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10回国会衆議院1950/12/16

通商産業委員会 第2号

発言数
71
登壇者
15
会派数
3
開催日
1950/12/16

会議録

小金義照自由党

○小金委員長 ただいまから会議を開きます。  本日は特に委員各位より、年末金融状況に関して発言を求められておりますので、公報に掲げてあります通り、中小企業及び石炭鉱業関連産業についての年末金融の問題を取上げて、調査を進めたいと存じます。  なおお諮りいたしますが、以上の問題につきまして、参考人として日本銀行及び商工組合中央金庫の方々から御意見を承りたいと存じますが、御異議はございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小金義照自由党

○小金委員長 御異議がないと認めます。それではそのように決定いたします。  委員の御発言は通告の順に従つてこれをお許しいたします。  それでは私がこの席から商工組合中央金庫の副理事長佐藤さんにお尋ねいたしますが、最近の組合関係の金融について大体の現状を承ることができれば仕合せと存じます。

佐藤鐶商工組合中央金庫福理事長

○佐藤参考人 今の委員長のお話でございますから、最近の中金の実情をひとつ御紹介申し上げることにいたします。  現在貸出金が約九十億円だと思います。その資金源はどういうようにいたしているかと申しますと、出資金が十億、そのうち五億は自己資金によつて、五億が見返り資金からの優先出資であります。それから征券を発行しておりますが、これが六月から七、八、九、十、十一と、今まで六箇月に二十四億円であります。それから日本銀行の別わく資金を借りておりますが、これがいわゆる通常の別わくが十七億円、それからジエーン台風関係の災害復興関係の別わくが二億、合せて十九億円であります。そのほかに預金でありますけれども、これが今日約四十億ございます。そのうち一般の組合から受けております頭金は十五億円足らずでありまして、地方公共団体から受けております預金がやはり十三、四億円、そのほかに政府の預金が八億、そういうふうなことで約四十億円の預金を持つております。今申し上げました預金の四十億、債券の二十四億、それに出資金の十億、それから日銀の十九億の別わく、これらを資金源といたしまして九十億円の貸出しをいたしているわけであります。それではこの貸出しにによつて今後年末金融はどうなるかということでございますが、年末の貸出しはただいまの予定では約百七、八億円になると予想しております。これから十七、八億円増加するわけであります。従来の実績を見ますると、八、九、十、十一月くらいに毎月大体十億円前後の貸出しの純増をいたしております。今月は貸出しの純増が約二十四、五億になり、月中の新規貸出しと申しますのが五十億円以上になりまして、そうして純増が二十四、五億円、こういう予定でございます。従来の三、四箇月の新規貸出しが二十七、八億円でございますから十二月に五十億の貸出し純増をいたしますと、大体中小金融の、特に組合金融の年末を越す分はほぼまかない得るのではないか。ただ組合からの申込みその他をさらに広く取上げて行くことになりますれば、資金は多々ますます弁ずる方でありますが、現状ではその程度に考えております。  申し落しましたが、現在取引組合数がどのくらいあるかと申しますと、出資組合が約六千五百、出資した組合は一応取引する建前になつておりますから、組合全体の数が幾つかということは、これは中小企業庁に伺いませんとわかりませんが、二万くらいといたしましてそのうち六、七千は中金の融資の対象になつているわけであります。

小金義照自由党

○小金委員長 ただいまの佐藤さんの御説明について何か御質問はございませんか——なければ私がこの席からちよつとお尋ねいたします。ただいまの概略の中金の貸出し状況並びに年末貸出しの御計画は承りましたが、中小企業と申しましても、業態がいろいろ違うし、また企業の規模が違うと思われるのですが、あなたの方でもしおわかりになれば、組合を通じてどういう中小企業の規模のものへ一番金が流れて行つているか、また年末に際して相当困るのは小さい企業だと思いますが、それに対して何らか中金としてのおとりはからいができるかどうか、その点を伺いたいと思います。

佐藤鐶商工組合中央金庫福理事長

○佐藤参考人 今商工組合中央金庫の融資の対象というお話だつたと思いますが、私どもは大体どういう層を第一に取扱つているかと申しますと、市中銀行から楽に融資を受け得る業者、これはもう中金でお取扱いしなくてもよい。上と申しますと変でありますが、上層部は市中銀行から融資を受けられるのであります。一番零細な方はどうかと申しますと、これは国民金融金庫なりあるいは信用協同組合なりあるいは無尽会社なりから融資を受け得る層でありまして、そういう層があると思います。上の方は市中銀行から融資を受け得る層、零細な方は今申しましたような公庫、無尽、信用組合等から融資を受けて成立ち得る層でありますが、その中間を商工中金で協同組合を組織せられたものについて融資をしたらよかろうということであります。その層がちようど今日の金融上のギヤツプになつておりまして、そのギヤツプが埋め切らぬために、私どもの方へ融資のお申し込みをする方が多いであろうと考えております。そこでこれをさらに具体的に申しますと、上層の市中銀行から融資を受けている方は全然来ておらないか、あるいは無尽会社なり信用組合を利用しておられる方が全然来ておらないかというと、そうではないのでありまして、現に市中銀行とお取引があるけれども、市中銀行としては、この業者の方には五百万円ならば五百万円、三百万円ならば三百万円しか信用の程度を見て融資ができない。そのわくを越える分につきましても、私どもの方は、市中銀行と金融のベースが多少違いますから、われわれの方のベースから考えると融資できる、こういうものも取上げております。また国民金融公庫なりあるいは信用組合、融資会社等を組合員個々としては御利用になつておるけれども、組織体としての組合を通じてさらに商工中金を御利用になる、こういう向きもあります。従つて銀行なりあるいは庶民金融機関なりタブる面もありますけれども、ごく大ざつぱに申しますと、その中間の層を主として融資いたしておる実情でございます。そこで今委員長のお話にございました零細な業者に対してどういう融資方針であるか。こういうことでありますが、零細と申しましても、おそらくいろいろあると思います。たとえば私どもの方できわめて零細と思つて取扱つておりますのは、露店の組合でございます。これは関係方面の指示があつたと思うのでありますが、露店を撤廃しなければならぬ。それで露店を出しておつた方が集まつてどこかでひとつ仕事をしなければならぬ。そこで露店商の協同組合というものをつくつて、その協同組合に信用保証協会の保証をつけて、私どもの方からおよそ三年くらいの期間で御融資をいたしております。これは個々の組合員に見ますると、担保力もほとんどない、またお取扱いの範囲も非常に少いという業者でありますけれども、これはきわめて零細な例ではないかと思います。これは組合を組織することによつてひとつの信用力を得、さらにその組合に信用保証協会の保証をすることによつて、その担保力を加えまして、そうして私どもの方の融資の対象として取上げておる、こういうような実情でございます。また企業組合等も、個々の組合を見ますと、相当零細な面があるわけであります。これらも私どもの方の融資の対象になつておる、こういう事情でございます。

小金義照自由党

○小金委員長 日本銀行の調査役の大里さんにお尋ねしますが、ただいま商工中金の佐藤さんのお話によりますと、日銀の別わくの中で通常のものが十七億円ということに伺いましたが、これは年末その他の金融の忙しい関係の際に増額していただくというようなことはできないでしようか。

大里勝馬日本銀行営業局調査役

○大里参考人 ただいま委員長の御質問がありましたので、お答えいたします。中小別わくはただいま商工中金に対しまして、先ほど副理事長のお話のありましたように、十七億それからジエーン台風関係としまして二億五十万円というわくを組んでおりますが、大体ジエーン台風を除きまして、一般の別わくの方は、ほぼ限度一ぱいに使つておると思います。しかしこの別わくは年末のような一時的な金融繁忙のための融資はわれわれは考えておりませんことと、それから商工中金が今年の六月から債券発行のウエートも高めて来たそれから今後の預金部の債券の引受けも見込まれる情勢になりましたこと、この二点の理由から現在のところは別わくを特にふやす考えはございません。また特に商工中金の最近の融資の一件あたりの金額も増大いたしておりまして、別わくの対象以外の融資もかなり進んでおるように承つております。ちよつと私の考えを述べさせていただきました。

小金義照自由党

○小金委員長 加藤鐐造君。

加藤鐐造日本社会党

○加藤(鐐)委員 御説明を聞いていなかつたので、どういう御説明があつたかよくわからないのですが、中金の方にお伺いしたい。中金は長期設備資金を対象として貸出されると私は承知しております。しかし実際には長期資金を中金から借りることがなかなかむずかしいようなことをしばしば聞くわけですが、大体貸出しの内訳はどういうふうになつておりますか、期限は大体どの程度であるか、その内容、短期資金と長期資金との内訳、あるいは流動的な資金と設備資金との内訳について一応御説明を願いたいと思います。

佐藤鐶商工組合中央金庫福理事長

○佐藤参考人 今の御質問は長期資金をどのくらい出しておるか、またその期限はどうかというような御質問だと思いますが、ただいまのところは長期資金として出ておりますのは、融資額の約一割でございます。約七億、期間は大体三年以内になつております。これはどうして三年以内になつておるかと申しますと、私どもの方で出しております長期資金というのは、利付債劵商工債券でございます。従つてこれは一応三年の期間内の資金ということで大体三年に見合つております。これは実は興業銀行等におきましても、割引債券が現在三年の期間でありますので、大体の期間が三年になつておるように承知いたしております。今の御質問の中金は主として長期資金を供給する機関であるのに、融資その他がなかなか困難であるという御趣意のお話がございましたが、実は債券を出しまして長期資金を獲得いたすようになりましたのは、この六月からでございます。それまでは組合からの短期性の預金あるいは地方公共団体からの預金にいたしましても、三箇月とか半年とかせいぜい一年の程度であります。来年度にはたして継続し得るかどうかが多少疑問のものもあります。  それから日本銀行の別わく資金は、これはいま大里さんからお話があると思いますが、大体一年以内で回転し得る資金を見よう、こういうことであります。六月までは長期資金がございません、六月以来毎月二億の利付債券を発行いたしまして、その資金を初めて長期に一部使い得る——六月から実は本格的に設備資金わ出したのであります。それまでは資金源その の点から御融資の申込みにも十分応じられなかつたという状態であります。これからは預金部引受けによる長期資金がふえますから、つとめて設備資金の方に出したい、実は現在以上に長期をこなしませんと、私どもの方の採算の点から申しましても困るというような実情にあります。

加藤鐐造日本社会党

○加藤(鐐)委員 そうすると大体一年以内のものは設備資金にはお貸しにならない、こういうお話のようですが、私は企業の内容によつては設備資金に一年以内の期限において貸しても必ずしも回収が不可能ではないと思うわけですが、この点はどうなりますか。一年以内の範囲において設備資金に貸出しになるか、一年以内のものはすべてこれ流動資金であつて設備資金にはお貸にならないか。

佐藤鐶商工組合中央金庫福理事長

○佐藤参考人 設備資金で一年以内であればなおけつこうであります。今までは利付債券の関係で、三年以上のものはなかなか受付けにくい、こういうことであります。

加藤鐐造日本社会党

○加藤(鐐)委員 そのお話でよくわかりましたが、しかし地方に参りますと、たとえば支所であるとかいうところに参りますと設備資金はお貸しできない、短期の設備資金は絶対にお貸しできないということを言明しておられる所がある。どこで言つたかということを申し上げてもよいが、そういう所がある。だから私はお聞きしたのですが、その点はどうですか。地方でそういうことを言明しておられる所があるのですが、あなたの方はそういう方針ではないわけですね。その点はつきりお答えを願いたい。

佐藤鐶商工組合中央金庫福理事長

○佐藤参考人 今の一年以内の設備資金を出さぬということは言うはずはないと思いますが、これはどうもいろいろ断ります場合に、もし行き違いがありますれば、やはりとかく含蓄を持つて断つたり、あるいは金融機関というものは露骨にものを申さなかつたりいたしますので、何かあるいはこちらの申し方が悪かつたりすることもあろうかと思います。ただ先ほど申しました通り、従来は長期資金源がございませんでしたので、自然設備資金はなるべくお断りして短期資金源による短期融資の方を主にしておりましたから、あるいは店舗長等におきましてもそういう趣旨をそういう言葉で申し上げたかもしれません。今後は長期資金についても、もしそういうことがございましたら、どうか御遠慮なく私どもの方へも一度御連絡いただきますようにお願いしたいと思います。

加藤鐐造日本社会党

○加藤(鐐)委員 よくわかりました。  それから年末融資の問題について、銀行融資でもそうですが、生産業者に対する融資はなかなか調査に手間取つて、急の間に合わない。ことに特殊銀行ですとその弊が特にはなはだしいように思うのですが、年末融資等につきましては、中金においては迅速にお貸出しになるかどうか、その点をはつきりお答え願いたい。どのくらいの期限で間に合うかということを明確にお伺いいたします。

佐藤鐶商工組合中央金庫福理事長

○佐藤参考人 今の融資を迅速化することは、あえて年末に限らず、実はわれわれの方も常時やらねばならぬと思つております。ただ最近いろいろの御批評もありまして、人手あるいはその他の関係からいろいろ遅れておる面もあろうかと思います。ただここでちよつと申し上げておきたいと思いますのは、私どもの方は最近になつて非常に新規の取引がふえております。と申しますのは、協同組合法というものが昨年成立いたしまして、今年の春ごろから新しい中小企業等協同組合法によります新規の組合が実は続々設立されておりまして、その新規の組合がまた続々お申込みになるというふうな実情になつております。いかなる金融機関にいたしましても、新規にお取引をいたします場合に、ことにその取引組合が新しくできてその組合としての活動の実績がないというような場合、これはやはり新しい取引であり、しかもその融資対象が新しくできたものでありますから、自然調査等に手間取るということも多かろうと思いますが、年末に際しましては、御必要な資金は迅速に年内に出すように全力をあげてやつております。審査部等におきましても、審査課長等もおりましてできる範囲でやつておりますので、御了承願います。ただ何日ぐらいでやれるかということになりますと、具体的な個々の例もございますので、その辺はひとつ実情に即してということで御勘弁を願いたいと思います。

加藤鐐造日本社会党

○加藤(鐐)委員 これはひとつできるだけ迅速に扱つていただきたいということを強く希望いたしておきます。  最後にもう一つ、対支貿易が禁止されまして相当ストックができると思うのですが、それに対する金融は相当考えておられるかどうか。これは首藤政務次官にお伺いいたします。

首藤新八自由党通商産業政務次官

○首藤政府委員 御承知の通り中央向けの貿易は、朝鮮事変の急激な変化からやむなく一応ストツプするという処置をとつたのでありますが、これに対しましては、御承知の通りこの春以来輸出保険の制度を設けておりまして、現在調査いたしましたところによりますと、その契約のほとんど全部が保険に加入しておるのであります。従つてその方面から補償いたしますることによつて、大体業者にはあまり迷惑はかからないと考えておるのであります。ただしかし多少不安のありまするのは、中央向けの輸出価格はかなり高いことであります。他の方面に比較して大体最低一割ないし二割は値段が高くなつておりまするので、この品物の処分にあたつて、よそ向けの契約と比較して多少損失が多くなつているようには考えますが、しかし仕入れ植段は大してかわらないと考えるのでありますから、利益が減つたということだけにとどまると考えております。同時に、その金額が保険されておりまするので、実質は業者にはあまり打撃を与えていないというふうに考えておるのであります。

田代文久日本共産党

○田代委員 今次官から中央向けの輸出価格はほかより一、二割高いとおつしやいましたが、これはどういう理由ですか。

首藤新八自由党通商産業政務次官

○首藤政府委員 これは向うとの商売でありまするから、向うの方が割合に高価で買うということがこういうことになつておるのであります。

田代文久日本共産党

○田代委員 これに関連して今ちよつと出た話ですが、たとえば輸出禁止の問題、それから朝鮮の動乱の様相が最近急激にかわつて、これの中小企業に与える影響、それから今後これはどの範囲までどのように及ぶかという見通し、これらについて政府は大体どんなふうに思つておられるか、わかつておりましたならば伺いたい。

首藤新八自由党通商産業政務次官

○首藤政府委員 おそらく見通しについては何人もはつきりした意見は持ちかねると思うのであります。ことに日本といたしましては、さような見通しをつけることは実際問題として困難が非常にあると思います。

田代文久日本共産党

○田代委員 現在まで中小企業にどういう影響を及ぼしているかというようなことなんです。

首藤新八自由党通商産業政務次官

○首藤政府委員 御承知の通り、本月六日にストツプいたした関係上、どういう影響が来るかということはまだ表立つて現われておらないのでありまするが、先ほど加藤委員の御質問にお答えいたしました通りに、相当の金額のものがストツプされておるのであります。しかしこの面におきましては、一応輸出保険によつて補償いたしまするので、金融面における打撃はあまりないというふうに実は考えておりまするけれども、しかしながらどうせ積出し中止になつた品物ですから、処分しなければならないのでありますが、一時に処分いたしますると多少全般的な市価に影響しやせぬかという不安は若干あるのであります。それともう一つは、中共向けの品物は特殊のものが大部分でありまして、他に転用がきかぬという狭められた範囲がありまするので、処分するにあたりまして、その点も多少困難ではないかというふうに考えられておるのでありますが、御承知の通り全体的に鉄鋼の需要が非常に旺盛なときでありまするから、この特殊のものは処分に一応困難を来すかもしれませんが、しかしそれがために鉄鋼全般に影響するということはないというふうに考えておるのであります。

田代文久日本共産党

○田代委員 特殊のものというのはどういうものですか。

首藤新八自由党通商産業政務次官

○首藤政府委員 パイプその他でありますが、それがよそ向きのパイプとサイズが相当違つているそうであります。その他の品物もいろいろサイズが違つているので、よその方に転用ができないという実は報告を受けております。

小金義照自由党

○小金委員長 澁谷雄太郎君。

澁谷雄太郎自由党

○澁谷委員 ただいま年末の金融問題についての御説明がありましたが、それに関連しましてちよつと伺つて置きたいことは、これは根本的な問題から申しますれば非常にむずかしい問題になると思います。海外かち原材料を輸入する業者に対する金融方面の、日本全般の金融業者の頭かまだはつきりしていないのではないかとわれわれは考えるのであります。一つの例を申しますると、たとえば戦時物資のゴムのごときは本年の一月当時と現在との状態を比べてみますと、少くとも三倍もしくは四倍近くに原材料が値上りをしている。ところがこの原材料の手当に対するところの業者の資金というものは、経営のいかんにかかわらず非常な困難な状態に陥つている。ところが一般の取引におきまして従来の金融業者と話合いをしておりましても、なかなかそれが理解できない。ところが原料がそういうような極端な値上りをしておりますれば、いかに堅実な経営をいたしておりまする業者でも、これは資金の面でもつて非常な困難な状態に追い込まれますることは当然であります。こういうことに対するところの金融業者の理解というものは実際に徹底していないのではないか、それはある一面におきましてはせんだつての輸入のユーザンスの問題とか、あるいはその他の面も若干の考慮は払われているけれども、実際問題といたしましては一般の金融業者にこれが徹施をしない。もちろんそういうふうな状態になりますと、金融業者から見れば、業者が現在営業状態が非常に不振に陥つているかのごとく見えるのであります。しかしそれは平常の状態におきまして業者が不振の状態に陥つているのではない、特殊な戦時物資のために、それらの原材料を手当するためにそういうふうな多額の資金を要する。ところがその手当ができないために結局業者は非常な困難な状態に陥れられている、こういう実情なのであります。それで一方におきましては御承知の通りにまだ有効需要というものは、日本国内の全体の面から見ましてそれだけの海外の原材料の値上りと並行して国内の販売価格というものが上つていない。従つて業者は非常に苦しい立場に追い込まれていると考えるのであります。政府自体はもつと徹底的にこれらの問題を解決しないと、必要欠くべからざる産業が場合によつては資金の面でもつて生産が非常な減退を来さなければならない。生産の減退はかりでなく、場合によつてはそれがために倒産しなければならないような実情に追い込まれる。これらの状態を金融業者、政府当局はほんとうに真剣に考えているかどうか、これが私一番大きな問題だと思います。本日は金融に関係のある方々の御出席が多いようでありますから、日銀はもちろんのこと、各方面の方々の私は腹蔵ない御意見をひとつこの際御披瀝を願つておかなければならぬと思います。日銀、中金のお方がおいでになつておりますので、各代表者の方々からそのことについて明確な御答弁を願いたいと思います。

大里勝馬日本銀行営業局調査役

○大里参考人 ただいまの御趣旨はよく拝承いたしました。われわれも決して国内の金融を詰めて物資の流通を不円滑にし、あるいは生産を押えるというような意思は毛頭ございませんので、今の御趣旨の線に沿つて考えておるわけでございます。現に私は営業局におりまして、これは私の専門外でございますので、外国為替のことその他はほかの事務担当者あるいは役員の方から御説明願わなければいかぬと思うのでございますが、外国為替も今お話がございましたように、ユーザンスの制度ですでに円価に換算して千億を越える貸付をやつておるわけでございます。これが来年の一、二月ごろになりまして、そのユーザンスの期限が来てしまつたあとの国内の金融の問題が非常に大きな問題になるということはよく承知しておりまして、その場合に対処するように各銀行の方もそういうふうに督励ないし指導しておる状態でございまして、原材料の輸入を不円滑にするというような措置は万々とつておらないということは申し上げることができると思います。現に輸人のものにつきましても、綿花の輸人につきましては綿花手形の制度をやつておりますし、石油の愉人などにつきましてもスタンプ手形で有効の措置を講じております。その他重要な輸入品についてはそれぞれ個々の業者の方の金繰りを検討して、銀行の査定した範囲では十分に見ておるつもりでおります。これ以上具体的なことは私担当しておりませんので、ここで申し上げることもできないと思いますので、なお御質問がありましたらお答えいたしますが、大体この程度でお答えとしたいと思います。

澁谷雄太郎自由党

○澁谷委員 輸入資金の問題につきましては、おわかりにならなければその程度でけつこうだと思いますが、この問題に対してはもちろん政府当局が根本的な対策を考えなければならぬ。たとえばいわゆる重要物資の備蓄の問題とか、あるいはそれらの問題に関連しまして、これは根本的に考えなければなりませんが、この機会にはその問題はあとに譲りまして、私の希望することは、国内の産業の運営に現在非常に大きな支障を来しておるわけであります。たとえて申しますと、今まで一月ごろにはゴム原料の場合を考えますと、一トン十三万円から十三万五千円だ。ところが現在では一トン五十万円であります。同じ一トンの原料を使う工場でも前にはトン当り十三万五千円の資金があつたならば用が足りた。現在では五十万円、最高は六十万円近くまで行つておる、そういうふうな非常に大きな値上りをしております。これは業者なりあるいは従来の取引銀行との関連ぐらいではその資金の欠乏を乗り越えることが実際困難だ。これは普通の状態でもつて二割上つたとか三割上つたとか五割上つたとかいうことならば、まだまだ何とかいやしくも営業を営んでおる業者でありますれば、それを乗り越えるすべは相当持つておると思いますが、これが二倍もしくは三倍というような極端な値上りになつて参りますと、普通の手段ではなかなか乗り切ることができない。それらの事情を金融業者がよく理解していただかぬと、せつかく今日まで参つておりまして、現在音通の状態でもすでに相当困難な状態に追い込められているものが、今わだかまつておりますいわゆる中小企業に対する年末資金の問題、それが一般の普通の状態であつて、そういう状態になつておるのに、それに加えてこういうふうな特別な原材料の値上りに対しまして資金がいるというようなことが起つた場合に、日銀初め各関係の金融業者にこれらの事情をよく理解していただかないと、そういう特殊な原材料を使つておる業者からの申入れに対して、いかにもそれらの業者が経済的に行き詰まりでもしておるかのごとくに取扱われまして、そうしてかえつて信用を非常に落されるようなおそれがある。これは業者の罪ではない。外国のそういう戦時物資のために値上りをしておる。さればといつてやめてしまえば日本の産業が破壊するおそれがある。こういう場合におきまして各金融業者がこれらの事情を十分理解することができるかどうかを、私はお伺いしておるのです。今の日銀の方からの御説明はそれだけにして、中金その他の方々のこれらの問題に対する腹蔵ない御意見を伺つておく必要があると思います。どうぞお漏らし願いたいと思います。

大里勝馬日本銀行営業局調査役

○大里参考人 先ほど私の御説明が足りなくて、あるいは御満足いただけなかつたと思いますので、ちよつと補足さしていただきます。それは今ゴムを例にとられましたが、これは確かに朝鮮事変前の三倍前後に上つておることはわれわれもよく了承しております。それにつきまして、ゴム関係の工場、そういうものに対する金融は、少くとも金融機関から申請あつた限度においては、われわれも十分考慮しておるつもりでございます。ただ輸入原材料の値上りによる金融の膨脹ということは、ある程度われわれもやむを得ないと思つておりますが、国内の物価をも引上げるような金融はやりたくない、こういうことでございます。

佐藤鐶商工組合中央金庫福理事長

○佐藤参考人 今のお話の、海外からの輸入原材料はもちろん、その他国内の、原材料も最近非常に値上りをしております。そのために従来の取引先の運転資金、原材料仕入れ資金というようなものも非常に膨脹しておりますが、それらは当然その原材料が値上りをしておるのでありまして、従来の操業度を続けて行きますためには、運転資金が増加する。こういう部分はその限度において、私どもといたしましてもその融資先にそれだけの資金量を流しませんと、かえつてその融資先がつぶれたり生産不振に陥つたりいたす危険もございますから、筋の通りました原材料の値上りによる運転資金の増加というものは見ておると思います。ただもし問題が起きますならば、御承知の通り、資金量全体の制約がありまして、それを全部見たいのだが、金がないというのがあるいはあるかもしれません。営業部長がおりますが、ただいままでのところ私どもの方では協同組合についてはそういう事例はないように思つておりますけれども、繊維関係その他におきましてもずいぶん原料資金というものは膨脹しております。ちよつと営業部長にかわりまして、もし実例がありましたら申し上げます。

高沢富久寿商工組合中央金庫営業部長

○高沢参考人 原材料の値上りによる運転資金の増加の問題でございますが、これはただいま副理事長から御説明がございましたように、ベースに乗るものでございます場合には、大体において取上げてやつております。但し説明がございましたように、中金全体の運転資金にまわすべき資金量の問題と関連しまして、ベースに乗つても出すべき資金がないという場合もございますので、そうした際には御希望の金額全部の御融資に応じ得ないという場合もございますが、大体において私どもの方への組合からの申入れに対しましては、ベースに乗るものでございました場合には、一応取上げてやつておるような状態であります。

小川平二自由党

○小川(平)委員 関連して……。この輸入のための円資金の問題は早くから本委員会でも取上げておられまして、言うまでもなくこれは喫緊の問題であつて、早速にも解決しなければならぬ問題でありますにもかかわらず、今日まで何ら具体的な方途のお示しがないわけであります。今承りますると、日銀の方ではユーザンスのためにすでに十億も出しておるというお言葉でありますが、大体輸入手形の一覧払いというようなことは本来変態のことでありまして、そんなことは戦前にはどこにもないことである。三箇月のユーザンスがついたということは、いわば常態に復した、あたりまえの状態になつたというにすぎないのでありまして、その後の段階の資金が今非常に大きな問題になつておることは申すまでもないことであります。聞くところによれば、ユーザンスの期限が年内に切れるものだけでも百億あるとか百五十億あるとかいわれておる。この問題はどうしても早急に解決しなければならぬ問題であると考えるのであります。前回の委員会で通産省の振興局長の御説明を承つても、明春までに輸入物資の引取り資金として少くとも七百億くらいのものが必要になつて来る、こういう御答弁であつたのであります。しかるにもかかわらず、何ら具体的な方策がない。研究しておるというふうなお話でありますが、これはもう一刻も捨てておけない問題であるということは、いわば衆目の見るところではないかと私は考えております。今日ドル資金がたまつて、四億あるとか五億あるとかいわれておりますけれども、これは緊急欠くべからざる必需物資の輸入を政府が怠つておるからこういう結果になつておる。きようはぜひともどういうふうにしてこの問題を解決なさるおつもりか。これは日銀や大蔵省にまかせて捨てておける問題ではないと考えますので、通産次官の明確な御答弁を承りたい。

首藤新八自由党通商産業政務次官

○首藤政府委員 朝鮮事変を契機といたして、アメリカを初めソ連その他が競うて軍備拡張に非常に熱狂し出した。同時に国際商品がこれがために異常な値上りを続けておる。従つて加工の上輸出貿易に依存しておる日本といたしましては、どうしてもできる限り時間的に早く、そうして量的に多く輸入を敢行いたして、次に来る輸出を有利に導く。これが完全に参りますれば、国民待望のいわゆる自立経済がこの機会に達成する望みありという根本的な見解から、今年の二・四半期以来輸入に関しては相当努力いたしまして、金額的に申し上げますれば、一・四の場合は一億二千五百万ドルであつたが、二・四では合計四億、三・四で三億八千五百万ドルの実は輸入計画をいたしておるわけであります。従つてそれまでは貿手でどうやら決済しておつたのでありまするけれども、かように輸入が急激にふえて参つた。しかも相当内地にストツクを持たなければならぬという点に思いをいたしますると、貿手ではとうてい金融的に間に合わないということから、ユーザンスの制度がつくられたわけであります。しかもそのユーザンスは三箇月特殊のものによつて四箇月でありますが、それらのものも大体一月、二月には期限が到来する、その後に一体どうなるか、これが今日最も大きな関心事だと考えておるのであります。従つて政府といたしましても、この点に格段の関心を持ちまして、先般来来朝されておりましたドツジ氏に対しましても再三再四この点の実情を申し上げて、何らかの措置を講じてもらいたいということを要請いたしたのであります。すでにお聞き及びかとも存じまするが、これがために備蓄法案を構想いたしまして、それによつて民間輸入に対するユーザンスの期限の切れたものに対して金利、倉敷、できるならばある程度の相場変動による損失もカバーしよう、そうしてもつて民間の輸入促進をはかりたいという強い希望を実は持つてやつたのでありまするが、不幸にしてそれはできなかつたのであります。しかしできなかつたからといつて、このまま放任いたしますれば、このユーザンスの期限到来とともに当然迫つて来る金融が非常に輸入者を困難な立場に追い込むのみならず、将来の輸入に対しましても大きな暗影を投ずることになりまするので、先般来この問題につきましては、大蔵省を初めといたしまして、さらに総理大臣に対しましても、直接この間の事情を申上げて、至急に格別の金融措置を講ぜられるべく要請いたしておるのであります。従つて越年後におきましては何とかの処置が講ぜられるであろう。また講じなければならぬ。もしこれが円滑に参らなければ、今後の輸入に至大な影響を及ぼしまして、せつかく朝鮮事変で自立経済が確立できるかもしれぬというこのチャンスを失するおそれがあるのであります。われわれといたしましては何とかしてこの機会に日本経済を自立させたい、それには最も隘路であるこの金融問題を解決いたしたいという点に、強い熱意を持つておることを申し上げておきたいと思うのであります。

小川平二自由党

○小川(平)委員 この問題につきましてはなおお尋ねをいたしたいことがたくさんあるのでありますが、本日の議題から次第に離れて参りますし、今日も依然として具体的な解決策のお示しがないのは非常に潰憾であります。このことは一日ももはや放置しておけない問題でありますから、どうか通産省当局におかれまして、格段の熱意を持つて至急に打開策を発見していただきたい、このことを強く要望いたしておきます。

澁谷雄太郎自由党

○澁谷委員 備蓄の問題に入りましたから……。その問題は今小川さんのお話の通りで、あとにいたしたいと思うのであります。これはなかなかむずかしい問題であり、また最も重要な問題であると考えますので、これは別の機会にゆつくり関係当局の御出席を願つてからお伺いしなければならぬと考えます。  金融の問題ですが、今御説明を伺つておりますと、相当に金融問題については御配慮を願つておることと考えます。今までもその例がよくあるのですが、こういう委員会の席上で伺つたときには、まことにもつともなことを申しておられますが、しかしいざ委員会が済んでしまつて、実際に民間の実情を見ますと、なかなかそういうふうに行つていない場合が非常に多いのであります。これは私非常に遺憾に思います。もちろん金融の問題でありますから、相手方の信用程度その他にも関連性がありますので、一概に私は当局の方々がうそを言われたとは考えません。しかし今度は中小企業に対する保険制度なんかもしかれまして、いろいろの面から中小企業を救済すべく、政府当局も非常に努力を払つておるし、また政府自体としましてもこの際相当な犠牲を払わなければ、現在の中小企業の苦境を乗り切ることは困難だと存じます。これは政府がある程度までの損失を見込んでまでもその苦境を乗り切る方策を考えないと、今までのような金融業者が万全な策でもつて表向きの法案なりあるいは規則を行つておるというようなことで、ただ相手方の信用——これは組合でも、個人の場合でも同じでありますが、相手方の信用ということにかこつけて、そうして資金の貸出しを渋るようなことのないように、もつと積極的に進んでいただかないと、せつかくいろいろのことをやりましても、それは絵に描いたぼたもちみたいなもので、結局何にもならぬということになるのではなかろうか、こういうふうにわれわれ考える。やつた以上、あるいはこういうような事態になりまして、ある程度まで中小企業に対する金融の問題を特に考慮をされるならばされるように、実際にもう一歩踏み込んでやつていただきたいことを特にお願いする。これは決して皮肉でもなければ攻撃でもありません。われわれは実際にそれらの面を日夜聞き、また見ております。たとえば各方面から金融の申出でをしましても、実際に完全に成立した数はきわめて少いのであります。こういう実情から考えまして、特にその点をお願いいたしまして、私の質問はこれでもつて終ります。

阿左美廣治自由党

○阿左美委員 同僚議員よりいろいろ質問をせられまして、大体質問は尽きておるようにも考えますが、私は聞いたわけではない、体験者でございますから、専門的に簡単に質問申し上げます。協同組合に対しまして貸出し総額は現在いかほどありますか、佐藤さんにお伺いいたします。

佐藤鐶商工組合中央金庫福理事長

○佐藤参考人 今日約九十億であります。

阿左美廣治自由党

○阿左美委員 御承知の通り、中小業者は中金を中心にして金融を現在でも受けておるが、今後も受けなけばならぬと思うのでありますが、先ほど同僚議員からも申しました通り、実際の問題になりますと、その融資を受けるということが非常に困難な状態で、やはりベースに乗るものという条件がついて来る。そのベースに乗るものということになると、いずれの方から見ましても、確実なる同收の見込みが容易である、また用途その他あらゆる方面から見て確かなものということになるのであります。中小企業に対しましてはそう確かなものが現在多数あるわけではないのでありまして、多少なりとも現在の中小企業に対する窮状を救うのには、そこに多少の手心がなければならぬと思いますが、現在までの貸付方針によりますと、実際の行き詰まつた中小企業に対する金融はでき得ない、困つておる者に対しては金は貸せないという結論になるのですが、やはり今までと同じような方針において今後融資なさるのですか、お伺いいたします。

佐藤鐶商工組合中央金庫福理事長

○佐藤参考人 今の御質問なかなか含蓄があつてむずかしいのですが、すでに御承知の通り、商工中金は現在債券を発行いたしておりましても、市中銀行に、あるいは将来預金部において引受けてもらうにいたしましても、これは返済せざるを得ない。つまり損をしてもよろしいという金ではないわけであります。しかし今阿佐美さんがおつしやいましたような、ベースに乗らないものを市中銀行が取上げておらないかというと、私はそういうふうには思いません。最初に申しました通り市中銀行のベースに乗らないものをいかにしてベースに乗せて取上げて行くかというところに私どもの使命がある。同じ金融ベースにしましても、市中銀行の金融ベースと、こういう特殊の機関の金融ベースとはそこにおのずから差異もありましようし、また市中では非常に手間がかかり、いろいろ指標やアドヴアイスをしてもベースに乗せるには困難なようなものを扱つたために、たいへん手間を取つたと思いますが、従来はいろいろごめんどうを願つてとかベースに乗せる形に持つて行つて融資をするという形でやつております。ただそれについて担保がないとか、信用力が不足であるが、将来の事業見込みのあるものは信用保証協会の活用もいたしておりますが、今後信用保険制度ができましてこれを活用いたしますれば、特に私は中金の融資も幾分かわつて来るのではないかと思つております。すなわち従来は信用保証協会の保証にも限度があつて、担保力もないということで、どうにもベースに乗せ得なかつたものが、信用保険制度によつて初めてベースに乗つて来る。従つて私どもの方もこれの活用によつて多く伸びるのじやないか、こういうふうに思つております。

阿左美廣治自由党

○阿左美委員 ただいまのお答えで大体了承いたしますが、実際はなかなか困難でございます。佐藤さんからいつも気持のよい御回答をいただいておりますが、事務的にはなかなかそう簡単には行かないのであります。どうも理事諸君はうまいことを言うが、われわれのところではそういうわけには行かない。そこに営業部長さんがんばつておられますから、今度はひとつ営業部長さんにお聞きいたします。

高沢富久寿商工組合中央金庫営業部長

○高沢参考人 大分おしかりを頂戴したのでありますが、私の方はいわゆる窓口でございまして、ベースに乗るかどうかという点の審査をやつております。私の方には一定の方針がございまして、まずもつてその方針によるかどうかという点を審議いたしまして、そのときにはもちろんある程度の資料の御提供も願う、まつたくのお話合いだけで貸してもらいたいとおつしやつても、ちよつとこれは応じられないようなわけであります。従つて御提出を願いました資料によりまして、これならばベースに乗るという場合に、営業部の関門を一応通るわけであります。そしてさらに全国的に審査する審査課にまわりましてそれで初めてできるというような仕組みになつておるのであります。私どもの方はいつも阿佐美さんにお小言を頂戴するわけでありますが、なるべく簡単にやりたいという気持は持つておりますが、しかし簡単にもおのずから限度がありまして、実は地方の実情はよくわかつておりません。従つてそれらの実情がわかり得るような書類の御提出を願うということがまずもつて先決問題ではなかろうかと思うのであります。そうしてベースに乗るというような場合に初めてやれるということになるわけでありまして好んで複雑な着類の御提供を願つたり、あるいは融資のできないような方向に持つて行くという気持は全然ございません。その点は御了解を願いたいと思います。

阿左美廣治自由党

○阿左美委員 なかなか実際問題となりますと、うまく行かないので、実例をあげて申し上げると、こういうようなことになるのであります。組合から融資を申し込みますと、まず組合が一つの債務者になり、組合の役員はこれに個人保証をいたします。またそれは組合員が融資を受けんとすれば、組合員個人の担保を要求され、担保は金庫側の査定による担保を要求通り設定をするのであります。そうしてその額はきまります。そういたしますと、借りる人の連帯保証を要求され、それにやはり応ずる。そういうことになりますと、せつかく融資の道は立てておりましても、いろいろ手続の上に難点を生じまして、結局金を借りるということはでき得ないという結論になるのでありましてこれらの取扱いの方法を多少なりとも緩和しなければ、せつかく組合融資というようなことができましても、今後組合保険制度ができましても、結局業者には融資ができない。いわゆるベースに乗らぬという結論になるのでありまして、ベースに乗る、信用があるものならば、地方銀行におきましても融資を受けられる、あえて業者が中金によらなくても地元銀行において融資を受けることはできるのでございまして、そこに中金の業者に対する制度に多少の欠陥があるのではないか。よくこういうことを申しております。農林中央金庫と協同組合との関係、それから商工中金と組合との関係は多少そこが違う。農林中央金庫の方が組合に対するめんどうの見方がよろしい。またその要求に応ずる。どうも商工中金は官僚式である。組合に対するめんどうの見方が不足だというようなことを常に業者が不平を言つておりますが、これらのことに対しましても、ひがみばかりではないと思うのでありまして、多少そこに取扱いの点に対して相違があるのではないかというふうにも考えられますので、これらに対してもひとつ御研究を願いたいと思うのであります。  それから設備資金に対する融資でありますが、これは非常に金利が高い。現在三銭五厘を要求せられているのですが、この三銭五厘という金利は業者としては実にたえかねられないと思うのですが、これに対しで今後も三銭五厘を要求されるのかどうか。それともいろいろ今後制度もかわつて参りますし、保険制度もできましたような関係から、金利を引下げていただくことができるかどうかお伺いいたします。

佐藤鐶商工組合中央金庫福理事長

○佐藤参考人 第一点の連帯保証の問題はお話の通り組合の運営をなさいます上から申しますと、実は中金はまつたく御説の通りたいへんめんどうなんです。組合の保証もいる。またさらに組合員の連帯保証もいる。場合によつてはさらにそれに添加いたしまして、担保も欲しいというようなことになるわけでありますけれども、これは阿左美さんの方の組合でありますと、すでにもう歴史も沿革も古いというような組合でありましてそれについてはまたいろいろありましようけれども、ごく全般的に申し上げますと、この制度についてさらに何う検討してみないかという御質問であつたと思うのでありますが、ここで金融のベースに乗り得ない、信用度も低い方が、ひとつ組合を組成して、そこに組織体としての組合によつて初めて金融の信用力を得よう、こういうことになりますと、自然やはり組合の委員が連帯して保証するから、個人々々では借りにくいが、あるいはその連帯保証で貸してもらえないかというような例もあろうと思いますが、やはりこれは組合金融といたしましては、役員の保証以外に、場合によつて個人保証をする、また場合によつては担保をとるということも、今日これをただちに改正するわけにも参らぬかと考えている次第であります。ただ中金が融資いたします場合に、組合の運営が真に筋金が入つて、ただ組合を利用して借りたいというものでなくて、組合としてほんとうに共同に生きて行こう、共同に仕事もして行こう、共同に金も借りて行こうという、そういう組合をわれわれは融資対象といたしたい。それには組合員が、組合の役員をよく信頼しており、組合員としての団結も強固である、そういう人の組合でありたい、融資の際にもいろいろ申し上げたいこともあろうと思いますが、そういう点についても、皆様にも御理解を得ておきたいと思います。  それから設備資金に限らず、運転資金も非常に金利が高いと思いますが、現在利付きで申しますと、応募者の利まわりは八分五厘でございますが、発行者利まわりになりますとどうしても二銭五厘くらいになる。さらに私どもの方は実は人件費が非常に低いのでございます。そのためにいろいろと御批判もある点でありますが、現在非常に少数の人数で多くの融資額を取扱つておりますために、経費率というのは実は非常に安いのであります。市中銀行に比べますと、半分までは行きませんけれども、大体五分の三くらいの経費だと思います。それでも、実は先ほど申しましたような、設備について三銭五厘をとりませんと引合わぬような現状になつております。ただ預金部引受けの債券がだんだんふえるわけでありますが、これは実は現在まで伺つております範囲では、大体長期債を主にするというように伺つておりますが、中金の現状におきましては、なるべく長期資金を出して行きたいと思いますけれども、この長期債によつて引受けを得ました資金源を、短期方面にも運用せざるを得ない今日の実情であります。さらに短期資金がもつと入るような方法が講ぜられますといいのでありますが、短期資金の需要が多くて、しかもその資金源がとかく長期になるというようなことになりますと、短期資金のコストも高くなり、またそれを埋めるために長期資金のコストも高くなるというような点も多少あろうと思います。ただ阿左美さんが御質問になりました三銭五厘について、今日ここで私限りで、今後幾らに引下げますということも申し上げかねますが、中金全体といたしましては、多少ずつ金利全体が低下いたしておりますから、運転資金にしても従来よりもずつと下げておりますが、長期資金にしても、一律に三銭二厘にする、あるいは三銭にするということは申しませんが、その相手方によりまして、三銭五厘以内ということでやるという方向に持つて行きたいと思つております。

阿左美廣治自由党

○阿左美委員 なるほどそう一概に、本日ここで確答を得ることも困難だとは思いますが、しかし今まで中金のおとりになつて来たすべての事務的手続等はきわめて複雑であつて、なかなか容易にすべてのことが解決をしない。やはり融資を受けるという方面から考えますと、業者はいつ受けましても同じ価値の金額を受けるということにはならないのでありまして、物の価格は生きておるものでございますから、常に動いておるのであります。運転資金を受けるならば、最も買い時のときにその資金がまわりますれば、業者は非常に助かるのであります。また売る者も、その資金が来れば、見切らなくても済むというような関係から、融資時期というものは非常にあるのでありまして、それにおかまいなく、事務手続を遷延して半年も十箇月も経つても容易に融資が受けられないということが、現在の実情なのです。これは融資をなさる方もよほど研究をする必要があるのでありまして、債務者の不利益になるような取扱いをいたしますれば、結局その回収は困難だということは当然だと思うのであります。なるべく債務者が利益を得られるような方法において融資をなさることが最も必要じやないかと思うのでありますが、現在はそれにおかまいなく、事務手続が完了しなければ、半年でも一年でもそのままにしておくというのが現状だと思うのであります。しかしこれらにおきましては、今後相当御考慮を願う必要があるのではないかというふうに考えます。  なお、どういたしましても国の方針として、中小業者に対しては組合を通じて融資をする、また商工中金を中心にて融資をするということが、これが言わず語らずの方針ですから、今後業者に対すしては、融資の上においては大いに御研究をしていただく必要があるのではないかと考えます。今までのような取扱いにおきましては、結局業者はいつになつても恵みを受けることはできない、困る人は金を借りられないのだということに結論づけられると思うのでありまして、これはひとつ大いに御研究いただく必要があるのではないかと存じます。それで、担保がなければ貸すわけには行かぬ、こういうことは常に申されておるのでありますが、しかしこれは佐藤副理事長さんも、信用ということも考えるのだ、また組合員の結束とかあるいはまたその組合員の保証とかいうようなことになれば——決して担保ばかり要求するのではないというようなお言葉もありましたが、今後はそういう方に大いにお努め願つた方がよいのではないか、しかしただ物的にばかり考えまして、担保がなければ融資することができないというふうにおつしやられており、現在といたしましても、そういう御方針ですべてお運びになつているようでありますけれども、しかし中小企業に対する金融は、やはり人だと思う。結局事業と人であつてその事業の見通しとかあるいはその人の誠意とか徳義というようなことになりますれば、金融は物を対象にしてやらなくとも決してさしつかえないのではないか、またそれが中小企業に対する最も心要なところではないかと考えますが、今日まではほとんど物的主義でありまして、担保がないではないか、担保がなくて金融ができるかというような御方針でありましたが、これはひとつお改めをいただく必要があるのではないか、あまり物ばかりにこだわらずに、中小企業の結集した力を大いに認めていただいて、組合の方針とか組合の力とかいうことも、これはやはり担保のうちにお認めを願うことを御研究願いたいと思うのです。私は佐藤さんにお願いするよりも、実際の実務をおとりになつておる方がわからない。これは何と申していいか、少しものが行き過ぎたと言うとどうかと思いますが、もう少し緩和なさらないと、実際業者は生きられない。ことに今回は保険制度という法案も通過いたしまして、すでに実施されることになつておりますので、今まで御心配のあつたことも、御心配が解消したと思います。七五%というものは国で補償することになりますが、この制度を大いに生かしていただきまして中小企業に対する投資に対しては、相当緩和をお願いいたしたいと思うのです。  大体私はその程度において質問を打切りたいと思いますが、最後に政務次官にお伺いいたしておきたい。私はいろいろ今までの制度に対してお願いはしておりますが、結局これは制度にも欠陥があるのではないか。ただ事務当局がむずかしいことを言うてはなはだもつていかぬではないかということのみを責めるのも無理ではないか。中金そのものの制度において、これはある程度実際やむを得ない、そうせざるを得ないということも言い得ると思うのですが、今後中小業者の資金運営の上において、商工中金というようなものを活用する上においては、制度を再検討する必要があるのではないか、こういうふうに考えます。政府におかれまして、この機構の改革に対して御研究をしていただく必要があると私は思いますが、そういうような御意思があるかどうかお伺いいたします。

首藤新八自由党通商産業政務次官

○首藤政府委員 中金の貸出しの手続並びに貸出し機関につきまして、今日までいろいろの御批判を受けておるのでありますが、御承知の通り、中金がほんとうに中金としての金融を始めましたのは、大体本年春ごろからだと思うのであります。それまではやりたくとも資金源が非常に欠乏しておつた、あるいはまた中金そのものの機関が全国的でなくて、ある一部の小範囲にとどまつておつた、あるいはまた中金の職員の訓練といいますか、金融的な訓練を受けた人が少かつたというようなもろもろの点が相合しまして、とかく批判の対象となつておつたと考えておるのであります。しかしながらこの春以来相当資金源も恵まれて参りまして、従つて先ほど副理事長から申し上げましたごとく、現在九十億の貸出しになつておる。さらにまた今回の信用保険の制度によりまして、来年三月までに三十六億、明年中に百四十四億という金融を考えなければならぬということになつて参りますると、支店、出張所も当然各府県に少くとも一箇所以上は置かなければならぬ。また職員の訓練も、今日までのようなスピードでは許されない。もつとすみやかに多くの人間を訓練いたしまして、そうして審査、貸出しその他の面におきまして、従来よりも格段の早い処置をいたさなければならぬということになつて参ると思うのでありまして、この点は中金の当局も十二分に認識しておると考えますが、なおお説のごとく、現在の制度に対しまして欠陥ありということでありまするならば、われわれの方では喜んでこの制度を再検討いたしまして、運用上多少でも欠陥ありということを発見いたしましたならば、なるべく早目にこれを是正いたしまして御希望に沿いたい、かように考えております。

小金義照自由党

○小金委員長 大分時間も過ぎましたが、ただ一言ここで私からお伺いしたいことがあります。預金部の資金課長がお見えになつておりますね。先ほど商工中金の債券の問題について、六月以降二十四億円ということを説明されました。預金部の資金の運用については、たいへんな期待を持たれておりますので、中小企業等に対して、どういう今後の計画をお持ちになるか。あるいは中小企業だけに限定せず、広く資金計画の一端がここで御発表できれば説明願いたいと思います。

高橋俊英大蔵事務官(銀行局預金部資金課長)

○高橋説明員 ただいまお尋ねになりました、預金部資金の、主として金融債を通ずるところの産業資金としての運用につきましては、制度の改正問題と多少からみ合つておりまして、私たち事務当局の意向としては、できるだけ早い機会にこれを実施したいと思います。今年内、すなわち十二月の分から一部引受けないし買入れを行うことと考えておるのでありますが、この問題につきましては、さきにドツジ氏の書簡によつて預金部の制度が、新しく仮称ではございますが、資金運用部というふうにかわりまして、その取扱い内容、運用の内容についても若干かえられることになつておりまして、それがいかに規定されるかによりまして、金融債の運用もまた実行面で違つて来るのではないか。そこでその法案はいずれ準備いたしまして、今国会に御審議を願うつもりでおりますが、その以前に金融債を引受ける——もちろんその中には商工中金の発行する債券も含ましめるのでありますが、そういう考えで交渉をしようと考えております。実は多少交渉に入つておるのでありますが、これはすでに昭和二十一年に覚書が出ておりまして特別な銀行の発行した金融債は、了解があればよろしいということになつておりますので、それを少しかえてもらつて、何とか実行できるようにしたいと考えております。しかしドツジ氏の書簡にございましたように、現在の預金部資金の運用は、何よりもまず安全確実を期するということに最重点が置かれなければならぬ。こういう強い要請がございまして、金融債の引受けの場合におきましても、資金全体として何割以上は金融債に運用してはならないとか、あるいはまた各金融機関別に、その発行額の、発行せられた残高の何割以上は保有してはならない。そういうふうな非常に厳重な制限が付される可能性が大きいのであります。つまりそういうふうな厳重に制限することによつて、あとはその範囲内では日本政府の好むところに、よらしめる。こういうことになるのでありますが、私たちが非常に因つておりますのは、たとえば商工中金債、農林中金債のごときは、市中においてこれを消化する点においては、非常になじみが薄いという不利な点がございましてそれだけに当分の間は、もちろん一般的な消化を拡大することに努力をいたさなければなりませんけれども、しばらくはわれわれの方の預金部資金でできるだけ多くを持ちたいという気持は十分持つておるのであります。ところがそういうふうに一般の市中消化が困難であるようなものは、これを裏から言えばあまり健全とは申されないというふうに印象をとられる。それだけにそういう市中消化が困難であるから預金部資金でできるだけ多く引受けるという理由はあまり都合がよろしくない。そこに非常に悩みがございますので、何とかただいまでもこれら二つの中央金庫の発行するものについては、特別の扱いができるように努力をしているのであります。非常に情勢は困難と考えますので、今の状況で参りますと他の債券とまつたく同じようにある一定の割合以上はこれを引受けてはならないというふうになる可能性があるのであります。それともう一つは、その条件におきましても、発行の条件はすべて市中消化のものと同じくいたしまして特別のレートを持ちあるいは特別の機関をもつてするものは絶対許されない。かような情勢に判断されるのであります。従いましてただいまで申しますれば期間三年が最長でありますが、利率八分五厘というようなものを預金部として買わなければなりません。ただいままでの情勢はそういうふうになつております。金額等につきましては、その保有率あるいは場合によると毎回発行額に対する制限というようなものがありますが、そういうことが解決されませんと、幾ら引受けるかということについて明言できませんが、とにかく市中消化が多ければ多いほどまた預金部の引受けも多いというような変な状態になつております。大体その通りであります。

小金義照自由党

○小金委員長 大体御説明で現状はわかりましたが、あなた方が御希望されているように、預金部の資金の性質にかんがみて、もつと商工中金と農林中金に還元的な意味でその融資をしていただくことを私どもも希望いたしております。その点はよくお含みおきを願います。  以上をもちまして発言の通告は全部終了いたしました。本日は特に関係金融機関より詳細なまた御懇切な御説明あるいは御回答をいただきましてありがとうございました。この席から委員会を代表いたしまして厚くお礼を申し上げます。中小企業振興対策としての年末金融については、今われわれの方でもいろいろ考えておりますが、何分特別の御協力をお願いいたします。  なお午後に石炭鉱業関連産業の年末金融について調査を進めたいと存じます。ただいま御出席の商工組合中央金庫等の済みました方のほかは、御迷惑でも日銀、復金その他大蔵省、通産省、経済安定本部の方々には、午後また御出席をお願いいたしたいと思います。午後は大体一時半から委員会を開く予定にいたしております。  暫時休憩いたします。     午後零時三十四分休憩      ————◇—————     午後一時五十九分開議

小金義照自由党

○小金委員長 休憩前に引続き会議を開きます。  石炭鉱業関連産業年末金融に関する件を議題として調査を進めます。発言の通告がありますからこれを許します。中村幸八君。

中村幸八自由党

○中村(幸)委員 炭鉱並びに炭鉱の関連産業についての年末金融につきまして、お尋ねいたしたいと思います。  まず炭鉱の資材代の未払金でありますが、これは昨年以来炭鉱資材未払代金ひもつき融資ということで再々にわたりまして御決定も得ております。また先ごろは炭鉱夏場貯炭融資三十三億円の御決定も得ておつたのであります。この炭鉱夏場貯炭融資三十三億円は、夏場貯炭融資のほかに、資材代未払金の処理ということも同時に解決するように申合わせができておつたということを聞いておるのであります。しかるに実際は、そのことなくて終つたのであります。そういうわけで関連産業におきましては、月々この資材代の未払金が累増いたして参りまして、今日におきましては、すでに百億円を超過する、こういう状況であります。炭鉱資材の買入れ額が一箇月大体二十億といたしまして、まず二箇月分四十億円の未払いというものは常態であるといたしましても、差引いたしまして六十億円以上未払金が停滞いたしておるのであります。そこでこの年末を控えまして、炭鉱関連産業、特に中小企業におきましては、非常に金融が逼迫いたしまして、まさに死活の域を彷徨いたしておるのであります。このままにいたしておきまするならば、関連産業、またひいては炭鉱自身の経理にも影響を及ぼすということで、われわれ非常にこの点憂えておるものであります。聞くところによると、通産大臣も、日銀総裁あるいは大蔵大臣等と真剣にこの問題の解決について、ごあつせん願つておるということを聞いておりますが、首藤政務次官に、この点の御見解並びに今日までの経過について一応お尋ねいたしたいと思います。

首藤新八自由党通商産業政務次官

○首藤政府委員 炭鉱金融につきましては、今日まで政府といたしましても、できる限り努力して参つておるのであります。幸いに今日までのところは十分とは言えませんけれども、ある程度の金融はついておるかというふうに考えておるわけであります。しかるに最近になりましていよいよ需要期に入つて参つた。さらにまた輸送の貨車が相当関係筋の使用するところとなりまして、輸送上に相当隘路ができたので、貯炭がふえた、また未支払いの資材の代金も、数量そのものは減つておるのでありますが、炭価が相当値上りいたしました関係上、炭鉱の方ではそれぞれできるだけは支払つたけれども、なお炭価の上つたことによつて、相当支払いがふえた。さらに、またこの需要期になつて、相当敗売高がふえた関係上、手形決済になつて、その手形の割引に支障を来しておるということで、結局この手形の割引をふやすこと、運転資金に対するところの金融、さらにまた資材末支払金に対するところの融資という三つの面の実は要請があつたのであります。従つて政府といたしましては、大蔵省並びに日銀総裁に対しまして、昨日も大臣と総裁と懇談を重ねまして、この問題の解決に努力いたしておるのでありますが、昨日の会見の結果を申し上げますと、手形の割引に対しましては、今手持しておるだけの手形は一応割引することに努力しよう。さらに資材の面につきましても、この際相当の金融をいたそう。但しこの運転資金の融資については、今のところちよつと困難な事情があるということで、一応会見は終つておるのであります。従つて手形の面につきましては、それぞれ今炭鉱で持つておる手形につきまして、年末までにそれぞれの金融機関がすべてこれを割引するということは間違いなくできると考えておるのであります。資材未支払の面に対するところの金融ですが、具体的に何億を融資するということは触れておりませんが、できるだけこの面については考慮しようという、非常に好意的な回答であつたそうでありますから、相当できるのではないかというふうに考えておるわけであります。

中村幸八自由党

○中村(幸)委員 ただいまの次官の御答弁によりますと、現在炭鉱が持つておる手形については割引いてやる、また資材の未払金については額は言えないが、できるだけ考慮しようというお話でありますが、これはもう関連産業にとつてはほんとうに死活の問題でありますから、としても炭鉱からの未払代金が入らなければ、この年末はしのげない。中小企業に至つては倒産も出て来る、こういう状態にあるわけであります。なおこの上ともに通産省といたしましては、大蔵省あるいは日銀当局と強力に御交渉になつて、何とかこの問題を解決していただきたい、かように考えるわけであります。また今次官の御答弁の中に、運転資金については考慮ができないような御答弁でありましたが、私はこの点も十分ひとつ見ていただきたい、かように考えるわけであります。それはこのひもつき融資と申しますか、今の資材代の未払金については、一応政府のごあつせん等によりまして成功いたしたとしましても、それは関連産業の方が潤うのでありまして、炭鉱自体の金融の逼迫という問題は、相かわらずまだそこに残るのであります。炭鉱といたしましては、夏場貯炭の融資の返済金もありまするし、また需要期に入りまして売掛金も相当ふえて参つておるのでありまして、二十億あるいは三十億の運転資金が別になければ、炭鉱としては経営がやつて行けない。こういう現状でありますので、この点についてもぜひとも格段のお骨折を願いたいと思うのでありますが、この点について次官の御答弁をお願いいたします。

首藤新八自由党通商産業政務次官

○首藤政府委員 この金融のできるできぬによつて、その影響する範囲がきわめて広く、かつ深刻であることは、政府も十二分に了承いたしておるのであります。従つて今後もこの問題についてはできるだけあつせんの労をとりたいと考えておりますが、先ほど申し上げましたごとく、現在手形の割引できない額は相当の額に上つておるのであります。従つてこの手形が全部割引できるということになりますれば、おのずからこの運転資金の方にこれがまわることになりますので、運転資金の面は相当緩和されるのじやないかというふうな気持を持つており、日銀もまたさような気持を持つておると存ずるのでありますが、しかし今後とも一層この面については努力いたしたい、かように考えております。

中村幸八自由党

○中村(幸)委員 炭鉱並びに関連産業の金融の逼迫状況は、想像に余りあるものがあるのであります。従つて今後ともでき得る限りの御努力をお願いいたしたいと思います。  なおこの問題に関連いたしましてお尋ねいたしたいのは、従来この関連産業に対するひもつき融資というものは、昨年中も数回行われたのでありまして、聞くところによると、昨年中も五十四億円のひもつき融資があつた。ところが、このひもつき融資のうちで実際関連産業に金が入つた額は二十八億八千万円、大体総額の半分しか関連産業に金がまわつていない、こういうことを聞いておるのであります。この原因はいろいろ研究してみますと、炭鉱自身の金が非常に逼迫しておる。炭鉱としてはいろいろ設備資金その他必要な面があるのでありまするが、何分金がない。また一面におきまして、復金から借入れましたる借金の返済、こういう非常に大きな負担を持つておる。そのためにせつかくひもつき融資として入つて来た金を、焦眉の急に迫られて、やむを得ず、関連産業にまわさないで、他の方面に流用する、こういう状況にあつたのではないかと思うのであります。この復金の借入金は、総額にいたしまして三百五十億円のうちで、炭住計画に属するものが大体百五十億円あるそうであります。この百五十億円の炭住計画に属するものは、当時統制炭価に織り込んで、業者には決して負担をかけない、こういう趣旨の閣議決定を二回までいたしたそうであります。しかるに、かかる閣議決定をいたしたにもかかわらず、炭住に関する借入金というものが、相かわらず業者の負担そのままになつておる、こういうことでありますので、いわば政府が業者をだましたといつても過言ではないと思うのであります。こういう状態でありますると、いかに資材未払い代金のひもつき融資ということを繰返して実行したところで、やはり関連産業には完全にはまわつて行かない。何回こういうことを繰返しても問題は解決しないと思うのであります。そこで私どもは、この根本の打開方法といたしましては、政府が前に約束した、この炭住計画百五十億円の復金からの借入金というものは、この際棒引にするか、あるいはまた相当期間元利金のたな上げをする、こういうような、少し荒いかもわからなぬが、大手術をしないことには、炭鉱の金融あるいは関連産業の金融というものは成り立たないじやないか、かように考えるわけであります。この点については、政府としてはよほど思い切つた努力をお払いいただかなければ解決できないと思いまするが、通産次官のこの点に関する御見解を承るとともに、われわれとしては強い考えを持つておりますので、ぜひとも実行できますようにお願いする次第であります。

首藤新八自由党通商産業政務次官

○首藤政府委員 炭住に対する融資をいたしまする場合に、ただいま御指摘のようなお話合いができておるということは了承いたしておるのであります。しかしながら、それだからといつて、現在の情勢のもとに、復金の債権を全部放棄するということは、きわめて至難な問題だと考えるのであります。そこでこの支払いの期限を相当延長する、あわせてまた金利をできるだけ低下いたしたいというふうな考え方のもとに、それぞれ関係先と折衝いたしておりまするが、御承知の通り、いずれもが他の方面に影響を及ぼす問題でありまするだけに、まだ決定していないのでありまして、この点は非常に遺憾といたしまするが、今後も御希望のように、急速にその方向に向きまして、できるだけ努力をいたしたい、かように考えております。

中村幸八自由党

○中村(幸)委員 炭住計画百五十億円の棒引ということは、なかなか容易ならぬこととはもちろん私ども承知いたしておりますが、これまでのいきさつにかんがみまして、これを業者に負担させるのはむりだ、こういうことでは、今後増産を業者に要望するような時代が来ると思いますが、その際においてもう業者はついて来ないと思うのであります。ですから約束は約束で、ぜひこの際において公約を履行していただいて、業者にもまた協力を求めるという態度に出ていただきたいと思うのであります。どうかこの上とも御尽力をお願いいたします。  次にお伺いいたしたいことは、最近坑木問題が非常にやかましい問題となつておるのでありますが、この坑木はパルプ材と競合いたしますために、パルプ材の増産に伴いまして、坑木問題は炭鉱の、死活問題となつて来ておるのであります。パルプ業者は大体において大資本家が多いのでありまして、従つて坑木の買入れ価格の二倍も高い値段をつけて買い集めておるということも聞いております。かようなわけで、坑木業者の手には坑木がなかなか集まらない。従つて最近の情報として耳にしたのでありますが、十二月の上旬の九州における石炭の生産が計画を三万トンないし四万トン割つておるというふうに聞いておるのでありまして、この原因は一に坑木の不足によるのであるというふうに聞いております。そういたしますと、今後の石炭生産の面において、憂慮すべき事態に立ち至るおそれがあるのでありまして、しかも坑木不足ということは、一面におきまして、保安上から申しましても、ゆゆしき問題でありまして、労働者保護、人命保護の見地からも、坑木はぜひ確保しなければならぬと考えるのであります。従来坑木の在庫というものは、二箇月ないし三箇月分を保有するというのが常識でありますが、今日においては二十日分を持つておるものはいい方だというふうに聞いております。かようなわけでありますならば、今後の炭鉱経営上憂慮すべき事態に立ち至るおそれがありますので、今後政府におきましては、格段の御努力を願いまして、坑木の不足が絶対起らないようにしていただきたいと思うのであります。あるいは先ほど申しました資材未払い代金のひもつき融資を即刻実行に移されること、あるいはパルプ材と坑木が競合する地域においては、統制して伐採せしめること、あるいは国有林の払下げを強行する、あるいはまた林道を開発しまして、奥地の森林を開発するとか、まだそのほかにいろいろ方法があると思いますが、こういうような点について、ぜひ絶大なるお力添えを願いたいと思うのであります。通産省におきましては、この坑木問題について、どういう見通を立てておられるか。またどんな方策を講じようとしておられますか。この点についてお聞かせ願いたいと思います。

首藤新八自由党通商産業政務次官

○首藤政府委員 お説のごとく、最近パルプの方の需要が非常にふえて参りました。しかも値段が非常に高く売れます関係上、勢い原木代金が坑木よりもはるかに高く売買ができておるのであります。そこで坑木と競合いたす。これは値段の安い坑木の方がどうしても侵蝕されるというような事実は、明らかに出ておりますし、またそれがために出炭量に相当暗影を投じておる。また一面におきましては、建築用材あるいはその他の面もまた非常に競合しておるとともに、ただいま御指摘のありました通りに、治水治山という面も、また相当木材の伐採をはばむきな力と相なつておるのであります。しかしながらたとえば薪炭でありますが、薪炭向けの木材は一石が大体五、六百円であります。建築用の木材は大体一石が八百円ないし九百円でありますが、これを人絹スフにまわしますとその一石で三万五千円ないし五万円になるのであります。御承知の通り日本の経済はともかくも輸出を振興しなければ相ならぬという現在から考えまして、かように格段の相違のある、しかも三万五千円ないし五万円の人絹スフをつくるために労務者を相当たくさん使用しているというような事情を考慮いたしますと、しかもその上に現在の人絹のパルプは大体半分ぐらいしか生産されないのであります。二十万トンの所要量に対して十万トンが確保できる。あとの十万トンは輸入に仰がなければならぬ。その仰ぐ先が御承知の通りスエーデンあるいはカナダでありますが、これまた実際問題として非常に輸入に困難な事情が纏綿いたしておるのであります。どうしても国内の生産を増強いたして、でき得る限り国内の原材料をもつて人絹、スフの輸出に充てたいという実は気持を持つておるわけでありまするが、しかしながらそれをいたしますためには、御説のごとく坑木の関係あり、あるいはまた建築用材あり、その他の競合が非常にたくさんあり、しかもその面に非常な重圧を加えることに相なつておるわけであります。そこでどうしてもこの問題については抜本塞源的な対策を講じまして、そうして安定した原木の確保の道を講じて置く必要がありはしないか、こういうふうに実は考えまして、最近その方面に努力をいたしておるわけでありますが、率直に申し上ぐれば、今日までの坑木もどちらかというと濫費し過ぎたのではないかというような気持もいたすのであります。むしろこの際防腐剤でも入れて耐久年数をできるだけ延ばすというようなことを考慮しなければ相ならぬのではないか。また薪炭類におきましても、できるだけガスその他を使用して、薪灰の消費量を減す。あるいは建築の面におきましては鉄筋コンクリートの立体的建物に重点を置いて、空襲その他の場合におきましても安全性のあり、また家庭生活の水準を上げるというような考え方のもとに、永久的な建築を奨励する方法をとつて、もつてこの木材をできるだけ節約いたしてそうしてその分をかような有用な面に向けることが非常に必要ではないかということを実は考えておるのでありますが、しかしいずれの面につきましても、まだ最終的な決定的判断は下していないのであります。この問題にはいろいろの関係先が非常に多いのでありまするが、特に農林関係が最も関係が深い関係上、農林省に対しましても、最近しばしば折衝しておるわけであります。従つて何分の最終的決定を急いで実はつくりたい、かように考えておる次第であります。

中村幸八自由党

○中村(幸)委員 ただいまの首藤政務次官のお答えで抜本塞源的な方途を講じたいというのでいろいろ施策をお考えになつているようであり、また農林省その他にも御交渉になつているようで、はなはだ気強く思うのでありますが、この坑木問題は石炭の生産についての最も大きな問題でありますので、どうかこの上ともに強力にひとつ各方途を講ぜられるよう切にお願いする次第であります。なおこれはやはり金融に関連して来るわけでありますが、坑木の増産をはかりますためには、坑木の仕込み資金というものがいるのでありますが、何分坑木業者は零細な業者が多いのでありまして、十分な資金がないというわけで、坑木の集荷がにぶるわけでありますが、炭鉱企業者においても実は坑木業者と連帯してもいいから坑木の仕込み資金をぜひとも融通してもらいたい、こういう希望が強いのであります。この坑木業者の仕込み資金というものについてお考えになつているかどうか。もしお考えになつているとすれば、この点もあわせて強力に推進していただきたい。かように考えます。この一点だけお伺いいたしまして私の質問を終ります。

首藤新八自由党通商産業政務次官

○首藤政府委員 先ほど申しましたことく、坑木の入手難に至つた原因は、まず第一に価格の面が、パルプの方の買取り価格と炭鉱の買取り価格に相当の開きがある。もう一つは支払い条件、これがまた相当影響いたしておるのであります。パルプの方は前金をしかもキヤツシユで支払う。炭鉱の方では月末あるいはしかも割引手形で決済される面もある。しかも坑木業者は御説のごとく、非情に脆弱な業者が多い関係上、金融面からやはりパルプの方に売りたいということからあわせまして、パルプの方に流れる量がだんだんふえて参る。従つてこれを防止いたしますために、決済をまず早くやる、しかも現金でやるということも一つのフアクターをなくすることでありますが、これはあげて先ほど申しました運転資金に実は入ることになつて来るわけであります。その面に対しましては、今すぐどうということはちよつと困難かと思いますが、しかし手形の割引が現在手持ちしておりますものが割引されるということでありますれば、多少そこに融通ができて来るのではないかというように考えておるのであります。

中村幸八自由党

○中村(幸)委員 一応私の質問は終りまするが、先ほど首藤政務次官から復金債の棒引ないしは元利金のたな上げという問題について御答弁を得ておりますが、ちようど復金の工藤理事長がお見えになつておりますので、復金として、この炭鉱、ことに炭住計画に関する復金からの借入金、こういうものの処置をどういうふうにお考えになつておるか。先ほども政務次官に対して私申し上げたのでありますが、もともと炭住計画による借入金というものは、統制炭価の中に織り込んで行く。従つて業者には迷惑をかけない、負担をかけない、こういうことを二回までも閣議で決定をいたしておるのでありますが、その後炭価に織り込むこともできず、また統制も撤廃せられまして、業者は泣く泣くみずからの負担において炭住の支払いをしておる、こういう現状であります。これがガンとなつて、現在の炭鉱の金融は四苦八苦しておるのであります。であるから炭鉱あるいは炭鉱の関連産業の金融を打開するには、根本的にどうしても百五十億円の炭住計画関係の復金借入金を棒引にするか、あるいはまた棒引が、各種の条件からむずかしいといたしまするならば、相当の期間元利金をたな上げにするということをしなければ、いつまでたつても問題は解決しないと思うのであります。この点について私ども通産委員会といたしましては、強い考えを持つておるのでありまして、工藤さんのお考えをこの際お尋ねいたしたいと思います。

工藤昭四郎復興金融金庫理事長

○工藤参考人 炭住を建設いたしましたときに、その計画そのものにもむりがありましたことも、私どもよく承知いたしておるのでありまするが、しかしまた一面考えますると、炭住そのものが役に立つておることも事実なのです。それで炭住資金の償還については閣議その他で、今お話になりましたような点はあつたように私ども承つております。しかし復金としてこの資金の取扱いをやりましたときには、一定の条件に従つてお返し願う契約で出しております。復金といたしましては、この問題はどうとも処理のできない問題だと思いますので、もしこの問題の解決策があるといたしますれば、政府がお取上げになる問題だ、こういうふうに思います。

中村幸八自由党

○中村(幸)委員 ただいまの御答弁、一応はごもつとものように思います。復金としては貸したのであるから、これは返してもらわなければならぬ、従つて政府がこれの解決に当らなければならぬという、その点は一応ごもつともに承つておきますが、ただいま申し上げたような事情でありますので、これは工藤さんをいくら責めてもしかたがないと思いまするが、政府当局においては、今後ともこの点について、できる限りの御努力をお願いいたしまして、私の質問は終ります。

小金義照自由党

○小金委員長 ちよつと関連して、この席から私お尋ねいたしますが、今数回繰返して、炭住のいろいろな負担は石炭の価格に織り込むとか、あるいは業者に迷惑をかけないとかいうような閣議の決定があつたという言葉がありましたが、別段政府当局はこれを否定しておられませんが、そういうものはほんとうにあるのですか。写しがあれば——閣議で決定した以上は書類があるはずですから、その写しを出していただきたいと思います。中島炭政局長、どうですか、事務当局としてそういうものを引継がれたのですか。

中島征帆通商産業事務官(資源庁炭政局長)

○中島政府委員 大分古い話でありまして、書類として私は自分では持つておりませんが、古いものにそういうものがあるようには聞いております。

小金義照自由党

○小金委員長 もしそういうものがあれば——この石炭鉱業自体の金融逼迫の問題は、去年もありました。一体今年も十二月になつてこの金融の問題を騒ぐということ自体が、私はおかしいと思う。十二月が来ることは、もう二月、三月、極端に言えば正月から来ることはわかつておる。今日に来て騒ぐ業者も業者でありますが、そういう重大な閣議の決定があつたというにかかわらず、そういうものが、私の前の委員長には出してあるのかしらぬが、少くともこの問題が起つたときには、当然出していただかなければならぬ資料だと思います。至急整えて委員長までその写しを提出していただくことを希望いたします。

中村純一自由党

○中村(純)委員 石炭の増産が近来大体順調に進んで参つておりますることは、まことに御同慶にたえないのであります。特に統制解除以来、増産が進んで参りましたことは、これは業者の努力はむろんのことでありまするが、私どもといたしましても、まことに喜びに存じておるのでございます。しかしながらただいま同僚中村委員との質疑応答に現われましたことく、今日炭鉱並びにその関連産業は、非常な経営上の負担を背負いながら、あえぎあえぎ事業を経営しておる実情であるのでありまして、ことに先ほどからしばしば問題になりました炭住資金のごとき過去の不合理なる負債、過重なる負債、重荷を負いまして事業の経営をやつておる。加うるに、申し上げるまでもなく炭鉱事業は設備の更新、また新設等につきまして、絶えず相当の設備資金を必要とするのでありまするが、今日の金融情勢下におきまして、ほとんどそういうものも手当が困難である。かような状況のまま推移いたしまするならば、これも先ほど話に出ました当面の運転資金とか、あるいは未払い代金の金融措置を何べんやりましても、垢を何べん落しても、垢はたまるのであります。これらの根本的な経営上の問題につきまして、どうしてもこれこそ、抜本塞源的な措置を講じなければ、極端なことを言えば日本の炭鉱はぶつ潰れてしまうのではないか、かような憂慮をわれわれは持つておるのでございます。またこれらの解決はなかなかそう簡単に参らないことも、私ども存じておりますので、この根本問題につきましては、後日また日を改めて政府並びに関係金融機関方面とも、われわれもお話合いを進めて、ぜひともこの根本的な問題の何らかの解決方法を発見いたして行きたい、かようにわれわれは考えておる次第であります。従つてこの問題は本日はこの程度にしておきたいと思うのでありますが、当面の資材の未払い代金、これも算定の方法によつて多少数字は違うようでありますけれども、あるいは四十億といい、あるいは六十億といい、異常なる未払い代金がたまつておるのであります。そのほか増加運転資金の問題等、これらにつきましては、先ほど首藤政務次官の御答弁によつてある程度解決の緒につきつつあることを承りまして、やや安心はいたしたのでありますが、原因は遠くにあつたにいたしましても、当面の問題はどうしても早急に解決いたさなければならない問題でありますので、これは委員長にお願い申し上げるのでありますが、これらの当面の金融措置につきまして、本委員会の総意として、委員長から政府の関係諸機関その他日銀、興銀等、関係金融機関に対して、急速に当面の金融手当ができますようにお申入れいただくことにしたらどうかと思うのであります。皆さんの御賛成を得て、ぜひさようなおとりはからいをお願いいたす次第であります。

小金義照自由党

○小金委員長 皆さんにお諮りいたしますが、ただいま中村純一君よりきわめて適切だと思われる御提案がありましたが、いかがいたしましようか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小金義照自由党

○小金委員長 御異議がないようでありまするからさよう決定いたします。なお全委員会一致の要望として提出する要望書の文言その他は委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小金義照自由党

○小金委員長 御異議なしと認めます。よつてそのようにとりはからいます。  それでは本日はこの程度にて散会いたします。次会は公報をもつてお知らせいたします。     午後二時四十一分散会

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