郵政委員会 第3号
- 発言数
- 98 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1951/02/23
会議録
○池田委員長 これより会議を開きます。 本日は簡易生命保險及び郵便年金積立金の運用に関する件を議題といたします。この問題は御承知のごとく、本衆議院においては、かつて決議案として衆議院の意思を表明し、すなわち立法府としての意思はすでに決定しておるはずであります。しかるにこの問題に関する取扱い及びこの改正の経過を見ますと、ややともすればこの衆議院の院議に反したるがごとき傾向にあるがごとくに、われわれは聞いておるのでありますので、特にその問題についてあらためてここで経過を聽取し、この委員会としての意思を一応とりまとめて決定しておきたいという意味において、きようは特にこれに関する委員会を開催した次第であります。従つてこの問題に関する質疑応答に関しては、この趣旨を十分御了承の上、その点に十分御留意あられてお進めあらんことを希望いたします。まずその後の経過について、当局よりその説明を聽取いたします。
○石原(登)委員 この簡易保險の積立金の運用の問題については、あらためて郵政大臣の説明を聽取するまでもなく、郵政省側の意向ははつきりとしておるわけであります。私どもこの問題についてはむしろただいま委員長からお話があつた通り、衆議院並びに参議院において決議されたこの運用権の問題に反するような法案が、大蔵省に用意されつつあり、しかもその法案が今回の国会に提案されようとして運ばれておるというようなことを聞いておりますので、そういう事項については、むしろ大蔵省側も同席の上で、郵政省側の説明を聞く、こういうことでないと意義がないのではないか、かように私は思いますので、大蔵省側の出席を一刻も早くあるように督促していただきたい、かように思います。
○吉田(安)委員 ただいま委員長のお言葉の中に、すでに院議で決しておるが、その院議に反するがごとき傾向にあるやに聞くというお言葉がございました。院議に反する傾向ということをもう少し具体的に——これは結局今石原委員の言われた、大蔵省にこの院議に反するがごとき法案の用意があるということをささされたのか、それともその以外に、この院議に反するがごとき傾向があるとすれば、どこにあるか、そういうことをひとつ参考に承りたいのであります。
○池田委員長 吉田君にお答えします。主として今石原君から言われたような点なのであつて、従つてこれに関して、きようは特に大蔵省側からも説明員が出席しております。それで郵政省及び大蔵省当局から、現在とりつつあることについて一応説明を聞けば、おわかりになると思いますから、その上で質疑に入りたいと思います。
○石原(登)委員 私はこの問題について先般の委員会においても、大蔵省側には責任者の出席を要求しておつたのであります。しかるに今見えておるのは、單なる事務的な人である。私どもは大臣、局長に出席を要求しておるのであつて、これではとうてい十分に討議するわけに行かず、われわれは非常に遺憾に存じておるわけであります。委員長は至急大臣、局長に出席をするように要求してほしい。私は本委員会の権威にかけても、ぜひそのことを主張したい。しかもこの問題は御承知の通り、非常に長年の間の郵政省と大蔵省の問題であるだけでなしに、国民の間のたいへんな問題であり、しかも国会においては衆参両院によつてたいへん関心を持つて、決議までなされた問題である。こういうような問題を討議するということを、あらかじめ通告しているにかかわらず、大蔵省側の大臣、局長の出席がないということは、まことに国会を軽視した態度であつて、これはわれわれ委員会としては断じて默認できませんので、大蔵省側の責任者が参られるまでは、本委員会において十分の審議を進めることは私は不可能だと思う。そういう意味で重ねて委員会に出席されるように要求いたします。
○池田委員長 大蔵大臣は都合のために、あるいは出席ができないかもしれないということで、これはある程度了承しております。それから政府委員は、今銀行局長を探しておりますが、これは行方不明で、目下捜査中であります。官房長はやがて来ると思いますから、それまで郵政大臣から説明を聞き、一応議事を進めて、その経過のいかんによつては、さらに考慮することにいたしましよう。
○石原(登)委員 私はいずれにしても大蔵大臣の出席もなく、この問題について大蔵省が国会の意思を無視して、いろいろなことを進められることについては、嚴重に警告を発しておきたいと思います。少くともわれわれの意をくんだ上、国会の意思を尊重されて、政府は今後薄処すべきである。ことさらに本委員会に出席することを回避するような態度であれば、これは断じて許されませんから、この点は特に委員長におかれましては、本委員会の権威のためにも、必ず大蔵大臣の出席を求めることをさらに私は要求しておきます。はなはだ不満でありますが、せつかく委員長の申出でありますから、一応郵政大臣の経過の説明だけを聞くことを、私は残念ながら承知いたします。
○池田委員 郵政委員会は郵政関係の法律案や、必要があれば予算案にも当然これは干渉しなければならぬのですが、先般の郵政事業特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案なんかは、郵政委員会に全然諮らないで、あちらでかさかさやつている、こういうような傾向があるのであつて、いささか郵政委員会はなめられている観がある。この点必要があれば、大蔵委員会と合同審査をするとか、そのほか常に大蔵省が独善的な行動をとろうとするごとに汚して、本日の問題にも関連しますので、郵政委員会の権威保持のために、委員長の御努力を希望しておきます。
○池田委員長 田村郵政大臣。
○田村国務大臣 今の簡易保險及び年金の問題に関係する法案は、大蔵省において起案されております。その問題を御報告申し上げます前に、たいへん国会に提出が遅れておりますので申訳ないのでありまするが、郵便法、郵便貯金法、振替貯金法、証券整理に関する法案、この四つの法案は大体各手続をふみましたので、不日提出に相なると思いますので、何分の御審議を願いたいと思う次第であります。 次に、今問題となつております昨年の暮れに出ましたドツジ・メモランダムによりまして、あらゆる国の資金を資金運用部資金法というような法律で、一括運営するという法案でありますが、これが目下大蔵省で準備されておるわけであります。その点につきまして、在来やつておりました簡易保險法との関係上、郵政省と意見の異なる点もありまするので、両事務当局の間で折衝いたしておつたのでありますが、いまだに事務的の調整が整いませんので、従いましてまだ閣議でも決定いたしておりません。そこで大体御承知であろうと思いますが、どういう点の調整がつかないでいるかと申しますと、過去において簡易保險で運用いたしておりました運用金のおおよそ三十一億円を、今度の法律によりまして大蔵省の資金運用部資金の方に弘継ぐ、こういう問題が一つ、それから簡易保險法の六十九条にございました——これは現在実はストツプしておりますけれども、資金の運用に関する規定であります。この資金の運用に関する規定は、郵政省においてこれを運用するように原則としてなつておりまするが、一時大蔵省の預金部に預け入れることができる、こういう規定に現在なつておりますもので、終戰後におきまして、あちら方面のおさしずで、そのまますべて戰争中までやつておりましたように、大蔵省の預金部に運用をまかしておつたのであります。そこでその問題を、今度の新しい法律におきましては、すべて資金運用部資金に統轄するのであるから、従つて保險法の六十九条をこの際抹消する、こういう点につきまして、郵政省といたしましては過去において、また現在において、資金運用のあるものをやつていた関係で、保險の募集等において便利であり、また地方民もそういう考えでおつたことであるから、かりに今度のドツジ・メモランダムによりまして、これを資金運用部資金として投入するにいたしましても、過去にある保險法の六十九条の原則的の規定は、そのまま残してもいいじやないか、こういう点が一つであります。それから郵政省側の意見といたしましては、ひとり簡易保險の資金だけではありませんが、郵便貯金の資金にいたしましても、在来のようにある簡單な方法で、郵政省がほとんど実質的に関知しないようなことで運用されていることはどうも不十分であるから、郵政省も十分その問題の内容に触れて、資金の運用をされるようなことが、今度の資金運用部資金法に織り込まれてしかるべし、この三点の問題が検討になつておつたのでありますが、第一の三十一億の過去の金につきましては、これは大蔵省側から申しますと、六十九条を削除するということであるならば、三十一億の問題は郵政省の主張の通りに譲つてもよろしい、しかし六十九条の削除は、法の建前上、当然新しい法律ができた限り、これに抵触する法文は削除すべきだというような考えでおられるのであります。この点につきましては法制局の意見も聞いたのでありますが、さようにきれいになることがよろしいとは思うが、あつても別に支障はない、こういうような考えでありました。しかしまだこの点で両省の間に話合いがつきませんので、現在に立至つておるわけであります。これにつきましては、資金運用部資金法というものが重要であることは申すまでもなく、またドツジ・メモランダムによつて、これは当然規定さるべきことに相違はないと思いまするが、そういう点の話合いがまだつかないで、今日までその法案が大蔵省から提案にならないでおる状態であります。現在までの経過はさような状況でありますので、不日かような点につきましての話合いがつきまして、この法案が提出されることになるだろうと考えておる次第であります。 以上大体の要綱だけを御説明申し上げました。
○池田委員長 お諮りします。今大蔵省の預金部資金課長である高橋説明員が出席しておつたのでありますが、当委員会の空気のはなはだ險惡なのにかんがみて、政府委員を呼びに行きましたから、来るまで待ちたいと思います。いかがでしようか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○池田委員長 ではさようにいたします。——それでは引続き大蔵省銀行局長より経過の説明を聽取することにいたします。
○舟山政府委員 預金部を改組いたしまして、資金運用部とするということにつきましては、昨年ドツジ氏の覚書が参つておるのでありまして、今後は政府の各特別会計の積立金は、あげて資金運用部に預託いたしまして、そこで運用の統合をはかるという趣旨に解せられるのであります。従つて今般資金運用部資金法を御提案申し上げるにつきましても、簡易保險で運用しておりました資産は、これを資金運用部に引継ぐべきものと考える。従つてまた簡易の法律にございます運用に関する規定も、これを存置することが必要でなくなりましたので、削除いたすべきであるというのが、私どもの見解であるわけでございます。これにつきまして郵政省方面におきましては、いろいろの御希望もあるのでございますが、当方といたしましては、当方の主張はドツジ氏覚書の趣旨にも合うことであり、またそれが妥当な筋であろうと考えて、今日に至つておる次第であります。本問題の経過について説明をということでございましたが、先ほども御説明があつたかに伺いますし、また御質問によりまして、いろいろの諸点につきましてお答えを申し上げた方が、審議上便宜かと考えて、一応この程度にとどめておきます。
○高橋(等)委員 大蔵政府委員に一、二お尋ねをいたしてみたいと思うのであります。御存じのように簡易保險あるいはまた郵便年金を創始いたしましたところにおきましては、はたして国営の事業がうまく行くかどうか、過去における国営事業が非常によく行つておりませなんだものですから、いろいろと国会の審議にあたりましても、その創設におきましては議論が闘わされたのであります。ことにその議論の重点をなしておりまする一つの問題は、厖大なる契約者の積立金を、どういうようにして管理して行くか、はたしてこの管理がうまく行くかどうかということが、心配の種になつておつたのであります。しかしその後元の逓信省、郵政当局におきましては、契約者の利益ということに重点を置かれまして、すべてこれらの事業を運営いたされて参りまして、また積立金の運用にあたりましても、御存じのように有利確実に、かつ公共の利益ということを考慮に入れまして、契約量に応じて資金をなるべく地方へ還元しようという方針のもとに、嚴格に運用いたされて参つたのであります。これらの結果、私の記憶いたしておりまするところでは、住宅資金その他において幾分の未徴收のものができたかと思うのでありまするが、非常に理想的に資金の運用が行われて参つておつたのであります。そして一面この資金を地方へ還元する。契約量に応じて資金を地方へ流すということが、非常に地方の魅力となりまして、簡易保險契約あるいは郵便年金契約に加入をいたしまするこれが一つの大きな原因になつておつた。結局地方に資金を還元いたしまするために、また地方資金が非常に厖大に吸收されておるという効果を現わして参つておつたのであります。ところがちようど昭和十八年に、厚生省へ一部分簡易保險の事務が参つております。積立金の運用事務は厚生省所管でありましたが、これが逓信省へ簡易保險事業を一体化するというので移管になりました際に、資金統制の必要土から、資金運用の一部分を大蔵省の預金部の方で受持たれたことも、御記憶の通りであります。ところがそのときに、一応戰争が済んだら、これは逓信省の方へ運用を返すのが当然だ。というのは、簡易保險の今申し上げました地方還元の特異性に——地方還元と募集との関連性、すなわち事業経営と離すことのできない積立金の運用は、当然簡易保險事業を経営しておるところへもどすべきであるということに、大蔵省及び逓信当局の意見が一致いたしまして、このとき覚書がとりかわされておるのであります。ところが終戰後、先ほど大臣の御説明のような事情で、引続き本日に至るまで、この資金は預金部で運用をせられております。ここで大蔵当局にお伺いいたしたいのでありますが、将来日本の経済がある程度安定をいたしまして、資金統制の必要がある程度緩和された場合におきましては、この事業経営と一体をなしておるところの積立金運用を、簡易保險事業を取扱つております官庁でなさるようになさる意思があるかどうか。この点につきまして、まず大蔵当局の御見解を承つておきたいと思うのであります。
○舟山政府委員 簡易生命保險という国営事業があります以上、これが本来の趣旨達成のために、十分働きいいようにしなければならぬということにつきましては、私ども異論はないところでありまして、このためには予算的措置その他、これはそのときどきの政策によりまして決定されて行くものと考えるのでございます。ただこの簡易保險で集めました資金を、どう運用するかということにつきましては、ただいまの問題とおのずから別途となるのでありまして、国民大衆から、いわば政府を信頼して、政府に預託せられました資金、政府の手元に集積せられました資金というものは、簡易保險であろうと、その他郵便貯金であろうと、その他のものであろうと、これを統合して、そうして確実ということをもつぱら旨といたしまして運用しなければならぬというのが、今度の資金運用部資金法を制定いたしまする大きな眼目であるわけでございます。なるほど簡易生命保險につきましても、契約者貸付等に関しまする必要資金、これらについては簡易保險の経営者の側におきまして、円滑に出せる仕組みが必要でございます。その他の資金は、他の特別会計の信託資金とあわせて運用すべきである。現在の現金部の資金でありますが、これは現在主として地方債に運用しておるわけであります。そうして地方に還元されておるのでございます。この政府資金の集まります個々の事業について、それぞれ地方還元の措置を講ずることは、必ずしも必要でないのであります。また総合的見地から見ますと、これは各種の資金を一括まとめまして、そうして適当に地方に還元するという措置を講じた方が、より効果的であり、また実際的であるわけでございます。そういうようなことで、簡易保險につきまして、ただどの地方からどれだけの契約が集まつたから、それに対応する資金はただちにそこへ還元しなければならぬという考え方につきましては、私どもは賛意を表しがたいのであります。またその趣旨は、ドツジ覚書の中にもうたつてあると記憶いたしておるのでございます。 それから戰時中に簡保余裕金が預金部に統合せられましたが、これは戰時中一時の臨時的措置であつたというお話で、従つて将来再びこの資金の運用を、簡易保險に返還する意思があるかどうかというようなお話でございますが、私どもは現状を基礎といたしまして、現在の問題の解決ということだけを骨折つておるわけでございます。将来のことは、これはもちろん何人もどうなるかということは申せないということで御了承願いたいと思います。
○高橋(等)委員 少し議論にわたりますが、重ねてお尋ねをいたしたいと思います。ただいま局長からお話になりました点も、委員からお話になつた点もよくわかるのでありまして、簡易保險の積立金のような場合に、これを事業と一体的に運用をせしめまして——これは非常に嚴格な意味でやられておつたわけではありませんが、でき得る限りこれを地方の契約者の利益のために還元をして行くということは、私は将来貯蓄を増強せしめる上におきましても、絶対に必要であろうと考えるのでありまして、現在の状況は、いわゆるドツジさんの覚書によりまして、資金の統制を必要とするために、資金運用部関係へ全部をとりまとめて運用をなさつておりますが、私のお尋ねしたいのは、将来統制の必要が緩和せられました場合において、大蔵当局はやはりこの資金についての統制と申しますか、郵便貯金、簡易保險等を一つにまとめて、大蔵当局の考えによつてこれを運用なさろうとするのであるかどうか、その点もう一度お伺いいたしたい。
○舟山政府委員 資金運用部に集積せられました資金の運用につきましては、国全体の利害、これは中央地方を通じてという問題、あるいは産業別、資金の用途別という問題をひつくるめまして、国全体の一番利益になるように運用しなければならぬと思うのでありますが、それにつきましては、今般御審議願おうとしております資金運用部資金法におきましても、審議会を設けて、各方面の御意向は一応十分伺つて、資金の運用について過誤なきを期して行くという方針でおります。
○高橋(等)委員 従来簡易保險局と申しますか、簡易保險担当当局におきまして資金の運用をなします場合におきましても、その運用委員会とか審議会とかにおきましては、大蔵省その他、関係の学識経験者を集めまして、国策に沿うような運営のやり方をいたして参つておつたことは、御記憶の通りでありまして、結局要するにこの積立金の運用を、この資金統制が緩和せられた場合に、どの部門でやらすことが、あらゆる方面で一番便宜であるかという点を御考慮をお願いしたい。 〔委員長退席、飯塚委員長代理着席〕 それでただいまのお話を承つておりますと、将来のことは言えないというお話が先ほどあつたのでありますが、昭和二十四年五月十二日第五国会の衆議院本会議で、辻寛一君外二十四名の各党共同提案で、簡易生命保險及び郵便年金積立金の運用に関する決議が、院議としてなされておるのでございます。この院議につきましては、大蔵大臣その他関係方面から、この院議を将来尊重するというお話があつたのであります。また承るところによれば、最近大蔵当局においても、簡易保險の積立金運用の所管につきましては、この院議に沿うようにやるべく、郵政省との話合いが進められておつたように承るのであります。これらの経過を考えまして、この院議に対する措置等について、将来どういうようにお考えになつておるか、ただいまのところは資金統制の必要ありとなつておるのでありますから、この問題は議論しておりません。将来この問題をいかにお考えになつておるか、この点をお伺い申し上げておるわけであります。
○舟山政府委員 二十四年の五月に、ただいまお話のありましたような院議がございましたが、私どもといたしましては、当然その院議の精神にのつとりまして、郵政省当局とも折衝をしておつたわけであります。ところが預金部において金融債引受を認めてもらうということにつきましては、昨年ドツジ氏の覚書が発せられて、ただいまではその趣旨にのつとつて、今後の運営をきめて行くということに相なつておるのであります。将来のことはわからぬと私が申し上げましたのは、将来と申しましても、いろいろの情勢の変化もありまして、これはそのときにおける国の最高権力の決定するところによつて決定せられるものであるから、いたずらに私どもがかれこれ言うことは、無意味であるという意味でございます。現在金融統制と申しますか、統制が実施されておると言えるかどうかは、いろいろ議論のあるところでありますが、やはり国民から政府に預け入れられました資金は、これは一体としてその運用を考える方が、一番国民経済に適応するゆえんであるという考えは持つております。すなわち財政との関係とか、あるいは一般金融情勢とかの関連におきまして、資金は一ところにまとめて、その運営方針を議決する方がいいのであるということは、私ども確信をいたしておるところであります。従つて今こういう法律を改正するけれども、これは間もなくまた元にもどすことを前提としておるのであるということを考えておるわけでは全然ございません。この現在の行き方が正しいという考え方は、私ども従来からの確信でございます。
○高橋(等)委員 そういたしますと、この衆議院における決議の取扱い方につきましては、大蔵当局はどういうようなお考えを持つておるか、もう一度伺いたいと思います。
○舟山政府委員 その院議のありました当時におきましては、その趣旨にのつとりまして私どもは行動をいたしました。その後ドツジ覚書が出ました後におきましては、その精神並びにこれをどう処置するかという内閣の方針に従つて、私どもは事務を執行する、これ以上のことはできないわけでございます。
○高橋(等)委員 この問題につきましては、やはり大蔵大臣の御出席をお願いしないと、これ以上つつ込んだことは局長に伺うのも無理かと思いますので、一応その次に移らしていただきます。 質問の第二点は、これはどちらかといえば立法技術上の問題になるのでありますが、私は先ほどの御説明でこういうように承知いたしたのであります。資金運用部資金法というような法案を、御用意なさつておるそうであります。この資金運用部資金法というものを見ますと、その中には、簡易保險の積立金に関しましては六十九条の規定、郵便年金法については四十二条の規定を削除するということになつております。これを削除される理由を伺いたいと思います。
○舟山政府委員 簡易保險法六十九条及び郵便年金法四十二条の規定は、この新しい資金運用部の資金運用に関します根本精神とそぐわないという意味におきまして、これを削除することがぜひとも必要であると考えております。
○高橋(等)委員 もう一度伺います。根本精神とそぐわないから削除すると解釈いたしますが、その理由を伺いたい。
○舟山政府委員 先ほども申し上げましたように、国民から、政府を信頼して政府の手元に信託せられております資金は、今後資金運用部に統合して運用するという制度が、確立せられんとしているわけでございます。そこで簡易保險等におきましては、その集りました資金の運用にあたりましては、一定の法律の規定がございますが、これを資金運用部に預託するということでもつて、それ以上にこの簡易保險法等におきまして、運用について何らの規定を設ける必要はなくなつたものと了承するのであります。
○高橋(等)委員 先ほどお尋ねしました第一点の食い違いが、この議論の食い違いになつておるかと考えるのであります。簡易保險法、郵便年金法というものをよく読んでみますと、これは申し上げるまでもなく、保險者であるところの政府と契約者との間の、契約法的な規定がたくさん盛り込まれておるのであります。そこで資金の運用等につきましても、一応簡易保險の資金は、これをいかなる方法で運用するとという約束、契約というものが、この簡易保險法、郵便年金法の骨子をなすものでありまして、一般法に規定があるといたしましても、それによつてただちに簡易保險法からこれを削除してよろしいという理論は生じないのであります。たとえてみますと、簡易保險法の四十八条、九条、三十条、八条というような条文は、商法の六百四十三条、六百四十七条その他の規定と同じ規定を、簡易保險法の中に規定いたしておるのであります。たとえば保險料を還付する場合にどうするかというような、契約の実態に関する規定でありまして、こういうものは商法と同じ規定をそのままそつくり、少くとも簡易保險法は持つて来ておるのであります。そういうような意味合いからいたしましても、契約の実態に必要な条文というものは、この簡易保險法の中にとつておいた方がよろしいという見解を私は持つております。またそうすることは法制上何ら不都合のないように解釈をいたしております。この点につきましては、非常に意見の食い違いがあるようで残念に存ずるのでありますが、いま一応御見解を承つておきたいのであります。
○舟山政府委員 簡易保險の積立金等につきましては、これを資金運用部に預託するよりほかに新しい運用の方法はない。契約者貸付の場合は別であります。そういたしますと、六十九条等にそれ以上の字句を並べておりますことは、これは今度の新しい制度と撞着いたしまして、また不必要なことと考えておる次第でございます。
○高橋(等)委員 そういたしますと政府委員の方のお考えでは、たとえば六十九条に、積立金は大蔵省預金部に預け入れてこれを運用さすということを書いておくという御趣旨の御答弁でありますか。それともそれを削つてしまおうという考えでありますか。
○舟山政府委員 その点につきましては、資金運用部資金法の方に、特別会計の積立金等は、資金運用部に預託して運用する、またその方法に限るという趣旨の規定がありますので、それで十分だと考えている次第であります。
○高橋(等)委員 繰返して申し上げておきますが、ただいま私が引用いたしましたように、この簡易生命保險法、郵便年金法の規定というものは、契約法的な要素を多分に含んでいるものでありまして、先ほど申し上げましたように、商法と同じ一字一句違わない条文をわざわざ挿入して生かしてあることをもつてしても、この法の特異性がおわかりになると思うのであります。ことにこの運用につきましては、重大なる契約の項目になつているのであります。そういう意味で、一方へ規定したから一方へ規定する必要はないということをただちにお考え願うということは、もう少し御研究を願わなければならぬ点を含んでいると考えます。以上をもちまして、私の質問を打切ります。
○石原(登)委員 私も主として大蔵省の政府委員にお尋ねいたしたいと思います。 まずお尋ねいたしたいことは、このドツジ書簡が出る前における簡易保險並びに郵便年金積立金の運用の問題について、どういうような状況で進むべきであつたというふうにお考えでありましたか、そのことについて承りたいと思います。
○舟山政府委員 このドツジ書簡前のことにつきましては、私どもは、やはり政府資金というものは一つのところにまとめましてこれを運用いたしますことが、資金のむだもなく、また効果も多いのであるという考えは持つておつたわけでございます。しかしいろいろ院議の点も考えまして、事務当局といたしましては、その線に沿うべくいろいろ研究もしておつたのでございますが、きわめてはつきりした結論は出なかつたように記憶いたしております。
○石原(登)委員 実は今銀行局長の御説明を聞いていると、ドツジ書簡の出る前においては、国家的にまとめて運用するというふうなお考えであつたというのでありますが、これは事務当局では、さようなお考えであつたろうと思います。しかしこれは御説明をいたますまでもなく、衆参両院というような国民の決議によつて、これはむしろ郵政省で行うべきであるということは、あなた方の意思のいかんにかかわらずはつきりした問題であります。しかもこの問題については、あなた方の上司でありますところの、すなわち大蔵省の最高の責任者であります大蔵大臣も、これに賛意を表せられまして、すなわち国家的にも、あるいは政府においても、この問題については全然異存がなかつたのであります。しかしながらそういうような問題についても、なおかつ異存があつたというようなお話を聞くことは、私ははなはだ不可解千万にたえませんが、これはあなたの事務的の個人としてのお考えであろうと思いますから、これ以上はお尋ねをいたさないことにいたします。事実大蔵大臣が閣議でこれを承認し、しかも連合軍司令部に対して、この閣議決定と国会の決議の趣旨に基いて運用をいたしたいというような問題については、同意をされて、進んで積極的にその努力をされている。さらにまたわれわれが知つているところによりますと、大蔵省と郵政省との間には、すでにこの簡易保險の積立金の運用の問題について、郵政省にこれを運用さすべきであるという事務的なとりきめも進んで、ほとんど調印直前に至つておつた。この原案も両方の事務当局内においてできておつたということも、私承知しているのであります。そうすると銀行局長は、局長の立場からですか、個人の立場からですか知らないが、そういうふうな方法はいけないというやり方は、まことにあなたの責任から考えてもおかしい問題だと思います。この間の事情と、その場合のあなたの立場はどういうことになりますか、この点をちよつと伺いたいと思います。
○舟山政府委員 私の申し上げましたことが、誤解を招きましたことになつてはたいへんでありますから、重ねて申し上げますが、個人と申しますか、理論的に考えますれば、資金は統一総計して運用すべきであるという考えを、公務という立場を離れて考えますると、そういうことを旧来考えておつたわけであります。しかし申すまでもなく、国家公務員としての立場におきましては、内閣の方針に従つて仕事をするのでありますから、院議その他の精神をくみまして、そういう線に沿うた案をとりまとめるべく努力していることを、ひとつ御了承願いたいと思います。
○石原(登)委員 そういたしますと、自分個人の意見としては、また理想としては、そういうことを考えておつたが、大蔵省がそういうふうに決議し、また閣議においても決議し、そのような事務的なとりまとめを運ぶというまでに至つたについては、その線が正しいものというような認定のもとに、少くともドツジ書簡が出る前には努力された、大蔵省もその方針であつたということは、確認されるわけでございますか。
○舟山政府委員 御指摘の通り、それは国家公務員として当然の態度であると思います。
○石原(登)委員 そういたしますと、これは国民もその通り、閣議もその通り、同時に郵政省の事務当局も、また大蔵省の事務当局も、これは日本国中あげてこの積立金の運用については、当然郵政省で行うべきであるというような状態になつておつたものが、ドツジさんの来朝によりまして、たまたまこのドツジ書簡が出たことによつて、この問題がまつたく国民の意思と違つた方向に急転直下した、かようなことになるわけでありますが、そういたしますと、このドツジ書簡は非常に重要な問題である。結論的にはこれは占領軍の命令でありますから、これに従わざるを得ないことは、残念ながら認めざるを得ないのでありますが、ただ問題は、このドツジ書簡の内容とその見解が、ここで非常に重要な問題になつて来ると思います。そこでわれわれはこのドツジ書簡についても、一応考えているのでありますけれども、まず大蔵省当局が、このドツジ書簡をどのように御理解になつているか、どのように御解釈になつているか、この点について御説明願いたいと思います。
○舟山政府委員 それは冒頭に申し上げましたことにも関連すると思いますけれども、ドツジ覚書におきましては、郵便年金、簡易生命保險、その他国民が国の事業を信頼して、いわば国に信託している資金については、慎重に運用する必要がある、これは従来の一部を改組いたしまして、資金運用部といたしまして、ここにおいて総合的に運用すべきである、そして国民から信任して付託せられたという資金の性質にもかんがみまして、損失補償といつたような制度も加味して行くべきである、こういう趣旨に了解するのであります。ドツジ覚書の精神をそのまま立法化したものが資金運用部資金法で、それにその精神が表現されている、こう御了解願いたいと思います。
○石原(登)委員 ドツジ書簡の内容については、これからおいおい掘り下げて私の意見も申し上げ、さらに御質問申し上げたいと思います。要するにこのドツジ書簡を通じて、大蔵省側が解釈された事実の現われ、国民的な考え方というものが、まつたく相反した立場において今日表現されて来ている。さようにいたしますと、大蔵省側の御見解というものは、今日まで国民の考えて来たいわゆる国権の最高機関である国会における論議、国民的な要望は、すべて間違つておつたのであり、ドツジ氏の示されたこの書簡が、完璧なものであつたので、今までの国会の決議も何もかも無視されなければならないというような理論であるのか、あるいはドツジさんの考え方の中にも間違いはあるけれども、これは占領下の日本として当然その通り従わざるを得ないから、われわれは默つて聞くのだというように解釈をするのか、その点をちよつと伺います。
○舟山政府委員 覚書の批判にわたるようなことは、申し上げられません。
○石原(登)委員 事務当局として批判ができないとおつしやれば、重ねて質問をいたしません。 次にとつぴな質問をいたしますけれども、今日日本には銀行がたくさんあるのであります。もちろん銀行局長は、銀行を十二分に監督しておられるわけでありますから、今日この銀行の信用状態とかいうものについても、十分御存じになつておると思いますが、この銀行の業務運用の内容、それから信用状態について、国民は危惧の念を持つておるとか、安心をしておるとか、こういう問題について、いかなる御見解を持つておりますか。国民が今日の銀行の運営について、どうもあぶないとかなんとかいうような気持でおるかどうかということです。
○舟山政府委員 銀行初め金融機関の監督につきましては、長年大蔵省もやかましいことを申して来ております。それで金融機関の資産その他につきましては、国民は全体においては危惧の念は持つておらないというふうに考えております。
○石原(登)委員 私も銀行局長の言明の通り、今日政府の非常に嚴重な監督と指導下にありますところの金融機関に対して、国民の何人といえども、これに危惧の念を持つているとは思わない。ところが私はここに非常におもしろいところの事実を発見するわけであります。といいますのは、今国民的な意思をくつがえすような重大な問題がある。ドツジ書簡の内容をわれわれが検討してみましても、国民が郵便貯金にした金、あるいは簡易保險にした金は、政府事業であるから、安心してこれを投資したのだというような断定をドツジさんは下された。これについては非常に異論がある。ただいまも銀行局長がはつきり言明された通り、国民は決して郵便貯金あるいは郵便年金保險が安全であるからというような意味で、郵便貯金にしておるわけではない。これは申すまでもなく郵政省が非常な努力を払いまして、また過去非常な苦心さんたんをして、全国的に持つておりますところの一万四千というこの組織が、今日国民的な便利な機関となり、国民はこれを活用しておるものだと思います。現に東京あたりはそうではありませんが、いなかに参りますと、銀行なんかあまりありません。特に最近の大蔵省の方針に基きまして、銀行を縮小整理されました結果、いなかでは銀行の数がぐつと減つて来ている。私の郷里においてもその通りでありまして、いなかの人の零細な金の預金というものは、郵便貯金によるほかしかたがない。決して政府の郵便貯金に信用があるがためにやつておるのではない。間に合うから郵便貯金を利用しておるわけだ。でありますから、そういうようなドツジさんの見解というものも異なつておるし、またその見解を皆さん方がうのみにされるということについても、私はおかしいと思う。特にこういうドツジ書簡の中で言われていることついて、いろいろ申し上げたいと思いますが、ドツジ書簡の内容というものは、御承知の通りそういうような政府を信用して預金した金を、有利に、しかも安全に、しかも確実にこれを取扱つて行かなければならぬ。言いかえれば、今日までの預金部の資金の運用に、ドツジさん自身が信用を置かなかつた。ドツジさん自身が、今日までの大蔵省の預金部で扱つたこの資金運用に信用を持たなかつたために、その巻添えを食つて、今日この簡易保險の運用の問題まで信用を置かなくなつて来ているというような解釈を、私はせざるを得ないわけであります。このドツジ書簡のどこを見ても、国民のこの年金とか貯金あるいは簡易保險の金を、大蔵省が運用せられなければならぬというようなことは書いてないのであつて、これは当然国民のために、有利に、確実に運用すべきである、こういうようなことしか私には見当らないのであります。今度の皆さん方のところに配られた資金運用部資金法に現われた趣旨と、ドツジ書簡のいうところの趣旨とに、大きな食い違いがあると私は思うのでありますが、この点の見解に対して、どのようにお考えになりますか。
○舟山政府委員 従来政府が運用しておりました資金が、確実であるかどうかということは別問題といたしまして、政府が国民から預かりました資金は、原則として資金運用部に統合するという趣旨であると解釈しております。
○石原(登)委員 その統合する趣旨には、私は反対はありません。当然そういうふうな国の利益あるいは契約者の利益が増進することについては、いささかも反対はないわけであります。しかしながらこの書簡の内容、書簡の精神をはき違えて解釈をいたしまするならば、この事業の本質でありますところのこの保險事業あるいは年金事業を危殆に瀕せしめる。これはもちろんそういうような金を有利に、しかも的確に保險すると同時に、この事業の本体でありますところの正しいところの、しかもりつぱな発展というものがなければならぬのであります。そこでこの資金法の立案にあたつて、皆さん方がそういうような事業自体の正しい発展というものに関して、十二分の考慮と正しいところの認識を持たれておるかどうか、この問題について、実は非常に危惧の念を私は持つている。ただ單にあなた方が、政府に集中され、預け入れたところの金は一つに運用しよう、それが正しく、有利に、確実に運用されるためのたつた一つの理由であるという、それだけの文句に拘泥されまして、事業自体を危殆に瀕せしめてまでも、その一つ文句にこだわつて行くということになりますと、これはたいへんな問題である。その点について大蔵省のこの立案者は、どのような考慮を払つておられるのか。事実私どものところには、全国三十数万の郵政従業員の諸君から、この通りのことが行われますならば、今後の郵政事業従業員の勤労意欲は、非常に低下するということがいわれて来ており、あるいはまた国会においても、しばしば宣明いたしました通り、この通りのことが行われますならば、今後の郵政事業従業員の勤労意欲は、非常に低下するということを私どもは、しばしば大蔵省に対しても御警告を申し上げたし、しばしば所見も申し上げておる。このことについては皆さん方は、十二分に御研究になつておるかどうか。そうしてそういうようなことをしても、大蔵省では十二分にやつて行けるだけの保障を、郵政当局からとつておられるかどうか、この点についてお伺いいたします。
○舟山政府委員 簡易生命保險の正しい発展につきましては、いささかの異論もないばかりか、これをひとえにこいねがうものであります。それにつきましては、簡易保險法その他事務の改善ということについて、郵政省においても大いに御努力になつておるのであります。ただ私の申し上げたいのは、この簡易生命保險の事業の運営上、ただ便利であるとか、有利であるとかいうことのために、資金の統合運用という大きな原則の方も動かそうとする考え方は、私どもから見ますれば少しおかしいのではないか、こういうことを申し上げている次第であります。
○石原(登)委員 資金の統合運用ということには、大体どういう意味があるのですか。またそういうことをドツジさんが言われた根本の趣旨はどういうところにあるのですか。この点がドツジ書簡に基いて、どの点でどういうふうに明示されているから、資金の統合運用を必要とするのだ、そうしないと困るのだというような、具体的な事例について御説明願いたいと思います。
○舟山政府委員 政府に信託せられた資金は、今後資金運用部で運用することにすべきであるということだけで、ただいまの趣旨ははつきりしていると思います。
○石原(登)委員 ところがドツジさんがこれだけのことを言うには、前提があつてのことだと思う。なぜ政府で統一して、一元的に運用しなければならないか、ここに問題がある。ですからその理由をつまびらかにしない限りは、どうして統一運用しなければならぬかということに対する理論が、明らかになつて来ないわけです。この点について、なぜ統一運用しなければならぬかということ、及び具体的にどのように弊害が生ずるから、統一運用しなければならぬのだという御見解を承りたい。
○舟山政府委員 ただいまの点は預金部を改組して、資金運用部を設置するということに現われていると思います。
○石原(登)委員 預金部を改組して資金運用部をつくることについては、私もはつきりわかつております。それは疑いありません。しからばなぜそのようなことを言つて来たかという問題です。なぜそういうことをドツジさんは言つて来たか、それを皆さん方はどういうふうに御解釈になるか、その点を承つておきたい。
○舟山政府委員 私といたしましては、ドツジ覚書を解釈して行くよりしかたがない問題であります。
○石原(登)委員 その解釈ですが、なぜ資金運用部に統一して行かなければならぬのか、資金運用部に統一するということは、ドツジさんの得た結論である。しからばなぜそういうふうに統合運用しなければならぬかという問題については、その覚書を公表された大蔵大臣としても、またその覚書に基いて法案をつくられた大蔵省の皆さんも、十分その意味を検討されない限りは、これはたいへんな問題である。なぜかと言えば、少くともこの資金運用を皆さんのお考えのように資金運用部に持つて行くとすれば、国会の決議を蹂躙するだけではなしに、全国民の意思をも抹殺する。しかもこれまでたびたび閣議によつて承認したことも、これできまつて行くれそういう重大な問題ですから、この間の解釈がうやむやにされて、適当に皆さんが法律をつくることは、たいへんな間違いである。少くともこの問題は、ここにポイントがあると思う。なぜ預金部資金を統一運用しなければならぬということをドツジさんが言われたか。この点の見解が明らかにならないと、われわれが資金運用部資金法を解釈する上においても、あるいは審議する上においても、たいへんな問題だと考えているわけであります。
○舟山政府委員 資金を統一運用すべきであるという点につきましては、私は私なりの考えを申し上げるよりしようがないのであります。国に集りました場資金はこれを統合して、全体的に最も合理的な運用方法、その他の使い方を考えて行くことが、国のためになることでございます。従つてできました資金運用部資金法の法案は、ドツジ氏の覚書によく適合しているという考えを持つている次第であります。
○石原(登)委員 銀行局長は非常に気の毒であります。しかしながらこれは国民のたいへんな熱望でありますがために、私、議員として銀行局長の立場はわかりながら、いろいろ聞きづらいことまで聞かざるを得ないことを遺憾に思います。特に私は銀行局長とはじつこんの仲でもありますし、この点残念でありますが、やむを得ないことで、なお重ねてお尋ねいたしたいのであります。ただいまも言われた通り、ドツジ書簡をそういうふうに解釈した、その解釈のポイントが遺憾ながら明らかでない。私に言わすれば、皆さん方が用意された資金運用部資金法の内容と、特にこの中の第七条に現われている資金の運用の用途と、現在簡易生命保險法の中に規定されているところの運用の用途、ここに何らの違いがあるか。全然違つていない。第七条よりはむしろ簡易生命保險法の現在の法律に表われている方が、有利、確実に運用される。しかもこのことはりくつでなしに、事実簡易保險の歴史が、三十数年にわたつて証明している。ですから今銀行局長がお答えになつたそれだけのりくつでは、まるで話はわからない。特にこの問題は、たびたび申し上げます全国民の非常な熱望であるだけに、これをくつがえすについては相当大きな、国会も国民も心から了承するだけの理由がなくてはならぬと思う。今の筆法から行きましても、簡易保險局がこれを運用したならば、非常な弊害を生ずるというような事例でもあれば別ですけれども、そういうような運用をやつて弊害を生じた事例はない。むしろ預金部の運用よりは、実質的な成果を收めている。これは先ほど同僚議員からも言われましたように、一部の住宅資金の未回收はきわめて微微たるもので、それを除くほか、ことごどく全国の国民に非常に喜ばれて、しかもまた郵政省に国民が希望しているのは1決して個人に貸そうというわけではない。この法律にも書いてある通り、公共団体に対する貸付、あるいは国債、地方債、その他に対する貸付というようなことになつている。もしドツジさんが公共団体の貸付がいけないということであれば、われわれは修正する用意も十分あるわけであります。決して大蔵省資金運用部だけが運用して、これが有利になるかならぬかという問題ではない。またそれに持つて行かなくては、事業自体の振興のため、健全な発達のためにプラスするものではない。ところが一方郵政省が行わない限りは、事業自体に致命的打撃を与える。ですからわれわれはそういう立場に立つて、実は議論を申し上げているわけであります。簡易保險局か、あるいは郵政省自体がこれを運用することが、どうしてドツジさんのこの有利、確実な運用にそぐわなくなるか、その点についての具体的な銀行局長の御答弁を求めます。たとえばこういう事態が出て来るから、こういう危險があるとか、ないとかいうことはあろうと思います。
○舟山政府委員 ただいまの点につきましては、やはりこういう資金のようなものは一つところに集めて、これを総合的に運用を考えた方が効果的である、むだもないということになるのでありまして、私どもの考えからいたしますれば、この新法律案の第七条の文句は、簡易保險でやつて来られたようなことであるということであれば、こちらに御統合になつてもさしつかえないであろうということをむしろ申し上げたいのであります。
○石原(登)委員 私はその資金の運用を統合することによつて、国家的に見て最良の効果が收められるということであれば、郵政省がぶつつぶれようとも、簡易保險がなくなろうとも、決して意に介しません。しかしながら従来の経過から見て、また今郵政省側が主張しているところから見ても、決してドツジ書簡の趣旨に反してやることではない。また郵政省がいわゆる国家的な資金運用の計画にそぐわないで、自由奔放、かつて気ままに運用してもよいというのではない。この問題については事務当局とたびたび折衝されておわかりだと思いますが、郵政省側としては、また国民の意向としては、大きな資金の運用については、当然大蔵省の指示に基いて、それに協調してやつて行くべきだと思つている。またそういうことをわれわれもたびたび本委員会あるいは国会を通じて、大蔵省側にお願いしている。ですからひとり簡易保險が、あるいは郵政省が直接運用しようがどうされようが、このドツジさんの基本方針に反しなければ、一向さしつかえないものと私は考える。どうして簡易保險にやつたらいけないか、あるいは郵政省がやつたらいけないかという理由が全然示されないで、ただドツジ書簡によつて一元的に統合運用しろと、その文字だけに拘泥して、どうして一元的に統合運用しなければならぬかという理由については、不幸にしてわれわれはドツチさんに問う機会がない。しかも皆さんはこの問題について法案を用意されるのだから、その理由についてもつまびらかにしておかなければならないにもかかわらず、その理由が少しもわからない。そして国民の意思を踏みにじり、しかも国民に大きな影響を持つ簡易保險事業の経営が危胎に瀕しても、あえてこれを行わせる、このことについて私はまつたく了解に苦しむ。しかもこの問題の解決策として、一番先に考慮されなければならないのは——資金を運用する金の入つて来るのは、この事業が存在するからである。この事業が存在しなければ、角をためて牛を殺すようなものである。少くともこの問題を本質的に検討するにあたつては、簡易生命保險の事業が、あるいは郵便年金の事業が、ほんとうに正しく今後も進展できるかどうかという検討が加えられなければならぬ。聞いてみると、そういう問題はひとり郵政省まかせだ。ところが郵政省側では、それでは絶対に運用ができません。絶対に事業の振興も発達も期せられません。責任がもてませんということをたびたび言つている。しかもこの問題は、次官会議においても前後三回にわたつて協議されて、実は事務的に何ら妥結に至つていないということを聞いているにもかかわらず、これを強引に大蔵省側は推し進めて行こうとしている。もしその結果事業が行き詰まつて、立ち行かなくなつたら、この責任はだれが持つか、この問題について銀行局長の御答弁を聞いておきたい。
○舟山政府委員 簡易生命保險の運用については、関係当局で多年の経験もお持ちでありますし、また御研究も進んでいると思いますが、私どもから見ますれば、どうしても資金を地方に還元して、それをえさにしなければ、保險の進展が期し得られないというふうに思うのであります。それでどうかほんとうに生命保險の必要なるゆえんを徹底せしめまして、これが進展をはかつて行くべきではないか。残るところは地方還元の問題でありますが、たとえば預金部あるいは資金運用部に集まつて参りましても、これは地方債で引受け、その他で十分にかつ全国的に合理的に地方還元を実行しているわけであります。それから簡易保險と同じ気持でやるならば、資金運用部でやらぬでも、簡易保險にやらしてもいいではないか、こういう御議論もあつたようでありますが、大体郵便貯金その他の問題につきましても、政府の余裕資金は財政金融を担当しております大蔵省に一括まとめまして、そして財政政策、金融政策との関連をはかりつつ運用した方がいい、大体こういう趣旨であろうと思うのでありますが、私はそのゆえにやはり簡易保險の積立金につきましては、資金運用部に統一することは適切であると考える次第であります。
○石原(登)委員 実は私のお尋ねしていることと、答弁の内容が非常にちぐはぐになりまして、今度私の方が理解に苦しむのであります。私は一元的に運用して行くのだというドツジさんの書簡の文字はわかります。文字ははつきりよくわかります。ただその理由がわからないから、その理由を聞きたいのであります。しかもどうしてしつこく聞きたいか、そういうことは聞かなくても、私も事務屋でなく、政治家ですから、大体これは国民のためになると思つたならば、すなおに了承するのですけれども、これはどう考えてみても、そういうふうに運用するのは国民のためによくはならぬ。あなたはえさにして云々ということを言われるけれども、事実保險の募集とか、貯金の奨励について、郵政省の従業員がどのように苦労しているかということをあなたは御存じないから、そういうことを言われるのだろうと思います。今でこそあなたはかつてなことを言われるけれども、戰時中のひどいときには、空襲下に郵政省の事務の数万の諸君は、どのような危險を冒してこの事業の発展のために努力したか、しかもその努力が国家的にどのような貢献をしたかということは、申すまでもなく御存じのはずなのであります。そういうような一連の考慮も払わないで、文字の上でもつて、一省にまとめてやるからこうだというような答弁では、とうてい承服できない。しかし銀行局長がそういうお考えであれば、これはいくら言つたつて問題になりませんから、これ以上私申し上げません。 委員長に私特に要求しておきますが、この問題は事務の局長にいくらお聞きしてもわかりませんから、私の質問は保留いたしておきます。
○舟山政府委員 ただいまお話のうちに、私の方で数多くの郵政関係の従業員諸君の労苦を考えもしないというお話がありましたけれども、そういう御苦心に対しては、国民保險の勧誘等に伴う御苦労ということについては、決して軽く見ていることはないのであります。ただ資金運用の理論といたしまして、やはり国家的に統一して運用すべきである、こういうことを申し上げたのでありますから、第一線の御労苦を軽く見たというふうにおとりくださつては、ちよつと迷惑に存ずる次第であります。
○石原(登)委員 銀行局長がそうおつしやるならば、私はあえて議論しますが、私はそういつた根拠があるから申し上げる。なぜかというと、あなたは理論々々とおつしやるが、もし郵政省が従来の通りの運用でやつた場合、今のドツジ書簡のどの条項に触れて、どのように国家財政に響くか、そういうような事情をあなた方が明らかにされないから私は申し上げておる。それが明らかにされて、郵政省のやり方が究極において惡いということであつたならば、保險の募集に苦労をしようとも、どんな困難をしようとも、われわれは郵政従業員を叱咤激励して、その事業に一生懸命に奔走させる、あるいは努力させようと考えておる。あなた方はそれを理論的にどうだこうだと言われるから申し上げるのだ。第一線の郵政事業員は非常に苦労しておる、これはりくつじやなくて、事実なんです。学校ができて、橋ができるのですから、貯蓄を兼ねて、こういう保險に入つてください、あるいは貯金をしてくださいといつて、非常に努力しておる。そういう資金が積り積つて、今日大きな国家目的のために活用されておるこれが預金部資金のほとんど七十%に及んでおる。この苦労に対しては、ひとり大蔵省だけではなく、国家的に非常に感謝しなければならぬ問題だ。そういうように郵政従業員が苦労されておるのであるが、それを元の通り郵政省に還元してもらうならば苦労が幾分でも緩和されるのだ、しかも成績が上る、貯蓄の増強もできる。国家資金の運用の面に全然何の支障もない、ドツジさんの書簡の趣旨にちつとも反するものでないというならば、何もそういうことをさせる必要はないじやないか。そういう面をあなたの方で明らかにされないから、あえて申し上げたわけです。ただいまの御説明をずつと聞いておりましても、どうしても御説明の趣旨が私どもにはよくわかりません。これは事務的の御説明であろうかと思いますが、事務的の説明にしましてもわからない。あなた方が簡易保險事業を立ち行くように指導してみせる、それだけの責任を持つと言われるなら別だけれども、事実そうじやない。現に三十万の従業員諸君は、それではとうていやつて行けないということは明らかである。少くともこういう問題について考慮が払われていないから申し上げておるのであつて、私は決してあなたに迷惑をかけておるとは思つていない。私の確実な認識のもとに言つておるのです。これは明らかに申し上げてもさしつかえないと考えるのであります。 なお郵政次官にお尋ねいたしますが、少くともこういう各省間にわたります問題について、一方的に取扱われたというような事例が、過去にあるかどうか。端的に申しますと、明らかにこの法案は人の地場荒しだと思う。こういう言葉を使うことはあるいはいけないかもしれないが、これは明らかに郵政省の所管である。郵政省設置法の中にも、積立金運用の問題は明らかに郵政省の事業となつておる。ところが今度大蔵省は、簡易生命保險法の六十九条を抹消されるという考えであるが、少くともこういうような問題については、一応事務的に相談してしかるべきだ。それを何ら相談もせぬで進められるということは、われわれは何か妙な感じを持たざるを得ない。もし大蔵省が、そういう点についてはきわめて公明正大にやつたのであるというならば、当然郵政事務当局に対して、こうこうこういう次第だからこうしたいというあいさつがあつてもしかるべきである。それを次官会議の結論を得ないままで、強引に閣議に持ち込まれ、しかも国会を無視し、国民の考えも無視する。そうしてただ無視しないのは、ドツジさんが書かれたものだけだ。われわれはドツジさんの精神は尊重する、その趣旨もその通りだと思う。しかし問題の解釈については、大蔵省側と違うものがあるということを申し上げる。そこで郵政次官にお伺いしたいのでありますが、郵政省側に十二分の御相談があつたかどうか、その問題と、さらにこういう事態になつた場合、今後の簡易生命保險の事業経営に十二分の責任を持つて運営ができるかどうか、その問題についてお尋ねいたしたい。
○大野政府委員 各省にまたがる関係につきまして、事前に十二分の連絡なしに、ある一省だけで單独に事を進めろというようなことがあるかという第一のお尋ねでございますが、御承知の通り各省に関係のある事柄につきましては、十分連絡をとつて案を固めるというのが、従来の慣行でございますし、将来もまたかくなければならぬと考えております。 次にお尋ねになりました本件についてはどうであつたかということでございますが、御承知の通りこの問題につきましては、すでに久しきにわたりまして、大蔵省当局と郵政省との間におきまして、種々話合いをして参つた問題でありまして、きのうきよう忽然として起つた問題では決してございません。ことに先ほど来いろいろのお話にも出ております通り、昨年の暮れ、すなわちドツジ・レターの出ます直前におきましては、大蔵次官と私との間におきまして、運用の一部再開についての細目協定が事実上でき上つておつたわけであります。それに対して昨年の十一月末に、突如としていわゆるドツジ・レターが出たということは、当然われわれにとりましては重大な関心事であります。従いましてこれはどちらからということではございませんが、われわれといたしましてはすでに事務的の折衝連絡を続けまして、このレターに基くあとの取扱いが、いかが相なるべきかということにつきましては、常時連絡をとつて参つたのであります。ただこれを裏づけますものといたしましての資金運用部資金法案自体につきましては、大蔵省御当局におかれましてもいろいろと御苦心をなさつたものと見えまして、成案を得られるまでにはかなりの時間がかかつた模様でございます。しかも一方におきましては、国会にぜひとも提出して成立を期さなければならぬという関係上、成案ができるとすぐにも、それを閣議に提出せられまして、政府案を確定して、国会提出の運びにしなければならないというような御事情があつたものと私は想像をいたしますが、成案ができると——政府内部の事務的な手続を申しましてまことに恐縮でございますけれども、事務的の順序からいたしますと、閣議に提出せられます前に、次官会議に提出せられるのでありますが、その次官会議に提出された同日に、われわれの方に成案の正式な会議があつた次第であります。もちろんただいま申し上げます通り、その以前におきましても常に連絡を保つておりましたが、成案が固まりませんために、最後まで完全なる法文の案を拝見する機会がなかつたのでございます。これはいろいろ大蔵当局に御事情のあつたことと想像されますが、多分次官会議提出の目に、私は次官会議の席上、初めて成案の全文を拝見いたしました。そのとき大蔵当局から、われわれの方にも正式に会議の手続をとられたのでございます。以上のような成行きに相なつておるものであります。 最後にお尋ねになりました運用の問題を今日のごとくいたして、はたして保險年金事業の運営の全きを期することができるかというお尋ねでありますが、遺憾ながら私どもは、戰争中途から始められた一種の非常的措置は、あくまでも臨時の措置であるというふうに了解いたして、今日に経過いたしておるような次第でございまして、そういう形は保險事業、年金事業本来の運営の上から申しますれば、あくまでも変態のものでありますから、これを常道に返すことが、事業を本来の円満なる運営の姿に返すゆえんであり、かくするごとによつて初めて、事業の十全の運営を期待し得ると考えておるものでございます。私どもといたしましては、今回の措置につきましてもいろいろ意見はございますが、これらの点はこの際は差控えまして、簡單にお尋ねになりました事柄だけに対する御答弁をこれで終ります。
○石原(登)委員 ただいまの郵政次官の答弁を聞いておりましても、この問題の運営いかんは、国家的にも、また政府事業としても、たいへんな問題を来すということが予見できますし、また大蔵省側にいろいろ急がれる事情もあつたろうと思いますが、事務的な折衝においてもかなり粗漏な点もわれわれは承知できる。しかもこの問題はくどいようでありますけれども、たびたび国会においても決議された問題でもあるし、これはなかなか簡單にはできない。問題はドツジ書簡の解釈いかんですが、端的に申しますと、資金運用部資金法を制定するにあたつて、何ら考慮されない。これは大蔵省側の独自の見解に基いて、この法律をつくられた。ところが実質的には、国民生活にも、日本の大きな経済にも、このドツジ書簡の解釈のいかんが、大きく影響する問題であります。これはただ單に簡易生命保險事業あるいは郵便年金事業の将来の発展というだけでなしに、全体の日本の経済にも大きな問題があると思いますので、この問題についてはいずれあらためて、私どもは十分に討議いたしたいと思います。せつかく銀行局長の御出席でありまするけれども、銀行局長との間の質疑は、これ以上は無益かとも思いまするので、私の質疑は後日大蔵大臣の出席を求めて継続いたしたいと思います。 最後に、大蔵大臣がこの席に見えておりませんから、嚴重に銀行局長からお伝え願いたいと思いますことは、こういう問題に対しては、国会は容易に承知できない問題である。先ほどあなたにお尋ねいたしまして、どうしても並行線をたどつておりました問題の解釈が、われわれ国会の立場において十二分に了解されない限りは、一方的に事を運ばれてもむだであるということを、ぜひ御伝言願いたい。私の本日の質疑はこれで打切りますが、なおこの問題については非常に重大でありますから、郵政第一線の従業員を参考人として御召喚願つて、そういう諸君の努力と今日の事情、将来の事業運営上の意見も徴せられて、悔いを後日に残さないよう、慎重な御審議を特に委員長に希望しておく次第であります。
○飯塚委員長代理 きわめて近い機会においてさようとりはからいます。
○舟山政府委員 ただいま大野次官から、本法案は次官会議に提案せられると同時に、事務的に連絡があつたというお話でございましたが、この法案は、主要部分の運用方法等について、なかなか固まらない。たとえば金融債を引受けます場合に、市中の消化率と資金運用部で引受ける率との問題等、いろいろ最後まで固まらなかつたので、完成したる法案としては比較的おそくお目にかけたかもしれませんが、長い間の郵政省と大蔵省との問題もありますので、問題になりました点は、いつごろでありましたか記憶しませんが、私は事前に申し上げておる、事務的にも連絡いたしておる、特に司令部とその箇所についての打合せもやつたという事実がありますので、この点は私の方といたしましては、十分の連絡をとつておつたということを御了承願いたいと存じます。
○吉田(安)委員 私はごく簡單に局長に一点お尋ねいたしたいと思います。ただいま同僚石原君から、繰返し重要な点について、詳細にわたり質疑応答いたしましたから、その点は差控えます。ただ私としましてどうにも割切れない問題が一つある。それは平素温厚な舟山さんが、今日は非常に強気で答弁しておられる。しかもそれが何だかドツジ書簡をたてにとつて、返答されておるように聞えます。もう少し皮肉な言葉でいえば、ドツジ書簡のそでに隠れて改組されるかのごとき感じがすることです。ドツジ書簡が来たからやむなくこうされたのであるか、あるいはさつき石原君に御答弁があつたように、ドツジ書簡前から、統合した方が運営上よろしいと思うておつたのが、それがドツジ書簡が来たから、これ幸いと便乘してこうなざるのか。なぜそういうことを聞くかといえば、これは容易ならぬことであつて、まかり間違えば国会無視の傾向が現われておるじやないか、こういうことまでも言い得られるのであります。と申しますのは、御承知の通りこの問題はすでに国会でも全会一致決議をいたしておる。 〔飯塚委員長代理退席、委員長着席〕 それに基いて今日までこの還元運動が繰返されておつたことは、舟山さんも御承知の通りである。それほど国会で決議をしたことは、一面から申しますと、地方的には、全国の都道府県会議長会議あるいは全国の町村長連合会、こういつたところの声が集結して、これが衆参両院に反映して、そこでそうすべきだという、これは決議です。これは動かすべからざる国民の決議なのです。でありますから、当局はこの決議に基いて、それを実現することに努むることが、私は国会を尊重するやり方でなくてはならないと思います。しかるにあなたが最前石原君の質問に対して、ドツジ書簡が来る前から、局長の御意見なり御思想なりは、そういう決議はあつたが、やはりこつちの方がいいのだという気持に動いておられたのではないかという感じがいたします。これは私は容易ならぬことだと思う。考えるだけなら、これは自由であるから、どうお考えになつてもよろしい。しかるにドツジ書簡が来たから、時乘ずべしというようなかつこうで、一にも二にもこの書簡でなくてはならない、この書簡でいたし方ないというふうなことでやられたような感じがするのであります。だからその点は、ドツジ書簡が来たからやむなくされたのかどうか、この点ひとつ明らかに御返答を承つておきたいと思います。
○舟山政府委員 私は本日特に何も強いことを申し上げておる気持はないのでございまして、かつドツジ氏の覚書というようなことも、自分の意識といたしましては、できるだけ引合いに出さないようにお話申し上げておつたつもりでありますが、お耳ざわりになりましたことは遺憾に存じます。ドツジ氏の覚書のそでに隠れて事を運ぶのだというような気持はないのでありまして、ドツジ氏の覚書その他司令部の意向と日本の政治との関係の、普通の一般的な関係以上に、私は何もドツジ氏の名前を引出しているということはないのでございます。 それから、もう過ぎ去つたことでありますが、院議がきまつてからも、それに従わなかつたとか、あるいはそれに抵抗しておつたのではないかというお尋ねでございますけれども、院議できまりますまでに、大蔵省と郵政省との間に論争あり、いろいろの懸案が片づかなかつた事実があることは、御承知の通りであります。大蔵省の人間といたしまして、個人的にそういう資金の統合運用を是とするという考え方を持つておることは、これはお許し願えることと思うのであります。しかし院議がきまりました後におきまして、国政の一端を実施する職務を負う者といたしまして、その線に沿うて忠実に働いておつたということも、これはわかつていただける方にはわかつていただけると思うのであります。
○吉田(安)委員 今了承のできる答弁を得ましたが、局長としてもお心苦しい御答弁ではないかと考えます。もしもそうでなかつたならば、これは私たいへんな結果を招来するのではなかつたかと、実は非常に憂慮したのであります。この問題は、今郵政次官から内部的なことを御答弁になつたのでありますが、さだめし不本意なことであらせられたと思うのです。しかしそれを聞きましても、やはり大蔵当局がこの問題をここまででつち上ぐるについては、そういう点でも相当に至らなかつた点がありはしないか、こう考えております。私は大蔵当局のやられ方をいささか遺憾に思つております。ただこれが小さいことにわたりましては、いずれ、局長に申し上げてもこれはどうかと思います。のみならず、石原君から詳しい質問があつたのでありますから、時間の関係上差控えます。しかし一言申し上げておきますことは、おそらく私は、この問題を今それほどの決意をもつてやられても、とうていこの法案通過ということはこの議会では疑わしい。おそらくできますまい。これは断言してもはばからないと考えるのであります。だからこれは今からでも、何とか方法はないものかということも考えらるるのです。いずれこれは大蔵大臣にももちろん出席を願う。大蔵大臣で足らぬであつたならば、吉田総理でも御出席を願う。そうしてこの国会で決議した国会の決議をどう取扱われるかということで——なるほど占領下でありますから、そこには弱みはあるに違いないけれども、一にも二にも占領下々々々、だからといつて彼らの言うことには一から十まで服従、盲従する必要はないと思う。今日国会が開かれてもう六箇年もたつておる。であるから国民の意思の向うところはどんどんつつぱつて、どんどんこれを主張してよろしい。それは何も国会だけでなくて、政府当局もそうあつてしかるべきだと思うのです。でありますから私が遺憾に思いますことは、ドツジ書簡が来たからいたし方がないということで、私はそのまま何もそれに盲従する必要はさらにないと思う。おつしやる通りこれを統合して行つて、そうして大所高所から大きな眼をもつて、その資金の運用をなさろうという、この大蔵当局の御意見は尊重いたします。しかあつてよろしいと考える。しかしながら物にはおのおの特殊性というか、特異性がある、本問題のごときは特に特異性のある問題ではないかと私は考える。こうした場合には、その特異性を無視して、ただ理想一点張りに行くということになると、そこに何が生ずるかということも、局長におかれましても十分御了承をお願いいたしたいのであります。多くを申し上げない。ただこの次には大臣も見えましようし、大臣で足らないところは総理にでも来てもらつて、そうしてこの国民の意思、国会の決議の意思だけは——ほかのことは存じません。これだけは政党政派を別として、徹底する必要がある、か、ように考えます。
○降旗委員 ただいま議題になつておる問題は、これはきのうきよう起つた問題でなくして、すでに長い間の問題であります。銀行局長の答弁を聞いておりますと、この問題については、私どもが今まで了承しておりました点について、重大なる食い違いがあります。そうしてドツジ書簡についての銀行局長の御信念についても、私どもはなお十分に問いただす余地があると考えております。従つて今御答弁になりましたような方式で、この資金運用部資金法案というものを、国会を通過せしめようとなすつても、それは国会において重大なる支障にあうものである、このことだけはどうか御了承願つておきたいと思います。 次に、簡易生命信險並びに郵便年金積立金の運用は、事業本来の建前上、事業主管庁たる郵政省みずからがこれを行うことを原則とする観点から、前回の委員会においても、ただいまの委員会におきましても、この資金運用部資金法案に関連いたしまして、各委員から熱心なる質疑並びに御意見が述べられたのでありまして、これは私のみならず、全委員諸君がともに同感を感ずる点だと信じております。元来郵政省における右積立金の運用再開に関する国民の要望は、すこぶる熾烈なものでありまして、今日まで引続き、全国都道府県会の議長会議の決議とか、あるいは府県自治会議の申合せ決議とか、全国市長会議の決議、あるいは全国町村長大会決議等によつてなされておるのでありまして、そのほかに、右に関する衆参両院に対する請願、陳情は、第二回国会以来八百二件の多数に上つておる実情であり、かつ第五国会においては、本院において同趣旨の決議を満場一致でしておるのであります。なお右決議後におきましても、すでに両院を通じ七十七件の請願、陳情を、いまなお数えておるというありさまでありまして、かくのごときは、この問題がいかに国民の熱望と注意を浴びているものであるかということを、立証しておるものと申さなければなりません。もしこの問題をひとたび取扱いをあやまちまして、郵便年金あるいは簡易保險の事業が、衰退、崩壊するようになつたといたしましたならば、その影響するところ決して看過することのできぬものである、このことを御注意願いたいと思います。従つて私は、簡易生命保險及び郵便年金積立金の運用に関して、次のごとき要望書を本委員会が満場一致をもつて決議し、委員長はこの要望書に基き、大蔵委員長にその意見を申し込まれまして、適宜の処置をとると同時に、院議と国民の要望にこたえられんことを希望せざるを得ません。そこでただいまその要望害の案文を読んでみますから、どうかお聞取り願いたいと思います。 要望書 今次国会に提出を予定されている資金運用部資金法案については、第五国会における簡易生命保險及び郵便年金積立金の運用に関する決議の趣意を尊重し、政府は左の措置を講ずべきである。 一、簡易生命保險並びに郵便年金積立金の運用に関する基本規定(簡易生命保險法第六十九条、郵便年金法第四十二条)を存置すること。 二、簡易生命保險及び郵便年金積立金の運用にかかる有価証券及び貸付金については、引続き同特別会計において管理するものとすること。 右要望する。 すなわち以上は、決してかたきを政府に強要するものでなくして、本問題の本質より見て、当然のことと思うのであります。幸いに委員各位満場一致の御賛同をお願いいたしまして、ぜひともこの目的を貫徹するようにしていただきたいと思います。
○石原(登)委員 私はただいまの降旗委員の要望決議に対して、私の意見を若干申し上げたいと思います。 降旗委員は国会でも非常に、何といいますか、穏和な人でありますから、またその主張もきわめて穏和でありまして、実は私どもから言わせると、そういう決議は決議しないのがあたりまえのことであつて、私に率直に言わすると、ぬるいような感じがする。私どもの主張は、また国民の主張は、常にこれは郵政省に返せというのが従来の主張であつて、この主張は今日もいささかもかわつておりません。今の降旗委員の御主張は、何か大蔵省で用意されておるところの資金運用部資金法に、よほどこうでいなさつておるようでありますが、私どもは、この法案がまだ提出にもなつておりませんし、今の考えでは、きわめて乱暴しごくな法案を用意したものだと考えておるのであつて、先ほども吉田委員並びにただいま降旗委員が言われた通り、こういう法案が国会に何十回提案されても、その措置はきわめて明らかであります。ですから今の降旗委員の、何か妥協的な条件のようでありますけれども、われわれは断じてそれだけでは了承できないのであつて、大蔵当局としては、この資金運用部資金法については根本的に——くどいようでありますけれども、ドツジ書簡のほんとうの趣意をもう一ぺんお練り直しになつて、またわれわれは本委員会において、大蔵大臣に対して十二分にこの問題に対するところの見解その他についてただします。その上で、この問題は多年の問題でありますから、明らかに解決したい、かように考えております。どうか委員長はそういう趣旨で、ただいまの降旗委員の提案はおとりはからい願いたい、かように考える次第でございます。
○降旗委員 ただいま石原委員のお話はごもつともと存じます。但し私の申しましたのは、この資金運用部資金法案というものが、すでに次官会議にも提出されて、閣議に提出せられることがしばしば延期されておるという実情について私は申し上げるのでありまして、先ほど石原委員の申されましたごとくに、かくのごとき法案が出ないならば、われわれが防止することが絶対にできるというならば、私はそれを否定するものではありません。しかしながらかくのごとき法案が必ず閣議に提出され、しかも大蔵委員会においても、郵政委員会においても、論議の的となつておるという現実の事実につきましては、この問題をいかに処理するかということについて、私がただいま申し上げたような案を提出したのであります。従つて、なるほどこれを阻止することができるならばけつこうでありますが、現実の問題として、両委員会の問題となり、閣議の問題となつておるとするならば、私はこの問題に善処するために、ただいま申しましたような要望事項を全会一致これを決定して、大蔵委員会と連合審査をする準備を委員長みずからがとられるということが、最も実利的な方法である、かように考えて申し上げたのでありまして、私は何もこの法案におじけづいたわけではございませんし、この法案の通過を阻止するごとに反対するものでもありません。しかも現状に印して、かくのごとき手段方法を講ずることが最も実利的である、こういう考えで申し上げたのでありますから、どうか石原さんも、御意見はごもつともでありますが、まげて御賛同を願いまして、この郵政委員会と大蔵委員会の連合審査によつて、その委曲を尽して、この法案に対するわれわれの考えを目的完徹せしむるように御努力を願いたい、こういうような意味であります。
○高橋(等)委員 資金運用部資金法案関係の扱い方について、ただいま降旗さんから御提案があつたのでありますが、その提案をどう取扱うかという心固めのために、いま一度、くどいようですが、銀行局長に一点だけ御質問申し上げてみたいと思います。と申しますのは、私は先ほど日本の経済がある程度安定いたしまして、資金統制の必要がある程度緩和された場合においては、簡易保險並びに郵便年金の積立金の運用は、これを事業を経営する主体にまかす御意思があるかどうかということを御質問を申し上げましたところ、先のことは言えないという御答弁であつた。先ほど来各委員からそれぞれ詳細にわたつて質問をされておりまして、御答弁を聞いておりますと、まあ先のことは御答弁できないが、少くともそういう状況が出て来た場合は、院議を尊重して、その趣旨に従つてやつて行くのだということを、この際御回答願えるかどうか、この点をひとつ御質問しておきたいと思います。
○舟山政府委員 私どもといたしまして、国の最高機関であります国会の御意思に従つてのみやるのであつて、それを尊重しないなどということは、言えた義理ではございません。私が先のことはわからぬと申し上げましたのは、私どもとして、これはごく一両年の暫定的な措置として考えているということではないのでありまして、現在の資金運用部の制度を確立しようとしてやつているわけでございます。ただいま御質問のありました将来院議ができた場合に、それを尊重するかどうか……。少し趣旨の不明の点がありますから……。
○高橋(等)委員 私が質問申し上げている要点は、このドツジ書簡につきましても、もちろん検討の要がありますが、大蔵省の方では、資金統制の必要が現在あるというのでおやりになつておるが、状況が緩和して来る場合におきまして、院議をどういうようにお扱いになるつもりであるかあなたのお考えを承りたい。これはこの資金法を通すか通さないかうという上において、重大な問題になろうと思うから、お尋ねするのであります。降旗さんの御提案にも賛成するかしないかというキー・ポイントと考えております。
○舟山政府委員 伺いますれば、事務当局の御答弁申し上げる限りでないように存じます。
○飯塚委員 先ほど来の議論を伺つておりますと、前から資金を一本にして運用する方がいいという御議論である。これは数年前も現在もかわりのない大蔵事務局としてのお考えであろうと私は思う。二十四年以来私が郵政関係の委員をして、また党においてもその仕事を分担しておりますが、二十四年に大蔵当局と郵政当局とにおいでを願つて、政務調査会において御相談を願つたことがあります。そのときには、政務調査会においても、郵政と大蔵部会から代表が出て、大蔵当局と郵政当局との担当官にも御出席を願つて、御講義を願つて、しかもその結果として、この運用を郵政省に返すという方向に向つて、どうすればいいかという問題について、大蔵当局において結論を出してくれるという約束になつて話が進んだのであります。ところがこれは二十四年でありますが、その後何らわれわれにも通告がなく、郵政当局についても、大蔵当局からその点に関する結論は出してくれないというお話でありますこれは結局先ほど来の銀行局長のお話の、資金運用は大蔵当局において一本にしてやるのが一番いいというお考えから、これをだんだん延ばしておつたのだと私は考えざるを得ないのであります。もしこの法案に対する今度の新しい法案が出る場合におきましても、そういうようなお考えであれば、同僚委員からもいろいろお話があつたように、あまり好ましくない結果になるのではないかと私も考えるのであります。この点十分お考えのほどをお願いしたいと思いまして、特に三年前からのことを持ち出した次第であります。この点特に御留意せられんことをお願いいたします。
○石原(登)委員 私は、私の所見を申し上げまして、ただいまの要望に対して賛成したいと思います。先ほど申し上げました通り、私はこの資金運用部資金法という法律は、降旗君は党の長老でもありますし、また大蔵省の立場もいろいろ考えられてやられたようにうかがわれたわけであります。私はなはだ遺憾ではありますが、この要望の趣旨はまた了承できる点もありますので、この決議に対しましては、委員会で御賛成を得まして、決議いたした方がしかるべきだ、かように考える次第であります。
○高橋(等)委員 ただいま降旗委員からの御発言の点でありますが、御発言の中で、積立金運用関係の大十九条、郵便年金の四十二条を存置するということでございますので、そういうことができれば、——降旗君にそういうことができるように御相談を願うことといたしまして、賛成をいたします。
○柄澤委員 ちよつと決議いたします前に、提案者の方に御質問したいと思います。そういたしますと、結局これは大蔵省の預金部資金運用特別会計法というものが、大体において出るものとして、仮定の上においてそういうことがきめられて行くというふうに解釈してもよろしいのでございますか。
○降旗委員 これは私が先ほど申し上げましたように、出るものか出ないものかわからぬものならば、私どもこういうことを事前に申し述べる必要はないと思います。国会の時期の問題もありますし、先ほどの銀行局長の話を聞いておりましても、あるいは郵政次官の話を聞いておりましても、緊急であるということでありますから、そこで現在議論になつており、現在周囲の状況から考えてみて、この問題についての先手を打つて、大蔵委員会に、郵政委員会の立場はこういう立場であるということを表明しておくことが、この事件を処理する上からいつて妥当ではないか。先ほど大野次官に対する石原委員の質問にもありましたがごとく、はたして大蔵省と郵政省との間に連絡があつたかどうかというような問題について考えてみましても、私どもは、この一線だけは断じて郵政委員会は引くわけに行かぬ。もしこの一線を破ろ場合には、議会においてこれを否決する、こういうかたい決心をもつて、事前に大蔵委員会にこのことを申し述べておくことも、なるほどりくつの上からいえば、手続においていろいろ文句がありましよう。しかしながら現実にもう議会内の問題となり、郵政委員会は二回にわたつて委員会を開いて、論議をしているという現実の事実に基いて、私は決してその方法は間違つたものではない、かように考えております。
○受田委員 今の降旗さんのお説は、当然この法律案は出されるものという、実現の可能性があるという前提のもとに、これを事前に通達し、十分意思表示をしようということと思いますが、法律案の手続の上からいえば、そういう法律案が出されても、それが国民のために幸福でないというならば、その法律案に盛られた問題について、これを阻止するというようなことが妥当だと思います。しかし今の問題は、国民的な大きな不安に持ち込まれた問題であるから、非常事態だという意味でお出しになつたと思いますが、ここでそれをきめる前に、舟山局長さんにちよつと関連して伺いたいのですか……。
○池田委員長 受田君に申し上げますが、政府委員への質問は打切つてください。 ちよつと速記をとめて。 〔速記中止〕
○池田委員長 速記を始めて。
○柄澤委員 大蔵委員会は、この前も一般会計から三十五億繰入れの場合に、何ら郵政委員会にお諮りにならないで、独断でおやりになつたが、こういうことが今後ないようにという申入れを、郵政委員会としてはやるべきだと思います。大蔵委員会は、郵政関係についての法案なども、委員会にも委員長にも相談しなかつたのではないかと思いますので、そういうことのないようにすべきだという申入れを、まずすべきであろうと思います。こういうことは、少し立ち入り過ぎるのではないかと思いますので、その意思を抗議とか、要望とかいう形ではつきりしておくのが、当委員会として、今やらなければならぬことではないかと思います。また大蔵大臣でなければ、責任のある御答弁をいただけないような今日の状態では、ことさらただいまのような降旗委員の要望書をここで決議いたしますことは、少々軽率ではないかと考えるわけであります。この点皆様の御賛同を得たいと思います。
○降旗委員 大分議論がありますので、私の方から妥協案を出します。先ほど申しました簡易生命保險並びに郵便年金積立金の運用に関する基本規定、すなわち簡易生命保險法第六十九条、郵便年金法第四十二条を存続すること、簡易生命保險及び郵便年金積立金の運用にかかる有価証券及びこれの貸付金については、引続き同特別会計において管理するものとすること、この二点が確保されますならば、先ほども討議いたしましたように、銀行局長が院議を尊重するやいなやということが、まさに試金石となるものだと考えております。そこで決議などというので、私はプリントにあるからすつかり読んでしまつたのでありますが、先ほど申し述べましたように、法案未提出のうちから云々という議論も成立すると思います。先ほどの論議を見ても、私が申し述べたこの二点については、郵政各委員が同感であることだけは、事実だと思いますから、この二点を委員長から一応大蔵委員長に対して、かくのごとき問題を仄聞しておるが、この二点は、二回の委員会においてしばしば論議されたが、絶対に譲るわけに行かぬ、この法案自体を郵政委員会と無連絡で審議するということは困るから、この法案が大蔵委員会に上程された場合には、必ず郵政委員会と連絡をとつて、協議してもらいたいということを申し入れてもらうということに、ひとつ御同意を願つておきたいと思います。
○池田委員長 そうすると、先ほどの降旗君の要望書は、撤回されて、改められて提出されたのですか。
○降旗委員 そうであります。
○池田委員長 速記をとめて。 〔速記中止〕
○池田委員長 速記を始めて。
○柄澤委員 採決に入る前に、先ほどの私の発言の意思を取り入れていただけるのですか。
○池田委員長 そうです。 それではただいまの要望事項に関して採決いたします。本要望事項に関して御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○池田委員長 満場一致賛成と認めます。それではこの取扱いは委員長に御一任願います。
○受田委員 この次の委員会に、大蔵大臣に出ていただくことはもう当然のことでありますが、きよう舟山局長の言われたお言葉の中に、このドツジ書簡の内容については、批判をくだしたくないということがあつたと思うのです。この点確かにそうでありましたか。
○舟山政府委員 そう申したと記憶しております。
○受田委員 そうしますと、先ほど吉田さんの言われたように、書簡のそでに隠されるというようなことが懸念されるのですが、この点事務当局で立案された際に、大蔵大臣の意図がドツジ書簡を批判すべきではないという線でなされているのか、この点確かめておきたいと思うのです。大蔵大臣と事務当局とが特に密接な連絡をとつて、そういうような線に進められたのか、お伺いいたしだいと思います。
○舟山政府委員 御質問の趣旨がよくわかりませんけれども、先ほどお答え申し上げましたように、書簡あるいはその他の形で司令部からいろいろ示唆がある、その場合に日本政府としてこれを全部そのまま受入れているとは考えません。いろいろ意見も申していると思うのであります。そして日本政府として決定いたしました方針をとり、私ども立法その他の草案を作成しているわけであります。これで御質問の趣旨に沿いますかどうか、一応お答え申し上げます。
○受田委員 私たちとしてはこうして明らかに予算を出ざれた以上は、この書簡の内容についてこちらで立法化される場合に、十分検討を加えなければならないと思います。書簡が曲解され、少し誇大視されて、特に強い線で解釈されて、この立法化に当られた傾向が多分にある。今回のこの問題も、わいば郵政、大蔵両当局の見解の相違ということもあるし、連絡の不十分ということもあるし、さらには閣内の不統一の、総辞職に値するくらいの問題とも考えられるのでありますが、国民のこれだけ大きな声を盛つたこの問題を、なお書簡をたてにとつてやるところに、非常に私たち危惧を抱いているので、国会は書簡に対しても、国民の総意をもつてこれを解釈するという線に行かなければならない。この点を私は特に強調して、大臣がここへ来られる前に、舟山さんと大臣との御意見がよく一致しておかれるようにお願いしておいて、大臣の答弁を要求したいと思います。どうぞよろしく。
○池田委員長 それでは本日はこれをもつて散会いたします。 午後五時四分散会