水産委員会 第25号
- 発言数
- 79 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1951/03/27
会議録
○冨永委員長 これより水産委員会を開きます。 永田委員より質疑の通告があります。これを許します。永田委員。
○永田委員 水産庁長官にお伺いします。二十五年度分の見振り資金のうち、水産物高度利用の解除に関しまして、日本政府をまつたく経由しないで、直接関係方面と交渉して閣議に提出になつておる、あるいは提出の運びであるというような、いわば日本人にして日本人にあらざるような考えをしておるべらぼうな会社がある。これらの会社の国籍はどこの国に属するか、それを説明してもらいたい。いやしくも今日われわれの祖国日本という名前をうたつている以上は、何ゆえに日本政府の正しい指示を受け、調査のもとにこの解除を申請しなかつたか。その理由もまた説明してもらいたい。なかんずく旭冷蔵工業、旧東京魚類の見返り資金の解除の件は、たまたまその申請の書類のうちに文書偽造の事実を認めておる。そこで昨日私並びに松田委員は長官に対して警告を発しておる。その書類の内容を検討して正しければよし、不正ならばただちに善処すべしということをかたく申し入れてある。われわれは祖国の水産業界のためにさようなことは黙過することはできない。その大なる理由としては、この見返り資金というものは、われわれの血のしたたる一滴の苦しい金である。しかもこの旭冷蔵というものは幽霊会社ではないか、いつどこに会社ができた、一千万円増資して、すべつたころんだと言つておるが、どこにその会社があるか、登記がどこにできておるか、また地所もない、その地所は東京都と契約ができておるというが、その契約書を拝見すると契約書ではないのである、それは予約の書類である、予約ということは本契約ではない、あくまでも予約である。後日状況が変化したら、これはキヤンセルになる場合もある、そういうことが想像される。さような不実のことをまことしやかに捏造した文書、すなわち偽造の文書——要路の大官ともあろう水産庁長官が、何ゆえにこういうふうな書類を閣議に提出するのかということを警告しておいたのであるが、きのうから今日に至るところの、その後の経過と君の考え方をちよつと説明してもらいたい。
○家坂政府委員 見返り資金の重要度につきましては、まつたく永田委員の言われる通りであろうと思います。それで水産物高度利用の用途に入れまするためには、私どももその選択に非常に考慮を払つて参つておつたのであります。それでただいま旭冷蔵のお話があつたのでありますが、この会社はまだ創立しておらないことは事実であります。しかしこれは旧東京魚類並びに日本魚類がおもなる発起人となりまして、この二十九日には創立総会の運びになつているのでありまして、私はこの会社が必ずできるものと考えて申達を出しておるのであります。 それからその土地の問題でありますが、現在まだ契約が成立しておらないのも事実であります。しかし都においても、開設者においても、土地を魚市場区域内に求めさせることについては十分考慮を払われておつて、確かに獲得せしめる予定であるという証明もしておられるような状態であります。そうした二つの観点から、この会社が適格者であるということで、閣議に提出するような段取りを今つけているわけであります。それでいろいろ司令部側といかような交渉があつたかは存じませんが、私どもとしては、水産庁に申請があつたものでありますから、ただいま御説明申し上げましたような見通しを持ちまして、これが適格者として申達の手順を取運んでいるわけであります。
○永田委員 聞き捨てのならない一件は、司令部側から指示があつたから、それをそのまま有資格者として申達をした、こうおつしやいますけれども、ことごとく司令部の言うことについては、あなた方はそういう方針で行きますか。将来ともそういう方針でやるつもりであるか。かりに司令部側からこの会社をつぶせという内示があつた場合は、それをうのみにして、その会社をあなたはつぶすお考えであるか、またわれわれ敗戦国といえども、日本人の今日の立場として、さように日本政府というものが権威のないものであるか。この三点について君の率直な回答を求めたい。 さらにお伺いしたいことは、日本政府が責任を持つて調査する場合は——かような見返り資金を放出せんとするにあたつては、責任を持つて十二分に調査をしなければならない。それにはあなたがいかような人格を備えておられる人か知りません。神に近い人かもしれませんが、ただいまあなたから御説明のあつたような、いわば思惑で希望的に将来を見通して許可の申達をすることは、まさに職権濫用もはなはだしい。もし君が人間であるとするならば、ここで反省をしなければならない。また敷地の証明があると言うが、証明があるならそこに書類を出してごらんなさい。私が調査した範囲ではそういう証明はありません。これはあらかじめのお約束で、私の見た書類ではそういうものはアラウアンスを得ずに契約した、承諾するというような、他のたくさんな会社の内容調査と特に旭冷蔵工業の場合は取扱いは異なつている。しかも文書偽造であるという情実を知りつつ君がそれをとりはからつたことはどういうことであるか、みすみすこれは刑事上の犯罪を犯している。実にわが国憲政史上ゆゆしき問題である。かような結果にならないことをきのう私は注意した。その注意されたことについて君が何ら反省していない。さらにその罪を犯さんとしている。この件について君はどういうように考えているか。
○家坂政府委員 今の会社につきましては、司令部側の指示にのみ基いたということではないのでありまして、私どもも当初から、この見返り資金を決定するためには、もちろん国内的の各関係省の了解も得なければなりませんし、また筋といたしましては、私どもから原案を安本に提出いたしまして、なお安本からは大蔵省並びに日銀あたりとの交渉によつて諸事進められることになるわけであります。それで先ほども申上げましたように、この会社が適格者であるというゆえをもちまして、私どもが進めたのでありまして、もちろん司令部側の、当局者の指示にのみよつて取運んだわけではないのであります。それから先ほど申し上げました中に、土地の問題につきましては予定があるという説明がついておりますので、これをかたく私どもは実行でき得るものと考えまして、一つの適格者の條件にしたわけであります。
○永田委員 承りますとますます不可解千万な話である。その敷地の所有者と見返り資金を希望するところの旭冷蔵との間の予約書というものは、不幸にして破棄された場合、たまたまそのときに見返り資金が放出されておつ場合、貴重な、権威のあるところの見返り資金が、その結果濫費されたという場合に、貴公はどういう責任をとるか。
○家坂政府委員 水産庁といたしましては、原局といたしまして、申達を進めて参りました関係上、その責めは負うべきと考えます。しかしただいまの土地の関係がいかように変化いたしますか、そのことにつきましては、今後決定の上は日銀はいろいろ直接の融資をとりはからつて行くと思うのであります。その取引銀行との間において、土地がなければ融資はとりやめるというような段階に入つて行くのではないかと考えております。
○永田委員 銀行が損害をこうむろうが、われわれはぐずぐず言うのではない。問題は見返り資金です。この見返り資金が行方不明になつた場合に、国民に対していかに支払いをするかということです。従いまして、適格な條件がそろつていないところに——そこでもつて御説明申し上げますならば、條件も備わつていないところに、情実をもつて貸してよいものであるかどうかということを、簡単に答えて下さい。
○家坂政府委員 情実をもつて融資をするということは、もちろん正しい措置ではないと考えます。しかし私どもとしては、この会社が適格者であるという考えをもちまして、今までの見返り資金の取進めを運んで参つたような次第であります。
○永田委員 適格者であるとあなたはおつしやいますが、それは速記をごらんになればわかりますが、来る二十九日に会社の創立の総会が開かれるような状態である。また敷地も、おおむね契約ができる見通しのもとにあるということが書いてある。この二つの事実を見て、はたしてこの旭冷蔵というものが適格者であるということが言えますか。かような状態の幽霊会社を適格者であると断定なさるようなあなたの頭の中を、私は疑うのですが、これが適格者であるかないかということは、だれが見てもわかることだ。これは非適格者だ。私は今日ここでこれ以上追究しませんが、この旭冷蔵株式会社の、見返り資金放出の政府に対する申達というもののその後の取扱いはどうなつておりますか。
○家坂政府委員 第三次の申達会社の中に入れまして、多分本日の閣議に付議されるのじやないか、かように考えております。
○冨永委員長 永田委員に申し上げますが、旭冷蔵工業会社に疑義をお持ちになつての御質疑でありますが、水産庁長官の答弁との間にも大分食違いがあると考えますので、当会社の創立並びに土地の條件について、次の機会に水離庁と大蔵省と打合せて、正確に報告を求めることにいたしたいと思いますが……。
○松田委員 私は水産庁長官にお尋ねいたします。行政の面から行きまして、水産庁長官があらゆる角度から適正なる判断によつて、法にきめられておる範囲内の行政を施行するものであると、私は考えておりますが、長官はどのようなお考えを持つておられるか、この点をお聞きしたいと思います。
○家坂政府委員 もちろん私といたしましては、法に基いてすべてのことを処理して参りますのが、行政に携わるものの本務と考えております。
○松田委員 ただいま永田委員から質問になつております見返り資金の旭冷蔵工業会社に対する申達の事実は、永田委員がおつしやつたように、昨日私も永田委員と同道して、その書類の全体を見せていただいたものであります。今まで免許であろうがまた許可であろうが、あらゆる問題は部課長の手元において、はつきりとこれは行政の面から言つてかなつておる方法によつてその調印ができて、しこうしてこれを長官は認可されておるものであります。私どもも、今までのあらゆる水産庁に対する手続方法は、さようにとつておるものであります。しかるにこの旭冷蔵工業会社に対してのみは、どういうわけでその手続を略されておられるか。先ほど永田委員の仰せのように、まだ会社もできていないものを、二月十七日の日付をもつて閣議にこの書類を提出したという理由はどこにあるか。また今までは東京魚類が出ておつたものを、何のためにかかる名称に変更されたか。これが永田委員のおつしやる情実なりと私どもは断定するものであります。ここにもし実情がなかつたとするならば、何のために——期間はもはや遠く過ぎ去つておるが、この東京魚類株式会社として申達されたその日付はいつであるか。旭冷蔵工業株式会社として、まだできてもいない会社が、この書類を申達したのはいつであつたか。この見返り資金の第三次のオーケーをとるべく閣議にかけておる書類というものは、期日を経過したときにおいてこれを水産庁は申達しておる。もしこの期日が三月三十一日まで有効であるというものであつたならば、もつと有力なる会社が五十幾つ出ておるはずである、それをなぜ入れなかつたのか。旭冷蔵工業株式会社というものは、三月に入つてから書類が提出されたことと私は考える。それ以前に出ておるものは五十有余あつたはずだ。これをどういうわけで入れずして、三月に入つてから提出された書類を入れたか。これ情実でなくして何であるか。私は前の委員会において、水産長官の職務権限をただしておる。公正にして大臣を補佐すべき職権でありながら、何のために三月になつてからこの旭工業に対してこれを申請されたか、これが一点。もう一つは、閣議にかける場合においては、あらゆる面において整備されたものを閣議に出すのであつて、閣議とは日本政府における最高の機関と私は考えておる。この機関に対して、いまだに創立総会もできていない会社を、あたかもできたかのごとくに、旭冷蔵工業株式会社として書類を申達し、本日閣議にかかつておるはずである。しからばこれは日本の最高の機関たる閣議に対して、書類を偽造したものである。かかる点に対して、水産庁長官はどのような御意見を持つておられるか。
○家坂政府委員 先ほどもちよつと触れておいたのでありますが、この旭冷蔵工業会社というのは、東京魚類及び日本魚類の両者が今度合併することに相なるわけであります。それでこの見返り資金の申請は、東京魚類が当初から単独で申請書を出しておつたのでありますが、たまたまこの両者が合併をするということにきまりましたので、この両者が発起人の主体となつて旭冷蔵という会社を創設して、そうしてこれによつて見返り資金による冷蔵庫を建設したい、かようないきさつがありましたので、それで東京魚類の申請に引続き、この旭冷蔵工業というものが私どもの申達の中に入るようにとりはからつたわけであります。
○松田委員 とんでもない話だ。それならば五十幾つの会社が、私はこれとこれを合併してやります、私はこれとこれを合併してやりますということで、五十幾つが十なり三つなり二つなり、または一つなりに合併されたときにおいて、あなたはこの書類、事柄をまとめて、新たなる名称をもつてこれを認可する御努力をなさる御意思であるのでありますか、その点をお伺いいたします。
○家坂政府委員 もしそうした場合がありますならば、ももろん一つの会社で冷蔵庫も建設されて、今後運営されて行くよりも、やはり二つなり三つなりの会社が協力されて、この運営に当られる方が、健全なる経営ができると私は考えますので、もしただいまのようなケースが他にもあるといたしますならば、あるいは将来もあるといたしますならば、相当自分としても考慮を払いまして、その申達を進めて参りたいと考えております。
○松田委員 見返り資金とは、アメリカ市民の税によつて日本の基本産業を助長せんとして日本に貸し与えられておる金であり、また日本国民は、忠実にこの意思に沿うて産業を助長して、しかも将来返還して行かなければならぬ金であります。かようにしてアメリカの好意によつて日本の産業の自立をはかつておるものに対して——何事もすべてのものが整備されて、書類の整備もできて、初めてこれが閣議にかかるものである、またあなたが許可されるものである。この二つの会社がかり一に妥協をいたしまして旭冷蔵というものをつくるとしても、まだ人格も備わつていないものに対して、水産庁長官ともあろうものが、これをあたかも人格がはつきりしておるかのごとくに装うて、これを申達されたということは、完全なる偽造ではないか。日本政府に対する文書の偽造ではないか。私は本日法務府とこの題に対して研究をして参つたものであります。かかる偽造の書類の日本の最高の機関たる閣議にあなたは提出されたのである。もしこれが偽造でなかつたならば、将来どのような事件が起るかも存じませんが、これがもし私どもの見解のごとく偽造であるとしたならば、この旭冷蔵工業というものに対して、あなたは取消しの用意があるか、またあなた自体は、もしこの問題が偽造であつたとしたならば、長官としての立場において、どのような考えを持つておられるか、この点を明確に御答弁を願いたい。
○家坂政府委員 ただいまの申達を進めて参りまするには、先ほども申し上げておきましたが、安本並びに日銀、大蔵省方面にも、いろいろその内容、その真相をはつきりと説明いたしました。そうして各省、各銀行ともおのおのその手続をふまれたような次第であります。それで私といたしましては、この会社が必ずでき上るもの、かように考えて申達したわけでありまするが、もしこれが不幸にしてできない場合におきましては、銀行といたしましても、この見返り資金の融資はとりやめると考えます。なお私といたしましても、そうした場合におきましては、それにこたえるだけの責を負いたい、かように考えております。
○松田委員 私が速記をもつて今日申し上げておるこの書類が——あなたの閣議に提出されたものがかりに偽造であつたとした場合において、アメリカの好意ある見返り資金にどういう御処置をとられるかということと、またあなたが水産庁長官としてどのような態度を持たれるかということをお聞きしておるものでありまして、銀行やそういうものを私は申し上げるのではない。この書類が偽造であつたならばということを質問しておるのでありますから、御答弁を願います。
○家坂政府委員 護類そのものにつきましては、私は偽造ではないと考えております。あの書類に現われておる通りのものを、私は信じておるわけであります。 それからもしかりにそれが偽造であつた、まつたくの偽りであつたということになつた場合におきましては、私といたしましてもそれに相応の責を角いたい、かように考えております。
○松田委員 あなたの責はそれではつきりしますが、アメリカの好意ある見返り資金に対して、あなたはどのような責任を負うかということです。仮定です。これが偽造だとした場合に、あなたはどのような責任を負われるかということです。取消しをしますか。
○家坂政府委員 もしそれが偽造であつたとかりになつた場合におきましては、もちろん原局である水産庁が取消しというようなことでなくとも、実際にその見返り資金を扱う立場にありまする日銀あるいは大蔵省、そういつた方面において、それに順応した措置をとられる、かように考えております。
○松田委員 私は大蔵省や銀行のことを申しておるのではありません。水産庁長官として、この見返り資金に対してどのような——取消しをするか、またはそのま底にほおかむりをするかということを聞くのであります。
○家坂政府委員 水産庁といたしましても、それを取消すことがはたして妥当であるかどうかということは、考究をする余地もありますが、その融資が実現する場合、実現しないような方法をとりたいかように考えております。
○松田委員 一体何を言わておるのかわからぬのだ。水産庁長官として、もしこれが偽造であつた場合において、これを取消すか取消さないかということに対して、適当な措置などということは、適当な措置とはどういうことであるか。あなたのやつたこの書類が偽造だという判断が下つた場合において、あなたはこの見返り資金の申請を取消す意思であるかどうかということを聞いておるのであります。
○家坂政府委員 偽造であるとすれば取消すことに努力いたします。
○松田委員 先ほどからいろいろな長官の御答弁が現われておりますが、この問題が偽造だ、偽造でないということは、法務府で調べることであります。しかし情実という問題に対しては、当委員会は黙視することができますまい。たといどのような問題があろうとも、これからあらゆる免許の問題であろうとも、または許可の問題であろうとも、仮定した、人格の備わつていないものに対して、許可を与えることができ得るかいなやという問題に対して、もしさようなことがあつた場合においては——だれだれかそこの漁場に対してどういう船を持つて、馬力が幾らで何何がいくらでというようなことをまことしやかに記載して、これに対して許可の申請をした場合において、ただいまのような状態であつたならば、必ず許可はしなければなりますまい。その場合において、現在行われておるあらゆる水産行政というものは、めちやくちやになるではないか、かようなことがはたして将来でき得ることか。またあなたのただいままでの答弁を総合したならば、われわれが、漁民にこの許可を与えてほしい、かように出た場合においては、ことごとくこれに許可を与えなければなりますまい。かような点はいかに水産庁といえどもでき得ないことを知りつつも、あなたの今までの答弁というものはそこへ行つておるものであります。あなたがどのようにお考えになつておるかは存じませんが、今までのことは速記に載つております。これからどこの漁民がどのようなことをやつて許可を申請した、これに対してことごとく許可を与えんとする場合において、今まであなたが御答弁されていることと同様に許可をされるつもりでおりますか。こうした点に対する一つの行為が、いかに重大なる問題になるかということを、水産庁長官としてもよく御認識あらんことを私は切望するのであるが、かりにこの日本魚類と東京魚類が合併して、こういう会社に名前をかえるから、そうして発起人会を開いたからといつて、あなたはこの人格のいまだ備わらないものに対して、戸籍面に載らないものに対して、これを日本の最高の機関たる閣議にかけたということは、私ども水産常任委員会の一員として、まことに嘆かわしい次第である。またあなたの部下には、法的関係を持つておられる方もたくさんあることでありましよう。かような人々がおられる上で、人格の備わつていないものに関して申請をするということに対しては、われわれ当委員会といたしましたならば黙視するわけに参りません。かような事柄こそは、われわれが常に国会議員として叫んでおる綱紀粛正を断固として行わなければならないものであります。かような民主政治の時代に、個人の人格を尊重しなければならないときにおいて、人格を備えない会社に対して、日本の最高の機関たる閣議に提出するなどということは、まことに私は遺憾の意をもつてあなたに対して申し上げる次第であります。質問はこの程度でやめます。
○永田委員 長官の言葉じりをとるようでありますが、今の松田君との質疑応答を承つておりますと、水産庁が無責任にやつても、関係各省が責任をもつて適当に善処してくれるからというふうに受取れたのでありますが、この点も実にわれわれとして了解に苦しむ。少くとも水産の最高責任者であるところの長官としては、あくまでも自主的に、責任をもつて、毅然とした態度で、是は是、非は非として決裁しなければならない。かような立場にある人が、自己の責任を免れんがために——これは事実かどうか知りませんよ。あなたのお話を承ると、他の関係各省が責任をもつて善処してくれるならばいいのだというふうなことに受取れたのですが、実にあなたの考えは間違つていると思う。この書類が不適格というよりも、まさに家坂君君自体が水産庁長官として不適格だ。議論は盡きておる。ただ君たちが言を左右にして、のらりくらりとしておるだけだ。この文書が偽造でないということがどうして言えるか。閣議の提出見込みは三月二十三日、現在にしてもこの会社は設立されておらないじやないか。今委員長のメモか何かで発言があつたようですが、二十九日にこの会社が設立の総会を開くというふうな段階にあるとしたならば、旭冷蔵工業株式会社というものは現在ないのだ。それをあるがごとく書いてある。それから見返り資金放出の條件として、資本金ももちろんだが、敷地の問題に至つては言語道断だ。敷地は今日ないではないか。これがあるごとく装つて文書に記載してある。つまりこれが第二の不実の記載ではないか。不実の記載ということは、実にあらざる記載ということなのだ。すなわち欺いておることなんだ。これが文書偽造にあらずして何だ。また借りる方も借りる方だ。借りるやつは、これは詐欺だ。この事実をわれわれは知つておつて、あらかじめ君に善意に基くところの忠告をしてある。一時間余にわたつて私たちは忠告した。それをあたかも自己の行為が正しいかのごとく、無反省に本日の閣議に付したということは、日本の、敗れたりといえども民主主義の今日の政治の状態において、すこぶる了解に苦しむ。遺憾な点である。かようなことで、わが国の水産業の発展が期待できるか。私はこの事実を嘆く。戦後のわが国の大きな政策としたならば、発電と水産以外にない。しかも水産業者、魚価が非常に安くて生産資材が高い。ここに水産業者が非常な苦しい立場に置かれるような状態になつて来たのであるが、この面を救済しなければならないというので、魚価の維持対策として、冷蔵施設のために見返り資金を放出するというのが、私どもの申し上げるところの本来の趣旨なのだ。ところが君がこれをあやまつたということになれば、ひいては日本の水産業界のためにならないのみならず、この忌まわしい事実は日本の政治のためにならない。真にわが国を売るものである。これは井之口君が常に言うように、共産党が言うように、まつたく君は日本人じやない。共産主義者にも劣る。かようなことは日本のためにならない。日本のためにならないということは、とりもなおさずアメリカのためにもならないということなのだ。この事実をあなたはよくお考えになつて、すみやかに閣議決定を保留するというふうな処置をとるかどうか。それは私の結論なのだ。とれるならとれる、とれないならとれないと言つていただきたい。
○家坂政府委員 すでに閣議に提出することにしております。それでこれを取消す意思はありません。
○井之口委員 ただいま旭冷蔵に対するところの、この幽霊会社に対するところの見返り資金の融資問題が、与党側の永田委員並びに松田委員から提出されておりますが、正論だと思つておる次第であります。 そもそも見返り資金というものは、イロア資金並びにガリオア資金によつて、アメリカからいろいろな物資が輸人されて、日本が非常に高く売りつけられて、それが借金の形になつて残るわけですが、普通の借金ならば、日本政府が完全にこれに対する責任を持つのだ。しかるに見返り資金に対していろいろ名処置をとるということは、予算委員会その他において、大蔵大臣が言明しておるところである。そういう金が、今度政府当局者並びにいろいろな関係業者の間の結託によつて、そうしてまだ設立もしていないような会社、しかも何らの定款もなければ、役員も何もきまつていないような——二十九日に初めて成立するというような会社に融資されるというようなことになれば、これはかつての農林大臣の永江一夫氏がやつた、東洋製粉におけるあの融資問題をほうふつさせるものである。そうしてこれは法に触れて有罪の判決さえ受けておるのです。こういうふうな点から見ても、この見返り資金なるものは、かつての復金の状態になつた。しかもこれが今長官の言われたように、もしも将来において、会社が二つも三つも合併してやるつもりであるならば、それにも同じように融資の申請をするというに至つては、これはまつたくかつての復金以上のものになると思います。これに対しては、明らかに長官の行政方針は、こうした不正にくみし、そうして日本の全人民の利益を、それこそもう、国民の出しておるところの血の出るような税金を、むごたらしくこういう悪徳業者と結託して消費するという、許すべからざる態度だと思う。しかもそれに対して何ら反省しよとせず、自分はこのことは正しいのだと認識するということを言つております。まつたくこれは、牛を馬だと言いくるめているような感をわれわれは受けるのであります。しからば長官にお尋ねいたしますが、この会社はまだ存在していない。それであるのに、長官がつくられた書面の中には、これをどんなふうに表現されておるのか。またこれの定款なりこれの役員なり、資本金なりが、まだ決定も何もしていないのに、これをどういうふうに表現して、申請を仰がれるようなことをしておられるのか。またGHQとの間の折衝については、どういうふうな主張を具体的にされておるのか。ないものをあるように主張されておるのかどうか。あるいは長官としては、将来こうしたものができて来るのだから、将来できたらこれに融資してくれというような交渉をされたのか、どうなのか。その点をはつきり聞かしてもらいたい。そうするとこれが偽証であるかどうかも明瞭になります。またその土地の問題にいたしましても、土地は将来借りられるという約束があるからして、この会社が将来ここに建つであろうというふうな予想の文面で、許可申請書類をつくつておられるのか。どういう形で書類がつくられているのか、その点をはつきりここで明瞭にしてもらいたいと思います。
○家坂政府委員 申達書の内容は、旭冷蔵工業株式会社の名前をもつて申達しております。それから内容につきましては、東東魚類が今後その主体となつて、この冷蔵会社を運営して行かれることになつておるということであります。前から東京魚類は見返り資金の申請をしておられましたが、その主体を東京魚類がやるのだということで、内容を説明いたしております。
○井之口委員 それなら、その定款なり役員の名前なり、創立の月日なり、こういうものは申請するには必ず必要なる書式だと思うのですが、そういうものの記帳はどうなのですか。
○家坂政府委員 そういう定款その他のものは、まだ添付しておりません。
○井之口委員 そういうことは可能なのでしようか。一体、見返り資金を融資してもらう場合には、いろいろな記録を添えて必要なる事項を記人して、そうしてGHQとも交渉する、あるいは政府の方にも申達するというふうになつておると思うのですが、そういうものを全然記帳せずしてやられておるのか。それから、もし将来、この二つの会社が合併するということが、この会社の自分の意思によつて、これが都合が悪くなつて撤回するとか何とかいうこともあり得ることだし、その場合の創立するときのいろいろな條件も、これは将来、そのときどきによつて、向うの株主なり、向うの役員なりによつてきめられるものであつて、そういう見返り資金を融資してくれと前の会社が希望したとしても、それを新しい会社が同じように引継ぐかどうか。これは疑問だ。新しい会社は別個の法人である。別個の法人として別個の意思があるわけでありますが、その別個の意思のまだ成立しないものが、あたかも成立したように書いて、そうして申請書をつくるということは、これは明らかなる詐欺というより偽造というよりほかに形容の言葉はないと思うのですが、この点、どうでしようか。
○家坂政府委員 その点はまだ発起人会がつくられているだけでありまして、その発起人会によりまして、来る二十九日に創立総会を開くということだけでありますので、もちろん役員の名前とか定款といつたものはわかりませんので、ただ会社の名前だけをあげてやつりているわけであります。
○松田委員 もう大体論議も盡きたものでありますし、これをどこかの小委員会にかけて、もつとよく内容を審査すべきものだと考えます。
○冨永委員長 了承いたしました。さようとりはからいます。
○永田委員 松田君の動議には賛成ですが、それと別途に、この問題は今日質疑応答によつて、各委員も内容はのみ込めたと思うのでありますが、結末をつける意味におきまして、この委員会で閣議の決定の保留を促すというふうに申合せをして、委員長からその旨を、委員会の権威のあるこの模様を担当大臣に申し入れてもらう、こういうことを各委員に諮つてもらいたい。
○冨永委員長 了承いたしました。委員の皆さんにお諮り申し上げます。ただいま松田委員並びに永田委員から御提議がございましたので、委員長におきましては、小委員会の結締を得まして閣議に申入れをいたしたいと思います。さようとりはからうことに御異議ありませんか。 〔「異議なしと」呼ぶ者あり〕
○冨永委員長 御異議なしと認めます。さようとりはからうことにいたします。 —————————————
○冨永委員長 次に漁船法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。質疑を許します。田口委員。
○田口委員 漁船法の一部を改正する法律案につきまして、一、二点質問をしたいと思うのであります。 今回のこの漁船法の一部改正中、工事完成後の認定という事項が一つの重要なる内容になつているように考えるのであります。新造あるいは改造の場合におきまして、許可申請にいろいろな條件が書いてある。その條件通りに船ができているかどうか、これを確かめることは、いろいろな意味において非常に必要なことと思います。その中で計画トン数が申請通りにできているかどうか、この問題が非常に大きな重要な点のように考えるのでございますが、実際にこの漁船を改造する、あるいは新造するという場合におきまして、計画トン数通りに完成できることは、はなはだまれと思うのであります。計画トン数通りにできますればはなはだけつこうでありますけれども、実際は多少大きくなつたり、あるいは多少小さくなつたりするのが普通の状態と考えるのでございます。従つてこの第七條の二の認定におきましては、そこに計画トン数から何パーセント程度多くなり、あるいは何パーセント程度少くなるという、この技術的に考えた計画との相違、この点は大体認めらるべきものと考えるのでありますが、政府におきましては、一体どの程度の違いまでを認めるというようなお考えでおられるのでございますか。第一点はその点をお伺いいたします。 また実際にでき上りまして、許可計画トン数と違つておつた、少いときは問題ないと思うのでありますけれども、善意に計画トン数よりも大きか船ができてしまつたという場合における処置を、どういうふうにお考えになつておられますか。この二点をまずお伺いいたします。
○高木説明員 お尋ねの第一点の問題でございますが、これは現在やり方といたしまして、その代船のトン数の範囲内で許可をいたしておりますので、でき上りのトン数もそのトン数になることを條件といたしております。お尋ねにございましたように、でき上りますときに特に木船でございますと、長さ、幅、深さが初めの計画通りぴたりと行かない場合もございます。現実に扱つておりますのは、長さと幅と深さをかけた数を基礎にいたしまして、大体五%前後の差は常識的に許す考え方でおります。これをこの法律の條文改正として表わしましたのは、この條項がありませんので、現実に二〇%から二五%くらい大きくなつた船があとから出て来るということで、処置に困りましたので、こういう問題が現われたのであります。 それから第二の点でございますが、いろいろのことで大きくなつたという場合には、これはその大きくなつた分の代船を出して、その代船によつて許可して行くという扱い方をしております。
○田口委員 ただいまの御答弁によりまして、計画トン数との実際の相違が大体五%前後までは技術的に見てやむを得ないから、これを認める。この点は了承をいたしたのでございます。 さらに第二点の五%以上大きくなつた場合、これは善意の場合におきましても、やはりトン数をほかから持つて来る。そうでなければ処置をしないというようなはつきりした御方針でありますかどうか。もう一ぺんその点をお伺いいたします。
○高木説明員 それでこの問題は、一年に約七百隻ばかり十五メートル以上ですと現われて参ります。これをそのまま見るということになりますと、トン数のわくの著しい超過を来すことになりますので、原則といたしましては、一応その大きくなつた差だけは出していただこうということで考えているわけであります。
○田口委員 従来この漁船登録の手数料の徴収が、国で徴収されておつた。これを今度は実際の仕事をする府県に徴収させる。これははなはだけつこうであると考えるのでございますが、従来各府県の状態を見てみますと、この手数料で交付される交付金が、府県で実際にその仕事に使う金と比べまして、はなはだ少い。こういうような声が各府県ともにあるのでありますが、徴収をされました手数料は、従来大部分府県にやつておられたのでございますか。あるいはその一部分だけやられるためにそういう声があつたのでありますか。裏から申しますと、今度これを府県に譲渡されましても、今までの手数料の率では、やはり支出の方が多くて収入の方が少いというふうなことが起る可能性があるのであるか。あるいは従来一部分だけやつておつたからそういう声が起るという問題でありますかどうか。その点を多少数字的にお伺いしたいと思うのでございます。
○高木説明員 これまでの予算で申し上げますと、一年に平均して大体千八百万円くらいの手数料の収入がございまして、それの中の二分の二は、その年によりまして、補助金なり平衡交付金で地方に出しております。あとの三分の一を本省関係で地方にかわつていろいろ印刷用紙なんかの関係でまとめて出している費用に充てていたわけでございます。大きな県になりますと、小さな県と事情が違いまして、小さな、わずかしか漁船のないところでも、地方に出します人件費は、一人というのが単位になりますので、〇・七とか、〇・六とかいうふうに切れませんので、小さな県に一と人れますと、大きな県で多少その分が少くなるということがございまして、大きな方で苦しいという話が大分出ております。今度はそのままの金が地方に入ることになりますのと、もう一つは、このあとの方の條文にございますように、三年目ごとに検認の手数料が地方に入ることになりますので、大体明年度におきましては、地方に入ります金が二千四百万円ばかりになります。それで地方の漁船の少い県も、大体やつて行けるのではないかと推定いたしております。
○田口委員 ただいままでの政府の御答弁によりまして、この法律を実施して参つたが不備な点があつたので、この不備の点を訂正するという意味において改正されるお考えのように考えるのでございます。本漁船法は、第七国会におきまして、当委員会の議員立法としてつくつた法律でありまして、実施をしてみて部分々々に修正をする必要があることがはつきりいたしまして、その点を今度訂正しようという意味でございますから、はなはだけつこうな改正と存ずるのであります。ただこの漁船の工事完成後の認定だとか、あるいは登録票の検認の仕事をいたしますのには、相当人手を要し、また多額の経費を要すると存ずるのでありますが、ただ仕事だけが多くなつて、これに伴う経費の裏づけがないというようなことが、間々実際にはありまして、後日仕事をする場合において、それが非常に大きな支障となることがたびたびあるのでございます。この漁船法の改正につきましても、必要な経費が当然裏づけされなければならないと考えるのでございますが、この点につきまして、水産庁は、大蔵省その他と十分なる折衝をされて、ある程度の見通しがついておるかどうか、その点を重ねてお伺いいたす次第でございます。
○高木説明員 二十六年度の予算の編成が過ぎてから、このいろいろの問題が出て参りましたので、今お尋ねの点につきましては、この法案と関連して、大蔵省と現在折衝いたしておるのでございますが、見通しとしては、補正予算で考えていただこうということで交渉いたしております。大体金額といたしましては、認定と検認とを合せて四百四十万円くらいの経費であります。
○田口委員 ただいまの御答弁によりまして、私らの心配しておるところの必要な経費についても、大体見通しがついているように考えるのでございます。そういう点からいたしまして、私はその問題だけが委員会としても注意をしなければならない問題だと思うのでございまして、本法律案を通過さす上においては賛成するものでございますが、ある程度委員会も責任を持つてその問題を解決しなければならないと考えるのでございます。その点が大体見通しがついているということを承りまして、本案通過については了承をする次第であります。
○冨永委員長 この法律案は、ただいま参議院を通過いたしましたが、衆議院にはまだ付託になつておりませんので、委員各位におかれましては、いましばらくお待ちを願いたいと思います。 —————————————
○冨永委員長 それから先ほど永田、松田両委員から提案されました旭冷蔵工業株式会社に対する金融の件につきまして、愼重に調査審議するため、水産金融に関する小委員会にこれを付託することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○冨永委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○冨永委員長 中央卸売市場の機構の問題につきまして、前回の委員会におきまして、参考人に対し質疑を行う予定でありましたが、都合により本日まで延期いたしたのであります。幸い本日も参考人中島儀平君、寺田省一君がお見えになつておりますので、質疑を行いたいと思います。質疑の通告があります。これを許します。松田委員。
○松田委員 先日の委員会で、いろいろとこの内容に対して御説明があつたので、大体了承をしたのでありますが、その後における何らか具体的な方法によつて、改善されているような話も聞いておりますが、さようなことがありましたならば、御説明を願いたいと存ずるものであります。
○寺田参考人 御承知の通り、この中央卸売市場の整備強化につきましては、当委員会におかれましても、いろいろと御鞭撻をいただきまして、われわれとしても、この達成に極力御協力を申し上げたいというふうに考えている次第であります。前会までに御説明申し上げましたように、この各卸売業務の整備強化につきまして、政府の特段の御苦心によります資金の面につきましても、これまた当委員会の応援を得まして、大体近く決定を見るのではないかというふうに期待をいたしております。つきましてはその実行——実行と申しますのは、整備強化の実行につきましても、各卸売会社が十分その使命の達成をやつて行けるようにということを主眼といたしまして、計画を練つております。大体その方法も関係御当局の御了承も願いまして、これを具体化に移して参りたいと存じております。各卸売会社各位におかれましても、この趣旨に協力するという意味におきまして、すでにその運営についての大体を計画として立てておられまして、その計画についても、大体本来の趣旨に沿うように進んでおるのではないかと私ども考えまして、ひそかに喜んでおるような次第であります。私といたしましても直接の当事者ではありませんが、関係卸売会社からいろいろと御相談も受けますので、御相談相手という意味におきまして、いろいろと今後の整備強化の進むように努力いたしておる次第であります。以上であります。
○二階堂委員 ちよつと一点質問いたしたいと思います。市場内におきまして、正規の荷受け機関の営業許可を持つておらずに、営業をやつておる方がおられるように承つておるのでありますが、そういう方がおられるかどうか。もしおられるとするならば、これらに対しては、どのような対策をお考えになつておるかということを、お伺いしたいと思います。
○中島参考人 前会におきましても御説明申しましたように、統制が解除された場合に、中央卸売市場が当然復活する。しかし時期的にその審査が間に合いませんので、暫定的に九箇月の営業を許しました。従つて九月で一応期限が切れたのでありますが、当時生産者の手数料の問題とからみ合せて考えねばなりませんので、都といたしましては、そのまま継続するという意思をもちまして、新たに四月一日から、従前の荷受け機関に対しては遡及的に許可する方針であります。従つて許可がない場合においては、当然市場内における行為ができませんので、その部分は失格する、こういうふうに考えていただきたいと思います。
○松田委員 大体において東京中央卸売市場におけるいろいろの内容が了承できたのであります。水産庁においても、また当委員会といたしましても、この卸売市場の整備されることが、漁民に対する福利であつて、すなわち日本国民全体がこれを待望しておるものでありますゆえに、どうか誤りのないような御方針をもつて、水産庁とも御連絡の上、また私ども当委員会といたしましても、でき得るだけの協力をいたしまして、資金の融通等に対しては、水産庁、農林大臣に、また関係方面に対して極力努力をいたす考えでおりますので、どうか今後において煩わしいようなことのないように、また私ども委員会に対してもし必要なる場面がありましたならば、どのようなことでも申し出てくださいまして、漁民各位の利益と、また消費者市民の利益のために御努力あらんことを希望いたしまして、私の質問を終らせていただきます。
○田口委員 市場の市場長さんにちよつとお伺いしたいと思います。今回荷受け機関が非常に数が多いので、それを合同整備する、数を少くする。このお考えは、実情からいいまして非常に実態に合うた、まことに適切な処置と考えるのでございますが、ただ集排法の精神、あるいは事業者団体法の考えからいたしまして、一方において整備合同しても、さらに具備したる條件で出願すれば、それを排除するわけに行かない。この矛盾があると思うのでございますが、その点をいかにお考えになつておられますか、この機会に承つておきたいと思うのであります。
○中島参考人 ただいま御質問の趣旨につきまして、現在の法規上から申し上げますと、これを拒否する、数を制限することはできません。ただ御存じのように、卸売の許可は都長官の権限であります。かつ市場の実態に応じて許可しなければならぬというふうに考えております。従つて許可條項は、いわゆる行政官庁の自由裁量の範囲に属しますので、この点は市場の実態とにらみ合わせて措置するつもりであります。
○田口委員 行政管庁の自由裁量の範囲内にある。こういうお考えのようでありますが、私らの考えでは、現在の集排法あるいは事業者団体法などが存在いたします限り、その点だけは、必ずしも行政官庁の自由裁量だけでは片づかない問題と考えるのでございますが、行政官庁の自由裁量であるから、実態に沿うて許可の面を考慮するのだ。これで割切つてしまうと、はなはだ簡単だと思うのでありますが、実際においてはあるいはそういう割切り方ができないことを非常に悩んでおるわけですが、そう割切つてさしつかえないですか。
○中島参考人 行政庁の考えといたしましては、あくまでも知事の自由裁量の範囲内でありますので、許可する、許可しないは知事の裁量と存じます。ただ実際問題といたしましては、行政庁がそういう不許可の指示は与えませんが、意思を表示した場合において、とかく議会方面に対する陳情がございます。御存じの通り行政の指導権が議会にありますので、議会の意思を相当尊重しなければならぬという立場も、実際問題としては起りますが、最近都議会の方面におきましては、その事情を認識いたしまして、都議会自信がいわゆる荷受け機関の整備をやれ、こういうふうに参つておりますので、実際事情も、そういうふうなことが起り得ないのではないかというふうに考えております。
○鈴木(善)委員 今回の市場の整理統合に関連いたしまして、統合される九会社に対しまして、出荷団体あるいは出荷いたしました生産者に対する仕切りの未払いの焦げつき等があるようでありますが、これらの生産者及び出荷団体の債権の確保、卸売会社から言いますと、債務の完済に関しまして、債権者たる生産者、出荷団体の権利を確保するような御措置をおとりになつておると思いますが、その点についてお尋ねしたいと思います。
○寺田参考人 ただいまお尋ねの点につきましては、関係業者の皆様方からいろいろ御相談を受けておりますので、便宜私からお答えをさせていただきたいと思います。お尋ねの点につきましては、各関係業者等も、その御趣旨に基きまして、極力遺漏のないようにいたしたいということから計画を立てておられます。またその計画につきましては、御相談も受けております。
○鈴木(善)委員 今の寺田協会長の御説明に対して、もつとつつ込んで明確にお尋ねしたいのであります。それは統合されて新しく発足いたします会社は、普通の取引関係におきまして、九会社に対する債権者との間の話合いで整備が進められるものでありますか、それとも東京都市場開設者当局におきまして、この際新しく市場が再建整備され、発足する機会に、そういう古い商取引の焦げつきというものをきれいにいたします関係から、市場御当局として、新しく生れる会社に対して何らか明確なる御指示をなさつておりますかどうか、その点をお尋ねしたいと思います。
○寺田参考人 ただいまのお尋ねも関連事項でありますから、私からお答えいたしますが、もちろん各債権者関係あるいは債務者関係とのお話合いは、それぞれの業者におかれましてお話を進めておられるのであります。それでそのお話合いの際に、いろいろまた御相談を受ける場合もございますが、お話の通り、従来の債権につきましては、どうしたならばこれが十分行けるかということについては、並々ならぬ苦心をしておられます。生産者各位に対しても御迷惑のかからぬように、市場として信用のある、模範的な行き方をしたいということで、関係業者の各位におかれましても、いろいろと御苦心中でございます。これにつきまして、都の御当局におかれましても、いろいろと御指導を願つておりますが、その計画の点につきましては、もちろん都の御監督を受けるわけでございまして、その点につきましては、お尋ねがございますれば市場長の方からお答え申し上げたいと思います。
○鈴木(善)委員 今日まで生産地方面で、会社が不況に陥りまして仕切り代金が焦げついており、責任者に対していろいろ折衝いたしましたけれども、どうしてもらちが明かない、言を左右にして、その債務を完済する責任をとらないというようなこと等から、生産者はやむを得ず市場長さんの手もとに関係書類の写し等を提出いたしまして、場長さんの別特な配慮によつて、新たに発足するこの機会に、これらの古い焦げつきを整理してもらいたいという陳情が行われておるように思うのでありますが、このように、場長さんの手元にはつきりした証憑書類を添付して申し出ております願出に対しまして、場長さんはいかようにおとりはからいをなさつていただいておりますか、その点を、多致の迷惑をしている生産者にかわりまして、この際明確にしておきたいと思うのであります。
○中島参考人 従来市場の産地に対する未払い代金は非常に多うございましたが、最近自由競争になりましてからその代金を極力返しまして、それがおもに銀行の方に肩がわりになるという状況でありまして、現在私たちの調査いたした産地に対する未払い代金は四千万円であります。この四千万円に対しては、業者に極力返させるようにいたしまして、今度の資金償還計画の中には、はつきりそれをうたつております。さらに具体的な問題になりますと、一応各生産者から私の手元に現在来ている書類がございます。この書類は、総体まとめまして、荷受け機関に処置させるつもりでありますが、しかし一、二の会社でありまして、大部分の会社は産地に迷惑をかけておらないというふうに考えております。その一、二の会社に対しては、私の方から強く要望いたしまして、この整理統合をした場合に、資金を融通する際には相当強く言つて、極力産地に迷惑をかけないように善処するつもりでおります。
○鈴木(善)委員 今の場長さんのはつきりした御答弁で、さだめし生産者諸君も安心することと思うのでありますが、その場長さんの方から支払いを完済するように指示されるものは、統合された新会社、つまり債権債務を承継して新会社がそれを行うのでありますかどうか、この点をお尋ねしたいと思います。
○中島参考人 その点については、東京都のやり方をこの際申し上げておきたいと思いますが、合併する会社は、そのまま合併してもいいという会社がございます。こういう会社は債権債務がすべて包括的に継承されます。それからさらに不良会社を合併する場合においては、相当資産を切り捨てなければ、将来の荷受け機関としての適正を欠くという場合におきましては、新たに合併新設会社をつくる予定であります。そういうときには包括承継の問題が起りませんので、必ず債権債務の引継ぎの問題が起りますが、ただ生産者に対する今のようなわずかな仕切り金の問題につきましては、東京都が極力慫慂いたしまして、新会社がその債務を承継するように処理いたしたいと考えております。
○冨永委員長 参考人中島儀平君、寺田省一君、御両氏に申し上げます。御両氏におかれましては、公私何かと御多端にもかかわらず、再三おいでを願いましたが、その都度万障を排して御出席いただいた点は謝意を表するものでございます。しかしながら中央卸売市場の盛衰は、日本の水産業の興廃に重大な影響のあることは御承知の通りでありますから、常に国会とも緊密たる御連絡をしてくださるように御希望申し上げておきます。
○中島参考人 最後に、今度の市場整備につきましては、水産庁並びに当委員会が絶大なる御後援をしていただきまして、そのために現在市場がスムーズに整理されつつあります。これもひとえに当委員会の絶大なる御盡力のたまものと考えております。しかし何分十九の会社を整理いたしますので、今後いろいろの問題が発生すると思います。この点につきましては、極力当委員会並びに水産庁に連絡いたしますので、なおこの上とも御後援を願います。
○冨永委員長 承了いたしました。 —————————————
○冨永委員長 次に漁船法の一部を改正する法律案は、ただいま正式に付託になりました。本案に対しまして他に御質疑もないようでありますから、これにて質疑を打切ります。これより本案について討論に入るのでありますが、別に討論の通告もありませんから、討論を省略してただちに採決いたします。 本案について、原案の通り可決するに賛成の方の御起立を願います。 〔賛成者起立〕
○冨永委員長 起立多数。よつて本案は原案の通り可決すべきものと決しました。 なお本案に対する委員会報告書等の作成に関しましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○冨永委員長 御異議なしと認めまして、さよう決定いたします。 次会は明二十八日午前十時より開会いたします。本日はこれにて散会いたします。 午後零時四十一分散会