人事委員会 第9号
- 発言数
- 46 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1951/05/21
会議録
○藤枝委員長代理 これより人事委員会を開会いたします。 委員長にしばらくの間おさしつかえがありますので、私がかわつて委員長の職務を行います。 ただいまより前会に引続き一般職の職員の勤務地手当の支給地域の区分に関して質疑を継続いたします。成田君。
○成田委員 最初に職員の給与に関する法律の十二条の規定についてお尋ねしたいのでありますが、これによりますと、在勤する職員に対して地域給を支給する、こういう規定になつております。すなわち勤務地主義になつておりますけれども、地域給の趣旨から行きましたら、著しく生計費の高いところに生活しておる人の生活を保障するための地域給だから、当然住居地主義によつてこの地域給を支給するのが妥当ではないか、こう考えるのでありますが、これについてのお考えを承りたいと思います。
○瀧本政府委員 地域給の勤務地主義か居住地主義かということにつきましては、前回並びに前々回の委員会で十分御議論のあつたところであります。人事院といたしましては、ただいまの場合、勤務地主義による方がよろしい、こう考えております。なお生計費ということは居住地に関係があることではないかという点も、確かにこれは意味のあることでありまして、われわれは勤務地主義で行く、但し居住地主義をある程度取入れるような方法によつて行く、こういうことで現在案をつくつております。
○成田委員 居住地主義をある程度取入れる方法で行くと言われますが、どういう形で取入れられますか。
○瀧本政府委員 たとえて申しまするならば、大都市の周辺地区を非常に必要がある場合には大都市並に取扱う。あるいは大都市の周辺地区に従来ほどの較差を設けない、こういう方法によつてやつておる次第であります。
○成田委員 人事院としては、原則として勤務地主義で、ある程度居住地主義を取入れる、こう言われたのでありますが、私どもの考えから行きますれば、生活費ということが中心でありましたならば、人事院の原則と逆なので、むしろ居住地を原則として、ある程度勤務地主義を取入れるのがほんとうじやないかと思いますが、それについての御見解はいかがですか。
○瀧本政府委員 勤務地というのは非常にはつきり把握しやすいのであります。ところが居住地ということになつて参りますと、これは技術上においてなかなかはつきりしない点が多々ある。こういう問題は非常に技術的に居住地主義によりがたい点でありまするし、またかりに居住地主義によつたという場合でありますならば、同じ官庁に勤めております者が、違つた基準の給与を受けるというようなことも当然起つて来るものでありますから、そういうものは給与制度上まことにおもしろくない。何としても現在のところは、勤務地主義がよろしい、こういうことになつております。
○成田委員 勤務地主義をおとりになる理由として今二つあげられたのですが、同じ官庁で住所が違うために地域給が違うということは、地域給の趣旨からいつて当然だ。俸給とか家族手当の問題は別でありますが、同じ官庁に勤めておりましても、居住地が違つて、そのために生計費が高いとすれば、この居住地に相応するところの地域等を出すということは当然なので、決して居住地をとつたからといつておかしいことはないと思いますが、それについてどうお考えですか。
○瀧本政府委員 一応のりくつはそういうことになるかもしれませんが、やはり現在の場合におきまして、居住地というものに、通勤範囲内を大体考えていただきたいのであります。たとえば東京に住んでおる人が非常に辺鄙なところに勤めておるということでなしに、大体通勤範囲の問題をお考え願いたいと思います。そういう場合に、居住地が違うということによりまして、給与に非常な差等があるということになりますと、これは何といいましてもわれわれ給与行政上はまずいのではないか考えております。同一の官庁におきましては、まず地域給は同じであるということが、現在の状況におきましては、適当しているというふうにわれわれは思つておる次第であります。何と申しましても居住地主義の一大欠陥は、それを的確に把握し得ないという点が非常に欠陥でありまして、われわれは現在勤務地主義によることがよろしいと思つております。
○成田委員 今の局長の御答弁で、同じ官庁へ勤めている人でも、住所が違うということで差等をつけるということはおかしい、こういうことが一つの理由であつたのでありますが、そういたしますと、同じ官庁に勤めておりましても、家族の数が違えば、家族手当も違つて来るのであります。そういう点は、私はあまり根拠にならないと思います。今の御答弁でも、根本的な欠陥はそうではなくて、住所地を的確に把握することができないのが根本的な欠陥である、こう言われたのですが、これは実際手続上の問題である。そうしますと、本質的には住所地主義が正しいのだということをお認めになるのではないかと思います。単に手続上的確に住所を把握することができないから、勤務地主義によるというような便宜主義をおとりになるということは、どうかと思うのですが、今の御答弁では、住所地主義が正しいのだということをお認めになつた、こう考えてよろしいのですか。
○瀧本政府委員 すぐそのようにおとり願つては困るのでありまして、今居住地主義、勤務地主義と相対立して、相入れざるもののごとき前提でお話になつておるように考えるのでありますけれども、勤務地と居住地とは、これは非常に相関度が高いのであります。従いまして、居住地主義の方が絶対によろしいということは、どうしても言い得ないのであります。今のお話を発展させて参りますと、居住いたしております地域によりまして、生計費に差等があるときには差等を設けるのが当然である、こういうお話になろうかと思うのでありますけれども、現在の状況におきましては、それほど勤務地と居住地というものを截然区別して考えなければならないような段階であるというふうには思わないのでありまして、従つて勤務地主義によるということが、大きな目から見ますと、これがやはり大体その地域における生計費の差等ということと非常に密接な関係があるわけでありまして、先ほど申し上げましたように、居住地主義というものによりますれば、的確にそれを把握し得ないという事務手続の問題もございますので、現在の場合といたしましては、何としても勤務地主義によるのがいい、こういうふうに考えております。
○成田委員 どうも御答弁を承つておりますと、やはり手続上の問題を云々されているので、手続に誤りのないことを重点に置かれて、実質的に公平であるかどうかということについては、あまり考慮されていないような気がするのでありますが、住居地主義、勤務地主義おのおの理由があるといたしましたならば、むしろ両者併用するのが私はほんとうではないかと思いますが、そういう御意見はございませんでしようか。
○岡部政府委員 勤務地主義か、居住地主義かということにつきましては、当初からずいぶん議論されたところでありまして新しい議論ではないのでありますが、なお重ねて私からも一応御説明申し上げたいと思いますのは、実は勤務地手当そのものが、きわめて理論的な制度かというとそうでもないので、かなり便宜主義にできている制度であるということを、ひとつ前提として御了承願いたいと思います。それから勤務地手当の実施につきましても、従来も勤務地主義か、居住地主義かということにつきましても議論があつたわけでありますが、両者おのおの理論はあります。しかしこれも便宜主義に基きまして、結局従来も勤務地主義によつて行われていたわけであります。従来勤務地主義によつて行われていたということは、どちらかというと、勤務地主義の方が実際のやり方として長所があるということであります。それから第三の点といたしましては、成田さんは非常に勤務地主義、居住地主義と二つ対立してお考えになつておられますが、瀧本政府委員からも申し上げました通り、両者がほとんど相関度が高い。ことに現在のような交通事情、住宅事情によりまして、ある程度まで例外はありますけれども、職員というものは勤務地というものを非常に狭く解釈しないで、これを適当な広さに考えて行く範囲においては、勤務地と住居地というものは大体原則として一致しているわけであります。そういたしますと、勤務地主義、住居地主義の対立をことさら強調するということも、実は少し理論的であつて、しかも実際にはおかしい話ではないか。従つてできるならば勤務地主義によつて、しかも住居地主義をこれに併用して行けば、大体の目的を達するのではないか。百パーセント理論的な問題ではない、ある程度実利主義、便宜主義の問題だろうと考えるのであります。でありますから、住居地主義は正しいので、勤務地主義は誤りで、住居地主義が最善のものだ、こう理論的にも言い切れないだろうと思います。結局便宜の、実際的な措置として勤務地主義を中心としておる、こういうふうに御了承いただきたいと思います。
○成田委員 勤務地と住所地というのか非常に相関度が高い、だから勤務地をとれば大体住所地も満足されるのだ、こういう御答弁であります。瀧本さんもできるだけそういう点は考慮されている。こう言われますが、考慮というのではなしに、それほど相関度が高いものでしたならば、そういう例外が出ましたときに、住所地主義を明確に取入れて、その漏れたものをなくするというように、相関度が高ければ高いほど、例外的なものについては明確に住所地主義も採用するのだ、こういうように御処置なさるのが正しいのじやないかと思いますが、どうでしようか。
○瀧本政府委員 われわれの作業といたしましては、むろん勤務地主義を主といたしまして、居住地主義もずいぶん取入れておるのであります。もうすでにその措置はわれわれはとつておるのであります。かりにこの居住地主義によつてやりますならば、たとえば東京に勤めている人が遠隔の地から勤めておつた場合には、かえつて低くなるのであります。先ほど私が申し上げました同一の職場において勤務地手当というものが違つて出て来るような、おかしいことがあるということを申し上げたのでありますが、東京市内に住所を求めることができませんで、やむなく遠くから通つている。そしてそういう人が、交通費も相当負担しておるというような場合に、かえつてそういう手当が低いというような、いわば非常な欠点も起きて来るわけでありまして、われわれの作業といたしましては、この勤務地主義によりまして、そして居住地主義の美点ももうすでに取入れている、こういうふうに御承知願いたいと思います。 なおこの機会に、一昨日の委員会において松澤委員から御質問がありました点について、われわれ調べて参りましたからお答え申し上げておきたいと思います。それは現在一般職員の国家公務員の数の中で何パーセントくらいが勤務地手当を受けておるかということでございますが、これは的確な数字はまだ申し上げられませんが、今われわれが概算いたとこるによりますと、約七五%であります。今回もし人事院の勧告いたしておりますようなものが採択されましたならば、どうなるかと申しますと、約七八%の公務員がこの地域給の支給を受ける、こういうことになります。但し新しく地域が指定されましたものと、それから従来の地域が上るもの、こういうふうにあるわけでございますから、今回の改訂によりまして、引上げまたは御指定を受けた地域に勤務する公務員が全公務員の何パーセントになるかと申しますと、約九%こういうことでございます。なおお手元に差出しております地域区分別市町村数新旧比較表というのがありますが、これは市町村の数で比較表をつくつて参りました。もつとも大都市の周縁地域等で字等を指定したというものについては数の中に入つておりませんから、そういう意味に御承知願いたいのであります。これによりますと、従来特地でありましたものは二十三あるわけでありますが、これは全部五級地になるということでございます。従来甲地でありましたものは百五十二あつたわけでありますが、現在これは一五%の支給を受けておるのでありますが、その中で三級地になるのが百二、四級地になるのが三十八、五級地になるのが十三、現在乙地に指定されておりますものが、七百五十、この中で五百七が一級地、二百二十五が二級地、十七が三級地、それから丙地から今度新たに一級地になりますものは四百十四、二級地が四十四、こういうように御承知願いたいと思います。
○藤枝委員長代理 成田君、御質問中でありますけれども、今官房長官が見えられましたが、官房長官は午後御用事があるようでございますから、官房長官に対する御質問を先にしていただきたいと思います。
○成田委員 それでは官房長官に御質問申し上げますが、今度人事院から地域給の勧告が出ましたが、政府としてはこれを全面的におのみになる意思があるかどうか、これを承りたい。
○岡崎政府委員 全面的に受入れようと思つております。
○成田委員 全面的に受入れるという御答弁で満足するのでありますが、その前に私たちがお聞きしたいのは、最初昨年人事院が給与べースの勧告をいたしましたときに、政府は人事院の勧告を、今回の場合とは違つて全面的に受入られなかつた。そのときに浅井人事院総裁も答弁していらつしやいましたが、地域給の改訂をやる前提として給与ベースの大幅引上げをやらなければいけない、大幅引上げが行われて、人事院の勧告が全面的にのまれて、初めて地域給の改訂が行わるべきだ、しかるに政府は給与ベースの改訂については人事院の勧告をそのままのんでいない、下げる方の地域給の改訂についてはこれを全面的にのむというような方針を持つておる、非常に不満だ、こういうことを言つておられたのでありますが、その後民間の給与も相当上つている。また物価もどんどん上つておりますので、地域給の改訂を取上げる前に、まず給与ベースの改訂を取上げる段階に来ているのではないか、こう思うのでありますが、それについて政府はどういうお考えを持つておりますか承りたい。
○岡崎政府委員 地域給の改訂はこの前のときからの懸案でありまして、五段階にわけるということを前提として、この前一時的に三段階の二割五分以下の区分をしたのであります。これが出ることを予想しておつたわけであります。従つて給与べースの問題とは別個に、これはもう当然出るものとして予想しておりましたから、今度出ましたのでこれを全面的にのむ、こういうことでありまして、給与べースの問題はまた別の問題として資料等を集めてはおります。また人事院もむろん研究していると思いますが、それをやるとかやらぬとかいう問題ではなくて、これは別個に、今までの引続きで、これでこの前の給与ベースの改訂から一貫したのがまとまつたわけであります。これて前から残つておつた問題はケリがついた、こういうことになると思います。
○成田委員 前から残つておつた問題を今回ケリをつけたということでありまして、残つておつたという解釈でありますが、先ほど申しましたように、人事院は人事院として給与べースの勧告が全面的にのまれるということを前提にして地域給の改訂を用意したのであります。しかるに政府は人事院の給与ベースの改訂は十分のんでいない。一方下げる方の地域給改訂だけは残つていた問題だからこれをやるのだというのでは、これは別個の問題じやなしに、両者関連があるわけですから、非常に片手落ちになる。地域給の改訂をやるのでありましたら、その前提に返りまして給与べースの改訂をやる段階になつている。特に物価の高騰、民間賃金の高騰ということを考えたならば、地域給の改訂よりも給与べースの改訂をまず取上げるべきだ、こう考えるのですが、これについて人事院の御意見と官房長官の御意見をもう一度承りたい。
○岡崎政府委員 人事院の方でも、全面的に政府があれを実行すべきであると希望はいたすでありましようけれども、法律上も予算の許す範囲内でやるということになつておるのですから、常に必ず人事院の勧告は全部受入れるべきであるという予想をいたしておるはずはないと思います。希望はむろんしておられるでしよう。予算の関係上、ほとんど大部分は入れましたが、ごく少額は人事院の勧告通りではなかつたのでありますが、これはいたしかたないと思います。人事院としてこの勧告を全部受入れるべきであるという強い前提のもとに議論を立てることは誤りであろうと思います。それは法律でそうなつております。なお下げる方の地域給とおつしやいましたが、今度の改訂を見ますと、この前暫定的にきめたのから見て下つておるのは一つもない。上つている部分ばかりであります。金はかなりかかりますけれども、この際は非常に人事院で苦心して、いわば科学的に研究された結論でありますから、これを一つ二ついじつたりなんかすることは適当でないと思いますので、全面的にこれはのもう、こういうことになつたのであります。
○瀧本政府委員 この作業はわれわれやはり八千五十八円べースの勧告の一部分の残りとして、官房長官の言う通り考えております。その作業を完結するということでやつておるわけであります。下げる方があるのではないかというお話につきましては、官房長官の言われました通り、今回は下げるところは一つもないのであります。給与べースの問題につきましても、われわれは絶えず研究をいたしておるのであります。ただ何回か委員会で人事院総裁も答弁いたしておりますように、現在のところにおきましては、いつどういう勧告をやるかということはまだ申す時期には達しておらない、こういうことであります。
○成田委員 官房長官は放送討論会でなかなか宣伝がお上手になつて、下げるところはない、上げていると言われておりますが、どこに基準を置いて下げるか上げるかを考えなければならない。私たちの置いている基準は最高三割——淺井人事院総裁もこの三割を基準にして給与ベースの全面的な勧告を受入れなければ、この地域給をいじることはおかしいと言われておるのでありますが、最高三割から見ると五分落ちた二割五分が最高になつて、決して上つているわけじやない。地域給は下つているということをはつきり申し上げます。 次に御質問したいのは、今全面的にのまれると言われましたが、まだ政府から法案も出ておりませんが、いつから実施なさる意思であるか。六月一日からか、あるいは七月一日から実施するのか。実施時期を承りたい。
○岡崎政府委員 これはむろん国会の審議をまつて国会の議決を要するものでありますから、いつからということは私の方から申せませんが、われわれは時間的に許すならば、つまり法案が通つたり、その間に準備しなければならぬという時間もありますが、時間的に許すならば六月一日からやりたい、こう希望しております。
○成田委員 議会の議決にまつと言われておりますが、勧告は、もちろん御承知のように実施時期の問題についてはブランクになつておるわけですが、国会が六月一日と決定して、そのまま政府はそれをおのみになるのか、やはり法律案としてお出しになるのじやないかと思うのですが、どういう形で御提案になるのか承りたいと思います。
○岡崎政府委員 私も今材料を持つておりませんから、詳しくはつきり申し上げられません。しかし、もし間違つたらあとで訂正いたすとしまして、人事院の勧告は日付のところがあいております。われわれの方で提案するときは、それに六月一日という字を入れて提案するつもりでおります。
○成田委員 じや六月一日として提案される御意思である、こういうように了承いたしますが、六月一日から実施いたしますとすると、人事院の勧告にもございますが、年額約九億円の予算措置が必要だ、こういう説明になつておるわけでありますが、六月一日から実施するとすると、大体どれくらいの予算増を見込んでいらつしやいますか、これをまず承りたいと思います。
○岡崎政府委員 それは年間のお話でありましようが、人事院の方では一応お調べになつたと思いますが、われわれの方でまた一々各省別に当つてみませんとわかりませんから、正確な数字はまだ申し上げられないだろうと思います。大蔵省でもはつきりした自信のある数字はないようであります。しかしかりに人事院の調べと同じような結果が出るとすれば、年間で九億何がしというならば、本年度は四、五と二月減りますから、それの十二分の十あればいい、こういう考えでおります。
○成田委員 九億円の十二分の十といたしますと、それに対する予算措置はただちにおとりになるお考えでありますか。
○岡崎政府委員 地域給の予算は年間を通じたものが今あるわけでありまして、増額の分もそれで支給して当分の間行かれると思います。足りなくなりましたときに補正予算を提出すればそれでいいんじやないか、こう思つております。
○岡田(春)委員 ちよつと関連して二、三伺いたいのですが、先ほどのお話を伺つていると、今度の地域給で前の人事院の勧告を完結させておる、こういうような点が官房長官並びに人事院の側からお話があつたのですが、そうすると人事院の勧告の中には、期日が書いてないが、賃金ベースの体系の一つとして、地域給を考えて行くんだとするならば、なぜ人事院として期日を書いてないのか、この点について伺いたい。
○瀧本政府委員 先ほど成田委員から三割だつたのを二割五分にしたんだから下げたというお話がありましたが、人事院の八千五十八円ベースの勧告の場合におきましても、これは二割五分が最高であつたわけです。これは別に下げたというふうには思いません。ただ給与行政といたしまして、方向といたしましては、現実の状況がそれほど地域差が減少しておるならば、これは漸次減少いたしまして、なるべく本俸に繰入れる方がよろしい、こういうことでやつておるわけでありまして、概括的に申しましてすでに本俸にそれだけ繰入れられておるのであります。従いましてもし作業をやりますれば、今回一月一日から改訂になりました給与べースの中に当然地域給の範囲があるわけでありますから、この予算の範囲で処理することになるのが理の当然だろうというふうに思うのであります。ところがもしそういうことをやりまするならば、これは上げ下げしなければならぬ。二割五分、一割五分、五分あるいはゼロと、現在暫定的にそういうふうな地域給になつておりまするが、これをさらに上げ下げしなければならぬという問題が当然起つて来るのでありますけれども、われわれはこれを上げ下げすることは現在の場合給与行政上おもしろくないのじやないか、従いまして現在のこの二割五分の地域、一割五分の地域、五分の地域は下げることはしない、こういう方針で作業をいたしました。従いましてそういうことになりますると、当然地域給に関する限り予算がふえるわけであります。われわれといたしましてはそういう状況に相なりますれば、これは予算を伴う問題でありまするから、政府の方として都合のつく限りこれをすみやかに実行していただきたい、こう申し上げるよりしかたがないのであります。
○岡田(春)委員 滝本さんの今のお話を伺つていると、人事院は地域給の勧告をするにあたつて財政的な見地も考慮したんだ、こういうお話なんですが、予算上の点ですね……。
○瀧本政府委員 予算上の点は、人事院は考慮しないのであります。ただしかし上げるということはきまつておるのです。そうすると、すでに成立しておりまする予算から申しますならば、地域給を改訂することは、その限られた範囲でやるということは理の当然だと思うのでありますけれども、そういうことはできない。われわれといたしますれば、これを下げないでバランスをとるという方向でやりたい。これは当然予算を伴う。しかし。それだけの予算は人事院は予測はできませんので、政府の方でいろいろお考えになつていただいて、御都合がつけばなるべく早くやつていただきたい、こういうことであります。
○岡田(春)委員 人事院が勧告をする場合には、浅井総裁がいつも言うように、科学的に官公吏の生活を保障するという意味で勧告をすべきものであつて、その限りにおいて、先ほどお話のように八千円べース体系の一つとして地域給は考えて行くというならば、予算上の措置はどうあろうとこれによつて完結するというならば、何月何日から遡及するなら遡及するとして支給すべきであるという、その日付まで入れないことには、人事院の義務である最低生活の保障ということはできないと思う。この点、何らか政府の方に遠慮されたというか、もつとはつきり言うと、なれ合いのままで話をされた。そういう形で日付の点をブランクにしておくことは、政府が予算上できないことを人事院として考えて、その点は思うように政府でやつてもらえるようにするために、そこの点を余白にしてある。それを逆に言えば、それだけ公務員の生活の問題については、人事院は本来なすべき義務を怠つておるといわざるを得ないことにもなつて来る。こういう点があなたの今の御答弁では非常にあいまいだと思います。先ほど完結すべき給与ベースの一部分としてやつたんだと岡崎官房長官並びにあなたは御答弁なすつたが、この体系の一部として、これだけの地域給をやつてもらわなければ生活の保障はできませんという意味で一月一日からベース・アツプをやつておるならば、それにはつきりとマツチするような形でやらなければ完結にならないと思うが、この点はどうなんですか。
○瀧本政府委員 人事院は給与べースの勧告をいたすわけであります。八千五十八円ベースの勧告をいたしたわけでありまするが、これに対しまして政府でとつた措置は、おおむね人事院の勧告の水準をいれられたというふうに考えておるのであります。ただ体系等につきましては、人事院といたしましていろいろ別の考えを持つておつたのでありまするけれども、その人事院の勧告をとにかく取上げて、そうして本年の一月一日に、給与ベースの改訂があつた。それではその前の国家公務員の給与べースは幾らになつておつたかと申しますと、超過勤務とか年末給というようなものを除いて申しますならば、昨年の十二月は平均七千二十三円という数字になつておつたのであります。それでは今回の給与べースの改訂によりまして、一月一日にどれだけになつておつたかと申しますと、八千二百円ないし八千三百円という数字に相なつておるのであります。この八千二百円ないし三百円という数字は、われわれ八千五十円べースを勧告したのでありまするから、これは大体われわれの勧告の精神は十分尊重されておるというふうに考えるのであります。そうすれば地域給の問題は、当然暫定案とはいいながら一応二割五分、一割五分という刻みで地域給が改訂されておるのでありまして、予算はその範囲できまつておる。ただ人事院に残されました問題は、さらにその地域を改訂するということだけであります。従いまして人事院が今回この申出をしたわけであります。それでこれに伴つてさらに予算が増額するということになりますれば、人事院としてはただいまの立場といたしまして、これはなるべく都合をつけて早く実施してもらいたいということを言うよりしようがない。これは人事院は国会と政府に勧告しておるのであります。その点を一つ申し上げておきます。
○成田委員 この人事院の勧告が議会を通過いたしました場合、国家公務員はこれだけの地域給をもらうわけなんですが、地方公務員についても政府は右へならえして出すようにし向けられる御方針であるか。
○岡崎国務大臣 地方公務員の方は、むろん地方自治の建前からそれぞれ考慮をいたすことと予期しております。それについては地方財政委員会等でも研究し、あるいは何らか申出があるかもしれませんが、一応は地方でもつてそれぞれ計画を立てる。こういうことを予期しております。
○成田委員 地方の独自の立場でこの問題について計画を立てる、こういうことを予想しておられるというのは、これは当然なことでありますが、問題はやはり財源の問題になつて来ると思うのです。その場合に、今官房長官も触れられましたように、地方財政委員会の意見も出て来るかもわかりません。結局平衡交付金の増額の問題ということになると思うのですが、この地域給が先ほど官房長官も言われたように非常に科学的、合理的である、こういうことをお認めになつておるとすれば、地方公務員についても当然これだけの地域給を支給すべきだと思う。それに必要な財源のための地方平衡交付金の増額というものは、当然政府としてもお認めになると思うのですが、それについての御意見を承りたいと思います。
○岡崎国務大臣 今からそういうお約束は政府としてはできません。またどういう勧告が出て来るのかこれもわかりません。平衡交付金といえども政府の財源から支出するのであつて、その元は国民の税金でありますから、地方から言つて来れば何でも出す、こういうわけには参らない。また地方の方は、地方自治の建前からいつて当然節約すべきところは節約し、金のやり繰りをつけて、どうしても足りない分が平衡交付金となつて現われるのでありますから、そのときの状況に応じて考えるよりいたし方ないと思います。今からは何とも申し上げることはできない、こういう状況であります。
○成田委員 御答弁を承つておりますと、まことにごもつともな御答弁でございますけれども、この地域給が合理的であり科学的である、こういう前提に立ちました場合に、地方公務員も国家公務員に準じて支給するのが、これは地方自治法にも定まつておることだと思います。そういたしますと、それに必要な財源を地方であらゆるやり繰りをしまして、節約すべきところは節約して、しかもこの地域給を支給するために、必要な財源が欠けておるという場合には、当然平衡交付金で政府としては見るべきであると思いますが、それについて御努力なさる御意思があるかどうか、これを最後に承りたいと思います。
○岡崎国務大臣 それはそのときの地方財政委員会の意見も見てみなければなりません。また今の状況では、地方の各自治体の財政というものが、はたして実際上節約に節約を重ねて、もうこれ以上のことはできないという状況になつておるのか、それとも多少余裕があるのか、こういうことが政府では一向わかつておりません。それで何にもわからない状況のもとに、金が足りないから出せ、こう言われてそのたびに要求通りに金を出すということになりましたら、国民の税金を減らすなどということはほとんど困難になつてしまいます。われわれはまず地方の財政の状況の実際を十分に資料を得て調べたいと思つております。そうしてほんとうに金が足りないということがはつきりわかりますれば、これはその地方の自治を完全にするために、十分の考慮を払わなければいけない、こう思いますが、今のところはそういう資料がないので、せつかく成田さんのお話ではありますけれども、今白紙委任状のようなものを出して、財政委員会の意見が出たらすぐに平衡交付金を増額するのだという、そういうようなお約束はできない、こう言つておるのであります。
○成田委員 よくわるのでありますが、ただその趣旨として、その財源の問題は別といたしまして、国家公務員にこの地域給を支給されるといたしましたら、地方公務員にも支給するのが妥当だと思うのでありますが、それについて官房長官はどうお考えになりますか。
○岡崎国務大臣 それは当然そうだと思います。そういうつもりで各自治体の長が自分の財政を彼此勘案しまして、国家公務員にならつてそういう地域給を支給するように努力すべきが第一の段階であろう、こういうふうに思つております。
○藤枝委員長代理 それでは午前の会議はこの程度にいたしまして、午後一時半より再開いたします。 午後零時四十七分休憩 ————◇————— 〔休憩後は開会するに至らなかつた〕