P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
10回国会衆議院1951/05/19

水産委員会 第33号

発言数
61
登壇者
8
会派数
1
開催日
1951/05/19

会議録

冨永格五郎自由党

○冨永委員長 これより水産委員会を開きます。委員各位に御了承願いたいと思いますが、ただいま本日の午前十時から大蔵委員会と連合審査会を開催いたしておりますので、御了承願います。  本日出席の政府委員並びに説明員、参考人をお知らせ申し上げます。水産庁次長山本豐君、経済安定本部公共事業課長中尾博之君及び経済安定本部技官下林一雄君、参考人として旭冷蔵社長樋口寅太郎君が出席いたしております。

松田鐵藏自由党

○松田委員 中尾課長にお尋ねいたします。先日委員会でいろいろと議論されました二十六年漁港の新規の分に対する、その後の経過は、安本としてどのようなところまで進んでおられますか、御説明願いたいと思います。

中尾博之経済安定本部建設交通局公共事業課長

○中尾説明員 お答えいたします。先日御説明申し上げましたときからあとの過程をかいつまんで申し上げますと、あれから継続の分の検討を終りまして、それを水産庁の方に内示いたしました。ただいま水産庁の方でそれを御検討中という状態であります。その結果さらに相談になると思いますが、仄聞するところによりますと、そう大して意見の相違はないようであります。非常にわずかな問題になつております。従いまして新規のわくもほとんど確定に近づいております。

松田鐵藏自由党

○松田委員 そういたしますと、水産庁が安本に対して認証を得るように提出した内訳の、内地の六十一港、北海道の二十一港に対して、大体継続のわくがきまれば、その後はあまり操作の面に対して異論はないと考えてよい、こういうことでありますか。

中尾博之経済安定本部建設交通局公共事業課長

○中尾説明員 今の総額につきましては、おおむね動きません。動きましても、せいぜい、三百万円の問題かと思います。それから港数につきましても大差ないと思います。中のいじくりその他が若干ございまして、最後の整理を今いたしておりますが、大差はないと思います。

冨永格五郎自由党

○冨永委員長 安定本部に対する御質問は一応これで打切ることに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

冨永格五郎自由党

○冨永委員長 御異議なしと認め、経済安定本部に対する質問を打切ります。

冨永格五郎自由党

○冨永委員長 永田委員。

永田節自由党

○永田委員 見返り資金の問題で長官を呼んであるのだが、見えないのはどういうわけか。また水産庁は質問に対しはたして責任をもつてお答えができますか。

山本豐農林事務官(水産庁次長)

○山本(豐)政府委員 長官は今連合委員会に行つておられますので、御希望でありますれば呼んで参ります。われわれでも答えられる範囲のことをお答えいたします。

永田節自由党

○永田委員 それは次長において責任をもつてお答えできますかということです。

山本豐農林事務官(水産庁次長)

○山本(豐)政府委員 それは質問によつてでありますけれども、できる範囲のことは責任をもつてお答えいたします。

永田節自由党

○永田委員 前国会からそのままになつておりましたところの、旭冷蔵工業に対する見返り資金放出の問題でありますが、しばらくの間一問一答の形でお願いしたいと思います。  まず水産庁に伺いますが、水産庁といたしましては、その当時旭冷蔵工業株式会社に対しまして、見返り資金の放出を内閣に申達するにあたりまして、慎重に職務を完遂し、その間毫末も不正はなかつたのか。

山本豐農林事務官(水産庁次長)

○山本(豐)政府委員 われわれといたしましては、きわめてまじめに、何らたくむところなくやつたつもりであります。ただ問題は、前の会社の一つの存在が、旭冷蔵という名前をもつて申達しておりました点が、国会その他の方で、いろいろ論議になりましたので、それらの御忠告も受入れまして、結局するところは、ちやんと登記できてから閣議の了解を得るような運びになつたわけであります。そういうように多少の行き違いといいますか、われわれは手続についてもう少し慎重であればよかつたのでありますが、その点は、われわれといたしまして、御心配をかけたことはまことに申訳ないと思つておるのであります。しかし結論するところによりまして、皆さんの御忠告なり、その他のいろいろな条件を入れまして、最終的には閣議に申請したのであります。

永田節自由党

○永田委員 この書類を受付けた日にちはいつでございますか。

水野榮農林事務官(水産庁生産部水産課長)

○水野説明員 昨年の十月七日に、東京魚類ほか一件の融資あつせん方の依頼を受けております。

永田節自由党

○永田委員 旭冷蔵としては……。

水野榮農林事務官(水産庁生産部水産課長)

○水野説明員 旭冷蔵となつてからですか。これは三月七日に東京魚類が旭冷蔵へ名義変更の依頼を受けまして、三月十四日、大蔵省、日銀と関係方面にこの旨を通知しておるのであります。だから三月七日に受付けたことになります。

永田節自由党

○永田委員 この間受付けてから閣議に上程されるまで、調査期間は幾日になうておるのですか。

水野榮農林事務官(水産庁生産部水産課長)

○水野説明員 三月の二十二日に一応閣議に提出いたしまして、そのときは留保になつたのでございます。それから……。

永田節自由党

○永田委員 一問一答で行きましよう。かような厖大な見返り資金、しかも慎重を期さなければならない性質のものであるにかかわらず、調査の日数がすこぶる僅少に失するというようなお考えをお持ちにならなかつたのですか。

水野榮農林事務官(水産庁生産部水産課長)

○水野説明員 われわれといたしましては、旭冷蔵の性格につきましては、わずかな期間ではございましたけれども、一応検討をしてみたのでありまして、ほかのこれと同時に提出されました案件数件ありましたことと、それからまた本年度の見返り資金の結末をつける必要から、どうしても至急にやらなければいけないというふうな情勢に迫られておりましたので、その間、期間は少いと思いますけれども、できるだけ調査をいたしたわけであります。

永田節自由党

○永田委員 見返り資金をこの会社に放出するにあたりまして、額面が八千八百万円というふうに了承いたしておりますが、旭冷蔵工業の事業計画の内容等とにらみ合せまして、この数字はすこぶる妥当なものとお認めになりましたか、どうか。

水野榮農林事務官(水産庁生産部水産課長)

○水野説明員 相当厖大な融資でございまして、見返り資金から八千八百万円、それから勧銀から三千七百七十万円ということで、一億円を越える計画でありますが、これが前の東京魚類というような会社では、われわれとしてもちよつと不安があるのでありますが、今度資本も充実されまして、これは旭冷蔵となりましたについては、相当信用もあるように見受けましたので、融資に決定したわけでございます。資本金がたしか一千一百万円と記憶しておりますが、こういうふうな増資の手続といいますか、資本が充実をいたしましたので、われわれとしては、そういうふうな決定をしたわけでございます。

永田節自由党

○永田委員 妥当と認めたのですね。

水野榮農林事務官(水産庁生産部水産課長)

○水野説明員 妥当と認めて融資をいたした次第であります。

永田節自由党

○永田委員 そうしてこの旭冷蔵工業株式会社なるものの見返り資金融資の方は、はたして的確に債務を償還する能力ありと認めたか。これを伺いたい。

水野榮農林事務官(水産庁生産部水産課長)

○水野説明員 この点につきましては、非常に推定が加わるかと思いますけれども、われわれといたしましては、東京市場におきますところの現在の入荷の状況なり、それから取扱高等から推しまして、この会社がまじめに業務を運行して行けば、立地の条件もいいので、償還できるのじやないか、こういうふうに判断をいたしまして、融資に決定したのであります。

永田節自由党

○永田委員 しからばお伺いいたしますが、かような厖大な政府の資金の融資を仰ぐにあたりまして、債務の償還能力がありというふうにお認めになつた以上は、この会社の事業計画というものを御検討なさつたことがありますか。

水野榮農林事務官(水産庁生産部水産課長)

○水野説明員 これはわれわれといたしましては、一応計画書に基きまして検討はしたつもりでおります。

永田節自由党

○永田委員 その計画書の御提出を願います。  引続きまして、その当時のこの会社の冷蔵施設の設計図面であるとか、あるいは工事施工主であるとか、並びにこの工事費はどのくらいに計画されておつたのでありますか。

水野榮農林事務官(水産庁生産部水産課長)

○水野説明員 最近の計画書を持ちませんが、施設といたしまして、凍結が日産十トン、それから冷蔵能力が二千トン、製氷が日産五十トン、こういう計画になつておりまして、施工主の点につきましては、今ちよつと記憶にございませんし、それから設計図面はきようここに持つて来ておりませんので、後ほど委員部を通じましてお手元に差出したいと思つております。

永田節自由党

○永田委員 見返り資金の放出にあたりまして、立地条件といたしまして、もちろん敷地がなければ冷蔵庫の建設はできないのでありますが、敷地はいずれの所に所有して、その坪数は幾らでありますか。

水野榮農林事務官(水産庁生産部水産課長)

○水野説明員 敷地は現在の東京中央卸売市場の中の築地側の東支川寄りの空地でありまして、面積四百坪ということになつております。この前この委員会で私御説明したときには、現在都の冷蔵庫のありますその西北でありますが、その都の冬蔵庫の拡張の予定地がきまるだろうということをこの席で申し上げたのでありますが、その後都に対してただしましたところ、ただいま申し上げました築地側の東支川寄りの基地現在不二食品株式会社が使用しておるところのその背後の地の四百坪ということがわかりましたので、この前の予定地と申し上げたのをここに変更いたしまして、そういうふうに御報告いたす次第であります。

永田節自由党

○永田委員 御説明によりますると、最初昭和二十六年の三月二十日東京都中央卸売市場長中島儀平なる者の証明を求めまして、水産庁に出ておりますところの書類の敷地用地と、この四百坪というものはまつたく地域が別というふうに了承してよろしゆうございますか。

水野榮農林事務官(水産庁生産部水産課長)

○水野説明員 場長の予定をしておられたところと、現在きまつた敷地とが同じかどうかということにつきましては、私ここではつきり申し上げるわけに行かないのであります。

永田節自由党

○永田委員 参考人にこの点だけについてお尋ねいたします。が、さきに御提出になりました当時の敷地と、ただいま水野課長の御説明になりました四百坪というものは、地域的にまつたく異なる場所と了承してさしつかえございませんか。

樋口寅太郎旭冷蔵工業株式会社社長

○樋口参考人 ただいまの御質問ですが、同一市場の中でございます。市場の中で距離といたしましては二町くらい離れておるかと考えております。坪数は四百坪でございます。

永田節自由党

○永田委員 初めの坪数は……。

樋口寅太郎旭冷蔵工業株式会社社長

○樋口参考人 初めの坪数は大体四百七十坪でございました。

永田節自由党

○永田委員 三月の十四日に水産庁は、旭冷蔵工業より見返り資金放出の申請書を受付けた。同日その会社、すなわち旭冷蔵工業株式会社なるものは、日本国のいずれの地に実在し、資本金は幾らで株主はどういう方たちであるか、水産庁に対してお尋ねいたします。

水野榮農林事務官(水産庁生産部水産課長)

○水野説明員 十四日にはまだ会社は成立いたしておりませんで、発起人総会が十七日にできたのでありまして、われわれといたしましては、旭冷蔵工業株式会社の成立は三月の二十九日、創立総会を終つた日にできておつたのでありまして、どこまでも発起人ということで、発起人総代つまり将来できようとします旭冷蔵工業株式会社の設立発起人総代樋口寅太郎ということで、すべて事務を進めておつたわけでありまして、正確に申し上げますれば、三月十四日にはまだこの会社はできていないということになります。

永田節自由党

○永田委員 そこで大体私の質問は終るのでありますが、かように逐一検討して参りますと、水産庁においては、また参考人においても、まつたくでたらめなことをおつしやつておられる。第一、最も重要な問題は、見返り資金の八千八百万円は、少くとも敷地が基礎になつて、事業の計画ができて、それに基いて、この地所が三角であるか四角であるか、坪数のいかんによつて工事費も違つて来る。その基礎的敷地の問題が解決しないで、いきなり頭から八千八百万円というものをきめておる。しかも参考人としては、最初は四百七十坪であつた、今度は四百坪だと言われる。承るところによると、八千八百万円並びに勧銀の三千三百幾らというものは、四百七十坪を基礎として計画されたものであるということが認められる。また調査日数がきわめて僅少であるということについては、水産庁の御答弁ははなはだけしからぬ。旭冷蔵の内容はすでに検討が済んでおるということを先ほどおつしやられた。そのことは速記にとどまつておると思います。のみならず、聞き捨てならないことは、見返り資金を年度末なるがゆえに急拠放出しなければならないというお考えであることであります。この見返り資金というものは、すこぶる慎重を期して有効に使うのが、その生命である。しかるに総花的に早く出さなければというふうな時間的の観念でおやりになられたということについては、われわれは承服できない点がある。この点はあらためて議論するつもりでございます。また三月の十四日に書類を受付けた、その受付けた当時においては、いろいろとお話がありましたが、ともかくも旭冷蔵というものができておらない、完成しておらない、設立されていないということは事実です。そういうことになりますと、まつたくこの問題は徹頭徹尾詐欺を目的として行われておるということが言い得るのです。業者が見返り資金を希望することは、相当数の事業家が希望しておる。五十数社に上つておる。その五十数社というものは、少くとも半箇年以上の内容の調査、信用の調査というものが厳重に行われておる。しかもその中でようやく認められたのは、わずかに今回においては九社にとどまつておる。しかもこの九社の放出資金の借入れというものの、合計が八千万円と聞いておる。この会社のみが一社に限つて実に八千八百万円、かような差別は一体どこから出ておるのであるか、それを聞こう。その数字が妥当と思うかどうか。

水野榮農林事務官(水産庁生産部水産課長)

○水野説明員 基礎的な敷地がまだ決定を見ていないのに、こういう見返り資金の放出を決定したということは、調査粗漏ではないかというお話でありましたが、これはわれわれといたしましては、初めの予定坪数四百七十坪が四百坪で決定をしたことにつきましても、どこまでもこれは初めの四百七十坪で先ほど申し上げましたような施設ができなければいけないのでありますが、四百坪ありますれば、先ほど申し上げました施設をつくるのに十分であるというふうにも考えられますし、四百七十坪というのが初めから決定しておらなければいけないのでありましようが、これも見返り資金がほんとうに決定をするまでに、その程度の面積のものがきまればいいんじやないか。またその間のいきさつによりまして、東京の市場の場長も大体敷地はめんどうを見るというようなお話がありましたので、われわれといたしましても事務を進めていたわけであります。なお三月十四日には設立しておらない会社を目的にして見返り資金を出したということは、調査の粗漏であるし、事務的にも非常に手落ちがある、こういう御質問でございますが、この点われわれといたしましては、まつたく架空の会社を問題にしておるのではなくして、東京魚類といつた会社がありましたので、それが資産的にも信用的にももつと強固なものにされることが、銀行方面からも要望されておりまして、そういうふうな手続がとられておるのであります。私どもは、最終的に閣議決定になるまでに、そういう会社ができ上るものだというふうに信じまして、事務を進めたわけでございます。

永田節自由党

○永田委員 参考人にちよつとお伺いいたしますが、この敷地という問題は解決したのでありますか。したとするならば、契約書というものがありますか。幾らで借りたとか、幾らで買い取つたとかいうふうな書類はありますか。

樋口寅太郎旭冷蔵工業株式会社社長

○樋口参考人 それはあります。それは場内の四百坪、月額坪五十円で借りました。東京都の所有地でありますので、あそこは借地でございます。

永田節自由党

○永田委員 それはいつですか。

樋口寅太郎旭冷蔵工業株式会社社長

○樋口参考人 それは五月十四日付で都知事から指令書をもらつております。

永田節自由党

○永田委員 五月十四日にようやく土地が決定した、それをさかのぼつて三月三十日に閣議で決定した、これは一体どういうことなんでしようか。これは水産次長にお伺いしますが、土地がないのに閣議で決定した、決定はどうでもいいのですが、あなた方が内閣に申達したということは、どういうことですか。今あなたが御承知のように御本人が正直におつしやつて、五月十四日に坪なにがしでようやく契約ができた。しかるにさかのぼつて三月十四日に完全なものができたとして、あなた方はお扱いになつておるが、それは一体どういうことなんですか。

山本豐農林事務官(水産庁次長)

○山本(豐)政府委員 これは先ほどからも水産課長からるる申しておりまするように、全然架室なものではなくして、いわゆる前身の東京魚類というものがあつたわけでありまして、その事情からいろいろ事務的に御趣旨に沿わぬ点が出て来たと思うのであります。今も永田委員からもお話がありましたが、われわれとしましては、ひとり旭冷蔵だけの問題ではなくて、この見返り資金の取扱いにつきましては、一方ではいろいろと関係するところが多いために非常に時間がかかる。そういうわけで、われわれとしましては、できるだけ親切に早くやつてやらなければならぬという気持が一方にあるわけであります。また一方には、そう軽率に扱つてはいけない点もわれわれ十分わかつておるのでありますが、そういうふうな事情でいろいろと御趣旨に沿わない点が出て参つたのだろうと思います。

永田節自由党

○永田委員 他の委員もいきりだつておるようでありますから、あまり私ばかりやるといいところがなくなつてしまいますから、いいかげんにやめますが、たとえばこの水産庁のとりはからいというものは、単なる見込みでこれはおやりになつているのです。私らはこの事実は驚いているのです。今日の日本の行政といたしまして、わが国は水産行政の強化拡充以外にないと思つている。しかるに水産行政の当事者において、すべて単なる思いつきとか見込みとか、何か相場みたいな、投機みたいなもので定められたところの、法律を無視して行政を執行せられるということは、たいへん私は危険だと思う。大体結論に入りますが、この見返り資金というものは、各業者が水産庁に向つて申し込み、それにあたりまして、この問題となつておる旭冷蔵工業株式会社なるものはまつたく事実無根のことを書いて出している。その前身が東京魚類であろうが、日本魚類であろうが、ジャパン魚類であろうが、そんなことは問題でない。三月十四日を基準にしてわれわれ議論しておる。その当時まつたくない幽霊会社だ。その幽霊会社のめんどうを君たちは見なければならぬという理由はどこにあるか。事実ないことを記載した。すなわちこの不実の記載は公文書偽造だ。しかもその目的が詐欺だ。これを詰めて堂々と内閣に向つて申達する。それに至つたところの事務を取扱つた水産庁はこの事実を認めておりながら、われわれあらかじめ警告をしておるにかかわらず、なおこれをかえんぜず、反省することもなく、強引にこれを押し進めたということは、公文書偽造の罪は水産庁においてのがれられない。しかも業者と結託してこの金が出たとするならば、諸君らは詐欺の共犯になる。かようなことが民主主義の政治の今日、事前に、金が出る前に、われわれ国議員として国民の代表として国会にある以上、これをそのまま見送るわけには絶対に行かない。要するに問題は、官僚が思い上つて法的の処置を誤つておるということになる。われわれは決して諸君らを責めるのではない。また一部悪徳商人を責めるのではない。問題はこの見返り資金を放出することにぼくらは反対なんだ。どうか本委員会においては旭冷蔵に関する限り、見返り資金が旭冷蔵株式会社に放出されることは、本委員会の名誉、権威にかけても閣議決定を取消すということを決議をしてもらいたい。そうしてその旨を内閣に申入れ、回答をここで御披露願いたい。さらに先の委員会におきまして、閣議決定の書類を本委員会に提出するよう求めておきましたが、その書類を拝見いたしたいからここに出していただきたい。私の質問は追つていたします。

田渕光一自由党

○田渕委員 そこでこの一億二千五百七十万円という金は出てしまつたのかどうか。

水野榮農林事務官(水産庁生産部水産課長)

○水野説明員 また事実上は出ておらないのです。

田渕光一自由党

○田渕委員 私は非常に水産庁が熱心に事務を進められたという御好意は、公平無私にやられているならば言いたくないが、三月十四日に受付けた書類は、登記の謄本がなければ見返り資金に対して、法人としての書類はできていないということは事実だ。創立総会を招集されたのが三月二十九日で、登記の謄本がまだ添付されてないものが三月二十三日に決定したいということは内閣の責任です。かような問題がかつて通産委員会において小滝炭鉱の見返り資金に対してわれわれ同僚田中議員と追撃したが、この通産委員会でやつたのではとうてい問題にならぬから、当時の考査特別委員会に出せと動議した。これは水産委員会でやつても問題にならぬ。かような問題は、謄本も付さない書類を受付けることが間違つている。これは東京魚類が名義を変更しているものだ。名義を変更したかどうか、手続の完備してない書類を受付けてとうとう閣議決定にまで追いやつたことに対しては、行政庁の責任でもあろうし、またどういう矛盾があつたかということも、閣議の申達書類を見なければならぬ。閣議が決定しなければともかくも、閣議が決定したものは単なる農林省令じやない。日本政府としての意思が決定しているのだから、少くとも閣議の決定取消し要求ということになつて参りますが、その前にもう少し慎重に調べたいと思う。少くともここにスキャンダルがなかつたかどうか、もしもありとするならば、われわれ水産委員会を水産庁がなめたとするならば、これに関しても関連して家坂長官はそうされたかどうかわからぬが、当時の最高責任者である長官はよしているが、事務当局が残つている。いずれにしても私の疑う点は、法律的に具備しない登記の謄本ができている。すべて登記をもつて、第三者に対抗できるというわが日本の民法の規定が存続する以上は、どうしてもその不備の書類を受付けたというところに何か親切の度を越したところのものがないかということを、国民に納得するように明らかにしてもらわなければならぬ。これは少くとも行政監察委員会にまわされて慎重に審査した方が、この決議をするとかいうことよりもいいという動議を提出いたします。

松田鐵藏自由党

○松田委員 参考人にお伺いしますが、場内の土地というものは一坪幾らという非常に貴重な土地であります。私も市場に関係がある者であつて、よくその内容はわかつております。この四百坪の土地というものを借りるにあたつて、坪五十円でもつて借りている。ただこれだけでは借りられるものではないと私は考えております。前の賃借者がこの土地をどのような目的で使つておつたか。またそこに建物があつたか、確かに賃借者はあるはずだ、これに対してある程度の談合金というか、そういうものがあるはずだと私は考えている。この点は素地のままの所を借りたものであるか、それともまた他の人々が借りておつた所を借りたものであるか。それに対してどのような話合いになつてこれをお借りになつたか、この点を伺いたい。

樋口寅太郎旭冷蔵工業株式会社社長

○樋口参考人 今般私の方で拝借いたしました土地四百坪は、場内の今更地になつております。同時に私の方の冷蔵庫を建設いたしますにつきましては、東京都が現在非常な要望を持つておるのであります。ということは都の現在市場内にあります冷蔵庫の収容能力は二千トンであります。おそらく御承知と思いますが、神戸には三千五百トンの場内冷蔵庫があり、大阪は六千トンあります。不幸にして東京は現在二千トンしかありません。都の方は増設すべく五年間にわたりまして都の予算を計上しましたが、これがことごとく都会を通過しなかつた。冷蔵庫の増設ということに対しては、都当局は深甚な要望を持つておりますにもかかわらず、予算の関係でできませんので、今般幸いに見返り資金の御許可がありましたので、現在五十円の月掛け賃で四百坪拝借いたしました。

松田鐵藏自由党

○松田委員 重ねてお伺いしますが、先日私と永田代議士とあなたの会社にお伺いいたしました。旭冷蔵株式会社という会社が創立されて、一千万円の資本金があつて、どこが事務所かと思つて調査に行つたのであります。旭冷蔵株式会社という会社は、登記面にははつきりこうして書いておつて、できておりましたが、この八千八百万円の見返り資金の放出を受ける会社の事務所というものは、旭冷蔵株式会社という看板も出ておりませんので、実はどこであるかと思つてずいぶん探したのでありますが、どういうわけであの木の看板に書いておつたものを室内の隅つこにほうつておいて、どこであるかわからないようにしておつたか。そこで何名の社員がおられて今仕事に従事されておりますか、それを承りたい。

樋口寅太郎旭冷蔵工業株式会社社長

○樋口参考人 事務所は私の方の会社の中にはありません。先般御両氏がお見えになりましたときに、旭冷蔵の看板はありましたが、私の方の旭冷蔵の事務所は、東京都の冷蔵庫の中に、九坪の事務所を借りまして、そこに看板が掲げてあります。  それから事務員は現在三名おります。建築の設計、計画をやつておりますので、まだ本格的な仕事にはなりませんで、現在事務員としては三名おります。

松田鐵藏自由党

○松田委員 よくわかりました。私はただいままでの永田委員の質問に対して、前の委員会の当時においてもいろいろとこの問題は論議されたのでありますが、時間の関係上、代議士会もあるので、きようは時間を節約したいと思うので、内容を申し上げませんが、永田委員の意見からいつても、私もこの旭冷蔵工業株式会社というものは、東京魚類では見返り資金の放出の資格のないものであるがゆえに、旭冷蔵工業株式会社というものをつくるべく考えておつた、かように考えるのであります。また説明員からもそうであつたのであります。そこでその名儀もまだ登記もできていないのに、架空の会社をもつてこれを申請した。しかもまた、ただいままでの説明から行きますと、土地も架空であつた。今日はきまつたかもしれませんが、さようなことで、三月の十四日当時において—もつとあとでもよろしい、三月二十三日の閣議で保留され、二十七日の閣議においても保留された。この現実の二回の閣議においても、いまだにこれは架空の会社であり、架空の土地であつた、かような面から行きまして、この会社に対する見返り資金放出の問題に対しては、永田委員と同様に、当水産委員会はこれを取消すことに私は賛成をするものであります。

冨永格五郎自由党

○冨永委員長 委員各位にお諮り申し上げます。永田委員並びに松田委員の発言はきわめて重大であり、委員長としても、関係閣僚並びに党内の意見をまとめる必要があると存じますので、午前はこの程度にとどめまして、午後一時から再開いたします。暫時休憩いたします。     午後零時五分休憩      ————◇—————     午後二時十九分開議

冨永格五郎自由党

○冨永委員長 午前に引続き会議を開きます。  委員の出席が少いので本日はこれにて散会いたします。次会は来る二十二日火曜日午前十時より開会いたします。     午後二時二十分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗