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10回国会衆議院1951/03/29

決算委員会 第18号

発言数
12
登壇者
4
会派数
3
開催日
1951/03/29

会議録

三宅則義自由党

○三宅(則)委員長代理 これより決算委員会を開きます。  御承知の通り、昭和二十三年度決算に関しましては、第七回国会において付託されて以来慎重審議をいたし、あるいは小委員会の設置により、あるいは国政調査のため、委員を現地に派遣する等の方法により、あらゆる角度から審議の完璧を期して参つたのであります。本国会になつてはすでに委員会を十六回開会し、終始委員各位と各省並びに会計検査院当局の間に熱心な意見がかかわされ、一応検討し尽したものでありまして、質疑は前会をもつて終了しておる次第でございます。従つて本日は昭和二十三年度一般会計歳入歳出決算、昭和二十三年度特別会計歳入歳出決算を議題として討論に入ることにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

三宅則義自由党

○三宅(則)委員長代理 御異議なしと認め、ただちに討論に入ります。討論は通告順によつてこれを許します。自由党渕通義君。

渕通義自由党

○渕委員 ただ今討論に付せられました昭和二十三年度一般会計歳入歳出決算、昭和二十三年度特別会計歳入歳出決算(未確認となつていた既往年度分を含む)につき、委員長まで提出いたしました決議内容案のごとく議決されんことを動議として提出いたします。  すなわち議決の内容五項目について申し上げます。  第一、一般会計歳入   一般会計租税及び印紙収入(財産税等収入金特別会計、租税を含む)において    取扱いの過誤により、所得税その他の徴収過不足を来したもの、及び源泉徴収所得税の未払込みに対する徴収処置当を得ないもの百九十八件(六〇、六二——七二、七四——一八一、一八三——二五八)、「一八九、一九〇」登録税の賦課にあたり処置当を得ないもの二件(三八)「一三」職員の犯罪により国に損害を与えたもの七件(三一七——三二三)   一般会計官業及び官有財産収入において固有物件の売渡代金、貸付料等または病院、刑務所等国の施設に関する収入金の低価に過ぎ、あるいは収納上の処置当を得ないもの四十六件(三九、四〇、二七五——三一五、四四八、四六五、四六六)職員の犯罪により国に損害を与えたもの一件(四四九)   同雑収入において 価格差益納付金の徴収不足を来したもの十件(三——一二)特殊物件の処分に関し、処置当を得ないもの二件(六四、八四)    過払金、補助金または物件の売渡代金等の回収その他徴収上の処置当を得ないもの十九件(三一六、三五三——三五七、四六七、四六八、四八七、四八八、五一九、五六四、五六八——五七四)職員の犯罪により国に損害を与えたもの七件(四一——四七)   計二九二件がある。    右はおおむね調査の不徹底、法の適用上の過誤、事務整理の不十分または監督よろしきを得ないこと等によるものである。政府は将来一層事務処理の慎重を期し、過誤または犯罪を防止すべきである。特に租税の賦課徴収にあたつては、的確なる調査のもとに厳正公平を期し、また多額の収納未済に対しては、適当な計画を立てすみやかに整理の実をあげられたい。  第二、一般会計歳出並びに固有物件    その他  (一) 裁判所費において    工事の施行にあたり処置当を得ないもの一件(二)   がある。     右は行政機構の改正に伴つて派生したものと認められ、事情の酌量すべきものもあるが、今後はこのようなことのないよう注意せられたい。  (二) 行政部費において     会計の処理または予算の示達、使用にあたり処置当を失し、あるいは経費の年度区分を乱る等不当と認あられるもの五件(四八、三二四——三二六、四五〇)     職員の犯罪により国に損害を与えたもの二件(四八三、四八四)    行政部費及び行政共通費において     会計経理のはなはだしく当を失したもの一件(二五)    司法及び警察費において     地方警察費国庫負担金等の交付にあたり処置当を得ないもの四件(二一——二四)    不急の物品を購入したもの一件(一三)    司法及び警察費並びに行政共通費において     経費の年度区分を乱つたもの七件(一四——二○)     職員の犯罪により国に損害を与えたもの一件(五三)    教育文化費において    義務教育費国庫負担金及び補助金の交付に関し処置当を得ないもの二件(四五一、四五二)    教育文化費及び行政共通費において     文部省所管統計数理研究所で会計経理がはなはだしく乱れているもの一件(四六一)   がある。     右のうち、総理府所管中央経済調査庁及び大蔵省所管関東信越財務局において、架空名義をもつて、支出し、予算外に経理したもの、文部省所管統計数理研究所で成規によらないで会計主任あて、小切手を振出し、諸経費の支払いに充てたりなどした件のごときは、経理の紊乱はなはだしきものである。特に当局の反省と善処を求める。   (三) 社会及び労働施設費、公共事業費及び行政共通費において地方公共団体または社会事業団体等に対し、補助金の交付にあたり処置当を得ないもの十一件(四六九——四七九)    社会及び労働施設費において補助金の精算を遅延しているもの一件(四八二)    保健衛生費において補助金の交付にあたり処置当を得ないもの一件(四八〇)    産業経済費において同一件(五一三)    産業経済費及び行政共通費において同一件(四八九)    がある。     右は実情調査が十分でなかつたのによると認められ、今後の注意を促すものである。   (四) 公共事業費において 工事の設計、施行または工事費の支払いにあたり処置当を得ないもの四件(四九、三二八、五二四、五七五)     補助金の交付にあたり処置当を得ないもの二十九件(四五三——四六〇、五二五、五九一——五九八、六〇二——六一三)     予算の使用当を得ないもの十五件(四九〇、五二〇——五二三、五七七——五八六)     経費の年度区分を乱つたもの五件(五〇——五二、五七六、五九九)     不急の物品を購入したもの二件(五八七、五八八)     職員の犯罪により国に損害を与えたもの一件(六〇一)     関係書類を作為し、不当の支出をしたもの等三件(五八九、五九〇、六〇〇)    行政共通費において     土地の購入にあたり、処置当を得ないもの一件(四六二)     補助金の交付にあたり、処置当を得ないもの一件(四八一)     職員の犯罪により国に損害を与えたもの一件(五六五)    行政共通費及び終戦処理費において     架空の名義により支出し、みだりにこれを使用したもの一件(五四九)    がある。     右は調査、施行または監督等にあたり、注意の周到を欠いた等に基因するものと認められ、はなはだ遺憾である。   (五)終戦処理費において     工事の設計、施行または工事費の精算、物件の購入、借入等にあたり、処置当を得ないもの十五件〔二二〇〕(三五八——三六五、三七〇、三七四——三七八)     ガス、電力等の供給契約に関し、処置当を得ないもの四件(三六六——三六九)     統制価格の適用にあたり、処置当を得ないもの二件(三七一、三七二)     機帆船及び貨物自動車の運賃支払いにあたり、処置当を得ないもの二件(三七三、三七九)     給与の支払いにあたり処置当を得ず、多額の未回収金を生じたもの一件(三八〇)     職員の犯罪により国に損害を与えたもの十二件〔二三二〕(三八六——三九六)     解雇手当の支払いにあたり過払いを生じたもの一件(三八一)     補助金の交付にあたり処置当を得ないもの一件(三八二)     架室の名義により支出する等処置当を得ないもの一件(三八四)     予算の使用当を得ないもの、小切手を詐取されたもの、支払いが著しく遅延しているもの各一件(五五〇、三八五、三八三)    計四十二件がある。     終戦処理費の経理については、従来ややもすれば放漫に流れる点を指摘し、その改善を要望しているにかかわらず、さらに引続き、このような濫費を招来していることは、まことに遺憾である。特に三沢地区連合国軍兵舎新築工事における不当支払い約三千九百万円及び過払額五百余万円、電力料金における不当支払い約二千七百万円、職員の犯罪等による損害額三千二百余万円、丸くぎ購入代金における不当支出約二百余万円等、いずれも監督または処置よろしきを得たならば、事前にこれを防止し得たはずのものである。     政府はこれら非違の根源をふさいで本費の濫用を防止し、未納金またはすでに発生した損害額に対しては、極力回収をはかり、国庫の損害を軽減するよう努力されたい。   (六) 賠償施設処理費において賠償機械の梱包作業にあたり、処置当を得ないもの一件(三二九)     物品の購入にあたり、処置当を得ないもの一件(三三〇)    賠償指定工場管理委託費の支払いにあたり、処置当を得ないもの一件(三三一)    経費の年度区分を乱つたもの一件(三二七)    職員の犯罪により国に損害を与えたもの一件(三三二)    がある。     右は注意の周到を欠いたのと、監督が十分でなかつたのに基因するもので、将来の善処を要望する。   (七) 一般会計所属国有物件に関して     国有財産その他の物件の購入取扱い処置または管理等当を得ないもの四十八件(三三三——三五一、三九七——四一九、四六三、四六四、四八五、四九一、四九二、五一四)     官給材料の処置当を得ないもの十七件(四二〇——四三六)     未納の木材を実在のものとして経理したもの一件(四三七)     物品を詐取されたもの一件(三五二)    収入印紙に関して    関係職員により窃取されたもの五件(五四——五八)    がある。     右のうち、終戦処理費の分は、物品の購入契約の締結と配分とを担当する戦災復興院及び特別調達庁において、建設資材の調達に追おれて、保有資材の在庫量すら把握せず、かつ現地との連絡も不十分であつたなどのために、多量の不用不急または不適格品を購入し、多額の保管料を支払い、さらにこれらの物品の保管処置が当を得なかつたため、滅失毀損を生ずる等、物品の経理当を得ないと認められるもの約四十件に上つている。そのうち、足利板金工業組合から購入した二重煙突価格九千三百余万円の件は、不用となつた分まで受入れた上、検収当を得なかつたため、二千二百余万円の過払いを生じ、現在なお多額の回収未済を存するの状況であり、また大阪府セメント防水材工事統制組合から購入したウオーター・プルーフイングは約九〇%の水を包含するものであるが、その購入量四万四千百罐(価格諸掛とも九千二百余万円)の約九四%四万一千余罐を、二年以上にわたつて退蔵する等、国庫の受けた損害は巨額に達するものと認められる。政府はその責任を痛感し、今後の処置に万全を期すべきである。 右のほか、 総理府所管において寄付により警察費を予算外に経理したもの十二件(二六—三七)     運輸省所管において、法律に基かないで特別の資金を保有し、予算外に経理したもの一件(五二六)    がある。     右はいずれも予算の制度を乱るばかりでなく、幾多の弊害を生ずるおそれもあるから、政府はこの種の非違を繰返さないよう取締られたい。  第三、特別会計   (一) 外国貿易特別円資金特別会計において     国有財産使用料の徴収決定をしていないもの一件(五九)   (二) 印刷庁特別会計において     物品の購入にあたり処置当を得ないもの一件(四三八)     印刷代金の支払いにあたり処置当を得ないもの一件(四三九)     運送契約を締結するにあたり処置当を得ないもの一件(四四〇)   (三) 専売庁特別会計において     放出タバコを著しく低価に売り渡したもの一件(四四一)     経費の年度区分を乱つたもの一件(四四二)     工事の設計当を得ないもの一件(四四三)     過大な既済部分払いをしたもの一件(四四四)     葉タバコの管理当を得ないもの一件(四四五)   (四) 財産税等収入金特別会計において     物納財産に対する使用料の徴収決定を遅延しているもの一件(四四六)     物納財産売渡特別手数料の支払いにあたり処置当を得ないもの一件(四四七)   (五) 厚生保険特別会計において     職員の犯罪により国に損害を与えたもの一件(四八六)   (六) 食糧管理特別会計において     売買を作為し、公団の損失を補填したもの一件(四九三)     主要食糧の売渡しにあたり処置当を得ないもの二件(四九四、四九五)     予算の使用当を得ないもの二件〔三二二〕(四九六)     主要食糧購入代金及び運賃加算額の支払いにあたり、処置当を得ないもの四件(四九七——五〇〇)     亡失食糧に対する弁償金の徴収措置緩慢なもの一件〔三二〇〕   (七) 薪炭需給調節特別会計において     薪炭売渡代金の徴収処置当を得ないもの一件(五〇一)     予算を越えて債務を負担したもの一件(五〇二)     薪炭購入代金の支払いにあたり、処置当を得ないもの三件(五〇三——五〇五)     横持料を不当に支払つたもの一件(五〇六)     指定集荷業者等に対する手数料を不当に増額したもの一件(五〇七)     法律に違反して資金を借り入れたもの一件(五〇八)     薪炭の現品が不足しているもの一件(五〇九)   (八) 農業共済再保険特別会計において     再保険料等の徴収処置当を得ないもの一件(五一〇)   (九) 自作農創設特別措置特別会計において     農地等の購入代金の支払い及び売渡代金の徴収にあたり、処置当を得ないもの二件(五一一、五一二)  (一〇) アルコール専売事業特別会計において     アルコールの売渡しまたは賠償金の支払いにあたり、処置当を得ないもの二件(五一五、五一六)     アルコールを帳簿外に処理したもの一件(五一七)     糖蜜の管理はなはだしく当を得ていないもの一件(五一八)  (一一) 国有鉄道事業特別会計において     予算を越えて工事を施行し、     その経理当を得ないもの一件(五二七)     不経済な工事を施行したもの一件(五二八)     著しく多額の工事費を支払つたもの一件(五二九)     国鉄共済組合に対し国庫負担金を過払いしたもの一件(五三〇)     夜勤加給の支払いにあたり、所得税の源泉徴収を行わなかつたもの一件(五三一)     経費の年度区分を乱つたもの一件(五三二)     職員の犯罪により国に損害を与えたもの二件(五三三、五三四)     物品の購入または売渡しに関し、処置当を得ないもの四件(五三五、五三六、五三八、五三九)     貯蔵品購入資金の運用当を得ないもの一件(五三七)     物品の加工賃が著しく高価なもの一件(五四〇)     薪製造代金が著しく高価なもの一件(五四一)     タンク車使用料の支払いにあたり処置当を得ないもの一件(五四二)     国有財産の管理当を得ないもの一件(五四三)     物品の経理または取扱い等処置当を得ないもの三件(五四四、五四六、五四八)     未契約のまま車輌を製作納入させたもの一件(五四五)     多量の交付原材料が未回収のままとなつているもの一件(五四七)     立木の伐採にあたり過払いをなし、その返納に至らないもの一件〔三四八〕  (一二) 通信事業特別会計において     歳入歳出決算の作成にあたり金額の計上を誤つたもの一件(五五一)     予算の使用当を得ないもの二件(五五二、五五三)     郵便はがきの製造、計画当を得ないもの一件(五五四)     物品を著しく高価に購入したもの一件(五五五)     運送費の支払いにあたり処置当を得ないもの一件(五五六)     経費の年度区分を乱つたもの一件(五五七)     予算の目的に反した工事を施行し、損失を来したもの一件(五五八)     給与の支払いにあたり所得税の源泉徴収をしなかつたもの一件(五五九)     小切手を詐取されたもの一件(五六〇)     不用の物品を購入したもの一件(五六三)     職員の犯罪により国に損害を与えたもの二件(五六一、五六三)  (一三) 労働者災害補償保険特別会計において、      職員の犯罪により国に損害を与えたもの二件(五六六、五六七)    がある。     以上十三特別会計を通じて不当と認められるもの八十余件で、その態様は、はなはだ多岐にわたり、国庫に及ぼす損害も少くないと認められるから、政府は今後の監督を一層厳重にするとともに、経理の改善向上に努力すべきである。  第四、一般会計及び印刷庁外十一特別会計において    裁判所外一府九省で閣議決定に基き、北海道並びに寒冷積雪地に在勤する政府職員に対し、特別俸または勤務地手当総額九億四千五百余万円を支給したものがある。  (一)    右は支給を必要とする事情は了とするも、根拠とすべき法規を欠くものと認められ、手続上不備であつたことは遺憾である。  第五、以上一般及び特別会計を通じ、不当と認められるもの六百余件に上り、逐年件数増加の傾向にあるが、これは一面会計検査院の検査能力の充実等によるものであるとはいえ、事項の内容を審査するに、概して意識的に行われたものが多い点にかんがみ、政府当局における改善の努力の十分でないことに帰着するものといわねばならない。    ことに経費の年度区分を乱つたもの、予算の目的外に経費を使用したもの、あるいは補助金の交付または回収にあたつて、処置当を得なかつたもののごときは、既往数十年しばしばその不当を指摘せられ、第一回国会以来、本院においても連年警告を発し、政府はその都度、将来十分注意する旨の弁明を繰返しながら、いまだに跡を絶たないのは、屡次におたる本院決議の趣旨が没却せられたるにひとしく、はなはだ遺憾とするところである。    政府は本院において指摘した不当事項に対しては、単なる弁明に終ることなく、直接の責任者に対しては、実効ある処分を行い、官紀を振粛する等、改善の努力を今後の事実に証明し、すみやかに決算成績の向上をはかり、予算執行に対する国民の負託にこたえられたい。    備考 ( )内の番号は二十三年度検査報告に記載された事項、       〔 〕内の番号は二十二年度検査報告に記載された事項を示す。  以上のごとく議決されんことを動議として提出いたします。

三宅則義自由党

○三宅(則)委員長代理 これにて自由党渕通義君の討論は終りました。次は社会党八百板正君。

八百板正日本社会党

○八百板委員 昭和二十三年度一般、特別両会計歳入歳出決算については、それぞれ質疑を通じて検討されたのでありまして、なお若干の問題を残すものもあるとは考えられるのでございますが、それらにつきましては質疑を通じて示されました、それぞれ改むべき傾向等を今後の運営に期待することといたしまして、ここに賛成の意を表明する次第であります。

三宅則義自由党

○三宅(則)委員長代理 ただいまをもちまして、社会党を代表し八百板君の討論は終りました。次は共産党の井之口政雄君。

井之口政雄日本共産党

○井之口委員 昭和二十三年度一般、特別両会計歳入歳出決算に対しまして、日本共産党を代表してこれを承認することを拒否する次第であります。そもそもこの二十三年度の決算は、芦田内閣と吉田内閣によつて遂行されたものであります。この予算の遂行にあたりましては、われわれ共産党がすでに予算の審議について討論した通り、どだい予算の編成そのものに対して、われわれは反対していたのでありまして、大衆の利益が蹂躪され、資本家階級の利益に奉仕するところの予算が組まれておる。しかるにそれを実行するにあたりましては、ますますその性格を強化いたしまして、そうして二十四年度のドツジ・ラインによるところの搾取をさらに強化し、また資本家的な性格を帯びる次の予算への橋渡しをなしているのであります。この意味において、この予算の遂行がまたその性格を帯びておりまして、個々の項目について見れば、会計検査院が指摘しておりまする通り、二十一年、二十二年度以上に尨大なるところの不当事項がこれに現われております。なお二十四年度になつて参りますると、自由党によるところのいろいろな法案の結果、いろいろな不当事項に対しても、不当事項でありながら、なおかつこれを合法化して来る面がたくさん現われて参りまして、幾分少くはなりまするが、二十三年度においては、会計検査院の指摘が最高潮に達している点であります。  第一に収入の点におきまして、二十一年度、二十二年度から持ち越された未徴収の部分が非常に莫大に及んでおります。政府としては、それらの税金の資本家からの取立てが非常に緩慢に行われておる。しかるに物価の高騰も幾分手伝つて、大衆からの租税の徴収はずつと増加して参つております。財閥からの租税の徴収ということはおろそかにされていて、反対に一般大衆からの租税の徴収というものが、予算以上に強化されているというこの事実が現われて参つております。なお個々の価格差益納付金の徴収でも、会計検査院が指摘しておりまする通り、多くの不足額を出しております。一件五十万円以上の項目の指摘になつているのでも、約十二項目にわたつているような状態であります。かつ五十万円以上の租税の徴収不足額を現わしているものも、徴収が非常に怠られまして、これが約六十項から二百三十五項にわたるような厖大なものが、不足額として会計検査院に指摘されているのであります。これは一応不足額を拾い上げただけでありまするが、五十万円以上の分でも、滞納並びに脱税の傾向を持つているものの調査ということを発表するように、私は委員会において要求したのでありまするが、もし大衆の前にそれを発表したならば、今日の租税徴収の状態がはつきりわかるというふうな理由から、政府はそれの発表を拒否しております。こういうものも、民主主義の今日、徹底的に発表して、社会の輿論に訴えなければならぬ性質のものであるにかかわらず、なおそれを怠り、むしろ意識的にそれを怠つているということが、ここに結論として引出されるのであります。  それから源泉徴收の所得税に未払込みの分が非常にたくさん計上されているのでありまするが、これは労働者から勤労所得税として一応会社が徴収し、あるいは一般の利用者から交通会社が交通税として徴収したものを政府に納付しない、あるいは納付する時期をきわめて遅らせて、その間にこれらの金を融通するというふうな不正をやつておるのであります。そのうちに播磨造船株式会社外五名の分も、約四千三百万円の未払込み税額が指摘されておりまするが、播磨造船株式会社は、現に通産大臣の横尾さんが出ていられるような会社であります。そういう会社がこういうことをするのは、もつてのほかであると思う次第であります。  なお国有財産の貸付料に対しましても、これの徴収が怠られております。しかもそれは三菱重工業が一件、二件、三件、四件も指摘されている。このことによつても、政府の保護政策が、こういう財政の遂行面においても、大財閥に対してのみ行われていることは一目瞭然であります。なお先ほど指摘しました播磨造船においては、土地、建物、機械器具、工作物、船舶を貸与されているにかかわらず、その貸与に対するところの貸付料が未払いになつている。さらに吉田総理大臣の女婿麻生太賀吉の麻生鉱業においても、まだ未払いを計上されているという、こうした政府要路の方々が関係されている会社においてさえもかかる状態であれば、吉田内閣において徹底的にこれの徴収が怠られている必然性が、われわれはなるほどとうなずかれる次第であります。こういう点からじて、この決算の遂行に非常に不熱心であるということも認めます。国有財産の売払い代金が概して低位に失するということも、日本国民のひとしく疑惑を抱いている点である。船舶の売渡し価格が、鋼鉄船で約七百四十二艘、木造船において一千七百十三艘、その代金が二億八千三百万円で売渡しておりまするが、これも非常に低価に失するものである。鋼鉄船は昭和十六年を基礎とすれば、約五十倍から六十五倍になつているにかかわらず、これを四倍から十五倍の価格をもつて払い下げている。これは会計検査院の明確に指摘しているところであつて、こうしたやり方によつて、日本の国民がいかに大きな損害をこうむつているか、これらの損害をわれわれは党として承認することができないのであります。それから……。

三宅則義自由党

○三宅(則)委員長代理 委員長からちよつと御注意申し上げますが、本会議が始まりますから、済みませんが、なるべく簡潔にお願いしたい。

井之口政雄日本共産党

○井之口委員 あとは簡単に申し上げます。こういうふうな状態で、政府の歳入の面を拾い上げただけでも、こういうふうになつている。廃兵器類の処理並びに解撤作業に対するところの、政府のまつたく人民の利益を無視したところのやり方等を拾つてみますると、終戦後の予算の一切の罪悪が、ここに最も明瞭になつているような状態であります。とりわけ終戦処理費の使い方でありますが、終戦処理費は実に尨大なる不正、不当事項として、今日会計検査院から指摘されております。中には例の最も代表的な問題ともいわれる二重煙突事件に、大橋法務総裁自身が関連を持つとして、今参議院において小委員会で徹底的に調査されているような状態でありまして、それらの内容を見まする場合に、終戦処理費がいかに、乱雑に使われ、また特別調達庁の内部がいかに腐敗し切つていたかということが明瞭にわかるのであります。終戦処理費の使い方に関する二重煙突事件は、社会党が参議院において徹底的に今追究しているところであります。この点からでも、この二十三年度の決算はおそらく承認できぬものだろうと思うのでありまするが、共産党は、明確に人民の利益が裏切られていることを発見いたしまして、この点を承認することはできない、不承認の意思をここに明瞭に表明する次第であります。その他無数の点が会計検査院によつて指摘されておりまするが、検査院の報告は、そのうちのごく一部にすぎないのであつて、ただ百数十名のわずかな人数によつて、盲めつぽうに上からただ坪刈りをやつたような形のものであります。もつと人民的な組織をもつて、大衆自身が政府の不正を摘発するというような仕組みをしない限り、今日の財政上に起る決算面の不正というものは、防止し得ないとわれわれは考えます。どうしても徹底した民主主義によつて、会計の実施も、もつと人民の利益になるようにやつてみたいものだとわれわれの党は考えている次第であります。これをもつて大体決算に対する反対討論を終ります。

三宅則義自由党

○三宅(則)委員長代理 以上で討論は終局いたしました。  本件につき採決いたします。渕君提出の動議に賛成の諸君は御起立を願います。     〔賛成者起立〕

三宅則義自由党

○三宅(則)委員長代理 起立多数。よつて渕通義君の動議は可決確定いたしました。  なお、衆議院規則第八十六条に基く議長あての報告書は、ただいま決定の通り委員長において作成することに御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

三宅則義自由党

○三宅(則)委員長代理 御異議なしと認めまして、さよう手続をとります。  もう一つ、つけ加えて委員長から申し上げます。昭和二十四年度決算の説明というのを、本委員会の委員長よりたびたび大蔵当局に折衝いたしました結果、今度初めて、昭和二十四年度の決算説明書というものができ上りました。これは予算に対照すべき、大蔵省としては画期的な一説明文でございまするから、本委員会といたしましても、次の二十四年度は、この説明書に基いて慎重審議せられんことを、重ねて委員長から希望いたします。本日はこれをもつて散会いたします。     午後三時三十五分散会

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