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10回国会衆議院1951/03/14

通商産業委員会 第16号

発言数
179
登壇者
19
会派数
4
開催日
1951/03/14

会議録

小金義照自由党

○小金委員長 これより通商産業委員会を開会いたします。  電気事業再編成に関する件について調査を進めます。  なおこの席から私より参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。参考人各位におかれましては御多用中にもかかわらず、特に貴重な時間をさいて本委員会に御出席くださいましたことを、委員一同を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。わが国の基本産業である電気事業問題につきまして、わが通産委員会はすでに相当調査を進めて参りました。われわれの意のあるところを御明察くださいまして、本委員会に御協力くださいますよう切にお願いをいたします。  本件について委員より発言の通告がございます。順次これを許します。神田博君。

神田博自由党

○神田委員 ただいま議題となりました電気事業再編成の問題につきまして若干のお尋ねをしてみたいと思います。本日は公益事業委員会の委員長、副委員長、また日発副総裁、また配電関係からは五島さん、内ケ崎さんがお見えになりまして、電気事業の再編成につきまして非常に心配をしておる当委員会におきまして、本日私どもがお尋ねをしておきたい、御答弁を承りたいというような方々がこれほどおそろいになつたことはないのでございまして、本日この調査を進めてわれわれがお尋ねをして、またわれわれの意見も述べることはきわめて意義のあることと考えております。そこで政府委員の側におかれましては、国会においでになることは当然でありますが、参考人としておいでになられました日発及び配電関係の方々に対しましては、ただいま委員長も厚く礼を述べられたのでありまするが、私どももまつたく同感でありまして、お尋ねの次第によりましていろいろ御答弁を願いたいと思いますが、事柄が重大でありますので、私がただいま申し述べるまでもないのでありますが、当委員会の意図しておりますことをひとつ十分御了承願いまして、簡單でけつこうでありますが御答弁願いたい、まず第一にこれを要望しておきます。  電機事業の再編成が遅れておる。この再編成は大きな意図をもつて行われておるわけでありますが、どうもうまく行つておらぬ。うまく行つておらぬのは一体どこにそういう原因があるかということを率直に申し述べますならば、これは人事の面と経理の面が特に目発関係において納得されておられない、ここに大きな問題があるように私ども承知しておるのであります。そこでまず私は人事の面につきまして順次お尋ねしてみたいと考えております。  第一にお伺いいたしたいことは、公益事業委員会が人事の決定権を有する、こういうふうに委員長からしばしば述べられておるようであります。特に人事の問題は愼重を期さなければならない、そこで再編成の計画書をつくる際には、できるだけ人事の問題には触れたくない。二月八日の提出期間を境として人事の問題を研究して策定したい。この人事の点につきましては何人も首肯し得るような、また電気事業につきまして十分理解があり、経験のある者を選ぶ、こういうふうに当委員会で述べておつたのでありますが、これはもとより当然のことであります。まず基本的な問題——人事の決定権を有するというこの根拠でございますが、この人事権をひとつ説明してもらいたい。われわれの考えております面から言いますると、企業再建整備法を準用になつておりますから、企業者が再編成計画書に新会社の役員名を記載することによつて、商法の総会において役員を選任する手続を略し得る旨の規定であつて決定権はあくまで企業者にある、こういう説も成り立つのではないか、しかるに公益事業委員会が積極的に人事権を持つておるのだ、そこで任命をして行くのだ、こういうようなお考え方につきまして納得し得るような説明をしていただきたい。まず第一にこの点を明瞭にしていただきたいと思います。

松本烝治公益事業委員会委員長

○松本政府委員 人事の決定権を委員会が持つておるというようなことを私申したかどうか承知しておりませんが、あるいはそういうことは多分申すまいと思うので、ただいま仰せられた通り——はなはだ恐縮で私は実は法律をよく読んでおるひまさえまだないくらいなのでありますが、整備計画自体に人事を書いて出して参る、それがもし人事について整備計画書の記載がどうしても一致しないというようなときには、やむを得ずこちらで決定することになると承知しております。

神田博自由党

○神田委員 あれは何日の委員会でありましたか、その日はよく覚えておりませんが、この部屋と心得ております。委員長から人事の選任については神様のような気持でやるというような意味の御答弁があつたように私記憶しております。ただいま委員長の御答弁によりますと、そういう記憶がどうもないように思う、こういうことでありますから、これはいずれ速記録を調べてまた他日の機会にお願いいたしたいと思いますが、ただいまの御答弁の通りであるといたしますならば、私も別に前の答弁と食い違つておるからどうとかいうようにこだわる意味でございません。ただいま御答弁されました人事権というものは公益事業委員会が持つていないのだ、まとまらないときにそういうことをあつせんするといいましようか、裁定するといいましようか、そういうふうにするのだ、こういう意味に解してよろしいですか。

松本烝治公益事業委員会委員長

○松本政府委員 双方から再編成の案に出て参つた人事が一致しておればもう問題はない、一致しないというときに初めて再編成の案に書くために作成をしなければならぬ、役員の氏名及びその任期というものを書かなければならぬ、そういうことの意味と思つております。

神田博自由党

○神田委員 ちよつとあいまいに聞えるのでありますが、公益事業委員会が電気事業再編成計画書を二月八日までに提出するようにという指示を與えたことは、事務総長もおりますが、これは天下公知の事実であります。その際に役員の名前はブランクにして計画書を提出するようにという指示を與えた形跡があるように私どもは承知しておるのであります。これはどういう意味でそういうような指示を與えたのか、あるいは與えなかつたのか、これを御答弁願いたいと思います。

松本烝治公益事業委員会委員長

○松本政府委員 人事のものを出して、後に両方の出したものが合わないということはおもしろくない、なるべく合うことを希望したのです。その意味において作成ということにならぬようなために、人事に関する点は別紙で定めるということで別紙に書いて出してもらう。その別紙の方は後に任意にこれを変更し得る、当事者の間でこれを変更すれば合うようなものができるという考えでそういうことを指示したと申すか、そういうことを当事者もまた了としてそういう方法をとられた、そういうように御承知を願いたい。

神田博自由党

○神田委員 どうもぴんと来ないのであります。役員の名前をブランクにした計画書を一体おとりになることが私はおかしいじやないかと思うのです。これは企業再建整備法を準用されておるわけでありますから、むしろ役員の希望をとることが私は根本になるのじやないかと思う。だれがやるかというようなことを考えないで、まず事業の計画をつくらせる、責任者をきめないで事業計画書をとるということは、老巧な委員長がおやりになることとしてはどうもはなはだふに落ちないことじやないのか。ことに二月の初めごろから新聞あるいはいろいろの——これは流しておることでありましようが、その間新役員の交渉をしておつた、こういうことが伝えられておるのであります。これはどういうことかよくわかりませんが、事業計画書をつくる、それでだれがそれを実行するのかということが一番根本になつて来る問題でありますから、役員の希望を聞かずに事業再編成計画書をつくらせたいというところに、私は今回の大きなミスがあるのじやないかと思う。一面計画書もつくりながら、一面あるいは人事の調停をされて行く。両者の納得づくで行き、納得のつかぬ点だけを公共事業委員会が中に入られて調停をされて行くというような方法があつたのではないか。しかるにただいまの御答弁では、公共事業委員会が人事権を持つておるのかおらないのかというお尋ねをいたしますと、非常な消極的な御答弁のように聞えるのでありますが、とにかくひとつ役員をブランクにして出せ——役員のことはこれはむずかしいことには相違ありませんが、その後で相談をしよう、こういうようなことではなかなか容易ではないのではなかつたか。ことに私どもは日本発送電株式会社から電気事業再編成計画に関する公益事業委員会と日発との交渉の真相並びに経過というものをいただいておりますが、これはおそらく公益事業委員会でもごらんになつたことと存じます。大体私どもが当委員会において調査を進めておりました当時、政府委員、また説明員、あるいは日発関係から述べられた通りのことが書いてあるのでありますが、役員の決定にあたりまして、二月十七日でございますか、松本委員長から小坂日発総裁に、役員の選任はすでに既定事実になつておるからいかんともしがたいというような強硬態度をとられたというようなことを承知しておりますので、この点をもう少しざつくばらんに御答弁をしていただきたい。どうも納得しがたい点はただいま述べた通りなのでありますが、きようは別に私どもも公益事業委員をいじめようとか、どつちの顔を立てようというようなけちな考えを持つておるのではないのでありまして、電気事業の再編成がすみやかに、スムーズに行われることを念願しておるのでありますから、委員長ももう少し十分な御説明を願いたいと思います。

松本烝治公益事業委員会委員長

○松本政府委員 今の役員の氏名だけは、別紙の通りということで出しておる。すなわち出して来た書類自体は完備しておるわけであります。つまり別紙で補充されておるが、その別紙の役員の氏名をそのままその書類に書きますと、あとで協定ができるようなときにかえつてじやまになるおそれがあろうというので別紙にして封じて出してもらうということにしたのです。これは補充されればそれでよろしいという趣意であり、こうもさしつかえないと思つております。  それから今の何か日発側から出た書面というものは、実は私自身はまつたく読んでおりません。

神田博自由党

○神田委員 どうも私のお尋ねしておることにお答えがないので、はなはだ遺憾に考えるのですが、日発から出ておる書面を読んだか読まぬかということよりも、そういう事実を事実として答弁されておつたのであるから、その答弁の趣旨をとつてもおかしいのではないかということを聞いておるのであつて、これをお読みになつたかどうかということを私たちはお尋ねしたわけではないのであります。そういうものが出ておる、委員会においてはこういうことになつておるのだということをお尋ねしておるのでありまして、見ておらぬというような御答弁は、どうも問うていないことをお答えになつておると考えるのであります。そこでこれは大事な点でありますのでお尋ねいたしますが、役員の氏名を別紙でとつた。とつたのだが、それがうまく行つていないことも委員長は事実としてお認めになられると思いますが、それならばこれは一体今後どういうふうに押し進めて行くのかということが私どもの心配の点なのです。公益事業委員会が切捨てごめんで押し通して行くのか。これは委員長に言わせれば、そのために公聽会を開くのだとか、いろいろ意見を聞いてやるとかおつしやるかもしれませんが、今までおやりになつて来た経過から見ますと、必ずしもそういう謙虚な気持でやつたかどうかということについて私ども疑いをさしはさまざるを得ないのであります。そういうことによりましていたずらに電気事業の再編成が紛淆するということになりますならば、これは日本の産業のために、また社会問題としても大きな問題だろうと思うのであります。そういう意味で私どもはこの調査を進めておるのでありますが、何か答えるとしつぽをつかまれはしないかというようなことで一向触れて来ないような気がするのでありまして、はなはだ遺憾に思うのであります。  そこで前にもどりますが、そういたしますと、人事の決定権というものは公益事業委員会は持つていないというふうに私ども考えてよろしいのでありますか。ひとつはつきり御答弁を願いたいと思います。

松本烝治公益事業委員会委員長

○松本政府委員 先ほど申し述べましたように、双方の協定ができない場合には裁定をするということになります。

神田博自由党

○神田委員 双方の協定ができない場合に裁定をするといたしますと、今おやりになつたことは双方の協定ができないから裁定した、こういうことに相なつておるというふうに考えてよろしいのでありますか。

松本烝治公益事業委員会委員長

○松本政府委員 そういうわけであります。

神田博自由党

○神田委員 そこでお尋ねしたいのでありますが、双方が協定できなかつた、そこで裁定されたというのでございますが、双方が協定できなかつた、それで裁定をしたというまでの経過は、公益事業委員会としては時間的にも相当な努力を傾けただろうと思います。それからその協定ができなかつたということは日発の総裁、副総裁がおいでになつておられますが、一体どうして配電側との協定ができなかつたか、配電側においても、日発との協定がどうしてできなかつたか。これについて、公益事業委員会は公益事業委員のお立場から、日発側は日発側のお立場から、配電側は配電側のお立場から、役員問題、すなわち人事問題で両者の協定ができなかつた。このできなかつたことについて、公益事業委員会はでかすためにどういう努力をされたか、そうしてそれが実を結ばなくて今日のような結果を見たんだということを、ひとつ詳細この席で御説明願いたいと思います。

松本烝治公益事業委員会委員長

○松本政府委員 私はその日にち等をよく記憶しておりませんから、もし日にち等に誤りがありましたらいつでも直します。ただぼんやり私の記憶しておるところを、何ら材料なしに申すのほかないのでありますが、二月八日に今のような意味の案が両方から出て参りました。そのうち配電会社の方の別紙のものは二月九日に私の手元に直接に手渡しされました。これは密封して各社から出て来たのであります。ところが日発側の方の別紙は出て参らない。こちらもはなはだ困りますから、どうか出していただきたいということをしばしば申しましたが、たしか十六日に十五日付の書面が出て参つた。これで二月八日に提出された書類が初めて完備するということになつたのであります。しかしながら、もちろんわれわれは早くしなければならぬ——その時分の予定では、二月の二十三日にこの案の通達をしたい、二十三日に通達をして、そうして公聽会は今月のたしか十日から開きたいという考えでおつたのであります。それで、そういう予定表をすべてつくつて、そうしてこれは当事者にも示してあつた。そういうことでありますから、その書類が出て参らないからといつてもちろんそのままにはできませんが、まず私の考えたことは、今度の新会社ができますについては、やはり人事の和と申すか、人の和ということが一番とうといことであろうということでした。和のない人事ができましたらとうてい新会社はうまく行きません。それで、これはどうしてもまず会長とかあるいは社長とかいうような首脳者になる人について見当をつけ、そのことを御相談をして、大体において同意があつたら、それに基いて人事をきめて行く。もちろん出て来た案についてそれを材料としてはきめるけれども、しかしその中心人物をまずきめて、そうして両方に御相談する。配電会社側及び日発側の両方に御相談して、そうして協定ができることを望んだわけであります。そういう意味において、たしか二月の八日前から私は小坂総裁とはある程度お話合いをしております。そのお話合いは、私の考えでは大体においてそう別に違つた意見ではなく、大体御相談をしてある程度きめて来た——きめると申すと語弊がありますが、二人の間の中心人物についての意見は大体合致しておつた。しかしながら一番困つたことは、今の詳細な日発側の書面が十六日まで出て来なかつたことで、これによつて全部のことをいろいろきめるのに非常に困つたのであります。それでしばしぱ御催促をして、やつと十六日に参りました。それから、たしかその前から配電側の方にはずつと集まつていただいていろいろ御相談をしておつたし、また日発側の人も来られていろいろ御相談をしておつたのであります。これはほかの点についていろいろ御相談をしておつたのでありますが、人事についてもその際御相談をしておつたように記憶しております。しかるに今のようなことで具体的のこまかい人事に入るということはどうしても遅れてしまつたのでありまして、そのために二十二日に案を決定するという企画はとうとうできなくなつてしまいました。その間にたしか日発側からどういうことでしたか、どうも私も年をとつて記憶力が悪いのでさつぱり記憶しておりませんが、今のような書類でもあればある程度まで申せるでしようが——その間なかなかむずかしい問題がいろいろ起つて、人事についてなかなか協定ができなかつた。それから人事と、及び日発側の株式に與えるいわゆるプラス・エツクスという額と、それから日発の清算に要する費用の額というようなことについてどうもなかなか話がまとまりませんでした。そのために、よんどころなく、二十二日に案をきめてしまうということができませんで、やむを得ずこれを二十八日に延ばしたのであります。最初はたしか二十六日ぐらいまで延ばしたのですが、その時分に小坂総裁と会合いたしまして、この人事の点についていろいろうまく行かなくなつて来たのは、やはり首脳となる人をきめてしまうというようなことがじやまになるようである。だから首脳となる人は、頭の中にはもちろんなくちやならぬけれども、だれをどういうふうにするということをまず離れて、そうして人事のことを御相談し直そうじやないかと、こういうことを小坂総裁とお話合いをいたしました。それが二十六日の晝少し過ぎであつたと思います。たしか三時ごろにその相談ができまして、ただちに日発側から具体的な新しい人事の案が出ることと思つて期待をしておつたのです。しかるに、その二十六日の晩に初めて日発側の副総裁及び数人の方が来られましたが具体的の人事の案はたしか持つて来られなかつた。私の記憶ではたしかそうであつたように思います。それで比率をどういうふうにするかというような根本問題についていろいろお話合いがあつたのですが、それは短かい期間にきめなければならぬ、いかに延ばしても二十八日より延ばすことはできない。二十八日中には決定しないと、公聽会その他の法律上の期間が足りなくなるというので、二十六日の晩はあまり長い御相談はできなかつたが、しかし私の記憶では、たしか日発側の御希望の人をどういうようにとるかということについての御相談は多少したように記憶しております。そうしてその翌日の午前十時からまたひとつ会議を始めたい、それまでに日発側の案をよく定めて出ていただきたいということをお約束したのであります。ところが配電側の人は、午前十時かあるいは十時少し過ぎぐらいには皆集まられましたが、日発側の方では、何かいろいろ御議論があつたのだろうと思うのですけれども、われわれは全部が集まつてお待ちしておつたのでありますが、なかなか集まらないで、たしか四時十五分前に初めて日発側の方がおそろいになつた。そうして初めて会議に入ることができた。それからいろいろ会議をしましたが、その日もたしか夜おそくまでいろいろ御相談をしたのであります。さらにあくる日の二十八日に——これはどうしても決定しなければならぬ日でありますから、二十八日の十一時に集まつていただくということでわかれまして、二十八日の十一時に全部集まられて御相談をしたのであります。しかるにそのときに出された日発側の案の中には、いわゆる社外重役とよく言われておるところの経済界のりつぱな人たち、そういう人を大分入れるというような案がたしか出て参つたが、その案の人たちの中には、どうも日発側で十分御交渉になつていたのではないように思われる人があつた。明らかに、新しい電力会社に入らないということがほとんど明瞭と思われるような人が、私の知つている範囲でも少くも二人ばかりもありました。この人々の承諾は得られておるのかどうか。こういう人が、協定によつてきめられたというときに、断わられてはたいへん困る。きまつた人事がすつかりこわれるのだから、そういうものはさまつておるのかどうか、内諾を得られておるのかどうかということを伺つたところが、これに対する明答はなかつたと私は記憶しております。しかしこれらの人は必ず承諾されるものと信ずるというようなお話があつた。しまいにはそこまで確かに言われたと思いますが、しかしながら、入られぬということを明らかに私の手元に断つて来られた方もその中に入つておりますから、今の、必ず承諾されるだろうということを信ずるくらいではどうも困る、どうですと言うたが、やはり信ずるだけの程度、下交渉をして内諾を與えられているということは明らかでない。それではしかたがないから、そういう不確定な部分は除くほかはないということで、その部分は除きまして、他の人事についていろいろ交渉をしてしまつたのでありますが、二十八日の四時が最後の時間で、そのときにきめないと三月一日に報告をし、そうしてまた通達もしなければならぬというのでありますから、どうしても四時までにきめなければならぬということで、最初からそのことは申しておつたのでありますが、午後四時に至りまして、人事について今のようないわゆる社外重役の人選についての意見と申しますか、むしろわれわれの方では、そういう人がはたして就職してくれるかどうかということがわからないので、それではしかたがないというので、協定ができないうちにとうとう午後四時になりました。そうしてやむを得ず裁定によつて三月一日の官報にこの案を出した、そういうことになつております。

小坂順造日本発送電株式会社総裁

○小坂参考人 神田君のお尋ねにお答えいたします。私はこの事件は日本再建のかぎになるものと思つておりますので、非常に愼重にこのことに当りたいと考えておりました。そこで委員長からも胸襟を開いたお言葉もありましたから相談いたしまして、とにかく事業というものは人である、事業はすなわちその中心になるべき人をまずきめて、その人を中心として、日発、配電側からそれぞれ人を配して行つたならば円満に行くのじやないか、こういう考え方が先ほど松本さんのお話になつた通り一致いたしましてまず大体きめて、六大都市の中では東京が一番最後になりまして、私はここで名前を出すことはどうかと思いますが、とにかく日発の総裁を長くし、関東配電の社長を長くしておつた老巧な人がありますが、その人を推薦いたしました。ところが委員の中で反対の方もあつたようでありまして、これが進行しませんうちに委員長が私のところにたずねて来られまして、ちようど日銀元総裁である新木君の名前が表面に出て来ますから言いますが、新木君がどうだろうというお話でありました。それで新木君はりつぱな人だから、けつこうですということで、そこに会社との話合いがついたわけであります。それで円満に行くだろうと思つていたところ、その後二日たつてから松本君が来られて、関東配電の高井君が社長になるということで、これはたいへん私の考えと違うのです。これはしばしば私からも、日発、配電両社から社長を出さないで、公平な、りつぱな中間の人物を出して行かないと折合いがうまく行かない。ことに配電の社長をそのまますえ置くということは、配電会社のサービスというのは、今はたして国民の満足を得ているかどうか。これを改革するには人がかわらなければできるものではない。その人がそのままいすわつて改革ができるものではない。こういう見地から私はかわつた方がいいという考えでおつたので、高井君が社長になるということは困る。そういうことを松本さんに申し込んだ。しかしこれは本人に話して、もう決定したのだから困ると言う。そういうことを決定したと言われてはどうも承服できない。第一私が承服しても、日発の人はなかなか高井君との関係は、労働組合の関係その他いろいろ複雑な関係があつて、これは容易に片づかぬので困る、そういうことで経過しておるときに、われわれとともにきめた話の人はみな会長にしてしまつた。そうして社長には現在の配電会社の社長を入れる。ただ大阪だけは会長と社長をよそから持つて行く。その人選については、私どもは適当なる人で御同意した人があります。あとはずつと話をした人を会長にあげてしまつて、社長は配電会社の者を社長にすえる。それで松本さんのお考えでは、会長は新商法によつて全権を持つものであつて、社長というものはただ雑務を取扱う人にすぎないのであるというお話でありましたけれども、日発の人間がたくさん、二万とか三万とかいう数が、三千、五千ずつ入るのですから、非常に心細い。その心細いものに安心を與えるためには雑務を扱う社長が大事であるから、社長は配電の社長がいすわるのは困る、こういうお話をしておつたのであります。しかし松本さんは新商法の関係上、社長は雑務だというお話があつた。ところがその松本さんのお話と正反対のことをここにおられる松本委員が言つておる。これは九州の配電の会長に松本さんから擬せられて、実は呼び出しを受けた村上巧兒という人がおります。この人が出て参つて松本さんをおたずねしたら、御病気だというのでお目にかかれなかつた。それで副委員長である松永君のところをおたずねしたところが、意外な話を聞いたというので、ここに本人からいただいた書面がありますので、ちよつと代読してもらいます。     〔森参考人朗読〕  昭和二十六年二月二十七日      福岡二於テ 村上巧兒   松永公益事業委員ト会談ノ要領記事 昭和二十六年二月二十一日午後十一時四十分安川第五郎君ヨリ「松本公益事業委員長ノ要請ニヨリ至急上京サレタシ」トノ電報ヲ受取リ、翌二十二日朝別府発、二十三日午前十時東京駅清、安川第五郎君帶同、同十一時高輪ノ通産大臣公館ニ松本委員長ヲ訪問シタル処、委員長ハ病気引籠中ノ由ニテ委員長代理松永安左ヱ門氏ニ会見セリ、席上松永氏ヨリ新創立ノ九州電力会社ノ取締役会長二就任サレタキ旨申出アリ、其時ノ話ニ、会長ニ就任シテモ自ラ任務ニ当ル必要ハナイ、君ハ一切ヲ佐藤君(社長)ニ任セテ唯上置キニナッテ居レバヨイ、別府ノ自宅ニ常住シテ時々会社ニ顔ヲ出ス程度デヨイ、竹岡モ四国電力ノ会長ヲ内諾シタガ、コレニモ四国ニ行カズトモ東京ノ伜ノ処ニデモ居レバヨイト申シタ次第ダ、是非其積リデ承諾シテ貰イタイト、イタッテ気楽ナ話ニツキ一応先輩友人ノ意見ヲ求ムル必要モアリ、即答ヲサケテ一旦辞去、正午ヨリ二、三ノ知己ト会見ノ結果、最モ重視サルルハ新会社ノ役員人事ニツキ、コノ人選ニハ会長トシテ当然発言権ヲ與エラレ、社長ト協議シテ役員選定ノコトヲ條件トシテ受諾ニ決シ、午後四時スギ安川君同道、松永委員長代理ヲ約束ノ通り落合ノ自邸ニ訪問シ、右受諾並ビニソノ條件トシテ人事ノ協議二與リタキ旨回答シタルトコロ、松永氏ハ、人事ハスベテ佐藤社長ノ発案ヲ了承シテスデニ決定シ、印刷二附シタルニッキ、最早協議ノ余地ナシ、スベテ一任ノ上デタダ上置キ会長ヲ受評シテモライタシトノコトニッキ、ソレデハ到底受諾シガタシ、遺憾ナガラ御辞退スル旨ヲ回答セリ。ソノトキ小生タダチニ「時日切迫ノ今日九州ハ会長ヲ空位トシ、社長一本デトモカク陣容ヲ整エテハイカン」ト申シタルトコロ、松永氏ハ、「会長候補トシテ唯今麻生太賀吉君二交渉中ナリ」トノコトニ付キ、小生ハ其ノ早手廻シニ驚クト共二全クノ非礼ヲ不快トシ、僕ノ確答以前ニ第三者ニ交渉スルトハ乱暴デハナイカ、万一僕が受諾シタラ何トスルカト質セシニ、其時ハ其時ノ事サト、極メテ簡單明瞭、恰モ人事ヲ玩弄物セルニ喫驚シ、其儘辞去シタリ。小生ノ松永邸訪問ノ時、一台ノ自動車門前ニ停リ居りタルガ、其車上ノ人ハ某ナルコトヲ確認セルヨリ察スレバ、松永氏ハ始メヨリ小生ノ回答ヲ無視シ、後任ノ交渉ニ入リ居タルモノト察セラル、帰りノ車中安川君ハ頗ル松永氏ノ行動ヲ不快トシ、小生ニ声明書ヲ発表セヨト勧告セシヨリ見ルモ、其非礼ト乱暴ナルコトハ証セラルベシ。ただいまの書面にある通り、松本さんは会長が全権を持つものであつて、社長というものは事務を取扱うにすぎないとおつしやるけれども、松永君の考えは正反対であつて、会長は上置きであつて、社長にやらせようというので、ここにおいて私はどうしても反対せざるを得なくなつたのは、高井君を社長にどうしてもしなければなりぬということがふしぎである。日発八千の人間がおりますが、これが高井君では困ると言つているのに、なぜ高井君でなければならぬというのがふしぎだつた。それからいろいろお話がありましたけれども、私そのとき思つたのは、公益事業委員会が責任を持つてこういう無理なことをおやりになるなら、私から言えばその権力を濫用する、その権力濫用によつて生じたる結果は一切委員会が負えばいいのだ、人に巻添えを食わせることはない、あんたおやりなさいということでわかれたのであります。これが下部組織まで行くと、めんどうになると心配しておつたのでありますが、ところが今松本さんがお話になりました二十五日の夕方、ここにいる松田君がたずねて来て、このままでは困るからということで、声涙ともに下るような形で、今までに決定した会長、社長はやめて、新しく選考することにするから、ひとつ協力してくれないかというお話があつた。それならよかろうということになりまして、二十六日に松本さんとお話したのであります。そのときには今までの会長、社長をきめていたのをここでやめて、新しく選考するというお話であつた。そのお話の中にも私ははつきり名前を言つた方がいいと思いますが、新井章治君は入れなければならぬと言うと、そのときは松本君も御同意になつた。その後私は社へ帰つて、こういうことにするから、諸君も異論があるだろうけれども、おれにまかせてくれないかということで、交渉に入つて行つてみたところ、驚いたのは配電会社の、会長及び社長予定という書きものがあつて、日発側のものはおれの会社によこせと、まるで品物のように考えられているようで、みんな意気が合わなければ仕事がうまく行かぬでしようから、それではとてもだめだ、これは結局前に会長、社長をきめていたものを今の形式でになく、合法的にやられようとするだけのことであつて、それではまじめなお話ではないからお断りしようと言うと、それでは何だから、日発側の社員の表はできているかというので、十六日に社員の表を出した。今それが遅れたとおつしやいましたけれども、初めは日発のことはいれられないのに、日発から案を出す必要はないから出さなかつたのでありますけれども、そういうことで大急ぎで出した。私は日発の役員をもう少しふやすということよりは、むしろ部外の相当な人を入れたい。今度は金を借りることからみんなやらなければならぬ、大世帶を背負つて行ける人という観点から、心当りの部外の人を入れて出したのであります。それに対して松本君からお話がありましたが、私の親友の名取和作君が二十七日に私のところに遊びに来まして、君もひとつ苦労だろうが一役買つてくれないかということでお願いして、名取君の名を書いて出した。それから村上巧兒君もそういう侮辱を受けて気の毒だと思いましたから、どうするかと言つたら、君が推薦するならば出るというようなことを言つたことがあります。そのほかいろいろなことがあるのですが、問題になつた二つだけをあげますが、君が推薦するならば出る、こういうお話で書いて出した。ところが松本さんは、目発の社員だけは認めるが、外部の人は除く、現に二人とも断つておる人じやないかと言われた。ちようど名取さんの息子の人が松本さんのところに行つて、その話をし、親父はあまり入れたくないということを言われたそうですが、とにかく老体ですから息子さんとしては断るのがあたりまえでしよう。それでかわりに別の人を推薦された、こういうことは事実であります。しかし名取君は、それが問題になることを心配して、ぼくのところへ来て、それはどうもぼくも思いよらないことだけれども、いろいろ事情で君に迷惑をかけてもいけないから、いつでも引受けるということを言つてくれたわけであります。それから新井章治君ももちろん前から承知しておつたわけでありまして、君のような老体が働くのにわれわれが傍観しておるわけには行かないから働くということを言つておる。なおそのときに村上巧兒君も、君が推薦するならば引受けるということを言つて来ておるのです。森右ちよつと読んでください。     〔森参考人朗読〕  昭和二十六年三月九日        福岡二於テ 村上巧兒   小坂日発総裁殿侍史   拝啓過日ハ早朝罷出テ種々御高話  拝聴難有奉存候扨小生電力会社会長辞退ノ原因二付御照会ヲ蒙り候処小生ハ予テ事業経営ノ根幹ハ公平ナル役員ノ選定ニアリトノ信念ヲ有スルヲ以テ、去月二十三日松永委員長代理ヨリ会長就任ノ要請ヲ受ケタルトキ、新会社ノ人事二付テハ新社長ト篤ト協議シタキ旨申出候モ、松永氏ハ人事ハ既二社長ノ選定ヲ承認シ唯今印刷中ナルヲ以テ今更変更ノ余地ナシ、仕事モ凡テ社長二一任シテヨイカラ無條件二就任ヲ承諾セヨトノコトニ付キ、ソレデハ会長ハ全クノ「ロボット」ダカラ重責ノ地位ハ御免ヲ蒙ルト回答致候次第、従ツテ今日ト雖モ新会社ノ人事が公平ナラバ最後ノ御奉公トシテ電力界ノ第一線ニ立ツ決意ヲ有スルモノニ有之候御承知ノ通リ小生ハ老齢ナルモ頑健壯者ニ劣ラザル自信アリ、此辺御諒知御下サレ度候右御挨拶旁御同報迄如斯御座候こういうふうに言つているのを、委員長は当てにならぬ人だとおつしやるが、当てにならぬのではなくて、確実に当てになる人でする。こういうことをなぜおつしやるかというと、こうなると私の想像が入るのだけれども、とにかく東京の部門に新井章治君を出したくない、新井君が出ると高井君と競争相手になり、あるいは新木君と競争相手になるかもしれない——私どもとしては、新井君は決して新木君と争うようなことはないだろうと思うが、改革しなくはならぬという意識に燃えておる、こういう人が入ることは、非常に迷惑であるから、それにかこつけて新井君を片づける手段じやなかつたかと私は思う。これは私の邪推が大部分かもしれませんけれども、何ゆえにあれだけの、日発の総裁をやり、関東配電の社長をやり、その前に東京電工の社長をやつたその道の長老を排斥されるか、私ども了解に苦しむのでありまして、かかる人事であつてはとうていまじめに行かない、こう思つたものであります。私、どうもこれは御協力もできない状態に置かれておると思つておりましたが、社員のうちで寄り寄り協議しまして、このころから、どうもこういうことで押されるのであつては、われわれはとうてい自分で安んずることもできないし、また部下の選考に対して、安心してまかせることはできない、どうもこの際自分らは、かりに新会社の取締役に推薦されても、お断りするよりほかにないと考えておる、こういうことを言つております。それはみな文書は来ております。それからまた従業員の課長以上の者は、みな連署して、こういうことでは私どもはとうてい職にたえないと思いますから——現に配電会社の方は非常に気勢が上つて相談にならぬ、こう言うのです。これは十六日に私の方で人の表を出すときに、公益事業委員に、どうも吸収合併のような気分があつてはなはだ円満に行きそうもなく心配であるから、ことにこの社長は、配電及び日発両社から出さぬで、第三者を出してもらいたいという要望を添えて出しておるのです。ここにおる内ケ崎氏、一番公平な人と思うこの人が社長に適しておると私は思つておる。内ケ崎君の部下は、日発から人をとらぬ、あそこの東北の日発の支店長だけはとつておるが、他の重役は絶対に日発からとらぬという連署を、みんなでとつておる事実がある。こういうことではとてもいかぬことであるからといつて、委員長の法律論を持ち出したことがある。内ケ崎氏と私は親友だが、そんなばかなことはする必要はないと私は思いますが、そういう気分がある。それを無理に押しつけて、こういうことで一体仕事ができるか。私は、送電線はものを言わないから言う通りになりましようが、人間は生きておるからそうは行かぬと思う。こういうやり方をなさつて、それが円満に行けるとは思わないのでありまして、この点は、公益事業委員の諸君が少しお考えになる必要があるのではないか、私はこう思つておる次第であります。

内ケ崎贇五郎東北配電株式会社社長

○内ケ崎参考人 私、東北配電の社長内ヶ崎でございます。配電側を代表いたしまして御答弁申し上げます。  ただいま松本委員長並びに日発の総裁から、いろいろ詳しくお話がありましたので、ごく簡單に要領を申し上げます。実はこの役員の問題は非常に重大な問題でありますので、ことにわれわれ関係者は、一生のライフ・ワークとしてこの電気事業に携わつて来た者が、ほとんど大部分でございます。そういう意味からして、今後の電気事業をになつて行くには、どうしても真劍に、お互いに事業者間においてそういうことを考うべきである、こういうかたい信念を持つておつたのでありますから、お互いに日発と話合いをしよう、こういうことを、重要な立場としまして——むろん外部の方の御意見も聞くことは当然でありますが、とにかく外部の方からはもう制肘されることはない。お互いに自分らの信ずるところでもつて協力してこれをきめようではないか、こういう見地に立ちまして、実は日発の方と寄り寄り協議いたしたのであります。十社間において、電気事業経営者会議というのを持つておりますが、この会議におきまして、日発の正副総裁、それから九社の配電の社長が集まりまして、この問題につきましては、二月八日に至る前に三、四回会合を重ねたのであります。しかしながら、この問題は非常に重大問題であるから、人事問題にあまり早く触れることは当を得たものではないという御意見が、小坂総裁の方からもたびたびございまして、ぎりぎり二月八日のところまで持ち越しになつたわけであります。しかし今度の再編成の計画書は二月八日には提出せねばならぬのでありますから、どうしてもきようその話合いをしようじやないか、こういうことを日発に申し入れまして、そのときにはちようど小坂総裁は御病気で、森副総裁一人だけお見えになつたわけでありますが、そこでいろいろ協議をしたのであります。しかしながら日発側におかれましては、現在の役員が二十六名ある、それから理事待遇が十六名ある、それだけあるがといういろいろな数字的の御説明がありまして、役員の数はぼくらの方は百名ぐらいを出してほしいという要望がありました。しかるにわれわれとしては、今後の電気事業の経営は、ぜひ健全なるものをつくつて行かなければいかぬ、そういうことで、そう厖大なる役員数をつくることは不賛成である、いけない、むろん配電の方でも何がしかの数の人はやめていただくような方も起るだろうし、とにかくあまり人数をふやさない方針で行こうじやないか、こういうような考えで、数の問題をいまさら言うてもしようがない、とにかく個別的に個々の人についてひとつ御相談をしよう、こういう申入れをしたのでありますが、そのときには日発側におきましては、どうも今その準備がないというお話で、話を進めることができなかつたのでありまして、これは非常に遺憾なことであつたと思います。やむを得ず配電側におきましては、ほつてはおけないから、われわれの方は独自の見地に立ちまして、自分らの思うところの人をとにかく推薦する、但し日発の方についてはわれわれは手を触れない、こういうことで出すからよろしいか、こういうことを念を押しましたところが、よろしいというお話でありますから、これは委員長の方に、先ほどお話が出ましたが、別紙として出してもやむを得ぬだろう、こういう御了解を得まして、翌九日にわれわれの思うところの役員を推薦いたしたわけであります。しかし事非常に重大でありますから、その後も日発の方とぜびお話合いを進めたい、こういうことでときどき日発の方に連絡いたし、また公益事業委員会の方にもお願いしまして、あつせんの労をとつていただくように、いろいろわれわれ画策いたしたのでありますが、ただいまいろいろなお話がありました通りに、その機会がありませんで、二十三日にはどうしても指令案を出すからという日限がきまつているので、それまでには何とかしたいという考えで、再度非常な努力を払つたのでありますが、これも話合いができませんでした。そうしているうちに、委員会の方はやむを得ず日を延ばされまして、二十七日に至りまして、日発の方とようやく個別的の人事の協議をなす機会を得たのであります。  そのときには、ある会社のごときはほとんど意見の一致を見たのもあり、ほかの会社におきましても、大部分の人事につきましては意見の一致を見たのでありますが、二、三名あるいは四、五名の点において意見が一致しなかつた。こういうことでいろいろ話合いをやつたのでありますが、二十七日、九社分につきまして個々の折衝をいたすのでありますからして、時間もありませんし、あまり余裕がなかつたわけでありますが、どうしても意見が一致しなかつた。その結果、翌二十八日まで持ち越しまして、再度協議をしようということで、委員会もあつせんされたのでありますが、遺憾ながら二十八日にも協定ができなかつた。やむを得ず三月一日の指令案を出されるために、裁定をされまして発表された、こういうことでございます。  以上でありますが、われわれといたしましては、この人事問題は非常に重要な問題でありますので、一日も早く円満に解決せんことを熱望していることを申し添えまして、お話を終ります。

小金義照自由党

○小金委員長 小坂総裁に一言お伺いいたしますが、ただいま朗読されました総裁あてのお手紙は、一応私信のように拝承いたしますが、差出人は、この席上でこれを朗読されることについて、御承知になつておりましようか。

小坂順造日本発送電株式会社総裁

○小坂参考人 それは公表してよろしいということを前から申しております。

小金義照自由党

○小金委員長 公表してよろしいということになつておりますか、それではけつこうであります。

小坂順造日本発送電株式会社総裁

○小坂参考人 いま一度申し上げますが、現に電報を打つて来まして、大阪の産業経済新聞に記事を出しておるが、それは自分が責任を負うものであるということを言つて来ております。それは今のものと同じものであります。

小金義照自由党

○小金委員長 わかりました。

松永安左ヱ門公益事業委員会委員

○松永(安)政府委員 今小坂君から、村上巧兒君が九州の会長を受諾しない点につきまして、村上君の手紙をお読み上げになりましたが、大体において何かたいへん考え違い、あるいは私の申したことのお開き違いではないかと思いますから、その当時私の申したことを、自分の記憶を呼び起して一通り申し上げておきたいと思います。何しろ村上君も七十幾つ、お手紙をお受取りになつた小坂君も七十何歳、私がまた一番最年長、こういうような状態でありますから、あまりむずかしいことではなく、ごくフレンドリーにものを扱いましたことが、あるいはたいへんお感情をそこねたり、間違いになつているかもわかりませんが、第一に申し上げたいのは、ちようど村上君の来られるまでに、われわれは十九日から通産大臣の官邸に集まりまして、そうして日発、配電両方の話を聞くべく、あるいはできるだけあすこでまとめてもらいたい——というのは、二十三日には何とかまとまつた指令を出さなければならぬように追つておつたので、一生懸命両者の話合いをはかつておりました、詳しいことは、今東北配電の社長のお話のあつたようなことに盡きておりますが、そんなことで、村上君の来たのは、たしかよほど遅れて、二十六日だと思いますが……。(「二十二日です」と呼ぶ者あり)二十二日ですか。それで十九日に集まり、日発からの書類が十九日の書類、配電からの書類はやや遅れて——九州など、まとまらぬところもありますが、集めて、ある程度まとまつた人事をつくり上げて、二十三日までにだんだんものをきめて行きたいと思つておつたのであります。その時分に——私、もう少しおそかつたと思うが、村上君が、委員長の要請によつて安川君の電報で、安川君と一緒に見えました。そのとき委員長は御病気であつたか、あるいはお忙しくて外出であつたか、私は病気でなかつたと記憶します。けれども委員長はお目にかからない。私に、安川君とともに会つて——安川君も九州の長老であり、村上君も長老であるから、九州の問題のまとまらぬところがあれば、これらの長老とよく話をして、君がまとめてくれぬかというお話があつたものでありますから、お二人にお会いして、そのことをお願いしたところが、村上君のいきなり最初のあいさつは、こうであつたかと思います。自分はどうも神経痛がひどくて、足がまことに痛む、ここに来るのもなかなか容易ならぬことであつた。だから自分がこの年になつて、福岡までひよいひよい出かけて行くということもなかなかおつくうだ。また自分は閑雲野鶴で、何も野心を持たない身分であるというような話もあつたものですから——話が前後すると妙なことになりますけれども、前後しない私の記憶で言うとそうだろう。ぼくだつて同じで、またぼくらも委員長も同様で、どうにかこうにかやつているけれども、実は一人前の仕事はできないのだ。けれどもこうなつて来れば、一生懸命やるよりほかないのだが、君は足が痛いというなら、幸いに別府におるから、別府の湯につかつて、ときどき重役会とかそのほかに行つて、若い人をさしずしたらそれでも済むじやないか。君の経験、君の経歴ならば、会長としてりつぱにやつて行けるのだから、それでいいじやないか。竹岡君は昨日か、一昨日来た。君より早く来て、そうして四国の人事等を、日発の書類、配電の書類を考査して、それぞれ、日発からどんな人が来る、配電はどんな人をもつて、社外重役をどういう人をやるということを、きのう一日かかつてやつて、きようもまた続いてやつておるが、きのうとかおとといならば、君が来ても各種の相談もできたのだが、今日はもう相談する余地もないような状態になつておるけれども、君のように、またわれわれのような老人は、もうそうきまつたものなら、きまつたものの上におつて、そうしてちやんとりつぱに会長が君の経歴と君の状態として勤まるのである、まあそうそういろいろやかましく言わずにやつたらどうか、これは私の非常な旧来の親友でもありますから、さようにざつくばらんに、またフレンドリーにお話をしたのであります。それでは考えてみよう、考えてみようが、人事は大体きまつたのであつて、きまつたというよりもはや二十三日のものが遅れているようなこと等から、大体において今さしかえをするとか何とかいうことは非常に困難に陷つているから、おれが君なら何でも大乘的にばかになつてちやんと上にすわつておろうがなと言つて、笑いながら、もう一回会うことを約束しながらわかれたのであります。それは実際その通りであつた。これは安川君はよく存じております。それは四時ごろだつたと思います。多分四時半ごろであつたのです。村上君と安川君が私の私宅においでになつた。そのときは割合時間が短かかつたですが、村上君が口を切つて、先刻の話の中にもはや人事が大体きまつておつて、わしが今から会長になる條件でこれをあれしたいということは、言う余地はないのか、大いにあるのかという話であつた。それは程度の問題ではあるけれども、大体においてみんな若い人が寄つてきめているのだから、もうあまりにそういうことは言わないで、君は上置きになつてもらいたい、そうするとこの場が治まるのであるからと言つたところが、いや、多く語る必要はない、人事についてこれまでの人事、つまり九州の人事を自分の意図によつてさしかえる余地がないということであれば、自分はただ上置きになるということはごめんこうむるというようなことであつたと思います。その点は先刻のお手紙の中にあるかと思います。  それから麻生君云々で車に乘つてどうとかいうことがありますが、これは推測の範囲に属することで、私の関知することでありません。また他日その問題について深いお調べがあればまた申し上げます。そんなことで村上君が非常に怒つておつたかもしれませんが、私は怒らずに、あのときなつてくれれば円満に治まると言つたのです。  それから会長ということは私ども会長をしたことがありますが、会長が社長以上に働くものであるかないかは世間の常識が知つておられる通りであります。会長がそう毎日働いていれば、社長なんというものはそう働けないものである。これも日本の常識でありますけれども、人によつては社長をさしおいて働く会長もあります。また人によつては会長に治まつて、そう働かぬでもそれ以上に社長をよく動かして社内の成績を上げる人もあります。これは制度の問題というよりも要するに人の問題でありますから、私は村上君の器量をもつてすれば、りつぱに会長になつて社内の切り盛りはできるものと思い、かつそう信じており、本人もからだが、足が痛いといいますから、これは別府でやれるものだとこう簡單に松永流に考えておつた。この松永流が悪かつたので、別に会長制度がその間に行き違いがあるのではないかという、今小坂君が申されたこととほとんど関係のないことのように思います。私は会長制度については、まだそう深いお話を委員長から聞いておりませんが、私はやはり昔の会長のような気持で総会そのほかを招集し、また総会の議長となり、重役会の議長となつて議事をとりさばくものだと、かように考えて今日もおりますが、どういうようにお二人の間でお話しになつたのか、詳しいことは聞いておりません。会長制度を否認したことにも何にも関係はないことと思いますから、この点一言申し上げておきます。

小坂順造日本発送電株式会社総裁

○小坂参考人 今、松永委員のお話ですが、これは意外千万なお話で、新聞にも発表されているし、松本委員長のお考えというものは、今度会長がもつぱら仕事をするものであつて今までのものとは違う、新商法の精神によつてやるのである、こういうお話であつた。松永君がそれを知らなかつたということはふしぎなことで、日々一緒になつて——私が知つているのでありまして、松永君が知らぬということは了解できぬのであります。  それから今いろいろ伺つていると、やはり松永君は私の考えと同じように、社長が大体やるものであつて、会長というものは大きな問題だけのとりさばきをする、こういう考えである。私もそうであるから、社長には公平な人でなければ困る、中立の人でなければ困るということを主張しているのである。ところが仕事はそうであるが、どうしても公益事業委員会は配電会社の方を社長にしなければならぬということになると、お話の間に非常な矛盾があつて、お考えがどつちがほんとうであるか、そんならなぜわれわれの非難する配電の社長をそのまま社長にすえられたかということに対する御説明にちつともならぬ。かえつてその間に一層疑いを深からしめて、日発の人々の疑惑を増すことになりはしないかと思います。  それからただいま松本委員長から委員会は人事権がないというお話でありましたが、実は大いにあつて、全部專権でやるというように何となく伝えられているのであります。それがそうでないということはけつこうでありますが、そうするとおきめになつたのは、だれと御相談になつておきめになつたのか、どうもわれわれの方から見ますと、日発の方は別にして、配電の人ばかりと相談しておきめになつたようにしか見えないのでありますが、その点が私やはり了解に苦しむところであります。これは別に議論するわけではありません。ただ人事権がないとおつしやつた、しかしどんどんおきめになつたのはだれと相談しておきめになつたのか。松本さんは自分一人でみなは知らないだろうということをおつしやるのは当然なことであつて、それは松本さんが大勢の配電会社、日発の課長や部長くらいの者を知つておいででないことは当然なことです。それをおきめになるのにだれと御相談しておきめてなつたのかということを私は一番疑問に思つております。

松本烝治公益事業委員会委員長

○松本政府委員 ただいま及び前の小坂総裁の仰せられたことには大分事実と違う点もあろうと私は思つております。たとえば新井君に対しては何にも交渉しなかつたということは事実と反しております。私は、私及び新井君と両方の親友である人に頼みまして、三回ほど交渉したのです。どうしてもこの新井君が入るのならば人事等全部をまかして、つまりすつかりやらすということならともかくも、そうでなければ入れない、入らぬというようなことをしまいに伺つて、それではどうもしまいに伺つたときは、相当いろいろ人事のある程度のことがすでにきまつておつた、きまるというと、また法律的にきまつたかと言われると困るのでありますが、そういう意味ではありませんが、われわれの考えがほぼきまつておつたときであるのに、たしかもう新木君が会長を引受けてくれるということももちろんきまつておつた。その後において新井君が入るのならば、全部まかしてということでは、これはちよつとできない、やむを得ず残念ながら新井君をあきらめたような次第であります。  それからその他いろいろなこまかい点については、たとえば配電の社長は、全部新会社の社長に、大阪を除いてなるというようなお考えも違つている。われわれの考えの中では、今の配電の社長が九社のうち六社だけが多分社長になられるのではなかろうか、これも互選でやられるのでわかりませんが、そういうような意味でやつておるのでありまして、配電の社長全部が大阪を除いて新会社の社長になるというのは、二人ほどちよつと間違つているように思いますが、そういうこまかいことは、私も老人でいろいろ取違えておりますから、あるいは私の言うことに間違いがあるかもしれないと思いますけれども、そういう議論はやめにしたいと思います。ただ、今どうしてきめたのかというお話ですが、これは協定ができないので、やむを得ず裁定をしたのです。その裁定をするまでには、非常に長い間かかつて、配電の方も日発の方も来られて二十八日までかかつて、個々的にいろいろなことの相談をして、それによつて大体得た案を裁定の元にしたのであつて、決して日発の方を全部除いてというようなことではありません。日発の方も来られたときには、個々の人についてずいぶん長い問いろいろ御相談をしてくだすつたが、ただ全体としての一致ということはどうしても得られなくなつた。けれどもこれはやむを得ない。今からまた考えますと、これはいろいろの昔からの十何年来の長い間のあの沿革上、こういうことが円満にきまることは、なかなか期しがたかつたことではないかと私は考えております。

神田博自由党

○神田委員 公益事業委員の立場及び日発、配電の立場かち、私のお尋ねにつきましてお答えがあつたのでありますが、私は今回の再編成による場合、日発、配電対等の立場で新会社をつくるということで前提になつておるのではないかと思う。そこでそういう前提をとるならば、新会社をつくる場合には、日発から出すべき人員、配電から出すべき人員は同数でもよかつたのではないか、あるいは同数で困るというような理由がありますならば、これは出資資産あるいはまた今日の資本等から割出しまして、一つのそういつた基準を求めてやるべきものであつたのではないか、それをやらずに何か根拠のないものをいじくりまわして、そこからこの問題が大きく波及して来たのではないか、こういうふうに私は考えるのであります。今日の再編成を見ましても、十社がなくなつてこれが九社になるのでありますから、この日発と配電関係の今の資産を大体元にいたしましても、日発は二千二百七十億というような評価をされておる。配電関係はどうであるかといえば、千三百六億五千七百万円ということになつておるようであります。すなわち日発の資産は、配電側に比して一・七四倍というようなことに相なつております。しからば資本金はどういうことになつておるかといいますれば、日発は三十億であり、配電は四十二億になつている。少くとも会社は資産が大きな裏づけになつておりますから、資本金を例にとる、またその裏に含まれている資産を考慮するという面から、人員の関係を考慮してはじいて参りますならば、そう大きな間違いはなかつたのではないかと私は思う。それをただこの人の関係だけを重視して、九社の役員、日発の役員というようなことのみを対象として考えられたのではないか、ここに私は公益事業委員会が大きな一つのミスをやつているのではないかと思う。世上伝えるところによれば、公益事業委員会は、むしろこの公益事業委員におなりになられる前から、人事を頭に描いて入つて来た、そこでこういう問題が起きておるのだということもいわれる、こういうようなことに相なつておるのではないかと思う。両者集まつて新会社をつくるということであれば、少くとも私は現在の資本金あるいは出資資産というものを出すべきものではないかと思う。松本先生は商法の大家でありますから、そういうことは私が申し上げなくても第一に浮んだことではないかと思いますが、一体どうしてそういうものを根拠にお考えにならなかつたか。  さらにまたお伺いいたしたいことは、これは参議院でお答えになつておるようでありますが、日発から役員を五十四名出しているというようなことを言つておられたようでありますが、聞くところによると、四十九名しか出ていない。四十九各日発からとつておきながら、五十四名出したというような御答弁をなさつておられるということも聞いております。さらにまた今度の新会社の役員の総数は二百五十名である。そのうち日発から四十九名、配電からは百三十五名とつている。社外から三十一名役員が出ている。一会社を見ますと、二十八名ないし三十二名というような厖大な役員を出しているような状態なんです。新しくできる会社が三十二名も置かなければならないというようなことは、どうも納得ができない。何ゆえに三十二名もおつくりになつたのか。いろいろ入れたい者を入れて来たのが三十二名くらいになつたとおつしやるのか、こういうことを明瞭に私はお答えを願いたいと思います。  さらにお尋ねしたいことは、会長制をおとりになつた基本的の理由をひとつお聞きしたいと思います。いろいろ議論があるようであります。たとえば委員長と、日発総裁のお話の会長制の御説明と、松永委員長代理の御説明とは食い違つておるようであります。さらに松本委員長が新商法を例にとりまして、新商法では会長がすべて社長の仕事をなさるというようなことをもつて、日発の総裁に説かれておられるようでありますが、御承知のように新商法の実施は目前に追つているわけでありますが、関係方面と申しましようか、財界その他から新商法は一年延期してもらいたいということで大きな問題になつている。この一年延期説につきましては、日本の商法は松本先生が非常に関係を持つておつくりになつた立場にあるので、松本先生の御意見を聞いた方が一番よいのではないかというようなことで、松本先生に、商法の一年延期はどうかということを尋ねした。ところが委員長は、それはけつこうだという御返事をしているということを私は聞いている。新商法はこうなつておるから会長制をとると言つておきながら、今度は新商法は一年延期するというようなことを言われている。新商法は七月から実施されるということを聞いておりましたが、それを一年延期した方がよいということを松本先生は御答弁なさつている。そういう事実を私は知つている。これから考えてみますと、新商法があちらに使いわけされたり、こちらに使いわけされたりしておつてそういうことがこの問題の紛糾する一つの元になつておるのではないかと思う。これは私はまた聞きのことでありますが、幸い委員長がおられますから、松本さんから、今私が数点お尋ねしましたことを明瞭にひとつお答え願いまして、これらの疑いを解いていただきたい。われわれの納得するようなお答えを願いたいと思います。

松本烝治公益事業委員会委員長

○松本政府委員 ただいまの御質問の第一は、日発と配電との資産を比較すると、日発の方がたいへん多いというようなお話でありますが、これはおそらく再評価した上のお話でありまして、事実はそういう再評価はできないようであります。おらくは新会社もそういう再評価はしないだろうと思います。財産の値打というものをあの再評価の規定通りに行く、たとえば再評価によつて百万円になるものは百万円に売れるのだというふうにお考えになると、これは大きな間違いで、再評価による財産額で議論をすることはそもそも間違いだろうと思いますが、しかしそのことはどうでもよいとして、かりに再評価額で、財産が多いというようなことがありましても、会社の合併や何かのときに、財産の多少によつてその新しい会社に出る重役がきまるということは決してないのであります。財産がいくら多くても、重役はきわめて少くて経営されておるものと、財産は少くとも、事業の実際上多くの重役がおるものと合併するような場合においては、やはり従来の重役の数ということがある程度支配をして来るのであります。これは幾らでも例はあります。財産の額できめる重役で、前の会社では重役であつた者を重役でなくなすということについては相当の理由がないとむしろいかぬ。なるほど形式から申せば、新会社の設立だから前の会社の重役などというものは全然眼中に置かないでやつてよろしいということに法律上はなりましようが、実際はそうは行かないのです。つまり今度できます新しい会社は、従来の各配電会社及びその部門と申すか、そのところは属しておつた日発の事業と一緒になつて新しい会社ができる。そうなれば、その両方の重役であつた人をまつたく重役でなくなすということは穏当な措置とは思われぬ。それで日発の方の重役が幾人おられたかと申すと、理事だけで申せば十七人しかおられなかつた。理事待遇というものは法律上の重役ではないようですが、しかしこれは大会社であつて、理事待遇も重役と同視してよいと思いますが、それを寄せまして四十一人ということになつておる。配電の方の役員は百六十一人ということになつておる。これを対等な数にするとか何とかは実際からはできなくなつておつたことと思います。しかしそういうことを全部われわれがきめたというわけではないので、非常に長い間の両方の御相談によつて大体できたところの成案に近いものを基礎として裁定をしたにすぎない。決してわれわれが專権でこうきめるというのできめたのではないのであります。その点も申し上げておきます。  それから五十四名日発側の人をとつたというのは間違いではないかというお話ですが、これは新会社にとられた人は四十九人であつて、それ以上の五名というのは、この人たちは理事待遇であつた人です。つまりこの新会社ができましても、やはり一つの中央の機関はどうしても必要です。これはいわゆる給電操作と申しますか、そのために莫大な裝置が今日発にあります。そういうようなものは、新会社になりましてもどうしても共同的のものとして存置しておかなければならぬ、置くことがよかろうということに大体意見は一致されておるようであります。そういう中央機関をこしらえます以上、その中央機関にはやはり人がいるので、これは新会社の重役と同じような意味において、そういうところへ来てもらう人がたしか四、五名という予定になつておる。それを合せて五十四名なのでありまして、そのことはたしか参議院の委員会でもちやんとお断わりをしてあるつもりですから、どうぞ速記録等を見ていただきたいと思います。  それからあとは会長制度と新商法の関係ですが、会長というのは、何も新商法などをまたないでもちやんと今でも現にある。会長とか社長というものは、今までは商法に何にも規定はないのであります。今までの規定に社長とか会長という文字だけはありますが、そういう名前をつけた取締役は、つまり代表権を持つておるように他人に見られてもしかたがないというような意味の規定があつて、そのところにちよつと名前は出ております。しかしいかなるものを会長とし、いかなるものが社長であるということは、何ら商法に規定はないのであります。新商法といえども、そんなにこまかい規定があるわけではない。しかし新商法の意味は、大体アメリカ的にやろうということのようでありますが、アメリカでは会長、チェアマン・オブ・ザ・ボード・オブ・ザ・ディレクターというものが会社の一番上の主人みたいな顔をして、社長というものはむしろある場合には使用人的の位置にしかおらぬ。プレジデントあるいはヴアイス・プレジデントというものは取締役でないのが常であります。そういうことでありますので、従つてそういうような制度にできるように新商法の方はなつておりますが、しかしこれはいろいろな点でこの新商法の規定はむしろ行き過ぎだと私は思う。新商法が早く実施されることは、いたずらに混乱を招くと思いますから、新商法が延期されて、なおもう一ぺん考え直されることを希望しておりますけれども、それと今度の会長の話とは別の話であります。今度の会長というのは、今までも定款等に書いて、あるいは会長をただ空なものにしておるのもあるし、あるいは会長に非常に重きを置いて、むしろ社長が自分の息子であつて、会長がおやじで、会長の方が偉いというような制度をとつておるところもある。今度の定款は、両方の協定ができまして、その定款によると、会長は株主総会を招集し、またその議長となる。それから取締役会を招集し、またその議長となるというようなことにしてあるのであります。この定款によれば、つまり会長が株主総会を自由にできる——自由にできるというと語弊がありますが、会長が招集をし、従つて白紙委任状をとるときは会長の手元に集まることになるのでありまして、事実上会長が会社の実権を握るということに定款でした、その定款は両方の協定で、すでに案としてはちやんとできております。そういう意味でありまして、新商法の施行と今度の会長とは別に関係はない。ただ新商法では、今度定款で認めたようなそういう強い会長を認めておるというにすぎないのであります。新商法が施行されないからといつても、定款の規定でそういうふうにできるのであります。そういうふうにして、会長に実権を持たせたいという考えで行きたいということであります。現に今度の新会社の会長に多分なるだろうと思われる少くとも二、三人の人は、ほんとうに実権を持つてやるつもりで、現在も始終会議等に列席されてやつておられる。つまり会長の権限は、今申したように、定款の上では非常に強いものに今度はしております。しかしそれがはたしてどういうふうに行使されるかということは、先ほど松永君の言われたように、これは人の問題で、あるいは会長であつても、あまり小さいことには関係しない人もあろうし、しようと思えば関係することもできるということになると思います。その結果として、会長となる人の考え次第でこの権限がどう行使されるかということは、これは別な問題であろうと思つております。

神田博自由党

○神田委員 私が、再編成の場合に対等の立場でやれという、その対等の立場という意味は、発起人をきめる際においてもできるだけひとつ対等の立場で行き、頭数もできるだけ両方からそろえた方がいいという趣旨で述べたのでありまして、それには、もちろん今委員長の言われたような、今日就任されている役員の数も参考にはなると思いますが、会社の関係でありますから、やはり実体は現物出資というような形になるのでありますので、株式の数あるいは出資資産の問題が大きな亜件になるのではないかということを申し上げたのであります。そこで日発、配電の再評価をした場合の金額を申し述べたところが、再評価は非常にむずかしい、そういうことをやつておつたらひまがないのだというお話ですが、これも一応ごもつともであります。しかし私が申し上げた再評価は、そんなむずかしい額を指しておつたのではない。電力関係は再評価が延びておることは、これは今日この席におる人はみなわかる。しかるに私が述べたような再評価の額が出ておるということは、これは固定資産税ですでに各会社がとられておる。私が述べておることは仮定のことでも何でもない、大体これだけの財産というものは、公認されておる財産で、これを例にとることは決して不当なことではないと思う。松本委員長は、そういうものは再評価されれば時間がかかる、時間がかかるということはできないものだということをお述べになつておつたと思うのでありますが、しろうとの方はそう思われるだろうが、くろうとの立場から見たら——この委員会においていろいろのことを扱つておる者から見れば、これくらいのことは何でもない。要は、委員長が、対等で新会社をつくるという根本の趣旨、そういうものをむしろ否定してかかつた方が楽なのではないかというような印象を與えるにすぎないと思うのであります。この点については私ははなはだ遺憾に思つております。  それから、私が問うております今度の会社の人事問題、これが非常にもめておるという根本の問題、それから一会社で三十二人も重役をとらざるを得ないという理由、これらについてはお答えがないように私は思つております。今日日本の政府を組織している内閣でも、大臣は十六人しかいない。通産委員会であらゆる通商産業行政をやられておりますが、委員長を入れて二十五人しかいない。しかるに関東電力会社の重役が三十二人だ、二十八人だというようなことは、新聞でもたたかれており、識者から、何ということだというようなことをいわれておることは事実であるので、委員長はよく御存じだろうと思う。もつとはつきりしたことを申し上げますれば、かように鹿大な役員をおきめになつたことは、あれも入れたい、これも入れたいということで入れた結果がそうなつたのか。それから、三十二人とか二十八人という線をきめて、それにかなうようなことをされたのか、一体どういう選任方法をやつたのかということをお尋ねしたのでありますが、これについても一向お答えがないが、これは一体どういうふうにお考えになつておりますか。

松本烝治公益事業委員会委員長

○松本政府委員 先ほどお答えした中で、今の三十二人というようなことがつい漏れておつたようでありますが、三十二人というものは、多分関東配電の地域にできる新会社の重役の数かと思います。これはたしか二人あとでふえたのです。しかしながら、三十人というのは、関西配電のあとにできる関西費力というようなところでも三十人になつておつたかと思うのであります。この数が非常に多過ぎるということは、私もそう思います。多過ぎますけれども、先ほど申したように、配電会社の現重役の数は百六十一人、この百六十一人を減じて百三十五人にたしかしたはずでありますが、それだけを減ずるということも相当に困難なことだと思うのであります。同じような所で、同じような会社ができる。その場合に、従来の重役として働いておつた人が、今度は社員になり、使用人になるということは、これはなかなかむずかしい話であります。ちよつと議員さんが落選されるようなかつこうになり、これはあまり人の欲するところではないと私は思う。しかしそれでもやむを得ずそういうように減らしておる。しかしながら、一方において日発の方は、先ほど申したように、純然たる理事という方は十七人、そこへ二十四人の理事待遇者を加えて四十一人。それを新会社だけで申しても四十九人とつておる。そういうふうなわけでありますから、この方は格が下るというような観念はむしろないのでありますが、配電会社の方は、やむを得ず従来の重役であつた者をそうでないことにした者が相当の数に上つている。これは、そういうことの結果として、日発の従来の純然たる役員の十七人でありますか、その人以外に理事待遇というような人たちを役員にしたというようなことで、むしろ非常に多くの数になつた。しかしこの重役の数の多いということに対しては、世間に攻撃のあることも知つております。また理論から申しても多過ぎるように思います。しかし第一に申さなければならぬことは、これは一年間だけの仮の制度であることであります。この任期は、普通の重役のように三年とか、あるいは監査役のように二年とか、そういうようなものではないのでありまして、一年間だけかりにこれを重役とするのであります。あとは株主総会の自由の意思でやるということになつておりますから、減らそうと思えば減らせるのであります。そういう意味で、これをする場合に、従来重役をしておつた人を格下げすることは相当の困難がある。それから、日発の方の人は、重役という点なら行けば、むしろ格上げしなければならぬというようなことで数が多くなつたことは、これはやむを得ぬことと思うのであります。決して弁解をするわけではありませんが、そういうことをどういうようにやるか。全然新しい会社をつくるという観念——今まで同じような仕事をやつておつた人たち、その重役であつた人をみな排斥してしまつて、まつたく理想的に新たにやろうということは、実際問題としてはだれがやられてもできない。私は、両方から出ました案について相当練つた上で、両方の人たちが大体同意されている人たちだけをとつているのであつて、こういうようにしようということは、われわれの專権で、少しの人しか出て来なかつたものを多くしたのでも何でもありません。両方の人の意思を基礎にしてやつたにすぎないのであります。それを全然新しい会社をつくるような意味で、われわれがなぜ断行しなかつたかと言われるのは、私としては少し酷のように思うのであります。そういう事情であつたということはどうか御了承願いたいと思います。

神田博自由党

○神田委員 どうも委員長のお答えになることはなかなかお上手でありまして、私の伺つておることをほとんどはずしてしまつておるような次第です。ただいまも、役員の数が多いのではないか、これは一体どういう根拠でやつたのかと言うと、今やつている人をやめさせるのは気の毒だ。そこで、一年のことだから、その次に株主総会があるから、株主総会でやつたらいいじやないかというようなことです。これは議論になるかもしれませんが、ふやすことは楽だが、減らすことはむずかしい。むずかしいことは株主総会でやれ、自分たちは天下の公益事業委員会の委員でありながら、それはようやらないのだというふうしかにわれわれの耳には入つて来ない。私はむしろこういう際には、良心に基いて新しい組織をおつくりになるのだから、天下の者に思い切つたことをやつたということを言わすべきではないかと思いますが、今の御答弁を聞いておりますと、私はどうも多いと思う。しかし減すということはなかなかむずかしい。一年くらいのことだからあとは株主総会にということでありますれば、公益事業委員会というものは将来一体どういう働きをなされるのか。これは臨時的な仕事である。公益事業委員会の臨時的仕事でさえも、新しくできる電力会社の株主総会にまかしておくというのならば、将来のあなた方のお仕事も全部株主総会にまかせるというふうにも聞えて来る。これは私非常にふに落ちない。日発の人事の問題でも、理事待遇が何人で、そして格上げたという説明に至つてはむしろこつけいだと思います。そうなれば県会議長が代議十になつて来た、それが格上げだと言われますか。また代議士をやめて田舎の県会議長になつたら格上げになつたということでは説明にならないと思います。大きな一流会社の部長が小さな会社の重役になつた、それは出世だ、そういう場合もあるかもしれません。しかしそういうことは普通のことではないと思います。今のお答えを聞いておりますと、電力会社の重役にたくさん出たということは格上げだこれはまじめなお答えとは聞きとれません。こういうことは今日の社会情勢、また今日の経済の実態から考えてみて、お答えなさつていることがあまりにも談合づくで行こうじやないかというようなお気持に見えることを非常に不愉快に思います。公益事業委員会は公の機関であります。もつと委員が納得するような御答弁を願いたいと思います。先ほど私が会長制、社長制の問題についてお聞きしても、新商法では云々と言われる。新商法は一年延期すると御答弁なさつている。一方においては新商法ではこうなつているとお話になつている。ここで商法の講義をおやりになることはどうかと思います。われわれも商法をつくつた一人であります。商法の問題については先生とわれわれは月とすつぽんでありますが、今日は商法の御説明を承つているわけではない。問うことには一向お答えがなくて、問わざることになるとお得意のお話がたくさん出るようでありますが、われわれがこの問題を国会の権威において調査するので、そのような場合においてはまじめに御協力願いたいと思います。ことに政府委員でありますから、政府委員が十分なお答えをすることは当然の義務なのであります。私はなるだけやわらかくお聞きして行きたいと考えているのですが、のらりくらりと私がお聞きしたことははずしてしまつて、お聞きしていないことをお答えになるので、私はたくさんお聞きしたいのですが、一向進まないことをなははだ残念に思います。

小金義照自由党

○小金委員長 それでは一時間ほど休憩いたします。     午後零時五十四分休憩      ————◇—————     午後三時四十九分開議

小金義照自由党

○小金委員長 これより休憩前に引続いて再開いたします。  議事に入ります前に、委員の変更について報告申し上げます。河野金昇君が辞任せられまして、その後任として川崎秀二君が補欠選任せられました。以上御報告申し上げます。  議事に移ります。電気事業再編成問題はしばらくこれを保留いたしまして、本日当委員会に付託に相なりました輸出品取締法の一部を改正する法律案を議題といたします。提案代表者に提案理由の説明を求めます。小川平二君。

小川平二自由党

○小川(平)委員 輸出品取締法の一部改正の理由を御説明いたします。  御承知のようにわが国の輸出貿易は、年を追うて発展の一路をたどつておるのでありますが、その反面におきましては、遺憾ながら、わが国の輸出品に対する海外の批判ないし苦情は、漸次多くなつて参つておるのであります。この批判ないし苦情のうちにはいろいろなものがあるのでありますが、検査の問題に関連する苦情もまた非常に多いのでありまして、今後のわが国自立経済の達成のための輸出貿易の恒久的進展という見地に立ちますときは、一日も早くなくしてしまわなければならぬというような状況にあるのでございます。しかしてこれらの苦情をなくしますためには、もとより民間における関係業者の努力にまつところ大なるものがあるのでありますが、一方、現行の検査制度の基本法であるところの輸出品取締法においても、これらの事態に対処いたしますためには、なお不十分な点が多くございますので、今回これを改正することにいたした次第でございます。  次に改正の要点を申し上げますが、第一点は特定の品目につきましては、検査機関の登録制を設けようとすることでございます。すなわち現在の制度におきましては、検査のための等級の標準とか輸出の最低標準とかは国が定めているのでありますが、これに基いて行う検査そのものは、民間業者が自由にこれを行い、国は、これが正確に行われているかどうかを臨検検査によつて監督しているにすぎないというような状態にあるのでございます。しかしながら機械類のような相当科学的、技術的検査を必要とする品物の検査につきましては、その検査自体の性質からいいましても、国の定めた基準に照して物を測定し得る設備なり、あるいはまたその測定の結果に基いて物品の品質を判定し得る程度の技術的な知識経験を有する人がこれを行うのでなければ、意味をなさないのでありまして、こういうふうな物品についてまで、検査設備も、また技術的な知識経験も有しない人が検査を行つてもさしつかえないことにしておいて、その反面において、国が一々それを臨検横査によつて取締監督を行つて行くということは、本末転倒と申すべきではないか。またきわめて不自然なことである。このようなことでは、正確な横査の励行を確保することはなかなか困難なのであります。しかのみならず相当高級な検査を要する物品についての検査がこのようなことであつたのでは、検査に対する海外の信頼感を得るということも、とうていできがたいことなのであります。かような意味において、機械類のように相当科学的、技術的な検査を必要とする物品については、今後主務大臣がそれぞれその品目を指定いたしまして、検査機関の登録制を実施いたしまして、この指定された品目についての検査は、この登録機関をして行わせるようにしようと考えたのであります。これが改正の第一点でございます。  改正の第二の点は、日本の輸出品には、注文の内容と異なるものが多くて困る、いわゆる品違いが多くて困るというような海外からの批判に対処いたしますために、輸出品が輸出契約の條件に合致しているかどうかを検査する、いわゆる検品の励行を確保するための規定を設けようとすることでございます。現行制度のもとで行われております検査は、あらかじめ定めた一律の標準に基いてやつておるのでございますが、このような一律の標準では定めがたいような点、たとえば寸法でございますとかあるいは色彩でございますとか、こういう点について、バイヤーがいろいろな指定をして来るのでございます。そうして最近におけるクレームの実情を見ますと、この相手方の指定した條件に合致しておらないためにクレームになつたというようなものが、全体の二割ないし三割程度を占めて、非常に多いのでございます。むろんこの検品の問題は、取引上の條件の励行でございますから、かような取引上の問題にまで、国家が干渉することはおもしろくないというようなことも一応考えられるのでございますけれども、最近の情勢は、それが輸出業者個人の取引上の問題であるばかりでなく、これによつてわが国の輸出取引全体に対する信用を云々される程度に立ち至りつつあるのでございまして、現状においては、この検品の励行を確保する措置を、どうしても法律的に規定する必要が生じて来ておると考えておるのでございます。もつともこの検品については、それが取引上の條件の励行の問題でもあるという点を十分考えまして、その励行を確保する法律的な措置といたしましては、検品の不十分な者に対しては、主務大臣がその旨を戒告する戒告制度を規定する、この程度にとどめたのでございます。  改正の最後の点は、検査の不十分な者に対する検査の励行の指導及び取締りを、今までよりは一層積極化し、検査の不完全な輸出されるようなことを完全に防ぎまして、わが国の輸出者に対する海外の疑惑を完全に払拭しようとする点にあるのでございます。現在民間検査の指導、取締りに当つています国営検査所の臨検検査の実情を見ますと、臨検検査を行つた品物の中には、その約一割五分程度はなお検査の不十分なものがあるのでございます。のみならず業者の中には、現行取締制度の不備に乘じて、この検査不十分な輸出品をあえて輸出するというようなものも少からずございます。従いまして今回の改正におきましては、国営の検査所が臨検検査によつて、検査の不十分なものを見つけました場合には、その輸出品に一定のしるしをつけることができるようにするとともに、こういつたしるしをつけられた輸出品につきましては、業者において、それをもう一度再検査をいたしまして、その結果について主務大臣の確認を受けた後でなければ輸出することができないようにしたのでございます。これはある意味におきましては、取締りの強化でございますけれども、こういうことにすることによつて初めて検査の不適正な輸出品が、さらに再検査を受けることなしに、すなわち適正なものに直されずに輸出され、このために海外の不評を招くというようなことも防止し得ると考えているわけでございます。  以上がこのたびの改正の要点でございますが、何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成あらんことをお願いいたす次第でございます。

小金義照自由党

○小金委員長 以上をもつて提案理由の説明は終りました  これより内容の審査に入ります。発言の通告でありますから順次これを許します。  なお本議案に関しましては、政府当局より意見をただしておくこともあろうかと存じまして、通産省から係官を招致しておりますから、御承知を願いたいと存じます。中村幸八君。

中村幸八自由党

○中村(幸)委員 私はただいま提案理由の説明がありました輸出品取締法の一部改正案につきまして、二、三お尋ねいたしたいと思います。  現在わが国の輸出業者の立場は、いろいろな意味におきまして弱い面があるので、従つて実際にあたりまして、ずいぶん不合理に不当なクレームが提起されておるのではないかと想像せられるのでありますが、その実情をまずお尋ねいたしたいと思います。つまり現在終戦後今日までどういうようなクレームが提起されたか、またこの解決状況はどうなつておるか、こういう点につきましてお尋ねいたしたいと思います。

小川平二自由党

○小川(平)委員 御説のごとく終戦の直後におきましては、まことに不合理な、あるいはまた不当なクレームもあつたのでございますが、最近におきましてはその傾向があまり見受けられておらない。また政府の側におきましても、業者の側におきましても、不当なクレームに対しては支払いをいたしておらないのが実情でございます。  なお参考までに申し上げますが、解決をいたしましたものについて、提起されたクレームの金額と、それから支払い金額との比率をとつてみますると、支払い金額は提起されたクレームの金額の五〇%、大体半分になつております。これに反しまして、輸入クレーム、日本側の提起したものにつきましては、提起金額の九〇%程度の支払いを受けている状況でございます。

中村幸八自由党

○中村(幸)委員 ただいまの御説明によりますと、最近におきましてはだんだんクレームも少くなつた、また解決状況も次第によくなつた、こういう御説明で、たいへん満足いたしますが、提案者におかれましては、さらに今後とも一層政府を督励せられまして、クレームの根絶、また問題が起りました際には徹底的に輸出業者のためにめんどうを見てやるというように、督励せられんことを希望するのであります。  次にお尋ねいたしたいことは、今回の改正案におきまして登録制度を設けておるのでありますが、この登録制度を設けた理由について承りたいと思うのであります。私ども一応考えまして、今までの国営検査をより一層強化いたしまして、指導取締りに遺憾なきを期するならば、必ずしも民間検査の登録制を実施するということまでしなくてもよいのじやないかというようにも一応考えられるのでありますが、今回ぜひとも登録制度を実施しなければならぬという強い御要望に対して、その理由はどこにあるか、御説明融いたいと思います。

小川平二自由党

○小川(平)委員 ごもつともの御質問でございます。このたびの登録制度は、国が定めました検査の基準——この基準には、等級の標準、それから輸出のための最低の條件、二つの基準があるわけでございます。その検査基準に基いて検査を行うには、特に検査の設備、それから検査人の知識経験を必要とするような品物について、主務大臣がそれぞれ品物を指定いたしまして、検査の設備と検査人の知識経験について登録をいたします制度でございますから、検査をするために特別な検査の設備とか、検査人の知識経験を必要としないような品物にまで、これを、拡大して行うなどという考えはないわけでございます。従つてこういつた品物についての検査につきましては、今までと同じように国営検査所による指導取締りによりましてこれが励行をはかつて行くことになるわけでございます。けれども、たとえば機械のように、科学的、技術的な検査が必要であつて、その検査のために相当の検査の設備とか、あるいはまた検査人の知識経験が必要である、こういつた品物の検査につきましては、その検査自体の性質上からいつても、そのような検査設備なり、知識経験を持つておる人がやるのでなければ、問題にならないわけであります。こういつた品物についてまで、検査設備も、また技術的な知識経験も有しない人が検査をやつてもさしつかえない、こういうことにしておいて、反面で国が一々臨検検査をやつて、監督して行くということははなはだ煩にたえない。考えてみればまことに本末転倒のことでもあると考えるのでございます。そればかりでなく、日本のただいまの民間の検査機構は、一般的に見ましても設立されてからまだ日が浅い。同時に今まで日本においては民間の検査機構についての関心があまりなかつた関係からいたしまして、非常に基礎が薄弱であります。これに対する外国の信用もまた非常に薄い。従いまして相当高級な検査を必要とするような品物についての検査が、今までと同様な状態で行われておつたのでは、検査に対する外国人の、海外の人の信頼感を薄くするということになるのでございます。これが機械類のような特別な物品については、従来の方法のみによらず、登録制度を設けた理由なのでございまして、こういつた品物につきましては、検査をするだけの能力資格を持つておるところに検査を行わせまして、国家においてはその検査が公平に行われておるかどうかという点を取締つてこそ、初めて検査の励行という目的も達成されますし、海外の信用も博し得ることになるゆえんだ、こういうふうに考えておるわけであります。

中村幸八自由党

○中村(幸)委員 ただいまの御説明によりますると、検査設備なり、あるいは検査人というものを有する十分な検査ができる能力があるものを登録する、こういう御説明でありましたが、そういたしまするよ、優秀な検査設備なり、あるいは検査人を持つておる会社は登録せられるけれども、そういうものを持つておらないところの中小企業というものは登録してもらうことができない。そのために中小企業は非常に不利な立場に立つおそれもあるように思うのであります。そういうおそれはないものかどうか、明らかにしていただきたい。

小川平二自由党

○小川(平)委員 このたびの登録制度は、会社の規模が大きいか小さいかというようなことを標準にいたしまして登録をするのではないのでありまして、たとえ小さいものであつても、設備がある、また十分の資格を有する人がおるということになれば、登録をする制度になつておりますことはもちろんでございます。中少企業等におきましては、間々こういつた設備を持たない、あるいは人がいないという場合もありますので、今御指摘になつたような御懸念はまことにごもつともと思うのでありますが、しかしながらこの輸出品に関しまする限りは、海外のこれに対する信用という問題が非常に大切な問題になつて参りますので、小さいところが輸出業務を行うにしても、輸出品として、海外に出します以上は、やはり信用を害しないようないいものを出さなければならない。これによつて他人に迷惑をかけるようなことがないようにすることが、かんじんであると思うのでございます。のみならず、今度の登録制度においても、登録のいわば基準であります検査の設備、あるいは検査人の資格というものについては、検査のために必要であるというような程度のものを考えているにすぎないのであります。要するに、言葉をかえて申しますならば、必要なる最小限度を考えているにすぎないのでありますから、お尋ねの中小企業等においても、自分が責任をもつて輸出品の検査を行おうとする以上は、このくらいのものは備えてもらいたいと考えているのでございます。従つて自己が責任を持とうとする以上は、これを強制いたしましても酷ではないと考えているのでございます。特に中小企業等の協同組合は事業者団体からも除外されておりまして、共同をしてこういう設備なり、検査人を持つことができるのでありますから、この協同組合制度を活用いたしますれば、中小企業等についても、特にこれを不利な立場に追い込むという場合は万々出て来ない、かように考えているわけであります。

中村幸八自由党

○中村(幸)委員 協同組合を利用できない、また個人として登録を申請しても登録を受けられないというような者もでき得ると思いますが、そういう場合は、検査はどこで受けたらいいのでしようか。

小川平二自由党

○小川(平)委員 個人といたしましても、あるいは協同組合といたしましても、あらかじめ定められた一定の基準に合致いたしておりますものは、主務大臣にこれを登録する義務がございますので、ただいま御質問のような場合は実際問題としては考えられないと思つております。

中村幸八自由党

○中村(幸)委員 一定の基準を備えたものは登録しなければならないわけでありますが、一定の基準が備わつていない中小企業も実際問題としてあり得るのではないかと思いますが、その場合にもし登録を受けられなかつたとすると、そういう他の登録を受けた機関に検査を依頼するとか、あるいは国営検査所に依頼するとか、そういうような道は開かれていないのですか。

小川平二自由党

○小川(平)委員 先刻申し上げました通り、この基準と申しますのは、いわば必要なる最小限度でありますので、お話のような場合はそうたくさん出て来るとも考えられないのでございますが、依頼がありました場合は、国営検査所において検査に応ずる、こういう道も開かれているのであります。

中村幸八自由党

○中村(幸)委員 ただいまの御説明で安心いたしました。次にお尋ねいたしたいことは、この検査機関の登録制度を実施する物資としては、どういう物資をお考えになつてわりますか、お伺いいたします。

小川平二自由党

○小川(平)委員 目下考えておりますのは、主として精密機械類、この品目が最近ことにクレームが頻発しております。

中村幸八自由党

○中村(幸)委員 雑貨類とか、繊維類とか、こういうものも相当クレームがついているように思いますが、そういうものについては、登録物資を指定するというようなことはお考えになつておらないのでしようか。

小川平二自由党

○小川(平)委員 雑貨に関しましては、一定の基準を設けまして、この登録をさせなければならないというふうなやかましい事情はないのでありまして、従いまして雑貨についてはさように考えておりません。繊維につきましては、今後研究をしよう、こういうことになつております。

中村幸八自由党

○中村(幸)委員 登録基準というのは、具体的にいうとどんなものになるのですか。その点をひとつ御説明していただきたいと思います。

小川平二自由党

○小川(平)委員 登録の基準は、具体的には主務大臣がこの検査の基準から演繹いたしましてきめるということになるのでございますが、一つの例をたとえばカメラについて申し上げますと、検査設備の基準については、シャッターの試験器、分解力測定裝置、焦点距離測定器、ハルトマン写真鏡玉の検査器、こういつたような程度のものになつております。  それから検査人の知識経験という点に関する基準といたしましては、このカメラの場合は、新制高等工業学校卒業以上の学力を持つている者で、それから二年以上検査の実務に従事した経験を持つている者、それから中学校卒業以上の学力を持つており、この技術に関し五年以上検査実務に従事した者、こういつた程度の資格を要求することになつておるわけであります。

中村幸八自由党

○中村(幸)委員 次にお尋ねいたしますことは、第八條の改正理由であります。この第八條を今度のように改正いたしましたことは、見方によつては一種の統制の強化ではないかというように考えますが、この点どういうお考えであるか、お答え願いたいと思います。

小川平二自由党

○小川(平)委員 ただいま民間検査の指導並びに取締りをやつております国営検査の臨検検査の状況を見まするに、臨検検査を行つた品物の中で、その一割五分程度のものは、遺憾ながらなお検査が不正確であるというような状況にあるのでございます。しかのみならず、業者の中には、現行制度の不備欠陷を利用しまして、この検査の不十分な輸出品をそのままあえて輸出するというような者も実際には少なからずあるわけであります。従いまして検査を完全に励行して、日本品の声価を維持する、こういうことを心掛けているところの良心的な業者からは、国の方において検査の不十分な輸出品が輸出されるのをどうか防いでくれ、こういう措置をとつてくれるのでなければ、それがひいては検査を十分に実施している商品についてまで海外からいろいろと疑惑の目をもつて見られる結果になる、その結果自分たちがいかに正確な検査を行いましても結局むだになるというようなことが言われているわけでございます。このことは海外における日本商品の声価を維持するということが一番大切であるところの輸出品についてはもつともな言い分であるけれども、現在の制度のもとではこの要求に応じて検査の不十分なものが輸出されるのを防ぐことがどうしてもできないのでございます。それはどういうわけかと申しますと、今の制度のもとでは、国営検査所が臨検検査の結果、検査の不適正なもの、検査の十分に行われていないものを見つけた場合には、これを告発する措置をとることしかできない。けれども検査の不適正なもの全部についてただちに罰則を適用するために告発するというふうなことは、実際問題としては数も非常に多いのでありまするし、実情に沿わない面が出て来る。それから同時に今後の見せしめのために実際の処罰をした方がよいと思われるような悪質の業者に対しましては、今の臨検検査は証拠物件を集めることができない。告発をしようとしましても、御注意に従つて手直しをしてもう輸出してしまいました、こういうことになりますと証拠が残らない。こういう事情のために実際告発をいたしてみましても、罰則を適用するということは実際問題としてなかなか困難である。すなわち現在の制度は、極端にいえば善意の業者にとつてはすぐ罰則だという問題になつて来る。はなはだ気の毒である。また悪い業者にとりましては、証拠物件がないために実際には罰則の適用ができない、臨検検査の結果がこんなことでは無意味になつてしまうといことになつておるのでございます。従いまして検査の励行のための措置といたしましては、もう少し実情に即しておつて、しかも検査の不十分な輸出品が輸出されるようなことを防ぐことができる制度にしなければならないと考えておるのでございまして、このためにこのたびの改正案におきましては、国営検査所が臨検検査によつて検査の不十分なものを発見いたしました場合に、その輸出品に一定のしるしをつけることができるようにしたわけでございます。このしるしを一たびつけられた輸出品については、業者がもう一ぺん検査をやり直して、その結果について主務大臣に承認をしてもらつたあとでなければ輸出してはいけない、こういうことにいたしたわけでございます。ただ、今までと違つて検査が不適正であると認めました輸出品は、今後は主務大臣の承認を受けた後でなければ輸出ができないことになりますから、この点ではただいま御指摘のように、統制の強化ではないかということが考えられるのでございますが、これは検査が不適正で、十分に検査をしておらないと認定されたものについての、いわば善後措置とも申すべきことでありますから、一般のいわゆる統制強化とは非常に性質の違つたものである、こういうふうに考えておるわけであります。要するに今度の改正は、善意の業者にとつては、間違つて不適正な検査をして、その結果検査が不適正だと認定された物資についても、これを正確に直しさえすれば安心して輸出ができるということになる、また罰則がかけられるというおそれもなくなるわけでありまして、こういう意味では非常に実情に浩つたものになつて来るし、それからまた悪い業者が悪いと認定されたものを直さずに悪いまま輸出をする、このために迷惑をこうむるということもなくなるわけでございますから、実際の要求にも合致したものになつて来る、こう考えておるわけであります。

中村幸八自由党

○中村(幸)委員 ただいま詳細な御説明をいただきましてよく了承いたしました。最後に一点承りたいと思います。今回のように輸出品取締法を改正強化することは、いまだ国際的に弱い立場にあるわが国の輸出業者あるいはメーカーというものをいじめる結果になりはしないかということを恐れるのでありますが、そういうことにならないかどうか、この点お答えを願いたいと思います。

小川平二自由党

○小川(平)委員 これは先刻の御質問に対して御答弁を申し上げましたように、最近における実情を見ておりますと、終戦底後とはよほど事情が違つて参つておるのでありまして、立場が弱いために不当なクレームを提起されておる、こういつた実例はあまり見受けられない、従つて御懸念のような結果を生ずることは万々ないと、かように考えておるわけであります。

中村幸八自由党

○中村(幸)委員 これで私の質問は終ります。     —————————————

小金義照自由党

○小金委員長 これより午前中の調査に引続きまして、電気事業再編成に関する件について調査を進めます。  お断り申し上げておきますが、政府委員並びに参考人として御発言なさる方々にも、なるべく簡潔に要領よくお答えを願つて、審議の進行を促進いたしたいと思いますから、お含みおきを願います。質疑を継続いたします。神田博君。

神田博自由党

○神田委員 午前中に引続いてお尋ねするわけでありますが、もつと早く公益事業委員の方々がおいでになると思つておつたのです。ところが非常に遅くお出でになつて、同僚諸君の時間もございますので、私の聞きたいと思うことがまことに要を得ないことになりましてはなはだ残念であります。ことに遅れて参つた理由が——これはお尋ねするわけではありませんが、どうも国会を軽視しておるのではないかと思われる。すなわち公益事業委員会の方方は、何か電源開発とか電源帰属の問題について会議をしておるので、こちらに来られなかつたというふうに伺つておるのであります。さらにふしぎなことは、さような会議ももちろんけつこうでありますが、何も本日に限つたわけではない。なおさような会議には日発側が入つていなかつたならば、これは要領を得ない会議になるのではないか、その会議の目的が達成されないのではないかというように私ども考えるのであります。そんな会議をやつておられるということになりますと、皆さんが何か趣味の会をやつておるのではないかというような気がするくらいでありまして、われわれ委員会としてははなはだおもしろくないのであります。公益事業委員会が国会に対して真に責任を負うておるという気概のもとに立つておられるのかどうか、はなはだ疑わざるを得ないのであります。午前中にもお尋ねしましたように、この再編成は、日発、配電ともに平等なる立場に立つて、十社を廃止して九社をつくるということであるのでありますから、この間両方を区別したり、あるいはまたえこひいきがあるようなことがあつてはならないのでありまして、さような点につきましても十分当委員会において納得できるようなことをひとつ説明していただきたいのでありますが、午前中の質疑におきましては、どうもはなはだその要領を得ることができなかつた。ことにこれは真かどうか知りませんが、伝えられておるところを例にとりますならば、日発の計画書を検討するにあたりまして、関東配電の社員を補助としてお使いになつたという。これはどうも、まさかさようなことはないと私は思う。これはあつたらたいへんなことだと思います。ことに今日人事問題がもめておる、あるいはまた日発の株の問題、経理の問題についてもいろいろ議論が生じておる際でありますので、相手方と申しましようか、関東配電の社員を使つて、そうして検討を加えたというようなことは信じられないのでありますが、事実であるとするならば、これはゆゆしいことだと私は思う。事実であるのかどうなのか、一体どの程度関與せしめたのかということも、これは明瞭にお尋ねしたいのであります。  さらに私のお尋ねしたいことは、公益事業委員の方々もさることでありますが、日発側についても、簡單でけつこうでありますから御答弁願いたい。それはこの再編成が円滑に行われるかどうかという見通しの問題なのであります。これは国民があげて心配しておるし、またGHQでも非常に心配されておることと考えております。ことに直接関係を持つておる日発の株主であるとか、あるいはまた電産関係の諸君においても、これは並々ならない心配をされておるのではないか。そこで再編成が円滑に行けるのかどうか、特にこれは日発の側からお尋ねしたいのでありますが、再編成に伴う人事に関する要望というのが、この二月の十六日付で小坂総裁から松本委員長に出されております。これは長い文章ではありませんが、時間の都合上もあり、両方が御存じだと思いますので読みません。それからさらに二月十九日に、日発が役員の決議というものを全員をもつてなされておる。これはわれわれの手元に参つておりますが、この役員の決議を見ましても、これは容易ならざるところの心構えといいましようか、態度といいましようか、決心だと私は考えている。さらに今月の十二日、つまり三月十二日付をもちまして小坂総裁から松本委員長に、要望書といいましようか、とにかく回答してもらいたいというものが出ております。これも私は読み上げることは省略いたしますが、とにかく今日の段階においては、再編成が円滑に行われるかどうかということが私は非常に心配にたえないのであります。先ほど来いろいろお尋ねいたしたのでありますが、問題は人事の問題と、さらに経理の問題であります。これは同僚の福田君からも伺うことになつておりますし、また野党の諸君もいろいろ私の質問と関連しておやりになると思います。いろいろ委員諸君の考えもあろうかと思いますが、いずれにいたしましても事態は容易ならざるものがあると考える。この二月の十六日の日発の人事に閲する要望書、また十九日の役員の決議等のこの態度、さらに今月の十二日の公益事業委員会あての文書、これは公益事業委員会も十分御存じだろうと思う。さらに電産の決議もございます。そこで日発及び電産は今の態度を持続されておいでになるのか。公益事業委員会は公益事業委員会で、今のままこれを押し切つて行くというお考えなのか。さらに配電会社の側では——配電会社の側ということもどうかと思いますが、せつかく大阪の五島さんなり、東北の内ケ崎さんなりがおいでになつておられるので伺うのですが、日発と公益事業委員会がこういうような紛争を続けて参つて、一体電気事業の再編成というものが円満に実施される見通しがあるのかないのか、ありとするならば、どうして一体これができるかという問題。ないというならば一体どうなるのか、これらの点につきましてわれわれが納得できるようなお話を、いずれからでもけつこうであります、どうされるのか、できなくて投げ出してしまうということなのか、やりきつてしまうのか、それをひとつ伺いたい。その前にいろいろ伺いたいことがあるのでありますが、とにかく時間もございませんので、この大事な点をひとつ公益事業委員会の側から、また日発側から、また配電側の見通しから、また電産関係からの見通しを、御決心でけつこうでございますが、簡明率直に御説明願いたいと思います。  さらにもう一つ、これは質問ではございませんが、先般の委員会におきまして、公益事業委員会が今日までに電力再編成のためにいろいろ御苦労をされて、委員会をお開きになつておられ、それが速記に残つているという御説明でありますので、その委員会の会議録を当委員会、われわれ委員に至急提出していただきたい。これは同僚委員諸君も御異存はなかろうと思つております。先般から問題になつている点でありますので、委員会の議事録を、委員会開会以来最近までの分をとりまとめて至急御提出願いたい。

松永安左ヱ門公益事業委員会委員

○松永(安)政府委員 ただいまのお話のうちに、各種の委員会あるいは專門委員会等を開いてやつているようであるが、その様子を知らせ。それからなお議事録等があれば提出せよという神田さんのお示しのようであります。それにつきまして簡單に委員会のありさまを申し上げておきたいと思います。  委員会は一月八日後、各社の再編成の資料及び折衝のために、開発、経理並びにそのほかについての調査会議を開く時間がありませんので、たいへん遅れておりましたが、ようやく三月一日に指令決定ができましたので、中二、三日置きまして委員会において各種のことをこれからきめなければならぬ、何しろ再出発して新会社ができますのは五月一日であるから、これに対する経理方面のことをきめなければならぬ。監督する上からいうと、各新会社の帳簿の統一もはからなければならぬ……

小金義照自由党

○小金委員長 松永さんにちよつと御注意申し上げますが、神田委員は委員会の議事録と、人事その他の問題を議した議事録等があるはずだから、それを提出してくれということで、あなたにお聞きしているのは、大問題として、この再編成がどうなるかということの御質問でありますから、それをお答え願います。

松永安左ヱ門公益事業委員会委員

○松永(安)政府委員 神田委員は成行きをお尋ねかと思つて説明いたしましたが、それでは省略いたします。そういうことで三つ四つの会をただいまようやくやつております。今日もそれにしばらく参つて帰つたばかりであります。それは議事録に大体とつておりますが、技術的の問題でこまかい議事録ができまいと思いますが、大綱を申し上げることができます。しかしずつと続行いたしますから、中間報告でよろしかつたら適当なときに差上げます、  それから見通しについてのお話がありましたが、私どもは今のところ支障なく行けるものと信じて支障なく五月一日から出帆ができることの用意を完全に今行つているわけでありますから、どうぞさよう御了承願います。

小坂順造日本発送電株式会社総裁

○小坂参考人 ただいま神田さんから、今日の状態で再編成が円満に進むと思うかどうかというお尋ねでございますが、私はそれを円満に進めるために委員長としばしば交渉して来たのでありますが、関東の中心人物の問題で意見が齟齬している間に、何らの御相談もありません。一方的の考えですべて会長、社長をおきめになつた。それに対して私は異議を唱えております。その後二十五日、六日にその点について御交渉がありましたが、それはまじめのお話でなかつたことはあとでわかりましたから、これではとうてい日発の者が協力することは困難である、こう私も考えておりましたが、私よりか、直接衝に当つてその事業を進めなくてはならぬ立場にある諸君がことごとく、これではとうてい自分は自分の部下である者を率いて仕事ができない、責任をとり得ないからということで、この場合公益事業委員会が、われわれの方面からいえばまつたく配電会社の代弁のような形をとつて、日発の犠牲のみで何事も片づけようとなさるような状態ではとうてい御協力することはできない。それに対する御処分は御随意であるけれども、みなそれに協力することはできないと申しまして、私のところへその事情をみんな持つて来ておつて、私も処置に困つておつたようなわけであります。私は人の和を第一とするということは松本さんとしよつちゆう話しておるが、こんなことではとうてい人の和どころではない、こんがらがるようにわざわざお進めになつておるように考えられる。公益事業委員会としてはそれぞれのお立場からの御意見もありましようけれども、われわれの方から見ると、ことにこんがらがるようにしておられるように見えるのでありまして、この状態で事業が円滑に進むことは困難である。仕事は御承知の通り一本勝負ではないのである。うまくやつて一本参らせるということで仕事ができるわけはない。お互いに信用し合うことにおいてのみ仕事は進むものと思うのでありまして今日の状態で事業の進行などは思いも寄らぬ、こう私は思つております。

小金義照自由党

○小金委員長 配電側から御発言はありませんか。

内ケ崎贇五郎東北配電株式会社社長

○内ケ崎参考人 私は、これは非常に重大問題であるから、ぜひとも何とかして解決せんければいかぬ、放擲するわけには参らぬと考えております。ぜひこれを実行に移さんければいかぬというふうに考えておりまして、またわれわれもさようなことについては全力を傾倒して努力をいたすつもりであります。

藤田進日本電機産業労働組合中央執行委員長

○藤田参考人 再編成について直接関係を持つております電産労組といたしまして、ただいまの御質問にお答えしたいと思います。一言申し上げますと、ただいままで公益事業委員会がとり来つた人事を初め、その他の諸問題についてきわめて非民主的でありますし、まつたく当を得ないというこの立場から、協力することはできませんので、おそらくこの再編成はプラスの形においての再編成になり、しかも将来の電気事業が円滑に運営できるとはとうてい考えられません。二、三具体的に簡単に申し上げてみますと、午前中松本委員長から御答弁がございました中に、関東の問題で——これは名前をあげて具体的にちよつと触れてみた方がいいのではないかと思いますが、高井社長、新木会長、こういつた関係において、二月十日以後十三日と折衝を進められた間に、われわれ組合といたしましては、この首脳者人事は将来の電気事業運営に、特に労使間という形において、重大な要素を含めておりますので、関東はもとより全国についてでありますが、特に関東人事については従来とかくの問題のあつた高井氏をこの際社長にすることなく、他の人をもつてこれに充てていただきたい、こういう申出を松本委員長あてにいたしました。その際に新井氏が話にも出ていて、折衝しているけれども本人の承諾が得られない。そこで組合としても新井さんに直接会つて聞いてみたらどうか、こういうお話が十三日にございました。それでその意見等も考慮にいたしまして、たまたま東京に出て来られた機会をつかんで新井氏に会いましたところ、午前中の松本委員長のお話の、三回にわたつて折衝を持つたけれどもこれは承諾に至らなかつたという点は事実と違つており、それは吉見という人を通じて意向を軽く打診して、出る気があるかないかという程度のものがまずあつて、二度目にははつきり断り状をもらうような折衝があつたようであります。これは新井氏本人から聞いたわけであります。ところが十三日の日には一方新井氏について折衝を進めるかのごとく見せかけ、実際には新木さんについて大いに説得をしておられる。午前中に聞きました村上巧兒氏と同じやり方がここに出て来ておるわけであります。舞台裏の問題と表舞台の問題が食い違つております。従つて私の想像では、新井氏については何とか本人が断つた形をとつて、今日発表されておる人事に持つて行こうという意図が非常に強かつたと思われるのであります。そういつた問題、その他すでに過般の本委員会並びに予算委員会、去る三月五日の参議院における電力特別委員会、これらを通じて明瞭になつた点を総合いたしましても、非常に今度の首脳者人事というものは、個人的ないわゆるひものついた形の人事決定がなされておる。しかもそれは電気事業に大きく将来プラスをするものでない。その結果、劈頭申し上げた結論のごとく、将来おそらくこの電気事業再編成に関連して大きく要請すべきものがある、このように考えております。

松田太郎事務総長

○松田政府委員 先ほどお尋ねの関東配電の職員を使用した事実があるかということにつきましては、そういう事実はない、こう言つておきます。  それから第二の、議事録についてお話がありましたが、大体公共事業令によりまして、公益事業委員会で議決をいたしました点は公表することになつておりますので、議決事項等につきましては十分つくつてございますが、議事録の点につきましては、さほど詳細なものもまだできておりません。近くこの点につきましては、先般議事規則をつくりましたので、今後は詳細なものができると思いますが、今申しましたような中間的なものにつきまして、至急提出できるようにいたしたいと思つております。

神田博自由党

○神田委員 私のいただいておる時間はもうないのでありまして、これ以上質問を続けることは同僚諸君に対して恐縮に存じますが、ただいまの日発側あるいは電産の考え方は、電気事業の再編は、このままの状態で行くならばとうていプラスにはならない、むしろマイナスであり、日本産業再建のために非常に不利であるということでございました。さらに配電側を代表されての内ケ崎東北配電社長の御説明によりますと、このままの状態であつてはいけない。やはりどんなことをしても納得するような十分な妥結をはからなければならない、その努力をしたいという御答弁でありました。私どももその点につきましては十分志を同じゆうするものであります。さらに松永委員長代理の御答弁によりますると、五月一日から新発足する、それまでには必ずうまく行くようにできると思つている、こういうように承つたのであります。  そこでこれはなかなかデリケートなことになると思いますが、五月一日に新発足するまでにうまく行くようにするということは、この原案にこだわつてのことではなかろうと私は思う。おそらく聞くべきものは聞く、いれるべきものはいれる、除くべきものは除く、国家的見地に立つて、大乘的な考えをもつて事に処すという意味に私は受取るのであります。しかしこれは私が人の腹を読むのでありますから、間違いがあつては、はなはだ困るわけであります。私どもの端的な考えから率直に申し上げますならば、今日公益事業委員の方々は、日本有史以来の平均年齢をお持ちになつておるということを伺つておる。また日発の総裁にいたしましても、相当の御年配である。どつちかというと、よその争いにはとめ役になつて出るお立場かと考えている。それがなかなか勇敢にがつちりと火花を散らすところを見ますと、はなはだ御元気で大いにけつこうでありますが、何とかここでひとつ考えていただかなければならないのではないかと思う。  さらにもう一つ、根本的な問題でありますが、私の質問に御答弁がなかつた。一体公益事業委員会が議会に対して責任を負うということについては、これは私が聞くまでもないことであるから、なかつたのかもしれませんが、御答弁がなかつた。われわれ国会といたしましては、非常にこの問題を心配している。事によりましたならば、当委員会として何らかの意思表示をして、この問題を扱おうというような空気が今みなぎつている。国会は国会であり、公益事業委員会は公益事業委員会である。本問題に関する第一回目の委員会で松本委員長は、公益事業委員というものは大名のようなものである、偉いもんだというような御答弁をされた。当時はまだなごやかな空気でもありましたし、われわれはそう別に気にもとめなかつたのであります。しかし昔の封建的な時代の大名であり、偉いもんだというお気持でおのれの権限であるということでおやりになると、これは容易ならぬ問題であると思う。ことに人事の問題は、先ほど私の質問に松本委員長は答えて、法律的にも公益事業委員会の権限ではないのだ、人事を決定するというような、さような権限は持つていないんだという御答弁であつた。先ほど来日発側、配電側に、この事業計画、いわゆる整理計画をお立てなさる際に、十分納得できるような両者の協議が行われたかという質問に対しても、私どもはまだ十分協議されたと了解できるような答弁をなさらなかつた。さらにまた、両者をあつせんすべき立場にある公益事業委員会においても、十分盡したというふうに私どもは見受けることができなかつた。私はまたこれらの点につきまして、日発側においても配電側においても、特にこの公益事業委員会の性格からいつてみて、また委員の方々の過去の経歴に徴しましても、誠意を持つて十分なる努力を傾けられましたならば、今日このような問題も解決できると考えたい。これらの点について、私があまり腹の中を読んだようなことを言うておるのか、あるいはそれはとんでもない質問なんだ、さような気はみじんも持つていないのだ、この案で押し通すのであるとお考えになつておられるのであるか。これはなかなかお答えもしにくいことだと思いまするが、私は口だけで納得したいとは思つておりません。これは非常に重大な問題であり、ことに当委員会としては、何らかの意思表示をきよう中にもしたいという空気が今みなぎつておる際でありまして、これは非常に重大なことだと考えております。特に委員長代理は、業界においても多年の経験を持つておられるし、今度の委員会においても非常な発言力を持つておるようにわれわれは承つておる。五月一日には十分発足できるということでありまするが、ただそれだけでは私どもは納得できない。その裏づけは、いかなる見通し、いかなる根拠によつてそういうような御答弁をされたか、これは非常に重大な問題だと思つておりますので、ほんとうの腹を割つて御答弁を願いたいと思います。

松永安左ヱ門公益事業委員会委員

○松永(安)政府委員 ただいま熱誠な御勧告とも申しましようか、御忠言と申しましようか、御質問がありましたが、よく御趣旨のあるところを了解したつもりでおります。御趣意の線に沿うて、五月一日に新電気事業が再出発できるように努力いたしたいと思います。それにつきましての各種の考えもございまするが、とりあえず先刻御質問にもありましたような、各種の区域にわたる発電力の調節促進並びに料金制度、そのほかのことにつきましては、ただいま各顧問並びに委員会等を開いて極力やつております。事務総長より御答弁しましたように、広汎にわたつて十分詳細な資料は御提出が困難かと思いますが、概略だけをお目にかけて、ははあ、これならば大分勉強しているなということの御承諾を得ることができるであろうと思うて、せつかく勉強いたしております。御趣意の線に沿うて努力いたしますから、どうぞ御了解願いたいと思います。

神田博自由党

○神田委員 いろいろお尋ねしたいことがありますが、同僚諸君がお待ちかねだと思いますので、今の御答弁では私は必ずしも満足しておらぬということを申し上げまして、あとはお手並拜見で、また適当な機会もあろうかと思いますので、本日のところは一応これで質問を打切りたいと思います。

小金義照自由党

○小金委員長 次は福田一君。

福田一自由党

○福田(一)委員 ただいま同僚の神田委員から、人事の問題についていろいろと詳細にわたつて質問がございました。そこで私は角度をかえまして、株主の利益擁護という問題について二、三お尋ねいたしたいのでありますが、時間もないのでありますから、どうか簡單にお答えを願いたいのであります。御存じのように、株主の利益を擁護するということは非常に重大な問題でありまして、特に人事の問題に関しますると、ここに御列席の皆様のように、日発、配電、公益事業委員の方も御列席できるのでありますが、配電にいたしましても、日発にいたしましても、従来株を持つておつた人の利益の問題については、とかくこれが軽視されるというか、その人たちが出て来て発言する機会が少いのであります。そこで声なき声を聞くということは政治の大事な問題であると考える。ここにおいて、私はこれらの株主の利益を中心として御質問をして行きたいと思うのであります。そこでこれが重大であるという点を申し上げますると、電力再編成にあたりまして、これをどうしてもしなければならないと言われた理由は、外資の導入をはからなければならぬということをしばしば理由としてあげられておるのでありますが、外資の導入をいたします場合にも、株主の権利が不当に侵害されるようなことがあつたということでは、私は外資の導入はあり得ないと思うのであります。こういう意味合いからいいましても、株主の権利擁護ということは非常に重大だと考えるのであります。まず第一にお伺いいたしたいことは、一体今回の株式の比率の決定、資産の評価というような問題につきましては、総司令部、関係筋から、何か公益事業委員会に対して指示があつたのかどうか、もしあつたとしたならば、どういう指示があつたかということを御説明願いたいのであります。

松永安左ヱ門公益事業委員会委員

○松永(安)政府委員 ただいまの福田議員の御質問に対して、簡單に私のわかつた点だけを申し上げます。比率の決定並びに資産の評価、これについてその筋の方から何らかの指示があつたかということにつきましてお答えをいたしておきますが、これはまつたくありませんでした。

福田一自由党

○福田(一)委員 さようでありますと、今回の株式の比率の決定、資産の評価の問題は、公益事業委員会の責任においてなしたのだと私は了承いたします。その意味において質問を続けるのでありますが、そうすると、今回九つの会社ができまするが、その会社の資本金を七十二億円にすることは、公益事業委員会自体が適当であるとお考えになつておきめになつたのかどうかお伺いしたい。

松永安左ヱ門公益事業委員会委員

○松永(安)政府委員 ただいまの資産の評価そのほかの決定は、公益委員会の責任においてきめたものであるということは申しかねるのであります。御承知の通りに、これは指令にもありますように、両者の間の話合いを基礎としまして、そのでき上りましを基礎においてわれわれが指令を発表するということで、一月八日から二月二十三日の間に、すべてそういう御決定があることを希望したのであります。その後直接委員会に両方からお話があり、こういう比率と自分の方は思うというお話もあり、あるいは一方からこう思うというお話もあり、これにつきまして、できるだけ行き違いを少くするために、両方のお話を聞いておつたのでありますが、遂に両者の完全なる御協定に達することを得ないうちに日が迫りまして、公益委員会において裁定したという形になつております。さよう御承知を願います。

福田一自由党

○福田(一)委員 ただいまの御答弁は、公益事業委員がその責任においてきめられたということを申し述べられたにすぎないと私は解釈いたします。何となれば、日発も配電も、相談してみたけれども相談がまとまらなかつた、だからわれわれがここできめたというのですから、これはやはり公益事業委員会でおきめになつたということになるのであります。  そこで次に一つお伺いいたしたいのでありますが、御存じのように、今の日発と配電の含み資産といいますか、資産を時価によつて一応評価するということは、非常にむずかしいということを松本公益事業委員長は述べておられるのでありますが、実際にそこにおいでになる御三方は、資産の再評価をするということはむずかしいとお考えになつておられるかどうか。すなわち今まで日発にいたしましても、配電にしてもそうでありますが、固定資産税といいますか、この税金を出します場合には、ちやんと一応再評価しました金額の七〇%を課税対象といたしまして、これに一定の税率をかけて課税をいたしておるのでありますが、この方法は非常に間違つた案であるとお考えになつておられるかどうか、この点を明瞭にしていただきたいと思います。

中川哲郎公益事業委員会経理長

○中川(哲)政府委員 お答え申し上げます。資産の再評価法による評価ということは、課税上の基準として一応ございます。しかしこれは各産業を通じまして、一定の尺度によりまして資産の値打を見るという意味合いに使われる筋合のものでございまして、電気事業の収益力を見ます場合には、収益力の実態をつかむ必要があろうかと思います。その意味合いにおきまして、資産再評価というものの率をそのまま適用するということはいろいろな意味で妥当を欠く、かようなぐあいに考えております。

福田一自由党

○福田(一)委員 ただいま収益力の問題が出たのでありますが、ここでしからば、収益力の問題で議論しなければならない。というのは、この電気事業は御存じのように一種の統制を受けておるのでありまして、電気料金その他は国家の定むるところによつて大体きまつておるのであります。従つてそういうような料金が定まつておつて、そうして収益がきまつて行つているものを、この際解散をして新しい会社をつくるという場合に、そういうような収益力というものを中心にしてお考えになることは、私はこれは非常に株主の権利を侵害しておるものだと考えるのでありますが、これに対する御意見を承りたい。

中川哲郎公益事業委員会経理長

○中川(哲)政府委員 電気事業の資産の評価の問題につきましては、従前におきましてもいろいろ例がございまして、評価の方法等につきましても幾多の理論的なものがございます。過去の例から申しますれば同じような統合の場合におきまして、一つは建設費を基礎にいたしまする評価法、一つは収益力を基準にいたします評価法がございまして、今までの場合におきますればその二つを適当な割合でかみ合せまして評価額を決定いたしておつたのが事例でございます。現状におきましては、お話のように日発、配電ともプール計算をいたしておりました関係上、収益力の点につきましては、現状においては同等と言える実情でございますが、一面建設費を基礎にいたします評価につきましても、御案内のように日発ができました後、あるいは配電会社ができました後におきましては、いずれも帳簿の整理ということは、当時の適当な評価によりまして一応のおちつきを見せております。その後の調節等につきましても、いずれも政府の監督下にその帳簿が整理せられておつた、かような実情からいたしまして、建設費額はいずれも帳簿価格をもつてひとまず妥当なものと見るほかはないわけであります。従つて建設費額あるいは収益力、この二点から評価をいろいろ考慮いたします場合におきましては、一応簿価というものに基準としておちつかざるを得ないという結果になろうかと思います。将来の問題として今お話の出ました再評価という問題がございますが、これは今の再評価法によります再評価をした場合にはどうなるかという一応の計算は出ますけれども、先ほど申しましたように、資産の実態的な含みであります収益力を見ます場合には適当しない金額である、かように考慮いたしたわけであります。

福田一自由党

○福田(一)委員 実は私、それを聞いて非常に驚くのであります。あなた方のお考えになつておられることが、いかに株主の利益を侵害しているかということをここで表明されたにとどまると思つている。というのは、今度のこの再編成で今度できる会社は、今までとは違いまして九つの会社がそれぞれ独自の立場において、一応将来は自由経済の原則に基いて運営されようとしておるのであります。それが目標で再編成をされるのであります。今まで日発の株主が株を持つておりました、その株を持つている人たちの考え方、あるいは配電の人たちが株を持つておられる立場から考えてみますと、今のところ株価は非常に安いけれども、将来電力が非常に建設をされたような場合には、当然これはもつと配当も出るだろう、あるいはまた特殊の事情によりまして電力が今度は非常に余つて来るというような場合、別の意味においてまた考慮がされるのであります。すなわちそれは国家統制というものがなくなつて、いわゆるプール計算というものをしないでもいいという場合が考慮されることもあるのでありますが、いずれにいたしましても、今まで統制を受けたものが、今度は非常にその統制力が薄くなるという建前において、今度は株価がかわつて行くわけであります。そういうように、当然その株に対する比率を決定するような場合には、企業再建法の原則に基きまして、時価というものを十分参酌すべきものであると私は考える。この点が非常に不明瞭であります。  しからばここでひとつお伺いをいたしますが、一体この問題について日発側ではどういうような主張をされたか、さらにまた配電側ではこの比率の問題についてどういう主張をされたのかを、簡單にひとつ御説明願いたいと思います。

森壽五郎日本発送電株式会社副総裁

○森参考人 これは本年の一月の十八日と思いますが、委員会に参りまして、日発の実態価格は二千九百億ある、配電は千三百億で、その比率は一・七四倍である、しかるに再評価は現在ではできない、新会社ができる五月一日を基準にしてということになつておるが、どうせこれは再評価はあるであろう、そのときにもつて来て、その再評価せられた場合の株価の増加は、旧配電会社の株主もこれは均霑するということになれば、これは日発の旧株主の犠牲においてなることになるので、これははなはだ不公平である、これを補償する方法を考えてもらわなければ、われわれは比率が一対一ではどうしても困ることである、こういうふうに申し上げたわけであります。ところが先ほどお話のように、資本金は、配電、日発の会計の七十二億を越すわけに行かない、そうかといつて日発の資本を多く見て一と見れば、配電は一以下になつて来る。そうなると現状では困るから、日発の株主に対する補償として一プラスアルフアーを出そう、その場合に、プラスアルフアーはたとえば二十五円を出したらどうか、こういう話が一応出たのであります。それが今日のような、プラスアルフアーが十円とかあるいは五円とかいつたようなことになりまして、もともとこのプラスアルフアーは一・七四倍を基礎にした数字でありますが、それが今日どうしても納得が行かない問題で、自然残つておる状態なのであります。

内ケ崎贇五郎東北配電株式会社社長

○内ケ崎参考人 配電の主張は、日発と配電の合併の率は一対一とすべきである、かような主張でございます。その理由といたしますところは、第一、新会社の資本の堅実化をはかるべきこと。これは、新電力会社の発足にあたりまして最も配慮すべき重点の一つは、新会社の資本を堅実ならしめることである。今後における電源の開発等に要する厖大な資本調達のためにも、資本の堅実化をはかつて、株価の維持をはかることはぜひ必要であるが、現在においても、電気会社の株価はいずれも額面以下であるので、さらにこれをふくらますことは何としても避けるべきである。かかる観点から、新会社の資本金の総額は、現在の各社の資本金の合計額を限度とすべきである。その結果もし日発について一対一以上の交付比率とすると、配電側は一対一以下となり、現在の日発、配電の運営事情や株価等から考えても、きわめて不自然、不合理となるので、日発、配電を通じて一対一の交付比率とすべきである、かような主張であります。  第二の理由としまして、日発、配電間の均衡をはかるべきこと。今回の電力再編成は、日発、配電ともに解散して、新たに各地区に新会社を設立するものであり、その点から、日発、配電聞には何ら差等があるわけではない。さらに従来の国家管理方式においても、日発、配電はその職能は異にするが、いずれも国家による統制会社であり、その上各社間に経理のプール計算まで実施されて来たので、日発、配電の清算分配金とも見らるべき株式の交付比率に差等を設けるのは妥当ではない。  第三に、日発、配電の資本価値に差等がつけられないこと。電気事業は、公益事業としての性格上、一般自由企業と異なり、その電気料金は嚴格な原価計算により決定されており、これを自由に動かし得ないものである。世上に、日発は配電に比べて固定資産の含みが多いというようにいわれておるが、上記のような料金制の結果、固定資産の含みがそのまま収益に現われて、資本としての価値があるというように即断できない事情があるのである。すなわち現行の原価計算においては、利潤が認められておるのは資本に対してであり、固定資産の投資額とか再評価額に対してではないのである。かかる点から、日発、配電の株式資本の価値に差等は認められないと思われるのであります。  第四は株価からの考慮。株価はおおむね会社の実体に関する社会的評価の現われと見ることができると思われるが、日発、配電の株価は、従来ほぼ同列にあり、本州中央部の配電株は、むしろ日発株を若干上まわつておるので、この点からも、配電よりも日発に交付比率をよくするということは、常識的に考えて、社会に受入れられないところであると考えるのであります。  第五に、さようには考えるのでありますが、日発株は分断されることになりますので、その分割による損失につきましては、別途補填措置が考慮さるべきである。以上の諸点を検討の結果、株式の交付比率は、日発、配電を通じて一対一とすべきである。かようなことになつたわけであります。但し配電株は、そのままその地区の新会社株式となるに反しまして、日発株は全国の新会社株式に分割され、日発株主は不利益、不便を免れないので、日発株主に対しては、清算交付金の形で、若干の補償を行うことはやむを得ない、こういうような主張をいたしたわけであります。

福田一自由党

○福田(一)委員 ただいまの配電の内ケ崎さんの御説明によりますと、資本の堅実化をはかるためには、株主の利益を侵害してもしかたがないではないかという点を述べられたように私は考える。それからさらに日発と配電とは均衡をはかつて行けばいい、新しい会社をつくるのだから、それは一対一でいいのだ、こういうことを言われますけれども、それもどうも非常に無理があると私たちは考えるのであります。それからただいま株価の問題を言われましたけれども、株価というものは、これは浮動株によつて、非常に影響が違つて来るのであります。日発のような非常に大きい会社の株は、そこに非常な人気が出て来て、みんながそれを買うようになれば、それは値が上つて来ます。浮動株が非常に多いと、なかなか値が上らない。ところが配電の株のような浮動株の少いものは、これはどうしても値が若干さやをつけて来るということは、これは経済の原則で、おそらく皆さんよくおわかりになつておられることと思うのであります。そこで今度は、言葉を公益事業委員の方にかえますが、今言われたような理由で、一対一として七十二億円の株に限定されたというのでありますならば、それによつて日発の株主が損害を受ける場合には、その全部の額とまでは行かないまでも、相当額の補償をしてやるということが、今後電気事業に対して国民が投資をする場合に、非常に有利ではないか。電力株というものは公益である。それでもし公益事業の株であるということで、株主の権利が、何かの法令が出るたびにしよつちゆう侵害されるということでありますならば、だれが電力事業に投資するであろうか。たとえ外資が導入されたといたしましても、どうしても日本では、われわれ国民がやはり電気事業に十分なる関心を持ちまして、電源開発を促進せねばならないというようなことを考えて行かなければならないのであります。将来電気資産再評価というようなものが行われた場合、あるいはその他の場合においても、こういう株ならば、引受けておいてもまた損害を受けるかもしれない、どうなるかしれないということでは、私は電気事業に対する国民の関心は非常に薄まつて来ると思う。そしてそれに対して投資をする人が少くなるのじやないか、むしろ新しくできる会社を堅実にするというよりは、かえつて不堅実にして行く結果になりはしないかということを非常におそれるのであります。  さらにまた先ほど事務当局からお話のあつたような理由では、私は日発の株主はとうてい納得しないだろう、現に、配電株に対して日発株一・七四という比率で行きますと、これは大体二十六円幾らになるそうであります。その二十六円幾らは二十五円くらいでもよいということを日発が言われたのに対して、配電の方は五円くらいでよいのだ、銀行その他市場の価値等を見てみると、五円くらいつけてやればそれで十分だということで、意見が対立したために、十円ということに仮決定をなさつたのではないかと私は考えるのでありますが、この仮決定の十円では、おそらく株主は満足いたしません。  さらにまた将来電力株を持とうとするところの人たちはこういうことでは株を持たなくなるだろう。今電源の開発をしなければならない、あるいはまた施設の改良をしなければならない、そういう意味で会社を堅実にしなければならないと仰せられますけれども、会社を堅実にすることは、会社がものを持つておるということによつて堅実にされるものではありません。これは城攻めと同じでありまして、武田信玄が城をつくらなかつたのは、甲州におる人はみな自分たちの味方になつてくれる、だから城を持たないでもよいのだというところに、ほんとうの信念を持つて城をつくらなかつた。電力事業もこれを発展させるには、やはり国民全体が電力事業に対して非常な理解と協力をすることによつて栄える。ところが今度のようなやり方でもつて、日発の株が不当に侵害されるような印象を與えることになると、これでは国民が将来電気事業に投資をすることを非常に恐れはしないかということを心配するものであります。  さらにまた外資の導入をはかるといいましても、国内の政令一片をもつていたしまして、——外国の株は若干例外はあるでありましようが、どうも日本という国は、われわれが将来資本を投下しても、何か法律などをつくつて、あるいは元くらいは返してくれるかもしれないけれども、利益を返してくれないというような印象を與えることは、非常に私は不利じやないかと考える。こういう点から見ましても、また資産再評価をいたしました場合における日発の株主が受ける株の数、配電会社が受ける株の数というようなものを比較いたして見ましても、これは非常な差が出て来るのであります。実は時間がありませんのでそういう点をこまかく御説明することはできないのでありますが、この一・七四倍というような倍率が出て来ておるといたしますならば、この倍率をもう一層愼重にひとつ御検討になつて、そしてこの倍率に対してもう少し何らかの色をつけてもよいのじやないか。もしこれを二十円にいたしましても、わずかに今後六億円出せばよろしい、六億円出すということは、今度できる会社の資産の内容を非常に不堅実にする、だから困るのだということを言われるかもしれないが、不堅実にするということよりも、国民自体が電力株に対して非常な信頼をなくすることの方がどれだけ不堅実化するかわからないと私は思う。むしろこの際はぜひともこの点をお考えになつて、電力株、特に日発株に対して、特配というか、プレミアムというか、これはもう少し考慮していただきたいと考えるのでありますが、これに対して委員会の委員の方たちはどういう御意見か承りたいのであります。

松永安左ヱ門公益事業委員会委員

○松永(安)政府委員 計算のことにつきましては、中川経理長からお話をさせますが、私はそれに対しては省略いたします。ただ今のお問いで、日発の株主が持つておる財産に対する割合が不当に傷つけられておりはしないか、むしろ傷つけられておるとすれば、将来資本家の投資を不安ならしめる、これは大事のことであるからよく気をつけるべきであるということの御説と了解いたしまして、それに対して簡單に申し上げますが、大体配当率は両社の方で話がまとまつたと記憶しております。  それからプラスアルフアーの問題について、最後の日まで、なるべく御妥協を願いたい、ことに小株主の御迷惑等に対して考慮を払わねばならぬことはもとよりであるから、その点についてもよく両方でお話を願いたいということであつたのでございましたが、遂にその問題は片づかなかつたのであります。結論として申し上げますれば、十円のプラスアルフアーをやりましたことによつて、あまりに日発株主に損害を與え、あるいは国民の投資に対して不安を與えておるものと私どものところではただいま思つておらぬのであります。この点理由をあまりくだくだしく申さずに御答弁を簡單に申し上げます。

福田一自由党

○福田(一)委員 では簡單にその理由を申し上げてみれば、資産再秤価というものは、委員長はできないということを言われるけれども、これはできるわけであります。できた上で、今度出資する施設を資産再評価してみると、日発の言うように、配電に対して日発は一・七四倍になります。こういうことでありますが、しかし総計の資本金額を七十二億円で押えるということであれば、この一・七四倍というものを考慮して、そして株主が損害をしないような比率をお考えになつてはどうかということが一つ。  もう一つは、このまま再編成をしたいとすれば、将来資産再評価をすることによつて、どうしても日発の方は一株に対して十六株くらいになる、それから配電の方は十二株くらいになるというような開きが出て来るのじやないかと私は考えておるのであります。これはおそらく事務的なことでありますから、事務当局でお聞きになればおわかりになると思いますが、いずれにしても資産再評価を楽しみにして株を持つておつた人、あるいはまた、とにかく日発には相当の含み資産があるのだから、ひとつ株を持つていようと思つておつた人が、不当に侵害を受けるということは、この簡單明瞭な数字によつて明らかであると私は思うのであります。しかしそのいうごとく、二十五円全部を補償しなければならないかどうかということになりますと、いろいろ議論もまたわかれるところでありましようが、これはどうしてもある程度日発の株主の利益を擁護するという建前において私は再検討を加えられることを特に要望するのであります。公聽会その他におきましても、おそらくそういう意見が出て来るでありましようが、承るところによると、ああいうようないろいろの決定をなされたのも案であります。しかもこの案をつくられるのにあたりましては、非常に短時日の間に非常にたくさんのお仕事をなさらなければならないのでありますから、だれがやりましてもずいぶん御苦心があるということはよくわかりますけれども、それだからといつて、もしそういう面で間違いがあるということであれば、率直にこれを認めて直していただくというところに、われわれがこの公益事業委員会にほんとうの信頼を與えることができることになる。一ぺんきめたのだから、そう言つては変でありますが、老いの一徹と申しますか、一徹で、断じてそういうことはだめなんだという立場でなくて、一応みなの言うことも聞いて、そうしてリーズナブルな理由のあるところに問題をおちつけて行くというふうにしていただきたいと思います。この株のプレミアムの問題につきましては、特にそういうことを御考慮あらんことを私は要望いたします。またおそらく通産委員会としても先ほど神田委員からも申されましたが、われわれとしての意見を適当な機会に発表して行きたいというような考慮もありますので、その点も十分しんしやくされまして、再検討を加えられることを求めまして、私の質問を終ります。

松永安左ヱ門公益事業委員会委員

○松永(安)政府委員 率直、誠実、公平を守りまして、将来の公共事業会社に対しまして私どもがおせわと申しますか、あるいは御監督と申しますか、そういうことをして行かなければならぬことは、当然の、また最上の任務であります。ことにその出発にあたりまして、時日が足りないために、各種のことに不行届きの点が多々あろうかと思います。この点を公聴会その他世間の批判によく耳を傾けて、訂正すべきことは訂正し、また加えるべきものは加え、でき得ますだけ皆さんの御負託にそむかぬことを期するつもりであります。何分つまらないものばかりでありますから、よろしくお願いいたします。

小金義照自由党

○小金委員長 次は今澄勇君。

今澄勇日本社会党

○今澄委員 それでは時間がございませんので、私は簡單に三点お聞きしたいと思います。まず第一点は、松永公益事業委員にお尋ねしますが、今いろいろ同僚議員の質問を聞いておりますと、そのお答えは、全部人事の問題についても、日発と配電側では、その数も百三十と四十幾つ、株価の比率も一対一というのは、配電側の要求した通りにきめたので、日発の要求した点は一つも入つておらない。今度のこのレギユラトリー・ボデーといわれる公正なるべき調停機関である公益事業委員会の委員長の松本さんがお見えになりませんが、委員長代理の松永さんは、これまで電気事業分断の問題についても、いろいろ話題の人である。そして今度きまつた関東電力の社長と目されている高井氏のごときは、あなたに対して三百八十五万円の献金をいたしている。私はこの際衆議院考査特別委員会電力再編成問題調査報告書の拔粋をちよつとここで読ましてもらいたい。「配電会社側の分断促進運動資金は、主として配電経営者会議への負担金の形で支出されている。配電経営者会議とは、九配電会社の社長グループで、電気事業再編成について日発と配電会社が対立してから生れたもので、分断問題が紛糾して来た本年二月ごろから活発な動きを見せ、二月から十月までの間に九百三十三万三千円を醵出し、うち三百五十余万円は、」会議費に使われ、「本年二月中旬以降十月までの間に松永事務所へ三百八十五万円を支出している。」と明瞭に速記録に残している。     〔委員長退席、多武良委員長代理着席〕  そうしていま一つは証人松永安左ヱ門臨床尋問速記録を見ると、篠田考査委員長はあなたに対してこういうことを質問している。「その経費の問題ですが、配電会社関係から松永事務所の経費として二百六十万円、それから人件費として百二十五万円、合計約三百八十五万円ばかりのものが松永事務所に行つているわけですね。」という質問に対して、あなたは「そうです。」と答えておられるのであります。もう一つあなたの秘書をしているといわれる三宅晴起氏は、一月十七日の産業経済新聞に対して、電気事業分断の反対運動をした人間は、このたびの新しい電気事業会社の人事からこれをパージして、そうしてこれらの者を電気事業界から追い払わなければならないということを署名入りで載せているわけでございます。そこで私は大胆率直に申し上げることをお許し願いたい。これは先輩であるあなた方に対して非常に私は申しにくいことであるが、私をして率直大胆に申し上げしむるならば、今日のこの電気事業問題のあらゆる根幹は、公益事業委員会という最も公正なるべきもののメンバーの中に、松永さん、あなたがおられるということでございます。そこで松永さんが、これほど反対論の多い——一例をあげるならば、関東の高井社長についても最後までがんばられるということは、このような公明な記録の上に残つたものから考え、全国民の意思の上に立つてこれを判断すると、どうしても国民が疑惑の目をもつて考えるのは当然であつて、レギユラトリー・ボデーといわれる公益事業委員会が、少くともそういつた感じを国民に與えるということはいけないと思う。  私はこの際松永さんに率直にお聞きします。この問題が紛糾して将来さらに問題を残すならば、そういつたいろいろな点から、あなたは公益事業委員として、その責任をとつておやめになるような御意思はないかどうか、まず第一にあなたの所見と所信を伺いたいと思います。

松永安左ヱ門公益事業委員会委員

○松永(安)政府委員 ただいま辞職問題が出ましたが、さようなことはただいま考えておりません。

今澄勇日本社会党

○今澄委員 しからばこれらの一連の問題に対し、あなたは公益専業委員としてどのような信念と所信を持つておられますか。

松永安左ヱ門公益事業委員会委員

○松永(安)政府委員 先刻申しましたように、公益事業委員会は、誠実と公平とをモットーとして公益事業者に臨むことであります。

今澄勇日本社会党

○今澄委員 その公益事業委員会のやり方が、公正と誠実と誠意を欠くということは、日発の小坂総裁その他の証言で明らかになつております。そこで具体的に申すならば、そういつたいろいろな問題から疑惑を生んでいるが、あなたは辞職する意思がないということになるならば、それらの国民の疑惑を払拭するために、このたびの人事などについても、そういつたいろいろ問題をかもしている点について、公益事業委員会今後のあり方として、これを修正される御意思があるかどうかを承りたい。

松永安左ヱ門公益事業委員会委員

○松永(安)政府委員 具体的にいろいろお話がなければ、何を修正してよいか一向わかりませんから、ちよつとお答えができません。

今澄勇日本社会党

○今澄委員 それでは具体的に申し上げます。一例を述べるならば、関東電力の社長に予定されているところの高井さんなどは、先ほどから私がいろいろ申し上げた不当労働行為の問題もあり、日発側から絶対それでは協力できないというようなことがいろいろ出ている。人の名前をあげることは失礼ですが、それらの問題についてどういうふうに考えているか、御答弁願いたい。

松永安左ヱ門公益事業委員会委員

○松永(安)政府委員 この高井君に関する個人的あるいは特定的のお尋ねでありますが、配電会社と日発側の人事は——むろん高井君はそのおもなものになつておるかもしれませんが、これは單にそのことのみにおいての間違いという以外に、すべての人事に日発側と配電側との所見を異にしておるその一つのことでありますから、これもその一つのみをいつ修正する、どう修正するということは、委員会の方でまだ何ら決定しておりません。従つて委員会の一員としてただいまのところそれを十分御返事できる段階におりません。

今澄勇日本社会党

○今澄委員 松永委員は実にけしからぬと思う。あなたの国会に対するそういうふうな答弁の仕方は、国民を侮辰するものである。あなたの最初のお答えは明確な、具体的なものでなければ御返事ができないとおつしやつた。だから私は人の名前をあげてさしさわりがあるけれども、あなたの御要望にこたえてこういう具体的なものについてはどうかと質問した。それではあなたは具体的な個々の問題として、それは説明できないと最初から言われなければならない、あなたの前言によれば、あなたはどうしても私の質問に答えなければならない義務を持つておると思う。もう一ぺんお答えを願いたい。

松永安左ヱ門公益事業委員会委員

○松永(安)政府委員 ただいま具体的に高井右の問題で御返事したつもりであります。委員会の一員としてただいまさようなことに御返事する段階におらぬということを申し上げたつもりでありますが、それでまだおわかりになりませんですか。

今澄勇日本社会党

○今澄委員 私はそれらの人事の問題について全体的に修正するかどうかということを聞いたときに、全体的な修正だとかどうだとかいうことについては話ができないから、個々の具体的な問題について説明するということだつたのでこの問題を取上げた。だからここで私はせつかくお見えになつておる電産労働組合副委員長の池田さんに、この方面の関東関係のこともお詳しいようでありますから、一言簡單に御所見と、持つておられる資料によつてこの際お述べを願いたいと思います。

多武良哲三自由党

○多武良委員長代理 ちよつとお諮りいたします。電産労働組合の藤田執行委員長の御意見に補足して池田副委員長が発言したいそうでありますが、池田副委員長を参考人として承認するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

多武良哲三自由党

○多武良委員長代理 それではさよう決定いたしました。電産副委員長池田孝夫君。

池田孝夫日本電機産業労働組合中央執行副委員長

○池田参考人 ただいま御承認を受けました電産労働組合副委員長の池田でございます。先ほど委員長も申しましたように、私はたまたま関東の出身でございまして、特に今具体的に問題になつておる人事問題、なかんずく高井社長が新会社の役員になられるという問題については、所属しておる職場の関係もありまして、特に身につまされる思いを持つておるわけであります。時間の点もあるようでありますので、ごく集約して簡単に申し上げたいと思いますが、問題が具体的になりますので、それでも若干の時間をとるかと思われますから、その点御了承を願いたいと思うのであります。  人事問題につきまして電産としてとつておる態度は、委員長が当国会におきまして、過日は予算委員会におきましてもしばしば述べましたし、また参議院におきましては、電力特別委員会でも述べておりますし、また今日も述べておるわけでありますが、あのような態度で来ておるわけであります。そこで端的に申し上げますれば、このままの案で強行されるならば、将来非常な事態を起すであろう。決して電気事業再編成のためにとるべき策でないというふうな状態であるということを率直に申し上げたいのでございます。特に関東におきましては、高井社長がこのような役員になられるならば、電産に残つております八千人の組合員は絶対に安心して社業に従事することができない。とりわけこの電源の職場におる諸君たちは、もしこれをあくまでも強行されるならば、われわれは新しい会社に行きたくない、行つて信頼して働きたくない、率直に言つてこういう気持でいるわけであります。このことは具体的に申し上げますと、先般二月二十三日、ちようど問題の日でありましたけれども、われわれとしても非常に重大な関心を持つておつた時期でありますが、この日に関東の全職場におります電産系の組合員の諸君が期せずして東京に集まりまして、一つの大会を持つたわけであります。集まりました者は約千名でありましたけれども、あらゆる職場を代表して来ておる組合員でありました。そこでその中に特に強固な意思を持つて発言をした人がおつたわけですが、このような状態であればわれわれは全員辞表をとりまとめて新しい会社には行かない、このままでは電気事業に従事することができない、こういう決意を固めようではないかというふうな発言もありました。ところがそれに対して全員期せずして一致してそのような気持であるということを率直に表明しております。こういつた気持は現在もなお続いておりまして、高井社長が就任されることにはわれわれは徹頭徹尾反対しなければならない、あらゆる努力を傾けて反対して行くのだ、こういうかたい決意を持つております。当面このような考えを持つております八千人の組合員は、数の上から申し上げれば、関東においては合計三万中の八千人であるというふうな実情でありまして、二万数千の人間が別の考えを持つているとするならばそれでいいではないか、一部の声であるというふうにお考えになるかもしれませんが、実質的にこれを見ますと、非常に大きな問題があるわけであります。と申し上げますのは、今問題になつております関配労組の方に行つておる組合員は、当然のことでありますが、配電系の従業員であります。八千人の組合員は主として日発系の組合員でありますが、これらが担当しておる職務というのは、御承知の通り最も重要な電源地帶、さらには送電関係、こういつた電気事業を通じて見ます場合に、生産を担当しておるところの職場にいる者が全部であります。なお現在関東配電に籍を有している組合員も電産に残つております——あとで申し上げますが、会社側の政策その他によりまして電産を脱退し、関配労組に行つて事実上非常に少数にはなりましたけれども、これらの一部関配の従業員で電産に残つておる諸君は、現在の段階では絶対にわれわれは関配労組には行かないというふうな決意を固めて、われわれ現在の態度に全面的な支持をしております。そのような状態であるということを御承知願いたいのであります。     〔多武良委員長代理退席、委員長着席〕 そこでなぜわれわれがこのように高井社長に信頼が持ち得ないで排撃を叫んでおるかということでありますが、このことは具体的に申し上げますと、過日二月二十八日付でもつて関係当局である中労委に対しまして不当労働行為の申立てを正式にいたしました。現状では中央労働委員会もこれを正式に受理されまして、目下事務当局を通じて事実調査の段階にあります。この申立てました書類に基いて申し上げれば、主観を交えずに正式な事実の陳述ができると思うのですが、要するに関配労組は会社側の政策を強行するために、今になつて考えてみればこの事態に対処するために、今日あるを予期して会社側の権力をもつて一部の関配系の幹部と談合してつくり上げた関東配電の高井社長を中心とするところの会社側のいわゆる申し子であるということがはつきり言えると思います。関配労組が設立されました当時の状況は、とにかくクーデターをもつて組合の分裂がはかられたわけでありますが、表面の理由とするところは、電産にとどまつておつたのでは関東配電に従事する組合員の利益にならないというふうなことを言い、当時電産と電気事業経営者会議との間に結んだ退職金の協定が、関配労組の既得権益を大きく侵害しておるというようなことを表面の理由として、一応りくつになるような理由を掲げてやつて来ておりましたが、その後の経過、当時の裏にひそんだ実情等から考えますと、明らかにこれは單に口実であつて、事実はそうでなかつたということがはつきり言えるわけであります。そのような大衆一般の人には納得でき得ないような理由を掲げておつたということもありまして、発足当初は彼らの予期に反して、関東配電従業員二万四千おりましたうち、その労組に結集した者はわずかに二千そこそこであつた。しばらくの時間を経過いたしまして、一昨年の九月からのできごとでありますが、十二月の結成準備大会にようやく二万四千中の四千人の組織しかつくることができなかつたという実情であります。ところが、その後この再編成問題がさらに具体化すると、そのようないろいろな客観的情勢の変化があり、特に関東配電におきましては、冒頭申しましたように、今日あるを予期してつくつた申し子でありますので、この時期にできるだけ組織を拡大しなければならないというような考えが強く出まして、陰に陽にあらゆる巧妙なる手段をもつて関配労組の育成、保護、助長に狂奔して来たというのが事実であります。このことを具体的に申し上げますと、会社側の職制を通じて行う会社権力によるところの圧迫、それから電気事業経営者会議をはずれて、関東配電が独自の給與を関労系の組合員にして行く、このことは関労系の主張する関東配電だけなら金がたくさん出せるのだという主張の裏づけにもなりましたし、また同時に電産に残つております組合員に対する一つの懐柔策にもなつて来たわけであります。それから御承知のレッド・パージのときでありますが、このときも明確に不当解雇というものが電産系組合員の中に出た、こういう実情であります。このことはさつそくわれわれが取上げましたところ、最近になつてようやく復職したという状態であります。ところがこの過程において、きわめて正義、信義に反するような行動をあえていたしまして、そのことは広く第三者の痛烈な批判を受けまして、所管の労働大臣あるいは関係筋等からも、高井社長は再三呼びつけられてひどいおしかりを受けておるというような実情もあつたわけであります。そのほか関配労組の組合活動の意識的な宣伝をするとか、あるいは電産系組合員に対する差別的な待遇を意識的にやつて行くというふうに、あらゆる方法をたくみに駆使して、しかも最近に至りましては電力再編成に伴う組合員の身分的な不安、待遇の不安、こういう不安状態にあることを利用いたしまして、会社の日に見えない圧迫を加えて行くというふうな形で関労の助長をして来たわけであります。このことは單に関配の外部にある他の会社の従業員、あるいは関配の組合以外の電産の組合員が、外部から批判しておるだけのものでなく、現在におきましては——きようも手紙等持つて来ておりますが、個人名を発表することはどうかと思われますので差控えたいと思いますけれども、内部から痛烈な批判が出て来ておるということを、はつきり事実をもつて証明して来ておるわけであります。このようなわけで、現在まで関東配電は御用組合をつくらせ、これを助長して来ているわけであります。それを具体的に申し上げますと、たとえば昭和二十五年、つまり去年の七月でありますが、われわれ電産の関係では——これは年中行事ともいえるわけでありますけれども、盆手当の支給を会社側に要求いたしまして、この交渉をやりました。ところがこの関配労組の方が先に妥結したわけであります。しかしわれわれの方としましてはまだ妥結の時期に至つていないので、もう少し会社側の再考を促しておつたわけでありますが、ところが、われわれの主張も多くの経営者の了解を得ることができまして、さきに妥結したところの、関配労組に高井社長が約束した線よりもわずかによくなつたわけであります。ところがこれに対しては、関配労組の方が要求もしないのに、会社側は、計算の間違いであつたというふうにして、電産の方に出して来た……。

小金義照自由党

○小金委員長 池田君に御注意申し上げます。そういう具体的なものは書面で出してください。

池田孝夫日本電機産業労働組合中央執行副委員長

○池田参考人 承知いたしました。それでは省略いたしますが、具体的にはいろいろな事例があります。この事例は、不当労働行為の申立てをする際には当然欠くべからざる内容でありますので、中労委の方に出しておりますが、ほかにもいろいろ具体的な証拠を持つております。またあらゆる場合にはつきり証明し得る証人もおります。そのようなことで、今出しております事実以外に、今後なお広汎に出して行きたいと思います。  結論として申し上げますが、われわれ電産の者は、現在人事についてこういう考えを持つております。先ほどもいろいろ問題になりましたが、ここにおられる松永さんのやり方によるところの今回の人事は、端的に言えば明らかに松永人事である。今度の再編成によつてつくられる会社は、別言すれば松永電力会社というふうな感じを受けます。従つて、このような形で問題が強行されることは、電気事業のために決してよくないことである。なかんずく、労働組合として当然問題にする点でありますが、公正なる労使関係の維持強化というものがあつてこそ、初めて電気事業というものは事業者とも一体となり、公共の福祉に沿う運営ができるものであるというふうに考えておるのであります。従つて私どもは、單に組合のなわ張り争いであるとか、あるいは日発系の組合員と配電系の組合員との争いとか、そういうことをやつておるものでは毛頭ないということを御了承願いたいわけであります。ことに関東におきましては、今のような具体的な不当な行為を、いろいろと会社の権力を使つて強行している高井社長が地位につくということは絶対に納得できない。従つてこれは絶対に排除してもらわなければならぬという気持でおります。これは将来を考えればいいのではないかというふうに言われますが、過去において幾多のこういう行為をして来た人が現在社長になるということは困るということと、もう一つは、こういう要素を排除するということが……。

小金義照自由党

○小金委員長 池田君、もう十分わかりました。やめてください。

池田孝夫日本電機産業労働組合中央執行副委員長

○池田参考人 こういう要素を排除するということが将来のためにもなるというふうに考えてやつて来ておるわけであります。  いろいろ長々と申しましたけれども、そういうふうに非常に重大な関心を持つているわけでありますので、つい時間も長くとつたわけでありますが、どうか委員会の先生方も、われわれの心情を十分くみとつてくださいまして、問題を、現在のような形でなく、内容を是正して、将来の電気事業のために資していただきたいということを特にお願いいたします。

今澄勇日本社会党

○今澄委員 今の労組の方のいろいろな意見等からしても、一例をあげたこの人については問題がある。電気の新しい会社の首脳部については、まず国民はあげて低廉な電力の供給をなし得る識見のある人物で、そうして労使協力して大いに組合側からも、経営人からも信頼される人物であるということ、それから電源開発のために外資を導入し、あるいは国内資金の調達のでき得る能力、さらには公明なる経理をやつて全国民から信頼を受くべき人物というような、一つの党派にかかわらない観点からこういつた人々がきまらなければならないにもかかわらず、今の新しい九つの会社の人事については非常に——たとば四国の竹岡さんは松永さんの義兄に当り、今の高井関配社長は、先ほど申しました考査特別委員会その他で明らかなことく金銭のやりとりの関係がある、こういつたことは私は非常に不明朗だと思う。そこで日発総裁の小坂さんに、あなたが公益事業委員会の委員を推薦するときに、この松永さんを推薦された一人と聞いているが、どういうところで御推薦をなされ、今日あなたの推薦された松永公益事業副委員長のこういつた事態に直面してどういうふうにお考えになつておりますか、たいへん失礼でございますが、ひとつ御見解を承りたいと思います。

小坂順造日本発送電株式会社総裁

○小坂参考人 これははなはだ困つた御質問でございますが、実は私はいろいろな人のことについて横尾大臣等からもお話を伺いましたが、そのうちに松永君のことを私は考えましたのは、私の知合いにおいて松永君ほど電気業界に詳しい人はない、よく知つている人だ、この人は一枚どうしても入るべきだ、こういう考えで松永君を推薦いたしたわけであります。  それから今どう思うかというお話でございますが、先ほど申しました通り、どうも松永君は少し公益事業委員というものを誤解しておられるのではないか、昔の代官なんかのように思つておられるのではないか。私直接にはそういうことはありませんけれども、会社の人など、森君とか菅君とか行つてぐあいが悪いと、しかりつけられて帰つて来るというようなありさまで、どうも松永君は、公益事業委員というものは絶対権のあるものであると考えておられるのではないか。従つて人事についても自然——松永君はむろん不公平なお考えではないと思いますけれども、知つている人をよく使われることがあると思います。それからこういうことを私は多少疑問を持つて人にも言つたことがあるが、どうも公益事業委員会の一群の人々を率いて、公益事業委員会が日発征伐をしたのである、その本領はそれで安堵さすべきである、配電の社長はそのままそこにいすわるべきものであるというようなお考えではないかと考えるのでありまして、むろん松永さんは別なお考えであろうと思いますが、私としては、その配電の人を全部会長、社長にする、松本さんはさつき九人のうち六人やつたので三人はそうでないとおつしやつたけれども、中部配電の社長は病気であるために副社長を入れた、これも配電側から入れたのではないという御説明で、これはちよつと私には了解できないのでありますが、とにかく配電の者に、過去の功労に対して何とか働かさなくてはならぬというようなお考えがもとになつているのではないかと思うのでありましてこの点ははなはだ遺憾に思つているわけであります。

今澄勇日本社会党

○今澄委員 私はこれまでいろいろ論議された参考人の方々の御見解を承つて思うには、やはり少くとも日本の電気事業は政党内における対立であるとか、あるいは電気事業のあり方に関する真劍な討論並びに見解の食い違いというようなものの影響を受けて、わが国の電気事業界が問題を起すということはもつてのほかであると思います。そこでこの際どうしても松永さんに御反省を願いたいと思うが、松永さんは先ほどのような御見解でございますからこれ以上私は申し上げません。  最後に株式の問題について一言だけお聞きをしたい。それはこの公益事業委員会が日発の施設を取上げて、これを各九つの配事会社に配る、こういうようなお話でございます。それでこの資産、施設を帳簿価格で引取つて、出資設備を九会社に分割の際において入れたい。われわれに入つた情報では、九地区に属する設備をそれぞれ帳簿価格で評価したものと、それから日発の資産の分属する設備を資産再評価して、その合計が帳簿価格に合うように圧縮したものとの平均をとつて、各配電会社へくつつけておられるという話であるが、さらに具体的に申し上げれば、一例として九州地区に配属するところの日発の設備は帳簿価格より十億円切下げて、しかも反対に今度は関東地区に属する日発の設備は帳簿価格より十五億円水増ししてくつつけている見解をとつているがどうか。さらにもう一つは、北陸配電にくつつけるところの日発の設備も一億円ほど切下げて、そして関東、関西におのおの五千万円づつ水増しして操作されているということであるが、これに対して公益事業委員から明確な御答弁を願いたい。

中川哲郎公益事業委員会経理長

○中川(哲)政府委員 あとにお話のございましたような北陸の電気施設の一部につきまして、分割に際して関東、関西に渡したというお話でございました。これは中国地区においても同様な例がございましたが、もつぱら会社間におきましてその資産を地区別に配分いたすに際しまして、中国の場合におきましては、中国におきまする日発で建設いたしました送電幹線、これは九州、関西方面に電気を送る役目を果しておりますので、九州がある程度実質的な負担をしたらいいのではないかというので、二億五万円ほどの帳簿価格に対して一億円を九州に負担させております。それから北陸での分につきましても、北陸地区の送電施設等については、関東、関西方面にあるものも相当ございますので、北陸の設備ではございまするが、関東、関西にある程度の負担をしてもらつた方が妥当ではないかというような意味合いで、当事者の間の話合いによりまして、その負担を修正いたしたわけでございます。また日発の資産を簿価で評価いたしまして、これを地区に配分いたしますに際しましては、地区関係である程度簿価を修正いたしております。これはその修正の方法として再評価額というものを一つのフアクターに取入れたのでございますが、これはあくまで方便として使われたものでございまして、全体としては、全国を通じまして簿価ときまつているのであります。従つて地区別には簿価に対しまして上下はございますが、これはその地区へ出ます資材の評価、あるいは株式引受け比率という問題とは一応別な見地から操作いたされたものでございます。これにつきましては、結局全体の各地区の電気料金を現状以上に地区差を設けないという一般の要望もございまするし、そういうものを将来ある程度その目的を達するためにはどうしてもコストの高い九州とか、あるいは北海道とかいう面におきまして、いろいろな意味で負担軽減をする必要がございます。そういう意味から、資本の切下げをいたす意味合いで資産の評価減をいたしたわけであります。そのさやは関東、関西方面のやや収益力の高いと見られる地区に評価上げになつているわけでございまして、この点はさつき申しましたように、むしろ国民の要望、あるいは全般としての利益に合致するという趣旨からいたしまして、当事者間で大体話合いのつきました線を、委員会でも妥当と認めまして承認いたすことと相なつております。なおこれが株主の利益を侵害するかどうかという点につきましては、結局新しく編成されました地区の資産を基準にいたしまして、電気料金等も算定される筋合いと思いますので、株主の利益を侵害するものでないという見通しを持つております。すなわち株主の利益の侵害にならない範囲でそういつた地区間の補正をいたしたのは、全般といたしまして国民全体の利益に合するものである、かような意味合いから、委員会でも当事者間で話合いのついた線を認めたわけであります。

今澄勇日本社会党

○今澄委員 もう一つ、十円ずつ渡されるという裁定を受けた金は、貯蔵品の評価がえからこれを生み出されたというお話であるが、ほんとうかどうか、簡單に御説明願いたい。

中川哲郎公益事業委員会経理長

○中川(哲)政府委員 日発の一株十円のプレミアムと清算費用の四億につきましては、合計十億になるわけですが、全体の引継ぎは簿価を原則といたしました。それでその面の資金を出す関係上、これを収益として出すのが妥当か、あるいは資産の一部評価で出すのが妥当かという点になりますと、さしむき国民の負担を増さないという意味合いにおきましては、資産の一部評価もやむを得ないというふうな見方をとりまして、しかも相当評価増しをいたしましても、時価よりなお低く押えられると認められます貯蔵品全般につきまして、十億円に相当するものの評価増しをいたしたわけであります。

今澄勇日本社会党

○今澄委員 そこで私は公益事業委員会の松本委員長にお尋ねいたしたいのだが、お見えにならぬから松永さんに聞きますが、今の説明を聞くと、少くとも日発から買い上げたものを、お前のところには十億くつつけてふやすが、こちらは減らす。それからこれは再評価はしないと言うが、貯蔵品なんかは、困るとちよつと再評価して金を出してこれを使う。そういつたやり方は、電気事業が将来国営なりあるいは国家管理的な新しい形態になつた場合においても、イギリスの例を見てもいずれの国においても、そういつた乱暴なことはないのであります。少くとも公益事業委員会というものは、憲法の所有権を侵害して、そうしてオールマイテイー的な、元の古い封建的な大名というような表現がさつきございましたが、そういう権限を持つたものではないと思う。少くともそういつた公益事業委員会の経済面におけるやり方についても、これは憲法に違反するところの條項が非常に多い。なるほど公益事業委員会は国会からも独立し、あるいは政府からも独立しておるかもしれないが、わが国の憲法の指定するところによつて動くことは当然である。このようなことをやるのに一体法律專門家あるいは会計專門家、それらの人人の意見をお聞きになつたのか、この際伺いたい。もしお聞きになつたとするならば、どういつた人からお聞きになつたのか。おそらく独断にきめられたものであろうと思うが、松永委員長代理の御答弁を煩わしたい。

松永安左ヱ門公益事業委員会委員

○松永(安)政府委員 ただいまお尋ねのことにつまして、こういう両者の、配電側と日発側の話合いをわれわれが判定するために、お話の通りに経験のある財政家または株を多く所有しておられる、また社債等の発行をお引受くださる保險会社の方々、それから日本銀行、興業銀行、市中銀行のお方、この三銀行を合せて五人の有力なる財政顧問をお願いいたしまして、すべてよく御協議を整え、そうして両者から出たことにつきましてつぶさに検討を加えて、大体ただいま中川経理長が言われたようなことに帰着いたしました。それを大体判定の基として、両者のおまとまりになつた点はまとまつた点と認め、まとまらぬ点について、最後にプラス・アルフアーの十円その他についての裁定と申しますか——これは遺憾ながら日にちがありませんものですから、間に合うように案を立てたのであります。できるだけのことはいたしたつもりでおります。

今澄勇日本社会党

○今澄委員 私は、まだこのほかいろいろ具体的な問題で松永委員長代理に聞きたいことが山積しておりますが、所定の時間の六時二十分が参りました。そこで私はこれで質問をやめますが、松永委員長代理が最も電力通として、公益事業委員会の意思をきめる存在であることについては間違いないところである。しかも高井関配社長の問題にしても、人事の問題からこういつた資産の割振り、再評価の問題に至るまで、明確にされたところがかくのごとき実情でございます。私どもは、この日本の電気事業の九分断と一貫経営とどちらがいいか悪いかということはこの際論議をしばらく控えるが、日本産業の、わが民族の将来生成発展する上における電力事業のあり方については、われわれは日本の電力事業者としての良心にこれを問わなければならない。しかもこの電気事業が再編成されるにあたつて、このようなことを、松永氏を委員長代理に推して、時の公益事業委員会が行つたということについて、後世の歴史家はこれを批判し、松永委員長代理はまさに昭和の弓削の道鏡であると言うであろうと思う。十分御反省を願つて、私の質問を終りたい。

小金義照自由党

○小金委員長 次は川崎秀二君。

川崎秀二国民民主党

○川崎委員 私は電力問題のしろうとでありまして、よく内容を知りません。しかしながら先般予算委員会で松永公益事業委員長代理並びに松本委員長に出てほしいという話を再三いたしましたが、あなたはその際おいでにならない。どういう理由でおいでにならぬか。

松永安左ヱ門公益事業委員会委員

○松永(安)政府委員 あのとき病気でお届けをしたと思つております。

川崎秀二国民民主党

○川崎委員 病気である者が、GHQへ行つたようですが、GHQへ行つて国会へは出られないのですか。

松永安左ヱ門公益事業委員会委員

○松永(安)政府委員 よく日にち等は記憶がありませんが、GHQに病気で行つたこともありませんし、病気でなくてこちらに来なかつたこともありません。よくお調べを願いたいと思います。

川崎秀二国民民主党

○川崎委員 二月二十五日の日曜日です。あなたにぜひ出てほしいと、前日予算委員会は委員長の名前をもつて公式に通告をいたしたわけであります。どうして出て出なかつたか。

松永安左ヱ門公益事業委員会委員

○松永(安)政府委員 川崎さんにお答えしますが、GHQに行くのはたいがい火曜日の午前ときめております。それから日曜は、私は小田原におりました。土曜日から少しぐあいが悪くなりまして、東京にいろいろ用もあるけれども、どんなだろうかと医者の診断を請うたところが、どうしても静養すべしということで、日曜は帰つて家で休んだと思つております。そのことは届けてあります。

川崎秀二国民民主党

○川崎委員 予算委員会は、二月二十四日電力問題並びに当時問題になつておつた金融債の問題で、参考人を呼んで公述してもらつたんです。その際に、理由としては病気ではなしに、GHQへケネデイ氏に会いに行つたということを御答弁になつておる。これは河上さんであるとか、あるいは松本さんであるか、そういうことであつた。そうすると事実とは背反することになりますが、それでようございますか。

宮原清公益事業委員会委員

○宮原説明員 二十五日は日曜でありましたが、たしかお呼出しがあつたので、出て参つたのは私と河上両人だと思います。それが日曜であつたかどうだかはつきり覚えがないのですが、もう少し調べまして御返事いたします。二十五日に松永さんがGHQへ行かれたということはございません。GHQのお呼出しはなかつたと思います。

川崎秀二国民民主党

○川崎委員 二十四日です。

松永安左ヱ門公益事業委員会委員

○松永(安)政府委員 二十四日もそうであつたと思います。病気であつたということは事実でありますが、それについての日取り等をもう少し調べたいと思います。

川崎秀二国民民主党

○川崎委員 この問題にいつまでもひつかかつておれませんが、もう少し……。あの当時は、二十七日に人事の発令が行われるという最も緊迫した瞬間であつたと思う。しかして今日といえども電力問題は政治問題になつておつて、きわめて重大な問題を将来とも残しておるのでありますが、そういう際において、最も問題が政治問題化した瞬間において、実はあなたはいろいろな人に会つておる。ことに、GHQだけではない、その関係の人々に会つておるにかかわらず、予算委員会から呼出しがあつたが、それに応じないということであつた。これは明らかに政治問題の白熱化を回避しようとする不逞な、国会に対する挑戰だと思つておるのであります。これは予算委員会を侮辱しておる。この点についてはまたあらためてお聞きしますが、あなたは国会をほんとうに尊重して、今後呼出しがあれば、万難を排して来るだけの誠意があるかどうか。誠実公正の、その誠実があるかどうかということを伺いたいし、またもし今までの国会の欠席に対して、他の用事のために来られなかつたという事実が明らかになつた際には、遺憾の意を表明していただけるかどうか、この点を伺つておきたいと思います。

松永安左ヱ門公益事業委員会委員

○松永(安)政府委員 ただいまのことでちよつと申し上げておきます。私どもは、GHQ関係は委員会としては火曜日にきめておりまして、火曜日以外にGHQへ行つておりません。但しその間委員長がケネディ氏のところへ、日はよく存じておりませんが、お一人でおいでになつております。これはGHQの方をお調べになればわかりましようが、そのときの松本と松永の違いではございませんでしようか。これを念のためにお調べ願いたいと思います。それから次に、病気でありましても、少々なことは今後とも勉強して伺いますが、何分欠席しましたのは、前前日から軽い脳貧血をやつておりまして、麹町の大堀という医者が心配してくれまして、注射をするやら、何やらしましたが、連日の疲労だろうから、どうしても日曜は帰つて休まなければならぬというので帰つたのであります。命がけで伺いましたら別でありますけれども、委員長その他の方もおいでになりまするし、そう私は自分のからだを大事にするわけじやありませんが、医者がどうしても承知してくれませんので帰つて休みました。それで月曜日も……。

小金義照自由党

○小金委員長 ちよつと御注意申し上げます。川崎さんは、今後国会を十分尊重して出るか出ないかということと、あなたの答えられたことにもし相違があつて、あなたの方が聞違つておれば、遺憾の意を表明するか、この二つの問いであります。

松永安左ヱ門公益事業委員会委員

○松永(安)政府委員 川崎さんに対するお答えの病気云々の説明が長くなりましたがお許し願います。今後とも勉強して来るつもりでおります。それから旧来のことは、そういう間違いはなかろうと信じておりますけれども、何かの思い違いがありましたら、相当なことで申訳をいたします。

川崎秀二国民民主党

○川崎委員 公益事業委員会の性格について、あなたの見解をぜひこの際伺つておきたいと思います。公益事業委員会というのは、あなたは抽象的に誠実、公正にその任務をやるというのですが、松本烝治さんのお話によると、これはきわめて中正的な立場に立ち、配電会社、日発というような立場から離れて、人事の裁定はするというけれども、しかしながら人事に対して案を最初から持つべきものでないのが当然だろうと私は思う。そういうことからして、公益事業委員会の性格は一体どういう性格であるかということについて、この際あなたの決定版みたいな見解を伺つておきたいと思います。

松永安左ヱ門公益事業委員会委員

○松永(安)政府委員 ただいまお話の、私どもの委員長がおいでになつて、委員会の性格についてお話になつたということは承つておりますが、そのとき列席いたしませんし、速記も拜見しておりませんので、はつきりどうおつしやつた、自分はどう思うということを申し上げますることは、この際差控えておきたいに思います。いま一つ、委員長のお話は、再編成間ぎわにおける委員会のとるべき態度というふうなものが主たる点になつてお話になつたかとも想像されるのでありますが、そのことについてかれこれ今申し上げますことを避けまして、大体私ども公益委員会というものは、いかなる目的をもつて今後とも処すべきものかということは、先刻も申し上げました心構えは必要でありまするが、大体において九つの事業者並びにガス事業者に区域の営業の独占を許してあるのであります。これは当然その営業の振興によりまして、公衆の利害と衝突する場合があるのであります。その場合に公益事業委員会は公衆の立場を尊重して、よくこの抑制に努めねばならぬはずのものと心得て、公益委員会の性格を考えておるのであります。それからいま一つの性格は、日本の産業発達の基礎となるべき電力の開発につきましては、種々各種の方面と折衝しなければならぬような深い関係がありまするが、これは公益委員会としましてはできるだけ深い調査をして、これらの公衆または官辺等との間に適当なる注意、忠告を申し上げるということを一つの任務としておると心得ております。すなわち電源開発及びこの調節、それから料金に対する調節、まあいろいろありますけれども、この二つの目的が将来の問題となりますので、その点については、両者の利害が相反した場合には、自分の裁決をせねばならぬ場合がときどき起りましよう。その裁決にあたつては公聽会を開き、あるいは他の議論をよく尊重して誤りなきを期して、裁決をせなければならぬ性格を持つておるものと記憶しております。そこで、そういう場合に、大名的であるとか、あるいは特殊の存在であるとか、そういう表現の仕方については各自表現の方法がありましようけれども、私は大名的存在とも思つておりません。いわゆる英語でいうレギユラトリー・ボディー、国と民間の間をできるだけ調節すべき機関であり、かつこれを誠実に実行すべき機関であるとただいま存じております。

川崎秀二国民民主党

○川崎委員 ただいまのお話の後段の方で、両者の利害が相反するときには、必ず大衆の輿論を聞くために公聽会を開き、よく反省をして、電力事業の進捗に誤りなきを期するのがその任務であると言われました。その認識において間違いがないならば、今回のごとき電力人事の問題は起つて来ないと私は思うのであります。  そこでこの際小坂日発総裁に伺いたいのでありますが、ただいま松永副委員長の言われたような性格のように、公益事業委員会というものの性格を解しておられるやいなや。これは当然であろうと思いますが、なおあなたからも伺つておきたい。そのことは、この精神が今度の電力人事の問題においては完全にそこなわれておると私どもは思つておるけれども、あなたのお考えはどうであるか、この際はつきり伺つておきたい。

小坂順造日本発送電株式会社総裁

○小坂参考人 ただいまの川崎君の御質問でありますが、私は公益事業委員の性格については、松永君が述べたように後段が最も重要なことと思つておるのであります。さきに私は松本委員長の話と前後してその経過を申し上げましたが、むろん快くすべてを聞いてやつてもらえるものと思つておつたところが、すべて私との間に相談のできた社長が会長に上つて、その間にすうつと配電の社長がみな社長になつてしまつた。これでは日発の者の立場もたくなるし、またいま一つは、私は今の状態ではどうしてもいかぬから、すべて気分を入れかえて仕事をしてもらわなければならぬという観点からして、同じ人が社長になり、やつておつてはいかぬ、こういうように考えて、この点に反対をしたのでございますが、これはすべて顧みられなかつた。この結果今日の状態に相なつたのでありますから、今日の状態のままではどうも——公益委員が非常な反省をなされて、過去にあやまちありと思うことは改められなければ、今日の状態は改善されず、電力事業は進捗するものではない、こう考えておる次第であります。

川崎秀二国民民主党

○川崎委員 同じ問いを藤田委員長に発しますけれども、先ほど来聞いておられたと思うのでありますが、ただいま松永副委員長が言われたような公益事業委員会の性格でありながら、今度の電力人事というものに対してのあなたの感想を、きわめて端的に、簡單に言つてください。

藤田進日本電機産業労働組合中央執行委員長

○藤田参考人 端的にお答えいたします。委員の側からもいろいろ意見が出ましたように、今次首脳者の人事のやりくりは、要するに公明な、また公共事業である電気事業にふさわしい民主的な決定がなされたものとは考えられませんので、最初申し上げたように、この電気事業の将来の事態はきわめて重大なものがあるであろう、このように考えております。

川崎秀二国民民主党

○川崎委員 すでに日発総裁並びに、これは直接関係でなくとも電力事業遂行の上において、一つの大きな生命力であるところの労働組合の委員長は、労働者を代表して以上のように重要な発言をしておる。こうなりますと、公益事業委員会の今後の動きというものが非常に重大な問題になつて来ると思う。あなたの言われておる精神と現にやつておることとはたいへん違う。これは明らかに大衆が判断している。そういうことについて、あなたは遺憾に思いませんか。

松永安左ヱ門公益事業委員会委員

○松永(安)政府委員 先刻から私のやりましたことについて、私からも、各関係者からも一遍り申し上げ、私は御了解を得ておると思うのであります。(「得ていない、何を言つている」と呼ぶ者あり)了解を得ていない方がありとするならば、はなはだ遺憾に思う次第でありますが、何なりとまた御質問がありましたら申し上げます。

川崎秀二国民民主党

○川崎委員 そこでお伺いしたいのですが、これはすでにもう出たそうですが、さらにつつ込んでお伺いいたしたい。それは公益事業委員会というものは当然公的な性格を帶び、しかして電気事業についての最大な権能を持つたところの機関でありますから、議事録というものがあるでしよう。その議事録は、何でも話によるとすぐ調製して出すということですが、現在できておらないのですか。今ただちにこれを出すことはできないのかどうか、その点を伺いたい。

松永安左ヱ門公益事業委員会委員

○松永(安)政府委員 先刻のお話は、最近やりかかつております各種の顧問、委員そのほか経理、発電に関する委員会等を二つ、三つやつておりますが、そのことと思つて中間の御報告をそのうちまとめて出すと申したのであります。  それから委員会のことについては、会議を開いてものを決定することになつております。それは、必要なる法制の発令そのほかについては、会議を開いて各自それに判を押してそれぞれ発令となつております。それは事務局長からよく御説明を願いたいと思います。

松田太郎事務総長

○松田政府委員 公共事業令におきまして、公益事業委員会で議決いたしたものは公表しなけれぱならぬということになつおります。その議決事項というものができておりますが、今日は持つて参つておりません。

川崎秀二国民民主党

○川崎委員 その議決する前に、経過というものについてやはり議事録があるでしよう。

松田太郎事務総長

○松田政府委員 議決いたしましたものついての議事録というものは、先般委員会議事規則を決定いたしまして、それによつて今後議事録を作成したいと思つておりますが、ただいまのところは議決した結論を記載したものをつくつております。

川崎秀二国民民主党

○川崎委員 それは決議録であつて、議事録ではない。国会のように一から十まで速記録にとつているわけではないけれども、日々の会議の詳細については、議事録というものができていらつしやるはずであると思いますが、その議事録はどうですか。

松田太郎事務総長

○松田政府委員 今申しましたように、議決事項だけつくつております。

川崎秀二国民民主党

○川崎委員 何でも聞くところによると、いろいろ重要な問題について、松永副委員長が、議事録にとるその過程において非常に不都合なことがあつたり、あるいはまた外部から非常に非難されるような問題については、議事録に出させないといううわさがあるが、これはどうですか。

松永安左ヱ門公益事業委員会委員

○松永(安)政府委員 そういうことは絶対にありません。ただ今松田君の言われたことを補足しておきますが、議事につきまして決定したことは、議事決定事項として各員調印して、発令、出令の基礎になつております。それからこれらのことをする議事細則を目下編纂中であります。その議事細則によりまして、公益委員会という一つの役所において、議事の仕方そのほかを、他のお役所の振合いを見まして決定し、議事録をつくることになつております。どうぞさよう御了承願います。

川崎秀二国民民主党

○川崎委員 他の役所の振合いを見てその後でつくるなどということは、これは非常に重大な問題だ。公益事業委員会は、委員会としての議事録をその都度正直に、その日に作成するように努力しなければならぬ。当然のことです。  それからもう一つ最後に伺いたい点は、先ほどきわめて抽象的なお話であつて、神田君の質問に対してのあなたの最後的な答弁は、五月一日再発足の新人事については、御質問の趣旨を尊重しつつ善処するというのですが、もし今日の輿論なりあるいは関係者の意見というものが盛り上つて、そうして現在の人事というものは非常にへんぱである、少くともこれは一部の配電会社と結託をしたところの、公益委員会の一、二の者の裁定を下したところの人事であるという批評がある。しかして極言する者は、松永人事なりとさえ評しておる。そういうことでは、これはまさに本末を転倒しておるものと私は思うのですが、あなたに伺いたい点は、もし輿論ないしは関係者の意見というものが現在の人事に対して非常に非難をしておるということが、反省をしてわかつた場合においては、これを修正する意思があるのですか。

松永安左ヱ門公益事業委員会委員

○松永(安)政府委員 大体個人的にいろいろのことを申し上げましてもらちの明かぬことであろうと思いますが、問題が具体的になつて来ないと、ここでいろいろのことを御答弁しましても、とりとめのないことであります。今の問題の最もエッセンスにこれからなつて来るのは、公聽会であろうかと思つておりますが、これはもう間もなく開かれて、逐次各関係会社及び各関係者並びに一般のお話を聞くことになつております。聽聞会と私どもの方で申しております。これをよく承つて、これによつて善処することに大体規則もなつておりますので、さよう御承知を願います。

川崎秀二国民民主党

○川崎委員 端的にお答え願いたい。聴聞会を開いて、それで出て来た意見が、今度の人事に対して非常に非難の声が高かつたときには、修正する意思があるのですか。

松永安左ヱ門公益事業委員会委員

○松永(安)政府委員 それは当然のことは当然として行くべきでありますから、今日、公聽会前にかれこれ申し上げなくとも、常識でお考えくださつてもわかると思います。

川崎秀二国民民主党

○川崎委員 公聽会と、またさらに最も重大なのは、すでに政治問題として国会はこれを取上げておる。国会が具体的にだれとだれをかえようとは言わなくても、一部人事については間違つたやり方をしておるということをかりに指摘したら、あなたはどうしますか。

松永安左ヱ門公益事業委員会委員

○松永(安)政府委員 私は法律のことや政治のことがはなはだうとい男で、電気の商売のことは少しわかつておりますが、御質問が非常にむずかしいので、お答えはただいましかねます。ただ申し上げたいのは、私どもはこの公聽会を非常に尊重しておりますがために、公聽会には日をきめて、それぞれ関係の方の意見を十分聞くことにいたしております。

川崎秀二国民民主党

○川崎委員 的をはずして答弁してもらつてはいけない。顧みて他を言つてはいかぬ。公聽会のことを聞いているのではない。国会は国民の輿論の代表である。この国民輿論の代表である国会は、今回の人事について非常に不満を持つております。それについて具体的にだれとだれをやめろというようなことを言わなくても——そんなことは国会の権威にかけて言えないけれども、あなた方のやつたことが間違いである。そのことについてはあなた方は善意をもつてこれを解釈して断行しなければならぬと思うのですが、そういうふうに一部人事の行き過ぎかあると指摘したときは、あなたはどうするか。

松永安左ヱ門公益事業委員会委員

○松永(安)政府委員 先刻も申したように、私、政治のことにはなはだうといので、国会の皆様がはつきり何かおきめになつて、そうしてわれわれ公益委員会の上に示されて考えろという場合は、委員長あるいは委員会とも相談してむろん善処もし、お答えもせんならぬところかと思いますが、しかし今仮定的に川崎さんの政治的、あるいはこれは道徳的と申しましようか、ことに道徳的の問題では人それぞれの考えがありますので、これまたお返事は非常にむずかしく、私のごとく老人で、法律のわからぬような者が妙なお答えをしておりましてはいけませんが、どうか私どものことについては、法制に通ずる委員長もおられますから、私どもよくこれと相談してお答えをいたします。私だけではどうもお返事はいたしかねます。

川崎秀二国民民主党

○川崎委員 都合の悪い問題になるとそういうことを、言われますが、あなたの方の公共事業令というのに、「委員は、公共の福祉に関し公正な判断をすることができ、広い経験と知識を有する者のうちから、両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命する。」と書いてある。広い経験と知識の第一は電力問題で、その次に政治問題についても大きな知識を持つておられる方であると思うから、国会は両議院の同意を與えたことと私は思う。特に「委員は、任命後内閣総理大臣の面前において、日本国憲法を支持し、及びこの政令によつて課せられた職務を誠実且つ公正に遂行」しろということが書いてあるのであつて、そういうとぼけたお返事で、すべてをごまかしてはいけない。あなたは、この間聞いておると、私のようなつまらぬ者と言われたが、つまらぬどころではない。つまり過ぎているから問題が起つている。ほんとうにつまり過ぎているのだ。近ごろ世の中には変なことが起つて、犯人でありながら犯人の捜査に協力するというような事件が起つているが、これとそれと同一にすることは、あなたにはなはだ不適当だろうと思うけれども、しかしながら実際、陰の男が表面に飛び出して——あるいは野球の試合などになぞらえば、あなたは審判官の位置にありながら、グランドに出て自分ひとりで試合をしてホームランをかつ飛ばしておいて——ホームランかトンネルか知りません、人事の上では明らかにトンネルだ。そのトンネルをしておいて、自分でスコアまでつけている。ここに大問題があるということを十分認識されて、私は電力事業に長い経験を持つておられる松永さんに対して、敬意は表しつつも、あなたが今度とられた処置に対しては、国民大衆もはなはだしく怒つておる。国民大衆の目だけは欺くことはできないということの警告を発して、私の質問を終ります。

小金義照自由党

○小金委員長 次は風早八十二君。

風早八十二日本共産党

○風早委員 大体公益事業委員会というものは、そもそもの成立ちから国会を無視してできておる。そういうところから、公益事業委員会の性格というものは、大体最初からもう国民の疑惑を受けておつたのであります。はたせるかな、この公益事業委員会が、各委員がその後実際にやられることは、この前からの予算委員会あるいはまた通産委員会ですでに明らかになつておりますように、また今日の委員会で特に明らかになりましたように、都合の悪いときには老人で老人でというようにそらとぼけられておりますが、あなた方はまつたくわれわれ国民の利害を無視し、株主の利害も無視し、労働者の利害も無視し、自分たちだけが正しい判断であると自分で考えておられる專制君主であるというようなことを、私はこの前すでに河上公益事業委員に対して申したわけであります。われわれはあなた方公益事業委員会に対して、何をしてください、こうしてくださいということを期待する意思はない。少くともわれわれ日本共産党はそう考えておるのでありますが、そう言いながらなおかつ今日質問に立つということは、これはふしぎに思われるかもしれませんが、しかしながらわれわれはあなた方に要求するのじやない、あなた方に対して、人事の問題、あるいは株主の問題、また電力料金の問題、電気労働者の問題、さらにこれから電源の開発をされんとするあなた方の方針、こういうものを具体的に聞いておかなければ、われわれの努めが果せないという意味において、今日お尋ねするのでありますから、ぜひとも、簡單でけつこうですが要点をお答え願いたい。  まず第一に株の問題であります。先ほど午前中から神田委員からも株の問題については、すでにいろいろ応答がありましたから、それに重複する点は一切省きます。ただ零細な株主の立場から、私は端株の問題につきましてひとつお尋ねしたいと思うのであります。端株はいうまでもなく、今度のあなた方の案では百株以下を端株と考えていられるようでありますが、そうなりますと、これは莫大な端株が出て来ると思うのです。この場合にはたとえば八百株持つておりましても、日発が九分割されますために、それが端株になつてしまう。こういうように非常に不都合なことが起つて来るわけでありますが、この端株の値段の問題、これがまた五十円に、プラスアルフアーでありますか、それがたとえ十円が二十五円になろうが、それは五十歩百歩でありまして、戰前の貨幣価値と違つて、現在では戰前に比べれば、二十銭くらいの値打しかないというようなしろものであります。こういう端株の問題に関するこれからの処置について、あなた方はどうされようとしておるか、これをまずお尋ねしたいと思う。今日はせつかくかねがねお待ちしておりました松永委員長代理がお見えでありますから、ぜひ伺いたいと思います。

松永安左ヱ門公益事業委員会委員

○松永(安)政府委員 風早さんの端株の問題につきましては、私よりも中川君がいいと思いますが、せつかくお尋ねですから私よりお答え申し上げます。端株はどうせ出るのであります。それから株数が、大きくまとまることに大体なつておる。それからかりに日発といたしますると、日発は九つの会社にそれぞれわけられるために、百株のものを九で割ると、十株なんぼというはしたに当然なつて参ります。そういうことで、端株の処分ということにつきましては、これが精算事務にも非常に金のかかることでもありますために、銀行顧問の方々と相談しまして、なるべく端株を信託会社、証券会社等においてまとめていただいて、その処理をすることになつておりますけれども、その手続等につきましては、まだ実行するまでになつておりません。それから第一、端株主の方々は、その郵送料、取扱い料等は、普通の株主よりも端株主の御迷惑を考慮に入れまして、取扱い等について、できるだけ御負担をかけないような方法とりたいと思つて、これは公益事業委員会がとりたいというよりは、清算事業の一環として、配電、発電、すなわち新会社のお方々で深い御考慮をたまわつておるはずでございます。詳細につきましてはそのことに携わつております中川経理長より御必要でありましたら御説明させます。私の答弁はこんなところでございます。

風早八十二日本共産党

○風早委員 私がお聞きしたいのは、この引受けをする者はだれであるか。その値段はどういうことになるか。というのは、この端株の所有者は大体一般の大衆であり、また組合であり、そして地方の自治体であります。これらの人たちが非常な関心を持つており、利害関係の深い問題として私は提起しておるのでありまして、その意味で引受者がだれであるか、その方法、引受けの値段、こういうものは何もまだ見通しを立てておられないというのでは、あまりに無責任ではないかと思いますが、この点は松永委員長代理にぜひお答えを願いたい。

松永安左ヱ門公益事業委員会委員

○松永(安)政府委員 先刻申しましたように、なるべく端株主の御迷惑をかけない方法として、まとめて処理をすることになつておりますが、言い漏らした点は、これを証券または信託、そのほかの団体に依頼いたしまして、五月一日後の新株を発行しない以前において、これらの株を買いとつて、そして端株の減少をはかつて行きたいという考えでございます。その方法の詳しいことをるる御説明するよりも、大体においてどちらにもつかぬ株はやはり買い求める方法をつける。それについてはプラスアルフアーがただいま決定いたしておりますものは十円でありますから、その十円を加えたものをもつて、払込みに加えて買いとるということになつて、端株主の損害をできるだけ少くする方針をとつております。その方法の詳しいこと等、御配慮なくお願いしたいと思つております。

風早八十二日本共産党

○風早委員 方法の詳しいことはとてもお互いにそんな時間がございませんから、これは少しもお聞きしておるわけではないのであります。根本は今再評価もされておらない。そしてますますこれが安値でたたかれるということになりまして、これを一括してだれが一体引受けるのか、その引受手を私は伺つておるわけです。これを信託と言われますが、一体日本の信托なのか、どこの信託会社なのか、そういう点もともとと承つておきたいわけです。そういう点で委員長代理の松永さんは、別にまだ具体的な構想といいますか、方針を持つておられないのですか。

松永安左ヱ門公益事業委員会委員

○松永(安)政府委員 説明の足らなかつた点及び御質問の新たな点のみ申し上げますが、金を出しましてその端株の全部を買う考えでおりますけれども、事実端株の全部を買うということは困難であります。五割買えるか、あるいは二割五分買えるか、はなはだその見通しがつきませんけれども、払込みの値段に十円を加えて端株を買つてあげる。五十円の株はかりにこれを六十円、そうすると端株半分ある人には三十円払う。そのまとまつた株何割かという金はだれが出すかというと、新会社の方で出資しまして、そして必要に応じて信託または保険会社等に金を供託し、それで株と引きかえに処理する方針になつております。なお申し上げますが、これは日本の会社であります。

小坂順造日本発送電株式会社総裁

○小坂参考人 ちよつと今の御質問に関連して申し上げますが、今端株を買うというお話がありましたが、それは指令案には少しも書いてない。そういう意向があるということをほのかに聞いているだけで、指令案には何もありません。九分割をしたときに、こまかい株がたくさんできて、一株、五株、十株というように、これをどうするかというと、これは清算会社に買わせる。その金が四億と聞いておりますが、四億で片がつかない場合にどうするかといえば、新会社に出資させると言われておりますが、指令案には何も載つておりません。それだけ申し上げます。

風早八十二日本共産党

○風早委員 今、小坂日発総裁の言われるように、そういうふうな方針が実は一つも明示されておらない。そのために一般の小株主は非常な不安を持つております。こういう点ではすみやかにその具体的なものを明示してもらいたい。なおこの際午前中から神田委員その他から今日御質疑がありましたように、再評価の問題でありますが、再評価をあなた方は日発に対してなかなかやらない。また今現にやる気がない。しかしながらこの株の問題が一応形の上で結着したあと、この再評価の問題が突如と起つて来ることは、これはだれも常識で考えられると思うのでありますが、この一点だけ、再評価をいつどういう形でやるつもりか、その点をお伺いいたします。

松永安左ヱ門公益事業委員会委員

○松永(安)政府委員 最評価の問題は先刻お返事をしたと思つておりますので、それ以上申し上げることはありません。

風早八十二日本共産党

○風早委員 私はそれをよく聞いておりませんから、もう一度ひとつどういうお返事をなされたか、一口でいいですから伺いたいと思います。実際に端株の処理について公益委員会がどういう考え方を持つておられるか、また再評価をなぜ今澁つておられるか、そういう点について、要点になるものと考えるので、ぜひお答えを願いたいと思います。

松永安左ヱ門公益事業委員会委員

○松永(安)政府委員 再評価のことと端株のことは、今ちよつと関係ないということを明言しておきます。  それから端株の処理につきましては、適切な処置をとることにつきまして、一応御説明を申し上げたつもりであります。もう一つ申しますと、再評価はただいますぐにする考えはありませんけれども、期限は再々評価令によりまして、たしか来年の七月までであります。それから再評価は、新会社ができた五月以後でないと再評価にとりかかることはできぬことになつておりますので、これもあらかじめ御承知を願いたい。

風早八十二日本共産党

○風早委員 委員長代理の今の御答弁では、われわれは非常に不満足でありますが、この株の問題にも増して、公益事業委員会のすべての事業を通じて一番われわれの関心の高い問題は、單なる人事の問題ではなく、電気料金が新しい会社によつて一体どうなつて行くのかということです。これが上るのか下るのか、伝えられるところによりますと、公益事業委員の一人であると思いますが、伊藤忠兵衞氏が新聞に伝えられるところによりますと、数倍ないし十倍くらいの値上げをするというような意向を漏らしております。また公益事業委員会が、最近、たしか七日八日の両日に日発その他の関係者等でやられた会議であると思いますが、そこでは大体料金は五割まで値上げするというようなことが有力に論ぜられたということも伝えられております。そうなると、われわれとしては、この新会社に対する一番の根本問題であるこの料金政策について、公益事業委員会に重大なる抗議と反対とをせざるを得ないのでありますが、一体料金問題について、どういう見通しを持つておられるか、どういう方針を持つておられるか、これをまずお尋ねしたい。それに関連して、今まで料金々々といいますが、大口と小口、また産業関係と一般家庭の電燈料の関係、これらにつきましてその單位当りの料金は、まつたくはなはだしい違いがあるわけです。そういう不公平な料金の割当方は今後どういうことになつて行くのか、それは今別に考えておられないのかどうか。さらにもう一つは、進駐軍用の電力であります。進駐軍関係の個人々々の人たちの電力でありますが、これらは割当の量を超過いたしましても、そのほとんど大部分が基本料金で払われ、全然超過料金というものをとられない。従つて事実上無制限に割当てたと同じ結果になつている。こういう実情でありますが、これらについて公益事業委員会は、現在及び将来の方針として、どういうふうに考えておられますか。

松永安左ヱ門公益事業委員会委員

○松永(安)政府委員 ただいまのお尋ねは三つあつたと思います。第一の今後料金をどう考えるかという問題について、委員である伊藤君が何かお話をしたとか、あるいはどこかで言うたというお話でありますが、私はそのことを存じておりません。従つてそれについての御返事はできませんが、委員会全体として今料金問題を研究中であります。そのために專門家もお願いし、経験家もお願いし、また旧来これに当つたおもな配電、日発関係者のお方々にも、ときどき諮問したり、おいでを願つたりして、この料金問題を根本的にきめたいと思つております。それがきまりますれば、今度はいつからそれが実行できるか、それからどの程度する。どういう割合でするということまで行かなければなりませんが、何分とも電力が非常な不足でありますから、今料金をきめてみたところが売る者がない、あるいは足りないという現状でありますので、料金の問題をただいまかれこれ申してみたところが、あるいは物価庁の関係その他もあり、見通しを申し上げることは困難であります。せつかく研究中であると申しておきたい。  それから進駐軍に関することはいろいろの関係におきまして、これはむしろ優先的に取扱つておることは事実でありますが、その委細のことは私ここで申し上げることは困難でございますから、御承知を願いたいと思います。

風早八十二日本共産党

○風早委員 事実であることはもうわかつておるのですが、それについてどういうお考えか。進駐軍には優先的に割当て、かつ事実上無制限に割当てるような結果になつておるが、そういう方針はやはり今後も事実上認められたものとして続けて行かれるつもりであるかどうかということを聞いておるわけです。なおこれは進駐軍は別といたしましても、日本の国内でもやはり大と中小、また電力消費者と電燈消費者の間にはなはだしい料金の差があるわけである。單位当りの料金がはなはだしく違つておる、これはこの前の委員会で河上委員には詳細数字をあげて私は申しましたが、そういうふうな点についてはもちろん申し上げる必要もないと思いますが、それらの点について、今後どういう方針をとられるかということを聞いておるのです。

松永安左ヱ門公益事業委員会委員

○松永(安)政府委員 料金が不均一であるということについての御説でありますが、目下そういうことも調べておりますが、大体につきまして料金及びその料金の割当制度は、一方は物価庁、一方は経済安定本部の割当制度を中心として、そこらがむしろ主管的に処理しておるのが現状であります。公益事業委員会になりまして、これらのことをだんだん是正して行かなければならぬと思つておりますけれども、関係会社との間はいまだその交渉を開くまでの階梯に達しておりません。従つてこれらについてただいまはつきり申し上げるよりは、むしろその交渉を適切ならしめたいということを期しております。  進駐軍のことについてたびたびお話でありまするが、これをどうするか、こうするかということは、すべての事情に即して義処して行かなければならぬことでありまして、今進駐軍用をこうするということの言明は困難でありますから御承知を願いたいと思います。

風早八十二日本共産党

○風早委員 この進駐軍の問題ですが、進駐軍には特に優先的にやるとか、あるいはまたこれに対しては割当を無制限にやるとかいうようなことはどんな規定もないとわれわれは確信しております。でありますからこういうふうなことはやめていただきたい。これは今までそういうことが自然々々にやられておつた、あるいは意識的にやられておつた、あるいはまた密約ができておつたというようなこともいろいろありますが、そういうことはこの際一擲してもらいたい、われわれはこういうような制度に対して断固として反対するものであります。  次に特に電産労働組合の問題ですが、大体新しい会社になりますと、大量な首切りが出るのではないかというような評判が盛んに立つている。一例をあげますと、これは連合通信に出ておりましたが、関西の新会社だけでも新しい人員は一万七千六百名、そうすると現在は三万名実際に従業しておるからほとんど半分近くは首切りになりはしないか、こういうようなことが現に出ておる。これはあまりに極端ではないかと思いますが、こういう大量の首切りをこの際にやられるつもりであるかどうか、これもはつきり御答弁願いたい。

松永安左ヱ門公益事業委員会委員

○松永(安)政府委員 これから生れる新各会社のお話と仮定して申し上げますが、これは公益委員会の方で何ら定見を持つて御指導申し上げておりません。また御指導すべき筋でもないと思うております。私ひそかに考えるところでは、さようなお考え方は各配電会社の方にも、あるいは日発の方にもあまりないのじやないかと想像しております。従つて新会社ができまして多量の首切りが起るということは、公益委員会の者としては一向想像のできないことでありますことを御返事申し上げておきます。

風早八十二日本共産党

○風早委員 松永委員長代理はまつたくそらとぼけておられるか、あるいはまたまつたく事実を知られない。先ほど電産組合の副委員長も指摘し、また他の同僚議員も指摘しておりましたが、高井社長の問題——関配をとりましても、この高井社長のもとではもう絶対に働かない、そういう空気がすでに出て来ておるわけであります。なぜならばこの高井社長は労働組合を意識的に分裂させ、労働首のいろいろな権利を職制強化でもつて剥奪して行く——きようは省略せられたと思いますが、今までいろいろ事例があがつておる。そういうような人を派遣しておきさえすれば、自分は何にも知らないでも、公益事業委員会は何にも知らないでも、今われわれが危惧しておるような、一般国民が危惧しておるような、労働組合が今非常にいきり立つておるような問題が当然起ることはたれでも想像されることです。そういう点についてあなたは今公益事業委員会としてどういう見通しを持たれるかということを私は聞いておるわけでありまして、それについて何も携わつておらないというのでは、いよいよ公益事業委員会というものの專制ぶりをただ露骨に今暴露せられたと考える以外はありません。  私は一日待つてやつと質問台に上つたのでありますが、きようは時間がないし、皆さんもたいへんお疲れでありましようから、私はこれでやめますが、外資導入の問題が、特に電力についてはやかましく起つておると思います。これは日本の電源開発その他電力事業の発展のためにどうしても必要だといわれております。この問題はかねがねわれわれが追究して来た重大問題でありますが、この際お聞きしたいことは、この外資導入にはどういう方式をとられるのかということであります。きようの新聞なんかを見ましても、大体財界筋では開発銀行等を通じて一括して上の方からこれを入れるような方式が考えられておるようであります。ところがこれに反してまたアメリカの一つ一つの会社が日本の会社に対して個別的に資本を入れて行く、こういうことも伝えられておるが、どつちが見通されておるのか。また公益事業委員会自身の方針はどういう方針で、どういう方式をとつて外資を導入されようとしておるのか、これをひとつ最後にお尋ねしておきたいと思う。

松永安左ヱ門公益事業委員会委員

○松永(安)政府委員 風早さんは、外資導入について公益委員会はいかなる方針を持つておるか、また見通しを持つておるかというお尋ねでありますが、これはなかなかむずかしい問題で、ことに相手のある問題、あるいは国際情勢にもよる問題でありますので、むしろかぶとを脱いでそのお答えはできないと申せば最も簡單でありますけれども、それは承知なさらぬだろうと思います。それで大体時期はいつごろだろうかというふうなことを考えますと、講和ができない限りは、外資導入の見通しはどうしても困難だろうと思いますから、どうぞ皆さんも講和が早くできるように御盡力を願います。(「問題をそらさないように願います。」と呼ぶ者あり)いやそれがかんじんな問題ですから……。そうすると外資導入はよほど明るい見通しがつくと思います。次に個人債権あるいは個人債務として個々に来るかどうかということにつきましては、私の知れる知識の限りでは、アメリカあたりの大きな資本も、英、独、仏あたりに対しても個々または個人的な投資は最近行われていないようであります。日本に対しましても、わずかな外資は個人的に入るか存じませんが、電力に要する資金は相当大きな資金でありますから、これは他の方法で来るのではないかと思います。しかし老人無学でこれもまだ一向よくわかりませんから、はなはだ相済みませんが、これくらいで御勘弁を願いたいと思います。

風早八十二日本共産党

○風早委員 どうもあなたは老獪に問題をそらされるので、これではわれわれとしてはお尋ねした効果がまつたくないのでありますから、もう少し具体的に聞いておきます。  先ほどの私の問いは、今二つの方式が考えられておるが、実際にはどつちをとろうとされるのかということです。あなたは講和会議と言い、あるいはまた国際情勢と言うが、そういうことはすべて最初から勘定に入つておる問題でありまして、その上に立つてどつちの方式によるのかということを尋ねておるのです。聞くところによりますと、あなた方が特別な関係で推挙された東北の白洲氏、この人はこの問題について、一万田日銀総裁がこの問題でアメリカに行つたけれども失敗した。というのは、この一万田総裁の方式は、やはり上から政府クレジツトというふうなことを考えていたからで、個別々々に入つて来るのが、実際の見通しだ。こういうふうなことを言つておられるらしいのですが、あなた方はこれからこの白洲氏の考え方で行かれるつもりであるか、具体的に言えばそういうことです。これについてひとつ最後にお答え願いたいと思います。

松永安左ヱ門公益事業委員会委員

○松永(安)政府委員 白洲君あるいは一万田総裁の話がありましたが、最近私は、私個人としても白洲君とも一万田君とも外資について特別に何も話し合つておりませんので、はなはだ知識貧弱でありますが、どうぞご了承願います。

風早八十二日本共産党

○風早委員 個人的に会う会わないは別問題である。白洲君が今度渡米する。それはこの問題に関係しているのだが、公益事業委員会はそういうことは何も関係がないということになるのでありますか、公益事業委員会としては当然白洲氏をつかんでおられるはずだ。あなた個人が会われたか会われないかは別問題でありまして、そういうことをせんさくする必要はないのでありますが、公益事業委員会としては方針がなければならぬ。それは白洲式であるのか、あるいはまた別の方式があるのか、今財界でいわれている方式に対しては、公益事業委員会はどうこれを評価しているのか、こういう点を具体的に答えてもらわなければ答えにならない。知らない知らないと言われますが、とにかくあなたは、電力問題については日本で最高の権威者で、そのために公益事業委員会の委員に特に推挙せられたといわれている。(「そんなことはない。」と呼ぶ者あり)そうでなければ引下つてもらわなければならないのでありますが、この点ぜひお答え願いたいのであります。

松永安左ヱ門公益事業委員会委員

○松永(安)政府委員 いろいろとやぼな御返事を続けましても、皆様のために御迷惑だろうと思いますから簡單に申し上げます。白洲君がいつ行くとか、あるいは一万田君がどういうおみやげを持つて来たかということは、ただいま公益事業委員会としては直接の関係はありません。ただ、電気事業の発達のためにはどうしても大きな資本がいるので、できるだけ会社をよくして信用を高めたい。そのためにはどうしても外国の金を入れて開発することが当然必要なことだと思つて、始終、二通りや三通りではなく、十通りも二十通りもただいまくめんをしておりますから、いずれそのうちに成果を上げるものがありましたならば御報告を申し上げたいと思います。

風早八十二日本共産党

○風早委員 これできようの問題の質疑は大体終りますが、今までの御答弁では、いやしくも日本の電力問題の最高の権威者であるといわれる松永さんとしては、もうほんとうに年をとつてしまわれたのかとも思うが、われわれはそうは考えない。先ほど川崎委員からも言われたように、まつたくそらとぼけておられて、われわれ国会議員をてんであしらつておるとしか考えられないのであります。われわれは現在の公益事業委員会、特に松永氏に対してあくまで不信任の意を強く表明して、私の質問を終りたいと思います。

小金義照自由党

○小金委員長 以上をもちまして、理事会において申し合せました発言は全部終了いたしました。  この際この席から、日本発送電株式会社総裁小坂順造君を初め、参考人の皆様に一言ごあいさつを申し上げます。本日は午前、午後と長時間にわたつて御出席を願いまして、いろいろ熱心な御意見をお述べくださいましてまことにありがとうございました。失礼ながらこの席から厚く御礼を申し上げます。  本日はこの程度にて散会いたします。次会は明十五日午後一時より開会いたします。     午後七時三十九分散会

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