法務委員会 第28号
- 発言数
- 22 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1951/05/21
会議録
○安部委員長 これより会議を開きます。 本日の日程中、司法書士法改正に関する件を議題といたします。本件につきましては、去る三月二十二日の本委員会におきまして一応の成案を決定し、去る五月七日諸般の手続を完了いたしたことにつきましては、先般の本委員会におきまして御報告申し上げた通りであります。 この際本件につきまして何か御発言はありませんか。
○花村委員 司法書士法の一部を改正する法律案に対する修正意見を申し上げたいと存じます。 この意見の提唱者は、花村四郎、北川定務、田嶋好文、鍛冶良作、押谷富三、山口好一、中村又一、猪俣浩三、田万廣文、上村進であります。以下条文を読み上げます。 司法書士法の一部を改正する法律案に対する修正案 司法書士法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。 第一条第二項、第二条から第四条の四まで、第九条、第十一条、第十二条第三号並びに第十三条第一項及び第三項の改正規定を削る。 第十五条の次に次の三条を加える。 (司法書士の報酬) 第十五条の二 司法書士会は、前条第六号の規定により司法書士の報酬に関する規定を定めたときは、これを、その所在地を管轄する法務局又は地方法務局の長を経て、法務総裁に届け出て、その認可を受けなければならない。 2 法務総裁は、前項の届出を受けたときは、司法書士会がその届出の書類を法務局又は地方法務局の長に提出した日から二箇月以内に、これを認可し、又は認可しない旨の決定をしなければならない。 3 第一項の規定による報酬に関する規定は、前項の期間内に同項の決定がないときは、その期間の経過によりその認可の決定があつたものとみなす。 第十五条の三 司法書士会の会員にならず、又は司法書士会が設立されていない区域における司法書士は、その報酬については、その事務所の所在地の司法書士会又は法務総裁の指定する司法書士会の報酬に関する規定に従わなければならない。 第十五条の四 司法書士は、その業務に関して、その所属し、又は前条の規定により従うべき司法書士会の報酬に関する規定に反して報酬を受けてはならない。 第十八条の改正規定を削る。 附則第二項から第九項までを削る。 附則第十項を第二項とし、同項中「新法」を「この法律による改正司法書士法」に改める。 附則第十一項を第三項として次のように改める。 3 前項の規定による司法書士の報 酬に関する規定について、この法律による改正後の司法書士法第十五条の二に規定する法務総裁の認可があるまでは、その司法書士会の区域内における司法書士の報酬の額は、なお従前の例による。 附則第十二項を削る。 以上の通りであります。 司法書士法の一部を改正する法律案に対する修正意見の理由を申し上げます。 第一点は、司法書士の報酬の点でありまして、改正案では司法書士会が定めることになつていますので、これを修正しようとするもので、修正の意味は、司法書士会が報酬について自主性を保持し、これを決定できますが、なお現状においては、依頼する国民の便益を考慮して法務総裁はこれを認可するものとし、その認可が二箇月以内にないときは、司法書士会の会則の通り報酬につき効力が生ずるものとするものであります。 第二点は、改正案においては、司法書士の資格は試験登録制となつていますが、これを修正し、現行法通りにしようとするものであります。しかし認可は現行法通りの認可でなく、認可に当つても軽い程度の試験が行われるものと期待し、これが認可に当つては、司法書士会の意向を聞いて法務総裁が認可するとの法務府令を新たにつくられることに期待をしておるのであります。 第三点は、改正案においては第一条第二項を削除することになつておりますが、これを現行法通りに修正しようとするものであります。その理由は、削除いたしますと司法書士の権限拡大となるといろ弁護士会の主張に、相当の理由があると認めたからであります。 第四点は、改正案においては第九条に「弁護士その他特定の資格を有する者の行う」との文句を入れることになつておりますが、これを修正して、現行法通りにもどそうとするものであります。その理由は、第一条第二項を存置すれば、必ずしも第九条にかかる文句を挿入する必要がないという弁護士会等の主張に相当の理由を認めたからであります。 以上が修正案の要旨であります。何とぞ修正案については、すみやかに御賛成、御可決の上、至急関係各方面の了解を求めて、この国会に法律として制定せられまするようお願い申し上げます。
○安部委員長 ちよつと速記をとめて。 〔速記中止〕
○安部委員長 速記を始めて。ただいまの花村四郎君の本案に対する修正意見につきましてお諮りいたします。ただいまの修正意見を関係方面に提出いたし、所要の手続をいたすことに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○安部委員長 御異議なければさようとりはからいます。 次に弁護士法改正に関する件を議題といたします。本件につきましては去る三月二十七日、本委員会におきましてお手元に配付してあるがごとき通りの改正法律案の一応の成案を得たのでありますが、去る三月三十一日諸般の手続を完了いたしたのであります。この際お諮りいたします。本案を本委員会の成案と決定し、本委員会提出法律案とするに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○安部委員長 御異議なければ本案を本委員会の成案と決定して、本委員会提出法律案とするに決しました。
○安部委員長 次に先日地方行政委員会と連合審査会を開会いたしました警察法の一部を改正する法律案について発言の申出があります。これを許します。鍛冶良作君。
○鍛冶委員 連合審査会に出席いたしきて質問した結果、いろいろ議論がありますが、最小限度二点だけを修正しておいた方がいいと思いますので、法務委員会の意思として、地方行政委員会へ修正の申出をしたい、こう考えまして、皆さんにお諮りするわけであります。 この第二十条の二、これはこの改正案の山なんですが、第二十条の二の第一項は都道府県知事は、治安維持上重大な事案につきやむを得ない事由があると認めるときは、都道府県会安委員会べ申し出て、公安委員会から国家地方警察に市町村自治警察官内へ出動することを命ずる、こういうことになつております。それから第四項では、都道府県公安委員会からも都道府県知事に対してそういうものをやれという勧告ができることになつております。そこで都道府県知事の命令というものは絶対だ。公安委員会から言つて出るのは、都道府県知事に勧告するのだから、やるかやらぬかについては都道府県知事が判断する。そこで都道府県会安委員会が自治体に行つて仕事をしようとするときには、これは第三項の「前項の場合において、市町村警察が国家地方警察から事案の処理の通知を受けたときは、当該市町村警察は、当該事案の処理については、当該都道府県公安委員会の運営管理に服するものとする。」こうなつておるわけです。そこで問題になりますのは、市町村警察が国家地方警察から事案の処理の通知を受けた、こういうことになつておるから、市町村公安委員会へ通知せぬでもよろしいのか、こう聞きますると、通知をしなくてもいいというのであります。しからばその公安委員会に通知しないで、そのあと当該市町村警察は、当該事案の処理については、当該都道府県会安委員会の運営管理に服する、こう書いてあるから、警察だけが都道府県公安委員会の運営管理に服して、公安委員会が服せぬのか、こう言うたら、これも服するのだ。もし服せぬということになりますと、都道府県会安委員会の運営管理の命令にも従わなければならぬし、市町村の公安委員会の命令にも服さなければならぬ。これは原則だから服さなければならぬ。両方に服さなければならぬ。そうすると命令が二本になつたらどうなる。これは当然服さなければならぬ。それならば前の方に公安委員会に通知しないで、警察だけに通知しておくと、命令に従えということはいかぬじやないか、おもしろくないじやないか、なぜそれならば通知をやらないのだというたら、通知をやつて意見を求めておると、そこで意見が違つたりすると応急の場合に困ることがあるから、意見を求める—意見を求めるということと通知をやることとは違う。そつちへ行くと通知しておけば、公安委員会で知つておる。しかし警察に通知して、公安委員会に通知しないと公安委員会は知らぬ。そうすると都道府県会安委員会の運営管理に従えということは、どうも非常にぐあいが悪い。通知だけならば警察へやると同時に市町村公安委員会にも通知をやる。そうしてここで運営管理に服するということは、「当該市町村警察は」、としないで、「当該市町村警察並びに公安委員会」とこうした方がよかろう、こういうことなんです。 また一つ残る問題は、自治体に入つて国家警察が仕事をするときにどつちが上位になるか、こういうことなんです。これがもう一つ残つておるわけです。これはしいて言うならば、当該都道府県会安委員会の運営管理に服するのだから、どつちを上位にし、どつちを下位にするかというようなことは、都道府県会安委員会がきめればきまるのだから、結局その点も明らかにしておいた方がいいという議論もありますが、大体そのときの議論によつて国家警察の方が上になるでしよう。地方の小さいところはそうだけれども、しかし東京、大阪になつて来ると問題になつて来る。警視庁が上になるか国家警察が上になるかということは問題になつて来る。これは「都道府県公安委員会が」となつておるから処理できると思うが、しかしこの点だけは言つておかなければ大きな問題になるのでこの修正をやつたわけです。 そこでこういうふうに直しました。前項の場合において、市町村公安委員会及び市町村警察長が国家地方警察から事案の処理の通知を受けたときは、当該市町村公安委員会及び市町村警察長は当該事案の処理については当該都道府県会安委員会の運営管理に服するものとする。これは公安委員会を両方に入れて明瞭にさせよう、こういうことなんであります。 あとは字句の修正ですが、五十四条の二、これはわからぬものを書いてある。しいて説明を受ければ、ああ、そうかと思うのだが、原案はこういうことになつておる。「国家地方警察と市町村警察及び市町村警察は、相互に、犯罪に関する情報を交換する」となつておる。それがわからぬ、これはどういう意味かと言つたら、国家地方警察と市町村警察の間並びに市町村警察間の相互の間においては情報を交換する、こういう意味だというから、それならなぜそういうことに書かなかつたかと言つたら、そう書けば上手だつたが、これは書き方が下手なんだ。それで何のことかわからない。わかるようにするために国家地方警察と市町村警察との間並びに市町村警察相互の間において犯罪に関する情報を交換する、これなら問題なくよくわかる。この二点を出した方がよい、だろうと思いますので、皆様の御同意を得ますれば提出いたしたいと思います。
○安部委員長 ただいまの鍛冶良作君より御提案になりました警察法の一部を改正する法律案に関する修正意見について御発言がありますか。
○田万委員 ただいまの鍛冶さんからのお話、よくわかつたのです。それよりもう一つ大きな問題として、第二十条の二項によれば、「都道府県知事は、治安維持上重大な事案につきやむを得ない事由があると認めるときは、当該都道府県内の区域内の市町村警察の管轄区域内における当該事案を国家地方警察に処理させることを当該都道府県公安委員会に要求することができる。」 という条文があります。なおただいま鍛冶さんからもお話がありましたが、都道府県会安委員会は都道府県知事に対して第一項に規定する措置をとることを勧告することができるという点がある。私、思いまするのに、治安維持上重大な事案につきやむを得ない事由があるということを認める場合は、あるいは都道府県知事のみならず、都道府県会安委員会の諸氏もともそれに治安維持上重大な事案につきやむを得ないという事由を認める場合に限つて、かようなことができることが正当な行き方ではないかと思う。従いまして「都道府県公安委員会は、都道府県知事に対して第一項に規定する措置をとることを勧告することができる。」という条文を削除して、むしろ都道府県知事並びに都道府県会安委員会の協議会において治安維持上重大な事案につきやむを得ない事由があると認める場合というふうに修正されたらいかがかと私は考えるのですが、この点ひとつお諮りを願いたいと存じます。
○安部委員長 ちよつとここで懇談いたしましよう。 ————◇————— 〔午後三時五十五分懇談会に入る〕 〔午後四時十五分懇談会を終る〕 ————◇—————
○安部委員長 速記を始めてください。
○佐瀬委員 ただいま警察の本質論に基いて、田方委員からさらに修正意見が提案されたようでありますが、この際には田万君の案について留保され、とりあえず鍛冶委員の提案された修正意見を本委員会として可決して、地方行政委員会に送致されんことを希望いたします。
○安部委員長 ただいま佐瀬委員より御発言がありましたが、先ほどの田万委員の御意見はこれを留保いたしまして、鍛冶委員の修正意見を法務委員会といたしまして地方行政委員会に申し入れしたい、そういうふうなお話でありまするが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○安部委員長 御異議なければさよう決定いたします。 —————————————
○安部委員長 次に新聞事業における株式譲渡制限等に関する特例法案起草に関する件を議題といたします。まず本件について当該小委員長より小委員会における調査及び立案の経過並びに結果について報告を聴取いたします。押谷富三君。
○押谷委員 日刊新聞紙の発行を目的とする株式会社及び有限会社の株式及び持分の譲渡の制限等に関する法律案の起草小委員会の経過並びに結果を申し上げたいと思います。 まずこの法律案の提案の目的理由でありますが、一定の題号を用い、時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙の発行を目的といたします株式会社及び有限会社にありましては、その事業の特殊性にかんがみまして、商法及び有限会社法の規定に対して特例を設けて、株式及び持分の譲渡を禁止し、または制限する道を講じておく必要があると存じまして、この法律案を提出するのであります。かような日刊新聞の高度の公共性にかんがみまして、これらの報道の性格と、そしてそれぞれの新聞紙の持味ともいうべきいわゆるその特質を確保せんといたしますならば、資本から来る、外部から来る圧迫は、できる限りこれを防がなければならぬと考えております。かような考え方から、今日現存いたしておりまする日刊新聞の発行を目的とする株式会社あるいは有限会社におきましては、株式及びその持分の譲渡制限を定款によつて定めて、適当に制限をいたしているのでありますが、新商法は、かような持分の譲渡制限あるいは株式の譲渡制限を禁止されることになつております。そうなりますれば、従来やつて参りましたこれらの会社の資本から来る圧迫を避けるために設けられましたこれらの制限は、勢いできなくなるのでありますが、それではこの日刊新聞のそれぞれの特殊性を確保することができませんから、そこでかような法律をつくることを計画するに至つたのであります。 案の内容を申し上げますれば、第一条一定の題号を用い時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙の発行を目的とする株式会社にあつては、商法第二百四条の規定にかかわらず、株式の譲渡を禁止し、又は制限することができる。第二項前項の規定による株式の譲渡の禁止又は制限は、定款をもつて定めなければならない。第二条前条第二項の定款の規定は、株式申込証及び株券に記載しなければならない。第二項発起人、取締役、外国会社の代表者又は商法第二百五十八条第二項若しくは第二百七十条第一項の職務代行者が株式申込証文は株券に前条第二項の定款の規定を記載せず、又はその規定について不実の記載をしたときは、三十万円以下の過料に処する。第三条第一条第一項の株式会社が同項の日刊新聞紙の発行を廃止し、又は引き続き百日以上休止し若しくは休止しようとするときは、すみやかに定款を変更して、同条第二項の規定による株式の譲渡の禁止又は制限に関する規定を削除しなければならない。第四条第一条第一項の株式会社の設立登記にあつては、同条第二項の定款の規定をも登記しなければならない。第五条一定の題号を用い時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙の発行を目的とする有限会社の持分の譲渡については、有限会社法第十九条の規定にかかわらず、第一条、第三条及び前条の規定を準用する。附則この法律は、昭和二十六年七月一日から施行する。第一条の株式会社又は第五条の有限会社で、この法律施行の際、株式又は持分の譲渡の禁止又は制限を定めた定款の規定、株式申込証及び株券のその記載並びにその登記があるときは、その規定、記載及び登記は、この法律の規定によつてされたものとみなす。大体こういう内容を持つておるのであります。 この起草に至りまする経過でありますが、今年の二月二十六日に、全国新聞社商法対策協議会の人々の陳情を受けまして、かような計画がそれぞれの新聞社にあることを知つたのでありますが、続いて三月二十日に東京におきまして、東京の各新聞社の意見を委員長並びに小委員長の私、専門員あるいは調査員が承つたのであります。続いて四月十七日に名古屋におきまして、また四月十八日に大阪・神戸・京都において、四月二十一日には福岡におきまして、それぞれ代表的な新聞社に、この関係における実情を調査いたしたのであります。また五月八日にこの小委員会を設置することになり、五月十六日には東京の朝日・毎日・日本経済・北海道新聞などから、この点に関する意見を聴取するために、参考人としてこの委員会において聴取いたしたのであります。また五月の十九日には、この委員会において各委員の意見を拝聴いたしまして、ただいま申し上げたような成案を得たのであります。 以上小委員会の経過でありますが、どうか慎重御審議の上、小委員会のこの成案を可決せられんことを望みます。
○安部委員長 これにで小委員会の報告は終りました。本案に関して質疑もしくは御意見がありませんか。
○鍛冶委員 この第二条の第二項は、まつたくこれは罰則規定なのだから、体裁上これを分離して、第六条として(罰則)ということにしてやつた方がいいと思いますが……。
○押谷委員 最近の立法例によりましても、こういうような書き方をやつておるようでありますから、決して不合理でもないように考えられます。
○安部委員長 ほかに御発議はありませんか。—なければこの際お諮りいたします。本件につきましては小委員長の報告通り、小委員会の案を当法務委員会の一応の成案と決しまして、所要の手続を経ました後は、これを本委員会提案の法律案とするにいたしたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○安部委員長 御異議なしと認め、さよう決します。 それでは本日はこの程度にとどめておきます。明日は午後一時より開会する予定であります。本日はこれにて散会いたします。 午後四時三十一分散会