通商産業委員会 第43号
- 発言数
- 46 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1951/08/15
会議録
○小金委員長 ただいまより通商産業委員会を開会いたします。 この際委員の変更についてお知らせいたします。去る七月二十七日、委員深澤義守君が委員を辞任せられて、山口武秀君が補欠選任せられ、八月七日、山口武秀君が辞任せられ、田島ひで君が補欠選任せられ、さらにまた本十五日、田島ひで君が辞任せられて、山口武秀君が補欠選任せられました。以上御報告いたしておきます。 本日理事会におきまして御協議をいたしました結果、本日は肥料に関する件について調査を進め、中小企業の金融状況等に関する件につきましては、明後十七日午前十時よりあらためて調査を進めることに決定いたしました。なお肥料に関する問題については、国民民主党から明後日発言さしてくれという注文がございました。中小企業等の金融問題に関しましては、事がきわめて重要でありますので、場合によりましては、来る二十日の月曜日にあらためて当委員会を開いていただくようにお願いすることになるかと存じます。以上御了承を願つておきます。 それでは肥料に関する件について調査を進めます。質疑の通告がございますから、順次これを許します。神田博君。
○神田委員 ただいま議題となりました肥料問題について、若干お尋ねしてみたいと思います。 この肥料問題はなかなか大きな問題でありまして、ことにわれわれ自由党といたしましては、昨年来肥料の生産需給の実態を十分調査いたしまして統制を撤廃しよう、そして自由競争によつて十分肥料の増産を遂げ、肥料丁業の原価の低減をはかり、農家の需要を十分まかなうことを期すると同時に、さらに海外に輸出して肥料工業の健全なる発達を促したい。さらにもが国の米麦その他の自給度を高めて、国民生活の安定を期したいというのが骨子であります。上がるにわずか一箇年を過ぎた今日、肥料統制が一部官僚の手によつて立案されておる、こういうことを聞くのであります。これは政府がやつておるか、官僚がやつておるか、私の手元に肥料需給調整制度要網案というものが出ております。これは一体通産省の案か、農林省の案か、十分説明してもらいたいと思います。農林大臣を会長としての審議会ができるようでありますから、おそらくこれは農林省の案じやないか。これは吉田内閣が今日行政簡素化をはかろう、行政整理を断行して、国費を軽減しなければならぬというような際に、不要不急の法令を廃止しようというような基本的方針と背馳しておるように私は考える。肥料需給調整特別会計法をつくるのだ、こういうことがほんとうに一体必要なのかどうか。どうも私ども先般来こういうような空気があるというようなことが耳に入つておりましたので、この前の通産委員会において、一体そういうことが考えられておるのかどうか、十分ひとつ当委員会において説明してほしいという要求をしておいたのであります。首藤政務次官は承知されておつたのでありますが、どうしたことか、これもうやむやになつてしまつている。ことに最近の異動で化学局長が大阪に転勤して、新しい局長が出て来ている。大臣もかわつたわけでありまして、一体これは肥料問題について、農林、通産、あるいはきよう安本の方がお見えになつておるかしりませんが、三者どういうようなお考えをお持ちになつてこの肥料の根本問題に処しようとしておられるのか、われわれの納得行くような説明をひとつお聞きしたいと思う。ことに需給調整法案をめぐつて、肥料業界は一齊に反対の意を表明しておる。特に今日こういう際に、業界を混乱させるような、こういうことを急いでやらなければならぬのか。新聞ではときどき拝見はいたしておりますけれども、まだ一ぺんも御説明を聞いておらない。どういうねらいをもつて、また今日の現段階において、どういう必要があつてそれをおやりになるのか、通産大臣はわが党の党籍をお持ちになつておらないのでありまするが、吉田内閣は自由党の内閣でありまして自由党の政策を基本として立つておるのでありますから、そういう点についても十分御了承の上、やつてもらいたいと同時に、政務次官はわが党の出身でありますので、この問題につきまして、一体どういうお考えをお持ちになつておられるか、はつきりしたお考えを私はお聞きいたしみいと思います。もちろんわれわれは自由経済をまつこうから振りかざしておるとはいいながら、のほうずに何でもかんでも自由だ、かつてだという意味ではないのでありまして、必要によつては必要の手段を講ずることはもとよりでありますけれども、今日肥料の問題におきまして、はたしてそういう段階にあるのか、ひとつ十分な御説明を願いたいと思います。その御説明によりまして、さらに質問を継続して行きたい、かように考えます。まず大臣、政務次官及び東畑局長からひとつ明瞭に考え方を御答弁願いたいと思います。
○高橋国務大臣 ただいまお尋ねの肥料の需給調整案ですか、これは私はまだ大臣として何も聞いておりません。二、三日前に省で、今あなたのお示しになつたようなものを局長でしたか、次官でしたか、示したのです。それだけで、あるいは事務局の方では何か交渉が始まつておるかしりませんが、それも私承知しておりません。大体にその案を見ますと、現在こういう案が必要であるがどうか、またこの案で、この起案者が期待しておるような目的が達せられるかどうかということについては、私は非常に疑問を持つております。
○首藤説明員 神田委員の御質問の需給調整法案でありまするが、これもまだ正式に交渉を受ける段階に行つておりません。農林省の方で案を準備いたしておるのであります。しかしながら、非公式にこの調整法の案を一応拝見さしていただいておるのが現在であります。事柄が非常に重要でありまするので、現在慎重にこれに検討を加えております。ただしこの法案だけから拝見いたしますると、自由経済に逆行するような制度——さらにまたそれも結論的に効果があるという見通しがつきますれば、これに賛成するにやぶさかでありませんけれども、おそらくこの法案では運用が困難ではないか。むしろ結果において、構想と相反するところの問題を提起するのではないかというような不安を持つておるのでありまして、一応現在のところ、この案では賛成いたしかねるというふうな気持を持つている次第であります。先般農林委員会に誉まして、いろいろ委員からの御意見があり、これは通産委員会とまつたく反対な意見で、強力にこれを推進するという御意見が非常に強かつたのであります。同時にこのよつて起つた事情として、昨年来の、統制撤廃後一年間の経過がきわめておもしろくない、期待に反して非常に肥料の価格は上つた、農家の経済に非常な圧迫を加えた、そこでどうしても肥料価格を安定しなければならぬというのが、一応農林委員会の骨子であります。肥料価格の安定は、何も農林委員会でなく、われわれもそれを期待するのでありますけれども、しかし自由経済の今日、そう人為的操作によつて安定するというようなことは、およそ至難ではないか。従つてその場合に、政府がこれに関与いたして、そして必ず安定するという見通しがつきますならばともかく、この法案だけではそういう見通しもつきかねるという、実は結論に到達いたしておるのであります。従つて今後なお主官庁からも詳細に、よつて起つた事情並びに今後の見通し等につきまして、詳細に拝聴いたしまして、最後の通産省としての意見をまとめたいというふうに考えておりますが、現在のところ、おそらくこれでは目的を達しがたいであろうという見解のもとに、反対せざるを得ないという立場にあることを申し上げておきます。
○東畑説明員 農林省の者でございます。お手元にお配りしました要綱は、農政局長の試案と御了承願います。農林省として一応きめたのでございますが、政府全体としてはまだきまつておりません。こういう意味で御了承願いたいと思います。 神田さんの先ほどからの御議論の、大いに増産をして輸出して行かなければならぬ、これがまた一つのコストを下げるゆえんじやないかというお話でありますが、農林省といたしましても、肥料というものが非常な重要な商品である、従つてこれがなるたけ安い価格で生産をされ、大いに増産をされ、余剰分は大いに輸出して行きたいということについては、われわれといたしましては何ら意見はございませんし、またそうであろうと考えております。ただせつかく自由になつたのにまた官僚統制をするという、こういう御懸念があるようでございます。私自身別に官僚統制をやらなければならぬということを考えておるのではございません。昨年統制を撤廃いたしましたときには、公団に相当肥料がございました。その放出ということによりまして、この春を切り抜けたのであります。もちろん放出等の問題は、清算法人としての放出であつたために、肥料の需給調整をやつておるというわけではございませんけれども、若干そういうものがあつたということを、ひとつ前提としてお考えを願いたいと思います。われわれといたしまして一番の問題は、神田さん御承知のように、肥料というものは、非常に季節的に需要が違う。一般の工業品と違いまして、農民の需要というものは非常に片寄つている。何か変動のあつたときには、それが非常に思惑となりまして、農民自身が非常な不安定の気持になつて先買いをするとか、あるいはいろいろなことで、肥料の商品が不安定であるということをひとつお考えおき願いたいと思います。それから農家自身の絶対の消費量も、米価の問題あるいは天候の問題、いろいろな問題によつてその年年によつて若干の消費の変動があるということも御了承おきを願いたいと思います。そういう季節的な問題が一つございます。何かここに調整をするということは、金融でつなぐという手も打つております。肥料は全部の農民の絶対の必需品として買う関係で、山の奥、北海道の北、九州のはしはしまで消費があるのでありまして、地域的に需給が円滑に行かなければならぬという商品であるということもひとつ御了承願いたいと思います。米であれば半分が配給を受けるが、肥料は全農民がこれを買わざるを得ないという一つの商品であるがゆえに、地域的な需給の公平を期する必要があるという点がございます。それからもう一つは、日本の肥料の生産がうんとふえたという場合は別でありますが、若干ふえて輸出余力が出て参つた。輸出をいたします場合に、率直に申しますれば、先の供給力と先の需要というものを実は予定をいたしまして、そこで輸出を幾らにするとかということが問題になるわけであります。需給計画というものは、国の一つの計画でございますので、必ず立てなければならぬ。さてそれを実行する場合において、供給が電力関係で変動をいたす、需要そのものもかわることもあります。またいろいろな経済の状況によつて、多少先に起る、あとで起るといういろいろなこともございます。そういう非常に変動の多いものなので、輸出を幾らにするかということは、われわれ事務当局の間でも非常に議論のあるところであります。農林省といたしましては、農民のやはり肥料を安定させようという官庁でありますために、どうしても慎重になつて、輸出についてどちらかといえば消極的になるということは、これは別に悪意なしに、どうしてもそういうことになるということも、御了承いただきたいと思います。そこで輸出量をいかにするかということは、なかなか不安定できまらなかつたし、いろいろ御迷惑をかけておりますことは、私昨年来重々承知いたしております。肥料の価格を安定いたしましたり、地域的にこれならできる、時期的にこれならできるという、農林省として何らかそごに目途がつきませんと、単なる自由経済だけのもとに、一万トン許すか、五万トン許すか、十万トン許すかという具体的の問題につきましては、そこにどうも通産、農林の間に若干の食い違いがありましてわれわれ非常に苦慮をいたしております。そこに何か先の安定的なものを把握いたしますれば、われわれはその安心感なり農民の安定の上に、輸出はもう少し明朗になるのではないか。かりにそれではつきりいたしますれば、多少そこの論議は明朗になるし、はつきりと早く解決し得るじやないか。われわれとしてはこれによつて価格を不当に抑制しようという気は毛頭ございません。もちろんこれは農民の必需品でありますので、価格が暴騰したり暴落したりして不安定感を起すことを避けたい。そこの線をねらつて、それ以上のことを考えておりません。従つて上ります場合においてはこれを抑制いたしますけれども、根本的に肥料の生産をふやすということについては、われわれは毛頭異議がありませんので、肥料の生産関係がこれによつて萎縮するということは考えておりません。また輸出をよりはつきりいたさせたいということを建前にいたしまして、ある幅で肥料の生産配給をしてみたい。農民自身もそれによつて安定をいたさせたい。肥料の生産をはかられる方、流通の方もあるわく内において安定して行かれるように考えて行きたい。いろいろ考えました結果、独占禁止法その他いろいろな制約のもとに、遺憾ながら最小限度に官庁がこれに当ることが最もこの際公正に行くのではないかという気持を持ちまして、この案を考えたのであります。従つてそれをやる以上は特別会計というものをつくりまして、官吏がタッチして行くということにならざるを得ないのであります。われわれは他のいろいろな条件を考えまして、官吏のタッチし得る最小限度でこの問題を処理して行きたいと考えたのであります。予算等も完全に折衝を終つておりませんので、一農林省の試案である、こういうように御了承願います。
○神田委員 ただいま通産政務次官の御答弁を伺いまして、はなはだ意を強くしたわけであります。ちよつと見ただけでもおそまつな案だ、こういうものでありますから、よくごらんになればますますおそまつになるのではないか、そういう感じを持つたわけであります。そこでただいま東畑局長の御説明でありますが、述べられることは私もよく論理的にはわかる。農民の声を声として、農林省の立場からいろいろ施策を考えらるということは、われわれはよくわかるのでありますが、どうも私どもたたその気持だけでこの問題を処理しようということに相なりますると、感情的なものだけ取扱つてしまつて、根本的な問題を失つてしまうのではないかという心配がある。どういうことかといえば、御心配の余りこういう案を立てて、官庁として最小限度のタッチをするのだ、まことにそのお考えは壮たりといわなければなりませんが、今まで一体官庁がこういうようなことをやつて成果を上げたという例があるならひとつお聞かせ願いたい。終戦後幾多の公団ができて官庁が統制をやつた。それが一体どういう結果になつたか、廃止の運命になつて、そのあとの清算がどういうことになつたかということを考えますると、いろいろお述べになられたよい点も、私はむしろ日ならずして欠点化して行くのではないかという気もする。ほんとうに農林省が農村問題の、特に重大な肥料問題を解決して行くというならば、肥料の増産を十分念願されて、その方面の施策をなされることが一番大事ではないか。その方面の肥料増産の案というものは一向出て来ない。監督したり買いだめさえしたら安心だというそのことが私にはよくわからない。時期的な問題はよくわかりますが、地域的調整をやるのだ、そこで貯蔵しておくということを言つておりますが、おそらく倉庫も持つておらないから、肥料会社に貯蔵させるということが多いだろう。またほんとうに農民のことを御心配になられるならば、政府は何もお買上げにならなくたつて、これを扱う販売業者があるわけだ。販売業者だけで物足りないというなら、農林省系の農業協同組合があるわけた。それに資金を融通することによつてそういつた危惧は解けるのではないか。それをお選びにならないで、特に官庁自身がこの案を切り出す、この考え方が私にはわからない。東畑局長は安本におられて、統制撤廃には非常に御熱心に活躍された。農林省に帰るや、またこういうことをおやりになる。これはほんとうに東畑さんの気持ではなかろうかと思う。私も農村問題については非常に憂えておる立場にあるのでありまして、この問題を感情的あるいは政略的、そういつたことで見ておるわけではないのであります。ほんとうに農村問題の解決、肥料問題の解決ということで、りつぱな案でおやりになるならば、決して議論を好んでおるわけではないのでありますから、双手をあげて賛成いたしたい。しかし今われわれの手元にお配りになられたのは、どこから来たかと思つておつたのでありますが、農林省議で大体東畑試案であるという。この案を拝見いたしまして、内容的にまだ伺わないうちに言うのはどうかと思いますが、しかし通産大臣及び首藤政務次官の言をそのまま借りて申しましても、ちよつと見ただけでも、これはどうもこの法案の望んでおる期待に沿うことはできないだろうと思う力私どもはやはりそういう感じを持つ。肥料問題は非常に大きな問題であり、また農村問題でありますから、十分ひとつ検討されて、いろいろ案の出ることは、これは研究の結果でありますから、そういうものは出してはいかぬということは申し上げませんが、しかしまだくもつと御研究なさつて、お急ぎにならぬで——農林省でお急ぎになつておまとめになつても、他の方がまとまらなければ何にもならぬことになるわけでありますから、そういう案をおまとめになる前に、外部の方をおまとめになり、そうして農村の振興になるような、ほんとうにりつぱな案をひとつつくつてもらいたい。ここで議論をしても始まらぬわけでありますが、どうもただいまの御説明を聞きますと、気持はわかるのであります。御心配の点は十分了承できるのであります。だからといつて、この要綱案のごときものでそのこと自体が解決できるというふうにはどうしても納得できかねる。最もりつばな案を拙速主議ではなくやつていただく。そうして適当な機会に御説明いただくようなことになれば非常にいいのではないか、こういうふうに考える。通産大臣、政務次官も、肥料工業はわが国の重要産業であり、また総合化学工業でありまするので、この育成についてはさらに一層努力されるように要望いたしまして、他の同僚諸君の質問もあるようでありますから、私はこれで一応打切りたいと思います。
○福田(一)委員 ただいま同僚委員の神田君から一般的な質問がありましたが、私は農林省から出されておる案の第六項に「政府は、政府に肥料を売渡した者に、条件を附して、輸出のための買戻しを認めるものとする。」こうありますが、この内容を詳細に説明願いたい。
○東畑説明員 第六項の質問でございますが、非需要期におきまして相当のストックがあるという場合に、それを輸出するか、国内でどうするかという問題がございます。その場合にわれわれといたしましては、輸出の許可その他に対して若干事務的なことで製造業者等に御迷惑をかける。そういう場合には政府にお売りになつておつても、またそれをある条件のもとに輸出するという場合においては、買いもどすというふうにした方が、輸出のためにもなるし、政府自身が買う場合にも便利ではないか。輸出のためには買いもどしを認めるという考え方をいたしております。こういうことであります。
○福田(一)委員 その場には一定の手数料をとられるわけですか。
○東畑説明員 別段手数料をとるのではございません。ただこのときの価格をどうするか、そのときの条件をどうするかということは、さらに詳細に検討を要するのでありますが、政府で手数料をとるという考えはありません。
○福田(一)委員 次に第九項の「政府は、肥料需給調整を行うため必要があると認めるときは、肥料の販売業者、倉庫業者等から肥料の販売価格、販売数量、在庫数量その他に関し必要な報告を徴し、又は当該職員に、必要な場所に立入つてその状況を調査させることができる。」こう書いてあるのでありますが、実は統制の一番大きな弊害されておつたことは、報告の義務と調査の権限、これが濫用されておつたということで、これが非常に多かつたということは、あなたが経済妻定本部においでになつたとき十分御了承であつたことと思うのであります。もちろん目的自体が正しいという場合には、この程度のことをすることは、あるいは目的のために必要であるという見解でこの条項を入れられたと思うのでありますけれども、現在でも一つの会社で報告を出したり、あるいは臨時的に要求があつて報告をするために、月に百万円もの経費をかけている会社がたくさんあるということは、最近の新聞にも出ておりまして、こういうものは法律できまつているもの以外にはなるべく参報告をしないようにしてもらいたいということを業者が言つていることもあります。私はあえてその問題とこれが関連ありとして質問をいたしておのではありませんが、しかし必要な報告というような漠然たるもので、これは法文ではありませんから、法文をつくるとすれば、大体このような法文を作成するようになるだろうと思う。そうするとかなり委任事項が多くなつて、かつてにそれをやつている人たちが、それは必要だと認定されると、どうしても会社側から出さなければならぬという弊害が多いと思う。そういうようなことを考えてみると、これはたとい法律をつくられる場合でも、こういうことについてはもつとはつきりした限度というものをきめるべきものじやないか、私はこういう意見を持つているのです。これに対してあなたはどういう意見を持つておられるか。
○東畑説明員 官庁がいろいろ報告書をとるために、非常に迷惑か多いということは、私もずいぶん聞いております。この要綱に書きましたことは、実は運用ですでにとつているのであります。われわれといたしましては、かりに肥料の需給調整をいたすということになりますと、輸出の実態を把握し、また長民自体の消費の実態を把握するということになつて、需給特別会計の場合にも運用よろしきを得るためには、最小限度の調査がどうしても必要ではないかと考えます。現実にいろいろな運用でお願いしておるように、はつきりと法律で明文化してそれ以上とらないということにしたいために、わざわざ法律で書こう、こうしたのでありまして、現実にやつておる点とあまりかわらないのであります。これは業界、農民に対するものでありまして、生産者関係に対しては農林省といたしましては権限もございませんし、それは私の方では報告をとらない、こういうことにいたしております。
○福田(一)委員 またこまかい点をお聞きしたいこともありますが、要するにこの要綱のねらつている点は、非常に同情できる面があるのであります。第一私たちはこの案をきよういただいたばかりでもあるし、これに対する確たる意見をここで申し上げる段階には私は至つておりません。しかしいずれにしても従来私たちは官僚統制によつて非常な迷惑をしている。そうしてみると、今度またこの統制をやつてみて、これでは足りないから、もう一歩また進んで統制をやらなければならぬ。こういうような統制というものはなまはんかにやつたのでは、絶対に効果はうまく上げられない。順次統制を強化して行くという方向に向いて来ることは、過去の経験に徴しても明らかなんであります。そうすると、今度はその統制を強化されたことによる弊害というものが、非常に大きくなつて現われて来てまた統制撤廃、こういうことに相なる可能性があるのでありまして、なまはんかなものであればつくらない方がよろしい。つくるならば徹底したものをつくらなければ、統制というものはできないというのが、これが統制の持つておる性格であろうとわれわれは考えておる。こういう点から見て、はたしてこの程度のものをやつてあなた方がねらつておられるような肥料を多量に生産して、しかもこれを外国にも輸出し、農民にも安く売り渡す、こういうような二つの目的が達成できるかどうかということは、もう一度お考えを願つてみてはどうかと思われる点が、この趣旨全体に現われておるのであります。実は私ただいまこれを一読いたしましての印象でありますけれども、この程度のものではたしてそれだけの効果が上げられるかどうか、むしろ弊害の面の方が出て来て、これはだめだといつて、またもう一歩統制を前進させるということになりはしないかということを非常に恐れるものであります。どうかその意味においてもう一ぺんあなた方の方でも十分研究を願いたい。何となればへまだこれは政府の原案となつて、今日その審議がされておるのではないのでありまして、あなたの御説明によれば、あなたの局の試案に過ぎないということでありまするから、その点をもう一ぺんよく勘案されて研究をしてもらいたい、かように考えるものであります。なおこまかい面にわたりましては、また次の機会にそういう時期があると思いますが、いずれにしてもあまりお急ぎになつて、そうして自分が考えたこととは逆な方向になるというような結果が起きないように、十分御注意されることを要望いたしまして、私の質問を終ります。
○小金委員長 次は今澄勇君。
○今澄委員 私は農政局長に伺いますが、大体肥料配給公団を金廃したときの農林省の見通しと、それから私はほかの委員とは意見を異にして、肥料配給公団は相当の実績を上げ、肥料の需給について円滑な運営をなしておつたものをうあの機構を一朝にしてつぶしてしまつた農林省の見解と、そうして何ゆえにこれをつぶさなければならなかつたかという理由をもう一度そこでちよつと御説明を願いたいと思います。
○東畑説明員 私案は今年の四月から農林省に入りまして、肥料問題を初めて扱つたのでありまして、去年の八月に肥料配給公団を廃止いたしましたときの責任者ではございませんので、そのときに農林省がどうであつたか、実はちよつと御答弁いたしかねるのであります。床聞いたしますところでは、農林省といたしましては肥料配給公団を廃止するにあたりまして、肥料の生産がどんどんふえ、需給も安定いたしましたために、直接的な数量的な統制というものはやめる、しかし何らかの杉で価格の安定施策というものを——米と同じ意味において農民の貴重な物資でありまするので、ある範囲においての価格安定施策というものはいるのではないかというような、いろいろな構想があつたのでありますが、結論といたしまして、関係方面等の意見等もありましてできなかつた。肥料配給公団が廃止されましても清算法人として相当のストツクがあつた。これを事実上操作いたしますことによつてある程度価格なり需給の安定ができた。またそのときは清算法人の残務処理ということのためのほんとうの意味の需給調整的な機能は営めなかつた。若干それが効果があつたということであります。従いまして農林事務当局といたしましては、やはり間接統制的な価格安定施策が必要であるという案を持つておるのであります。当時の責任者ではありませんので、それ以上のことは答弁をいたしかねる次第であります。
○今澄委員 私は、化学局長もかわられたし、農政局長もかわられましたが、今福田委員も言われたように、大体統制というものは、一つの機構をがつちり固めた徹底したものでなければならないと思います。私どもはそういう意味においてこの要綱をながめるのに、この肥料の需給調整制度については反対であります。私は少くともきのうは公団組織による肥料の統制を行い、きようはそれを一朝にして葬り去る、あすはまた肥料需給制度というように一年ごとにかわつて来る肥料の配給機構をながめてみると、私は農林省農政局としては肥料に対する一貫した態度がないのではないか。そうして局長がかわるたびに、元のことは知りませんというような状態では、これはメーカーも困るであろうとともに肥料を受ける農民もたいへん迷惑であつて、その点今度十分農林省農政局は一貫した態度をもつて、あまりあつちこつち騒がれないように第一番に注文をしておきたい。 そこで私はあなたにもう一つお聞きしたいのですが、この一箇年間の肥料需給の実績やいかに。この需給調整法をつくらなければならぬほど一年間の肥料の需給はきゆうくつであつたかどうか。もう一つは日本の過去一年間における肥料の輸出がそれほど農民の肥料の獲得の上に大きな影響を及ぼして、非常に肥料の入手難ということで困つておつたかどうか、明確なる数字を、これは通産省の事務当局と農林省のあなたとに伺いたいのですが、まずあなたから先にお尋ねいたしましよう。
○東畑説明員 昨年一箇年の実績等の資料は、いずれ詳細印刷いたしましてお出しいたしたいと思います。ただ昨年の肥料の需給の実績がはたしてどうであつたかという問題であります。朝鮮事変以来いろいろな客観的条件が急激にかわりましたために、農家において非常に実需期がずれまして先買いをいたしますとか、あるいはいろいろな不安定の要素があつたことは確かであります。それに加えまして、農林省といたしましては地域的にいろいろな問題があり、それが輸出したからではないかというような政治的な発言等もありまして、肥料は決して安定した形においては行われませんでしたけれども、全体として物量が足らなかつたということはございません。しかしその前提といたしまして、公団が八十数万トンの肥料を持つておるということをひとつお考え願いたい。昨年の春に、かりにああいう公団そのものに、清算法人にストックがなかつた場合、あるいはもつと不安定な状態をつくつたであろう、これは水掛論であるかもしれませんが、そう言い得るかもしれません。
○柿手説明員 こまかい数字を持つておらないのですが、私の記憶で大体ラウンド・ナンバーを御説明申し上げます。主として数字上のことと存じますが、去年の八月から今年の七月末までの実績は、七月末の在庫量、これは一部推定を含んでおりますが、去年の七月末に公団が持つておりました窒素肥料は、硫安、石灰窒素を合せて硫安に換算して四十五万トン、去年の八月から今年の七月末までの生産の実績が、硫安と石灰窒素を合せまして約二百七万トン、そのほかに去年の春に輸入すべきアメリカの硫安で八月以降に入つたものが約五万トン、これが供給量であります。そして輸出いたしましたものが朝鮮に七万一千トン、台湾に去年の暮から今年の一月にかけて七万七千トン、この七月に硫安を四万トンに石灰窒素二万トンの六万トン、計十三万七千トン、それから去年の秋に問題になりました香港その他の朝鮮台湾を除く他の地区に輸出したもの及び琉球に輸出いたしましたものを合せまして約五万トンばかり、合計約二十五万トンの輸出をいたしました。そうして国内に配給いたしましたものは、国内の新しくできました、主として末端のデイーラーのランニング・ストックを含めまして約二百二十万トン程度が出荷されたというふうに考えられます。従つて農家に実際に配給されたものが二百十万トン弱ではないか。しかして残りましたものが、この七月末の在庫でありまして、新しい八月一日から始まりました二十六肥料年度への持越しでありますが、これははつきりしたことはわからぬのでありますが、推定十七、八万トンから二十万トンというところじやないか、かように考えております。こういう需給関係をたどりまして、この一年間に必要な肥料の配給等に著しい支障はなかつたのじやないかというふうに考えられますが、これは非常に物価の変動なり、あるいは国際情勢の変化等がありましたので、こういうものと相交錯しておりますから、そういうものがなかつた場合においてどういうことになつたであろうかという推定は困難でありますけれども、非常に大きな支障はなく推移したのじやないかというふうに想像いたしております。
○今澄委員 そこで私は、農林省の方は具体的な数字を述べずして、大体肥料は非常に困つたという御説明であつた。柿手部長から詳細な数字を承つて、ここ一年間の肥料需給というものが、さほど変態的な困難を示しておらなかつたという点については、数字というものは正直に証明いたしておると思います。われわれは現下の肥料需給の上に立つて、わが国の肥料をこのような法律をもつて需給統制しなければならぬかどうかという問題を詮議する前に、まず私は通産大臣に一言聞いておきたいことがございます。それは先般あなたが御就任になりましたときに、私から申し述べておきましたように、少くとも現下の通産大臣たるものは、この日本の困難な生産の上に配給部面もにらみ合せて非常に大きな責任を持つておる。しかるに一時文部大臣の通産大臣兼任というような、あるいは大蔵大臣の通産大臣兼任というような、まことに通産行政というものが軽視せられて、当然通産省の仕事であるべきものを大蔵省に持つて行かれたり、あるいは外務省で通商の各によつて押えられたり、あるいは農林省にこれが所管をかえて持つて行くべきであるのだというような、今日のこの現状というものは、いかに吉田内閣における通産大臣が、一国の生産行政の上に信念と決意がなかつたかということのこれは瀝然たる証拠であると思う。しからば私はこれらの難問題の山積の上に立つて、通産大臣はわが国の生産増強の上に立つて、自由経底組織の中で大きくこの難局を突破して行こうというのか、それとも統制方式を採用して統制経済によつて現下の経済を乗り切ろうというのかというようないろいろな質問を申し上げたときに、あなたは、少くとも統制的な方式はとらない、われわれは生産の増強によつて現下の要請にこたえたいということを申されましたことはよもお忘れではございますまい。しからば今の日本の重化学工業を産業構造の中で政府も大きく取上げ、重化学工業中心で進められるとするならば、その重化学工業とは、御承知のようにソーダ工業とアンモニア系工業でございます。しからばソーダ工業は海外から塩を輸入しなければ成立つことのできない弱点を持つて去る。アンモニア系の工業は一切原料か自給自足して、しかもわが国内において将来の輸出資材としては大きな力を持つものであると考えておる。しからば政府は重化学工業重点主義をとるとすれば、アンモニア系工業を大いに育成し強化するということでなければ、さしずめつじつまが合わないと思う。石炭においても、少くとも現下の石炭の値上りが及ぼす鉄鋼への影響、鉄鋼製品の値下りに対する石炭原料の値上げ、これらのものから来る鉄鋼産業の危機というような問題は、ちようど現下の肥料工業と、何らかわらない。私どもはこの需給制を行わなければならぬとすれば、それはかくのごとき現状にある鉄鋼においても、その他の産業においても十分言われなければならぬと思う。しかるに肥料は農林省との共管である、全国農民の低廉なる肥料の要望ということで、こういうことを肥料だけにとり行われるごとについては、少くとも一国の生産を担当する通商産業省が、わが国の経済の発展を考える限りにおいては、私は大きく日本の将来の産業の構造の中に占めるアンモニア系工業並びに全般の肥料工業について考えなければならぬと思う。 それからもう一つ私は通産大臣に伺わねばなりません。わが国の将来の輸出は過剰人口を養わなければならぬから、どうしても生産の増強がなければわが国の過剰人口は養えないことは自明の理である。しかして輸出をながめると、わが国の自給自足の物資で、しかも市場がからつぽで、そうして輸出によつて将来のわが国再建自立経済の中に大きな筋金を入れようとしておるものは肥料であることは自明の理である。これは東洋の市場並びにその他世界各国の肥料の事情がこれを雄弁に物語つている。アメリカはすでに東洋においては肥料の輸出余力はない。イギリスやフランスの肥料工業が回復して、イギリス、フランスの肥料が世界を押えるようになつたのでは、日本の自立経済は非常に影響を及ぼすであろう、だから現在肥料の輸出については、国内の需給とにらみ合せてこれを十分確保しておかなければ、日本の将来の自立経済に悪影響を及ぼすであろうということが、関係筋から言われておることを御承知であろうと思います。われわれは現下のこのような大局的見地に立つて、高橋通産大臣はこの重化学工業である肥料工業をどのように持つて行き、将来の輸出貿易との関連についてはどのような考えを持ち合せて、現下の農民の要望する国内への供給、すなわち日本の食糧増産のための需給については、いかなる対策を持たれているか。私は通産大臣としての信念とともに、日本の重化学工業であり、輸出産業であり、しかも食糧増産に寄与するこの肥料工業についての大臣の抱負と、その所信をまず伺つておきたいと思います。
○高橋国務大臣 前回のこの委員会へ伺つたときにも述べたと思うのですが、私は日本の産業は、必ずしも肥料工業だけでなく、全体に即してあくまで増産に協力し、増産して一面輸出を盛んにする。それでなければ、日本の自立経済というものは保つて行くことはできない。ですから、根本として肥料工業こかかわらず、すべての産業、日本に現在ありまする各種の産業は、つとめて積極的に増産をして輸出をはかる。それが根本です。肥料工業についてもやはりその方針で行くことが農民にも安い肥料を与えることになるのたと思います。そう信じております。
○今澄委員 私がるる述べて大臣に聞いたのは、やはり現在鉄鋼、石炭あるいはその他の重要基礎産業、電力その他一般の問題がございますが、それらの問題とにらみ合せて将来の日本の肥料工業がどのように育成されるべきものであるかというあなたの構想をお伺いしたがつたのでございますが、具体的な問題はお答えがないので、まだそういうものはさまつておらぬのだ、かように思いますが、私は少くとも一国の通商生産行政をあずかる大臣としては、鉄鋼についてはかくはかくの方針で臨む、化学興業についてはかくはかくの方針で臨むという大綱ぐらいは持つて臨まれないと、こういつた需給調整法その他の法律が他省の所管と交わつて出て来た場合に、これに対する通産省の態度をおきめになるときに非常にお困りになるのではないかと思つて、まずこれを聞いたわけであります。 次に、現下の日本の肥料の生産、将来の化学工業の中枢としての肥料工業の前途に対して、大臣がさようにお考えになつておるとすれば——通産省は省議においてこれらの肥料需給の問題もお取上げになるのでございましよう。そのときに、少くとも現下のこれらの需給調整の方式については今反対であるという御意見を神田委員の質問で聞きましたが、省議としては反対におきめになるおつもりでございますか。それともこういつたふうな需給調整をやらなくても、かくのごとき具体的なる増産方途において、何ら農民の心配しないような処置を講ずるのだというふうな裏づけの所信を表明されるおつもりでありますか。大臣、次官いずれでも、どうかひとつ御説明を願いたいと思います。
○首藤説明員 大臣にかわつて私から御説明申し上げます。先ほど大臣から申し上げましたごとく、われわれの見解は、肥料をあくまでも増産いたしまして、そうして国内の需要を充足する、さらに進んで輸出をいたしたい、それによつて生産コストをできるだけ安くすることが究極において農家の利益である、そうしてそれが硫安市場の安定を期する最も効果的な対策だという信念を持つて実は今日まで進んでおるわけであります。御承知のごとく、硫安は終戦後各工場が非常に荒廃いたしておりましたので、政府といたしましても、相当大きな援助をいたして参つたのであります。しかしながらその効果は累年顕著に現われまして、一昨年までは相当大量の輸入を余儀なくされておりましたものが、昨年になつて二十四万数千トンの輸出の余力を示したということは、一にかかつてメーカーの熱意であり、また政府の援助がここに大きな効果を現わしたものだという確信を実は持つているわけであります。同時に本年におきましても、一段と肥料の増産を強行いたしたい。特に御承知のごとく、昨年は北鮮にあるところの硫安工場が空襲のために壊滅いたしており、東南アジアにおきましては、大体百八十万トンくらいの需要があるのでありまして、できるならばこの東南アジアの需要を、地理的関係から見ても、あるいはまた外貨の獲得の面から見ても、日本でまかなつて行きたいという強い希望をわれわれは持つているわけであります。ただ現実の姿といたしましては、電力の点に大きな悩みがあるのでありまして、電力さえ供給が確保できますならば、硫化鉄その他の資材も何ら不足のない国でありまするので、前途の増産はここではつきり申し上げられるのでありますが、ただ電力について大きな悩みがある、これをどういうふうに解決するか、その結果いかんによつて肥料の増産もまたどの程度伸びるかということが決定するのであります。現在のところ、われわれはこの一番大きな隘路であります電力を、今後どういう方法によつてどの程度確保できるかという点について、せつかく省議においても検討を加えているのでありまして、まだ最後の結論を得ておりませんから、ここで数字を申し上げて御回答はできかねますが、ごく近い将来におきまして、どの程度電力を確保するか、そうしてそれによつてどの程度の数量ができるかというようなことも御報告ができるかと存じておるのであります。 特にこの機会に申し上げておきたいと思いますのは、この需給調整法ができましたそもそもの根拠は、肥料の価格は非常に上昇いたした、不安定であつたということが大きな原因かと了解できるのでありまするが、しかしわれわれの面から見ますと、物量によつて昨年の市価が不安定であり、また上昇いたしたとは考えられないのであります。 〔委員長退席、中村委員長代理着席〕 これは先般農林委員会においても私は御回答申し上げたのでありますが、昨年の朝鮮事変を契機といたして、アメリカの厖大な軍備拡張、あるいは朝鮮の事変による特需等々、世界的に原材料の需要が一気に急騰いたした、これがためにひとり肥料のみならず、あらゆる物価がほとんど一年を通じて上昇一途の歩調をたどりました関係上、勢い肥料に対しても先高の思惑的買物が継続された、もう一つは、特に最近は電力の値上げが、御承知のごとく当初七割、とかあるいは六割とか非常に大幅な値上げが予想され、しかもこの電力値上げが最も大きく響きますのは肥料であります。そういう関係上、最近経済に非常に敏感になつておりますところの農家は、この原料関係からも肥料の先高という予想が非常に強くなりた傾向が多分にあると思うのであります。かりにまた農家の方でそこまで経済に敏感になつていないとしましても、昨年来ディーラー、いわゆる新しくできたところの問屋というものが非常に商機に敏感でありますので、こういう面からのいわゆる仮需要、これが相当大量に出たのじやないか、こういう関係で、この相場がほとんど一年間を通じて上昇した。ことにまた政府の補給金を打切つたということも上昇の大きな原因でありますが、かれこれ非常に強材料が出た、一年を通じて山積した、そうしてこれがために肥料の市価が非常に上つた。そうして結果的に農家経済に圧迫を加えたということに相なつておると考えておるのであります。先ほど柿手部長から申し上げましたごとく、昨年の生産は当初百七十万トンの予想であつたのであります。それを消費を二百十万トンと押えておつたのが、その後二百二十万トンに上げる、従つて生産の方も百八十万トンに上げたのでありますが、さらに朝鮮あるいは台湾向けの輸出が問題になつて来た。そこで国内の供給になるべく圧迫を加えないように、そうして輸出だけ余分に製造するという指導方法をとりまして、百八十万トンが百九十万トンになりました。さらに実際において二百七万トンという予想以上の生産か上げておるのであります。この点か品考えましても、メーカーにおきましては設備の改善あるいは増設等々が相当行われたとわれわれは見ておるのであります。電力さえある程度確保いたしますれば、当然本年は昨年よりもさらに一段の増産が可能である。しかるに一方消費の方は、先ほど申しました、とく、昨年来新たにできたところのごわゆるディーラー、これが昨年も消費の数字に実は考慮されなかつたのであります。しかるにその面で相当の仮需要がありましたので、相場に影響したと考えておりますが、本年は大体問屋の方の手元が一段落いたしておりますので、大体去年と同数の消費を見込んだならば十分ではないかというような気持を持つておりますので、ここで必ずしもかようなことをはつきり申し上ぐれば効果があるかどうか、むしろ逆の効果がありはせぬかという調整法をつくらなくても、増産の方に積極的指導方針をとり、もしまた財政資金の方で余裕がありますならば、こういうものに資金を投ずるよりも生産の方に資金を投じて、もつと設備を改善させ、増設させ、そして増産させるということの方がむしろ大局から見て効果的ではないかというような気持を持つておるのであります。
○今澄委員 通産当局の御説明は一応まことにごもつともであります。少くとも日本の過剰人口を養つて行く上においては、わが国の生産というもをあくまでも上げなければならぬ。そのためには必ずしも常に国有国営が唯一の導ではない。少くともわれわれは、そういう生産の増強からこぼれて来る国内の非常に気の毒な人々については、社会保障制度その他によつて、その生活を保障し得るあり方がある。農林省においても、肥料を配分の上からのみながめるということについては、非常に大きな誤りがありはしないか。少くとも物は生産と配給の両部面からながめなければならないが、現在の通産省の責任者が語を強めて言つたあの答弁から考えて、私は農政局長に伺いたいが、あなたが計画したこの需給調整制度はどうもはつきりしないではないか。もし、国民大衆の生活費を上げさせないような米価を提供しながら、農民の生産原価を償うためには、どうしてもこれは補給金の制度を適用する以外に道はない。肥料においても、そのまた米価を上げさせないためにどうしても肥料を安く提供させるということであるならば、これまた補給金を使うより道はない。少くとも補給金制度というものは、現状のわが国の経済ではとらないと政府は説明しておるけれども、朝鮮事変の妥結を予想して来る物価の下落やら、あるいは原料炭の不足、電気の不足、その他規制せられたわが国の現状。あるいは輸出がはかどらないで、外国物資も思うように入つて来ないというわが国経済の脆弱性、それを乗り切るためには、いくら根本的には補給金制度を否定しておる政府でも、この次には補給金をもつて一時これを償つて行くことが政治でなければならぬと思う。それらの点において、現下の肥料をもし統制するとすれば、かつての肥料公団のごとき大々的なものを設けて、しかもこれが補給金を入れて、そうして安く農民に提供して、輸出分は幾らというように、国家が責任を負うてこれらの肥料の配分をなすということであるならば、これは農林省としてもなかなかりつぱであると思います。しかるにこの要綱に盛られたるがごとき、かくのごとき微弱なる構想で、徹底しない肥料需給調整法を、通商産業省がかほど増産に力こぶを入れれてやろうと言うておるのに、あなたの方ではあくまでも主張せられるのかどうか。主張せられるとすれば、一体それは何を理由とし、何を根拠に、いかなることを考えて主張せられておるのか、農政局長から伺いたい。
○東畑説明員 今澄さんからいろいろおしかりを受けて、実は恐縮に存じております。われわれとしては肥料配給公団のような全面的な統制をやり、全部を配給するという必要性を実は感じていないわけであります。通産省が大いに増産をいたされますことを私どもは非常に敬意を表しております。また肥料需給調整制度は決して増産を阻害するものではないという確信を持つております。ただ増産というものには一応の時間の経過を必要とするものであります。いつも問題になります点は、十万トンを輸出するか、十五万トンを輸出するかという最後の五万トンであります。五万トンというものが非常に影響をいたすのであります。農民なり、いろいろな情勢に対して肥料は非常に敏感な商品であります。米と同じように非常に敏感な商品でありまして、また六百何十万戸の農家が全部これを買う商品であり、地域的にも非常に片寄つております。生産地と消費地も非常に片寄つております。季節的にも非常に片寄つておる。非常に扱いにくい商品を、自由経済時代だけにおまかせいたしました場合に、今日非常に季節的な需要の繁閑がありますので、金融その他が非常に問題になります。そこで財政においてストックができました場合、輸出用のもの、滞貨用のもの、一体どの程度これをわけるかということが非常に論議になる点であります。 〔中村委員長代理退席、小金委員長着席〕 そこで農林省は輸出について非常に消極的であるという御非難をいただいておりますが、そういうことではまた輸出産業として肥料工業の発展を来すゆえんではないと思いますので、こういう制度ができまして、ある程度実需期における地域調整なり、季節調整がやれるように機構の確保ができれば、われわれとしては勇敢に輸出をいたしまして、農林省ももつと積極的に伸ばして行くのではないかというふうに実は考えるのであります。あるいはこれは水かけ論になるかもしれませんが、われわれとしては、この制度事態は決して統制ということを考えているのではなく、間接調整ということを申し上げるわけでありまして、これを非常に固定的には考えておりません。時代とときによつて非常に違つておりますが、ある市中における在庫、工場における在庫等をにらみ合せまして、それが相当ストックができた場合におきまして、その一部を政府で買い上げて実需期に持つて行つた方が、輸出等の問題あるいは全体としての緩和にこの際はなるのではないかと思います。非常に肥料が大増産をいたしまして、そういう懸念がない場合は別でございます。 それから価格の問題等につきましては、われわれといたしましては、政府がこれを随意にきめるということは実は考えておりません。原則として入札制度でありますために、入札予定価格というものは発表いたしませんが、われわれ官吏が予定価格をつくる場合における基準というものは、審議会等にかけてその上で公表いたしたい。幾らの価格の範囲内で入札をするかという幅だけは民主的な機関にかけて発表いたし、売る方も発表いたしまして、大体その幅で政府が操作をするのであるということを発表いたしたいという考え方で実はこの案を練つております。その範囲内において、自由競争社会でストツクができた分の一部を財政資金でもつて実需期まで持つて行つた方が、この際は、肥料全体として、農民のためにも業界のためにも決して御迷惑をかけないのではないかという考え方で立案いたしておる次第であります。
○今澄委員 今のあなたの御説明を聞いておると、いろいろな金融の問題等もこれによつて解決し得るというようなお話でございますが、産業を自由に放任しておいて、自由産業でおのおのの金融機関におのおの自由な形で結びついて、そうしてこれらの運転資金並びにその他の資金をまかなつて行く経済市場の中において、たとえば肥料ならば肥料だけをこれこれ国家財政においてまかなうのだということになれば、その産業はそれだけ金融機関からの結びつきが切れて、そうして全体的な金融市場の中における活動力というものには一つの制限を加えられた結果になるということは自明の理であつて、あなたもよく御承知の通りであると思う。この財政によつて調整する部門が、少くとも全体の八割になり何割になるということであればけつこうそれもものをいいますが、それが全体の一割なり三割という場合においては、おしろ種々の金融難のためにこれらの産業が非常に困るということは、現在他の産業を自由経済に放任しておく限りにおいてはこれは既定の事実であります。それらの点からしても、今あなたは、これによつて生産には一つも影響ないと言われるけれども、金融の面においては大きく制肘を受けるということは、少くとも金融市場の実際を見る者によつては考えられなければならぬ。私はあなたの説明を一々こういうふうに考えてみるというと、決してこれが生産を阻害しないというものでもなければ、その効力その他からながめてみるというと、どうも農林省へ肥料行政を一本に持つて行つて、そうして思うようにやりたいというような考えでもありはしないかというふうにも予想せられますが、それらの点についての農政局長の御答弁を願います。
○東畑説明員 どうも金融の専門家ではない私が、今澄さんと金融の話をいたしますことははなはだおこがましいとでありますが、われわれとしては、非需要期における若干のストツクについて、国の財政で持つために、その他の商業的な金融であるとか、生産関係の金融が少くなるということは実は考え得られない点であります。肥料の価格というものがどこまでもある幅において安定をいたしますということは、生産関係においても、輸出関係においても、むしろ安心して金融がつく一つのフアクターとなるのであります。われわれといたしましては、そういう金融市場において、これがために金融機関から金融がつかないということはどうも賛成できないのであります。ただもう一つ、これは農林省に肥料を一元化させる意図を持つているのではないかというお話であります。これは通産省の方も来ていますが、安本等におきましても権限・争いというようなこと、も全然ございませんし、そういう意図も全然農林省としては持つておりません。この要綱におきましても通産省にあります権限は一切抜きまして、この際無理にそういうことをやろうとは全然考えてお参りません、そういう案で盛られておるとお察しになられるようでありますれば、これは私自身の不徳のいたすところであると考えております。
○今澄委員 大体本制度設置の理由は、私が簡単に見たところでは、肥料の価格の安定と、肥料の流通の円滑を最大眼目とされております。そうして日本の肥料は、肥料配給公団を廃止した後の価格の推移をながめてみると、われわれは肥料配給公団を廃止して、しからば肥料は、たとえば購販連のごとく、全国農業団体と肥料会社との自由な需給のバランスによつた値段がきまるのかと見ておつたところが、この肥料会社と農業団体との肥料の価格の決定にあたつて、一たびは需給の自然現象できまつたものが、農林大臣なり、定本長官なりが、業者を呼んで、一応値段についてはこの程度にしてくれというような圧力がかかつて、そうしてそれは事実上の自由市場における価格でなかつたことも御承知の通りであります。われわれは農林省が言うておるところの価格の安定は、少くとも低米価主義をとつて行く限りにおいては、この肥料の安いということで農業政策の全部をカバーする。さすれば米の値段が安いのであるから、肥料の値段も安くしなければならぬ。これを安く安定させるために、国家財政においてそのような是正をするという建前においては、肥料の値段を安定しても決して肥料工業自体の安定ではなかろうということを考えなければならぬのであります。私は何も肥料工業を弁護せんとするものではないが、戦争中において陸軍のもののわからない少佐、中佐等の参謀が、残柱式石炭採掘においても、残つた柱でもその炭のカロリーが高ければこれをとつて戦いに勝とうとして、わが国の石炭産業を壊滅に瀕せしめた無知は笑うことはできないと思う。農民は肥料を要求する。その要求はなるほど強い。しかしこの残柱式石炭の柱もとつてしまうような肥料の価格構成のあり方であるならば、これは肥料産業の荒廃である。肥料の将来の拡充、あるいは施設の整備その他のものが怠られて、ただ一時安い肥料が農民の手に入りましても、これは農民の利益ではないということは断じて言えると思うのであります。日本経済全体からながめて、私はそのとき一時の肥料の値段を安定させるということで、一国全体の将来を誤つてはならない。私は今言つた理由において農政局長にこの肥料の価格の安定という点について、あなた方が言う入札がきまらないい場合の指示価格について、どのようなものを資料として、いかなる観点からこれらの肥料価格をお考えになろうとしておるかということを御説明願いたい。
○東畑説明員 農家が安く肥料を買いたいということを考えておりますことは当然だと思います。農林省といたしましても決して高い肥料を希望いたしておるわけではございません。しかしわれわれといたしましては、肥料生産というものと、農民の仕事というものは不可分の問題で、政府が需給を操作いたします場合におきましても、その国の肥料の生産を阻害するということは当然考え得られないところでございます。従いまして入札をいたします前における予定価格につきましても、政府が予定価格を自由につくるということをしないで、これは生産者代表なり、消費者代表なり、専門家の審議会にかけまして、予定価格をどういう基準できめるかという基準価格をりくつて行く、その基準価格のわく内において農林省が操作をする、こういうふうに実は考えておる次第であります。基準価格をどうするかという問題につきましては、生産費を基準といたしまして、市価等をしんしやくするという抽象論以外にはちよつとございませんが、生産費をどういう計算をしてやるかということにつきましては、さらに農林省といたしましては検討をいたし、その間生産者を無視するということは全然ございません。従つてわれわれといたしましてもただ安ければよいということは決して考えておらないのであります。肥料生産も伸びるし、農家も安定するということをねらつてこの法案を立案いたしておるのであります。
○今澄委員 農政局の中に物価庁がまた一つできるということになつて参りますが、論争はさておいて、もう一つこの需給調整法におきましてあなたの方で企画しておられる財政的な規模はまだ折衝はしていないそうですが、一体どの程度のものを買うのかというような金額的な、数量的なはつきりした見通しがあればお示し願いたい。
○東畑説明員 大蔵当局とまだ完全な数字的打合せが済んでおりませんが、農林省といたしましては、今大体硫安、過燐酸石灰、石灰窒素、カリ塩を含めまして、六十数万トンの実需ストツクを求める予定でおりまして、資金的に申し上げれば、大体百三十億程度いるのでありますが、財政負担といたしましては、いわゆるインヴェントリーの問題だけでございます。ですから、四月に持ち越す量をインヴエントリー・フアイナンスとして一般会計から繰入れるので、従つてその金額等は、まだ大蔵省との完全な了解は済んでおりませんが、百三十億余の資金のうちごくわずかなものであるというように実は考えております。その他の資金につきましては、預金部資金等の借入金でまかなうというように考えております。
○今澄委員 大体の資金繰りの操作は預金部資金ということに了解しておきましよう。私どもは肥料価格の調整に預金部資金のそれだけのものが使われるということになれば、通産当局としては日本の生産増強のためにこれらの資金を考えなければならぬのであつて、この際大臣、政務次官にわが国の生産増強の立場から配給部面を別にして何とそ御一考を願いたいと思います。 そこで同僚委員の質問もありますので、簡単に伺いますが、もう一点通産大臣に伺いたいのは、わが国の価格は国際価格に統一して日本の価格構成を世界の価格構成に漸次近づけるために合理化をはかるというような御答弁が御就任のときの御あいさつにございました。そこで私は国際価格を常に標擁してわが国産業の育成をはかるためには、肥料のごとき国際価格が非常に高くて七十ドル以上もしておるのに、朝鮮向けの肥料のごとき六十何ドルというような、非常に安い値段で出ているという現実は、少くも通商産業省が職つてながめているのはあまりにもふがいない。またわが国の大きな損失であるように思う。わが国の肥料の輸出が国際価格に比べて非常に有利であれば、われわれは国際価格の最高限で肥料を輸出して肥料会社の採算をよくし、どんどん増産してできれば二重価格制を用いて、国内用の肥料価格を安くする。それならば話はわかる。しかし現在のように輸出は押えられる。しかも朝鮮向けの輸出は六十ドルそこそこの値に押えられる。どうもわれわれふに落ちないが、通産大臣が御承知なければ通産次官、責任者としてこれらの肥料の輸出価格を国際価格にしわ寄せするという現状においては、安い物だけは国際価格に寄せてどんどんそこで下げて合理化を行い、非常に産業を苦しめるが、国際価格よりもわが国の値段の方が非常に安くて、輸出すればどんどんもうかるものについては輸出を押え、しかも輸出される場合もその価格が安いということは、まことに私は一方的なわが国産業の退却以外の何ものでもない、かように考えるが御所見を伺いたい。
○首藤説明員 私からかわつて御答弁申し上げます。御説の通り、この前大臣から国際価格に安定せしむる、高いものはなるべく合理化して安くする、安いものはなるべく国際価格までさや寄せするような行政をとるということを申し上げたのでありますが、今日もその方針は寸分もかわつておりません。今御指摘の肥料の輸出の価格でありますが、これも自由経済でありまするから、輸出価格に政府はかれこれ今日までは干渉いたしていないのであります。私の聞いておりますところによりますと、これはメーカー自体が八軍との契約にその旨を承諾したのだが、八軍の方からかなり強い要請がありた結果かとも考えまするが、いずれにしましても、メーカーと八軍との間に決定した価格でありまして、政府がこの決定した価格にかれこれ干渉するということは、現在のところおもしろくないと存じますから放任しておりまするが、しかし政府がかりに干渉しないでも、メーカーといたしましてもできる限り高値で売りたい、これは政府がかれこれ申し上げなくても、メーカーの当然の権利でもあります。また強い要望でもあると考えますから、この問題については、さほど政府は価格に干渉しなくても、国際価格あるいはより以上できるならば幾らでも高い値段に売りたいという熱意によつて、今後の価格は決定して行くであろうというように考えております。
○今澄委員 そこで私は時間が参りましたので、質問を終るのでありますが、少くとも今のわが国の占領下における外国貿易の上においては、相当な圧力、気がねというものがなきにしもあらず、これらのものについては、メーカーの自由裁量であつて、そうしてこれについて何らの干渉もしないという、放任主義をとると言われますが、国内的には日本の肥料の価格が全国農民の要望においてこれはどうも少し高いようだということになれば、これには大きな圧力を加えて下げしめる。そうして肥料の需給が具体的数字の上において、明確かくかくのごとく足らないということがないにもかかわらず、需給調製法のごときものが突如として現われて、肥料生産メーカーの上に大きくあらゆる面において障害を及ぼしているのでしよう。これに反対だということを聞くならば私はこの政府の行政の態度、日本の産業の上に政府が考えているものの考え方というものは、どうかひとつ十分にお考えを願わなければならないものがひそんでおるということを最後に御指摘を申し上げて、通産省は閣議において、これらの問題を十分検討されて、この問題についての結論をお出しを願いたい。農林省についても以上申し上げました生産者側のいろいろの立場というものを十分に考えながら行わなければならないのであつて、今聞くところによると通産省、農林省両省の意見はまるつきり反対で、閣内不統一的な印象を私は受けます。これらの問題を十分調整されなければ、本案のごときはつきりしない法律は上程せられない方がいいではないか。私は少くとも現在統制するならする、しかして日本の経済を統制方式によつて乗り切るというはつきかと信念ある、国際情勢の上に立つところのやり方というものによらなければ、経済の運営においては成功しないものであるということを御忠告申し上げまして私の質問を終ります。
○小金委員長 ほかに御質問ありませんか。
○中村(純)委員 すでに同僚委員各位によりましておもなる諸点の御質疑が終つたのであります。私から重複してお尋ねすることを避けまして、一、二の点につきまして補充的にお尋ねを申し上げたいのであります。 まずお伺いをいたしたいのは、昨年の公団廃止の際に最も憂慮せられた問題は、申すまでもなく金融措置をいかにするかということであつたのであります。しかしてまた当時聞くところによりますれば、閣議において十分金融の措置をつけるという決定だか了解事項だかあつたやに承るのであります。それははたしていかなる十法、形において実施せられたのでありますか。あるいはもしまた何らかの事情によつて特段の金融措置が講ぜられなかつたものであるならば、その事情は奈辺にあつたかという点をまずお尋ねをいたしたいのであります。これは通産省でありますか農林省でありますか、どちらからでもよろしいからお答えを願いたい。
○東畑説明員 農林省の面にわたる点だけ私から御説明いたします。公団を廃止いたしましたときには、やはり肥料は非常に季節的であるために、非常に金融等において問題があるために、何らかの金融的措置がいるということを政府において考えておつたのでございますが、たまたま朝鮮事変などの影響がありまして、物価がだんだん値上りをするという方向にありましたことが、農家自体において肥料は先高だ、早く買つておいたがよろしいという一つの考え方が、当然ではございますけれども、及ぼしまして、いわゆる通常時期における利用というものが実は上りまして、現実に農家自身がそういう先高のために早く肥料を買うということのために 先の金融逼迫というものが比較的避けられたという事情になつておつたのでありまして、これは実は昨年の特殊の事情ではないかというように考える次第であります。ただ協同組合等における金融事情につきましても、現実に協同組合等は再建整備を要する段階にございまして、相当金融等をこれにつけまして肥料を購入いたしますことは、りくつは別といたしまして、現実になかなか金がつけにくい状態であります。われわれとしましては 農家が確実に肥料を購入いたしますという農家の予約という名称をとわまして、計画的に買えるものにつきましては、極力中金等を通しまして金融をつけておりますけれども、これは金額的に見ますと非常にわずかなものでございまして、なかなか全消費料をまかなうだけの量には達していないのが現実であります。
○首藤説明員 昨年統制撤廃後の肥料に対するメーカーの金融でありますが、相当通産省といたしましてもこの点は危惧いたしておつたのであります。できるだけ金融のあつせんをいたしたいという準備をいたし、また事実相当の金融のあつせんをいたしたのでありますが、ただいま東畑農政局長から御答弁されましたように、昨年来の経済情勢が御承知の通り一本調子に上つたのと、さらに新しくできた数千の問屋が意外に買いだめをいたしました関係上、これまでの不需要期と需要期の相違というものがほとんどなくなつたのであります。御承知の通りに肥料は五、六月あるいはまた十一月から一月というものは不需要期として相当滞貨を招来するのでありますが、昨年来は不需要期でありながらも順調な売れ行きを示しまして、メーカーとして大量の滞貨を生じなかつた、また若干滞貨ができた場合にはちようど時を同じゆうして輸出の問題がありまして、それらの滞貨を全部処分した。非常にそういう面では過去一年ちようど恵まれた状態にありまして、メーカーとしては金融上はさほど苦痛はなかつた、実はさように考えております。
○中村(純)委員 ただいまの御説明によりますれば、過去一年間においては朝鮮動乱を契機とする先高の見込み、あるいは輸出の振興等の事情によつて、メーカー側に対しても金融措置をそれほどにやる必要のなかつた事情にあつたというお話でございますが、それならばそれでわかるのでありますが、今後の見通しについてはいかなるお考えをお持ちになつているか。と申しますのは、この需給調整法の一つのみそとも考えられるものは、不需要期における在庫金融をこの形でつけてやろうというのが一つのみそのように思われる。そこで私は、今後の需給及びこれに関連する金融措置が必要であるという前提のもとに、かような一つの変態的な法案と申しますか、その方法がこの形において現われて来ておるのではないかと思われますので、この点についての御所見を承りたい。
○首藤説明員 先ほど申し上げましたごとく、過去一箇年は幸いにして需要期と不需要期との区別があまりなかつた関係上、金融は比較的楽に参つたのであります。だからといつて、今後も引続き昨年同様の状態を繰返すとは考えられない、また考えることは危険だということも十二分に了解しておるのであります。従つて、今後不需要期になりましてメーカーの滞貨が相当できたという場合におきましては、それに即応いたしますように政府もできるだけ金融のあつせん、その他によつてメーカーの滞貨が持ちこたえ得られるような対策を講じて行きたい、かように考えております。
○中村(純)委員 先ほど東畑局長のお話によりますと、この特別会計の予算は百三十億を目標としておるというお話であつたのでありますが、その中には、この法案に考えられております——先ほど今澄委員の質問の中にもありましたように、農林省の中に物価庁をつくるごとき、各種の調査機関事務的な機関が相当厖大なものが予定せられておるやに考えられるのであります。そういう経費というものも入つておるものでありますか。またさような機構はおよそどのくらいの役人の数をふやして、全国にどういう機関を置いておやりになる考えでありますか、その点の概要を御説明願いたいのであります。
○東畑説明員 私の答弁がまずかつたために、多少誤解があつたかと思いますけれども、われわれは農林省の中に物価庁的なものをつくる考えは持つておりません。肥料審議会はつくりたいと考えております。肥料審議会等に原案を示しまして、各方面の専門の御意見を聞いて、農林省で買つたり売つたりします予定価格の基準価格というものをつくつて行きたい、こういうことでございます。その基準価格をつくります場合において、物価庁の専門家の方も委員になつていただく、こういうことでございまして、農林省自体がそういう物価庁でやりますことをやろうという意思は毛頭ございません。ただ特別会計をつくりまして、入札等をやりますために、若干事務的のスタッフがいるのでございます。ただいまのところ、事務所等を実は八箇所予定しておるのであります。これはまだ大蔵当局との事務的な折衝にまたなければはつきりいたしません。官吏の数等も、普通の特別会計から比べまして、極力圧縮をいたしたい。まず多くても二百名前後ということが農林省の希望でございますが、これはまだ決定をいたしておりませんので、はつきりと申し上げるわけに行かないのであります。事務的な費用としましては、おそらく数千万円程度にすぎないのではないかというように実は考えておる次第であります。
○中村(純)委員 御説明によりますと、約二百人の官吏を増員をして、全国に八箇所の事務所を設けてあるいはメーカーの生産原価の調査を行う、あるいは時期的、地域的な需給の状況を調べる、いろいろな事務をおやりになるように承るのでありますが、今日政府は行政機構をできるだけ簡素化して行政整理等も断行しようということが、政府の根本的な方針であるように私ども承知をいたしております。それは必要な機構を増設するということもむろん必要なことでありましようけれども、ただいままでの各種の質疑応答によりましても、この法案によりまして、はたして農林当局の考えておられるような効果が上るかどうか、きわめて疑問である。通産省の大臣も政務次官もさようなお考えを持つておられる。すなわち政府部内においていまださような点についての効果いかんということについて、はなはだ議のまとまつていない、疑問の多いこの制度をとります上において、多数の官吏を増員し、また多くの機構を増設して煩瑣な事務を行つて行くということは、どうも私ども十分に理解しがたい点なのであります。今日はまだ東畑局長の試案であるというお話でありますから、これ以上のことは申し上げませんけれども、どうかかような点についても、さらにさらに十分御研究をお願いをいたしたいと思うのであります。 次にお尋ねをいたしたいことは、われわれはこの法案につきましてはその効果において多分の疑問を持つておりますので、これができました場合のことを予想してお尋ねをいたしますことは、いささかおかしいのでありますが、この要綱を見ますと、この法案がかりに成立いたしました場合に、この法律の所管はどこでおやりになるか、農林省だけがこの法律の運用に当ろうというお考えであるのかどうか、その点を伺つておきたい。
○東畑説明員 この要綱の所管のお話でございますが、われわれといたしましては、先ほどもお話申し上げましたように、通産省の権限に関することは一切いたさない。先ほど、生産工場から原価計算をとるんじやないかというお話でありますが、そういうことは一切いたしません。この法律をかりにつくりました場合においても、報告もとらないということにいたしておりますために、生産関係は全部通産省の方におまかせいたしまして、大いに増産をはかりたいというふうにわれわれは考えておる次第でありますが、価格になりますと、肥料の価格というものは生産に関係をいたします関係において、肥料審議会等におきましては通産省の方々にも委員になつていただきまして、農林省が配給するために買う予定価格というものにつきましての基準を公表する場合において、その基準価格を幾らにするかという問題につきましては、民間の方はもちろん、通産省の方々にも参加していただき、両者間の協調をはかつて参りたいというふうに実は考えておる次第であります。
○中村(純)委員 私は現在の農林省及び通産省の所管事項をどうするかということを承つているのではないのであります。この法律の運用そのものが、これは配給であり、価格の問題であるというお話でありますが、そのこと自体が生産の面と直接に関連のある問題であります。生産の面のことを考えない限り、単に配給及び価格の問題を論ずることはできないのであります。今お話によりますれば、審議会等におきまして、通産省なり、あるいは民間の人なりの意見を聞くというお話でありますが、ただ単に意見を聞くという問題ではなくて、この法律に基く政府の権限を実行する上において、生産面を担当しておる部局と、配給面を担当しておる部局とは、同じ立場においてこの法律の運用に当るべきものであると私は考えるのであります。ただいまの御説明では私は満足行かないのであります。なおその点御研究をお願いいたしたいと思うのであります。 最後に申し上げておきたいことは、この法律のねらいといたしますところは一体何であるかといえば、要綱に書いてありますように、公正なる価格の安定をはかるということが一つ、次には時期的及び地域的調整を行うということが一つ、この二つであろうと思うのであります。しかして今日日本の肥料の状況は、申し上げるまでもなく、総体的には十分に国内の需要をまかなつて、かつ相当活発なる輸出をいたしておるのであります。その間において多少時期的に価格の上り下りがあるということは、自由経済にありまする以上は、これは当然なことであろうと思うであります。この価格のそれをさらに安定させるということは、どういうことであるかしりませんが、この種の方法をもつて価格の安定をはかるということよりも、むしろ私が先ほど冒頭にお尋ねをいたしました百三十億の予算を使おうというのならば——製造面におきまして、あるいは消費者側に対しましても、これだけの予算を使おうというのならば、それをもつて必要なる金融措置を行うことによつて、私は十分に価格の安定は期し得るものではないかと思うのであります。また時期的及び地域的な調節と申しましても、これも主としてこの輸送面の改善、輸送力の増強、あるいはまた地域的な貯蔵場所の助成等の方法を講ずることによりまして、かような問題もこれまた比較的簡単に私は解決がつくであろうと思うのであります。根本的はいかにすれば肥料の増産がどんどんできるか、どんどんと肥料が増産できるならば——根本において需要と供給とのバランスがとれていないものならば、これは私は非常な問題だと思うのでありますが、根本において需要と供給との調節はとれており、相当な輸出の余力を持つておるという現状でありますならば、この勢いをさらに伸ばして、生産の増強を拡大して行く、この方向にあらゆる努力を傾注することによつて、かような内部的なと申しますか、第二義的な問題は、自然に解決して行く問題だろうと私どもは確信をいたしております。今突然この要綱を拝見いたしまして、まだ局長の試案であるものに対しまして、今日これ以上お尋ねをすることはまだ時期ではないと思いますけれども、われわれは根本的にさように考えておるものであります。先ほど通産大臣及び政務次官は、このわれわれの考えと同様なお考えをもちまして、肥料の増産に向つて今後も邁進して行くという御答弁を承りまして、私ども大いに意を強くいたしておるのでありますが、農林当局もその点におきましては、まつたく御同様の見解と私は先ほどの御答弁によつて承知をいたしておるのであります。どうか角をためて牛を殺すことのないように、根本の線に向つてますますあらゆる努力を傾注して増産をはかつていただきたい。かように希望を申し上げまして、私の質疑を終ります。
○小金委員長 ほかに御質問はございませんか。——それでは本日はこの程度にて散会いたします。次会は先ほど申し上げました通り、明後十七日午前十時よりと予定いたしておきます。 午後三時五千五分散会