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10回国会衆議院1951/05/11

電気通信委員会 第14号

発言数
33
登壇者
8
会派数
4
開催日
1951/05/11

会議録

關内正一自由党

○關内委員長 これより電気通信委員会を開会いたします。  まず理事の補欠選任についてお諮りいたします。去る三月三十一日理事高塩三郎君が委員を辞任され、理事が欠員となつておりまするが、同日同君が再び委員に選任されたので、先例により高塩三郎君を理事に指名いたすに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

關内正一自由党

○關内委員長 御異議なしと認め、さよう決します。     —————————————

關内正一自由党

○關内委員長 電波管理に関する件を議題といたします。  この際電波監理委員会より、所管事務における最近の主要事項について説明いたしたいとの申出があります。これを許します。富安電波監理委員長。

富安謙次電波管理委員会委員長

○富安政府委員 それでは電波監理委員会といたしまして、当面の問題につきまして二、三お聞取りをお願いいたしたいと存じます。  まず最初に一般放送事業、すなわちいわゆる民間放送の事業に関することであります。御案内の通りに昨年十二月初めに、放送局の開設の根本的基準が制定されましたが、これに伴いまして無線局免許手続規則というものが改正されました。この規則によりまして、新たに提出されました免許申請に対しまして、電波監理委員会は本年初め以来慎重に審査を進めて参りましたが、ようやく先月二十一日に関係方面の了解を求めまして、標準放送の申請に対する免許の許否の決定をいたしました。その結果は、お手元に差上げてありまする資料の通りに、十六局に対して予備免許を与え、四局に対して保留の処分をいたし、その他の十四局に対しましては免許を拒否するという結果でありました。過去を振り返つてみますと、終戦の後に民間放送開設の要望がとみに高まりまして、昭和二十年の末には、当時の逓信院に対しまして、初めて民間放送局開設の申請が提出をされたのであります。それ以来すでに五年有余を経たのでありますが、その間申請の方も毎年増加して参りまして、電波放送三法律が施行されました昭和二十五年末におきましては、全国各地からの申請の総数は、実に七十三件という多数に上つておつたのであります。御承知のように、ただいまも申しました通り、放送局の開設の根本的基準というものをつくりましたのは、たしか昨年の十二月の三日であります。この基準を議決いたしますと同時に、委員会は委員長談という形をもちまして、民間放送の免許の方針、いわば委員会の政策とでも申すべきものを発表をいたしたのであります。御承知のように電波法におきましては、委員会は、免許の申請を受けますると、これこれの事柄に申請が適合しているかいないかということを審査しなければならぬ。すなわち技術的の基準、周波数の割当の可能かどうか、財政的の基礎が確立しておるかどうかという三つのほかに、もう一つ委員会で定める根本的基準、この四つをあげて、これに適合するかしないかを審査をして、遅滞なく拒否を決定する、こういうことになつておるのであります。ただいま申しました昨年末の根本的基準というのが、その第四番目に当つておる基準でありまして、これによりまして免許に関する法規上のよりどころが整つたわけでありますが、委員会はさらにこれを実際に運用する上につきましての方針を、同時に発表をした次第であります。すなわちわが国の現在の経済力とか、または放送事業者の財政的見地からどういうことになるか、あるいはまた現在一般に普及しておる受信機の性能から見るとどういうことになるか、さしあたり日本に免許を適当と認められる民間放送局の数は、どれぐらいを適当とするか、あるいはまたこれを中央に偏在せしめないで、全国的に分布させるというようなことも考えなければならないのではないか、そういうようないろいろな点を考慮に入れまして、ただいま申しました委員長談の形式において発表をいたしました。委員会の政策といたしましては、結局次のようなことを申したのでありました。東京においてはさしむきのところ二局、その他の都市におきましては大体一局より多く免許することは困難ではなかろうかと考えるというようなことを、委員会の見解として発表いたした次第であります。この委員会の見解が発表されました後は、申請者の側におきましても大体その趣旨を了解されまして、各地とも申請者の間におきましてその線に沿つた動きがありました。所によりましてはいろいろ紆余曲折も経たのでありますが、結局合同の線に沿つたいろいろの動きがあつて、最後は私どもの方の方針等を考慮いたしまして、その結果は先ほど申し上げましたように十六局の免許、四局の保留ということにおちついた次第であります。何分にも日本に初めての民間放送でもありますし、日本の放送に対する画期的な変革といつてもよろしいものでありますので、委員会といたしましても十分に愼重を期したのでありますけれども、関係の向きにおきましても相当意見もあつたようでありまして、関係の向きとの交渉は意外に手間どつたのであります。ようやく三月の二十一日になりまして最後の折衝を経て、発表できたというような次第であります。そういうわけで、予備免許は予定よりも若干遅延いたした次第であります。この予備免許によりまして、ここでようやく国民の待望久しかつた民間放送がその第一歩を踏み出すことになつたのでありまして、早い分はことしの夏ごろにでも第一波を出すというような、大体段取りになつておりますが、申し上げるまでもなく民間放送の前途というものは、なかなか楽観を許されないものがあると思うのでありまして、この事業を健全に発達させますためには、関係の各方面からの御協力と、それから一般がこの事業に対する深い理解を持つてくれなければならぬと考えられるのでありまして、委員会といたしましても、この事業の育成につきましては、でき得る限りの努力をいたしたいと存じておる次第であります。ことに問題は、ただいまも触れました日本の現在の受信機のことでありますが、わが国におきます受信機の普及状況は、御案内の通りにいわゆる並四級程度のものが大半を占めておるのであります。かようなことでは、限られたる周波数を有効に割当てることはきわめて困難でありますのみならず、電波を有効に、能率的に使う上からも考えなければならぬと思うのであります。つきましては委員会も、今後国民の経済力に応じて、低廉でしかも優秀な受信機が容易に入手できるように、関係の政府機関並びに民間製造業者とも連絡いたして、その協力をもちまして、受信機の発達について一段の努力を傾けることにいたしたいと存じておる次第であります。以上、民間放送のことについての大体を申し上げたわけであります。  次に、有線放送の実施状況について少し申し上げたいと存じます。有線放送業務の運用の規正に関する法律が公布されましたのは四月五日でありまして、これに関します政令、規則が同月の九日に公布になりました。それでこれらの法令が一括して四月十日から施行されたのであります。そういうような法律が制定公布されましても、何分にも目の前に控えた選挙にただちにその法律が適用されなければならぬというような差迫つた状況にあつたのでありまして、この法律、法令の趣旨を一般に徹底せしめることがきわめて大切なことでありましたので、委員会といたしましても、ただちに地方の局長を招集し、それぞれ親しく法律、法令の趣旨等を伝えまして、手違いのないように、十分に法令の効果が上るようにというようなことを指示を与え、また周知徹底につきましてもできる限りのことをいたしまして、遺憾のないことを期した次第でありますが、幸い先般の地方選挙におきましても、私ども中央に参つた報告によりまして、特に取上げて、こういうことが悪かつたとか、こういう遺憾の状態が生じたというような事故的なものを、一つもまだ耳にしておりませんでした。これはまことに御同慶の至りと存じておる次第であります。それで委員会の御要求もありまして、この法律の施行のときにおきまする有線放送の施設状況の調査をいたしておりますが、実はまだそれがつい一昨日くらいまでに到達するようにというようなさしずを地方にいたしておりますので、ただいまは正確に地方からの数字のまとまつたものが手に入つておりませんのですが、しかし概数を申しますというと、有線放送施設の数は全国で五千六百三十二というものでありました。そのうちで共同聴取施設が四百五十一、街頭放送施設が五千百九十ということになつております。これらの施設がこのたびの選挙にも相当利用されたわけでありました。それから本年の四月の末におきまして、有線放送の業務開始を届け出ております数は、三百十九ということでありますけれども、法令によります届出の期間はまだあと二箇月を残しておりますので、その二箇月のうちには大体届出も出そろうものと期待をいたしておる次第であります。なおこの有線放送の実施の状況につきまして、詳細な地方からの資料がまとまりますれば、そのときになりまして御要求に応じまして提出をいたし、御説明を申し述べたいと存じております。  最後に電波関係の国際会議であります。目下当面しております会議といたしましては二つあります。一つは国際無線通信諮問委員会、それの第六回総会というのであります。それからもう一つは臨時無線通信主管庁会議というものであります。いずれも国際電気通信連合の主催の会議であります。前の国際無線通信諮問委員会というのは、来る六月五日から七月六日までジユネーヴにおいて開催されることに決定しておりまして、この会議の任務は無線通信に関する技術上の問題、それからその解決が主として無線技術上の考慮にかかる運用の問題、そういうような問題につきまして研究を行つて、意見を表明するという性質のものであります。わが国の主管庁といたしましたの電波監理委員会は、電波技術の向上発達をはかるという見地からいたしまして、この会議に適当な代表を参加させるように準備が整つておる次第でございます。それから次に八月十六日から大体三箇月の予定をもちまして、ジユネーヴで開催されます臨時無線通信主管庁会議、この方は延期となつておりました昨年のへーグ会議のかわりとして開かれるものでありまして、この会議の方は、一九四七年アトランテイツク・シテイ会議以来の十数個に上る各種の業務的、地域的会議の作成いたしました周波数の割当の案を最終的に統合して、新しい国際周波数表なるものをつくつて、世界的に電波管理をはかろうとするものでありまして、この会議の成果いかんによりまして、各国の電波利用のわくがきめられると申しても過言ではないのであります。この会議によつて一九四七年のアトランテイツク・シテイの無線関係の国際規則が、全面的に実施されることになるのでありまして、将来の電波行政にとりましても最も重要な会議であるわけであります。各国の利害に対してきわめて重大な影響を与えるこの会議につきましては、相当の紛糾も予想されまするし、わが国主管庁といたしましても、その任に当る電波監理委員会におきましてはいろいろ準備を進めておりますが、相当専門的な分科会にわかれて、短かい期間に審議を進めることになつておりますので、万遺漏のないことを期するために、わが国の代表団といたしましても、相当多数の専門的知識を持つた者を送る必要があると存じて、その含みをもちましていろいろ計画をいたしておるような次第でございます。  簡単でありましたが、以上三つの当面の問題につきましてお聞取りをお願いいたした次第でございます。

關内正一自由党

○關内委員長 富安委員長の説明に関し御質疑はありませんか。

松井政吉日本社会党

○松井(政)委員 ちよつとお伺いします。第一番に民間放送の免許の関係でありますが、この許可されました十六局、これは地域的な考慮を払いながら、全部手続万端整つたものを許可したのではないかと考えられますけれども、そういう地域的な関係から見ますと、東京関係は全部手続及び設備その他の関係が不備であつて許可されなかつたのか、それともそういうことでなくて、東京という地域の関係で十六局の中に入つておらないのか、その点はどういう関係に置かれておるのでありますか。

富安謙次電波管理委員会委員長

○富安政府委員 東京は二つ許されております。東京の管区におきましては、ここに表が差上げてありますが、ラジオ東京と日本文化放送協会、これが関東一円を放送区域として許可を与えられておるものであります。

松井政吉日本社会党

○松井(政)委員 そうすると、ラジオ東京は埼玉県の足立さん、それから日本文化放送協会は埼玉県の鳩ケ谷の沢田節蔵さん、こういう関係は東京地区というよりも、関東一円という地域の関係を考えたのでございますかどうか、それをお伺いいたしたい。

富安謙次電波管理委員会委員長

○富安政府委員 まことにおつしやる通りであります。

松井政吉日本社会党

○松井(政)委員 それから民間放送局が大体十六局きまつたのでありますが、それに対する電波監理委員会としての技術的な関係をどうお考えになつておりますか、ちよつとお伺いしたいのであります。たとえば民間放送は、御承知のように商業放送的なものが専門的に行われるのではないかと考えられますが、十六局の地域において各家庭等で聞く場合に、国家放送が聞えないで、そういう商業的な放送のみが聞えて来るというような関係における技術的な措置は、どういう関係で御考慮なさつておるか、お伺いしたいと思います。

富安謙次電波管理委員会委員長

○富安政府委員 お尋ねは日本放送協会、NHKの放送との関係のように伺いました。NHKの方は聞えないので、民間放送、今度許されるものの方が聞えるような所がありはしないか、そういう面に対する技術的の考慮はどうかというようなお尋ねでございますが、そういうNHKの方が聞えなくて、民間放送の方だけが聞えるというような状態の発生する向きのあることを、ちよつと想像をいたしていないのであります。大体どちらでも、つまり、ダイヤル一つをまわすことによりまして、しかもただいま一般に普及いたしておりますような受信機、あまりよくない受信機、それをもちましても大体聞き得るという状態を考慮に入れまして、許可を与えている次第でございます。

松井政吉日本社会党

○松井(政)委員 それではその次に、NHKの方は御承知のように経営その他に関しては国家の予算を中心にして経営するのであり、民間放送局の方は御承知のように商業放送、それから利益を上げながら経営して行く形がとられると思いますが、そういう関係の場合に勢い競争的なものが出て来はせぬか、その競争的な場合に、かりに営利関係の方の民間会社の方に、いろいろな商業放送的なものが優先的に行われて、国家的な立場に立つて放送するNHKの方が、営業的にかなり圧迫をされるような状態が起りはせぬか、そういう場合における経営面についてどういう考えを持たれるかお伺いしたい。

富安謙次電波管理委員会委員長

○富安政府委員 大体このNHKのほかに民間放送を許すことにした法律の精神というものは、NHKの独占でなく、これに対して競争の相手をつくつて、お互いに正しい競争によつて日本の放送を発達させたいという趣旨にあることは、争われないと思うのであります。ただその競争と申しましても、やはり競争にも行き過ぎの弊があるはずでありまして、その競争の結果だれも得にならない、傷つくようなことにならないようにしなければならぬ。その辺の考慮は払つて行かなければならないのでありまして、その辺の関係はおもしろくもあるし、また微妙でもあると思うのであります。一面において競争もしなければならぬが、その競争は正しいものでなければならぬ。競争によつて発達を促すような競争でなければならぬと思うのであります。無理な競争によつて競争の弊を起させるようなことがないように考えて行かなければならぬと思うのであります。お言葉にありましたように、相手が商業放送でもつて競争を——言葉は悪いかもしれませんが、かりにいどんで来るということになりますれば、NHKといたしましてもじつとしてはいられない。大いに目分の方としてもそれに負けないようにしなければならぬということはあると思います。同時にまたNHKという強い、今まで長く地盤をつちかつている相手に対して、民間放送といたしましてもそれに対して競争をするということになれば、相当力を持たなければ競争はできないことになるのではないか。その間にお互いに競争によつて張り合う、張り切るということはあるけれども、あるのは、これはそういうような正しい意味の競争ならば、法律が予期いたしましてそういう競争があつてほしいということなのですから、その意味におきましてはそういう競争はけつこうであると言わなければならぬと思うのであります。しかしその競争が無理な競争になつてしまつて、お互いに大きな資本を投じて、その競争がはげしくなるばかりで、お互いに傷つく、とうとう一方が倒れるということになつては、これは日本としては不幸なことで、そういうことにならぬように、それは免許を与えるとき、あまり濫設にならぬように免許を与えるとかいうような点において考慮を払わなければならぬし、またそういう意味で考慮を払つた、これくらいの数が日本放送協会を相手として——というのは言葉が悪いが、一方に特殊の保護を受けている日本放送協会があり、他方にまつたく広告収入による民間放送というものがあつて、めいめいその立場立場においてお互いに正しい競争をするということがあつてほしい、またこのくらいの許可を与えても、そういう目的には建前としてはかなうのではないか、こういうような見地からながめており、これだけの数を許したというのが、委員会としての見解なのでございます。

松井政吉日本社会党

○松井(政)委員 その関係でもう一点伺います。正しい競争は、われわれも非常に望むところでありまして、やはり競争という言葉が適当かどうか知りませんが、そういう関係でNHKと民間放送とが技術の面についても、営業の面についても、国民大衆に利益を与える点についても、サービスをする点についても、競争してもらいたいと考えているわけであります。しかしながらかりに民間放送ができたときに一番警戒しなければならないのは、民間放送は御承知のように営利を目的として行うのでありまして、しかもNHKのように国の予算で建設費がきめられたり、設備費がきめられたり、あるいはNHKに働く職員の方々の給与、待遇等がきめられて行くという形とは違うのでありますから、その間に優秀なる技術屋あるいは職員等のいわゆる引抜きということは、間々起り得る現象であります。そういうことはすでに起つておるのではないかと察知されるのでありますが、そういうことは決してよい競争ではなくして、競争の弊害の側になるものではないかと思いますが、そういう点についても御考慮を払つておられますならば、見解をお伺いしたいと思います。

富安謙次電波管理委員会委員長

○富安政府委員 まことにお言葉のような、たとえば演出、演奏者の引抜きの競争ということになりますれば、それは正しい競争を逸脱した望ましからぬ競争になるのでありまして、そういうような事態はなるたけ発生しないことを望むの辱ありますけれども、さればといいまして電波監理委員会がそういうところまで立ち入つて指揮とか指導とかをするというようなことになりますと、これは法律によつて委員会が与えられた権限との関係になるのでありまして、そんな点につきましては、やはりその当事者の間において、事業が営利事業、たとい株式会社でありましても、公共的の性質を持つている特殊の事業だ、利益のみ追求してよろしきことではない、もつと高い程度の文化企業であるということを十分に自覚をされまして、その自覚のもとに日本の放送のために重き任務を負うのだというようなつもりでやつていただくということを望む、それ以上に委員会が立ち入りますことは、委員会の権限ということにも触れますので、その辺はきわめて微妙なのであります。それをただ黙つて見ているということではありませんが、さればといつてただいま御例示になりましたようなことで、ただちに委員会が動き出すというようなことは、これまた権限逸脱ということになるのではないか、そういう関係にならぬように、そういう心構えをもちまして、私どもはこの民間放送の発達を望みたい、かように存じている次第であります。

關内正一自由党

○關内委員長 次は長谷川君。

長谷川四郎国民民主党

○長谷川委員 委員長のただいまの報告の中で、二、三お聞きしてみたいことがあるのでございますけれども、十六の許可を与えることになりましたが、これに対して委員会といたしましては、もちろん地域的な関係を重点にお考えになつたことであろうと思いますけれども、さらにそれに対して技術者等を派遣して、最も厳密な調査等を行つておつたと思うのです。その点については遺憾がないと思いますが、それに対してひとつ御答弁願います。

富安謙次電波管理委員会委員長

○富安政府委員 先ほども申しましたように、この民間放送というものが何分にも日本に初めてのことでありまして、一度許可を与えてあの許可がまずかつたということになつては重大なことでありますので、その許可を与えるまでの手続においては、十分に愼重を期したつもりであります。ただいまお言葉にありましたように、技術の面におきまして——これは技術の面だけではない、もつと経済、財政の方の経営の面におきましても同じ意味でありましたけれども、単に申請の出て参りましたものを書面審査をいたしたり、また申請者が委員会をたずねましていろいろ説明する人から聞くということのみによらないで、それぞれの地方に委員が手わけいたしまして、実地につきまして納得の行くまで調査を遂げた。それは経済面におきましても技術面におきましても同様でありますけれども、それぞれ委員自身が手わけをして調査いたして、自分の職務的の良心の満足するまでの審査をいたしたというのが、実際のやり方であります。具体的に申しますと、私自身は参りませんでしたけれども、すべての委員が手わけをいたしまして、このたび与えられた十六及び留保になつたものにつきましても、みな現地に臨みまして、委員及びこれに随行いたしまする総局の者が、それぞれ担当の面におきまして調査を重ねた上での結論であつたということを御了承願いたいのであります。

長谷川四郎国民民主党

○長谷川委員 もう一つお伺いしますが、先ほどの御言葉の中にも、あまりよくないと申しましようか、こういう受信機ではお聞きにくい点があるのではないかというようなお言葉があつたと思うのですが、そういたしますと、現在一般家庭にあるところの受信機から考えまして、どの程度までならばこれをはつきり受信することができるか、その点についてひとつ御返事をいただきたい。

富安謙次電波管理委員会委員長

○富安政府委員 これは少しその方の専門の技術にもわたることでありまして、私からは御満足の参りますようなお答えがいたしかねるかとも存ずるのでありますけれども、大体私などしろうととして了解した程度によりますと、今普及しておりまする受信機によりましても、分離ができない、混信して聞きづらいというような苦情は、その程度ならば起らない。専門的に言うと、何デシベルとかいう限界をはかる機械もあるようですけれども、そういうようなものも用いまして、混信のために聞えないことのないよう、そういうことも十分考慮に入れまして技術基準というものも立つておりまするし、その基準に合つたもののみが選択をされておりますので、お尋ねになりましたように、今のわれわれが持つておる受信機では、役に立たないことになつてしまつたというような事態は生じないはずだということに、目途を置いてやつておるのでございます。しかしこれも、私のことを申しますと、私なんか耳が非常に悪いのでありまして、少しぐらい混信しても私の耳が分離をしなかつたりというようなこともありますので、聞く人によりまして、非常に高度な感度の高いものを要求する耳もありましようし、そうでない耳もありましようから、いろいろであると思いますけれども、かれこれいろいろ総合いたしまして、結局大体におきましては今の受信機で、この程度ならばまずがまんをしてもらわなければならないと考えているのであります。さように御了承願いたいと思います。

長谷川四郎国民民主党

○長谷川委員 少くとも民間放送を許可し、今のNHKをわれわれが国の予算において行わしめるという点から、今家庭にある受信機で聞えなくなるということがもしあるとするならば、これは容易でないことでありまして、現在の経済下においてなかなかそれをとりかえるだけの余裕を持つておらぬ。そういうような点から言つても、今一般家庭にある受信機のうち、何パーセントくらいのものがはつきり聞き取ることができないか、受信することができないかということを、大体知らしてもらいたいと思います。

富安謙次電波管理委員会委員長

○富安政府委員 やや専門的にわたりますから、政府委員ではありませんけれども説明員から、お尋ねの点につきましてできる限りのことをお答えすることを許していただきたいと思います。

谷村功総理府技官(電波監理総局施設監督部放送国際課長)

○谷村説明員 今のお話にお答え申上げます。まず最初に混信の問題でございますが、先ほど委員長から御報告申し上げました通りに、現在民間放送として許されたのが十六、それから現在NHKの許可がございますが、それに最近第二放送として五百ワットの局が七局、それから五十ワットの局が二局、これだけ新しく増加されるのであります。従つて従来わが国で行つておりました放送につけ加えまして、局が多数増加いたします。それで現在一般の家庭で使つております受信機でも、混信しないように周波数の割当を考えなければならぬ。しかしこれは相当技術的にむずかしい点がございましたけれども、十分検討いたしまして、たとえて申しますと東京で申しますれば、御承知のように第一放送が周波数五百九十キロサイクルでありますが、それに百八十足しますと七百七十になります。七百七十は進駐軍の放送でありますが、七百七十で第一放送と百八十キロサイクル離れております。それから七百七十に百八十足しますと九百五十ということになりまして、これが第二放送になつております。従つて同一地域で幾つかの放送をいたします場合に現在の受信機を対象にいたしますと、大体百八十KCくらい離せば大体満足して聞ける。しかしそういうことは受信機によりまして違いますから、東京でお受けになつておる御家庭でも、やや悪い受信機でお聞きになつておるところはある程度の混信があるかと思います。その混信の程度を表わしますのに数字を使つておりますが、大体目分の聞きたいという電波の強さとじやまになるというのを、三十対一くらいに考えております。これくらいなら、まあわれわれとして普通日常用にしてさしつかえない程度であります。従つてこの程度の混信を目安にいたしますと、今申しましたように周波数を適当に離して分配して行けばよろしい。従つて東京で申しますと、今の九百五十の上にさらに百八十加えましたところに一つと、それにさらに百八十加えたということで二つの局を置きますれば大体現在と同じような状態において聞き得る、こういうことが申せるのであります。各局ともそういうような考え方で周波数の割当を考える。また全国的に見ますと、五百ワットのステーシヨンがたくさんありまして、これはたとえて申しますと、北海道と九州は一つの周波数を二つの局で使うことができるのであります。こういうふうなことから全国的に割当を考えまして、結局今申しました局がふえましても、大体今の御家庭で使つております受信機で、現在程度の混信で治まるようにということで周波数の割当を決定いたしました。しかし場所によりましては受信機など、あるいは地形の状態、あるいはいろいろなことで、従来聞いておられるよりは少し悪くなるところがあるかもしれない。あるいはまた場所によつては逆に非常によくなるところもあるということで、これを数字的に何パーセントがぐあいが悪いということを申しますのは困難でありますけれども、大体現状通りの状態で民間放送ができてもさしつかえないということが言えると思います。但しもう一つここに残ります問題は、かりに新しく民間放送ができますと、その放送局のごく近くは非常に電波が強いために、他の放送局のものを聞くことが非常に困難になる。これをブランケット・エリアという言葉で言つておりますが、そこの聴取者は、民間放送ができましてその局が近くでございますと、NHKを聞くのがやや困難になる。しかしこれがまつたくないように放送局を置かなければならないといたしますと、人の住んでいない山の中とか、非常に離れたところに置かなければならぬ。そういたしますと、今度は自分の放送したい土地に向つて、強い十分な電波を与えることは困難であります。どうし  ても離すことと、電波を十分に聞かせることとは矛盾して参りますので、やむを得ず開設の根本基準というものをつくりまして、そのブランケツト・エリアに入るものが〇・一%以下ならばよろしいということで、これは聴聞会を開いてきめまして、その数字に合致すれば許すということにいたしておりますから、その点における聴取困難な地域というものは幾分できると思います。しかしそれはやむを得ないことではないかと存じております。大体以上であります。

長谷川四郎国民民主党

○長谷川委員 民間放送が許可になるかならぬかといつて、申請がある当時からいろいろうわさされておりましたが、そのうわさは、おそらく現在の受信機では聞き取ることはできまい、非常に混乱するであろうというようなうわさだつた。それを聞きましたので、かつて私が質問を申し上げましたところ、決してその御心配はありませんというような御返事をいただいておつた。しかるに先ほどの委員長の説明の中には、そのようなことが盛られておつた。その言葉があつたから、これは聞き捨てならないということで私は御質問申し上げたのでありますが、大体その点については了解できると思うのであります。  もう一点伺いたいのですが委員の坂本さんという方がおやめになるとか、またやめたというような新聞記事がありましたが、坂本さんはおやめになつたのかならないのか。おやめになつたとすれば、どういう理由でおやめになつたのか、ひとつお知らせ願いたいと思います。

富安謙次電波管理委員会委員長

○富安政府委員 坂本委員が委員を辞任したという事実はまつたくないのでありまして、同委員は毎日出動されております。それがそういうふうに伝わりましたのは、多分坂本委員が他の委員と一緒に米国に出張をされることになつていたのが、健康のためにどうしても出張ができなくなつて、出張をおやめになつたというようなことが、何かまわりまわつてそういうふうな誤伝となつたものと存じております。

田島ひで日本共産党

○田島(ひ)委員 御報告の終りの方にありました国際会議の問題でありますが、国際会議には、やはり専門的な代表をお出しになるのですか。また出すとすれば、大体どのくらいお出しになるのか。その人選とか、あるいはそれに要する費用は委員会の予算の中から出ますものか、そういう点のあらましのことをお知らせ願いたいと思います。

長谷愼一電波監理長官

○長谷政府委員 お答え申し上げます。本年予定されております国際会議は、委員長の御説明にもございましたように二つありますが、これに日本から派遣する人数あるいはその人等につきましては、まだ具体的な決定に至つておりません。六月五日から約一箇月の予定で開かれるものにつきましては、目下関係の向き並びに大蔵省あるいは外務省等と折衝いたしておりますが、これもまだ最後的に至つてはおりません。なお費用の点でございますが、これも国際会議に出席のための費用は、一応大蔵省と折衝して、全般的に検討を加えられた上決定されることになつておりまして、それにならつて現在折衝を進めております。

田島ひで日本共産党

○田島(ひ)委員 まだはつきり御決定になつていないということでありますから、それ以上お伺いはいたしませんが、最近国際会議のほかにもいろいろ外国へ出張される。あるいはアメリカあたりにもどんどん出張なさる方が多うございます。これがやはりとうとい国民の税金でもつてなされるとすれば、相当重大なことであります。ことに国内におけるほんとうの研究予算は、終戦後ずいぶん減つております。そういう点で相当愼重を要する問題だと私は思います。この問題に関連して——関連いたさないかもしれませんが、この際ちよつとお聞きいたしたいことは、この前休会直前に国会を通りました電波監理委員会設置法の一部を改正する法律案についてですが、御承知のようにあの法律案は休会直前にちよつと出されて、議もろくろくしないで、無理やりといつてもいいくらいに、ほんのわずかな時間で通過させられまして、東京の新聞で相当たたかれておりました。ところが私が国へ帰りますと、国の新聞でも、自由党も知らない、政府も知らない、予算的措置もないというこの法案が通つたことを、相当攻撃しておりました。私だけが反対したのですけれども、実際はろくろく質問する時間も与えられませんでしたが、どうしてあのような法案が休会前に通されたのか、世間一般の人はまだ納得しておりませんから、あの法案についてのあの間の事情をもう少し詳しく、納得の行くような御説明を願いたい。     〔「審議したじやないか、委員会を侮辱するな」と呼ぶ者あり〕

椎熊三郎国民民主党

○椎熊委員 議員提出の法律案に対して、委員会を非常に侮辱した言辞のあつたことは遺憾千万だ。あの際官房長官の談話なども新聞に出て、非常に不愉快に思つたのだが、官房長官が知つているとかいないとか、そんなばかなことはない。あの法案を議員提出で出して、国会を通過して初めて政府が知つた、それでけつこうなんだ。あの法律案がいいか悪いかは別問題だ。当委員会が正当と認めて、ほとんど大多数で通過した。しかもこの電波監理委員会というものは、政府が任命する他の委員会と違う。常時勤務で、一般公務員と何らかわらない。しかもそれが高級官吏であつた人たち、何十年という長い年月行政事務を担当しておつた人たちが、この委員会の委員に任命されたばかりに、恩給をとる権利を喪失してしまうということは、はなはだ不当だということから来ているのである。われわれは監理委員会の構成の内容を知り、そうしてそこで仕事をする人たちの勤務状態を知つて、それが一般公務員と何らのかわりがないのに、特に委員会という名前を付せられているからといつて、恩給をとられてしまうということは、非常に不当だということから来ているのであります。どういう感違いかもしれないが、共産党は、こういう働く者のために金をやることは反対できない政党だと思う。このことに関して、あまり世間におもねるようなことを言つてはだめだ。あの当時の新聞記事に不愉快なことが出たのは、新聞記者がそこつであつたからだ。これは十分注意しておればわかる。ちつとも不自然でも何でもない。突如として政府が出したのならば別だが、堂々とわれわれ議員自体から出し議員提出の法律案である。しかもその法律は、この委員会で正当な手続をもつて審議して可決したもので、やみからやみへとだれも知らないうちに出したものでも何でもない。新聞記者諸君の考え方は、電波監理委員会というのはどういうものか、その内容を知らない。おそらくそういうところから来ておると私は思う。その当時私どもは、党に出入しておる新聞の人には抗議してあります。そうしてその内容を説明しましたが、おそらくはその内容を知らないのです。少くともわが党に来ておる新聞記者は知らなかつた。それで、これはこういう内容だ、電波監理委員会というのはこういう性質のものだと説明したら、ああそうか、それなら何でもないと了解しております。それなら官房長官はどうだ、官房長官は政府の役人であつて、われわれ議員提出の法律案である。今後日本の法律というものは、予算に至るまでわれわれがやるということが建前である。政府から押しつけられた法案を審議するということは、民主国会の本質から言つて違つている。少しでもそういう分野を広めて行きたいということで、先般来国会はあげて努力しておる。その中でもこれはよい例だと思つているのです。そういう官吏の身分等についてまで親切に審査をして、これを法文化して、そうして議員提出で通過せしめた。これは最もよいことであつて、官房長官もその道理を知つているから、その後何らの反対的措置に出ておられない。また出られないわけです。ですから、地方の新聞がどう書いたとかいうことも、当委員会に出席している者は、親切に新聞や民衆に了解させてやることこそ、われわれ国民代表の責任であつて、新聞がそう書いたからいけないというような、調子に乗るようなことをしないで、なぜ堂々と委員会で反対論議をしないのか。あなたが反対論議をしたといつても、それが多数をもつて通過せしめられたならば、民主主義の根本的精神からいつて、多数の決定に従うべきが民主主義であつて、少数意見を固執して、あくまでそれで反駁して行くということであれば、民主主義は成り立たない、議会政治は成り立たない、そういう点について十分この委員会の権威を尊重していただきたい。われわれみずからが国会を守らなければならない。議員提出の法案を議員が軽蔑するのでは、国会の権威が成り立たない。そういう点、御了解願いたい。

關内正一自由党

○關内委員長 ちよつと速記をやめてください。     〔速記中止〕

關内正一自由党

○關内委員長 では速記を始めてください。

田島ひで日本共産党

○田島(ひ)委員 私の質問は誤解を生んでおりますが、私は過去には反対いたしましたよ、この法案には……。私は議員提出の中に参加しておりません。ただ新聞では、あの法案が実施されます上において、非常に困難が起きているように報道されております。自由党も知らない、政府も知らない、予算的措置もない、あれを消さなければならないと新聞に報道されている。政府側として、その法律を実施する上においてどういう方法をとられますか、そのお答えをはつきり聞きたい。

關内正一自由党

○關内委員長 答弁はないそうです。  他に御質疑はございませんか。——御質疑がなければ、本日はこの程度にいたしまして散会いたします。     午後二時二十七分散会

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