厚生委員会 第18号
- 発言数
- 26 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1951/03/27
会議録
○松永委員長 これより会議を開きます。 医師法、歯科医師法及び薬事法の一部を改正する法律案を議題とし、審査に入ります。まず黒川厚生大臣より趣旨の説明をお聞きしたいと存じます。
○黒川国務大臣 ただいま議題となりました医師法、歯科医師法及び薬事法の一部を改正する法律案について、その提案の理由を御説明いたします。 終戦後国民医療の問題につきましては、医療の向上のため多くの施策がとられ、まことに見るべきものがあつたのでありますが、明治以来懸案とされておりました医療制度につきましては、いまだその解決を見るに至つていないのであります。 一昨年アメリカ薬剤師協会使節団が来朝いたし、関係者に対し医薬制度の合理化について勧告がなされ、その後医、歯、薬三団体からなる三志会において進んで医師、歯科医師及び薬剤師のおのおのの専門分野において相互に協力すべく種々協議が行われたのでありますが、残念ながらその結論は得られなかつたのであります。 そこで政府は、医、歯、薬の三団体の代表者、医療を受ける側の代表者及び学識経験者からなる臨時診療報酬調査会及び臨時医薬制度調査会を設け、診療報酬及び医薬制度に関し諮問いたしましたところ、両調査会は昨年八月より約半歳の長きにわたり審議の結果、それぞれ答申されたのであります。 政府は右の答申に基き、医師、歯科医師及び薬剤師についてその専門分野を明確化し、それぞれの分野において医療の向上に寄与し、公共に奉仕するようにするとともに、一方国民のこれに対する理解、関係施設の整備の実情を考慮し、その実施については漸進的に行う方針のもとに、医師法・歯科医師法及び薬事法の一部を改正することといたした次第であります。 次にこの法律案の内容について御説明いたします。まず医師法及び歯科医師法につきましては、それぞれその第二十二条及び第二十一条を改め、医師、歯科医師は診療上患者が薬剤の交付を受ける必要があると認めたときは処方箋を発行しなければならないこととしたのであります。 次に薬事法につきましては、その第二十二条を改め、薬剤師による調剤の原則に対し、例外として医師、歯科医師は診療上特に必要があるとされる場合及び薬局の普及が十分でない地域で診察する場合、それぞれ省令の定めるところによつて自己の処方箋により、みずから調剤することを認めたのであります。なお、この省令の制定及び改正については、学識経験者からなる審議会の意見を聞いた上で行うことといたしたのであります。 さらに第二十二条の改正に伴い、薬局における調剤は正当な事由がなければ、これを拒み得ないこと及び薬剤師は、医師、歯科医師または獣医師の処方箋によつて調剤すべきことを明らかにしたのであります。 以上法律案の内容について御説明したのでありますが、さきに申し上げましたように、これが実施につきましては諸般の準備もありますので、薬事法第二十二条の改正規定は昭和三十三年から、その他の改正規定につきましては同二十八年から実施することといたした次第であります。以上この法律案を提出いたしました理由でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに可決されますようお願いいたします。
○松永委員長 この際高橋委員より発 言を求められておりますので、これを許します。高橋委員。
○高橋(等)委員 ただいま提案になりました法案は、いずれも国民医療の観点からいたしましても、非常に重要なるものでありまするし、また従来の沿革から見ましても、医薬関係者におきましてそれぞれ意見を異にいたしておつたような歴史もあるのでございます。本委員会に付託いたしましたのでありますが、委員長に一言お願いいたしたいのであります。これは愼重審議を要しますものと考えまするので、できる限り時間をいただいて委員会を開きまして、本法案の審議の完璧を期するようにお扱いを願いたい、このことを特にお願い申し上げておきます。
○松永委員長 ただいま高橋委員より委員長に対する御希望がございましたが、お説ごもつともでございまして、本法案は、法律案自体は簡単でございますが、その内容と施行の上には、非常に国民の医療生活、その他に重大なる影響を及ぼす点が多いと存じますので、幸いにして本院に予備付託になりましたから、今後できる限り多くの委員会を開催して、できるだけ広くから意見を取入れて、十分に慎重審議し、もつて国民医療生活の完璧を期したい、さように決意をいたしております。この際お答えを申し上げます。 —————————————
○松永委員長 次に本日の請願日程の審査に入ります。日程第一ないし第三、結核病床増設等に関する請願、文書表第五五一号、第一一五五号及び第一五〇六号、以上三件の請願を一括議題といたします。紹介議員がおられませんから、金子委員にかわつて御説明を願います。
○金子委員 本請願は新潟県三島郡寺泊町金山国立寺泊療養所内玉井敏の請願でありまして、本請願の要旨は、結核は長期療養を必要とし、とくに貧困なものは医療扶助なしには療養ができないが、最近国立療養所では、この種の患者を制限して行く傾向があるが、社会的にみても結核ぼく滅の趣旨に反するものである。また昨今、結核病床の回転をよくするために、軽患者に対して、早期退所勧告が行われているが、これは結核病床の増加という根本的対策をはからないで、いたずらに目前の処置でごまかそうとするにすぎない。その他、完全看護、完全給食の問題、未復員の療養問題、ストレプトマイシン適用の問題等、結核対策には種種の問題があるが、要するに日々に増加する結核を防止するために根本的な対策を立て、入所患者の早期退所という形でなく、結核病床の三十万床増床を早急に実施し、予防、治療、後保護の施設を施行する以外にないから、すみやかに整備されたいというのであります。 —————————————
○松永委員長 次に日程第四ないし第一三、結核病床増設に関する請願、文書表第五五二号、第六二一号、第八二八号、第八五四号、第一〇二〇号、第一〇二一号、第一一四八号、第一一四九号、第一二二八号及び第一五〇三号、以上十件の請願を一括して議題といたします。紹介議員にかわつて岡良一君にお願いします。
○岡(良)委員 本請願の請願者は、宇都宮市外中丸国立療養所梅花寮内瀧山邦夫君外百九十七名の出したものであります。 その要旨は、現在結核の病床はわずかに七万床前後であつて、現在のように、結核患者がどんどんふえておる実情に対しては、なかなか応じきれるものではないので、ぜひとも少くとも三十万床ぐらいは結核病床を国の責任においてふやしてもらいたいという趣旨であります。 —————————————
○松永委員長 次に日程第一四ないし第二一、結核患者に国民健康保険の全面適用に関する請願、文書表第五七三号、第六二六号、第六三〇号、第八七九号、第九〇六号、第一〇二七号、筑一一五七号及び第一二二四号、以上八件の請願を一括議題といたします。紹介議員にかわつて堀川委員に御説明をお願いいたします。
○堀川委員 請願者 宇都宮市外中丸国立療養所梅花寮内 瀧山邦夫外二百一名、本請願の要旨は、厚生年金法による障害手当金の支給額は、昭和二十二年九月にさかのぼつて旧法よりはるかに引き上げられたのであるが、昭和二十二年九月以前に発病して旧法によつて支給されている被保険者は新法に比し、わずかに十分の一に等しい額で、しかも年金の掛金は長年かけているという著しい矛盾を生じている。ついては、昭和二十二年九月以前に発病した被保険者に対しても新法を適用されたいというのであります。 —————————————
○松永委員長 次に日程第二二ないし第二四、結核患者の作業療法に関する請願、文書表第八五九号、第一〇一〇号及び第一四九五号、以上三件の請願を一括して議題といたします。紹介議員にかわつて岡委員より御説明を求めます。
○岡(良)委員 本請願の請願者は、東京都北多摩郡清瀬村日本患者同盟の代表である近藤正雄君であります。 本請願の要旨は、作業療法は、病状の安定した患者に歩行、農耕等の仕事を病状に応じて行わせることにより、相当程度の負担に堪えられる体力並びに能力を修得することを目的とする治療過程であり、退所して社会に復帰した場合の病気再発を防止する上に多大の効果があるが、作業療法にあてる予算が少ないため、設備は、はなはだ貧弱であり、十分な治療が施せない実状にある。ついては、作業療法設備の拡充強化を要望するというのが、この請願の趣旨であります。どうか愼重御審議の上、御採択のほどをお願いいたします。 —————————————
○松永委員長 次に日程第二五、結核患者に対する生活保護法の適用範囲拡大に関する請願、文書表第八七四号を議題といたします。紹介議員福田昌子君のかわりに岡委員より御説明を願います。
○岡(良)委員 本請願の請願者は、東京都北多摩郡清瀬村日本患者同盟の代表近藤正雄であります。 本請願の要旨は、現生活保護法は原則として疾病に対する直接の扱いでないかも知れないが、医療扶助における結核の取扱いは大きな比率を示しており、無視できぬ任務を負わされている。ついては、完全な社会保障に基づく結核対策が確立するまで、生活保護法の結核患者の取扱いに関して、少なくとも次の点を特例として扱われたいというのである。(一)結核患者が入院した場合、その世帯に対する査定基準に、家族の予防及び栄養費、月三回の見舞費、交通費、手術費等の加算を認めること。(二)自宅療養の場合、家の広さ等を最低基準のわくに拘束せず、隔離できる広さを認めるとともに、患者の栄養量は入院患者の給食と同様一日七点とし、伝染予防費、家族の栄養費を加算すること等。というのであります。慎重御審議の上、採択のほどお願いいたします。 —————————————
○松永委員長 次に日程第二六、結核軽患者にコロニー建設に関する請願、文書表第九八二号を議題といたします。紹介議員が見えませんので、要旨の説明を、かわつて岡委員よりお聞きしたいと存じす。
○岡(良)委員 本請願の請願者は、京都市右京区音戸山国立宇多野療養所の患者自治会長である鵜川新次君外六名であります。 本請願の要旨は、京都における昭和二十四年度の結核死亡者は三千十百七十四人、推定患者は十倍の約四万人となつており、家族とともに、貧窮と戦つているが、その損害は年間約二十四億円に達している。ついては、京都に結核患者のための定住集落(コロニー)を建設し、退所者の再発を防止されたいというのであります。 愼重御審議の上御採択のほどをお願い申し上げます。 —————————————
○松永委員長 次に日程第二七ないし第三二、アフター・ケア施設確立に関する請願。文書表第八七二号、第九〇四号、第一〇二六号、第二五四号、第二二五号、第一四九七号、以上六件の請願を一括して議題といたします。紹介議員が見えませんから、亘委員より要旨の説明をお聞きしたいと存じます。
○亘委員 本請願の請願者は、東京都北多摩郡清瀬村日本患者同盟代表近藤正雄外二千二百十五名であります。 その要旨はわが国のアフタ・ケア施設は、国営がわずかに二、三を数えるのみで、結核患者推定百五十万ないし二百万に対してわずかに九万余の病床にすぎず、入院を待ちこがれる患者のために、軽患者を退所させようとしているが、そのほとんどが帰るべき家もなく、生活できる職業もないありさまで、この悩みを解決させるためには、アフタ・ケア施設があるのみである。ついては、国家の強力な援助のもとに、次の三点を実施されたというのである。(一)各県に一施設以上のアフタ・ケアを国費で設立すること、(二)既設、未設、公私のいかんを問わず、アフタ・ケア施設に十分な保障をすること(三)職場におけるアフタ・ケアを施行するよう徹底させること。 以上であります。何とぞ御審議の上御採択あらんことを願います。 —————————————
○松永委員長 日程第三三、札幌市にアフター・ケア施設確立の請願、文書表第一〇六二号を議題といたします。紹介議員柄澤登志子君、苅田アサノ君が見えませんから、かわつて要旨を朗読いたします。 札幌市にアフター・ケア施設確立の請願、請願者札幌市議会議長福島利雄君。 本請願の要旨は、北海道は、わが国再建の最も重要な基盤でありながら、結核死亡率は最高位を示している。ついては、北海道を結核禍より護り、あわせて療養所を軽快して退所する結核患者の再起をはかるため、職業補導と健康管理を内容とする後保護施設を札幌市に設置されたいというのであります。 —————————————
○松永委員長 日程第三四、結核患者の生活援護に関する請願、文書表第一三四〇号を議題といたします。紹介議員山口武秀君が見えませんから、かわつて要旨を朗読いたします。 結核患者の生活援護に関する請願、請願者は茨城県鹿島郡軽野村白十字農園療友会代表石川進君でありまして、本請願の要旨は、結核患者に対する生活援護のため、次の事項を実現されたいというのである。(一)結核患者をかく首退職させないこと。(二)健康保険給付期間を三箇年に延長すること。(三)アフター・ケア施設を確立すること。 —————————————
○松永委員長 次に日程第三五ないし第四四、国費によるストレプトマイシン、パス、テイビオン等支給の請願、文書表第五七七号、第六二三号、第八六一号、第九〇二号、第九〇三号、第一〇一六号、第一〇一七号、第一一四一号、第一一五六号及び第一五〇二号、以上十件の請願を一括して議題といたします。紹介議員が見えませんので、丸山君に要旨を説明願いたいと存じます。
○丸山委員 本請願の請願者は宇都宮市外中丸国立療養所梅花寮内瀧山邦夫外二百一名から出たものでございまして、その要旨は、現在、結核治療に対しては、外科手術とともに、高価薬品が使用されているが、その使途はきわめてわずかで、ストレプトマイシンが療養所に配給になつても、立替金のない患者は使用できず、せつかく適応症であつても金のないために使用できない。ストレプトマイシンは、輸入品を民間会社が買いつけるためか、保険証を使用できるものでも自費負担しなければならず、パスは、健康保険で認めていても、生活保護法ではその使用は認められない。ついては、患者一日の医薬品を増額し、ストレプトマイシン、パス、テイビオン等は全額国庫負担で配給し、パスを生活保護法にも適用されたいというのであります。 —————————————
○松永委員長 本日議題といたしました結核予防治療及び後保護等の各請願についての政府の意見をお聞きしたいと存じます。
○小川説明員 ただいまいろいろご説明になりました結核関係の請願について一言申し上げたいと思います。 大体要旨につきましては、私どももつとに了承しておるところでございます。しかしながら現在の国家財政事情としては、ただちに実施できない向きもございますし、あるいはまた予防法等の制定と相まちまして、全部ではございませんが、一部実施でき得る向きもあるかと存じます。各請願については、私どもの方の局の所管のみならず、他局にもわたる点も多々ありますので、十分連絡いたしまして、できるだけ実現に努力いたしたいと考えております。
○松永委員長 御質疑はありませんか。——別に御質疑もないようでございますから、本日議題といたしました各請願の採択等は、後日慎重審査をすることといたしまして、本日はこれにて散会いたします。次会は明二十八日午後一時より開会することといたします。 午後零時二十八分散会