通商産業委員会 第4号
- 発言数
- 66 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1951/01/31
会議録
○小金委員長 ただいまから会議を開きます。 まず昨日の委員会において決定いたしました小員及び小委員長の御指名をいたします。 一、電気及びガスに関する小委員 今泉 貞雄君 神田 博君 澁谷雄太郎君 福田 一君 村上 勇君 佐伯 宗義君 加藤 鐐造君 風早八十二君 河口 陽一君 以上九名、小委員長福田一君。 二、地下資源開発及び合理化に関する小委員 江田斗米吉君 小川 平二君 田中 彰治君 中村 幸八君 村上 勇君 高橋清治郎君 加藤 鐐造君 田代 文久君 河口 陽一君 以上九名、小委員長中村幸八君。 三、中小企業に関する小委員 阿左美廣治君 高木吉之助君 多武良哲三君 永井 要造君 南 好雄君 金塚 孝君 河野 金昇君 今澄 勇君 風早八十二君 以上九名、小委員長南好雄君。 四、工業に関する小委員 今泉 貞雄君 神田 博君 澁谷雄太郎君 多武良哲三君 中村 純一君 永井 要造君 南 好雄君 今澄 勇君 田代 文久君 以上九名、小委員長中村純一君。 五、繊維に関する小委員 阿左美廣治君 小川 平二君 高木吉之助君 中村 幸八君 福田 一君 河野 金昇君 加藤 鐐造君 風早八十三君 河口 陽一君 以上九名、小委員長高木吉之助君。 六、貿易に関する小委員 小川 平二君 神田 博君 澁谷雄太郎君 多武良哲三君 永井 要造君 村上 勇君 高橋清治郎君 今澄 勇君 風早八十二君 以上九名、小委員長小川平二君。 以上の通り御指名申し上げます。 —————————————
○小金委員長 次に重要物資の需給に関する件につき調査を進めます。発言は通告順に従つてこれを許します。 なおこの際お諮りいたします。先ほど理事会を開きまして理事各位と御相談いたしました結果、議事の運営上各派の質問時間を大体きめまして、これに準じて逐次発言を許すことといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小金委員長 御異議なしと認めます。それではさよう決定いたしました。小川平二君。
○小川(平)委員 時間が限られておりますので、ごく端折つてお尋ねをいたします。昨日の本委員会において、通産大臣があいさつと称せられまして施政方針演説をされたのであります。その冒頭においては、目下の段階において何をおいても輸入を確保することが喫緊の課題であるということを強調されておるのであります。まことにその通りでありまして、申すまでもなく再生産を確保いたしまするためにも、インフレを防遏する見地からいたしましても、何をおいてもこのことだけは達成をしなければならない喫緊の課題であるということができるかと思うのであります。国内物資の需給の調整という問題にいたしましても、このことが不可欠の前提であることは問題のないところであると思うのでございます。 さて、この輸入を達成いたしまする上において、いかなる点に隘路があるか、いかなる方途が講ぜられねばならないかという問題につきましては、すでにあまねく論議が盡されておる、そうして進むべき方向と目標というものも、すでに万人の目にひとしく明らかになつておるのであります。そこできようはそれらの問題の個々につきまして一応の御説明を承りたいと思うのであります。それらの問題は、いずれを一つとりましても長時間をかけて論議検討をしなければならないむずかしい問題でありまするが、本委員会に貿易に関する小委員会も設けられまして、これからあらゆる機会に次第に掘り下げた研究に入ることといたしまして、きようはとりあえず概括的な御説明を承りたい。 第一に、外貨の効率的川使用、保有外貨をいかに効率的に使用すべきかという問題、この問題につきましてはドルによる現金拂いの問題、清算協定においてスウィング以上になると輸入をとめる、一方非協定国との関係におきましては、バーターはすでに予算総額の一%という程度まで引下げられておる。ここではドルの現金拂いが行われておる、こういう矛盾をどうするか。その矛盾の点は、いかようにもあれ、とにかくドルの現金を大いに活用しなければならぬという問題がございます。それから第二には、ポンド資金の不足に対していかに対処するか。ドルからポンドへの乗りかえ、いわゆるスワツプの問題。それからさらに外貨の問題といたしましては、外国銀行のユーザンスの問題、今後の見通し、これらのことをまず第一に承りたい。
○首藤政府委員 お答えいたします。輸入促進の上におきまして、隘路として外貨の効率的活用という問題についての御質問であるわけでございますが、御承知の通り昨年上半期までは、外貨の効率的活用という問題について非常に制約されておつた事実があるのでございます。と申しまするのは、外貨資金の算定におきましても、それが、何といいますか、簡單に言えば、非常にかた苦しい計算でありまして、輸入の方は先物の契約までも全部支出にする。一方輸出の方はその前の月の月末までに確実に入つたものを計算に入れるということで、輸入の方は先物までも算定するし、輸出の方はすでに入つたもののみを算定するというようなことでありまして、その間に外貨の算定に相当大きな制約をされておつたことが、十二分に外貨を使えなかつたということが一つあつたのであります。もう一つは、ポンドがとかく不足いたしまして、従つてポンド区域からの輸入に支障を来す、それでドルのスワツプをたびたび折衝いたしたのでありますが、これに対しても、もう一つこちらの希望條件に沿いかねるような状態に置かれておつたのであります。そのようなことから、思うような輸入ができなかつたのでありますが、しかしながら朝鮮事変を動機といたしまして、どうしても輸入の促進を第一義的にやらなければ、日本経済に将来重大なる影響を與えるということがきわめて明確になりましたので、その後これらの事情を具して、再三折衝いたしました結果、ドルとポンドのスワツプ、並びに外貨の算定等も大体政府の希望する線までおちついたのであります。さらに、昨年上半期までは民間輸入も実施されましたけれども、おおむね先着順、いわゆるガラポンといいますか、それまでの経験者であろうともなかろうとも、要するに申し込む人の順番によつてくじ引きをするというような制度を従来いたしておつたのでありますが、昨年七月以降自由輸入制度を別個に了解を得まして、そしてその方面の輸入の促進をはかる、あるいはまた、それまではとかく長期の契約をいたしますにいろいろの制約があつたのでありますが、パルプにいたしましても、あるいは鉄鉱石にいたしましても、その他長期契約を必要とするものも、大体了解ができたのであります。さらにまた輸入後における円資金、これはまた相当ネツクとなつておつたのでありますが、それが貿手だけではどうしてもまかなえない。ここにまた輸入第一主義——輸入を多量に入れまして、できるだけ内地に保留いたしたいという考えのもとに、輸入を促進いたしますれば二箇月以上、できるならば三箇月ないしそれ以上も長期に国内に保留いたしたい。それにはどうしても二箇月の貿手だけでは目的を達しかねますので、別個ユーザンス制度を勘案いたしまして、輸出の地域によりましては四箇月までこれを認めるというような方法をとりましたので、あれやこれやによつて、昨年三・四というものは、非常にこういう方面の輸入の隘路が解消いたしまして、輸入が容易になつて参つたのであります。従つてこの四・四の輸入にいたしましても、これら今日まで解決して来た條件によつて、できる限り輸入を促進いたしたいという構想のもとに現在作業を続けておるのであります。 なお現在のところ先ほど申し上げました輸入後における金融に対しましてユーザンスの制度をとつて、一応解決いたしましたけれども、できる限り長期間国内に原材料を保留いたしたい、それにはどうしてもある程度政府が損失を補償するという建前の施策をすることが適当でないか、かくすることによつて民間が危險なく輸入に精励し得るという考え方から、別途備蓄の件も現在構想を進めておるのでありまして、関係筋と折衝を続けておる次第であります。かたがた大体において外貨の効率的使用という面の今日までの大きなネツクは、おおむね解消いたした、残るところも相当ありますけれども、これは今後あらゆる方法をもつて短期間に解消いたしまして、もつて輸入促進上の隘路をことごとく解消いたしたい、かように考えておるのであります。
○小川(平)委員 実はそれらの問題につきまして、もう少し具体的に数字的な説明を承りたかつたのであります。スワツプにいたしましても現状がどうなつておるか、これをどの辺まで引上げる希望を持つておられるか、そのためにどういうことをしておいでになるか、そういうことを御説明願いたいのであります。
○小金委員長 ちよつとお諮りいたしますが、通産省の説明員から説明をいたしたいということですが、発言させてよろしゆうございますか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小金委員長 それではさよういたします。榊原物資調整課長。
○榊原説明員 スワツプの問題につきましては、当初外貨資金の不足が一番叫ばれておりましたスターリング地域につきまして、ポンド資金のスワツプの問題が一番多かつたのでありましたが、これもポンドに対するユーザンスの問題が解決いたしましたので、一応目鼻がついた次第になつております。御承知のようにポンド資金につきましては、約四千五百万ドル相当のユーザンスが認められることになりまして、結局それだけ資金がふえた形になります。もつともユーザンスの期間が過ぎました後におきましては、スワツプの問題が起つて参りますが、一応スワツプの問題はユーザンスの期間後までは延ばされた形になつております。将来ユーザンスの期間が過ぎまして、その地域においてもなおかつポンド資金が足りないということになりました場合においては、一応スワツプの問題が当然起つて参るだろうと思います。その場合には、相当程度のスワツプを考えなければなりませんが、ただいまのところではポンド資金につきましては、一応ユーザンスによつて区域の問題は解消されたと考えております。そのほか現在一番資金の不足して困つておりますのは、オープン・アカウント関係でございますが、これらのものにつきましては関係筋といろいろ折衝しておりますが、現在スウイング・アカウントで申しますと、協定によりまして、大体日本側の方である程度輸入超過を認められております限度がございますが、その限度をわれわれスウイング・アカウントと呼んでおります。このスウイング・アカウントを越しました分につきましては、ある程度スワツプを考えて行かなければならぬ、そういうアカウントについて申し上げますと、現在のところアルゼンチン関係、フイリピン関係、そういつたところにつきましてはスワツプ問題を取上げまして、日本側におきまする輸入超過分をドルで返済しなければならぬ、さように考えております。しかしその問題と関連しまして一応スウイング・アカウントをふやすということをさらに外交交渉の面において交渉したいと考えております。結局そういうことになりますので、日本側におきまする輸入の今後の見通し、また今後の輸出の見通し、それによりまして金額がどのようにかわつて参りますかわかりませんが、現在のところ大体においてフイリピン関係あるいはアルゼンチン方面といつたような所につきましては、若干スウイング・アカウントが残つておりますので、スウイング・アカウントを超過した場合、その分についてのスワツプを今後研究して参りたいと考えております。
○岡部政府委員 それでは今の輸入の金融に関連しまして、国内の取引資金の問題を御説明したいと思います。大体去年行いました民貿の形式が、最初は割合にスムースに行かなかつたのでありまして、その後先ほど政務次官が御説明いたしましたような制度の改変をやりまして、相当程度自由活発に外貨の割当ができました。従いましてその外貨の割当によります輸入が、今まではユーザンスで助かつておりましたものが、いよいよこの一月——三月あたりにぼつぼつ国内の引取資金として現われて参りました。大体の数字は一——三が新たに食糧会計を除きまして、大体七百億円くらい輸入の資金が必要でございます。また四——六はまだはつきりと計算は出ておりませんが、おそらく一千億円を越えるのではなかろうかと存じております。それに対しまして従来の民間金融の実績は三百五十億円くらいでございますので、その引取資金をどうするかという問題がございますが、ただいままでは日銀のスタンプ手形制度を拡大いたしまして、従来は綿花、石油及び原毛につきましてスタンプ手形制度をやつておりましたのを拡大いたしまして、鉄鉱原材料及び原皮にこの範囲を広げまして、さらに必要であれ、ゴム、麻等にもこれを広げて行くというところで何とか一——三月はやれるのではなかろうかというように考えておりますが、四——六以降になりますと、これはスタンプ手形制度の運用のみではなかなか困難ではなかろうかと存じております。ただいませつかく関係官庁と協議をしている次第でございます。なおこれは通常の民間貿易の引取資金でありまして、これをかりに備蓄輸入というようなことを考えて参りますと、この備蓄をいたします物資を民間で貯蔵いたしますときの引取資金というものは、今までの金額よりもさらにふえるわけであります。これらにつきましてはまた別途の方法を考えないとなかなか困難ではないかというように考えております。
○小金委員長 高橋清治郎君。
○高橋(清)委員 本年は講和の年としてわれわれはこの年を迎えたことを喜んでおりますが、最近国際情勢は緊迫の一途をたどり、われわれが相当真劍に考えなかつたならば、とんでもない事態に追い込まれてしまうということを思うときに、今日議題となつております重要物資の需給を中心として、政府に対して数点についてお尋ねをいたしたいのであります。 第一に、ニツケル、コバルト、錫等の非金属、ゴム、綿花、羊毛等の重要物資について、国際的割当機運が濃化しつつあります。また国内産業も手持ち資材がどんどん不足を告げておつて、物価は急騰しつつあるのであります。かかるときにおいて、政府は再びこれらの重要物資の配給統制、価格統制をおやりになる準備をしておられるかどうか。これら重要物資の最近の需給とにらみ合せて、詳しく御説明願いたいのであります。 次に私は統制のための統制は意味がないと思いますが、さればといつてまつたくやらぬということもよくないと思うのであります。要は国家全体の利益を守るために行わるべきものであると思います。この観点より見て、私が非常にふしぎに思うことは、硫化鉱及び硫黄の統制でありますが、前述のごとくニツケル、コバルト、錫等は、戰略物資として統制もある時期においてはやむを得ないことでありますが、この硫化鉱、硫黄はどうしてもおかしいのであります。生産者も消費者も統制解除を望んでおります。統制をはずせばおそらく増産もでき、これを原料とする諸産業も喜ぶものと確信するものであります。高いやみ値のものを買うよりも、少しくらいは高くとも豊富に入手できる方がよいと思うのであります。現在硫黄のごときは、公定価格が一万四千七百円でありますようなものが、三万円を突破してこれが横行しておるというような状態であります。しかも硫化鉱、硫黄は、わが国の貧弱な地下資源においては、きわめて豊富な資源であるのであります。何ゆえこれが統制を解除しないのか、明快なる当局の御答弁を望みます。 次に政府もこの硫化鉱、硫黄の解除にはあまり反対しておるようではありません。事実これほど豊富な資源をみすみす掘らせないで、これを原料とする産業界を苦しめることは、行政当局者の不誠意を暴露するものであると思います。正しいことはあくまでもやるだけの決意をもつて行政をしてもらわなければ、国民の公僕たる資格はないと思います。肥料行政につきましても、通産省の行政をとられるようなぐあいに、また電力問題につきましても、まるきり他からなわ張りを荒されているような通産当局のやり方では、まことに心もとないのであります。こういう方面に十分確信あるところの硫化鉱、硫黄の統制をはずす方法を考えておりますか、その見通しを承りたいと思います。 次に重要物資の確保の一方法として国内資源の開発を積極的に考えねばならぬと思います。地下資源の開発は、長期かつ莫大な資金を必要とし、どうしても国家の助成を必要とするものであります。二十六年度の鉱業政策について拔本的対策をおとりになるのかどうか、お伺いいたしたいのであります。私は原料の輸入に並行して国家資源をややもすると軽視しがちな政府のやり方には、はなはだ不満であります。はつきりした構想をお聞かせ願いたいと思います。 次に国際情勢の緊迫に伴い海外よりの入手はますます困難になることは明らかであります。この際国内資源をフルに動員する意味においても、これが資金等に政府はもつと力を注いでいただきたいと思うのであります。最近の物価の高騰は著しいものがあります。特に生産材においてははなはだしい。これが原因は種々あると思いますが、現在の経済様相は明らかにインフレであるが、政府は重要物資確保のために、多少インフレになつてもこれら物資の確保に努力するだけの御覚悟がなければいかぬと思います。 次に最近の輸入の不円滑は非常なものであります。一体政府はこの緊迫した国際情勢に対処する自信があるかどうか。 次に政府は本国会において事業者団体法、独占禁止法等の改正を意図しておるが、これは自主統制を行うためであるか、またカルテルの方法を認めようとするのであるか、こうした問題につきましてはつきりした確固たる信念のある御答弁を願いたいと思います。 最後に、錫、ニツケル等の重要物資について、何らか統制を復活する意思はあるかどうか。以上の諸点についてお伺いしたいと思います。
○首藤政府委員 第一問のニツケル、錫、コバルト等の非鉄金属の統制をするかせぬかという問題からお答えいたしたいと思います。政府は御承知の通り自由経済を基本政策として推進して参つておるのであります。同時に統制経済よりも自由経済かこの国の経済発展の上に大いに効果がある。これは議論の余地なき過去の事実が証明いたしておりますので、できる限り現在の自由経済を推進して行きたいという基本的考え方には何ら変化をいたしていないのであります。ただしかしながらかような非鉄金属が、いわゆる最悪の場合に立至つたときには統制をやらなければならぬかとも考えておりまして、その場合に際しての準備は着々進めておるのが現状であります。しかしながら何といつても統制は避けたいという気持から、ニツケル、コバルト、錫に対しましてもあらゆる方途を講じまして、その獲得に努めておるのであります。大体これらの物資も相当の獲得ができ、またできつつあるのでありまして、早急に統制をやる必要はない、さよう考えております。 なおまた統制後において価格統制をやるかということでありまするが、これはそのときの情勢によつて決定いたしまするので、ただいまから断定したお答えはできませんけれども、御承知の通り過去の統制は日本の経済が国際経済から遮断されておりまして、従つて日本経済だけの問題でありましたから、価格統制を行つたのでありますが、今日の日本の経済は世界経済に直結いたしておるのでありまして、日々の変化する相場が、ただちに国内の経済に影響しておるという現状でありまするがために、価格統制をすること自体に根本的に無理がある。従つて現在の考え方といたしましては、価格統制はやらずして、ただ不要不急の生産を一応予定するという程度の統制が適当でないかというような考え方を持つておるのであります。 次に硫化鉱、硫黄の統制撤廃の問題でありまするが、これはすでに高橋委員も御承知かと思いまするが、政府の方におきましてはその統制撤廃の必要性を認めまして、関係筋と折衝を続けておるのであります。この問題につきましては、すべて安本がその衝に当つておりまするから、安本の方から御答弁をいただきたいと考えております。 さらに三点の重要物資の開発でありますが、これまた御説のごとく現在の国際経済並びに国内経済の情勢から見まして、まつたく地下資源の増産は非常に緊急に迫られておるのでありまして、政府もこの点はよく認識しておるのであります。本年度の予算に対しましても、先ほど高橋委員が言われましたことく、できるならば拔本塞源的な予算をとつて、そうして御希望の線に沿いたいというふうに考えまして一応の原案をつくつたのでありますが、他の一般財政とのにらみ合い上相当制約されたのであります。しかしながら昨年に比較しますれば、炭鉱におきましてもあるいはその他の面におきましても、相当大巾に助成金をふやしておるのでありまして、これは二十六年度の予算をごらん願いますれば、政府のこれに対するところの熱意がどの程度に強いものであるかという御了解ができるものと考えておるのであります。 さらにまた最近の物価高、いわゆるインフレでありますけれども、これは御承知のように先ほども申し上げましたごとく、過去における統制当時のように国際経済から遮断されておりましたならば、インフレは当法抑制の方途を講じなければなりませんけれども、現在は国際経済と直結いたし、国際経済の推移にマツチした歩調をとつております関係上、日本だけがインフレだ、かように考えまして対策を談じますことは、結局犠牲のみ多くして、効果は何ら期待できない。ただ問題は国際相場との縁を切つて、日本だけの特殊な事情によつてある特定の商品が非常に暴騰したというような事情がありましたならば、その特定の商品に対してのみ適当な対策を講ずればいいのではないかというふうに考えておる次第であります。 なお生産増強のために合理化を必要とするのではないかというふうな御質問でありますが、まつたく同感でありまして、すでに石炭、鉄鉱の方面に対しましては相当巨額の資金を投じて合理化を推進いたしますとともに、さらに一般の企業に対しましても、まず設備の改善をやらせることが合理化の前提でないかというふうな考え方のもとに、新しいところの機械の輸入を奨励いたしまして、しかもその輸入した企業体に対しましては大体半額ないしそれ以上の補償を、税金の減免によつて補う。そうしてこの企業が新規の機械を輸入しやすいような方法を講ずるべく現在その案を進めておるのであります。なおまた独占禁止法並びに事業者団体法の改正の意図は自主統制の目的であるかという御意向でありますが、まつたくその通りてありまして、かりに今後最悪の事態に到達いたしまして統制をやりましても、できる限り官僚統制を排撃いたしてそれぞれの業界の万にそれらの業務をやつてもらいたい。それにはどうしても最も隘路となつております事業者団体法を大巾に改正しなければ目的は達せられない。さらにまた独禁法も修正しなければ目的を達しないということに相なつておりますので、自主統制をやつた場合に民間に委任して支障のない程度にこれらの法案を修正いたしたい。もう一つはかりにそこまで目的を達しなくても、いわゆるカルテル——一つの業者の一定の価格の協定なんということも現在の経済の実態から考えましてある程度必要ではないか。両面的な修正ができなくても、この程度の修正はぜひともいたしたいというふうな考え方のもとに現在関係筋との折衝を進めておるのであります。
○小峯政府委員 硫化鉱と硫黄の統制の撤廃のお話だと思いますが、先ほど通産政務次官からお答え申し上げましたように、政府といたしましても統制を撤廃するという計画で関係方面と折衝いたしておりました。時あたかも朝鮮動乱が起りまして、その朝鮮の動乱が日本経済にどういうふうな反響をもたらすであろうかという見通しについて、関係筋にも検討する期間が必要だつたのだと思います。そんな関係ではずすことはそう急がなくてもよいというような機運が一時あつたのではないかと考えます。しかし私どもは、今御指摘のように、やはりこういうふうなものは統制を解くことによつてかえつて生産がふえるという見通しを立てておりますので、先ほど通産政務次官からお話がありましたが、今度の新しい統制というよりも、調整のやり方と関連して、むしろこういうものは積極的に解きたいと考えまして、近く実現する見通しであります。
○高橋(清)委員 もう一つ今の硫化鉱の問題についてもう一つお伺いいたしたいのであります。それは過般、去年の暮でありましたか、肥料生産業者から外国鉱石の輸入を要望して、輸入をするような話が出ておつたようであります。大体今日輸入するとすれば、一トン一万円ぐらいになるようであります。こういう方面は、自分の国内にたくさん出るところの鉱石を使用せずして、ただ外国鉱石を使うならば、これは非常に工場の操業上やりやすい。また外国から購入したところの硫化鉱によつてつくつたところの肥料は、これは海外に輸出するのであるというふうな理由をもつて、そういう業者は申しておつたようであります。かかる非国民的な肥料生産業者に対して、わが通産当局といたしましても、また安本当局といたしましても、こういう者に対しては大いに反省を促して、できるだけ国内産業を圧迫せずして、国内の資源をどんどん開発して行くような方法をおとり願いたいと思います。これに対するお考えをひとつ承りたいと思います。
○首藤政府委員 まつたくその通りでありまして、われわれも高橋君と同じ意見を持つておるものであります。ただ昨年末輸入を計画いたしましたのは、当時輸送の関係で、各メーカーの手持ちが、非常に拂底しておりましたのと、さらにそのときの輸送状況では、早急にメーカーの手持ちがふえそうにないのでありまして、しかも一方におきましては、肥料の増産が、輸出と相まちまして緊急的に増産しなければならぬ。しかも先ほど御質問にありました統制撤廃がそう急に間に合いそうにもないというような情勢にありましたので、輸入を計画いたしたのでありますが、しかし根本的観念はまつたくお説の通りでありまして、今後はもつばら統制の撤廃、そうしてそれによるところの国内の増産に意を用いて参りたい、かように考えておるのであります。
○小峯政府委員 ただいま国内資源の問題と輸入の問題とのお話が出ましたので、私どもが目立経済計画を立てる上に考えております点を、総括的なお答えになるかもしれませんが申し上げたいと思います。 私どもが自立経済計画を立てておりますうちで、国内資源による自給度の引上げを重く見ておりますことは事実であります。しかし私どもは自由経済方式を大体基本といたしておりますので、国際的な適地適応、国際分業というものも、同時にこれは忘れてはならぬと思うのであります。ただ自給度だけを考えまして、合理的な国際分業というものまで手を入れるということに対しましては、多少疑問があるように考えます。同時に、資本の蓄積が御承知のようにまだ非常に段階が低いものでありますから、ときには輸入に依存しなければならぬようなものも出て来るかと思います。問題はその間の調整をどうするかということでありまして、御指摘のようなものにつきましては、具体的な事例で随時適切に処理して参りたいつもりであります。
○小川(平)委員 それでは先ほどの問題に引続いてお尋ねをいたしますが、お話のありました通りに、輸入物資の引取資金の金融、いわゆるユーザンスの期限の到来してからあとの段階に照応するところの金融が、これは非常に大きな問題になつているわけでありまして、このことに関連いたしまして、輸出銀行は一歩清算の段階に足を踏み入れた。前貸しの金融をするのであるから、これを輸出入銀行に改組して、輸入面についても、本来の貿易金融から一歩清算の段階に足を踏み入れて金融をすべきではないか、こういうような議論も出て来ておるわけでありますが、これにつきまして、一月から三月までの資金需要について先ほど総額の数字のお話がございましたが、大体のことでけつこうでございますから、品目別に、どんなような資金需要があるか、これをちよつとお示し願いたい。 それから先ほどの御説明によりますれば、目下のところでは、スタンプ手形の適用範囲の拡充ということで当面をしのぐ、しかしそれから先になればなかなか困難ではないかというように受取れる御答弁があつたのでありますが、この輸入物資引取資金の解決策として、工業手形の再割引が必要であるということが久しい以前から言われておつて、今日まで実現をしておらない。申すまでもなくスタンプ手形と工業手形の再割をしてもらう場合とでは非常な違いになるわけでありますが、なぜこのことが実現できないのか。これは通産省にお尋ねをする問題ではないかもしれませんけれども、通産省の見るところをお話し願いたい。 〔委員長退席、多武良委員長代理着席〕 それから現行のユーザンスを、商品によつてはさらに延長してもらう必要がどうしてもあるという品物もあるのでありますが、これらの問題に対する見込みも承りたいのであります。
○岡部政府委員 お答えいたします。第一点の引取資金の内訳でございますが、一——三月の分につきまして申し上げますと、大体綿花用の資金が四百億円、羊毛用の資金が百七十五億円、原油が三十五億円、鉱産物が五十億円、皮革が二十五億円、ゴムが六十億円、その他二十五億円ということになりまして、累計七百七十億円というような数字でございます。これは十一月一月間の貨物到着後の実績並びに見込みを基礎といたしまして、貨物到着後二箇月後に引取資金の需要が発生するという見込みのもとに私の方で推定いたしました数字でございまして、大体日銀大蔵省とも意見の一致している数字でございます。四——六の数字につきましては、今せつかく累計中でございまして、まだ確たる数字がございませんので、この次の機会にお譲り願いたいと序ずる次第でございます。 それから工業手形割引制度がなぜやられないかという御質問でございますが、これは去年当初まで工業手形割引制度があつたのでございます。その後資金需要面が割合に緩和されましたので、従つて全額割引をやらなくてもいいのじやないかという議論から、工手の優遇措置が廃止されまして、続いてスタンプ手形制度の品目整理ということになつたわけであります。現在これを復旧することの困難性を申しますれば、すでに工手にはございますが、メーカーの方に貨物を引取つてしまつているというものがございます。それにその資金を出します際に、生産業者のみならず貿易業者も連帶してやらなければいけないという技術的な面がございますのと、それから全体的にやはりオーバー・ローンの問題がございまして、これがオーバー・ローン即インフレーーシヨンというようなことに考えられる関係もございますので、従つてなるべくやりたくないというのが実情ではなかろうかと存ずる次第でございます。
○小川(平)委員 個々の商品の問題につきましては、実はあとから伺いたいと思つていたのでありますが、化学局長がどこかに行かれるそうでありますから、特に塩の問題についてお尋ねいたしたいと思います。 塩の輸入は船舶の不足、あるいは運賃の高騰、それから最近におきましては中共貿易の杜絶というふうなことで、これは海外に全面的に輸入を依存いたしております関係で、非常にこれが苦しくなつて来ている。すでに二十五年度の第四・四中期においても十五万トン不足という現状になつている。さらに次年度におきましては五十万トンの備蓄をも包含いたしますれば、二百万トンはどうしても確保しなければならないという状況にあるのでありまして、放任をいたしておけばわが国のソーダ工業が非常に大きな打撃をこうむる実情になつているようであります。従つてこれに対しましては資金の面で特にめんどうを見る必要がありはしないか、あるいはまた船腹について優先的な順位を與えるとか、あるいはまたアメリカその他の地域に切りかえる等の、きわめて迅速な措置をとらなければならないのではないかと思うのでありますが、この問題につきまして御所見を伺いたい。
○長村政府委員 お答え申し上げます。塩の問題につきましては、ただいま御指摘のございましたように、日本のソーダ工業の基礎といたしまして、相当数量の塩がどうしても確保しなければならぬ状態になつているのであります。しかもこの確保しなければならない塩が全部外国から持つて来なければならないという状態になつておりますので、そこにただいま御指摘のような非常に重大な、しかも困難な問題が当面起つて参つているわけでございます。ただいまもお話のございましたように、私どもといたしましては苛性ソーダあるいはソーダ灰をぜひとも必要といたしまする需要面、たとえばスフ、人絹でありますとか、あるいはガラスでありますとか、その他日本経済に欠くべからざる各種の需要面の需要を元といたしまして、それに必要なソーダ灰、あるいは苛性ソーダ、従つてまたそれに必要な原塩、この原塩の数量を経済安定本部その他を中心にいたしまして算定いたしまして、たとえば本年第四・四半期におきましては、私どもといたしましては二十三万トン程度のものをぜひ入れたい。来年度におきましては、ただいまお話のございましたように、でき得れば二百万トンのものを属伴いたしたいと考えておるわけでございます。これの現物の確保、つまり外国から現物の塩を引いて来るという問題につき接しても、たとえば資金の問題、あるいは船腹の問題、いろいろと困難な問題がございますので、所要の努力をいたしておるわけでございますが、御承知の通り塩はただいま專売物資になつておるのであります。專売公社におきまして專売を行われまして、この現物を輸入し、あるいはこれを国内に供給するという操作をされておるわけでございます。従いまして現在の巨額の輸入の見込みなり、あるいはこれに対する現実的な措置ということに相なりますと、むしろ專売公社の塩脳局長が見えておりますので、塩脳局長から答弁願つた方がいいのではないかと思います。
○小川(平)委員 それではただいまの問題につきまして、專売公社の方から御説明を承りたい。
○村岡説明員 それではなお化学局長のお話を敷衍いたしまして、塩の輸入についての現状をやや具体的に申し上げます。今化学局長が申しましたように、主として輸入の原塩はソーダ用に充てられるものでありますが、最近特にこの方の需要が増大しておりますに反比例いたしまして、輸入の方の状況は非常に見通しが困難になつて参つております。しかしながら今お話がございました第四・四半期の二十三万トンの需要に対しましては、大体この一月から三月までの間に三十万トン程度の輸入が目下の契約状況からいたして期待されますので——もちろんこの原塩の輸入量全量はソーダ工業方面に行くのではなくて、そのほかの業務用の食糧関係でありますとかいう方面にも絶対必要量があるわけでありますが、この三十万トンの原塩の輸入が実現いたしますならば、何とか第四・四半期二十三万トン程度の需要は満たし得るのではないか、かような見通しをつけております。
○小川(平)委員 ただいまの御説明は了承いたしますが、申すまでもなく目下の段階というものは、国家として非常に大きな、いわばスペキユレーシヨンをやらなければいかぬ時期になつておるわけであります。何とか当面のところは間に合うというふうなことでは、とても将来やつて行けません。この問題はきわめて重要な問題と思われますので、專売公社の側におきましても特別の関心を持つていただきたい、こう考える次第であります。 それでは引続いてお尋ねいたします。備蓄輸入の問題でございますが、例の二十五億では数回回転をいたしましてもこの資金がとても足りないのではないか。そこで通産省としては何らか他の資金源を御考慮になつておるかどうか、何らかの構想がおありならば承りたいと思います。
○福田(一)委員 ただいま同僚議員からの質問によりまして、塩の輸入の問題については御説明があつたので、その点は一応了解いたしたのでありますが、この塩の重大性はいまさら申すに及ばないことでありますが、日本の国内産の塩というものは非常に少い。そこでこれはわが国としましては今のような現状で進んで参りますると、三年、五年、十年たちましても常に塩は外塩によるというようなことに相なると思うのでありますが、幸いきようはここに安本政務次官もお見えになつておられますから、一体今後どのような方針をもつてこの塩の不足の問題を解決して行くか、換言すれば、従来のような製塩業をそのまま続けさして、足りない分はこれを海外に仰ぐという方針によるのであるか、あるいはまたこの塩は何らかの策を講じて国内の塩の増産をはかるような意図があるのであるか、もし増産の意図がありといたしまするならば、その内容等について政府の方針を示していただきたいと思うのであります。
○小峯政府委員 御指摘の問題は非常に重大な問題であります。先ほども一般論としてお答えしましたように、自給度を引上げますことが、やはり私どもの計画の中の一環に入つております。しかし先ほども申し上げましたように、やはり国際的な分業といいますか、値段の問題もありますし大勢としましては必ずしも自給に依存する必要はなかろうかと思います。ただ現在のような環境でありますがゆえに、その方針に対してはやはり修正して考えて行かなくちやならぬ。自給度を引上げるということ、但し今までのような製塩方法で行くかどうかという問題に対しては、せつかく研究中でございます。
○福田(一)委員 ただいまの御説明は一応了承しましたが、私は安本においては特にそういうような問題を研究される部局がありますから、この塩の問題はもつと徹底して国内で塩ができないかどうか、また安いコストでできないかどうかというような問題について研究を進めていただきたいという希望があるのであります。というのは、戰時中から戰後にかけて電気製塩をやつたのでありますが、これはいろいろな面でコストが引合わない、その他の事情によりまして全部廃止になつておりまするが、最近の電気製塩の技術はたいへん進歩いたして来ておるようでありまして、工業塩は私の了承するところによりますと、今年の四月一日から四千円に引上げられる。もし電気製塩をやるとしても、余剩電力を使つて電気製塩をやるというようなことが可能であるといたしまするならば、大体四千五百円から五千円程度でできるのではないかということが、最近やや明瞭になつて参つております。この点を勘案いたしますと、わずか一割くらいのコストでもつて実際に製塩ができる。現在塩の輸入はトン当り十三ドルか十四ドルということになつておりますが、これを換算してみますと、十ドルといたしまして三千六百円、これに三ドルを加えて四千五、六百円に相なると思うのであります。今のような塩の値段であるということになりますと、これはかなり引合うような工業なり公算になる。万一それが引合わないというような場合におきましても、日本の資源を有効に利用するという見地から見ますならば、この電気製塩のいわゆる余剩電力をうまく使うということは、この際徹底的に研究してみていいのではないか。今のような安本のお考えでありますと、非常に塩が不足した場合には、すぐ問題になつていろいろ研究してみようというような考えになるけれども、塩が入つて来る。十ドルくらいならば、引合わないから、そんなものは考えないでいいじやないか、こういうふうに受取れることは、私たちに非常に残念なことでありまして、たとえば十ドルといたしましても、今の為替レートからいつて三千六百円になる。その場合に電気製塩をもう少し合理的にやる方法はないかということを考えて、国内においてもう少し塩を増産するという面を考えていただいたらどうかと思うのであります。私の聞くところによりますと、余剩電力で電気製塩をやりまして六十万トンないし七十万トンくらいの塩しかできないということでありますから、国内産の製塩を合せましても、これが実現のあかつきにはわずかに百十万トンくらいにすぎない。今国内産は四十万トンと聞いておりますから、これに加うるに七十万トンを入れたならば、約百十万トン。必要量は三百万トンでありまして、そうすればなおかつ百万トンの不足を生ずる、こういうことになる。御存じのように、日本は国際市場においては塩の輸入の最大のお客様である。それで塩が非常に足りませんから、それを輸入する場合には売手の方に主導権を握られまして、いつも高い塩を買わざるを得ないということになつておるのでありますから、われわれはその面に着目いたしまして、少くとも百万トンくらいの塩は国内で供給できるということにいたしますならば、ほかの塩ももつと安く買えるようになるではないかと私は考える。こういう面も勘案してみますと、現在の塩の値段と、これから電気製塩を合理的にやつた場合の塩の値段の差額というものは、今言つたように、一割ないしせいぜい高くても二割程度になるばかりでなく、今言つた輸入の面の塩の値段を安くすることによつて、その面から非常に利益を受ける、こういうことにも相なると考えますので、幸いきようは安本政務次官がおいでになつておるのでありますから、この点をひとつ徹底的に御研究が願いたいということを要望いたしまして、私の質問を終ります。
○小峯政府委員 懇切な御指摘をいただきましたので重ねてお答え申し上げます。私どもは制度としましては、平和態勢としての経済組織は国際分業だというふうに考えておりますが、ただ国民経済の安定度を増すためには相当の自給度を確保するということが必要だと考えております。そこで自立経済の計画の中には自給度の引上げを取上げておりますが、御指摘の塩に関しましては、御承知のように電力が非常にきゆうくつなのでありまして、やはり今日私どもが一番問題にいたしておるのは電力であります。そこでそれに要する資本の問題も、実は総合計画からいたしますと、まことに残念ではありますが、手元不如意であります。御指摘の点は十分私ども考えたいと思いますが、当面の問題としましては、今申し上げましたような事情でなかなか困難である。しかし御指摘のありましたように、安くできることを研究いたしながら、自給度を引上げるということには万全の努力をするつもりであります。ただ今申し上げましたような困難な事情から、私は先ほど消極的のお答えを申し上げましたが、その気魄、その熱意だけは十分持つておるということを御了承願いたいのであります。
○福田(一)委員 ただいま非常に私の気持を入れていただいた御答弁がありましたので、あえて蛇足を加える必要はないのでありますが、この御説明の中に、電気の事情が非常に逼迫しておるから、電力が不足しておるから、これはなかなかむずかしいじやないかという御説明があつたことについて、一言だけつけ足したいと思うことは、御存じのように、電気というものはなるほど晝非常に必要なときには不足いたしておりますけれども、私が言いました余剩電力というのは、夜間電力を使用するという意味を含めての言葉でありまして、そういう面から考えますと、電力の合理的使用ということがまだ十分行きわたつておらないと私は考える。この点も政務次官において十分含めた上での御答弁だと私は考えますが、その点はこういうこともお考え合せの上でお研究を願いたい。電気がピーク時において足りないからというだけでもつて、余剩電力がないということにはならないことを十分御了承の上で御研究を願いたいということを希望いたしておきます。
○風早委員 塩の問題で、化学局長が帰られるということでありますから、ちよつと関連質問をさせていただきます。これは中日貿易の禁止で非常な打撃を受けたわけでありますが、これに対して、今福田委員は自給度を高める、安本もそう言つておられますが、その自給度を高めるという点はもちろんわれわれも大賛成でありますが、これは小峰次官が言われるような楽観的な、ただ自給度を高めるというだけでは絶対に解決しないのでありまして、やはり輸入というものを根本的に考えなければならない。これはほかの品目とはちよつと違いますから……。そこで沿海州方面からの輸入関係の見通しがどうなるのか、台湾、インドのマズーテ島あたりからの輸入がどうなるのかその値段がどうなるのか、これらの点は非常に問題だと思うのです。ことにその値段ですが、補給金も今日はないわけでありまして、非常に高いものについていることはわれわれも承知しておるつもりなんですが、これらについて政府としては今具体的にさしずめどういう対策を考えておられるか、これをまず化学局長から伺いたい。 〔多武良委員長代理退席、委員長着席〕
○長村政府委員 ただいま御指摘のように、輸入塩の大部分は従前は近海塩であつた。大陸から持つて参ります近海塩が半分以上であつたわけでありますが、これが最近の情勢からとれなくなりましたので、当然今申されましたような地域その他の遠海塩に切りかえて参らなければならぬわけであります。最近の情勢といたしましては、特に船賃の高騰その他によります価格の高騰という傾向も見えて参りまして、われわれとして憂虞いたしておるわけであります。遠海塩の輸入に必要な措置といたしましての外貨資金の手当あるいはその他の問題等につきましても、われわれ先ほど申しましたように、專売物資の関係で專売公社が中心となつてやつておられますので、專売公社を中心といたしまして、私どももまた御協力を申し上げて、何としてでも自身は必ずこれを確保するような措置を講じて参りたいというふうに考えておる次第でございます。 価格の問題あるいは現物の輸入状況につきましては塩脳局長から御説明いにします。
○村岡説明員 なお補足して価格等の問題について申し上げますと、昨年の秋ごろまでは平均して遠海塩、近海塩若干の相違はございますが、大本十ドル以内というのがCIFの値段でございました。最近、特に昨年の十二月初め以来、ほかの物資同様海上運賃が非常な値上りになりましたために、特に塩の場合は遠海の場合ですと、前々からFOBの値段に対して船賃が二倍、三倍というのが普通でございますが、その開きが大きくなりまして、運賃は最近では地中海、紅海等の場合ですと、十五ドル、十六ドル、場合によると十七ドルというような引合いになりまして、従つてCIFの値段によると、遠海塩の場合、最近の平均では二十ドルに近いような状況になつております。またこれが手当供給地といたしましては、先ほど化学局長が申しましたように、本来は中共その他近海塩が大きなウエートを占めておるのでありますが、最近は御案内のような事情で、中国に期待することができなくなりました。従つて最近の供給の大部分は地中海、紅海方面であります。わずかに台湾からの供給が若干ございまして、すでに台湾との間に契約いたしました数量は今年度約二十五万トンでございます。この方は清々やつております。なお現在並びに将来の塩の輸入の手当につきましては、従来決済等の関係で若干困難もあつたのでございます。従来主としてオープン・アカウントの地域、あるいはスターリング地域からの輸入に依存しておつたのでございますが、情勢がだんだんこういうようにかわつて参りました上は、その他の地域、すなわちドルのストレートの支拂いのできるような地域、アメリカあるいはトルコ等からも輸入を期待すべきであるということで、そういう趣旨で折衝いたしております。こういうような方面の塩も若干の期待ができる上は、ある程度以上に輸入の促進を期待できるのではないかと考えております。
○風早委員 アメリカやトルコと言われますが、これらについてはわれわれは全然見通しについてはつきりした期待を持ち得ないわけでありまして、また今の御説明でも、これらは出ておらないわけであります。さしずめ今御答弁の中にありました中共塩との関係ですが、早い話がこういうふうなことの気持はないかどうか、これは安本次官並びに通産次官に伺いますが、エスクロー契約の済んだのがすでに二十万トン近くあつた。そのうちわずかしか入つてないのですが大体半分以上は残つておるはずだ。その残高について始末をやるというようなことは一体できないものか、またそれをやろうという気は持たれないのか、その点について御見解を伺いたい。
○小峯政府委員 御指摘の点の振替輸入の問題は、もうちよつと時間をかしていただきますと詳細に御報告できる段取りになると思います。しばらくお待ち願います。
○風早委員 もうちよつとというのはどういう御都合か知りませんが、中共貿易の問題は、だんだんにこれから各品目について、いよいよ塩より今度粘結炭などになつて参りますと、あるいは桐油とか大豆なんかになつて来ましても、これは大きいので、どれにも共通する問題ですが、しかし時をかせと言われるのは、非常に好意的に解釈いたしますと、大いにこれから頑強に折衝をやろうというような意味だと一応理解いたします。その点で、これは御承知と思いますが、西ドイツのやり方というものをこの際積極的に活用して参りたい。西ドイツにおいては同じ占領下であり、同じく講和会議は持たれておらないけれども、ヴアリデーシヨンの制度はないわけであります。拒否権があるだけでありますから、どんどんと日本が出せなくなつても。西ドイツからは出ておるわけであります。そういうようなことを考えて、これは占領下であつてもやれないことはない。十二月六日のあの中日貿易禁止の指令にしましても、あの朝通産省の課長級の人たちは、少くとも全然寢耳に水であつて、そのあとになつて新聞を見て驚愕してしまつた。おそらく次官は知つておられたかと思いますが、本省において中核をなしておる課長級の連中は全然知らなかつたというような不意打ちで、こういうめちやめちやな政策がとられることを、どうしてわれわれが黙つてそれを受けなければならないか。そういうことは問題が問題であり、日本の死活問題でありますから、もう少し国民を背景にしてがんばつてもらいたいと思います。そういう点で通産当局非常に腰が弱いので、今までのような態度でおられるならば、これは安本も同様とは言いませんが、それは百年河清を待つがごときものであつて、しばらく待つてくれと言われますが、とうでいよい返事は期待できないと思います。その点でひとつ確信のほどを示してもらいたいと思います。
○小峯政府委員 非常に御好意の御指摘がありましたが、実はその通りであります。折衝の過程や何かがありますが、私どもも十分に自信を持つて答えられるまで待つてもういたいということで、後日朗報をお伝えできると思います。
○小川(平)委員 私の先刻お尋ねいたしました備蓄の問題について、まだいろいろお尋ねいたしたいことがございますが、時間が限られておりますので、次の機会にいたすことにいたしまして、ここではその資金源の問題について御説明を承りたいと思います。
○首藤政府委員 御承知のように、本年度の予算には政府貿易の資金といたしまして二十五億円を組んでおるのであります。しかしながら先ほど来申し上げております通り、将来の日本の経済を自立経済に持つて行くようにこれを推進いたしますためには、大量の輸入をいたさなければならない。しかも相当長期に補充いたしたい。それにはどうしてもこの資金関係を十分供給しなければならないということに相なつて参りまして、二十五億円の政府資金ではとうていまかない得ないのであります。そこで先ほどもちよつと申し上げましたが、備蓄をやりたい、そうしてこれの財源を求めたいということで、ただいま関係各省との間に打合せを進めておるのであります。まだ最終的の決定をいたしておりませんので、はつきりしたお答えはできませんが、大体見返り資金であるとか、インヴエントリー・フアイナンスによります外為の余裕金であるとか、その他の借入金を相当巨額にいたしてまかなつて参りたいという構想のもとに現在折衝を進めておる次第であります。
○小川(平)委員 それではまだいろいろお尋ねしたいこともあるのでありますが、他に発言の通告者がありますので、これで打切ります。
○小金委員長 小川君の質問は後日に譲りまして、次は今澄勇君。
○今澄委員 安本の政務次官たいへんお忙しいようですから、安本の政務次官に先に御質問いたしたいと思います。 詳細な重要品目別のいろいろな御検討はございましたが、私は最初に安本の方から、二十五年度の輸入計画とこれが実績、並びに二十六年度の輸入計画につきまして、きようは時間がありませんでしようから、できれば資料があればひとつ詳細な資料を当委員会にお出し願いたいと思います。 それから重要物資の需給の対策について本年度の四月までのわずかでありますが、第四・四半期の計画と、できれば昭和二十六年度の第一・四半期の計画も、ふだんご質問する機会がないのでできればこれも資料でいただきたいと思います。 それから次に安本の責任者にお聞きいたしたいのは、どうも今日本の企業家が非常に産業経済の運営の上に悩みを持つておる。その悩みはこういつた客観情勢から日本の経済を統制して行くのか、あるいは輸入がどんどんできて備蓄ができれば統制しないでもやつて行けるのか、自由党の方針である自由経済というものが、今のアメリカ、あるいは世界の貿易協定、あるいは割当ということに進んで来ると、自由放任では行けそうもない。そこで新たな統制方式を考えるというふうに、大臣や、首藤さんが声明をされておるが、この席上でできれば新たな日本の事態に処する経済統制の方式があれば、それはどういう方式で統制をされるのか、その概略を明らかにしていただきたい。 さらにできれば品目別のものについても、安本としては肥料はこう考えておる、油脂についてはこう考えておる、石炭鉄鍋はこうだというようなことも、品目別に大体の統制計画なりを、はつきり御明示願えればなおいいと思います。
○小峯政府委員 お申入れの資料はさつそく調整いたしまして、お届けするようにいたします。なお品目別の統制といいますか、持つて行き方の御質問は、事務当局を今日は連れて来ておりませんので、これも詳細は事務当局に譲ることにいたしまして、私どもが答えられる範囲においてこれからの経済をどういうふうに持つて行くのだという御質問の点に触れましてお聞き願いたいと思います。 私どもは自由経済というものを一応主義にいたしまして、自立経済計画も立てておるのでありますが、よくこの自由経済に対しましては、第三者から自由経済すなはち自由放任だというような御批評をしてくださる向きがあります。しかし卒直に申し上げますと、放任の自由経済というものが近代政治ではあり得るはずがないと思うのであります。自由経済をやりますためにも、その背景に経済計画というものをしつかり持つておりませんと、自由経済がどこに行くかわからないということで、経済政策になろうとは考えません。私どもは自由主義経済政策を基幹といたしながら、今回三箇年にわたる自立経済計画を立てましたのも、自由経済の背景に計画経済を高度に推進して参りたいという考え方であります。この考え方はすなわち統制経済の概念から実は申し上げなければならぬと思います。私どもはマル公や配給を根幹とする統制経済というものは絶対にやらずに参れるという確信を持つておりますし、またやらないで行くつもりであります。しかし御指摘のように世界の経済が非常に激動いたしております。特殊の物資につきましては国家管理になつているような形もありますし、また国際的な割当の問題も出て来ると考えます。そういう場合におきましては、そういう條件のもとの特別な商品について国内でこれを使用いたします場合にも、その調整の問題は多少出て来ると思います。しかしその場合も官僚統制といいますか、マル公や配給による統制の方式は避けるごとによりまして、今私どもの考えておりますのは、具体的な法案の中で申し上げますと、臨時物資需給調整法がこの三月三十一日で期限が切れるのであります。そこでこの臨時物資需給調整法を全部とつ拂つてしまうということは、私どもの建前からいえば実は好もしい行き方なのでありますが、今御指摘のような環境の中でこれを一挙にはずすことはいささか形式を欠くと考えますので、この臨時物資需給調整法の延期を国会にお諮りいたしたいと考えております。但しその場合に、今までのままでお諮りするのでありませんで、世俗にといいますか、一般に自主統制あるいは自治統制という言葉でいわれております統制といいますか、嚴密にマル公と配給の統制とを区別いたしますまでは、調整というふうな言葉の方が当るのではないかと私ども考えておりますが、その調整ができる措置は、この臨時物資需給調整法の中に附加いたしまして皆さんにお諮りいたしたい考えでおります。それはあらゆる物質については困難だと思いますが、供給者の少い、あるいは需要者の少い、大体基幹産業につきましては業界の申合せで調整ができるのではないかと期待いたしております。その場合に、先ほども通産政務次官からお話がありましたが、事業者団体法や独占禁止法に触れて参りますので、臨時物資需給調整法をそういうふうに運営いたしますためにさしさわりになる範囲につきまして、独占禁止法及び事業者団体法の緩和を考えて参りたいのであります。しかしその場合、独占禁止法や事業者団体法は日本の経済民主化の線でありまして、いわゆる経済憲法にも匹敵するものでありますから これがそのために悪用されても実は困ると思うのであります。すなわちこれがもし自発的に業界の話合いで調整が必要だという意味で、みだりに行われるようになりますと、かえつて法の精神を乱すことになりますので、私どもはこの扱い方をどうきめるか。そこで業界の申合せを政府でオーソライズするような形でこの調整のやり方を確認して行つたらどうだろうか。そこでその方法として考えられますことは、業界で話合いをいたしまして、こういう方法でやりたいからひとつ政府で承認してくれないかというふうな申出、これを政府が承認する場合もあります。また逆に、政府からこの物資について調整措置を必要とするから、どうか業界で話合いをしてくれないかという申入れをする場合もあると思います。この二つの場合どつちを選ぶかということになりますと、もし業界の自発的なことでこの申合せをするようなことになりますと、政府がもし認可しない場合には、さかのぼつて独占禁止法や事業者団体法に触れることになりますので、そうしますとその罰則規定が適用されることになりますと、業界の好意がかえつてあだになるような危険もあります。そこで私どもは必要な物資につきましては、政府でしかるべき調整が必要だという意思表示をいたしまして、その意思表示に従つて業界が申合せをいたしまして、その内容を政府に持つて来る。それを政府が認証といいますか、許可いたしまして、今の自主統制を運営して参りたい所存であります。全体から申し上げますと、マル公や配給によるいわゆる統制経済というものはやる考えはさらさらありません。ただ物資によりましては、また国際経済の変動に応じましては、調整を必要とする向きにつきまして、今のような措置を主として基幹産業について考えて参りたいと考えておるのであります。この点があるいは新しい調整措置ということになりましようとも思います。今私どもが新しい事態に応じまして、調整の必要の場合とろうとしておる方向のあらましは以上の通りであります。
○今澄委員 詳細な御説明で全貌をつかむことができましたが、ただ私は、そういつた今安本の計画しておる重要基幹産業に対する業界の調整を主とした統制方式は、一体具体的に申せばどの品目とどの品目にされるお気持であるか、その概略の、あなたの考えておられる鉄鋼なり肥料なり何なりというふうな品目をひとつあげてもらいたい。 もう一つは、消費規正を行われるかどうか、いわゆる価格におけるマル公とか何とかというものはおやりにならないか、消費規正を嚴量にやつて——輸入によつて日本の国内の備蓄をやれば、消費規正はやらないでも、その流れを統制でとめようとするのか、末端の消費規正まで進まなければいけないとお思いであるか、その点ひとつ明らかにしていただきたい。
○小峯政府委員 具体的な適用する品目につきましては、なお研究中でありますが、まず最切に考えなければならぬものは、おそらく鉄鋼などに出て来るのではないかと思います。これは、通産政務次官もおられますが、綿布などに対しましても、何か違つた形で、その内需の確保をするというようなことも考えられておるのではないかというふうな感じがいたしております。なお末端の民間消費規正の問題でありますが、不足物資につきましては私は割当は必要だと考えますから、絶対不足した物資特に輸入物資につきましては、消費制限というようなものを考えていいのじやないかと思つております。ただ一般の生活物資に対しまして、今までのような割当配給による消費規正は考えたくない、また考えずに済むと考えます。むしろ元でかじをとりまして、輸入資材の確保の問題とかあるいは卸の段階、生産の段階で一応の話合いでもして行くというようなことになりますれば、末端まで取締ることは、かえつてあるものはもぐらせる意味で危險になるのではないかと考えております。だから末端におけるマル公配給は、繰返して申し上げますが、絶対に実施する計画はございません。
○今澄委員 そこで通産政務次官にお伺いしますが、今安本の、現下の物資需給に関する大体の態度が明らかになりましたが、通産省としては、そういつた方針のもとに行われて、今の産業の発展の上に支障があるかないか、さらにできれば石炭、鉄鋼等の品目別に、今の安本の計画通りにやれば、どういう具体的な方策でなければならないかということについて、通産政務次官から御説明を願いたいと思います。
○首藤政府委員 政府の今後の経済に対する方針は、安本政務次官が御答弁されたとまつたく同様でありまして、そこに何らの相違はございません。そこで鉄鋼その他具体的にどういう統制をするかという御質問でありますけれども、現在のところでは統制といいますか調整といいますか、いずれにいたしましてもさような措置をする必要に立ち至つていないのでありまして、しかもかりにそういう事態に立ち至りましても、なおかつその当時の需給数字によつて対策もおのずからかわつて来ると思うのであります。ここに型にはまつたような、これはこういうことにするのだという断定をすることは、いささか尚早だと考えておるのであります。
○今澄委員 今の政務次官の御答弁は抽象的ですが、大体現在のこういう経済状態のもとにおける日本の産業構造、わが国の物資需給の計画並びに国民大衆の食糧を含めた大きな対策というものは、今の安本の政務次官、通産省の政務次官の御両所の御答弁では、私は現在の事業界や国民大衆が持つておる焦燥の感と不安とはぬぐうことはできぬと思うのです。私はこの委員会で、御親切な、大体統制の方針、これこれこういう品目についてはこういう方針、これこれは統制はするが、こういうふうな方針である。これこれはどうも絶対少いものであるから、消費規正をやつてこうやるのだというような、明確な御発表を期待してこの委員会に臨んだのでありますが、もしできれば近い機会に、そういつた問題についても政府が明確な態度を示して、業界を安心させ、国民大衆をも信頼させるというような明確な線を出してもらいたい。そう言うゆえんは、去る十四日付の日本経済新聞には、池田大蔵大臣の談話として、日本のような物資の少い国で統制をやつたら経済の復興はとまつてしまうというようなことが、明らかに書かれておるわけであります。これらのものを見ると、そういつた統制とか何とかということは、この内閣ではやれないのじやないか、客観情勢はどうしてもそれらのものを要求しているようだがというようなジレンマに悩む国民に対しては、私はもう少し明確な——大蔵大臣が考えておられるような線が閣内において強いのか、今の安本政務次官の考えはなかなか進歩的で、われわれも同感の点が多多ありますが、そういつたような方向でずつと前進して行くのかという点について、私は大臣からもう少しつつ込んで聞きたかつたのでありますが、小峯さんからいま少しつつ込んだ御説明のできる点でもあればお願いしたいと思います。
○小峯政府委員 私は大蔵大臣のおつしやつたことも私どもの気持と違つていないと申し上げたいのであります。言葉のあやでありまして、おそらく大蔵大臣は、経済の能率を一番あげなければならない時期であるから、経済能率をあげるという意味からいうと、自由経済原則が一番いいのだということを言つておられたと思います。しかしどういう表現をいたしましても、現実の問題で影響の出て参ります問題、国際割当の物資の問題などが出て参りますれば、そのプリンシプルは時に応じて多少の変差があつてもいいものだと考えております。一体自由経済自由経済といかにも無方針のように言われる方も少くなく、あるいは今澄さんも腹の中ではそんなことをお考えになつているのかもしれませんが、自由経済といいましても先ほど私が申し上げましたように、表面で筋書を見せていないだけでありまして、その背景で政治的な考慮と計画の線に沿つて十分やる。その政治力があれば実は表面に現われるものは少くていいのだ。私は逆に私の答弁からだけでも実は業界は安心していただけるのではないかというように多少のうぬぼれを持つておりますが、この線はどこまでも追求して参りまして、企業活動や、あるいは消費者撰択の自由を制限するような形の統制はやらずに済む。背景における政治的なかじのとり方に、もし政治家が一生懸命になつて仕事をすれば必ずできるのだ。まだそのくらいの段階なんで、それ以上にあまり神経質に世界経済を見ることは、むしろこの際とるべきでないというように考えているわけであります。
○今澄委員 今自由経済論議を政務次官と闘わしてもしかたがありませんが、われわれは今の政府がとつているようなそういつた態度ではなまぬるい、とても今日の経済要望にこたえ得られないのではないか。まず第一に肥料を取上げて質問いたします。私は少くとも肥料の配給公団をはずして肥料を自由販売にしたらどうか。自由販売になつた肥料については、今農林省、通産省では議会においてもいろいろその一元化が叫ばれているが、まずこれが生産の部面並びに配給の部面を見ても、現在の肥料の値段というものは輸出も押える、これは自由経済の姿ではない。国内における値段も、購販連との間に自由な取引をやろうとすれば、これもそれ以上に上げてはいけない、高過ぎるではないかといつて大臣が業界を呼んで押える。そうしてせつかくきまつた値段もまたやり直して安くなるというような現実の肥料の姿は、農民が要望するだけの肥料が日本の国内において確保されるためには、どうしてもそれは形こそ違え、自由経済ではなくて政府のにらみと重圧のもとに肥料の価格を不当に抑えているということは、過般の答弁において明らかであります。しからばわれわれはその一例である肥料についてこういつた状態か進行して来ると、肥料配給公団のようなものを設けて肥料を配給なさるのか、あるいは全国購販連を中心に肥料の自主統制をおやりになるとするならば、どういうような形において持つて行かれて、これらの資金その他のめんどうはどういうふうに見られるのか。現在の肥料の需給状態を見て、これが自由販売であり、経済活動をフルに動かしたものとは思われない。現在の肥料の状態は、工場コストの原価を割つた値段で需給が成り立つているのである。これは一つの破壊生産である。こういつた破壊生産でしばらく食いとめられているという姿であるが、この肥料の現実からしても、安本ではしからば肥料は今後どういうふうな方針をとられるのか、値段を自由に放任されるのか、それとも統制の段階を明らかにされるのか、こういつた具体的な例をもつてひとつ業界を安心させる方途をお示し願いたい。
○小峯政府委員 肥料の問題のお尋ねでありますが、私どもが考えております自由経済というものが、実はそれを展開している過程でありまして、あなたも御承知のように、戰争で非常にゆがめられた日本の経済の與えられた條件のもとで、私どもなるべく経済能率を上げるために、自由経済の精神を導入しようという考え方なのでありまして、まだわれわれの考えている自由経済が今全面的に現われているとは決して申しませんし、またそういうふうに御想像くださることもあるまいと思うのであります。従つてまだ過渡的な形なのでありますし、その間に今までの調整の残る面が相かみ合わさつておりますこともこれは御了解願えると思います。ただ私どもは経済能率を一番上げなければならぬ時である。資本蓄積をしなければならぬ時代であるし、日本の経済というものが戰争で穴だらけになつたので、これを積極的に穴埋めするという意味で、能率を上げ、特に標榜する自由経済精神を生かそう、いわば今までの與えられた條件の貧弱さ、われわれのねらつておる経済との間のジレンマの姿が現われておるのでありますから、その姿だけで御批判くださることは非常に残酷なような気がいたします。
○今澄委員 今の私の質問から全然はずれておるのでありますが、私が今取上げた肥料というものについては、しからば現在の方針でそのまま行かれるのか。新しい自主統制という姿になりますと、具体的にどうなるか、安本政務次官なり、もしぐあいが悪ければ通産政務次官より承りたい。さらに安本政務次官に、あなたの考えておられる日本の需給調整の今後の方式を結論づければ、輸入第一主義でおやりになるか、それとも自主統制というものを主軸にしておやりになるか、それらの根本的な問題もひとつあわせて御答弁が願いたい。
○小峯政府委員 自由経済の一番の主体になるねらいといいますか、特徴は、私は生産の増加にあると考えるのであります。いろいろの点で統制をいたしますと、最小限度の一番低い條件で、その生産なり経済活動を切られる懸念がありますので、自由にいたしますことは生産の増強の刺戟になる、かように考えておるのであります。肥料の問題にいたしましても、もちろん電力の問題もありますし、その他の資材の問題がありますが、今努力いたしております電力も、漸次発電計画も実を結んでおるのでありますし、あるいは送電線のロスの逓減なんかの問題もきいて来ると思いますし、生産をふやして、表面をいじらずに元をふやして肥料の問題でも解決する以外に方法はないと思います。ただその場合に、その生産が起つて来るまでの間、私が先ほど申し上げましたような精神、自主的な、あるいは指導的な面で調整して参りますことは当然必要だ、かように考えておるのでありまして、問題は生産を増す、その生産を増す姿といたしましては、自由経済の精神を追求するのが一番効果的であると私は考えるのであります。
○首藤政府委員 肥料の問題は、御承知のように農林省が最終的決定をいたしますので、私から申し上げるのはどうかと思いますが、しかしながら現政府の経済に対する根本的理念から考えまして、さらにまた肥料の原料面から考えましても、さらにまたその必要性より考えましても、将来肥料に対して統制するということは万々あるまい。またとるべきものでないというふうに考えておるのでありまして、ただ今後とるべき対策はでき得る限り増産を推進する、これで足りるものである、また増産をしなければならぬものであるというふうに考えておるのであります。ただいま御指摘の、価格に対して人為的にこれを規正しておるという御説でありましたが、これに対しましては私はその事実が全然ないとは申し上げませんけれども、先ほど小峯政務次官からも言われました通り、昨年七月末統制を撤廃いたしまして、年末までは過渡期であつた、この過渡期と申し上げるのは、御承知の通り長い間公団が全部これを取扱つておりまして、普通の商人というものは全然介在していなかつたのでありますが、自由経済に移行いたしますとともに、全国至るところに、何万という一つのリーラができた。このリーラとメーカーの荷物の契約、あるいはリーラの消費者に対する販売計画、これらのものが非常に過渡期にありました関係上、一応ある面に偏在した。また一つは統制を撤廃いたします場合に、かようにたくさんできるリーラの手持ちというものを考慮に入れずして需給の計画を立てたのではないかというふうに考えられる節もありまして、一時的に予想よりも供給が不自由になりましたので、価格は意外に高かつた。従つて高ければ農家経済に直ちに重要な影響を與えますので、多少好意的な勧告によつて価格を押えた事実はあるのであります。しかしながらその後各メーカーの増産によりまして、全国各地のリーラの手持ちも大体希望する額に達しておりますのと、消費者の需要も大体推定できるようなおちついた姿になつておりますので、今日では、価格に対しましてとかくの勧告をする必要もないところまで行つておるのであります。おそらく今後もさような事態は起らないで済む。ただ一遂に、できる限り増産いたしまして、内需に応ずるとともに、その余裕を輸出に振り向ける、この方針を進めて行きたいと考えておるのであります。
○今澄委員 大体政府の考えているところはわかりました。時間がないので討論はしませんが、今の国内物資の問題については、自主統制にゆだねるか、あるいはそれとも増産をして対抗するかという二つの道のうち、どれを重点にとるかということについては、安本の政務次官から答弁がなかつた。私は生産を増強するという対策から行けば、今の現実では輸入という問題が当面の大問題だと思う。この輸入は、政府の錯誤でその実績は上つておらない、五億ドルも遊ばしておる。輸入第一主義をとつて、当面は自主統制を堂堂とやるのだが、なるべく内需に手をつけないで伸ばして行くのか、それともただちに自主統制に手をつけてやるのか、どういう見通しを持つておるのかという点についての政務次官のもつと明白な答弁をひとつお願いしたい。
○小峯政府委員 お答え漏れしたかもしれませんが、御指摘の点を明確に申し上げたいと思います。私どもは生産の増強を主軸に考えたいのであります。従つて輸入原材料の確保に重点を置きたいのでありまして、それを根幹と考えます。またそれが自由主義原則の当然の結論だと思います。しかしそれでもなおかつ必要がある場合には、最小限度の調整という意味で、自主統制というものを考えたい、さように御承知願いたいと思います。
○今澄委員 そこで輸入をまず第一番に考えて経済の基礎を固めたい、こういう御意見だとすれば、輸入対策についても政府は本格的な手を打つておらなければならぬが、おそらくいろいろ他の同僚から質問があつたと思いますけれども、現在の輸入についての政府の打つ手は非常に手ぬるいような気がしておるのであります。そこで私は、今政府輸入からだんだん民間輸入に切りかえられて、先般の通産政務次官の答弁では、民間輸入というものを非常に大きく取上げるのだというような話がありましたが、安本としては、この民間輸入と政府輸入の二本建で行つておるけれども、重要物資については政府輸入であつて、その他のものは民間にまかせるというような方式をとられるか、それとも漸次民間輸入で全部やられるのか、政府輸入に対しては、どいうような将来の見通しを持つておられるかということを伺いたい。 なおできれば二十六年度の輸入計画について、政務次官は概括でも計画をお持ちなら、それをひとつこの際お教えを願いたいと思います。
○小峯政府委員 輸入の問題の手の打ち方が遅いという御指摘なのでありますが、お考え願いますればわかると思いますが、つい最近まで日本経済のねらいといたしましては、輸出の促進に非常に重点をおいて来たと思います。従つてこういう事態になつて、輸入をあわせて行わなければならないということになりましてからの頭の切りかえというものは、多少時間にずれがあつたと思います。またまたそのときには世界がセーラス・マーケツトになつておるのでありますから、すぐそう簡單に輸入の問題が実績を上げるというようなことは、少し早のみ込みに過ぎるような感じがいたします。しかし私たちはできるだけの手を打つて参りましたし、また今までの政府貿易から民間貿易に移すという線に沿つても、その線を拡大することが輸入実績を上げる上には一番よいのだというような考え方で、民間貿易を拡大する方法をとつて参つております。幸いに輸出が今まで順調に参りましたおかげで、御承知のようにドル資金が若干たまつて、それを持つことができるようになつております。同時に船の問題が輸入の方では非常に問題になつておりまして、買付ができましても、船の問題で支障のありますものも当然あるはずでありますから、私どもは自由なドルの資金があつて、一方に船が持てさえすれば、なおこの輸入の問題は必ずしも悲観する必要はない。同じ、物を買い付けます場所にいたしましても、平たい言葉で言いますれば、もうきまつた市場、世界の銀座通りだけで買つたのではいかんのじやないかと私は思つております。自由なるドルと船さえあつて、世界からこれを買い集める方向に行きますれば、もつと輸入の問題は促進されるのではないかというふうに考えております。この点は前の戰争中の孤立経済と違いまして、好意のある国国が漸次ふえておるのでありますから、コマーシヤルな條件次第では、船さえ用意すれば物が手に入るという考え方で、輸入資材確保の重点を船に置いておりますこともあるいは御承知だろうと思います。従つて私どもは予定の計画を進めて参つたのでありまして、うぬぼれかもしれませんが、決して計画が遅れたということは考えておらないのであります。ただ多少時間的な点で問題が起きたという意味で、御指摘のようなことになつておるのだと思いますが、その計画をなお強力に進めておりますので、必ずや輸入の面におきましても、なるほどというような数字が漸次見ていただけるのではないかと思つております。
○首藤政府委員 今澄委員から輸入が非常に遅れておるではないかという御質問がありましたが、この前も私から申し上げたと存じますが、昨年の六月二十五日朝鮮事変が勃発いたしまして、日本経済はむろんといたしまして、世界経済に重大なる変化があつたのであります。明年すなわち本年でありますが、各国の軍備拡張が必ず惹起されるであろう、従つてこの機に日本経済をいやおうなく自立させなければならぬ、それにはまず第一に輸入を促進しなければならないという基本的な考え方のもとに、昨年一・四半期の輸入は大体一億ないし一億二千五百万ドル内外であつたものを二・四半期には一気に四億ドルにふやし、また三・四半期におきましては、三億八千五百万ドルにふやしたのであります。さらにまた四・四半期におきましては、五億ないし六億ドルという厖大な計画を現在進めておるのであります。従つて輸入が非常に遅れているという御意見については、実態はいささかそれとは反対の状態になつといるということを御報告しておきたいと存じております。昨年六月までの輸入量は、一箇月に大体四千万ドルないし六千万ドル程度でありましたが、昨年十一月は九千万ドルになり、十二月は一億ドルになり、さらにまた一月は一億一、二千万ドルくらいの価格になつておるのであります。むろんこれは相場が相当高くなつておりますことも影響いたしますけれども、大体において数量を相当ふやしておるのであります。しかも輸入の促進に対しましてはいろいろなネツクがありましたが、これらもユーザンスの制度とか、その他いろいろなネツクを拂拭いたしまして、できるだけ早目に輸入の厖大な促進をはかりたいということについて、あらゆる努力を拂つておるのであります。ただいま小峯政務次官が言われましたことく、当面船腹の問題が一番大きな隘路となつておりますが、この問題に対しましてもあらゆる努力を拂つてこのネツクを排除いたしたいということについて、現在関係筋と折衝いたしておりますから、早晩御希望に沿うような大量の輸入が実現できるものと確信しております。
○今澄委員 大体の輸入計画の荒筋はわかりました。ただ私が指摘したいのは、少くとも計画経済の上に立つて日本の経済を持つて行こうという考え方ならば、輸出がどんどん行われておれば、情勢がかわつた場合にそう急激に輸入をやらなくても済むわけだが、国内の需給を自由にまかせようという原則の上に立つ現在の政府が、内需の原材料がなくなるのにこれらの輸入の手の打ち方が現在のような状態で、しかも自主統制はそれらの生産増強の付随手段としてしか用いないという方針を持つておるので、現在の経済政策としては、それはあまりにも理論の上からいつても遅きに失するし、ずさんなものであるというような疑問を持つたというだけのことであります。政府においては、輸入の問題について、金融上においてもユーザンスの期限延長であるとか、工業手形の再割引、緊急物資輸入基金の借入れ制度というようないろいろなものがありますが、これらのものをわれわれが一連的に考えてみると、この軍需によつて上つて参ります——諸外国の原料の高くなること、輸入高、これらのものが急激に、今の通産政務次官のお話のようにどんどん入つて来ると、わが国の原料は大分高くなる。こうなつて来ると、自然日本の生産物も高くなつて、現在大蔵大臣の言つておる健全財政のもとにおいても非常にインフレ的な姿が国内において再現するというおそれがあると思うが、安本当局としては、こういつた輸入政策並びに今のインフレ傾向についてはどういう対策を持ち、どういうお考えで臨まれようとしておるか、この点もひとつお教えいただきたいと思います。
○小峯政府委員 国際経済の一環として日本の経済が組み入れられるようになつておりますから、私は国際物価高を完全に遮断する方法はないと考えております。ただその影響をなるべく少くいたしますために、先ほど来申し上げるような輸入優先の方式や、あるいは必要な場合には自主的な調整を考える、かように申し上げておるのでありまして、ただその場合も国際物価の反映で物価が高くなるということは、同時に輸出においても、輸出物価も上るということなのでありまして、私は赤字の財政から来ない限り、物価高をすなわちインフレだというふうに簡單におつしやつてしまうことはどうかという気がするが、生産が広がりながら、事業規模の拡大をしながら物価が上つて行くというような現象を、ただちにもつてインフレとおつしやつていいかどうか。国際経済の一環でありますから、それを遮断する方法はむずかしいのでありますが、なるべくその影響を少くするように努力はいたします。しかし根本的に私は赤字の財政から来ない、いわばかり需要といいますか、そういう財政消費から来ない場合には、インフレだというような形でなしに、むしろ経済の積極的な循環なのだというふうに解釈いたしております。
○今澄委員 今の政務次官の御答弁は、私どもはこういつた経済事情のもとにおいて、日本の経済が諸外国の経済と比べて、先ほど政務次官みずから言われたように、特殊な段階にあつて、今急に批評されるのは酷であるほど弱い。資本主義経済再建の途上においても非常にこれは弱い経済である。しかるにその弱い経済が、国外のそういつた大きな物価騰貴というものを、日本の国だけの特殊な事情だけで守り得る何らの方策もないということで、しかもそれを自主統制によつてはやるが、価格統制というものはやらないのだということになつて来れば、私は今の企業家がある程度不安を持つておるということもやむを得ないのじやないか、これらの不安にこたえる明確な施策を安本は持ち合わしておらないというふうに思います。ただ問題は、物価が上ればこれはやはり勤労者にとつては大きな生活難なのだ。結局はそういつた一切の物価だんだん上つて、賃金が上らないという姿にこれがまわつて来るとすれば、これは産業自体の運営の上においても、労働力の問題からも大きな問題になる。ただ私は、さつき同僚小川委員の質問があつたが、政府は今後備蓄輸入に全力を注ぐか、あるいは自主統制でこれを切り拔けるのか、自主統制は、価格統制を絶対にやらないと言われたが、今のあなたのそういつた考え方から来ると、最後には価格統制まで進まなければならないだろうというおそれをわれわれは持つが、それらの点についての政務次官のお考えでもありましたら、ひとつお教えを願いたいと思います。
○小峯政府委員 私は備蓄をやりますことは、私どもの経済のかじのとり方と矛盾しないと思います。なるべく生活必需物資に関しますものは備蓄の量をふやすように努力するつもであります。先ほどの価格統制まで及ぶ云々の問題は、実はこれは御見解の相違になるだろうと思いますが、私どもはそういうことをやれば、ますます経済を混乱させるだけだというふうに考えております。 なおまた先ほどこういう環境のときには、自由経済方式でやるというようなことについての御指摘でありましたが、私はもし日本の経済が動かなくて、ただじつとして海外からの影響を遮断すればいいだけの経済でありますならば、そう問題はないと思います。御承知のようにようやく日本の経済が拡大再生産の過程に入つて来ておりますので、その勢いをとめることが、かえつと私は国民のためにならぬと考えますものですから、実は国際物価高の影響がありましても、やはりそういう線に考慮を拂いながら自由経済方式を進めて行くのがいいのだというふうに考えておる次第でございます。
○今澄委員 大体私の時間が来ましたが、私は今の安本の説明を聞くと、日本の産業経済の大きな計画から見て、どうも心もとなきを得ないわけでありますが、具体的な問題で最後に一点お願いいたしましよう。二十六年度の鉄鋼の生産計画なども、先ほど私は各重要基礎産業の品目別の大体の計画をお話願いたいと言つたけれども、これに対しては政務次官からは何ら具体的なお話がないので、抽象的な質問ばかりになつたわけであります。 今度は肥料から鉄鋼に移りますが、われわれが押えておるような四百万トンということに一例をとつて、これが前提條件である中共地区からの輸入の原料——あるいは原料炭、鉄鉱石においても約五十万トンといわれておる輸入の計画、これらのものを比べてみて、今あなたの言われたようなやり方で鉄鋼生産計画の四百万トンの実現というものについてははたしてどうであるか。米国より原料を入れてもらわなければならぬが、その米国自体が御承知のように強力な統制に入つて船賃などもだんだん高くなる、原料炭においても二十八ドルから三十ドル、鉱石も二十五ドル、こういうふうな状態で、中共からの輸入は国際関係と現在の状況からだんだん希望が持てなくなる。こういうことになつて来ればこのような高い原料が特に価格と相当開いて立る、これらの調整をどういうふうにするかというような問題についても、今あなたの言われた説明では私ども具体的に納得ができない。それら重要物資の需給対策としてはいろいろな方法があるわけであります。ただ私は今のあなたの説明を聞いて、政府は自由主義経済時代のような自由放任は上ないのだ、これはある程度計画の上に立つた経済で運営されるということについてはどうか十分その方面に頭を向けられて——ことに私は政党政派の対立でなく、個人として申し上げるが、こういつた重要なときには、イデオロギーを離れて、国家民族の大きな問題として、これらの需給計画というものの上にはほんとうの妥当な線を出さぬことには——私は講和條約の問題も重大だが、経済の問題もさらに重大であると思う。小峯さんはぜひそれらの問題をさらにいろいろ勘案されて、りつぱな御計画をお立てを願いたいと思う。一例をあげた鉄鋼のこれらの問題について通産、安本両省から詳しく御説明を承ることにして私の質問を終ります。
○小峯政府委員 鉄鋼の問題は本年度大体三百五十万トン、来年度もそれを上まわる生産が確保できる見込みで別ります。今御指摘の鉱石や強粘結炭の問題がありましたが、私どもはこれを輸入先を振りかえまして確保できる見通しは、九分九厘と申し上げてよいくらい実は持つておりますので、鉄鋼の問題は御心配かけずに大体行ける見込みであります。振かえ先はアメリカでありあるいはカナダであると思います。非常に御熱意のある御指摘をいただきましたが、私も必ずしも政党政派にこだわるわけでありませんで、計画は緻密に迅速にやりまして、御指摘のような線に沿うように最善の努力をいたすつもりであります。
○首藤政府委員 ただいま小峯政務次官が答弁された通りでありますが、大体鉄鋼につきましては通産省は現在の需給状態から見て、さらに将来の状態を推測いたしまして、四百万トンをぜひとも生産いたしたいという構想を実は立てておるのであります。これに対しまして鉄鉱石は今後どうしても輸入しなければならぬと考えますが四百七十五万トン前後必要と見ておるのであります。御承知の通り一番大きな供給先の中共が現在通商が遮断されておりますので、勢いアメリカ、フイリピン、マレー、インド、こういうところから供給を受ける予定をいたし、それぞれ手配いたしておるのであります。しかしながら中共の方も全然できないと言うのはいささか早過ぎるのでありまして、現に最近は雑貨等のバーターの申込みがありまして、現在折衝をいたしておるのであります。これは先ほどもどなたかから御質問がありましたが、塩の場合にも同じことでありまして、かようなバーターによりまして、塩あるいは鉄鉱石につきましても、相当の輸入が可能ではないかというふうに考えておる次第であります。なお粘結炭でありますが、これも国内では大体四十万トンぐらいできるのでありまして、従つて鉄鋼四百万トンに必要とする粘結炭が二百七十万トン前後でありますので、これらの不足分は、これまたアメリカ及びその他からの輸入の計画を進めておりまして、現在十二分に獲得できる見通しをつけております。
○小金委員長 本日はこの程度にいたしまして、次会は明日午後一時より開会いたし、本日に引続いて重要物資の需給の件について調査を進めます。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時四十一分散会