持つて行つたならば日本のユネスコ運動というものが本当に実を結ぶことができるかということを相談して行きたいという今は段階でございます。
○高良とみ君 もう少し立入つて伺いますと、このユネスコに関する限りにおきましては、国際的な諸外国との対外関係は外務省の文化課において主として情報を得、又連絡をされる。文部省の文化課はこれを国内に対してよく消化したもの、或いはよく組織だつたものを流して行く、或いはお世話するというふうにお考えになつておられるのでありましようか。或いは文部省自体も又対外的な直接な文化、教育、科学の文書の交換、人の交換、或いは代表者を送り出すというようなことに対して、将来そういう対外的な活動の自由をも確保して行かれるお考えでありましようか。その辺が占領下にありまするために少しくゆがめられた形に今日まで発展して来ておるように思われる点がありまするので、一応伺つておきたいのであります。
○国務大臣(天野貞祐君) これは国内に例えば委員会を作るというようなことになりますれば、すぐ学術団体とか或いは芸術のほうの団体とかそういうものとの交渉というものは直ちに起つて来るのです。こういうのは文部省で所管しておることだと思いますからして、そういう点は勿論ございますが、併しこの国内的のことというのが全然外国と切離してやれるということではございませんから、私どものほうも場合によれば自分たちで以て外国の学会と交渉したり、又学会のいろいろな資料を集めたりというようなことも当然することだと思つております。けれども又これは私のほうのことではございませんが、外国に関することといつても又国内を離れるわけではございませんから、これは両者が密接に話合つて、外務省だとか文部省だとかという余り縄張り的でなしによく話合つて、その間の調整を図つて行きたいと私は考えております。外務省のかたはどうでございますか、私はそういう考えでございます。
○高良とみ君 その半面、外務省としましては文化外交という言葉を近来しばしば伺うのでありますが、そうしてみると文化外交の内容とし、又その組織体としてのユネスコのみならず国際連合の諸機関に対する御交渉が多いと思いまするが、只今文部大臣からお話のあつたような、国内も国外も一体としての文化活動をやると言われる文部省に対しまして、外務省もこれを援護する、或いは協力するというふうに了承してよろしいのでありましようか。してみると今後共に同じことを両方でしておるようなことになりはしないか。そうして重複する面もあり、何かそこに両方を調節する、連絡統合して行く機関というふうなものが将来必要になつて来るのではないかというふうにも考えられる。それについて外務省としての御所見を伺いたいのであります。併し又もう一面から考えますると、外務省というつまり対外関係の仕事は戦前の性質とはずつと変つて来ておりまして、経済的な貿易、通商その他領事的な仕事も今後非常に殖えるのでありますから、むしろ文部省をして文化的な活動は国内的なものも国外的なものも共に世界の文化活動の一環として所管せしめる御意思がないものであるかということを外務省に伺いたいのであります。
○政府委員(草葉隆圓君) つまりユネスコの平和運動について先にも御質問がありましたが、ユネスコの平和運動は結局現在御承知のように行われております世界連邦政府運動、或いはMRAの運動或いは世界自由文化人会議等というような平和運動、こういう世界的な平和運動が最近は盛んに行われておりますが、同時にユネスコは具体的に教育、科学、文化というような広範な分野から具体的な事業を行うことによつて世界平和運動に貢献しよう、こういう一つの強い理想を持ちながら具体的に立ち上つておる運動だと存じております。従いまして世界的に力を合せて行く運動であります関係もありまして、只今文部大臣のお話の通りに、国内的にはいろいろな或いは教育団体、科学団体、文化団体等というようなその他の機関と強力なる一体化がなされないと、いわゆる大衆運動というものの使命は達成し得ないし、ユネスコの真の目的も達成し得ないと存じますると同時に、又世界に、これに繋りを持つて来るところにユネスコの本質があろうと思います。従いまして今後具体的にこれが進んで参ります上には、結局国内委員会機構をどういうふうにして行くかというのが問題の中心になつて来ると存じます。一方従来は或いは文部省のユネスコ課、或いは外務省の文化課というようなそれぞれの立場におけるそれぞれの使命の達成があつたのでありまするが、同時にこれに併せてユネスコ加盟後における国内の委員会、国内の協力機関の作りようにおいて、只今文部大臣のお話になりましたような趣旨を私どもも十分これに同感を持ちながら、各関係省と協力して十分なるユネスコの精神を発揮し得る国内機構、国内体制を取上げて進んで来ることが必要と存じまして、これらの具体的な問題は関係者並びに関係機関十分研究しまして、作り上げて行くことが必要であろうと思つております。
○高良とみ君 もう一点、予算についてお伺いするのでありますが、これは具体的に最近或る海外からの声として、日本の外貨が相当に殖えているけれども、これを使うときに常にこれだけ使えば、こういう人を海外にやれば、これだけのものが還つて来るというそろばんに合う活動のほかには余り使いたくない、私は主として外務省の渡航課関係を所管される外務次官に伺いたいのでありますが、従つて文化的な方面に使うドルはないのだというような通念が国民のなかにも又海外にも大分流布していると思うのであります。併しいつまでも日本もそういう状態に大変そろばん勘定というだけで以てやつているということは、これは世界に交際ができないことになるのです。殊に今回のようなユネスコに加盟するというような場合にも、どこまでもそういう実質的な使い方だけでは如何かと思われるのであります。つきましては、今回多少代表者が行かれるやに伺うのでありますが、文部省と外務省とが一緒になつてもう少しそろばん的でない、何十年かの後にたくさん還つて来る、或いは還つて来ないかも知れませんけれども、大いに貢献するというような予算をお取りになる、又これに対して渡航的な尽力をする御意思があるかどうかということをお伺いしたいのであります。
○政府委員(草葉隆圓君) 或いは現在いろいろな制約を受けておりまする外貨の立場におきましての結果から、只今のような御疑念が強くお起りになると思うのであります。併し外務省といたしましても、その渡航その他の場合におきまして、前年度の総数から申しまして、一番多く海外に渡航等を手持外貨を割きながらいたしておりますのは、文化活動における渡航であります従つて、今後におきましては、今まで不十分でありましたからいろいろな場合になかなか思うようには十分満足し得ない状態にあつたろうと思いますが、これは大臣も十分文化活動における将来の外貨使用等については積極的にいたすようにということを申しておりますから、御意見の点は十分拝承して将来進みたいと存じます。
○矢嶋三義君 私は少し話を前に戻してお伺いしたいと思うのでありますが、先ほど提案者からもお話がございましたように、二十四年に衆参両院でユネスコ加入の件について決議をしておるようでございますが、それ以来文部省並びに外務省はそれぞれの立場においてユネスコ運動の推進助成或いはユネスコ加盟に対しての万金の処置をとられて来たと思うのでありますが、そのなかの主なる事柄とそれから今度六月に執行委員会があり、なお六月十八日にパリで総会があつて、その席上きまるように承わつておるのでありますが、その執行委員会なり並びに総会における大体の見通しでございますね。そういう点についてお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(西村熊雄君) 只今御質問になりましたユネスコ加盟問題の従来の経過につきましては、お手許に差上げてございます説明書の第十二頁以下に詳しくそのことを書いてございますので、それによつて御承知おきを願いたいと思います。我が国の加盟手続の成行ということにつきましては……。
○矢嶋三義君 どれの十三頁ですか。
○政府委員(西村熊雄君) 十三頁以下でございます。説明書の十三頁以下—に、非常に長いものでございます。非常に詳しく説明しております。第四章……。
○矢嶋三義君 そのパンフレットの題名を言つて下さい。
○政府委員(西村熊雄君) それから我が国の加盟申請の手続をとりましたあとの経過につきましても、同じ説明書の十七頁以下に詳しく挙げて書いてございますが、改めて簡単に申上げますと、昨年の十二月に連合国総司令部は我が国がユネスコに加盟することに対して異議を持つていないという通知がございました。それで政府はユネスコ事務局長に対しまして加盟申請を行いましたが、この申請には我が国の受諾は国会の承認を条件とするものであるということを明記いたしておきました。我が国の申請は、我が国がまだ国際連合に加盟いたしておりませんので、ユネスコと国際連合との間にあります協定の第二条に従いまして、ユネスコ事務局から先ず国際連合の経済社会理事会に伝達されたわけでございます。経済社会理事会は今年の三月十四日に我が国の加盟申請に承認を與えたと新聞は報じております。でありますから、これからあとの見通しと申しますと、今年の六月に開かれますユネスコ執行委員会で過半数の支持を得ました上で、ユネスコ総会で出席して投票する国の三分の二の多数による承認があれば、そこでユネスコ側としての我が加盟についてとるべき措置は完了いたすわけでございます。承認を與えたことになるわけであります。がそのほかに憲章の第十五条の第二項に規定がありますように、「この憲章は、連合王国政府の記録に署名のために開放しておく。署名は、受諾書の寄託の前でも後でも行うことができる。受諾は、署名が前に行われているか又は後に行われなければ効力を生じない」。こういう規定がございますので、ユネスコ総会で可決されました後で我が政府の代表はロンドンに参りまして、イギリスの外務省に寄託してありますユネスコ憲章の原文に署名されるわけであります。そうしてその署名された後正式な受諾書をイギリスの外務省に寄託いたします。その寄託いたします日を以て正式に日本に対して効力が発生する、即ち日本のユネスコ加盟は成立する、こういう手はずになつております。大体今日までの見通しによりますれば、経済社会理事会でも圧倒的多数を以て可決いたされました経過もございますし、執行委員会におきましても又ユネスコ総会におきましても、容易に所要の票数を得て承認されるものであろうと考えております。
○矢嶋三義君 二十四年両院で決議されて以来、文部省としてはユネスコ運動の推進助成に対してどういう点に努力されて来たかその主なる点を言つて下さい。
○説明員(西村巖君) 文部省といたしましては、外務省と連繋いたしまして大体月二回ユネスコ運動に関係いたしております団体、例えば国会図書館、ユネスコ議院連盟事務局、国際連合協会、ユネスコ協力会連盟などと一緒に常時私どもがやつておりますユネスコ活動の打合会、連絡会を開いております。それからユネスコ協力会は最近だんだん盛んになりまして現在成人の協力会が約百ございます。それから学生生徒のユネスコに参加しておる団体は約百くらいになつております。殊に後者は最近になつてだんだん数が殖えて来ておる状況でございます。それからユネスコに関しまして学校教育の面においても非常にこのユネスコの思想、国際理解ということを増進する必要があると考えまして、昨年以来全国八カ所に分けまして国際理解並びにユネスコ思想の普及に関する研究集会を中等教員に対してやりましたのですが、今年は更にそれを拡大強化いたしまして初等の、小学校の先、生方にも同じような規模でやつて行きたいと思つております。又従来のユネスコ協力会のユネスコの思想は、講演会等があつたんですが、更に芦屋地区を中心とした協力会並びに宮崎県の教育委員会を中心としまして、成人教育の面に関しましてもこの研究集会の形式をもつたユネスコの思想の普及ということを盛んにいたしました。又最近まだユネスコに日本が加盟いたしません前からも、事実上はユネスコと最近は非常な緊密な関係になりまして各種のユネスコが主催いたしておりますゼミナールに若干の専門家を送つております。例えば昨年はブラツセルに歴史の教科書の改訂に関するゼミナールがありましたが、それとカナダのモントリオールに地理を通じての国際理解のゼミナールがございましたが、そういつたもの、又成人教育に関するゼミナールがオーストリアのザルツブルグにございましたがそういつたものにそれぞれ専門家を派遣いたしたり、又ユネスコは成人教育に関しまして約六カ月に亘りましてスカラシップを日本に供与いたしましたが、現在一名の専門家がアメリカのコロンビア大学でそのスカラシツプをもらつて勉強いたしております。更にユネスコは今年は約二方二千ドルの金を以て、国際理解に対して、適当な態度を培うというような意味合で日本の青年運動が適正に発達するようにという趣旨で二万二千ドルを供与いたしております。それに関して文部省は全面的にこれに協力してその趣旨が完全に行われることを期待いたしております。又社会的緊張の調査に対してユネスコは五千ドルばかり供与いたしておりますが、目下学術会議のユネスコ委員会の委員長の尾高朝雄教授が主任になつてそういうことも研究して準備しておられるように承わつております。更に文部省といたしましてはユネスコの思想を普及する目的をもちまして現在約五十種の、部数にいたしましては約四十五万部のユネスコに関する文献を翻訳なり又調整いたしたりいたしまして関係者に配付するというようなこともいたしております。
○矢嶋三義君 ユネスコ問題を外務省情報部文化課並びに文部省大臣官房の渉外ユネスコ課で、両方で取扱われて参つたようでございますが、それぞれの課において所管されたところの事務内容というものは今両者から御説明があつたようなものである、こういうふうに了解して差支ないわけでございますね。念のためお伺いいたします。
○説明員(吉田健一郎君) 外務省は何か文化課のことを御説明申上げましてまだ申上げてないのではないかと思いますが、外務省のことを簡単に御説明いたします。今文部省のかたが申上げましたようなことを、文部、外務両方に協力をいたしながら文部省、外務省その他の関係機関を集めました連絡会議、ユネスコ連絡会議というものを各週ごとに一ぺんずつやつて参りますほかに、外務省といたしましてはユネスコを国内に普及する際に一番に注意いたしておりますことは、現在の国際情勢下にあつてユネスコがどういう成長を遂げ、どういう実質事務を持つておるかということを第一に考えてやつております。文部大臣からお話がございましたように、いわゆる平和運動、平和という問題が現在の我が国におきましていろいろな微妙な響き、意味を持つておるということをここで考えながらやつて参つたつもりでございます。それから第二に私外務省といたしましては、文化課だけがユネスコ関係の事務をやつておるのではございませんで、そのほかの国際連合専門機関を管轄しておられる他の局課とも連絡いたしまして同時に他方一般の財源、その他の広い意味の国際情勢を勉強しておられるものとの連絡をとりまして、ユネスコのなまのままの文章をそのまま翻訳いたしまするということよりも、むしろいろいろの対外諸情勢を一遍消化いたしまして、それを紹介するというような方針に重点をおいて参つております。第三に一昨年ユネスコの代表機関の駐日代表の李教授という方がユネスコから派遣されて来られまして、これと共に総司令部の係官の下にオーストラリア、フィリピン、それから中国或いはフランス、オランダ、この数カ国を含むいわゆるエキスパート・コミツテイというものがユネスコに対して設立されておるのでございますが、こういう方面とも外務省といたしましては連絡をとりながら、如何なる形のユネスコ協力活動を日本において、現在の国際情勢下に遂行して行かなければならないかというような点を勉強して参ると同時に普及宣伝して参つております。
○矢嶋三義君 執行委員会並びに総会の見通しにつきまして先ほど外務省のかたから承わつたわけでございますが、先ず国会で承認を議決すれば間遠いなくユネスコ加盟ができるようにそういう情勢にあると思うのでありますが、先ほどからも議論がございましたように、このユネスコ運動並びに事業を推進するに当つては国内態勢の在り方というものが最も大事だと思うのでございます。先ほどから外務次官の御説明では、これから相談して云々という言葉がございましたが、現段階まで参つて、例えば具体的に国内委員会はこういうものはどういうものにしたいというような検討はまだなされていないようでございますが、その状況並びに外務次官個人としては国内委員会というものをどういう形に持つて行こうというお考えなのですか承わりたい。そういうものを一切お考えにならないで、見通しのはつきりせんものをここにかけられるということは非常に準備が不十分だと考えるのでありますが。
○政府委員(草葉隆圓君) 結局ユネスコの国内的な使命を達成いたしますると同時に、ユネスコの国内協力態勢の整備或いは国内委員会の具体的な設置、これによつて国内のあらゆる公的施設又は私的機関、国民の大衆運動というものに十分ユネスコの精神を普及して行くということが最も大事であります。何時に只今も文部省、外務省からそれぞれ御説明のありましたような、従来までの態勢ではむしろ準備的な行き方、多くの関係機関乃至は関係方面に十分ユネスコ精神を或る程度普及せしめて、そうして加盟後の日本のユネスコ活動が十分な活動のできるようにしておくということが従来からのやりかたであり、又国際的なユネスコの活動を十分消化するという方向で来ておつたのであります。 そこで先にも申上げました五十九ヵ国の加盟国の中で大体その絶対多数と申上げられる五十ヵ国は国内機関を持つてこれによつてやつておるのです。やらずにおる所が九カ国ありますけれども、その模様から見ますと、当然国内機関を設置してやつて行く方が最も成果を挙げやすい状態であろうと存じます。而も国内機関の作り方というものが相当国々の実情に即応した作り方をしませんと、国によつていろいろ作り方が違つておりますが、日本は日本らしい作り方をして、日本の歴史、国情、現状に合つた行き方をとつて来なければならない。従つてこの国会で加盟を承認されますと、正式に関係各省或いは機関その他と連絡をしまして、十分各方面の意見を総合したものを以て日本の活動に立派な国内組織を作つて行く方がいいのじやないか。その前にまだ国会の御承認を経ない前から余りそういう方面を先にするよりも、むしろそれまでには国内の或いは公的機関、民間機関のそれぞれの立場における活動、或いは各省のそれぞれの立場における活動に任して御承認を経て加盟が決定いたしますと、正式の方面でおのおのの持つております案を持寄つて、具体的なものを作つて行く方が最も妥当ではないかとこういう考えかたで実は進んでおるような次第でございます。従いましてこれは各それぞれの関係者、国会は国会といたしまして、外務省は外務省といたしましての考え方はそれぞれお持ちになつておると存じますし、又私どもも考えてはおるのでありまして、ほかの国々の実情等も十分調査いたしておりまするから、国内情勢に即応した日本に最もふさわしいと思いますような案を持ち寄つて御相談して作つてくる方が最もいいのじやないか、こういう考えで進んでおります。御了承を願います。
○矢嶋三義君 このユネスコ運動の主なるものが教育、科学、文化、こういうふうに挙げられております以上、ここに承認を求める提案がなされるわけでありますが、文部大臣としてもユネスコ加盟によつてその運動の推進なり或いは事業の推進について天野文部大臣個人としても、相当の見解を持たれておると思うのでございますが、大臣の見解を承わりたいと思います。構想でございます。
○国務大臣(天野貞祐君) 国内委員会については只今外務次官の御説明の通りだと私どもも考えております。これは承認を得たからすぐ国内に委員会がなければいけないというのでなくして、承認を得た上で委員会を作ればよいのですから、今外務政務次官のおつしやる通りに私どもも考えて、先ず外務、文部両省その他学界等の主な人にこのことを話して、委員会の構想なり何なりをよく研究して下さいと言つておるわけでございます。 それからユネスコの精神については私は別に変つた考えは持つておりません。このユネスコについて一般に理解される通りの考えでございます。即ちこの国家的な政治活動というようなもので世界的な平和を一方においては促進すると同時に、それでは到底できないのでそういうものを超えた一つの文化、或いは狭い意味でいうならば学問とかというようなものですね、教育とか科学とかそういうものを通じて一つの文化交流によつて世界に平和をもたらそうという点においては別に変つた考えではございません。
○矢嶋三義君 先ほど岩間委員の質問でございましたか、それに対しまして文部大臣は今の機構では使命達成はできないというような言葉が述べられたと思うのでございますが、それはどういう意味でございますか。
○国府大臣(天野貞祐君) 使命達成はできないとは申さないつもりです。使命達成は困難であり、今の通りでは加盟後はいろいろな仕事も殖えますし、いろいろなことをしなければならないから更に拡充してやりたい、併し文部省だけでこれはやられるというものではないのですから、よく外務省などとも相談し合つて、協同して本当に公平に考えて適当な組織をそこに考えることが必要だ、今のままではこれは困難だということを申したわけであります。
○矢嶋三義君 私は幸いにユネスコ加盟が承認されて、そうしてユネスコ運動が我が国において強力に推進されることは非常に喜ばしいと思うのでございますが、その前提条件としては先ほどから国内態勢の問題が出ておりますが、国内態勢をどうするかということにつきましては、配付されました資料に随分他国の例もずつと出ているようでございます。私も一通り眼を通ささして頂いたのでございますが、なお先ほどからの質疑応答によつても、私考えたのでございますが、国内委員会というのが結局全国民的な性格の民主的なものにならなければならない。先ほどから今までやつて来られた点から文部省にも関係があるし、又外務省の国際情勢の分析から立たれたところの管轄というものも非常に大事であるということを考えるときに、私は国内委員会というものはどういう思想分野の人によつて構成すればいいかという結論が出て来るのじやないかと思うのでありますが、ただ併し内容が教育、科学、文化こういうように打出されておりますことは、我が国における文部省の立場というものを考えるときに、やはり管轄というものは、文部省に持つて行つた方がより以上推進されるのではないかというような見解を私は持つておるわけでございまして、従つてこれは将来の問題でございますが、円満なる強力な推進を図る上からいたしましても、加盟が許可された暁におきましては、やはり私は管轄は我が国の態勢、我が国の実情から考えたときに、文部省に置かれた方がいいのではないかという意見を持つておるということを申上げまして質疑を打切りたいと思います。
○委員長(櫻内辰郎君) ほかに御質問は……。
○岩間正男君 私も二、三点お伺いいたします。先ず第一にこの手続ですね、この中で第十二回経済社会理事会に上程されましたときに、過半数で承認されたようであります。そのとき四カ国は反対したのでありますが、ソ連、チェッコスロバキア、ポーランド、フィリピン、この四カ国が反対しておつたようでありますが、反対理由、これは何かこのときの会議録か何かで外務省の方で調査されておりますが反対理由について承わりたい。
○政府委員(草葉隆圓君) 只今の御質問の点につきましては、反対理由、いわゆる十三対四、棄権一でございましたが、その反対はソ連、チェッコスロバキア、ポーランド、フィリピン、どういう意味であつたかというこのときの内容がまだ参つておりませんから参り次第御答弁申上げたいと思います。現在までにはまだその内容は承知いたしかねる状態にあります。
○岩間正男君 成るたけ早く入手しましてそういう理由について我々は検討したいと思うのであります。できるだけこれは満場一致で承認されればいい性質のものでありますが、反対されたその理由ですね、そういうものについて現在の日本におきましては検討する要があるのじやないかと思います。先ほどからそれと連関しまして受入態勢の問題が出ておるのでありますが、このことですね、このユネスコに参加する、そうして結局ユネスコが持つておる国際的な意味というものは、これは今後どういうふうに使われるか、ここにやはり相当な問題があるのじやないかと思うのであります。而も当委員会では講和前にこういうようなものに急に急いで参加の問題を決定されておる。講和と連関して、国連への加盟の問題なんかとも連関して考えられていい問題である性格を持つておる面があると思います。というのは実は先ほどからの受入態勢の問題でありますが、形だけでこういうものに参加しましても実はこれに影響するところは国民の文化であり、教育であり、それから科学、こういうような生活を通じてこういうものを高める、こういうところにあるわけでありますから、こういう点が日本の現在の、例えば文部行政、こういうものと連関して考えますと、上部の方においてそういうものが受入れられても下部まで本当に滲透する態勢がない場合には途中で切れてしまう、しばしばそういうことがあるわけであります。そういう点から我々考えるのでありますが、現在の例えば六三制、或いは科学教育の不振、こういうような態勢の中で、国際的なこういうものにだけ参加するということによつて十分に目的を達することができるか、こういう点についてやはり大きな問題になるのじやないかと思うのであります。 それと連関しまして私はお聞きしたいのですが、朝鮮事変に対しましてユネスコのとつた役割があつたと思うのであります。これは外務省から二月頃パンフレツトを頂いたという記憶がありますが探して見たところが、今手許にないのですが、ユネスコといたしましては朝鮮事変に対しましてどういう態度をとつておるのでありますか、この点を伺いたい。
○政府委員(草葉隆圓君) 只今の御質問の前段におきまして、講和前にユネスコ加盟という問題でございますが、これはこのユネスコ憲章の前文にも申しておりますように、人類の知的、精神的連帯の上に永続的な平和を築く目的で教育、科学、文化という面を通じて国際理解を深めるという任務を持つておりまして、ユネスコに加盟するということにおきまして、実は前回来国際電気通信連合なり、万国郵便連合なり、或いは先般国会で御承認願いましたWHO、世界保健機関の加盟、こういう点等を睨み合せますると、一層国際機関としての広汎な分野におきまするこのユネスコの加盟というのが、講和前におきましてもなお最も熱望される点である。而も国会は速かなる加盟を決議されておりまするような関係で、政府におきましても成るべく早い加盟を実は先ほど申上げましたような手続によつて進めておつたのが今回実現いたしたような次第であります。 国内態勢の問題でございますが、先ほど来縷々各委員からの御質問、御意見等にもありましたが、国内委員会、国内協力態勢の問題は、これは私も先ほど申上げた通り、最も重要な問題でございまするけれども、その目的といたしておりまするのは結局教育、科学、文化の事業に携つている国内の主要団体をユネスコの事業に参加させるために、ユネスコと国内の主要団体との間におきまして両者の連繋を図る、これが国内委員会或いは国内協力機関というものの使命だと考えております。従つてそれは一つには対外的であり、国際的なものであり、又国内委員会という名称ではありますがユネスコ機関との中間機関であつて、これらのいわゆる相互における右と左とを十分相連繋し合う一つの大きな使命を持つておる機関である、こういうふうに考えております。従つてこの任務は総会における代表団なり、政府に対する助言機関である、総会に代表団を送ります機関であり、又政府の正式な機関に対する助言の機関である、又ユネスコに関係のありますすべての事業についての只今申上げました連絡機関としての委員会、これがこの国内委員会の目標であり、使命であり、目的であると、こう考えております。従つてこういう意味における国内態勢、こういう委員会の組織をどうするかというのが具体的な問題になつて来る。この具体的な問題は先ほど申上げましたような、今後十分各関係機関と民主的な意見を反映する意味においての国内機関を作つて行くことが最も妥当であり必要ではないか、かように考える次第でございます。 それから朝鮮問題についてのユネスコの活動につきましては、一つ説明員から説明いたします。
○説明員(吉田健一郎君) 私も今その資料を手許に持つておりませんので細部に亘つては記憶違いがあるかとも存じますが、あの資料は第一に申上げたいことは、朝鮮事変が起りましてから、ユネスコの執行委員会が九月に開かれますところを一カ月繰上げまして昨年の八月パリ—で開かれた際の、執行委員会の決議をユネスコ本部が新聞発表をしたその集録なんでございまして、外務省の立場というようなものは一切あの中には入つておりません。記録的な文献でございます。これは記憶違いはないと思うのでございますが、その中でどういうことを言つておるかと申しますと、第一に安全保障、国連の安全保障理事会が朝鮮において行動をとりましたことをユネスコといたしましても支持するということが第一点でございまして、第二点はユネスコがその持つておりまする固有の使命、つまり教育、科学、文化の分野を通じまして、韓国に対してできるだけの援助を伸ばそうと申しまして、十万ドルの金を集めましてこれで朝鮮にユネスコ固有の使命を通じて援助の手を差し伸べようとした、この二点に決議の中心があつたように記憶しております。
○岩間正男君 先ほど来のここでの質問に対しまして文相並びに外務当局者からの返答によりますと、このユネスコの性格としては、超国家性それから超民族性、そういうような国境を越えた而も成るだけそういう政治性のないもの、こういうような点に世界平和を推進する、こういう性格が強調されておつたようであります。ところが今聞きますというと、この朝鮮事変というような問題、これに対しましては、これはやはり世界の世論が必ずしも国連の安保理事会で決定した線ではない、こういう点についてユネスコがその下請機関のような形になりましてこれを一方的に支持する、こういうことになりますと、非常に政治的な性格を持つて来るのじやないかとも考えるのでありまするが、先ほどからの説明で、こういう点の性格につきまして当然そこに食い違いがあると思うのでありまするが、この点についてはどういうふうに解決されますか承わりたい。
○政府委員(草葉隆圓君) 別にこれは私ども、まだ日本は加盟しておりませんから、勿論そのときのそれぞれの決議、その他の様子は十分承知することができませんけれども、且つ又朝鮮に対するユネスコの活動は、只今文化課長から申上げましたように報告を更にプリントしたという意味でございますから、その実際の内容は十分に承知し得ないのでございますが、仮にこのユネスコが朝鮮の悲惨な状態に対して教育、文化、或いはその他の面から、これをユネスコの機関としていろいろ援助をするということは、そう大して矛盾ではないのではないかと考えるのでございます。
○岩間正男君 私は何といいますか超国家的、超民族的とかという性格、成るべくそういう政治性のない性格というお話があつたのですが、そういう点に対してやはりこういうような安保理事会の決議を支持するというような形で行動を起すということになると、これはどうしても政治的な性格が加わつて来るのじやないかと思う。それから又先ほどの外務当局の説明によりますと、今まで外務省としては国内におきましても国際情勢下にあつてのユネスコの役割について種々パンフレットのようなものを出した、而もそれは客観的な事実を述べるという生の事態ではなくして、むしろそれに対する解説的な見解を外務省で紹介をして、外務省が見解を併せてこれを出しておる、而もそれが相当行渡つておるのが実情だと思います。そうしますと、ユネスコに入る一つのそういう国内的態勢をとるために、そういうことをされておることは一応わかるのですが、今言いましたユネスコの、先ほどからしばしば繰返されました本来の性格というような、何と申しますかそういう超政治的な立場というものにつきまして、一つの見解が加わつて来ておる、こういうふうに考えられると思うのであります。外務省の動きそのものがユネスコ運動、こういうようなものを通じまして、やはり今度のこの朝鮮事変に対しまして一方的な立場が非常に展開されておるのじやないか、こういうふうに考えられるのでありますが、このあたりの食い違いをもう少し具体的に御説明願いたい。
○政府委員(草葉隆圓君) 外国の、或いはユネスコ機関の紹介というような点につきましては、只今御心配になつたような考え方ではなく、これをよくわかるように咀嚼しながら国内に行くように実は紹介しておるという立場をとつて、先ほど御説明をいたした次第であります。従いまして朝鮮問題を中心にして一方的に外務省がユネスコの紹介を兼ねて、或る特定な思想を流布するのじやないかというような御心配はございませんから、どうぞ御安心願いたいと思います。
○岩間正男君 これはやはり国内のいろいろな運動についてこの説明の仕方、それが真の平和というものを確立するために、本当にもつと広汎な努力をしておる立場からなされておるのであるか、或いは現在置かれている日本の国際的な立場で、どうにもならない一方付けられたそういうような立場からなされておるのであるか、これは言わなくても明らかじやないか、こういうふうに思うのであります。我々としては、先ほどの文相の説明の中でも少し不思議に思うのでありますが、世界の平和運動、この平和運動の中にいろいろ違つたものがある、平和の名前でそうでないことを行なつておるものもある、こういうことを言われるのでありますが、これはどういう一体事態を指して言われるのであるか。今澎湃として起つておりますところの世界の平和擁護運動のごときも、これは殆んど大きな世界の半分くらいの勢力を占めておると思うのでありますが、(笑声)いや笑いごとではない、そういう事態に対しまして、これはそういう立場を考慮に入れて考えて来るときに、本当に平和を推進するという立場から、これを性格付けて何か一つの意図があつてやつておるのだというふうな受取り方ですね、そういう受取り方、そういうものが一つの偏向を起すのじやないかというように考えられる節が非常に多いのでありますけれども、こういう点については一体文相はどういう具体的事実を指して言われるのですか、この点承わりたい。
○国務大臣(天野貞祐君) 私は平和と言つても、平和を来す方法というようなものについては、いろいろな考え方があるのじやないかと思うのです。だからして非常に遠いところの平和を来すためには、現在革命を起したり何かするという方法も一つの考え方かと思うのです。けれども私どもはそういうような、国民を二つに分けてしまつて資本家とそれからしてプロレタリアと分けて、そうして片つ方の独裁というようなことを目指す若し運動があるならば、私どもはやはりユネスユの言う平和運動と違うと思う、そういう運動は。だからユネスコの精神に副うような平和運動というものを自分たちは支持して行きたいと考えております。
○岩間正男君 いや私は、具体的に平和の名でそうでないものが行われておるということが文相のお言葉にありましたから、そういう具体的なことについて伺つておるわけなんですが、そういう形で本当にこれは一つの平和を達成することができるかどうかという問題なんです。むしろそういう考え方が非常に危険なのじやないかと思います。平和を望むという考え方というのは、これは非常に現状においては澎湃として世界の中で起つておると思うのです。こういう事態をもつと率直に取上げる必要があるのじやないか。その中からユネスコの性格なんというものもやはり一方付ける、そういうことでなくてもつと広汎にやはりこの問題を推進することが必要じやないかと思うのでありますが、今の文相のお説明のようなことになりますとユネスコの平和に対する考えも非常に一つの偏向性を持つ、こういうことになるのじやないでしようか。最近そういうふうに考えておるのでありますが、その点如何です。
○国務大臣(天野貞祐君) 私はユネスコの運動というものは先ほどから申すように、教育とか科学とか文化とかいうものを通じてやろうという平和運動であつて、特に一つの革命を起してそうしてプロレタリアの独裁政治をやつてそうして平和を興そうというのとはこのユネスコの趣旨が違うと思うのです。私は学問とか芸術とかいうようなものの超国家性といいますか、世界性ですか。そういうものを頼りにしてそうしてどういう国の人とでも親しんで行こう、同時に又自分らの心構えとしても平和を念願して本当にやさしい気持になつて、私どもはただ平和でさえあればいいのだからと言つて、どんな隷属国になつてもどんなに圧迫されてしまつても、自由も何もなくなつてしまつてもただ平和でさえあればいい、そういう考え方ではないのです。自由と独立とを持つた人間として尊重されるようなそういう平和を自分らは念願しておるのです。だからそういう問題と違つたものが平和という形で呼ばれるなら私どもはそれにどうも同意できないということであります。私は……。
○岩間正男君 非常にまあ抽象的な御答弁を頂いたのでありますが、平和でさえあれば隷属してもそれから奴隷になつてもいい、こういうことは誰も考えていないと思います。むしろそういう形をこれはつき詰めて考えれば日本の具体的なまあ現状について我々は討議をしなくちやならないのでありますが、併しここの課題でありませんから省きます。併し非常に日本の置かれておる現状から考えますときに、これに対してどういうふうにしてこの何といいますか、我々は民族の危機というようなものを非常に感じておるのでありますが、こういう中で独立とそれから平和を勝ちとるか、こういう問題はこのユネスコに参加することによつて文相はこれは全面的に解決されると、こういうふうに考えておられるわけですか、この点はどうなんですか。
○国務大臣(天野貞祐君) 先ほど申しましたように、ユネスコに加入すれば直ちにすべての問題が解消するというのならばそれは実に有難い話なんですが、そういうことはこの歴史にあり得ないのです。で我々はそうじやない、この少しでも平和が広まるような途ならそれに努力しようという考えなんです。これに加入すればすぐできるというようなことは言つたこともないし、そういうことはできないと私は思うのです。
○岩間正男君 教育、科学、文化を通じて平和を確立する、こういうのでありますが、私は文相に特に要望したいのは、やはり日本の文部行政とこの問題を連関させなくちやならない。受入態勢と申しましたのは何も機構のことだけを申したのじやありません。むしろもつと国民の基盤の問題です。国民の現在の教育の水準、それから普及の程度、それからいろいろこれが大衆化されておる組織の問題ですね、科学においてもそうであります。文化においてもそうでありますが、そういう基盤を本当に培うという面に深く根を下してこういう問題が取上げられて来ないと、単に今言つたような国際的な要請とかそういうような、或る意味では政治的なそういう要求さえ考えられるような要求の中から急速にこのユネスコ加入というようなことが決定されても、基本的には日本の国民の教育、文化、科学の水準を本当に高めてこれによつて国際平和に寄与するという態勢はむずかしいのであります。こういうふうに考えられるのであります。この点これは文相としてはどういうふうにとういう一つの態勢をとるとしても、今後そういう基盤をどういうふうに培つて行くと考えておられますか、その辺を一つだけ伺つておきます。
○国務大臣(天野貞祐君) それは岩間さんの言われる通り非常にむずかしいことであります。私どもはこういう組織ができればすぐ平和が来るとか、日本の教育がすぐ促進されるとか考えておるのではございませんが、併し一方においては日本の教育を十分充実して、そうしてこういう基盤を養うと同時に併し又国際的な理解を深めてそうして平和に貢献しようというわけでございます。それは実に遥かなる望みだと言つてもいいのです。決して卑近に手近にこれができるなどと考えておるわけではございませんが、併し少しでも我々は人類の平和に貢献したいという考えから是非ともこれに加盟したいという考えでございます。
○委員長(櫻内辰郎君) 木村君、文部大臣はもう時間が参つておりますからどうか一つ簡単に……。
○木村守江君 時間が過ぎましたので極めて簡単にお尋ねいたしますので答弁も成るべく簡単にお願いいたします。(笑声) 先ほど来文部大臣並びに外務当局のお話を承わつておりますと、文部大臣はユネスコ加入については所管争いはしないという文部大臣らしい御答弁でありました。又外務当局はユネスコ加入後においては委員会のようなものを設けて、そうしてこの運営の完璧を期したいというようなお話でございましたが、まあいずれにいたしましてもユネスコ加入後は一体所管がどちらに属することになるのですか、率直に御答弁をお願いいたします。
○政府委員(草葉隆圓君) これは先ほどお話申上げましたように、実は従来の或いは文部省のユネスコ課、外務省の文化課というのは、従来の使命におけるもつと強力な機関の内容を整備したものになつて来るだろうと存じますが、国内委員会、国内態勢を今度は具体的にどこに持つて来るかという問題は、国によりましていろいろな行き方が違つております。或いは文部省系統に置いておりますところもありますし外務系統に置いておるところもあります。従いまして、これが具体的問題は現在、只今お話にありました別に所管争いとかそういうものではなく、日本のユネスコに対する協力態勢はどういう具体的な組織と内容と方法とをとつて来ることが最も日本のために適当であるかというので、関係省及び機関が集つてそうして御相談申上げる方が最も適当ではないか、こういう態度で以て進んでおるのでありますから外務省の態度は一つそれで御了承願います。
○国務大臣(天野貞祐君) 私も今外務次官のお答え申上げましたのと同じでございます。(笑声)
○木村守江君 どうも非常に名答弁でございますが、(笑声)そうすると何ですか、委員会というのは総理大臣直属の機関にでもする考えでございますか。
○政府委員(草葉隆圓君) そういうふうな態勢をとつておるところもないでもございませんが、或いは文部省、外務省の系統に列しておるところもあります。併しそんなら今どつちの方向を辿つて来るかというのは、只今申上げましたようによく御相談申上げて日本で最も適当と思う方法で持つて来る方がいいと思いましてまだ決定はいたしておりませんから、どうぞ今後皆さん方の一つ御意見等も機会によりましてはお聞かせを願うと結構だと存じます。
○木村守江君 どうも腹の中では何かきまつたものを持つておりながら口では言われないというような恰好のように思われますが、どうも外交の問題につきましてはいろいろと本職の方がいらつしやる前で申上げるのは失礼でありますが、外交の本質的な究極的な使命というのは平和をもたらすことだろうと思いますが、そういう考え方から若し平和外交というような言葉があつたならば私はこれが外交のすべてであると考えるのであります。ところが外交のことを考えてみますと、どう考えてもアメリカとソヴイエトが今やつておる外交が、これはどう考えても戦争外交だと言つてもいいと思うのでありまして、勿論戦争をやるためか、やらないためかわかりませんが、戦争を中心としてやつておる外交でありまして、戦争外交だと、これと対蹠的な幾分跛行的な歩み方をしておる日本のとつておるところの外交が、或いは文化外交というような恰好に行かなければならないのじやないかというようなことは了承できるのですが、その文化外交の一つの方法としてユネスコという問題が取上げられたんだろうと思うのであります。決してユネスコのみが文化外交のすべてではないと考えるのでありまして、そういうような外交のもつ一部分的な問題を、而もこのユネスコのでき上つた趣旨を考えてみましても、まあ連合国の文部大臣を中心として世界の平和を図るというような目的からできたというようなことから考えましても、やはり所管するものがいわゆる文部省であつて、対外関係においては外務省がこれに協力して而して国内的にはやはり文部省を通じて国内的に強力に推進して行くというのが妥当ではないかと考えますが、外務当局並びに文部当局の御答弁をお願いします。
○政府委員(草葉隆圓君) これは先ほど来縷々申上げた通りでございまして、只今木村委員の御意見は御意見として了承いたして置きます。
○委員長(櫻内辰郎君) 文部委員の方々の御質疑はもうございませんか。
○高良とみ君 質疑ではございませんが、先ほどのお話では、これからできる国内態勢などを文部省につけるか、外務省につけるかというような、まさに一種の諮問機関…委員会みたいなふうな空気があつたのでありますが、ユネスコはそうでなく、ナン・ガヴアンメント・オルガニゼイシヨンということが非常に力強くされておりまして、そうでなくてもセミガヴアンメンタルみたいなところでありますから、政府機関にしないように、極めて民主的な経営による民間文化、教育、科学の機関たらしめるようにされることを条件として加盟を、私はまあこれは意見になりますけれども希望する次第であります。その点について若しも外務省なり文部省なりが、勿論誤解はないと思いまするけれども、まるで違うところに、日本的だと思つて持つて行かれたならば大変なことになるということを一言意見として申上げて置きます。
○政府委員(草葉隆圓君) 御意見よく了承いたしました。
○委員長(櫻内辰郎君) お諮りをいたします。連合委員会はこの程度で打切るということで御異議はございませんか。
○曾祢益君 折角文部委員諸君がおられるのですから、今まで黙つていましたけれども一つ質問かたがた外務委員の一人として意見を申上げたいと思います。よろしうございますか。
○委員長(櫻内辰郎君) どうぞ。
○曾祢益君 只今ずつと伺つておりますと、このユネスコに関する加入後の主管官庁或は国内の行政機構、体制のことが大分問題にされておるように思います。これは誠にそれだけの重要性があると存ずるのでありますし、殊に只いま高良委員がおつしやつたように元来この国内協力団体の方は、はつきりと政府的な機関ではないと私は存じますので、あまりこの活動を阻害するような官庁同士の所管争いなんかということは、絶対この際やめて頂きたいと私はまあ考えるのであります。さてそこで、私は外務委員だから外務省の肩を持ち、文部委員のかたは文部省の肩をお持ちになるようなことでは勿論ないと思うのですが、併しこの問題を考えましたときに、勿論国内の体制整備について両省が緊密に連絡しなければならないと、誠にそれは然りなんであります。それから又対外活動については、やはり外交の総合調整性というものを十分に考えなければならない、外交というものは「たがね」みたいなものでありまして、経済外交だから通産省、文化外交だから文部省というふうに入つて行つてしまうと、中味は完全になくなる、もとより国の政治活動というのが中心ではございましよう、外交の本体というものは実は漠然として捉え得べからざるところがある。従つて少くとも対外機関或は対外活動の総合調整というような点についての、私はあえて外務省とは申しませんが、その外交の一元ということはやはり考えておかなければならない。その点と、国内における日本のガヴアンメンタルのボデイであるところの協力機関を、どこがお世話するかという意味の主管という問題とは、多少私は度合を変えて、何でもかんでも文化だから文化所管省に大体主なる役目を与えるということは、私としては相当この点は考えて行かなければならん、かような考えの下に外務次官のお考えを伺います。
○政府委員(草葉隆圓君) これは私先にも答弁申上げましたように、国内委員会の主たる使命からいろいろと今後のことを一つ御考慮願いたいと存じております。ユネスコの国内委員会は、国内委員会とは申しておりますが、国内におきまする或いは教育、科学、文化、その他の公的又は私的、又国民大衆を相手にいたしましたいろいろなユネスコ本来の活動の促進をいたしますと同時に、国内委員会の持つておりまする使命は、ユネスコ総会における代表団を出し、又その政府に対する助言機関であるということと、それからユネスコに関係があるすべての事項についての連絡機関であるというところに、このユネスコ機関としての国内委員会の一つの狙いがあると思います。従いまして、只今木村委員からもお話のありました外交の本質の文化外交というような点も十分加味し、今後の日本の一丸となつた体制というものを十分考えて行きます上においては只今の曾禰委員の意見と同感でございます。
○矢嶋三義君 私は文部委員でございますが、意見を申上げる機会がございませんので希望だけ申上げて置きます。と申しますのは、ユネスコに加盟して教育、科学、文化を通じて平和を求むべく努力すると、そういう意味において参加は結構でありますが、私は飽くまでも一つの方便としてユネスコに加盟するという態度は絶対にとらないのであります。と申しますのは、私先ほど文部大臣に対しましてもユネスコ加盟後の日本における教育、科学、文化を担当している文部大臣としての構想如何ということをお伺いしたのですが、特別の考えはないと言われた。併しながら終戦直後新憲法を頂いたと同時に、教育、科学、文化を通じての平和を熱望したその気持と、その当時の日本の文教行政と現在における我が国の行政というものは、相当私は同じ平和を求めるという気持の上においてもずれが来ておると思う。私はユネスコに加盟すること大いに賛成でございますけれども、一つの方便としてこれに加盟するというような意味においては絶対に参加しない。そういう点を国会で議決するならばお互いに肝に銘じて私は承認を与うべきである。こういう私は熱烈なる希望を持つておりますので、申す機会がありませんでしたので一言申上げます。
○委員長(櫻内辰郎君) ほかに御発言はございませんか。ほかに御発言もないようでありますから、連合委員会はこの程度で打切るということに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(櫻内辰郎君) 御異議ないと認めます。さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時二十分散会 出席者は左の通り。 外務委員 委員長 櫻内 辰郎君 理事 徳川 頼貞君 曾祢 益君 委員 杉原 荒太君 團 伊能君 加藤シヅエ君 金子 洋文君 伊達源一郎君 文部委員 委員長 堀越 儀郎君 理事 木内キヤウ君 委員 木村 守江君 工藤 鐵男君 平岡 市三君 梅原 眞隆君 高良 とみ君 山本 勇造君 大隈 信幸君 矢嶋 三義君 岩間 正男君 国務大臣 文 部 大 臣 天野 貞祐君 政府委員 外務政務次官 草葉 隆圓君 外務省条約局長 西村 熊雄君 事務局側 常任委員会専門 員 坂西 志保君 常任委員会専門 員 久保田貫一郎君 常任委員会専門 員 石丸 敬次君 常任委員会専門 員 竹内 敏夫君 説明員 外務省政務局情 報部文化課長 吉田健一郎君 文部大臣官房渉 外ユネスコ課長 西村 巖君