大蔵委員会 第46号
- 発言数
- 180 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1951/03/30
会議録
○奧村委員長代理 これより会議を開きます。 日本開発銀行法案を議題といたしまして、前会に引続き質疑を継続いたします。三宅則義君。
○三宅(則)委員 ただいま議題になりました日本開発銀行法案に対しましては、すでに各委員からも長い質問もあつたわけでありますが、私も二、三質問をいたしたいと存じます。ごく簡單でけつこうでありますから、要領よく御答弁を願います。 この日本開発銀行は特に長期資金を融通するということに主眼があると思うのでありまして、今までは長期資金につきましては、前の日本興業銀行等がやつておりましたが、その他におきましてはあまりやつておりませんでした。不動産金融ということも、昔は日本勧業銀行でやつておりましたが、最近はまだやつておりません。こういう場合におきまして、必要欠くべからざる事業に対しまして、たとえば船舶あるいは電気あるいはその他の重要産業に対して、開発銀行が融資をするものと私は信ずるのであります。昭和二十六年度におきまして、米国対日援助見返資金特別会計から資本金の百億円が出ることになつておりますが、これは将来打切られると思いますから、ときどき資本というものは増加せらるべきものであろうか。将来どういう考えを持つておられまするか。この際銀行局長から承りたいと存じます。
○舟山政府委員 この開発銀行の資本金は、さしあたつて見返り資金から百億出るのでございますが、法案の中にございますように、復金の回収金が回収の都度、この開発銀行の出資金に振りかわつて行くのでございます。復金の貸付金は八百八十億程度現在残つておりますが、この大部分が回収の都度この銀行の資本金になるといたしますれば、さしあたつては見返り資金あるいは一般会計から出資を増加いたしませんでも、相当まかなつて行けるのではないかと考えております。
○三宅(則)委員 ただいまの御説明によりまして、復金から相当の回収があつた場合におきましては、漸次これが資本金に繰入れられるのゆえをもちまして、将来の資本金については安心であると、こういう御答弁であると了承いたしました。 次にこれは事務的なことでございますが、開発銀行は政令で定むるところにより登記しなければならぬ。一般の公法人あるいは法人と違いまして、政令で定むるところとありますからして、何かそれらに対する腹案を持つておられることと思いまするが、それに対しましての案がありましたら、この際お聞かせ願いたいと存じます。
○舟山政府委員 この銀行は公法上の法人でありまして、一般民事の法規の適用を受けない関係もございまして、登記につきまして特に政令で事務的な規定を設ける必要がある。それは一般の登記の規定をこの銀行のために政令で定めるわけでございまして、特殊なものを考えておるわけではございません。
○三宅(則)委員 今の御説明によりますと、大体普通の登記と関連があるように考えられますが、特にこの銀行は公法人でありまするから、政令で今後定めたい、こういうふうに了承いたしてさしつかえないかと思うのであります。 次に、これはあとのことになりまして恐縮でございますが、この「開発銀行の解散については、別に法律で定める。」これは将来のことでございまするからして、当分は開発銀行は置きたいという気持でおられると思うのでありますが、何か一定の目的が完了したならば解散するというような意味合いでおられまするか。当分は続けて行くという方針でありましようか。その辺をひとつ承りたいと存じます。
○舟山政府委員 開発銀行は長期の金を扱うのでございまして、存続期間は黙つておりましても相当長くなると存じます。輸出銀行の場合におきましては、その存続期間を一応五年と切つたわけでございますが、開発銀行にはその規定がございません。どうも将来のことは何とも予測はつきかねるのでありますが、相当長く続くものと考えてよろしいかと存じます。
○三宅(則)委員 次に、これまた事務的なことで恐縮でありまするが、昨日も大蔵大臣から御説明がありましたが、日本開発銀行の総裁、副総裁は、政府、いわゆる内閣総理大臣が任命するというのでありまして、あとの理事とか、参與とか、監事とかいうようなものは総裁、副総裁がきめる、こういうふうに了承するわけですが、これにおきまする参與等の職務的事柄は、一体どういうものを指摘されておりましようか。ここにも書いてありまするようでありますが、大体の中心は総裁、副総裁がやり、理事、監事、参與というものは、露骨に言いますと重役とか、当の責任者というように解釈してもよろしいと思いますが、これについてもし案がありましたらお示しを願いたいと存じます。
○舟山政府委員 この開発銀行の経営の責任を明確にいたしますために、まず総裁、副総裁を内閣総理大臣が任命いたしまして、その好むところの入をもつて重役陣を構成する、こういたしましてすつきりした経営態勢を整えしめようというのでございます。しかしこの開発銀行の業務は、広く産業、経済に関連を持ちますので、そのためには特に参與を置きまして、大体これには産業人を参画せしめることになると思うのでございますが、その意見を徴しまして経営に誤りなきを期そうというわけでございます。参與は法律の規定にもございますように、総裁の諮問機関でありまして執行の責任は負いません。時々意見を具申する機関でございますが、これによつて経営の万全が期せられると考えております。
○三宅(則)委員 はなはだつまらぬことを聞くようで恐縮でありますが、総裁、副総裁、理事というものは、当然責任者ということになるわけでありまして、監事は監事の責任がありまするが、今お話によりますと、参與は産業人を中心に考えておつて、時々意見を開陳することのみであるというふうに私は了承したわけであります。各審議会あるいは諮問機関に対しましては、はなはだ露骨なことを言いまして恐縮でありまするが、ややもいたしますると参與というものがなおざなりになつて、何ら発言権もなく、案のきまつたのを見せる程度であるということを、たびたび私は聞いておるわけであります。そこで今後のあり方は、参與をこの法案の趣旨に従つて、その運営に参画せしめたいと私は思うのでありますが、今まで内閣にできました六十幾つ、七十幾つというたくさんな審議会は、ほとんど官吏のつくつたものを一覧せしめるにすぎない、こういうことを聞いておつたのでありますが、今後のあり方といたしましてははなはだおもしろくない、こう考えまするので、今できまする開発銀行の参與等につきましては、相当産業人の言うたことも尊重いたして、その運営にこういう線を強く出すことが最も必要だと思いますが、銀行局長はどう考えておられますか承りたい。
○舟山政府委員 参與の制度が効果を上げるかいなかは、実際問題として考えなければならぬことであろうと考えるのであります。この参與には有能な人材を集めていただきたいと期待しておるのでありまして、その御意見の中には十分傾聽すべきものがあろうかと考えます。しかし責任制度の観点からいたしますれば、あくまで参與は意見を具申する機関でございまして、これを採択するかどうかということは、総裁、副総裁以下の理事者の決定するところであります。参與の発言に必ず拘束されるという建前はとることができないのでございます。そういうふうにしまして銀行の経営の責任ははつきりさせたいと考えております。
○三宅(則)委員 第十四條に入りまして、「日本開発銀行と総裁、副総裁又は理事との利益が相反する事項については、これらの者は代表権を有しない。この場合においては、監事が日本開発銀行を代表する。」これは民間にもあるようでありますが、こういうような一応の例と申しまするか、自分が総裁なり副総裁になつております場合におきましては、直接関係のある開発銀行に対する資金は、融通してはいかぬという意味合いにおいて言うておられますが、その辺は了解に苦しむので承りたいと思います。
○舟山政府委員 これは先ほどの登記の手続の場合と同じく、大体民事法規にあります規定をここに移したまでのことでございまして、一般の会社の例と同じであると考えております。自分の利害に関係いたしますことについて、開発銀行を代表することは適当でありませんので、その場合には監事が開発銀行を代表して、総裁、副総裁、理事と相対する、こういう建前であります。
○三宅(則)委員 ただいまの御説明によりまして十四條は了承いたしました。 次に十八條に書いてあることでありまするが、これはもちろん日本の経済再建に必要欠くべからざることでありまするからして、「設備(船舶及び車両を含む。)」ということが書いてありまするが、その他のたとえば鉱山業にいたしましても、あるいは電気事業にいたしましても、相当長期の資金が融通せられることは当然であると思つております。これらについては、一年以上の期間ということによつて証明せられるように、長期間でありまするが、特にお伺いいたしたいと思います事柄は、その業種別、——この間も説明があつたと思いまするが、業種別をお示しになることと、第二点は、社債その他のことにつきましての肩がわりをするという点があるわけでありますが、こういうような肩がわりすることについても、相当活発にやられるのでありましようか。その辺を承りたいと思います。
○舟山政府委員 この開発銀行の業務の相手方、対象となる事業につきましては、先般も御答弁申し上げたのでありますけれども、実際問題といたしましては、現在長期資金を特に緊切に必要といたしておりますところのいわゆる基幹産業、電力とか海運とかを中心として、鉄鋼とか肥料とか、そういうところに重点が置かれることと思うのであります。しかし政府は開発銀行がどの方面に対して資金を融通するかということを、あらかじめ計画を持つておるわけではないのでございまして、大体この法案にも現われておりますように、開発銀行は、市中金融によりまする長期資金の供給が困難なる場合に、これの手助けに発動するものでございますので、市中銀行の金融が円滑に行つておりますれば、この開発銀行は別に発動しないでもいいわけであります。そういつたようなこともございまして、開発銀行がどの産業にどの程度の金を出すかということにつきましては、予測が困難でございます。かつその経営は銀行自体の経営にまかすという建前をとつておるのでございます。どういう業種に金を出すかということにつきましては、ただいま申し上げましたことで御了承願いたいと存じます。
○三宅(則)委員 今の御説明でわかつたのでありますが、次にひとつ承りたいことは、証券業者——もちろん証券業者にもいろいろあるわけでありますが、確実なる証券業者等につきましては、社債の引受でありますとか、あるいはその他の返済資金を調達するために、証券業者等にも貸すということが、この法文の第十八條に載つておるわけでありますが、将来ともそういうことを活発にやられるおつもりでありますか、承りたいと思います。
○舟山政府委員 これは証券業者に貸すのではございませんで、事業会社が社債を発行する場合において、いろいろの事情でその証券業者がその社債を応募または引受をしない。しかしこれは情勢上、その社債の発行をしなければならぬという場合に、この銀行がその社債の応募をする。そのことによりまして、当該事業会社に長期資金を供給する、こういう建前であります。
○三宅(則)委員 次は二十一條のことを聞きますが、「日本開発銀行は、銀行以外の者に対して」云々と書いてありますが、もちろんこの開発銀行は自分みずからもやりまするし、また自分に関係のあります銀行を通じて資金を供給するという意味でありましようか。その辺を承りたいと存じます。
○舟山政府委員 この開発銀行は、その業種が長期資金供給の銀行のやつておるような仕事をやるわけであります。そこでこの開発銀行は、自分の店、自分の職員を通じて直接に業務を営む場合のほか、こういつたような仕事を銀行に対して委託することができるということであります。
○三宅(則)委員 今の御説明によりまして、開発銀行はみずからもやりまするし、また自分の関係のありまする中央の銀行も地方の銀行を通しましてやり得る、こういうふうに私どもは了承するわけでありますが、それでよろしゆうございますか。 ついでにもう一つ承りたいことは、これはもちろん一般のことでありますが、「日本開発銀行は、毎事業年度、収入及び支出の予算を作成し、これを大蔵大臣に提出しなければならない。」こういうことになつておるわけでありますからして、大蔵大臣は活発にこれを監督し得るものと考えておりますが、その辺の構想をあわせて御答弁願います。
○舟山政府委員 二十一條の業務の委託につきましては、開発銀行は自分の手足で業務を直接やることを本筋とするのでありますけれども、事情によりましては市中の銀行を使いまして、貸付に対する審査であるとか、あるいは回収等を手伝わす必要もありますので、この規定を設けた次第でございます。 それからこの会計におきまして、開発銀行は収入支出の予算、特にそのうちの経費の予算につきまして予算をつくりまして、大蔵大臣を経由いたしまして、国会に提出しなければならぬということになつておるのでございますが、これは全額政府出資の政府機関でもありますので、経費の濫費等がございませんように、政府機関の予算一般の例にならつた次第であります。しかし開発銀行の活動を無用に拘束いたしませんために、経費予算に限つてこれを国会に提出するということにいたしたい。これを反面から申しますれば、その事業については特に予算をつくる必要はないわけであります。それから開発銀行の事業全体の監督ということは、これは一般金融機関の監督権が大蔵大臣にありますように、別途の規定によりまして大蔵大臣が開発銀行を監督し、報告を徴し、検査をすることができる、こういう規定が設けてあるのでございます。
○三宅(則)委員 ただいまの御説明によりまして、大体了承したわけであります。昨日深澤委員の御質問に対しまして、池田大蔵大臣は「予見し難い事由による」云々のところで、予備費を四千万円ほど見積つておるということでありますが、さらに二十八條におきまして、予算作成後に生じた避けがたい事情があつた場合には追加予算を出す、こういうことになつておるわけであります。こういうふうにある程度まで予備費を認めておいて、さらに追加予算を出すということは当然のことになるかもしれませんが、これは特殊の場合に限ると私は思いまするが、政府はどう考えておられますか、承りたいと思います。
○舟山政府委員 市中の銀行でありますれば、その事業の目的を達成いたしますためには、予算等に拘束せられないで、自由に必要資金もまかなえるわけでありますけれども、これは政府機関であり、経費の予算は国会の承認を得るということになつております。そこで一応の準備といたしましては、予備費を設けてありますが、さらにそれでも足りないときは、追加予算を作成することの道を開いたわけでございます。これは会計全般に通ずる問題でございまして、特にこの開発銀行に限つたことではないのでございます。
○三宅(則)委員 時間の関係上もう一、二点にさせていただきますが、私どもはこの開発銀行によりまして、重要産業がますます活発に復興いたして来ることを、期待いたすものであります。 三十三條の方に飛びますが、日本開発銀行は財産目録、貸借対照表を上半期、下半期というふうにわけまして、大蔵大臣に届けなければならぬことは当然でありますが、これは国会において議決するというふうに考えられますか。報告して承認をとるというふうに考えられますか。その辺をひとつお聞かせ願いたいと存じます。
○舟山政府委員 これは大蔵大臣に届出だけでございます。
○三宅(則)委員 届出でもけつこうでありますが、やはりそういうことは、国家機関の一つでありますからして、将来は大蔵委員会とか決算委員会においても、これを承認するというふうに持つて行つたらどうかと思いますが、政府のお考えはどうでありますか。 もう一点は、三十五條に、会計検査院に送付しなければならぬ——送付だつてやはり検査を受けることになるのでありますが、責任はどこまでも政府自身が負うということになりましようか。その辺を承りたいと存じます。
○舟山政府委員 それは国家機関の一般の例によりまして、会計検査院の検査を受けるのが当然のことでございます。
○三宅(則)委員 私はあまり追究するものではありませんが、日本開発銀行は、毎事業年度の損益計算上に利益を生じた場合には、準備金として積み立てなければならぬことは当然のことでありまするが、準備金というのは、あまりたくさん積み立てられないものでありましようか。ときどき利益のあつたときには積み立てる方針でありますか。その辺の構想は、今予測しがたいものでありましようか、承れれば仕合せだと存じます。
○舟山政府委員 利益金は準備金として積み立てるわけでありますが、一方政府から借り入れております金額に対しましては、一定の利子を払うことになつております。これは現在のところ年五分五厘程度予想しております。この利率を動かすことによりまして、ある程度この開発銀行の準備金の積立て方についても、調整が加えられるわけでございます。
○清水委員 復金が業務を停止して以来、長期資金の供給につきましては、非常に困難をしておるという際に、この開発銀行法案ができたことは、非常に私ども喜んでおります。復金にいたしましてもとかくの風評があり、一面に問題を起しましたけれども、復金の建前としては、産業の復興に当ることについては、一部成功していると私は思つております。 そこで一つ二つお伺いしたいことは、十八條の規定の中に、銀行その他の金融機関から、資金の供給を受けられがたいものに供給するということをうたつてありますが、従来の復金の貸出しのように、これに対しては産業別に重点度を置いて、資金の供給をなさるのでございますか。それとも産業全般にわたつてのお考えをもつて供給されるのでありますか。この点をお伺いいたします。
○舟山政府委員 この開発銀行は、第一條にもございますように、経済の再建及び産業の開発のための長期の資金を供給するわけでございます。しかも十八條の規定によりまして、銀行その他の一般の金融機関からは、供給困難なものについて補完作用として発動するわけでございます。そこで現在日本の経済再建のためには、何と申しましても、俗に言われておる基幹産業あたり、これが最も長期の資金を大量に必要としておるところでございますので、この銀行の営業方針といたしましても、そういうものを主として考えるということになろうかと思います。また一面、すべての産業に対して資金を供給するということになりますれば、その資金量も非常に厖大なものになり、この開発銀行の資本金が限られておる関係もございまして、おのずからある部面に重点を置くというようなことになろうかと考えます。また市中銀行の出し得ない金を出すのでございますので、金額が小さいとか、あるいは普通の産業につきましては、これは市中金融機関が十分こけ資金をまかない得るものと考えるのでございます。そんなようなことからして、この銀行の出します相手先というものは、おのずから限られて来る、自然的に制約が出て来るというふうに考えております。
○清水委員 今のお答えによりますると、当局とすれば従来のように重要産業とかなんとかいうような業種別、産業別の指定をしないで、資金の需要面から行つて自然的にわかれて来ると了解してよろしゆうございますか。
○舟山政府委員 その点は先ほどもお答え申したのでございますが、開発銀行は、市中の金融機関が出し足りない部面を補強するのでございます。そういうことでありますから、業種も市中の金融機関で十分まかなつておるところに対しては、おのずから資金は出ない。どうも市中金融機関の重荷になつておるという点については、この開発銀行が活動するというふうなことになろうかと思いまして、融資の相手先の業種というものも、情勢の変化によりましていろいろとかわると考えております。
○清水委員 次に三十七條におきまして、資金の借入れを禁止しております。開発銀行の資金としては見返り資金の百億円その他復金の回収金、これではまことに私どもは少いのではないかと思いますが、これは社債等の発行はできないのでございますか。一に政府の財政資金をもつてのみするという御方針でございますか。
○舟山政府委員 この銀行が社債を発行し、あるいは市中または政府から資金を借り入れることにしたらどうか、こういう意見もあり得るのでございますが、さしあたつてはこの借入れを認めない。見返り資金と復金の回収金でやつて行つたらどうかと考えたのであります。開発銀行が発足いたしまして、その業務の状態のいかんというようなことによりまして、将来研究すべき事項かと考えます。
○川野委員 実は私は時間がございますならば、復興金融金庫の各個人別の債務残高という点についても、詳細な質疑をしてみたいと考えたのでありますが、資料の提出等に相当の時間がかかる、こういうことでございますので、そういう点につきましてはまたの機会に譲りたいと存じますが、ただ一点伺つておきたいと思います。 復興金融金庫の残高表を見ますと八百八十六億、こういうような厖大な残高が残つておるようであります。これはどういうような関係でそういうような残高が残つておるかと、私はいろいろ考えたのでありますが、当時復興金融金庫から金を借りる人というものは、復興金融金庫から金を借りればあとは払わぬでもよろしい、こういうような考えを持つておつた人が多数あつたものと考えます。そういう意味合いにおきまして運動費を二割、多い人は四割も使つたということであります。相当な運動費がいるということは公然の事実でございます。ゆえに当時の復興金融金庫というものが、いかに紊乱いたしておつたかということは、この点からも証明されるわけであります。多額の運動費を使つて借りましても、万金を払わぬでもよろしい、こういうのでございますので、従つて借りる人というものは、相当の費用を使つて運動いたしまして、そうして金を借りたこいう事実がございます。それで整理の実情がはかはがしくない、こういうことに私はなつておると考えます。そこで今度の開発銀行でございますが、これまた私は復興金融金庫の延長、こういうように考えますと、復興金融金庫がいたしました体たらくを、また開発銀行においても繰返すのではなかろうか、こういう点を心配いたすのでございますが、こういう点につきましてとういうふうな監督をされるお考えであるか。この点をお尋ねしてみたいと思います。
○舟山政府委員 復興金融金庫の貸付金は、大部分が長期の設備資金でございまして、その期限等も長期であつたわけであります。それでありますから、現在着々回収されておりますが、決して回収が非常に遅れておるというようなことはないものと考えております。それから開発銀行は復金に類似した仕事をやるわけでありますが、もし復金で残しましたいろいろの弊害というものがあれば、これを完全に払拭して健全な姿にしなければならない、こういう考え方をもちまして、行き方もいろいろかえたのでございます。たとえば審議会を設置するというような問題につきましても、これは好ましくないと考えまして、開発銀行の理事者にあくまで経営の責任を負つてもらう、こういう構想の方が銀行の経営上も復金の場合に比べて能率的でもあり、またより健全でもある、こう考えた次第でございます。
○川野委員 ただいまの御答弁によりますと、整理の状況というものは順調に進んでおる、こういうお話でございますが、私の承知いたしております範囲におきましては、整理というものは相当遅滞いたしておると考えております。ことに私の知つておる人でございますが、相当金額を借りまして、この金をもつて船をつくる、こういう構想のもとに金を借りたのでございますが、船を一隻もつくらずしてこの金を選挙費に使つた、こういう実情もあるわけでございます。その人はその後一銭も入金をしていない、こういうことでございまして、私が調査いたしました範囲におきましては、相当支払い実情が悪い、こういう考えを持つておりますが、しかし銀行局長はそういう答弁でございますので、従いまして期限経過後におきまして、支払い金額というものがどれだけ残つておるか。期限経過後の支払い未納の金額をひとつ伺つておきたいと存じます。
○舟山政府委員 ただいまのお尋ねは、復金の貸付金中延滞がどのくらいあるかというような御質問でございますが、ちようど手元にその資料を持ちませんので、わかりましたらお答え申し上げたいと思います。ただ復金の貸付は、戰後早々に経済再建のために、その貸付等も極力急いだといつたような事情もありまして、経済界が安定して参りました現在におきましては、愼重なる調査のもとに貸付をするというようにしたい。それから世間の監視も、戰後早々の際におけるよりも嚴重に行き届くという事態におきましては、開発銀行の貸付業務につきましては、不安に思うようなことは万ないことと確信しております。
○川野委員 信頼する舟山局長の御答弁でございますので、これ以上私は追究いたしませんが、どうかひとつ今度の開発銀行という面におきましては、融資するにあたりまして、運動費を使わなければ金を貸さない、こういうようないやなうわさの立たないように、人事等もきまりましたならば、十二分にひとつ警告を発していただきまして、そうして所期の目的を達するように希望いたしまして質問を終ります。
○竹村委員 ただいま質問がありました復興金融金庫に対する問題で、はつきりしない点をひとつ質問いたしたいと思います。先般いただきました中で、復興金融金庫の中に、石炭に対しましては三百四十五億円というようなものがまだ残つておる。これは長期資金として貸されて、一体石炭のどういう面にこれを出されておるか、そういう点をひとつ詳細に承りたいのであります。そうしないと、今度の開発銀行にこれを引継ぐといたしましても、いろいろ資金面で支障を来すと考えますので、そういう点を詳細に一応承りたい。大体いつごろ回収できる見通しがあるかどうか。石炭の面についてどういう方面にお貸しになつたか。
○舟山政府委員 石炭のどういう方面という意味は、その資金の用途というふうに解釈いたすのでございますが、大体設備資金と、それから特にそのうち大きな部分を占めておりますのは、いわゆる炭鉱住宅の建設資金でございます。
○竹村委員 そういたしますと、炭鉱住宅なんかの建設は私もいろいろな方面から聞いて来たこともありますが、事実は実際においてこういうものを建てた場合に、どういう形で回収する見通しがあるのか。こういうものに対しては、せつかく建てたけれども、それが放任されて使用されていないというような点も、ずいぶん見受けられるわけであります。しかもそれが事業不振になつて、その炭住がそのままになつているというようなところもございますが、そういう点でもこの三百四十五億というのは、大体において回収の見込みが立つておるのでございますかどうか。
○舟山政府委員 炭住資金の問題につきましては、実はそのコストを炭価に盛り込むかいなかというような問題もあつたのでございますが、またその後の情勢の変化によりまして、いろいろ回収上困難な場合もあるかと存じますけれども、私どもはやはり借りた金は返すというこの根本方針ははつきりさせておきませんと、今後あらゆる融資について影響するところが甚大であると考えますつ回収について寛嚴よろしきを得ることが必要かと考えますけれども、回収について万全の措置を講じたいと考えております。
○竹村委員 借りた金は返すという原則を政府で立てられるのはもつともだ話で、それでなければ困るわけです。それで私聞きたいのは、そういう原則を立てられて回収するというが、三百四十五億円のうち貸倒れになるのは一体どのくらいか。貸倒れにならないで全部回収できるのかどうか。その見通しを承つておるのです。
○舟山政府委員 私どもは貸倒れが出ないという予想のもとに、回収に努めておるわけであります。但し回収の手続等につきましては、借りた側の立場も考えて、寛嚴よろしきを得るということは考えて参りたいと存じます。
○竹村委員 巷間伝えられるところによりますと、真偽のほどは別問題といたしましても、火のないところに煙は立たぬ、こう言われておりおりすので、この際はつきり聞いておきたいのでございますが、この貸出しの中におきまして、財界の重要な地位にあるいわゆる権力のバツクを持つ者が、多額の金を借りてるというようなことであります。こういう点につきましてはそういう事実があるかどうか。実際貸していないのかいるのか。その点を伺つておきたいと思います。
○舟山政府委員 政界に有力とおつしやいます程度のこともわかりませんので、借り手の中にはあるいは政治に関係ある方もあるかもしれませんが、個個の具体的の借入れについては十分の知識を持ち合わしておりません。
○竹村委員 この分については相当疑惑が持たれておりますから、これをはつきりするために、この三百四十五億の貸出しの明細をぜひはつきりさしてもらいたいのです。われわれ同じ政界におる者がそういう疑惑を受けるということ自体が、結局政党に対する不信の念を国民に與えるものである。従つてそういうことはないということをはつきりさすことが、国会の義務であると考えますので、この分につきましては、特に貸出先を明細に発表してもらいたい。そうしてそういう貸倒れの例はないということをはつきりさすこと自体が、政府のためでもあり、われわれ政党のためでもあり、国会のためでもある、こういうふうに考えますが、この際はつきりできるかどうか承りたい。
○舟山政府委員 貸出先を個々具体的に発表することは、私は困難であると考えますが、今後の回収にあたりまして情実のない取扱いをして、もし疑惑がありといたしますれば、その疑惑をはつきりさせたいと存じます。
○竹村委員 それはおかしいと思うのです。少くとも国政の最高機関であるところの国会にその詳細を報告せずして、どこで国民の疑惑が解けるのですか。つまりこれを詳細に発表できたいというところに、国民は疑惑を持つわけです。従つてこれは当然発表すべきである。その発表をなさらない限りは疑惑を持たざるを得ない。お前は疑惑を持つな、おれたちにまかしておけ、暗がりにしておくのだ、そういうことでは国民は納得いたしません。少くともこの国会に報告できないということ自体が、疑惑の根源であると思いますので、この疑惑を一掃するために、ぜひ発表してもらいたい。これは政府において考え直されたらどうですか。そうしませんとこの疑惑は解けません。従つてそういうことを言われても、これは文句の言いようがありませんよ。どうですか。もう一ぺん大蔵大臣と相談して、これは発表されませんか。
○舟山政府委員 私どもといたしましては、回収に全力を盡しまして、この貸出しの当時の事情がどうありましようとも、貸した金は返すという原則を貫きたいと考えております。
○宮腰委員 この法案自体には、われわれは大賛成でありますが、今回のように最終の段階にたつてから、重要法案が国会にまわつて来るということにつ、いては、われわれは非常に不満でありますと同時に、開発銀行をつくらなければならないということは、一箇月も前からわかつておつた場合に、大体予備審査なり懇談会なりを開いてこれをやるべきであるにかかわらず、終りまぎわになつてこういう重要法案を出すということは、大体われわれは不満であります。法案自体には賛成でありますが、この提出手続については、不満な点々相当多数の方が持つておる。それと同時に、またこの開発銀行と同時に、その前に提案中であつたところの農林中央金庫の民主化法案に対しても、並行してやるべきであるにかかわらず、この農林中金の法案は今のところ眠つた状態であります。これは私はこの法案と同時に並行して、これをこの委員会で急いで決定していただきたい。これは局長におきましても、両法案については相当お考えのことであつたろうと思いますが、どういうわけでこの両法案が並立して行なかつたかという点について、お伺いしたいと思います。
○舟山政府委員 農林中金法の改正の問題につきましては、申し上げるまでもなく議員提出の法律案でございまして、この委員会の御審議の事情は存じません。従つて私から御答弁の限りでないと考えます。
○宮腰委員 この法案については、先ほど言つた通りに賛成なのでありますが、私はこの銀行の制度としては、監査役制度は当然あると思いますが、このほかに私はこの金融の問題について、審議会あるいは審議委員会をつくる必要があるのではないか。これはその内閣々々によつて、いろいろ開発銀行が自分の党利党略のために利用される心配が将来ありますので、この際そういうことの弊害を除去する一つの方法として、審議会をつくる必要があるのではないか。これは先ほど来から、すでに他の委員からも質問があつたのではないかと思いますが、私はこのままで行けば、復金と同様な運命になるのではないかという心配がありますので、この審議会をつくられるお考えがあるかどうか。法案にはこれはないようでありますが、あるいは今後これを修正してつくるお考えがありますかどうですか。
○舟山政府委員 銀行の経営が、世間のいろいろな圧力によつて影響を受けることを防止いたしますために、審議会をつくつた方がいいかどうかということにつきましては、いろいろ意見のあるところでありまして、また私どもも研究いたしたのでございますが、この法案に盛られております思想のように、私どもはそういうものはない方がいい。この銀行の経営は理事者にこれを一任するという方がいい、こういう結論を出した次第でございます。しかし先ほども申し上げましたように、経営者が広く世間の特に産業経済界の意見も耳に入れる機会をつくりますために、参與の制度を置くことをいたしたのでございます。従つて今後も特に審議会を設けるために、法律を改正する気持はないのでございます。しかし実際問題として、この銀行が特に産業行政をつかさどつております各官庁の意見等にも十分に耳をかして、その意見を自分の経営の中に取入れるということは、銀行の経世者として当然やつて行くことを考えております。
○宮腰委員 この開発銀行と復興金融金庫の問題ですが、局長は、今度の開発銀行は復興金融金庫のような事態は招来しないのだというお考えであるようでありますが、この双方の相違がどういう点において、今後開発銀行は復興金融金庫のようた間違いが起らないのだというお考えのもとに、この條文を起草されたか。そういう問題について伺いたいと思います。私は復興金融金庫については、先ほど川野さんからも言われたように、ある水産会社をつくりまして、厖大な資金を借りまして、ほとんどそれを選挙費用に使つた実例をよく知つております。そういう問題がありますので、ことさら開発銀行においても、復興金融金庫の過去のああいう間違いの起らないような方法が、この條交のうちにしつかり現われている、こういうお考えのもとに構想されたと思うのでありますが、そういう点がありましたら、教えていただきたいと思います。
○舟山政府委員 復金の場合、現在いろいろの弊害があつたと言われております眼目の点は、やはり審議会というようなものがありまして、経営の責任の帰属がはつきりしなかつたことではないかと考えるのでございます。今回はこの銀行の理事者が全責任を負いまして経営に当る。しかもこれに対しては世間の監視も十分ございますし、また監督官庁としての大蔵省の監督も嚴重にいたす所存でございますので、復金のような事態は起らないことを確信いたしておるのでございます。
○竹村委員 昨日深澤君の質問に対しましても、あるいはまた本日私からやりました質問に対しましても、復興金融金庫の貸出先の明細というものが、業種別には出されておりますが、出されていない。そこで現在社会において一番疑惑の中心となつておりますところの石炭の貸出し三百四十五億の内訳、貸出先明細を要求いたしました。これも発表できないというのが、政府委員の答弁であります。そこで私が委員長にお願いいたしたいのは、少くとも今日国会においていろいろ議案を審議し、あるいはその際においては国民の疑惑とするところを明細に究明し、これを解明するのがわれわれ国会の任務である。そうして国民に一切を納得せしめるというのがわれわれの任務である。ところがその貸出先が疑惑に包まれているという質問をしているのに対して、政府はなお依然としてその貸出先の明細を発表できないということになると、国民はますますそれに対して疑惑を持つわけであります。そこで私は全部の貸出先、そういうふうに要求したいのでありますが、時間の関係がありますから、ただちにまず石炭に対するところの復金の貸出し三百四十五億円に対する貸出先の明細を、委員長から政府に要求されて、そうして本委員会に即時提案されるととを要求していただきたいと思います。もしこれができないとするならば、疑惑に包まれた復金の資金を引継いで、そうして開発銀行の法案を審議するということは、われわれとしては国会議員としての任務を全うすることはできません。そういう国会の権威あるいは審議に対する疑惑のまま進むということはできませんので、ただちにこれの明細を提出していただきたい。この提出なき限り、本開発銀行に対するところの審議は続行できないと思いますので、ぜひ委員長において即時これをとりはからわれんことを、お願いする次第であります。
○宮幡委員 ただいま共産党の竹村委員の資料要求の点につきましては、私も少からず同感の意を表するものでありますが、御承知の通り国会の三月末というのは、これは大みそかでありまして、四月一日から実行しなければならない法律案を急速に審議すべきときであります。従いましてさような時期におきまして、詳細な資料をとりまして一々検討する——もちろん憲法及び国会法、並びに国会議員に専属したします国政調査的な意味におきまして、やつてもさしつかえない。しかしながら産業経済界に及ぼします影響等を考慮いたしますならば、こういう方面はある程度の秘密保持がまた絶対に必要であります。よつてどうかさような点の審査は、自然休会の明けました再開後において、特に大蔵委員会において秘密会を設けて審議の機会を設けることにして、この際は一応本法案の審議に集中せられるようにおとりはからいいただきたい。あえて議論があるといたしますならば、動議といたしまして、再開後の国会におきまして、復金融資の貸出先、その他回収状況等の秘密小委員会等を設けて、審議することの動議を提出してもよろしいと思います。その点について委員長のおとりとははからいといただきたいと思います。
○奧村委員長代理 ただいまの竹村君の御発言並びに宮幡君の御発言に関しましては、産業その他あらゆる面に非常に微妙な影響を與える点もありますので、これは理事会に諮りまして適当に善処いたしたいと思います。
○竹村委員 理事会において諮られることについては異議はございませんが、しかし宮幡氏の提案されました、五月休会明け早々秘密小委員会を一応つくる、その取扱いについては理事会で扱う、こういうふうにひとつはつきり御言明願いたいと思う。
○奧村委員長代理 さようとりはからいます。
○宮腰委員 この開発銀行の問題で、一応インフレとの関係についてお伺いしたいと思います。 〔奥村委員長代理退席、委員長着席〕 戦争後、政府の要請を日銀がやすやすと引受けられまして、とうとう今日のようなインフレ状態になつたのでありますが、今度の場合も、結局政府によつてこの開発銀行が左右せられるということになれば、またインフレの心配が起るのでありますが、これに対する対策をお伺いしたいと思います。
○舟山政府委員 復金の場合には御承知の通り復金債券を出しまして、これを日本銀行引受の形で資金を供給いたしたのでございます。それでその発行高が一時千億を越えたということになつたのでございます。これがインフレ原因の一つの有力なものであつたと思うのでございますが、今度の場合におきましては、見返り資金とかあるいは復金の回収金とかを使うのでございまして、新たに信用の造出をしないのでございますから、インフレ要因にはならない。むしろ反面生産増強等に十分役立ちますならば、その面からインフレをチエツクすると考えております。
○宮腰委員 それから事業の範囲の問題と、貸出先は経済団体だけか。あるいはまた公共団体にも貸すのか。その点をちよつと伺いたいと思います。たとえば公共団体であれば、奥地開発だとかあるいは電源開発だとか、こういうものが各府県単位で行われている場所もたくさんありますので、そういう場合には、公共団体に対してもその資金を融資するのでありますか。
○舟山政府委員 法律の字句の上では必ずしもはつきり現われておりませんけれども、公共団体に対する融資等は考えておりません。
○宮腰委員 そうすると、この市中銀行の問題ですが、今まで開発事業に関係しました金融の問題が、今度開発銀行ができると自分らは貸さない、これは開発銀行で貸すのだから、われわれはその手続はとつてやるけれども、とうてい貸せないのだという責任のがれの事態が生ずるおそれがあると思いますが、その点をお伺いいたします。
○舟山政府委員 開発銀行は、市中銀行が貸すことの困難なものに限つて貸すとい建前をとつております。それでありますから、これは銀行の運営の面におきましても、監督官庁として十分気をつけて参りたい。いたずらに市中銀行が開発銀行に責めを負わすといつたようなことのないようにして参りたいと考えております。
○宮腰委員 ただいま公共団体には、條文上ははつきりしないが、融資をしないのだというようなお話でしたが、これがもし電源開発、奥地開発、林道あるいは森林発発、それから石炭の開発、こういうような問題が起きた場合に、全然この開発銀行から融資しないということであれば非常に困る問題でありますが、解釈上何か便法がないものでしようか。
○舟山政府委員 この條文の解釈上は、御趣旨のように解することは無理であろうと考えます。地方公共団体の仕事につきましては、別途起債の面なりあるいは預金部資金の面なりで考えて行くのが本筋であろうと考えます。
○夏堀委員長 よろしうございますか。——深澤君。
○深澤委員 開発銀行が復興金融金庫を引継ぐということは、先ほども川野委員からも申しましたように、結局第二復金の性格を帯びる可能性が多分にあるということは、これはひとしく何人も認めるところであります。そこで私は、先ほどから問題になつておりますように、復興金融金庫の状況を明確に国会が知る必要があると思うのでありますが、これがなかなか明確にできない。そこで、私は政府委員からお答えができる範囲内において、お答えを願いたいのでありますが、現在復興金融金庫が未済金として持つておりますところの八百八十六億五千六百万円のうち、期限が参りまして未済になつておる部分は幾らになつているかということ——私はこれを先日からも聞いているのでありますが、これが明確になつていないわけです。この程度のことはおそらく明確にできると思う。だから八百八十六億のうちで、期限が来てまだ未済の分は幾らになつているか。この点をひとつお聞きしたいと思います。
○舟山政府委員 昨日来その点についてお尋ねがございましたが、ただいまのところ政府といたしましてその資料を持ち合せておりません。御了承願います。
○深澤委員 これは一昨日からの問題でありまして、当然私は資料を整えて御回答願えるものと期待しておつたのでありますが、それが全然できないということはまことに遺憾千万であります。従つてこれだけは——たとい私が質問を打切るといたしましても、午後にでも、八百八十六億のうち期限が来て未済になつた分は幾らあるかという問題を、ひとつ明確にしていただきたいと思います。それからもう一つは、その内訳として、先ほどの石炭関係の三百四十五億の未済金のうち、期限が来て未済になつている分は幾らあるか。それから肥料関係の六十億のうち、期限が来て未済になつている分が幾らふるか。それから電気の百七十五億のうち、期限が来て未済になつている分が幾らあるか。海運業の三十六億七千万円のうち、期限が来て未済にたつている分が幾らあるかということを、ひとつ具体的に午後にでも明らかにしていただきたいと思うのであります。 その次に、これは昨日も私は大蔵大臣にちよつと聞いたのでありますが、まだ明確になつていない点がございますのでお伺いしたいのでありますが、この業務の範囲の問題について、一般の金融機関から供給を受けることの困難なものを、この開発銀行が引受けて貸し付けるのだというこの問題でありますが、これは事業分量の問題であるとか、あるいは事業の性質上の問題であるとかということで、一般の市中銀行がこれに供給することが困難である。そういうものに対して開発銀行が乗り出して行くのだという回答があつたのでありますが、どうもこれだけの説明ではわれわれは十分了解することができないのであります。なぜかと申しますれば、最近における市中銀行は、たとえば金融債を出すにいたしましても、大蔵大臣がしばしば明確にしておりますように、それはひもつきでない、結局その金融機関自体の創意によつてやつて行くのだ、そういうことになりますれば、最近のような投機的な傾向を持つております金融界におきましては、普通のコマーシヤル・ベースの形においては、資金が流れる部分が一定のところにしか流れないと思うのです。これは特需並びに新特需の方向へしか流れないわけです。従つてこの開発銀行の受持つ部分というものは、一般の金融機関が手の届かないところ、あるいは見込みのないところへ手を出す以外にはないということになつて参りまして、そこに第二復金の性格を持つ可能性が私は多分にあると思うのであります。その点に関する銀行局長の御意見を聞きたいと思うのです。
○舟山政府委員 市中金融機関が融資を困難とする場合につきましては、この資金の量的の問題と質的の問題とあると思うのであります。まず量の面から申しますと、市中銀行も貸し出してやりたいのであるけれども、自分のところがその同種類の資金をそう多額に出しましては、銀行の資産構成上好ましくない、こういう場合があるわけであります。それから質の問題につきましても、日本の大多数の銀行は短期商業銀行の建前をとつておりますので、長期の設備資金ということにつきましては、これを出してやりたいが、また出すことが経済の再建のために必要であるけれども、自分の銀行の性格からして出しがたい、こういう場合があるわけでございます。しかしその両者を通じまして、この種の資金は日本の産業の開発のために必要なのでありますから、そういう場合にこの銀行が発動して手助けをする、こういうことでございます。あぶなくて回収に懸念があるというような資金を出してはいけないことは、十八條の第二項に明確に規定しておるところでございます。
○深澤委員 第二十二條に「日本開発銀行は、第一條に掲げる目的にかんがみ、その業務の運営により、銀行その他の金融機関と競争してはならない。」こういう規定があるのでありますが、これは他の金融機関との関係において、この資金の供給が競合する可能性か多分にある。ところが他の金融機関か全然融資をしない部分へこの開発銀行が行くということになれば、結局先ほど申し上げましたように、危険負担の多い部分に開発銀行が融資するという結果にならざるを得ないと思うのですが、この点の解釈はどうですか。
○舟山政府委員 ただいま申し上げましたようなことによりまして、市中の銀行が貸し出し得るものに対して、開発銀行がその業務の分野に食い入つて行くことは適当でない、そういうものは市中銀行にまかせなさいというのが、この二十二條の趣旨であります。
○深澤委員 それから政府はしばしば外資導入を相当考えられているようであります。たとえばアメリカ等におきましても開発銀行等があるわけであります。特にアジア諸国における未開発地域の開発ということに対しましても、相当な力を入れているやにわれわれは聞いているのでありますが、そういう場合にアメリカの開発銀行と結びついて、業務を運営するという可能性が多分にあると思うのですが、この点はどういうぐあいに考えておりますか。
○舟山政府委員 開発銀行の業務につきましては、この法案をごらんくださればわかりますように、外資導入のことについては全然予想しておりません。
○三宅(則)委員 ただいま議題となつております日本開発銀行法案につきましては、すでに質疑も盡されたと思われますので、この際右案については質疑を打切られんことを望みます。
○夏堀委員長 三宅君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○夏堀委員長 御異議ないようでありますから、動議のごとく決定いたしました。 これにて休憩いたします。午後の会議は一時二十分より開会いたします。 午後零時二十一分休憩 ————◇————— 午後二時八分開議
○夏堀委員長 休憩前に引続き会議を開きます。 本日付託になりました納税貯蓄組合法案を議題として、まず提案趣旨の説明を聽取いたします。提出者奧村又十郎君。
○奧村委員 ただいま議題となりました納税貯蓄組合法案につきまして、その提案の理由を説明いたします。 租税制度に関しましては、国民負担の軽減合理化をはかるために、昨年以来引続き改正が行われているところでありますが、現在なお巨額の滞納を生じておる状況にありまして、かかる状態を今後も引続き放置いたしますことは、税務行政の運用上看過することのできない重要問題であると考えられるのであります。ここにおきましてあらかじめ滞納の発生を防止し、堅実な納税が行われるよう、特段の努力をいたさなければならないと痛感する次第であります。よつて今回政府において提案されている徴税制度の合理化の措置と相まつて、現在すでに存在するような納税貯蓄団体に一定の基準を與え、かつ若干の助成措置を講じて、その活動を活発ならしめることを適当と認め、ここに本法案を提出いたした次第であります。 以下本法案の概要を簡單に説明いたします。 まず本法はあくまでも納税者が自発的に、かつ自由な形態で納税貯蓄のための団体を結成することを期待しておりまするので、これら団体のうち、税務官公署に対してその規約を届け出たもののみをその対象としておりまして、しからざるものにつきましては関與しないのであります。しかしながら右の届出をしないものは、本法による納税貯蓄組合と認めないこととし、助成の措置を講じないのであります。 次に納税貯蓄組合は、一定の地域または勤務先を單位として、組織されるべきものとしておりまして、また組合員の加入、脱退を制限または強制し、あるいは組合員に対して監督権を行使することを排除することにより、自由にして民主的な組織たるべきことを保障いたしますとともに、組合の地位を利用して課税に関與することを禁じている次第であります。 しかして組合の業務は、納税資金の貯蓄のあつせんその他その貯蓄事務に限られ、かつ貯蓄は必ず組合員別の口座によつてなすべきものとし、理事者等がその資金を不当に運用し、あるいは資金が亡失する等の弊害をなからしめることとしているのであります。 次にこの組合を通じて行つた預貯金を納税に充てる場合の利子に対する所得税、及び当該預貯金通帳等に対する印紙税は、これを課さないこととするとともに、組合の事務費の実費を補償する意味において、国及び地方公共団体が補助金を交付し得ることとして、その助成の道を講じておる次第であります。 以上が本法案の概要でありますが、本法が強く国民各層の支持を得て、納税貯蓄組合が活発に結成せられ、納税を容易かつ簡易ならしめることにより、わが国の財政経済の基礎を一層堅実にする上に、多大の貢献がなされることを期待してやまない次第であります。 御審議の上何とぞすみやかに賛成されるよう切望する次第であります。 —————————————
○夏堀委員長 次に日本開発銀行法案を議題として討論に入ります。討論は通告順によつてこれを許します。奧村又十郎君。
○奧村委員 私は自由党を代表して本法案に賛成の意見を述べるものであります。 講和條約を前にして日本経済の再建達成がまことに緊要であります。その経済再建達成のためには、長期の産業設備資金の供給が円滑に行われねばならないのでありますが、従来とかくこの方面の資金が不円滑であつたことは、まことに遺憾であつたのであります。しかるに政府は、今回金融債を通じまして、預金部資金からこれらの方面の資金を相当大幅に流すことにいたしました。なおまた農林漁業資金特別会計をつくりまして、農林漁業方面の長期低利の資金も大量に供給することにいたしたことは、まことにけつこうであります。今回またこの開発銀行をつくりまして、政府資金を長期産業資金に導入する新しい方式を打立てたことは、輸出銀行の活用と相まつて、これらの方面の資金が潤沢になることと考えまして、まことにけつこうと存ずるのであります。 この開発銀行の特徴として特にわれわれの目につくところは、まず全部が政府出資であります。しかも借入金を許していないのであります。いま一つは貸付にあたつて政府が決定に何ら関與していない。今まで復金が失敗をいたしましたのは、役人が貸付をやるということに、その失敗の原因があつたろうと思うのでありますが、この開発銀行は役人が貸付に関與しないということになつておるのでありまして、あるいは開発銀行が再び復金の二の舞をするのではないかという不安を持つておられる方が、多少おありでありまするが、私はこの開発銀行の構想からしても、さようなことは絶対にないと考えるのであります。対日援助見返資金がつい近いうちになくなるだろうという際において、この新しい方式で長期産業資金が供給せられる道を開いたということは、まことに機宜に適したことと存じまして、政府当局のこの方面に対する熱意を、われわれは心から賛成の意をもつて迎えるにやぶさかでないのであります。以上賛成の検討を申すし述べました。
○夏堀委員長 宮腰喜助君。
○宮腰委員 私は民主党を代表しまして、本法案には條件を付して賛成するものであります。 第一に、この法案はわずか三日前から当委員会に提出されて来たのでありますが、いつも最終段階になつて重要法案が議会に提出されるのであります。しかもその審議は、わずかばかりの期間で委員会を通過させようという與営側の努力がありましたが、これは今後大いに改めてもらつて十分審議させてもらいたいのであります。もちろん本法案の開発銀行は、約一箇月前からいろいろ問題にされておつたのでありまして、そういう際にはすみやかに予備審査なり懇談会なりを開いて、審議を進めて行つてもらわなければ、最後に至つて與党、野党の間にいろいろな問題をかもして参ります。今後十分にこういう点に御注意を願いたいということを一つの條件に入れておきます。 また開発銀行の運営の問題関しては、以前の復興金庫はいろいろ資金の運用面について不純な問題がありまして、国民に迷惑をかけ、日本の経済界に重大な悪影響を及ぼした事実がありますので、こういう問題について政府は復興金融金庫の二の舞をふまないような努力を十分にしていただきたい。またこの資金は復興金融金庫から繰入れる。承るいは見返り資金から融資される。従つてインフレという問題は起らないと申されております。過去の復金のような場合は、政府の要請によりまして日銀がどんどんこれに協力した結果、あのようなインフレ状態を招来したとしう考え方から述べますと、政府当局はこの問題にはインフレになる心配は全然ないと申されました。その理由は見返り資金から出される、あるいはまた復金から返還された金によつてまかなうというのでありますが、かるほど経済上の原理からいえば当然であります。しかし私は、インフレの影響を受けないのだと言われながらも、この点について非常に心配をしておるのであります。従つてこの点も今後十分御注意を願いたいと思う。それからまた運営の問題であります。一応この開発銀行には監査役制度はありますが、これ以外に、今後復金の二の舞のような問題を招来させないという建前から、審議委員会をつくつていただきたい。その当時の與党の勢力によつて開発銀行が左右されるということがあると、かえつて経済界に弊害を及ぼす危険がありますので、そういう意味合いで、公平にこれを運営して産業資金を潤沢にまかなうために、今後審議委員会をつくつていただくことをお願いいたします。またもう一つの條件といたしましては、政府は地方銀行がこういうような長期資金の融資をしないのだと申されます。なるほどそういう事態もあるのでありますが、一応地方銀行は、今度開発銀行ができたのだから、われわれが今まで融資したところの開発融資は全然やめて、開発銀行一本に集中するという責任の転嫁的な考え方を持つて参ります。こういう問題になりますと、今後地方銀行はこういう長期的な開発資金には協力しない、こういう危険が十分あるのでありますから、この運営にあたりまして、地方銀行の態度も政策上十分織り込んで運営を御検討願いたい、こういう條件を付しまして、民主党は本案に賛成するものであります。
○夏堀委員長 田中織之進君。
○田中(織)委員 私は日本社会党を代表いたしまして、本法案に対しましては、日本の自立経済達成の見地から、長期産業資金を確保するルートとして適切なものであるという立場において、以不数項目にわたる條件をつけて賛成をするものであります。 まず第一に申し上げたい條件といたしましては、最近いわゆる日米経済協力問題が提起せられておるのでありまして、この銀行の政府出資がさしあたり見返り資金から百億出されるという観点からいたしまして、いわゆる日米経済協力の申し子になつて行くのではないかという懸念なしとしないのでございます。この点に対しましては、委員会の質疑に対する大蔵大臣の答弁では、この程度の資金額をもつてしては、日米経済協力という非常に大きな構想のものに対しては役に立たない、そういうことは政府としては全然考えておらない旨の答弁があつたのでございますけれど、私らがこの法案を検討して参りますときに、政府出資は一応見返り資金から百億でございますが、復金の回収金の中から出資に振り向けられる部分があること、さらに重要なことは、第四條の三項に「開発銀行は、必要があるときは、大蔵大臣の認可を受けて、その賢人金を増加することができる。」という規定がございまして、大蔵大臣と開発銀行総裁以下の首脳部との話合いに従いまして、随時資本金を増額することが委任せられる形に相なつておるのでありまして、現在の予定しておる資本金をもつていたしましては、大蔵大臣の答弁の通りであるかもしれませんけれども、この法案自体に、資本金増加に関する広汎な弾力性ある委任がなされておる。従いまして逐次この法案が成立して参りますならば、非常に厖大な資本金を擁して、いわゆる日米経済協力の関係に重点を指向して行くような弊害なしとしない点を、われわれは警戒しなければならないと思うのであります。特にわれわれは講和会議も間近にある段階において、日本の財政金融政策に対する自主性がきわめて乏しい現状から見まして、特にこうした政府出資によりましてつくられるところの銀行の運営にあたりましては、いわゆる日本の自主性をあくまでも確保するという観点についての運用が、まず條件の第一でなければならない、かように考えておるわけであります。 第二の條件といたしましては、経済の再建及び産業開発を促進するための長期資金の融通ということが、本銀行の設立目的であります関係から、ある程度の重点的な融資が行われることは、やむを得ないことだと信ずるのでありますが、これがあまりに重点主義的な融資が行われる関係から、極端なる一部産業あるいは企業に対します傾斜金融というような結果を招来いたしまして、いわゆる日本の産業構成の土で大きな部面を占めております中小企業に対する金融を、圧迫するというようなことのないような運用についての留意をしなければならないという点を、われわれは第二の條件としておきたいと思うのであります。第三の條件といたしましては、ただいま民主党の宮腰委員からも指摘されたのでありますすけれども、この銀行の組織の面——当然これは運用に関連を持つて来るわけでございます。いわゆる参與制度というものが設けられておりますけれども、これは従来の、たとえば復金における審議会のようなものとは性質が違うのであります。もちろん従来官僚がこの審議会の幹事でありまして、弊害をかもしておるという点は、與党の奥村君の指摘せられる通りでございますけれども、われわれは復金の審議会の当時におきましても、これは少くとも当該産業の関係しておる労働者の代表をも加える、その意味において農林方面への金融に対しましては当然農民の代表も加える、こういうようなほんとうに民主的な形における貸付先の審査、あるいは融資額の決定に対しますところの、民意を反映する審議会を持つような方向へ向いて、今後組織の面において改善をしなければならない点を、すでに出発を前にしてわれわれは指摘しなければならない。政府として、今後急速にこうした制度を採用することのための努力をすることを、第三に申し上げておきたいのであります。 第四には、この開発銀行の融資の対象が、勢い従来復興金融金庫から融資を受けて参りました企業方面への新たか資金の注入という形をとることも、これまた必然的なものだと思うのであります。しかしながら現在の復金の貸付関係の焦げつき状態を見て参りますならば、この点について復金の貸付金の回収との問題をいかに調整するかということも、運用上の留意しなければならぬ重要な点だと思うのでありまして、その意味で復金の焦げつき債権の肩がわり機関になり、同時に市中銀行の融資ております長期資金に対する援助をすることに相なるわけでありますが、市中銀行のやはり焦げつき債権の肩がわり機関に、この開発銀行がなる危険性なしとしないのでありましで、この点についての特に運用上の留意がなされなければならないという点を、第四に指摘しておきたいのであります。 最後に、これは民主党からも指摘せられましたように、本法案がきわめて倉卒の間に出されて来ており、その意味においてわれわれがこの銀行の資金計画等について、十分検討をする時間的な余裕を持ち合さなかつたということについて、この提出の仕方についてわれわれは遺憾の意を表明せざるを得ないのでありまして、今後この種重要法案の提出にあたりましては、十分そういう点を考慮いたしまして、政府の方で処置することを條件につけておきたいのであります。 さらにこれに関連いたしまして、私はやがて本法案が成立しましたあかつきに決定せらるべき人事の問題について、一つの強い條件をつけておきたいと思いますことは、本案が本国会に提出せられる計画が出るやいなや、すでに政府部内においてこの銀行の首脳人事の構想を進められて、しかも具体的には富国生命の社長でありますか、小林中氏の名前が出ておる。同時に、一、二の新聞によりますと、就任のあいさつのごとき小林中氏の新聞談話をわれわれは拝見するような状態にあるのであります。われわれは小林氏の身辺につきましては、最近ともすれば現内閣が行います最高人事の問題で、絶えず候補者に擬せられ、りつぱな人であろうとは思いますけれども、小林氏の関連しておる証券関係の事業等について幾多の疑惑を持たれておる事実も、これは委員会において私は指摘をいたしておるわけであります。そういうように、この法案が成立しない以前から、最高人事が決定されたかのごとき形を持つて行くということは、国会審議権に対する一種の牽制というか、審議権に対する一つの侮辱であると私は考えるのでありまして、少くとも私は小林氏が開発銀行の総裁に就任することに対しましては、承服できないのであります。もちろん本案成立後に内閣総理大臣が決定するものでございますけれども、この点は本案に賛成するにあたりまして、十分その人選について慎重な態度をとり、いやしくも疑惑を持たれるようなことがあつては、本銀行の重大なる使命達成の上に障害になることを留意せられまして、処置せられることを強く最後に要望いたしまして、本案に賛成するものであります。
○夏堀委員長 深澤義守君。
○深澤委員 私はただいま上程されました開発銀行法案に対して、日本共産党を代表して反対するものであります。 本法案は、池田大蔵大臣の説明に旧りますれば、十月以来の構想であるということを言われておつたのであります。しかしながら二十六年度の予算にもこれが編入されず、休会まぎわ突如としてこの法案が提出されて来たところに、非常に大きな伏線があるということをわれわれは考えざるを得ないのであります。池田大蔵大臣がこの構想を発表された当時と現在とでは、非常に條件が違つておるのであります。それはどういうことかと申しますれば、いわゆる日米経済協力の問題が非常に具体的になつて来た。ダレス報告、並びにアメリカの国家安全保障委員会におきましては、日本を西欧陣営の軍需工場としてこれを百パーセントに動かすという決定が行われているのであります。この日米経済協力の一環としてこの開発銀行が重大な役割を果す、この意味において登場して来たのであるということを指摘せざるを得ないのであります。しかもこの開発銀行の資金が見返り資金から出ておるという問題であります。見返り資金は日本の国民の負担でありますが、現在の運営におきましては、日本政府はこれを自主的に運営するところの権利がないのであります。従つてこのひもつきの政治的資金によつて、この開発銀行が運営されるということ自体の中に、この開発銀行の運営によつて日本経済が隷属的な立場に置かれる危険性があるのであります。こういう意味におきまして、われわれは第一にこれに対して反対するものであります。 第二の理由は、提案理由にもありますように、重要基礎産業のための長期資金を供給するということが言われておるのでありますが、これは明らかに資金の国家統制の方向であり、しかも重要産業に対して一切の金融を傾斜する方向の一環として現われているのであります。さらにこの法案の内容において、開発資金は金融機関から供給を受けることが困難なものに貸し付ける。たとえば社債引受の場合においては、証券業者が応募または引受けが困難なものを引受けるということを、明らかにしておるのでありますが、これは明らかに危険負担や採算を無視して、日米経済協力の目的を達成するための軍事目的に、この開発銀行の資金を投入するという意図を明らかにしておるものである。こういう意味でわれわれはこれに対して反対する第二の理由を持つておるのであります。 第三の理由は、この開発銀行は復興金融金庫を解散して、その業務を全部引継ぐということでありますが、この復興金融金庫は、日本国民のすべての人々が大きな疑惑を持ち、これが單後日本産業の伏魔殿的な存在であつたことは、何人も否定することができないのであります。この復興金融金庫を解散して開発銀行に引継ぐ場合におきましては、この疑惑を一掃するために、復興金融金庫の正体を明確にする必要があるのであります。これは單にわれわれが要望するだけでなく、與党の諸君もこれを要求しておる。ところが現在復金の未回収金が八百八十六億あるのでありますが、この八百八十六億の貸付先を、具体的に国民と国会の前に明確にして処理すべきであるということをわれわれは主張し、その資料の提出を求めたにかかわらず、池田大蔵大臣は、これは回収整理上そういうことを発表することは非常に支障を来すからとしつて、これを拒否しておられる。これは明らかに伏魔殿的な存在である復興金融金庫をそのまま開発銀行に持ち込んで、開発銀行をしてまた第二の復金たらしめるところの伏線を持つておるということを、われわれは指摘せざるを得ないのであります。こういう意味において、われわれは第三の反対の理由を述べるものであります。 最後に、本銀行が将来の運営において、一方においては国際帝国主義の單争準備に協力するところの役割を果すと同時に、一方においては、第二復金の不正腐敗の根源となる、こういう意味において、われわれはこの開発銀行法に対して断固として反対するものであります。
○夏堀委員長 討論は終局いたしました。 これより本案の採決に入ります。本案を原案の通り可決するに賛成の諸君の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○夏堀委員長 起立多数。よつて本案は原案の通り可決いたしました。 なお報告書の作成及び提出手続等につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じます。 —————————————
○夏堀委員長 次に資金運用部資金法案、郵便貯金特別会計法案、会計法の一部を改正する法律案、資金運用部特別会計法案、及び資金運用部資金法の施行に伴う関係法律の整理に関する法律案の五法案を一括議題といたします。右各案について御質疑はございませんか。
○有田(二)委員 ただいま議題となりました資金運用部資金法案、郵便貯金特別会計法案、会計法の一部を改正する法律案、資金運用部特別会計法案、及び資金運用部資金法の施行に伴う関係法律の整理に関する法律案の五法案については、すでに質疑を盡されたかと思われますので、この際右五法案について質疑を打切られんことを望みます。
○夏堀委員長 ただいまの有田君の動議のごとく決定するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○夏堀委員長 御異議ないようでありますので、右五案に対する質疑は打切り、これより討論に入ります。討論は通告順によつてこれを許します。宮幡委員。
○宮幡委員 ただいま議題となりました五法案のうち、資金運用部資金法案、資金運用部特別会計法案、並びに資金運用部資金法の施行に伴う関係法律の整理に関する法律案につきまして、私は自由党を代表して賛成の意を表するものでありまして、その理由を簡單に申し上げ、詳細はまた本会議で申し述べることにいたします。 御承知のごとく、従来の預金部預金法を廃止して、新たに資金運用部資金法を制定せんとするゆえんは、政府資金並びに準政府資金を統合管理して、これら資金を確実かつ有利な方法で運用し、公共の利益の増進に寄與せしめんとするものでありまして、見返り資金及び国債整理基金特別会計における国債の保有等の資金を除き、その資金を統轄運用して、昨年来産業経済界を悩ました金詰まり経済を打開し、銀行の貸出し超過、企業の借入れ超過の変態状態を是正して、かつ企業の正常な長期資金の調達を容易ならしめんとするものでありまして、しかも一面においてインフレ抑止の安全弁的役割をも果し得るものでありまして、現下日本の経済の実情とにらみ合せ、まことに当を得たる立法と申すべきであります。顧みれば、單後の混乱の中に激化した悪性インフレは恐るべき様相を呈し、日本経済の自立達成の希望もおぼつかなき状況に追い込まれましたが、第二次吉田内閣の成立を見るや、まず悪性インフレの収束に志し、第三次吉田内閣となつて、第五国会を通ずる超均衡予算の編成、デイスインフレ政策を主軸とする経済安定の諸施策を強行し、悪性インフレを克服しつつ、国民経済を安定の軌道に乗せ、安定より復興へ、復興より自立へと躍進を続けて、わずか一箇年有余にして国際信用をかち得て、国際経済へも参加し、自由民主主義国家とともに、世界平和に貢献し得る資格をも備うるに至りました。この間、統制経済より自由経済へと順次移行する過程において、金融政策にも画期的な変更が加えられまして、財政資金と産業資金との区分を明確にし、産業資金は市中銀行融資を原則として、みずからの信用と努力によつて調達することとなり、いわゆる思惑資金、見込み資金の調達は容易ならない状況となりまして、通俗的には金詰まり経済と呼ばれる時代となつた上に、昨年六月二十五日勃発した朝鮮動乱の影響をも反映いたしまして、輸出貿易が急激に上昇し、多額の外貨を保有することになつた反面に、国内の円資金不足の過渡的現象を示すに至りまして、輸入円資金の不足を償うためには、日銀ユーザンス制度の実施による対策等も講ぜられましたけれども、昨年十月ごろには真に金詰まり経済の様相を呈するに至つたことは、御記憶に新たなことと存じます。ときあたかも政府当局は、昭和二十六年度並びに昭和二十五年度補正予算の問題で、ドツジ氏と折衝を行つておつた当時でありまして、大蔵省としてはただに予算面の検討だけではなく、広く日本経済全体を検討して、当面の貿易の正常化を中心とする生産と命金融問題を取上げまして、いわゆる金詰まり経済の問題となつておる銀行のオーバー・ローンの解決、企業の長期資金調達をめぐることに折衝の重点を置き、この解決策として日銀、市銀の固定貸しを正常な長期資金に転換させる方法、つまり預金部資金と見返り資金の動員にしわ寄せを行つて、資金運用の質的転換を行うことをこれが対策に見出し、これを折衝の目標とせられたものと推測せられる次第であります。当時、金融産業界に現われている特異な現象としては、銀行はオーバ一・ローン、産業界はオーバー・ボローイングであつて、銀行のオーバー・ローンは單に預金に対する貸出し比率の増大だけでなく、投資勘定の中に現われている保有有価証券のアンバランスの問題、つまり資本構成上の銀行経理の異常化を究明して、オーバー・ローンの限界について根本的検討を行うことが必要であつて、オーバー・ローンを是正するには、当時半ば焦げついている短期貸出金の固定化を流動化し、本来短期資金であるべき性質の金が長期化している部分を、正常な長期資金に置きかえて行くことが必要でありまして、一方事業会社から見れば、銀行のオーバー・ローンを是正するには、自己資本の調達の面で改善策が加えられなければならないのでありまして、当時の企業は、自己資本に対する他人資本の比率が大き過ぎる実情でありました、これは日本の資本市場の狭小と貧困が大きな原因であつて、株価対策という意味でなく、広く資本の調達の打開策として、たとえば株式保有会社や、たな上げ株資金の構想をも再検討を加えなければならない事態となつておつたのであります。しかしこの考え方は、見通しとして株価対策とみなされる面も多いのでありまして、急速の具体化は困難であります。また信用造出となる金融政策は避けなければならないので、結局産業資金調達の打開策は、預金部資金と見返り資金の円滑なる活用をはかつて、これによつて日銀貸出し、市銀貸出しという形で、固定している資金の質的転換をはかることが、急務となつた次第でありまして、金融債の引受によつて預金部資金の流入を見れば、長期設備資金の調達が促進せられ、ゆがめられたる銀行の過重負担は軽減されまして、さらに有効需要の喚起に伴い、円滑な資金循環が行われるわけであります。この観点において、大蔵省はドツジ氏との間に折衝を進め、この結果として、昨年十一月二十一日ドツジ氏より池田蔵相あての覚書が、総司令部を通じて手交せられたものでありまして、いわゆる日本政府の金詰まり経済の打開に努力した結晶であります。しかるに野党各派の中には、大蔵大臣がドツジ氏の覚書に理由なくもろくも屈したりと難じ、さらには日本政府の自主性の乏しきを非難する向きがあるが、それはあまりにも真相をきわめない軽挙浅簿なる議論と申すべきであります。しこうしてこの結果として郵政省所管の簡易生命保險の積立金等の運用は、現段階においては資金運用部に専属することとなりまして、第五国会当時、衆議院において決議せられた簡易生命保險積立金等の独立運用へ復元する要望の達成は、見送りとなつたわけであります。このことのみを取上げて勘案するときは、院議無視の議論も生じ、ことには一度閣議決定を見て、昭和二十六年一月一日より郵政省の独立運用が再開せられる報道さえ伝えられた事情から見れば、当を失する措置を非難するのでありますが、前段申し述べた通り、めまぐるしく変転する国際経済の動きに順応いたしまして、日本経済の自立達成をするため、いわゆる金詰まり経済を正常化せんとする措置と比較勘案したならば、その軽重はおのずから明らかでありまして、従つて原案に反対すべき理由にとぼしきものであると申さねばなりません。しかも簡易生命保險積立金等の独立運用は、戦時中から停止せられ今日になつたものでありまして、現に独立運用中の資金を資金運用部にあらためて集中するものではなく、従つて郵政従業員の待遇その他に、格段の変化あるべしとは考え得られないところでありまして、本法案に反対せんとする郵政従業員等の心情は、察知するにやぶさかではありませんが、経済自立の過程における基本的な構想と、その措置を意義あらしむるがためには、やむにやまれぬ立法であることを了とせられたいと存じます。 思うに、現在の財政資金と準財政資金の合計額のうちに占むる簡易生命保険積立金等の資金ウエートは重く、これを一元的な国の金融政策と切り離して運用することは、功罪にわかに断じがたいところでありまして、安定経済のもと、正常なる財政金融政策のベースに乗り、簡保積立金等の資金ウエートも軽くなり、あるいはこれが運用を郵政省独自の構想にゆだねても、金融混乱のおそれなき見通しとならば、すみやかに郵政省の独立運用に移管すべきであることは、議論の余地のないところでありまして、本法案が恒久的生命を有するもののごとく見受けられるけれども、その実質は金融情勢とにらみ合せ、簡易保險事業運営の本質にかんがみ、当然近き将来において郵政省に復元せらるべきものであることを、強く認識すべきであります。 わが自由党としては、如上の事由により、国の金融政策よりする大乗的見地よりして、三法律案に賛成の意を表明するものでありまして、郵政関係者の切実なる声は十分脳裡にとどめ、他日の善処を期する次第であります。 以上をもつて簡單でありますが、私の賛成の討論といたします。 その他の二法案につきましては、自由党を代表して原案に賛成いたします。
○夏堀委員長 田中織之進君。
○田中(織)委員 私は日本社会党を代表いたしまして、ただいま上程になつておりまする各法案に対しまして、反対の意思を表明するものであります。 まず第一に、今回提案されました資金運用部資金等の関係におきましては、第五国会におきまして全会一致をもつて決定せられましたところの、簡易保險積立金並びに郵政年金の所管問題についての院議を、蹂躪せられておるという事実でございます。しかもこの国会の議決以来、現内閣において、昨年七月の閣議並びにそれにさかのぼる閣議においても、二回にわたつてこの院議に基いて、両資金の郵政省関係への復元についての手続をとるという閣議決定をされておるのでありまするが、二十五年十一月に出ましたいわゆるドツジ書簡をたてにとりまして、今回政府は、この種資金の一元的統合運営の名のもとに、国会に提出して参つたのであります。われわれも国家資金の、一元的統合的な運営ということにつきましては、あえて反対するものではないのであります。しかしながら、特に郵政省の関係におきまして二十六万の従業員と、少くとも国民の六割を占める五千万人の加入者が、こぞつて反対をいたしておりまするこの両資金を集めるところの仕事は、郵政省にやらせるけれども、それの運用は大蔵省に取上げてしまうというやり方に対しましては、われわれ絶対に反対をせざるを得ないのであります。しかも政府が本案を提出いたしました根拠にいたしておりまするドツジ書簡を十分検討して参りましても、必ずしもこの郵政省関係の二つの資金を統合しなければならないという根拠は出て参らないと、われわれは確信するのであります。しかも簡易生命保險法六十九條を削除して、簡易保險事業のいわゆる契約の事業、保險の支払いだけを郵政省に残して、保險事業の本質である積立金運用の面を取上げるというに至りましては、保險本来の生命でありまするところの保健衛生事業の関係、あるいは損失を生じました場合における補填等ができないことになるのであります。この点は、新しく加入を勧誘するという郵政関係従業員諸君の熱意を冷却するのみならず、積立金の利用に困難を来さしむる結果と相なりまして、長い歴史を持つところの簡易保險事業々危殆に瀕せしめるばかりでなく、衰滅を意味するところの重大な問題を含んでおると、われわれは確信するのであります。いわば郵政大臣が大蔵大臣に屈伏したために、こうした結果になつておるのでありまするが、これが二月二十四日の閣議決定で、郵政大臣が了承するまでの間は、郵政大臣もまた反対の態度をとつておつた。しかもこれは成案を得るまでの過程において、大蔵省だけでこれを進めて郵政省がタツチしておらない。次官会議にいきなり出て参りましたという事実を、われわれは見のがすわけには行かないのでありまして、その意味合いにおいて、われわれは本法案並びにこれに関連いたしまして行うところの法案に対しましては、反対するものでございます。 さらにもう一点、私は本案に反対の理由といたしまして、いわゆる預金部資金運用に対しまする従来の運用方針、ことに零細なる国民の資金を集めておるものの地方還元への手続が、まつたく不十分であるという点を指摘しなければならないのであります。わずかに地方債の引受の面で地方に還元することに相なつておるだけでございまして、大蔵大臣に言わせるならば、五分五厘で郵政省へあてがつてあるではないかと言うかもしれませんけれども、いわば大蔵省がその利ざやをかせぐ高利貸的な性格を持ち出して来たものだと、われわれはいわざるを得ないのであります。 以上の理由によりまして、本案に対しまして、社会党といたしましては断固反対するものであります。
○夏堀委員長 内藤友明君。
○内藤(友)委員 ただいま提案になりました法案につきまして、残念ながら賛成できかねるものであります。 それは、本法案の内容につきましては、すでに衆参両院におきましてその意思が決定いたしております。これは皆さん御承知の通りなのであります。ことに預金部の資金を運用されるための審議機関でありまする、この審議会を構成しておりまする内容を見ますと、地方の実際に明るい人が入つていないのであります。全国各地の郵便局から反対陳情して参りますその要旨を見ますと、簡易生命保險で吸い上げられた資金の地方還元は十分でない。それが簡易生命保險の将来にも悪い影響がある、こう申しておるのであります。これはなるほどもつともな話でありまして、このことがこの法案の中に十分に考慮されておらないのであります。 かように運用が誤りまして、簡易生命保險そのものが、将来おもしろくなくなるということであつては、これはたいへんなことなのであります。こういう理由から、私どもはこの法案には賛成しかねるのであります。
○夏堀委員長 竹村奈良一君。
○竹村委員 私は日本共産党を代表いたしまして、ただいま提案されておりますところの資金運用部資金法案外四法案に対しまして、反対するものであります。 まず本法案は、郵便貯金、簡易保險及び郵便年金等、国民の大衆預金によりまして、これを積立金として余裕金を集中統合して、そうして大蔵省の独占支配のもとに運用しようとするところの画期的な制度であります。これらの金は、先ほどからの討論者によつていろいろ指摘されましたことく、国民大衆の最も零細な命によつて構成されているのでありまして、従つてこの金の使用とこれの運用につきましては、少くともこの零細な国民大衆の生活向上と発展のために使われるのが当然であります。ところが内外の独占資本は、二十億に達するところの預金部資金、並びに政府の管理する一切の資金を独占して、あげていわゆる戰争以前の集中生産、今日で申しますならば軍需生産への足がかりとして、この資金を動員しようとするところのねらいがあるのであります。たとえば郵便貯金あるいは簡易保險等が預金部に統合されましたあの昭和十八年ごろ、日本帝国主義が戰争を遂行するために、大衆の零細預金をこの資金に投入したことが、われわれの記憶に新たなところであります。この歴史から見ても、今日のこの改正案というものが、いかにそのために動員しようとするところのねらいであるかということが、はつきりされておるのであります。 反対の第二点といたしましては、すなわち第五国会におきましてなされました決議というものを、政府においては全然取上げられることなくして、一片のドツジ氏の覚書によつて、たちまちくつがえされているところの点であります。われわれは、敗戰国民としての立場を十分承知しておりますけれども、しかしながら少くとも国会が存在し、国政の最高機関として承認されている以上、国会の審議権というものが十分尊重されることが当然でありまして、これを政府が一片の覚書によつてその態度をかえるというがごときことは、日本農の独立が保証されていると言えないばかりでなく、これこそが完全に植民地化の実相を明らかにしているものであると、われわれは言わざるを得ないのであります。この覚書という鎧の袖に隱れて、政府部内の対立を解消しようとしたところの奴隷根性というものが、国会の審議権を無規したのであり、このことは後世に許さるべきものでないと私は考えるのであります。 なお第三点といたしましては、今日行われている資本の集中の点を指摘しなければならないのであります。敗戰後の日本を平和国家として、いわゆる民主国家として再建するためにいろいろな努力が行われて来た。しかしながら実際におきましては、資本の面においては、その反対の結果が次々と遂行されて来ているのであります。まずいろいろな形において集中排除あるいはその他財閥解体等々が行われたのでありますけれども、しかしそれは表面的なものでありまして、次々として集中排除法の中に除外例が設けられ、あるいは財閥解体の除外が行われたことにおいて、今日資本の民主化ではなくして、資本の集中化、すなわち財閥復活あるいはそれ以上のものが行われていることを、われわれは考えなければならないのであります。今日いろいろな点から考えましても、すなわち資本主義の最後の段階としての、いわゆる帝国主義的な支配を確立しようとするそのねらいの一端といたしまして、一方においては見返資金特別会計、一方においては国の予算、一方においては預金部資金、あるいはその他為替管理特別会計等々を通じて、一切の金を国家の独占的な支配にまかし、そのことによつていわゆる資本主義没落の最後の段階としての、帝国主義的な支配を強行しようとするところに、本法案のねらいがあるのであります。こういう意味におきまして、われわれは少なくとも日本の民主化と、そうして新しい日本の誕生のために、この資本主義的な最後の段階の復活を企図するところの法案に対しまして、断固として反対するものであります。
○夏堀委員長 討論は終局いたしました。 これより右五案を一括議題として採決に入ります。右五案に賛成の諸君の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○夏堀委員長 起立多数。よつて右五案はいずれも原案の通り可決いたしました。(拍手) なお報告書の作成及び提出手続等につきましては、すべて委員長に御一任を願います。 ————————————— 〔委員長退席、奥村委員長代理着席〕
○奧村委員長代理 次に、農林中央金庫法の一部を改正する法律案を議題といたしまして、質疑を許します。
○小山委員 農林中央金庫法の一部を改正する法律案は、夏堀委員長外四十七名の提出になつておりまして、私もその提案者の一人になつておるのでありますが、実ははなはだうかつな話でありますが、提案をいたしましてから若干疑問の点が出たのであります。そこで直接の提案者にお伺いすることのほかに、実は監督官庁としてはこの点についてどう考えておられるのであろうかということを、幸いに銀行局長及び農林省の官房長が見えておりますので、参考のために伺つてわれわれの審議の基礎にいたしたい、かように思うのであります。 局長並びに官房長に御意見を伺つてみたい点は何かと申しますと、今度の改正法の第十一條に「理事長、副理事長、理事及監事ハ定款ノ定ムル所ニ依リ出資者総会ニ於テ之ヲ選任シ主務大臣ノ認可ヲ受クベシ」とありますが、これを実は非常に不安に思つておるのであります。と申しますのは、御承知の通り農林中金は金融機関であり、一つの事業体であります。その事業体の執行者であるところの理事長、副理事長、理事及び監事は、ばらばらに各選挙母体から出資者総会によつて選挙されて来る。その場合に、理事長が副理事長あるいは理事、監事を統率できなかつたならば農林中金の運営は絶対できない。そこでこういうふうに民主化されることは非常にけつこうで、私も賛成したのでありますが、さて運営の問題になつて、どうやつたならばこの心配を除去できるかという疑問を抱いたのであります。そこで常日ごろから監督に当つておられる大蔵省、及び農林省の御意見を伺つておきたいと思うのでありますが、ばらばらに選挙されて来る各理事を、どうやつて理事長が統率して行くかということが第一の問題であります。 第二の心配は、農林中金は、組織においてはなるほど農業協同組合、あるいは県單位の連合会その他を主体とする組合の金融機関には違いないけれども、政府の金を流す場合が非常に多いのであります。あるいは先ほど通りました農林漁業資金融通特別会計の実施機関になつたり、あるいは政府が来年度予算において実施したいと思うことを、とりあえずつなぎ金融で農林中金にしてもらわなければならぬ場合もある。そのような特殊な使命を持つている農林中金の理事長が、政府と何ら関連なしに選任されて来て、はたしてうまく行くものであろうかどうか。この二点について重大な疑問を私自身が持つたのであります。これについて、監督の立場にある政府の御意見を伺つて、われわれの今後の審議の基礎にいたしたい、かように考えましたのでおいでを願つたわけでありますので、これについて御答弁をお願いいたします。
○舟山政府委員 農林中央金庫は農林省と大蔵省が共管になつておりますので、大蔵省としましても、今度の法律改正につきましては深い関心を持つている次第であります。ただいま御指摘の理事者の選任の件につきまして、大蔵省の見解を申し上げたいと思います。農林中金も金融機関であります以上、その理事者の選任につきましては、他の一般事業会社とは違つた感覚で、これを見て行かなければならぬと思うのでございます。これは選出の方法と一応離れた問題でありますけれども、やはり金融機関である以上金融のセンスを持つた人でなければ、その機関の運営について不安を伴いがちなのでございます。それからまた理事者は個々の人選のほかに、理事会全体といたしまして渾然とした、一体的な行動をとり得るのでなければ、その経営がまた円滑を期し得られないこともお話の通りでございます。ただいま農林中金におきましては、この理事者は政府の任命になつております。しかしこれは他の金融機関におきまして、順次この政府の覊絆を脱せしめるという大きな線に沿いまして、これをいわゆる民主化いたしまして、理事者を選任するような体制に持つて行くということは、しごくけつこうであります。しかし農林中金におきましては、まだまだただいまお話のございましたように、政府の資金を多額に使う等の特殊の性格も持つておるのでございます。そこで今回理事者は出資者の総会において選任されることになりましても、その成行きにつきまして、具体的にどういう人が選任されるかということにつきましては、監督官庁たる大蔵省といたしましても、深い関心を持たざるを得ないのでございます。改正法案によりますと、出資者総会において、これを選任することになつておりますが、それは「定款ノ定ムル所ニ依リ」ということになつております。そこで今後の具体的の選出の方法を、定款に疑義のないように規定してもらいたい希望を持つております。しこうして定款は監督官庁の認可になつておりますので、その方法の適正を期しまするならば、今後この改正條文の運用につきまして、すなわち理事の選任におきまして、きわめて円滑かつ不安のないものにして行くことができると考えておる次第でございます。
○小山委員 次の質問に移る前に、今銀行局長の答弁でちよつと変に思いましたことは、定款は大蔵大臣の認可にかかつておるというのは、この條文でそういうふうに読めるのでありましようか。それともほかの條文でそういうのでございますか。
○舟山政府委員 定款は農林中金法二十六條の規定によつて、別途認可事項となつております。
○小山委員 そこでこれはどうも提案が議員提案になつている関係で、政府にじかに質問するという形が非常におかしいので、はなはだ質問しにくいのでありますが、ただいまの銀行局長の答弁では、まだ実は私の不安は去らない。というのは銀行局長の立場から今答えられたことは、政府と関係なしに選任されて来た理事長というものが、政府の意のままにというと語弊がありますが、政府の意図するところに従つて金を使わなければならぬ場合があるのだが、それを確保することができるかということについての確信についてはまだ釈然としない。実際問題としてまつたく関係のない人が出て来た場合に、それができるものだろうか。これはもう監督官庁としての立場からひとつお答え願いたい。
○舟山政府委員 政府の金を使わしめます場合には、それぞれ根拠法規等がございまして、その趣旨でただ資金の扱い方を農林中金に委託するということになるかと思います。それでありますから農林中金の理事者に適当なる人を得ますれば、政府の趣旨にのつとつて政府資金を使つていただけるということが、確信できると思うのでございます。
○小山委員 政府の金を委託する場合は、あるいは一つの基準があるからいいでありましようが、来年度の予算でたとえば農地改革なら農地改革をやりたいのだ、その前提として、ひとつ君の方でとりあえずつなぎ金をしておいてくれないかというような問題を、政府が任命しておる理事長の場合と、民主的に出て来た場合とでは、そこが相当違つて来るだろうと思う。政府の一つの機関としての農林中金の場合と、全然選挙母体なり選任の根拠が違うところの理事長が出て来て、政府の臨時のつなぎ資会をちよつと出しておいてくれないか——ところが農林中金の方から言えば、まだほかにいろいろ使いたいものがあるのだから、それを政府の方から使えと言つた場合に、ちよつと今私はできません。私の方は組合の金融機関でありますから、そういうことはごめんこうむりたいというような場合にはできないじやないか。これが心配なのでありますが、この点については監督官庁として、それはやはり従来通り行くだろうというふうにお考えになりますか。
○舟山政府委員 実はお尋ねの御趣旨に反するような御答弁になるかもしれませんけれども、あまり政府の金を金融機関に、いわば目的を示してひもつきに流すというようなことは、実は金融の建前から申しますと好ましくないことじやないかと存ずるのであります。今後はやはり金融機関の経営者は当該金融機関の経営に重点を置きまして、他からいろいろと制肘を受けないで経営をして行くという態勢に進むべきものと考えております。
○小山委員 私が申し上げておるのは、政府の金をひもつきに流すということではなくして、農林中金の余裕金なり、農林中金に金がある場合に、それを政府の政策を予算でもつて実現する別の、つなぎ資金に使つてもらいたいというような希望を申し出たときに、従来の政府任命の理事長ならそれを聞いたであろうが、今後の民主理事長はそれを聞かぬじやないか。そのために時の政府が農林政策を実行する上に、困ることはないかということを聞いておるのでありまして、これはむしろ官房長の方から聞いた方がいいかと思います。
○塩見政府委員 ただいまの御質問でございますけれども、現在任命制度になつている現状でもつても、やはり十分な了解なしにはやつておらないわけでございまして、今度の場合もやはり理事長その他の役員は一応認可をするわけでありますから、十分そういう点で政府との了解の遂げられるような方が選出される、そういうような期待を持つておりますし、またこれはほかの団体でも同様でありますけれども、第一の御質問にありましたような役員の間での統一その他に対しては、ほかの場合でも同様だと思いますが、やはり選挙母体になるような人々の良識というようなものと、またそれが認可されるような場合には認可する方の側の良識というようなもので、従来も何とか解決されて来ているようでございますし、ことにこういう重要な機関につきましては、そういう点については全国にわずか一つのものでございますし、十分な良識をもつて解決して行くというような形で処理されるのではないか、こういうような期待を持つているわけであります。
○小山委員 どうも両方とも私の聞きたいことをおつしやらない。任命権下にある理事長は政府が最初から任命権を持つているのでありますから、政府の言うことを開くはずである。ところがこの民主的に選出されたものは、政府は認可する権利はあるかもしれないが、よほどなことがない限り最後に書いてある改任は出て来ない。つまり組合金融に忠実である限りは改任するという理由にならない。ところが政府が農林行政を実施する場合に、つなぎ資金をしなければならない場合が必ずあるだろうと私は思う。予算も来年の四月なり五月なりには予算は実行するのであるから、とりあえず十二月そこらあたりから農林中金の余裕金を目当にして、翌年度に実施される額を見越して、ある程度の農林行政を金融の形においてやることがあるのじやないかと思うのでありますが、その場合に協力が得られるだろうかどうだろうか。これが先ほどから何度もくどく言つているところなのである。ただ良識によつてと言われるが、その次に来る問題は良識のある人が出て来るかどうかという問題がもう一つ残つておる。とりあえず良識によつてということで一応話は解決するとしても、その次に私が問題とするところは、良識のある人が必ず出て来るということがこの法律で期待できるだろうか。これに非常な疑いを持つておりますから、まず良識のある人が出て来たという前提のもとでもよろしい。その場合に官選の理事長の場合と、容易に改任されない理事長の出た場合——時の政府が——ほかに農林金融機関があるならばよろしいが、唯一の機関であるところの農林金融機関が、農林省の農林行政の補佐役になり得ない場合があつた場合に、さしつかえないかどうかということを聞いておる。
○塩見政府委員 民間の方その他関係者間においても、いろいろそういう点について問題があるようで、研究をされておるようでありますけれども、たとえばその一例としましては、理事長をまず選挙して、その理事が選挙母体の人々と十分な相談のもとで良識のある理事者を選任する。それによつてその選挙を終えて政府の認可を受けるというような方法であるとか、理事長を選挙する前に政府の方と十分な下打合せをやられて選挙されるとか、たとえてみればいろいろ考え方があるようでございますけれども、そのいずれによるかということは別にしまして、しかるべき方法によつて今御質問のあつたような点についての困難を除去することが、何とかできるのではないかと考えておるわけであります。
○小山委員 どうも答え方がまずいのですが、官選の理事長の場合は政府が任免権を持つておる。ところがこの法律による場合には、よほどの場合でないと改任できない。その改任できないという強い立場にある理事長が、農林行政上——それではこれから聞きましよう。農林行政上、農林中金にたよつて金融の道をもつて農林行政を実施する場合がないのかどうか。
○塩見政府委員 それは現在のような経済状態下においては大いにございます。ことに冬場の間の余裕金の運用で、もし農林行政にプラスがある場合があれば大いにあるわけですけれども、しかしそれはあくまでも農林省といたしましても、農林中金に無理を押しつけるというようなことではなくして、農林中金の金融機関としての使命に反しない範囲において、また農林中金の金融ベースに乗るという範囲において、現在でもやつておりますし、今後ともそういう程度においてやつて行くことが必要かと考えております。
○小山委員 農林省が農林行政を実施する上において、農林中金にたよらなければならぬ場合がある。それはその通りであると思います。その場合に官選の理事長の場合と民間の理事長の場合との間に、農林行政をやる上において重大な支障はないかどうかということを聞いておる。
○舟山政府委員 お尋ねの趣旨は、この制度の問題にも関連して参ると思うのでございますが、ある程度政府の意を受けてやる金融機関が必要だということになりますれば、これは特殊金融機関でございまして、従つて官選の役員がおつて当然であるという結論にもなるかと思うのでございますが、しかし農林中央金庫のごときは、漸次特殊機関的な色彩から離して行こうという行き方をとつておるわけであります。そうしますと、農林中央金庫といたしましては、それでは政府の政策に協力するかどうか、そういう方を民選で得られるかどうかという点が、具体的な問題になつて来るかと存じます。農林中金といたしましては、農林漁業関係の金融をもつぱらここに持つて来ざるを得ない立場にあるわけでございますから、その具体的な人選についてその当を得ますれば、広く農林漁業界のためになる運営をなさることと思うのでございます。それにつきましては、先ほど申し上げました金融のセンスということ以外に、また具体的な人選についているろ考慮すべき点があると思うのでございますが、この点は選挙方法というようなものを十分政府も協同して、適任者を得られるような仕組みを考えまして、実際上ほんとうに政府に協力しながらも、また農林漁業の金融について十分な働きをなし得る人を選び得るようにいたしたいと考えております。
○小山委員 大体両者の説明でわかりましたが、この点について、実はまだ私自身としては非常な不安を持つておる。官選の理事長の場合と、民選の理事長の場合に、時の政府は——わが党の政府とは言わない。時の政府が、その農林政策を実施して行けるかどうか。従つてもしできないならば、他の政府の農林行政を担当するところの金融機関をつくらなければならぬ、こういうはめに陷つて来はしないかというような心配は依然として残つておる。そういう点を一応つけ加えまして、この点は一応留保いたしておきます。 さて次の心配は、ばらばらになつている理事が、理事長の統率のもとに動いて行くかという問題と、先ほど来言われておるような金融センスのある理事長が、この法律だけで選ばれて来る可能性があるかどうか。定款によつてとおつしやるけれども、定款はまだ実はわれわれも知らない。つまりこの法律だけで、はたしてそれを確保して行けるだろうか。この点も一つ心配になるのです。それで銀行局長の御意見を聞いておつても、農林省の官房長の御意見を聞いておつても、良識ある理事長なり理事が出て来るというような前提でお話をなされておるようでありますが、この法律のままで、この法律の條項だけで、良識ある理事なり理事長というものが選任されて来る可能性について、また重大な疑問を持つておる。確実にそういう良識のある人たちが出て来るであろうという方法について、何かそちら側にうまい考え方はありませんか。ひとつ伺つてみたいのであります。
○塩見政府委員 これはいろいろの方法が考えられると思いますけれども、やはり政府と事前に打合せしていただいて、先ほどからのお話にもありましたように、農林省としても非常に重要な機関でもございますし、この機関の長あるいは役員というものが、政府とまるで違つた考え方を持つて動かれるというふうなことであつては、非常に農林政策遂行上の障害もありますので、そういう点で十分政府の方と事前に打合せしていただいて、理事長を選ぶ方法なり、それから理事長の具体的な人についても、御相談を受けてやつて行くというふうな方法と、またそういうふうな理事長を、ばらばらに理事者が選ばれないように、やはり構成メンバーも政府の方と事前に十分な打合せを遂げられて、統一のある役員の選出ができるような十分な協議を遂げた上で、選挙の方へ持つて行けるというような方法で解決するのが、私たちにしてみると一番いい方法じやないかと考えられますが、これは法律にもあるいは定款にも十分には書けないことかもしれません。そういう点については、関係者で話合いをして、いい慣行をこの点についてはつくつて行くというふうなことが、どうしても必要じやないかというふうに考えておりまして、この法律だけで民主化されてあとがうまく動くものだ、そう簡單には考えておりませんけれども、そういうふうな形で何らかの打開策はあるというふうに考えておるわけであります。
○小山委員 今塩見官房長のおつしやつた、この法律だけでただいま御説明のようないい結果が得られるとは限らない。私も実はそれを心配しておるのでありまして、法律の上で行けば何でもできるようになつておる。ところが今銀行局長も塩見官房長も再々言われておるように、変な人が出て来たら困るのだ、金融のセンスもないような人が出て来たり、あるいは政府と一向一体にならないような人が出て来ても困るのだという点については、銀行局長も塩見官房長も御意見は同じのようであります。ただそれを現在の官房長、現在の局長、あるいは現在の農林中金の理事長がおられる間は、そういうふうに指導して行けるかもしれないが、何代もたつた後に一体どうなるか。何代でなくてもいい。一代、二代の先もそういう心配があるので、実は私は非常に深い疑惑を持ちながら、しかし何とかしてこれを打開する名案はないだろうかということを考えで、今悩んでおるわけであります。しかしそれは法律にも定款にも書けないということでは、これは実に困るのであります。それではこの点御両所の説明はよくわかりましたから、他日農林中金の理事長にお伺いして、何かその不安を除く方法はないかどうかということを私聞いておきたいと思います。きようはこれで質問といいますか、御意見の聽取を留保いたします。 —————————————
○奧村委員長代理 次に納税貯蓄組合法案を議題とし、質疑を許します。 〔奥村委員長代理退席、小山委員長代理着席〕
○高間委員 納税組合のことにつきまして、提案者に一言お伺いしたいのです。第二條の二項に指定金融機関とありますが、この指定金融機関のことについて、私は大正十四、五年ないし昭和二年のパニツク当時に、この納税組合ということについては非常に苦心をした覚えがあります。というのは、せつかく零細な金を集めて、そうして納税を容易ならしめるために積んだ金が、指定された金融機関の中で信用組合であるとか、あるいは弱小銀行であるとかいうところが破産をしたところがたくさんあつたので、その破産のために、納税金を積んでおいてその納税金が払えなくて、しかも銀行あるいは信用組合に食われてしまつて、悲惨な思いをした経験があります。ですから、そこで今度のこの納税貯蓄組合法案というものの中には、指定金融機関がもしも破産になつた場合に、その責任はどういうふうになるか。またもう一つは、組合長等の組合の定款に定める範囲の責任はどうなるか。納税貯蓄であつて大切な納税金であるから、税金と同じように先取特権を認めるのかどうか。その点をお伺いしたいと思います。
○奧村委員 お答えいたします。ただいまの高間さんのような御疑問も当然起ると思いますが、納税貯蓄組合の性格を簡單に申し上げて、御理解を得たいと思うのであります。つまりこの納税貯蓄組合は任意につくるのでありまして、組合長をつくるのも、あるいはいわゆる指定金融機関をきめ預け先をきめることも、すべてこの組合が協議の上できめるのであります。従いまして預け入れた金融機関がもし破産をする、あるいは不払いをするということになれば、これは組合員が話合いの上できめたのでありますから、組合員みずからその責任を負うということに相なつておるのであります。そういう建前でありますから、預入れ先を最初にきめるときに、組合員みずから慎重に協議してきめる、そういう建前をとつております。御了承願いたいと思います。
○高間委員 そうしますとせつかくためた金の間違いができた場合でも、納税貯金というりつぱな名前があるにもかかわらず、何ら特権というものはないのであつて、普通の一般人が納税を單に容易ならしめるための貯金であるというふうに解釈していいですか。
○奧村委員 條文の中にもありますように、納税者の貯金は組合の名義で預けるのでなく、納税者の名義で個々に預けることになつておるのであります。従いまして組合としましては、ただ納税者から納税のための現金を預かつて、その指定金融機関の窓口まで持つて行つて、その納税者名義の預金に預け入れて、その通いを持つて帰つて納税者に渡す。要するに途中お金を預かつて、持つて行つて預けるというだけのお手伝いをするのが組合の仕事でありまして、すべて預金の安全その他のことは、納税者が自分のこととして、みずからそれを監督するような建前になつておる次第であります。
○高間委員 そうしますと、「税務署長及び地方公共団体の長に届け出たものを」納税組合というとなつていますが、その場合に補助金はだれが取得するのですか。
○奧村委員 組合の事務を行う者に補助をするということに相なります。
○高間委員 そうすると税務署の方では、その納税貯蓄をやらせるための事務員だけを雇い入れたり、あるいは事務にかかる費用だけを持つという形であつて、貯金の方については何ら特権は認めておらないという範囲ですか。
○奧村委員 ただいまお話の通り、組合の事務員の人件費及び事務費に対して補助をいたしますことと、そのほかに、この納税貯蓄組合の預金については所得税をかけない、あるいはまたこれに関する登録税等もかけない、こういうことになつております。
○高間委員 今提案者の説明の通り、わずかに事務費の補助と、預金に対する税金の免除程度で——納税貯金をして容易ならしめることはけつこうですけれども、納税貯金をしておくことによつて、非常に有利なような気持を誘うだけの機構が、何らないように考えられますが、その点はどうでしようか。
○奧村委員 お説まことにごもつともな点もあるのであります。もつとこの組合に、このほかに何か奨励の方法を考えたいと思つたのでありますが、ただいまのところはこれ以上の方法がとれないと思うのであります。但しかかる補助がなくても、全国的に見ますると、地方によりまして自然発生的にかなり納税貯蓄組合ができております。以前の隣組單位で、町内が輪番にこの組合の世話をやいて、自然発生的に貯蓄組合ができておりますので、今回この法律が実施されますれば、それをますます広めて行くということになりますので、この法律を通すだけでも、かなり促進になると思うのであります。
○高間委員 提案者の御説明はよくわかりますけれども、もう少し何とか納税貯蓄という、金をためる気持を一般の者に誘発させるような方法を、ここへつけ加えることはできないのですか。
○奧村委員 お説のような御意見をくみ入れるべく、いろいろと努力いたしたのでありますが、ただいまのいろいろな事情からいたしまして、これ以上の規定は困難かと思うのであります。
○大上委員 納税貯蓄組合について、政府当局がお見えになつたらしいですから、二、三お尋ねいたします。 まず本法案の附則に、「この法律は、公布の日から施行する。」とありますが、公布の場合に、施行は政令で別に定めるという規定がありませんから、即日公布と思いますが、間違いございませんか。
○忠政府委員 ただいまおつしやいました通りでございます。
○大上委員 では次にお尋ねしますが、この法律案の第五條にありまする通り、「指定金融機関は、他の法令又は定款の規定にかかわらず、納税貯蓄組合預金を受け入れることができる。」こうなつておりますが、これから見ると、立法趣旨といいますか、法理論的に申すと非常に競合法のように考える。これに関連性をもつて、「他の法令又は定款」とありますから、多分商法じやないかと思われるのですが、どういう法案とこれが抵触しておるか。その法律の名前をお聞かせ願います。
○忠政府委員 金融機関のうちには、預金業務につきまして特定の制限を受けておるものがございます。たとえば協同組合等におきましては、当該協同組合の組合員に限つて預金の受入れができる、こういうようになつておるものもございまするが、預金の性質から申しまして、組合員以外の者も、納税貯蓄組合の組合員となりまして、協同組合に預金をする必要が生ずる場合があるだろうと考えられます。かような場合においても、適法に預金を受入れしめ、できるだけ納税貯蓄組合が貯金の受入れを便利に、かつ手軽にできるようにしたい、かような趣旨の規定でございます。
○大上委員 その点はわかりました。そこでお尋ねをしたいのですが、第七條の規定に「自己以外の組合員がなすべき課税標準の申告又は当該組合員に対してなされるべき租税の賦課に関與してはならない。」こう書いてあります。これにはなるほどかるのですけれども、実際上現在行われておる税務代理士法があるどいうことは、結局そのもぐりといいまするか、そういうふうな点がいろいろ出て来る。ところがこれが個人で言うなら、決定通知をまかせて、いわゆる税務署でやつてくれ、こういうふうに言われた場合に、当然これは税務代理士法の違反事項に該当しはせぬかと思いますが、この点はいかがでしようか。
○忠政府委員 お答え申し上げます。この規定は税務代理士法と多少性質が異なると思います。税務代理士の業務といたしましては、納税代理と納税書類の作成と納税相談と、三つの業務がございまするが、この第七條は、そのほかに申告につきましてのあつせんとか、申告についてのいろいろの指導、こういうような広い範囲のものが考えられておるわけでございまして、規定の趣旨といたしましては、先年来いろいろと問題になつておりました団体交渉というのがございますが、あの団体交渉は、申告納税制度の健全な育成から考えますると適当とは思われない。従いまして、納税貯蓄組合が団体交渉の母体となるというようなことはなくしたい。それが第七條の趣旨でございまして、税務代理士法と直接に関係がないとわれわれは解しております。
○大上委員 今の団体交渉の点、これはあとで御質問しようと思つておつたのですが、どうしても別の団体交渉に行くように思うのですが、それについての一つの関連性といたしまして、その納税貯蓄組合へ持つて行つて、その折ついでに自分のものを——正式に言うところの白紙委任状といいますか、あるいは委任状というものを持たないで、役所へ行つてした場合にどうなるか。いま一つは、団体交渉のような弊害が必ず起きると思うのです。但しわれわれ立案者としては起きないと思いますが、これを施行して行く行政庁としては、一面起きるような気がします。これは非常に微妙な点ですけれども、行政庁としての所見を承りたいと思います。
○忠政府委員 ただいま御指摘になりました点については、私どもは国税と地方税とを通じまして、実行上においてさような結果が起らないように、組合の幹部の方々の御善処を願うということを、実は考えておる次第でございます。それで御提案者の側から詳しく御説明があつたと考えておるのですが、この納税貯蓄の方法といたしましては、個人、ことの預金台帳というようなものをはつきりさせておいて、税の受払いだけを組合の事業として行う、かような嚴格な方法だけは守つでいただきまして、課税に関する付随的な問題につきましては立入らないでいただくように、これは組合の幹部の方々の良心的な御決断にまつ、かように考えておる次第でございます。
○大上委員 それならひとつ最初から、とびとびでなしに聞かしてもらいます。この法案では、税務署長及び地方公共団体の長に、單なる届出をしたらそれでいいというのでありますが、はたしてこれが一つの法人格を持つか持たぬか。これはいろいろあります。なお民法三十四條に規定せられておるところの公益法人というようなものも出て来ると思うのですが、問題は單なる届出だけでは、皆さんに行政執行していただく上において非常に疑義がある。だからその他の別表、施行細則または省令等においてこれを審査し、事前に、なるほどわれわれがこの法案を提案した理由に基くりつぱな法人なんだ、こういう確認をしてもらわなければならぬ。それが将来監督なりあるいはこれを運営して行く上に、非常にいいのではないかと思いますが、その條項が見当らないのです。これはわれわれがぬかつたのですが……。そこでこれを行政執行上どういうふうにお考えにになつておられるか。また運営なさるか。その点をお伺いします。
○忠政府委員 お答え申し上げます。ただいま御指摘になりましたように、組合に法人格を持たせまして、りつぱな組合にしたいということは、私どもも考えた次第ではございます。但し現在の法人の扱い方からいたしますると、登記によりまして、設立あるいは役員の選任等を公示する建前になつておりまして、非常に嚴格な法的な措置が必要でございます。どちらかと申しますれば、納税貯蓄組合といたしましては、気軽に納税貯蓄ができて、気軽に税が納まるというところに主眼点がございまするので、あまり四角ばつた形式をとらないでも、十分に目的を達するのではあるまいか。しかしいろいろな国家あるいは地方団体として御援助を申し上げる点になりますると、何らか私どもの知り得る手がかりがなければならない。この点におきましては、届出程度で十分目的を達するのではあるまいか。届出によつて内容が詳細にわかつておりまして、その事業活動の都合によりまして、いろいろと御援助を申し上げる。かた苦しい方法で内容をどうこうおさしず申し上げるということは、本意でないのでありまして、できておりまする団体の活動を、できるだけ健全な公正なものにするように御援助申し上げる。かような点から申し上げますれば、法人格という嚴格なものにして、権利義務の関係を明らかにするとか、あるいは公的な表示をするとかいうようなことでなくとも済むだろう。そのかわり、届出がございましたものについては御援助を申し上げ、届出のないものは私どもの対象には入らない。これで十分目的を達するように考えておる次第でございます。
○大上委員 大体それもわかつたようで、わからぬのです。ではお尋ねいたしまするが、たとえばこの十條の規定で、非常に補助金等もやる。これに対しての違反者については付則の罰則はよく承知はしておるのですが、ではこれが一つの法人格を持つておらぬ場合に、まず所得が生れたと仮定いたします。生れる道理がないのだけれども、これはわからぬ。そういう場合に、これの組合員に対する課税は、当然公益法人として扱うのか、そうでないのか。なぜここを突くかといいますと、昔のいわゆる匿名組合というのがあります。この匿名組合の組合員の所得は、なかなか捕捉に困難であつたのですが、そういうような面から見て、もしこれに事務その他について所得とみなし得るものがあつた場合にどうして捕捉なさるか。それが一つ。 もう一つは、箇條書きに行きますが、同じく十條の規定に、「予算の範囲内において、補助金を交付することができる。」しかもその第三項において、「第一項の規定による補助金の交付の手続については、政令で定める。」こうりありますが、大体どの範囲内の予算を組んでおられますか。昭和二十六年度のこの予算の面に、大体見越してどの程度の金額が入つておるか。 いま一つ、第八條第二項に、「納税貯蓄組合預金の利子」云々について「所得税を課する部分の金額の計算の方法については、政令で定める。」とありますが、その趣旨は利子の計算方法、同じく第十條の第三項に、いわゆる補助金の交付手続きについて、これも政令で定める。散見するところによると非常に政令が多いのです。この政令というのは非常にわれわれ困るのですが、どういうふうな内容の政令であるか。おわかりになつておれば聞かしてもらいたい。これでとどめます。
○忠政府委員 第一点は、納税貯蓄組合にもし所得があつたら、どういう課税をするかという問題と承りました。そこで納税貯蓄組合の業務規程と申しますか、定款と申しますか、それでどういう組合財産の管理方法を講ずるかという点で解決がつくと思います。大体私どもは、貯蓄組合の財産が年々繰越されて参りまして、その財産が組合員のだれの財産であるかということは、特定しないように運用されるのではないかと考えます。そうなりますと、人格なき社団というような法律的な見解が下されると思います。そういたしますと、組合代表者の個人の資格とは離れた一つの課税主体があるものと考えまして、基礎控除額に達するまでの所得があるかないかによつて課税が行われる。今年の例で申しますると、三万円の所得までは、社団である納税組合の代表者に対しては課税されない、納税貯蓄組合に課税されない、こういうような運用でいいと考えております。 第二点は、政令の補助金の交付に関する事項についての御疑問でございまするが、政令は手続だけの規定でありまして、たとえば年二回にわけて交付するというようなことを規定いたしたいと思います。そのものとなる予算の措置がどうなつておるかというお尋ねでございますが、この点につきましては、貯蓄組合法が予算審議当時から遅れて立案いたされましたために、現在予算面では御承知のように考えられておりませんので、そのうち予算的措置をいかにするかという点を、明瞭に申し上げさしていただきたいと思いますが、これは多少時間を借していただきたいと思います。 最後に第八條第二項の免税所得の計算方法についての政令の内容という問題でございまするが、これは一応上積みの分から課税を落して行くという方法で、わかりやすい計算方法をとつた方がいいのではないかと考えておる次第でございます。
○小山委員長代理 ほかに御質疑はございませんか。
○大上委員 動議を提出いたします。ただいま議題となつておりまする納税貯蓄組合法につきましては、議員提出でありますので、事前においてよくこれが審査をし、なおかつまた本日これの運営に当る政府当局の説明を求めましたので、この際質疑を打切り討論を省略して、ただちに採決に入られんことを望みます。
○小山委員長代理 ただいまの大上君の動議のごとく決定するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小山委員長代理 御異議なければ、本案につきましては質疑を打切り討論を省略し、ただちに採決いたします。 本案を原案の通り可決するに賛成の諸君の御起立を願います。 〔賛成者起立〕
○小山委員長代理 起立多数。よつて本案は原案の通り可決いたしました。 なお本案に対する報告書の件につきましては、委員長に御一任を願います。 —————————————
○小山委員長代理 次に、本日付託されました税理士法案を議題とし、提出者より提案趣旨の説明を聽取いたします。三宅則義君。
○三宅委員 ただいま議題となりました税理士法案の提案理由を説明いたします。 実は本大蔵委員会におきまして、税務代理士法の改正に関しまする小委員会を設置せられ、川野芳滿、三宅則義、宮幡靖、宮腰喜助、松尾トシ子の五名が小委員にあげられまして、数回にわたり小委員会を開催いたしまして、合計五回の小委員会を開催した結果、税務代理士法を改正いたしまして、これを税理士法案として提出することに相なつたのであります。何とぞこの点御了承願いたいと思います。 ただいま議題となりました税理士法案につきまして、提案の理由を説明いたします。 御承知の通り、現行税務代理士法は昭和十七年に制定せられ、税務代理士は、所得税、法人税等の租税に関し、納税者の代理等の業務を行つて参りましたが、戰後申告納税制度及び青色申告制度等が実施せられ、租税制度に根本的な改正があり、税務代理士の職責はますます重加し、その素質の向上をはかる必要が強く要望せられていたのであります。 右の要請に基きまして、新たに試験制度及び登録制度を採用して、人格及び能力ともに適切な人材が納税者の代理等の業務に当り、納税者の信頼と国家の期待にこたえて、租税負担の適正化をはかりつつ、申告納税制度の適切な発展に資せしめることとする等のため、現行税務代理士法を廃止し、税理士法を制定することといたしたいと存ずる次第であります。 以下本法案の概要を簡單に説明いたします。 〔小山委員長代理退席、委員長着席〕 まず税務代理士の名称を税理士と改称することといたしました。税理士の取扱う業務は、現行税務代理士の業務である国税に関する税務代理、及び税務書類の作成並びに税務相談のほか、新たに市町村民税、附加価値税等の地方税に関する事務を追加しました。 改正法におきましては、税理士として業務を行うためには、現行の選考による許可制度を廃止して、原則として試験による登録制度に改め、税理士の水準の向上をはかりたいと考えたのであります。そこで税理士となる資格を有する者としては、まず弁護士、公認会計士が適当であると考えられ、これに加えて税理士試験に合格した者、及び税理士試験における全科目の試験の免除を受けた者であり、税務または会計につき二年以上の実務経験を有する者が適当であると考えたのであります。しかし無能力者であること、刑罰または懲戒処分を受けてから一定年数を経過しないこと等の欠格條項に該当する者は、税理士となる資格がないことにしてあります。税理士試験は、新制大学卒業者、税務または会計に一定年数以上の経験を有する者、その他これらに匹敵する学識または実務経験を有する者を受験資格者といたしまして、税法のうち三科目と会計学のうち二科目とについて、実務の応用能力に重点を置く試験を行うこととしました。なお相当の学識または経験のある者には、試験科目の一部を免除することといたしました。試験は国税庁に置かれる税理士試験委員が公正、適実に行うことにしております。税理士となる資格を有する者が税理士となり、その業務に従事しようとするときは、税理士名簿に登録を受け、税理士証票の交付を受けることといたしました。この場合において、一定の登録拒否事由に該当し、税理士業務を行うことについて、公正な税務専門職業家として適当でないと考えられる者は、この登録を受けることができません。税理士業務が納税者の利害に及ぼす影響は重大でありますりで、以上のように、税理士となる者は人格能力ともに適当とされる人に限り、かつその権利義務についても明確にして置くことが必要であると考えられるのであります。 そこで税務職員は、税理士が青色申告書を代理する権限を與えられたことを、あらかじめ書面をもつて申し出たときは、その代理する事項に関し、その納税者について調査をするために通知するときは、同時にその旨を税理士にも通知し、また協議団の協議官は、税理士が納税者を代理する権限を與えられたことを、あらかじめ書面をもつて申し出たときは、その代理する事項について協議するときは、税理士に意見を述べる機会を與えることとしました。その他、現行税務代理士法に定める義務のほか、秘密保持の義務、信用保持の義務等を加えるとともに、税務職員であつた税理士は、その公務員として職務上取扱つた事件については業務を行つてはならず、また税理士がその業務について受ける報酬は、国税庁長官が定める最高限を越えてはならないこととしました。 以上のように税理士の職責の重要性にかんがみ、税理士は国税庁長官の監督に服することといたし、国税庁長官は、税理士が真正の事実に反して税務代理を行つた場合、脱税相談をした場合、その他税理士の義務に違反した場合等には、戒告、一年以内の業務の停止または登録の取消しの懲戒処分とすることができ、この懲戒処分を受けて異議のある者は、大蔵大臣に訴願することができることといたしました。 次に、現行の全員加入制の税務代理士会は、その組織を変更して、任意加入脱退制の民法第三十四條の社団法人たる税理士会となることができることといたしました。税理士会は、税理士法に基く税理士の義務の遵守、及び税理士業務の改善進歩に資するため、会員の指導及び連絡に関する事務を行い、また税理士会は同じ目的のため、民法第三十四條の社団法人たる税理士会連合会を、組織することができることとしました。 最後に、新法施行の際の税務代理士は、税理士試験を受けることなく、登録を申請することができることとし、業務を続行できるよう考慮いたしました。 以上本法案の概要を御説明申し上げました。税務代理等を行う専門職業家の活動が、申告納税制度の発展と税務行政の円滑化に及ぼす影響の重大性にかんがみ、本法案のすみやかな成立をこいねがつてやまないものであります。何とぞ御審議の上、賛成されますより切望する次第であります。 —————————————
○夏堀委員長 次に農林中央金庫法の一部を改正する法律案を議題といたしまして、質疑を続行いたします。小山君。
○小山委員 幸いに農林中金の理事長か見えられましたので、御所感を伺いたいのであります。この農林中金の改正法案は議員の提出でありまして、私どももその提案者の一人になつておるのでありますが、提案後において実は重大な点において疑義を生じたので、私個人としては、ただいまのところこの問題について賛成すべきか反対すべきかについて、迷つておるような次第でありますので、私の態度がいずれかにきまるための参考として、実はお伺いするわけであります。 どういう点に疑問を持つたかと申しますと、民主的に理事者を選挙するという制度については、私はもとより賛成であります。農林中金が民主化されるという点については、何ら疑問を持たないで賛成の意を表し、提案者の一人になつたわけでありますが、さてそれが民主化されたあとの運営について、はなはだうかつでありますが、提案のときまで考えていなかつた疑問を生じたわけであります。と申しますのは、なるほど民主化された農林中金の役員が出て来ることは、下部団体の意向が反映してまことにけつこうなことであろうと思いますけれども、実は農林中金の運営上非常な心配をするに至つたことは、ばらばらに選挙されて来た理事を理事長が統率して、りつぱな農林金融をやつて行けるであろうかどうかという点が第一点であります。第二点は、この農林中金は現在は政府機関と申すべきものでありましようか、民主化されたあかつきにおきましては、政府とはまずあまり関係のない機関になつてしまう。ところが農林金融を行うところの金融機関というものは、現在のところ農林中金以外に考えられない。そこで政府が農林中金を通して、農林団体に金をまわさなければならぬようなこともありましようし、あるいは政府の政策実行の前提として、たとえば来年度に予算化されるべきものを、今年度中に農林中金の金融を通じて、前もつて実施しておくという問題もあろうと思いますが、かような場合に、現在のごとく政府の任命する理事長であるならば格別、何ら政府と関係なくして選任されて来た理事長が、政府と一体とたつてそのような農林行政をやつて行けるかどうか。これが私の抱いた疑問なのであります。そこで湯河理事長は、現在農林中金の理事長の職におられますので、その点についての御所感があろうと思いますから、それをまず伺つておきたいのであります。
○湯河説明員 ただいま小山委員から農林中央金庫の将来の運営につきまして、非常に御注意深い御質問に接しまして深く感激しております。御心配になりました点が二点ございますので、それにつきまして、ただいま理事長をしております私として所感を申し上げたいと存じます。第一点は、選挙によつて役員がきまるとなれば、ばらばらに出るのではないか。それをいかに理事長は統轄をするであろうかという御趣旨でございます。この点につきましては、うつちやつておけばまことに御心配の通りのことに相なるかと存じますが、これにつきましては、いかなる機構におきましても、選挙によつて役員を選びますときに、そのようになつては困るのはみだそうでありまして、いずれもそれについて深い注意が払われておると思います。農林中央金庫の場合におきましても、実は選任をしていただくのは出資者総会においてということになつておりますが、それにつきましては、事前によくお話合いをしていただいて、そのお話合いの線に沿うて選挙をしていただくことが必要だというふうに、私は現在考えておりまして、そのことにつきまして、現在の総代のおも立つた人たち、ないしは所属団体の責任ある人たちと、過去二年間にわたりまして十分協議をして来ております。御承知でもございましようが、農林中央金庫は、農業団体としての一つのグループと、水産業団体としてのグループと、林業団体としてのグループがございます。それぞれその集まりがございますので、その集まりを代表いたします人たちが、そのグループの中におきまして、将来の農林中央金庫の役員の選任が行われますときの予想をもつて、常々相談をしていていただき、そうして改選期が近づきましたときには、それらの方々がお集まりになつて、農林中央金庫の将来の理事長たるべき候補者を、どうしてあきらめるかということについての熟議をこらしていただくということに、もうすでにお話合いができておるのでございます。それらの方々は、金融機関たる農林中央金庫のあり方につきましては、いずれも注意潔く平素お考えをいただいておる方々でありまして、適当なる理事長候補者を指名するのだということも、返す返す言つていらつしやるのであります。しかしそうなるといたしましても、なおそのほかに私たちが話し合つておりますことといたしましては、日本銀行の政策委員会がございますが、この中に農林水産業を代表する政策委員がいるのであります。この政策委員は、将来にわたりまして農林水産金融のほんとうの後見役たる人でございますので、この人も加わつてもらつて、そうしてよく将来の農林中央金庫の理事長たる人の選考をしてもらう。そうしてその選考がきまりましたときに、これは制度の上おきましても、今度の御改正の法案は、政府の認可を受けることにたつているのでありまするから、政府の当局、すなわち農林省、大蔵省の御当局とも十分熟議をこらしていただきまして、そうして理事長候補者たるべき人をきある。そういたしますれば所属団体の方においても文句のない、また政府においても認可するをはばからない人がきまるわけでございます。そこで手順としては、あらかじめそういうふうな手順によつて理事長候補者をひとつきめておいていただいて、そうしてその理事長候補者に、副理事長及び常勤理事の候補者のリストをつくつてもらうようにしたらいいというふうに、みな考えております。そうしてそのリストによつて、また今申しました三つのグループと政策委員とを代表する四人の人と、よくお打合せしていただいて、そのリストの人でいいということになりましたときに、それを政府と御相談をしていただく。そうして政府の方でも、その常勤役員のリストでよろしいということになりましたときに、みなその趣旨を体してその線に沿うて、そうして自由意思の選挙を——これは選挙、投票という形になるだろうと存じますが、やつていただくという方向にしたら、大局誤ることなかるべしというふうに考えておるのでございます。しかし理事長候補者の出したりストに異存があり、そうしてどうしてもそれではいかぬということになりますれば、結局その理事長は常勤理事の選任に行き詰まる、理事長候補者は行き詰まるのでありますから、それでは自分はいかぬということにも相なるわけであります。その理事長候補者を取逃がすことができないということでありますれば、だれかががまんしていただくというお話合いを十分盡した上で選挙に臨む。それくらいな下準備というものは、まあどちらにおいてもなさるだろうと思いまするが、特に政府の御認可を受けなければならぬ機構におきましては、これはぜひ必要なことであろうかと存じまして、さようなことにつきまして、所属団体の責任ある人たちと、民主化の問題の実現のあかつきの問題につきましてお話合いをいたしておりまして、みなよく了解しておられるのであります。このことは一昨年来問題にいたしておりまして、実は民主化の法律案を昨年も御審議いただけませんでございましたが、この趣旨にのつとりまして、実は現実まで実行いたしましたのは、副理事長並びに常勤役員の一部でございますが、その選任の方式につきましては、こういうことをすでにやつて来ておるのでございます。それで将来もさようにお扱いになりましたならば、農林中央金庫の少くとも常勤役員につきまして、ばらばらになつてお困りになるというようなことはないであろう。ぜひその慣行を持続していただきたい。特に政府の認可を受けなければならぬ組織におきましては、このことは絶対必要なことであろうと思います。もしそれ、これがくずれるようなことがございましたときには、これは民主化の不成功ということで、何か監督上の御処置をあるいは法令等によつてお考えいただくということが、そのときにこそ必要になるのでございます。ただいまの状態におきましてはそれをやつてみせるというふうに、少くとも所属団体の方が言つておられますので、われわれ現在の役員といたしまして、この御案を拝見いたしましてけつこうだということを申し上げられる、かように考えております次第でございます。 ただいま申し上げましたことは常勤役員の問題でございますが、そのほか非常勤の役員がおられます。これらの方々につきましては、これは定款上あるいは内規上定員をきめておるのでございますが、これはそれぞれ農業、林業、水産業の各団体の出資者の数その他を反映いたしまして、一定のパリテイーがきまつておるのでございます。これをばらばらに選挙することになりますと、運営上よりも、むしろそれらの方々のそれぞれの各団体の勢力と申しますか、御意向にも反する結果になるのでございます。選挙の選任の事前におきましては、農業、林業、水産業のそれぞれパリナイーを保つた選挙のできまするように、三団体の間において十分事前の御協議を願う。それぞれきまりました。パリテイーの定数の方々をそれぞれ御推挙いただきまして、そうしてそれぞれのグループにおいておきめになつた候補者は、互いに尊重し合うという慣行、これをぜひ打立てて参らなければ相ならぬかと存じております。このことにつきましても、過般参與、理事及び評議員の補充をいたしましたときに、一度実施いたしましたのでございます。いずれもさような方式でなければどうにもならぬということは、よく御承知の方々でございましたので、その通りに御実行になりまして、何ら支障なく運営して参りましたのでございます。私現在の責任者といたしまして、ただいまの改正法を御実施になりますならば、おそらく現在の所属員の方々は、ただいま予定しているようにお動きになるということを深く期待しておりまして、これは間違いなかろうと存じております。基本的に農林中央金庫の今日の組織は実態とよほど違つておりますので、ぜひ御改正いただきたいということを、現在の責任者としても念願いたしております次第でございます。それから第二に、農林中央金庫は農林水産業の行政と、きわめて密接なる関係を持つ金融を担当している機関である。その責任者は政府の任命でなければ、うまく行かぬじやないかというような意味におきましての御質疑でございます。御質問の中に、農林中央金庫は政府機関であるかのような御指摘もございましたが、しかしこれはむしろただいまでは政府機関ではない。出資の関係におきましてもまつたく純粋の民間機関でございまして、ただかつて半官半民機関でございましたときの弊害が、あるいは監督規程あるいは役員の任命規程等の弊害が残存しておりますために、さようにもおとれになるかとも思いますが、実質はこれは政府の出資が入りました半官半民の機関ではない。まつたく協同組合の出資によつてできております機関でございます。ところでこの機関に対しまして、政府の施策に即応いたしました各種の措置が負荷されておりますのでございます。その一つは、たとえば主要食糧の供出代金の政府資金をお支払いする事務のごときは、それでございます。またかつて預金部低利資金の御融通を担当いたしたととがございます。またかつて、復興金融金庫の資金をお引受けいたしまして、その融通を担当したことがございます。さらにこのたび農林漁業資金融通法の規定に基きまして、おそらくあの法律の成立の上は、厖大なる政府資金の受託者といたしまして、政府の貸付の御用を担当することになるだろうと存じますが、しかしこれはいずれも農林中央金庫だけがこれをお扱いするのではない。ほかの金融機関も、ただいま申し上げましたような事務は、いずれも政府から御委託を受けて扱つておるのであります。ただ農林中央金庫は、農林水産業において、先ほどの御質問にもございました通り、おそらく唯一の融資機関としての立場から、その程度がほかと比較のできないほど高いということであろうかと思います。しかしそれはどこまでも委託関係でありまして、農林中央金庫の本来の性格がこれによつてかわることはない、かように考えております。その御委託の趣旨をまつとうに扱つて参りますならば、政府の施策が妨げられるはずはないわけであります。これは金融機関といたしまして、もとより自主独立の機関でございます。しかし、さればと申しましても、農林中央金庫は営利機関ではございません。協同組合的組織の金融機関でございます。あえて営利を追求する必要がない。のみならず営利金融機関といえども、今日の社会におきまして、金融機関が国の施策に反するような、即応せざるような方向をいたずらに追うということは、普通の金融機関でもそれはよくないことだと確信いたしております。まして農林水産業については、ほとんど唯一であると言つてもいい融資機関が、わがままかつてな動きをするということは、これは容赦できない点でありますので、これは農林中央金庫が民主化されましても、本質的に御懸念のなかるべき点ではないか、かように存じます。ましてや先ほど申し上げましたように、理事長たるべき人、また常勤役員たるべき人の選任につきまして、政府の御認可がございます以上は、その点についてよもや不適当な人が選任されることはないだろうと存じます。 それからもう一つ、お話の中に政府の予算が成立しない前に、来年度予算が成立するからという意味をもつて、前もつて金融するということができなくなりはせぬかというお言葉でございましたが、これは現在でもさような措置はわれわれ軽々にいたしておりません。これは金融機関としてできる限界におきまして、われわれははつきりした安心を持つてやる限りにおいてできるのでありまして、決して現在さようなこともしておりませんし、さような無理は政府もおつしやつておりません。おそらく将来におきましても、私の方でできないことまで政府がなさろうとなさるために、現在のままがいいというお考えは、政府の方でもなかろうと考えておりまして、私はこの点についても特に御心配のことはないだろう、かように存じております。
○小山委員 非常な御丁寧なお答えで、よくわかつたのでありますが、ただ今の御所見を伺いましても、結局は理事長、それから理事長と一体となつておる常勤の理事、これと政府との関係がうまく行かなければならぬということが言外にうかがわれる。その場合にこの法律のままでかようなことがはたしてできるかどうか。この点に根本的な疑問を置いておるのでありますが、実際の現状としては、湯河理事長のもとにおられる人たちは、この問題については心配はないと考えておられるようでありますけれども、立法府としてはたしてそれでいいかどうか。たとえば選挙の規定とかいうものを、ただいま理事長が言われたような方向に持つて行くように、政府も安心し、また協同組合の方としても運営がうまく行くような、民主化に即した規定が法律のどこかに現われて来るのが望ましいのじやないかというのが、私の疑念の一つの重点なのであります。そうしてまたただいま理事長が言われたような、たとえば各種の団体が事前に理事長たるべき人を評議して、内々きめて、そうしてその理事長がきめたリストでもつて選挙をやつて行こうということになると、今度は法律にそれが明定してありませんと、これは民主化に反する非常に封建的なやり方であるという非難が、私は出て来はしないかと思う。意図せられておるところは、私が考えておるところとまずまず大差ないのでありますけれども、しかしそのようなことが法律の規定なくして、あるいは定款の規定なくして行われた場合には、今度は下部団体から、これは民主化とまつたく相反することである、そういうことは法律にも書いてないし、定款にも書いてない、こういうふうな異議なり反対が出た場合には、かりにそういう慣行なり制度なりが打立てられたとしても、それはくずれて来る心配がある。そこで何か明文でそれを書くことが必要なのではないだろうかというふうに考えるのでありますが、この点についての中金理事長の御所感はいかがでありますか。
○湯河説明員 ただいまの御懸念ごもつともでありますが、法律、定款にそれを表わしますことは、性格的にどうも矛盾があると思いますので、これはあくまで慣行ないしは内規によつてやる。事前にいろいろ御相談をするということは、決してそれを選挙に強制するのではないのでありまして、皆様方の御意向の統一をはかつておいて、そのおちついたところで実施するということになりますれば、あえてそういう方向に将来の理事長が無理をすることはないということにおいて、私は御了解いただけると思います。
○小山委員 湯河理事長の話を聞いておると、非常にうまく行きそうなのでありますが、問題は、私どもがこれを提案し、かつこれを審議しようとするときに、法律上何も書いてないのに、ただいまのような慣行が行われるかどうか。また行われないとすると、やはり農林中金というものの使命は、時の政府がいろいろ協力してもらわなければならない農林金融の唯一の機関であるのに、非常な支障が起つて来はしないだろうか。この点が私の非常に懸念しておる点でありますことは、何度も申し上げた通りでありますが、ここに法律上書いてある選挙して来た者を政府が認可するということは、私は実際問題としては認証であろうと思います。政府と何ら資本的な関係のない農林中金の総代が選挙して来た者を、政府が拒否することはあり得ないと思う。これはあり得るかもしれないけれども、非常に政府としては困難なことであろうと思います。その次に打つべき手を考えた上でなければなかなかできることじやない。そこで実際問題としては、これは認証ということになつて来はしないか。それが実際的に認証であるならば、事前にやはり政府が認可権を振りまわさないでも済むようなものが、前もつてできていなければならぬ。制度なり慣行なりができていなければならぬ。ところが慣行は、先ほど申しましたようなことから、いつでも下部団体から法律違反であるということで出て来ますので、これを何らか文書で出すくふうはないものだろうかということを考えておるのでありますが、これについては何か御名案はございませんでしようか。
○湯河説明員 それを表面に出しますことは、農林中央金庫の実体と著しく矛盾する結果が出ますので、あくまで内規ないしは申合も等、少くも公に表面に現われません形にした形式にすべきものと思うのであります。
○小山委員 農林省官房長に伺いますが、理事長たるべき者があらかじめ内定されて、その内定せられておる理事長候補なるものが常任理事の名簿をつくつて、それでもつて選挙に臨もうというようなことは、農林省としてはどういうふうに考えますか。
○塩見政府委員 先ほどから御質問のありました点を解決して行く上からは、非常に適当な方法だと考えております。
○小山委員 この問題につきましては、私も今までの大蔵省の銀行局長及び農林省の官房長、湯河理事長の答えられましたところを速記録で見まして、よく検討した上で自分の考えをきめたいと思います。 もう一つついでに伺つておきたいことは、私は農林中金の定款を知りませんが、非常勤理事というものは一体何人くらいなことに定款上なつておりますか。
○湯河説明員 正確に覚えておりませんが、大体十三人程度でございます。農業が七人、林業、水産業おのおの三人ずつ、大体そういうことであります。
○小山委員 この非常勤理事は、今度の法案によりますと、国会議員であつてもよいし県会議員であつてもよいことになつておりますが、これについて何か支障が起ることはございませんか。
○湯河説明員 ただいままで長い二十五年の間、国会議員あるいは地方議会議員の方がおられまして、中金としては別に障害を感じておりません。ただいまも地方議会議員の方、国会議員の方が参與、非常勤理事になつておられますが、まだ何ら故障もないので、非常勤理事の方までその点を制限することは、まだ時機でないと考えます。
○小山委員 政府の任命の間はよかつたでありましようが、民選の理事長が出て来た場合にも不安なしとお考えになりますか。
○湯河説明員 私は将来のことは今申し上げるのはどうかと思いますが、現状から見まして不安なかるべしと思つております。特に中央金庫の組織上は理事長が全責任を持つております。また理事長一人が代表権を持つておるのでございます。参與、理事の方こそ理事長の下においていろいろ補佐をしていただくという形になつております。これが選任につきましても、先ほど申し上げたように、認可というものは今小山委員の仰せの認証のような軽いものとは、農林中金の関係者は理解しておらないのでございます。大丈夫と思います。
○小山委員 認可は認証のように軽いというふうには理解されないということは、私も非常に満足であります。 そこでもう一ぺん農林省の塩見長官に最後に伺つておきますが、私が先ほど来心配しておる二点については、十分御承知でありましようから、これは繰返しませんが、それを湯河理事長は、この法律案が通つたあかつきにおいては、その心配がないように政府とも連絡がとれ、あるいは日本銀行とも連絡がとれるような人が選挙されるように、制度なりあるいは定款なり、選挙規程なりで持つて行く。これはそういうふうに言明されておりませんけれども、あるいは選挙規程あるいは定款ということでそのように持つて行きたい。その方法としては理事長たるべきものをまず内定し、そうしてその理事長が常任理事を内定して、それを根拠として選挙を行う、こういうような方法が望ましく、かつ支持されるのでありますか。その点を伺つておきたい。
○塩見政府委員 その通りであります。
○三宅(則)委員 ただいま議題となつておりまする農林中央金庫法の一部を改正する法律案につきましては、十分質疑も盡されたと思いますから、これについそ質疑を打切られんことを望みます。
○夏堀委員長 三宅君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○夏堀委員長 御異議なしと認めます。質疑を打切ることにいたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十三分散会