水産委員会 第24号
- 発言数
- 18 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1951/03/24
会議録
○冨永委員長 これより水産委員会を開会いたします。 漁業法等の一部を改正する法律案を議題といたします。まず提出者より提案理由の説明を願います。永田節君。
○永田委員 昨年三月十四日施行をみた新漁業法においては、漁民による漁業秩序の再建を意図し、旧法に基き免許された漁業権の再編成を行うとともに、許可漁業についても、それぞれ漁業の民主化という見地から再検討を加えることとしたのであるが、このいわゆる漁業制度の改革は、現在断々固として進行の過程にあります。ところで今ここに新漁業法について一部改正を行う法律案を提案するゆえんのものは、この一年間における実績に基き、制度改革をより円滑に実施するためにほかならないのであります。以下法律案において取上げました重要事項について説明申し上げます。 さて、この改正案は、漁業法と漁業法施行法、両法の一部をそれぞれ改正する内容になつておりますが、まず漁業法関係について説明します。 第一は、瀬戸内海におけるます網漁業は、現行法において定置漁業に該当しておりますものについても、すべて共同漁業にいたす法第六条関係の改正でございますが、これはまず網漁業の経営規模がさして大きなものでないことと、瀬戸内海における該漁業の経営は、現在その大部分が輪番制による行使を行つている実情にあります。従いまして、もし身網の設置場所が二十七メートルであります網漁業が、定置漁業としての取扱を受けることとなるといたしますと、定置漁業の免許の優先順位の関係で、現在の輪番制による理想的な経営の一角が崩れることにも相なるわけでございまして、この際協同組合のみが免許の適格性を持つております共同漁業権の内容に組み入れることにより、組合の管理のもとに該漁業を輪番経営させることが、最も適切な漁業調整のあり方ではないかと考える次第でございます。 第二は、入漁権の享有者を協同組合または同連合会に限定することでございます。現行規定によりますと、若干個人が入漁権を取得できることを認めている節もあるのでございますが、入漁権の対象となりうる漁業権は、組合にのみ免許される共同漁業と、組合が自営しない場合にあつても最優先的に免許が保障されております一部の区画漁業権に限定されております。これは、その漁業の実態が組合の管理のもとに調整されることが最も適切であると考えられるからであつて、こうした内容の漁業を入り会つて操業いたす権利である入漁権を個人が享有できることは、いささか妥当を欠くものではないかと考えるわけであります。従つて今回第四十二条のこの新しい規定を加えまして、入漁権を取得できるものを、協同組合と同連合会に限定することを明確にいたした次第であります。 第三は、現在漁業の取締りに関しては、農林大臣及び知事の命令でもつて規定した事項が多々あるわけでございますが、これら省令、規則に定められております懲役、罰金、拘留及び科料の罰則は、互いに併科できるようになつておりますが、この点漁業法自体の命令への委任の内容が不分明でございますので、この際明確にいたしたのが第六十五条第三項の改正であります。 第四は、小型底びき網漁業の関係でございますが、この漁業は、現在機船底びき網漁業取締規則第二十六条の二によつて規律され、以東底びき網漁業とは取扱いを異にし、知事の許可にゆだねられております。ところでこの小型底びきは、戰時戦後を通じ、わが国の食糧危機の緩和にすこぶる貢献いたした漁業であつたのでありますが、その漁業能率のよいことと、沿岸至るところで操業され、あまつさえ法規律の紊乱は、現在沿岸漁業の秩序維持にゆゆしき事態を惹起している現況にあります。これが進行中の漁業制度改革に与える影響は、いまや看過できない段階に達しているものと考えられます。今回法律を改正する機会に、この漁業の処理についての方針を確立し制度改革をさらに強力に推進する法的根拠を規定いたしたいものと考え、新しく第六十六条の二の規定を制定するものであります。 第五は、有毒物を使用して水産動植物を採捕する禁止の一部解除の点でございますが、これは現在内水面漁業にかかる免許の際に要する増殖、養殖の基準を作成する必要に迫られているわけでございまして、その際局部的に増殖の実績について悉皆調査をする必要があるため、この場合には例外的に有毒物使用を認めようとするものでありまして、第六十九条に法律案の通り但書を加えた次第であります。 第六は、第七十八条から第八十条までの免許料、許可料徴収に関する一連の改正でありますが、これは昨年第七国会におきまして、国税徴収法の一部改正が行われた際、当然に改正する必要があつた事項でありますが、実際にはこれらの規定がいまだ適用の段階になかつたため、今日までそのままになつていたのを、今回正確な内容に改正いたしたものであります。内容はまつたく従前通りでございます。 第七は、第八十九条の改正でございますが、これは海区漁業調整委員会委員選挙人名簿の調整期日を、現行の二月一日から九月十五日に改めまして、公職選挙法による名簿調製と期日を一致させ、事務の簡捷化をはかつた次第であります。 第八は、第九十四条及び第九十七条関係の改正でございますが、これは昨年第七国会において成立制定された公職選挙法に関連いたしまして、これらの規定が大幅に修正されたのでありますが、若干法律的に不備な点がありますので、法案の通り改正いたすものであります。 第九は、漁業法の規定によりますと、知事が具体的に漁業調整につき処分を行うに際し、多くの場合、海区漁業調整委員会の意見を聞くことを要件といたしておるのでありますが、委員会が解散されるとか、委員が不足したために委員会が成立し得ないことがあるわけでありまして、そうした場合、可及的すみやかに補欠選挙を執行いたしますことは当然の理としましても、なお不測の緊急を要する事態が予想され、そうした際委員会の意見を聞かずして知事が措置できるよう第百四条の二の規定を新しく制定いたしたいと考えるのであります。 第十は内水面漁場管理委員会と都道府県の議会の議員の兼職の禁止をいたす点でございますが、これはこの委員会が海区漁業調整委員会と大体同一の法的性格を持つものであることから、海区漁業調整委員会と同様の取扱いをいたすのが当然と考えられますので、第百三十二条をしかるべく改正いたした次第であります。 以上が漁業法関係の改正点の概要でありますが、漁業法施行法関係といたしましては次の二点でございます。 第一点は、旧漁業法に基く漁業権の消滅時期を指定する手続についてでございますが、現行法によりますと、政令によりまして一括地区ごと、漁業権ごとの指定を考えているのでありますが、漁業法によつて現在樹立されております。漁場計画の進行状況を考えまするに、画一的に消滅時期を指定いたすことは、いささか困難の模様であります。従いまして、この際漁場計画の作成により、密接な位置にある知事をして指定の事務を行わせることがより適切だと考え、第一条第二項をしかるべく改正いたしました。 第二点としまして補償事務開始の時期でありますが、現行規定からみますと、漁業権の消滅後に手続が開始されるようになつておるのでありますが、漁業権の補償が、むしろ沿岸沖合漁業の協同化のための生産資金に活用される希望がすこぶる多く、かつまた、かくすることが制度改革をして有終の美を全うさせるゆえんでもありますので、できる限り早く補償額を確定し、証券交付時期を繰上げることが望ましく考えます。第十条第五項を法案の如く改正いたしますのは、如上の意味からでございまして、権利消滅前にも補償計画の手続を開始し得るよう、措置したわけであります。 以上が本法案を提出いたす事由でございますが、愼重審議の上、賛同あらんことをお願いする次第であります。
○冨永委員長 本案に対する質疑は次会よりいたします。 —————————————
○冨永委員長 次に漁船法の一部を改正する法律案を議題といたします。提出者より提案理由の説明を求めます。参議院議員秋山俊一郎君。
○秋山参議院議員 漁船法の一部を改正する法律案について、その提案の理由を御説明いたします。 漁船法は、第七回国会において、衆議院の当水産委員会の発議によつて成立し、昭和二十五年五月十三日、法律第百七十八号をもつて公布、同年八月十二日施行になりましたが、その後の運用の実績に徴しまして、所要の改正を施そうとするものであります。 まず第一点は、漁船の建造等の工事完成後に認定を行うことにいたしたことであります。現行法によりますと、漁船の建造及び改造の許可には、漁業種類、総トン数その他各種の許可の要件が条件となりますが、既往の実績によりますと、必ずしもでき上つた漁船がこれらの条件に合致していない場合がございます。しかしこの許可要件が巖守せられますことは、合計総トン数の最高限度と性能の基準を確保して、漁業の調整及び取締りの完全を期しますために、ぜひとも必要なことでありますので、このたび新たに規定を設けまして、この種の違反の絶滅を期そうとするのであります。これによつて、現在各方面から要望されております漁業取締りの強化も、僅少の経費をもつて十分の効果をあげられることが期待できるものと信じます。 第二点は、登録票の検認の制度を設けたことであります。漁船が登録された後、その登録事項に変更を生じましたときには、変更の登録をしなければなりませんが、その申請を怠り、または故意にしない者が多いために、漁船原簿に現われたものと漁船の実態とがとかく遊離しがちでありましたので、これを確実に合致させる必要から、新たに都道府県知事に三年ごとに登録漁船と登録票について検認を行わしめることにいたしたのでございます。 第三点は、登録手数料を都道府県の收入とすることにいたしたことであります。従来登録手数料は国の收入といたしまして、実務を取扱う都道府県には平衡交付金によつて還元していたのでありますが、地方財政の確保の見地から、直接都道府県收入とすることに改め、かつ検認制度の創設に伴いまして、その手数料をも徴収できることにいたしたのであります。 以上三点が改正点の主要なものでありますが、その他現行法において建造等の許可基準の箇所の中に含めて規定されております合計総トン数の最高限度及び性能の基準の設定について、新たに一条を設けて別個に規定することにいたし、建造等の許可基準から造船所及び機関製作所の技術的能力、資金調達能力に関する規定を削除しまして、民間の自由意思にまかせることにいたしましたほか、法文について所要の整理を施したのであります。 以上がこの法律案の大要でありますが、何とぞ愼重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げる次第であります。
○冨永委員長 本案に対する質疑は次会よりいたします。 —————————————
○冨永委員長 次に漁業法及び水産庁設置法の一部を改正する法律案を議題といたしまして、提案者より提案理由の説明を願います。平井義一君。
○平井委員 漁業法及び水産庁設置法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由を簡単に御説明申上げます。 この法律案は、各委員も御承知の通り、有明海の漁業の複雑性から見て、この海区を特別海区といたしたいと考えるのであります。有明海においては、長崎県、佐賀県、福岡県、熊本県の四県の間で絶えず紛争がありますので、これを円満に解決し、漁業改革の目的を果し、漁業の安定をはかるため、この海区に漁業調整事務局と連合海区漁業調整委員会を常置して、漁業調整をすることが、有明海十三万漁民の要望でもあり、最善の方法と考えまして、本法律案を提出した次第であります。何とぞ御審議を願い、至急御決定くだされんことをお願いいたしたいと思います。
○永田委員 本案につきましては、別に質疑もないようでありますから、質疑を打切り、討論を省略し、ただちに採決せられんことを望みます。
○冨永委員長 ただいまの永田節君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○冨永委員長 御異議なしと認めまして、本案に対する質疑を打切り、討論を省略して、ただちに採決いたします。 本案について原案の通り可決することに賛成の方の御起立を願います。 〔総員起立〕
○冨永委員長 起立総員。よつて本案は原案の通り議決すべきものと決しました。 なお本案に対する報告書作成等に関しましては、委員長に一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○冨永委員長 御異議なしと認めまして、さよう決定いたします。 —————————————
○冨永委員長 次に漁船保險の問題について政府より説明を求めます。
○伊藤説明員 漁船保險の問題について御説明申し上げます。 ただいまの漁船保險制度のもとにおきましては、拿捕、抑留の事故につきまして填補の道が開けておりませんので、この情勢に備えますために保險法の一部を改正いたしたいと存じます。要綱によりますれば、特殊保險は、普通現在やつております通り、漁船保險組合が特約によつてこれを引受けることといたします。損害の填補におきましては、従来の填補対象のほかに、捕獲、拿捕、抑留の三項を余分に加える次第であります。保險金額におきましては、特殊保險の金額は普通保險の保險価格以内といたしますが、この点につきましては、漁船保險及び保險会社の海上保險の保險金額を越えない範囲になつております。それから保險料率は一応農林大臣がこれを定めることができる道を開きました。組合員は保險の目的たる漁船が、捕獲、拿捕、抑留されまして三十日間解放せられなかつたときは、組合に委付して保險金額の全部を請求することができるようにする。これがために本法の第十七条の二並びに第十八条の二を加えるということがおもな点でございます。
○冨永委員長 本問題に対する質疑を次の機会に譲ります。 —————————————
○冨永委員長 次に中央卸売市場の機構の問題について、昨日に引続いて参考人中島儀平君及び寺田省一君に対する質疑を行います。質疑をお許しいたします。——ちよつと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○冨永委員長 速記を始めてください。 ただいま委員各位から御希望もありましたように、本日は時間の関係もありますので、参考人に対する質疑は次会に譲ります。 次会は二十七日午前十時より開会いたします。 なお船舶職員法案に対する運輸委員会との連合審査会は二十六日月曜日午後一時より開会いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後一時五十二分散会