厚生委員会 第25号
- 発言数
- 107 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1951/05/19
会議録
○松永委員長 これより会議を開きます。 まず検疫法案を議題とし、前回に引続き質疑を続行したいと存じます。砂間委員。
○砂間委員 この第三條の、検疫を行う港及び検疫を行う飛行場は、政令で定めるということになつておりますが、これけなぜ政令に譲つたのですか。
○山口(正)政府委員 これは現在関係方面からの指示によりまして、入国港が指定されておりますが、近くこの法が施行されます場合に、それを変更したい、そういうふうに考えておりますので、政令に譲つて政令できめていただきたいと考えております。
○砂間委員 大体これは講和を前提といたしまして、日本に主権が回復されるということを前提として、日本政府でつくつた新しい法律だと思うのですが、そうであるならば、日本政府が現在適当と考える法律を初めから指定してつくつておいた方がよいと思うのですが、やはり関係筋の方の指図がなければできない、そういうふうなことになつているのですか。
○山口(正)政府委員 昨日大臣が御説明申し上げましたように、現在実施しております検疫は、総司令部から出されております回章の中に入国港を指定されておりますので、そういうふうな措置をとつておるのでございます。
○砂間委員 それだつたら、現在の指定されておる入国港あるいは着陸飛行場をここへきめておきまして、そうして変更する場合には、この法律の一部改正として出したらよいと思うのですが、どういうわけですか。
○山口(正)政府委員 検疫を実施いたしまするために、検疫所を設置いたします場合には、地方自治法で国会の承認を求めることになつておりまするので、実際に検疫所を設けます場合には、その一つ一つについて国会の承認をお願いすることになつております。
○砂間委員 それから軍用艦船等の検疫につきましては、第二十二條で、「別に法律で定める」こういうことになつております。これも今占領下でありまして、やむを得ない措置かもしれませんが、しかし、この軍用飛行機や軍用艦船の検疫が、日本政府でできないということになつておりますと、これは検疫上非常におおきな穴が明くことになるのではないかと思うわけですが、この点どうですか。
○山口(正)政府委員 これは現在わが国に行われております国除的な立場から、ただいますぐに軍用艦船に対して、あるいは軍用機に対して、検疫を実施するということが困難でございますので、これは講和條約が成立いたしましたあかつきに、別に法律で定めていただきたい、そういうふうに考えております。
○砂間委員 現在は占領下でできない、主権の及ばないことかもしれませんが、現在の軍用飛行機や軍用艦船についての検疫は、どういうふうなことになつておりますか。連合軍最高司令部の方で厳重にやつておられるのですか、それともルーズになつているのですか。最近聞くところによりますと、天然痘などが大分はやつているようでありますが、朝鮮でもやはりはやつております。朝鮮からうつつて来たのじやないかというふうなことをよく言われるのです。あるいはけさの新聞ですか、癩患者なんかは、朝鮮の方から入つて来た癩患者が非常に多いというようなことが、明石かどこかの癩療養所の所長さんですか、言つておつたようですが、そういうふうな点を見まして、軍用飛行機あるいは軍用艦船等の検疫の実施状況は、完全なものになつているかどうか、それらの点について、私ども多少不安を感ずるわけですが、それらの実情についておわかりでしたら、御説明願いたいと思います。
○山口(正)政府委員 現在の軍用艦船あるいは軍用飛行機に対しまする検疫は、責任は連合軍当局の責任においてやつております。実務につきましては、日本の検疫官が相当関与してやつております。
○砂間委員 それから第十八條の仮検疫済証の交付のことについてでありますが、これは今度のこの法律で新たにつくられたということが、提案理由の説明の第三項に書いてあります。「発航地の衛生状態等から勘案して、おそらく検疫伝染病の侵入のおそれがないであろうと認められる場合には、船舶等の運航経済の点を考慮に入れまして、一定の條件のもとに仮検疫済証を交付し」とこういうふうになつておりますが、おそれがほとんどないと認められるというような場合は、検疫所長が認定するわけですか。具体的に言うと、どういうような国あるいは地方等をさしておられるのですか。
○山口(正)政府委員 それは現在世界保健機構の仕事として、世界各地における伝染病の情報を毎週私どもは得ておりますので、その伝染病情報によりまして、伝染病が流行しているか、していないかということを私ども知り得ますので、その状態を勘案いたしまして、それの判定をいたしたい、そういうふうに考えております。
○砂間委員 それから一港検疫主義になりますと、極利なことは便利なんですが、外国から来た船、あるいは外国の港を寄つて来た船は、全部検疫港へ最初に入つて検査を受けなければ、目的の港へ入れないことになると思いますが、これはどんな小さな船でもみなそうですか。たとえば二十トン、三十トンの機帆船みたいな小さな船でもそうですか。
○山口(正)政府委員 従来の検疫法では、二十トン以下のものは除外してございましたが、最近の海外の伝染病の流行状況、あるいは海外の距離という点から考えまして、今回御審議願つております法案におきましては、小型船舶も包含するということにいたしております。ただ二、三の点について、小型船舶について除外の規定はございますけれども、しかし一応検疫を受けなければならないという点につきましては、小型船舶は除外しておりません。
○砂間委員 今度の検疫法によりますと、罰則がたいへん重くなつていて、特に体刑等がついておるようですが、この罰則を特に重くしたという事情は、どういう事情なんですか。
○山口(正)政府委員 特に重くしたという御質問でございますが、本件につきましては、海外から参ります伝染病の国内侵入防止という観点から考えまして、検疫当局と打合せをして、こういう規定を設けたわけでございます。
○砂間委員 この法律を実施する上に、予算はどのくらいかかるのですか。
○山口(正)政府委員 現在二十六年度予算として、検疫業務実施のために計上されております予算は、一億八千万円余でございます。
○砂間委員 それで新たに検疫所を設定したり、あるいは検疫所の職員の費用等は、全部まかなえるわけですか。
○山口(正)政府委員 現在検疫所を設置しておりますのは、十七箇所の港、二箇所の飛行場でございますが、そこにおります人員が六百三十名でございます。それから船と航空機まぜまして、大体一年間に二万四千余り、人間にいたしまして百二十六万余りの者を対象として実施いたしますのに、およそそれくらいの予算を計上しております。なお船の数が非常にふえて参りまして、対象人員が非常にふえて参りますれぼ、それに従つて経費も増大して来る、そういうふうに存じております。
○砂間委員 そういたしますと、厚生省ではこの法律が通る前に、二十六年度の予算では、予算を先にとつてあるというわけなんですか。
○山口(正)政府委員 現在総司令部の回章によつて検疫を実施しておりまして、それを日本にまかされているのでございますが、本法案によつての実施でなく、総司令部の回章に従つて検疫をします経費として二十六年度計上されておりますのが、ただいま申し上げた額でございます。それが本法案に切りかわりましたあかつきにも、港の数が大体それくらいでありますれば、大体同額でまかなえるのではないかというふうに考えております。
○砂間委員 船や飛行機の持主の立場からしますと、検疫港や検疫飛行場は、なるべく多い方が便利だと思うのですが。それを増加するというふうな意向はお持合せになつておりませんか。
○山口(正)政府委員 御質問の点につきましては、運輸当局あるいは船舶関係の業者とも、いろいろ打合せをしたのでございますが、現在は、先ほど申し上げましたように、十七箇所の港と二つの飛行場にございますが、現在も船の運航上もう少し検疫所を増してほしいという要望がございますので、将来貿易的見地並びに船の航行の実績から勘案いたしまして、増加しなければならない場合も起つて来る、そういうふうに考えてあります。
○砂間委員 第三十三條によりますと、費用の負担につきましての規定がございますが、地方の負担というものは現在どのくらいかかつておりますか。
○山口(正)政府委員 現在この検疫業務につきましては、地方の負担はございません。全額国庫負担で実施いたしております。
○砂間委員 それから緊急避難ということが第二十一條に規定してございます。「急迫した危難を避けるため、やむを得ず当該船舶等を国内の港に」云々とありますが、この「急迫した危難」ということは、どういう場合をさすのですか。
○山口(正)政府委員 「急迫した危難」と申しますのは、火災とか損傷あるいは荒天、あるいはそのほか食糧、飲料水がなくなつてしまつた、そういうふうな場合を考えております。
○砂間委員 大体質問はそのくらいのものであります。
○松永委員長 他に本法案についての御質疑はありませんか。——なければこの際本法案の取扱いについてお諮りいたしたいと存じます。ちよつと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○松永委員長 速記を始めてください。 お諮りいたします。本案の質疑を終了するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松永委員長 御異議なし、と認め、本法案の質疑は終局いたしました。 次に、本法案の討論に入るのでございますが、本案の討論につきましては別に通告もございませんので、これを省略し、ただちに採決に入りたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松永委員長 御異議なしと認め、これより検疫法案の採決に入ります。本案を原案の通り可決するに賛成の諸君切御起立を願います。 〔賛成者起立〕
○松永委員長 起立多数。よつて本案は原案の通り可決いたされました。 なお議長に提出する報告書の作成に関しましては、先例により委員長に御一任願いたいと存じますから、さよう御了承を願います。 —————————————
○松永委員長 次に、保健婦助産婦看護婦法に関する件について、金子委員、松谷委員より発言を求められておりますので、順次これを許します。金子委員。
○金子委員 休会前の国会におきまして、ぎりぎりの末期にようやくにして看護婦法の一部改正法律が出たわけでありますが、当時この法律を可決するにあたりまして、その中でもことに重要な問題でありますところの既得権者を新しい制度の国家登録にするための手続等につきまして、省令にまつという面を大きく残しておるわけでありますが、この省令のいかんによつて、法律が非常にきついものになるか、あるいはゆるいものになるかということがきまりますので、行政上の措置をここで相談することは、そこにどうかと思われることも一応は考えられるけれども、この法律の目的を達成するために、その省令等については、この委員会に一応はかるようにということをお願いもし、そういうことを政府といたしましても了承の上、あの法案が通過する過程をとつたのであります。そこでこの会期ももはや終りに近づいておりますので、この機会に政府の方からその省令の内容をお示し願える段階に、もうすでになつておると思いますので、本日はそれをお示し願いまして、そうしてかつてきめました看護婦法が、実際のこの法の適用者に対して、非常な不便を感じられないように研究いたしたいと思つております。そこできようは相当時日が過ぎておりますし、すでにその内容もおできだと思つておりますので、その説明をひとつお聞きしたいと思うのであります。
○久下政府委員 助産婦看護婦法の施行規則につきましては、実はただいま鋭意検討いたしておるのであります。実は一番問題の認定講習に関しまする予算の点が、まだ明白になつておりません関係もありまして、本日のところは、お目にかけるまでの成案を得ておらないのでありますが、極力やつておりまするので、もうしばらく御猶予をいただきたいと存ずるのであります。
○金子委員 もうしばらくというと、今会期は二十八日で終りますので、その事前になされなければ、会議はしばらくの間召集されないことになる。ということは、われわれには関係なく細則を進めるという結論になると思うのであります。その点はどういうふうにはからいますか。
○久下政府委員 お約束でもございまするし、そういうつもりはございません。私どもとしては、大体今会期中には何とか骨子だけでもまとめまして、お目にかけたいと思つて極力やつておりますので、多分本会期はわずかではありまするけれども、大体のことはお目にかけられると思つております。
○金子委員 結局その要点は、既得権者をどうするかという認定講習だけの問題なんでありまして、認定講脅の問題は、予算がないとか何とか、りくつをつければ、いくらでもりくつはつくのでありますけれども、問題は認定講習の幅、程度をどうするかということによつてきまりますので、それによつて予算をたくさんかけることもできるし、予算をたくさんかけないこともできるのでありまして、その運用に非常にデリケートな点があるからして、私はこういうことをあの当時も申し上げ、また今日も申し上げておるわけなんであります。ですから、あれだけの期間があつていまだにそれができないというのは、そこに私どもは割り切れない問題があるわけであります。ことにあの法案というものは、あなた方の委員会も、一応私どもの見るところによると、好ましからざる意見を持つておつた。議員の人たちが、ほんとうに委員長初め一致こぞつて強引に通したというようなことがあるだけに、あなた方のあとの処置が、時期が遅れるということは、なるほど政府の、事務当局の考え方の根本がそこにあるから、いまだにできないのだ、こういうことを邪推せざるを得ない立場にあるわけなんですが、その点次長はどうお考えになりますか。
○久下政府委員 ここに看護課長が来ておりまするから、今までの具体的な経過につきまして申し上げさせることにいたしたいと思いますが、要点は、認定講習をいたしまするにつきまして、予算の執行上、財務当局との交渉がいるのであります。いろいろもんでおるのでありますが、ただいままでに、はつきりとした回答を得られないというのが実情でございます。そのために若干遅れておるのでありまして、決してこれは、放置しておきまして、皆様の御関心でありました問題を、私どもかつてにやろうというような意思では毛頭ないことだけは、御了承いただきたいと思います。
○金子委員 かつてにやろうという意思はないにしましても、あの法律の審議の過程におきまして、あなた方の相談相手であつたところの審議会は、絶対反対だという態度をはつきり表明しておりましたし、そういうふうにもつれて来ましただけに、よけいにいけないんじやないかという、さいぜん申し上げたような邪推が当然出るのであります。それと同時に、事柄がたくさんの予算を要するとか、あるいは実施の上に不可能に近いような問題であれば別といたしまして、私どもの常識で考えれば、それほど大きな問題ではないと思うのであります。ですから、それはもちろん考え方によりまして、あなた方の認定講習というものは、非常に程度の高いものを要求しておるが、私どもは、認定講習というものは、一応そういう過程を経なければ面目が立たないから、そういう形にしてほしいというような意思でやつておるわけでありますし、ことに法案が通つたあとに、これは私ははつきり表面から言うことはどうかと思いますが、灰関するところによると、こんなことなら、いつそのこと一挙に全部国家登録にしてしまつて、そうしてあとから認定講習をする方がよかつたというふうな逆な意見さえ、事務当局からは出ておるということも聞いておりますので、そういうふうな点の意思の齟齬から、なかなかこの問題がはかばかしく進まなかつたんじやないか、こういうふうに考えておるわけであります。そこで今会期中にやるとすれば、一体今会期中のいつごろまでに大体その問題の原案をお示し願えるかということを、最後にお聞きしておきます。
○久下政府委員 来週の半ば過ぎには、ここに御相談申し上げるような段階になると思つております。
○松谷委員 すでに金子委員から今いろいろ次長に対して質問しておられましたそのお答えによりますと、来週の末ごろには大体省令の内容も表示していただける、あるいは認定講習の内容というようなものを表示していただけるという、大体のお話はいただいたのですが、ちようど政務次官もお見えになつていらつしやいますが、この問題は政務次官も御承知だろうと思うのであります。すでにあの法案を成案いたします場合に、相当の問題となつて、そうしてことに既得権者の切りかえの問題について、いろいろと急を要する試験その他とかみ合せての問題が出て参りまして、今お話のような認定講習の問題については早急に本省が案を練るというふうな約束で、おそらく委員会をとじておつたと私は考えておるのでございます。この点について、すでに中一箇月もございましたのに、いまだに成案が出て来ていないという点について、金子委員同様私も非常に残念だと思うのでございます。これは私が残念だと思う以上に、すでに既得権者の方たちの、日々のその精神的ないろいろの打撃というものは、相当なものであろうと私も想像いたしますし、またそういう実態も相当私どものところに届いておるのでございます。また、これはこういう点について、あとで政務次官からも一言政務次官としてのお考えを伺つておきたいと思います。なお私が特に伺いたいのは、看護課長もおいでになりますが、漏れ聞くところによりますと、本省の方々が地方に出かけられていろいろ発言をなさる際に漏らされるその言葉の中に、せつかく本省が看護婦さんたちの質的な向上をはかろうと考えていたけれども、国会議員のよけいないろいろな意見のために、どうも厚生省としての意見が十分に通らなかつた点があるというようなことを、公開の席上において発言なすつたというようなことも聞き及んでは——そういうことを私自分で聞いておりませんから、どこまではつきりしているか、あるいは速記を調べようといたしましたが、速記がございませんので、これも私は確実にこうだということは、今は責任を持つて申せませんが、少くともそういうことを漏れ聞くというようなことになつては、私どもも、どうもそれをそのままにしておくことは、これほどのいろいろ問題があつたあとのことでございますので、よけいこれは厚生省、ことに看護課長あるいは次長のお出ましのときに、はつきりとひとつそういう点を伺つておきたいと思います。少くとも厚生省がいまだにそういう考えをもつてこの法案を取扱つておられる、あるいはまた一部では、既得権の切りかえというものは非常に困難である。ことに認定講習というものはなかなか早急に行われるものではない、相当年月がかかるから、できるだけ試験をたくさん受けておかなければ、その切りかえをやつていてもなかなか日暮れて道遠しだというような発言さえなされた向きがあるというふうに伺つては、私どもがせつかく法案を改正したその精神と、またたく逆を行くものではないかと思うので、これはひとつ本省のお考えをあらためて直接伺わせていただかなければならぬ問題だと思うのでございます。この点についていかがでございましようか。
○平澤政府委員 ただいまお尋ねのございました経過については、私もよく承知をいたしておるのでございまして、松谷委員と同様の考えを持つておるものでございますが、少くも来週の半ば過ぎにはほぼ案を得ましてお示しすることができる段階になつておりまするから、さようにひとつ御了解を願いたいと存じます。
○久下政府委員 第二段の問題は、私からお答え申し上げます。実はお話の内容とやや類似したようなことを、二、三日前にほかの国会議員の方から私も伺つたことがあるのであります。確かに、もしもさような事実があるといたしますれば、これはゆゆしい問題であり、官吏として不謹慎なことであると思いまして、さつそく看護課長にも話をし、いろいろと関係者を調べてもらつたのでありますが、お話のようなことを申した者はない。私もそう思いまするし、また調べました結果では、だれもそういうことを言つておらないのでございます。あるいは申しましたことが、若干誤解をされておるのではないかと思いまするが、いずれにいたしましても、私どもは、少くともノさような考えは持つておりませんし、国会で御決定になられた法律を施行するのは、私どもの与えられた重大な責任であります。今後とも調査もいたしたいと思いまするし、また部内の者にも十分注意をいたしまして、さようなことのないようにいたしたいと考えておるのであります。
○松谷委員 実はその一つの例は、三婦協会の大会においてそういうことを言われたということを——具体的な名前もわかつておりますが、こういう席上でうございますから、その名前は他の機会において申し上げることにして、本日は伏せておきますが、そうすると、一応本省の考えとなすつては、絶対にそういう方針ではないということを私どもの前で再確認をしていただきたいのであります。そう解釈してよろしゆうございましようか。
○平澤政府委員 私からお答え申し上げます。すべての法律はもちろんでございますが、ことにもうこの看護婦の問題は、満場一致でこの委員会も通したことでございまするし、同時にまた、非常に検討に検討を加えまして、りつぱな成案を得たのでございます。もとより厚生省といわず他の役所においても同様だろうと思いますが、私どもは決して今御指摘せられたような考えでやつておるのではございません。この法律の施行については、その立法の精神のあるところを、十分私どもは体得いたしてやつて行きたいと考えておる次第でございます。
○松谷委員 この問題については、ひとつ徹底的に、きようは局長はおいでがございませんが、局長にも次長からひとつお話していただいて、部内の統一をぜひ至急にやつていただくのと、嚴格に監督していただきたいと思います。
○堤委員 ただいまの金子委員並びに松谷委員の問題でございますが、私も御質問申し上げたいと思つておりましたが、他の委員から御質問がございましたので、省略いたします。政務次官もただいま御確約がございましたけれども、一つの法律をはさんで、すでにでき上つておりますのに、国会議員がきめた法律を執行してくださる官吏の方々が、こういうかすを含みながら今後法律の本文を曲げられるということは、国民にとつては非常に迷惑なことだと思うので、単にこれは看護婦法だけの問題でなしに、あらゆる省において、あらゆる委員会において、私たちは十分警戒しながら、ことに国会議員はこの官吏の方々とは仲よくして、法律を十分途行して行かなければならないのでありますから、御確約がございましたけれども、私もその情報については承つておるのでございいますから、今ここでつるし上げるような形において、厚生省をどうこうしようとは思いませんが、一つの法律をはさんで国会の委員会と官吏とが対立するというような、腹いせのような形で法律を曲げられるということは、被害をこうむりますのは国民でございますから、どうかひとつこの点十分御留意願いたい。
○青柳委員 私は実はこの問題は、本日ここで初めてお聞きしたのであります。事は非常に重大でありまして、国会の権威に関するものであります。従いまして、私はこの際委員長のお考えによりまして、大臣の責任において御調査願うか、あるいは国会の責任において調査するか、いずれか委員長におまかせいたします。嚴重なる御調査を願います。
○松永委員長 ただいま青柳委員の御発言がございましたが、先ほどから、私もこれは初めて承るのでありますが、先般来のこの問題の通過をいたしました経緯から見ましても、万一さようなことがありとするならばゆゆしき問題であると思います。これは国会の方で、当委員会で別にこれが査問調査のための小委員会を設けてやりますか、あるいは政府当局の方から大臣の責任において調査を行つて、文書をもつて委員長あて御報告を願うか、そのいずれかにしたいと思いますが、どちらに御賛成が多いでしようか。
○亘委員 ただいま委員長からお諮りになつた問題でありますが、当委員会におきまして小委員会をつくりまして、それを調べるということになりますと、日にちの関係その他から行きまして、この会期中に非常に困難ではなかろうか、かように考えられまするので、むしろこの際後者を選びまして、大臣の責任において当委員会に報告書を提出する方が妥当に考えられますから、後者を採択した方がよいように私は考えます。
○高橋(等)委員 事実といたしますれば、青柳委員の御発言の通り、これはまことに許すべからざることだと思う。そこでただいま亘さんから御発言になつたような調子で、一応その詳しい報告をいただきました上で、もし必要があるなら、われわれで独自に調査をする、こういうお扱いの方がいいじやないかと思います。
○福田(昌)委員 私遅れて参りまして、ほかの先生方から御質問もあつたことと思いますが、御質問があつただろうと思うようなことを、私も実は手紙なりあるいは看護婦さんから聞いているのでございます。この間四月の下旬にありました三婦協会において厚生省側が発言なさつたそのこと、あるいは厚生省側は発言していない、そういうようなことは言つておらないというようなお話のようでありますが、私ども二、三の看護婦さんから聞いたところによりますと、国会議員や労働組合なりが、せつかくのいい法律をがちやがちやに改悪した、こういうような改悪された法律をやつても、この認定講習なるものは厚生省で積極的にやる気がない。結局ひまがいるから、国家試験を受けなければならぬ、皆さん方が国家試験を受けなければ、結局準看護婦ぐらいの待遇しか与えられないのだからというような意味の話をされたということを二、三の人から聞いております。私は又聞きでございますから、真偽のほどは存じませんが、こういう二、三の口がそろつているというようなことは、あるいはまた厚生省の方が言われたんじやないかということを私も感じますから、この委員会ではそういつた三婦協会に出られて聞いた人をお呼び出しいただきまして、一応そういつたことを言われたかどうかということをお確かめ願うというのも、一つの方法じやないかと考えます。国会がこういう国民のためを考えた法律をつくりましても、行政府である厚生省自体が、そういうような実に悪辣な手段をもつてこの行政措置を妨げるというようなことになりますと、国会の権威はどこにあるかといわなければならないのであります。これは委員長におかれましても、徹底的にお取上げいただいて、お調べ願わなければならない問題でございますから、私どもといたしましては、まず三婦協会、あるいはまた聞くところによりますと、国立第一病院においても、厚生省側はそれに似た答弁をしておるそうでありますから、そういうところにおいて話されたことに対しまして、聞いた看護婦さんが大勢いるはずでありますから、そういう人をこの委員会にお呼び出しを願いまして、お調べを願いたいと思います。
○松永委員長 ただいま亘、高橋、福田三委員からの御意見の発表がありましたが、それではとりあえずかようにいたしたいと存じます。この問題は、少くとも憲法において、国会は国権の最高機関であるということを認めております今日に、国会の審議権を無視して、公務員がこれをとかくの批評を下し、この執行をばむということがあるならば、われわれ国会は何の必要もない、厚生委員会を放棄してもいいのだ、こいう考え方もな持ちますが、一応ひとつ厚生大臣の責任において、当国会が終了間近になると困りますから、三日以内に御調査をくださつて、正式の調査報告書を委員長の手元まで、お出しを願い、それによつては、さらに当委員会でひとつ査問に付して進んで行きたい、かように存じます。それでよろしゆうございますか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松永委員長 それではひとつ平澤政務次官の御責任で、当該、久下医務局一長、金子看護婦課長から、ただちにその事実をお調べくださつて、歪曲をせずにありのままを御報告を願ひ、それに対する御処置、方針、そういつたものをひとつ文書でもつて私のところまで御報告を賜わりたいと存じます。明日は日曜でございますからはなはだ性急なことを申し上げまするが、二十三日中に御回答願つて、それによつて当委員会としても考えるところがある。国会の権威を保持する上において、これは委員会でなしに、全国会をあげてこの問題を処理したい、かように決意をしておりますから、どうぞさようにお願いをしたいと思います。
○平澤政府委員 ただいま委員長から仰せがありましたが、私はこの委員会においてそういう御要請が今きまつたのでございますが、このことは、あるなしにかかわらず私もこの席で耳にしたことでありまするし、私自身の意見も述べたのでありまするから、もしそのことなくしても、私はやらねばならないと実は考えておりました。今委員長から仰せがありましたそのことを、必ずそれまでの間にいたすようにいたします。
○金子委員 以上の問題は、ただいま委員長からの御発議によりまして、政府の責任において回答していただくということで、一応私も賛成するものでありますが、この際お聞きしておきたいことは、とかく政府は重要な問題ができて参りますと、ただちに単なる諮問機関だとか、あるいは法的に根拠のあるものもありますが、いろいろな審議会なり委員会というふうなものを設けて、そしてややともするとその委員会というものは全部の国民の中から出たエキスパートの集まりである、従つてそこでの結論が最高のものだというようなことを、言葉としては押しつけないのでありますが、ややともするとそういうような口吻もあり、またそういうふうな形においてそれを基礎にした法律案というものを国会に投げて来る慣例が、最近非常に多くなつているので、あります。それにつきまして、たとえば医薬問題につきましてもその通り、私ども医薬問題については、去る国会におきまして、医薬分業の問題は非常に重大な問題だから、この両調査会のできたことは、それは真剣に研究をする意味において了とするが、その研究調査の過程における会議の進行状況なり、あるいはそこへ出て参りまするところのデータは、常にわれわれにも一緒にそれを公開され、配られて、そして国会の立場も一緒に研究すべきじやないかということを私が申し上げたときに、政府は、それはしこくけつこうなことだからそういうふうにやりたいということを約束しておるのであります。しかしながら、その後において、一回も、委員会の審議がこうなつているとか、こういう過程へ来ておるとか、ないしはこういうふうなデータによつてこういう意見だという報告もありませんし、また会議もないのであります。そして今度はその答申があつたからといつて、一気呵成に法律をつくつて政府案としてここへ出して来るということで、私は権限問題でなく、ほんとうに国民のために正しい法律をつくつてあげるという点からいつて、非常に遺憾に思うのであります。従つてこの際一つお伺いしたいのは、例の問題になつておる看護婦制度審議会というものは一体いつまで諮問機関として置くのか、永久にずつと置かれるのか、どういう段階でピリオツドを打つのか、その点をお聞きしたいと思います。
○久下政府委員 看護婦制度審議会は、すでに廃止をいたしました。
○松谷委員 今次長は、ただ廃止をいたしましたというお答えでありましたが、前年つくられた審議会は廃止になりましても、また新たなメンバーによつて審議会がつくられているということを承つておりますが、それはいかがでございますか。
○久下政府委員 ただいまさようなものはつくつておりません。
○松谷委員 なお今後つくられる意思がございますでしようか。
○久下政府委員 ただいまのところは、将来そういうものをつくることを考えておりません。
○福田(昌)委員 これは余談になるかもしれませんが、審議会なるものが、とらの威を借りたきわめて非民主的な煩慮を持つておるということを、私どもは非常に感じているのであります。ことに看護婦制度審議会なるものは、その代表的なものであつたということを感じます。ただいま医務局次長の御答弁によりますと、そういうものは今のところおつくりになる意思はないというお話でありますが、将来あるいは変更になりまして、看護婦制度審議会なるものを新たにおつくりになるというようなことがあるといたしましたならば、日本の国民のための政治という観点に立つて、自主性のある審議会をおつくりになつていただきたいと思うのであります。非民主的な袞竜のそでに隠れてとやかくするというような、そういうことをこの際断然排斥することを要望いたしまして、私お願いにかえておきます。 —————————————
○松永委員長 次に、兒童福祉法の一部を改正する法律案を議題とし、前会に引続いて質疑を続行いたします。
○堤委員 ただいま政務次官がお見えになつておりますし、兒童局長がおいでになりますので、これに関連して厚生省にお尋ねいたしたといと思うのでございます。 御存じの通り兒童福祉大会は、本日をもつてピリオツドを打つたのでございます。いろいろな決議をし、真劍な討議が闘わされたことであろうと思いますが、私は、残念ながら時間がございませんでしたので、開会日しか行けなかつたのでございますが、政務次官もいろいろと出ていただいとことと、私思うのでございます。これらが今日決議事項といたしまして、平衡交付金の中に含まれたこの兒童福祉関係の予算というものに対する陳情を始めております。御存じの通り専門員室からも参考資料が出されておりますが、これらをまたなくても、私たちは当初におきまして、この兒童福祉法の施設関係の裏づけとなるべき財政面の取扱いが、平衡交付金の中に含まれるということは、大いに考慮いたしまして、委員会においても政党政派のいかんを問わず御質疑があり、政府に対して要望もしたのでございます。しかるに案にたがわずこの平衡交付金は、土木産業または経済であるとか、はでな面にうんと食われまして、今日では非常に楽観を許さない状態にございます。この平衡交付金の中に含まれるところの兒童福祉関係の予算というものに対して、政務次官は今日いかなる考えをお持ちになつているか、まず最初に政務次官の御所見を承りたいと思います。
○平澤政府委員 私は、この問題については、この委員会のおおむねの意見は承つておるのであります。同時に、御承知の通りわれわれ政府といたしますれば、本日上程されておりますこの兒童福祉法を、こういうふうにかえて行きますということもすでにこの問題に対して一歩ずつでも改善して、福祉を増進して参りたい、こういうことから出発いたしでいるのでありまして、それと同時に、すべてのことが一ぺんに飛躍いたしまして、何もかも整うということになりますれば、それに越したことはございません。また私どもも、いたしたいのであります。しかしながら、一ぺんにその理想の段階まで行かないといたしましても、私どもはあらゆる努力をいたしまして、その目標に邁進いたしたいと思つておるのでありますが、本日ここに上程せられておりまする法律案も、そのわれわれの目標を一歩ずつでも具体化して参るということの一歩だと御了解願いまして、それから逐次そうした財政面においても、十分な照応ができますように働いて参りたい、かように存ずる次第であります。なお私の足らざるところについては、今兒童局長もここにおりまするから、局長からまた補足いたしましてお答えいたすことといたします。
○堤委員 特に申し上げておきたいのは、平衡交付金は、私たちの常識から考えて、この三箇年を通じまして、ほとんど年額三百億ぐらい削減されて参りました。これの連続でありますので、赤字地方財府の中に、少な目に送られているところの平衡交付金の中から、兒童福祉行政に関するところの予算がいかなる取扱いを受けるかということは、これは事前から常識でもはつきりわかつておりまして、私たち全国津々浦々を歩いてみますと、それぞれ県におきましては知事、末端に参りましては市町村長という方々のその色合いによりまして、相当な開きもあるようでございまして、良心的な処置をしておる府県並びに市町村におきましては、ある程度見るべきものがあるかもしれませんが、全国的に見て、幼い厚生行政の将来を非常に暗澹たらしめておると思うのでございます。でありますから、この平衡交付金が交付されます場合に、ひもつきにするということはできないことであるということに、少くとも今日においてはなつておりますが、ひもつきにできないならば、いわゆる各地方団体に交付されておりました以前の国庫補助金制度にしていただかなければ、現段階においては、この兒童福祉法という法律さえも守ることができない、かように考えておるのであります。ちようど今民間団体からも強い要望がございますし、われわれ厚生委員会におきましても、この点非常に懸念いたしまして、政府に御忠告申し上げて来た案件でございますので、他の問題とは別にいたしまして、兒童憲章も制定された今日でございますから、これにはひとつ十分に力を盡していただきたい。そして大蔵省とも強硬な折衝をしていただき、なお厚生省だけで不可能な点がございましたならば、われわれ微力ながら厚生委員会において、これに協力申し上げたいと存じますので、密接な関係をとつていただき、兒童福祉のために、どうかこれを来年度の予算には実現していただきたい、私はかように思つておりますので、どうぞひとつよろしくお願いいたします。
○松谷委員 ただいま堤委員から詳細な御意見が出ましたので、こまかいことは省きますが、現在のようなせつかくの兒童福祉法の精神を生かし得ないで流用されておるところの平衡交付金の取扱い、これを堤委員の御発言のように、補助金制度として行うようなことを、一体当局はどのように考えておいでになるのか、その点のお答えがいただけなかつたので、当局のお考えを伺わせていただきたいと思います。
○高田政府委員 私からお答えいたします。御指摘のように、児童福祉関係の費用が、平衡交付金に入りましたために、現状においては遺憾な状態が出現いたしておることは事実でございまして、厚生委員会の報告書の中にも取上げられておりますような状況でございます。このことは、平衡交付金制度がいいとか悪いとかいうことではなく、現在の平衡交付金制度のもとにおいては、という意味でございます。従つて平衡交付金制度そのものについて、私どもは何とも意見を持つわけではございませんが、今日の段階においては、私どもの方の仕事がうまく行つておらないということは、率直に認めざるを得ないと存じます。従いまして、この仕事に責任をもつておりまする一局長といたしましては、御指摘のように補助金にこれを組みかえて行きたいという希望を持つております。しかしながら、これは一主管局長の意見でありまして、いろいろとほかの事情もございますので、それが実現するかいかんということは、皆様方のお力によるところが非常に大きいだろうと存ずる次第でございます。
○松谷委員 当局のお考えはわかりました。なお今後の問題は、大蔵当局との交渉も、相当重要な点が出て来るのではないかと思います。これも伺うところによると、大蔵当局自体のお話では、厚生省の出方が非常に弱いということも、実は聞かされておりますので、もしもそういう点があることはたいへん残念だと思います。堤委員もおつしやづたように、委員会もひとつ全面的にお力添えをさせていただいて、そうした大蔵当局との交渉その他についても、今後この問題について兒童局と密接な連絡をとつていただきたいと思いますので、この点はひとつお願いをいたしておきたいと思います。 次に伺いたいのは、この兒童福祉法の対象になります中に、学童の数が相当あることは当然でございますが、この場合に、学校側の協力ということが、兒童福祉法を完全に実施して行く場合の重要なポイントになるのではないかと思うのでございます。そういう点から、聞くところによりますと、この改正がまだ草案の当初において、学校には各専任の指導員の設置を見るようにしたいというような希望が相当あつたと了承するのでございますが、そういう点について、どうもまだ文部当局の協力が得られていないような点がうかがわれるのでありますが、局長はどういうふうなお考えをお持ちになつて、その点の十分な充実をはかられないままの改正案となされたか、そういう点について何か経過がおありになるならば、経過を伺わせていただきたいのであります。
○高田政府委員 児童福祉の仕事を進めて参りますために、学校側の協力を必要とすることは、まさしく御意見の通りでございます。従いまして、私どもも文部省と十分な協力をいたして、この仕事を進めて参つておるわけでございます。今具体的に御指摘の、学校に児童福祉関係専任職員を設置することを法律の中に盛り込むというようなことにつきましては、その実態につきましては、文部省側も別に異存はないわけでございますけれども、これを兒童福祉法の中に書くのがいいか、あるいは別途他の法律に書くか、あるいは法律等に書かないで、実際上進めて行くかというようなことについての意見の食い違いも若干ございまして、今回の兒童福祉法の改正は、全面改正を避けまして、一部の改正ということでお願い申し上げましたので、さような規定が今回の改正案の中には入つておらないわけでございます。
○松谷委員 そういたしますと、ただいまの問題については、当局はどういうふうな処置を具体的になされるか。今回は全面的な改正を避けて行われたとおつしやいましたが、それでは文部当局との間に、どのような交渉が具体的に進んでおいでになるか。そうして具体的な処置として、当局はどういう処置をおとりになるつもりでありましようか。
○高田政府委員 具体的な問題といたしましては、学校の先生の中で適当な方を定めていただきまして、その人が兒童相談所あるいは兒童福祉司等と緊密な連絡をとつて参ろう、かような実際上の措置によつて、この問題を一歩でも前進させようというつもりでございます。
○松谷委員 今局長のお話でございますが、なかなか現状のような、ことに新制度による教育のまだ十分に整つていない場合に、そうした兒童福祉司との緊密なる連絡その他の問題について、ただ報告をするというような程度で、これがどうも私どもから考えて、完全に私どもが法律に盛つて行こうとするようなその精神が十分に実現するかどうかということは、はなはだ疑問だと思うのでございます。そういう点をなお十分にひとつ当局もお考えをいただいて、もつと積極的に進めていただきたいと希望いたします。 次に伺いたいのは、今回せつかくに兒童憲章が成立いたしました。しかしこの兒童憲章が紙の上で成立けいたしてみましても、やはり具体的にこれがどのくらい実質生活、また実際に子供たちの生活の中にあるいは家庭の中に、あるいは国民の中に浸透して、その実をあげるかということは、なかなかむずかしい、また困難な問題だと思うのでございます。ただいま拜見するところでは、当局は通牒一本で各地方にそれを浸透するようにというような方法をとられておるように伺つておるのでございますが、こういう点で、ただ単なる通牒一本でそれを実施するようにと申しましても、なかなか今日の地方財政の点などから考え合せてみましても、これがまたその県の性格その他によつて、非常に浸透し、それが実をあげて行ける県もありましようし、あるいはまたそれが逆の結果を生む場合も相当出て来るのではないかと思うのでございます。そういう点について、この児童憲章なるものを国民の一人々々がしつかりと把握するということが、一番かんじんではないかと思うのでありますが、そういう点について、当局はどのような将来への計画を今お持ちになつておりますか。あるいはその計画を実現して行かれるための予算的措置その他についての準備は、はたしておできになつておるのかどうか。大会をなすつたことによつて、ただこれが大会という一つのお祭り騒ぎに終るのではなく、あの精神を一軒々々の家庭に、一人々々の子供に浸透させて行ける、その具体的な当局のお考えを伺つておきたいと思います。
○高田政府委員 第一点の、学校との関係につきましてのお答えは、少し言葉が足りなかつたようでございますから、この機会に補足ささせていただきます。学校との協力と申しますか、それにつきましては、今度の改正法の二十五條の二にも、若干改正をいたしておりまするように、兒童福祉関係の職員の方で、兒童福祉司の増員とか、相談所の拡充とか、それから新たにできまする福祉事務所の社会福祉主事においてこれらを扱うということになるので、私どもの方の関係の人聞は、従来よりは強力になつております。従つて私どもの方でも、学校に対する働きかけということが、従来よりは強くなつて行くであろう、学校の方におきましても、学校の先生方にそのおつもりになつていただいて、この両者が協力をしてやつて行くならば、従来以上の成果をあげ得るものと期待をいたしているわけでございます。 その次に、兒童憲章の普及徹底というようなことについての御質問でございますが、兒童憲章は、御承知のように政府が別につくつたわけのものではございませんが、たいへんけつこうな憲章でございまするので、これの普及徹底については、私ども役所といたしましても、十分力をいたして参りたいと存じているわけであります。ただこの普及徹底に要する経費というものは、その名前によつては、国の予算に計上いたされておりません。しかしながら、私どもが持つておりまするいろいろな印刷費でありまするとか、あるいは会合費でありまするとか、さような経費を使いますることによつて、この普及徹底に予算的にも若干の寄与をいたし得ると考えておるのであります。なお各地方、府県等におきましては、それぞれ兒童福祉に関する経費を、ことに兒童福祉週間とか、あるいは大会の費用とかいうようなものを計上いたしておりまするし、またこの憲章に関連いたしましても計上いたしておるところもございますので、地方におきましては、中央よりは、より以上に予算的にも普及の経費の裏づけができておるやに私承知をいたしております。しかしながら、この普及徹底は、今のような金を必要とするという面も確かにございまするけれども、それ以上に、かような仕事に従事いたしておりまするいろいろな人々が、金のかからないいろいろな機会をとらえて普及徹底をはかるということの方が、むしろ強いのじやないかと思う。一例をあげて申し上げますれば、PTAの会合において、関係の方にこのお話をしていただくというようなことの方が、むしろ普及力を持つておるのじやないかというふうに考えております。なお、その他言論機関でありまするとか、ラジオでありまするとか、さようなものも十分に活用して参りますれば、特別の予算を計上いたさずとも、ある程度の効果をあず得ると私は考えております。従いましてさようなことを十分にやつて参りたいと思つております。一昨日から開かれました全国の兒童福祉大会におきましても、この憲章の普及徹底ということを議題といたしまして、特別部会を設けまして御審議がなされたようでございます。その結論がいろいろ出ておるようでありまするので、その結論の趣旨に従つて、私どもも努力をいたして参りたい、かように考えております。なおつけ加えまして、憲章の中に書いてある事柄の実現のための裏づけの予算ということにも、お触れになつたように思いますが、それは、結局政府の予算で申しますれば、各省全体の予算に関係をいたすようでございます。従いまして私どもといたしましては、自分の所管にあります、たとえば兒童福祉施設の設置費の増額をはかつて参りまするとか、相談所の拡充をいたして参りまするとか、いろいろ予算全体の問題といたして、その趣旨を実現するように努力をいたして参りたい、かように考えておる次第であります。
○松永委員長 それでは福田委員。ちよつと申し上げますが、平澤政務次官が、次の会合の約束の時間が来ているそうですから、できるだけ簡単にお願いいたします。
○福田(昌)委員 前の委員の方々から、兒童福祉行政に関する予算面の地方平衡交付金制度を補助金制度にかえてもらいたいという御意見でありましたが、私もまつたくその意見を持つているものでございます。厚生省御当局側も、そういう方向に対して努力をするということでございまして、まつたく喜んでいるのでございますが、当面の問題といたしまして、こういう厚生省の補助金として取扱われるということが実現いたしますまでの過渡的段階といたしまして、今日では、この平衡交付金制度のために、兒童福祉関係のいろいろな議設、また措置兒童に対します取扱い、あるいはそこで働いております職員、ことにごく末梢におきましては保姆の待遇といつたような面におきまして、非常に不都合な事態が現出しております。厚生省御当局の熱心な国庫補助金へのお考えのその結果を待つておれない状態に、今日はすでにあるのであります。従つてそれまでの過度的段階といたしまして、厚生省御当局としては、さつそく何らかの手を打つていただかないことにおきましては、せつかく兒童憲章がつくられましても、現実はまさに兒童憲章に逆行している姿がとられているわけであります。従つて、そういつた具体的な、ことに当面の問題を救うところの厚生省御当局の措置を、私は承つておきたいと存じます。
○平澤政府委員 福田委員のお話も、現状では不満足であるから、過渡的措置をとれということでございますが、私ども厚生省といたしましては、ただいまそうしたことは考えておりません。この予算の範囲内で、御議決を得ました範囲で、その執行を完全にして参りたい、こう考えておるのでありまして、今御指摘にありましたことについては、実はまだ考えておりません。
○福田(昌)委員 次官とされましては、あまり末梢にわたります第一線のこまかいことまでお考えになるには、あまりにもお仕事がたくさんおありになると思いますが、ともかくも各末梢の機関におきましては、措置兒童を目の前に置きながら、費用の関係におきまして、その措置に困つておる。また保姆を十分に雇い入れることができなくて、託兒所においても非常に困つておる。またその職員も非常に手不足であつて、オーバー・ワークでからだをこわしているというのが、至るところに出ておる姿でございます。こういう現状によく目をとどめられまして、ともかくもそういつた第一線の、すでに麻痺を来さんとしておる状態をお考えくださいまして、兒童憲章も制定されました今日でありますから、どうか厚生当局としては、早急にそれに対する措置をとつていただきたいというのが、私の希望でございます。
○高田政府委員 これは非常にむずかしい問題でございまして、中央がどういつても、地方が出さなければ何にもならないのが、平衡交付金制度の本質でございますから、御承知願います。非常にむずかしい問題でございますが、私どもといたしましては、先般の国会で改正をしていただきました五十三條の二の規定——実除に最低基準を維持するに足る費用を支出しておるかどうかということの監査を強化いたしまして、なお府県当局にも十分と働きかけをいたして参る、目下のところはそれ以上には何ら手がないという状態でございます。しかしながら、いろいろな大会を通じ、あるいは関係者の熱意を通じて、地方の輿論を興して、そこへ持つて行くという大きな常道の方は残つておるわけでございますが、具体的な事務的な措置といたしましては、五十三條の二の規定を活用して、この監査を強化して行くということになると思います。
○福田(昌)委員 平衡交付金の制度のもとにおきましては、どうしても中央のお考えがそのまま功を奏さないということは、当然でございまして、私もわかつておりますが、どうか五十三條の二の規定におきましても、できるだけのことを末梢機関が麻痺に陥らない前に措置をとつていただきたいと思うのであります。 もう一つ次官にお伺い申し上げておきたいことは、今日学校に行くまでの兒童を預かります施設に、託兒所また幼稚園がございますが、幼稚園は、学校教育法によりまして教育委員会の関係にありますし、託兒所は厚生省の管轄下にあるというようなことで、私どもといたしましては、こういう二本建であるということは、あまり喜ばしいことではないと考えておるのでございます。できましたならば、こういう幼稚園に類似いたしまするものも、厚生省管轄のもとにおいてこれをお扱い願いたいと考えるのでございます。厚生当局はどういうお考えであるかということを、お伺いたします。
○高田政府委員 幼稚園と保育所はりくつの上から申しますと、これははつきり違うのでありまして、今般の改正條文の中にも、その趣旨を明らかにするような文句を一言入れていただくようにお願い申し上げておるわけであります。目的がはつきりと異なつておりますので、違うわけであります。しかしながら、その実態が往々にしてあまり違わないように運営されていることにつきましても、私これを承知いたしております。従つて、私どものただいまの考えといたしましては、はつきりと目的が違い、当然両方併立してしかるべきだと考えられますので幼稚園を厚生省の所管に持つて来るという考えは持つておりません。しかしながら、保育所の運営を、ほんとうに保育所らしいものにして行きますことによつて、実態が混同されがちであるその実情を正して行きたい、保育所は保育所としての本来の姿にあるようにいたしたい、その点に努力をいたして行きたいと考えております。
○福田(昌)委員 幼稚園と保育所の目的が違うことは、おつしやるまでもありません。しかし現実におきましては、目的が違うかもしれませんが、内容の取扱い方においては、ほとんど似たり寄つたりのことが行われております。こういう観点に立ちまして、保育所の中の運営またはいろいろな監督というものが、厚生省において非常にずさんであるということを申し上げても、今の姿ではこれはあながち過言でないと思われるのであります。従つて厚生省におきまして、こういつた保育所の運営というようなことに対しまして、一層の善処をお願い申し上げたいと思います。 —————————————
○松永委員長 次に、医師法、歯科医師法及び薬事法の一部を改正する法律案を議題とし、前会に引続き質疑を続行いたします。金子委員。
○金子委員 この両法案の改正につきまして、いわゆる医薬分業の問題でありますが、この法案はまだ正式に本委員会にかかつておりませず、予備審査の形でありますので、政府からの提案理由の説明その他もありません。のみならず、さいぜん私が申し上げましたが、この問題は非常に重要な問題であるから、政府の持つところの二つの調査会の過程においても、本委員会に常にその情報を入れ、データを提示して、ともに研究するようにということをお願いしたのでありますが、今度の書類を見ましても、二つの調査会の経過の内容も、私どもは一向に知るところがないのでありまして、ただ両調査会の決議に基いて立法した、そうしてここへ政府案として出されたという段階だけにとどまつておるのであります。従つて、私どももこの法案に対して、まだいろいろと研究しなければ、その可否を決定する建前にならないのであります。さしあたり結論からお聞きしたいのでありまするが、もはや会期も非常に迫つておるのでありまして、政府はこの法律が審議未了に終つてしまうということに、かりになつたといたしますと、どういう点に一番お困りになるのか、あなたの方の心情をひとつお聞きしておかぬと——間がないのでありますから、こういう点に非常に困る点ができるということによつて、私どもも考えなければならぬと思う。その点をひとつ率直にお述べ願いたいと思うのでございます。
○久下政府委員 私からお答えするのは、あるいは立場が違うかもしれませんが、御質問でありますから、私がかわつてお答え申し上げます。私どもは、ただいま御指摘のございました両調査会の答申を受けまして、その答申を是なりと信じましたために、それに基きまして法律案の改正をお願いしておるわけでございます。さような立場に立つておりまするので、私どもは、たいへん会期が切迫いたしまして、御迷惑なこととは存ずるのでありまするけれども、御審議をお急ぎいただいて、御決定をいただくことを希望いたしておるのでございます。ただ仮定を置かれて、審議未了になつたら困るのではないかという御尋ねでございますが、これは現行の制度もあるわけでございますから、御決定にならなければ、そのまま現行の制度をやつて行くほかにないと思つているのでございます。
○金子委員 そうしますと、両調査会の勧告があつたので、そこでこれがところてん突きのように押し出されてここに出たのだから、なるべくなら通つた方がいいけれども、通らなければ、今の法律でやるよりしようがない。そうならなくても、もちろんこれは三十三年とか二十八年ということがありますので、さしあたり大した問題はないといういとになりますか。どうしてもやらなければならぬというはつきりした提案者の御意思がありますれば、それを伺つておくことによつて、また次第によつては会期延長をお願いしましても、これはやらねばならぬと考えておりますので、その点をもう一度はつきりお示し願いたいと思います。
○久下政府委員 政府といたしましては、決して通らなくても何でもよろしいという意味じやございません。先ほど申し上げた通り、提案をいたしておりまするし、ぜひ御審議、御決定をいただきたいというのが、私どもの希望でございます。ただ審議未了になつたらどうするか、因ることはないかというお尋ねがありましたので、さような仮定を置きますれば、現行の法制もあることでありまするから、困ることもないというふうに、そういう意味で申し上げたのでありまして、私どもとしては、くどいようでございまするが、提案をいたしております以上、ぜひ御審議、御決定をいただきたいという希望でございます。
○金子委員 そういう意味でありますならば、これは希望でありますが、今からでもよろしいのでありますが、両調査会に出ておりますところのいろいろの基本的な資料や、あるいは両調査会の議事の進行の経過というものを、もう少し詳しく知わたいと思います。私どもにそれをもう少し知らせる方法を、書類その他を出して——今出ておる範囲が全部でありますか、まだあるのでありますか。この間のは、一冊の大きなつづりになつておりますが、それでほとんど完結でありますか。
○久下政府委員 私どもといたしましては、大体お手元に差上げました資料によりまして、法案審議の経過の概要等も御承知いただけると思います。またこの法律案の御審議をいただきますのに、大体のところはよろしいのじやないかと考えておつたのですが、具体的に御希望等がございますれば、御希望に応じまして、資料を差出すことにいたしたいと思います。ただいま御指摘の中に、両調査会に出された資料というようなことがございましたが、最初の臨時診療報酬調査会に出されました資料が、実は全部で数千ページに上つておるのでありまして、ただいまのところ余部もございませんので、今すぐさまこれを出せという御希望でございますと、相当の時間をいただきませんと、できないのでありますが、なお内容によりましては、極力そうしたものにつきましても、御希望に沿うようにいたしたいと思います。
○金子委員 それでは、この問題は正式にかかつておりませんで、予備審査の範囲でありますので、今私ども十分に勉強しておりませんのですが、ただいま出されました資料の範囲で十分研究いたしますし、また必要ならば、追つて資料を御要求申し上げたいと思います。きようの私の質問はこれで一応打切つておきます。
○松永委員長 次は丸山委員。
○丸山委員 先ほど金子委員からも御発言がございましたように、政府が調査会というものに対して、非常に重点を置かれることが奇怪だということは、私どもも非常に感じております。その意味で、私は前回申し上げたのでありますが、アメリカの薬剤師団の薬事勧告書を受けましてからの日数と、その間に政府がどれだけの研究を進められ、どれだけの決意をなさつたかということと、その日数と、それから臨時医薬制度調査会が報告書を出された本年の二月二十八日から、ただいまの政府提出の法案ができ上つたその期間を比較いたしますと、問題にならぬほど、あとが短かいのであります。この短かい間に臨時医薬制度調査会の答申——報告と申しますか、これによつて政府が簡単に御決意ができた、それほどこの調査会というものに対してはウエートを置く。そうするのには、薬剤師団の勧告書を受けてからこれだけの長い間に、この勧告書についてどれだけの研究と、どれだけの結果が出ておつたかということを承りたいという意味で私は実はこの薬事勧告書に関して、政府がどうお考えになつておるかということを承りたいと、先般から申し上げたわけなんです。総括的にひとつ申し上げますが、勧告書を綿密に研究せられたはずなんであります、そういう要求があつたのでありますから。綿密に研究をせられました結果、概括的に考えまして、医務局の方面においては、この勧告が全部妥当なものであつて、この通りわが国に適用してよろしいとお考えになつたでございましようか、あるいはこの中にはわが国に適用はできないと思われた部分もありましたでしようかということを、医務局並びに薬務局の両方から、ひとつお考えをここで承りたいと思います。
○慶松政府委員 まず大体この問題につきまして、主管局といたしまして私から最初に御答弁申し上げます。この勧告は昭和二十四年の九月十三日に、厚生当局に渡されたものでございます。しかしこれは英文で渡されましたので、四十五條の浩瀚なるものにわたり、かつ全文が非常に長い上に、一々の説明がついてございます。これを誤りなく翻訳することに相当時間をとりまして、約一月半ぐらいかかつておると思います。従いまして、厚生省におきまして実際の検討に入りましたのは、十一月ごろからだと私は記憶いたしております。この勧告のおもな点は、その勧告の前にサムス准将から、厚生省に対しまして、送達書が来ております。その中に書いてある通りでございまして、第一は、法的及び教育的手段により、医薬をすみやかに分離せしめることにより、医師は診断し処方し、薬剤師は、医薬品を確保、貯蔵し、医師の処方箋に基き調剤投薬する目的を達すること、すなわち今回問題になつておりますところの医薬分業ということを、アメリカの人々の客観的な立場から見まして、当然日本において行われなければならない、こういうことを申しておるのでございます。第二の点といたしましては、薬科大学の学科課程内においては、理論的及び実際的の薬学、特に調剤投薬あるいは生物科学あるいは薬局の経営あるいは薬業の倫理ということを、十分にひとつ現在より以上にやつてもらいたいということでございまして、まことにいずれももつともなことでございます。第三といたしましては、医薬品を調剤投薬する者は、すべて教育、免許及び設備に関し、同等の必要條件に適合すべきこと、すなわちこれは薬局あるいは病院の薬局においてもすべて同等の設備あるいは同等の免許を必要とするということでございます。 そのほかの点といたしましては、次に劇毒薬に対しては処方箋をもつて販売せしめるようにする。次は薬事法の中に、薬事審議会が主として薬剤師をもつて組織さるべきように規定すること。それから次は有資格薬剤師のみが、政府諸機関における薬事活動の取扱いに関する主要地位に任命せらるべきこと申すまでもないというようなこと、あるいは模範の製薬工場をつくれというようなこと等がございまして、すなわちかくのごとく多方面にわたつての勧告があるわけでございます。従いまして、これらの勧告につきまして、一々私どもの方といたしましては検討をいたした次第でございます。その中で今回問題になつておりますところの医薬分業に関しまする点は、第一條、十九條、二十一條、二十四條、二十七條、三十條等がございまして、これらの点に関しましては、厚生省内部において十分検討いたしたのでございますが、さらにこの点を実際に実行に移しますには、これらの点に実際に当りますところの医師、歯科医師あるいは薬剤師等の協力理解なくしては、この点の解決が困難であるということを私どもも痛感いたしまして、そうして各団体等に働きかけましたところが、各団体におきましても、いわゆる三志会なるものを組織いたしまして、この問題の解決に当ろうということになつたのでございます。そうこういたしておりますうちに、この問題に関しまして、サムス准将から三志会に対しまして勧告がございまして、もしも三志会において、専門の職を持つておる者の間においてこれを解決しない際には、他の力がこれを解決するようになるから、従つてこの問題は専門の人々、すなわち三志会の間において解決することが最も適当であるという勧告があつた次第でございます。従いまして、その三志会においていろいろな話合いがあつたのでございますが、遂にこの点が成功せずして、しからば厚生省において審議会なるものを組織して、この問題の解決に当つたがよかろうというサムス准将からの話があつた次第でございます。もちろん准将からの話がございましようがございませんでしようが、厚生省といたしましては、この問題は長年にわたる懸案でございまして、その解決には常々心を碎いておつた次第でございますが、幸いそれらの勧告がございましたがゆえに、この問題を急速に解決するという意味で、先ほど来お話のございました審議会両調査会が設けられた次第でございます。 なおそのほかの点につきましては、たとえば教育の点あるいは薬事審議会の点。教育の点につきましては、四條から十六條及び四十三條、四十四條でございますが、この点につきましては、文部省と十分連絡し、また教育審議会で勧告の線を生かしますように私どもも協力し、努力いたしている次第でございます。 なおそのほかの條項におきましては、審議会の構成及び国家試験の点がございます。——国家試験というのは、薬剤師の国家試験でございますが、これにつきましては、審議会における勧告の線に沿うように、薬剤師の点をふやし、また国家試験についても勧告の趣旨を生かしている次第でございます。 さらにそのほかの点につきましては、製造の問題、あるいは薬の価格の問題、あるいは監視の問題がございまして、製造の点につきましては、先般申し上げました通り、外国の技術導入に関しまして、いろいろな措置をとつておるのでございます。技術者を派遣いたし、また厚生省におきます技術者も派遣いたし、また民間からも派遣いたし、あるいは技術の提携をいたし、あるいは製造場におきましての規格薬品の機能を高めるというようなことをやつておりまして、現に非常に優秀な注射薬の製造工場等がわが国においてもできておる次第でございます。そのほか厚生省の改正につきましては、すでに昨日も申し上げました通り、第六改正薬局方を三月一日に発行した次第でございますが、また国民医薬品集につきましては、全面的に改正すべく目下検討中でございます。なお製造に関しまする監視、すなわち医薬品その他衛生資材の純度を確保いたしますために、監視員の増員を本年度の予算に盛つておる次第でございます。 以上の通り、この勧告書にございます各條項ごとに私どもの方といたしましては愼重に検討いたしまして、とるべき点は十分取上げておるつもりでございまして、その中の一つといたしまして、今日最も期待をいただいておりますところの医薬分業の問題があるという次第でございます。
○久下政府委員 アメリカ薬剤使節団の報告につきまして、医務局の意見をまとめてございますが、お尋ねの御趣旨は、この勧告書のうち、医薬分業に関する勧告の分についてのお話であろうと存じます。前回にも申し上げました通り、私どもといたしましては、この勧告を受けまして、今薬務局長から申し上げました通り、長年の懸案の問題でもございまするし、また原則的、基本的な方針といたしましては、すでに明治の初年から政府が方針を明示しておまりすようないきさつもありまするので、緊急に問題の可否を決定する必要があると感じまして、ただいま薬務局長から御説明申し上げたようないきさつも出ておるのであります。私どもといたしましても、医務局長は医療調査会の委員として会議に出席をしておりますし、私もその代理として、あるいは同時に出席いたしまして、機に応じまして、医務局としていろいろな意見等も申し出ておる次第でございます。従いまして、医務局といたしましては、この医薬分業の問題に関しましては、今申したようないきさつから、ただ単に答申が出ましてから、あわてて意見をまめたというようなことでなく、これを答申が出ますまでの間に医療調査会の委員として発言もし、またその発言をいたしますためにいろいろな基礎的な調査等もいたしたりしておりまして、及ばずながら努力はいたして参つたつもりであります。
○丸山委員 アメリカの使節団の薬事勧告書に関する薬務局長の御答弁で、医薬分業に関せざる部分については、着々御実行になつておることであると考えますが、私が先ほどお伺いをいたしましたのは、勧告書の中にあります分業に関する問題についてだけでなく——もちろん全般に対してわが国に適用して益ありと思われるものについては、もうすでに実行に移されたということを聞いて、はなはだ喜んでおる次第でありますが、分業に関する問題は、これを実行に移す——やはりこの分業に関する問題はたくさんありますから、それに部分についても、実行に移す面について、相当の御努力があつたのではないかと、かように考えます。しかし先般申し上げましたように、何ら分業の可否に対しては、厚生省としては成案を持つておらない、原則とし七は、この前も御答弁がありましたが、この前森本総務課長の御答弁では、厚生省では分業に対してはやつた方が可であるか不可であるかということについては、調査会の意見を聞いてからきめるということが、確かにあつたと思うのであります。そうしますと、調査会の答申というものが二月二十八日に出て、今度の法律の改正案の政府案の提出までは非常に日が短かい、しかるにそれの基礎となつておつたところの勧告書の分業に関する問題だけが、提示せられてから、それまでかまわずにおつたわけではないかもしれないが、政府が何らこれを実行に移そうというよろな熱意を示されなかつた期間というものが非常に長かつた。これは私は実は非常におかしいと考えております。おかしいという意味は、その間の調査がそれほどむずかしいものであるならば、臨時医薬制度調査会の報告が出た場合に、その報告の内容を御検討になるにも、よほど慎重な態度をもつて法律案の提出がせられなければならないと考えるのに、急速これを出されたということに対して疑問を持つておるために、申し上げたのであります。そういう意味で申し上げたということを、お含み願いたいと思います。先ほど薬務局長の御答弁で、非常に広汎なものであつて、翻訳にたいへん時間がかかつたと申されましたが、その翻訳はどこでなさいましたか。
○慶松政府委員 厚生省渉外課において翻訳いたしました。
○丸山委員 実はこの、私の手元に持つておりますものは、薬剤師協会からの御寄附によるところの印刷でありますが、厚生大臣官房齋田晃氏の名前で、九月十三日にサムス准将から渡されました文書に対てまして、齋田渉外課長は九月十五日——わずかにその後二日間に「全文の邦訳を添付する」と書いてある。齋田課長は二日間でこれを翻訳して、これを添付して提出せられておるのであります。それをさらに、別な機関であるかと考えておつたが、同じ渉外課において非常に時間がかかつたというお話でございますが、これはこの印刷の誤りでございましようかどうでございましようか、その点を明瞭にしていただきたいと思います。
○慶松政府委員 これはここにはこう書いてございますが、私どもの記憶いたしますところでは、翻訳は九月の十五日には、明らかにできておりません。従いまして、実際の訳ができましたのは、私の考えでは十月に入つてからだつたと記憶いたしております。
○丸山委員 そうするとその齋田海外課長から示されました文書の写しはございますでしようか。私の手元に参つております印刷物には、さように書いてございます。
○慶松政府委員 これはいずれ調査してお示しいたすことができると存じます。
○丸山委員 本日はただ概括的なことだけお伺いしておいて、詳しいことは次会に譲ります。
○松谷委員 時間の都合がございますので、質疑は次にまわさせていただきまして、資料のお願いだけいたしたいと思います。 委員長にお願いいたしますが、会期も大分迫つて参りましたので、本委員会で公聽会その他ということは、時間的にもむずかしかろうと思います。幸いに参議院の方で本問題について公聽会をなされたいということを承つておりますので、できますならば、本委員会でも参議院の公聽会の速記を資料にさせていただきたいと思いますが、委員長のお考えはいかがでございましようか。よろしければ、ひとつそれを御配付の手続をとつていただきたいと思います。
○松永委員長 速記録は参議院の分も衆議院に配付になつておりますが、時日が遅れますので、何とか便法を講じまして、入手できるような方法を相談いたしてみます。 委員会は明後二十一日午後一時より開会することとし、本日はこれをもつて散会いたします。 午後四時二十七分散会