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10回国会衆議院1951/05/24

大蔵委員会 第54号

発言数
10
登壇者
4
会派数
1
開催日
1951/05/24

会議録

奧村又十郎自由党

○奧村委員長代理 これより会議を開きます。  昨二十三日本委員会に付託に相なりました商法の一部を改正する法律の施行に伴う銀行法等の金融関係法律の整理に関する法律案を議題といたしまして、政府当局より提案趣旨の説明を求めます。大蔵政務次官西川甚五郎君。     —————————————

西川甚五郎自由党大蔵政務次官

○西川政府委員 ただいま議題となりました商法の一部を改正する法律の施行に伴う銀行法等の金融関係法規の整理に関する法律案につきましてその提案理由を御説明いたします。  昭和二十五年五月成立いたしました商法の一部を改正する法律は、本年七月一日より施行せられることとなつておりますので、これに伴いまして銀行法、貯蓄銀行法、信託業法、担保付社債信託法、無盡業法、銀行等の債券発行等に関する法律及び証券取引法の七法律中、商法を準用している規定その他商法改正に関連する規定を改正するために、本法案を提案いたしました次第であります。ただこの場合、金融機関の特殊性にかんがみ、商法の二、三の規定に特例を設けることといたしましたので、これを御説明いたします。  すなわち、第一点は銀行、無盡会社、信託会社につき無額面株式の発行を認めることは、その資本の金額を不確定にし、金融機関においては望ましくないと思われますので、その規定の適用を排除いたしました。第二点は銀行、信託会社、無盡会社について改正商法の規定により作成される計算書類の付属明細書の記載事項及び様式は、金融機関が一般事業会社と業態を異にする事情にかんがみ、主務大臣が定めることといたしました。第三点は、銀行及び預金業務を営む無盡会社について株主の会計の帳簿書類の閲覽または謄写に関する規定は、信用機関としての特殊性にかんがみまして、これを適用しないものといたしました。金融機関については、その事業の公共性にかんがみ、主務官庁の特別の監督を受け、特に嚴重な検査が励行されておりますので、右の規定の適用を排除いたしましても株主の利益を害するようなことはないと考えます。なお銀行等の債券発行等に関する法律により発行する金融債の発行限度の計算の基礎等となる自己資本の定義につきましては、改正商法の規定により、株式のプレミアム発行差額及び資産の再評価差額等が資本準備金として経理せられるようになりましたので、右の資本準備金が同法の自己資本に算入することができるように改正を加えました。また銀行等が見返り資本による引受によつて発行した優先株式は、主務大臣の定める償却計画に従つて償却することとなつておりますので、この場合の資本減少については、株主総会の特別決議を要しないものとすることといたしました。  以上が本法案の提案の理由及びその内容の大要であります。何とぞ御審議の上すみやかに本法案に御賛成あらんことをお願いいたします。

奧村又十郎自由党

○奧村委員長代理 これより本法案並びに昨二十三日に本委員会に付託となりました船主相互保險組合法の一部を改正する法律案、外国保險事業者に関する法律の一部を改正する法律案、及び保險法の一部を改正する法律案の四法案を一括議題といたしまして質疑に入ります。

佐久間徹自由党

○佐久間委員 ただいま議題となつております商法の改正に伴う保險業法の改正に関しまして、二、三質問をいたしたいと思います。すなわち改正商法の第二百九十二条ノ五の第二項に、付属明細書の公示として「前項ノ書類ニハ会社ノ業務及財産ノ状況ヲ詳細ニ記載シ殊ニ資本及準備金ノ増減、取締役、監査役及株主トノ間ノ取引、担保権ノ設定、金融ヲ業トセザル会社ニ在リテハ金銭ノ貸付、他ノ会社ノ株式ノ取得並ニ固定財産ノ処分ヲ明示スルコトヲ要ス」と記載してありますが、保險業法の一部を改正する法律案におきましては、相互保險会社には適用せず、付属明細書の記載事項は主務大臣の命令で定める旨を規定しております。株式保險会社については、そのまま適用されているのであります。株式保險会社は、第二百九十二条ノ五の第二項を適用するにあたりまして、同項の「詳細ニ記載シ」とある詳細とは、どの程度に記載すべきものであるか。

長崎正造大蔵事務官(銀行局保險課長)

○長崎説明員 商法第二百九十三条ノ五の第二項に「業務及財産ノ状況ヲ詳細ニ記載シ」としてあるが、その「詳細ニ記載シ」というのは、どういう程度かという御質問でありました。これは商法の一般の解釈になるわけでございますが、法務庁とも打合せた結果に基きまして御回答いたしますと、これを要するに、この商法の二百九十三条ノ五というのは、従来の決算書類の閲覽権だけでは株主の保護に十分でないというところから、新たに規定せられた条文でありまして、今の決算書類、すなわち財産目録、貸借対照表、営業報告書、損益計算書等では、十分に株主の監査の権利を発揮することができないというので、それよりも詳細に書いて株主の保護に遺憾なからしめんとしたものであります。従いまして、そういう目的を達成し得るものであれば十分でありますので、必ずしも細目的な事項を網羅的に記載する必要はないのでありまして、重要な事項を逸脱しない限り、概括的に記載することはさしつかえないというふうに解せられております。  なお相互会社について、この条文を準用いたしませんでしたのは、これは今の第二項の中に株主との取引を明示するとか、あるいは資本及び準備金の増減について明示することを要するというようなことになつておりますが、相互会社では株主というようなものはございませんし、また資本の観念もございませんので、別途省令で定めることにいたしておるわけであります。

佐久間徹自由党

○佐久間委員 次に、先ほど読みました条文の中の「取締役、監査役及株主トノ間ノ取引」という中には、保險会社との保險契約は含まれないものと思うが、その点はどうでありますか。

長崎正造大蔵事務官(銀行局保險課長)

○長崎説明員 この条文の目的は、結局会社の財産に大きな影響を與えるような事項、あるいは会社の業務に重大な危險を與えるような事項について、明細に書けという処置でありまして、保險契約のように普通保險約款というようなもので定型的に定められておりますものは、様式は一定いたしておりまして、取締役や株主が自己または第三者のために私利をはかるというような余地が残されておらないものにつきましては、これは原則として記載しなくてもよろしいということになります。これはその他約款が用いられる運送契約とか倉庫契約というようなものについても同様でありまして、これは学説でも同様でありますし、また法務府とも打合せて御回答申し上げておる次第であります。

佐久間徹自由党

○佐久間委員 さらにこの条文の中に、「金融ヲ業トセザル会社」とありますが、保險会社はその「金融ヲ業トセザル会社」に該当しないのじやないか、こう思うのでありますが、その点はいかがでありますか。

長崎正造大蔵事務官(銀行局保險課長)

○長崎説明員 保險会社が金融を業としない会社であるかどうかということでありますが、この条文の目的からいたしまして、また保險会社の機能からいたしまして、もちろんこの保險の業務は一般の金融業務と違うわけでございますが、その財産の利用の面におきましては、保險会社は一般の金融機関と同じように、株式投資とかあるいは貸付をいたしておるわけでありまして、その財産利用の機能におきましては、一般の金融機関と異なるところはないと考えられます。従いましてここに書いてありますこの「金融ヲ業トセザル会社」には、保險会社は含まれない、換言しますならば、この条文の意味においては、金融を業とする会社というふうに解釈してさしつかえないものと考えられます。従いまして保險会社につきましては、貸付について一々付属明細書に、個々の貸付を明示する必要はないものと解せられます。以上法務府とも打合せの上お答え申し上げます。

奧村又十郎自由党

○奧村委員長代理 それでは、本日はこれにて散会いたします。     午後二時二十四分散会

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