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10回国会衆議院1951/05/31

水産委員会 第38号

発言数
46
登壇者
10
会派数
2
開催日
1951/05/31

会議録

冨永格五郎自由党

○冨永委員長 これより水産委員会を開会いたします。  この際お諮りいたします。去る二十七日理事松田鐵藏君が委員を辞任まれ、翌二十八日同君が再び委員に選任されました。この異動によりまして理事が一名欠員となつておりますので、この際その補欠選任を行いたいと思いますが、選任の方法につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

冨永格五郎自由党

○冨永委員長 御異議なしと認め、松田鐵藏君を理事に御指名いたします。  次にお諮りいたします。過日岡田勢一君、久野忠治君、田渕光一君及び松田鐵藏君が委員を辞任されましたが、その後以上の方々が再び委員に選任されましたので、この機会に欠員となつております各小委員の補欠選任を行いたいと思いますが、その方法につきましては委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

冨永格五郎自由党

○冨永委員長 御異議なしと認め、田渕光一君を漁業制度、漁業経営安定、水産金融、水産資源及び沿岸漁業の基本的復興対策に関する各小委員に、松田鐵藏君を漁業制度、漁業経営安定、水産行政の充実、水産金融、水産資源及び沿岸漁業の基本的復興対策に関する各小委員に、久野忠治君を漁業制度、水産行政の充実及び水産資源に閲する各小委員に、また岡田勢一君を協業経営安定、水産金融及び水産資源に関する各小委員に、それぞれ御指名いたします。  なおこの機会に申し上げておきます。本日散会後皆さんにお諮りしたいことがありますので、お残り願いたいと思います。     —————————————

冨永格五郎自由党

○冨永委員長 これより水産金融に関する件を議題といたします。

松田鐵藏自由党

○松田委員 水産金融に関して、毎委員会において私が発言していることは、今日水産金融の問題が遅々として進まない、これは要するに農林大臣の責任である、この問題を、農林大臣の責任において一日も早く解決すべきであると、常に申しているのであります。しかして今までの経過を総合して見るのに、われわれの納得することのでき得ない現段階になつているのでありますが、幸いにしてその曙光がどうにか今後の努力によつて現われて来るような傾向が見出されているのでありまして、これに対して、先般大蔵大臣宅に、委員長初め川村、永田、私と四人で参りまして、いろいろと意見を聞いたことを、この前の委員会にも発表して皆さんの協力を仰いでおつたのであります。しかして委員会におきましては、漁業制度改革資金融通組合定款案なるものをつくつて、ここに漁業権証券の資金化を、幾分なりともはかつて行かなければならぬのではないかという観点から、この努力を今後も続けんとするものであります。しかして今日のこの資金化がかりにできたとしたならば、この取扱い窓口銀行というものが、また金融機関はどの方面になつて行くかということをも、われわれは考えなければならぬ。そうした場合において、最も各漁村に対して関係を持つている農林中金なるものがある。これを利用することが一番簡易であり、また筋道ではないかという考え方を持つているのでありますが、この農林中金において、今各漁村においては焦げつきというものを相当持つておる。もしこの漁業権証券を農林中金の筋で行つた場合において、その焦げつきと相殺されるようなことがかりにあつたとしたならば——またこれが考えられることでありまして、こうした場合においてはせつかく漁業制度の改革を実行しようという漁民の意気込みも、ここで頓挫をしなければならないことになることと存ずるのであります。こうした面に対して、官房長においては、農林中金との話合いがどの程度までできておるかどうか。さしつかえのない程度においてもし交渉されておる顛末がありましたならば、ここに速記にとめて置きたいと考えるのであります。この点お伺いしたいと思います。

塩見友之助農林事務官(大臣官房長)

○塩見政府委員 ただいまの御懸念は、われわれ農林省におつて、漁業制度改革というふうなものをこの証券の資金化によつて実行しようと考える者も、同様に抱いておるわけでありましてその点については、私の方でも中金理事長に対して、十分その点について話はしておるわけであります。もともと今お話もありました通りに、大蔵省の方としては、中金は全国的に一応漁村になじみの深い金融機関であり、資金もある程度持つておるから、この機関を使つて行くのがいいだろうという考えで、とにかく中金を使つて証券を買い取るというふうなことでやつて行きたいという提議がありましたときに、私の方から中金の方に対して、そういう意味で交渉をしておつたわけであります。その点について政府においても、また議会の強い要望もあつて、そういう点で過去の旧債と相殺しないというようなことを、はつきりと確約をしてもらわないと困るというふうなことについては、もちろんそういたします、こう言つております。これは金融機関に働く者の常として、どうしても、従来からの債権があれば取立てて、堅実にしたいという考えは、職員としては持つておるでしようし、またそれをいろいろあちらこちらで、この際水産の方から、とにかく旧債を償還してもらうのにちようどいい財源ができたという考えを持つておる職員もございますので、そういう点については、今の御疑念は非常に重大な点だと思われますので、私の方としては、それだけの話は中金の首脳部に対して申してはおりまするけれども、なお必要があれば、念のためにここへ中金理事長をお呼びくださつて、はつきりとその点をお確かめになり、また下々の職員にまで、そういう点で旧債の相殺ということに充てるような、そういうふうないざこざの起らないように、はつきりと中金理事長から指令を出してもらうというふうなところまで、ここではつきりさしていただければ、この問題は末端でのいざこざは起り得ないし、この委員会の方で御心配になつておる点も解消しやすいのではないか、こう考えますので、私の方としてはそれだけの話はしておりまするけれども、なおまた末端でのいざこざその他が起らないように、初からきれいに、漁業制度改革が軌道に乗るようにやるためには、それだけの保障をはつきりここの委員会でつけておいていただくなり、指令もはつきりと中金の方から出してもらうということが最もいい方法ではないか、こう考えられます。

松田鐵藏自由党

○松田委員 ただいま官房長の懇切なる意見もありましたので、当委員会としては、中金の理事長を次回の委員会に招致して、そうしてこの問題について中金の考えておること、また中金の行わんとする考え方を、はつきりとさしておく必要があると思うので、委員長から各委員に、中金理事長を招致することをはかつていただきたいと存ずるものであります。

冨永格五郎自由党

○冨永委員長 委員各位にお諮り申し上げます。ただいま松田委員から申されたように、湯河中金理事長を次回の委員会に御出席を求めて、御意見を承ることにいたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

冨永格五郎自由党

○冨永委員長 御異議なしと認めます。さようとりはからうことにいたします。

川村善八郎自由党

○川村委員 漁業金融については、もう私からあらためて申し上げるまでもないのでありまして、行き詰まつておる今日、何とか打開しなければならぬということは、漁民各位も叫んでおり、また委員としても重大に考えて本日までやつて参りました。また水産庁におきましても、それぞれ計画を立てて進んで参つたのでありますけれども、今日まだ解決をしないという現実であります。ところで、ちようど漁業制度改革も今や実行に移されておる時分に、漁業権証券の資金化を中心として漁業資金のまかないをするということで、それぞれ本委員会、並びに水産庁当局も運んで参つておることも御承知の通りでります。ただ水産庁のこれまで計画を立てて参つたことには、必ずしもわれわれが安心をしておまかせできないというようなものもできたのであります。しかしどこまでもわれわれは、水産庁当局とでき得るだけ協力もし、さらに水産庁当局の案を推進して、そうしてこの漁業権証券の資金化をはかつて行く、さらに漁業制度改革の促進と、これの目的の達成を期さなければならぬ、かように考えております。そこで幸い、きようこの漁業制度改革に一番先の根本をつくり上げてしかも漁業制度改革には最も理解のある塩見官房長がせつかくおいでになつたのでありますから、水産庁案のとやかくといつたようなことではなく、官房長のお考えをここに披瀝していただきますれば、まことに幸いだと思います。でき得るだけ今後の見通し等について、確定したことを申されなくてもけつこうであります。かようなところにおちつくのだということぐらいでけつこうでありますので、お聞かせ願えれば幸いだと思います。

塩見友之助農林事務官(大臣官房長)

○塩見政府委員 私数年間水産の方を離れておりまして、詳細な点は、もちろん水産庁の方がよく計画をされておるので、そちらから伺つていただいた方がいいと思いますけれども、私の方では、金融全体を一応扱つておるというふうな関係から、最近金融の引締めとか、財政的に見ても緊縮であるといつたふうな方向が非常に強調されておりまする状態で、私も漁業制度改革に一時携わつた者としまして、今度の証券の資金化というものは、とにかく水産の、ことに沿岸漁業にとつては、死命を制するくらいな大事な問題だと思つております。それで側面的に各方面と話合いをし、できるだけ当初の目的が実行されるように、これが資金化のはかれるようなことに努力して参つておりますれども、大体私の感じとしましては、やはり証券を早く買い上げてもらうということが一番大事で、とにかく買い上げなかつた、残つたものがもし売られるとすれば、大体今市場では、五分五厘の五年というものは、八十円ぐらいになるだろうという市中相場のようでございます。またこれを売らないで、普通の市中銀行その他に担保として持つて参りましても、大体荒つぽく言つても、年一割ぐらいの金利ということになつて、五年間の債券は平均三年で償還されるものと見ますれば、三年の利子を払うと、そこで三割落ちる。百円のものが、売れば八十円、これを担保に持つて行つて金融機関で借りればそこで三十円の金をとられる、いずれにせよ、そういうような点で、証券が金になる場合に不利な条件がある。その条件をできるだけよくして参ることが、非常に大事なことではないかと考えております。その点については、極力関係の方面と折衝はしておりまするけれども、まだどうやつて漁業権証券の価値を維持するかというような点については、ここで明答をいたすまでの段階には参つておりませんが、ある程度のことはできるんじやないか、またこれはどうしてもしなければならぬじやないかと考えておるわけであります。場合によりますれば、それは農林中金その他協力的に出てくれるところで、さらにそういうふうな証券資金化について、より大きい操作その他によつて、価値の維持ということに努める必要があろうと思つておりますが、何らかの処置をとれるんじやないかと考えております。まだその内容や、それをどういうふうにやつて行けるかというような点については、ここで御明答をいたす段階まで折衝が進んでおりませんので、いろいろな方法はあると存じておりまするけれども、その程度で御容赦願いたいと考えておるわけであります。なお漁業権証券は百七十数億出るといたしましても、ある組合については、その証券の資金化だけではどうしても金が足りない。もう少しそこにプラス・アルフアーがないと、漁業制度改革の目的が達成できないということが、個々の組合については起り得るると考えられますので、そういうような点については、やはり別途の低金利で融資するような方法を考えて、それによつて漁業制度の改革の目的が達成できるように、また漁村の更生というものが達成できるようにする必要がある、こう思いまして、水産庁の方では、当初は農林漁業の特別会計とは別に、水産関係漁業制度改革だけを目的とした特別会計というふうなもので、大蔵省と折衝して来られたようでありますけれども、大蔵省の方で、今のところ別機構ということは非常に困難だ、これはどうしても農林漁業の中に一応含めてやつてほしい、こういうふうなお話のしようでございます。もし委員会の方でも、それではしかたがない、とにかく大蔵省なり、その他関係の方面においてそれしかできないということならば、農林漁業資金融通法の方でプラス・アルフアーとしてどうしても必要なものは融通しよう、こういうようなお話であれば、私の方としては、その腹組みで大蔵省と折衝したいと思います。その点については両方の面を持ちながら、何とかそういう証券の資金化のみでは不足であるという部分についての金融措置を講ずるつもりで、大臣も大蔵大臣の方に強硬に折衝をされておると私は存じております。大体現在申し上げられる点は、制度改革に関連して、漁業金融の問題はその程度で、大臣は今後ともその点については極力努力して参るつもりでありますし、先ほど農林大臣の責任であるというようなおしかりも松田委員からございましたが、われわれもその下僚といたしまして、その点についておしかりのないように、できるだけ今後とも努力して参りたいと考えておるわけでございます。

川村善八郎自由党

○川村委員 ただいま官房長の申されましたことは、われわれの考えておつたことと同一であります。従つて、ぜひこれを推進してもらわなければならぬし、われわれも協力して、ぜひ実行に移したい、かように考えております。  そこでもう一つ簡単にお伺いいたしたいことは、現在水産庁で立案しておりまする農林漁業特別会計の問題で計画されておる資金化は、全部が共同施設等に向けられるような計画になつております。そこでわれわれとしますれば、もう一歩進んで、現在の漁業協同組合にいたしましても、さらに個人の漁業者にいたしましても、当面の資金の問題に非常に行き詰まつておる。これまでの個人の漁業者なりあるいは企業者なりは、漁業権が担保になつたので、銀行金融その他の金融等を受けて漁業を経営して来たのでありますけれども、漁業権のいわゆる国家買上げに伴つて、担保もできなければ、またさらに許可を受けましても、これらの担保もできなければ、人に貸すこともできない。すなわちくぎづけにされておりますので、今後漁業の経営なりあるいは漁業協同組合の運営において、資金化のよろしきを得なければ、せつかく共同施設をいたしましても、完全に漁業制度改革の線に乗つて事業ができないばかりでなく、漁業者各位も完全に漁業経営が持続できないので、せつかくの漁業制度改革も名ばかりになつて、その実が得られないということになる心配もありますので——もちろん漁業協同組合の施設等については、十分農林漁業の特別融資においてやらなければならないけれども、個人並びに会社等の企業の運営の資金も相当考えてやらなければならぬ。そうしたようなことから、官房長は先ほども懇談会でいろいろお話されておりましたが、われわれといたしましては、もう一歩進んで、別な角度から大蔵省当局に折衝をし、それらの資金の獲得をいたしたい。もちろん水産庁でさらに計画を拡大いたしまして、私がただいまお話申し上げたような資金を獲得することができれば幸いでありますけれども、これらは時間の関係もありますので、いたずらに時日を費しておつたのでは、資金が出ましても実際面には使えないという面もありますので、われわれはこれからさらに一歩前進して、それらの資金を獲得したい、かように考えております。これらに対して、官房長は、事の是非は別といたしまして、そういうお考えがあるかどうかということを、一点お伺いしておきたい。

塩見友之助農林事務官(大臣官房長)

○塩見政府委員 ただいま川村委員からの御質問の点、今度の財政的な裏打ちを持つた金融はけつこうではあるけれども、用途の方が非常に拘束されるので、水産界としては非常に苦しいから、そういう点で、今まで考えられておる財政金融以外のものにおいても、できるだけ何らかの方法をとることについて考える必要がありはしないかという意味の御質問だと存じますけれども、その点は、私も農林省に参りまして、日はまだ短かいのでありますが、各産業を全体にわたつて見て、やはり何といつても海外にあれだけ発展していた漁業というものが、非常に操業の範囲を狭められ、またもう一つはいわしの資源が減つて来たというような関係もあつて、日本の漁業界全体というものが非常に苦しい状態にある。だから現在資金がなくて各産業とも非常に苦しいとはいいながら、水産業においては、一般的に言つて特に苦しいということが言えるのじやないかと存じますけれども、財政金融については、今まであります法律その他で財政資金が運用できる金融面では、その点について先般の国会でもつて成立いたしました農林漁業資金融通法によるもの以外には、開発銀行というふうな形でございまして、そのほかには特殊な財政金融機関というものはないわけでございます。その点については、やはり水産金融的なものが非常に苦しいという状態にあれば、それだけのことを市中銀行でやるとしても、その操作方法等についてはいろいろ考え方もあろうと思います。定置等長年にわたつて考えれば、ある程度何とか採算は立つというふうなもの、またその年々の漁況によつて上つたり下つたりするというようなものについては、またそれはそれとして金融保証の機構を考えて行く。ある程度その保険の観念というものをそれに入れて行くとかいうような点については、いろいろの方法があるのではないかと存じます。どういうふうな形で行くかということは、私まだしつかりした考え方を持つておらないわけでありますが、そういうふうないろいろな点について研究して参る必要があるのではないか、こう存じております。今のところ財政金融の範囲が非常に狭められておるものでありますから、その点については、今ある制度でははつきりした御回答を申し上げられない、こういう段階であります。

川村善八郎自由党

○川村委員 もちろん今の制度では容易でないことはわかりますけれども幸い今度、八月と九月に漁業の完全な切りかえができて証券が渡される。証券の資金代については、先ほど官房長が言われたように、つまり早期買上げをさせて行くというようなことでわれわれも考えておりますけれども、これらもわれわれの要望するだけの金額で、はたして買上げができるかどうかという心配がここにあるので、一面にはいわゆる農林漁業の特別会計による既設の財政資金としてやる。そうして運用資金については買上げをしてもらわなければならないけれども、買上げの不足の場合に、さらに市中銀行等から借りると一割も損失をする、三年には三割も損失をするというようなことになりますので、結局売つた方がよい。売るとなれば農地証券と同じようにブローカーの手に渡つてしまつて、それが完全に農民の耕作等に使われずに、他の財政の資金や運用資金に行く。極端に言えばきよう中にもかわつてしまうということもあるのでわれわれはどこまでもかようなことはいたしたくありません。従つて、私たちの考えは、一面においては買上げ償還をしてもらうけれども、買い上げ償還でわれわれの要望する絶対の資金化ができないとするならば、漁業権証券を担保として、金利の安い、しかもわれわれの系統機関である中金等とよく相談をして、自主的な方法で運用資金を得たいと考えておるのでありますが、これらについての官房長のお考えはどうであるか。もう少しわかりやすく言いますと、この足りない資金をこの買上げ償還を土台として何らかの金融措置をしてもらいたいという考えと、さらに金融の場合については、この五分五厘の利息をあまり上まわらないように、安い金利で、いわゆる漁民に損失をかけないように考えていただく方法をとりたいと考えておるのでありますが、官房長はそれらについて何らかお考えがないかどうかという質問であります。

塩見友之助農林事務官(大臣官房長)

○塩見政府委員 今までのところは、できるだけ償還の方のわくを広げて参りたいということと、できれば農林中金その他において、できるだけそういうような証券が買い立てられるようなことのないように、それならばどういう方法で価値維持の操作に入つてもらつたらよいかということについて、ここではつきりと御明言できるまでの折衝が、まだまとまつておらないものでありますから、申し上げられませんけれども、何らかの方法はいるのじやないか。ことに金融の問題は、低利ということになりますれば、農林漁業の共同施設の方も、あれは七分五厘だつたと思いますが、あれには少し御不満があるかもしれません。もしそれを下げるとすれば、法律改正を議会の方でやつていただくという必要があるかもしれません。またそれ以外の面で、中金の自己賞金というようなものも、長期債をずつと出しておりますので、それで資金もある程度ございますけれども、その金利の点は、漁業資金融通法で出すものよりもやはり高くなります。それをもし低利ということになりますれば、政府の方で利子補給というような形で金利を下げる方法を考えながら、中金の長期債で集めた資金というようなものを借りられる方法が必要かと思いますが、これはやはり予算と関係があります。金利の点に関しましては、そういうような関係とも見合つて、いろいろ手段もあると思いますが、これはおそらく予算的の措置の問題で、補正予算なり、あるいは少し遅れるけれども、来年度予算の問題として考えなければならないのじやないかと思います。今のところはちよつと方法として思いつくまま述べたわけでありまして、深く考えたわけではありません。

松田鐵藏自由党

○松田委員 金融の問題がここまできゆうくつになつて、日本の経済が再びインフレーシヨンになるのではないかという懸念があるのです。今日の日本の物価の状況を見るときに、大体において七割以上の上昇を来しておる。しこうして水産においては、油においてまた綿糸、ロープにおいてその他あらゆるものにおいて、もはや七割、八割ではなくて、三十割、二十割の高騰を来しておる。一方戦後における魚価は、統制経済時代の魚価の域をわずかに上まわつておる程度にすぎない。昨年においては、統制されておるときよりも四割も五割も安かつた。今日ようやく統制されておる当時の魚価をちよつと上まわつておる程度である。かような段階になつておることは、多年水産庁で漁業の実態を掌握されておつた官房長は、よく御存じのことと存ずるのであります。そこで、日本の全体の物価が七割高くなつた。しかも水産に関してのみは、数えることのできない高い資材を買わなければならない。また漁獲は年々減退して来ておる。ゆえに五ポイントのああした勧告案も出ておるような現在の姿である。農林大臣の金融のあの構想も実現でき得なかつた状況がここに伏在しておるものと、私は解釈しておるのであります。しからば今日あらゆる努力をして、先ほど申したような方法によつて、かりに漁業制度改革に対する、漁業証券のわずかの資金化ができ、また農漁業の長期資金のわくも増されて行くとしても、それは微々たる問題である。そこで今日本のあらゆる産業のうちで、一番困つておるものはだれかと申しますれば、大きな資本、工場を持つておるもの、それから五大会社という大きな漁業会社が困つておるというのでなくして、零細漁民も困つておるが、それよりも一番日本の経済を掌握しておる中小企業者、中小漁業者、これらが非常な困り方をしておる。これらの経済の安定をして行くことが、やがてはそれに従事しておる漁業者が、安定せる漁業に従事することもでき得るし、また中小企業に就職しておる職員も、工員もやつて行けるということであつて、日本の国としたならば、一番重要なのが中小企業者であると、私は考えておるのでありますが、こうした中小漁業者においては、今日の物価高、それからあらゆる経済の動向からいつて、その資金の融資はまことに微々たる問題である。そうして今この漁業制度の証券の資金化ができても、川村委員の発言されておるがごとく、それを利用する方法もない。農林漁業長期資金のわくにも入つていない。こうした事柄からいつて、日本の一番重要な部面にあるこの中間の段階の業者に対して、これを救済し、また資金の融通をする方法が現在講ぜられていない。ただ単に、零細漁民また協同組合、また五大会社は捕鯨船もつくることもできるだろう、また大きな冷蔵庫の施設もつくることができるだろう。こうした方法によつて行くことが、一方において共同施設、一方は権力またはあらゆる方法によつて、大きな資金を獲得できる。しかるに全国で一番みじめな状況において、日本の経済を一番握つており、そうして一番苦んでおるこの中間的存在の中小漁業者に対しては、農林省としても資金を融通する方法が講ぜられていないということは、政治の面からいつて、まことに嘆かわしい次第ではないか、こうした事柄が、やがて日本の経済を没落に持つて行くものではないかと私は考えるのであります。あなたは今まで長い間水産庁におられて、今日官房長としての位置を与えられた。これこそ真に農林大臣の女房役である。今や農林行政の完璧を期するときにおいてわれわれ水産常任委員会は、また水産人は、あなたの、女房役として農林大臣を補佐する立場に大きな期待を持つておるものであります。この水産業における中小漁業者の現在の状況をよく考慮されて、これに対する政策を、農林大臣に補佐していただきたいと思うのであります。われわれ委員会といたしましても、この点に対するあらゆる努力を惜しむものではありません。こういう考え方を十分発揮されて、新しい農林大臣によつて、新しい政策をこの方面に使つていただくことを要望いたしまして、私の発言を終りといたします。

鈴木善幸自由党

○鈴木(善)委員 漁業制度改革に伴います資金の裏打ちの問題につきまして、先ほど来官房長からいろいろ御説明がございましたが、その中で、漁業権証券の買上げ償還の面につきましては、この前の大蔵大臣の答弁並びに今日の官房長のお話によりましても、大体その見通しを得たように思うのであります。ただ問題は、先ほど官房長も言われましたように、証券買上げ一本で参りますと、漁業経営の切りかえその他を行うにあたつて個々の組合なり個々の企業なりの面から見て、かりに全額証券の買上げが行われましても、経営切りかえに伴う事業を十分満し得るような資金が得られない場合が一方において起り、他面において証券の資金化を今ただちに必要としないという部面もあつて、その間を調整することも困難であるわけであります。そこでどうしても証券買上げに並行いたしまして、長期金融資金を確保する、また資材その他の買入れの短期資金もどうしてもいることになるわけであります。そこで官房長にさらにお尋ねしたいのは、先般の委員会におきまして私の質問に対する銀行局長並びに佐竹主計官等の答弁によりますと、特別会計は困難であるが、すでに設置されておる農林漁業特別会計の面については、将来において資金の拡充をして、そうして制度改革に必要な資金も、何とかこの面で見て行くように、大蔵省としては努力したい、こういうような答弁があつたわけであります。しかしこの農林漁業特別会計の資金の拡充という問題は、関係方面の承認を前提とし、将来のことであるわけでありますから、今はつきりした見通しをここに得るということは困難でもあり、私どもは、確実にそれをあてにしてこの問題を処理することはできない。そこで問題は圧縮されて参りまして現在の六十億の特別会計の中で、各農業、林業その他のあの一応きまりましたわくを変更することはできないにいたしましても、それぞれの農業なり林業なりの面から要求して参りますところの、それらの出方を勘案いたしまして、操作の面において何らかの弾力性のある措置を講じまして、制度改革に必要なる資金も、その操作によつてまかない得る道があるのかないのか、これらについても農林御当局として配慮なさつておるかどうか、この点をまずお尋ねしておきたいと思います。

塩見友之助農林事務官(大臣官房長)

○塩見政府委員 ただいまの農林漁業資金融通法の貸出先と申しますと、非常にやはり制限を受けておる、もう少しゆとりを持たせてもらいたいというふうな議会の御要望が、先般の会期中にも非常に強くごごいましたので、それで、できればこれはほんとうは新しい財源を持つて来て、あと六十億までは法律上も拡大できるわけですから、それで財政的な裏打ちをした上で、そういう御要望にこたえたいと思つたわけでございますけれども、今般の会期中にはどうしても補正予算は組めない、こういう関係になりましたものですから、私の方では、そういう強い御要望に対して、何らかの便法というふうなものを考えたいと存じまして今一応十億だけを共同施設というふうなもので資金の裏打ちにしてもよろしいということを、関係方面及び大蔵省と了解を得ておるわけであります。その共同施設の中には、その他農林大臣の指定する共同施設という項目がありまして、もちろん製氷、冷凍であるとか、鮭鱒の増殖であるとか、はつきりと項目として政令に上つておるものもございますけれども、それ以外のものでも、ある範囲において相当の弾力性を持たせて融通をできるようになつておりますが、これはただ水産だけではなくして、畜産であるとか養蚕業であるとか、その他の農業の方もそうでございます。いろいろな方面からの要望も相当強いので、要点は、ことにこれだけ重大な漁業制度改革——先ほど松田委員からもお話のあつたような、非常な水産金融のきゆうくつさというふうな点から見ますれば、その要求は相当厖大なものであり、厖大な財源を持たなければその御要求にはぴつたりとこたえられない、そのためには、どうしてもやはり資金のわく全体を相当ふくらまさないことには、ほかの農業なり林業なり、畜産、養蚕というふうなものへの相当大きい影響なしに水産へまわすことは困難である。さしあたりの処置は、そういう形で当面の要望におこたえできるようにつけてはございますが、どうしても絶対額として相当大きいものを、今日の法律で認められておる六十億をさらにとるという形を目標にして、われわれとしてはできるだけの努力をして参りたいと思つております。それについてここでまだはつきりと御明答はできませんが、ある程度のことはできるという確信を、私としては持つておるわけでございますが、これは補正予算について慎重に審議される問題と思います。

鈴木善幸自由党

○鈴木(善)委員 本日の委員会におきまして、ただいまの官房長の御答弁は、非常な収獲であつたと思うのです。この共同施設の面に、大蔵省あるいは関係方面とも協議されて、共同施設の面に十億程度を現在の特別会計の中で使い得るように決定を見ておる。しかも官房長は身をもつて漁業制度改革の立案の当初に携わつた御関係から、現在日本の沿岸漁業が置かれておる点につきまして深い認識を持たれて、その決定を見たところの十億の使途については、十分制度改革に役立つようにお考えになつておるということは、当委員会としてその官房長の労に対して謝意を表するものであります。  次にこの買上げ償還の分と、今のようなお話の点と、また将来に対する特別会計の見通しについても、官房長と銀行局長なり主計局の責任者等の御意見も、大体そういう方向に努力したいということでございまして、この点についても将来の御努力を一層お願いするわけでありますが、もう一点、制度改革に伴いましては、当然経営切りかえ等に運転資金として、短期資金も相当額いるわけであります。そこでその短期資金をまかないますために、現在の漁業手形の制度をほんとうに法制的な裏打ちの上に立つところの、確立された制度として運用するということも、非常に大事な点であると考えるのであります。この漁手の制度としての確立の問題を、前々国会以来当委員会で研究して参りましたけれども、フアンドの面でそのせつかくの計画が実現することができないで行き悩んでおるわけであります。この漁手のフアンドの確保について、官房長として何らかいい、実現の可能性のある腹案でもおありになれば、それをお聞きしたいと思うのであります。

塩見友之助農林事務官(大臣官房長)

○塩見政府委員 私参りましてから、農林、水産の関係において一番窮迫しているのが、金融の部面ではやはり長期資金の問題になつておると思います。それから資金融通法の特別会計の関係の方も、そういう点に焦点が置かれておつて、開発銀行等においても、やはり長期資金の関係でありましたのですから、その点に大体重点を置いて今まで努力して参つておりました。短期資金、あるいはそういうふうな運転資金については、まだ十分な研究をやつておりません。農業手形その他についていえば、これはやはり供出制度等もありますものですから、日銀の方で再割をやつてくれるという関係から、資金の裏打ちがあるわけでありますけれども、そういうふうな点についていろいろと検討をしてみないといけないだろう。ある場合には、非常に信用のある強力な団体等がありますれば、そこが発行した手形をある程度農林中金も、また最後的には日銀も再割をやつてもらえるというふうな形に持つて行ければ非常によいわけなんですから、それにはそれだけの信用力がなければならぬ、こういう状態であろうかと思いますので、そういうふうな点にはまだ十分な検討をしておりませんので、ここにただちにお答えを申し上げるわけには参らぬわけであります。何らかのそういう方法が、ほかのあちらこちらの産業においても必要になつて来ているかと思いますので、そういう点は今後検討してみたいと思います。

鈴木善幸自由党

○鈴木(善)委員 もう一点だけ官房長のお考えをお伺いしておきたいのであります。それは漁業権証券の買上げ償還、それからただいま御答弁がありました農林漁業負金融通特別会計からの共同施設、漁価安定対策その他の資金の融通、その他買上げ償還を政府が国債整理基金からこれを買い上げるほかに、なおほかの金融機関を通じて有利に資金化の道もお考えになつておるようでありますが、いずれにいたしましても、これらの証券の資金化と財政資金からの融資というような面で、総合的かつ計画的に資金の確保をはかりまして、制度改革がほんとうに円滑に、しかも出した資金が、効率的に制度改革のために、沿岸漁業の安定振興のために使われるということが必要になるわけでありますが、農林省としては、どういうぐあいにこれら資金の操作を計画的、かつ効率的に行くように運用して参る御方針であるか、その点もお聞きしておきたいと思います。

藤田巖水産庁長官

○藤田政府委員 ただいまお話のございました証券の買上げと不足分の財政的な融資、それらを総合いたしまして初めてこの経営の切りかえが完全に行われるというような見地から、特別会計を考えておつたのであります。しかしながらそれが非常に実現困難でございます。われわれといたしましては、次善の策を考えざるを得ない。その次善の策といたしましては、これはやはりどういたしましても水産庁がその間に立ちまして、ちようどこの新しい漁業権の免許、許可ということも調整委員会でだんだんと決定され、府県知事において決定されて来るわけでありますが、そういうふうなものと絶えず連絡をとつて、それに必要な所要資金の全体をにらみながら、買上げ償還の分、あるいは農林漁業資金融通特別会計の分を相互に関連をもつてにらみ合いながら、その間において調整をして行くというふうな仕組みを、やはりやつて行く以外に方法はないと思つております。

冨永格五郎自由党

○冨永委員長 井之口委員。

井之口政雄日本共産党

○井之口委員 漁業行政全般、並びにとりわけ漁業金融の点について、ひとつ官房長に質問したいと思います。

冨永格五郎自由党

○冨永委員長 井之口委員に申し上げます。できるだけ議題に限定して御質問願いたいと思います。

井之口政雄日本共産党

○井之口委員 なるべくならば連関性のある質問をしてみたいと思います。先ほど松田委員からも、半分は明瞭に、半分はきわめて不明瞭に、日本の漁業の置かれている危機の状態を訴えられておりましたが、まつたくきようなんかの新聞を見ますと、日立という一工場とアメリカの間には、大きな契約がとりかわされて、年に十八億からの注文品が軍需生産として行われる。しかも資材並びにその金融面には、至れり尽せりの将来の保護がすでに予約されておるかのごとく、われわれは拝察するのであります。こういうふうなことが行われるとすれば、農業並びに漁業方面がおろそかになつて、日本の農業並びに漁業方面はほとんど崩壊状態に陥るということは、今からでも予想されるのでありますが、これらの根本的な問題に対して将来いかなる方針をもち、決意をもつて日本の漁業並びに農林一般を救済して、国の繁栄をはかろうとされているか、その方針をひとつ承つておきたい。かつこの漁業金融の点につきましては、最初にこれはいろいろ出ておりまして、国民金融公庫風なものをこしらえ、無担保で、ほとんど銀行取引のないような零細漁民並びに中小の漁業家に対して資金の融通を行い、長期的なものも与えれば、短期的なものも与えるというふうな計画は、最初にあつたようでありまして、これは非常にけつこうなことであり、そうでなければ今日の漁業は金融が円滑に行かないと思つております。またそれを実行するにつきましては、えてして政治的な方面に利用されるのは、従来の復興金融金庫において見た通りであります。そういう点はひとつ防止することにしたい。漁民自身がこれを管理するような制度をこの中に入れておきましたならば、この不正は防止されると思いますが、将来やはりそういうふうな公庫風のものをつくられる意思があるかどうか、それともそれは一切やめてしまつてそういう方面には全然計画を立てようともなさらないかどうか、この点をひとつお尋ねいたしたいと思います。  次に何か商業銀行風なものをこしらえて、その商業銀行風なものから、漁民に対してこの金融をするというふうなのが出て来たようでありますが、そうするためには、今日の漁業制度を効果あらしめて、漁業協同組合が真に経済的な基盤を持つていなければ、なかなかそういうふうなものに対する資金の融通は円滑に行かないと思う。ところがその問題も、とうとうお流れになつてしまつてどこかに行つてしまつた。われわれは今漁業協同組合は、農業におけるところの協同組合よりは、もつと進んだ協同化の形に進み得るものと思つております。しかるに漁業協同組合は、多額の負債を負つておるのみならず税金が重く、いろいろな資材その他の点、資金の面でも困難性があつて、所期の目的を貫徹することができないような方向に日々進んで行つております。そうしたならば、せつかくの漁業制度におけるところの改革も、水泡に帰してしまうことは明らかだと思う。しかるに他方においては、五大会社のごとき大きなものは繁栄して行く。しかし中以下のものは、漁業においてはますます圧迫が強まつて参りまして、零細漁民の方は配給米さえもとれなくなつておるというのは、各地においてわれわれが見るところであります。これを金融面からどういう方針をもつて救済して、漁業の円滑をはかろうとなさるのでありますか、その点も伺つてみたい。  次に出て来たのは、特別会計で漁業権証券を資金化してやつて行きたい、こういうような考えも出て来たようであります。ところがすぐぶつかる問題は、もしこれを資金化して——資金化の一番手近かな手ごろなものは、買上げて即時償還してしまえば資金化が手取り早いのでありますが、そうすると、それが今日の漁業協同組合の負債として差引かれてしまつて、また漁民のふところには入らないで、大金融資本家のふところを肥やすというような方向に流れて行く。そこできよう松田委員からも、それを非常に懸念されて、そういうことのないように、あるいはひもつきなり何なりの確約を——大蔵大臣ですか、だれですか、ここに出て来てもらうことになつておるそうですが、たといそれが行われましても、そういう方法をもつてしては、今日の漁業権証券の目的を達することができない。元来漁業権証券を発行したその目的は、自由党においては、物価の高騰を防止するとか、あるいは即時現金をもつて古い封建的な漁業権を買上げるということの不当を認識されたために、漁業権証券をもつて買上げを実行するというふうな方針をとられたものだと思います。それが初の二十五年から、今の三年以内に買上げ償還するということになつて来ると、この根本方針も矛盾すると言わなければならぬ、しかしそうかと言つて、事実中小の漁家、漁業協同組合に入つて現実に漁業をしておる人の資金の欠乏ということは、動かすべからざる事実であつて、これは資金を融資しない限り、将来の漁業の発達はあり得ない。今日の政府は一進も二進も行かないような状態に立ち至つておるのであります。そういう場合に、一般的な自由党の方針と買上げ償還の実施とはどういう関係にあるのか、その点もひとつ聞かしてもらいたい。  それからこの買上げをするにつきまして、不労地主的な、封建的な性格を持つた従来の漁業権の所有者、新しく漁業に入つて行かないような人たち、こういう者に対して、三年以内にこれを買い上げてやるというのは、実に漁業制度の改革を無に帰してしまうような結果に立ち至ると思います。むしろこういう人たちに対しては、無償で政府が取上げるということが、徹底した漁業制度の改革だと思うのでありますが、そういつたことは考えられないで、むしろ買上げが実行せられるのは、今のような漁村におけるところのボス並びに不当な人たちにまわつて行く危険性が十分にある。これを防止するような方法は考えておられるのかどうか、この点もひとつ考えてもらいたい。  さてさらに漁業権証券による金融という問題とか、あるいは買上げ償還をあつせんするというような単なる目的をもつて、ここに資金の融通組合法というようなものを制定しようかということになつておるのですが、遂に漁民に対するところの金融政策はこういうところにまでなり下つてしまつて、国家的に何ら漁民を救済しようということではなくて、各地方団体の〇〇県において買上げ償還のあつせんをするとか、あるいは漁業権証券による金融のあつせんをするとか、これはとうとうあつせん者の口銭かせぎの法案になつてしまうのだというような結果に立ち至つておりますが、これでは日本の漁業に対する金融ということは全然不可能になつて来、将来ますます漁業は荒廃に陥つて来ると思う。しかるに一方軍需産業に対しては、どんどん融資もされれば資材も供給される、それには外国からの輸入もどんどんされ、あるいはまた賃金の引上げもやられるということをなすつておるようでありますが、これは農林行政全般の中で最も重要なる部分として、漁業の状態をわれわれは徹底的に救済するように考えなければならぬと思う。これでまず私の質問の要旨を終つておきます。

塩見友之助農林事務官(大臣官房長)

○塩見政府委員 今、日立等と対比して漁業、農業等についての御質問がありましたが、その点については、事務当局としてとても大きい問題過ぎてお答えができないので、農林大臣あるいは大蔵大臣、安本長官等にお聞き願わないと、国全体としての政策についてはお答えしにくいと思います。それから個々の問題等については、審議会やその他の方からの御要望も非常に強いし、われわれとしても、そういうものが将来できればできた方がよいのじやないかと思つておりますけれども、これはもちろん立法も必要だし、国全体の財政金融等の関係において決定される問題でありますので、それはここでは、どういう時期にどうとかいうことはないけれども、私も水産には相当の関心は持つておりますし、大事な産業として必要であればそういうふうなものは、国全体の状態が許すようになりさえすれば、もちろん今捨てたというふうなことであきらめる筋であるとも思つておりません。それからあと金融の方についていろいろとお尋ねがありましたけれども、多くは今まで御質疑があつた点についてお答え申し上げたようなものと重複するような点もございます。  最後に無償で買上げ償還をするということでありますが、これもやはり法律で、国会の方できめられたことでありますので、事務当局としてどうこうと言う筋合いのものではありません。そのあとの御質問も事務当局としてちよつとお答えしにくいような問題が多いので、その程度においてお答え申し上げるほかないと思います。

田口長治郎自由党

○田口委員 漁業制度改革の資金につきまして、財政資金が必要であるということは、これは最も重大な問題でありますし、またこれなくしては、制度改革のほんとうの推進ができないわけでございます。ただいま官房長の話によりまして、この問題解決の曙光があるように考える次第でありますが、この農林漁業資金融通特別会計から出る場合において、官房長のお話では、製氷、冷蔵というような共同利用事業が非常に重要であり、これを推進したいというお気持ちのように考えるのでございます。これは魚価の安定あるいは漁獲物の完全なる利用という面から申しまして、最も重大なる問題でありますが、この漁業制度改革そのものについて、漁村の最も望んでおる財政資金からの資金は、結局漁業の協同化に要する資金だと思うのでございます。官房長の今までのお話では、この資金のうちで製氷、冷凍に重点を置いて、漁業の協同化に要する資金については割合に軽くお考えになつておるようでありますが、われわれの見るところによりますと、漁業の協同化の資金がまず第一に優先されなければならず、そのあとに製氷、冷凍が来るように考えます。その点明確なるお考えを御答弁願いたいと思います。  それからもう一点は、農林漁業資金融通特別会計の法律ではありませんが、政令の方で、水産組合の共同利用事業については何もうたつていないように考えるのであります。先般私は前官房長にお目にかかりまして、あの特別会計の使途をもうちよつと広範囲にすると、漁船その他についても利用ができるが、そういうことについてあの会計を設定される当時において、先方といろいろ折衝されたか、またその後どういうことになつておるかということについてお伺いしたのでありますが、その当時もいろいろ折衝しており、また塩見官房長になられてからも、多分その点を折衝しておられると思うというお話があつたのであります。しかし今のままでは、制度改革の資金に不自由なく、あらゆる方面にあの資金を持つて来るということはどうしてもむずかしいように考えるのでございますが、この点について先方と折衝されましたかどうか。もしされなければ、適当に自由に融通ができるようにあの政令を改正される御意思があるかどうか、この点をお伺いしたいと思います。

塩見友之助農林事務官(大臣官房長)

○塩見政府委員 私の話がまずくて、あるいは製氷、冷凍の方を重視するようなふうにお受取りになつたのだとも存じますけれども、今までの農林省の方針としては、制度改革その他水産で特殊に必要なものは、水産業独自で特別会計をつくつて行くのが一番理想だというふうな形で進んでおりましたものですから、農林漁業資金融通法関係の政令等をつくりますときには、そういうふうな関係のものは一応落して、それ以外のものというような関係で規定されておるというところから、製氷、冷凍というものしか現在農林漁業資金融通法の政令には載つておらないわけであります。しかしながら漁業の協同化であるとか、必要な場合における漁船というものは、それ以上に必要性があるということは、私ももちろんそう感じております。もし現在の方向として——大蔵大臣がこの間回答されたそうでありますが、別途の特別会計が困難で、資金融通法関係でそれをつくるというふうなことになりますれば、もちろんそういうふうな点で、現在の政令でもその他農林大臣の特に指定する共同施設というふうなものがありますから、その指定に基いて範囲はかなり弾力性を持つておるわけでございますけれども、特に漁業制度改革のためにはつきり明示された項目が必要ということになれば、政令においてそういうものを明瞭にしてもよろしいと思いますし、範囲においても、ある幅を持たせることは現在でも可能なわけであります。政令の改正が必要とあれば、それをやつてもよいだろうと思いますが、今までのところ、できれば水産業については、特別の会計を一つ別に持つた方が、いろいろ仕事がやりよいという方針をとつておりましたので、農林漁業資金融通法の規定の中にそれがないということだけでありまして今日においてもある幅は持つております。なお、もしそれがそつちの方でということになれば、政令改正なり、あるいは必要によつては法律改正なり——金利等の点については政令だけでは片がつきませんので、もしその必要があれば、法律改正というようなことになるかもしれません。そういう点等について、もし農林漁業資金融通法の方で予算等も決定されて、資金の裏打ちがあれば、そういう点についても法律改正をやつて参るのが当然かと考えられます。

田口長治郎自由党

○田口委員 特別会計のもつと重点の問題と、それから政令の改正と、この二つの問題につきましては、ただいまの官房長の御答弁を了承いたす次第でございますが、この資金につきましては、今日まで本委員会あるいは小委員会、あるいは政府各方面でいろいろ御研究になりました結果、先ほど鈴木委員からの発言がありましたように、大体特別会計とそれから買上げ償還、一般金融機関による融資、この三本が浮かび上つて来るわけであります。そしてこの資金だけは、とにかく漁業の協同化、いわゆる制度改革の点だけに重点的に使用されなけばならない。こういう特殊の金融でもありますし、この三本の道を何らか統合して行くということで、従来から水産プロパーの特別会計ということを考えておられたのでありますが、それがいろいろな情勢で実現困難だということになりました今日におきましては、先ほど水産庁長官が答弁されましたように、官庁としてその点十分注意をするということでありますが、これは官庁だけではどうしてもいけないのであります。その官庁とタイアツプをする何らかの団体がなければいけないと考えます。またこの資金を、旧債に棒引きされてしまつては困るという問題もあります。系統団体だけでありますと、またいろいろな考え方もありますけれども、系統団体ばかりではなしに、漁業者の資金の関係もありますし、これらのものを総括いたしまして、そうしてほんとうに官庁とタイアツプのできる機関を持たなければ、この資金をほんとうに目的通りに使用させること、いわゆる資金の効率的な利用と的確なる使用ということができないと考えるのであります。先ほど井之口委員から、どうもだんだん成り下つて、あつせん事業にまで下つてしまつたというお話がありましたが、これは最近井之口委員がこの委員会あるいは融資懇談会、こういう方面に、他の用事で忙しいために出られないで、この金融の内容についてまだよくおわかりにならない点もありますし、またここに出しておりますところの組合そのものの内容が、どういうものであるかということも御存じなく発言されたと思うのでございますが、ただいま申しましたように、この三本の線を総括する、そうして救済の線を引かれない系統団体外の世話もしなければならない、こういうような意味においても、われわれは今皆さん方の手元に配付しておりますところの、漁業制度改革資金融通組合定款案、仮称でございますが、内容は長くなりますから申しませんけれども、結局各府県単位によりまして、そうして漁業協同組合、あるいは漁業協同組合連合会、あるいは漁業生産組合、漁業者、こういうものを会員にした漁業権証券の買上げ、償還のあつせん、この証券による金融のあつせんと、前二号による資金の計画的、効果的運用の指導、この三つの事業を目的としたかくのごとき組合をつくらなければ、どうしてもうまく運営がつかないと考えるのでございます。これはいろいろ小委員会及び有志の水産委員で研究した一つの案でございますが、この案をもつて大蔵省その他と折衝をいたしたい、こう考えるのでございまして、当委員会においてこの問題を御承認願うようなおはからいを、委員長においてやつていただきたいのでございます。また折衝いたします際には、官庁においてもできるだけの協力をお願いしたいと思うのでございますが、これについて官房長及び水産庁長官の御答弁を、あわせてお願いいたします。

冨永格五郎自由党

○冨永委員長 この場合委員各位にお諮りいたします。  ただいま金融小委員長田口君から、漁業制度改革資金融通組合定款案を一応委員会において了承して、これを現実化することに努力願いたいということでありましたが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

冨永格五郎自由党

○冨永委員長 御異議なしと認め、さようとりはからうことにいたします。  この場合水産庁当局から御発言がありましたら……。

藤田巖水産庁長官

○藤田政府委員 この案については私まだ拝見いたしまして間がございませんので、研究をいたしておりませんから、十分研究をさせていただきたいと思います。

永田節自由党

○永田委員 前国会後、われわれ水産委員が国政調査のときに報告いたしましたように、豊前海の浅海干潟の問題であります。これについて、その後どういうふうになつているかは申し上げるまでもありませんが、瀬戸内海は機船底びき類似の横行はなはだしく、沿岸の漁民は困窮の極に達している。これを救済するのには、沖合いはるかに二里も三里も干上つてしまうので、こういうような魚田の開発による以外にないのであります。これについて水産庁はどの程度まで調査を進められ、どういう処置を講じておられるか、説明していただきたいと思います。

松任谷健太郎農林事務官(水産庁漁政部長)

○松任谷説明員 永田委員からお尋ねのございました豊前海の問題につきましては、お話の通り瀬戸内海の福岡、大分両県にまたがる地先海面の開発の問題でございますが、その中に非常に浅海を持つている。しかしながら従来非常に積極的な利用をはかられず、放置されているようなうらみがございますので、本問題につきまして、かねてから永田委員は熱心にお取上げになつて来られた結果、最近特に大分県側におきまして、官民ともにこれが開発に非常に熱意を見せて参つているわけでございます。昭和二十五年度から県は高田町に浅海増殖指導所を開設いたしまして、六名の職員を配置いたし、二十六年度約百万円程度の予算を計上して、豊前海における主として浅海増殖の指導に乗り出して参つている現状であります。水産庁といたしましては、ただいま永田委員からお話のございましたように、かねてからの御要求等もございまして、高度に集約されている瀬戸内海の中におきまして、広大な浅海がほとんど未利用のままに放置されていることについて大いに関心を持ちまして、永田委員とも打合せの上、四月上旬調整第二課長を派遣して、現地を視察させた次第でございます。その結果大分県側に水深五メートル以内の浅海約一万五千町歩ほどございますが、そのうち干潟面積が約五千町歩ございます。大部分はのり、かき、あさり、はまぐりといつたものの養殖に非常に好適の土地であることがわかりましたし、また増産を阻害するような決定的な要素も見当らないというような条件もございますので、これが開発を積極的に推進しなければいかぬという、調査の結果結論を得て帰つて来ているのでございます。積極的にその増殖事業を大規模に奨励する段階になつて参りますと、当然の問題といたしまして労務配分の見通しの問題とか、あるいは種苗需給関係の問題とか、あるいは生産品の販路の見通しについての各般の経済的な要素を、十分に調査、研究した上でやらなければならぬというようなことも考えられますし、また生産技術的な調査の面について見ましても、たとえば地区ごとに最も適当な種類を選ぶための前提となる棲息実態調査といつたような問題、あるいは泥質の調査、あるいは海流の調査といつたようなものを、厳密に調査を実施する必要があろうと考えられるのでございます。従いまして、本年度におきましては、とりあえずそれらの調査事業に対しまして、三十万円の補助金を大分県に交付するという予定を立てているのでございまして、先般これも県の方に内示いたしたような状態になつているのでございます。なお今後の推進方法といたしましては、永田委員からのお話の趣旨を十分尊重いたしまして、明二十七年度以降に逐次必要な予算を計上する、また関連する金融の問題等につきましても、考えて参りたいと存じております。

永田節自由党

○永田委員 水産庁においても、われわれ調査団の報告をよく重んじられまして、熱心に御研究、かつまた御立案になつた労を多とするものでございますが、遺憾ながら、予算の面におきまして七百二十万円が本年度計上されておりますが、七百二十万円のうちわずか三十万円しか大分県に入れておらないのはどういうわけでありますか。また七百二十万円というものをいかように配付なさつておられるか。ただいま松任谷漁政部長の御説明を聞きますと、豊前海の今後の具体的措置といたしまして、棲息実態調査ということの御発言があつたのでありますが、はたして広範囲にわたりますところの棲息実態調査に関しまして、国庫補助三十万円程度のものでどの程度の仕事ができるというお見通しでございますか。

松任谷健太郎農林事務官(水産庁漁政部長)

○松任谷説明員 お話のように調査の結果に基きまして、各種の資料の前提となる経済上の問題、あるいは基本的な生産技術ないし調査といつたような面を、今後極力やつて行かなければいかぬということになるわけでございますが、何分予算の問題につきましては、大体二十六年度の予算施行の段階に入つておるわけでございまして、この分にのみ経費をさいてしまうということもできかねておりますので、この実施そのものにつきましては、非常に大切なことであり、永田委員の前々からの御要望に全面的におこたえ申し上げねばならぬというふうには考えますが、本年度におきまする実施といたしましては、さしあたり三十万円程度の調査費でとにかく調査を基本的にやりまして、二十七年度から本格的な予算を計上してやつて行きたい、こう水産庁として考えております。

松田鐵藏自由党

○松田委員 私は官房長に対してお伺い申し上げる。当委員会は水産委員会であつて、この干潟の問題に対しては、水産委員の立場からいつて、いろいろ考慮して行かなければならないものであるが、私は国会議員の立場から申し上げてみたいと思うのであります。大分県の干潟の状況を昨年調査して見ております。また有明海の状況も見ております。近くは千葉県のあの干潟の状態も見ておるのであります。こうしたところから考えまして、日本の国は誤れる戦争によつて領土を全部失つてしまつた。今われわれの狭い領土にああした干潟がある。この干潟を水産に使つて行くことが、日本の国の経済、食糧問題からいつて、一番適当であるかいなかを考えてみなければならない問題ではないか。一方において、石の一つもないようなオランダの国が、ノルエーから石を持つて来て、五メートル以内のところを埋立てをして農耕地として開拓しておる。こういう状況から見て、日本においてもあの何万町歩もある干潟を国の力によつて埋立てをし、そうして農耕地とすることが、最も日本の食糧問題解決のために重要な問題ではないか、私は自分の考え方からいつてそう考えるのであります。日本の政府は今さような考えを持つていない。私が永田代議士の選挙区である大分県に行つたとき、もはや漁民が沖合いに出ても、一日に一貫目か二貫目の魚よりとれない。これをこうして漁民の救済をすることが是か、またこれを国の力によつて埋立てをして漁民を農民とかえて行くことが是かという問題で議論されたので、その点に対して私も同感の意を表したものであります。先ほども申し上げたように、官房長は農林大臣に対する最も重要なる役目を持つておるものであるから、日本の農業経済、また水産経済というものを考えたならば、漁田開発を考えるよりも、農耕地として漁民に安楽なる生活を送らせる方法を考えるべきでないかと考えるのでありますが、政府としてどういうようにお考えになりますか。また考えなかつたとしても、今後の方針として、私の意見に対してどういうお考えを持たれるか、承りたいと思います。

塩見友之助農林事務官(大臣官房長)

○塩見政府委員 これは責任を持つたお答えになるかどうかわかりませんけれども、やはり浅海増殖の問題は非常に大事である。フアイブ・ポイントにも抵触しない増殖でありますから、どこにも文句のないものであつて、できるだけ財政措置と資金融通というようなことをやるように努力すべきである。私もその点については同感でございます。また浅海増殖で行つていい部分に対しては浅海増殖をやる、干拓をして漁民にも土地を与えることが現在そこで生業を営んでおる漁民に有利であるという地帯に対しては、干拓を大いにやる。漁業との関係、浅海増殖との関係をはからつて十分検討して、この方法をやつて行くということが最もいい方法だと思います。その点については、農林漁業資金融通法においても、先々をも十分見て行く必要があると思います。また農林大臣がこの間九州をまわられたときにも、その点については現場をいろいろ案内しながら、ずいぶん強調したわけです。その点については、とにかく徳川時代の間にやつた仕事に対して、明治以降のものがあまりに少いではないかと言つて、大臣も各地でそれを強調されたような次第であります。その点については、農林省としても、浅海増殖とのにらみ合いにおいて、できるだけのことをやることはいいことだと思います。     —————————————

冨永格五郎自由党

○冨永委員 水産庁から発言を求めております。昭和二十六年度補正要求額に対する説明を許します。

松任谷健太郎農林事務官(水産庁漁政部長)

○松任谷説明員 お手元にお配り申し上げております昭和二十六年度補正予算要求額につきまして、簡単にお話申し上げたいと思います。  この補正予算の問題につきましては、本予算の国会通過以後の情勢といたしまして、国会においてその後成立いたしました法律の施行に伴う予算、あるいは五ポイント勧告等の遂行上必要な予算といつたようなことが考えられて参りまして、ぜひ本年度本予算のほかにこれだけの予算を計上いたしませんと、法律の施行も五ポイント勧告の問題も実行ができないというふうな性格を持つわけであります。  内容的に申しますると、法律施行の関係の予算といたしましては、船舶職員法改正に伴います漁船乗組員養成事業、それから協同組合法の一部改正によりまして定例検査を行うということになるわけでありますが、それに対する職員の充実、事業の実行というような予算の問題、それから農漁業再建整備法の成立に伴う予算の計上の問題、第四番目は漁船法の改正によります漁船の認定事務費、漁船登録の検認事務に関する予算の計上の問題、第五番目は漁業法一部改正で有明海に調整事務局を設けることになりましたので、その予算を計上することにいたしました。この五問題が大体法律を施行するための予算として計上要求をいたしておるわけでございます。  それから法令の実施上必要な予算といたしましては、漁業法の海区委員会、中央審議会、補償委員会、あるいは内水面管理委員会等の委員の手当の増額の問題が出ておるわけです。それから北海道の小樽等に取引所の開設が行われますので、それに必要な予算を計上する。それから国際捕鯨条約の加入に伴いまして、それの準備の予算、その他研究所の充実、演習地における補償の問題が要求されておるわけであります。それから本年度の国会におきまして成立を見越しましての予算の要求といたしましては、真珠養殖事業振興の関係、資源保護法の関係、あるいは漁業共済基金制度の関係といつたような三つのことが予定されるわけであります。  最後の問題といたしまして五ポイント計画実施についての予算というようようなことで、ここにもございまするように、中型底びきあるいはさんま旋網、バツチというような関係、あるいは漁業取締り強化の対策でございますとか、小型底びきの整備の問題、それから水産改良普及事業の問題、浅海増殖等の問題、こういうようなものが五ポイント関係の必要予算として要求しておるものであります。  大体以上各種の予算項目につきまして、それぞれ金額を計上して、現在本省の会計課を通じ、大蔵省の方に提出しておるわけでございます。このうち大蔵省は予算費でどの程度あるいは流用でどの程度、補正予算でどの程度考えるかということにつきまして、審議を今後やつて参るということになるわけでございます。いつもいろいろと御指導、御援助を賜つておりますが、よろしくお願いいたします。

川村善八郎自由党

○川村委員 ただいま御説明になりました昭和二十六年度の補正予算でございますが、いずれも内容を見ますと、適切な補正予算要求であります。ところで、一、二お伺いいたしたいことと、さらに私の意見もつけ加えたいことがあります。  漁業制度改革に伴う事務費であります。これについては、当初からわれわれは予算措置ができるかどうかといつたことを相当水産当局に質疑を行つたのでありますが、当時その予算措置はできるとはつきり言明しておる。われわれはできないと見て、できるだけ漁業制度改革を実態に即して簡易な方法で、しかも効果をねらおうというので、鈴木委員を中心として、漁業法の改正の原案に対する大修正を加えようとしたときに、これらに対して水産庁は反対の意思を表明して来たのであります。なかんずく北海道の漁業調整委員会の問題については、当初われわれは、支庁単位に漁業調整委員会を設置すべし、しかしながら現段階において必ずしも支庁単位とすると、北海道は広範囲であるから、二筒町村なり、三筒町村なり、あるいは支庁単位で行くなり、そこに調整よろしきを得なければならぬ、こう言つたにもかかわらず、これをしりぞけて、北海道を百四十九海区にするという意見で進んで、途中で何か司令部から勧告されたというので、あとでは四十九海区かになつた。こうしたようなことを見まして、当時を顧みますと、予算がまつたく計画に沿うておらない。また当初われわれは予算はなかなか獲得に容易でないということについて、勧告的意見を出しておるにもかかわらず、これをまつたくしりぞけておる。今度の漁業制度改革によりますところの金融の問題もしかりであります。水産庁がこれまでとつた態度は、委員を怠避するがごとき態度で進んで来た。今日この莫大な補正予算がはたして通るかどうか懸念されます。極力われわれはこの予算獲得のためには最善の努力を払うものではありますけれども、苦しいときには委員会に持つて来てやれと言う。そうして当初自分たちの案を立てて、われわれの意見を述べると、それを拒否するがごとき態度をとつておる。こういうふうに委員会と水産庁との間に意見の相違が多々あつたために、いかに漁民が不幸を見て来たか。今度の予算を見まするに、当然国家が当初予算に組まなければならぬものが多いのであります。しかるに当初からわかつているこの漁業制度改革の調整委員の手当の問題とか、あるいはその他の経費の問題等については、確信あるかのごときことを今日まで言つて来た。ところでこの資料を見ますると、莫大な予算になつておる。いたし方ないといたしましても、今日まで水産庁は委員会を無視した感があるということを指摘せざるを得ないのであります。今度もかような態度で来まするならばわれわれ委員会といたしましては、相当の決意をもつて水産庁に臨まなければ、跡始末、すなわち悪い言葉でいうとしりぬぐいばかりしなければならぬ。私たちが常に申し上げる通り、水産庁と委員会とは、一体となつてすべてのことに当らなければならぬという気持を、まつたく無視しておるようなことは、実に遺憾とするところであります。どうか予算の獲得については、これまでとつて来た態度を改めて、水産委員会と水産庁とは渾然一体となつて、大蔵当局並びにその池関係方面に働きかけることが最も適切な方法でなかろうか、かように考えますので、私はこの補正予算の要求に対しまして賛成はするものでありますけれども、一応の意見を申し上げる次第であります。

永田節自由党

○永田委員 ただいま水産庁からお出しになつた昭和二十六年度補正予算の要求一覧表の中で一点お伺いしたいことは、真珠養殖事業の振興といたしまして一億一千八百万円を計上いたしてあるのであります。私はこの真珠養殖事業云々ということを見て、二、三の業者と会見いたしまして、その内容を検討したのでありますが、まず結論から申し上げますと、かような資本主義的な一部の悪質業者に対して国家が補助を与えることは不適当だと私は認める。そこで水産庁にお伺いいたしますが、私どもの調査によりますと、御木本真珠店は戦争中以来数億に上るもの孝横流ししておる。しかも——これはよくわからないので今私研究しておるのですが、戦争中に企業合同をいたしまして、合同真珠というものができ上つておる。そこに関連いたしまして、そのときストツクを全部封印された、その封印を御木本は破つて処分しておる。こういう事実があるというのですが、これに対しましては、合同真珠側は御木本真珠店を告訴しておりますまた逆に御木本側では、合同真珠側は終戦後相当量のものを外国に横流しをしているということを指摘いたしまして、この問題も今日司令部のCID並びに警視庁において調査中であります。このような封印を破つたり、故意に横流しをしたという事実を水産庁は御調査になつたことがあるのですか。そうしてその調査に基いて納得が行つてかような予算を計上されたのかどうか、その点を伺いたい。

松任谷健太郎農林事務官(水産庁漁政部長)

○松任谷説明員 ただいまのお話の点につきましては、私どもまだ不明にしてそういう事実を承つておらないわけでございますが、よく係官等に調査をいたさせまして、その事実の有無等について調べたいと存じます。

永田節自由党

○永田委員 すこぶる慎重を要する問題であります。しばしば水産庁は過去において重大なあやまちを繰返しておりますので、あやまちのないように御注意を申し上げただけの話でありますから、十二分に御検討願いたい。われわれ委員会においてもそれぞれの機関を動員いたしまして慎重にこの問題は検討いたしたいと思います。

冨永格五郎自由党

○冨永委員長 本日はこの程度にとどめます。次会は明後六月二日午前十時より開会いたします。なお次の委員会が今国会の最後の委員会になると考えますので、その際各小委員長よりそれぞれ小委員会の経過について御報告を願いたいと思います。  これをもつて散会いたします。     後午零時五十三分散会

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