懲罰委員会 第5号
- 発言数
- 49 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1951/02/10
会議録
○土倉委員長 本日は本会議と並行しておりますので、委員の出席の率が悪いようでありますが、これから会議を開きます。 この際お諮りいたします。理事村瀬宣親君、理事猪俣浩三君及び理事田渕光一君が委員を辞任されましたので、その補欠を選任いたさねばなりませんが、前例に従いまして委員長において指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○土倉委員長 御異議がなければ早稻田柳右エ門君、石井繁丸君、それから田淵君がまた委員になられましたので、田渕光一君を理事に指名いたします。 —————————————
○土倉委員長 議員川上貫一君懲罰事犯の件を議題といたします。前会に引続き川上君に対する質疑を続行いたします。質疑者は通告順によりまして田渕光一君にお願いいたします。
○田渕委員 川上議員にお尋ねいたしますが、一月二十七日の本会議における川上君の質問演説は、「日本共産党を代表して」とおつしやり、またその後一身上の弁明、さらに補充の弁明におかれましても、再三日本共産党を代表した質問であるということをおつしやつておりますが、これは本日さようにずつと述べられた通りに伺つてよろしゆうございますか。
○川上貫一君 よろしゆうございます。
○田渕委員 川上君の質問演説の内容は、大体私はこういうように思いますので、この点について伺いたいと思うのでございます。あなたの演説の大体の論旨は、第一に中和が保たれるか保たれないか、第二点として民族の独立が保たれるか、日本民族が外国の奴隷になるか、三点としてその内容は全面講和をするか、單独講和をしてしまうのではないか、第四点は再軍備をするかどうか、第五点は占領軍に早く帰つてもらうかどうか、外国軍隊にいつまでも日本におつてもらうつもりかどうか、こう五つの点を御質問なさつたように記録に残つておりますが、そう伺つてよろしゆうございますか。
○川上貫一君 よろしゆうございます。
○田渕委員 そこであなたがずつとそうおつしやつた記録の中を通じまして、「大多数の国民の意思は明白であります。国民の大多数は單独講和に反対しておる。国民の大多数は再軍備に反対しておる。同時に、占領軍の早期撤退を望んでおります」と「大多数」という言葉をたくさんお使いになつておるのであります。あなたのこの「大多数の国民」というのは、あなたの党を支持するところの日本国民、日本民族でありますかどうですか、それを伺いたいと思います。「大多数の国民」というのはあなたの方の共産党を支持するところの日本民族を「大多数の国民」と、代表されておつしやつたのでありますか。
○川上貫一君 そうではありません。党を支持する国民もおりますが、社会党も全面講和、そうして再軍備には反対をしております。また労農党も全面講和、再軍備には反対しております。また直接党に関係がないとは言いませんが、政党的な色彩は持たないところのものもおります。婦人あるいは青少年、こういうものの多数も全部くるめて、大多数という言葉を使いました。
○田渕委員 わかりました。日本共産党を代表されて「大多数の国民」とおつしやつておりますので、私は一応最近における日本共産党の支持というものを調べてみたのであります。これを御参考に申し上げなければ、大多数の国民ということに対して私は納得が行かないのであります。それは昭和二十二年の四月二十日の参議院選挙におきましては、全国区百名のうちあなたの方の当選が三名、地方区百五十名のうちに一名。さらに二十四年の一月二十三日の衆議院議員の選挙によりますと、全国の投票総数が三千五十九万二千五百十九票で、そのうち共産党の得票はわずかに二百九十八万四千七百七十一票でありまして、わずかに九%であるのであります。さらにそれから昨年施行されました全国都道府県の教育委員の選挙においては、非常に投票率が悪うございましたが、全国の投票総数が二千百五十八万四千六百六十九票であります。そのうち共産党の得票は二十三年の選挙当時よりずつと激減をいたしまして、わずかに五十万五千九百七十一票という得票であります。これをもつていたしますならば、その教育委員の投票総数というものは二%になるのであります。かような数字をもつて、共産党を代表して、大多数の国民を代表するというようなことに対しては私は納得は行きません。少くとも八千三百万の国民のうち二百四、五十万、わずかに二%ないし四%、今日衆議院におきましても議員数四百六十六名のうちの二十六名、わずかに六%であります。これらをもつてあなたのおつしやつた国民大多数の意思を尊重してとか、非常に、大多数という言葉を使つていることに対しては、私は納得が行かないのであります。しかしこれを今おつしやつたようなぐあいに、あらゆる青少年、子供までも含めておるといるような意味でおつしやつても、断じて私は納得できません。 それからこの資料で申し上げますと、これの第三ページ、一月二十七日の演説資料の第三ページに「国際帝国主義の━━になつて、單独講和を推し進めながら、日本を軍事基地にしようとしておる。その上に、日本人を━━や━━に対する戦争の肉弾にしようとしておる。私は、ここに日本国民の名において、かような政治を即時中止して」云々、また「日本の支配者に要求するものであります。」とはつきり言われております。しかしながら肉弾にするとか、戦争をするとかいうことは——御承知の通りわが憲法の第二章の第九条には戦争を放棄しておるのであります。すなわち「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」と厳粛に明記しております。この憲法が現存する限り、あなたの戦争だとか肉弾だとかいうようなことは、われわれは断じて了解できないのであります。それから第三ページの末行から四ページの七行目までにあなたはいろいろ言つております。特に第八行目の「━━━━が配置されておるといううわさがあります。これは日本の国民にとつて重大な問題です。」とおつしやつておりますが、これこそわれわれとしても重大な問題であります。あなたは二月一日の本委員会の第一回目の一身上の弁明で、その資料の五ページの初行に、東京新聞にこうあつたという例をあげておりますが、一私人の何ら権威のない、占領軍当局の公式な発表で確認されていないようなうわさをもつて、かような━━━━の配置をされておるというようなことをおつしやるということは、少くとも——一九四五年九月十九日、当時の日本帝国政府にあてた最高司令官の覚書の第三項の、連合国に対する虚偽または破壊的な批判をしてはならない、またその第五項の連合軍の動静は公式に発表されない限り記述または論議をしてはいけない、こういう厳粛な通達を受けて、日本政府はこれを了承し、これを厳粛に守つておるのであります。これを単なる市井のうわさだというようなことで、日本人民の、あるいは日本国民のその人心に動揺を来すようなことをおつしやるということは、私は国会の院内における言論の自由を奇貨とする、あなたの十分なる意識的な何かがあつて、そうしてそういう発言をされたのではないかと思います。それはなぜかと申しますと、一月三十一日の一身上の弁明の資料の中の五枚目の六行目に、はつきりあなたは自認されておる。私は憲法五十一条によつて保障されておる、あなたはこういう発言をされておるのであります。かようなことを言うて、憲法五十一条において国会の中で言うことは自由であつても、もしこれを国会以外のところで言うならば、この覚書によつて逮捕されるということを知りながら、これを聞くのがあたりまえだ、これを聞かなければ、民主政治ではないということを、数回一身上の弁明で発言されておるのであります。少くともこの憲法五十一条によつて、院内の言論の自由は院外に及ぼさぬということを知つて、発言された。そうしてこれをただちにあなたの方の党機関の国会情報によつて、すつかり新聞に出して、党員に配つておるということを、あなたはお認めになりますかどうか。
○川上貫一君 憲法に規定してあるから、戦争をしたり、あるいは肉弾にしたりするようなことはないということでありますが、憲法を吉田内閣は━━のです。こういう危險があるのです。そこで私はこれを質問した政府はポツダム宣言をはつきりと忠実に守り、極東委員会の十六原則を忠実に守り、憲法を忠実に守るべきなのに、これを守つておらないじやないかということを私は質問したのでありまして、政府としては、そういうことが全然ないというのなら、事実をあげてそういうことがないということを答弁してもらいたかつたのであります。 それから第二番目の━━━━の問題でありますが、一新聞に出ましても、一雑誌に出ましても、これは社会へ公布される問題でありまして、これは大きなうわさであります。ことに新聞の影響力というものは非常に大きいのでありまして、こういううわさがあるということは、政府に質問をして、これを国民の前に明らかにする必要がある、こう考えるので、これを質問したわけであります。 それから第三番目の、聞いてはいけないことを聞いたんじやないかというような御質問でありますが、これは国会の中で何でも言えるのだから、ひとつかつてに言うてやろというような、こういう考えでは絶対にない。国会の中で、当然国民の多数が疑問に思つておる点を政府に質問をして、この点を明らかにせねばならぬという立場で質問したのであつて、この点は国会の中ではかつてほうだいにものが言えるのだから、何でもめちやくちやに言つてやろうというような意味は、毛頭ないということを明らかにしておきたいと思います。
○田渕委員 わかりました。そこでその東京新聞に出ておるという一身上の弁明であり、またこの━━━━を配置されておるうわさである、こういうある程度までちよつと人が納得するようなことを、あなたは発言されておるのでありますが、この二月一日の一身上の弁明で、第五ページの初行をごらんいただきますとわかりますが、「これは一月三十日の新聞であります」と言うて、東京新聞をさして、「この新聞にはこう書いてある。「原爆が日本または附近にいつでも使用する用意が整えられていることは今日ではもはや秘密でもなんでもない、」これは社会でこう言つている。新聞に書かれている。」と言つておる。あなたははつきり言うておる。青森県の三沢には━━━━が配置されておる。といううわさだということを、具体的におつしやつておるのであります。しかし公式的な連合軍の発表、あるいは日本政府が確認したというようなものでなければ、質問されても、政府は答弁される資料もなければ、何ら用意もありません。それをことさらに——東京新聞のは、こういう漠たるものであつて、━━━配置しておるとは書いておりません。原爆は日本または附近にいつでも使用するということを書いておるのでありまして、決して青森県の三沢の飛行場に━━が配置されておるとは言つていないのであります。これはどういう根拠から出て来たか。
○川上貫一君 ━━━配置されておるということは、今質問の中で言われた通りであつて、新聞その他にある通りですが、それが青森県の三沢にあるということを私は言うております。これはこういうことを言うておる者があるといううわさを、私は聞いたのであつて、政府の方としては、そういうことは、全然わからぬならわからぬ、あるいはそういうことがないならない、━━には原子爆弾の━━はないということを、答弁してもらいたかつたのであります。
○田渕委員 それではその点はあとで伺いましよう。 さらに五ページの二行目でありますが、「これは明らかに朝鮮の戦争に対する━━━━であります。」とはつきり断定いたしております。すべてあなたの発言中、朝鮮の戦争、あるいは戦争というふうに、資料の中にたくさん戦争という言葉を見受けるのでありますが、今回の朝鮮の動乱は、私はいついずれの国がいずれの国に宣戦を布告して、戦争が起つたかということを伺いたい。少くとも昨年の六月二十五日に北鮮共産軍が不法に南鮮に侵略をいたしまして、そうして南鮮の平和を撹乱したのであります。決してわれわれはこれを戦争とは思つておらないが、あなたはこれを戦争だ戦争だと十何箇所も記録を通じて発言されております。およそ今日の時代において、一国が相手国に対する宣戦の布告なきものを、戦争とはいつておりません。この戦争という字句、あるいは文字、あるいは言葉の表現が、今日中和を愛好し、文化国家として立つところの日本の現在において、非常に刺激が強いのであります。こういうようなものをあなたが戦争と言うのは、どういう解釈で戦争だ戦争だとこう悪宣伝をされるのか。一体いつどこで、どこの国に宣戦布告したのか、こういう点をひとつ伺いたいのであります。
○川上貫一君 資料はたくさんあるのであります。今手元に見つかりませんが、新聞その他においても、戦争という文字は至るところで使われております。これは私たちが言うたのでありません。これを戦争という言葉で——今具体的にちよつと見つからないのでありますが、あとからお出ししてもいいのでありますが、方々で戦争という言葉を使つております。それから国民の常識から考えまして、朝鮮のあの状態を戦争でないと思うておる者は、私はないと思います。りくつはいろいろつきましようが、国民の常識は、あれは戦争だ。鉄砲を放して、爆弾が落ちて、飛行機が飛んで行つて、そうして朝鮮の人間がたくさんやられておるのでありますから、理論はとにかく戦争だ。これが常識だと思います。
○西村(直)委員 ちよつと補足関連で質問したいのです。戦争の問題で……。よくあなたは戦争という言葉を使つておられるが、ひとつはつきりしておいていただきたいのは、内戦に干渉しているとあなたはときに言つておりますね。朝鮮事変は内戦だ、あれは戦争でなくて内戦だという言葉を使つておる。一方戦争ということをあなたは非常に演説の中に使つている。そしていや自分じやないのだ。人が戦争という言葉を使つているではないかということで御答弁になつておる。と同時に、逆にあなた自体が、今度は時と場合によつては、内戦への干渉だ、こういうような言葉で演説をやつておられる。どうも言葉の受け渡しであなたは逃げまわつておる。その点をひとつお伺いしておきたい。
○川上貫一君 内戦に干渉する戦争だということは方々で使われているのです。内戦干渉戦争という、こういう考え方は世界にはあるのです。(「ごまかすな」と呼ぶ者あり)少しもごまかしておりません。
○田渕委員 それから今度は資料の第七ページの六行目から、——私はつとめて前質問者との重複を避けておりますから、できるだけ急いで聞きますが、「終戦処理費は、━━のための輸送に使おれておる、」と断言されております。あるいはまた「通信に使われておる」といろいろ断言されておりますが、八ページに行きますと「明らかに作戦費、すなわち軍事費であります。」と断言しています。ところが終戦処理費は御承知の通り、軍事基地とか、あるいはそらした方面には一銭も使つておりません。ことに池田大蔵大臣は数回の答弁をしております。一銭も使つておらぬ。ただ日本の占領軍が、通信費や輸送費の一部を一時終戦処理費から立てかえて払つたこともあります。しかしあとで皆ドル計算で日本の会計にもどつております。そうするとあなたの発言された七ページの六行目からは、まつたく何ら根拠のないことを言われたということになるのでありますが、さよう承知してよろしゆうございますか。
○川上貫一君 終戦処理費は連合軍が日本を民主化し、中和の国家をつくるための費用であつて、戦争をするための費用ではない。それが戦争のための輸送に使おれ、通信に使われ、特需の支払いに使われておると思う。もしここにおいてそう使われておるとするならば、この終戦処理費は作戦費ではないか、こういうふうに言うのです。使われておらなければ使われておらぬとということの御答弁を願えば、私はまことにけつこうであつたと思います。
○田渕委員 そう伺つておきまして、あとでずつととりまとめたものを申し上げて、伺うということにいたしましよう。 それからこの資料の九ページ、すなわちあなたは「第二点として、私は日本全土が作戦軍の兵器工場になつておる事実を質問したい。」というのでいろいろの例をあげておられます。これらもまつたく何ら連合軍から、こういうぐあいにして使つておるとか、こういうぐあいにしておるということを吉田内閣に向つて公式の通達も何もないのであります。かようなものを質問されても——もしも院外でかようなことをあなたが発言されるならば、やはり一九四五年九月十九日の覚書第三項、第五項に当るのでありますが、これを院内でことさらに言つて、しかもこういうふうな記事を、無知蒙昧なるところの、知識の低い困窮しておるような方面にこれを国会情報として流した場合に、こういうようなことが具体化して来るのであります。われわれはそういうことはなかろう、そんなことは川上君の想像であるということがわかりましても、これを院外に流し、あるいは官報を通じて地方に流す、あなたの方ではあなたの演説として、はつきり国会情報として流しております。これが全党員に頒布ざれたときに、この知識の程度の低い方面では、どうとるかというようなことをお考えになつて、あなたは発言されたかどうか、もちろんそこに行くのが目的で、院内で発言されたこととわれわれは思うのでありますけれども、この際さらにそれを伺つておきたいのであります。
○川上貫一君 日本の全土が作戦軍の兵器工場になつているということを、次に例をあげて質問したのであります。二つ、三つの例をあげよう、元横須賀造兵廠はこうなつておる、小倉工廠はこうなつておる、元の横須賀軍港はこうなつておるではないか、昭和飛行機、中島飛行機、池貝鉄工の館山工場、その他全国至るところで、工場が続々として軍需工場として復活している。一般の工場においても、大量に軍需品がつくられておる。これでは日本全体は兵器工場になつておる、こういうことになるのではないかということを質問したのでありまして、これもやはり一つもそうなつておらぬ、小倉工廠では一つも兵器をつくつておらぬ、横須賀造兵廠は一つも兵器をつくらずに、平和産業ばかりやつておるということでありますれば、それをその通り事実をあげて、政府の御答弁を私は願いたかつた。これをいたしませんと、どうしても国民の間ではいろいろな疑問が起る。ことに労働者なんかも、事実小倉工廠に働いておりますし、横須賀造兵廠にも働いておりますから、特にその人々にとつては、これは鉄砲に類するものをつくつておるのだというような気持も起るだろうと思う。これを明らかにしてもらいたかつたから、私が質問をいたしたのでありまして、抽象的に日本の全土がそうなつておるということをばらまいた、こういう意味で質問したのではないということを御了承をお願いしたい。
○田渕委員 今の川上議員の説明によりますと、決して抽象的ではない。具体的な事実をあげて、そうでなければならないと言えばいいのだ、こういうふうに伺いましたが、少くともかような進駐軍の、つまり占領軍の動静に関することなどもはつきりあつたということは、先ほど申し上げたのでありますが、しかしながら横浜にどうだとか、どこに高射砲陣地が敷かれておるとかいうことは、あなたは現認されて、国会議員として議場で発言されたのでありますか、どうでありますか。あなたは現地でこれを確認されておつしやつたのですか、それとも一私人の、何ら権威のない私的意見を載せたものをもつて、これをいい材料に、いわゆる無知蒙昧なる階級を扇動せんがために、発言されたのではないのですか。
○川上貫一君 これはそこの現場の人が知つておると思いますので、それを私は聞いて来たのでありますから、なんならば現場の、そこにおる人を証人にでも呼んで、お調べ願えればむしろはつきりするのじやないかと思います。
○田渕委員 わかりました。少くとも国権の最高機関であるところの国会において、議員が発言する以上は、議院の品位を保つ上におきましても、少くとも責任を持つたことでなければ発言することができないということくらいの良心がなければなりません。しかるに見て来たわけではない、ただそういううわさだとか、そこにいる者を証人に呼べばわかるというようなあいまいなことで、こういう発言をせられる、それがただちに全国へ通じて、どれだけの影響を来すかということをお考えにならなかつたかと私は思うのでありますが、これはしかしまあおきましよう。 さらに十一ページで伺います。「さて第三の問題は、朝鮮の戦争協力で労働者が受けておる奴隷的待遇について」云々というので、川崎のPD工場をあげているのであります。こういうようなことも、これは伺つても同じことになるのだろうと思いますが、まつたく 「戦争協力」というような強い表現をもつて、港湾では武器でどうしている、こうしているというようなこと、これは佐々木委員の質問もありましたので、私は簡単に伺いますが、まつたくこれなどは、今申し上げたような悪意から出た、憲法五十一条の自由に隠れてやつたものと私は断定せざるを得ないのであります。さらに十三ページの中ごろから、これは佐々木盛雄委員の提案の理由でも述べておつたのでありますが、「この重大な問題に対して、政府はいかなる処置をとつて来たか。口でこそ愛国とか愛国心とか唱えておりますが、総理大臣こそ、この愛国者を━━しておるんだ、」という無礼の言を用いているのであります。かような、自分で見もせず、想像、あるいはうわさ、そこらの一私人の何ら責任のない者の言うたことをもつて、ただちにこれをもつて弾圧政治をやるのだと断言して、総理大臣その他に向つてやつておる。これはあとで出て来る民主党の芦田議員にもそう言つておるのでありますが、かようなことは国会法第百十九条に「各議院において、無礼の言を用い、又は他人の私生活にわたる言論をしてはならない。」という規定があることを御存じで、これをはつきり発言されましたか。
○川上貫一君 これは何でもないと思います。この前申し述べましたように、鈴木社会党委員長も、吉田総理は牛や馬から戦車へ乗りかえたと言うておるのです。これが無礼の言辞に当るかどうか。吉田総理はかくかくのことをしておる。これが無礼の言辞に当るのかどうか、私はそうではないと思います。私はやはりいいくらいのことを言つておるのではなく、資材を出しますということを言つておるのでありますが、決して抽象的に言つておるのではなくて、具体的事実をあげて政府に質問いたしておるのであります。それから愛国心などの問題もありますけれども、これは国民の多くの人々は、吉田反動内閣とか、ある人々は吉田売国内閣とかいう言葉まで使うておるようでありまして、やつぱりこれは、愛国心をこわすのじやないかということを、国民のいろいろの人が考えておると思うのであります。また事実考えております。労働組合なんかでも、このことはしきりに主張しておりますので、それを代表して国会で御質問するということは、やはり当然であろうと、こう考えております。
○田渕委員 ただいま川上議員は社会党鈴木委員長の言がどうだとか、あるいはだれがどうとかいうことを言われるが、これは院外の発言であります。国権の最高機関である議場の神聖を保たなければならぬということで、国会法の百十九条というものが規定されている。各議員、衆議院においても参議院においても、無礼の言を用いてはいかぬ……。社会で言うことは、人のうわさは自由であります。少くとも私は国会法百十九条の各議院において発言する「無礼の言」と伺つたのでありますが、川上君は社会世俗の一私人の言を引かれましたけれども、これはそうは伺いません。これで百十九条の無礼の言を私は許すことができないのであります。
○川上貫一君 鈴木君の発言にしましても、これは院外で言うたのではありませんので、社会党を代表した吉田内閣に対する党代表質問演説の中にある言葉を私は引用したのであります。この点申し上げておきます。
○田渕委員 わかりました。それから十五ページの六行目あたりから「公然と━━━━を許し、人民に対しては━━━━━━━━━━を実行しておる。こういうことをしておいて、日本の支配者は、これが日本人を侵略から守る道であると国民を欺こうとしておる。」こういう発言をされておるのであります。この「━━━━━━━━━━を実行しておる。」というようなことは、日本は御承知の通り、憲法において戦争を放棄しており、文化国家、平和国家として立たんとしている。この国がどうして━━━━━━━━━━を実行できるか、これは私はいくら読んでも私には納得できないのであります。干渉戦争とかいろいろな言葉をあなたは使つておられますけれども、占領軍のやることを被占領下の私たち日本国民がどうこう批判ができないということは、幾たびかの最高司令官の通牒、翻つては一九四五年九月二日の、ポツダム宣言を基調とするところの全面降伏文書においても明瞭であります。それを━━━━━━━━━━ということは納得ができないので、この点をひとつ、もう少しくこの裏に隠れたところの御意見を、簡単でよろしゆうございますから、伺いたいのであります。
○川上貫一君 裏にかくれたものは何もありません。ここに言うてある通りであります。 それから━━━━━━━━━━というこのことについては、その前にこういうぐあいにして労働者が使おれておるのではないかということを質問しております。これが私の言う━━━━━━━━━━じやないか。特に私はこういうことも質問しておるのです。「大橋法務総裁は、この問題について、東日本重工下丸子工場の労働者に対して、━━━なるがゆえに基本的人権はないのであると明言しております。これは政府自身が、日本人だから━━━━の奴隷だと言つたことにひとしい。はたしてそうであるか、私は総理大臣並びに大橋法務総裁の責任ある答弁をしてもらいたい。」こう言つておる。これなんかは、やはり私は日本の政府の政治がこういう政治であるということを質問したのであります。また日本の労働者に対する保護あるいは労働基準法、労働法規の完全な適用、労働者に対する労働上の責任というものは、日本政府の責任でありますので、従つて日本政府に対して、これが十分に行われておらぬのではないか、こういう質問をすることは、国会において当然のことである、こう考えております。
○田渕委員 さらにこの資料の十八ページからでございます。特にお聞きしたいのは四行目であります。「国連の名による━━━━━━━━によつて、人民は━━━━。」というようなことを言つておる。「━━━━━━━━━は戦争と爆撃で焼野原になつてしまつた。その上に━━━━━━━━言明したのはトルーマン大統領であります。」とまではつきり言つておられる。北鮮軍の不法侵略によつて南鮮良民を救わんとしたのは、一九五〇年六月二十五日のあの国連安全保障理事会である。またその後国連が多数決によつて北鮮軍を侵略者とみなして、国際連合警察軍という名前でやつておるのであつて、決してこれを戦争といたしておりません。それをこういうようなぐあいに、━━━━━━━━━━あるいは国土を戦争と爆撃でやられた、こういうようなことを言つておりますが、これは南鮮に対するこの北鮮の侵略を防ぐために、聖なる救世主である。国連の警察軍がただちに活動いたしておればこそ、日本は安心しておられるのだ。もしあのときに国際連合軍があれを決定せず、北鮮軍が南鮮を抜いて、さらに遠く六百年の昔の元冦の役のごとく、対島、壱岐から北九州に上つたらどうなつておるかというようなことを、われわれが考えてくれば、われわれに対して聖なるところのほんとうの救世軍だと思つております。これに向つてまつたく一方的に干渉戦争だ、あるいはこうだというようなぐあいに断定されることは、意見の相違ということは言わせない。少くともあの国際連合で、これは四十何票対八票の多数決で可決されたものである。あなた方国会に席を置かれて、民主主義が多数の政治で行くということになれば、こういう論拠は全然出ない。いたずらにこれは連合国を誹謗したものである。連合軍の政策に反抗し、誹議破壊の攻撃を加えたものだと私は思うのであります。 さらにまた十九ページの継続でありますが、それは「━━━━を戦争に使うことにより国際帝国主義の利益と安全をはかる。それが吉田内閣の安全保障だ。」とこれまた断言されておるのであります。━━━━を戦争に使う、この「戦争」という言葉が出て来ることは、私はどう考えても納得できないのであります。ポツダム宣言を忠実に日本は履行いたしています。これは最高司令官から数度の声明も出ております、たとえば昭和二十四年七月四日、米国独立記念日における連合軍最高司令官の声明においても、その後数回出ざれた声明においても、はつきり日本はポツダム宣言を忠実に守つて、民主国家として早く復興したという、むしろ激賞の言葉が出ております。しかるに国際帝国主義の利益と安全をはかる、これが吉田内閣の安全保障だ。こういうような点において、これは一体どこに国際帝国主義の利益をはかつたということがあるか、伺つておきたいのであります。
○川上貫一君 前段の方の御質問でありますが、これは国連総会並びに国連の政治委員会において、日本を占領しておる連合国の中からはつきりと論議されておる問題でありまして、これは頭数の問題ではないと思います。やはり公然と国連の政治委員会その他で討議され、発言されておる問題であります。この問題はわれわれが数できめるのではなくて、十分取上げてけつこうだと思うのであります。 それから第二段の点は何でしたか。
○田渕委員 「国際帝国主義の利益と安全をはかる。それが吉田内閣の安全保障だ。」……。
○川上貫一君 そう思つております。
○田渕委員 そこで重複を避けまして、ここにまた警察予備隊の問題が出ておるのであります。二十三ページの初行から私は事実をあげましよう。久留米の警察予備隊は戦車を持つておる、装甲車を持つておるといわれておる。北海道、八戸、久里浜の予備隊は、対戦車砲や迫撃砲の訓練をしておるといわれておる、しかも、その教典は━━━━━━の教典であり、その各部隊の最高指揮官は━━━━━━━であります。」こうはつきり断言されておるのであります。これなどは公的機関が発表していないのに、どうしてこういうようなことをあなたが発言されたか、こういうようなことは公式な発表はありません。これが国会外ならただちに現場で検束されたりするのでありましようが、憲法第五十一条による国会のいわゆる自由の裏に隠れて発言された、私はそう思うのであります。こういうようなことを国会情報で流すと、いわゆる知識の低い、無知な、あるいはまたあなた方にくみするものはほんとうに信じて来る。こういうようなことで、具体的にこういうものを流して、そううして無知な者にこんな知識を入れる。それがだんだん盛り上つて、一つの輿論をつくるような共産党の宣伝にしかすぎない。
○土倉委員長 田渕君にちよつと御注意申し上げます。川上君の言論の内容が懲罰の疑いを持つておる次第でありまして、どうぞあなたの御意見はいずれ適当の機会においてお許しを申し上げまするから、できるだけ簡略に御質疑を継続せられるように希望いたします。
○田渕委員 わかりました。私もなるたけそうしたいと思うのでありますが、何分納得の行くまで伺いたいと思いますと、そこまで言つておかぬと——発言された速記録の文字よりも、その裏に隠れた方が、非常に含意があつて、非常にまどわしますから、その点に参りますので、御了承願いたい。しかし委員長の御注意を十分意にとめまして、ゆつくりやらしていただきます。 二十六ページの中ごろからであります。「それゆえにまたわが党は、全占領軍の即時かつ完全な撤退を要求しておるのである。」非常に米軍を誹謗しておるのであります。私は考えます。一九四五年の九月に日本が降伏いたしまして、そうして占領軍が日本に上陸すると、ただちに日本中の刑務所を開放して、あなた方共産党員を一応解放した。そのとき共産党の諸君は何と言つたかということを考えてもらいたい。少くとも総司令部の玄関の前に行つてひざまずいて、日本民主化の聖なる解放軍、まことにありがとうございます、と言つて涙を流して、君らは連合軍に感謝したではないか。それを忘れて、こういうような誹議がどこから出て来るかということを聞きたい。そこで少くともこういうように占領軍に対して極端なる誹謗をなしておるということについて、この理解ある最高指令官が日本に来て、しかも占領下においてあなた方に民主主義の恩恵を与えた。人民の権利を獲得するために、日本共産党を組織させた。そうしてあなた方は党組織をするや、にせ綱領を掲げて、いかにも日本国家再建に寄与するがごとき——の綱領をつくつて、宣伝をやつておる。ところが昨年の一月コミンフオルムの厳正なる批判を受けるや、一ぺんに暴力革命に移るべくやり始めた。かようなことになつて来たのであつて、アメリカに対する批判をすることがどこにありますか……。
○土倉委員長 田渕君、わき道に入らないようにお願いいたします。
○田渕委員 私は決してわき道に入りはいたしません。こういうようなことを言つている。現に「前衛」の一九五〇年五三号にこういうことを出している。少くともあなた方の党員の河田賢治君がこういうことを言つているのであります。「人民民主主義と民主民族戦線」というところにこういうことを書いている。一、革命によつて排除され、打倒され、収奪された、外国資本、地主と資本家の反抗を打破し、旧権力を再興せんとする彼らのあらゆる企図を根絶すること。二、プロレタリアートと勤労人民は結束をかため、建設事業を組織し、この活動を階級の絶滅の準備をする方向に導くこと。三、革命を武装すること。帝国主義との闘争のために、革命の軍隊を組織すること。」それからあなたの方の党員である宮田千太郎君は「権力獲得えの基礎」というところに「強大な民主民族戦線を結成し、それを指導してこそ、労働者階級は革命の任務を果しうる。だが、地域闘争をなくして、いかにしてこれを達成できるか? スターリン、ソビエト権力が「地域ソビエトを統一して、国の共通なる国家組織となし」たものだと、指摘している。人民の多数をかくとくし、革命化することなくして、ゼネストや蜂起という闘争手段にすべてをおく形式論者には「大衆の新しい支配の形態」という根本がわからない。」といつて、はつきり暴力革命をあおつている。さらにこれの二十ページの末尾にこういうことを言つております。「だが、党内で重大なことは、かかる分派の悪影響にうごかされやすい経済主義、経験主義を克服する問題である。地域闘争を権力問題と理解せず、つねにストライキや争議の「手」としか考えない傾向は、今なお根深い。かかる経済主義は別の面では、労組、農組などの共闘会議を集め、民主民族戦線の会議をやれば、それが地域闘争だと考える一個の社会民主主義が残つている。これらは、大衆とその闘争を、経済要求の段階にとどめ、年中行事式に、形のみの共闘ごつこの枠の中に、大衆をひきまわすのだ。これはたしかに出発点ではある。が問題は、この闘争の中で、宣伝活動を弾化し、大衆を成長させ、個々の経済闘争の勝敗にかかわらず、一貫して権力を孤立させ、これにむかつて大衆を革命的に前進させるにある。」これとあなたの言つていることがずつと合つて来る。またあなたの方の「党活動方針」、日本共産党宣伝教育部で発行しているものの七十五号、一九五一年一月十一日に「全面講和と全占領軍の撤退、大衆行動を組織せよ」として、「吉田内閣は中共貿易を禁止し、帝国主義者の中共に対する経済封鎖の戦争政策に一役買つた。経済封鎖は明らかに宣戦なき戦争状態を意味する。吉田内閣によつて帝国主義者のアジア侵略は援助され、その前進基地として日本は戦火にさらされようとしている。そして肉弾の補給が日本に求められ、そのために再武装が予備隊を中心に具体的にすすめられている。」と書いてある。さらに、一九五一年一月二十四日の第七十七号に「弾圧がつよまるたびに「全面講和」の要求に大衆結集」「日産、いすず、鋼管と相ついでのスト中止勧告は、鶴見を初め京浜労働者の間に大反響をよび起し、いすずでは「どだい駐屯することが単独講和だ」見返資金なんてとんでもねえ、賠償金で百年も税金をぶつたくられるんだろう」と怒りだし、日産では「もうこうなつたら会社とだけの鬪いぢやねえ、日本人を徴兵する単独講和は反対だ」とこういうようなことが書いてあるが、無知蒙昧なる階級にこういうようなことを言うとどうとるかというのです。これは日本共産党のねらいであろうけれども、こういうことが全部にはつきり現われております。大勢の中にはそういうことを言つている人がある。日本国民の中には十分教育が行かないので、そこらへ何して来て、輿論だなんて逆宣伝をいたしております。
○土倉委員長 田渕君注意をいたします。本論を……。
○田渕委員 それから質問の二十八ページの末項、これで川上君にお尋ねいたします。「また政府は、全国にわたつて、共産党員並びに活動的労働者一万七百二十名を職場から追放して、民主的な労働組合を破壊し、ストライキを騨圧し、デモを禁止し、民主的集会をさしとめ、民主的出版物一千数百種の発行を禁止し、その機関に弾圧を加え、その関係者を逮捕している。」こうあります。ところがこれは団体等規正令の第二条第一項に該当いたしまして、「アカハタ」その他の禁止は、司令部の命令によつてやつたのであります。最高司令官の覚書、いわゆる命令によつて日本政府が「アカハタ」その他をやつたのを、どうして吉田内閣がこれを弾圧し逮捕したとか、あるいは出版を禁止したと断定されるのでありますか、それを伺いたいのであります。二十八ページの末項です。
○川上貫一君 占領軍の撤退の問題がありましたが、早期全面講和の主張は共産党の主張であります。講和後における占領軍の早期かつ完全なる撤退、これは党の公然たる主張であります。どこまでも言います。 それから第二点でありますが、無知蒙昧なる人民をだますと言いましたが、無知蒙昧なる人民をなかなか吉田内閣がよくだましております。だが無知蒙昧なるという言葉は、実際使うべき言葉ではないと思う。日本の忠良なる人民に対して、無知蒙昧なるなどという言葉は使うべきでないと私は考えます。 それから第三点は、頭が少し悪くなつてよく忘れるのですが……。
○田渕委員 「アカハタ」の……。
○川上貫一君 「アカハタ」は——これは吉田内閣があらゆる民主的な出版物と弾圧しておる。これはここに書いてある通りであります。
○田渕委員 私は、別に応答するわけじやありませんが、それは決して吉田内閣が単独でやつたものではありません。進駐軍最高司令官の覚書によつて、守られなければならぬ、聞かなければならぬということを、公式な発表、あるいは確たる情報、その他のものを——つまり進駐軍を誹議し、あるいは批判し、反抗するようなことを書いたものは、団体等規正令に触れる、あるいは新聞取締力の項に触れるのでやつたものであつて、決して吉田内閣が、みずからこれを「アカハタ」だからといつて、あなたの方の共産党の機関紙だからといつて、故意に弾圧し、出版を停止したものではない、こう思います。またその通りであります。けれども、あなたの方はそうはとらない。ただ吉田が独断でやつたというように言つているが、九月二日の全面降伏文書、あるいはその後に発せられた指令によつてやつているということを、はつきり御認識願いたい。 それから三十四ページであります。三十四ページにあるように、「中華人民共和国四億七千万人の人民を明らかに侮辱するものである。周恩来外交部長の呼びかけに敵対し、全面講和を破壊するものだ。今日の中国人民は、ソ同盟とともに、平和と反戦反帝の先頭に立ち、世界政治の指導権を社会主義並びに人民民主主義陣営に保障しておる。」こういうようなことをあなたは発言されておるようでありますが、現時国際情勢下において、吉田内閣は、中華人民共和国の周恩来外交部長の呼びかけに敵対したというようなことは、私は断じてないと思います。少くとも今日本が置かれておる国際間のこの情勢、保障占領下において、連合軍から手を差延べて来なければ、どうしてわれわれの方で講和を要求できるか。それを拒否しておると言うが、吉田内閣は一度も拒否しておりません。願わくは全面講和が望ましいのであるけれども、これを待つておつたのではいつまでたつても講和はできぬから、何とかできる国から多数講和をしたい。いたし方がないからそうしたいということを、はつきり言うておるのに、ただ中共やソ連を故意にけ飛ばして、単独講和で行こうとしておるというようなことを断定されておるのでありますが、これは私は納得できぬのであります。どういう意味でこうおつしやつたかということをひとつ伺いたい。
○川上貫一君 そういうことをやつております。私が「周恩來外交部長の呼びかけに敵対し、全面講和を破壊するものだ。」と言つたのは、中国に対する貿易禁止であります。このことを言うておる。中共に対し一切の貿易を禁止した。これは「中華人民共和国四億七千万人の人民を明らかに侮辱するものである。」こう言うたのである。この中国との貿易禁止はだれがやつたのかと質問したら、私がかつてにやつたと吉田総理は言うておる。これは侮辱しているとわれわれははつきり言いたい。それだけではありません。まだたくさん言うことがありますが、これはどうもあまり言うとぐあいが悪いですから、これだけ今答えておきますけれども、ここに書いてある通りでありまして、また世界政治の指導権を社会民主主義並びに人民民主主義陣営に明らかに保障しております。戦争を食いとめております、こう信じておる。
○田渕委員 私は少くともこの川上氏の質問というものは、一月二十七日の全質問を通じまして、結局少数派が、多数派の学研的な民主政治、いわゆる政治権力というものを不法に何とかひとつくつがえして行くのについては、どうしても真実でない一私見、あるいは人が迷うような言葉、表現を文学に表わして、その文学の中に隠れた大きな、言うに言われないところの以心伝心といつたような式において——先ほど私の言うた言葉に対して、川上君はこういうようなことはないと言われますけれども、わが日本の国においてもまだ、年をとつて、あるいは明治時代に教育され、十分研究しない、ほんとうに知識の低い人もあります。それは日本国民が全部大学を出たわけでありませんから、こういう知識の低い人たちに向つて、かような捏造した虚偽と宣伝によつて一応心をぐらつかせ、動揺させて、もつてこれで輿論を押して行く。そうして少数の暴力革命に持つて行こうという扇動をしておる。これが輿論だと出て来ている。最近の神戸事件というものが出て来ている。こういうことを国会を通じて言うことは、まことに憲法五十一条の制定当時の精神を没却しておる。国会外で言うなら逮捕されるけれども、国会内で言うのは自由だ、またこの国会で言うたことを、国会情報というような大きな新聞で全国の共産党員に流している。速記録を中止してもだめだ。こういうことは私はまことに川上君の心情を疑うのである。川上君はそうではない、こうではないという答弁をされておりますけれども、私は団体等規正令あるいは最高司令官の覚書、指令に基くすべてへの反抗と、虚偽の捏造であるというようにしかとれないのであります。私はまだ伺いたいのでありますが、一応この程度にいたしておきまして、次に譲ります。
○土倉委員長 答弁ありますか。
○川上貫一君 何が質問かわかりませんので答弁しかねる……。
○土倉委員長 それでは本日は川上君に対する質疑はこの程度においてとどめたいと思います。なお次会は来る十三日火曜日午後二時開会いたしまして、質疑を続行いたします。川上君も引続き御出席くださるよう御了承願います。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時四十五分散会