大蔵委員会 第8号
- 発言数
- 76 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1951/02/05
会議録
○夏堀委員長 これより会議を開きます。 厚生保險特別会計法の一部を改正する法律案、及びアルコール專売事業特別会計から一般会計への納付の特例に関する法律の一部を改正する法律案の二法律案を一括議題として、前会に引続き質疑を続行いたします。
○奧村委員 審議に先だちまして、西川政務次官が見えておられますから、お伺いいたしたいことがあります。本国会も審議が着々進んで参つております。なお選挙等の関係から実質審議は三月一ばいで大体終るものと考えます。予算も三月中ごろには通過する見込みで、衆議院としてはやつておるわけであります。ところがそれらに関連しての大蔵省関係の政府提出予定の法律案が、この委員会にまだあまり出ておりません。従いまして大蔵委員会としては、国会の中で最も多数の法律案の審議しなければならぬ立場でありまする以上、政府提出の議案の出がおそいので、審議の上から非常に困つておるわけであります。いつものように、会期が切迫してから固めて一度にお出しになるようなことをなさいましても、おそらく今度の大蔵委員会としては、そう政府の御都合ばかりは承つておれません。従いまして、政府提出の議案は緊急に出していただきいたと思うのでありますが、一体政府提出の議案をどういう予定でお出しになるか。われわれの今後の審議の都合上、政府の御予定の間違いのないところをひとつお尋ね申し上げます。
○西川政府委員 ただいまの奧村委員の御質問でございますが、確かに法案が遅れておりまして申訳ございません。いろいろ法案の構想並びに関係当局との交渉のためにたいへん遅れておりまするが、ただいまのところ、すでに提出いたしましたのは五件でありまして、このほかに近く税法関係八件その他四件、計十二件を提出いたしたいと思つております。その内容を簡單に申し上げますると、今週中二、三日のうちに提出いたしまするのは、開拓者資金融通特別会計における貸付金の財源に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案、これともう一つ、国民金融公庫法の一部を改正する法律案でありますが、これはもうすでに司令部のGSに提出しておりまするから、今明日中に向うから返答が参りまして、二、三日のうちに提出の予定でございます。なおそのほかに、ただいま一番この中で重要視されておりまする税の関係でございまするが、法案もすでに準備をいたしまして、全部できております。しかしながら、これをGSに提出いたしましたところ、地方税の一部を改正する法律案と一緒に、GSにおいて検討したいというような向うからの要望がありまして、その一部を改正する法律案とともに今週中に出しまして、来週にはこの委員会に提出ができることと存じております。なおそのほかに税法と同じようなかつこうにありますものは、公団の予算及び決算の暫定措置に関する法律の一部を改正する法律案、商品券取締法の一部を改正する法律案は、今週中にGSを通りまして、来週には提出をいたしたいと存じております。そのほかに、農林漁業資金融通特別会計法案、外国為替資金特別会計法案、緊要物資輸入基金特別会計法案、大蔵省資金運用部特別会計法案、農林漁業資金融通法案、資金運用部資金法案、証券取引法の一部を改正する法律案は、ただいま司令部との折衝が終りつつありまして、少くとも来週にはGSに提出いたしまして、来週の終りか、その次の週に出ると思います。その他の法律案につきましてもただいま検討中でありまするが、このうちで関税法の一部を改正する法律案、保税倉庫法の一部を改正する法律案、関税定率法の一部を改正する法律案、税関貨物取扱人法案は、すでに御存じの通りその税率につきましては結論を得ましたが、やはりただいま司令部と折衝中でございまして、二月の中旬にはこれも提出する見込みでございます。そのほかの法律案につきましても、でき得る限り進行いたしまして御期待に沿いたいと存じております。この先般お配りいたしておりまする六十九法案の中で、復興金融金庫法の一部を改正する法律案、銀行法案、銀行法施行法案、それから国税犯則取締法の一部を改正する法律案、物品税法の一部を改正する法律案、富裕税法の一部を改正する法律案は、諸種の事情によりまして、今議会には提出いたさないという予定でございます。
○奧村委員 司令部との折衝の関係で、法案提出が遅れるのはある程度やむを得ないと思うのでありますが、しかしこの国会におきましては、議員提出で法律案をつくろうというふうな計画も持つておりますので、それとにらみ合せて、なるべく早く法律案を審議したいと思うのであります。そこで希望を申し上げておくのでありますが、それは司令部とのあらましの折衝の済んだ法律案につきましては、正式の御提案でなくとも、要綱くらいはひとつこの委員会にお出し願いたい。そしてわれわれの審議の便宜をはかつていただきたい、こういうことを希望申し上げます。
○西川政府委員 御趣旨に沿うようにとりはからいたいと思います。
○奧村委員 それでは審議に入りまして、アルコール專売に関する法律案に関してお尋ねを申し上げたいと思います。今回提案の法律案審議に際しまして、われわれの承知いたしましたところによりますと、アルコールの專売事業は非常に複雑な関係になつておるように思われます。すなわちアルコール度数九十度以上のものは專売であり、それ以下のものは專売でない、こういうことになつております。しかしアルコールはすなわちすぐ酒精飲料になるのでありまして、つまりこれが誤つて酒の中へ混入されるということであれば、これは脱税、密造の最も簡易な手段に利用されることになるので、酒税関係を取締られる大蔵当局としては、現在のアルコールに関する行政の状態では、完全にこれを取締つて行くことができるかどうかということを、非常に不安に思うのであります。そこでこのアルコール專売法による、通産省の管轄しておるところのアルコール專売特別会計の事業の中のアルコール、これが酒類の飲料として横流れする心配がないかどうか。酒税取締りの関係の大蔵省の間税部長に、この点をひとつお尋ね申し上げます。
○原説明員 お答え申し上げます。ただいま奧村委員からお話がありましたように、アルコールにつきましては飲料用や工業用の場合においても、本質的には同じものでありまして、現在の取締りの便宜と申しますか、行政上の便宜から、九十度の度数をもつて、それ以上のものを專売アルコールの対象とする、こういうふうになつておるのでありまするが、もともと本質が同質でありますので、專売アルコールに水を入れますると飲料になるということは、御承知の通りであります。従つて酒税との関係におきまして、いわゆる脇税の防止ということが非常に重要な問題であるのでありますが、私たち取締りを現実にやつておりまして、その中からたとえば九十四度、つまり九十度以上のアルコールで密造しておつたもの、あるいは工業用のアルコールとして変性を施してあるもの、つまりメタノールとかベンゾールの変性を施してあるものであつて、従つて工業用と確かに思われるもの、そういうものを検挙した中から拾つてみましたが、二十五年の実績で十月ごろまでのものが一応まとまつております。それによりますと三十六件ございます。この内容を見ますと、そのうちの二十二件は石数がわかつておりますが、それが九十四度に換算しまして、大体百七石余りございます。そのほかにその三十六件の密造者がしようちゆうとか雑酒とかその他をつくつておりますが、そういうものは清酒にして三百四十七石余りに上つておるのであります。従つてそのほか取締りの直接対象にならなかつたものであつて、なお相当量のものが横流れしておるのじやなかろうかということが、一応推定がつくのであります。その工業用のアルコールがどこから出て参つたかというような点につきましては、なかなかつかみにくいのでありまして、本人の申立てによりますと、御承知のように酒精産業株式会社というのがございますが、そこから買つたというものもございますし、あるいは工業用のアルコールを使用する会社から出たと思われるものもあります。いろいろあります。そこは十分つかめないものがございます。だれだか知らぬけれども、通行人から買つたというふうなことで、ごまかしてしまうというようなこともございまして、十分つかみにくいのでございますけれども、アルコールの分析によりまして、大体これは專売アルコールというような推定のつくものが、今言つたような石数だけあるのであります。それで取締りの立場からしますと、通産省におきましても、取締りについては最近特に意を用いておるのでありますが、とりあえず国税庁の立場としましては、この工業用アルコールの取締りをさらに強化する意味におきまして、約千人の税務官吏を通産省と兼務の発令をいたしまして、これが通産省の取締りの人と一緒にあるいは單独に、これの取締りに当るということに目下なつております。それでその千人の人たちの仕事を通しまして、実情が相当明らかになることと思うのでありますが、現在の段階におきましては、非常に間接的な推定でもつて見ておるわけであります。人員の関係から見ますと、通産省の專売アルコールの取締りに当つておる方々は、現在約百六十人くらいと推定しておりますが、これではもちろんきわめて不十分でありまして、この兼務を発令されました千人の税務官吏が今後どのような成果を上げますか。これは今後の問題になつておりますが、私たちとしましては相当の期待をかけておる次第であります。
○奧村委員 ただいまの御答弁によりますと、通産省と大蔵省と兼務の取締り官吏を置かれるというお話でありますが、そういたしますと、責任の所在がどちらになるかという点について、非常に疑問が起ると思うのであります。これは佐藤法規課長にお尋ねしたいと思うのですが、專売アルコールが末端において横流しされる。たとえば工業用アルコールが横流しされて、それに水でもぶち割つて、そうしてそれが合成酒、酒などに混入されて、しかも脱税されるというふうなことが起るといたしますと——実は起つておることをずいぶんわれわれも耳に入れるのでありまして、そういう事例がたくさんありますと、これを監督して行く責任は一体大蔵省にあるのか。通産省にあるのか。大蔵省はこれは酒税の取締りの官庁であるのでありますが、しかし原料は通産省から出た。一体この責任の所在はどちらにあるのか。これがはつきりしないと、いろいろの万端のことがはつきりして来ないことになるのであります。その点はどうですか。
○佐藤(一)政府委員 奧村さん專門家が来ておりますからひとつ專門家から……。
○市川説明員 お答えいたします。專売アルコールは所定の工業用アルコールとして使用されるわけでありまして、そこから用途が変更されてはならないわけでございます。用途の変更されないように取締る段階までは、專売アルコール法関係で通産省の責任でございます。それが一たび変更された後におきまして酒税の捕脱という問題が起きます。これは国税庁として取締るべき責任を持つております。
○奧村委員 それでわかりましたが、そこで通産省としてはその用途の変更されないように監督する責任がある。それがためにはいわゆる変性の方法がある。ところがその変性の方法を十分に通産省がやつておるならば問題は起らぬ。ところが変性の方法が十分に行われておらぬから、いろいろな脱税に使われる、横流しされる、こういうことになるのであります。そこで酒税関係の取締り官庁の大蔵省としては、この工業用のアルコールの横流れしておるということについては、その原因は変性が十分に行われておらぬということ、そういうふうに突きとめられるのでありますが、その点酒税の取締りの立場から、この專売アルコールが変性が十分行われておらぬか、あるいはおるか。一昨日の答弁では通産省の側では変性は確実に行われております、こういう答弁であるが、しかし酒税の関係の取締りの立場から、その点をひとつお尋ねいたします。
○原説明員 お答え申し上げます。変性の方法につきましては御承知のようにたくさんございまして、四十六種類ございます。このうち実際どういうふうな変性が行われているかと申しますと、約九〇%が共通変性の方法をとつているのであります。共通変性の方法と言いますと、御承知のようにべンゾール変性とメタノールの変性がありまして、これは專売工場におきまして出荷する際に共通変性を行う。それから先は、大体もうそれで十分であろうということで、業者の自者に期待すると申しますか、業者を一応信用するというような態勢にあります。あと一〇%か一五%くらいのものが個別的な変性になりまして、これはアルコールを使う工場に通産省の官吏の方が行きまして、個別的な変性を行うというふうになつておるのであります。概括的に申しまして、この個別的な変性の場合には、比較的それぞれの用途に応じて変性を行つておりまするので、脱税の問題は少かろうかと思います。数量的にもそう大きなものではないのでございますが、大部分の変性になるところの、共通変性の方法によるものについては問題があるのであります。これは変性直し——元にもどすというか、ベンゾールとかメタノールを拔くことは、あるいは現在の科学技術で行きますと一〇〇%拔くことは不可能にしても、飲料に供する程度に拔くことは比較的簡單だと考える。従いましてこの点からしますると、現在の変性の仕組みについては、国税庁の立場からいたしますと、十分であるということは言えないと思うのであります。
○奧村委員 われわれ大蔵委員会が、昨年の夏国政調査に全国各地をまわつて歩いた。たとえば静岡県方面のごときは、非常にこの工業用アルコールが横流れしているということで、業者からも非常な陳情を受けているのであります。そこでただいまの御説明によりますと、確かにそういう横流れの事実はお役所の方も認めておられる。しかしその横流れした工業用アルコールが、一体根本はどこから出たかというところまで行くと、突きとめておられぬ。そういうお話でありますが、それでは二十何件ですか、その違反の件数のうち、原料アルコールと申しますか、工業用アルコールのつまり出荷元を突きとめた事例は、全然一つもないわけなのでありますか。
○原説明員 国税庁の段階におきましては一応各局でもつて検挙もしまして、それについて調査し、告発すべきものは告発するというものの内容については、報告を受けておる程度でございますので、その具体的の内容の確認までは実は行つておらないのでありますが、本人のと申しますか、反則者の申出によつて、出所というものはある程度は調書に載つているのであります。それが大部分は裁判によつて確定するものと思つておりますが、最終的に確定しておらぬので、ただいま大分遠慮したような御説明を申し上げたのでありますが、酒精産業株式会社とか、あるいは住所不定の朝鮮人とか、全然不詳となつているのとか、たとえば場合によりましては、何とか工業株式会社の何のたれそれから買つたものだとか、いろいろございます。さらにこれが具体的な証拠によつて局がどの程度に把握しておつて、この項目ができているかどうか。その点については現在まだ国税庁としてはつきりしておりませんので、そういう段階におきましては、この点を確実にこうだと申し上げることはいかがかと思いますので、今のような説明を申し上げた次第であります。
○奧村委員 どうもはなはだなまぬるいお話のように承ります。今のお話でアルコールのかりに反則のあがつたもので、アルコール百石としても、脱税額から行きますれば清酒に換算するとおそらく五、六千万円以上の脱税になろうと思うのであります。そこで現に通産省の管理しておるところの專売アルコールが脱税に流れておるということであれば、これは通産省の責任を問わなければならぬ。ところが官庁同士責任を問い合うということでは困るというので、通産省に遠慮しておるというふうなことになるのでありますが、そういう点はもつとしつかりやつていただきたいと思うのであります。 それでは少し方面をかえてお尋ねいたしますが、医薬用のアルコールは、アルコール專売の方から販売する価格は特別価格よりも非常に高い。酒税の分を見越して価格をきめてあるというふうなことになつておるのでありますが、医薬用のアルコールは横流れして酒になるという心配はないかどうか。それから少くとも医薬用のアルコールなどは、これが真に医薬用に使われるとするならば、もつと安く売るべきものではないか。酒税に似たような価格をきめておるということについて、やはり大蔵省の関係があると思うので、その点をお伺いします。
○原説明員 調書を見て参りますと、医薬用であるべきはずのもの、つまりたとえば日本薬品株式会社——名前を申し上げましてもあるいは何か知りませんが、そういうところから買つたもので酒をつくつておつた、それで犯則の対象になつたというものが、他の薬局にもございますが、そういうものがぽつぽつ散見しておるのであります。従いまして医薬用となつたものが酒税の告発の対象になつておるということも、十分想像するにかたくない。 次に第二の問題でございますが、純粹に医薬用ということでありましても、今申し上げたように、実際末端におきまして酒類としての用途を持つておりまする関係上、観念的には医薬用については、税は特別のものを考えるのがほんとうかと思いますけれども、どうも現在の段階においては、そこまで割切つてはたしてよいかどうかなお疑問があると思いまして、これは前から懸案になつておりますけれども、一応それを特別の扱いをするということについては、まだ結論が出ておらぬ次第であります。
○内藤(友)委員 ちよつと奧村君のお尋ねになつておることに関連しまして、政務次官がお出ましですからちよつとお尋ねしたいのですが、先ほど奧村君から話がありましたように、アルコールがずいぶん横流れしておることは事実でありまして、昨年も私どもが地方に出ましたときに聞かされたのであります。これは一つはアルコールに対する行政が悪いのであります。つまり今奧村さんから話がありましたように、通産省と大蔵省と両方でやつておられるのだから、お互い遠慮がちで、そのすきをねらつてぐんぐん流れて行く、こういうことではないかと思うのであります。従つて通産省でやつておられるアルコール行政を大蔵省が全部取上げられて、大蔵省がこれをしつかりおやりになるというわけに参りませんか。まさか酒全部を通産省に持つて行くわけには参らないのでありますから、これはひとつ政府として何かお考えにならなければならないと思います。今のままで行きますと、これはいつまでたつてもお互い妙な、何といいますか、これは日本の行政の一番惡いところでありますが、そういうようなことで横流が出て来るのではないか。アルコール行政についてひとつ專売公社が全部引受けておやりなさるということに行かないものか。これはもちろん政務次官に御即答願いたいとは申しません。何かそういうことにひとつ御研究をお進め願つたらと思うのでありますが、御所見があつたら承つておきたいと思います。
○西川政府委員 先ほど奧村委員並びにただいま同じような御意見でありますが、やはりこの監督が二つの道からやられているということは、そこに欠陷があると認めねばならないと思います。しかしながら普通の清酒においても、今日までやはり脱税酒が相当氾濫しておりました関係上、この二箇所で監督しているからという意味ばかりでないと思いますから、この機構を改革いたします以前に、一層の監督を大蔵省、通産者が連繋をとりまして十分やりたい。しかしながら機構の改革の問題もありますし、そのときにはやはり今奧村委員並びに今おつしやいました通りに、この方向に持つて行つたらいいのじやないかと私は思います。せいぜい研究いたしまして、脱税のないようにいたしたいと考えます。
○大上委員 ちよつとお尋ねいたしますが、大体本法律案を見てみますと、主体はいわゆる「アルコール專売事業特別会計において、昭和二十五年度末」を「毎会計年度末」に、「昭和二十四年度末」を「当該年度の前年度末」に、結局は結論的に見ますと、事業会計年度を一定の標準にしている。しかも本法律は昭和二十五年法律第三十号によつて制定されている。現在は同一事業年度でありますけれども、なぜこれを改正して行かなければならないかという点をお尋ねいたしたい。いわゆる変更があまり早過ぎるのじやないか。大体こういうような問題はわかりそうなものだ。なぜならば、ただいま資料を頂戴いたしております昭和二十六年度アルコール需給計画、これは予算でもつて、しかも備考書きで、二十五年の七月に作成したのだ。このように資料においても昭和二十五年七月にしている同一事業年度の進行中において、さらにこれを改正せねばならぬという理由はどこにありますか。特に提案理由といたしましては、「アルコール專売事業特別会計から一般会計の歳入への納付について、なお当分の間、特例を設ける必要がある。」とある。これは特に佐藤さんにお尋ねしたいのですが、いわゆる法制上のテクニツクから来たものか、さもなくば私が不勉強なのかもしれませんが、特に特例を設ける必要があるというのはどういう理由であるか、お聞きしたいと思います。
○佐藤(一)政府委員 実は前回に奧村さんにもちよつと御説明したのですが、本法案の提出の理由は、提案理由にございますように、作業資産あるいは固定資産が減少をいたします場合に、結局それだけ現金の余裕がその会計にできるわけでございます。その余裕の生じた現金を一般会計に納付せよ、こういうことになるのでありますが、これと逆に固定資産等がふえました場合には、従来一般会計から、その都度資金を繰入れておつたわけでございます。そこで昭和二十五年度から、逆に従来とかわつて参りまして、資産が減少して参つた。従来増加している場合には、一般会計から資金のめんどうをみておつたのだから、資産減少の結果資金に余裕を生じたならば、一般会計に返してもらう。こういう趣旨で二十五年度の見込みが立ちましたので、前回こういう法律をつくりまして、御審議願つたわけでありますが、昭和二十六年度におきましても、引続きまして、現在のところの見込みといたしましては、資産の減少を生ずるというような見込みが立ちましたので、この法律の施行を延期しようという趣旨から、今回の改正案を提案したわけであります。これにつきましては、実は奧村さんからもお話がございましたが、資金繰りその他の見地からするならば、必ずしも——つまりアルコール特別会計の資金繰りということだけを考えてみますと、余裕を生じましたものはアルコール特別会計に持たせておけばいいじやないか、何も一般会計に取上げる必要はないじやないか、こういう意見も十分立ち得ることと思います。まあ考え方なんですが、足りないときに資金のめんどうを見ておるのだから、余裕が出たらば返してもらいたい、こういう考え方から出ておるわけであります。
○大上委員 大体この法案の提案理由はよくわかりましたが、さすれば同一の観念からいたしまして、アルコール專売事業経営についての今後の方針、これは政府から出た資料ですね。
○西川政府委員 そうです。
○大上委員 ではお尋ねいたしますが、この今後の方針の中に、「わが国化学工業の基礎素材として、重要な意義を有するに至つた」、これは従前から重要であろうと思いますが、特に今後の方針として重要な意義を有するに至つたという字句が入つております。これは何ゆえにこれから先この法律案と結びつけて必要であるのか。その意味を聞きたい。 その次は同じこの資料におきまして、コストの低下をはかるということが最後に書いてありますが、いかにしてはかられるのか、ただおざなりな文句においてコストの低下をはかるということは、われわれ大体概念的に了解できますが、はたしてこの法律案と結びついて、さいぜん佐藤法規課長からお話があつたような、いわゆる資産の減少見込みから見て、どういうふうにコストを下げて行くのか。これを提案者に説明願います。
○井上説明員 御説明申し上げます。初めの重要になるに至つた理由でございますが、これは御承知のように、戰時中は主として燃料用に大部分向けられておつたわけでございます。従いまして終戰と同時に、いわゆる軍需あるいは燃料用の需要が非常に減りまして、そういう関係で化学工業においてアルコールの使われる率というものが、非常な大きなウエートを持つて来ております。そういう意味におきまして、終戰後要するに軍需あるいは燃料用が減つたという関係で、化学工業に占められる率、こういつたものが非常に大きくなるに至つたという意味でございます。化学工業に占められる率は、終戰後——この間も中村政府委員から御説明があつたのでありますが、大体五〇%内外というものが、現在工業用アルコールとして化学工業に使われる率でございます。大半というものがとにかく化学工業に使われておる率でございます。 それから合理化の方法でございますが、これは通産省といたしましても、全面的にドツジ・ラインの要請に従いまして、合理化の方をやつておるわけであります。アルコール專売事業といたしましても、要するに化学工業の原料として使われる原料を安くしなければ、全体の関連産業の合理化というようなものはなかなか進まない、こういう観点に立ちまして、アルコール事業の合理化の問題を研究して参つたのであります。一例を申し上げますと、たとえば石炭の送炭装置、これは現在人間の手でやつておつたわけでございますが、これをコンベア式の送炭装置をつくる。現に千葉の工場はすでにこれをやつております。それから各工場におきます作業員の点でございますが、これはどうしても今のところ民間に比べてロスが非常に多いという点がございますので、いろいろな理由で工場の作業員がやめられても、これを適正な工場の技術員の数まで補充しない、こういう意味で現在自然減による人間の補充は、ある程度合理化の線に沿うようになるまで補充しない、こういう方法で一応人件費の節約に努めております。それから最も大きいのは原料の購買でございますが、ちようど本年度から統制もはずれましたし、原料費がアルコールの生産費に占める率というのは、大体七〇%見当にあるのでございまして、原料をいかに安く買うかということが、合理化の点から見て非常に大きな意義を有するわけであります。従いまして、統制のはずれました関係もありまして、できるだけ各工場に、その所在地の安い原料を一応手に入れるような方法を講じたらどうかということでございます。今度の場合には、各工場で安い原料が見つかつた場合にはできるだけ直買する、こういうような方向でできるだけ原料費の節減に努めております。なお原單位の引下げ——これは石炭の使用率あるいは各原料の原單位を引下げる、こういう方面につきましても、それぞれ各工場においてそういう合理化の委員会をつくつておる工場もございますし、その委員会によつていかにして原單位を切下げるか、こういう方面にもつぱら努力しております。なお各工場の成績につきましては、各年度それぞれ比較をいたしまして、特に優秀な工場に対しては報奬金、こういつたものをわずかでございますが一応出しまして、とにかく各工場の能率向上、こういつた方面に力を注ぐように仕向けております。大体合理化の点につきまして、今までわれわれがとつて来ている方策は、大体そういうようなものでございます。なおこまかい点につきましてはいろいろございますが、大きなところは大体そういう状況でございます。
○小山委員 ちようど国税庁と通産省が見えておりますので、かねがねしろうとなりに疑問に思つている点を伺つてみたいのでありますが、アルコールの專売価格というものはどうやつてきめるのかということであります。この間からいろいろ聞いておりますと、アルコールは安ければ非常に需要が多いんだ、こういうことであります。安ければ代用燃料にもなるし、いろいろな面に非常に用途が多いのである。にもかかわらず、これをなぜ現在のような專売価格にしておかなければならぬのか。この間の説明によると、現在の專売価格は酒税との関連においてできているのである、こういう説明でありますが、そうすると、結局さつき奧村委員が説明されたように、專売アルコールが飲料に横流れする。この一点にこの專売価格のきめ方は関連して来るのか。この点を一つ聞いてみたいのであります。おわかりにならぬかしれませんが、要するに脱税が取締まられるならば、この專売アルコールが飲料とならないという確信が持てるのならば、何も酒税相当額の專売価格をきめる必要はないはずである。この点を一つ両当局から伺つてみたいのであります。
○井上説明員 私の方からまず御説明申し上げます。現在專売のアルコールの価格は、一応二本建になつていることは御承知だと思いますが、一般価格、すなわち税相当額が含まれている価格と、それから税相当額を引いた価格で売つている特別価格のものと、二つにわかれているわけであります。一般価格で売る部類は、要するに横流れをするおそれの非常に多いものにつきまして、大体税相当額を含めた価格で売つているわけでありまして、これは当然変性の問題に関連する問題でございます。たとえば先ほどから御質問がありましたように、医薬品の方に向けられるもの、たとえば局方アルコール、こういつたものにつきましては、使用の性質からいいまして、メタノール変性とかその他の変性はできかねるものでございます。しかもこれが小口で需要されることが非常に一般的に多いわけでありまして、そういつた方面から行きますと、取締りの面がまず非常にむずかしいし、変性もできなければ、しかも使用者が一般大衆になる場合もある、こういつたものにつきましては、これを税相当額を含まれない価格で売る場合には、相当酒にまわるおそれも多いわけでありまして、こういうものにつきましては、税相当額を見込んだ価格で売つております。従つて酒の税金が高ければそういうアルコールの価格は高くなる、こういうふうな関係でございます。それから特別価格の方につきましては、一応われわれの方は特別会計をやつておるわけでありまして、結局收支を合せて行くというような関係がございます。原料、生産の関係の費用が少く済めば、この特別価格の問題はその都度引下げて行つてもようございます。それができかねる場合には、結局また高くなるということにも考えられますが、これは結局幾らでアルコールができるか、こういつた問題に特別価格の問題は関連しておりますので、極力そういつた合理化をやるなり、コストを引下げることによりまして、特別価格の工業用のアルコールにつきましては、値段を下げる可能性が多い、こういつたことになつております。
○小山委員 そういたしますと特別会計の組み方でありますが、黒字が出ておるのはいかにもおかしい、今聞いてみると酒税相当額が大体黒字になつておるというようなお話でありますが、これは酒税として最初からとるわけにはいかぬのですか。その点はひとつ国税庁からお聞きしたいと思います。
○原説明員 非常におもしろい着想だと思うのでありますが、一般の企業の場合にはそういう趣旨は十分実行可能であり、また実行をおそらくしておつたのではなかろうかと考えられるのでありますが、たまたま政府專売になつておりまして、同じ官庁でやることであるから、税の形でとるかどうかという問題もありますけれども、しいてその必要もなかろう。大体同じ程度のものを特別会計において価格の方に織り込んでやるということによつて、事実上大体目的を達し得るという段階にあるわけでありますので、まだ私たちとしましても、そこまで問題を持つて行つて研究は実はしておらないわけでありまして、今後それがどういうふうになりますか、先のことでありますけれども、今の段階におきましては政府專売という形におきまして、その必要は大体なくはなかろうか、こういうふうに考えております。
○小山委員 政府間に税をとるというのはいかにもおかしいのでありますが、企業会計の立場から言うと、これはわれわれが会計の予算を見ます場合に非常にわかりにくいというのはわれわれは現場なりそれから生産過程を見ておるわけではありませんから、一体どのものが工業用の、つまり特別価格のやつに売られるのか、どのものが一般価格に売られるのかさつぱりわからない。そこで最初からこれは酒税なら酒税としてとるものならば、そうすると專売会計は自分の企業合理化がどうやつてできたか、そうして企業合理化の度合いに従つて專売価格は下つて行くわけでありますが、片一方において酒税相当額をとつておるものだから、そこに利益みたいなものが出て来て、安心感は與えるか與えないかわかりませんが、外から見ると一応安心感が出て来そうな気がする。そこで今のようなことを言つておるのでありますが、專売価格をきめるときにこういうような会計の組み方をしない方が、合理化には役立つのではないだろうか。こういう疑問を起したわけなのであります。その点につきましては通産省はどういうお考えになりますか。
○佐藤(一)政府委員 小山さんの今のお話ですが、結論はなぜアルコールについて、特別会計で国営でやつておるかということにおちつくのだと思うのであります。今は政府自体が特別会計で直接事業をやつております以上は、ちようどタバコの場合と同じように、タバコ益金でもつてとるか、あるいは間接税でとるかということは、一つの技術的な問題になると思うのです。直接に政府が売つておるのですから、価格に税を込める方が技術的に簡單であり、便利であるという点もあるわけです。相当の徴税官吏をそのために置くという手数も一面に省けるわけです。ですからそれを押し詰めて参りますと、どうしてアルコールについて民営の形態をとらないで、官営の形態をとつておるかという問題じやないでしようか。その点につきましては、私から申し上げるより、むしろアルコール課長から御説明した方がいいと思いますが、結論はそうなると思うのです。ですから予算の編成の技術と言いますか、そういう点からこの制度はやむを得ない、こう考えております。
○井上説明員 なぜ民営にしなければならないか、あるいは專売制度を続けるかという問題は、相当政治的の問題とからみ合いがあります。一応私見でけつこうでありましたら御説明申し上げます。これはまだ私の私見でございますが、一応專売制度の意義というものは、できたときの目的は、要するに燃料用アルコールを確保する。これが大きな目的でできたと思います。従いまして、終戰後事実上燃料用アルコールを確保するという目的がなければ、專売制度はやめたらどうだというような御議論も出ると思いますが、そういう点から考えますと、まさに專売制度はもはや存在の意義がない、かように言えるわけでございます。しかしながら一方われわれが考えなければならない問題は、專売制度をやめまして、現在やめると仮定いたしますと、どうしても税の相当額というのが非常に大きな額でございます。つまり工業用のアルコールが、政府売渡しが九万五百四十円、一般で売りますと税相当額の四十二、三万円の額が加算されまして、五十二万九千何がしという価格になるわけでございます。そういうように、一キロリツトル当りの税相当額が非常に大きい、こういうことになつておる関係上、かりに專売制度をはずすということになりますと、どうしても民間業者にやらさなければならない。民間業者にこれをやらすということになりますと、どうしてもどこの工場でアルコールをつくらすか、つくつておる工場を一々われわれとして脱税の観点から見まして登録しなければならぬ。一つの工場で一般価格で売るアルコールも、工業用のアルコールも両方つくらなければいけないから、まずやらす工場を嚴格に登録して、生産は一体どのくらいやるのか。販売の面につきましては、税相当額を含んだアルコールというものをどのくらい売つたか、あるいは税相当額を引いた安い工業用のアルコールをどのくらい売つたか、こういうような監視をいたすのでありまして、そこに横流れという問題が当然起つて来ると思います。また販売の系統におきましても、当然そういつた監視を続けるような機構でやつて行かなくては、安いアルーコルが酒の方にまわるという可能性が非常に出て来るわけであります。従いまして專売制度をはずしましても、そういつた生産流通の規則というものを嚴格にやる必要が出て来るのじやないか。結局專売制度をやつておるような嚴重な統制みたいなかつこうになるのじやないか。そうすれば現在のようにかりに税相当額が非常な莫大な額になつておる現情におきましては、專売制度を続けて行つて、そういうふうな横流れをある程度防止するかつこうを続けて行つてもさしつかえないじやないか、かように現在のところ考えておるわけです。従つてかりに酒の税金が低くなつて来れば、專売制度をやめてもそういう弊害は起らないのじやないか、かように私は考えております。
○小山委員 私が申し上げておるのは、專売価格が安ければ需要が非常に多くなるというところの過日来の御説明です。そうすると今の状態で行きますと、專売価格というものは、政府の工場の原価計算が下らぬ限り下げられないじやないか。そうすると、そういうような状態にあるときに、專売価格を下げる方法としては、今までずつと聞いて来た説明の結論から言えば、政府のこの專売工場の能率がよくならぬ限りは、アルコールの專売価格は下らない、こういう結論になりそうなんです。そこで先ほどのよううな質問をしたわけなんですが、これについてはどういうふうにお考えになりますか。
○井上説明員 さつきおつしやる通りでございまして、結局は政府の各工場のコストを下げなければ、專売アルコールの価格を下げるということはできかねると思います。
○小山委員 それで專売価格を下げるについての一応の目標は、今年度はたとえば五%下げる、来年度は一〇%下げる、再来年度はさらに二〇%下げるという計画は立つているのですか。
○井上説明員 実はそういう目的で、昨年いろいろ研究してみたわけでございますが、御承知のように統制がはずれまして、いもの価格が非常に高くなつたわけでございます。これはわれわれ初め——この予算の資料にも出ておると思いますが、大体生いもにつきましては十貫当り二百三十円見当だと見込んでおつたわけでございますが、実際上は最近の例によりますと、三百円から三百五十円しておる、こういうふうなかつこうになつております。しかもその原料費というのが、とにかくアルコールの価格の七〇%ばかりを占めるわけでございます。それから糖密の関係を申し上げますと、糖密も昨年非常に安いときには、トン当り大体十八ドル見当で手に入つたわけでございますが、最近の状況では、少くとも三十ドル以上でなければ買えない。近ごろのフイリピンの方のいろいろな情報を聞きますと、トン当りもう五十ドルというような話も聞いております。従いまして、アルコールのコストの中で大部分を占める原料費というものがこういう状況でありますと、ほかの方でいろいろコストの切下げをやりましても、そう大して響いて来ない。従つて現在のところ、当初われわれが見込んでおつた販売価格の切下げといつたことは、今のような状況では、情勢がかわらぬ以上ちよつとできかねる、こういうような情勢になつておるわけでございます。従いまして、その原料の見通しがどういうふうになるかということが、アルコールの価格に大きく響いて来るわけでございますが、そうかと言つて原料費だけにたよつておるわけではなくて、むしろ人件費の切下げとか、こういう方面にもわれわれはもちろん努力したおります。
○小山委員 原料費が七〇%ばかりを占めておるということは、われわれも承知しておりますが、その原料というものは値段が動いております。動いておるものをいかに安く買いつけ、あるいはいかにこれを能率的にこなすかということが、企業会計としては一番大事なことであろうと思う。そこでそういうような面がうまく行つておるのかどうか。それから同じような工場で、たとえば高鍋とか小林とかいろいろありますが、そういう立地條件の同じ所の他の民間工場と官営工場との原価計算の比較をされたことがあるかどうか。そういうような原価計算とか、あるいは民間工場ならばこのくらいで来ておる、官営の工場はこれで来ておる、その欠陷はどこにあるかというような比較研究をされて行かない限り、專売価格は下らぬ。そういうような研究をされ、そういうような方向への努力をされているかどうかということを、最後に伺つておきます。
○井上説明員 原料の購買状況につきましては、先ほど申し上げましたように、要するに今年度統制がはずれましたので、各工場においてそれぞれ安く買えるものについては工場直買をやる。従つて、たとえば九州のある工場で、現地において非常に安く買える見込みのあるいもがあれば、その工場はそれだけの手配をする。従いまして今度の生いもの生産計画は、大体原料の手配を安くした工場の方がよけい動く、こういうかつこうに相なつております。 それから民間工場との比較でございまするが、これは一応原価計算はやつております。やつておりますが、ただ技術上、固定費をどれくらい見るかというようないろいろな問題もございますので、正確な比較はちよつとできかねると思います。ただ民間工場と違いますのは、要するに民間工場は一応酒と両方やつている、こういう工場も多うございまして、そういう点から言つて操業率が違つて来る。人間の節約の問題も違つて参ります。しかしながら給與ベースから行きますと、官営工場の方が低い、こういう点がございまして、民間工場と官営工場とのコストの点の開きは、そうないという状況になつております。
○小山委員 この專売価格というものは非常に気にかかるのです。あなたは前に、安ければ需要は多いんだと言つておられる。安ければ需要が多いということは、われわれの関係から言うと、農民の生産するいもが、それだけ固定した需要がある、こういうことなんです。だから官営であろうと民営であろうと私は問いませんが、農民の立場から言つて、固定した需要があるように、あなた方の方はよほど考えてもらわなければならぬと同時に、それは結局專売価格を安くすることである。この一点に思いをいたして来られないと、專売制度なんというものはやめてしまえという議論が必ず起る。その点を最後の希望として申し上げて、私の質問を打切ります。
○奧村委員 小山委員から專売価格についていろいろ御質問がありました。そこで戰時中アルコールをガソリンに代用しておりましたが、もし今後日本がアルコールをガソリンの代用に使うというふうなことが考えられる場合、これは大ざつぱな話でありますが、どのくらいの価格になつたらガソリンの代用になるか。そのお見込みをひとつ御説明願います。
○井上説明員 これは絶対的な数字で申し上げるのは、ちよつとおかしいと思うのですが、結局アルコールを使う場合にはガソリンがないということを一応考えますれば、ガソリンを除きますと、要するにメタノールとアルコールとの価格の比較の問題になると思います。現在のところすでにそういう状況でありまして、メタノールも動くわけであります。アルコール・オンリーも動く。従つてこれを伸ばすためには、どうしてもメタノールとの競争になつて、メタノールより安くしなければならぬ。現在のところメタノールの価格はある程度上つておりまして、最近ではおそらくキロリツター当り七万円前後だと思います。あるいはそれより上つておるかと思いますが、大体七万円見当かと思います。アルコールは御承知のように現在のところ九万円で、そこに差があるわけであります。従つてメタノールの方はアルコールよりも効率は惡いのでございますけれども、結局キロリツター当りそれくらいの差がありますと、まだアルコールの方に手を出しかねる。こういうような状況で、メタノールより安ければ、メタノールを駆逐してアルコールが出る。こういう関係になると思います。
○奧村委員 先ほど小山委員に対する御答弁で、アルコール課長は、專売をはずすわけには行かぬ。そのおもな一つの理由として、アルコールが酒精飲料として横流しされる、つまり脱税される憂いがあるから、こういうお言葉でありました。そのことはむしろ大蔵省の管轄でありますが、現在は九十度以下のアルコールは大蔵省が管轄しており、九十度以上を通産省のあなたの方で管轄しておるわけですけれども、そういう理由なら、いつそこれは大蔵省に全部まかしたらどうか、そういうことが成り立つ。その点どうです。
○井上説明員 機構改革の問題につきましては、私の方もまだはつきりした態度をきめておらないわけでございます。従つてこれも私見になると思いますけれども、結局この所管の問題を考えます場合に、考えに置かなければならないのは、一つは要するに取締りの問題でございます。それからもう一つは、現在アルコールがどういうふうな方面に向けられておるか。結局先ほど申し上げましたように、化学工業に大きな部分を占めておるならば、この際日本産業全体といたしまして合理化をやつて行かなければならぬ。その合理化も、一つの産業だけの合理化を考えないで、むしろそれに関連した産業との関係において考えなければいかぬ。たとえば化学工業の塗料工業を合理化するにしても、その塗料工業だけの合理化をやるのではなくして、むしろ塗料に使うアルコールの工業の合理化をやらなければならぬ。かような関連において合理化を進めて行かなければならぬという観点から行きますと、現在アルコールが使われておる率は化学工業に大部分を占めておるこういう点から考えまして、これは通産省の方でやつた方がいいのではないか。この二点のどつちを重くとるか。取締りの面を重くとるか、あるいは産業の指導の方面を重くとるか、こういう方面で問題は決するのではないか。それをどういうふうにとるかは、結局私の方ではきめられないので、むしろ考え方としては、そういう点をお考えになつて、いろいろ今後の処置を考えて行く必要があるのではないか、かように考えます。
○奧村委員 取締りの面と、それから化学工業の原料の合理化の面と、こういうことであるようでありますが、しかし化学工業でアルコールを原料にするというのは、全体のアルコールの半分以上、こういうことを言われるが、それは九十度以上のものに対してはそうなるかもしれない。しかしその中でも、相当酒精用に使うておる。それから九十度までのアルコール、これはほとんど酒精に使われる。全体のアルコールから行けば、むしろこれは大蔵省に旗が上るということになると思うのですが、これは議論になりますので、答弁は要しません。 しかし、もう一つお尋ねいたしたいのは、医薬用その他の一般価格で、つまり税を込めた価格で販売せられるが、あとから賠償と申しますか、用途の先によつては佛いもどしをしておられる。この拂いもどしをしておられる部分はどういう方面であるか、その点をお尋ねします。
○井上説明員 一番大きいのは食酢の関係であります。現在やつておるのは食酢だけだと思いますが、これは変性するわけに参りません。お酒と同様でございます。飲料に向けられますので、メタノール変性はできません。従いまして、一応一般価格で食酢の業者に売りまして、そして業者がこれを仕込んで、確実に食酢に使われたということをわれわれの方で確認するわけでございます。確認したときに、その差額を一応返すというかつこうになつております。
○奧村委員 つまり税相当額を含んだ一般価格で売つたものを、また用途によつてその税相当額は拂いもどしをする。こういう酒税に関する行政は、大蔵省でなさるのがほんとうじやないかと思う。この点私はかなり疑問があると思います。しかしこれも議論になりますからやめておきます。 そこで最後に酒税の方で、大蔵省の間税部長の御答弁によりますと、かなり工業のアルコールが横流れをしておる。末端においては違反者があがつておる。ところがなかなか工業用アルコールの出荷元までは、わかつておらないということが明らかになつておりますが、あなたの方では工業用アルコールが横流れをしておる事実については、どういう取締りをしておられるか。どういう事犯があがつておるか。その点をお聞きしたい。
○井上説明員 具体的な事例が私の方にはあまり来ておりませんが、二、三あります。結局は工場から直接流れるという事例はないと思います。ただ需要者の方から要するに流れる。一般工業用アルコールを売り渡した、その需要先がこれを横流しをするというような事例は二、三聞いております。従いまして今まで取締りの不備の点も実はございまして、そういう関係で今度大蔵省の方の御後援を願いまして、一千名ばかり收税官吏が発令になりました。それによつてそれぞれ需要者の方の取締りを嚴重にやろう、こういうかつこうで行つております。今後はこの取締りが強化されれば、そういう事例がぐつと減ると、かように考えております。
○奧村委員 どうも先ほどの間税部長の御答弁によりますと、いよいよ工業用アルコールの横流れをほじくつて行くと責任は通産省にある。同じ官庁仲間であるから、通産省では遠慮しておる気分が確かにあるので、その点は十分御注意願いたいと思います。 最後に一つ、幸い間税部長が見えておられますからお尋ねいたしますが、十二月一日からの酒税引下げによつて、一般清酒の売上げが非常に増加しておる。従つて全国的に清酒の手持ちが拂底いたしまして、二月中には全国的に清酒はなくなるというふうに承知しておるのであります。そこで一刻も早く新酒を出荷しなければならぬはずだと思うのでありますが、それに対しては新たな原料によつて醸造されるのでありますから、マル公をきめなければならぬと思うのでありますが、なるべく早く新酒を出すような手配をしなければならぬ。それで新価格決定についてどういうお手配になつておるか、政府の御意向をお尋ねいたします。
○原説明員 先般の酒税引下げによつて、予想以上と申しますか、非常に売れ行きが増加しておりまして、この点まことに御同慶にたえないのであります。それで今奧村委員からお話があつたように、酒が不足して参つておる。これは確かに実情であります。それでこの問題に関連しまして、現在国税庁としてとつておる方策としましては、酒が市中にないというような状態では、一般消費者にたいへん御迷惑をかけることになり、また酒税引下げによつて相当密造酒が減つておるこのいい傾向を、また逆もどりさせるという二つの意味においても問題があると思います。また全国の酒屋さんにも非常に御迷惑をかけるということも考えまして、現在とりあえずやつておるものは、全国の局を動員しまして、原価計算の実態調査にすでに着手しております。これが今月の十日ごろに完了する予定になつております。それに今後の新しい、変更要素を加えて修正したもので、物価庁と相談してきめることになります。 もう一つは価格と関連して、御承知のように級別の決定をしなければならないという問題があるのであります。これは今年は例年より少し急ぎまして、特別に繰上げて級剔抉定の審議会を開こうというので、これも準備を急いでおります。大体三月の上旬から中旬にかけて級剔抉定の審議が終る。これ以上早くするということは、新酒が出て参りませんので、むりがありますが、最短期間を考えますと、大体そういうことになるようであります。もちろん最後の特級酒等の級剔抉定は若干遅れますけれども、二級酒として出せる時期はその前になりますから、あるいは場合によつては全部の級剔抉定が終らなくとも、一部のものについては価格のきまり次第、市場の状況とにらみ合せて出荷するという態勢に持つて行くということも考えられますので、そういう点は相当彈力的な含みを持ちまして、市場とにらみ合せて、できるだけ消費者の皆様にも御迷惑をかけないで済むような方針で目下進んでおります。
○奧村委員 アルコール專売というか、アルコール管理に関する行政を、大蔵省に一貫してやらせるという意見がかなり多い。これに関する質疑は残つておりますが、これはいずれ大蔵大臣、通産大臣にお尋ねいたすことにいたしまして、私の質疑はこれで終ります。
○夏堀委員長 休憩いたします。午後は一時半より会議を開きます。 午後零時三十分休憩 ————◇————— 午後二時二十七分開議
○夏堀委員長 休憩前に引続きこれより会議を開きます。 午後は、郵政事業特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案を議題といたしまして、質疑を続行いたします。宮腰君。
○宮腰委員 政府は一般会計から特別会計へ繰入れる問題をたびたび出されまして、国民の血税によつてこれをまかなつておるということは、政府自体がこういうような事業については独立採算制をとるという意味合いから考えても、今後大いに愼んでいただかなければならない問題がたくさんあります。ことにこの郵便料の問題についても、これ以上値上げをするというようなところにはとうてい持つて行かれない。だんだん利用が少くなつて、この前のようなタバコの値上げで、タバコの消費が減つたというような状態になつて来るおそれがありますので、これ以上値上げはできぬ。ところがこの独立採算制より考えて、赤字をなくする方法を研究して行かなければならないと考えます。そ、行政組織の合理化が必要じやないか、こういう問題を考えて参ります。この赤字を屈服する方法としてはいろいろな対策があると思いますが、私は行政組織上の合理化が今後問題になつて行くような気がして参りますので、政府にこの行政組織の合理化によつて、この赤字を屈服する方法ができるのじやないかという考えを持つと同時に、政府自体も研究しているんじやないかと考えますので、政府でこの赤字を消す方法としてはそういう方法がないかという問題。また貯金の問題でありますが、貯金は一応郵便局で集めていただきまして、大蔵省の預金部に吸い上げられて、これを一般の財政上のつなぎ資金などに利用さ、れております。この手数料をもう少し上げてもらつて、なるほど現在貯金の取扱いにおいては赤字にはなつていないのだ、郵政事務それ自体は赤字になつておるけれども、この貯金の方の手数料を増すことによつて、郵政事務の方の赤字を補填できないかという問題があります。それからこの間私の方の天野委員からも質問されたように、三等局の切手やはがきの販売方法を昔の状態に復活することが、今後の赤字補填に役立つのではないか。それは一つは三等郵便局自体が非常に成績がよかつたように思われますし、またごく最近に許可になつたり、局長になつた方には資力がないからだめだという御意見もあるようですが、この資力のないという点は、政府の販売関係から考えても、こういうような資金のめんどうを見てあげて、三等郵便局に請負的な販売方法を認めてあげることによつて、はがきや印紙の売り方が積極的になり、また赤字を克服することができるのではないか、こういう問題について行政組織の合理化と、それから販売政策に新しい方法を考えること、それから貯金や保險の手数料をもう少し増してもらつて、この赤字を補填する。従つて郵便料金の値上げはしないという方針にかえて行つた方が、今の財政から考えても合理的だと思いますが、政府のお考えはいかがでしよう。
○浦島政府委員 郵便事業の独立採算制を確立しますために、現実にありまする赤字をどういうふうにして克服して行くかという問題でありますが、これについて考えられますことは、まず現在の郵便料金がはたして事業経営上合理的であるかどうか。この点から事業経営にマツチしたような料金に改訂する。そうして独立採算制を確立するという点が一つとして考えられるのであります。もう一つは、料金はいじりませずに、サービスをよくいたしまして、できるだけ国民の方々に郵便を気安くお出し願いまして、それから来る取扱数の自然増によりまして、收入をはかつて行くということが一つ考えられます。もう一つは、ただいまお話がありました経営の合理化、機構の簡素化、こういう点でございますが、第一の料金の改訂につきましては、二十六年度の予算におきましては、諸般の事情から料金には手をつけませずに、現行料金のままで予算が編成せられたのであります。ただ私ども事務当局といたしましては、現行の料金体系がはたして事業経営上合理的であるかどうかという点につきましては、検討を怠らずにやつておるわけでありまして、いろいろ科学的に原価計算等をいたしまして、適正な料金をきめなければならぬと思うのでありますが、少くとも二十六年度の予算の編成におきましては、現行料金のままで編成をせられておるわけであります。従いまして二十六年度の予算におきましては料金は改訂しない。郵便の利用の自然増を促しまして増收をはかることにつきましては、私ども郵政当局としましては、あらゆる機会をとらえて努力をいたしておるわけでございまして、戰争以来郵便の利用が減つて来ておりますが、最近におきましてはだんだんと増加の傾向にありまして、御承知のようにお年玉はがきあるいは暑中見舞の絵はがきの売出し、その他いろいろな思索を講じまして、できるだけ戰前の状態に復しますように努力はいたしておる次第であります。この点はまだ足りない点が多々あると思うのでありますが、今後もますます努力いたしまして、できるだけ自然増によります收入をはかつて行くことについて、努力をいたしたいと考えております。 それから機構の簡素化の点でございますが、この点は、一事務官僚である私からお答えできにくいと思うのでありますけれども、少くとも郵便事業におきましては現業官庁でありまして、その現業官庁の大半は直接公衆に接しておりますいわゆる郵便局の組織が大半でございます。従いまして、この郵便局の組織あるいはその普及状況を、あまりに経営合理化の観点において押えますと、結局公衆の方々が郵便を利用されるについて御不便を来すのでございます。この点はなかなかむずかしい問題でありまして、郵便のサービスをよりよくするために、やはりかような現業の施設はできるだけ拡充して行かなければならぬと存じておるのであります。従いまして御説のような観点から、どの程度までに郵政事業の機構を簡素化し得ますかどうかということにつきましては、研究の余地があると思うのでありますが、少くとも事務当局といたしましては、現在の機構におきまして、現在の事業運営をいたしますにつきましては、むしろ不足がちな点があるのではないかということを考えておる次第であります。しかし私どもとしましては、できるだけ事業経費の節約を期しますために、公衆のサービスに影響がない程度において、事業の合理化をはかつて行かなければならぬという点は当然でございます。こまかい事務的な点につきましては、すでにかような観点からいたしまして、少しの金で動くようにいろいろな施設の合理化をやつておる次第であります。 なおお尋ねのもう一つの点でございますが、貯金からの手数料の点につきましては、直接私所管でありませんので、主計課長からお答えすると思いますが、はがき、切手等の売りさばきの方法を従前に返す必要がないかというお尋ねでございます。この点は前回の委員会でお答え申し上げたと思うのでありますが、御承知のように昔は特定局長さんが自己の資金において切手、はがきを買い受けられまして、そうしてその手数料として割引歩合を取得せられて、公衆に切手、はがきを売りさばいておられたのでございますが、この点が再三の料金改訂によりまして、かりに従前のように切手、はがきを買い受けられるといたしますと、相当多額の資金を準備される必要があるのであります。これがはたして各局長さんの個人の力においてできますかどうか。この点が非常に問題でありましたのと、もう一つは歩合の率が同じでありましても、料金改訂によりまして売りさばきの金額が多くなりますと、非常に取得される金額が多くなるわけでありまして、これは従来からもそういう弊害があつたのでありますが、とかく売りさばきの各局におきまして競争しがちである。非常に地況のいいところは、そのために多額の割引歩合を取得せられて非常に得である。かような弊害もありましたので、かような弊害を防止するという観点が一つ、もう一つは公務員法が施行せられまして、特定局長さんでありましても公務員であります。従いまして公務員である局長さんが、かような政府が売ります切手、はがきにつまして利得——利得というと少しおかしゆうございますが、その売りさばきの手数料をとられるということはどうかということ、かようないろいろな点におきまして、従来のいわゆる請負による売りさばきを廃止いたしまして、定額常備制を実施いたしたのでございます。従いまして従来のような手数料がありませんために、各局におきましてこれを積極的に売りさばくという意欲がなくなつた点があるかと考えられるのであります。しかしながら定額常備制におきましては、あくまでその局の区内の実況に応じまして、必要な切手、はがきは必ず準備することにいたしておりますので、決して公衆には御不便はかけないことになつておる次第でございます。従いましてその売りさばき方法を根本的に昔に返すかどうかということは、まだ実施後日なお浅くございますので、いろいろな点において研究する余地がございますので、目下のところこの根本改正については、考慮いたしていない次第でございます。以上御了承を願います。
○宮腰委員 二十六年度の予算では改正をしない、こういうことを言われておりますが、おそらくいろいろな講和問題だとか突発的な問題で、国家で補正予算を組む場合もあり得ると思うのですが、そういう場合にもこの料金の改正はしないというお考えですか、どうですか。
○浦島政府委員 今後の事業の收支状況、あるいはまたいろいろな客観情勢の変化によりましては、全然考えないとは目下のところ明言はできないわけでありまして、私どもは少くとも今日におきましては、まだ改正をするというようなことは予想をいたしておりません。
○宮腰委員 この自然増をやろうというお考えで、サービスを改善して行くということは非常にけつこうなことであります。お年玉付はがきなんかも、最近非常に売れ行きがよかつたようでありますが、暑中見舞だとか寒中見舞というようなものを出す場合に、何らか一般の国民が見て、なるほどいいなという感じを與えるような印刷を中にすることが、非常に効果的ではないかと思うのです。予算の都合もあると思いますが、もし暑中や寒中見舞を出すなら、それらしい模様を中に織り込んだ方が非常に感じがいいようであります。その点をひとつ御研究願いたい。 それからもう一つは、国税や地方税の集金をやつておるようでありますが、こういうようなことをもう少し拡大しまして、たとえばラジオの料金だとかあるいは公の団体の料金、たとえば国民健康保險ですか、それの保險料を郵便局でやらしめるというふうに、いろいろなそういう集金の仕事をふやして行けば、あるいはその手数料によつてカバーができるように考えるのでありますが、その点を今後拡張して行くお考えがございましようか。
○浦島政府委員 暑中見舞のはがき等について、ふさわしい図案を刷つたらどうかというお話でございますが、まことにごもつともなことでございまして、昨年初めて従来の官製はがきに絵を入れまして、暑中見舞用のはがきを売り出したのでございますが、これがたいへん好評を博しまして、売り出しました枚数全部を期間中に売り盡した次第でございます。しかしながら昨年の図案につきましては、最初のことでございましたので、とかくの御批判もあるようでございます。もし今年におきましてさらにこういうものを出すことにいたしましたならば、御意見の通りに、十分により一層好評を博しますような、ふさわしい図案をつくつて行きたいと考えておる次第であります。 なお郵便局においていろいろな仕事をやつて、その手数料をかせいで收入をはかつたらどうかというお話でございまして、この点まことにごもつともなことでございますが、例におあげになりましたラジオの集金のことでございますが、これは電波法によりまして、日本放送協会が直接集金組織を持たないところにつきましては、郵政省に委託するということになつておりまして、目下放送協会とその実行方法について打合せをいたしておるのでございます。すなわち特定局——いわゆる農村、漁村地方にありまする特定局の定地区につきましては、ラジオの受信料の集金の委託を受けましてやることになつております。これにつきましては、放送協会から必要な経費を繰入れていただくということになつておる次第であります。その他健康保險等のお話でございましたが、目下失業保險手当の料金の收納につきましては、いわゆる印紙を発行いたしまして、これを委託を受けて発売いたしております。これにつきましては厚生省から必要な実費を繰入れでいただいておるのでございます。その他のいわゆる社会公共のいろいろな集金をやることにつきましては、何分郵便の外勤は郵便の配達ということが根本でございまして、かようないろいろな雑務をやりましたために、かんじんの郵便事業に大きな影響があるということは、私どもといたしましては相当考えなければならぬのであります。今日におきましては、だんだんと郵便の事業運行は平常に復しつつありますが、まだまだより以上よくしたいということを考えておりまして、将来事業運行がうまく行きまして、かようなおつしやるような事柄もやつていいという時期がありましたならば、十分考えて行きたいという心組みでおる次第でございます。
○宮腰委員 行政機構の簡素化の問題ですが、これに関して、郵政省では研究会なり研究室なりを設けて、考えて実行して行つておられるでしようか。その点をひとつ……。
○浦島政府委員 目下のところ改まつた一つのそういう委員会を設けまして、研究しておるということではないのでございまして、先ほどから申し上げますように、少くとも現業官庁である郵便事業におきましては、現在の機構は、現在の郵便事業の内容を運行しますについて、最小限度の機構であると私どもは存じておりますので、また積極的にかような研究には乘り出していない次第であります。
○宮腰委員 私は結論としまして、この赤字はなかなか克服できないのではないかと思うのです。そうして政府ではいろいろな特別会計に一般会計から繰入れるものが、だんだんふえて来るようであります。こうなつた場合に、もらうときは委員会にかけまして、議会の審議にあずからせますが、今度は入つて来ることになると知らぬ顔をして、そのままほうり出して、どのくらい入つたかわからないようなことになつてしまうのでありまして、今後こういうふうなものを受取りまして、また一般会計に繰入れるという場合に、一応そういうものも本委員会にかけて、どういうふうにそういうものを使つた、どういう結果になつたということを、今後御報告を願いたいと思うのです。これは私の希望でありますが、その点を郵政省ではどう考えていますか。
○佐方政府委員 決算の上で收入が増した場合がありましたならば、それは必ず決算報告書として決算委員会に出すことになつております。
○宮腰委員 そういう場合は、決算委員会に出すと同時に、本委員会にも御提出願いたいと思います。決算委員会に出したつて、大まかで、そういうこまかい点は全然審議しないで、そのままほつたらかしてしまうということであれば、国会としてのそういう審議にあずかる点に、どうもわれわれは満足行かない点がありますので、今後決算委員会へやつても、そういう一般会計にもどす場合は、ひとつ資料でも出しておいていただいて、皆さんの意見を徴していただきたいという希望を申し上げておく次第であります。
○夏堀委員長 高間君。
○高間委員 政府にちよつとお聞きしたいのですが、三十五億八千三百八十三万五千円ですか、この不足の額を繰入れることは、一般国民が、こういう專業はこういうふうな関係で損になつておるから、こういう心うたということがわかるので、非常にけつこうなことですが、ただ郵政省の現在の機構がどういうふうな形になつておつて、どういうふうな方面から損失が出るかということを私はお聞きしたい。というのは、たとえば北海道であるとかあるいは関東、信越であるとか、大阪附近であるとか、四国であるとか、九州であるとかいうところでは、ただ郵政省即郵便局という形になりておるのだが、その間に大きく、大蔵省あたりで言えば、たとえば国税庁のような機構ができておるかどうか、お聞かせ願いたいのです。
○佐方政府委員 郵政省の機構といたしましては、全国を十地区にわけまして、昔の逓信局でございますが、今郵政局というのがございます。北海道と仙台と東京、長野、金沢、名古屋、大阪、広島、熊本、四国となつております。各地域別の事業の收支というものは、一応出て参つておりますけれども、こまかい原価計算を今進めております。概論的に申しますと、東京と大阪は相当な黒になつております。名古屋あたりがとんとん程度かと思います。北海道それから仙台、九州のごとく、非常に三等局の多い、大都会の少いところにおきましては、相当な赤になつておるということが、概論的には言えるかと思います。
○高間委員 大体のことはわかりましたが、私は先般、他から聞いた話ではつきりしたことはよくわかりませんが、今政府員委のお答えのようなことで耳にはさんでおりますのですが、北海道あたりでは集配人が一回配達に出ると、少くも三日間ぐらいたたなければ帰つて来られないというような不便なところがあつて、そこにはたとえて申し上げますならば、二円の郵便を配達するのに、百円も二百円もかけて配達するような、そうした地域的な損失が非常にある地区が多いという話を私は聞いておるのです。そういう面からもう少し検討なすつたならば、この損失の補填の非常な参考になるだろうと考えておるのですが、そういう点についてお考えになつたことがありますかどうか。ひとつお尋ねいたしたいと思います。
○浦島政府委員 今例をあげておつしやいました北海道のある局で、一旦配達に出たならば三日も帰つて来ないというお話でございますが、そういうことはあり得ないのでございまして、とにかく一つの郵便局の集配区画、しかもその局の集配人が集配される距離というものは、集配人の方のいわゆる八時間の労働の勤務時間によりまして、ちやんと割振りがしてあるわけでございます。ただ途中非常に雪が深いという場合に、何かの事故によつて帰局がおそくなつたということはあり得ると思いますが、とにかく平常の配達をやるにつきまして、三日も四日もかかるということは全然ないわけでございまして、何かのお間違いじやないかと思います。どうかあしからず御了承願いたいと思います。 そこでこの北海道の郵政局管内が非常に赤字を出しておるといとことは、結局農村、漁業等の局が非常に多いわけでありまして、かようなところは一通の郵便がありましても、とにかく人をかけまして、一般の公務員のベースの給料を拂いましてやらなければならぬわけでございます。従つてこの郵便事業のいわゆる公共性という点からいたしまして、赤字があるからそこの施設を切り下げるということは、公衆に非常に御不便をかけるわけでございます。現在の郵便の施設からいたしまして、最小限度のところではないかと考えている次第でございます。
○宮腰委員 私たびたび見ることでございますが、たとえば一つの都市から他の市外の部落に郵便物を逓送する場合に、わざわざ郵便局のトラツクなり、あるいはまた貴重なガソリンを使つて、小さな郵便物でも配達をしておるような状態がありますが、こういうような場合には定期バスを利用しまして、安全なボツクスでもこさえまして、その中へほうり込んで送り届けるという方法を利用した方が、かえつて効果的に思うのです。私はたびたびそういうことを経験しまして、もつたいないガソリンを使つて、小さな郵便物でも政府の郵便の自動車で配達しているということを見ているわけでありますが、こういうものを今後改善すれば、この赤字を克服する方法があるのじやないかと思いますが、そういう点は御研究されたことがありますか。
○浦島政府委員 一つの郵便局の局区内で各戸に郵便物を配達しますのは、これは直接従事員を使いまして配達をしております。ただいまのお話は、局から局へ郵便物を逓送するという仕事ではないかと思うのでありますが、これがその間に運送機関がありましたら、できるだけ最大限の運送機関を利用してやつているのであります。どうしましても運送機関がない場合には、やむを得ず人の肩を借りまして、郵便物を逓送いたしておるのでございますが、運送機関がある場合には、最大限度利用いたしておるのであります。その利用の場合に、やはり局間々々の郵便物の量というものがございまして、一つの自動車で專門に送るような相当な量があります場合には、いわゆる赤自動車、郵便專用自動車を使いまして輸送をいたしております。しかし專門に自動車を雇い上げることが必要ないというようなところにつきましては、そこにバスがございましたならばバスを利用しまして、バスに託送いたしまして郵便を送つておる次第でございます。従いまして、できるだけ運送費を節約するという観点につきましては、当然私どもも日常努力をいたしておるのでございまして、はたしてこの線にバスで送つたがいいか、あるいは專用自動車で送つたがいいか、あるいはまた私鉄があります場合には私鉄で送つた方がいいか、むしろ実情に即しまして、安い方法と郵便物の速達を期するという二点から、努力をいたしておるのでございます。できるだけこういう点につきましては努力をしておりますし、今後も続けて行きたいと考えておる次第でございます。
○小山委員 二つ三つお聞きしてみたいと思うのでありますが、この間新聞紙上で見たと思いますけれども、日曜の集配をやめるというようなことが新聞に載つておつたと思います。まさかそういうばかなことはなされまいとは思いますけれども、一応そういうことはしないのであるという言明を、ひとつやつていただきたいのであります。
○浦島政府委員 おつしやる通りに新聞に出ておりました。実は先ほどからもお話がありましたように、郵便事業の独立採算制、赤字克服のために、いかなる経費を節約すべきかということは、当然私どもとしましては、研究検討して行かなければならぬ問題であります。それにつきまして、郵便事業は四、六時中仕事が動いているわけであります。しかるに従業員の方に週休日として一週間に一回の休暇を與えるがために、どうしましても他の一人を余分に雇つて現在やつておるわけでございます。かような点から、余分に雇つておる点を節約して、経費を節約する余地がないかということを、私どもとしましては研究をいたしておるのでございまして、新聞に出ておつたように、全国におきまして大体二百二十局を選びまして、かりに普通郵便の配達を日曜にやめた場合に、翌日の月曜の仕事にどういう影響があるか、これは当然やめることを取上げましてやりましても、業務の運行に大きな支障がありましては、非常に公衆の方に御迷惑をかけるわけでございますので、一応研究の題目としましてこれを取上げまして、全国二百二十局を目下かりに施行して見つつあるのであります。しかしこの結果がどうあるかということにつきましては、まだ実施後日なお浅くあありますので、いずれともまだ私どもとしましては結論を得がだい状態でございますので、必ずやるとも言えませんし、また必ず日曜集配の撤廃を決行するとも、現在の段階においては明言できかねる次第でございます。どうかひとつかような問題もあるということをお考え願いまして、事務当局において研究いたしているという点に、ひとつ御了解を願いたいと思うのであります。
○小山委員 私は全国一律に日曜集配をやめるのかと思いましたので、そんなばかばかしいことはおやりにならぬだろうと思つたのでありますが、非常に郵便物の集配の少いところでは、そういう問題はお考えの余地はあろうかと思います。 次には、これは年賀郵便の話でありますが、これは国会の問題として取上げることはちよつとどうかと思いますけれども、郵便はがきの売れ行きをよくしなければならぬという立場から、私はお考え願いたいのであります。これは私記憶違いなのか知りませんが、年賀郵便の例の富くじみたいなものを盛んにおやりになつて売つておられるが、あれはスタンプがないと当選番号の中に入らないとか、あるいは当選をした人が郵便局に品物を受取りに行くと、配給通帳を持つて来いとか、実にやかましいことを言われる。当つた人は無記名の番号なんですから、だれでもよさそうなものだが、なぜ配給通帳を要求されるのか。そういうようなことだとか、あるいは何月何日までに使つたはがきでなければいけないとか、いろいろな制限があるらしいのでありますが、ものを売つて跡始末がそういうふうにいろいろ制限があつたのでは、これはやはりはがきは売れないだろうと私は思う。だからその辺のところはものを売ることが目的なんでありましようから、そういう趣旨でお考えになつたらどうか。 それからもう一つ伺つておきたいのは、年賀郵便はがきを今度は大分宣伝されたようでありますが、全部売れたのでしようか。その二つ。
○浦島政府委員 お年玉はがきの賞品の受取りにつきまして、一旦使用したものでなければならぬとか、その他いろいろな制限があるようにおつしやいましたが、これは全然さようなことはございません。使用されたものでも、未使用のものでも、とにかくそのはがきの正当所有者でありますれば差上げることになつております。ただ年賀はがきは各戸に配達をいたしまして、郵便受箱等に配達をいたします。またお年玉付のはがきでございますので、内部の取扱い等におきましても、万一事故等がありましたならば申訳ない次第でございますので、従つて一応そのはがきの正当所有者——所有者の中には受取人はがきを買われた方があるわけですが、一応正当の所有者であるということを御証明願いたい、かような意味におきまして、その証明方法として米穀通帳の御持参方をお願いいたしておるわけでありまして、これも別に法的に強制をいたしておるわけでございませんので、局の方で正当受取人であるということを何らかの方法によつて確認できましたならば、必ずお年玉の賞品は差上げることにいたしておる次第でございます。 それからお年玉はがきの売りさばき状況でございますが、これは今回は四億枚発行いたしまして、全国ほとんど完売をいたしました。しかもお年玉はがきによりまするところの年賀郵便以外に、一般の官製はがきその他私製はがき等を合せまして四億四千二百万枚、年賀はがきがことしは出た状態でございます。従つてこの点からいたしまして、郵便事業收入にはたいへんに好影響をもたらしておると思います。
○奧村委員 同じようなことですが、このお年玉付の、つまり共募金付の年賀はがきですが、あれはなぜ共募金をつけて売られるのか。つまり共募金付でなくても、二円のはがきでも済むわけですが、どうも共募金付のはがきを各末端の郵便局へ割当てておられるようです。それで郵便局長さんなどが、それの消化に非常に苦しんでおられる。末端の市町村に参りますと、無理やりに買わされる。そうすると年賀はがきを出すがために、無理やりに共募金一円ずつをとられる。非常に押しつけがましいことになつておるのであるが、あれはむしろやめて、二円のはがきでお年玉をつければこれは非常に喜ばれる。なぜ共募金をつけなければならぬのか。共募をおつけになれば、多少共募の団体が消化に協力せられるでしようけれども、しかしそれがために、非常に一般に無理な負担をかける。その点をお伺いいたしたい。 それからもう一つは、あれでもなおかつおそらく予定のはがきは売れなかつただろうと思います。完全に消化したのか、無理に押しつけたのか、なお残つておるのか、その点をお伺いいたしたいと思います。
○浦島政府委員 切手、はがき等は、社会事業の資金を集めますために、寄付金をつけて発行するということにつきましては、大体世界各国共通にかような方法をやつておるのでありまして、たとえば慈善切手とか、あるいはまた赤十字社の赤十字切手とか、かような意味におきまして、あるいはまた小兒麻痺の救済資金とか、そういう意味におきまして、世界各国切手に寄付金をつけまして、寄付金を募集するという方法がとられておるのでありまして、わが国におきましてもすでに戰前、あるいはまた戰後におきまして、数たび寄付金の切手を発行いたしておるのであります。従いまして切手、はがき等に寄付金をつけるべきかどうかということにつきましては、これは大きな問題でございますので、昨年の国会にその法律を提案いたしまして、これが成立をいたしておるのであります。この切手、はがき等の発売に寄付金をつけるという法律に基きまして、この年賀はがきに寄付金をつけている次第でございます。従つて法律的な根拠においていたしておるのでございます。しかしながらいわゆる年賀の官製はがきに寄付金をつけるべきかどうかということにつきましては、これはそのときのいろいろな事情におきまして決定せられる問題でありまして、少くとも郵政事務当局におきましては、従来世界各国にありますように、かような社会施設等の資金を集めますことについて、もし可能でありますならば、郵便事業を通じてこれに協力するということは、これはまことに社会、国家全体からいたしましてけつこうなことであるわけであります。ところでこの年賀状というものは、わが国の淳風美俗としまして、長年にわたりまして年賀状を交換されるということになつておりますので、この年賀状にかような共募並びに日赤の寄付金をつけまして、そうして年賀状を通じて国民の方々にかような社会事業に御協力を願う。こういう意味におきまして、この共募並びに日赤の寄付金付に賛成いたしまして、一昨年、昨年と実行いたしておる次第でございます。従つて一昨年は発行枚数一億五千万枚につきまして一円の寄付金がつきましたので、一億五千万円の寄付金が共募側に集まつたということになりまするし、ことしは四億枚を発行いたしました。四億枚に対しまして一円の寄付金をつけまして、そうして一月十日の売出し期間までにおきまして、全国四億枚を完全に消化をいたしておるのであります。従いまして、なおあるいは個個の局につきまして多少の端数の残りはあるかもしれませんが、大体四億枚の売出し数を完全に消化しているという状態でございますので、それだけ、一円の寄付金につきまして約四億円程度のものが、今年は共同募金並びに日赤の方に寄付せられまして、そしてその金が社会事業施設等に振り向けられて行くことになつておる次第であります。これを将来の問題としまして、さらに同じく寄付金をつけて行くべきかどうかということにつきましては、これはその年その年の状況に応じまして郵政審議会に諮りまして、郵政審議会の意向を聞いて決定するということになつておる次第でありますが、過去の実績からいたしますると、なるほどはがきに一円の寄付金をつけたために、はがきを買うと強制的に寄付をさせられるようなお感じを受けられるかもしれませんけれども、しかし私どもは、少くとも年賀状をお出しくださるならば、どうかこのお年玉のついたはがきをお買いください、また共募並びに日赤の寄付金のついたのをお買い願つて、一枚で一円を社会事業のための資金にひとつ御寄付願いますように御協力願いたい、こういう意味において国民の方々にお願いをいたしておるのでございます。決してこれを強制的に売りつけるとか、あるいはまた強制的に寄付をさせるという趣旨ではないのでございます。寄付金付の、お年玉付のこの制度に十分に御賛成を願いまして、積極的にお買い願いますように、いろいろ周知宣伝をやつておるにすぎないのであります。それが末端におきましていろいろ行き過ぎがありましたために、皆さんに御迷惑をおかけいたしましたことが多少あると思いますが、これは将来におきまして十分注意して努力をいたしたいと思いますから、さよう御了承願います。
○夏堀委員長 本日はこれをもつて散会いたします。 午後三時十二分散会