厚生委員会 第37号
- 発言数
- 86 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1951/07/20
会議録
○松永委員長 これより会議を開きます。 まず社会局長より、ケイト台風の被害状況についての発言を求められておりますので、これを許可いたしたいと存じます。木村社会局長。
○木村(忠)説明員 ケイト台風は、ちようど本土を通つたのでございますけれども、これによりましては、鹿児島方面に被害がございました程度でありまして、全国的にいたしますれば、大したことはなかつたのでありまするが、これに引続きまする七月の七日ごろから九州南部に降り始めました豪雨が、その後だんだんと北上いたして参りまして、九州南部はずつと長い間降り続きましたし、さらにこれが中国、四国方面まで延びて参りました。主として鹿児島、熊本、福岡、山口の辺に非常な豪雨がありまして、特に山口県におきましては、最もひどい被害を及ぼしました。そのほかに近畿方面こおきましては、特に特殊な事情をもちまして、京都におきましては特別な大きな被害を受けたようでございます。総雨量が四百ミリ以上七百ミリというような非常な豪雨でございました。雨の量が多かつたために、河川が氾濫いたしましたり、堤防が決壊いたしたりいたしまして、非常な被害がありました。お手元に大体災害の状況は配付してあるのでございますが、一番ひどいのが川口でございまして、その次が京都でございます。大体山口、愛媛、福岡、熊本、鹿児島、これだけは災害救助法を発動いたしております。京都は被害が大きくあつたのでありまするけれども、京都の見解といたしましては、被害が局地的であるというところで、災害救助法を発動せずして、事実上災害救助法と同程度の救助を実施するという方針をとつたようでございます。 これに対しまして、厚生省といたしましては、被害が出て来た十日から災害救助事務の緊急態勢を整えまして、罹災府県からの被害の情報、あるいは措置の情報を集めまして、これらを次官会議、あるいは関係の機関の方に速報いたしますと同時に、各地の被害がだんだん増加いたしまして、特に山口及び京都の情報が、大きな被害があるようでございましたので、この両地に対しまして、救助事務指導のために係官を派遣いたしまして、正確な情報をとりますと同時に、これに対する指導をいたしたのでございます。 なお七月十四日に、被害の特に著しい京都府と山口県に対しまして、従来ララの中央委員会におきまして考えております基準に従いまして、ララからり衣料品を寄贈する必要ありと認めまして、ララ中央委員会の決定を経ました上、罹災者救済用といたしましてララの衣料品を、京都府については千五百名分、山口県には三千名分を、それぞれ現地に向けて発送いたしたのであります。 被害を受けました各県におきましては、お手元に配付いたしておりますように、山口県におきましては、ただちに災害救助法を発動いたしまして、山口県災害救助対策本部を設置いたしまして、これが救済の措置に努めたようでございまして、大体それに必要なる生活必需品、衣料等の物資は、地元でもつてこれを給付いたしたようでございます。なお救護班を八班編成いたしまして、罹災地に派遣いたしまして、それらの医療等の問題について処置いたしたようでございます。この救済に必要なる経費につきましては、山口県としては六百八万円ばかり一応予算を追加いたしております。 それからなお、現在事実上町村が立てかえまして、その経費を支弁いたしておりますので、これにつきましては、県といたしましては、これは事務費でございますから、追つてこれを支弁しなければならぬようなことになろうと思います。現在の山口県の災害救助に対する経費に対しまする国庫補助をいたしまする最低の限度がまだはつきりわかりませんが、約千二百万円程度でございまして、現状のままでもつて応急対策あるいはその他の、大体法にきまつております通りにいたしますと、千三百万円程度の経費が必要になると思いますので、若干国庫補助の対象になりますが、現在の経費におきましては、きわめてわずかな部分が国庫補助になるというふうになりますので、これに対しまして、援助資金交付の措置をとる必要は、現在はなかろうと考えておるのであります。 京都におきましては被害が相当になつておりますけれども、ここでは、その被害の起つておりますのが、京都市に隣接いたしておりますところの南桑田郡篠村の山上にあります防水池が氾濫いたしまして、急速に山麓の一部落を襲いまして、その部落で、急にひどい水が来まして流されました関係上死傷者が多かつたという実情でございます。これに対しまして、京都は臨時水害救助対策本部を設置いたして救助に当り、避難所の開設でありますとかその他災害救助の措置をとつたのでありますけれども、災害救助法は発動いたしておらないのであります。これに対しましては、厚生省といたしましては災害救助法を発動する方が適当であろうと考えておるのでありますけれども、この点につきましては、京都府は災害地が局限されておるというような考え方をとつておるようであります。 その他の県につきましては、それぞれ県の実情を聞いてみますと、大体災害救助法を発動しなければならぬ所は発動いたしまして、適正にやつておるように見受けられます。 大体以上のような状況でございまして、今日まで災害救助対策といたしましては、一応妥当なる措置がとられつつあると考えてよいのではないかと考えておる次第であります。 なお山口の方面におきましては、その後さらにまだ雨が降つておるようでございまして、この雨がまだ続きますと、相当被害が増すのではないかという心配があるのであります。これに対しましては、こちらといたしまして、これの対策に遺憾のないように準備はいたしておるのであります。
○松永委員長 次に、本件についての御発言はありませんか。
○松谷委員 ちよつとお尋ねしておきたいのですが、京都府の場合、救助法の発動をしなかつた、それを本省でも発動される方が妥当だと考えられるというお話でありますが、その発動されなかつた京都府としての考え方でございますね、今ちよつとお話があつたようでございますが、聞き漏らしましたので、おわかりになつておる程度をお聞きしたいと思います。
○木村(忠)説明員 京都府におきましては、篠村という一部落が非常にひどかつた、これが被害の大部分であつたというような考えから、災害救助法を発動しないでも大体間に合う、つまり局地的な問題であるというふうにお考えになつたようであります。そういう実情でございまするならば、それもまたやむを得ないのじやないかと一応考えられるのであります。ただわれわれといたしましては、災害の罹災者の数あるいは浸水の状況等からいたしまして、救助法を発動する方がよいのじやないかと考えておりますが、一応京都府はそのような見解をとつております。大体発動するかしないかは、地方にまかせておりますし、地方の方でそういう見解をとつておるということを申し上げたのであります。
○堤委員 ただいまの局長の御答弁でございますが、災害救助法を発動しなかつた京都府の問題でございますけれども、私、早速京都に参りまして現地を見て参りましたし、それから京都の知事にも会つて参りました。ただいま局長から説明がありましたように、もちろん南桑田郡篠村という所に局限されておりまして、著しいものはここの一部分であるという見解に立つて災害救助法を発動しなかつたというのは、りくつは正しいかと思いますけれども、しかしこれはその局地だけでとどまつた問題でなく、京都市内にも相当な被害があるのでございます。そのトータルは、すでに知事の手元から政府に届いているはずです。蜷川知事の申すところによりますと、現在の災害救助法は非常に不合理にできておつて矛盾が多いので、発動することができないというふうに申しておるのでございます。と申しますのは、現在の法律にきめられておりますところの当該年度の府県税収入の百分の一で縛つておるところの国庫補助の問題でございます。これがこの額に達しなければ補助しないという規定がありますゆえに、いたずらに市町村には負担せさられませんし、府の財政をいためつけられるばかりで、そこに昨今非常に赤字を生じて参りました地方財政の窮迫した今日、ことに平衡交付金が削減されて、これを重ねて参りました京都府あたりでは、この点非常に財政的に苦しいので、災害救助法を発動したいが、それができないというような実情を私に訴えておられたのであります。この点は、局長にもある程度意見を漏らされたことと思うのでございますが、現在の地方財政と災害救助法の中に盛られたこの財政的な問題につきまして、これを機会に私たちは検討しなければならないと思うのでありますが、局長はどういう見解をお持ちでおられるか、御意見を承りたいと思います。
○木村(忠)説明員 京都におきましては、この前にございましたジエーン台風並びにヘスター台風——これは昨年あるいはその前でございますが、ヘスター台風は、今回の災害よりは小さかつたのでございますが、適用いたしておるのでございます。これはある一つの場所に相当規模が大きかつたということであるようであります。それからジエーンにつきましては、今回の災害よりは規模は大きいのでございますけれども、これに対しましては、災害救助法を適用いたしておらないのであります。これはやはり非常に被害は大きいのでありますけれども、散発的であつたというようなことでもつて、災害救助法を発動しておらなかつたようであります。京都は、大体従来からそういうような方針をとつておるようでございまして、われわれといたしましては、必ずしも賛或の意を表しているわけではないのでありますけれども、一心京都は、そういうような独自の見解をとつてやつているようであります。 ただいま御指摘がございました災害球助法の救助費に対する補助をする限度でございますが、これにつきましては、われわれとしても、従来からこれをあまり高いところにおくことは、災害救助に対する地方の措置について遺憾の点を生ずるおそれがあるというふうに考えております。従いまして、昨年も災害救助法を改正いたしまして、従来相当高いところにありましたものを、ずつと引下げたというような措置をとつたのでありますが、その後の状況を見ましても、これで十分であるというふうには、まだ考えておらないのであります。これにつきましては、できるだけ引下げまして、災害救助に遺憾のないようにいたした方がよいというふうに考えまして、この点につきましては、災害救助法の制定の経緯もございますので、これらの点を考え合せまして財務当局と折衝いたしたいというふうに考えております。
○堤委員 ただいま局長からも御答弁がございましたが、現在のこの百分の一というのは非常に苦しい地方財政をまかなう府県の長官としては、大きな矛盾のあるところでございまして、苦しんでおることは目に見えておるのであります。われわれ委員といたしましても、各委員の協力を得まして、今後たびたびあるでありましよう災害に備えて、この法の改正をなされなければならないというふうに考えております。どうか局長の方におかれましても、大蔵省と十分強力な折衝をされまして——もちろん国費の濫費になるような法の改正をしてはなりませんけれども、せめて五百分の一くらいのところまでは、現在の状態では持つて行かなければならないかという、これは私見でございますが、私こういう見解を持つております。どうぞその辺ひとつ御研究を願うと同時に、委員会といたしましても、この災害期を前にいたしまして、緊急を要する問題だと思いますから、委員各位にも御協力をお願いしておきたいと思います。 なお厚生省ではわずか一回や二回の災害では補助ができないから、年々その何回かを重ねて、額がたまつたら国庫補助のめどがつくから、それをひとつ小さなものでも採用してためるようにしてくれというような御意向があるように聞いたのですが、そういう御答弁をなすつていらつしやいますか。
○木村(忠)説明員 これは少し誤解があるようでございますけれども、災害救助法は、一年分の災害に対して計算をすることにいたしたのであります。個々の災害につきまして計算するよりは、一年分の災害を通算いたします方が、地方といたしましても得でございますので、われわれといたしましては、一年分を通算いたしまして、ある基準以上に達しましたものにつきましては、それに対して補助をする。一々にいたしますと、全部について差引かれますために、非常に損でございますので、一年分を通算する方が得だということから、こういうふうにいたし、特に地方財政の状況を勘案してやりまする場合には、結局年間の予算というもの、年間の財政収入というものと、実際のそのときの災害救助費というものとを比較して考えることがよかろうということで、一年分を通算するわけであります。従いまして、何回かの分を集めるということでなくて、一年分を通算するという従来の方針をとつたわけであります。京都につきましては、若干誤解があつたようでありまして、一年分を通算するということをお忘れになつておつたのではないか、今度のだけではとても補助にならぬから、この次また補助をもらうために災害を起すというわけには行かぬだろうと思いますけれども、結局たびたび災害があつた場合に、全体としてやはり補助が出る、そのときには、地方としての財政負担ができないから、それに対して補助するという建前をとる方がやはり合理的である。これに対しましては、財政当局におきましては、非常に負担が増加いたしますので、意見があるわけでありますけれども、この方針だけは曲げたくない、ただ補助をする一番最初の点をどこに置くかという点は、われわれといたしましても、できるだけ引下げる方がよかろうというふうに考えたわけであります。ただそのために、先ほど申しましたように、災害が累加して出て来ました場合の措置ということについて、遺憾のないように考慮しなければならぬ、この点も考えておるわけであります。
○堤委員 これは私もくれぐれ申し上げておきたいのは、知事からも強い要望がございましたし、またこの災害救助法に対するいろいろな他の府県の長官などの意見も大体同じように拝聞いたしておりますので、よろしくお願いいたします。 それから京都のごときは、災害が起りましたら即刻ラジオまたいろいろな新聞社などの応援を得まして、緊急措置を遺憾なくやつたようでございまして、この点は私非常によかつたと思うのでございますが、苦しい地方財政をさいて、一名たりともできるだけの援助をしてこれを救わなければならないというところの非常に誠意ある処置をとつております。どうか厚生省といたしましては、一日も早くその後の処置の裏づけを国庫からなされるように、書類なども処理なされまして、当局の方へ、また山口県の現地へ、国の誠意が届くようにしていただきたいということを特にお願いいたしておきます。
○松永委員長 他に御発言ございませんか。——ちよつと速記をやめてください。 〔速記中止〕
○松永委員長 本件についての御発言は他にございませんか。——なければ、今回の災害につきましてはただいま木村社会局長からの御報告がありましたが、本省としてもこれが救済、爾後の対策に万全を期していただく。なお選出区の委員諸君並びにもよりの委員諸君から厚生行政に関する面について、ひとつ現地を各自の立場で御視察を願いまして、次の委員会に御報告を賜わつて、その万全を期するように御進言等を賜わりたい、かように存じておりますから、よろしくお願いいたします。 —————————————
○松永委員長 次に、看護婦制度に関する件を議題とし、まず久下医務局次長より、その後の経過についての説明を伺いたいと思います。久下医務局次長。
○久下説明員 さきの国会におきまして両院を通過いたしました保健婦助産婦看護婦法の施行に関しましては、さきの国会の終りごろに、省令の要綱につきまして御説明を申し上げ、御了解をいただいておつたのでありますが、その後、その要綱に基きまして正式に省令にいたすべく、厚生省といたしましては、案を進めておつたのであります。最近に三つの省令案の成案を得ましたので、これを去る十四日の本厚生委員会の看護婦制度小委員会のお集まりの際に御報告を申し上げまして、御了解をいただいた次第でございます。 この三つの省令と申しますのは、まず第一は保健婦助産婦看護法施行規則という表題をつけておりまする、主として法律の施行に関しまする手続に関係した規定をいたしたものであります。 第二は、保健婦助産婦看護婦学校養成所指定規則という表題をつけたものでございます。これはその標題の示しますごとく、保健婦、助産婦、看護婦を養成いたします学校または養成所の持つておらなければならぬ要件につきまして、規定をいたしますと同時に、これらの養成所の監督、指導の面につきましての規定をいたしたものでございます。 第三の省令は、都道府県知事の看護婦免許を受けた者の講習等に関する省令という表題を設けたものであります。これは言葉をかえて申しますれば、いわゆる既得権看護婦につきまして、厚生大臣が特別な講習を行い、その講習を終了いたしました者に対して新制度による看護婦免許を与えることになつておりまするので、この講習をだれが行うか、またその講習の内容はどういうものであるべきかというようなことにつきまして規定を設けたものでございます。 以上申し上げました三種類の省令によりまして、さきの国会におきまして御審議御決定願いました法律は、法律の規定の通り九月一日から施行せられることになつております次第であります。この省令の内容が相当厖大にわたりまするので、こまかい一つ一つのことにつきまして御説明申し上げると、不必要な時間を要すると思いますので、さきの国会以来問題になつておりましたおもな点につきましてこの際御報告を申し上げ、さらにまたこの省令に基きまして、そのおもな点をいかように実施いたすつもりであるかというような点につきまして、私どもの考え方を御説明申し上げて、御了解を得たいと思う次第であります。 まず、先ほどの三つの省令のうち、最後に申し上げました講習に関する問題でございます。これは既得権を持つております看護婦が、御承知の通り現在約八万ございますが、そのうち過去二回の国家試験を受験し、これを通過するであろうと想像せられまする者が約二万を越えるのではないかと想像をいたしておるのであります。と申しまするのは、昨年は約七千名ほどの合格者があつたのであります。しかもその大部分は既得権看護婦であります。この春行いました国家試験が、まだ合格者の決定に至つておりませんが、実際に受験をいたしました総数は一万五千名を越えております。しかもその大部分がいわゆる既得権看護婦であろうと思います。今想像せられます合格率から考えましても、両者を合せまして優に二千名を突破する数が、看護婦国家試験によりまして、新しい制度に基く看護婦の免許が受けられるであろうと思うのであります。そういたしますると、残りの六万近い数が、この講習と、また今後行われます国家試験の対象として考えられるわけでございます。この点につきましては、なお先般来問題になつておりました、従来新しい省令で考えておりますような講習を行いました者につきましては、これをこの法律に基く講習を行つた者として取扱う方針でございます。これは正式に私どもの方なり、あるいは都道府県で行いました、はつきりした数字だけで考えますと、約四千名足らずの者が従来講習を受けたものとして免許を与えられる数字であろうと思うのであります。これらを差引きますると、大ざつぱな数字でございまするが、結局約五万の既得権看護婦につきまして、この講習の実施ということを考えて参らなければならないと思う次第であります。この講習は、先般御承認を得ましたように、一箇月間、時間数にいたしまして総計百四十五時間というのを講習の基準としておるのであります。従来行いました講習につきましても、この省令によつて定めました基準に該当いたしますものは、都道府県知事に、この省令に基く手続をしていただきまして、そこで認定をするようにいたしたいと思つておる次第であります。 そこで私どもといたしましては、先般御報告を申し上げましたように、とりあえず本年度の看護婦再教育のための予算が若干ありますので、そのうちいわゆる幹部看護婦の講習と称しまするもの、それから都道府県知事に補助をして行います一箇月講習、さらに結核の幹部看護婦の再教育という名目で全国九地区で、本年度二回ほどの予定になつておりますが、これのうち一回分が以上申し上げました三種類のものをこの法律に基く講習の費用に振りかえて、さしあたり実施して参りたいというのであります。これは金額にいたしましても二百万ちよつと越える程度の額にすぎないので、その多数の者を教育することはできないだろうと思つております。実際の問題といたしましては、先般も日本看護婦協会の会長とも話合いをいたしました。協力をして予算を有効に使つて、できるだけ多数の看護婦さんにこの講習が受けられるようにいたしたいという話合いを進めておる次第であります。さらに本年度の補正予算、来年度の通常予算にも、私どもとしては相当大幟な予算の要求をいたしまして、私どもだけの計画いとたしましては、今後二箇年間でその大部分を講習会に、その一部分を国家試験にいたしまして、既得権看護婦に対して新しい免許を全部が獲得できますような政策で進みたいと思つております。 次に、新しい看護婦養成所の指定基準のことでございますが、この点につきましては、法律の定めによりましても、従来の甲種看護婦と新しい制度の看護婦とは、その内容におきまして法律の改正がございません。指定基準につきましても、ほとんど同じ方針でやつておるのであります。ただ看護教育につきましては、一方におきまして助産婦と保健婦は、従来一箇年間の教育を受けなければならないということになつておりましたのを、六箇月に縮小されました。そしてその六箇月分は三箇年の看護教育の課程中において教育をする、いわゆる浸透教育を行うという法律の精神でもございますので、その意味合いにおきまして、従来の甲種看護婦の教科課程に対しまして、今申し上げたような、将来保健婦あいるは助産婦として立ちます場合にも、その基礎となり得るような知識なり技能なりは、看護婦教育の中におきまして教育のできるように、学科課程の仕組みをかえた次第でございます。そして保健婦と助産婦の課程につきましては、一年間が半分の六箇月に縮まりましたので、それに応じまして学科課程の内容の改正をした次第であります。大体の考え方は、基礎的なことは看護婦の教育の課程中に終了をいたしまして、保健婦あるいは助産婦として六箇月の教育に入ります場合には、最初からそうした基礎教育を受けたものとして、いわゆる実務に属するようなことを始めさせたいという仕組みにいたした次第であります。 次に、最も問題となつておりました准看護婦の養成所の学科課程並びに指定の基準でございます。学科課程につきましては、従来の乙種看護婦と大体期間も同様でございまするので、ほとんど同じような課程にいたしたのであります。学校の指定基準につきましては、私どもの考え方は、先般も御了解を得ましたように、准看護婦の養成所につきましては、わが国現下の一般の実情から考えまして、物的な設備の面におきましては、あまりやかましいことを申さないという考え方で規定をいたしておるのでございます。すなわちその典型的なものを申し上げますると、従来は乙種看護婦につきましては、必ず寄宿舎を持たなければならないということがございましたが、今回は、なるべく寄宿舎を持つ程度でよろしいということにいたしました。同時にまた、看護婦の教育を行います上に必要な実習施設でございまするが、従来の乙種看護婦につきましては、養成所なり学校なりの経営主体が、直接実習施設を持つておらなければならないという扱いにいたしておつたのでありまするけれども、今回の准看護婦につきましては、学校なり養成所の経営主体は、必ずしも自分自身のものとして実習施設を持ちませんでも、他の病院と契約をし、その病院を実習に使用できるようにしておきさえすればよろしいというふうな考え方にかえたのであります。このことはよく問題になつておりました、医師会などが養成所を経営するということも、この方法によつてできることになるものと思います。それは養成所指定規則の第八條の第九号が臨床実習施設であります。第十号が今申し上げた寄宿舎の設備に関する規定であります。言葉の表現は抽象的でありまするので、今申し上げましたようなことは、この解釈から当然出て来るというふうな考え方であります。その他の点につきましては、従来の乙種看護婦の養成所と大差はないのであります。その程度の基本的な方針を改めることによりまして、かねて御要望のありましたような線に沿つて実施ができるものと考えておる次第でございます。 その他この指定規則につきましては、今申し上げたようなところが基本的な線でありまして、あとはこれに関連した付随的な、いろいろこまかい手続規定等が設けられておるのでございます。 最後に、法律そのものの施行規則でございまするが、これは形式的には、従来の規則の改正ということにいたしましたが、実質的には、これはあくまでも法律そのものの手続的な規定でございまして、本質的な影響のあるものは、ほとんどないと申してよろしいと考えておる次第でございます。 はなはだ簡単でありますが、この程度の御説明を申し上げまして、何かまた御質問でもございましたならば、お答えをいたすことといたします。
○松永委員長 次に、本件についての御発言はありませんか。
○丸山委員 養成所の指定規則の十條でありますが、先般の小委員会では御説明がありましたが、きようは御省略に相なつたようであります。古い規則では、甲種看護婦養成所と乙種看護婦養成所との併設は許さない方針に相なつておつたはずでありますが、今度はその併設の面と十條との関係を一応御説明願いたいと存じます。
○久下説明員 かんじんな点の説明を落しまして恐縮でございます。お話の通りに指定規則の第十條の解釈から、ただいまお話の通りの結論が出て来るように考えております。すなわち具体的に申し上げますると、御指摘の通りに、従前は甲種看護婦と乙種看護婦とは同一の施設に併設することは認めておらなかつたのであります。今回は正規看護婦と准看護婦とは片方が看護の主体であり、片方が看護の補助者であるという考え方から、併設してさしつかえないという考え方のもとに、第十條の規定を設けたのであります。すなわち第十條の規定は、同一の施設に正規看護婦養成所と准看護婦養成所とを持ちました場合におきまして、それをよろしいということを前提にいたしながら、ただ実際に看護婦と准看護婦とが実習をいたします場合、同一の病棟を使つては困るというだけのことを書きました次第でございます。これは教育を進めます上に、補助者である准看護婦と正規の看護婦とは、教育の課程におきましては、やはり判然と区別して、別の病棟で別の患者を対象にして教育する方が適切であるという考え方のもとに、十條の規定を設けたのであります。そういう考え方で今後の新しい制度におきましては、正規の看護婦と准看護婦とは、同一の施設に併設してさしつかえないという御質問のような考え方でございます。
○高橋(等)委員 ただいま准看護婦学校についての御説明を承つたのでありますが、一、二いろいろ誤解の点も各県の方であるようです。まだこの省令が出ておりませんが、一応はつきり、こまかい点でありますが、お聞きしておきたいと思います。 その第一は、教室及び実習室と申しますか、試験室というものの設備についてでありまして、教室といいますか、要するに学校の総合的形態を備えないで、たとえば商工会議所の二階であるとか、あるいは小学校の講堂とかいうようなところを一応借りまして、そこで学科の講習をする。そうしてその土地にあります病院の施設を利用して試験室及び調理室というような形態を備えて、学校を経営する。そういうことをお許しになる意味の規則であるかどうか、その点を一応お伺いいたします。
○久下説明員 ただいま教室というお話がございましたが、教室という意味は、おそらく実習室を含めてのお話だろうと思います。准看護婦につきましては、この規則の六号と七号の関係について今お尋ねがあつたと思いますが、六号に書いてありますように、学校として最小限度必要なものは教室と実習室を各一つずつ持つておればよろしい、こういうのでございます。従いまして、ただいま御質問の通り試験室及び調理室につきましては、九号で出て参ります臨床実習をいたします他の病院を使つてさしつかえないという考え方でございます。
○高橋(等)委員 もう一度はつきりお伺い申し上げますが、教室といいますと、いわゆる学科を教えるところ、実習室というのは実習をするところ、それが別々な施設、たとえば現在ある設備を利用するというかつこうでは成立しないのかどうか。もちろんこれらは教室、実習室あるいは試験室その他すべて一つの建物で、その専門で適宜設備されたものが理想的だと思います。しかし、たとえば戦災地等におきましては、まだなかなかそこまでそういう形態を備える余裕がありません。しかるにこの教室とか実習室とか、あるいは試験室、調理室というものを、同じ地域における別の場所で持てば総合的に運営ができる環境にある。こういうものについて、暫定的にでもそうしたものを認めて行くということが必要ではないかと私は考える。それについて御答弁を願いたい。
○久下説明員 教室及び実習室とありますこの教室と申しますのは、私どもは、看護婦に必要な講義をいたします、ちようどこのような机が並んでおる部屋を考えておるのであります。このくらいのものは、ぜひ必要であると考えておるのであります。実習室と書いてありますのは、寝台を置きまして、模型等によりまして寝台のつくり方、あるいは患者の取扱い方を手をとつて教えたいというので、その場所におきましては、消毒その他看護上必要な器具の取扱いなども教えたいという意味の実習室でありますので、少くともこの二つは養成所主体として、ぜひ同じ場所に持つていただきたいと思つております。但し、先ほど申し上げましたように、試験室及び調理室につきましては、その場所に持ちませんでも、御指摘のように臨床実習をいたします病院が使われるわけであります。そういうところの施設を使つていただいてけつこうである、こういうつもりであります。
○高橋(等)委員 もう一度お尋ねいたしますが、そうしますと、ただいまの答弁では、教室あるいは実習室というものを、看護婦学校の専属としてそれがなければいけないというお考えか、あるいはまた教室というようなものはどこの部屋だつて、部屋であればやれるはずだ、そういう点についてどういうお考えを持たれているか。
○久下説明員 専属という御趣旨が、どういう意味でございまするか、私どもは必ずしも看護婦学校が所有権を持つていなければならないとは考えておりません。使用貸借何でもよろしゆうございますが、生徒の教育のために、教育上必要な場合は、いつでも使えるというようなことになつておりさえすればよろしいと考えております。
○高橋(等)委員 そうすれば、具体的にお尋ねいたしますが、たとえば学校の教室というものは、ある一定の時間はあいております。そのあいておる時間をその教室に利用するという條件のもとに、看護婦学校をつくるということはよろしいのでしようか、どうでしようか。それから実習室というものは、その教室と一つでなければいけないかどうか、それをひとつお伺いしたいと思います。
○久下説明員 最初の教室についての御質問でございますが、これは一応仮定を設けて簡単に申し上げられないのでありますが、私どもの考え方は、二クラスありますので、それでほとんど毎日のように教室を使うことは、年中あるのではないかというふうに考えておるものでございます。そういたしますと、学校の教室は、もちろん御指摘のように使つてよろしいと思いますが、ただ学校の教室が本来の学校の必要なために、こちらに使えないことが間々あると予想せられますと、まずいという意味だけでございます。こちらの教育を体系的に進めて行きます上に、いつでも使えるという状態でありますればけつこうだと思つております。それから実習室の方は、大体私どもの考え方は、実習室の中には、その生徒の数に応じて適当数の寝台を置きまして、手術の取扱い方、ふとんの取扱い方、あるいはまた人間の模型を使いまして、患者の取扱い方などを教えるような設備をいたします。それらのものがその部屋にいつでも置いてあるということになりますので、これは特別な場合以外は、他の普通の講義をいたします教室に併用できるというぐあいにはならないのではないかと思つております。大した大きな部屋を必要とするものではありませんけれども、そういうふうに寝台等がいつでも並んでおり、あるいはまた教育上必要な掛図がかけてあつたり、あるいは看護上必要な器具が戸だなに格納してあつたりいたしまして、必要な場合はいつでもそれを取出して、その場所で教育ができるという考えでございます。従いまして、御引例のような場合でありましても、実習室につきましては、最小限度のものをその学校と約束をして使えるようにし、その部屋の中には今申し上げたようなものは、いつでも備えておいていただきたいと考えておるのでございます。
○高橋(等)委員 この実習室にあるものについては、いろいろな形態のものがあるでしようが、これを要するに、いらぬときはしまつておいて、いるときは出して使うというような行き方でやれないこともないと考える。私が心配をいたしますのは、もちろん学校でありますし、看護婦を養成するところですから、一定の設備をはつきりしたところへつくつていなければいかぬと考えます。しかし、現在こうやつてこの規則が今出る。しかも九月から学校を開設せねばならぬという状況になつておる。その場合に、設備の完全なものを求めて、准看護婦学校をやろうとしましても、これはなかなか経過的にむずかしいのではないかと考える。そこで今申し上げますように、教室あるいは実習室のようなものがそれぞれ便宜的に考えられて、その認可にあたつては、将来完全な設備——もちろん一箇所においてこれをやるようなことを指導しながら、いろいろなものを認めて行くということが私は必要ではないかということを考えまして、くどく第質問申し上げた次第であります。それについての御見解を承りたいのであります。
○久下説明員 実はこれは率直に申し上げますると、今までの甲種看護婦及び乙種看護婦養成所についての取扱いが、相当厳重でありましたので、この甲種、乙種看護婦制度ができます前のいわゆる旧看護婦制度のもとにおける養成所というものは、ほとんどが実は乙種看護婦制度の養成所にもなり得なかつたわけです。私どもは、先ほど来申し上げておりますような省令の改正によりまして、昔の養成所と申しますか、甲種、乙種看護婦制度のできます前の旧看護婦制度の養成所の相当多くのものが、この制度に基く准看護婦学校にかわり得るのではないかということを期待しております。これがそのまま全部行きますかどうかは、もう少し検討いたす必要がありますけれども、先ほど来申し上げておりますような程度の要求でありましたならば、その大部分のものが准看護婦学校にかわつて来るのではないか、そうなればわが国の需要も大体満たし得るのではないかという考え方を持つておるのであります。従つて、いろいろ具体的な問題になりますと、今ここで抽象的に申し上げられる点もございますけれども、私が先ほど来申し上げておりますような考え方、さらに今申し述べたような見通しに基いて取扱つて参りたいと存じますので、それほど御心配のごとく、准看護婦の養成所が狭き門になるとは、私は考えておらないのであります。
○高橋(等)委員 もう一度お尋ねいたしたいのですが、私がお伺いしました点を、抽象的でなしにお答え願いたいと思うです。たとえば教室の問題にしましても、実習室の問題にしましても、今まであつた設備が燒けてしまつてどうにもならないというような場合——そういう場合には限りませんが、方針として、これがばらばらであつても、一つの総合的形態を備えるものはお認めになるおつもりであるかどうか。ことに実施を近近に控えておりますので、少くとも完全な設備をするまでの過程におきまして、そうした必要があるのではないかと考える。それについてのお答えをいただきたい。
○久下説明員 結論的に申し上げますれば、ただいまお尋ねの通りに扱う所存でございます。ただ誤解があるといけませんので、いろいろ條件をつけるようなことになりまして、お気にさわるのではないかと思いますが、ただ先ほど来申し上げておりますように、看護婦養成所である限りにおきましては、私どもの考えとしては、その養成所の所有に属するといなとにかかわらず、そのことは問題外といたしましても、教育上必要な場合にはいつでも値い得るような教室と実習室が、各一室だけずつ持つていただきたい、こういう考え方でございます。実は講義と、先ほど来申し上げておるような実習室の実習とは、密接不可分のものでございまして、これがあちこちばらばらにあるということではどうであろうかと考えます。せめてただわずかに二室のことでございますから、この程度のものはぜひ持つていただきたいという考え方でございます。
○高橋(等)委員 もう一点だけはつきりさせておきたいのですが、その教室と実習室との共用ということはありませんか。ほかのものと教室を共通に使用するということは、さしつかえあるかないか。
○久下説明員 それはさしつかえないと思つております。
○金子委員 たいへんに問題になりました看護婦法でありますが、その後施行細則にあたりまして、一言、今後の運営通牒等につきまして、私の考えを要望しておきたいと思うのであります。 まず最初の問題は、ただいま高橋委員から、いろいろ具体的な問題を、例をあげて質問があつたのでありますが、問題は一つの通牒なり何なりに法文化するということになりますと、非常に愼重な態度をとらなくてはなりませんので、いろいろむずかしく解釈すればできない、あるいは簡単に解釈すればそれもできるという問題が、幾つかこの中にも見えると思いますが、要はこの法律改正というものは、改正前の法律が、日本の国情よりもはるかに飛躍しておつた、そこに国情に合わない点がありまして、こういうふうな問題が起つたのであります。常識的に、前の一般看護婦の養成所というものを、どの委員の方々も頭に仮定いたしまして、今度の准看護婦制度の法律ができたのでありますから、今後の通牒やら、あるいは指導にあたりましては、狭き門になつた、依然として同じだというようなそしりを一般から受けないように。といつて、単に粗製濫造するという意味ではありませんが、その点特に御留意願いたいと思う点が一つであります。 それからもう一つの問題は、この前の看護婦法の改正にあたりましては、委員会といたしましてこの法律を審議するにあたり、その経過におきまして、いまさら私繰返して申し上げたくはないのでありますが、政府の役人の人たちと、それから議会の進み方につきまして、いろいろと不愉快な現象がときどき起つたのであります。それも単なる政府の役人自体の責よりも、ほかにもいろいろの原因があると思いますので、この際ここで私はそれを繰返して、くどくど申し上げることはやめますが、ただそういうふうな複雑した過程におきまして、この重要な法律の改正をやりました関係上、看護婦というものだけに重点が注がれました関係上、この法律の中に当然含まれておりますところの、もちろん表題にまではつきり掲げられてあります保健婦、助産婦の問題につきましては、その研究をとことんまで持つて行けなかつた。そして時期的にあの程度で切り上げなければならなかつたという審議の過程でありましたので、この保健婦と助産婦の問題につきましては、教育内容の半箇年の問題にいたしましても、事前からの準備教育をするというような、考え方もここに出ておりますが、しかしながら、それにいたしましても、この問題もまだ浮来相当多く残されておりはしないか。それからもう一つはこれらの者の国家登録の問題につきましても研究の余地が残されておる。こういうことは、ひとり私ばかりでなく、他の委員諸君も考えておられることでありますので、この点につきましては、将来必ずこの保健婦、助産婦方面からのいろいろの要望もありましようし、またわれわれから見たときの欠陥というものも生れてくると予測しております。従つて朝令旧改のような考え方にも見えるかもしれませんが、しかしこの二つの問題はとことんまでの研究が済んでおりませんので、将来要望がありましたときに、また再びこの前の看護婦法のときのような一つのとらわれを持つて行くというお考え方でなく、今から虚心坦懐に、悪いところがあつたらいつでも国民のための法律は国民のために改正するというような考え方をぜひ持つていただきたい。われわれも民情をよくくみまして、実情に沿うような法律の改正をして行きたい、そういうふうに考えております。この二点を要望しておきたいと思います。
○松永委員長 他に本件について御発言はありませんか。——なければこの際ちよつと御紹介申し上げますが、東医務局長が退任されまして新しく医務局長に就任されました、阿部氏がきようお見えでございますから御紹介申し上げておきます。
○安部説明員 ちよつとごあいさつ申し上げます。私、東医務局長の後任といたしまして、今回医務局長を拝命いたしました阿部敏雄でございます。どうかよろしくお願い申し上げます。
○松永委員長 なお午前中はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたしたいと存じます。一時三十分には新しく厚生大臣に就任されました橋本新大臣も出席をされますので、時間を励行して、一時三十分より再開をいたしたいと存じます。 暫時休憩いたします。 午後零時二十六分休憩 ————◇————— 午後一時五十四分開議
○松永委員長 休憩前に引続き会議を再開いたします。 新しく就任いたされました橋本厚生大臣がお見えになりましたので、まず就任のごあいさつをしていただきます。橋本厚生大臣。
○橋本国務大臣 私、今回不敏にして厚生大臣の大任を拝しまして以来、今後、この重大な時期において、厚生行政を十二分に途行いたすべく、未熟の身をもつて勉強いたしておるところであります。どうか皆様方におかれましては、私が今まで衆議院議員といたしまして皆様方のお近づきを得ておりました時と同じように、力強い御鞭達と御支援をお願い申し上げたいと思います。 私もまだ十分に厚生行政を知悉いたしておりませんし、これからなおなお熱心にやつて参らなければならないと思いまするが、まじめに努力いたして参りたいと思つております。 よろしくお願い申し上げます。
○松永委員長 次に、委員の諸君より大臣に対する質疑を求められておりますので、順次これを許可して行きたいと存じます。丸山委員。
○丸山委員 大臣には、本日初めてこの委員会としてはお目にかかりました。ただいまの御就任のごあいさつにもございましたように、厚生行政に関しては、今後十二分なる御努力をなされるという御決心を承りまして、私どもといたしましては、まことに力強き限りで、慶賀にたえないところでございます。 委員会の席上で、新聞記事等を取上げますることは、いかがかとは思いまするが、これは、先般総理が、結核の予算につきまして、他の財政とのバランスをよく考えたらよかろうというような御発言があつたやに、新聞紙上において伝えられておつたのであります。この問題につきましては、現大臣が御就任の省内におけるごあいさつにも、取上げられておるように伝えられておるのでございます。私どもといたしましては、第十国会におきまして、結核予防法の全面的の改正をいたしましたし、またその予算に関しましても、十分なる覚悟を持つて、日本における最も重大な問題の結核を撲滅したいという熱意に燃えた結果、ああいうことが実現したわけでございます。しかるに、万一新聞紙上に伝えられておりまするようなことが実現いたしまして、補正予算において削減を見るというようなことが起りましては、私どもとしては、遺憾にたえないように存じておりますので、この問題の真相及び大臣のこれに対するお覚悟等を承りたいと考えておる次第でございます。
○橋本国務大臣 新聞に何か記事が出ておつたそうでありまして、私就任以来結核の問題については、よくいろいろの質問を受けておるのでありまするが、何か真相と申すほどのものがあるのかどうか、私は存じません。私といたしましては、黒川前任厚生大臣の非常な御努力と皆様方の御支援によりまして、結核対策も二十六年度に画期的な進展を見ておるのでありまするが、結核の問題は、まだまだ国内において努力すべき面がたくさんあるようでありまするし、今年度におきましても、また明年度以降におきましても、結核対策の一層充実するように努力をいたしたいと思つております。
○丸山委員 幸いにただいまの御答弁によりまして、新聞紙上に伝えられておつたことは、ただ風説であつて、何らその真相として答えるべきほどのものはないということを承りまして、私どもとしては、まことに喜ばしいことと考えておる次第であります。補正予算に関しましても、また来年度の予算につきましても、もうすでにこれからいろいろ御検討になる時期に達しておりまするので、ただいまの御覚悟をもつて、今後の結核行政に対して十分なる御努力をなされんことを、私としても熱望する次第であります。どうぞよろしくお願いいたします。
○岡(良)委員 ただいま、大臣からの御答弁で、結核の対策については、当初の予算よりも、かなり縮小した実行予算を編成されるかのような疑惧をわれわれは持つておつたのだありまするが、そのようなことがないような御意見を承つて、われわれもようやく安堵いたしておるのでありますが、それでは、たとえばわれわれが聞いたところでは、本年度の当初予算では一万七千二百床の増床である。ところがそれも二千床ばかりは、お隣りの伝染病のためのべツドを転用することになつておつたが、これも伝染病の猖獗等のために転用できない。かつまた予算単価も、資材の値上り等によつて、当初の予算をもつてしては残り一万五千二百床もできないというような状況になつております。この結核病床の増床ということは、結核対策上、今日の日本の状況では、最も緊喫な問題と思いますが、この結核に対して、はたしてそういうような熱意を持つて当られるとするならば、厚生省としては、ベツドが、今日の資材の価格に準じて、当初通りの方針によつて——特に赤痢等のために病床の転用ができないとするならば、新規な病床の増設等も含めて、一万七千二百床というものをあくまでも確保されるために、今度の補正予算において追加を要求される御意思があるかどうか、その点をまず承りたいと思います。
○橋本国務大臣 予算を組みました基礎の案が、昨年の夏ごろから進行いたしておりましたために予算の計画と狂いの出て来ておる面が、ひとり結核対策のみならず、あちこちにあるようであります。もちろん、当初の計画をできるだけ遂行するように骨を折るのが、筋ではありまましようけれども、これは予算全体の問題がありますので、今日補正予算、それから来年度予算と、相次ぎまして値上り等による年度計画の狂いをどんなふうにやるかということは、予算総体の問題として目下なお研究中であります。
○岡(良)委員 とにかくベツドが足らないということが、今日日本の結核対策の上における最も大きなマイナスでもあり、従つて療養所へ入りたくても入り切れないで待つている間に、とうとうなくなるというような不幸な患者も、その三分の一を数えるという統計も出ておるのであります。こういう事情にあるとするならば、なるほど個人の家計にしても、国の財政にいたしましても、入るをはかつて出ずるを制するという常識的なルールは、一応必要ではありましようが、こういう重大な結核患者の悲痛な状況をよくお考えになるならば、そういう條件はあろうとも、結核の病床については、ひとつ思い切つて既定方針通りそれでもわれわれは足らないと思つておりますが、一万七千二百床は、あくまでもこれを増床するという御決意を、実は私は承りたかつたのでありまし、その点ではいささか不満を感じております。 それに関連してお尋ね申し上げますが、きようの朝日新聞の記事によりますと、大蔵省の補正予算に対する構想というものが出ております。それについては、戦争犠牲者、なかんずく傷痍軍人や遺家族等に対して、これはおそらく四半期の予算と思いますが、二、三十億を充当しようということが出ております。われわれ厚生常任委員会といたしましては、前国会において非常な熱意を込め、戦争犠牲者の援護対策については、相当な成案を得ておるのでありますが、これが今伝えられておるような構想の三十億というわくの中で圧縮されるというようなことになりますならば、せつかく講和を迎えんとして大きな希望を、また明るい期待を持つておるところのわれわれ自身としても、そうありたいと思つておる念願が、まことにこういみじくも押し曲げられてしまうというような結果になるようであります。はたしてこの補正予算、これは大蔵省当局の構想であつて、厚生当局としては御存じないことであるかもしれませんが、一体こういうような規模では、とうてい戦争犠牲者の援護対策はできないと私は思います。その点について、大臣あるいは次官、また田邊援護局長等は、きようの新聞記事について、どういうような御見解をお持ちになりますか、また将来どういうような対策を用意されようとするのか、その点について、できるだけ詳細に、御決意のほどを承りたいと思います。
○橋本国務大臣 けさの新聞の記事に、補正予算の構想ということが出ておつたようですが、あれは研究未済のようであります。われわれとしては、こういう問題は、補正予算においてぜひ取上げるつもりでおりますが、けさの記事がどんなものでありましたか、二、三十億というような金額が書いてありましたが、どういう趣旨で言つたものか、真実であるかどうかということはわかりません。今日私も厚生委員会の御意見等を参酌いたしまして、実効的な方途を着々と考究中であります。
○岡(良)委員 田邊援護局長がお見えになりますが、ひとつあの新聞記事について、どういうふうなお感じを持つているか。また今後そういうことがもし事実であるとすれば、どの程度の御決意で臨まれるか、この機会に承つておきたいと思います。
○田邊説明員 新聞記事の内容につきましては、ただいま大臣からお答えがありましたように、私ども詳細に存じておりません。われわれの今後の行き方といたしましては、新しい橋本大臣の御構想のもとに進めて参りたい、かように考えております。
○岡(良)委員 新大臣は、いつも政務調査会等でお感じなさつたことと思いますが、どうも厚生行政の予算は、いつもまま子扱いになつておりますので、特にわれわれとしては、新聞記事といえども、きわめて神経過敏に取扱うくせがある。というのは、どうも従来とも厚生予算がまま子扱いになるので、そういう思い過しからなのでありますが、何としても結核の問題なり、あるいは戦争犠牲者の援護の問題なりにつきましては、ひとつ思い切つて来るべき補正予算の編成においては、厚生省としては、結核患者や国民大衆や、あるいはまた戦争犠牲者の要求をできるだけ生かし切るという御決意でもつて、御善処をお願いしたいと思います。 次に、この機会に社会保障制度のその後の経過について簡単に承りたいと思います。昨年参議院において、ある議員が岡崎官房長官に、社会保障制度審議会の勧告を、政府はどういうふうに受入れ、どういうふうに扱うかという質問をいたしましたときに、岡崎官房長官は、次のように答えておられるのであります。それは、当時の林厚生大臣を責任者として、関係閣僚をもつて懇談会をつくり、各省の次官がいわば幹事役となつて、ときどきお互いに意見を交換しながら、何とか次の通常国会あたりまでにはこれを予算化し、法制化したいという意向を持つている、こういう御返事があつたのであります。その後厚生行政には、かなりわれわれもいろいろ御注文を申し上げております。林厚生大臣も衆議院議長に御就任になつたというようなことでありますが、その後内閣といたしましては、この社会保障制度審議会の勧告をどういうふうに取扱つておられますか、また今後どういうふうに取扱おうとしておられるか。ことにこの問題は厚生行政の中核でもあり、またすべてでもあると思いますが、これについて、新大臣の御構想、御決意のほどを承つておきたいと思います。
○橋本国務大臣 今までの経緯をという御質問がありましたが、これは私も就任早々でありまして、今までの経緯がどういうふうであつたか、つまり岡崎官房長官の言明について、どういう扱いをしておつたか存じません。今だれか知つている者があるかと思つて聞いたところが、あまりよく知らぬようであります。今後の問題といたしましては、この社会保障制度審議会の答申案を、できるだけ実現をして参るために、具体策を——この間私就任早々で、かつ兼務を持つております関係で十分掘り下げてはおりませんけれども、研究をいたしておる次第であります。実現の方法につきましては、仕組みの問題としてもいろいろな問題もありますし、予算の点につきましても、遺家族の問題等とのからみ合せがありまして、目下研究中であります。
○岡(良)委員 この社会保障制度についても、勧告当時、その以後ずいぶん広く国民の間からもその実現が要望されておりますし、また最近健康保険組合連合会とか、あるいは国民健康保険団体中央会等が社会保障制度促進の大会等も全国的にやつているようなわけで、相当輿論はその実現を要望している事実にかんがみても、どうかひとつこの際厚生大臣といたされては、最も重大な責任事項と思いますので、がんばつて実現方をお願い申し上げる次第であります。 次にお伺いする点も、これも実は新聞記事をとらえることになりますが、かつて社会保障制度に関する連合軍側の勧告には、厚生省がさらに拡大強化されて、社会保障省というふうな一省を持つ必要があるということが、うたわれておつたようであります。ところが最近——最近と申しましても一、二箇月前の話でありますが、厚生省が労働省と一本になるということが伝えられております。なる、ならぬということについての善悪を申し上げるのではありませんが、大臣はたまたま行政管理庁の長官でもありますので、そういう構想が政府部内にあるか、少くとも行政管理庁の長官としての橋本さんの御意見は、いかなる方向にあるかという点について、この際お漏らしを願えればたいへんけつこうだと思います。
○橋本国務大臣 行政機構の改革の問題に関しましては、目下立案中でありまして、まだ成案を得ておりません。ただ私は、前から行政機構の改革が必要であることは感じておりましたけれども、あらためて責任の地位に立つてみましたときに、実に戦争中の総動員体制から引続きまして、敗戦後平和状態に復元することなしに、占領行政下のいろいろな要請をいれために、非常に複雑多岐にわたつておつて、ぜひ改革の必要があることは何人も認めるところだということを、あらためて資料的に見ても痛感している次第であのます。機構改革の問題については、今までもいろいろな案があつたようでありますが、私はそのいずれにもとらわれないで考えるつもりでおります。なるべく早く成案を得たいと思つておりますが、いずれにしても、この厚生行政の問題に関しては、今後なかなかけわしい国際環境下において、日本が講和後独立をして行くというにあたつては、国内の民心の団結ということが非常に大切だと思いますので、厚生行政の重要性というものは、むしろ占領下の今日までの段階にまさるものがあると考えております。それで厚生行政の簡素化、能率化という要請から見て、どういうふうな結論が得られるにしても、厚生行政というものが今日よりなお力強く能率を発揮するように考えるつもりでおります。
○岡(良)委員 私の直接のお尋ねには、お答えにならなかつたようでありますが、私どもの考えとしては、今おつしやるように、厚生行政というものが、社会保障という制度へ大きく発展をいたすという過程的な現段階において、厚生省というものがやはり純一にそのすべてを抱きかかえる姿において成長して行つてもらわなければ困るという強い要求を持つておることと、もう一つは労働行政にいたしましても、これが事務的な執行部門ではなく、むしろサービス的な行政というふうに考えられておりますけれども、それにいたしましても、やはり講和後における祖国復興の最も大きな原動力が日本の労働者である限りにおいて、この労働行政というものがサービス行政となればなるほど、やはり大きなウエートを持つて取扱わるべきものであつて、伝えられるがごとく、労働基準局と労政局が一緒になればよい、あるいは職業安定局と婦人少年局と一緒になればよいというようなきわめて粗雑な考え方であつて、単に事務的に図面の上で簡単に省略をしようというふうな、きわめて軽率な行政整理的な考え方が実はちらほら見えるにつきましても、われわれとしてもきわめて案じておるのであります。われわれの意のあるところは、十分に行政管理庁長官としてもお含みを願いまして、御善処をお願いいたす次第であります。私の質問はこれで終ります。
○金子委員 前委員の御質問と重複しない程度において、大臣に二、三質問申し上げたいと思います。これははなはだ老婆心にすぎた話のようでありますけれども、大臣に特にお話申し上げておきたいことは——これは前大臣はよく御承知と思いますが、衆議院の厚生委員会は、ここ二年ばかりの間、まつたく与野党というような党のための対立的な感情を一切拔きにいたしまして、委員長といえども、まつたく公平な御立場に立ち、ある法案の審議にあたつては委員会で付帯決議いたしまして問題を取上げておるように、いつも和気あいあいのうちに、ともすればしいたげられ、投げやりにされがちな厚生問題について、委員各位は熱を入れて実績をあげておられますので、どうかこれからは、委員も教えていただく点も多いと思いますが、単に政府と委員会というような形で、責任のがれに、研究中でございます、あとで考えますというようなことでなく、もし必要があれば速記をとめてでも、実はこういうわけだから君たちも考えろ、研究しようじやないか、こういうふうな態度で、ひとつ国民のために、政府とか委員とかいうことを超越してやつていただきたいということを、まず私は劈頭にお願いいたすものであります。 それから、先程ちよつと問題になりました結核予算の問題——この国会というところでは、ときどき質問の種に新聞の問題を取上げて参りますが、政府は、新聞はおれのかかり知つたことではない、こういうふうな態度で答弁なさるのが、もう常識なんでありますが、ただ私この間この結核の問題につきまして、九州一円と中国地帶をまわり、また自分の県の当局といろいろ話しましたとき、非常に困つた問題だと思いましたのは——大体結核の予算に対しては本年度飛躍的によくもあすこまで行けた、こういうことに対して私どもは喜んでおつたのでありますが、物価の値上りその他によつて、二分の一の補助というのは、地方庁においては相当予算消化に困難を来しておる、こういうことで、ややもすればあの地方庁の財政の苦しいという理由の一つの標本に、結核の予算を取上げて話をするという状態が、地方へ行つて見られるのであります。そういうふうな状態のところへ持つて来て、結核の予算を減らしたらどうかというような新聞記事を、写真入りで各新聞とも出したものでありますから、せつかく計画した仕事が、それではだめになるのじやないかというようなことを、一般の大衆でなしに、県当局自体の一部でも言つておることを、地方へ行つて聞いておるのであります。それだけに、この問題につきまして私どもは心配しておる。同僚議員の御質問も、そこにあつたと思うのであります。そこで、これは大臣からの御答弁でなくてけつこうでありますが、この予算の滑化のやり方であります。地方庁自体の予算をとらなければ、これが滑化できないという形でなく、よしんば実質的に三分の一の補助になろうが、四分の一の補助になろうが、公立的な病院に割振つて行くならば、そういう病院では、喜んで私はこの予算を滑化してくれると思うのでありますので、どうしても計画通りのベツトをふやすという点を中心に置きまして、実行計画を進めていただきたい。県自体が予算を、半分になるか、あるいは三分の二になるかしりませんが、それを出さぬでも、公立病院のようなものにそれをやらせれば、十分できるのではないかということを考えております。政府はこれについてどういうふうに今後御計画になりますか。 それからもう一つは、この予算は減らしていない、そういうことは全然ないということでありますぶ、この地方庁の予算の滑化の現在の状態はどうなつておりますか。割振りは全部終つておるか、各県はそれに対して全部計画を終つておるか、その状態をまずお伺いしたいのであります。
○山口説明員 ただいま金子委員からのお尋ねに対しまして、私からお答え申し上げます。 二十六年度の結核予算に対する各府県の予算の編成状況でございますが、ただいま私どもの手元へ入つておりますのは、四月県会においてきまりました当初予算の状況でありまして、続いて六月県会の状況をとるようにいたしております。従いまして、ただいま申し上げますのは、四月県会におきます当初予算の編成状況でございますので、その点御了承をお願い申し上げたいと存じます。結核の予算につきましては、先般御審議、御確定いただきましたように、いろいろな項目があるのでございますが、健康診断、予防接種に関しまする予算は、まだ報告は全部そろつておりませんが、当初予算におきまして、大体こちらの内示いたしました程度の予算を組んでおります。しかし総体的に報告の来ましたところを総計してみますと、大体こちらの希望しておるところを少し上まわつております。 それから療養所建設の予算でございますが、これは起債の問題ともからみましてまだ全部決定いたしておりませんが、公立は大体八十二箇所のうちで、すでに手続をしておりますものが四十七箇所、あと続いてこちらへ参る予定でございます。法人立は三十八箇所のうちで二十九箇所すでに建設計画を立ててこちらに手続をいたしております。 それから一番問題になります医療費の問題でございますが、これは法律の施行が十月からということになつておりますので、大体八月県会に組まれるところが多いのではないか、あるいは六月県会にも組まれるところがあるのではないかと思いますが、ただいま私の方に当初予算で報告の来ておりますのは、大体本県ばかりのところであります。大体そういうふうな状況であります。
○金子委員 その状況でありますと、今の結核病床の問題にいたしましても、その他の結核予算につきましても、あの規定によつて今年度当初予算の通り押し通して行つて、地方庁において不満ながらも省化できるという政府の見通しですか、それとも何とかしなければ、数府県においては行き詰まりが来るという見通しか、その見解をひとつ……。
○山口説明員 私も、三、非常に地方財政が苦しいからこの問題について困るというふうなことを言われてはおりますが、大体におきまして所定通りの予算を消化してもらえる、そういうふうに考えております。ただ先ほど金子委員の御質問のございましたベツドの消化の問題につきましては、今後の状況を見まして、できるだけ効率的に消化のできるような方法を講じて行きたいと思つております。
○金子委員 これは結核の問題その他の厚生行政に対して、これまで非常に御熱心に研究されております大臣に御質問いたしたいのでありますが、実はこの結核の問題で困つておることで、全国まつたく同じ立場にあるのはベツドの問題であります。今年度かりに一万七千床つくりましても、どこの結核病院に行きましても二割程度の待機患者というものを持つておるわけであります。一方病院の立場から見まするならば、回復期に入つて、もはや入院の必要を認めないというような患者も、相当数おるわけであります。そこで一番問題になつているのは、アフター・ケアの問題であります。このアフター・ケアの問題をどうして大臣にお尋ねするかと申しますと、省といたしましても、これを一体どこでやつたらいいのか、厚生省のどこで所管すべきか、たとえば社会保障の形で社会局でやるのか、あるいは結核の予後という形を主体として医務局関係でやるのか、これが理論的に割切れない。こういうことで、厚生省自体内においても、まだ問題がはつきりしておらないように私どもは考えておるのであります。このアフター・ケアの重要性というものは——この結核ベツドを苦しい厚生予算の中からつくりましても、今のように回復患者が病室を出て行けないという状態では、この問題は解決つきません。将来というか、現実に起つた大きな問題だと思いますので、大臣は厚生省内のどういうふうな方面で管轄させるか。実は私ども自分の県でアフター・ケアをつくりたいという民間法人の非常に熱必なもくろみがありましても、これをどういうふうにして役所へつなぐかという方面について、困つておるような状態でありますので、この見解を大臣から御披瀝願いたいと思います。
○橋本国務大臣 実は私就任早々で、自分がほんとうに掘り下げて勉強したことではありませんので、申し上げるのは恐縮するのでありますが、私が事務当局から報告を聞いたところでは、的会局で扱うのがよかろうということに、省内で大体の見当はなつておるそうであります。しかし、私は特にこの問題について深く研究をいたしておりません。
○金子委員 社会局が、今まで一番関心を持たれておるように、またそれが妥当というふうな意見もありますけれども、ただ社会局になりますと、対象が一つの制約を受けるのではないかと思うのでございます。アフター・ケアに入る人たちの対象というものが、社会局としてやる場合に、制約を受けはしないかということが疑問でありますので、もし今後省内における会議におきまして最後の裁断を大臣がなされるときには、社会局がやるときに、その入所者の條件的な制約が、なるべくないような方法でないと、実効が上りませんので、その点私から前もつてお願いしておきます。 その次にお聞き申したいことは、現段階における厚生行政上の、ことに社会福祉事業関係の問題でございます。たとえば児童保護の問題にいたしましても、地方庁に行きますると、平衡交付金の中で国家予算が組んであります関係上、どうしても地方へ行つて予算がとれない。だから、ぜひ平衡交付金の外へ出してくれというふうな、今の平衡交付金制度からいたしますると、少し矛盾した考え方でありますけれども、実情といたしましては、やはり私はそうしなければならぬような面も、一応うかがわれるのであります。これはどこの県へ行きましても、どこの市町村へ行きましても、ほんとうに例外なしの一つの意見であります。この点については、今後ずつと続く問題でありますし、すでに来年度予算の編成期にも入つておりますので、これに対して、大臣はどういうふうな態度で予算の編成にお臨みになつておられますか。
○橋本国務大臣 ただいま御指摘のありました問題は、きわめて今日重大になつておると考えます。ただ社会福祉事業の経費ばかりでありませんで、地方財政、ことに府県の財政はどう持つて行つたらいいか、相当考えなければならないと思います。ただ今までのところ、よく平衡交付金が算定の基礎に入つていると金がとれないというふうなことがありますけれども、今日は私が申し上げるまでもなく、皆さんの方がよく御承知だと思いますが、地方財政委員会は、府県の財政は当初予算において五百数億の頼字を出して、予算が立たないという報告をいたしております。そこで架空な財源をあげてごまかしているところは別でありますが、まともに予算を組もうとしておるところは、平衡交付金の中に入れ込んであるもののみならず、たとえば公共事業費のようにはつきりした形で、どこの道路に対しては何百万円、どこの河川については何千万円という国の負担分がはつきりきまつている分について、府県のつけ足しができないので、予算が組みかねているというのが今日の実情であります。従つて、私は御指摘の問題につきましても、平衡交付金の外側につけて出したら必ず実現ができるといつたような問題ではないように思うのであります。今日はこういつた問題がたくさん出ておるのでありますが、私はすみやかに地方財政委員会及び地方自治庁において、一体これをどうするのであるかという、はつきりした指針を示してもらいたいと思つておるのであります。先般来、今は岡野国務大臣が留任でありまして、周東国務大臣が代行しておられるのでありますが、私所管行政の面からも必要があつて、そのはつきりした意見を立てることを要望をいたしております。今日自治庁の側も、地方財政委員会の側も、はかばかしい対案を示しておりません。はなはだ遺憾でありまして、私どもも非常に困るのでありまするが、これは地財委、自治庁といたしましても、相当根本的に考えなければならないので、私がそう申しましても簡単に対策の出て来ないのが、まあもつともであろうと思うのであります。岡野国務大臣が帰られましてから、もう少し真剣に相談をしたいと思つております。むしろ国会の各常任委員会におかれましても、地方財政委員会におかれましても、地方財政委員会と御連絡の上、どう対処したらいいかを、なおひとつ御研究も願い、われわれに対して御指示を願いたいと思つておるのであります。ただ結論的に申しますが、今のそういう状態を見ますと、どうも平衡交付金の中に入れ込まなかつたら、簡単に予算が組めるというふうな問題ではなさそうに思います。
○金子委員 ただいまの御説明、私どもよくわかりますし、またその地方財政全体のわくが苦しいのでありますから、あるいはひもつきにすれば簡単に組めるということにも、私ども考えておりませんけれども、ただひもつきの方が組みやすいということは、一応考えられるということが一つと、もう一つには、これは地方議会の状態は、碎けた話でありまするけれども、必ず県会議員といえば、県道議員というふうに、やはり政治家である以上、一番張りのある、仕事張りのある仕事に中心が向いて行くというふうに——これは国会も同じでありますが、そこへ行きますと、厚生行政は非常に民生安定の上に重要な度合いは持つているけれども、いわゆる政治張りというものの少い予算は、どうしても投げやりにされるということは、やはり政治に立つ人が投票をもつて出ている以上は、当然のことでありまして、そういうことがありますために、ほかにも、これと類似した予算の関係を持つものはありますけれども、ことに厚生行政のようなじみなものは、えてあとまわしになりやすい予算だということは、大臣も御承知だと思いますので、その点も十分お含み願いまして、将来国として予算をとり、また法律をつくりましたものが、なるべくスムーズに地方庁を通して国民がその恩典にあずかれるような方向に、お考えを願いたいと思います。 それから最後に、社会保障の問題につきまして、先ほど大臣からお話がありましたが、これに対して二点簡単にお伺いいたします。 社会保障制度審議会の案を、できるだけ達成し得るように、今後研究して努力したいというようなお話のように私承つたのでありますが、社会保障制度審議会の案というものが勧告されてから、相当時日が過ぎておりますし、一方におきまして、最近私国政調査にずつと出て参りましたので、その結果もやがて報告したいと思つておりますが、今よたよたの状態になつているところの国民健康保険のごときは、どういうふうにしてその指導者たちが一つの希望を持つているかというと、これはだれが言うともなしに、おそらく役人の方々の指導が一番大きな力だと思います。社会保障制度の確立が近く行われる、それまでの努力だから、それまでがまんしてやつて行け、休止するな、それからまた、今は苦しくても、社会保障制度の確立ができるならば、やがては解決して諸君の労も報いられる時が来るのだから、それまで骨を折つてくれというような形で、地方においては国民健康保険の休止することを防ごうというようなことであり、この間ある機会に当面に汗水流してやつておる人たちの会合を求めましても、やはりそういうような意見が出て来るのであります。そういうときに私は、おそらく私が国会で見るところによると、今の政府の状態を見ていると、どうも社会保障の問題は諸君の期待に沿うように、そう簡単に一年や半年でできるようにも思えないというようなことを、率直に私は申し上げておるのでありますが、それほど国民全体においては要望されておりますので、これに対しまして本年度予算を組むにあたりまして、どの程度の要求を今なされているかという点が一点と、もう一つは、この内容を考えたときに、私は率直に申し上げますが、日本の国力で、今一気に社会保障制度審議会の勧告案のようなものができるはずはなく、できないと、私はそう見ているのであります。できなければ、当然重点的にこれを持つて行かなければ、実際政治的にやつて行けないのじやないかというように私は考えております。そういうような見解から考えまして、大臣はあの限りある予算の中で、厚生行政の上にいろいろと御奮闘くださいますのですが、あの社会保障審議会案のあの幾つかの部門のうち、最小限要求するというような場合には、どういう面から強調したいという考えであるかということと、それから先ほど申し上げました本年度予算の編成期にあたりまして、社会保障関係の予算をどれだけ今要求されているか、この二点をお伺いいたします。
○橋本国務大臣 社会保障制度審議会の答申案の問題について、重ねて御質問がございましたから、お答えを申し上げます。ここの厚生委員会で、私がこんなことを申し上げるのは、もうおこがましい次第で、皆さんよく御承知のことでありまするが、まず第一に、私はこう考えております。イギリスにおきましても、社会保障制度というのは、一つの制度の総称であつて、法律自身としては、健康保険とか国民健康保険とかいつたような六本の法律があるわけであります。日本におきましても、社会保障制度というものは、今日各個の部門において、イギリスほどに充実はしておらないけれども、日本は貧乏であるだけに、むしろアメリカあたりよりは、体系的に整つたものを実施しつつあると思つております。そうして今でも何も格別何本かの法律を合せて、社会保障法という法律をつくる必要もございませんし、イギリスもやつてはおらないわけでございます。昨年社会保障制度審議会の答申案が出ましたときにおきましても、閣内での審議は存じませんが、私も自由党の政務調査会におりまして、黒川厚生大臣を側面から助けておつたのでありますが、やはり社会保障制度審議会の答申案を、できるだけ年度々々充実して行くつもりで、二十六年度の予算も配慮いたしたつもりであります。昨年度の問題につきましては、皆さんが御承知のように、黒川厚生大臣が非常に努力をされまして、私どももいろいろ骨を折りまして、主体を結核の対策と国民健康保険の充実に置いたわけであります。今日もやはり私は社会保障制度審議会の答申案をそのままただちに実施するということは、困難であろうと思います。あのとき、たしか審議会の答申案自身でも、あれをやるのに新規の財政支出が八百何十億か出るということでありました。今日非常に困難であろうと思いますが、年度ごとに拡充をして参りたいと思います。あの答申案の中で、やはり重点を置いて考えなければならないものは、国民健康保険組合の充実の問題、結核対策の問題、それから金額としては小さいですけれども、片づけてしまわなければならない癩の問題、それからもう一つは、少し性質が違うかもしれませんが、やはり社会保障の一つの大きな問題として、遺族、傷痍軍人の問題があるのであります。そこで今日の財政需要から見まして、年度ごとに特に重点を置きながらやつて行かなければなりません。本年度の補正予算から来年度の本予算にかけて、どういう点を重点に置きながらやるかということについては、もう少し予算を検討いたしたいと思つております。実は改造があつたりいたしました関係で、内閣の予算の編成方針も、例年は大体七月の上、中旬にきめておりますが、今年は少し遅れておりますので、なるべく急ぎながらなお検討いたしておる次第でございます。
○金子委員 社会保障の問題が出ましたが、ただいま大臣の御答弁を聞いておりまして、私もまつたく同感でございまして心うれしく思います。私野党の立場におりましても、できない相談を持つて行つて、これは政府の責任だというようなやり方はしたくない。現段階におきまするところの大がかりな法律を表に掲げなくても、現段階における社会保障的な性格を持つた法律が相当たくさん実行されておる。この点も、私どもと一致した意見でありますが、ただ一つ、今後国民の健康の問題にいたしましても、その他疾病以外の社会保障的な法律を見ましても、その発展の歴史とその法律の改廃にあたりまして、相当民意の力というようなもの、ないしは政治力が働きまして、社会保障の根本は、社会連帯の考え方により、あくまで機会均等の上に立たなければならないと私は考えているのであります。それが別個の法律であるために、国民全体をおしなべて考えたときに、非常な不均衡がある。でありますから、むしろ私どもは、この際厖大な予算をもつて大がかりな夢を見ることよりも、現段階における社会保障制度的な各種の法律の全体をこの際見直しまして、そうして保障制度は、あくまで国民の社会連帯の上に立つているのだといふ基礎観念の上に立ち、そうしてその方法は機会均等でなければならぬ。この原則のもとに、現段階の法律を、もう一度大臣の高い立場から再検討願いたい。そうして私どももそれに御協力申し上げたい、こういうことを最後にお願いしまして、私の質問を終ります。
○高橋(等)委員 厚生大臣に、戦争によりまする遺家族並びに傷痍軍人の対策につきまして、御質問申し上げたいと思います。 先ほど来、断庁的にはいろいろ御質問があり、また大臣からも、大体の構想を承つたのでありますが、この問題は、終戦後すでに長年月をけみしております現在、いろいろな経緯を経まして、ようやく実行の時代に入つておる問題だろうと考えるのであります。先般来、衆議院におきましても、あるいは決議案の採択をして政府にその善処を促しており、また厚生委員会におきましても、これが対策のために小委員会を開きまして、十数回にわたつていろいろと実行策の準備をいたして参つております。もちろん産業の復興にしましても、また国土の防衛にいたしましても、現在ほど愛国心の必要な時代はないのでありますが、一方最大の愛国心を発揮して遺家族あるいはまた傷痍者の人々に、その所を得さすか得させないかというような問題が未解決であることは、非常な矛盾を感ずるのであります。しかも遺家族の問題、あるいは傷痍軍人の問題は、これらの将来愛国心をどうするか、こうするかというような問題と切り離しまして、国が、その国家に対して犠牲を払いました人々に、真心をもつて慶弔の意を表し、その遺家族の人々、あるいは傷痍者に対しまして、その所を得させる措置を講ずるということで行かなければならないと、われわれは考えております。すでに実行の時期であります。補止予算も編成されるようといたしまするし、また来年度予算の編成期も目前に控えております現在、また講和條約も間近に控えておりまするとき、全国の遺族あるいは傷痍者は、従来まで非常にしんぼうして参つておりますが、今非常に明るい気持で、何らかの解決かもたらされることを念願しておるのであります。この際政府は、これに対しましていかなる対策をお考えになつておりますか、一応お伺いしておきたいと思うのであります。
○橋本国務大臣 ただいまのお話は、まことにごもつともでありまして、まつたく同感であります。この遺族、傷痍軍人の問題は、申すまでもなく終戦の直後に、おそらくは再び戦争するような気持を打碎こうというような懲罰的な意味が、あるにはあつたかと思いますが、極東委員会の指令がありまして、ほとんど打ちとめになりました。わずかに傷痍軍人が更生年金並の年金をもらつておるというのが実情であります。その後政府側においても、いろいろ最近も努力をいたして参つておりまするけれども、何分極東委員会の指分がありまして、これをくつがえすというようなこともできませんので、今日の状態においてはどうにもしかたがないというのが、今までの状態でございました。近く講和会議もはつきりと日取りがきまりましたし、講和会議が開かれて調印が行われましたならば、おそらくは、今後何箇月かの間には、所定の国の批准が行われて、條約が発効するであろうと思います。政府といたしましても、まつたくわれわれの同胞愛の見地からいたしまして、何とかしてこの際遺族、傷痍軍人の問題に対しまして、十分痛ましい犠牲に報いて、お慰めも申し上げ、また国に報じた気持に御満足の行くようにしたいと思つて、具体策を練つているところであります。私限りの意見といたしましては、この遺族、傷痍軍人の問題につきましては、財政的には相当の負担にはなりましようけれども、本来極東委員会の指令がなかつたならば、おそらくは旧軍人恩給法が、少くともこの傷痍軍人や遺族については継続をいたしまして、その後物価の値上りがありましたならば、おそらくは金額も改訂されて今日に至つておるに違いないと思つております。ただ今日の事態で考えますときに、大将から二等兵に至る階級の恩給法を復活するというふうな時代でもなかろうと思います。従つて、今日の国民の感覚に合うような援護法を考える必要があるとは思いまするけれども、補正予算から二十七年度の本予算にかけて、厚生省所管として今日金額的にも最も大きく、そうしてこの際ぜひ解決を要する問題であると考えて、厚生省部内においても研究を進めているところであります。 先ほど新聞のことについて突然お尋ねがございまして、十分な御答弁ができませんでしたが、あの数字というものは、私どもは全然存じておりません。かつ非常に中途半端で、よく意味がわかりませんが、ただいままでの私どもの研究しているところでは、戦後、傷痍軍人は何ですが、遺族の方につきましては、全然扶助料が出なくなりましたために、どういう状態にあるかということは非常にはつきりしていない。大体遺族会などに属しておられる方はありますけれども、いやしくも国が扶助料を出すということになると、権利義務がはつきりいたしておらなければなりませんし、しばしば受取る資格の人の間のけんかもありますので、これはどうしても、だれが遺族であり、しかも扶助料をもらう権利者であるかということを、はつきり調査いたさなければならないのでありまして、厚生部内でこの間のうち事務的検討をいたしたところでは、今年度の補正予算に、かりに非常に莫大な金額を組みましても、調査に相当手間取るために、なるべく急いで皆様方に差上げたいとは思うけれども、二十六年度内の問題としては、その権利者の確認その他の問題として、実際の扶助料が出るまでにはなかなか行かないのじやなかろうか。むしろ今日非常に大事なのは、この問題にあたつて、遺族がだれであるかということを、非常にはつきり急速に調査することである。本年度の補正予算の問題としては、少くともそれを急速に完璧につくり上げるというところに、最重点を置かなければならないというのが、大体今まで事務当局から報告を受けておるところであります。従つて新聞に出た数字というのは、調査費としては多過ぎるようでありますし、それから支出する扶助料としては少な過ぎるようでありますし、これは何かの間違いではないかと思います。
○高橋(等)委員 たいへん力強いお答えをいただきまして感謝いたすのでありますが、この補正予算におきまして、もし多額の経費がとれまするならば、これに越したことはありません。また国際情勢がこれを許しますれば、なおけつこうでございます。しかしいずれにしましても、この問題は姑息な解決をしていただきたくないのであります。わずかな補正予算で何かやろうとしましても、おそらく姑息な解決しかできないのじやないか。もし、たとえば三月から開始をするというので、一箇月予算相当額のものがとれるなら、これはけつこうでございますが、いずれにしましても姑息な解決ではだめであるということ、また現在われわれ考えまするのに、もちろん減税ということは、これはたいへん必要でございます。しかし減税がある程度できないでも、この問題をぜひとも、減税の程度をゆるめても、この方面に経費をまわしていただきたいということは、全国民の要望であり、また全国民が納得するところであろうと私は考えるのでありまして、相当多額の減税をなさる前に、まずこの問題を解決することに、大臣として重大なる御決意をしていただきたいと考えるのであります。また問題といたしましては、この基本的な年金の問題、あるいはまた生活保障の問題、いろいろあるのでしようが、特に遺兒の育英につきましては、特別なる御考慮をいただきたい。また調査に関しまして、いろいろと時間がかかることはよくわかりますが、この調査は今からすぐでもお始め願つて間に合うように、一刻も早くこの困つた人々に六年ないし七年の間の空白のおわびができるようにお運びを願いたい。橋本大臣は、大臣におなりになる前から、この問題には非常に御熱意を傾けていただいております。今優秀な方を大臣にいただきまして、全国の遺族、傷痍軍人も、非常に期待を持つておることであります。どうぞこの問題こそは、大臣に課せられました一生涯のうちでの最も重要な問題の一つとお考えくださいまして、ぜひとも、ただいま申し上げましたように、税金の減税よりも先の問題であるということを十分にお含みの上、善処あらんことをお願いいたします。なお御答弁をお願いいたします。
○橋本国務大臣 よく承りました。中途半端な解決はいけないということにつきましては、まつたく同感であります。おそらく財政上相当大きな負担でありますから、これを入れ込むについては、相当な苦心のいることでありますけれども、もし財政的観点から筋の立たないような援護をいたした場合には、やはりいつまでもその不満が残りまして、かえつていつまでも、何ほどか問題が解決に近ずいただけ、不満が大きくなるというおそれもあるかと思いますので、できるだけ筋の通つた解決をいたしたいと思います。ただ減税の問題につきましても、今日相当税金も高うございますから、私は必ずしも減税をとりやめてこれの方にということを、今日まつたくその通りということを申し上げるほどの勇気もございませんけれども、両方できるように、できるだけの努力をいたして参りたいと思います。どうかひとつ、この問題につきましては、今日の事態から見まして、ただいまお取上げになつたのは減税と扶助料との問題でありますが、ほかにもいろいろな問題がございましようし、どうかひとつ各党の有力な方々を網羅されましたこの厚生委員会におかれましても、私の微力な努力に対して、絶大な御支援を賜わりたいと思います。 先ほど来、厚生予算はまま子扱いになりがちだというお話がありましたが、私は現実の実情から見て、決してそういうことはないと思つております。林前々厚生大臣、黒川前厚生大臣とも、きわめて人格円満な、老練な方でありまして、御自分の腕ずくで予算をとるといつたようなことを、誇りとして人に見せるというような方ではございませんでしたけれども、内部における厚生行政充実のための御努力というものは、私はわきから拝見いたしまして、老練の先輩に対して非常に敬意を表しておつた次第であります。現実の厚生予算をごらんになつたときに、近年まれに見る成果を両厚生大臣の時代にあげておられるのであります。これは両大臣の人徳によることでもありましようけれども、決して厚生予算というものが、本質的にまま子扱いにされるのでなくて、社会的な正しい要求の強いものであるだけに、はでではないかもしれませんけれども、大体今まで、しかるべき地位を得て来たと思うのであります。ただ、それでありますから、今後の予算につきましても、特にまま子扱いにはならぬとは思いますけれども、この傷痍軍人の問題、遺族扶助料の問題——傷痍軍人の方は旧軍人恩給法がそのまま復活いたしましても、何十億の問題だと思いますが、遺族の方は何といつても百何十万人の問題でありまして、金額が非常に大きいのでありますから、この厚生予算というものが、まま子ではなくて、本来尊重されておつても、これを入れ込むのには、相当の苦心があろうと思います。どうかひとつ案の作成にあたりましても、また予算の編成にあたりましても、各位の絶大な御支援をお願いいたします。
○堤委員 ただいままで御質問のありました点と重複を避けまして、大臣に率直に御質問申し上げます。現在建設省が統轄いたしておりますところの住宅問題に関しまして、厚生大臣としては、今のところどういう御見解をお持ちになつておりますか、ちよつと御所見を承りたいと思います。
○橋本国務大臣 非常に大きな問題でありまして、何と申し上げてよいかわかりません。あるいは御質問の御趣旨は、建設省で扱つておるのは、一般の住宅離の緩和ということだけであつて、特に社会福祉的な住宅政策が行われていないというふうな御趣旨かとも思いまするが、今日までも厚生省関係の面におきましても、引揚者住宅の問題その他いろいろな面で、骨を折つて参つて来ておるようであります。私も向うにおりましたときに、幾らか骨を折つたことがありましたが、今日まだ十分に住宅の問題については研究をいたしておりませんので、政府の考えておりまする住宅政策が、総体的な住宅離の緩和という面からいいましても、あるいはまた衛生的、社会福祉的な特殊の力の入れ方につきましても、今後なおなお努力するような方向でやつて参りたいと考えております。
○堤委員 私たちがいろいろな府県に参りまして視察をいたしましても、われわれ厚生常任委員会としては、この住宅離の今日の問題を、真にわれわれの立場として考えなければならないという場合が非常に多うございました。たとえば、私海外同胞引揚特別委員としてでございますが、北海道をまわつてみましたが、無縁故の四十八万を受入れました北海道の定着援護の問題は、一にかかつて住宅問題でございます。子供の教育上の問題、なおかつ家族全体の衛生上の問題、いろいろな問題から検討いたしましたときに、実に私たちはこれをなおざりにすることが許されないという再確認をして帰つたわけでございます。北陸地方を視察いたしましても、また九州に参りましても、至るところにこういう問題がころがつておりますのに、第十国会におきましては、公営住宅法という法律ができまして、さらにさらに問題をどの府県にもまいているようであります。でありまするから、どうか厚生大臣として、今後住宅問題を大いに厚生行政の中に取入れていただいて、今までと違つた施策を、ひとつ実行するように軌道に乗せていただきたいという、切なる希望を持つております。どうかその点よろしくお願いいたしたいと思います。 それから次に、実は社会福祉事業法に伴うところの各都道府県に置かれます社会福祉主事の問題でございます。これは実は六月の一日に全国知事会議が持たれまして、これを設置するにあたつて、府県に対する国からの財政的な裏づけがないから、これは実施することができない、さようであるがゆえに、これは本法を改正するか、または実施の時日を延期して再検討してもらいたいという決議をいたしまして、総理大臣以下、あらゆる方面に要望して決議を出しておるのであります。私たちはどこへ参りましてもこの社会福祉主事の問題は、知事並びに民生部長あたりから強硬な指摘を受けまして、大いに委員会としてはこれを問題にし、大臣にひとつ要求しなければならないという気持を持つているのでございます。もはやすでに各都道府県におきましては、これの実施に手をつけている府県もあるようでございます。実際問題として、やつて行けない問題に手をつけかけた都道府県といたしまして、大きなジレンマに陷つておる。なお国会は閉会中でありますので、この法律を改正し、または延期するというような問題も不可能でございます。実施にかかつた社会福祉主事の問題は、私は中央財政とにらみ合せて非常に大きな問題だと思つておりますが、これに関しまして、大臣はいかなる処置をとられんとしておられるか、これに対する答弁を承りたい。
○橋本国務大臣 堤さんの御質問に答弁をいたします。私率直に申しまして、非常に弱つておりまして、実は皆さん方のお知恵も拝借したいと思つておるところであります。この問題は、たまたま十月一日から実施ということで新規に実施するというので、知事会議においても、金が足りるとか足らぬとかいつて問題になつているわけですが、先ほど私申し上げました通り、実はすでに着手した仕事についても、どうあんばいするかが、府県としては全面的に問題になつております。今日私どもの立場といたしましては、国会の意思を尊重いたしまして、十月一日実施の法律を、できるだけスムーズに実施したいと考えざるを得ないわけでございます。形式的な御答弁を申し上げるようでございますが、しかし率直に申しまして、一面におきましては、知事会議において、このままじやできないぞという決議をいたしておる。その後知事会議の方は意見をかえたのだというような話もございましたけれども、全然決議をかえておりませんし、最近に至りまして、公文でああいう決議をしてあるにかかわらず、法律を改正して元へもどすといつたような方針も示さないし、金はないし、どうするかということで、公文を突きつけられて非常に困つておるところであります。一面地方財政につきましては、地方財政委員会が責任を負つておるわけでありまして、地方財政委員会の方でも、先ほど申し上げましたように、あの計算ではたしか五百何億だつたかと思いますが、府県は当初予算で五百何億の赤字があるのだという報告をいたしたまま、だからどうするという財政計画を全然示すことなしに今日まで参つております。厚生省といたしましては、問題が要するに府県財政のことでありまして、つまりやろうと思つても国が平衡交付金に組んだ十何億というものはちやんと入るけれども、つけ足しで負担する分が出ない。もちろんその場合においても、これだけ出すなら出るだろうと思いますけれども、総体で結局五百何億の穴が明いていると、結局何を実施して何をやるということが非常に問題になつて来まして、府県によつて事情が異なりまして、ある府県によつては、ほかのものをやめてもこれはぜひやるのだといつて、実施の準備を着々進めておるのもあります。それからまたある府県では、やはり災害とかなんとかいう方面を十分やるのが必要なんで、だから道路なり河川なりの方面べまわす、こつちの方はとてもできぬ。たつてやれというなら金をよこせというようなお話。しかし金の問題にいたしましても、これの実行に要するだけの金を出しましても、結局ほかにも非常に大きな穴が明いておる。でありますから、総体的な各府県の一斉施工という問題には、なかなか解決に至らないのではないか。そこで今年度の府県財政にからんだ問題というのは、きわめて深刻でありまして、部分的な解決ができないと思うのです。岡野国務大臣が帰りましてから、地方財政委員会の方にももつと真剣に検討していただきまして、地財委の具体的な意見を求めたいと思います。私どもといたしましては、今日でも社会福祉主事というのは、御承知のように存在しておるわけでありますし、増員をしますると、仕事のしぶりがかわつて参ります。全部完全に実施ができなかつたならば、一部分だけでも何とか実施できないか。それもあるいは地財委の方で、総体計画の面で、この実施はぜひやめてくれということを、もし正式に申し入れて来るならば、それはそれでまたもう一度考え直してみなければなりません。今日といたしましては、与えられた法律の執行をできるだけやつて行きたい。どんな方法があるだろうかということを、府県とも連絡をとりながら検討いたしておる次第であります。あまり割切つたいい決断は今日下しておりません。
○堤委員 率直な御答弁を承りまして、まことにけつこうでございますが、やりかけました府県と、全然投げやりにしております府県、それからただいま現在の法律というものを三つ照し合せましたときに、非常に今後重大な影響を他の社会福祉関係の実施の面に及ぼすかと思うのでございます。たとえば、実施にかかつだ府県と、全然手をつけておらない府県とをどうするかというような具体的な、つつ込んだ問題を、早急に解決していただきたいということを、要望しておきます。 それから同時に、児童福祉関係の予算が、国庫補助という名目にならずに、平衡交付金の中に入つております。本年度の児童福祉大会におきましても決議をいたしまして、政府並びにあらゆる方面に大会の結果を持つて陳情に参りました。私どもも前黒川厚生大臣に、今後はもとの国庫補助とされるか、または特定のひもつきの形においてこれをなすような形に努力されたいということを要望したのでございますが、今度大臣またかわられましたし、児童福祉の問題としましては、まことに大切な今後の問題かと思いますので、御所見を承つておきたいと思います。
○橋本国務大臣 よく研究をしてみます。私実は問題を、はなはだ申訳ないのですが、よくつかんでおりませんので、当局の意見も聞いて研究してみたいと思います。 それから重ねて申し上げますが、先ほどの問題につきましては、私どもといたしまして、府県総体にどうせいということは、どうしても言いかねますので、地方財政委員会において、一体どう今年度の府県財政を裁くのか、その意見をぜひ早く聞いて善処をしたいと思いまして、近い機会に地財委の方とも相談をいたしてみたいと思つております。どうか厚生常任委員の方々におかれましても、何かいいお知恵がありましたら、御研究を願いたいと思います。
○堤委員 あまり大臣がお困りになつておりますのに、これ以上追究いたしますのもどうかと思いますので、委員会の皆様方にも今後いいお知恵をしぼつていただくように、特にお願いいたしておきたいと思います。 なお、もう一つ遺家族並びに留守家族、それから傷痍軍人に対する援護の問題に関しまして、岡委員並びに小委員長である高橋委員から御質問があり、また大臣からの御答弁もございましたので、省略いたしまして特に私のお願いしておきたいのは、私といたしましては、きよう新大臣に補正予算に必ず何がしの予算を組んで、そうして二十六年度には必ずこれだけのものをとつて、何はさておいてもこれは実施してみせるという確約を私は得たかつたのでございますが、そこまでまだ行つておらないようでございます。ひとつなるべく早い日に確約のできるように御研究を願つて、まだ日が浅うございますから無理かと思いますが、その点よろしくお願いいたします。特に私が申し上げておきたいのは、私たちこの国会閉会中も各都道区県をまわつておりますが、いかなる対象を遺家族となすべきか、また傷痍軍人の対象の種類、それから留守家族のいわゆる軍人、軍族の特別未帰還者、一般未帰還者の問題などにつきましては、私たちが中央で考えておる以上に切実な問題でございますので、地方の市町村並びに都道区県の世話課などにおきましては、相当確としたデータができておるように私は考えるのでございます。でございますので、なかなかその対象を調査するのにひまがかかるというような気持で、大臣はおられるようでございますけれども、私は案外やりかけてみれば、金もかからずに簡単にできるのではないか。それがことほどさように、各地方庁、各末端市町村におきましても、犠牲を背負つて参りました遺家族に、同情的な態度をとりまして陰になり日向になりしてかばつて来たのが実情ではないか。でありますから、おつくうがらずに、案外早く進むと思いますから、次の調査費の予算と取組んでいただきたい。これをお願いをしておきたいと思います。 それから、特に私は未亡人のために、大臣の御所見を承りたいと思うのでございますが、男女同権であるから、そういつまでも子供をかかえた未亡人の問題を、この国会の厚生委員会で問題にすることはけしからぬというような御意見が、私はあるかと思うでございますが、御存じの通り、日本の社会機構は、日本の女が子供を連れて生きて行くように、日本の女を育てて来なかつたのでございます。男女同権というのは、名のみなのが実情でございまして、母の日であるとか、働く婦人の週間であるとか、やれ何だとか申しまして、実はいまなお啓蒙に努めておるというような現状で、ございまして、生きて行く実力を持つておりません。これは身体障害者と私は同じ意味にみなしていただいていい種類のものであると思つております。十年たち十五年たちました段階において、なおかつ未亡人が社会問題を投げかけておるというようなことは、これはいがかと思いますけれども、占領下の五箇年、苦しい中を泳いで参りましたこの遺児を連れた戦争未亡人を中心とし、さらに一般未亡人を中心といたしまして、私はハンデイギヤツプのついた女性、ことに子供をかかえた女性に対して、厚生大臣としては考えてもらわなければならない段階にまだあると存じます。遺家族はこれで対象になつて、着々具体的に救つてもらう、傷痍軍人も対象にしてもらう、留守家族の問題も考えてもらうという段階になりましたときに、やはり私は今までの国家の女性への補いとして、ひとつ未亡人母子世帶の問題を——これは戦争未亡人を除いて百万近うございますが、これを考えていただかなければ、まだ片がついておらない、かように考えておるのでございます。私は大臣新任早々に、母子問題に対する強い施策を要求いたしますので、特に御所見を承りたいと思います。
○橋本国務大臣 遺家族の問題につきましての御意見は、十分に拝承いたしました。私は傷痍軍人遺家族の問題につきましては、臨時国会において法律案を出し、補正予算を出す固い決意であります。ただ極東委員会の指令の問題がありまして、これがこの間のリツジウエイ総司令官の声明もありましたが、どうも極東委員会の指令の分だけは、いたしかたがないというような話がありますし、これは講和條約の調印だけで問題が解決しますものか、あるいは極東委員会の半数の国の調印がないと、どうもぐあいが悪いということになりますものか、問題はそれだけでありますが、私はその点はできるだけ国民の気持に沿うように解決するべく、今日も努力いたしております。何とか臨時国会に援護の法律案を出し、従つてそれに相当する予算も出せるように進むのじやないかと思いますけれども、これは次官以下に、なお事務的に確かにそう行くかどうか、かかつて今の問題だけでありますが、検討させております。 それから傷痍軍人、遺家族の確認の問題でありますが、特に遺族であります。これは今日までの資料はございまするが、これを確かめまするために、すでに厚生省は手を打つて調べをずつとやつております。ただ私おそれておりますのは、以前でも戦争の最中等に、死歿者特別賜金であるとか恩給等がありましたときに、特に今日お話がございました未亡人の方々と親御さんの方々の間に、扶助料の受取り権利などについて、非常に深刻な争いがあつたような実例がしばしばあるものですから、——今日でも調べておる間に、若干そうした危険を感ぜられる部面があるようでありまするし、一番の問題は、未亡人、子供を失つて年老いた母親、父親というようなところに問題が起りそうなものですから、そういつたような問題については、法律的にも考えなければならない部面がありましようし、それから受取り権利の確認にも間違いのないようにしたいと思つて力を入れております。相当早い機会に、資料の収集はできるのではないかと努力をいたしております。 それから未亡人、ことに子供をかかえた未亡人の問題については、まつたく堤さんの仰せられる通りに私も考えております。日本においてはというお話がございましたが、私はおそらく、子供をかかえた未亡人が、ほうつておいたら暮しに苦しむというのは、日本のみならず、世界中どこでもそうだと思います。特にみんなが一般にゆたかでない日本人はそうだと思いますが、この遺族問題が片づきましても、相当程度後になつても、戦災未亡人であるとか、いろいろな問題がありまして、なおなお気をつけるつもりであります。何といいましても、やはり先ほど住宅問題のお話がありましたが、母子寮を十分にして、とにかくどこかおちついていられるところをつくることが一番肝要なことではないかと思います。今後におきましても、十二分に未亡人の問題、ことに子供をかかえた未亡人の問題に対して、十二分の関心を持つて善処をいたすつもりでおります。
○堤委員 大臣御就任早々、長時間ひつぱりまして、まことに恐縮でございますが、私がこの委員会に出始めましてから、この御熱心な答弁をいただいて、このようにほんとうにまじめな態度で御答弁くださる大臣は、私この大臣が初めてだと思うのであります。他の方も御同感ではないかと思いますので、非常に大きな期待と喜びを持つておるのであります。どうぞひとつ恵まれない子供たち、恵まれない女、恵まれない老人などに対する福祉行政につきましては、特によろしくお願いいたしたいと存じます。 なお、私がもう一つだけ大臣に聞いていただきたいのは——各局長の方々とは常に問答をいたしておりますので、ことに大臣に聞いておいていただきたいのは、現行の生活保護法の問題でございます。非常に基準価格が低うございまして、しかもその法律たるや、非常に欠陷が多いように私は思つております。しかもこれが運営にあたりましては、百パーセントというところに至つておりません。しかも予算の裏づけは十分ではございません。でありますがゆえに、相からみまして、ここに非常に大きな再検討の段階に来ておると私は思うのでございます。ある意味におきましては、高価な国民の税金で隋民を養つておる面もございます。私は函館に行つて参りまして、放浪の果て函館に着いた浮浪人が三百人近くおります収容所を見て参りましたが、当然働ける年輩の人たちが、働ける五体を持ちながら、生活保護法の適用を受けて、しらみをわかして日中寝ております。しかもいかときゆうりのもんだのとで、大きなどんぶりに御飯を一ぱい食べておりましたので、あなたらは働かずにそれを食つておるが、一体その食事は一食分幾らかかるかという質問を私がいたしましたら、このいかは浜でもらつて来る、きゆうりは、ごみ箱から拾つて来る、米はもらいに歩いてなにするから、ただでございます。ただで食べて、寝て、しかも生活保護法の適用を受けておる。働けば生活保護法の基準額の中から金をさつぴかれるから、働かない方がましだと言つて、子供に乳を含ませて、中年の婦人が寝ておるに至りましては、私は言語道断だと思う。社会党の付議士なるがゆえに、この惰民に味方することは私はできません。函館の市長にはつきり申しました。あなた方も負担しておるのだから、タバコ一本でもよろしい、五円でもいいから、彼らをどぶ掃除なり何なりとお使いなさいと私は申しました。法の欠陥があまりにも大きいがゆえに、惰民を養い、しかも救われなければならない人たちをボーダー・ラインして、子供の教育ができないで、生活扶助を受けておりながら、教育扶助にはあずからないというような、いろいろの問題を含んでおるようでございますので、厚生委員会といたしましては、真剣な検討をして改正をしなければならぬと存じております。これは委員長におかれましても、あるいは同感ではないかと思いますので、どうぞひとつ大臣はよく局長と御検討になりまして、ことに自由党の政務調査の御重鎮でおられましたから、いろいろと研究して、いろいろなデータの上に立つて、持論をお持ちのことと思いますので、この生活保護法に対する御見解を承ると同時に、今後の大臣の方針なども一応承らせていただいて、私の希望に沿うていただきたいと思うのであります。
○橋本国務大臣 力強い御意見を承りまして、まことにありがたいと思つております。私も御提示のようなことを、常日ごろ非常に痛感しているものでありまして、生活保護法の問題については、いろいろな面において考えなければならないと思つております。一つは今お話になりました惰民を養成していはしないかという問題、それからもう一つは、農村においては、とにかく何ほどか土地を耕しておるために、生活保護法の適用がないけれども、ちよつと町に入ると、ほんとうにでたらめな暮しをしていて、生活保護法の適用があるというようなことで、地方の農村地帯を控えた都市や町というところで、いろいろな文句があつたというような問題でありますとか、それからもう一つは、やはり非常に大きいのは、生活保護法の適用の中で、生活扶助に比して医療扶助が急速に割合が大きくなりつつあるということであります。これはやはりどこかに制度的な欠陷があるので、あれだけ生活保護法の適用として医療扶助が出るのならば、あれを国民健康保険の方と、もう少し財源的に結びつける方法はなかろうか。私も実は郷里で国民健康保険の責任者の一人をいたしておつて、郷里の生活保護法の適用の実態内容をにらみ合せますと、私の郷里では、大体医療扶助がほとんど半額を占めておるのでありまして、そういう面も痛感をいたしておる次第であります。私どもも検討いたしまするが、生活保護法の問題はいろいろな面においてデリケートな面があると思いますので、ちようど遺族、傷痍軍人の問題のように、厚生委員会において小委員会でもお設けになつて、そうしてわれわれとともに御検討をいただければ、まことに幸いだと思います。
○堤委員 このときとばかりたくさん申し上げて、まことに恐縮でございますが、もう一つ、施設の点について、国立病院並びに結核療養所の問題でございます。大臣に、ひとつ国立病院をできるだけたくさん見ていただきたい、それから療養も見ていただきたい。と申しますのは、民間のそれ、または内閣などに付属いたしておりますところの病院だとか療養所などと比較いたしまして、非常に私は嘆かわしいものばかりであると思うのでございます。これは予算の関係がございますから、まことに無理からぬ、茶わんの中までどろくさいようなきたならしい病院になつても、しかたがないと思いますけれども、単に原因がそこにのみあるのではないと思います。地方にあちらこちら点在いたしますところの国立病院並びに療養所は、あまりにも中央の目が行き届かないという欠陷があるのではないか。貴重な国費を注ぎまして、大衆の寄りつかないような現在の国立病院並びに療養所というものは、私は非常に気張つておる厚生省のために、嘆かわしい問題ではないかと思うのであります。でありますから、予算が足りないならば、どうでもいい、帶に短かくたすきに長しというものは廃止してしまつてでも、一つのものに予算を集中して、完全なモデル・ホスピタルにするとか、モデル療養所にするとかいう方策に切りかえるとか、あるいはこれを地方に委譲して目の届くようにして、しかも国がうしろからアドヴアイスするという形に切りかえる。何とかこれも再検討を要する段階に来ておるのではないかと考えておりますので、国立病院あるいは国立療養所の問題に関しまして、十分目を通され、局長と研究されまして、何か手を打つていただきたいということを特に申しておきます。
○橋本国務大臣 十分検討いたします。
○松谷委員 ただいま堤委員から具体的な御質問もございまして、また新大臣の構想の片鱗を伺わせていただきましたので、私の申し上げたい点も重複いたす点が多うございますから、また次の機会に譲りまして、新大臣には具体的にただいままでお述べいただきました御努力を実らせて進んでいただきまして、将来におきましては、また具体的な御答弁をお願い申し上げたいと思うのでございます。 ただ先ほど大臣から、厚生予算は決してまま子扱いではないというこれまでの側面からごらんくださいましたお考えを伺いまして、まま子扱いでなかつたとするならばまことに幸いであつたと思います。しかし、かりにまま子扱いでないにいたしましても、確かに過去の厚生予算に比べまして、ここ数年来の厚生予算は、相当の増額はいたしておりましようけれども、しかし終戦以来極度にその必要性を要望されておりますその要求と比較いたしますならば、やはり他のパーセントと比較いたしました場合に、厚生予算というものがまだまだ貧弱なところに放置されているのではないかということを、具体的に問題を取上げて考えてみましたときに、経済的裏づけがないために、せつかくの構想も実施できないという点が、あまりにも多々あることにぶつかりまして、深く痛感させられておるのでございます。そういう点について、ただいままでお述べいただきました新大臣の力強い御熱意、あるいは将来への御努力のほどを伺いまして、その御熱意をもつてひとつ予算の獲得のために、全力を新大臣があげていただくことを、心からお願いしてやまないのであります。 なお一点、これは小さいといえば小さい問題かと思いますが、先ほど岡委員が御質問になつておられました行政管理庁長官としての立場に対する御質問でございます。労働省と厚生省との合併その他の問題については、大臣のお考えでは、厚生省の重要性を説かれて、なお今後の充実をはからなければならないというお話をいただきましたので、あるいは愚問かと思いますが、厚生省内の機構改革その他について、新大臣はどういう御構想を持つておられますか、その点について何か新構想がおありでございましたら、承つておきたいと思うのでございます。
○橋本国務大臣 予算その他の点につきまして、十分に配意いたします。厚生省内の機構の問題についてでありますが、これも行政改革総体的な問題でありまして、今日厚生省の中の局なり課なりをどういうふうにやろうかということについての、具体的なはつきりした構想は持つておりません。行政改革の要請といたしまして、今非常に厖大化いたしておりますので、なるべく機構を簡素能率的なものにしたいという一般的要請はありますけれども、しからば具体的にこのままにするか、あるいは局なり課なりをどうするかということについては、もう少し検討を続けてみたいと思います。
○松谷委員 具体的にまだ構想が進んでおられないというお話を承りましたが、あまりこれは先走つての願いかと思いますが、毎度厚生省内の機構その他が問題になります際に、やはり一番先に取上げられて参りますのが、どうしても力の弱いものを対象にいたしております。しかもその必要性から見ますならば、最もその対象が必要とする局あるいは課、そういうものがまず対象のまつ先に上つて来るような傾向がございますので、そういう際にも、十分にひとつ新大臣は厚生委員会その他と御連絡を密にしていただきまして、相当厳密にその辺についての御研究を重ねた上で取上げていただきたいものである。たいへん先がけた願いでございますが、一応お含みをいただきいたと思うのでございます。 なお今日は事務次官がおいででございますから、お願いしておきたのですが、今いろいろ問題になつております結核予算、あるいはまた結核対策等の点から参りましても、それを解決いたします一つの問題として私はアフター・ケアの問題を、厚生省が相当十分に、また愼重にこれを考えていただかなければ、なかなかベツドの問題だけでは解決できないものがあると思うのでございます。厚生当局はどの程度までこのアフター・ケアの問題を研究され、そしてまた予算その他の措置を考慮されようとしておられるか、その横想を、今日でなくて、明日もあるようでございますから、明日でけつこうですから、少し資料でもございましたらいただきまして研究させていただき、伺わせていただきたいと思います。
○宮崎説明員 ただいま松谷さんからのお尋ねでございますが、厚生省としてはアフター・ケアの問題は、非常に重要視いたしております。結核予防審議会というものが、今度の予防法によつてできたのですが、そこで小委員会をつくつて検討いたすことにいたしております。明年度の予算にこれをどうするかということにつきましては、まだ予算の大綱について議論をしておるだけで、それから先の検討をいたしておりませんので、今後の問題としてよく検討して行きたいと思います。
○松谷委員 なおこまかな点でございますが、大臣にひとつお願いしておきたいのは、ただいま事務次官からもお話がございましたアフター・ケアの問題につきまして、その中に職業補導の問題が含められますために、これが厚生省の所管だけでは相ならぬ、やはり労働省の関係するところであるというような向きから、この後保護施設の監督その他の点についての労働省のいろいろな意見と申しますか、あるいは意見だけならけつこうでございますが、具体的に事務取扱いその他について、労働省がいろいろと関係しておられるというので、後保護施設の一環に非常にやりにくいと申しますか、あるいはまた厚生当局が考えておられる効果をあげられないというような点もあるやに聞いておりますので、厚生大臣は、労働大臣と御折衝していただきまして、こういう点についても、なお今後アフター・ケアが実施される場合に、そうした各省のなわ張りその他その点から具体的に対象となるその人たち、あるいは上げて参らなければならない実績を阻害するような面が出ないように、ひとつ一応の御交渉をお願いいたしたいと思いますが、いかがでございましようか。
○橋本国務大臣 承知いたしました。労働省と厚生省というのは、元同根から発しながら、どういうものか、ほとんど親のかたきのようにけんかばかりしておつて、私などわきで見ておつて、非常にふしぎだと思うのであります。どうかひとつ委員の方にも、仲の悪いのはあたりまえだというふうに、親のかたきのようにならないで、あまりつまらぬけんかはするなということで両省の事務当局の間で仲のよくなるような空気を、せいぜい平素おつくりを願いたいと思います。私実は昨年も社会保障制度審議会の答申についてごたごたしましたときに問題をさばく必要があつて、顏を出して驚いたのでありますが、実に仲が悪くてあきれている次第であります。労働大臣にはよく話しておきますが、おそらく労働大臣自身も同じようなことを言つておるのではないかと思つております。事務当局の方には、平素も十分労働省と気特よく連絡をとるように話しておきますが、向うの方でも気をつけてもらいたいと思つております。
○松永委員長 明日の午後は国会内の職員組合の一年に一度の総会もございまして、時間は十二時一分前に必ず終了したいという方針でございますので、暑中の折から御迷惑ですが、十時ジヤストに開会いたしますから、どうぞ御参集を願います。 本日はこれをもつて散会いたします。 午後三時四十五分散会