郵政委員会 第10号
- 発言数
- 18 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1951/08/15
会議録
○飯塚委員長代理 これより郵政委員会を開会いたします。 委員長は都合がございますので、しばらくの間私が委員長の職務を行います。 本日の議題は郵政事業の運営に関する件及び派遣委員より報告聴取の件の両件であります。 まず郵政大臣より大臣就任のあいさつ及び郵政事業の運営に関する件について特にその発言を求められております。これを許します。佐藤郵政大臣。
○佐藤国務大臣 私このたび郵政大臣を拝命いたしたのでありますが、本日郵政委員会が開かれ、委員各位の御参集になりましたこの機会に、一言ごあいさつを申し述べまするとともに、郵政省当面の問題につきまして一、二御報告申し上げたいと存じます。 郵政省は組織が厖大で、従事員も二十六万という大世帯でありまして、しかも現業官庁という特殊性からいたしまして、いろいろと複雑困難な面が多く、この巨大な事業組織をスムースに能率的に運営いたし、利用者に対しまして満足の行くサービスを提供し、事業に課せられました使命をよく果しますことは、なかなか容易なことではないと痛感いたしております。しかしながら、この困難な仕事をお引受けいたしました私といたしましては、事業の復興、発展のため、及ばずながら懸命の努力をいたす所存でございますから、どうか委員各位におかれましては御教示、御鞭撻を賜わりたく切にお願い申し上げる次第であります。郵政省の当面いたしておりまする重要問題といたしましては補正予算、これに伴います郵便料金引上げの問題でございますが、補正予算の規模がどれほどになりますかは、基本的な問題が固まつておりませんので、はつきりした数字はもちろん出て来ないのであります。 基本的な問題と申しますのは、どれだけのベースアツプをするか、その時期をいつからにするか、あるいはまた物価騰貴に上る物件費の値上りをどれほど見込むかという点でありまして、これが今のところはつきりきまつていないのであります。従いましてこれから申し上げまするのも、政府としてきまつたというものではなく、ただ郵政省におきまして一応かように考えているということでありますから、御了承おき願いたいと存じます。 かりに千円のベースアツプで十月から実施ということになりますと、人件費の増加は約二十億円ということになります。これに物価騰貴による物件費の増加二十二億円、これは、成立予算の単価に対しまして、平均二五%程度の値上りを見込んだのであります。それから陸上運賃の値上りによる集配逓送料の増加二十二億円、昇給原資の不足分その他雑件といたしまして二十六億円、これを全部合計いたしまして九十億円の予算増加と相なりましてこれだけの新規財源が必要となるのであります。 この九十億円余のうち、郵便事業の負担となるべき経費は五十億円程度となるのでありますが、この財源をどこに求めるかということであります。もちろんまつ先に事業経営の合理化をさらに一段と徹底いたし、経費の節減に努めることは申すまでもないのでありますが、何分にも人件費が経費総額の六四%程度を占めております関係上、節減と申しましてもその幅はきわめて限定されて参りますので、財源の大部分は一般会計からの繰入れなり、料金引上げにまたなければならない次第であります。ところが一般会計からの赤字補填につきましては、御承知の通りすでに本年度成立予算におきました、三十五億八千三百万円の繰入れを受けることになつているのでありまして、これ以上さらに一般会計の負担を増すことは、特別会計の独立採算の建前からいたしましても、また一般会計における減税財源等の必要という面からも、きわめて困難な情勢であると考えられますので、まことに不本意ではございますが、かような情勢上どうしても相当程度の郵便料金引上げはやむを得ないものと考えております。引上率につきましては目下事務当局におきまして大蔵省とも打合せ、検討中でありますが、大体の見当といたしましては、明年度以降一般会計からの大幅な繰入れが望めないといたしますと、最低封書十円、はがき五円まで引上げる必要があろうかと考えております。しかしながらこのところ米価、電気料金を初め、鉄道運賃等も値上げが予想されており、これらが重なつて参りますので、郵便料金引上げに対する世論の動向もかなりきびしいものがあろうかと存じます。利用者、国民の納得の行く引上げをいたすことが肝要と考えますので、でき得る限り低い値上げで済むよう、とくとくふう、検討いたしますることはもちろんでありますが、他面事業能率の改善、サービスの向上充実に努めまして、利用者の納得、理解が得られすまよう努力する所存であります。 ただいま申し上げました引上率は、冒頭にお断り申し上げました通り、まだまだ決定したというものではなく、一応考えている程度でありますから、お含みおき願いたいと存じます。 次に郵便貯金でありますが、待望の講和成立を目前に控えまして、自立経済達成のため資本蓄積の緊要性が痛感されておりますが、この際安定性に富んだ郵便貯金の増強をはかりますことは、まことに時宜に適したものと考えますので、市中銀行の金利引上げの動向をもにらみ合せまして、ある程度の利率引上げと、預入れ最高限度の引上けを実施いたしたいと存じ、目下事務当局におきまして大蔵省と寄り寄り協議、検討中であります。 ただここで問題となりますのは、利子引上げに伴う資金コストの増嵩でございます。本年度成立予算におきまする資金コストは六分三厘三毛で、これでも資金運用部に対する予託金の運用利回り年五分五厘に対しまして八厘三毛の逆鞘で、十五億円の歳入不足となつているのでありますが、利子の引上げを行いますと、預金額が飛躍的に増大しない限り、赤字はふえることとなり、さらにべースアツプ、物件費等の増加を見込みますと、郵便貯金特別会計におきましても本年度さらに十四、五億円程度の歳入不足を生ずることとなり、この処理が問題となつて参るのでございます。これを資金運用部預託金に対する利率の引上げによつてカバーするか、あるいはまた一般会計から繰入れを受けるか、目下大蔵当局とも折衝いたしせつかく検討中であります。 次に簡易保険、郵便年金積立金の運用問題でありますが、すでに御承知の通り去る三月末の資金運用部資金法の成立によりまして、両積立金は資金運用部において一括運用されることに一応の結末をみたのでありますが、この措置はあくまで臨時的な措置でありまして、本来あるべき姿といたしましては、事業を所管する郵政省で直接運用することが、事業の性質、資金の性格からいたしまして当然なりと信ずる次第でありますので、情勢の変化、推移に応じまして、なるべく早い機会に郵政省に運用権を回復いたすよう、極力努力する覚悟でございますから、どうか御支援、御協力をお願い申し上げます。 最後に、日曜及び休日におきまする郵便配達業務でございますが、これにつきましては、さきに本委員会におかれまして御決議もあり、また一般にも日曜、休日の配達を希望する声が多く聞かれましたので、一月以来全国二百二十局で試行いたしておりました日躍、休日の配達廃止も、六月十日の日曜日から旧状に復しまして配達をすることにいたしましたので御報告申し上げます。 以上をもちまして私のごあいさつと、業務につきましての報告を終りたいと存じます。なおその他の点につきましては御質問によりましてお答え申し上げたいと存じます。
○飯塚委員長代理 次に、本委員会は閉会中、郵政事業及び郵政監察制度に関する件の審査を行つて参つたのでありますが、その審査の方法といたしまして、広く各地に委員を派遣いたし、実地にその調査をして参つたので、ただいまよりそれらの各班よりその御報告を聴取いたしたいと存じます。 それでは第一班より逐次御報告をお願いいたします。第一班吉田安君。
○吉田(安)委員 それでは第一班の関係の大体の御報告を私から申し上げます。 今回の国政調査におきまして、私どもの班は九州のうち、長崎、佐賀を除く各県の県庁所在地における郵政機関を主として視察いたしたのであります。調査の詳細な結果につきましては、別途提出の報告書によつて御承知を願いたいと存ずるのであります。ここではごくかいつまんで所見の一端を申し述べまして、御報告にかえたいと存じます。なお二言お断り申し上げておきたいことは、私どもの班は九州管内のみをまわつて参りました関係上、数管内を比較して結論を得るというような便宜が全然なかつたことであります。従つて将来他の機会におきまして、あらゆる角度から再検討を加え、さらに一層調査の完璧を期する要あるものと思量しておる次第であります。 まず第一に、地方監察局、郵政局分離後の運行状況いかんということでありますが、一言にして申せば、地方監察局を新たに設けましたる所期の目的は、おおむね達成されたように看取されたのであります。しかし監察官の仕事が多忙過ぎること、あるいは監察官の処置につき考究の余地が多いこと、またあらゆる部門に精通した監察官をそろえることなど、現段階では事実上困難であること等、こまかい点ではなおいろいろ問題が残つておることと存ずるのであります。しかし事業犯罪等の処理並びに事業運営に対する監視的、是正的使命につきましては、成果見るべきものがあることは、郵政局側も率直にこれを認めておるところであります。しかしながら同時に両局が分離対立いたしました結果は、郵政局側にいろいろやりにくい点のできたこと、ひいては事業の健全円満な運営について、種々考えねばならぬ問題が新たに生じたことも争われない事実であります。しからば両局の分離ははたしてよいことであつたかどうかと申しますに、郵政局側にやりにくい点があるからといつて、両局の分離を不当と断じ、または従前よりよい点が生じたゆえをもつて、ただちに無條件で新制度の成功を信ずることは、ともに即断でありまして、よろしく利害得失の諾観点に立つて、事業の究極的な目的から、厳密に周到かつ公正な批判を加えるべきであると思うのであります。しかも新制度は、実施後わずかに御承知の通り二箇年余りで、いわば試験時代であり、結論を急ぐべき時期ではないと考えるのであります。ましてや今回の短時日の調査で結論づけますことは、不可能事と言わねばなりません。 ただ視察の印象から感じましたことを一、二申し述べますと、第一に郵政監察の問題には、地方両局の権限の境界線を一体どこに引くべきかということ、なかんずく実地調査の所管並びに範囲、地方監察官事務所の存否の問題、郵政監察局を現在の規模と機構のまま存置することの可否など、幾多の問題がありまして、これらが往々にして相互混同して論じられるおそれがあることを、特に注意すべきであると思うのであります。 第二に、上述の諸問題中、実地調査の問題は、従来両局間に最も争われて来た問題で、現在は一段落の形になつておりますが、元来理論と便宜と現実との錯綜した難問題でありまして、問題はまさに内訂しつつあるやに看取されたのであります。すなわち現行制度は、処理の公平を確保し得るほか、経済的であるという利点を有する反面、事務処理にあたり、郵政局側に隔靴掻痒の感じが強く、士気に及ぼす有形無形の影響が甚大であるばかりでなく、長い年月の後には、事業の計画実施の担当者である郵政局側が、現地の事情にことごとく不案内となる結果を招来すべく、軽々に看過できない問題であると信ずるのであります。けだし監察局は、その機構がどんな形をとるにいたしましても、事業の内部にあつて事業局と対立すべき存在ではなくして、どこまでも事業の側面にあつて、事業局に対する批判的、是正的使命をもつて、その本質とすべきであると思うのであります。実地調査は、現行設置法上はその権限内に置かれておりますが、それは主として事業経営の合理化に基く便宜的措置でありまして、その本質を規定するものではなく、事業局が事業実施の主流であることを否定するものではないのであります。監察局が事業局側の取扱いを常に危険視し、みずから行うのでなければ公平が保持できないように考えがちであり、この考えのもとに事業の実施面に介入して行くことは、嚴に戒しめねばならないところであります。また第三者的立場は公平を保ちやすいに違いありませんが、その公平は往々にして表面的であり、形式的に終るおそれが多分にあるものであります。従つて一見公平を欠くように見える場合でも、さらに広い視野から見るときは、かえつてより高度な正しさを発揮している場合もあり得るのでありまして、監察偏重の弊も決して絶無ではないのであります。そもそも事業の計画実施の衝にあるものが、現場把握の機会を永久に拒否せられ、その行うところは常に不正と不公平を伴うものであるという建前から、実情不認識のまま、第三者のなす実地調査の結果のみに依存しなければならぬ不條理は、まことに了解に苦しむと七ろであります。監察部門の批判的、是正的使命は高く評価せらるべきでありますが、それには一定の限界があり、事業の健全円滑な発展が、漸次意識、無意識のうちに阻害せられつつある現状に、深く留意すべきであります。よろしく政府においては、現行制度下にあつて、合理的運営の実をあげるか、あるいはさらに、進んで、制度自体に対しても根本的検討を加えるべきであると思うのであります。 第三に、新制度は実施の当初にあたり、従来の逓信局を同一の管轄区域を有する郵政局と郵政監察局とに二分し、外形上対立する二官庁として同一庁舎内に併置したことは、ために必要以上に実質的対立の空気を醸成した時代もありまして、やや拙策であつた感がいたすのであります。監察制度の強化確立と現行地方監察局機構との間には、何ら理論的な連繋を発見できないのでありまして、本制度の合理化について、これまた政府の深甚な御考慮を要望してやみません。 次に郵政、電気通信両省の分離は、郵政事業及び公衆に対してどんな影響を及ぼしたかという問題でありますが、まず、郵政事業に及ぼした影響から申し上げます。従来ある程度自由に利用を許されていた電信電話が、両省分離後多大の制約を受けまして、一面不経済な使用が合理化された面もありましようが、他面真に必要な利用においても、経費等の理由から大いに利用を制限せられ、あるいは通話順位等の恩典もなくなり、また必要な電話架設も許可されなかつたり、あるいは意外に手間取つて多大な不便をこうむつている実情は、将来からたびたび耳にするところでありますが、地方において特に感じているのは、主として委託業務に関してであります。すなわちその業務運営上の指導監督権は電通省に握られており、機械設備の建設保守についても、当該局長はまつたく権限外の立場にあるので、委託業務といつても、電通従業員に事務室を貸與しているような形になつていて、はなはだ割り切れないものがあるのであります。郵政省への委託業務は、電通関係ばかりでなく、為替貯金関係には国庫金事務等数多くの実例がありますが、いずれも郵政省みずからその委託業務を指導監督し、他省が直接従業員を指導監督している実例はまつたくないのであります。ひとり電通関係のみ特例を要する理由は了解に苦しむところであります。しかも一面定員の経理、局舎物品の調達配備は郵政省が担当しております関係上、自然二重監督の形となりまして、調査報告も二重になり、俸給給料の事業会計事務のため、特定局の庶務会計事務はかなり複雑化している実情であります。 次に公衆に対する影響でありますが、電信事業の合理化に伴いまして、電報通数の僅少な局にありましては、電報配達に定員の配置がなく、もつぱら臨時者を使役しておる関係上、サービスの低下は免れないところであります。また電話設備に対しましては、当該局長に保守の権限がないため、故障等の場合に急速な処理が困難でありまして、これまた従前以上にサービスの低下を来しているのであります。 以上のほかいろいろの点におきまして問題があるようでありますが、特に痛感いたしますことは、委託業務についてであります。委託業務に対する指導監督権をめぐつて、郵政側にいろいろやりにくい点のあることはすでに申し述べた通りでありますが、経営面におきましても考慮を要する問題があるのであります。すなわち従来の経験から申せば、必要経費まで削減せられるおそれが絶無ではないのであります。委託業務の分野において、採算性のないのは初めから明らかなところであります。経営難のゆえをもつて施設そのものを落すのであれば別問題でありましようが、施設はそのままでその必要経費を割つて削減するがごときは、実に乱暴な話と言わねばなりません。もし全国に普及している郵便局舎の利用を得なかつたならば、事業採算の悪化はもちろんのこと、電通事業が事実上成り立たないことは明らかでありまして、郵政はこの面で従来の情誼から電通を大いに応援していると言つてさしつかえないと思うのであります。しかるに他面電通はどうかと申しますに、郵政が従来受けていた恩典はこれをことごとく剥奪しているのであります。剥奪という言葉がぴつたり当てはまるほど、きわめて割り切つているのであります。郵政は電通からそのような待遇を受けながら、局舎を進んで提供し、しかも必要経費の削減で脅かされているというのが、委託業務の実情であります。まことに不合理きわまる関係と申さねばなりません。講和も間近いことであります。従来の行きがかりや情勢をすみやかに清算し、十分合理的な基盤に立つて、委託業務に対する根本方策を新たに協議樹立する要があることを、この際政府に対し強く要望したいと思うのであります。 最後に定員関係でありますが、当管内における欠員数は三百九十一名、健康管理者及び長期欠勤者は八百十六名、計千二百七名であつて、総数の三・八%を示しております。しかるところ、欠員に対しては現在補充を認められず、長期欠勤者の後補充も、各部門を通じ最高三割程度の賃金原資が認められておるにすぎない状態にあります。さらに従業員が訓練所に入所した後の補充原資も、平均五割程度しか認められないので、勢い各人の服務過重は避けがたい実情であります。従つて休暇付與の状況もはなはだ不十分でありまして、普通局における貯金保険の日勤者に対して、わずかに週休及び有給休暇が比較的円滑に付與できるにとどまり、他の部門では年次休暇ば四割二、三分程度、特定局にありましては週休は八割、休日及び年次休暇は各五割程度しか実施されていない実情であります。 さて定員問題に関しぜひとも考えなければならぬことは、現行の定員数が、現在の事務量を処理するにはたして適切妥当のものであるかどうかという点であります。郵政省としては新しい能率調査から見て、おおむね妥当であると考えているようでありまするが、しかるに地方郵政局においても、現業局においても、あらゆる面で定員の不足に悩む声が高いのであります。定員そのものとしては無理のないものであるが、欠員補充がとめられているために、長期欠勤者が多いために、あるいは訓練定員の配置がないために、所定の休暇付與が不可能となつているのであるか、それとも定員配置そのものに、すでに不合理な分子が存在するのであるか、それらはまずもつて明らかにされなければならぬ問題であります。 〔飯塚委員長代理退席、委員長着席〕 地方における不満の声に対しては、必ずや地方側をして真に納得せしめ得る説明が與えられ、認識不足に基く不満の声をいつまでも放置すべきではありません。また地方側も定員自体の根本に触れずに、ただ單に欠勤者や訓練要員の後補充等を、個々別々に要求し続けるだけでは、問題の解決は道なお遠しであります。われわれは今回の調査にあたり、郵政省側も地方側も、問題解決にまだ真に取組む段階に至つていないような感じを受けたのであります。現業局における服務過重は、超勤手当の原資不足と相まつて、事業運行の前途に対して一大暗影を投じている事実を、決して看過できないと思うのであります。この際郵政当局の権威ある説明と、抜本的な措置を強く要望しでやまない次第であります。 〔委員長退席、飯塚委員長代理着席〕 以上のほか、地方よりの要望の声も聞いたのでありますが、それらはすべて報告書に譲ることといたしまして、はなはだ簡単ではありまするが、以上をもつて報告を終る次第であります。
○飯塚委員長代理 次に第二班の御報告でありますが、報告者の降旗委員がまだお見えになつておりません。後刻御出席になつてから御報告を願うことといたしまして、第三班をお願いいたします。石原君。
○石原(登)委員 私どもは名古屋及び松山両郵政局管内を、十日間にわたりまして調査いたして参りました。両局管内とも、局長以下われわれ国会の調査班に対しまして、非常な期待を寄せられまして、また十二分の協力をいただいたわけでございます。従いまして私どもの調査も、十分その目的を達し得たと確信いたしまして、この機会に御礼を申し上げたいと思います。なおこのように郵政従業員諸君が、近時国会に対して非常なる期待を寄せられているという、この傾向に対しましては、中央のそういうような指導もさることながら、地方においてこういうような方向に大いに期待を寄せられていることに対しましては、心から敬意を表して参つたような次第でございます。私どもの今回の調査のおもなる、目標は、第一番目に監察局と郵政局分離後におけるところの運行の状況、第二には郵政、電通両省分離後における郵政事業一般に及ぶところの影響と、第三が今日もうこれは官庁の口ぐせになつておりますところの定員関係、この三つの点について調べて参つたのでありまするが、その詳しいことは報告書でどうか御承知を願いたいと思います。 そこで私は今回の調査にありまして、まず私どもの第三班が、この調査にあつてとりました基本的な態度についてお話申し上げた方が、よくこの問題の了解が得られると考えますので、この点ちよつと申し上げたいと思います。実は今回の調査にあたつて私どもの考えましたことは、今回の敗戰によりまして、日本の行政事務が非常に著しく改変せられた。その中にもちろん非常によくなつた面もありまするが、また中には日本の国民性並びに日本のいろいろな状態から考えて、どうも行き過ぎであつたと思われる節も多々ないとは申せないのでございます。こういうときにおいて講和会議がもう近く開会せられ、今日のように九月の四日ということははつきりしておりませんでしたが、いずれにしても年内に講和会議が開かれる、こういうようなことがはつきりと判定される時期でございましたので、こういうような基本的な考え方に対しまして、講和後においてはつきりと自立独立いたしました日本の行政をどのように持つて行くか、特に私どもが非常な責任を持つて当つておりますところのこの郵政業務をどのように直して行けばいいか、運営すればいいか、こういうことについて実は考えたわけでございます。 翻つて考えてみますと、行政機構組織にいろいろ大きな変革がありました中にも、特に郵政事業にはこの事業始まつて以来まことに革命とでも申すべき大きな変革があつたわけであります。すなわち郵政、電通の二省に、従来の逓信業務が分離されまして、その結果は非常に大きく国民生活に影響をいたしますばかりでなく、また従事いたしておりまするところの従業員諸君についても、相当大きな影響を與えていることは皆さん御承知の通りでありますが、そういうようなことを考え合せまするときに、講和後の自立しました日本が、このままの行政機構において郵政業務を運営して行くべきであるかどうか、あるいはこれを全面的にあるいはある程度直して行くべきであるかどうか、しかもこれが可能であるかどうか、こういうような問題を基本的に考えまして、こういうような見地から実はいろいろ見て参つたようなわけでございます。 しかも私どもが考えてみますると、この電気通信省の事業と郵政省の事業が分離いたしました当時の事情を翻つて考えますると、私はその結果の良否はこれをあとに譲るといたしましても、当時の国民的な輿論は、必ずしもこれを全面的に支持していなかつた。同時にまたその結果の見通しについて、確固たる見通しが十分なかつたのではないかということを私考えたのであります。また私ども当時の委員といたしまして、当時私は党の政務調査会におりまして、この問題をいろいろ研究いたしたのでありましたが、十分われわれとしては危惧すべき多くの点があつたのでありますが、それらの点が不幸にもあつちこつちに出て参りまして、実は私から率直に私の見解を申し上げますと、今日電通従業員あるいは郵政従業員といたしまして、特に中央の幹部諸氏におかれまして、非常に苦慮せられておるところの事業運営のがんが、この両省分離にあつたと断言してもさしつかえないのじやないか、こういうことを私は確信いたすわけであります。そこで私どもは、これは何としてもこの弊を改めるごと、しかもこれはいつどういう時期において改め得るかということに、大きく考えをいたしたわけであります。 実は先般の郵政大臣の就任の抱負といたしまして、今後の逓信業務運営ついて、電気通信事業を公共企業体に持つて行く、こういうような趣旨の談話を新聞で拝見いたしました。実は私はとの意見については、若干反対の立場を持つておるものでありましてこの点については十分大臣にも個人的にお話申し上げたいかように考えておりますが、残念ながら今日までその所信を申し上げる機会を得ていないのであります。 私はなぜこのようなことを申し上げるかというと、まず第一番には、公共企業体に切りかえましたところの鉄道公社の問題でありますが、これもあまりにも機構をいじり過ぎたといいますか、あるいはその根本において責任の所在がはつきりしてない。こういうことが常に叫ばれておつたのでありますが一たまたま今回の桜木町のあの大兇事に際して、その責任の帰趨がまつたく奈辺にあるかということが判然としなかつた。それだから日本人の気質から考えてみましても、大よそこういうような半官半民的な、あるいは親方は日の丸だというような考え方、観念に立つところの企業というものが成り立つかどうかということについて、私は大きな疑問を持つている。事実企業会社におきましては、たとえば紙の一枚、あるいは鉛筆の一本についても、相当の考えを持つておりますし、また私ども個々人の立場になりますと、一枚の紙、一枚の封筒そのものが、非常に貴重でございます。しかしながらこれがみずからの直接の利害にあまり関係がない、しかもその上にその責任の帰趨がつまびらかでない、はつきりしてない、こうようような結論になりますと、これは何としても事業自体に相当弱い面が出て来る。いわゆるいいかげんな処置がとられがちである。こういうことを考えますので、私はこの電通事業の公共企業体化ということについても、相当研究しなければならぬと思う。むしろそういう方向に持つて行くよりも、これも全面的な民間企業に移して、民間人の奔放な、しかも事業自体としての採算のとれるような経営に移した方がかえつてよいのではないか、こういうような考え方をさえ実は私は持つているようなわけでございます。 しかしこれはもつと先の議論でありまして、私の根本的な議論を申し上げますならば、何としても電通事業あるいは郵政事業というものは、元の逓信事業に直さなくてはならないというような、根本的な考えを持つております。と申しますのは、郵政事業は御承知の通り政府ただ一つの国家組織として、あるいは国家機関として、全国に一万数千の貴重なる郵便官署を有しております。この郵便局は、従来は今日の郵政あるいは為替、貯金、保険、この事業のほかに電信、電話、さらにずつとさかのぼりますと管船、燈台あるいは航空、こういうようなものにも直接つながりを持つておりまして、またこれらの機関を通じて直接に国民諸君と大きなつながりを持つておつたのであります。しかるにその後だんだんと逓信省は縮減されまして、とうとう今日ではこれだけ大きな、しかもりつぱな組織体を持ちながら、これが活用されております面はわずかに郵便と保険、貯金、この三つの面でございます。もしこれだけの大きな組織、これだけの大きな投資を得ましたところのいろいろなものが、民間人によつて運営されたならば、もつと効果的に効率的に、いろいろな面に有効に活用、利用されるであろうということを、私は確信いたすのであります。ところが近時の政府のやり方を見ておりますと、このようなりつぱな組織があるにかかわらず、これの活用ということをしない。言いかえれば宝の持ちぐされをやつて言。いろいろな企業体にあつては、せつかく支店をつくつたり、あるいは出張所をつくつたりいたしますと、これをどのように、かつ多く合理的に使うかということを考えるのに、ひとり政府においては、これだけのりつぱな設備を有しながら、りつぱな人たちを持つておりながら、これを高度に活用するということに対する努力が携われていないのではないかと考えております。 そこで私はぜひともこの郵便局を、もつと大きく活用してもらいたいと思う。たとえば今日では税金の徴収のために、いろいろな税務事務所というようなものを全国的につくつている。あるいは電気通信省を分離して、電話局あるいは電信局を新たにつくつている。こういうものをわざわざつくらなくて、郵政省に一元的に扱わせるなり、あるいは何らかの形にこの郵便局を活用するならば、国家はそれだけの投資の必要はないのであります。 また同時に、今日国民経済に直接不可分の関係に立つておられるこの郵政従業員諸君に対して、いろいろな面で国民と直接不可分の関係にある事業を担当させるならば、私は郵政従業員の労働意欲は、画期的に強まるのではないかと考えております。一例をあげて申しますと、国民金融公庫をつくる、あるいは住宅金融公庫をつくる、わざわざそういう機構をつくつて、しかも国家的にいつて何ら縁のないところの地方銀行や、あるいはいろいろな金融機関に、それらの業務を委託している。なぜこういう業務を国家機構であるところの郵政事業に頼まないのか、そうして郵政従業員をもつと活用しないのかということを、私はかねがね考えております。そうしましたならば、郵政従業員の社会的な地位も相当認識されて来るばかりではなしに、またそういう面から従業員のいわゆる社会に奉仕しようというところの訓練の面にも、大きく寄與するであろうということを私は確信しておるのでございます、こういうような見解に立ちますと、今日郵政従業員が非常に多いとか少いとかいつております。これは後ほど詳しく申し述べたいと思いますが、私は現在の人数で現在の仕事をやつて行くのならば、多いと断定いたしたいと思います。しかしながらこの一万数千の国家の組織体をフルに活用して行くならば、今日のこの従業員数ではとうてい足りない。結論的には、これをもつともつと拡充活用すべきであるということを、ぜひとも提言申し上げたいと考えております。 次に、機構を拡大強化しました監察局の問題でございます。実は監察局は、中央においてはさほど目につきませんが、地方に参りますと、監察局長と郵政局長が同等な立場と権限に立つて、いろいろと全事業に臨んでいるというような考え方から見ますと、どうもこれは不合理な感を打消すことができないのであります。それはなぜかと申しますと、こういうような一つの事業を行う上において、今度はその半面には、その事業が正しく運営されておるかどうかということのために、監察、検察業務が煩雑になる。しかもそれが同じような権限のものであつて、同じような機構のものである、こういうようなことになりますと、何かあまりにも力が大き過ぎて、分に勝ち過ぎた監察局を持ち過ぎておるのではないかということは、一般的に考えるわけであります。しかし私どもがこの監察局ができますところの根本の理由として考えましたことは、アメリカにおけるところのこの郵政事業の運営、特にアメリカの郵政長官の地位が、アメリカの大統領に対して持つ確固たる地位、しかもこの郵便局を通じてアメリカの政府が、どのような政治を行つておるかということを考えますとき、私はこの日本の監察業務の将来については、実は大きく期待をいたして参つた一人であります。と申しますのは、日本は民主主義的日本に切りかえますために、従来の内務省を廃止いたしまして、地方市町村は完全なるいわゆる自治制を施行いたしたのであります。これがために中央政府といえども、こういうような市町村に対しまして、従来のような高圧的な立場でいろいろな協力を求めることはできませんし、従いまして地方の実情の調査報告についても、いろいろ不便を感じている。しかしながら何と申しましても地方の実情を把握しないで、地方政治を行うことはとうていできないことでございますから、こういうような面においてこの郵便局、特に郵政監察局が活用されるものなりと私どもは信じております。特に終戦後の日本は、思想的に多くの混乱をいたして参りました。この思想の統一、情報の収集の面についても、特高警察がなくなり、また警察制度についても、全般的に地方に分離した今日においては、この郵政監察の業務を通じて、この思想的な傾向、あるいは情報の収集も行われるものなりと、このように深く期待しておつたわけであります。ところが私どものこういうような期待は今日では裏切られまして、ただ単なる郵政事業のお目付役、郵政事業の監察というような面になつて来ているということについても、はなはだ残念にたえない次第で、私どもは将来この監察業務は、ただ單に郵政事業の警察事務ではなしに、全体の国家に奉仕できるところの大きな組織に持つて行けるような構想をぜひともお考え願いたい、こういうように希望を申し上げたいと存じます。 次に定員の問題に関連して、地方の郵政の人事について若干申し上げたいと思いますが、実は私ども大きな郵便局について、二、三局長さんの事務引継ぎ、あるいは局の人事交換の調査等についてその提示を求めました。ところが残念なことには、私どもの一番大事な問題でありますところのこういうような書類が整備されていない。言いかえれば局長さんのそのときそれの感じによつて、人事が事実運用されている。たとえばどの課長がどうだとか、どの事務員にはどのような特技がある、どのような性格で、どのような勤務状態であるかということがはつきりしておりません。従いましで郵便局長の転任などの場合は、バケツが幾らあるか、ほうきが何本あるかということが、極端に言えばはつきりと引継ぎ業務の中に書いてありますが、大事な人事の問題については何ら引継いでいない。これでは事業自体の中心が人事であり、人であるという基本的な原則をあまりにも軽視しているということに、私どもは非常にびつくりして参りました。こういうことを考えますときに、私は特にお願いして来たのでありますが、多くの従業員は、あるいは局長さん、あるいはその事務所の所属の上司に対しまして、一切の運命を託している、これはすべて人事の円滑なる運用によつて期せられるわけでありまして、それに対して責任者の用意が不備である。不備というよりも、むしろ全然その用意がないとするならば、これは部下に対するところの非常な不信行為である、私はかように思わざるを得ないのであります。今後の運用については十分注意する、こういうようなお話でありましたから、安心はして帰つて参りましたが、この点については特に新大臣には十分御考慮になりまして、今後はこういうような面口大いに励まされるところがあるように期待いたしたいと存じます。 この面に関連して今日までの訓練所の制度、実は従来はこの再訓練ということは行われていなかつたのでありますが、占領後再訓練の制度も強く司令部から要請されて、現に行つております。しかしながら私どもはその効果に難して深く期待ができないのでございます。と申しますのは、再訓練を受けても、それほどその人の栄達とか身分、あるいは収入等に大して影響がありません。それよりもむしろ今いる従業員の中から、各種の試験、考査の方法をとつて、それに合格した者がそれぞれの段階を経て栄進、立身できるような方向に持つて行くならば、わざわざそういう訓練所の制度をつくらなくても、またそのために莫大な費用をかけなくても、必ず自分たちの執務の余暇を利用して、一生懸命に努力研讃してわれわれ国民が期待するところのりつぱな郵政従業員としての訓練が、自発的にできて行くということを確信しております。かように考えますときに今日の訓練所の制度は、電気通信省でとつております通り、初期訓練に重きを置いて、そうしてこれをいろいろな段階にわけて、その段階を経た者がそれぞれの有力な、しかも力のあるポストに就任できる。こういう方向に切りかえ願えれば幸いだと、かように考えておるわけでございます。 それからさつき吉田委員からも御報告がありましたが、いずれのところにおきましてもよく定員が不足だ、こういうような訴えを切実に聞かされました。本省においては今日の定員で十分である、こういうような見解をとられているようでありますし、またわれわれも十分以上である、かように考えております。ただ問題は、地方で一定の仕事を行います上において、やはり人が一人でも多ければ楽になりますがゆえに、これは当然人を多く要求する、物品にあつてもさようであります。元請負制度をとつておりました時分は、普通三等局では郵便物を縛りますにも、中央郵便局から来たところのひもを継ぎ合せまして、それで縛つておつたものであります。それから郵便のあて名にしましても、中央から来た紙きれを二度も三度も利用した。さらにまた封筒にしましても、今日ではみなりつぱなハトロン紙の封筒を使つておりますが、昔はそうではなく、通信紙とかあるいは法規のさしかえに使つた紙を再生利用いたしまして、そういうもので間に合せておつたわけであります。こういう面の努力も今日は全然なくやつております。でありますから、事業をほんとうに経済的に行う上においては、昔の請負制度もある程度考えなくちやならぬ。しかもこの請負制度については、ただ単に昔の普通の特定郵便局だけでなしに、大きな郵便局あたりでもこれだけの経費でもつてやる、そうしてこれによつて残つた経費は全従業員に適当に按分する。こういうようなことをやりますならば、私はこの定員の問題、あるいは全体の経費の問題、そういう問題について大きく節減ができるのじやないかということを、強く考えているようなわけでございます。 そのほかいろいろ申し上げたいことはたくさんございますが、これらのこともあわせて報告書によつて御報告申し上げることにいたしますが、特に地方的な問題といたしまして、四国の郵政局の処在について、今日松山市に置かれてありますが、これは地理的に非常に不便であることは、われわれが参りましても痛切に感じて参りました。しかもこれは行政運用上にはもちろんでありますが、事業の経費の節減の上にも、大きく影響があると考えて参りました。この問題については本省でも積極的に研究を遂げられまして、これがいずれに解決するかということについては、早急に解決すべき問題ではないかと、かように考えて参りました。 それからもう一つ、同じ四国の郵政局で、これは成規の手続はしてないと思います。今日郵政事業の運用のいわゆる内規からすれば、そういうことはまだ許されないと思いますが、これは局長の非常なる英断によりまして、郵便の速達がきわめてスピード・アップされている。無集配郵便局の郵便物は、一応有集配郵便局に持つて参りまして、そこで新たに結束されて差出すのが例でありますが、これは郵政局長の英断によつて、直接郵便自動車がこれを拾いまして、そうして郵便自動車が適当な処理をいたしまするゆえに、非常に郵便速達のスピード・アップができております。私はこういうような適切な処置につきましては、非常に敬意を表しで参つたのでありますが、こういうようなやり方に対して、さらにその運用の上に円滑さを来すために、相当程度のゆとりを本省においても認めていただけるならば、幸いではないかというようなことを考えて参つたわけでございます。 いろいろ申し存たいことはたくさんございますが、いずれにいたしましてもこの郵政事業を元にもどす、少くとも損失をしないところの郵政事業にもどすためには、一万数千の事業の組織を最も効率的に動かすことについて、薪大臣の特に御留意を願いまして、下部二十数万の従業員の信託にそむくことのないように、ぜひとも御努力を願いたいと考えております。私どもきわめて微力でありますが、全力をあげてこの事業の運営が全く運びますよう、協力申し上げたいと存ずる次第でございます。 以上をもちまして私どもの報告を終ります。
○飯塚委員長代理 次に第四班の御報告をお願いいたします。受田新吉君。
○受田委員 私からは、東北及び北海道へ視察に行きました関係上、その方面を視察した委員の諸君を代表して、簡單に御報告を申し上げます。 ただいま、吉田、石原両委員から、それぞれの地域における状況報告があつたのでありますが、私はこの両君の御報告に対して大同小異である点は、報告書にこれを譲りまして、特に東北、北海道方面の視察をした結果、われわれの印象に強くとどまつた郵政業務に対する気づきを、ここで申し上げたいと思うのであります。 特に今回の視察目的の郵政、電通両省の分離後における営業状況を見ようという第一の問題については、ただいま両君の説明されたことと大体において同様な感想を持つております。ただこの公衆に與えた便益が、郵政、電通両省分離のために、一例をあげるならば郵便業務と電報業務を合せて、地方の住民がこれを利用しようと思つて郵便局に参つたところ、庁舎が二つにわかれておるので、一里もある別のところに出かけて、業務を果さなければならぬというようなことも起つておる。こういう点において分離後の不便を緩和する対策が必要ではないか。 待遇の面において、郵政省職員と電通省職員の間において多少の差異があるという、これは従業員諸君の声に対して、特に郵政省の職員が電通省に比べて、いささか低位にあるという訴えについても御検討を加えられて、この両者の均衡を保つようにせられたい。 次に、地方の監察局と郵政局の独立以後における影響力であります。これは郵政局長にしてみるならば、電通省と二つにわかれて業務が半減され、さらに監察局ができて、またそれが半減されて、結局従来の四分の一の職権しかないという、あわれむべき地位に立つたという点において、この職務の範囲が小さくなつても、とにかく第一線の局長としてがんばりたいという熱意は、以前に増して高いものがあることに、われわれは深く整髪したのであります。ただここで問題は、監察局ができまして、監察官の職務の上において、地方の検察局におりまする検事の地位と比較して、非常に不利な点がある。郵政業務に関係した犯罪が起つた場合に、検事の指揮を受けなければならないということになつては、これは郵政業務の監察をする責任のある者の権威にも関すると思いますので、今後監察官の職権は、検事の職務を行うということができる程度のものがほしいのではないか。全部のものとは言わないから、責任ある監察官の一、二名がその権限を持つというふうにして、現在行われておりまする末端の地方警察官と郵政監察官のトラブルの問題、あるいはいわゆる功名争い——郵政業務は專門的な知識を要するにもかかわらず、一般警察官が功名顔をして、これを捜査する傾向があるという点について、検事あるいは地方警察官との関係の調整ということを、十分考えて行く必要はないか。そのために郵政監察官に大いなる地位と職権を與えることが必要であると強く考えたのであります。なお今後郵政局と地方監察局が一本になるという問題は、いずれ適当な機会に讓りまして、少くともこの双方は第一線において連絡協調をはかつておるということ、これだけはこのたびの視察で十分確認できたのであります。 もう一つ、今回の視察目的にありました定員の問題でありまするが、これはこの前の国会でわれわれは強くついておいたし、この現業職員の職務の性質上、定員を減らすことは不可能であるということを、この前の郵政大臣田村さんも言われたのでありますが、今度の行政整理で、もしわれわれが減員されたらどうするかという不安が、従業員の諸君に相当ひそんでいるということであります。この点現業職員のその職務の性質を考えて、これらの不安を一掃するような措置を、中央においてとらなければならない。 また特別俸給表が従来設定されていたが、途中で削られているという現実の状況にかんがみまして、この業務の性質上、現業職員を優遇する措置が必要である。特に待遇の上におきましては、一般の責任の地位にない従業員は、七級か頭打ちであるということを考えるときに、小学校あるいは中学校の教職員は、十二級まで進み得る道があるという現状にかんがみて、郵政職員も少くとも局長は十二級ないし十三級まで、一般の課長、係長は九級、十級にまで進み得る道を開くような格付の問題について、考慮が拂われなければならないと思います。わけてその点で学歴、経歴等において差異があるとするならば、郵政職員の訓練、ただいま石原君から申された研修の制度を拡充強化して、従来逓信官吏練習所を設けておつた逓信省時代の先例にもかんがみて、この際職員の学識ゆたかな教育的な措置が必要ではないかと思いますので、この点も十分考慮して、他省の職員との待遇の均衡をはかるような必要があるのではないかと思うのであります。 なお事業増によるところの定員の状況を憂えまして、この第一線を見るときに、特にこれに詳細検討を加えたのでありますが、六月一日以後に行われております小包遠洋郵便が、どのくらいその数を増しているかと調べてみましたところ、仙台の郵便局においても、札幌の郵便局においても、相当数の増加を来しておるのでありまして、このために一日四、五十通の速達郵便が出ておるとすれば、定員をどうしても増さなければならぬという問題が起るのでありまして、こういう事業増によるところの定員の問題も、当局で十分考えてあげる必要があると思います。また東北、北海道方面は、石炭手当とか、その他地域給が非常に低い線にあるとかいう理由で、これら従業員のこれに対する要望事項が非常に多かつたのであります。この点今回石炭手当については、政府ですでに対策が立てられたようでありまして、一安心という段階でありますが、一層この点をへ後考慮してあげる必要がある。べース改訂の問題にしましても、特にこれらの従業員の優遇策を講ずるということを、他の諸物価との関係において、政府がその対策をすみやかに立てるということを要望したいのであります。 私はこの機会に、総括的に郵政業務についてのわれわれ国会議員としての責任ある立場から申し上げたいことは、とかく今まで郵政業務が縁の下の力持ちで、公衆の便益をはかるという大事な業務でありながら、これに従事するところの従業員の待遇がおろそかであつたり、あるいは大衆が郵便局というものを何か別途の、生活と離れた役所のように思つて、郵便局に臨むことが他の官庁に臨むよりは、何かかけ離れたところへ行くような感じがしておつたのでありますが、最近郵政第一線の職員の各位が、よく民衆との提携をはかつて、貯金業務、簡易保険の勧誘等において、常に連絡協調、あらゆる機会に乗り出してその趣旨を話したりなどして、局長みずからが陣頭に立つてやつているなどということは、非常に喜ぶべき傾向だと思いました。わけて私たちの特に打つ手の必要を感じましたことは、北海道、東北のように雪の多い地域においては、従業員の諸君がいかに雪が降つても、雨が降つても、逓送業務に従事しているその苦労の多い人たち、生命を賭してまであの山坂の多い道を越えて逓送業務に従事する人たちに、報いる道がまつたく盡されていないのではないか、あの辺は局と局との間が非常に間隔が遠い関係上、この点において従業員の苦労は並たいていではない点を感じたのであります。こういうところに愛情の政治を十分発現していただいて、こういう苦労の多い人たちに、ささやかでも労に報いるべき手を打つ必要があると感じたのであります。 なお貯金局及び簡易保険局の視察をやつて共通した感想といたしましては、最近における貯金額が非常い低い線になつて、三万円などということは、およそ実情を無視しておる。私は前にもこの質問をしたのでありましたが、三万円以上の貯金はあまりないという話でありましたが、貯金局を調べてみると、五万、六万というような貯金が相当出ておるようであります。こういう実情を考慮して、貯金の最高制限額をすみやかに拡大するということ、それから利率を高めるということ、こういう問題については、従来郵政省はとかく内閣においても、発言力が低いというような印象を受けて、大蔵省などに押えられていた傾向があるし、わけてこの間の簡易保険積立金の運用権を持つて逃げられたときには、明らかに大蔵省にしてやられた感じがしているのでありますが、こういう点については、第一線において貯金業務、簡易保険業務に従事している諸君が、大衆に対して勧誘奨励している立場から、ぜひ運用権を郵政省に持ち返ることを要望しているのであります。今度の資金運用部資金に運用権を握られておる郵便貯金の千五百億、簡易保険の三百億、郵便年金の三十億に対してあてがいぶちの五分五厘の利子というものに甘んぜず、一般会計から繰入れるところの予算的な恩恵などを考える前に、実際の業務は郵政省でやり、そのしるを大蔵省が吸つておるというようなこのやり方を改めて、佐藤大臣を迎えたこの機会に、政治力を持つたこの人を中心にして、大いに郵政省にやつてもらつて、第一線の諸君が要望しておるこの切実な声に報いてやらなければならぬと思つておるのであります。 いろいろな問題ついて、なお数多く報告すべき事項もありますが、前両君より詳細御説明がありましたし、なお次の機会に大臣に対する質問もあるようでありますから、その際に詳細を譲ることにして、私たちはここで繰返し最後に申し上げたいと思うことは、東北、北海道のような僻陬の地の郵政職員が、その薄給に甘んじて、国家業務である郵政業務に従つて、大衆にサービスして、文化の交通機関としての切実な努力をしてくれておることに対して、深い敬意をささげるとともに、政府としてその苦労を十分味わつて、その苦労に報いてやるという、あたたかい愛の政治が必要だということを、ここで資料として提供した次第であります。 これをもつて東北、北海道の視察議員団を代表して報告を終ります。
○飯塚委員長代理 第二班の報告は、降旗委員より御報告願うことになつておりますが、降旗委員は御都合のため出席できませんので、この報告は会議録に掲載いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○飯塚委員長代理 それではさようとりはからいたいと思います。
○石原(登)委員 ちよつとこの機会にお尋ねしますが、政令の改廃の審査委員会ですか、あそこで今いろいろ占領期間中の日本の法律その他の再審査をやつておるようですが、郵政省関係あるいは電気通信省関係で、そういう問題について政府で何か取上げておる事項がありますかどうか、その点ちよつと伺いたいと思います。
○受田委員 議事進行について——。大臣に対する質問をやることであれば、本日なお幾多の問題がありますので、吉田さんもおそらくあると思いますが、いかが取扱いますか。石原君の今の大臣に対する質問は、質問の第一陣として措置しますかどうか、お伺いしたいと思います。
○飯塚委員長代理 石原君にお諮りいたしますが、どういたしましようか。本日の議題としては、大臣のごあいさつと派遣委員の御報告、二案件でございますから、質問は次会にお譲り願いたいと思いますが……。
○石原(登)委員 よろしゆうございます。
○飯塚委員長代理 これにて派遣委員よりの報告は終了いたしました。 この際大臣より発言を求められております。これを許します。佐藤郵政大臣。
○佐藤国務大臣 郵政常任委員会の委員の皆様におかれましては、暑いさ中に北海道から九州まで四班にわかれて、実地の状況を巨細に御調査いただきまして、ただいままたそれぞれ班の代表の方々より、いずれも熱心な御報告を受けました。また適切な御高見も拝聴することができました。私ども事業を担当いたしておる者といたしましては、まことに仕合せとする次第でございまして、皆様方のこの猛暑の期間における御調査に対しまして、心から敬意を表すると同時に、ただいまの御高見を拝聴する機会を得ましたことにつきまして、心から厚くお礼を申し上げます。時間がありますならば、この機会に私どもの所見の一端をごひろう申し上げまして、お答えとするのが筋かと思いますが、本日は時間もすでに経過しておることでありますし、また皆様方からも続いて御質問がおありのように承りますので、この点は他日の機会に讓らせていただきたいと思います。 私はこの機会に重ねて申し上げたいと思いますことは、皆様方のこのとうとい国政調査の御報告を十分検討いたしまして、今後私ども業務を管掌して掌理して参ります上におきまして、とうとい資料といたしまして十分検討いたして参りたい、このことをごひろう申し上げる次第であります。重ねて皆様方の御労苦に対しまして、厚く御礼申し上げます。(拍手)
○飯塚委員長代理 この際お諮りいたします。郵政事業並びにその監察制度に関する件が、本委員会の継続審査案件となつておりますが、衆議院規則第九十一條により、閉会中その審査を終らなかつた案件については、報告書を提出することになつておりまするので、その報告書については委員長に御一任願いたいと存じまするが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○飯塚委員長代理 それではさよう決します。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時十一分散会