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10回国会衆議院1951/02/08

水産委員会 第7号

発言数
15
登壇者
4
会派数
2
開催日
1951/02/08

会議録

冨永格五郎自由党

○冨永委員長 これより会議を開きます。  漁業経営安定に関する件を議題といたします。  わが国沿岸漁業の資源の永続的な確保をはかり漁業経営安定を期するため、本委員会におきましては、前々から熱心に研究して参りましたところ、その根本方針が大体まとまりましたが、水産庁当局はこの問題についてどのようなお考えを持つておられるか、一応御説明を承りたいと思います。

家坂孝平水産庁長官

○家坂政府委員 ただいま委員長からお話のありました件につきましては、水産庁におきましても、いろいろこの点につきまして対策を考究して参つたのでありまするが、結局漁業法の一部を改正していただきまして、そうしてこれが進展をはかつて参りたい、かように考えておるものであります。それで現在の漁業法におきまして不備と思われる点につきまして御説明申し上げます。  まず第一点は、現在漁場計画の検討が各海区漁業調整委員会におきまして活発に行われておるのでありまするが、その際最も問題になつておりますのは、瀬戸内海を初め全国の沿岸において二万余隻の無許可または許可違反の小型底びき船が横行して、漁業秩序の維持はもちろん、漁場計画の作成自体をきわめて困難な状況に置いておることであります。それでこの際、先に決定いたしました小型底びき船処理要綱に従いまして法制的措置をとろうとするものであります。その内容は追つて省令をもつて規定する予定でありますが、十五トン未満の小型底びき船は知事の許可としましてわくづけを行い、逐次整理を行うことになるのであります。整理に伴う補償措置の取扱いにつきましては、困難な問題があるのでありますが、今後早急に結論を得たいと思つて、鋭意努力いたしておるのであります。  第二点は、瀬戸内海のます網につきましては、水深二十七メートル以上のものについてもその実態、行使方法から見まして、共同漁業として取扱つた方がより妥当と考えますので、そのように改めたいと思つておる点であります。  第三は、入漁権を受けるものにつきましては、当初より漁業協同組合または漁業協同組合連合会だけであるという解釈並びに方針をとつて来たのでありますが、今回明文をもつて指定したいと思つておるのであります。御承知のように入漁権は、組合の漁場管理の一部移転と解せられますし、また入漁権の設定も、組合に管理権限が認められている共同漁業、一部の区画漁業につきましてのみ認められておりますので、組合には連合会のみが入漁権者となり得ることは当然であるのであります。  第四点は、海区委員会がその定員の過半数以上を欠いた場合、すなわち開会不能の場合の特例が現在ありませんので、その規定を設けることにしたいのであります。  第五は、補償手続、選挙手続等につきまして、若干手続上の変更をいたして参つた方がよいという考えを織り込みたいと考えておるのであります。  大体以上の五つの点を考えているのでありますが、よろしく御審議をいただきまして、この法の改正が完成いたしまするようにお願いいたしたいのであります。

冨永格五郎自由党

○冨永委員長 本問題につきましては、なお愼重に調査研究を進める必要があり、また法律の立案ということも考えておりますので、この問題につきましては、すでに漁業経営安定に関する小委員会も設置されておることでありまするから、この小委員会において早急に結論を出されるよう審査いたさせたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

冨永格五郎自由党

○冨永委員長 御異議なしと認めまして、さよう決定いたします。     —————————————

冨永格五郎自由党

○冨永委員長 次に商品取引所法中、特に海産物の取引につきまして関係当局より御説明を願います。

水野彦治郎国民民主党

○水野説明員 商品取引所法の施行の一部を改正する政令をもちまして、水産物のうち、するめ、こんぶ、魚油、魚かすを商品取引所の上場品目として指定することにつきましては、昨年の十二月二十一日の商品取引所審議会におきまして、これを上場品目に指定するということについては、審議会として異議がないという承認を得ましたので、さつそくこの政令案を英文にいたしまして、司令部のオーケーを求めに参つたのでありますが、ちようどそのときに司令部の関係官がアメリカの方へ旋行していたものでありますから、話が新年に持ち越したのであります。そうして最近この政令をもつて指定する件につきまして司令部に打合せましたところ、まだ証券取引所の問題それから福井におきますところの化学繊維の問題、大阪におきますところの三品取引所の設置の問題等、まだ先議すべき事案がこの商品取引所の関係にはたくさんあるので、その方の審議を済まして、それから水産物取引所の問題について審議をする、こういうことを申しておるのであります。そういうわけでありまして、この水産物を商品取引所法に基きまして上場品目に指定するということに関する国内的な手続は全部終つておるのでありますが、関係方面の了承をまだ得ませんので、正式にこれを政令として公布することができないというふうな状態であります。なおこの水産物の商品取引所につきましては、函館及小樽の両市から取引所の設置に関して陳情がありますが、まだ政令にこの品目が指令されませんので、従つて司令部の方にも両市から取引所設置の要望があるということは伝えてはおきましたが、設置を許すとか許さぬとかいう点については、まだ司令部の関係官も触れておらないというのが現状でございます。     —————————————

冨永格五郎自由党

○冨永委員長 家坂長官から発言を求められております。これを許します。家坂水産庁長官。

家坂孝平水産庁長官

○家坂政府委員 前委員会におきましての御質問にお答えいたします。第一は、荒廃漁場復旧の件についてであります。水中障害物の除去につきましては、海上保護と関係が深いので、協議の結果、予算措置につきましては、担当区分をきめましてそれぞれ予算額を算出いたしまして、協同歩調をとつて大蔵省に鋭意折衝したのであります。水産庁では約八千万円、保安庁では約三億円であつたのでありますが、これは予算決定閣議の席上でも、いろいろ関係大臣間で論議があつた模様でありますけれども、国家財政も逼迫しておるときでありますので、遂に二十六年度通常予算への計上は不可能と相なつたのであります。はなはだ遺憾に存じておつたのであります。それで今後の措置につきましては、調査資料を整備の上、保安庁とも協議いたしまして、本年度の予算充用か、二十六年度の補正予算に計上するよう努力したいと考えております。なお海上保安庁二十六年度予算の荒廃漁場復旧への充用、そのほか若干の二十六年度の予算も爆発物物件の処理についてあるやに聞いておりますので、これが使途の場合、爆発物以外の付近の障害物をも同時に清掃してもらうように、保安庁との間に協議がととのつておりまするので、それによつてある程度の障害物除却が可能となるかと考えておるのであります。  それから第二は、最近発生しておりまする機雷爆発事件に対する問題であります。さつそく保安庁と連絡いたしましたが、保安庁から聞き知りましたところでは、鳴門事件に対しまして、国に補償の責任が法制的にあるかどうかということにつきましては、目下関係当局で研究中でありまするが、大体法制的にはないらしいというような結論に達しておるように聞いているという話であります。但し、保安庁の監督不行届きの責任はまぬがれ得ない模様でありまするので、この場合には、鳴門事件に対しまして見舞金を支出するか、あるいは特に起債の別わくを與えるとか、いろいろな方法が考えられるので、これにつきましては目下研究しておるという話であります。  なお福井の事件は、漁業者が誤つて機雷を沖合いから曳航して港内に持ち込みまする際に事件が起きたものであるらしいので、鳴門の場合とは性質が異なり、まだ具体的にどうするかは取上げておらないようであります。それでこの爆発事件に関しましての応急対策でありまするが、厚生省関係としては、事件発生直後の応急策としましては、罹災者に対し、ただちに災害救助法に基く救助が行われております。すなわち、国の責任において知事が罹災者の収容施設を運用し、またたき出し、医療等の救助措置を講じておるのであります。水産庁といたしましては、恒久的にはこの種事件の今後の発生を防止するために、保安庁に対して早急かつ安全な爆発物件の処理方を申し入れております。なお福井事件のような誤りを繰返さないように、浮遊機雷らしきものを発見したら曳航せずに警察等に急報するよう、漁民に周知徹底させる意味の知事あて通牒を出すことにいたしております。それから漁民の漁船その他資材、施設の喪失、復旧につきましては、県から申入れのあり次第水産庁としましては、なし得ることは積極的に取上げて援助して参りたいとかように考えております。

川端佳夫自由党

○川端委員 前会に質問をいたしておきました点についてただいま御答弁を伺つたのでありまするが、これはまつたく不満足なる答弁であると言わざるを得ないのであります。というのは、荒廃漁場復旧についての緊要性については、もう耳にたこのできるほどお聞き及びのことと思うし、私たちもくどく申し上げて参つたのであります。ところが、先ほどのお話を伺いますると、当初八千万円に相当する計画を考えた、あるいは保安庁において三億に近いものを考えた。これは当初考えたことはだれもが知つておる問題でありまして、これから先の水産庁、あるいは保安庁における熱意が足らなかつた、事の重要性はよくわかり、そうして最初歩み出しの考え方は持つておつたにかかわらず成就しない、ここに問題がある。しかも二十五年度の補正予算には必ず組むんだ、二十六年度に入れられないから二十五年度の補正予算で必ずやるんだ、こういうふうな大蔵省当局との話合いもあつた。ところがその間に額において話合いがつかないというふうな問題があつて、これが延びた。ところがその間に、先ほどのお話によれば、一層調査の必要を感じ、資料の不備があるために折衝が進まないというふうなお話に受取つたのでありまするが、補正予算のときに相当の資料を集めたことは事実であります。また不完備であつたことも事実であります。ところがわれわれが内緒の話を聞いてみますと、そのとき以来、水産庁においてはこの問題を突き進んで調べたことがないと聞いておる。私はこういうような点を暴露して責めたくはないが、ほんとうに熱意を持つて考えておると思われないから、こういうことまでも言わざるを得ない。しかも最近鳴門の事件、福井の事件、こういうふうな不祥事が起つて盡つております。この一つ二つの爆発した問題の陰に隠れた大きな漁民の脅威、あるいは漁業に不安を持たしめておるというような、こういう大きな問題が、この二つの問題のもとに背景をなしておることもお考えつきのことと思う。ほんとうにこれをやるつもりなのか、掃海をやるお考えを持つておるのかどうか、  つまらぬことなのですが、もう一ぺん確かめておきたい。そうしなければ、何べん言うてみても、まるきりのれんに腕押しで、言うだけ損だというような感じさえも持つ。こういう水産庁では相手にしてもしかたがないというふうな極論にまで至らざるを得ないのでありますが、ほんとうにやるお考えでいるのか、事の重要性をよく御認識なさつて、どういうお考えでいるのか、ちよつと伺つておきたいと思うのであります。

家坂孝平水産庁長官

○家坂政府委員 荒廃漁場の復旧につきましては、水産庁といたしましても、もちろんこれの沿岸漁民に対しまして影響の非常に重大であるということを考えまして、当初よりできるだけの資料を集収いたしまして、そうして予算に計上いたしまして大蔵省に出したのでありまするが、大蔵省といたしましては、その調査資料では不満足であるというわけであります。しかし水中にあり、しかも終戦直後の混乱時代に海中へ投げ出されたもの、そういつたものは、その地元の漁民といえどもなかなか正確を期してその調査をすることが困難な場合も多いようでありまして、なかなか大蔵省が期待するような資料が得られないのを非常に残念に思つておるのであります。しかし私どもといたしましては、補正予算の編成のときにあたりましても、鋭意大蔵省の関係官に折衝いたしましてその予算の獲得をはかつたのでありまするが、これが実現を見なかつたのはまことに遺憾に存じておるのであります。しかしその熱意におきましては決してかわつておりませんから、先ほども申し上げましたように、今後できるだけの措置を講じまして、この目的を貫徹するように努めたい、かように考えております。

川端佳夫自由党

○川端委員 熱意がかわつておられない、けつこうなことであります。しかも大蔵省当局において満足すべき調査資料がなかなかむずかしい。また水中にあることであるから、漁民の力によつてその実態を捕捉することはむずかしい、当然のことであります。この当然の調査についての費用をお考えになりませんかどうか。ここまで来れば調査費としてこれをお出しになる必要が十分にある。しかも大蔵省の主計局長に私は強硬談判をいたしましたところが、水産庁当局とも少し打合せて、何とかしたいと言つておる。しかも水産庁においてこれにはほんとうに熱意があるのだつたら、もう少し流用の仕方もあると言つておる。水産庁の長官は、具体的に調査費をどういうふうにして出そうかというお考えをなさつたことがありますか。

家坂孝平水産庁長官

○家坂政府委員 その点につきましては、私ども実は八千三百万円の予算を、最初の本予算に計上いたしましたときの説明並びに補正予算を計上する場合にあたりましても、とにかく調査するという費用でなしに、ほんたうにこれが作業をやる費用をとりたいのだという方針で進んでおつたのであります。しかし大蔵当局の方では。どうしてもいま少し整備された資料がほしい。だからこれを調査の形でおやりになつてはどうかというような話があつたのでありますが、私どもとしましては、もう調査の時代ではない、実際に作業を進めたいのだということで、その調査の問題にはあまり熱意を持つておらなかつたのでありますが、その後、調査資料が整わなければ、大蔵省としてはどうしても認めがたいというような話をしておりますので、それならば調査の費用でも一応獲得しまして、そうして数箇所でもとにかく調査をして、それを基礎にして全般的な千数百にわたつております全国津々浦々の荒廃漁場を整備して参りたい、かような考えを現在持つておるのであります。

川端佳夫自由党

○川端委員 もうこれでやめますが、調査でなくして引揚げの作業の面に重点を置きたい、まつたく私たちもそれを懇願いたしておつたのであります。その点はまつたく私などもしごく切望した点でありますが、この段階へ来て、何とか一歩を進めたい、進めざるを得ない問題であるという観点から行きまして、これを本格的に扱うためには、どうしても大蔵省で基礎調査が必要であるということがはつきりといたして参り、これが大きなネツクになつておるのでありますから、まず一歩を進めるために、その調査費をつくり上げるというふうにしていただきたいと思うのであります。そうしてこの問題に一歩進めてもらわなければ、地方の漁民は非常に困るのであります。従つてこの調査費を今度水産庁予算の中で幾ばくか捻出できますかどうか、重ねて伺つて、なお御考慮を願つておきます。

家坂孝平水産庁長官

○家坂政府委員 二十五年度予算では捻出はなかなか困難かと思つております。二十六年度の予算につきましては、よく検討いたしまして、できるだけ実現のできるようにして行きたい、かように考えております。

冨永格五郎自由党

○冨永委員長 本日はこの程度にとどめたいと思います。次会は明後土曜日、午前十時より開会いたします。  本日はこれにて散会いたします。     午前十時三十五分散会

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