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10回国会衆議院1951/03/29

厚生委員会 第20号

発言数
47
登壇者
8
会派数
4
開催日
1951/03/29

会議録

松永佛骨自由党

○松永委員長 これより会議を開きます。  まず金子委員より、看護婦制度に関する発言を求められておりますので、これを許します。金子委員。

金子與重郎国民民主党

○金子委員 前々の委員会におきまして、私は政務次官に、看護婦制度の法律改正の問題につきましてお願いをしておつて、しかも当時政務次官は了承されたのであります。その内容を申し上げますと、御承知の通り、九国会から引続いて、日本の看護婦、制度につきまして、かつて改正された法律が国情に適しないという関係か、国民の間にもいろいろの非難もあり、また現実に看護婦の要員の程度を見ましても、このまま推移するならば決して楽観を許さない状態だというために、衆参両議院ないし各党を超越いたしまして、長い期間にわたり数十度の小委員会その他において会合を持ちまして、一応の結論を見たのでありますが、その結論に対して、これは議員提出の形になるものではあるけれども、厚生省自体も、今の看護婦制度というものは万全なりとは考えておらない。そのために一つの委員制度も設けて研究中であるとするならば、一応国会としてこういうものができたのだから、これに対して十分に協力してほしいということが、その内容であつたのであります。その後厚生省におきましては、正式には別といたしまして、そういうふうな私らのお願いによつて次官が承知され、その後において、われわれのこの一応の成案に対してどういうふうな見解をとられておるか。またどういうふうな協力をしようとしておるか。また次官から係に対してそういうふうな話があつたかどうか、その点をまずお聞きしておきたいと思します。

東龍太郎厚生技官(医務局長)

○東政府委員 看護婦制度の問題につきまして、衆参両院の小委員会がこの問題を真剣に取上げられまして、長い間にわたつていろいろ御意見を闘わされました結果、一応両院各派全部の一致した意見としての改正案というものを私どもは拝見いたしまして、そしてそれがいかようにして成り立つたかということにつきましても、陰ながら十分承知いたしておりますので、この案に対しましては、厚生省といたしましても、最大限の敬意を表して扱わなければならぬということは、話し合つておつたのでございます。全体の方針につきましては、もとより厚生省事務当局がいろいろ研究いたしましたところ、また厚生省において持つておりました審議会の結論とも何ら相違いないのでありまして、すなわち、現在の制度をもつてしては看護婦の量を、十分に確保することが困難であるという見通しが立つておりますので、この点を何とかしなければならない。従つて、方針の点においては何ら意見の齟齬はないと存じておつたのであります。ただその方法の上におきまして、私どもがいろいろと研究いたしておりました結果とは二、三違つたような点があつたのでございます。この点につきましては、私どもも問題の性質上その重大さにかんがみまして、政務次官事務次官を中心として、医務局ほか関係局の者が集まりまして、いろいろとこの両院の案を中心に検討をいたしまして、その結果私どもとして一応多少の意見を持つておりました点は、これをおそらく政務次官から国会議員の方々の方へ、お伝えをいたしたのではないかと私は了承いたしております。しかしながら私といたしなしては、この両院の案を、われわれの持つております意見通りに積極的に何とかしてでも通そうというために、あらゆる手を打つというふうなことは絶対にいたしません。私どもは、意見としては私どもの考えておるところが、事務的に見て正しいのであろう、すなわち抽象的になりますが、看護婦の教育についての程度、いわゆる六・三・三という問題につきましては、とにかく看護婦の質をある程度まで上げるということが、元来この改正の元であり、その点については国会の御承認を得て法律ができたのでありますので、看護婦の程度を上げるということは、この程度にまでしたい。しかしながら教育の面においては、できる限り私どもの考えておる方が、将来のためによろしいのではないかという意味で、意見として申し述べておるのでございますが、その他の点、たとえば既得権者の問題等につきましては、考え方はいろいろとあると存じます。これにつきましては、輿論の声もありますし、われわれの方としても、具体的の問題については、十分に再考する必要があるというふうに考えたのでございます。従つてその小さな現われでありましたが、現在行われております看護婦の試験の受付締切期日についての御意見も拝聴いたしまして、事務的に可能な最大限までこれを延ばすというようなことも、私どもとして当然考慮すべきものと存じましたので、多少日取りの点に御不満はありましたけれども、私どもが事務的に責任を持つて扱い得ます最大限というところで、四月十日まで延ばすというようなこともいたしております。そういうふうな意味で、私どもこの両院で決定せられました案に対しては、私どもの意見をして押し通すというふうな態度はとらないつもりでおりますし、今までも私はとつていないのでございます。従つてこの案が、関係方面を通じまして、議員提出の案の通りになりますならば、事務当局といたしましては、その改正案に従つてこれを実施するということに、全力を注ぐつもりでおるのでございます。従つて政務次官等を通じまして申し上げましたのは、私どもの意見として、もしも御考慮願えるならばという意味で申し上げておるのでございます。またこの問題につきましては、私どもの直接関係方面であります方面へは、私自身は積極的ないわゆるプツシユ等のことはいたしておりません。と申しますのは、これがこの両院の案に対して私としてとるべき道であると存じておつたのでございます。

金子與重郎国民民主党

○金子委員 お伺いしますが、審議会という、私どもにはよくわからない制度があり、しかも看護婦制度のことに関して、私ども議員一同——これは私だけが見たのではなくして、これに関連した議員のひとしく見るところでありますが、非常に権威のあるように実質的に見られるのでありますが、一体あの審議会というのはどういう動機で、どういう法的な根拠で成り立つて、どういう権限を持つて、現在どの程度に重要視しているのか、そしてその発言というものはどういう結果をもたらすのか、その点についてお教え願いたいと思います。

東龍太郎厚生技官(医務局長)

○東政府委員 看護婦制度審議会を設けます動機となりましたりは、前国会でありましたか、前々国会でありましたか、看護婦制度を改正する意思があるかどうかということを、国会で御質問がありまして、私からお答えいたしたのでありますが、この問題につきましては、この法律の成立当時のいきさつもあり、いろいろと重要な問題もありますので、厚生省一存でどうこうということはいたしかねると存じますので、私といたしましては審議会様のものをもつて、いろいろと調査研究をしていただきまして、その結果に基いて私が責任を持つて改正のことをいたしますというふうにお答えをしておるのでございます。従つてその意味でできました審議会で、あくまでもこれは私自身の諮問機関と申しますか、その意見を聞きまして、私が医務局長としての考えを厚生大臣に申し上げて、そうして改正のことに進めばよい、私の諮問機関と考えておるのでございます。ただそのメンバーの構成は、看護婦の問題についての専門家、医師の方々がまじつておられまして、それに関係方面が非常な興味と関心を持つておられますので、関係方面からの出席も常にあつたようでありまして、そうして大分長い間、数箇月開いておりましたが、その委員会の委員長と申しますか、座長格を勤めますのは医務局次長が当つておりました。その結論を聞いて、私が自分の腹をきめればいいという意味の諮問機関でございます。従つてこれは法的の根拠は持つておらない審議会でございます。

金子與重郎国民民主党

○金子委員 看護婦制度改正に対する諮問機関として設けられたというお話でありますが、実際問題といたしまして、これを推進して行く上に、御承知のようにわれわれ敗戦国の人間が、一つの法律修正ですら、向う様のオーケーがもらえなければ、どうにも動きがとれぬということはわかり切つたことでありますが、その際にその審議会の審議の過程において、向う様の出席も求め、そうしてそこで常に議が練られるということになれば、それはあなた自身の諮問機関という形よりも、その会議の方向とかわつた意見が出たとするならば、よしその意見が国会全体の意見であろうとなかろうと、向うがオーケーを出すか出さないかの権限を持つておるのであります。その権限はどこから出て来るかというと、その係の感じから出て来るのであります。その係の感じはどこから出て来るか。それが日本の看護婦制度に対して権威あるエキスパートを集めた会議に出ておれば、向うさんの方は、ほかの意見に対して耳をかさなくなるだろうということは想像がつくのであります。その点をどうお考えになり袋すか。

東龍太郎厚生技官(医務局長)

○東政府委員 会議の実際の運営につきましては、今のような組織でありましたので、私自身その審議会に出席したことは一度もございません。従つてどういうふうになつておるか、自分の目では見ておりませんが、次長を通じて報告は常に聞いております。もちろん関係方面の人々は、この看護婦制度の問題については一方のエキスパートであります。従つて重要な意見を述べることはございます。しかしながらそれだけが会議の全部を支配してしまつておるというふうには私は了解いたしておらないのであります。

金子與重郎国民民主党

○金子委員 私は法理論や何かの点から申し上げるのではないのです。審議会というものは、政府が看護婦法改正に対して、いろいろ立案する際にあたりまして、医務局長の諮問機関として設けられた、従つてその構成もあなたの方でお考えになつた、その点までは了承できるのでありますが、その審議会が会議を進めて行く上において、どんな小さなことであつても、私どもが占領されておる国民である以上、向うの一係官といえども、その人たちのオーケーなしには、会議の決議をスムースに持つて行けないことは、よくわかつておるのであります。その係官なるものは、日本の看護婦制度に対するエキスパートの集まりなりと称するあなたの任命した審議会の会議に参画しておる、あるいはその委員と常に接触しておるということになりますれば、それが当然看護婦制度に対する主観になる。その主観を強く持つたときに、われわれ国会の審議権云々といつてみたところで、現実には向うの頭の振り方いかんによつて左右される現実において、その主観というものが働いておれば、ほかにたとい形式上どういう権限があるにしても、人間的にその方向は、われわれの要求がいられなくなる結果が来るという想像があなたはつかぬかということであります。

東龍太郎厚生技官(医務局長)

○東政府委員 お尋ねでありますが、その点についていろいろと申し上げれば議論にわたることになりますし、私といたしましては、そういうことで困難なる結果になることを予想しないではございませんでしたが、それが最後であるというふうには考えておりませんで、私といたしましては、あくまでもこれは諮問機関でありますし、私の正しいと考えておりますことと、その結論の一致したことにつきましては、私の強い意見として主張もし、申し上げますが、そうでないものにつきましては、私営身としては十分にその結果に対して、自分の考え通りにこれを動すだけの自信は持つておるつもりでございます。関係方面との折衝その他につきましては、これ以上のことは、この席で申し上げることを御容赦願いたいのであります。しかし絶対に申し上げることを拒むという意味ではございませんので、別の機会にもし申し上げる機会を得ましたならば、私もその方が幸いだと存ずるのでありますが、関係方面との折衝についてのことは、この辺で御了承願いたいと思います。

金子與重郎国民民主党

○金子委員 その点は、あなたが御説明できなければけつこうでありますが、ただ私は現段階におきまして、ほかにおきましても農林方面で三つほど議員提出の、いわゆる政府から頼まれた議員提出でない、まつたく議員の声による提出法律案の小委員会にも関係しておりますが、この看護婦法の問題ぐらい政府当局の非協力な、しかも結果において不愉快なものは初めてであります。私は今日まで厚生委員会に出て、いろいろ議論もいたしましたし、意見も述べておりますけれども、与党、野党の対立感覚や、あるいは役人、議員の対立感覚で、かつて一度も私は発言したことはないのであります。実にきのうの関係筋への交渉の話を聞いてみますと、私どもは語学が達者でありませんから、その言葉全部をとるわけに行きません。悲しいかな通訳を通してでなければわかりません。しかしながらわずかばかりの語学の範囲から見ましても、私どもの交渉中において、常にあなたの方の課長あるいは審議会というものを言葉に出して、そうしてこうだああだということであり、きのう行きましても、劈頭に自分の考えはちつともかわつておらない、文句があるなら聞くだけは聞いてやろう、こういうことを言明しておるし、しかもその折衝中においては、常に審議会はこうである、あるいは看護課長はこうだとかいう言葉が出て来るのであります。私どもは審議会や看護課長の問題のことで、結論が出たのではなくて、国会全体として出たのであります。しかしながらその小委員会を持つて来るまでに、決してあなた方政府と対立の立場で、私どもは相談は度も進めておらない。さしつかえない限りは常に看護課長にも、あるいは審議会の方々にもときには来ていただいて、審議を進めたつもりであります。しかしながら今日になつて参りますと、今後この法律はどうしてもこの形で、議員の立場で行つたのでは正当に解釈してもらえないということが、きのうの交渉で私はわかつたのであります。私は審議会の意見をはつきり知つております。そうしてあの審議会というものを、あなたは自分の意思によつて、あくまで諮問機関の範囲は越えさせないこということを、今明言したわけでありますが、そうするならば厚生省のこの係の人たちは、至急に私どものこの案に対して、一つの條項ごとにはつきりと意見をまとめてもらいたい。そうして違うならどこが違うということが言えるだけに、あなたの方の意見をまとめていただきたい。ここまで来てしまいますと、今の交渉を続けたのでは、私の見通しとしてはこれは不可能だと思います。占領されている国でさえなければ、こういうことはないのでありますけれども、これは今さら言つても仕方がありません。現段階においてやり得る方法をとるよりほかないのでありますが、それに対して今の審議会とあなたの方がこういう形において、言葉でいかに非協力でないと言つてみましたところで、私はこの問題だけを取上げて言つておるのではない。ほかの部門においてもこういうふうな政府と議員が相提携して、議員提出の法律をつくろうとしておる、今つくりつつある問題がたくさんある。その中でこのくらい不愉快な法律に接したことはないのです。またこのくらい骨を折つたこともないのであります。それが最後の段階に来て、私どもが関係筋に行くと、常に審議会やあなたの役所の問題が出て来る。そうしてその内容を見ましても、審議会の人たちが言うこと、それだけが向う様の意見なのであります。それはたまたま一致したと言うかもしらぬが、さつき言うように、あなたの諮問機関である審議会に、あちらさんも常に出て相談に乗つておるというならば、当然主観というものはそうなるに違いない。でありますから、そういうふうな考え方で審議会の重要性というものがあるならば、一体国会でものを審議すること自体がおかしい。理論上はおかしくないけれども、実質的におかしなことになつてしまう。これに対して非常な憤懣を感じたのであります。それならばこの法律に対するあなたの意見を聞きますが、今の審議会の形を認めるか認めないか、私が申し上げたような実体があるだろうということを認めるか否定するか、もし認めるならばどういうふうにわれわれと協力するか、われわれとしてもこれが最善というのではない、この点以上いい点があれば直すということは、委員諸君も虚心坦懐に皆言つておる。どういうふうにすればこの法律案が国民の要望にこたえられるようになるか。その前の一番大きな関所をどういうふうにして取除くかということに対して、あなたの見解をお尋ねいたします。

東龍太郎厚生技官(医務局長)

○東政府委員 先ほども申し上げます通り、この改正案に対する私の意見と申しますかは、すでにでき上つておるのでございまして、私はそれを積極的にどこへも推していないと申し上げましたが、今のように厚生省からはつきりした意見を示して、そうしてやれというお話であれば、それはその通りでいいのでありますが、私としましては、国会の意見を尊重するということのために、ただいままで積極的なことは何らいたしておりませんが、そのことがかえつていろいろと御不満であり、また不愉快な印象を与えたといたしますれば、それは私の不徳のいたすところであります。今おつしやいましたことに対して、私として考えていることを明らかにして、もしそれがそういうぐあいになつてもいいから、ひとつこの法律が全体として国民の要望にこたえられるような形で通過させるようにしろという御発言に対しましては、私自身はいろいろ考えがございますが、事柄が関係方面との折衝にわたりますので、この席ですぐそのやり方を全部認めろとおつしやられますと、私も非常に困る立場になりますので、後刻私からかような方法がということを申し上げたいと存じますが、それで御了承を願えないでございましようか。

葛西嘉資厚生事務次官

○葛西説明員 私からも一応申し上げておきますが、今医務局長からお答え申し上げたのでございますが、なお私もこの国会の御案についての御相談にもあづかりましたことがございますので、若干補足して申し上げさせていただきたいと思います。  国会の御案については、今医務局長が申し上げましたように、これは十分両院において御協議の上、ことに党派を超越しての御協議でおまとまりになつたと聞きますので、これは尊重すべきであるという点については、まつたくその通りに存じております。ただ事務的に内輪な話になりますが、政務次官がお聞きになりまして、そうしてどうだ、事務的にひとつ検討してみろというような、正直申し上げますと、御下命がありまして、関係者みな集まりまして、いろいろ相談をしたのでございます。そうしてなるべく国会の御案については、尊重すべきであるという立場から議論が進められました。しかし理論上はここはこういうふうにしたらどうだろうかとか、あるいはこうした方がいいというような若干の意見はあつたのであります。これを用意いたしまして、おそらく私は政務次官を通じまして国会の方には御了解願つておつたように存じておつたのであります。こういうことならばまあいいじやないかというような、私どもの事務的な意見を申し上げようというようなことで、しかしそれはあくまでもわれわれの事務的な意見であつて、国会の意見をどうこうするというのではない。国会の意見はやはり尊重するということであります。しかもGHQその他に対しては、医務局長も言われたように、GHQにはGHQの意見もありますけれども、私どもはこうだという意見は一応つくつたつもりでございます。もともとこの看護婦の問題につきましては、二つの大事な要素があると考えております。一つは看護婦の質をできるだけ上げる。しかしさればとて、その質を上げることは、看護婦の質と量と両方から行かなければならない、量を減らすということになつてはとんでもない。これは実情に合わぬということは、常に私どもがこの問題を解決します場合に考えておつた点であります。既得権の問題等は国会の方の御案でも、いろいろ御研究いただいておりますが、私どもも同感でございます。そんなふうないきさつでございます。今局長から申し上げましたように、今後どうしてこの問題を解決して行くかという点については、委員長の方でお許しくだされば、あとで懇談会にでもしていただげば、私どもの所見も若干申し上げさせていただき、御参考にしていただきたいというふうに考えております。

松永佛骨自由党

○松永委員長 ちよつと速記をとめて。     〔速記中止〕

松永佛骨自由党

○松永委員長 速記を始めてください。

松谷天光光無所属

○松谷委員 医務局長にお尋ねしたいのでございますが、先ほどから金子委員が御発言になつておられる御意見は、おそらく与党、野党を離れて、全委員の真剣にこの看護婦法を討議して参りました者たちの一様に感じておるところだと思います。今日までの私どもの努力は、金子委員が再三繰返しておられましたように、ここまで参りますまでには、私ども各委員も反省に反省を重ね、また当局の意見も十二分に聴取もいたしましたし、また審議会の方々にもわざわざ御足労もいただいて、私どもその意のあるところを、十分に伺つたわけであります。決して私ども衆議院の委員会が、当局なりあるいは審議会を無視して押し進めたのではないことは、医務局長も十分御承知のところだと思うのであります。私どもも今日持つております仮案というものに対して、何度か訂正に訂正を重ねて参りました。しかしそうした私どもの良心的に進め、また反省的に進めて参りましたこの案に対して、委員会代表がその筋との交渉の内容を、承つたときに、私どもは憤慨せざるを得なかつたのです。それは今金子委員がるる述べられましたように、厚生当局があまりにも不熱心であり、不熱心である以上に、逆にブレーキをかけられる点が多々見えて来るということは、私どもは予想もしなかつたところであります。もちろん私どもの意見と、当局の意見とが食い違う点があるかもしれません。先ほど葛西次官が言われたように、国会の意見は尊重する、しかし事務的な面で研究を要する点があるというならば、私どもも十分了承しなければなりませんし、私どもの案に事務的な点で齟齬があれば、それは直して行かなければならないと考えますが、先ほど医務局長の御発言を伺つておりますと、ただ単に国会の意見は尊重すると言葉の上では発言をしておられますけれども、その内容が、ただ単に国会の意見を根本として、そしてそれに対する事務的な面での考えの相違ということではなくして、もつと根本的なものの中に当局と委員会との間に、意見の相違があるというふうな口吻を漏らされているのでございます。そういたしますと、いま一つは医務局長は局長として、当局は当局としての意見を別に持つている。結局いわゆる二本建で、この交渉をその筋に進めておられる、あるいは少くとも二本建で行こう、場合によつては委員会が反省をされるようであるからというような発言さえもなされているところを見ますと、今医務局長は、むしろ国会の反省をこそ要求されて、そして厚生省の意見について来いと言わぬばかりの御発言のように、私は承れたのでございますが、これは私のひがみとばかりは私は考えないのでありますが、こういう占等も、葛西次官がおつしやたところと、医務局長の言われた発言との間には、内容の相違があるような受取り方を私はいたしたのでございます。その点をもう少しはつきりしていただいて、国会の意見を尊重すると局長が発言になられたその内容は、どういうところまでを指しておられるのか、どういうようなお考えで今後なお進めて行かれるのか、国会の意見に対して医務局はどういう考え方をもつて、今後処して行こうとなされるかをまず伺つておかなければ、今後の問題の進め方がきまらないのではないかと思うのでございます。

東龍太郎厚生技官(医務局長)

○東政府委員 葛西次官の答えましたところと、私の言うこととがさように根本的に違うような立場に立つているような印象を与えましたならば、それは私の言葉つきがまずいので、事務的に練達な葛西次官の申しましたのが、事務担当者として正しい言い方だろうと存じます。あるいは私が大学の先生でありまするために、言葉つきがいかにも人のおつしやることに対して、それを上まわるような表現を使つたといたしますれば、それはどうもはなはだ失礼を申し上げたと存じますが、私は国会の意見を尊重いたします。それに対して自分の意見を持つておると申しますのは、この国会の案でありますから、これが国会に提出されますまでには、関係方面に参ることはこれは当然でございます。そういたしました場合に、この案に対して、私自身に対して、関係方面の責任者から、この案に対して厚生当局、特に医務局長はいかなる考えを持つかと言われました場合には、私自身としては、これこれの点では私はこの方がよりいいのではないかと思うという意見を申し述べるつもりであつた、というように申し上げたつもりでございます。

松谷天光光無所属

○松谷委員 私その局長の御発言がどうも納得が行かないのです。話がちよつと前にもどりますが、局長はしきりと言葉づかいの相違であるとおつしやいますが、私はただ単に言葉の表現だけの問題ではないと思う。今局長のおつしやつておられたその趣旨から、もちろん諮問があるその場合に、この点はこうだが、私の考えはこうだということを言うつもりである、こういうお話でございますが、それがむしろ委員会と上厚生省との二本建になるのではないかと思います。私はそういう意見がもしもおありになるならば、少くとも先ほどの次官のお話で、政務次官から国会の意見が示されたときに、いろいろと審議がなされたと承つておりますが、これはその筋へ行つてそれを申し立てるのではなくして、むしろ国会でその案をその筋に出すまでに、われわれ委員に向つて、この趣旨はこうであるということを先に出していただいて、そうして少くとも国会の案に対しては、厚生省はその点を強く押すことのできる立場に立つて行かれるのが、事務当局の立場ではなかろうかと思います。そうでないと、やはり国内の意見が、事務当局の意見と国会の意見と二本建になつて来るのではないか、そこにやはり私どもの国会の意見に対して、ブレーキをかけられるつもりでおられない局長の発言というものが、結果においてはブレーキをかけたことにならざるを得ないことになつて来ると思うのでありますが、いかがでございますか。

堤ツルヨ日本社会党

○堤委員 ちよつとそれに関連して……。私は今松谷委員の御発言でございますが、私はもつと悪く——悪くと申しましてはなんでございますけれども、強く申し上げたいと思います。松谷さんは国内での議論が二つに——国会の意見と当局の意見との二本になるということをおつしやつておりますけれども、むしろ国会の今までやりました仮案というものを、いろいろ私たちが勘案するところによりますと、むしろ事務当局が関係当局の前に、国会の委員会の意見を煙幕を張つてじやましなさる、むしろ向う様に対して二本に見えたら幸いの方で、今日の状態ではむしろ事務当局一点張りで押して行こうというような空気がある。私は松谷さんよりもつと強い当局に対する不満を持つておるのですが、どうですか。二本建になつたらまだけつこうです、まだましの方ですよ。私はむしろ事務当局の方が、国会の委員会の空気を当局に対して煙幕を張つて、じやましなさるような空気さえもあるというふうに感じておるのです。ですから、私は松谷委員の発言よりも、さらに深い御反省を求めたいという意見を持つておるのですが、その点はどうですか。

東龍太郎厚生技官(医務局長)

○東政府委員 今私が向うさんから聞かれれば私の意見を述べる。それ以前に国会の方々に厚生当局の考えとしての意見も何も申し述べてないのは遺憾じやないかというお話でございますが、そうではないのでありまして、政務次官を通じまして、この仮案に対する、先ほど厚生次官の申しました事務的ないろいろな点について、御了承願うという話合いをいたしましたその中に、私自身がもし関係当局から聞かれましたならば、これの方がいいんじやないかと言おうと思つたものは、全部含まれております。それよりも数の少いものでありまして、厚生次官を通じて事務当局の考えとして話していただいたと思いますことの中には、それが全部含まれておるのでありまして、その一部分と申しますかに過ぎないのでありますので、その点はどうぞ誤解のないようにお願いいたしたいと思います。

金子與重郎国民民主党

○金子委員 厚生次官の方に私がお願いしましたときに、私たちの仮案がこうなつたから、これを相談してみたということに対して、ただいま医務局長の言われるような、この点に対してこういうふうに考えるということを、次官を通じて話していただくことになつた云々ということがありますけれども、委員会ではまだその話は何も聞いてはおりません。次官の方から、当局の意見はこうだということを聞いておらないのであります。  そこでもう一つお伺いしますが、この問題は向うさんに関する関係上、当局としてもいろいろざつくばらんに話しにくいことはよくわかるのでありますが、それならば別の角度からお伺いしますが、いやしくも今の段階におきまして、私どもがどう公正に考えましても、これはりくつ等なく、実態の動きとして、われわれ国会議員全体の力よりも、あなたの一諮問機関と称するあの機関の発言の方が、はるかに大きく反映しているということだけは事実であります。そうしますと、あなたはあの諮問機関である審議会というものは、今後どういうふうな立場で置き、いつやめて行くものか、またやめないで、今後どういうふうに活用して行くものかどうか、その点に対してあなたの御所見を伺います。

葛西嘉資厚生事務次官

○葛西説明員 ただいま東医務局長がお答えになつたのでありますが、やはり少し言葉がぐあいが悪いように思いますので、通訳のような意味で補足さしていただいたらよくおわかりになるかと思います。この国会の御案につきまして、私どもの事務的な意見というのは、事務的の意見の中に今更医務局長の言う意見も入つているわけであります。そしてその事務的にあつちとこつちと平仄が合わぬとかいうような点、こうすればここのところが抜けるだろうというような点の意見は紙に書いて、しかも国会の御案を上へ書き、下に意見を加えたものを書いて、政務次官に差上げたのであります。政務次官の方からその書面はおそらく国会の方々にお渡しを願い、もう御了解が得ているじやないかと私は思つておつたのであります。その案といいますのは、根本においては国会の方の案と変更がない、基本的な線におきましては国会の案を尊重して、国会の案をもとにして考える、しかし平仄が合わないというような点、あるいはいろいろ考えられるような点は、下の方に事務的意見として書いて、これで御研究いただけば国会案としては、よりよくなるのじやないだろうかというような意味で、二案に書きわけまして、三枚つづりくらいのものをつくつて、政務次官に差上げてありますので、これはおそらく私は国会の方へ出ておると思つたのですが、そういうことになつておりますので、別に私が申し上げることと、医務局長の申し上げることとはちつとも食い違いがないようなかつこうになつております。ことに私どもそういう立場から議論をしておりますし、口先だけでなく、ほんとうに国会の案のねらつております点は、私どもとまつたく同様な点をねらつておいでになりますので、そういう点について何らのあれはございません。従いまして、関係方面に対して厚生省がブレーキをかけるというふうなことは、これは絶対いたしておらぬつもりであります。なお諮問機関をあとどうするかというような点については、これはあくまでも諮問機関でありまして、参考意見を聞くだけのものでありますので、私どもとしては重要でないといつては、また語弊がありますが、専門家の意見を聞いて、そうして厚生省の事務当局として練り、考えまして、最後のところ、これが適当であるとするならば、その案をもつて厚生省の案とする、かような性質のものでありますから、今後それをどうするかという点については局長より申し上げます。

金子與重郎国民民主党

○金子委員 次官のお話は、審議会というものは、単なる自分たちの諮問機関だ、だから何も重大な使命は持つておらないのだ。こういうことは、それだけの重大なものを持つているとするならば、それは当然法的な根拠によるべきものであつて、当然であります。しかしながらそれはあなた方の話として、説明として言うのである。その実態がどう動いておるかということに対して、過去において審議会というものが、単なる審議会というよりも、むしろあちらさんの主観をつくる上にも相当一緒に相談に乗つて、そうしてわれわれの考え方と違つた考え方が出るような、主観が生まれるような会議のあり方も、こちらの責任かあちらの責任かは別にしても、かつてあつたということをお認めにならなければ、今のあり方をそのまま進めて行くとするならば、これに対して私は重大な問題として考え直さなくちやならぬと思うのです。その点はいかがですか。ほんとうに諮問機関としてだけしか動いて来なかつたかどうかということです。

葛西嘉資厚生事務次官

○葛西説明員 この諮問機関が重要でないというようなことを言うのは、語弊があるということは御承知の通りでありますが、しかしこれはやはり医務局長から説明を申し上げましたように、案をつくります場合に、専門の人たちの意見を聞いて、そうしてやることが適当であるというようなことで、医務局長のもとにかような委員会ができたものと了解いたしております。しかしこれはあくまで諮問機関でありますので、その意見を行政事務当局、あるいは政府を含めました厚生省全体として、これが適当でないということでありますならば、これは申すまでもないことでありますが、それと違つた結論を厚生省としてつくるということも、これは、あり得ることだと私は了解をいたしております。

金子與重郎国民民主党

○金子委員 それでは結論的にお伺いいたしますが、これは厚生省自体の単なるこの問題に対する諮問機関だ、従つて今までこの法律案がこういうふうになるまでの過程におきまして、その諮問機関として、より以上の政治的な力を持つたということをあなたは認めますか。それとも、それは全然ないといつて否定しますか。その点はどうです。

葛西嘉資厚生事務次官

○葛西説明員 たいへんむずかしい、お答えをしにくい御質問でありまして、何とお答えしていいやら、実は当惑をいたすのであります。関係方面等におきましては、専門家の意見というものは重要視いたしまして、そういうものの結論をなるべく聞くというような、これは国情の違いということもあるかもしれません、あるいは集まつておる人が、なかなか広く物を考えてくれるので、専門家で集まつてもらい結論が出るというので、できるだけそういう意見を聞くということが、関係方面なんかの考え方であつたように考えております。ところがわが国におきましは、なかなか専門家は広く物を見ない。私どもといたしましては、特にこの看護婦の問題につきましては、質を向上させるという点も必要でありますと同時に、質量両面から物を見て行きたい、そういう点について、多少片方だけよく見てしまつて、片方がないがしろになるのではないかというような感じを持つたりなんかして、もう少し何とか考えてもらわなくちやならぬのではないかというようなことで、内内御相談したりしておることも実はあるのです。原則としては諮問機関の性質で、議決して、国会のように決定するならば、それが最後のものだというようなものではないことを御承知願います。お答えが非常にしにくいのでピンと来たかどうか知りませんが……。

金子與重郎国民民主党

○金子委員 もつと簡単にお答えしていただいてけつこうなんです。要するにあなたの方の諮問機関というものが、この看護婦法の改正ということにつきまして立案されて、オーケーをもらつて、そうして立法化されるまでの過程において、その審議会というものが政治的な役立ちをしておることを認めておるか、認めておらぬか。あなたの説明通りの単なる役所の諮問機関としての限界の範囲で行動をとつて来たか。それとも、りくつは別として、この過程の裏表を通して別な政治的な一つの力としての役立ちがあつたかどうかという、その点を認めるか認めないかということなんです。

葛西嘉資厚生事務次官

○葛西説明員 たいへんむずかしい御質問でありまして、そう簡単に、ぴたつと、認めるとか認めないとかいうようなことで、お答えすることはお許しをいただきたいと思います。

金子與重郎国民民主党

○金子委員 これはまじめな問題ですから、愼重に処したいのです。これは単なる看護婦法だけの問題ではないのです。今後ともあなたの方で委員会をつくつて、その委員会というものの結論が、たまたま敗戦国の政治でありますから、一本建で行かない、二本建で行くから、私どもは従の形であります、そういう場合に、その委員会というものが、りくつは抜きにして、名分は抜きにして、実質的に政治的な工作が相当働くとするならば、私どもは政治家として根本的に考え直さなくちやならぬ重大問題なのでありますから……。

葛西嘉資厚生事務次官

○葛西説明員 法律に基く諮問機関はもちろんのこと、内部につくります諮問機関であります限りは、私どもといたしましては諮問機関の範囲を越えて、諮問機関できめたからぜひそれをやるというのではなしに、私どもとしましてはもつと別な立場から物を考えまして、そうして、処置をして行きたい、別個にやるという場合も諮問機関の性質を間違えないようにして参りたいと考えております。

金子與重郎国民民主党

○金子委員 どうも、もつとさつくりと答弁してもらえばいいので、決して私はねばるわけではないのです。これは国会の運行上今後重大な問題なんです。諮問機関だという名前をつけておいて、そうして名分的には何らの権限も何もない、単なる諮問機関だと言つているが、今のような政治の形においては、法的にいかに権限があるないといつてみたところで、人間のイエス、ノーはその人の主観であります。その主観を左右するような行動をとることを認めるならば、これは単なる諮問機関ということでなくて、あるいは法律的に厳然と立つておる正式の機関より以上の実権を持つことになる。そういう形になつておるのが、今の段階の日本の政治であります。でありますからして、私はこの点を強く申し上げるのであつて、もしそういうことがなおらないとするならば、私は今後これは名分的な諮問機関でございますというようなものをつくることに対して、一切反対であります。でありますから、私はこの問題は単にこの看護婦法の問題だけではなしに、ほかの委員会に対しても響く問題であります。そうして率直に申し上げますと、人間は神様ではありません。従つてイエス、ノーをきめるときには、大体自分の主観できめるのであります。自分の主観というものは自分のところへ多く入つた感情というものが、主観をなすということは当然であります。そういうふうなデリケートなことを考えたときに、私どもがこういうことを言うことは間違つておると思われるか、そういうこともあるいはあるかもしれぬというふうに思われるか、その程度でお答え願います。

葛西嘉資厚生事務次官

○葛西説明員 諮問機関であります以上は、私はやはり諮問をして意見を参考に出していただく、これをどうするかという判断は別になる、この原則は私はかわらないものと、かように考えます。ただしかし、それはりくつでありまして、できるだけ諮問をいたします人選なりあるいはその会の運用等について、十分注意をいたしまして、専門家の集まりの意見をなるべく尊重して参る、しかしそれはあくまでも諮問機関は議決機関とは違うということは、これは大事な点であることは、金子委員とまつたく御同感であります。かようにして行きたいと思つております。

金子與重郎国民民主党

○金子委員 私はそういうことを聞いておるのではないのです。そういうふうな説明は、今次官からお聞きしなくてもわかるのです。そんなことは、いまさらとうとい時間をつぶして何べんも説明していただかぬでも、わかるのです。そういう御説明のような諮問機関というものが、今敗戦国における現段階のこういうデリケートな政治下において、正式に持つた決議機関なり、あるいは権限を持つた機関より以上の政治を動かす。もつとこまかく言うならば、それをイエス、ノーを言う人たちの主観を動かす力を持つておる、そういうことがとられるということがあり得るということを、あなたは認めるか、そういうことは絶対にないというか、その点をイエスかノーか聞けばいいのです。

葛西嘉資厚生事務次官

○葛西説明員 諮問機関がかような結果に相なりますことをいたしますことは望ましいことではありませんので、私どもできるだけかようなことのないようにして参りたい。こう考えます。

金子與重郎国民民主党

○金子委員 もつとさつくり言つてくださればいいのです。そういうことがあり得るという可能性があるか、ないかということです。現にこの問題についてあつたというのではなくて、可能性があるかないか。可能性があるとすれば、この問題に対しては考えなくてはならぬ。全然そういう可能性がないということであれば、私どもの考え方が邪推であつたかもわからないわけです。

松谷天光光無所属

○松谷委員 これはどこまで行つても、勘のいい葛西次官が金子委員の質問をはき違えられることは絶対にないはずで、これは私どもの観測するところ、やはり次官のお立場上発言がしにくい、それで言葉をにごす、現実論を伺つているのに、いつも一般論、公式論で逃げておられる。いつまで行つてもこれは食い違うであろうと思います。私は金子委員よりなおこれは邪推になるかもしれませんが、一層強く先ほどのお言葉じやありませんが、人を悪くして、私はもうそれは諮問機関が、いわれるところの公式論に立つてできたということは、当然その通りだつたと思いますが、私どもがこの審議を重ねて参りました際、あるいはまた諮問機関の方々に御出席いただいて、いろいろ意見を伺つた際に、当局にも念を押し、一番心配しておりましたその諮問機関の域を脱したその結果が、今日すでにこの仮案をめぐつて、私は本審議会の上に出て来ているということを認めざるを得ないのでございます。これは葛西次官が、そういうことがあり得るか得ないかということに対しての意見の発言はなされなかつた。しかしなされないところに何かあるということを、私たちはまた考えなければならないと思います。なければないとはつきり言い切れるはずのものか、そのお答えができ得ないところに私は一つの大きな問題を考えなければなら、ないと思うのです。そうしてまたそれは葛西次官がお答えがないことから考えるのでなくして、現実今日まで参りましたその経過の中に、はつきりとそれが別われてしまつておるというところに、非常に私は残念であり、また実は大きな今後考えて行かなければならない問題が蔵されておると思うのでございます。そういう問題に対してかねがね厚生当局は、いつも私どもが質問をいたしますならば、どの委員の質問に対しましても、公式論をもつて、諮問機関である、厚生省の意見とは違うということを常に発言をしておられる。速記録にはそうございますけれども、しかし結論においてはそうでないというように、とにかく現実はなつておると、私は見なければならないと思います。そうした場合に、今後私どももなお一層反省をし、考慮を重ねて行かなければならないし、新しくこの審議会の存在に対する問題についても、私どもは別な問題として、また取上げて行かなければならないと思いますが、当局はなお一層その点についての御反省を、この際私はおもむろにしていただかなければならないと思います。  次に私は委院長にお伺いしたいのですが、先ほど私が局長に質問をいたしました際に、当局の意見と委員会の出した仮案との間に、事務的な意見の相違があり、それを政務次官まで提出して、委員会にそれを発表するようにというふうに、お渡しになつたという御意見でございましたが、金子委員も受取つておられず、私もその意見はまだ伺つておりませんが、委員長の手元までそれがすでに届いておりますかどうか、その点伺つておきたいと思います。

松永佛骨自由党

○松永委員長 ただいま松谷委員のお尋ねでありますが、私の手元には届いておりません。

松谷天光光無所属

○松谷委員 当局では届けたとおつしやるし、私ども委員会としては受取つておらない。ここににも事実の一つの相違が出て参つておるのが、はなはだ残念なことだと思います。重ねて、それでは局長にお尋ねいたしますが、先ほど局長の御発言の中で、当局が出されたところのその意見の相違の点、そういう点ほすでに仮案の中に含められておると思う、こういうふうに御発言があつたように私は聞いたのでございますが、そうであるならば、今後局長がその筋から諮問を受けられても、この仮案に対して意見の相違することはないのではないかと思うのでございます。なおそこに意見が相違するような点があるということになると、局長の先ほどのお話と、あるいはまた国会に対する意見の尊重をするという、そのお言葉の内容と、私はそこにまた相違ができて来るのではないかと思います。局長初め当局は、その当局の審議をされた意見が委員会に持ち込まれ、そうして仮案として出されたものは、当局の意見をも含めた仮案として出されたものという解釈をして、その筋との話を進めておいでになるのですか。あるいはまたそうではなくして、委員会の意見は委員会の意見、厚生当局の意見は厚生当局の意見という形において、それを御承知の上で当局との交渉を進められておられるか。その点を重ねて伺いたい。

東龍太郎厚生技官(医務局長)

○東政府委員 結論から申し上げますと、今の松谷委員の最後にお述べになりましたような形になつておるかと思います。と申しますのは、先ほど私が厚生省でいろいろと相談をいたしまして、厚生省の事務的な方面の意見として、厚生政務次官に渡しておりますと申しましたのは、国会案というものと、それから今の事務当局の意見というものとは、上下対照になつてせられたものであります。つまりその下の段にあります厚生省の事務当局の意見として書かれておりますものの中に、もしも関係方面から聞かれた場合には、私自身医務局長として、こう考えるというふうなことを申そうと思つたものは、全部入つておるという意味でございます。従つて厚生当局のいろいろと考えましたものが、全部もう一度国会の方の委員会の御審議を経て、そうして国会の案の中に全部盛られておるというのではないのでありまして、この国会案として私どもがいただきましたのは、国会の委員会において御決定になりましたこれが仮案としての最後のものでございます。それに対する事務当局の、これを拝見いたしましての考え方を、それと対照いたしまして、そうして刷つたものができているわけでございます。従つて当局に対しては、それではどういうふうに言つておるかと申しますと、国会の方からの案は、もちろんGSを通じて関係方面に行つております。そのものに対して厚生省として、これを拝見して考えましたこれに対する意見というものも言つております。その点が今きつと問題になつておることだと存じますが、私が今申し上げておりますのは、われわれの意見としては言つております。しかしながら私はあくまでも国会の案は尊重いたす考えでおりますので、一応事務当局としては、これこれの意見ということは申し述べますが、そのうちで、とにかくそうは考えるが、国会の案の方で何とかして行つてよろしかろうと思われるものは、全部国会の意見の通りにしていいと私は考えております。ただ不幸にして、もしその中に——これは厚生省全体の意見にはならないかと思いますが、医務局長としても、ぜひこれはこうあつた方が正しいのじやなかろうかと考えましたものは、しいてその通りにしてくれということは一切申しませんが、私はこれがいいと信ずるという程度のことは、もし聞かれたら申し述べるつもりでおります。しかしながらそれもいかぬ、そういうことをするのははなはだけしからぬということでありますれば、それは差控えても私は何とも思いません。しかしそれは私自身にとつては非常につらいことでありまして、自分が正しいと思うことすら言えないということになりますれば、はなはだ困ると思います。しかしその結果がどうありましようとも、私に納得にいたします。一応聞かれましたら、自分の意見として申し述べたいと思つておりますことが、この対象の中に一、二あるということを申し上げたのであります。

松永佛骨自由党

○松永委員長 これはたいへんに論議されておりますが、次官会議もあり、参議院からも東局長の出席を催促されておりますし、この問題に対しては私としても一つの考えを持つておりますので、一応速記をやめて懇談にしたいと思います。     〔「この問題は重要だから、速記にとつておいてもらいたい。」と呼び、その他発言する者あり〕

松永佛骨自由党

○松永委員長 それでは速記を始めて……。この際委員長としての私見を申し上げたいと思います。これは先ほどから金子委員、堤委員、松谷委員、その他の方々の御意見がありますが、私は委員長の立場から、この意見には全部同感であります。そうして本問題については、委員長としてもはなはだ不快の念を持つております。諮問機関であるところの審議会が、国会の審議権をリードしておるにあらざるやと疑われるような節があるのを、私自体も感受いたしております。この問題については、委員長としても相当重大なる決意を持つておるということをまず表明して、松谷委員の発言を許します。

松谷天光光無所属

○松谷委員 私は局長になお伺つておきたいのです。これは私はもう一歩下つて、この案とか、そういうものでなくして、現代の日本の政治のあり方というものを考えたときに、局長のような練達の士が、幾つもの法案で、その筋との交渉に何度も立たれておる方が、今のような、委員会の意見は委員会の意見で行け、厚生省の意見はこれである、しかももし聞かれたときには、その筋にその意見を述べる。いかにも日本人のものの考え方の中に——堤委員は相当悪く解釈なさつておりましたが、もしかりに善意に解釈いたしましても、日本の一つの問題に対する意見が、事務当局と国会と意見が二本にわかれている。こういうあり方で、その筋に持つて行つて交渉して、一体これでものがまとまるかどうかということに対しては、私はもう頭のいい東局長、しかもその筋との交渉を十分に重ねられておる局長であつたならば、結論がどうであるということは、もう十分御存じのことだと私は思うのでございます。そういう態度をあえて局長がとられるということころに、堤委員が御発言をなさらざるを得ないのではないかとさえ、考えられる点が出て来るのではないかと思うのでございます。私は日本人として、局長がその筋へ行つて自分の意見を申し立てられる前に、ほんとうに専門的な局長の意見を、この法案に入れたいという御熱意があるならば、委員会へ持つて来られて、委員会のわれわれに、事務的に考えればここはこうだ、技術者の面から見ればこれはこうだということを、私ども委員の前でなぜ披瀝くださらなかつたか。またこれからも委員の前にそれを披瀝して、局長とわれわれの意見を一本にまとめ、そしてその筋への強い交渉をしようという熱意をなぜ避けようとされるのか。私はこの点が日本人の立場から、はなはだ遺憾だと思います。こういう事務当局とわれわれ国会との二本建では、事がまとまらないということになる。私は一人の委員として、残念ながらそう見なければならない。少くとも私どもは当局と委員会との協力をもつて当らなければ、そうでなくとも相当困難と目せられている今回の問題の結論は、とうてい得られないと思うのであります。当局がその努力をなさることを惜しむならば、やはり私もまた堤委員の意見に行かざるを得ないと思うのでございます。  それとなお一点、先ほど葛西次官の御発言の中に、これはおそらくそうした意味ではなかつたと思いますが、受取つた私どもは、その筋は非常に技術者の意見を尊重される。それは当然技術者の意見を十二分に参考にはなさるでしようが、私どもが常識として今まで考え、今まで経験して参りましたところは、その筋は国会の意見というものを最高権威として、やはり一つの意見の中心になさるということを聞き、また経験もして参りましたが、この案ばかりについては、専門家の意見をまず中心になさるという一つの御認識、あるいは御感覚というものは、これはすでに先ほどから金子委員がおつしやつておられるのですが、諮問機関であるはずのこの審議会の価値、あるいは地位、その持つ政治的力、その範囲というものを、葛西次官自身が無言のうちに、私は語られておるのではないかと思う。あるいはその筋の交渉においても、そうした響きを相当やはり主観的に与えておられるのではないかという懸念さえも、また新たに私は持たざるを得なくなつて来たのでございます。そういう点について当局は十二分に御反省をしていただきたい。また御意見があるならば、とつくりと私ども当局の意見も伺い、委員会の意見も腹蔵なく歯にきぬ着せずに、お互いに話し合うべきだと思います。そうしてこの仮案をできるだけ一つの理想の形に、一刻も早く進めなければならない。一刻も早くこの仮案のできるのを待ち望んで、とにかく多くの現実の生活を背負つている人たちの生命の問題をそばに控えておりながら、私どもがただ事務的な問題、あるいは委員会の権限、こういうことで日を暮すということは、はなはだ残念だと思いますので、一刻も早くお互いにひとつ披瀝し合つて、そして反省を重ねながら進めて行きたい。ここに大いに当局に御反省を促したいと思うのでございます。

葛西嘉資厚生事務次官

○葛西説明員 ただいま松谷委員の仰せになりました、私が先ほど申しましたことが非常に言葉が足りなかつたために、違つた印象を与えたことは、まことに申訳ないので、おわび申し上げます。私が申し上げましたのは、主としてアメリカ等における委員会と、日本における委員会との比較をいたしまして、ごく一般論として一つの感じを申し上げたのでございますが、諮問機関たる委員会と国会の審議権というものを比較したのでないので、これは賢明なる松谷委員あるいはほかの委員諸公も、御了解をいただけることと思います。もしそういうふうな印象を与えたとすれば、これはとんでもない、まつたく私の心にもないことでありまするし、ただいまもさようにはちつとも考えておらぬ点を、謹んで訂正をさしていただきたいと思います。

高橋等自由党

○高橋(等)委員 医務局長にひとつお考え直しを願いたいと思うのであります。それは国会と事務当局との関係につきまして、お尋ねをいたしたいのであります。国会におきまして、ちようど本問題のごとく、小委員会をつくつて、そして仮の案を一応決定した。もし占領下でなければ、その案は委員会を通過しまして、法律となるべき性格のものであります。しかし占領下でありますから、一応の手続として、関係筋へ意見を聞くという手続をやるわけであります。ところが国会の委員会で仮決定とはいいながら、一応この問題のごとく、各派協同で意見の一致を見た案を、司令部へわれわれが送つた場合に、事務当局が司令部から意見を徴された場合に、これと反対の意見を述べられるということが、公務員の立場として、妥当であるかどうかということを、よくもう一度お考えくださいまして、ひとつ明確にその御見解をお述べくだされば、今後この問題の扱い方について、そこを基礎にして、お互いに力を合わせて、実現を期するというスタートが出ると思うのであります。そうしていただけば、大体ものがまとまるように思いますので、ちよつと……。

東龍太郎厚生技官(医務局長)

○東政府委員 私のお答えしておりますうちに、私が関係当局との折衝の中にあつて、国会の審議権を無視と申しますか、軽視するような行為があつたのではないかというふうな御懸念から、いろいろと反省をお求めいただきまして、もし私の行いましたことがその通りでありますならば、私は反省いたすにやぶさかでないのでありますが、私も長年関係当局とは折衝いたしております。あえて練達とは申しませんが、経験は持つておりますので、さような結果を招くようなことは、この問題に関して、私はいたしていないつもりであります。先ほどから申し上げておる通り、私自身関係当局の最高責任者とは、この問題についてはまだ一度も話合いはいたしておりません。と申しますのは、いずれさような機会があるであろうということを予想いたしまして、今まではいたしておりません。ただ今お話のこのような案がGSへ提出せられまして、そうしてそれが私どもの方の関係の方面にまわつて来て、そうしてこの案について厚生省に、何か考えがあるかと言われて参りましたときに、それを公務員としてそういう場合には、厚生省の意見として持つて行くべきであるか、行くべからざるかという点が、今高橋委員のお話でありますか、この点につきましては、意見としてこれも考える、こうも考えますということを申し述べる程度くらいのことは、これはやはり公務員としていたさなくてはならぬではないかと思うのであります。こうなくちやならぬとか、この案はこういう点が悪い、これはこうかえなければならぬというふうなところまで言えば、それは行き過ぎかと存じます。しかしながら公務員といたしまして、いろいろなことをふだんから研究もし、考えを持つております者が、それに対する意見を申し述べる程度くらいのことは、これは許されるのではないか。私は法律上のことその他のことは詳しく存じませんが、ただ自分の常識から、その程度のことはしてもよろしいのではないかと考えております。

青柳一郎自由党

○青柳委員 私ただいま参議院に行つて留守をいたしまして、その間の委員会の状況を知らぬのでありますが、先ほど来厚生政務次官が厚生省の態度をわれわれにお話になつた、こういうことが出ておるのであります。私は小委員会が全部済みまして、成案を得ました後におきまして、厚生政務次官からそういうお話を聞いたことはあります。ありますが、それはもうすでに国会の決議がきまつてしまつたあとで、何もそれは拘泥される必要もなし、われわれとしては国会のきめたものによつて、進むよりほかないにしかたがないので、その内容さえも忘れてしまつたくらいであります。私はただこれは内部的に、厚生省が何かGHQからお話のあつたときに、そういう意見を立てるのかくらいに、軽く考えておつたのであります。その点を御了承いただきたいと存じます。私といたしましては、皆様方にそれを御披露する必要はない、もうすでに済んでおりますから、そう思つた次第であります。御了承願います。

高橋等自由党

○高橋(等)委員 委員長にちよつとお願いがあるのです。この問題は非常に重要な要素を含んだ問題でありますが、ただいまの医務局長のお考え方とわれわれの考え方は、全然違うのであります。幾ら私が医務局長からいいお答えをいただこうと思つて、実は言葉やわらかにお話したのでありますが、遺憾ながら私と意見が違います。一応大臣の御出席を要求して、この種の問題については、根本的に委員会というものの意思のあり方と、事務当局の行き方ということについて、はつきりした結論を得たいと思います。大臣の出席を要求いたします。

松永佛骨自由党

○松永委員長 ただいま高橋委員から大臣の出席を要求されましたが、本問題はきわめて重大でございますし、委員長個人といたしましても、この問題は、国会が長い間練りに練つてできた成案が、全面的に否定をされるということは、少くとも講和を前に控えた今日の段階において、われわれは国会の審議権というこにも、疑義をはさまなければならない問題であります。場合によれば私は本問題を満天下に公表して、委員長を辞任する決意を持つております。従つて大臣の出席は当然求めますが、もうすでに一時過ぎでございますから、次会を明日の午前十一時に開会することにいたしまして、本日はこの程度で散会したいと思います。     午後一時七分散会

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