大蔵委員会 第3号
- 発言数
- 45 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1950/12/16
会議録
○夏堀委員長 これより会議を開きます。 本日はまず農水産業金融に関する問題を議題といたします。 簡單に大蔵委員長より大蔵大臣、農林大臣にお伺いしたいと存じます。 日本の食糧自給がはたして可能であるかということは大きな問題でありますが、日本の食糧自給が可能であるならば、これはどらにか財政金融面における操作によつて行わなければならない。またそれによつて日本の経済は、完全に自立態勢を確立することができると、私は確信しておるものであります。しかるに原始産業の農業、漁業はこれまで財政金融面から遠ざけられて来たため、非常な経済的苦境に達しておる現状は御承知の通りでありますが、こうしたあり方をいつまでも放棄しておくことはできないであろうと思う。私は食糧の自給態勢は現在七五%程度であると存ずるのでありますが、これを九〇%ないしは一〇〇%まで持つて行くことは可能であると存じます。しかし現在の苦境を金融面だけで救うことは、できない段階になつております。よつて政府が財政面においてこれを救済しなければならぬということを私は常に考えておるものであります。そうした意味から、今日は水産委員会の諸君もお見えになつておりまするので、一応まず水産金融ということによつて非常な苦境に立も至つておる現状を打開する。それには漁業法の改正の精神を生かすために、漁業権証券等の活用によつて産業の合理化をはかる。とれによつてまず食糧自給態勢確立の一端をなすととができると私は信じております。御承知の通り、百七十億の漁業権証劵——これは交付公債でありまするが、これが明年の八月交付されるそうであります。しかしこの操作を一歩誤つたならば、永久に日本の水準は救われないという段階に追い込まれるのであります。従つて改正された漁業法の精神を生かして、働く漁民をどうにか経済面において引立てろことができるかどうか、その経済自立態勢確立の可否を決する大きなかぎを握つているのでありまするから、この重大な問題について、大蔵大臣、農林大臣は、どういうような御構想を持つておられるかということをまず私よりお伺いして、いろいろ委員諸君の御意見もありましようから、まずそうしたことに対して一応御答弁を願いたいと思います。
○池田国務大臣 食糧自給態勢を確立しなければならぬことはお話の通りでございます。米麦の増産はもちろんのこと、水産におきましても、日本が島国であり、また世界有数の水産加工国でありますので、これを伸ばして行くことは、食糧自給態勢の向上のみならず、輸出貿易にも非常な影響があるのであります。従いましてわれわれといたしましては、農林漁業につきましては、十分とは申し上げられませんが、一般資金でまかなえないところを、できるだけ財政資金で補つて行こうという計画を立てているのであります。従いまして、明年度の予算におきましては、一般会計より二十億円、見返り資金より四十億円を長期の農林漁業金融に充てたいという計画を進めておるのであります。一方ではかくいたしますと同時に、先ほどお話のありましたように、漁業証劵を活用して、漁業権を資金化して漁業の育成にも充てたいと考えておるのであります。御承知の通り、来年八月からこれが施行されることになるのでありますが、その際におきまする漁業証劵のあり方というものにつきましては、十分検討を加えなければならぬと思うのであります。先般の農地証劵のように不融通物でありますと、金融その他資金化になかなか困難を来します。農地証劵は幸いに、政府でほとんど短期間に償還してしまうことになつたのでありまするが、漁業証券は相当長期にわたると考えなければなりません。従いまして、そういうことを頭に入れながら、この証劵のあり方につきまして、十分検討を加えて行きたいと考えておる次第であります。
○廣川国務大臣 日本の食糧の自給度を高めるために、特に農業方面に国家資本を蓄積して行くという大蔵大臣の意見と、私はまつたく同様であります。ただ来年八月から実働して参りまする漁業証劵の百七十億については、單に金融資本家のえじきにならざるように、あくまで漁業家の手に保持しまして、これを高度に資本化して行くような方途をわれわれは考えたいと、さように思つている次第でございます。
○夏堀委員長 ただいま私が申し述べたことに対し、結局食糧の自給態勢確立は絶対必要である、それは同感であるという御答弁にあずかつたのであります。その具体的な方法の問題はあとに譲ることといたしますけれども、大体は土地及び漁業の高度利用の一点にあると思うのであります。高度利用とは、その資金、たとえば今の漁業証劵のようなものは、企業の合理化にこれを投資するまとまつた一つの態勢をつくつて行かなければならぬということが、私どもの考えておるところでありまして、この点についても、両大臣の意見はそうしたような意味での御答弁であつたと私は考えております。 次に委員諸君の御意見もあろうと思いますから、発言を許します。
○松田委員 ただいま大蔵大臣、農林大臣から前途の見通しについて御意見を承り、私ども非常に幸福に存ずるのであります。政府は、日本の国の過半数を占めておる農業に対しては、相当の考慮を払つておられ、また鉱工業に対しても、日本の基礎産業なるがゆえに考慮を払つておられるのであります。ところで私ども水産関係は、わずかに三百万の漁民よりなく、また水産業界においては政治力もまことに微弱なるために、あまりにも政府の関心が向け得られないような状況にあつたと私は考えているのであります。ただいま委員長の御発言中にもあつたように、原始産業である水産業をもつて、日本の食糧及び大蔵大臣の御意見のごとく、将来の貿易に対しても貢献しなければならない。わずかな領土において行われる農業よりも、広い海面において漁獲される魚族によつて、初めて日本の国を建て直すことができると私どもは考えておるのであります。ところがこの漁業に対する政府の関心はあまりにも薄く、投げやりでなかつたかという、うらみをわれわれは持つておりましたが、この点ただいまの御意見を承り、私どもは非常に満足するものであります。しかし私どもは、自由党吉田内閣によつて、今までわが党の主張たる統制経済を撤廃し、あらゆる部面において自由経済の自立態勢を行わんとするわが党の政策に対して、忠実にわれわれはその議論を進め、また政府においても実行されて来たことを喜びとするものであります。だが現在国民の中には、統制経済のあつたときの、あたかもモルヒネに酔うておつた患者のごとき考え方を、いまだに持つて、あの統制経済のインフレーシヨン政策を喜んでおるものもある。またそれを希望するがごときものもあるので、わが党においては、この点十分なる警戒と、おのおのがこの日本経済の自立のために、努力をしなければならないと考えておるのであります。水産業界は、幸いにしてその行つている業務そのものは、決して他人にたよらず、自力更生をモツトーとして来ておるのであります。ところが統制経済当時の魚価の関係はどのようであつたか、現在はどのようになつておるかということを、一言申してみたいのであります。 統制経済当時は零細漁民のとつたもの——この近海でとられたものは、やみからやみに葬り去られて、世の中のうき目を見ずに、高価に販売されておつたのであります。現在はあらゆる魚族は正式なる市場に出て、結局そうした関係から、北海道及び九州で大きく漁獲されるその絶対量があまりにも多くなつた。とにかく統制経済のとき隠れておつた多くの魚が出て来たために、その数量が現われて来たのでありまして、漁価がほとんど今日は漁業の経営も立ち行かざるほど低落して来ておるのであります。しかし水産業界においては、いかに漁価が低落しようともこの業務を完全に遂行して、国の自立態勢を立てんとする努力を現在も払いつつあるのであります。日本の現在の物価の指数が、外国の物価の指数と比べまして、はるかに高いということはわれわれも知つておる。これを是正するのがわが自由党の自由経済の政策であると、われわれはかたく信じておるものでありますが、この自由経済になり漁価が低落した半面において、漁価は大体において戰前の指数にまでなつて来たと私は考えておるのであります。だがこれに伴う資材の点は、現在マニラ麻においては約十五倍、綿糸においては三倍、重油においても三倍の価格となつておるのであります。かような点から行きまして、漁業者の経営というものは、まことに貧困となつておるのであります。ゆえに水産業界においては、いかに歯を食いしばつても、現在の情勢においては、あした越しのどのような経営を考えなければならないかというような、はめになつておるのであります、こらした状態においても、水産業界はあらゆる努力をして、自力更生に生きんと懸命に努力をしております。だが先ほど申し上げたように、農及び鉱工業、こうした業者に対する施策に比し、漁業に対する施策は著しく差があると私どもは考えております。この点について今委員長から御発言があり、また両大臣から懇切なる御意見のあつた漁業証劵というものは、あの第四国会に提出されて、第四国会、第六国会の審議を経て画期的な漁業法として制定されたものであります。ここにおいて今までの財産というものは、ほとんどこの証劵にかわつたのであります。この証劵をして、ただ証劵を預け、二十五年の間にこれを償還してやるということであつたならば、漁業者はどのようなことになるか。またもし一歩この証劵の使い道を誤つたならば、おそらく今まで努力しておる水産業者は破滅のふちに落ちぬとも、決して断言できないような状態になることを、われわれは考えるのであります。政府は水産業界に対する確固たる御信念と同情と理解を持つて、この証劵の使い方をはつきりとして、この証劵をして水産業界に対する金融の裏づけにするとか、またこれによつて金融の方法を講ずるとか、かような方法を講じて行かなかつたならば、水産業界はほとんど日の目を見ないような状況バはつきり現われて来るのであります。大蔵大臣の御説明によりますと、明年度予算によつて六十億の金をもつて、農林漁業長期資金の金融の方法を講ぜられる御意思があるように承りますが、これとても水産業界に対しては、わずかに三億二千八百万円という数字であり、かようなことでは現在の水産業界に対しては、ほとんどすずめの涙程度でなかろうかと考えられるのであります。そこでこの百七十億という漁業証劵に対する万全の措置を今から考究していただかなかつたならば、漁業者はこの証劵をもらつても、これを担保として金にかえるというようなことをして、ばらばらに分布されてしまいまして、大きな災いを招くということを私は考えるのであります。今からこれに対する確固たる御理解とまた御信念、御同情によつて、この証劵をして水産業界の金融の道に役立つように、大蔵大臣、農林大臣において御研究していただかなければならないと私は考えるのでありますが、この点に対する両大臣の御見解を承りたいと存ずるものであります。池田国務大臣 ごもつともなお話でございまして、われわれも同感でございます。先ほど申し上げました農林漁業への六十億円の金は、特別会計をつくりまして、農林中金をして扱わしめる予定でおるのであります。そうしてその内訳につきましては、ただいまのところきまつておりません。長期の農林漁業金融に使うということだけでございます。三億円とか四億円とかいうふうな小さい金が水産業に充てられる、こう自分は考えているのであります。なおまた農林中金におきましては、そういう六十億の長期資金以外において、御承知の金融債を発行し得ることに相なつておりますので、私は預金部におきまして、農林中金の金融債をできるだけ引受けて行こう、こういう計画でおります。この金はもちろん短期にも使われましようが、金融債の性質からいつて、相当長期の方にも使つていいのでありまして、長期を望みまする漁業金融のお役に立ち得ると思います。ことに私は、水産が主として北海道で行われまする関係上、北海道拓殖銀行に五億円の見返り資金からの出資をし、これによつて拓銀が金融債を出すということは、北海道の特殊性である漁業、農業、特に漁業の方面にこれが向けられるように私は期待いたしておるのでありますが、まだ私の気持が北拓にもよく通じていないのかもしれません。漁業で立つておる北海道の漁業金融の十分でないことを感じておりますので、今後ともそういう方面に力を入れて行きたいと考えております。百七、八十億円に上る漁業証劵につきましては、先ほどお答えいたしましたように、とにかく漁業権を資金化し、そうして長期の、いわゆる合理化資金あるいは拡充資金に充てたいという考えで進んでおります。お話の通りに、この漁業証劵の今後のあり方ということは、日本の漁業が復興するか、あるいは衰退するかのわかれ目になるというお話は、まつたく同感でございますので、そういう意味におきまして、農林省あるいは安本、大蔵省は十分検討をし、またその間におきましても皆様方のお知恵を借りまして、万全の措置をとつて行きたいと考えております。
○奧村委員 農林大臣に漁業権証劵金融に関する点について、なお補足してお尋ねいたしたいと思うのであります。これは申すまでもなく、極東委員会で決定された日本漁村及び漁業の民主化のための漁業法の実施に関連いたすことでありますが、すでに各沿岸に漁業調整委員会ができまして、現実に旧漁業権者から漁業権を取上げて、新たに零細漁民の団体である民主的な漁業団体に漁業権を與えるということを着々進めておりまして、来年の八月を期していよいよこれが実行に移る。ところでその沿岸漁民が一番不安に思つておりますのは、従来の資本家である漁業権者から漁業権を取上げて、零細漁民の団体である漁業協同組合あたりに漁業権が與えられても、相当大きな定置漁業のごときは、零細漁民の団体では悲しいかな金がない。従つて漁業権だけいただいたのでは、ほんの絵に描いたもちである。政府はこの漁業法を真に魂を入れて実行をするがためには、漁業権証劵に対してどういう金融をいつ現実にやつてくれるか、その見通しがつかなければ、いかにこの漁業法実施のために努力いたしましても、漁民はついて来ない。こういうことでわれわれが今日さしずめお尋ねをしておる次第であります。なおまた問題は、われわれが水産金融と申しておりましても、大部分はいわゆる資本漁業に対する金融である。すなわち捕鯨漁業あるいは遠洋漁業冷凍製造などに向けられまして、零細漁民の金融は担保あるいは返済能力などの関係から、ほとんど顧みられたかつた。今度の新しい漁業権証劵の金融ということ、これこそは零細漁民の団体に対する金融でありますから、おそらく日本の水産金融に画期的な意味をなす、こういうようなことであります。そこでこれに対しては政府も万全の御用意があるものと思うのでありますが、来年の八月実施に対しまして、農林大臣の御抱負が一体いつごろ実現せられるのか。こまかい構想については今お尋ねするのはむりではありますが、これがただ單に研究中であるということではわれわれ因るので、現実に八月実施の日に金が出るという御確信ガあるかどうかということを、まずお尋ねいたしたいと思います。
○廣川国務大臣 漁業証劵の交付後における金融問題、並びに今までボス的存在であつた漁業家から零細漁民に対して漁業権が移行した後における金融、これは漁業家にとりまして大きな問題であります。これの問題については今年の夏以来われわれは漁業家に、大きな命題であるから漁業家自体も検討してほしいということを申し述べまして、漁業家自体においても、銀行でもつくるような構想がないかというよなうことを率直に話し合つているようなわけであります。それからまた漁業協同組合を育成いたしまして、この積立金によるその上に、中金なりあるいはその他を通じて金を出すような方途を今検討中でありますが、八月までには、漁業権の移行したものが資本にまごつかないように実際にやる考えで、われわれといたしましては、省内で詳細の点にわたつて今検討中であります。
○奧村委員 もう一点お尋ねいたしたいと思います。漁業法による漁村及び漁業の民主化の最も中核になるのは漁村協同組合、これは申すまでもありません。ところが悲しいかな、歴代政府の諸施策を見ますると、この漁村の中核である漁業協同組合の育成強化、発展については、ほとんど見るべきものがなかつたし私ども感じるのであります。しかも漁業協同組合が非常に民主化されたために、むしろ統制がはずされ、あるいは魚区の政令、その他いろいろな関係から、漁業協同組合が非常に弱体化しております。このままで行くならば、いかに漁業法に規定されておりましようとも、漁村の民主化はとうてい望めぬわけであります。ところが今回この漁業法権証劵による漁業協同組合中心の金融ということが起るのでありまするから、この際に農林大臣は、この零細漁民の漁業権証劵による金融だけでなしに、漁業協同組合の育成強化を十分にお考えにならなければ、單にこの漁業権証劵の金融だけでしたら、おそらく重大な失敗が繰返されるだろう、こういうふうに思うのでありますが、漁業協同組合の育成強化ということについて、どういう抱負を持つておられるかお伺いいたします。
○廣川国務大臣 農業関係の今までの金融は、ほとんど農林中金一本であります。農林中金の内部構成を見ますと、漁業関係の方が非常にウエイトが軽くなつておることは御承知の通りであります。それからまたそれにつれて、漁業協同組合が一般農業協同組合に比較して、発達の度合いの遅れておることも御存知の通りであります。そこで今度の漁業権証劵発行を前にいたしまして、漁業協同組合の内部の充実、いわゆる資金の獲得等について、あるいはその他の民主化されて以後におけるあり方について、十分検討を進めておるのであります。これはいつも私が申し上げておる通りに、漁業協同組合育成に関する特別の方法を講じたい農業協同組合とまつたく同様な構想で育成するように目下案を進めております。さようにいたしましてこの漁業権証劵が交付になるその前に充実をはかりまして、さしつかえのないような方途を講じたい、こう考えております。
○奧村委員 大蔵大臣にお尋ねいたしたいと思います。ただいまの漁業権証劵による水産金融は、漁業法実施に伴うところの、来年の八月以降の問題になります。しかしさしあたつて、来年発足いたしますところの一般会計から二十億、それから見返り資金から四十億、この特別の長期融資の運用についてお尋ねをいたしたいと思うのであります。それは魚価の問題に関連して来ると考えられるのであります。すなわち食糧の自給態勢を高めるという政府の施策に関連いたしまして、このとうとい水産資源がいまだに有効に利用されておらないということが現実に非常に多いのであります。現に北海道における今年の、たとえばさんま、さばなどの漁獲におきまして、さばなどは内地へ持つて来て塩さばとして出しますれば、これは農村向け、また保存用としても非常に有効でありますが、大体北海道においては、さばをどう処理しておりますかと申し上げますと、一例をあげますと、北海道の釧路の漁港におきまして、今年さばを八百万貫とつておる。その八百万貫のきぼのうち、冷凍船あるいは陸の冷蔵その他で食糧として処理いたしましたのは、これはこまかい統計は申し上げられませんが、私が見ろところでは約三百万貫であろう。非常な大漁でありましたために、どうしても半分以上はしめかすにしております。つまり肥料と魚油にやつておるわけであります。あれを内地に持つて来て、塩蔵して、つまり昔の塩ます、塩さけのかわりに使いましたならば、これほど適当な蛋白資源はないと思うのであります。これは一例でありまして、この北海道の水産資源の利用——北海道ばかりでなく、内地においても同じでありますが、その利用について、製氷、冷凍、冷蔵、製造、加工、カン詰、こういう設備が足りませんために、せつかくの水産資源が非常にむだになつております。そこでこの水産資源を有効に活用するがためには、どうしても製氷冷凍、冷蔵、製造加工、いわゆる水産物高度利用の設備資金が必要であるわけであります。そとでただいまようやくその設備のために見返り資金が一億円、ことしの計画に乗つて話が進められておるわけでありますが、水産庁方面としてはせめて七、八億、ことし認めていただきたい、こういうことを交渉しておるわけであります。ところがただいま難航中である。これに対してはぜひとも大蔵大臣の御盡力を仰がなければならぬと思うのであります。また第二段に今回行われますところの六十億円の長期融資の中に、相当額の水産物高度利用の設備の長期融資をお考え願いたいと思うのでありますが、大体見込みにおいてどのくらい見ていただけるのか、この点をお尋ねいたします。
○池田国務大臣 お話の通りに、ただいまのところ見返り資金から今年度は一億円と聞いております。昨日の閣議におきまして、このうち五千五百万円ほど、主として北海道の製氷、冷凍あるいは冷蔵庫の建設に充てております。今後におきましても、できるだけそういう方面に出したいと考えておるのでありますが、これは安本、農林、大蔵で今協議を進めております。来年から行われますこの六十億円の内訳は、ただいまのところ、はつきりいたしておりませんが、お話のような点は十分私は入れたいと思つておるのであります。ことにこの六十億円の中で、今漁業金融で相当要望せられております漁業手形の活用、これは何分にも水揚げの五%積立て、しかしてこれを元にして金融しておる、こういうのですが、この五%の積立がなかなか十分でない。従いまして手形の割引の問題も農業手形とほとんど比較にならない、こういう状況でありますので、できたらこの積立て資金の貸付というようなことを考えたらどらか、これは短期の方の漁業金融になるのであります。 それから今お話のありました水産物の高度利用という点から見まして、今塩が——工業塩は非常に安うございますが、水産物の塩蔵の塩は多分食料塩と同じような値で行つておるのではないか、こういう点は技術的に食料塩と塩蔵用の塩とが区別できればいいと思うのであります。区別できるとすれば、私はこういう方面の塩を安くして、そうして水産物の高度利用に資したい。今カン詰の話も出ましたが、私も北海道におつて知つておるのでありますが、あれだけのいわしを全部魚油肥料にしておる。あれをいわゆるサーディンにしてやれば世界的に非常に需要が多い。それには——これは広川さんの専門ですが、よい油がない。オリーブ油をもう少し増産して、外国のサーデインに負けないような方法で行けば、いわしのカン詰だけで相当の外貨が獲得できる。技術は負けていない、ただ原料が足らぬというだけなので、こういう方面にひとつ農林省の縁の下の力持ちになりまして、やつて行きたいという気持を持つております。
○玉置(信)委員 奥村委員の御質問に関連いたしまして、大蔵大臣にお伺いいたしますが、その前に漁業権証劵の資金化の問題につきましては、先ほど大蔵委員長あるいは松田委員から御質問のあつたのに対する大蔵大臣の御答弁で、その大綱を知ることができ、その資金化については、いずれ委員と申しますか、衆知を集めて、運営の面において研究をして具体化したいという御答弁でありましたので、私意見を持つておりましたが、これは後日に譲ります。そこで高度利用の面に関連してお伺いいたしますが、奥村委員もお話になりましたように、今日の漁価の低落によりまして、一番困つておるのは零細漁民でありまして、従つてこれを救済するということは、長期資金によるところの施設の点であります。生産現地における冷蔵庫、冷凍施設はもとよりのことであるが、さらに一歩飛躍いたしまして、消費地に水産倉庫を設置して、ここに倉荷証劵を発行するところの機関をつくる、こうしたことに行かなければ、一貫して現下の漁師の窮状を救うことは、とうていできないということは、すでに御承知のことと思うのであります。そこで政府においては、現地の冷蔵施設に対する長期の金融、すなわち見返り資金によるところの金融、同時に消費地におけるところの保管倉庫の金融、ここまで行かなけれどほんとうの生産者の救済にはならぬと思うのでありますが、これに対するお考えはどうか。 次に、先ほど大蔵大臣のお話によりますと、北海道の漁業金融の面に関連いたしまして、北拓に対して五億の見返り資金でありますか、融資をいたして、そうして債劵発行をして、北海道の資金融通の方途を講じてあるというお話でありましたが、この内容はどういうことによつて貸し付けることになつておりますか。その運用の方法はどういうふうになつておるかというようなことを、まず先にお伺いしたいと思います。
○池田国務大臣 先ほど申し上げましたように、冷蔵庫等の高度利用は何も生産地に限つたことはないと思つております。消費地においてその必要があれば、私は高度利用の意味から、やつてさしつかえない、こう思つております。北海道拓殖銀行への融資は、先ほど申し上げましたように、あそこでは農業、特に漁業資金が必要なのでありまして、そういうことを主にいたしまして、私は北海道拓殖銀行への優先株出資ということを考えたのであります。御承知の通り、拓殖銀行は相当の預金を持つております。しこうして営業部門は、もちろん東京あるいは最近大阪にもできましたが、主として営業は北海道でやる、事業は北海道が七、八割というので、北海道開発という意味をもちまして、そういう地方銀行たる性質を持つておるものに出す、ということは、他の興業銀行とか、勧業銀行、農林、商工金庫とは別の意味で、私は特に北海道拓殖銀行に対しておるのであります。だから北拓ではわれわれの意の存するところをくんで、農林特に水産業に対してやつて行くものと期待いたしておるのでありますが、今後におきましても、私のそういう気持を話して、農林水産の方に特段の力を入れて行くように話し合つてみたいと考えております。
○玉置(信)委員 北拓の融資の問題についてですが、さらに私は漁業面においても、やはり中小資金を貸し付ける場合があろと思うのですが、北拓で貸し付けておる中小資金の問題で、これは私先ほど調べたのですが、昨年の十一月でございましたか、一箇月の北拓の中小資金の融資額はたしか一千万円、私の方の市の支店のわくは月に百万円、ところがその百万円の貸付に対して、申込みはずいぶんたくさんあるのですが、しかし申込みをかりに三十万としても三人です。三十万円くらいを借りるのに、いろいろなめんどうな手続をして借りるくらいなら、三十万円なら自己信用で借りるというようなことで、申込みがないので、実はその百万円が遊んでおるというような話を聞かされたのですが、こういうような実情で、実際の市中銀行としては、政府は中小資金を貸すということになつておりますけれども、実際の面に行くと貸したくても貸せない、借りたくても借りられないという事情になつて、おそらくこの漁業金融においても、同様に借りたいものは借りられないという現況になつておると思うのでありますが、こうしたことに対して、政府はいかようにお考えになつておるか。 それからもう一つは、見返り資金の問題でありますが、二十五年度の高度利用施設に対する水産庁の方針としては、当初十二億円の見返り資金をたしか予定されておつた。もとよりこれはフイレをつくるということであつたそうですが、しかし日本の現状からいたしますならば、そうした高度のものよりは、とりあえず魚価の操作をする面から考えて、單に冷凍、冷蔵の方法をやつた方がいいだろうというので、転換されたようにも聞いておるのでありますが、本年のように一億円しか出ないというようなことでは、これではとうてい漁価の操査にも何にもなり得ないわけで、先ほど奧村委員の申されたように、相当額のものを出さなければ相ならぬと思うのであります。明年度は一体どのくらいお出しになるお考えであるか、この点をお伺いしておきたいと思います。
○池田国務大臣 中小企業、ことに漁業の中小企業につきましては、先ほど来申し上げたところでありまして、政府の意のあるところを、十分金融業者がくんでくれるように推し進めて行きたいと考えております。何分にも非常な資金不足であります。私は財政演説でも資本の蓄積を強調しておりますが、貸そうにも金がないという場面が相当あるのであります。われわれは国民とともに、ひとつ貯蓄の増強をして進んで銀行が貸出し先を見つけて歩くという程度まで行かせたいと考えております。なお六十億円の明年度の使い方は、先ほど来申し上げておりますように、大蔵大臣がここに幾ら使え、あそこに幾ら使えというのでなしに、私は六十億円をおせわするのが精一ぱいでございまして、これの使い方は、農林中央金庫が適当な方法を考えて、もしそれが誤つておるとすれば、大蔵大臣と農林大臣とで指導する、こういうのであります。できるだけ漁業金融の方面にも行かしたいと思います。これは余談でございますが、最近ビルが非常に建つております。御承知の通りにビル不足というので、高層建築が東京都内でもどんどん建つておる。この点について、私はもちろんあれは必要なことは必要でありましようが、あれが冷蔵庫になつてくれれば非常によいという気持を持ちまして、昨日も大蔵省の省議で、金融家というものは確実にもうけになるという考え方で、あまりビルを建ててもらつては困る。これは冷蔵庫にしたいものだといつたようなことを申した状況であるのであります。私はもつともつと金融家が、日本の全体の産業復興に協力するという考えを持つてもらいたいと考えまして、銀行局長を督励しておる状況であるのであります。ビルが建つことは非常にうれしいのでございますが、何もビルが建つのが一番ではなく、産業資金の方が先だ、こういう気持を持つておるのであります。どうぞこの点御了承願いたいと思います。
○田口委員 今日は農林大臣と大蔵大臣とがおそろいでございますから、この席で水産業がどういう状態になつておるかということをひとつよく認識していただきたいと思うのであります。
○夏堀委員長 ちよつと田口君に申し上げます。その問題は大分重複しておるようですし、時間もありませんので、簡單にお願いいたします。
○田口委員 現在の日本の経済状態からいいまして、インフレ收束政策を強力に進行させる、このことはやむを得ないことであり、またどうしても、やらなければならないことであると思うのでありますが、その結果として、あらゆるしわが原始産業の方に全部おぶさつて来る実情になつております。先般自由党の政務調査会でいろいろな政策を研究いたしましたのに、どうも水産業はあらゆる業界のうちで一番金がもうかつておるのではないか、こういうような話があつたのであります。しかしこれは非常に認識不足でありまして、私はこの席で大蔵大臣と農林大臣とにもう少し認識をしていただきたいと思うのであります。インフレ收束政策が水産業に特にしわが寄つて来るといいますのは、鉄道の運賃にたいしましても、あるいは資材の面にいたしましても、魚価の面にいたしましても、あらゆることが水産業界に非常な不利な状態においてかぶさつて来ておる。私は昨年の十月と本年の十月との魚価の関係を調べてみたのでありますが、昨年の十月では、六貫五百匁入りの一箱の魚が、千六百三十円平均で売れておつたものが、今年の十月にはそれが五百二十円になつておる。販売品が五割値が下つたということになりますといかなる事業といえども、経営をいかに合理化いたしましても、どうしても收支が償わない。しかもその上に生産費方面を考えてみますと、とつた魚を都会に送る。この場合にわれわれは販売費と称しておりますが、汽車賃と氷及び魚を入れる箱、そうして市場の手数料、この四つを計算いたしますと、昨年の十月には総売上げの一割二分で済んだものが、今年の十月には二割五分かかつておる。魚は下る、資材は上る、販売費は上る、こういうことで、どうしてもあらゆる漁業が收支償わない状態になつておりまして、一年、二年前の水産業の状態と今日の状況とはまるで違つております。この点はわれわれといえども東京におりますと、どうかするとその実情をはつきり認識しないことがあるのでありますが、漁村あるいは津々浦々に行きますと、現実にこの問題が響いております。自由党あるいは現在の政府はどういう手を打つてくれるだろうか、こういうことを各方面で声を大きくして待つております。しかし先ほど来松田委員からお話がありましたように、どうかいたしますと、ほかの方面と水産業に対する政府の手の差出し方が違うのではないか、こういうようなことを非常に強く国民は印象づけられておるように考えておるのであります。先ほど大蔵大臣が申されました現在水産業の短期融資の唯一の方法と考えられる漁業手形の問題、この問題につきましても、積立金ができないために、漁業者はせつかくの制度がありながら、融資が受けられない。こういう状態にある実情から、大蔵大臣はこの積立金の融資を何とかしよう、こういうようなお話がありましたのでございますが、これは実に全漁業者が現在困つておることをはつきりと認識になりまして何か手を延べようというお考えと存じまして、非常に適切な問題を取上げられておるというふうに私は考えるのでございます。これはどうかひとつ大蔵大臣の施策といたしまして、この問題だけはぜひ実行していただきたいのであります。 それから第二に塩の問題を大蔵大臣は取上げられましたが、御承知のように魚に塩を使う。あるものは販売する価格が高いために、少々塩が高くても大してこたえないというものもありますけれども、大衆的に最も多く使われる水産物につきましては、販売価格が非常に安いにかかわらず、塩が高いために生産ができない。こういうようなことで、先ほど奥村委員から申されましたように、肥料に落してしまわなければならぬ、こういうような種類が非常に多いのであります。先ほど大蔵大臣が申されましたように、特別の種類だけ塩の価格を特に下げていただきますれば、おそらく水産物の高度利用、食糧化の数字は相当大きく引上げることができると思いますし、また国民大衆も安い塩物が使用できる、こういうことになりまして一石二鳥の政策になると考えるのであります。 第三に油の問題でございますが、水産業の生産費で最も高いのは油の問題であります。従つて以前は、油は水産業の使用するものだけは免税にしてあつた。ところが今日におきましては、この油にいろいろな経費がかかつておる。輸入する油の価格は非常に安いのでありますけれども、この輸入する油の価格に内地の油の価格をプールしている。のみならず、試掘だとかあるいは資源調査だとか、そういうような方面までどうもこの経費の中に加わつているように考える。従つて輸入する場合におきましては四千円程度のものが、われわれが使用いたしますときは九千五百円程度の油になる。さらに今回の油の値上げによりまして一万二千円になる。漁業生産費の大部分を占めておりますところのこの油でございますが、現下漁業の現状からいたしまして、生産費をどうしても切り下げなければならない。業者としてもいろいろな切下げの方法を講じております、人間もできるだけ少くしておる。それでも追いつかないでさらに給與にまで今日では及んでおる。あるいは漁業資材もいろいろなくふうをいたしまして、以前は使わなかつたなわを使うようになつておる。いろいろなくふうをいたしまして生産費を切り下げておるのでありますけれども業者のくふうだけでは、どうしても今日追いつかないよろな状態になつております。元漁業燃油は免税であつた、こういう点から考えまして、この油を何とか安くする、こういうことについて特段の御研究をぜひ願いたいと思うのであります。私は大臣が東京におられるそういう関係からいたしまして、水産業界がいかなる状態に現在なつておるか、これをはつきりと認識していただくことが、あらゆる施策のもとと考えまして、その点をぜひはつきり認識してもらう、こういうことをこの席上を借りまして一言申し上げました次第でございますから、別に御答弁も何もいらない次第でございます。
○川島委員 実は本日私は年末金融対策ということで委員会を開くというふうに了解をいたしておつたのでありますが、いつの間にか年末という二文字が除かれて、一般金融対策のようにすりかわつて来ておる。委員長がわれわれに何ら連絡、断りもなしにこういうことをやられるということは、惡いという意味で言うのではありませんが、今後そういう何かきめたことを若干でも変更する場合には、あらかじめ連絡をしてほしい、こう私はまず希望しておきます。従つて聞いておれば何かこう、これも惡いという意味でなくて言うのですが、自由党政務調査会が党内の所管大臣を呼んで漁業金融について懇談会を開いておる、こういつた感じで話を私は聞いておる。これは惡い意味で言うのではありません。参考にもなつたのです。なつたが、政府はどうも漁業金融対策について、非常に具体的な政策に欠けておるというところが、党内の人たちから非常に強い意見として出て来たわけであります。そこでこの点も私は参考として聞いておる。 余談はとにかくとして、私がこの機会に大蔵大臣にお尋ねをしておきたいことは、私は大体きようの委員会を年末差迫つたこの問題に対する具体的な切迫した金融対策こういうふうに実は考えてこの委員会に出て参つた。この年末の金融対策については折に触れて、私もそうでありましたが、他の委員からも聞かれたところであり、大臣もその都度断片的にはお話があつたのであります。従つてここでは重複してお尋ねすることはどうかと思うのでありますけれども、一貫して総合的なお話を聞く機会がありませんでしたのでこの機会に、きようで本国会も一応休会に入りますので、この休会前における最後のお尋ねとしてお伺いをしておきたいと思う。 大臣も御承知の通り、年末も余すととろわずかになつて参りました。市中を見渡して参りますと、中小企業を中心として、産業界の一部特需景気に恵まれているところは別ですが、かなり深刻な金詰まりにあえぎながら、市中銀行にお百度をそれらの係がしている。中には社長みずから重役みずからが、朝晝夜銀行の支店長幹部室に押しかけている。あるいはまた銀行の貸付係や首脳部の自宅に暮夜ひそかに押しかけているというようなことで、非常な金詰まりの現象が、年の瀬が迫るにつれまして深刻に浮き出て参つております。そうかと思うと、街頭ではこの年末を、越すに越されない年末を越すために、商店街では最後のクリスマス売出しあるいは年末売出し、中にはもうめちやくちやなダンピングさえも、やけくそのような形でやり始めているというようなところさえ、われわれは目に映ります。そうかと思うと、一方では税務署の滯納整理がだんだん深刻化して来て、中小業界に非常な脅威を與えている。こういう面がある。しかも年末だというのに中には差押えを強行されたり、また差押えをされているものの中で競売に付されて来るという、まあ悲惨なものもぼつぼつ出ている。とういう状態であります。そうかと思うと、また一般の公務員は給與の問題を中心として、年末手当の支給の一日も早からんことを望んでいるようである。また一般産業の工場でも、大体は年末越冬資金の獲得のために、至るところで深刻な闘争絵巻を繰広げているというありさまで、年の瀬迫るとともに一も金、二も金、三も金といつたような、金を中心としての地獄絵巻というような姿を描き出しております。そうかと思うと、また政府の支払いの勘定が延びて来て弱つている。そうしてその政府支払いの問題について、あくせく汗水をこの寒空に流しているというような面も実はある。こういう一連の事柄を考えてみましたときに、この年末に対する政府の具体的に率直に打つ手がありませんと、この年末を越年いたしまする国内の情勢というものも、必ずしも政府が楽観するような事態で越年はできないのではないかとさえ、懸念されるような状況もないではないのであります。そこで私は、これらの申し上げました一連の政府のただいま打つておりまする年末金融の対策、そうしてまた一方におけるところの政府の支払いの具体的な実情、あるいはまた公務員に対する年末の給與は一体いつの日ぐらいに支払えるのか、きようの参議院の本会議が終りまして成立をいたしますれば、それによりまして末端までそれらの手当がいつ届くのか、そういつた事柄につきましても、さぞかし政府は具体的に着手をいたしておることだろうと思いますので、これらの事柄についての現状、そうして年末三十一日までの間に行いまする政府の具体的な対策等について、この際できればこまかくひとつお示しおきを願い、そしてこの委員会を通じて、金々々の地獄絵巻の中に引込まれておりまする一般国民大衆への答えといたしてもらいたいということを、私はお願い申し上げるわけなのであります。
○池田国務大臣 年末金融対策につきましては、あらゆる方策を講じておりまするが、私は大体円滑に年が越せるものと見ておるのであります。給與の支払いも、できるだけ早く末端に行くように措置いたしております。これは各省によりましてある程度の違いはございますが、事務当局もできるだけの努力をいたしておると思うのであります。中小企業の金融も、日銀から別わく融資をいえしておりまするし、また見返り等からも十一月からはたくさん出るようになりましたし、中小企業の信用保険も十五日から施行したと考えております。まあ別に心配する事象は私の関係のところではございません。また常に気を配りまして、あれば適当な措置を即座に打つような準備はいたしておるのであります。
○川島委員 そういう今のお話のような抽象的なお話でなく、政府の年末に対する金融的な具体的な事柄、また政府の支払いに対する具体的な態度、あるいは税金攻勢において、一体どのくらいの徴收をする見込みであるか、あるいはまた給與の問題についても、一体幾日までには間に合わすのかというような事柄について、私はもつと具体的にお尋ねをしたい、その具体的なお話を承つておきたい、こういうふうに思うのです。
○池田国務大臣 給與の支払いは、先ほど申し上げましたように各省によつて違いますが、できるだけ早くやります。何日までという計算は所によつて違いますので、できかねますが、できるだけ早くやります。具体的な答弁とおつしやいますが、お聞きくだされば答えますけれども、今ここでどんな見込みとか、どういうふうなということになると、大分時間をとりますのでお聞きになる点を具体的におつしやつていただきたいと思います。
○川島委員 それでは申し上げます。年末の問題にからんで政府の金融、支払い、税收の問題は、非常に国民経済に大きな影響を與えるということは言うまでもない。そうして政府の年末を中心としたいわゆる第三・四半期の今日まで、及び今後十二月三十一日、年末まで行いまする金融の対策の計数、あるいはまた政府の支払いの問題についても、この年末までにどの程度の支払いを行うという予定になつておるのか、あるいはまた税收の面におきましても、この年末はどういう形で、どういう計数を目標として税金を徴收するお考えで進んでおるのかという事柄等について、私は具体的に数字をあげてお示しを願いたい、それなんです。
○池田国務大臣 政府の支払いがどれだけになるかということにつきましては、私は個々の数字を持つておりません。大体金融の梗塞の起らないように支払うべきものは、早急に払つて行くように考えておるのであります。 税收入につきましても、滯納処分で問題もございましたが、年末はみな多忙をきわめておるときでありますから、特に急ぐものは別でありますけれども、少しくらいは認めることは、これは常識の命ずるところでございまして、年末に特にひどく滯納処分をやるという気持はございません。税收入も昨日までに、十二月は三百六十億ほど入つております。この様子で行きますと、四百五、六十億くらいにはなると思います。 次に今までの政府の支払超過は、一昨日で百七億程度に相なつておりますから、今後におきまして相当の支払超過があると思つております。
○川島委員 どうも私がお尋ねをいたしております具体的な事柄につきまして、具体的な答弁がありません。もつとも大蔵大臣は、今日は漁業金融だけと考えて出たのではないかと思われる節もありますから、これ以上お尋ねしませんが、委員長にお尋ねしますが、委員会は午後はないのですか。
○夏堀委員長 これはあらためて諮りますが、午後は休んでいいのじやないかと思つております。
○川島委員 私の質問に対する答えが具体的にないので、具体的な資料でもありましたら、大蔵大臣から下僚に命じていただいて、刷りものでもけつこうですから、出していただきたいと思います。
○宮幡委員 時間もなくなりましたが、川島委員も言われますように、やはり年末金融でありますから、その問題について締め括りをして置くべきだろう、これは当委員会の当然の責任だろうと思いますので、一言二言お伺いたします。 いろいろ年末金融については議論もありまして、当委員会も、また国会も、政府も、あげてこの問題の解決に努力して参つております。日はすでに十六日になりまして、今から策を考えてもせんないことであります。要は今日まで打つて参りましたあらゆる施策が、実行の面に移されまして円滑に運用されるかどうか、こういうことになろうと思います。これには、先ほど大蔵大臣の指摘のありました中小企業信用保險法あたりは昨日発足したのであります。これが暮れこ間に合うか、間に合わないかということにつきましては大きな問題であります。従つて財政資金といわず、産業資金といわず、あるいは国家の支払いといわず、收入といわず、総合的な金の動き、こういうものをものさしではかるとしますならば、一応通貨量の問題になろうと思います。前に大蔵大臣からも御説明もあり、われわれも質疑を繰返しまして、年末の通貨量につきましては、大体四千百億、場合によると四千二百億程度までは行つてもさしつかえない、年初においてまたこれを引揚げるとも可能であろう、こういうようなことを伺つておりましたが、これがおそらく今まで考えました施策が円満に行われた、うまく行つたかということを証明する一つのものさしになろうと思いますので、今までお話をいただきましたお見通しに、現在のところ別に異変はないかどうか、この点について御説明いただきたいと思います。
○池田国務大臣 先ほど申し上げましたように、私は大体順調に越年できるという確信を持つております。通貨の発行量も大体四千百億ないし四千二百億近くまで行くのじやないか。昨日の発行高が三千六百三十六億でございます。そういたしますると、もう五百億くらいは出るのではないか。ただ私の見込みでは、少し予定よりも下くらいで済むのではないかという気がこの一、二日あります。十三日は三千五百五十億でございましたが、これが十五日までの二日間に八十億ふえた。これはただいま知つたわけであります。こういう状態からいつて、四千百億程度で納まるのではないか。それから年末までに今までの施策で処理すべき最も大きい問題は、日発の例の見返りの融資、今年度百五十億を、もう期間が少いので百億になりました。その百億を年度内に十分使つて行うこというので、年内に三十億くらいを日発に出したいというので交渉をいたしております。それから今年度内の預金全部引受の金融債二百億を予定いたしておりますが、これにつきましても、一——三月と関係方面は考えておるようでございますが、これはとんでもない話だ、十二月からやるのだというので、預金部資金を少くとも二十億くらい放出したい。それから指定預金の昨年の暮れの百億円も、銀行によりましては一——三月にかためずに、十二月から返そう、こういうような申出もあります。こういうところは銀行窓口も割合にゆたかなのではないかという気もいたしておるのでございまして、片方で引揚げると同時に、それ以上のものを預金部から出そう。これももし新規発行というのがない場合には、今まで発行した銀行の手持金融債を肩がわりしようというので、関係方面と話しておるのであります。とにかく非常に円滑に年を越させたいと思いまして、これは内輪話でございまするが、きのうの新聞に、十万円以上の預金の調べを銀行から出せ、こういうふうなことが出ておりました。おとといの晩私その新聞を見まして、昨日さつそく省議をいたしまして、年末にかけて十万円以上の預金の調べ金を、税務署に銀行から出せということはとんでもない話だ、やめろというので、預金の現在高を税務署へ富裕税のために出すということをやめさせました。株劵も同様であります。こういう問題は年末にかけてよほど愼重にしなければなりません。私が今とりました年末金融対策の最たるものは、預金の調書を出させない、出さなくても済む、こういうふうにして、そういうところまで実は心を碎いてやつておるのであります。いましばらくひとつおまかせを願いたいと思います。
○宮幡委員 私のお尋ねした当然のお答えよりも、むしろ詳しく御説明いただきまして、これ以上年末金融で結論的なお尋ねをする必要はないと思います。ところが談たまたま十万円の預金の問題に触れましたが、これは先般お役所へも伺いまして、われわれ委員の有志が懇望いたしたところである。私実は銀行局長さんに伺おうと思つておつたのですが、幸い大臣がそこまで微に入り細をうがつてお答えくださつたので、それでは一応大臣に伺つておきますが、新聞の広告で見ますと、たしか千代田銀行だつたと思います。旅行小物手というのを発行する。これは旅行する際にというので、二十万円で二百五十円かの手数料をとつて発行する小切手、これは明らかに富裕税の調査の網からのがれようというたくらみがある、われわれが若干その方に専門的であるから、そういう惡い連想をするのかもしれませんけれども、そう思われてなりません。そういうことになりますと、十万円以下の預金保護には非常に意を碎かれておりますが、むしろ当然富裕税の対象となるべき高額の貯金と申しますか、高額の資金が一応蓄積の面からはずれまして、脱税とともに何らかがたくらまれる、こういう機会を與えはしないかと思つておりますが、かようなことがもし行われるとするならば、今日まで着々として功績を上げて参りました池田財政の、これは小さな問題でありましても、汚点になるであろうと私は心配しております。これらに対しまして何かお考えがございましようか。積極的に申せば、かようなものはやめろ、こういうような手はないものであろうか。と同時にそういうやめさせたことによりまして、資金の蓄積というものに障害を来すのかどうか、これらの点について、さしつかえないところでけつこうでありますから、ひとつ承りたいと思います。
○池田国務大臣 私は税金を徴收するために、それ以上のマイナス面を出すということはよくない、角をためて牛を殺すような政治はしたくない。もちろん富裕税をとるということは、負担の公平からいつて適当でありまするが、年末にかけて十万円以上の預金をみな申し出るというようなやり方は、今の場合としてはよくないそれをやらないからといつて富裕税がとれないというわけのものでもございません。御承知の通りに富裕税は申告納税であリまして、私は納税者が十分誠実な申告をしてくださることと確信いたしておるのであります。そうしてまた誠実な申告がない場合におきましては、大した人員ではございません。あとからでも調査はできる、この際十万円以上の預金をみな出すというようなことは、年末にかけて最も避けなければならぬ。それじやあ年が明けたらやるかという問題でありますが、私は富裕税につきまして、預金の調査などを全面的にする必要は、今のところ認めておりません。来年になつてからでも、そういう調書の提出はさせないつもりであります。もしさすとすれば百万円以上とか二百万円以上というようなもので、これが実質的の財産税、いわゆるキヤピタル・レヴイーということにない意味の補完税的の富裕税といたしましては、年末にかけてそういう措置はとるべきでないという考えを持つておるのであります。 千代田銀行がどういう広告をしておるか知りませんが、そんなことをやつても脱税にはなりません。ちようど頭隠してしり隠さずでございましてかえつていろいろなてをやりますと、そのために損する場合が多いのです。私は税金というものは、あまりがみがみ言わなくても、納まるときには納まる、もし納まらぬときにはそのときに手を打てばいいので前もつて徴税が政治の中心であるという考え方は行き過ぎだと考えております。
○宮幡委員 最後に簡單なことをお伺いします。十二月三十一日の市中銀行の営業時間のおきめはどういうふうになつておりますか。
○池田国務大臣 十二月三十一日は日曜日になります。これで問題がございましたが、私はやはり銀行の公共性からかんがみて、各地方とも営業をして行くと思います。ただこの問題は地方的な問題もございますので、各地方地方適当にやつてくださることと考えておるのであります。この前、七年前でしたか、あつたのでありますが、そのときは通常通りやつておりました。今年は労働基準法とかいろいろなものがありまして、やつかいな点があるのでございますが、経済界に支障のないような方法を各地方とも、とつていただけることと期待いたしております。そうなつて行くと思つております。
○奧村委員 時間が遅れましてまことに恐縮ですが、ごく簡單に二、三お尋ねしたいと思います。日本におる六十万の朝鮮人に対する政策をどうするかということは、国内治安対策にもからんで、相当大きな問題と思うのであります。しかし今日はそれは抜きにしまして、軍に朝鮮人に対する金融の問題にのみ限定して、二、三お尋ねしたいと思うのであります。そこで、日本におる朝鮮人につきましては、第三国人とはいいながら、特に法律上、税法において、また生活保護その他の救済において、また金融その他において、内地人と同じ取扱いをしておられる、こういうふうに私は承知しておるのでありますが、その通りでありましようか。
○池田国務大臣 金融上朝鮮の方々に特別の措置をとるということはいたしておりません。内地人と同様に取扱つております。
○奧村委員 内地人と同様に取扱つておられる。これが当然と思うのであります。ところが事実において、内地人よりも不当に差別して冷遇されておるという感じを受ける部面があるのであります。特に金融の面においてさような感じがいたすのであります。それは六十万の朝鮮人の中には、一部共産党の煽動に乗るというふうなきらいもあるやに考えられます。しかし私は全部が全部ではないと思う。そこで日本に対して非常に協力的で、また日本に家も持ち、生活の基礎も持ち、事業も持つというような人々は、これはやはり日本政府として、特に日本人と差別待遇をせずに、安心して生活がやつて行けるようにして行かなければならぬ。そしてそういう親日的な人々を多くして行く。六十万全部を反目的に持つて行つたのではたいへんだ。こういう意味からお尋ねするのであります。そこでまずお尋ねしたいことは、最近に東京の銀行であつたことでありますが、政府が銀行に対して、朝鮮人に対しては金融するなという指令と申しますか、通達を出したということを承つておるのであります。よもやかようなことは私はあり得ないことと思いますが、かようなととを大臣はお耳に入れておられるかどうか、お尋ねいたします。
○池田国務大臣 先ほど内地人と申しましたが、日本人のことでございます。私は日本におられる朝鮮人の方々と、日本人の方々と、金融上の区別をするというふうなことは、全然考えておりません。金融というのは、人種の問題ではないので、信用問題、経済の問題であるのであります。従いまして、区別する気持は毛頭ありませんし、また今お話のように、大蔵省からそういう私の考え方に反しでおるような通牒は全然出ていないと思います。またそういうものは出すべきものではない。衝に当つております銀行局長から答えさせたいと思います。
○舟山政府委員 金融の業務につきまして、国籍のいかんによつて差別をつけるというような通牒は一切出しておりません。
○川島委員 関連して……。今奥村君のお尋ねに対して、大臣も銀行局長もそういう差別はないというお話です。またそうであろうと私どもは期待しておつた。ところが実際に聞いてみると、とにかく東京及びその付近で、国民金融公庫から朝鮮人の者で借入れを申し込んで、しかも借入れられた者は一人もない。それだけでなしに、朝鮮人には貸せないことになつているのだ、こういうことが事実あるというふうに私は聞いておる。そういうことに現状は実際なつております。たとえば一例を金融公庫にとりましても、朝鮮人には金融公庫から一銭も出ておらぬ。その点について局長でけつこうでありますから、お答え願いたい。
○舟山政府委員 先ほど、大臣からもお答え申し上げました通り、銀行その他の金融の問題につきましては、これは経済上、信用上の問題でありまして、貸出しにあたりまして、担保力、收益力、信用力、こういうようなものを基準として貸出しを決定しておるのでありまして、国籍のいかんによつて差別待遇をつけてはおらないのであります。ただ国民金融公庫につきましては、法律上国民のために零細金融の措置をはかるという趣旨の條文がございまして、この解釈いかんということが問題になつたことがございます。しかし私はそれはゆとりをもつて考えろというふうな指導をいたしておりますので、実際金が出ない原因としうものは、ほかの頂因にあるのではないか、こういうふうに考えております。
○奧村委員 私も実は川島委員のお尋ねになつたようなことを、しばしば耳にしておるのであります。無盡会社におきましても、あるいは信用組合におきましても、朝鮮人なるがゆえに、朝鮮人は選挙権を持たないというふうなことで、断られている件が多いのであります。しかしこれは政府の方針でない。大臣の御答弁のように、決してそういう差別はつけないということは了承しております。しかし実際の問題としては、朝鮮人に対してはいろいろな事情から不安を持つて、金融がなされない。これは実情であろうと思うのであります。このままでおいたのでは、私はこれはたいへんになると思う。少くとも日本に対して協力して、また平和に生活を営んで行こうという朝鮮人を、金融的にも育てて行けば、これらの方々にまたいろいろな朝鮮人の方々が組織的につながつて、そして六十万の大部分が日本に対して協力的になつて来る。こういうふうに施策を持つて行かなければならぬと思うのであります。 そこで最後にただ一点として、現実には朝鮮人には、なかなか金が流れない。そこで何とかここで差別待遇をしておらないということを、現実にも実行する方法がないか。これは大きく政府としてもこの際治安対策の関係からも、取上げていただかなければならぬと思いますので、われわれも研究したいと思うのでありますが、その一環として——たくさんな中小協同組合員の中に朝鮮人が二、三まじつておられる。こういう人に特別な金融は、ちよつと困難である。そとで朝鮮人の方々が中小企業をやつておられて、相当生活も安定して、また日本に非常に協力的である。こういう方々のみの団体である商工協同組合、信用組合と申しますか、そういうような朝鮮人の方々のみの組合をつくつた場合、これについては、内地人の今までの一般の信用協同組合、あるいは企業協同組合と同じように、商工中央金庫その他の金融機関から、内地人の組合と同じような取扱いで金を流すということは考えられるかどうか、これは取立てて申さなけれならぬことではないと思いますが、そこの点を明らかにして、おきたいと思います。
○舟山政府委員 信用協同組合の設立の認可につきましては、いまさら申すまでもないのでありますが、多数の預金者の金を預ることであるし、組合の基礎を強固にし、かつ経営者、信用、経験の十分な方を選ぶという方針で認可しておることは、御承知の通りであります。これにつきましては、先般法律の改正もありまして、その趣旨に従つてやつて行きたいと思います。こういうふうに信用協同組合は、ただこしらえるときのことだけを考えませずに、その後の運営ということについても、遠い見通しを持ちたいということは、私ども考えてやつておるわけであります。しかし信用協同組合につきましても、現に華僑の方だけの信用組合も認めておるのであります。しかし組合ができました以上は、法規を遵守し、そうして内容を堅実に行つていただかなければならぬということはもちろんのことでございます。 次の問題といたしまして、こういう信用協同組合に政府関係の資金を特に流すかどうかというような問題につきましては、これは一般の基準に従いまして処理いたしたいと思います。信用協同組合にもいろいろございまして、全部を一律に扱うということは現実の問題として不可能であります。しかしその際にも国籍というようなことについて差別待遇をつけることは、先ほどのお話によりましても、不当であるとうことは御同感でございます。
○夏堀委員長 この際委員長より大蔵大臣に申し入れをしておきたいと存じます。第九臨時国会は短期間にもかかわらず二十一法案を通したのでありまして、その間十分に議案の審議の時間的余裕がなかつたことは、皆様御承知の通りでございます。しかしやはりそれは通さなければならぬということで委員諸君の御協力を得て、非常にむり——特に輸出銀行法のごときはわずか一日のうちにこれを審議して、終了しなければならぬというようなことになつたのでありまして、そうしたようなことから、委員会としても今後できるだけ審議の期間を與えてもらはなければならぬという空気が非常に強い。よつて警告的の申入れとして、大蔵大臣にこの際委員会としての意向を申入れをしておきたい、と存ずるのであります。次の通常国会にはどの程度の法案が提出になるかわかりませんけれども委員会としては、でき得るだけ政府に協力し、必要な議案は通さなければならぬとは存じますが、しかしそうかといつて、審議すべき時間を與えないということは、惡い言葉でいえば、結局国会を軽視するというようなことにもなりはせぬか。しかしここにOKをとれなかつたということもあるだろうと思います。そうした場合には、これも委員会の運営の都合もありますので、さしつかえがなければ、政府に協力する意味で、関係筋の方に委員会として押しかけてもよろしいだろうと私は考えております。立法府は立法府としての建前として、本来の姿においてみずから立法の立場に立ち、そしてまた審議の時間も十分に與えてもらつて、必要な法案に対しては十分に協力し、政府もまた委員会に協力してくださることが必要である。ちようど今のこの大きな朝鮮問題という動乱のときに際しては、建設的な非常に大きな法案もこれから出て来るじやないか、それに対しては、どうしても必要な法案は通して、国民生活の安定をはからなければならぬという線に進むべきは当然であります。よつて委員会は今後その立法府としての本来の姿に立ち至つて今後の審議を進めたいと存じます。そうかといつて現在の機構においては、たとえば専門員も二十日間のうちに二十幾つかの法案を通すのに定員が五、六名、全然法案のないところもその定員でやるということは、はなはだ矛盾していると存じますので、必要によつて、非常に忙がしい委員会は、それだけにその機構の上において拡充してもらわなければならぬ、立法府としての相当な仕事竜これから出て来るだろうと思います。これに対しては政府の方からも協力してもらわなければならぬと考えております。よつて第九臨時国会において感じた私の所感、そうして委員諸君より発言になりました警告的な注意ということもこの際に申入れをして、次の通常国会においては、できるだけそうしたことのないように持つて行きたいと考えておるものでありますから、この際あらためて大蔵大臣に委員長よりこの点を申入れしておきます。
○池田国務大臣 第九国会におきましても、皆様方の非常な御援助によりまして、提出法案のほとんど半分近いものを十分御議了いただきましたことにつきまして、衷心より御礼を申し上げます。第十国会におきましても、税制改正案あるいはまた大蔵省関係の特別会計その他相当の法案が出ることが予想されておるのであります。通常国会は会期も長うございますが、今までのように法案を遅れて出すということは、できるだけ避けたいと思いまして、ただいま立案をいたしておるのであります。また法案作成にあたりましても、私はやはり大蔵委員会の皆様方に随時御連絡をいたして行きたいと思い、また関係方面の折衝にも皆様方の御援助をいただいた方がいい場合が非常に多いのでありますから、今後は今までにも増して、ひとつ御援助を願い、われわれも今までの至らないところを十分改める考えでおるのであります。この委員会は、国会切つての法案を議了する状況から考えまして、われわれもできるだけの努力をいたして行きたいと考えておる次第であります。御協力を感謝し、また将来もひとつ御協力をお願いいたしまして、委員長のお話に対しまするお答えといたしたいと存ずるのであります。
○夏堀委員長 本日はこれをもつて散会いたします。 午後零時五十八分散会