P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
10回国会衆議院1951/05/14

文部委員会 第24号

発言数
47
登壇者
7
会派数
3
開催日
1951/05/14

会議録

岡延右エ門自由党

○岡(延)委員長代理 これより会議を開きます。  教育公務員特例法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)を議題といたします。質疑を続行いたします。

小林進社会民主党

○小林(進)委員 緊急質問でありますが、実は事が重大問題でありまするので、願わくば文部大臣の御都合がつきましたら、御出席をお願いしたいと思います。

水谷昇自由党文部政務次官

○水谷政府委員 ただいま本省を出るところでして、もうしばらくお待ちを願いますと、大臣はこちらに到着いたします。

小林進社会民主党

○小林(進)委員 それでは大臣が到着せられます前までに、事務的にその後の経過がどうなつておるかお尋ねいたしたいと思うのでありまするが、問題は、五月一日の朝日新聞に報道せられました記事の内容についてお伺いいたしたいのであります。五月一日の朝日新聞に「からくり接待費、文部省、田辺(工博)夫人の名をかたる」こういう見出しで—ちよつと読み上げますが、「官庁、会社が接待費を生み出すからくりを税務署が問題にしているやさき、文部省が他人の名前を利用、原稿料名目で二万四千円を案出、委員会の茶菓費に充てたところ、事務上の手違いから利用された本人に課税されかかり、関係者をうろたえさせている。」「名前を使われたのは皮肉にも法務府人権擁護委員で家庭裁判所の調停委員も勤める田辺繁子さん(四七)目黒区自由ケ丘二〇一工大教授工博田辺平学氏夫人。繁子さんの話によると、去る二十四日目黒税務署から呼出しがあつたので行つてみると所得税係が文部省会計課発行の支払金額二万四千円、うち税金四千八百四十円の報酬等支払調書を示し確認を求めた。覚えがないので、仕事の関係から出入りする文部省社会教育局社会教育課に翌二十五日問い合せた。同課ではひどくあわて婦人課員が繁子さんの自宅を訪れ、「予算がないため名前を利用し迷惑をかけた」と謝り、もみ消しに金一封を出したのでさらに腹が立つたという。責任者の社会教育課長補佐三浦勇助事務官は、三十日田辺さん宅を訪れ正式にわび、同省会計課長発行の公文書で「繁子さんには支払つてない」旨をあらためて税務署へ通知した。  田辺繁子さんの話こともあろうに文部省のことで初めは憤慨しましたが、事情もわかりましたので今後こうした風習を改め迷惑をかけぬよう自戒してもらえば十分です。  文部省三浦社会教育課長補佐の話まつたく当方の手落ちで、あの二万四千円は、社会教育委員会をはじめ九つもある各種委員会の茶菓費に流用した。私の方では委員会の数は多い割に茶菓費は年間六万円というお話にならぬ額で予算の多い厚生省と比較されるのが辛く、つい田辺さんの名を借りたのが間違いだつた。」  以上のような記事が載つておるのでありますが、これが事実であるかどうかを、ひとつ次官からお伺いいたしたいと思うのであります。

水谷昇自由党文部政務次官

○水谷政府委員 ただいま主管局長を呼びに参りましたので、主管局長が参りましてから、詳細御答弁申し上げたいと思います。

小林進社会民主党

○小林(進)委員 それでは局長がお出になりますまで、しばらく待ちます。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 特例法に関連して、この前、学術会議から研究者の身分に関することは学術会議に諮問をしてもらいたいという申入れがありまして、委員会としてはこれを取上げて一回懇談的に話を進めたのでありますが、その際に、当日出席された上原氏からの申出もありまして、さらに学術会議、あるいはそこの内部にある学問思想自由保障委員会の正式の意見をまとめて申し出たいから、この案が出るまでに懇談会等を開いていただきたいということで、委員会であのとき了承されたと思うのですが、その後の経過はどういうふうになつておりますか、お聞きしたい。

岡延右エ門自由党

○岡(延)委員長代理 実は私そのときいなかつたので、その点ははつきり知らないのでありますけれども、学術会議のメンバーの方から、そういう申出があつたことは事実でございまして、委員長が委員諸君と御相談の上云々という程度に相なつておるのでありますが、その後まだ具体的にどうしようということを相談したことはないというのが、現在の段階のようであります。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 そうしますと、学術会議の申出を了承したわけでありますから、学術会議からの申出をさらに考慮して、この問題の最終的な決定をなさるべきものであると思うのですが、聞くところによりますと、学術会議の内部では、学問思想自由保障委員会がその後何回も開かれまして、徹底的に討論がされたという話であります。この教育公務員特例法の一部改正の件における、ことに第五条が問題になりまして、この第五条に関し、委員会の討論の結果は、尾高君を除いて他の約十九名全員で、この改正は研究者及び教育者の身分を保障する上の障害になるものであるという結論に達している。このことを学問思想自由保障委員会から出席をしまして、正式にこの文部委員会の人々とよく腹を打割つて御相談をしたいという意向だそうであります。この前は松本君からの提案で、そういうふうなとり運びをしたわけでありますが、この意見を聞くことは重大なことでありますので、少くともこの条項に関する部分については、近日中に委員会の方からも正式に懇談ないし向うの意見を聞くというふうな手はずをきめられて、その上でこの問題に入つていただきたいというのが私の考えであります。

岡延右エ門自由党

○岡(延)委員長代理 ただいまの渡部君のお話でございますが、御承知の通り、委員の出席もこの通りでありますから、一番近い機会に御相談をして、いずれかに決定いたしたいと思いますので、その点御了承を願いたいと思います。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 次に新聞で見るところによりますと、教育界あるいは研究者についての職階制が、大体きまつたように書いてありましたが、先日の答弁では、まだ全然見当がついておらないというふうな段階でありましたから、どういうふうに職階制がきまつたのか、きまつたところを御報告願いたいと思います。

關口隆克文部事務官(調査普及局長)

○關口政府委員 お答えいたします。正確なことを今申し上げるのは、調べてからでないと相済まぬと思いますが、一昨日あたり私の方の担当の方から聞いたところによると、これから調査する、調査の原案が今つくられつつある。職務記述書というのがございましたが、ああいつた種類のものをつくろうという話になつている。それで現実に、どれどれの地位の先生はどういう仕事をやつているか、どれどれの地位の人はどういう責任をとつているかといつたようなことを調査する、その原案をつくろうということがきまつたというふうに聞いておるのであります。それ以上のこまかい点は、私正式に問合せをしたわけでございませんから、それを聞いた上で御返事を申し上げます。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 新聞ではかなりはつきりきまつたという形で、相当具体的な報道まであつたようでありますが、われわれとしては、この職階制というのは非常に重大な問題なので、よく研究する必要がありますから、できれば素案的なものであつても、やはり政府としてはこういう構想で進んでおるのだということを委員会に早くわからせることによつて、委員に十分にこの問題に関する研究調査をやる期間を与える必要があると思うのです。従つて素案的なものでも至急委員会に配付されて、十分に研究の時間を与えてもらいたいと思うのです。

關口隆克文部事務官(調査普及局長)

○關口政府委員 どの新聞に出ましたのですか、私どもの知つているところでは、そこまで進んだということは全然聞いておらない。私の方からも、ここにおります田中地方連絡課長がその小委員会に出席しておりましたのですが、そういうことは全然聞いていないと申しております。何新聞でございますか。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 新聞の名前はちよつと記憶がありませんが、そういうふうな段階であるとしますならば、職階制を設けるということをまず規定して——どんな職階制でも設けられていいということであつては、委員会として職階制に関する条項を審議することは困難だと思うのです。やはり教育者や研究者に関する職階制というものは、非常に特殊な性格を持ち得べきものであるから、職階制を設けるべきであるかどうかということをはつきりさせるためにも、どのように具体的な構想がなされておるのかということを知ることなくしては、この問題に関するわれわれ委員会の意見をきめて行くことが困難になると思うのです。従つて素案的なものであつても至急委員会に提出されて、研究の余地を与える方法をとつてもらいたいと思います。

關口隆克文部事務官(調査普及局長)

○關口政府委員 お話のような機会が参りましたならば、十分御意見のようにいたしたいと考えます。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 今度の議会は非常に短期間であつて、もう間もないことだと思うのです。この期間が切れる前に、この特例法が通過しなければならぬというような情勢にありますならば、これは非常に問題になると思うのです。特例法の中には、いろいろな問題があるとしても、単にその一事をとつてみても、どんな職階制が設けられるかということを知らずして、職階制設くべしという案を通過させることは、われわれは不可能だと思うのであつて、この期間に間に合うのかどうかという点をお聞きします。

關口隆克文部事務官(調査普及局長)

○關口政府委員 今まで御報告あるいは御説明申し上げました程度のことでしたならば、繰返して申し上げることになるのですが、今のお話のようなことになりますと、これはちよつと間に合うということは困難ではないかと存じます。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 今松本君からの助言もありましたが、少くとも参考の程度であつても、至急委員会に配付されることを希望します。

岡延右エ門自由党

○岡(延)委員長代理 ちよつと速記をとめてください。     〔速記中止〕

岡延右エ門自由党

○岡(延)委員長代理 速記を始めてください。  先ほどの小林進君の緊急質問に対する答弁を伺います。西崎政府委員。

西崎惠文部事務官(大学学術局長)

○西崎政府委員 小林さんの御質問に対しましてお答え申し上げます。五月一日付の朝日新聞に、お読みになりましたような記事が載りましたことは、まことに申訳ないことでありまして、私としましてはおわびの言葉がないのであります。今後とも十分注意いたしたいと思うのでありますが、多少新聞記事と内容は相違いたしておりますので、ここに真相をあからさまに申し上げまして御了承をお願い申し上げたいと思います。  実はこの件は昨年の十一月に社会教育研究協議会をやりました場合に、女性向けの良書の普及につきまして議題になりまして、だれか女性の人の本を普及するような措置をとつてくれというような話がありまして、田辺繁子さんに執筆をお願いしようということに大体なつておつたのであります。ところがこの点がはなはだ遺憾なことでありますが、私の方の予算の関係上、私の局といろいろ関係を持つてやつておりますところの財団法人社会教育連合会が出版することになりまして、田辺さんの原稿をもらい本を出すことにいたして、私の方でそれを買い上げまして頒布するということになつたのであります。そのときに社会教育連合会と私どもとの話合いによりまして、私の方は原稿料といたしまして、書いてありますように二万四千円を社会教育連合会にお払いをして、そして社会教育連合会はそれにつきまして、代が九十円でありますので、二割引したものの価格で約二百七十部を私の方に納入する、私の方はそれを一部地方に配りまして、こういうような良書を普及するように尽力願いたいというサンプルの意味でやることになつたのであります。さようにいたしまして、昨年の十一月の十五日に立案いたしまして、十一月の末にはそれが決済になつたのであります。その際本ができます予定が非常に遅れまして、現物を納入した場合に社会教育連合会には支払うというふうになつておりましたのですから、その間実際にできましたのが四月の初めでありまして、その金子を係官が保管をいたしておつたのであります。その保管の間におきまして——ここが間違いが起きたところでありますが、われわれがこの間に開きましたところの委員会等の茶菓費が請求されましたので、これももちろんお互いの上で決済して払うように手はずを組んでおつたのでありますが、十二月の年末でありますし、商人の便宜も考えたのでありましよう、そのときにその金を便宜立てかえて払つたのであります。もちろんその茶菓費につきましては十二月の末に出ましたので、従いましてその原稿料は補填されておつて、何らなかつたのでありますが、ただその金を一時保管をいたしまして、そしてその間に一時立てかえしたということが非常に遺憾なことであつたと思うのであります。その後本ができ上りましたので、社会教育連合会の方には支払いまして、そしてこれは課長会議の際にも配り、予定通り進行いたしたのであります。  これがどうして新聞に載つたかと申しますと、私の方では事務的な手落ちから、社会教育連合会と田辺さんとの関係になるのでありますから、直接に田辺さんにその金は原稿料として支払つたけれども、実はこれは本を購入するようなものであるということをお話する機会を持たなかつたのでありまして、社会教育連合会の方から話していただけると係は思つておつたのであります。社会教育連合会はあの新聞が出まして、私のところへあわててお断りに見えたのでありますが、手違いの起るときはしようがないものでありまして、この金額の二万四千円は文部省の会計の経理の方から税務署に報告されまして、税務署は田辺さんの所得と所得額の申告と食い違いがあるというので田辺さんにそれがわかつたのであります。ちよつとでも話が行つておりますと、すぐ田辺さんが私の方へ電話をされまして、万事了解されたと思うのですが、田辺さんは何のことやらわからないというので、一時ああいうふうな憤慨をされまして、そのことを話された。それが新聞に載つたのであります。もちろん田辺さんも非常に心持よく了解されまして、今後注意するということで済んだのであります。で、田辺さんのことにつきましては、私の方から税務署に事情を打明けまして、二万四千円の削除を依頼し、税務署はそれを承知されたのであります。新聞の中に金一封を持つて行つたというようなことがありまして、これもはなはだ私の方では残念に思つておつたのですが、それは二万四千円の削除ということが、初めの話はなかなかむずかしそうでありましたので、それでは田辺さんに不当な損害をかけるというので、その税額に相当するだけの金額を用意いたしまして、係がおわびに上つたのであります。そのうちに税務署の方が快くそれを削除してくれましたので、その問題は解決いたしたのであります。手違いの起きますときにはいろいろと次から次へと悪いことが続きまして、かような記事になりましたことを非常に申訳なく思います。なお朝日新聞には部長及び次長並びに文部省関係の記者に対しましてその真相を説明し、御了承を得ております。それから会計検査院並びに人事院の方にも私が参りまして、るる御説明申し上げまして、今後を戒められておるような次第であります。今後どういうふうに会計検査院の方で処置されるかは存じませんが、係の課長からは非常に同情的なお言葉を承つたのであります。何にいたしましてもこのような手違いをいたしまして、また会計法上から言いますと非常に遺憾な点がありましたことは申訳のないことでありまして、ここに衷心からおわびいたしまして御了承を得たいと思う次第であります。

小林進社会民主党

○小林(進)委員 懇切な御説明でありましたが、話が込み入つておりますので、私自身のみ込みづらいところもあるのでありますので、いま一応事実をお尋ねしようと思うのであります。今のお話によりますると、社会教育連合会へ執筆料としまして、原稿料として二万四千円をお支払いになる、それが原稿ができていなかつたから、四月中まで延び延びになつた、延び延びになつている間にそういう茶菓の接待の必要がある機会があつたから、その金を一時流用した、こういうような御説明に承つたのでありまするが、そうするとこの二万四千円は、現在社会教育連合会にお払い済みになつているのかどうか、承りたいのであります。

西崎惠文部事務官(大学学術局長)

○西崎政府委員 先刻御説明申しました通り、現品を納入したとき払うというお約束でありましたので、現品を四月の初めに持つて参りましたので、その際に社会教育連合会の方へ支払いをいたしたわけであります。

小林進社会民主党

○小林(進)委員 社会教育連合会へお払いになつたとしまするならば、この問題が税務署によつて取上げられた四月の二十四日には、もちろん田辺繁子さんは御存じなかつた。連合会の方で田辺さんにお払いになつたか、お払いにならなかつたか、それはまだわからぬのでありますが、その問題につきまして今おつしやいましたが、四千八百四十円だつたか、税金額に該当する金額を一体文部省でお持ちになつて、了解を得に行こうということになりますと——幸いにしてそれはお受取りにならなかつたのでありますが、これは二重払いという形になるのではないですか。二万四千円は社会教育連合会相当分としてお払いになつた。新聞記事にあわててまた税金額を本人の方へ直接文部省でお持ちになるということになれば、いわば二重払いということで、その費用が一体文部省の予算の中からどういうふうにできるかということが問題になるのであります。

西崎惠文部事務官(大学学術局長)

○西崎政府委員 よくわかりましたが、それはこういう意味なのであります。非常に係が手落ちでありましたのと、それからわれわれの方でいろいろ親睦会その他をつくつておりまして、多少の私的な経費は持つておるのでありまして、そのうちから、ただいま申しましたような経費、これはわずかでございまして、二万四千円に相当する額の税金であります、それくらいの経費は用意いたしておるのであります。それを持つて参つたわけでありまして、決して公金を持つて参つたわけではありません。それは係が非常に手落ちをやつたという自責の念から当然そういうふうに考えたのでございます。

小林進社会民主党

○小林(進)委員 私はこの問題は二万四千円という正当なる原稿料金を社会教育連合会を通じてお払いになつた、直後でありまするので、新聞紙上でこの問題が取上げられたからといつて、あわててこの税金額に匹敵するわずかの金額とおつしやいますが、この新聞によりますれば、四千八百円、五千円の金額でございます。それを持つて——また一応もみ消しじやないとおつしやいますけれども、それを持つて御本人に了解に行かれたということが、むしろ私どもの常識からおかしいことであつて、そこにどうも御説明だけでは納得のできない、非常に文部当局の自信のない態度が看取せられるのであります。自体私がお伺いいたしたいことは、一体どうしてそんな自信のないことをやつたか。正当な支払いをしてあるのに、世間が何を言おうと、また金一封持つて出かけるような、そういう権威のない行為をなぜする必要がある。この点いま一ぺん納得の行くように御説明願いたいと同時に、これが単なる事務上の手違いであるのか。手違いであるという言葉の裏には、官庁ではえてこういう項目の流用といいますか、金額の流用というようなことが、もはや特殊な特例ではなくして一般常識化している、あたりまえにやつていることなんだ、たまたま不運にしてこの問題一つだけが、表面に出たということの裏づけをせられている言葉ではないかという感じがするのでありますが、こういうことがしばしば行われているのかどうか、あわせてお伺いしたいと思います。

西崎惠文部事務官(大学学術局長)

○西崎政府委員 いかなる言葉でおしかりを受けましても、申訳の言葉はないのでありますが、実はこれは会計法上ははなはだ遺憾のことなのでありまして、原稿料としてお願いをいたしましたのが、多少原稿料と解釈のできぬこともございませんが、実際は図書購入というような形になつて参つたわけでありまして、その点の会計法上のわれわれの手落ちは、これはおおうことはできないのであります。そういうことがございましたので、ことに田辺さんの方でそういうことでははなはだ困るというようなことになつて参りますと、非常に事態が紛糾するというような自責の念から、係の方でとりあえず嘆願と申しますか、御依頼に参つたのでありまして、ことにこういうふうなものが問題になつた場合に、それにたとえば金銭の贈与をいたしましてもみ消すというようなことは考えていなかつたことを、私は上司としまして確信をいたしております。ただ良心的に非常に金銭的の御迷惑もかかるということを懸念して参つたものであるということを私は確信いたしておるのでありまして、その点に対する係官の私に対する答えは、全然私は同感であると思つております。  それからただいま小林議員からのお尋ねのことでありますが、官庁といたしまして、さような流用というようなことはいたしておりません。もちろん会計法上許されることは、あるいは大蔵省に協議をして流用し、また大蔵省に協議なくして流用できる部面におきましては、文部省だけでそういうことをやつておりますけれども、しかしながらこの新聞の記事によりまして、そういうふうなことをやつておるのではないかという誤解を世の中の人に与えましたことにつきましては、おわびのしようがないと考えるのでありまして、重ねて陳謝いたす次第でございます。

小林進社会民主党

○小林(進)委員 これは、大臣もお見えになりましたので、ひとつ大臣にお伺いしたいと思うのでありますが、この問題は、わずか二万四千円の、金額では非常にさ少のものでありますが、こういうことがあろうということは、これは国民全般の、もはや常識化している問題でありまして、今俗にいう官僚政治といいますか、官庁に対する国民の不信任というものは、多くの項目がありまするけれども、こういう問題が、実にその大きな原因の一つになつているのであります。新聞もこの問題を取上げて、文部省のこの問題を称して、正直な人民どもがあつたと驚いた、驚いたが、しかし役所の常識では、これは何でもないあたりまえのことのようで、名目が立つて書類だけがきれいになつていれば、それが通るのが官庁である、こういうような批判を次に加えておりますが、おそらくこの言葉に国民の大半のものは、私は同感の意を表したろうと思う。それほど官庁の金額の流用というものに対しては、非常に疑いを持つておるのであります。この問題が、ほかの官庁ならともかく、いやしくも国民の道徳、教養をつかさどる文部省内において起つたということに、私どもは非常にこの問題の重要性があると思うのでありまして、これに対して文部大臣の御所見をひとつ承りたいと思うのであります。

天野貞祐文部大臣

○天野国務大臣 ただいまおつしやいましたように、私も実はこの記事を新聞で見て、非常に残念に思いました。私自身は、どうかしてすべて正しくやつて行きたいと思つておりまするのに、こういうことが起つて来たというのは非常に残念で、今おつしやる通り文教の府においてこういうことが起つたということは非常に残念で、私の十分監督の行き届かないことでございまして、まことに申訳ないことだと思つております。今後、しかし、私は下僚を督励して、こういうことが起らないように努めたいと思つております。

小林進社会民主党

○小林(進)委員 この際文部大臣にいま一つお伺いしておきたいのでありますが、私どもが、というよりは、国民が疑つておりますこの官庁の款項目節と申しますか、そうした項目の金銭の流用ということが、もはや深い疑惑になつておるのでありますけれども、具体的な例は別としまして、これが現実に行われているかどうかということに対する文部大臣の御所見であります。単なる特例であつて、そんなことは絶対にない、文部省に関する限り絶対にないとお考えになつておりまするか、あるいは他にありなんとお考えになつておりまするかどうか、率直にひとつお伺いしたいと思うのであります。

天野貞祐文部大臣

○天野国務大臣 私はそういう例が他にあるかどうかをつまびらかに存じません。ですからして、今後どういうことがありまするか、よくもつと注意したいと思つております。けれども、文部省内において会計検査院等において認めないような流用はしておらないと、自分は思つております。しかしなおよく注意深くもつと監督をしたいと考えております。

小林進社会民主党

○小林(進)委員 とにかくこれはもう官庁の、言い過ぎかもしれませんけれども、長い間の悪い習慣が、たまたま二万四千円という金額のささいな点ではありますけれども現われて来た、こう考えておるのでありまして、まさに氷山の一角とこんなぐあいに考えておるのであります。従いまして、この際私はいま少し文部大臣としましては、行政官としてではなく、一つの国民道徳の基準をつかさどる最高の責任者といたしまして、抜本的にこういう好機をとらえて修正する。自体、私どもも予算委員会などでもこうやつて二箇月も三箇月も審議しているその予算が、日常の実際生活とちつともマツチしてないで、単なる書面上の審議に終つて、実際の金の運用というものは相当にやりくりせられているわけで、大きくいえば、国会の審議権それ自体にも重大なる影響を及ぼして来るのでありまして、予算の審議なんといつたつて、われわれはもう猿芝居をしているわけだ、ちつとも実情に即してない金が事実において使われておる、こういうような形になるのでありまして、実際にそういう接待費や何かがあるならば、なぜ表面に正々堂々と出せないのか、あくまでも国民が納得し得るような事実に即した予算を編成するという形をとつてもらえないものかということを、痛切に感じているわけであります。文部大臣とされましては、そういう文部省自体の予算が、あくまでもその使用において事実に即しておる、こういうふうな確信を実際にお持ちになつているかどうかを、私はいま一度お伺いしたいのであります。

天野貞祐文部大臣

○天野国務大臣 私はふだんから、予算をとるということだけに注意が向いて、予算がいかに使われるかという方面の注意が薄くなつてはいけない。だから、そういう方を十分厳密に考えて行くことが必要だという考えを持つております。ただ自分の官庁でさえもこういうことが出て来るというので、私の注意が行き届いておりませんが、今度よく調べて、ほんとうに小林さんの言われるように、正々堂々と何でもやる方針で行きたいということを強く感じております。

小林進社会民主党

○小林(進)委員 この問題は、これ以上何でございまするが、私の尊敬する文部大臣でもいらつしやいまするので、どうかこの機会にひとつ二十七年度の予算の編成と申しましようか、官庁の実際必要な経費を正直に——新たなる予算の編成方針を文部省自身から火の手をあげるというような形で、はつきりしたものを出していただいて、そうしてはつきりした予算の運用ができるように御努力くださいますことを、ひとつ切にお願いいたしまして、私の質問を終ります。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 大臣に質問します。最近の新聞によりますと、軍国主義もしくは超国家思想のために……。

岡延右エ門自由党

○岡(延)委員長代理 ちよつと渡部君、それはこの教育公務員特例法に関連しておりますか。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 関連しております。——かつて追放された教職員を追放解除するというふうな意向を述べられておるということが、新聞にも載つておりますし、すでにこういう考え方は、新聞によりますと、一月の十八日の文教審議会で、文相がこれを述べておられるというふうに伝えられておりますが、この点はどうですか。

天野貞祐文部大臣

○天野国務大臣 解除するというようなことを私が言うことはできないので、解除したい意向を持つておるということでございます。しかもこれは十分吟味した上で、解除した方がよいと考えたものについては、解除をしたいという意向を持つておるということです。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 そうしますと、軍国主義もしくは超国家思想のために追放されたるものを解除したい、十分吟味した上で解除したいという意向を持つておられるそうでありますが、どのような基準によつて十分吟味した上でという線を明らかにされるつもりであるか、その点をお聞きします。

天野貞祐文部大臣

○天野国務大臣 それは委員会がありますからして、私がかつてにやるわけじやなくて、委員会で詳しく検討をして、そうして結論を出してやろうというわけでございます。その委員会にすべてそういうことは頼んで、私の独断で何もやるわけではございません。なお渡部さんが超国家主義と言われましたが、つまり極端な国家主義という意味でございますね。そういうこともすべて十分委員会で吟味の上でいたしたいというのであります。

岡延右エ門自由党

○岡(延)委員長代理 できるだけ教育公務員特例法に関連して御質疑を願います。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 つまり解除したいとおつしやるためには、何らかの理由がなければならぬと思うのです。その理由をお聞きしたいし、それから解除するために吟味すると言われるためには、従来のいわゆる追放なるものの不当さがある。つまり追放せらるべき人でなかつたものが追放された、というような意味に解釈していいわけですか。

天野貞祐文部大臣

○天野国務大臣 軍国主義者とか、極端な国家主義者とか、そういうものを直接に解除するというのではないのです。しかしよく調べた上でその後にいろいろ出た資料、新しい事実というものによつて、そういつまでもこれを追放しておく必要はないのだという認定ができたら、それを解除しようというのです。直接に超国家主義者とか、軍国主義者を解除しようというのではございません。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 東條時代において、軍国主義鼓吹の、あるいは軍国主義実践の先頭に立つた学者、教育者があるのでありまして、そういう人たちは必ずしも今日もその状態を続けているというのではなくて、終戦後民主主義的な風潮が非常に高揚いたしますと、手の裏を返したことくに、ただちに節操をかえて、科学者としてのまつたく無節操の極を発揮して、あたかも自由主義者であるかのごとくにふるまつている人が、非常に多かつたのであります。従つてただ文字に現われたところから、たとえば著述、論文等に現われた見解から、ただちにこれはもはや従来の思想を本質的にかえて来ているのだというふうな見方をすることは、日本の科学者たちに、不幸にも非常に広汎にあるところの無節操状態、言いかえれば時の権力に阿附するような行動をとる教育者、科学者が、かなり豊富であることは、大臣も御存じの通りでありますが、そうしますと、問題は、その後の行状、その人の書いたもの等によつて、基準を見出して決定するというふうなお考えであるわけですか。

天野貞祐文部大臣

○天野国務大臣 戦時中は軍部に阿附し、戦後になると、手の裏を返すように反対のことを言う、渡部さんのおつしやるそういう人間を陋とすることにおいては、私は渡部さんと何らかわりございません。けれども、その後書いたというものでなく、全体的に調べてみて、この程度のことなら、そうだれでもいつまでも追放というところに置かなくてもよいのではないかというようなこととか、従来の調べ方にまだ不妥当なところがありはしないかとか、そういうことをよく吟味してみるということが、私は当然親切なやり方だと思います。そうしてよく親切に吟味してみて、追放を解除した方がよいということにきまるならば、追放を解除することは、当然のことではないかと自分は思つております。

岡延右エ門自由党

○岡(延)委員長代理 実は文部大臣に対する一般質問というものは、ひとり追放問題のみならず、他にたくさんございます。また通告者もございます。ところが、先ほど来再度にわたつて御注意したにもかかわらず、教育公務員特例法に関連した質疑になつて参りませんから、教育公務員特例法の一部を改正する法律案に関する質疑は、これを延期し、本日はこれにて散会いたします。次会は公報をもつてお知らせいたします。     午後零時三十分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗