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10回国会衆議院1951/03/27

農林委員会 第29号

発言数
23
登壇者
7
会派数
1
開催日
1951/03/27

会議録

小笠原八十美自由党

○小笠原委員長代理 ちよつと委員長がさしつかえがありますので、私がかわつて委員長の職務を行いたいと思いますが御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小笠原八十美自由党

○小笠原委員長代理 御異議なしと認めます。  これより農林委員会を開会いたします。  農林漁業資金融通法案を議題といたし、審議を進めます。質疑の通告がありますので、これを許します。八木一郎君。

八木一郎自由党

○八木委員 ただいま議題と相なつております農林漁業資金融通法案に関しましては、この審査に入るに先だつて、政府が企図しておられる資金計画、特に予算的措置とにらみ合せた資金計画の内容に関しまして、明らかにしたい点を持つておるのであります。政府は、この法案は食糧に重点を置き、農林公共事業に主眼点を向けて、財政的な点で解決し得られざる面を、資金融通の面で解決いたしたいとの意図を持つておることは了承できましたが、内容にわたつて私どもはもう少し聞きたいのであります。  それは食糧の増産について、廣川農林大臣の言われる食糧増産一割の面は、数字の上で私ども承知するところでは、本年度においては、麦は二千六百万石程度、米は六千五百万石程度を目標とする。従つて前年度に比べては、麦はわずかに六%、米は一%しか増産にならない。これでは言うことと内容と大分食い違いがあるのじやないか。いわゆる三年計画をもつて、三年後にはここに到達するのだ、従つて三年後にここに到達するに必要な予算的裏づけ、資金融通の面の裏づけに対し、こういう用意を持つておるのだという抽象的な御答弁でありますが、こういう抽象的な御答弁でなくて、もう少し具体的な御説明をいただきたいという点が一点であります。  ここに提出されておる資料等から申しますならば、本年度は一般会計から四十四億、開拓資金の十六億、本法律案による六十億、この程度のものを見ておる。しかしそれで本年は六%や一%の米麦の増産にしかならないということになりますと、本年投資した財政資金及び本年融資した融資資金がもたらす結果として、二年目、三年目には飛躍的な増産を包蔵しておるのでないと納得ができない。その点はどういうお考えであるか。興農運動の先頭で、朗報をもたらされる農林大臣の御計画を、明らかにしていただきたいのであります。

廣川弘禪自由党農林大臣・行政管理庁長官

○廣川国務大臣 来年度とれる米、麦の目標はあなたのおつしやる通りであります。しかしこれもただ目標でありまして、これに対する予算的裏づけが少いということは、どこへ行つても言われるのであります。しかしこれは單に予算ばかりでも行かないのでありまして、端的に申しますと、病虫害の被害等は年々三百万石と推定されておるのであります。そういうようなものを驅除いたして行きますと、ただちにそこに三百万石の増産になるのであります。  それから今年度入れた国家資本が将来大きく発展しなければならぬことはその通りであります。この内蔵されたものが、あとで飛躍的に発展されることは、あなたのおつしやる通りでよくわかるのでありまして、二十七年度からは、もつと大きな予算が組まれるのであろうことを私は信じておるのであります。なおまた安本の審議会において決定されました、この三箇年の自立計画をごらんになつてもわかるのでありますが、二十七年度は相当額の予算をつけるということに、大体の了承を得ておるのであります。本年度通りました予算の基礎の上に立つて、その内蔵されたものの上にもつと大きなものが加えられて、三箇年後には十分われわれが期待したような結果になるというふうに、私は考えておるのであります。

八木一郎自由党

○八木委員 ただいまの安本三年計画と農林省自体の計画しておる食糧増産、特に土地改良を中心とした食糧増産の計画の全貌に関しましては、一応了承できますが、今農林大臣の御答弁の要旨を、大蔵大臣は了承しておるかどうか。過日大蔵委員会におけるごとく、知らない、知らないはずはないと詰め寄ると、いやうつかりしておつたのだというような程度では、認識不足もはなはだしいと思いますので、この際大蔵大臣の出席を求めます。委員長において出席されるように要請せられんことを望みます。

小笠原八十美自由党

○小笠原委員長代理 大蔵大臣は今連絡しにやりましたが、電話が通じないのでうまく行きません。ですから、この案はこの案として通しておいて、なお機会を見て大蔵大臣に来てもらつたらどうですか——。それでは政府を代表して農林大臣から御答弁を聞くことにいたします。廣川農林大臣。

廣川弘禪自由党農林大臣・行政管理庁長官

○廣川国務大臣 ただいまのお尋ねは、多分六十億プラス云々のことだろうと思うのであります。これはこの前の連合委員会におきましては、まだ事務の折衝中で、最終的な決定になりませんでしたので、池田君は知らなかつたようであります。しかし事務の方は真剣に交渉を続けておつたのでありまして、私の方はよく承知しておつたのであります。これにつきましては、大蔵大臣とたびたび折衝いたしまして、ただ提出する時期、額等については、まだ窮極点に至つておりませんが、実際この問題については、熱意を持つて実現をしたいという気持のあるこは、はつきり私がかわつて言えると思います。

八木一郎自由党

○八木委員長 政府代表の御答弁として、熱意をもつてこの問題に善処するということをはつきり御答弁いただいたのであります。十分ではありませんが、その点は了承しておきます。それからもう一つ伺いたいのは、お手元に「経済自立と養蚕振興について」という印刷物をお配りいたしましたから、ごらん願いたいと思いますが、法案の当初の規定の中に、畜産、蚕糸を加えてない。しかもそれは法律の明かにないのみならず、資金配分の内容も全然考慮されていない。その全然考慮されていない法律案をもつて、全国の関係官を集めて、政府はすでに法律が通過したかのごとく説明をしている。私はこの事実に対して、廣川農政は畜産、蚕糸に対し熱意がない、軽視しているのではないかという疑いを持つのであります。その点ただいまさらに六十億程度の考慮があるのだということでありますが、この点について御抱負を伺いたいのであります。その前に、先ほどお配りした印刷物は大臣にもお配りしたと思いますが、養蚕農業の振興は、今日の段階において広義の食糧対策であります。食糧自給度の向上を期してわれわれが三年かかつてやつて行つても、その後なお二百五十万トンの不足食糧を来す。そこで考えられることは養蚕である。一億ドルの外貨をもつてすれば、食糧の調整資金は養蚕輸出の面から楽々まかなえるのみならず、さらに絶対量不足の二百五十万トンの食糧不足も、今日の情勢をもつてすれば、広義な食糧対策として、わが国の農地を有効に利用する関係から、養蚕農家の働きにおいて、輸入食糧のまかないもできるという見通しも立つのでありますから、この面について特に私は期待されている六十億のうち、半分の三十億程度を、三年計画で十億ずつぐらい投資いたしまして、現在二千万貫の繭を四千万貫となし、現在の五百億の養蚕收入は一千億收入を目途とする。かような広義の食糧確保という点から御考慮願いたいと思うのであります。畜産についても、半分は畜産に向けてもらいたい。蛋白資源を澱粉資源に併合して増産させるという意味で、長期低利資金を出していいのではないかと考えますが、その点に関する所見を伺いたいのであります。

廣川弘禪自由党農林大臣・行政管理庁長官

○廣川国務大臣 これはたびたび各種の委員会で御説明申し上げておりますし、また農林省の政府委員からもお話があつたと思いますが、あなたのおつしやるような方向で、今後向けらるべき資金については十分検討いたし、また実現するように努力する決意を持つております。

小笠原八十美自由党

○小笠原委員長代理 他に質疑はありませんか——なければ先ほど河野謙三君及び川西清君より本案に対する修正案が提出されているので、この際趣旨弁明を求めます。まず河野謙三君。

河野謙三自由党

○河野(謙)委員 農林漁業資金融通法案のうち、第二條中「農業」の下に「畜産業、養蚕業」の字句を加えていただきたいと思います。これを各位の御賛成を得まして修正いたしたいと考えます。  簡單に修正案の趣旨を申し上げます。従来農林省におきましては、農業の二字をもつてすべて畜産、養蚕業を包括しておるということになつておりますが、われわれもさように承知して今日まで参つたのでありますけれども、必ずしも今日まで畜産、養蚕の面が農業の中に包含されたという結果になつておりません。そこでわれわれは、従来の用語の慣習のいかんにかかわらず、この際本案におきましては、特に畜産と養蚕の重要性にかんがみまして、この字句を加えていただきたい、かように思う者であります。     〔小笠原委員長代理退席、野原委員長代理着席〕 養蚕につきまして、今私から喋々と重要性を申し上げるまでもなく、ただいま同僚の八木君からもお話の通り、今後の農業経営の面、また国家経済の面から見まして、これの有用なことは今さら申し上げるまでもありません。なお畜産につきましては、本委員会において、大臣はしばしば今後の農業経営につきましては日本人の食習慣の改正と申しますか、食習慣の改善指導の面から行きまして、従来の澱粉質中心の食生活を、脂肪蛋白質中心の食生活にかえて行くのだ、この線に向けて農業を指導して行くと言われておるのでありますが、われわれもまつたく同感でありまして、この面について、大いに農林委員会としては、特に畜産の面を行政の上に強く反映してもらいたいと思つているわけであります。それらの意味合いから、本案におきまして特に先ほど申し上げましたように、第二條の農業の下に畜産並びに養蚕業を加えることを希望し、本案の修正案を提出いたした次第であります。どうぞ委員長から各位の御賛成をお諮り願いたいと思います。

野原正勝自由党

○野原委員長代理 次に川西清君。

川西清自由党

○川西委員 農林漁業資金融通法案に対する修正案を申し上げます。政府提出原案によりますれば、農林漁業資金融通の対象として牧野の規定がありませんのでこれを加え、また漁港の修築または復旧に必要な資金の貸付について、すえ置き期間が一年となつておりますが、これは短か過ぎるので三箇年に改め、漁業の振興に資することといたしました。また貸付業務の委託機関であります農林中央金庫につきまして、現行農林中金法に認められていない保証能力を付与いたし、さらに融通措置について弾力性を与えることといたしました。なお他に、第三條の表中字句につき修正いたした次第であります。修正案はお手元に配付されてある通りでありまするから、何とぞ御賛同あらんことをお願いする次第であります。

野原正勝自由党

○野原委員長代理 本件につきましては、別に討論の通告もありませんので、討論を省略して、ただちに採決いたしたと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

野原正勝自由党

○野原委員長代理 御異議ないようでありまするので、これより採決に入ります。  まず、川西清君提出の修正案について採決いたします。本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔総員起立〕

野原正勝自由党

○野原委員長代理 起立総員。よつて本修正案は可決せられました。  次に、河野謙三君提出の修正案について採決いたします。本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔総員起立〕

野原正勝自由党

○野原委員長代理 起立総員。よつて本修正案は可決せられました。  次に、ただいま可決せられました両修正案の修正部分を除く原案について採決いたします。これに賛成の諸君の起立を求めます。     〔総員起立〕

野原正勝自由党

○野原委員長代理 起立総員。よつて農林漁業資金融通法案は修正すべきものと決しました。  なお、お諮りいたします。本案に対する衆議院規則第八十六條による委員会報告書の作成は、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

野原正勝自由党

○野原委員長代理 御異議なしと認めます。さよう決しました。     —————————————

野原正勝自由党

○野原委員長代理 次に、公共事業費に関する件につきまして、八木公共事業小委員長から発言を求められておりますので、この際これを許します。

八木一郎自由党

○八木委員 農林関係公共事業小委員会は、設置以来数回にわたり小委員会を開催いたし、明二十六年度におきまする予算案並びに事業内容につきまして、政府側の説明を聽取の上、時局の推移等をも勘案いたし、種々検討を加えて参りましたので、その結果をここに御報告いたしたいと思います。  明年度公共事業費予算総額は一千八十億円でありまして、本年度のそれと同額でありますが、農林関係公共事業費予算経理は、農業、林業合せまして二百八十二億円余となりまして、本年度の二百三十三億円に対し、約五十億円の大幅増額となりましたことは、農業を重税するに至りました現われの一端と考えられまして、真に喜ばしい傾向であると思いますが、食糧を完全に自給いたしますためには、今後十箇年間に約三千万石の増産を必要とし、これがためには五百万町歩の既耕地に対する徹底的な改良工事を施しますとともに、十五度以上の傾斜地を含めました開拓可能面積五百五十万町歩に対しましても、極力利用の方途を講ずる必要がありまして、これに要する総経費は大約七千億円余に上るものと推計されているのであります。しかるに、他方災害復旧につきましては、過年度分復旧事業が累積せられまして、現在五百億円を越えるものと推定されるのであります。これらの事実を念頭に置きまして、明年度農林関係公共事業の予算案を検討いたしますならば、決して満足すべきものでないことはいふまでもありません。まして講和会議も近づき、経済自立の緊要度が一段と加わつて参りました現在、国際收支の均衡保持のためにも、国民の食生活の安定化を促進いたしますためにも、この際、農業の基本的生産力高揚の基盤であります農地の改良、造成または復旧事業を強力に推進いたすべきことは、いまさら説明を要しないところと存ずるのであります。しかしながらわが国農業は、資本構成並びに資本蓄積が貧弱でありまして、急速な農業生産力の高揚は、ひとへに国家資本の投下に依存しなければならぬことは、各位の御承知のごとくでありまして、農林関係公共事業費設定の意義は、まさにこの点にあろうと思います。従いまして、農林関係公共事業費につきましては、国家財政の許す限り増額いたしまして、時局の要請にこたえる措置を講ずべきであると思います。  政府におきましても、時局の要請にこたえる意味合いから、さきに食糧の一割増産、興農運動の展開を企図いたし、また二十六年度農林関係公共事業予算につきましても、農地関係だけで、当初五百四十億円を要求していたと聞いたのでありますが、今国会に提出されました予算案によりますと、百二十億円に削減されまして、国営、県営、団体営等で現在着工中の事業の大部分が、事業の繰延べをせざるを得ない状態となりまして、食糧の自給化促進の計画に多大の支障を与えるばかりでなく、資材、労力等の非常な不経済ともなりまして、国家財政の効率的運営の上から見ましても、再検討を要する事柄であると思います。  他方自立経済審議会におきましては、最近におきまする時局の推移にかんがみまして、諸般の諸情勢を検討いたしました結果、明二十六年度以降三箇年間に、少くとも千二百万石の増産計画を樹立、実施いたしまして、わが国経済自立を強力に促進すべきであるとの結論に到達いたしまして、去る一月、その旨を政府に勧告しているのであります。  以上のごとき客観的諸條件を背景に、本小委員会は、農林関係公共事業中、特に農地の改良、造成及び復旧事業につきまして、種々検討を加えました結果、一応次のごとき結論を得たのであります。すなわち現在継続中の土地改良事業の中で、特に経済効果の高いものが、国営、県営、団体営を合せまして三千五百地区ほどありますが、前述のごとく予算不足のため、工事が繰延べまたは休止のやむなきに至つておりますので、この際、これらの地区を特に重点的にとり上げまして、明年度中に完成するよう繰い上げ工事を実施すべきであるということであります。これに要しまする経費は総額で約二百二十億円で、これによりまして約百七十万石の増産を期待し得るのであります。これが実施に要しまする資金につきましては、主として経済再建及び完定資金として予定されております対日援助見返り資金(七百五十億円余)の中から充てるようにするのが至当ではないかと思います。元来見返り資金は、わが国の食糧不足を補うため、連合国から輸入されました援助食糧に対する見返り勘定でありますので、この趣旨にかんがみましても、また食糧増産がわが国経済の自立安定のために、基盤的役割を演じている事実に顧みましても、そうすることが妥当であらうと思うのであります。  なおこれらの農地の改良造成事業の円滑なる推進のために、近い将来に特別会計を設定いたしまして、現行会計法によりますところの、資金の投資が時間的に遅れる等、有効適切なる手段を講じ得ない不備な点の是正をはかりますとともに、農地の改良、造成事業に対する外資導入についても備える必要があらうと思います。  以上の趣旨に基きまして、ただいま御手元に配付いたしましたような決議文を、農林委員会全員の御賛成を得まして、政府に要望いたしたいと思いますので、各位の御賛同をお願いいたします。     —————————————     〔野原委員長代理退席、委員長着席〕

千賀康治自由党

○千賀委員長 ただいまの八木君の提案になりました農林公共事業費に関する件を、本委員会の決議とするに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

千賀康治自由党

○千賀委員長 異議なしと認めます。なお、農林、大蔵、安本各大臣あてこれを参考送付いたすことにつきましては委員長に御一任願いたいと思います。  次会は公報をもつて申し上げることといたし、本日はこれをもつて散会いたします。     午後二時四十五分散会

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