厚生委員会 第7号
- 発言数
- 38 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1951/03/10
会議録
○松永委員長 これより会議を開きます。 まず看護婦制度に関する件を議題とし、本件について看護婦制度に関する小委員長青柳一郎君より、小委員会の報告に関する発言を求められておりますので、これを許します。青柳委員。
○青柳委員 看護婦制度小委員会は、去る第九国会に引続きまして、本第十回国会におきましても、今までに小委員会を開くこと七回、また参議院の同じ小委員会と合同打合会をやること五回、遂に結論を得るに至りましたので、結論につきまして御報告を申し上げます。 まず第一点は、現行の甲種看護婦並びに乙種看護婦の別をなくなしまして、これを看護婦と准看護婦の二種類にしようとするものでございます。そして今回改正しようとする看護婦になるためには、六・三・三、すなわち高等学校を卒業いたしまして、その後二箇年—現行法によりますと三箇年でありますが、二箇年の養成を経まして、その後において国家試験を受けて、これに合格した者を厚生大臣の名によつて看護婦とせんとするものでございます、さらに准看護婦につきましては六・三、すなわち義務教育を受けましてから二箇年の教養を経まして、さらに府県知事の行う試験によりまして、府県知事の免状を与えて、准看護婦としようとするものでございます。この准看護婦は、現行の乙種看護婦とその養成期間におきまして同じであるのでございますが、乙種看護婦と異なりまして、准看護婦には業務制限がなく、すべての業務を行うことができることにいたしたいと思います。但しこの准看護婦は、医師、歯科医師または看護婦の指示を受けて業務に従事するということにいたしたいと存じておるのでございます。 ところで、さらに准看護婦から看護婦になる道はどうするか。やはりこの道をつけたいと存ずるのでございまして、准看護婦は、三年以上業務に従事した場合、または高等学校を卒業した者につきましては、省令の定むるところによりまして選考の上、最後の二年制度の養成機関の第二学年に編入させようとするものでございます。准看護婦につきまして、そういう看護婦になる道をつくろうとするものでございます。 さらに、従前の既得権者につきましてはどういうことを考えておるかと言いますと、従前の看護婦は無条件でもつて国家試験を受けて、それに合格いたしました際には、厚生大臣の免許を受けて看護婦となる道が一つと、もう一つの道は、各種の学校におきまして学習した年限と、その後におきまして実習に当つた年限とを足しまして十三年以上になつた者につきましては、厚生大臣の定むるところによりましてこれに講習を受けさせ、その講習を受けた者につきましては、厚生大臣の免許によりまして看護婦としての仕事ができることになるのであります。 さらに現行の乙種看護婦をどうするかという問題でございますが、現行の乙種看護婦につきましては、これまた従来の看護婦と同じように、いつでも厚生大臣の行う国家試験を通りますれば看護婦になる道が一つと、さらに従来看護婦を同じように、合せて十三年の学校または業務に従事した者につきましては、旧看護婦と同じように認定講習を行いまして、これに看護婦の免状を与えるのであります。 さらにお手元にある要綱によりますと、この八の参考のところにあります准看護婦の養成所につきましては、従前と異なりまして、この設置条件をゆるめようとするものでございます。八の参考のCの1、2、3につきまして御承知おきを願いたいと存じます。 看護婦になるにつきましてはすでに御報告いたしましたが、さらにその上に助産婦あるいは保健婦になるためには、看護婦として免許を受けた後に、これは現行通りでありますが、一年間の養成を受けて、保健婦、助産婦の国家試験を受けて、大臣の免許を受ける。そういうことに現行の通りに考えておる次第でございます。 大体以上御報告した通りでございますが、あるいは御不審の点でもございますれば、また御質問にお答えすることにいたします。
○松永委員長 本件についての御発言はありませんか。
○苅田委員 看護婦制度小委員会の経過をおまとめになりました青柳小委員長に一応質問したいと思いますが、せんだつての小委員会のときに、准看護婦の名称の件につきまして、別に名称にこだわるわけでありませんけれども、これが相当年月の間全国の大勢の従事する人たちの呼びならわしになるわけで、この名称については補助看護婦という声もあるわけで、この点は一応実際こういう名称を受ける人たちの要望も考えて最後的にはきめたらどうかということに対しまして、大体それでもよいというようなその場の空気だつたようにも考えるのでありますが、その点はいかがでございましようか。
○青柳委員 その点苅田委員のおつしやる通りの実情でございました。ただこの要綱を御承認を得ますれば、今後これをできるだけ早目に法律案にいたしまして、関係方面のオーケーをもらわなければならないわけであります。ところが法律案にいたしますのに、まだ名前がきまつておりません関係から、一々法律案に准看護婦、括弧してまたは補助看護婦、あるいはその逆に補助看護婦、括弧してまたは准看護婦ということにいたしますと、非常に煩項なものでございますから、一応この名前でもつて法律案のオーケーを得ることにいたしました。その後におきまして、機会を見て名称につきましても御審議いただいて、修正すべきものは修正しよう、こういうふうに存じておる次第でございます。これはただ単に手続上の問題で一応こうしたのであります。その点御了承のほどを願います。
○苅田委員 それから今度の看護婦制度に関する衆議院でまとまりました結論、これは参議院で同調され、一致したわけなのでありますけれども、これについてはただいま小委員長の御報告の通りでございますが、たとえば准看護婦から正規の看護婦に上るその経路にいたしましても、これは私どもの委員会では、最初は中学校からただちに看護婦にするという道の方が、日本の現状からいえば適当であるというような、現状はそれしかないのだというような議論がありました結果、しかしいろいろな外部との折衝もありますので、私どもはそういうものも含めまして、なるべく大勢の人たちが准看護婦から正規の看護婦になれるということを含んで、たとえば試験等におきましても苛酷にならないような、中学校からでも多少苦労すれば大勢の人たちが看護婦になれるというような含みもあつて、こうしたものを法律にしたのだということと、それから既得権者に対しましては、一応厚生大臣がきめましたところの講習を受け、認定を受けさせることになつておるのでありますけれども、この精神は決して資格をやかましく言つて、限定して再録するというのではなくて、大勢の人がそういう講習を必ず受けられるような措置をやつて、なるべく多数の人を既得権者として尊重するような趣旨が、この中に含まれておるのだということも、やはり厚生委員会の皆さん方に十分徹底して、お諮り願いたいと思いますので、その点を蛇足かもしれませんけれども、私からも申し添えたいと思います。
○青柳委員 ただいま苅田委員の御指摘になりました点は、小委員会におきましても非常に強力に主張されたものでございます。その点につきましては、私といたしましても十分考えのうちに入れております。将来の運営の問題につきましても、いよいよこの法律がオーケーを得て、正式にこの委員会で法律案となりました際に、その点は十分に速記録の上に強調される方法がある。こう存じております。なお各種の講習あるいは養成につきまして、現在の予算をもつてしてはなかなかわれわれの考えておる目的を達することができないのであります。この点につきましては、これから法律案の審議の際に大蔵省当局も呼びまして、大蔵省当局の所存のほどを明らかにしたい、こう存じております。
○松谷委員 青柳小委員長に一言お尋ねしておきたいのですが、これはおそらく小委員会で十分論議されたことと思いますけれども、最後の日に欠席いたしましたのでたいへん恐縮でございますが、一応念のために伺つておきたいと思います。 認定講習の件でございますが、厚生当局はどのような考え方を持つておられますか、厚生省の考える認定講習に対する考え方について、小委員会で十二分に御検討くださいましたでしようか。そしてまた私どもがかねてから小委員会で論議いたしておりましたように、既得権者の過去における講習でございます。それを認定講習とみなすかどうか、あるいはどういうものを認定講習とみなされて、最後のこの結論に到達したかを、簡単でけつこうですから伺いたいと思います。
○青柳委員 認定講習の時間数につきましては、大体小委員会の空気といたしましては、二百時間ないし三百時間程度のことを考えておられるのが一般の空気であると私は察知いたしております。この点につきましては、なお各種の技術的な問題もありましようから、正確な結論は得ておりません。その点をお断りしておきます。それともう一つは、過去において看護婦にやつた講習の大部分は、この認定講習の中に取入れようという気持でございます。以上お答えを申し上げます。 なおこの問題は、苅田委員も先ほどお触れになりましたが、一昨八日の日に行いました参議院との合同打合会におきまして、参議院とすべて意見が合つたのでございます。衆参両院ほんとうに意見が合いまして、強い力を持つてこの実現に努力したいというのが、小委員会全部の方々の御意向であつた点を御報告いたしておきます。
○松永委員長 他に御発言はありませんか。 —————————————
○松永委員長 それでは次に結核予防に関する件を議題とし、本件に関連して今会期中に提案される予定であります結核予防法案について、厚生当局より説明を聴取いたしたいと存じます。山口公衆衛生局長。
○山口(正)政府委員 本国会で御審議をいただきたいと存じております結核予防法案は、去る三月二日に閣議決定を見まして、ただいま総司令部のガヴアメント・セクシヨンの方に行つておりますが、近く本国会において御審議をお願いするようになると存じますので、本日はお手元に差上げました法案の要綱について御説明申し上げたいと存じます。 わが国の結核の蔓延状況は、御承知のことと存じますが、死亡者数から考えてみますれば、昭和十七、八年ごろの戦争中の状況に比べますと、最近二、三年の間に非常に減少して参つております。たとえば昭和十八年には一年間の死亡者が十七万一千人余りございましたが、昭和二十三年には十四万五千人、昭和二十四年には十三万八千人というふうに減少して来ておるのでございます。しかしながらこれを諸外国の状態に比べてみますと、人口一万に対する死亡率を例にとつて比較いたしますと、先ほど申し上げました最近の一番少い数字であります昭和二十四年度におきましても、人口一万に対してわが国は一六・九という数字を示しております。デンマークでは〇・八、アメリカでは三・〇、英国では五・四というふうな数字でございまして、最近減少して参つたとは申しますものの、諸外国に比べますと、なお相当高い数字を示しているのでございます。結核患者の数は、一年間の死亡者の大体十倍というふうに推定されております。なお潜在性の患者などを加えますと、わが国では大体百五十万ないし二百万の結核患者があるというふうに推定されるのでございます。このように蔓延しておる結核の予防をはかりますためには、御承知のように、大正八年に現在の結核予防法が制定されまして、爾来三十年余り、この法律によつてその対策が講ぜられて来ているのでございますが、何分にも現在の結核予防法は、三十年以前に制定されたものでございまして、当時の疫学から考えまして、他の急性伝染病と同じように、もつぱら患者から排泄される病毒が、直接あるいは物品などによりまして間接に他に伝染するのを防止することに重点を置かれておりまして、最近の医学の進歩によつて認められて来ておりますBCGの接種による発病の防止、あるいはツベルクリン反応検査、あるいはX線の検査等による早期発見、あるいは外科的治療、人工的治療その他の科学的製剤などによります早期治療というようなことが、あまり考慮に入れられていないのでございます。従いまして、今回はこの近代科学を取入れ、かつ社会保障制度の勧告の線に沿いまして、社会保障制度の一環といたしまして、新しい観点から結核対策を樹立してやつて行くというために、法の改正をお願いしたいと思う次第でございます。 以下お手元に差上げてございます要綱につきまして、逐次御説明申し上げて行きたいと存ずるのであります。 まず第一は、健康診断及び予防接種の徹底でございます。これは先ほど申し上げましたツベルクリン反応、あるいはX線検査などによる健康診断、あるいはBCGを用いての予防接種というようなことなのでございますが、比較的結核にかかりやすい状態にある一定の範囲の国民に対しまして、まず定期的に健康診断並びに予防接種をやつて行こうというのでございます。それにはその要綱の第一に書いてございますように、集団生活者、すなわち一定の事業場あるいは学校、あるいは一定の収容施設などにおります者を対象といたしまして、定期的に健康診断並びに予防接種を実施して行く。その実施の義務者は、使用者あるいは学校の長あるいは施設の長というふうにしているのでございます。ただ現在も労働基準法、あるいは学校教育法その他の法令によりまして、この定期的の健康診断が実施されていますので、それらの健康診断と重複を避けますために、すでに労働基準法あるいは学校教育法その他の法令によりまして健康診断を行いましたときには、この結核予防法による健康診断を実施したものとみなすというふうなことを規定いたしたいと存ずるのでございます。 次は定期的健康診断並びに予防接種の対象の第二でございますが、結核の蔓延している地区、主として都会でございますが、そういうところを厚生大臣が指定いたしまして、その地域に居住している十五才以上三十才未満の者につきまして、定期の健康診断及び予防接種を実施したいというのでございます。社会保障制度の勧告では、六才ないし三十才というふうになつておりますが、六才ないし十四才は、学校の生徒として対象になつておりますので第一の方に入りますから、ここでは十五才以上三十才というふうにしたいと思うのでございます。この健康診断並びに予防接種の実施の義務者は、市町村長にしたいというのでございます。 以上が健康診断と予防接種両方についてでございますが、なお予防接種のみは、ただいま申し上げました第一、第二の健康診断の対象者以外、たとえば農村地区などでも三十才未満の者には全部ツベルクリンの検査をいたしまして、その陰性者または疑陽性者に対しては全部予防接種を行うようにしたい、その実施の義務者は市町村長にしたいというのでございます。それが要綱の第三でございます。 ただいま申し上げましたのは、定期的に行います健康診断並びに予防接種でございますが、なおこのほかに要綱の第四にございますように、結核感染の危険の多い者、たとえば結核に感染しやすい職業に従事している者、あるいは結核患者の家族あるいは同居者に対しまして、定期外随時に都道府県知事、あるいは保健所を設置しております市の市長が、健康診断及び予防接種を実施するようにしたいというのでございます。この定期外の健康診断並びに予防接種の義務者は、知事あるいは保健所を設置している市の市長にしたいと思うのでございます。 要綱の第五は、ただいままで申し上げました健康診断並びに予防接種は一定の期日を指定されるのでございますが、その期日前三箇月以内に、たとえばほかの開業医師について健康診断あるいは予防接種を受けたというときには、この期日内に行われたものと同じように取扱うというふうにしたいのでございます。 第六は、健康診断並びに予防接種に関する記録の作成、あるいは都道府県知事に対する報告の規定をいたしたいと存ずるのでございます。なお結核に対する予防接種は、現在予防接種法に規定されているのでございますが、結核対策の万全を期しますために、健康診断と直結させ、健康診断の結果、ツベルクリン反応の陰性または疑陽性の者に対しましては、ただちに予防接種を実施するという建前で行きたいと存じますので、予防接種法の方からはずしまして、この結核予防法の方に新しく入れまして、結核対策を一本にしてやつて行きたいという趣旨なのでございます。 次は要綱の第七でございますが、現在結核患者の届出は現行法あるいは伝染病届出規則によつて行われているのでございますが、必ずしもその目的を十分達成しているとは思われないというような状況にもございますので、この際結核の届出を本法によつて励行させ、結核患者をその所轄の保健所に登録させまして、その登録された患者につきましては、保健婦による家庭訪問指導を行う等によりまして、療養指導あるいは予防指導を行いたいというのでございます。 次の要綱の第八から第十一までは、主として伝染防止に関することでありまして、第八は公衆に結核を伝播させるおそれのある業務に従事している結核患者に対しましては、都道府県知事が期間を定めて従業禁止を命ずることができるという規定を設けたいというのでございます。ただいまの第八の方は職場の関係でございますが、第九の方は住居の関係、家族あるいは同居人に結核を伝染させるおそれのあるというような者に対しましては、期間を定めまして結核療養所に入所することを命令するということをいたしたいと存ずるのでございます。第十はそのような命令が出ました場合に、国または地方公共団体の開設しておりまする結核療養所あるいは国庫の補助を受けております法人が開設しております結核療養所におきましては、そのような入所命令を受けた患者の入所の申込みがありましたときには、正当な理由がない限りこれを拒否することはできないという規定を設けたいと存ずるのでございます。第十一は結核患者の家屋あるいは病毒汚染された物件を消毒する、あるいは必要によつて廃棄を行うというようなことを命じたり、あるいは当該職員に実施させたいというのでございます。伝染防止の第八、第九、第十、第十一などは現行法にもございますが、さらにその徹底を期して行きたいというのでございます。 次は医療の問題でございますが、第十二は、厚生大臣は都道府県、市その他の地方公共団体に対しで結核療養所の設置を勧告することができる。現在の法律におきましては、命令をすることができるというふうになつておりますのを、これを勧告に改めたいということでございます。第十三は医療費を半額負担するということでございますが、これは都道府県あるいは保健所を設置しておる市——そこに「知事」と書いてございますが、これは間違いでございまして、都道府県または保健所を設置しておる市は、一定の医療につきましてその費用の半分を負担する。一定の医療と申しますのは、現在特効薬的に効果があると言われておりまするストレプトマイシンの注射、あるいはパスの服用、あるいは人工気胸による治療、あるいは胸郭成形術のような外科的治療、そういうふうな一定の医療につきまして、その費用の半額を府県または市が負担する。その都道府県または市が負担いたしましたものにつきまして、国がまた半分負担する。これは費用のところでも出て参りますが、そういうふうな建前で行きたいと思うのでございます。第十四は、先ほど感染防止のところで申し上げました第八、第九、つまり従業禁止あるいは入所命令というような命令を受けました者が、経済的の事情によりまして医療を受けることができないというときには、その費用の全部または一部を都道府県が負担するというのでございます。第十三の方は本人が半分負担いたしまして、あとを国と都道府県あるいは市が半分ずつ受持つわけでございます。第十四の方の費用につきましては、国が二分の一、都道府県が二分の一というふうにしたいと思うのでございます。要綱の第十五は、第十三並びに第十四に申し上げました医療を担当させますために、一定の医療機関を指定したい。これは医療機関の承諾を得て指定するということにしたいと思つておるのでございます。第十六は診療報酬の支払いのことについてございますが、指定医療機関に対します診療報酬の支払いは、社会保険診療報酬支払基金に委託して行うというふうにしたいと存ずるのでございます。以上十二から十六までが医療のことに関してでございます。 次は十七、十八は諮問機関の問題でございますが、十七の方は、厚生大臣の諮問機関として結核予防審議会を設け、結核予防並びに患者の医療に対する重要な事項を調査審議させたい、そういうふうに考えておるのでございます。十八の方は、先ほど十三で申し上げました一定の医療について都道府県あるいは市が費用を負担いたします場合に、患者がその費用を負担いたします一定の医療に適するかどうかということをきめますために、都道府県知事あるいは保健所を設置する市の市長の諮問機関として結核審査協議会というものを設けたい。これは各保健所ごとに設置しまして、そうしてその患者が元ほど申し上げました一定の医療に適するものであるかどうかということをきめるようにしたいという趣旨でございます。 最後の費用の問題でございますが、国庫は先ほど申し上げました健康診断あるいはツベルクリン反応検査、予防接種あるいは医療の費用、それから地方公共団体または営利を目的としない法人の開設する結核療養所等について、その開設あるいは拡張に要する費用につきまして、一定の率に基いてこれを補助するということにしたいというのでございます。なお従来は結核療養所に対する補助は、法人につきましては公益法人だけであつたのでございますが、今回の改正によりましてさらに範囲を広めまして、営利を目的としない法人には補助を出すというふうにしたい、そう考えておるのでございます。 次上きわめて概略ではございますが、近く御審議をお願い申し上げたいと存じております結核予防法案の概略について、御説明申し上げた次第であります。
○松永委員長 本件についての御質疑はございませんか。
○丸山委員 二、三お伺いしたいと考えます。健康診断及び予防接種の第一、第二、第三、第四というような対象がございますが、大体対象となるような人員のお見込み、及びその費用に関しまして、ちよつと御説明願います。
○山口(正)政府委員 ただいま丸山委員からお尋ねの健康診断並びに予防接種の対象、それと経費の関係について申し上げます。健康診断の対象者といたしましては、およそ三千万人くらいと考えております。なおまた予防接種の対象者といたしましては五千九百万人くらいと考えております。この経費の点でございますが、先般御可決いただきました二十六年度の予算によりますと、これらの対象者につきまして、およそ三〇%の減免者を見込みまして、これらについては実施者、すなわち都道府県と、国で負担することになつていたのでございますが、この法律の制定によりまして、実施者が、予算案と違いまして、都道府県以外、学校あるいは施設という点が出て参りましたので、若干運用上の面におきまして異なる点が出るのではないかと考えております。一応私どもの心組みといたしましては、小学校、中学校というような義務教育者につきましては、でき得れば一〇〇%の減免を認めて行きたいというふうに考えております。なおまた高等学校以上の任意入学に関するような場合におきましても、五〇%の減免率、半額程度の実費徴収でよろしいというような行き方にいたしたらいかがかというふうに考えておるのでございます。なおまた工場、事業場等につきましては、現在の労働基準法によりまして、当然使用者が負担いたしておるのでございますので、健康診断に関する限りにおきましては、使用者の負担として、これは補助の対象といたさない方が適当ではないかと考えております。またその場合予防接種につきましては、新たなる事務を課する関係上、これは補助の対象にいたしたらいかがかと考えておるのでございます。その他一般住民の方々につきましては、もちろん貧困者の方につきましては無料で実施し、その他は実費を徴収する形になるかと存じますが、でき得ればいわゆる生活保護法の対象者よりも減免の率を上げて、実施をより便利にいたしたいという考え方であります。なおまた定期外の予防接種あるいは健康診断につきましては、患者の家族であるとか希望者等につきましては、先般御審議願いました通り七〇%程度の減免率で実施して行つたらいかがかと考えておるのでございます。これらの減免率に対しまして、この実施者が市町村長の場合におきましては、その減免した額につきましては国と府県と市町村の三者でそれぞれ三分の一ずつを負担するようにいたしまして、県が実施者の場合におきましては、国と県で二分の一ずつを負担するようにいたしてはいかがかというふうに考えておるのでございます。
○丸山委員 次に第七の届出でございますが、これは前からの法律によつて、届出は医者に対して義務づけられているわけでありますが、しかし届け出ました場合に、その患者が届け出られたという事実だけであつて、届け出られた結果何らの利益というものがないために、届け出ても何にもならないじやないかというふうな考え方があるやに私どもは聞き及んでおります。そのために届出が実数より少くなつているのではなかろうかというふうな考え方があるのでありますが、現在の届出の実情はどんなふうになつておりますか、お聞かせ願いたい。
○小川説明員 結核患者の届出につきましては、漸次増加の傾向にございまして、昭和二十二年におきましては、全国で三十一万八千、昭和二十三年におきましては三十八万九千、昭和二十四年におきましては四十六万四千でありまして、昭和二十五年度の結果はまだ集録されておりませんが、昨年秋に栄養加配をいたしました関係上、二十四年度よりはるかに増加いたしておる見込みでございます。
○丸山委員 食糧の加配をやつたということだけでさえも、すでに届出がふえて来るというふうに、届け出られた者に対して利益があるということになりますと、そういうような実情が出て来るのでありますから、届け出られた者に対する保護の道が完全に行われるように御努力願いたいと考えておる次第であります。 なお次に結核の病床数はよほど補足いたしませんと、強制入所というようなことも行われる場合に、入所を命じても、あいておるベッドがないというような実情が起ると考えます。先般の予算におきましては、本年度の病床増加総数は一万七千二百ということで、まだなお十分とは申し上げがたいと存じますが、これは一般財政とのにらみ合せもございまして、ある程度やむを得ないとも考えます。しかし本年の十月末日をもつて行われます医療法の十三条によつて、二十ベツド以下のベツドはほとんど使用することができないという状態になります。現状の二十床以下の病床の中で、結核患者を収容することに充てておるものがあるでございましようか、ありとすれば、その数に対するお見通しがついておりますか、いかがでしようか。
○小川説明員 現在の病院の入院患者の状況の報告によりましては、今お尋ねの二十床以下の場合も、結核患者につきましては、明確に捕捉されるような様式になつておりませんので、はなはだ遺憾でございまますが、私どもの想像いたしますところにおきましては、およそ一万前後ではなかろうかというふうに想像いたしております。昨年の十月末におきます結核ベッドの数は九万六千ほどでございまして、そのうちおよそ一万前後かと存じます。
○丸山委員 一万床くらいあるというものに対しまして、一万七千二百一方においてふやしておいて、今年の十月から一万床落ちてしまうということは重大な事項と考えますので、これは結核予防法と関連はございますが、医療法の改正において、私どもは再検討いたしたいと考えておる次第で、今お伺いしたのであります。 それから第十三の「一定の医療」というものの内容について一応御説明願いたいと思います。
○山口(正)政府委員 先ほど申し上げたと思いますが、一定の医療は、ストレプトマイシンによる注射、それからパスの内服、それから人工気胸療法、胸郭成形術のような外科的医療法、一応私どもの方では一定の医療をそういうふうに考えております。数は、大体ストレプトマイシンの対象者が十一万二千人、パスの対象者が五万人、人工気胸が約十万人、それから外科的療法が一万三千七百五十人、一応そういうふうに考えております。
○丸山委員 第十四の「従業禁止又は入所の命令を受けた者が経済的事情によつて医療を受けることができないときは、」というこの「経済的事情によつて受けることができない」という言葉の意味は、相当広いと考えます。生活保護法の対象となる者も、経済的事情によるものでありましようし、またその一部分の負担はできるけれども、一部分はできないというふうな階層もあると考えるのであります。それでこの法律によります費用の全部の負担あるいは一部の負担というものと、生活保護法による医療給付とはいずれが優先いたしますか、その点、及び国民健康保険、健康保険等のいずれが優先いたしますかという点を、明確に示していただきたいと思います。
○小川説明員 ただいまお尋ねの経済的事情ということにつきましては、現在生活保護法を受けておる方を含む、さらに上まわつた経済的事情を考えておるわけであります。すなわち生活保護法の医療保護を受けておる方はもちろん、さらにそれよりももう少し資産あるいは収入がございましても、現に医療を受けられないという、現実に困つておるような方々も、包含いたすという考え方でございます。 なおまた第二のお尋ねの保険との関係につきましては、一般の社会保険によりますところの療養給付を受ける方は、それは本法より優先するという考え方でございます。
○丸山委員 生活保護法と本法との優先はどちらでありますか。
○小川説明員 本法の方が優先いたします。
○丸山委員 第十九の「地方公共団体又は営利を目的としない法人」とありまして、「営利を目的としない法人」ということが今までの法律と考え方が違つて参りました。「営利を目的としない法人」というものの中には、医療法に定められておりまする医療法人というものを含んでおるかどうかということをお尋ねいたします。
○山口(正)政府委員 お尋ねの医療法人は、この「営利を目的としない法人」の中に含んでおります。
○丸山委員 大体質問はこれで終了いたします。
○松谷委員 詳細な点は法案が出てからにいたしたいと思います。ただいま丸山委員から重要な点を御質問くださいましたので、こまかな点でございますが、第九はございますように、先ほど丸山委員が触れておられましたように、結核療養所に対する入所を命ずるということになつて参りますと、相当の入所の命令が、現状から参りましても、出て来ると見なければならないと思います。その場合に、先ほどの丸山委員のお話のように、一万床の減少が目の前に控えている。そうして一万七千二百床というものが、即座にここに誕生して来ないというような現状から参りまして、それに対するお見通しをどういうふうにつけておられるか、その暫定期間、それをどういうふうに処理をされるかということを伺いたいと思います。 それから次には、結局そういう療養生活を主とするということになつて参りますと、看護婦その他の問題も出て参ります。看護婦の数が今問題になつておりますが、それと同時に、また結核療養所に従事するところの看護婦その他の従業員に対する特別手当その他の問題等についても、何か特にお考えがおありかどうか。これは予防とはちよつと異なるかと思いますが、やはり予防法を実施される以上は、そこまでの考慮を払われていると考えますので、その点お考えが今までについておられれば、その点を伺つておきたいと思います。
○山口(正)政府委員 第一の、入所命令を出しても病床が十分足りないじやないか、それに対してどういうふうに考えておるかという御質問でございますが、仰せの通り、先ほど丸山委員も御指摘になりましたように、現在病床はなかなか十分とは参りませんので、現在の実情といたしまして、結核療養所に入所がなかなか思うように行われないという状況でございますが、この入所命令を出しました者につきましては、優先的に入所をさせるというふうな方法をとりまして、この施設が整備されるまでに、この法律による命令入所をできるだけ完全に行われるようにいたして行きたい、ほかよりも優先的に取扱うというような方法で行きたいと存じておるのでございます。 第二のお尋ねの看護婦の数でございますが、本年の計画は大体見通しとしては、大丈夫というふうに見られております。なお手当その他の問題につきまして、医務局との関係もございますので、十分打合せまして、ただいま御指摘のような点に対処して行きたい、そういうふうに考えております。
○松谷委員 詳細な点は、法案が出ましてから伺いたいと思います。 それからこの法案の実施期間はいつからという大体の御予定でございますか。
○山口(正)政府委員 本国会で御承認になりますれば、四月一日から実施したいと存じておりますが、医療につきましては、十月一日から実施して行きたい、そういうふうに考えております。
○苅田委員 法案の質疑につきましては、正式に法案が出ましてからいたしたいと思いますけれども、ただいま松谷委員からの御質問に関連しまして、ついでに一言お聞きしたいのですけれども、それは現在すでに昨年の秋ごろから、特に厚生省の医務局の通達によりまして、全国の療養所や国立の病院で、強制的に退所を命ぜられておる人が続出しておるわけなのであります。それは病床を早く転換するという目的をもつてやられておるのでありますが、中にはまだ現在排菌者でありながら、退所の命令を受けて、行き場がなくてたいへん困つておるという人も、ずいぶん出ておるのでありまして、これはおそらく結核予防法の実施と相まつての処置として、こういう非常に苛酷な処置がとられて来ているのではないかということが考えられるわけなのであります。患者を入所させることはもちろん当然でありますけれども、そのために、現在入所しておつて、まだまだ治療が終らない人が出されなければならないというようなこと、あるいはまた政治的な理由によりまして、早期の病床転換という名によつて、出してはならない人を出すように、便乗される危険もありますので、この点は十分に医務局の方と御連絡をおとりになりまして、結核予防法がそういう趣旨で出されておるのではないのでありますから、その点間違わないようにやつていただきたい。これは医務局長がおいでになつているときに、さらに質問したいと思うのでありますけれど、公衆衛生局の立場からも、ぜひこの点を十分にお考えいただきたいということをお願いしておきたいわけなのであります。
○山口(正)政府委員 御趣旨の点、十分医務局と相談いたしまして、あやまちのないようにして行きたいと存じております。
○松永委員長 他に御発言がございませんか。 —————————————
○松永委員長 なければ次に予防接種法に関する件を議題とし、本件に関連して、本国会に提出される予定の予防接種法の一部を改正する法律案について、厚生省当局より説明を聴取いたしたいと存じます。山口公衆衛生局長。
○山口(正)政府委員 予防接種法の一部を改正する法律案も、先月末の閣議を経まして、ただいま総司令部側のセクシヨンにまわつておりますので、近く本国会の御審議をお願いすることになると存ずるのであります。お手元に法律案と要綱の両方を差上げてございますが、まず法律案の要綱につきまして、予防接種法の一部を改正する法律案の御審議をお願いする理由を、簡単に御説明申し上げたいと存じます。 予防接種法は昭和二十三年の六月に制定されまして、今日まで伝染病のために少からぬ貢献をいたして参りましたが、ただ今まで実施いたして参りまして、私ども一つ不便な点がだんだんはつきりして参りました。と申しますのは、現行法のもとでは定期の予防接種は必ず市町村長の行うものを受けなければならない、何らかの事情によつてこれを受けることができなかつた者は、爾後合法的に予防接種を受けることができないということになつているのであります。もちろんこの点は立法の当初から予想されないことではなかつたのでございますが、当時におきましては、この予防接種法というものは、わが国の古くからございます種痘法以外では初めての制度でございますので、まず一般の国民の方々をこの制度になれさせる目的で、必ず市町村長の行うものを受けなければならないと法律に規定したのでございますが、その後のこの法の実施状況、施行状況を見て参りますと、だんだんと一般の方々も、予防接種法というものを理解され、また予防接種というものを理解していただいて、進んで予防接種を受けられる機運に向つて来ているように認められますので、この際これをもつと広く受けられる、つまり便利に受けられるということをはかりますために、市町村長の行う予防接種だけでなく、一般の開業医の方々について受けられた予防接種も合法的なものと認められるようにたしいというわけでございます。従いまして、お手元に差上げました要綱にございますように、予防接種法の第三条第一項に「何人も、この法律の定める予防接種を受けなければならない。」という規定がございますが、その第一項は、一般の市町村長だけでなしに、一般の開業医の方々の行う予防接種を受けた場合も、その中に含まれるという解釈をいたしました。今までそういう解釈ができなかつたと申しますのは、要綱の第二に書いてございますが、第八条に即時強制を規定した条項がございましたために、そういう解釈がとれなかつたのでございますが、第八条を削除いたしまして、一般開業医の方々の行われた予防接種も、この法律によつて行つたものであると解釈するようにいたしたいというのでございます。そうしてその予防接種を受けた本人は、市町村長に対して予防接種を受けたという証明書を提出するということをきめたのでございます。それから要綱の第二は、ただいま申し上げました今までの解釈の一つの支障となつておりました、即時強制を規定した第八条を削除いたしたいというのでございます。要綱の第三は、定期予防接種の猶予は今まで非常に厳格であつたのでございますが、これを改正いたしまして、事故によつて定期予防接種を受けられなかつた者に対しては、事故消滅後一箇月以内に予防接種を受けるようにするという義務を課したのでございます。要綱の第四は、証明書を提出するのは本人に課した義務でございますが、その提出に必要な予防接種証明書の交付を医師が求められたときには、それを交付しなければならないという義務を医師に対して課したということなのでございます。そのほかは、ただいま申し上げましたことのために必要な条文の整理をいたしたのでございまして、繰返して申し上げますが、今まで市町村長の行つたものだけを定期予防接種と認めておりましたのを、一般の開業医の方々の行われた予防接種も本法による予防接種というふうに解釈して、予防接種の普及徹底をはかつて行きたいという趣旨なのでございます。はなはだ簡単でございますが、一応御説明申し上げました。
○松永委員長 本件についての御質疑がございまするか。——別に本件についての御質疑もないようでありますから、本日はこの程度で散会いたします。 午後零時十分散会