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10回国会衆議院1951/03/09

決算委員会 第16号

発言数
77
登壇者
4
会派数
2
開催日
1951/03/09

会議録

三宅則義自由党

○三宅(則)委員長代理 これより決算委員会を開きます。  本日は前回に延期となりました昭和二十三年度決算農林省関係中、食糧管理特別会計を議題とし、審議を続行いたします。当局からは検査院報告事項等について、すでに一応の御説明がありましたので、本日はただちに質疑に入りたいと存じます。  なお過日の委員会で宮腰委員から要求がありました食糧管理特別会計の経理について、大蔵、農林、予算、決算委員会等で論議せられた事項の調べ書は、専門員室で調製、お手元に配付しておきましたから、御参考に供せられんことをお願いいたします。  それでは質疑を許します。井之口君。

井之口政雄日本共産党

○井之口委員 ちよつとお尋ねいたしますが、この赤字の内訳として、総計百二十四億八千三百万円が、ここに表示されております。その内訳が、公団納付金の未納、早場米奨励金、いも超過供出、食管会計より農災保険会計へとして、ここに赤字の内訳が書いてありますが、この公団納付金の未納とか、この赤字の決算は、これはどうしても不可避なものであるか。これは二十四年度十一月調べでありますが、その後今日までの間に、これがどういうふうに整理されているか、その点をちよつとお伺いいたします。

安孫子藤吉食糧庁長官

○安孫子政府委員 内容を申し上げますと、公団納付金の未納は、翌年度早早取立てたと私は記憶いたしておりますが、調査をいたしてみます。年度末の決算の際には残つておりましたところ、そのあとで歳入面に入つて来ておると存じております。それから早場米奨励金と、いもの超過供出でありますが、御承知のように昭和二十三年は、非常に早場米供出がよかつたのでありまして、予算ではおそらく六十億ぐらいになつておつたかと思うのでありますが、実績は八十億ぐらいのものが出たと思つております。それからいもの方も、供出が非常によかつたので、超過供出奨励金が相当よけいに出たのであります。そうしたために、予算上から見ますと、これだけオーバーをいたしておつたのでありますが、もつと広い意味において、食糧の確保という観点から言いますれば、また別の批判もできるかと思いますので、さような考え方をいたしております。これは貸借対照表では、赤字として出ておるのでありますが、そういう実情にありましたもので、私どもといたしましては、経理の面からいえば赤字ではありますけれども、需給の観点から見ますと、赤字という観念に常にからんで来るようなものとは、若干性質の違うものだというふうに、理解いたしておるのであります。

井之口政雄日本共産党

○井之口委員 しかし早場米の奨励金並びにいもの超過供出によつて、これがますます増額して来るので早場米の奨励というふうなこともやめようか、あるいはいも類の統制もやめようかというふうなことが起つて来る原因になるのだろうと思うのですが、またそれは当然輸入食糧とも非常に関係して来るだろうと思つております。一方においてこれだけの奨励金を与えておいても、奨励金だけの努力はない。また奨励金を与えないようになつて、供出なども停止して来るということになれば、それだけの食糧増産をとどめることになる。そして外国の輸入食糧によつて、これらのものがみな圧迫をこうむつて来るというふうな現象に、食糧事情がなつて来るのではないか、こう思うのですが、ちよつとお尋ねいたします。

安孫子藤吉食糧庁長官

○安孫子政府委員 二十三年と申しますと、終戦直後の食糧危機が、若干好転をして来た過渡期の実情だつたと思います。輸入食糧も、終戦直後は、私の記憶ではおそらく六十万トンぐらいしか入つておらなかつたと思います。二十三年度は百七、八十万トンぐらい参りましたでしようが、そういうわけで国内の供出の方もやはり相当強化をしなければならぬ実情にあつたのであります。それから当時の情勢としては、需給がいまだ相当緊迫をいたしておりましたために、食糧のやみ価格というものが相当高かつたのであります。従つて超過供出を推進いたしますためには、基準価格に対して三倍程度の奨励金を出さなければならぬ。早場米等についても、需給操作の面から、十月、十一月の都会地におきまする食の操作上、遅配等をなくしますために、緊急出してもらわなければならぬという事情もありましたので、予算は六十億でありましたが、供出意欲は相当旺盛で、八十億近いものが出ましたから、それを支払い、それが常に輸入食糧の背景においてそういう現象が出て来ておつたと私は思います。それがその後輸入食糧がだんだん順調になつて参りまして、大体三百万トン前後のものがコンスタントに入る状況になつて参りましたので、ここで一応食糧の需給事情は安定して参つておるのが、昨年来の姿であろうと思います。そういたしますと、穀物価格の変動は、御承知のように数量の若干の好転が、価格面には非常に大きく響くのでございまして、そのために、やみ価格というものがずつと下つて参りまして、麦等については、ほとんど公定価格の線を上下しておる。米についても、産地等においては、公定価格よりも若干高い程度に落ちて来ておるわけであります。そのために超過供出の奨励金というようなものも、従来のように三倍を出す必要はないじやないかということで、二倍になり、今年は一・二五倍というように減つて来ている。これは実価のやみ価格の動きというようなものともからみ合つての結論になつておるのであります。  それから早場米奨励金につきましても、どうしても端境期に急いで出してもらいますと、調製等がとかく不十分になります。従つて、二十三年度は非常に早場米がたくさん出まして、そのために都市におきまする需給の上に非常に貢献をしてもらつたわけでありますけれども、その後若干政府の手持ちもふえて来て、端境期における操作も、早場米にそれほどウエートを置かなくてもよろしいというような需給の実情になつて参りますれば、どうしてもこの早場米奨励金というようなものについても、批判の声が出て来るのが当然だろうと思います。しかし私としましては、名前は早場米奨励金とは申しますものの、実体は単作地帯に対しまする一つの農業政策的な意味にも、この内容としてはなつているものだというふうに理解をいたしております。また実情もそういうものだと存じますので、やはり早場米奨励金というものは、存置しなければならぬという考え方をいたしております。二十五年度は六十億を計上しておつたのでありますが、昨今の実情等も加味いたしまして二十六年度は三十億と、早場米奨励金は半額にいたしております。しかしながら、これを全廃するというようなことは適当ではないというふうに、実は考えておるわけであります。

井之口政雄日本共産党

○井之口委員 日本の人口も非常に増加して参りまするし、従つて食糧の需要はどんどん増加して参るわけでありますが、同時に片方において工業の生産も当然増大して来る。そこでその場合に、食糧問題が工業労働者の方面から非常に重大になつて参りますると同時に、これはまた反面生産に当る農民に非常に大きな影響を及ぼす。ところが、ただいまのように早場米の奨励金を減らし、供出面では安くなつて来た。これで配給制度をはずして行くというふうな方針をとつて来れば、それは直接それによつて農民の生産の増加にはならぬし、奨励にもならない。そうかというて、一方食糧はますます窮迫して来る。そうすれば、結局ますます外国からの輸入食糧に依存して来なければならぬ。輸入食糧に依存して来るようになれば、ますます国内の生産に圧迫を加える。こういうふうな道を進んで参りまして、人口増加と比例して見ると、十年先には約七百万トンぐらいの不足量というふうに算定されて来る。この状態を続けて行つたならば、日本の農業というものは、ほとんど衰微してしまつて、食糧事情は決して根本的に解決されるのではなくして、むしろイギリスかなんかのように、国内の食糧では足らず、食糧は主として外国に仰がなければならぬという状況に、当然追い込まれて行つて、そうして将来海軍力を持たず、また国際間の一方的な力に依存しているというふうな状態であつたならば、日本の食糧の危機は、決して解消されるのでなくして、ますます深まつて行くのではないかという危惧をいだくのでありますが、どうでありますか。

安孫子藤吉食糧庁長官

○安孫子政府委員 長期の需給推算を立てて、十分検討してみる必要は、もちろんあるのでありますが、大体常識論から申しましても、私どもといたしましては、食糧を相当輸入に仰がなければならぬというこの実情は、当面しばらく解消しないものだと思います。現在は大体配給食糧の二割五分程度が輸入食糧であります。もちろん根本的に申しますと、かつては米について朝鮮米が一千万石、台湾米が五百万石程度輸入され、しかも内地においては六千万石から七千万石の生産があつた。当時の人口は六千五百万前後であつたと思います。ところが、朝鮮米、台湾米の輸入というものが杜絶をいたしまして、ほとんど将来においてもそう大した期待は持てない。人口は八千万を相当上まわるという状況になりますと、どうしても一面農業生産力の急速な増強をはかることは、もちろんでありますけれども、当面の問題としては、食糧の輸入ということがどうしても絶対的に必要なものだと考えております。この先々の見通しについて、今七百万トンになるか六百万トンになるか、その辺のことは、私どもまだ十分検討いたしておりませんが、ここ当分の間、年間三百万トン前後のものが、どうしても必要であるというふうに思つております。それであるがゆえに、農業生産力に対して、非常に輸入食糧が圧迫をして、農業生産力の増大をはばむことになりはしないかというふうな御懸念の点も、若干お漏らしあつたように存じますけれども、私はさように考えませんので、やはり外国から入りますものは、政府で一手に買い取りまして、政府の手に押えておきまして、これをコントロールして参りまするならば、国際的ないろいろな価格変動が直接的に日本の農村に波及することを防ぐことができますし、一面農業の増産政策について、政府といたしまして全力を傾倒いたしますれば、農業あるいは農村の衰微というようなことなくして、むしろ食糧増産の面からいたしまして、相当農業生産力の増大の方向に向け得るものではなかろうか、それが結局輸入食糧を減らすゆえんになりますので、国民経済的にもそれが健全な道ではなかろうかというふうに大体考えておるわけであります。

井之口政雄日本共産党

○井之口委員 今米米がトン百五十ドル、小麦が約百三ドルぐらいだと思いますけれども、これは日本円に換算いたしますと、日本の買上米よりも相当高い。しかも前に小麦協定を結んだ場合は、かなり低かつたが、今輸入すると、世界の事情から相当高いものになりはしないか、そういうふうな状態のもとに、外国輸入米にまち、しかもその外国の輸入の許可、不許可ということが、ある一定国に支配されておるというようなことになつて来ると、日本人はほとんど食糧問題のために独立することができない、首根つこを押えられてしまうというような、強いブレーキが日本国民にかかつて来ると思うのです。それに対して、いろいろ政府においても、簡単な増産政策というようなものはお持ちでありましようが、根本的に食糧関係の方でも、農業問題は別でありましようが、しかしこの食糧の問題を根本的に解決するという態度をとらずして、いたずらに外国米の高騰、下落に一喜一憂し、またその許可、不許可に一喜一憂するというような政策をとつたならば、日本民族の破滅をもたらすものじやなかろうかと思うのですが、食糧庁においてもつと深くそういうところは考えておいでになるか、この点の将来の長い見通しとして、根本方針を持つておられましようか。

安孫子藤吉食糧庁長官

○安孫子政府委員 根本的には、やはり国内の食糧の自給度をできるだけ急速に高めて行くというのが根本策だと思います。食糧庁で輸入等についていろいろ真剣に折衝いたしておりますのも、これは当面の問題でありまして、根本的には、やはり国内産食糧の増産、増強ということが、基本線であるというふうに考えまして、私どもそういう線で努力をいたしております。

井之口政雄日本共産党

○井之口委員 そうすると、相当程度輸入食糧を削減しても、なおやつて行けるという自信は、政府においてはありませんでしようか。すぐあした、あさつてとかいうことは言わぬにしても、ある一つの計画を持つてやつて行くような方針というものはないでしようか。

安孫子藤吉食糧庁長官

○安孫子政府委員 一応安定本部で、三箇年から五箇年でしたかの日本経済の建直し方のプログラムがありますが、これらで相当増産の効果をあげて、輸入食糧の方を順次減らして行くようなプログラムを持つております。方向は確かにそうだと思います。御承知のように、農業生産力というものは、工業生産力なんかとは相当違いまして、そう急ピッチに上るというようなことはいろいろな点でむずかしい点がありますので、私どもとしては、それが実際的に効果を現わして来るまでには、やはり相当輸入食糧に頼らざるを得ないだろうと思います。しかし、それが国内の生産力を圧迫することがないように注意をしながら、需給の操作をやつて参りたいと思つております。

井之口政雄日本共産党

○井之口委員 今度の小麦の輸入は、オーストラリアからの買付が大分大きな比重を占めるのでありますが、もしそうなつて来ると、オーストラリア方面の価格が騰貴して来るし、イギリスの反対なんかも考えられるし、国際上の情勢で、もつともつとこれが上つて来はしないかと思うのですが、どうですか。

安孫子藤吉食糧庁長官

○安孫子政府委員 濠州は、私どもはあまり期待いたしておりません。アメリカ、カナダが主になります。

井之口政雄日本共産党

○井之口委員 今米の輸入価格は、幾らくらいになつておりますか。

安孫子藤吉食糧庁長官

○安孫子政府委員 一刻々々違いますが、トン百四十ドルから五十ドルの間であります。

井之口政雄日本共産党

○井之口委員 それは日本のに換算して、どれくらいですか。

安孫子藤吉食糧庁長官

○安孫子政府委員 換算しまして五万四千円、一石にして七千円です。

井之口政雄日本共産党

○井之口委員 穀類に対する価格補給金は、次第に減らして行く方針ですか。

安孫子藤吉食糧庁長官

○安孫子政府委員 できるだけ減らして参りたいと思います。そのほかに米価の建て方の問題が一つ議論になつて来るわけであります。これは御承知のように生産費主義で行くか、パリテイで行くか、あるいは国際価格へのさや寄せというような線で行くか、いろいろありますけれども、現在の米価はほかの物価に比べて、私どもは比較的安いと考えております。これを上げて参りますと、結果において、米について申しますれば輸入補給金で行くという方向になつて来ると思います。

井之口政雄日本共産党

○井之口委員 輸入補給金を減らしまして、次第に米価を上げて行く、こういう方針でありますか。

安孫子藤吉食糧庁長官

○安孫子政府委員 輸入補給金を減らすために米価を上げて行くという考え方は、いたしておりません。米価をきめるのにどういう方式できめるかということが、根本的に問題になると思います。農林省といたしましては、大体一貫いたしまして、生産費主義というやり方によつて米価の生産費を算定いたしまして、それによつて米価をきめて行きたいという考え方を持つております。また一方、現在はパリテイ計算方式によつてやつております。どちらの方式をとりますか、これは近いうちに米価審議会の専門委員会等によつて検討いたして参りたいと思つております。そういうことで適正米価がきまりました場合には、国際価格との差の輸入補給金は、当然政府としては出さなければならぬかと思います。それを減らすために米価を上げるというような考え方は、とつておりません。

井之口政雄日本共産党

○井之口委員 大蔵省においては、価格補給金の方から問題にして来る、おたくの方は、こつちの方から問題にされて来るようでございます。しかしいずれにしろ、価格補給金が客観的に次第次第に減つて来て、そうして米価が上るということが、大勢上不可避である。それのみならず、こういう戦時的な国際上の緊迫が生じて参りますると、米の輸入に対する価格が、国際的にも上つて来る。そうしてまた今の配給制度を維持して行きまする以上は、公団に対しまして資金の供給というふうなものを増加するのじやなかろうか。現に百七十億の繰入れに対して、政府側の声明はやはり米価の騰貴その他によつて資金を必要としているからこれをやるのであつて、決して赤字の補填じやないのだ、欠損じやないのだというふうな答弁もあつたようでありますが、今後でも、もしそういう傾向があれば、さらにさらにこれらの金の財政からのつぎ込み方がふえて行くように思いますが、どうですか。

安孫子藤吉食糧庁長官

○安孫子政府委員 これも十分御承知かと思いますけれども、今後の問題としては、この三月末で公団がなくなつてしまいます。食糧配給公団が廃止になりまして、そうして政府から直接卸売業者に米を渡す、それが小売を通じて配給されるという形になつて来て、公団に対するつぎ込みという問題は、今後としてはないわけであります。

井之口政雄日本共産党

○井之口委員 そうすると、私人の資本の運営によつてやつて行くということになるわけでありますが、そうするとその私人の資本の供給というものは、特別に何か法制を設けて、そうしてそれに融資とかいろいろなことをはかられる意思があるのですか。

安孫子藤吉食糧庁長官

○安孫子政府委員 結局その人の信用等によりまして資金を調達して、その事業をやつて行くということでありまして、別途の法制等を考えて、資金をそこに流してやるということは、ただいまのところ考えておりません。そうでなくして、現在のそうした卸売業者の実力等によつて、やつて行けるものだというふうに思つております。

井之口政雄日本共産党

○井之口委員 今度いよいよ今までの配給機構の総決算をやる、この機構が今まで利益を得て国庫に入れたもの、それから欠損をして国庫からもらつたもの、あるいは資金として今日残つておるもの等々を決算してみてどれくらいのプラスが出るのかマイナスが出るのか、従来の食糧管理会計の総決算、この全国の大きな事業の総決算は、どういう結末に到達する予定でありますか。

安孫子藤吉食糧庁長官

○安孫子政府委員 食糧配給公団は、今月末で総じめになりますので、全部のたなおろしをやるわけであります。その見通しは、若干の黒字—大体十四億ぐらいのプラスでもつて清算ができるのじやないかと思います。

井之口政雄日本共産党

○井之口委員 これから先は、また昔の蠣殻町の相場が、米の上において成立するのですか。あるいは公然と——法律上はそれを押える法律があるにしても、やみ的なそういう大相場が、食糧の上に実現して来る傾向になつて来るのですか。

安孫子藤吉食糧庁長官

○安孫子政府委員 これは米と麦にわけて考えた方がよかろうかと思いますが、米については、供出制度を全面的に実行して参りますから、生産者が売るのは政府以外に売りません、それから政府が買いましたものを、卸売業者を通じ、小売業者を通じて、一つのレーシヨンをきめまして配給をいたしますので、公団がなくなつて民営の卸売業者と小売業者ができたというだけであつて、基本的にはかわつておりませんから、従来十年前ぐらいにありましたような堂島とかあるいは蠣殻町の相場が立つということは全然ございません。もちろん今でもやみ値段というものが局部的に出ておりますけれども、こういうものは今後も残ると思いますが、合法的な意味においての取引所なんというのは全然考えておりません。そんなことはないと思います。  麦については、いろいろ議論はありますけれども、今年の麦については、自由にしようと考えております。そういたしますと、そうした大きな相場が立つかどうか、これは私はおのずからできて行くと思いますけれども、米と違いまして、麦の方は従来製粉資本の方が勝つております、実需者として勝つておりまして、また協同組合等も、全販系統を通じまして、大体販売統制が行われるようになるのじやないか。そういたしますと投機を目的といたしましたような清算取引などということは、穀物については、ここ当分考えられないものだと思います。

井之口政雄日本共産党

○井之口委員 食糧証券は、今まで総計してどれくらい出ておるか、それの始末はどうなつているか。

安孫子藤吉食糧庁長官

○安孫子政府委員 これは従来年度ごとに第何回発行というようなことでやつておりますから、総計と申しますと今ちよつとわかりませんが、大体年度内における発行限度が千七百億でございます。

井之口政雄日本共産党

○井之口委員 それは日銀にあるわけですか。

安孫子藤吉食糧庁長官

○安孫子政府委員 大部分日銀でございます。

井之口政雄日本共産党

○井之口委員 これは日銀以外にも出ておりますか、どういうところに……。

昌谷孝農林事務官(食糧庁総務部主計課長)

○昌谷説明員 最近の食糧証券の発行の引受先別の調査を申し上げます。一月十六日で調べたものを申し上げますと、九百十五億の発行をいたしております。限度に比較いたしますれば、大分下まわつておりますが、これはこれ以外に国庫の余裕金をまわしていただいておりますので、食糧証券として発行しておりますのは九百十五億にとどまつております。九百十五億は大部分が、最近の実情から申しますと、見返り資金でもつて持つております。見返り資金の運用の余裕がございますので、それを使つておりますものが、九百十五億のうちの四百六十九億になつております。それから預金部で引受けになつておりますのが二百三十五億、それから市中銀行、その他閉鎖機関でありますとか、住宅公庫の余裕金、そういつたものを使つて消化されておりますものが、二百七億であります。日銀引受けになつておりますものは、本年は非常に少うございまして、三億八千万円、約四億にとどまつております。これは見返りなり預金部なりの運用残が出ておりますので、そういつた金融政策上の考慮で、日銀引受けが減つておるということになつておると思います。これは一般市中金融の繁忙閑散というような度合いによりまして、この引受け先は違つておりますが、一応一月十人目はそうなつております。

井之口政雄日本共産党

○井之口委員 それでは今度いよいよ閉鎖することになりまして、この証券類が全部処理がつくのですか。それまで入れて全部償却して、これは十四億からの純益が残るわけでありますか。

安孫子藤吉食糧庁長官

○安孫子政府委員 私御説明が不十分だつたと思いますが、ただいまの証券関係はこれは食糧管理特別会計の資金運営についての方法としての証券なんでございます。今度廃止になりますのは、それとは別に食糧配給公団というものがございます、この方が解散になるわけであります。この方は食糧証券等の運用というものはやつておりません。これは政府から予算をもつて金を出しまして、それで事業をし、人件費をまかなつてやつておるわけでございます。食糧庁から食糧を買いまして、それを配給しておる仕事でございます。それからそれを売るという操作の上で、食糧庁としては食糧証券を使つておりますが、今度廃止されます食糧配給公団は、この証券関係とは全然無関係でございますから、補足して申し上げておきます。

井之口政雄日本共産党

○井之口委員 そうすると、証券関係はどうなりますか。

安孫子藤吉食糧庁長官

○安孫子政府委員 食糧証券関係は、従来通りずつと食糧庁の特別会計において運営して参ります。だから残ります。

井之口政雄日本共産党

○井之口委員 現在九百十五億あるのですが、これは閉鎖される場合に、もつと減りますか。

安孫子藤吉食糧庁長官

○安孫子政府委員 証券関係は、食糧を買うのが時期的に偏在しておるわけでございます。御承知のように、十一月ころから三月ごろまでに米をずつと買い込みまして、それを年間ならして売つて行くわけであります。入る方が、年間収入としては平均的に入つて来る、買付の方は一時的に殺到して来ますから、それで買うときに、資金操作の上でどうしても借りなければならぬ時期が来る。その借りるのを、証券をもつて政府が調達しておるという関係になりますので、年間を通じて考えますれば、証券で借りたものは、一年のうちに全部なくなる。残つておるものは、今証券として見合うものが現物として残つておるという関係になりますので、証券がゼロということはありませんけれども、そんな形において毎年毎年繰返されておるわけであります。

井之口政雄日本共産党

○井之口委員 今会計年度でも、そうなるわけでありますか。

安孫子藤吉食糧庁長官

○安孫子政府委員 その通りでございます。

三宅則義自由党

○三宅(則)委員長代理 それでは食糧庁長官に、私から質問いたさせていただきます。ただいま食糧庁長官安孫子君より、詳細な御説明がありました。過日も、この委員会におきまして質疑をいたしましたから、大部分省略する点が多いと思いますが、一、二関連をしまして、質疑を続行いたします。  食糧庁長官がおいでになりましたから、食糧配給公団、こういうものに対しましても、おそらく心配をしておられることだろうと思いますが、これが解散なり、閉鎖になるということになりまして、あとに引継ぎましたお米の取引所といいますか、あるいは分配所といいますか、もしくはこれらの集散所といいますか、末端においては、必ずしも混乱を来してないと思いますが、それらに対しまして、食糧庁長官といたしまして、日本の米価問題、もしくは米の配給その他の需要供給に関する点について、一応簡単でけつこうですが、今日の現状といたしまして、末端の方はどうなつているかということを、御説明願いたいと存じます。

安孫子藤吉食糧庁長官

○安孫子政府委員 大体これはアメリカの会計年度で申しますと、一九五一年の七月ごろまでの見通しでありますが、輸入食糧は三百万トン近くのものが入る見通しであります。従つて需給操作の面では、さらに心配はないと考えております。ただ消費者の生活において最も重要な点は、二合七勺が確実に配給されるということのほかに、二合七勺の配給量のうち、米の率がどれくらいであるかということが、最も家計に響くところでございます。大体から申しますと、半分が米で配給をされておるという実情でありますが、この五〇%の配給が、四〇%に減るということになりますと、やみ米を買わざるを得なくなる実情のものが多くなる。それが非常に家計へはね返つて来て、家計費にまた悪影響を及ぼすというようなことで、問題があるのでありますけれども、五〇%程度の米食率の維持もできると考えております。しかるがゆえにと申しますか、こういつた背景のもとに公団をやめまして、民営の卸小売への切りかえを実行いたしておるわけであります。この三月末をもつてこの切りかえを実行いたしたいと考えております。そのために、公団のたなおろしでありますとか、卸に対しまする売却、その他小売のいろいろな措置を、ただいま食糧庁といたしまして大わらわになりまして実行し、作業をいたしておる次第であります。非常に困難な仕事でありますけれども、私どもといたしましては、消費者に御迷惑をかけないで、この切りかえができるという確信を持つております。大体食糧については、消費者の方々も御心配なくお過しになつてけつこうだというふうに申し上げることができると思います。

三宅則義自由党

○三宅(則)委員長代理 さらに委員長から質疑を続行いたします。麦については、もちろん統制をはずすことができると確信をいたします。この五月ないし六月の取入期を控えまして相当頻繁に出るものと思いますが、いわゆる九月、十月の端境期も完全に乗り切れる確信があるように承つてさしつかえないでしようか、もう一度承りたいと存じます。

安孫子藤吉食糧庁長官

○安孫子政府委員 年間の需給推算の面並びに輸入食糧の現状から申しまして、九月、十月ごろは、米の端境期にはなりますけれども、ただいまのところ輸入食糧も順調に入つて参つておりますので、重ねてのお尋ねでありますけれども、食糧の需給については心配はないと私ども存じます。

三宅則義自由党

○三宅(則)委員長代理 端戸期も決して心配ない、こういうような御答弁であると了承いたしました。  次に、非常に末端のことを伺いますが、食糧配給公団がなくなつて、米屋というものが各地にできたわけです。これについて政府が、統制じやありませんが、いろいろ監督をしておられますが、これにつきましていざこざがありましたり、国民に不便がありましたのでしようか、承りたい。

安孫子藤吉食糧庁長官

○安孫子政府委員 末端の小売でございますが、小売は三月一日から民営に移管する予定であつたのであります。それが御承知のように運賃プールその他で、われわれの考えておりましたような方向が、司令部との関係において実現をしなかつたために、事務が遅れまして、結局実質的な民営切りかえは四月一日に一箇月延びたのであります。そのために、公団系統は別として新規の小売業者より、三月一日から営業を始められるものだと思つておつたのに、一箇月遅れたのは、はなはだけしからぬというような話が、相当ございました。陳情も受けたのでありますが、実情を十分話しまして、大体今のところ納得していただいて、この四月一日からの切りかえの準備をいたしておるような実情でありますので、そうしたいざこざはないと考えております。端的に申しますと、公団系統の小売と新規の小売との間に、感情的なトラブルはあると思いますけれども、これも営業を開始いたしまして半年なり一年なり経過をいたしますれば、漸次解けて行くものだろうと思つております。

三宅則義自由党

○三宅(則)委員長代理 もう一言つけ加えて質問をいたします。新聞に出たもので、確実なものではございませんが、いろいろインチキな登録店ができておるといつておられましたが、そういうことについて、どういう監督をしておられるか、わかりましたら御答弁願いたいと思います。

安孫子藤吉食糧庁長官

○安孫子政府委員 新聞等に、従来かつぎ屋だつた者が登録されたとかなんとか書いてありましたが、実情はそれほどではございません。従来米とかそういうものにあまり縁のなかつた者が、若干登録を獲得いたしまして、小売をいたすことになつた人もあるようでございます。しかしながら、やはりそれだけの資格を持つて出て参つたのでありますから、当然これは認めるべきであつて、また営業を始めますれば、食糧配給の一つの機関といたしまして、健全に育て上げて行かなければならぬし、またそうした気持を、みんな持つておると思つております。いろいろ世上新聞等をにぎわしておりましたけれども、実際はさようなことはないというふうに見ております。

井之口政雄日本共産党

○井之口委員 六月ごろの持越米が約二百万トンぐらい——これは毎年そのくらいあるはずだと思いますが、それは内地産並びに輸入全部入れてであるかどうか。それから、時期によつて在庫が大分かわりますでしようが、大正年間に、日本では米の量が非常に逼迫して米騒動のようなことを起したことがある。そういう場合に備えて、政府は後に一定米を確保して、これを保管する制度を採用したのでありますが、将来ああいう制度をやる必要は起らないのでありますか。今輸入したものは政府が所有しているでしようが、それはすぐどんどん売つて行つて、結局六月に二百万トンの所有ということになるのですか、その辺を。

安孫子藤吉食糧庁長官

○安孫子政府委員 六月末の二百十万トン程度のものは、輸入食糧と内地のものと全部入れてのストックであります。大正年代の米騒動の場合のお話でありますが、実はあの時分は、食糧操作に関しまする統制というものは一つもなかつたのであります。蠣殻町なり堂島の相場が支配をしておりまして、それが御承知のように富山県の一漁村から端を発しまして、全国に波及して米騒動を起したのであります。それで非常にあわてまして、時の政府が、このままではいかぬということで、農村政策的に、あるいは消費者の生活のために一定数量を買い上げる米穀法を制定いたしたようなわけであります。それがだんだん情勢の推移に伴いまして、米穀統制法は最後はかわつて最低価格による政府の無制限買い入れ、最高価格による政府米の無制限売却、そういうものができました。それから戦時体制に入りまして全面管理をやつて今日に至つております。従つて、ただいまの全面管理は、これほどきつい統制はないのでありまして、この統制下におきまして、大正九年、十年当時の米騒動のような事態は、ああいう形においては起き得ないと思つております。

井之口政雄日本共産党

○井之口委員 全面管理でなくして……。

安孫子藤吉食糧庁長官

○安孫子政府委員 今度、麦については自由にいたしますけれども、しかし政府は、一定価格によりまして無制限に買うことでありますから、相当買えると思つております。もう一つ米については、やはり方針をかえておりません、これは全部管理されております。麦については、全所要量の、大体国内産のものは三分の一でございます。三分の二が輸入のものでありまして、これを全部政府が管理いたします。端的に申しますと、米は従来と変化なく、麦については、三分の二の輸入麦が全部政府の管理になり、三分の一の麦が国内的に自由になるということでありますので、大勢として問題は現われて来ないのであります。

井之口政雄日本共産党

○井之口委員 そうすると、結局外国食糧の依存度は依然として継続して増加し、そうしてそれを完全に克服する自給態勢に対する効果的なる方針は、食糧庁の方ではないでしようが——また農林省の別個の管轄になるのでしようが、そういうものを見出さぬというところから考えて来ますと、この食糧問題の基礎は、やはり輸入も許可され、その価格のいかん、それによつて日本の農業がどんなに破壊されるかというふうな点に、結局みな集中して来て、日本国民としては、この食糧に対するところの不安がやはり除けないということを感ずるのであります。とりわけ今日のように朝鮮事件が起つて、いつこれが戦時体制へもつと強化されて行くかもわからない。そういたしますと、食糧に対するところの管理は、またまた全面管理の方へ近づいて行く危険性も十分に考えられる。こういうような不安も、われわれは今のお答えから感ずるのでありますが、政府としては、もうそれよりほかに行く道はないと思うのですか。何か特別な計画というものを政府は持たれていないか、明確なる方針は持つておられないのか、最後の結論としてお伺いいたします。

安孫子藤吉食糧庁長官

○安孫子政府委員 どうしても国内の自給度の向上ということが、先決問題であります。大臣も、そういう意味において興農運動というものを展開いたしまして、米麦についての一割増産を、農民の協力を得て実行いたしたいということで、いろいろ財政支出の点も考え、あるいはまた金融措置も考えてやつておるわけであります。またこれが販売等につきましても、生産の方面につきまして、協同組合の健全な発達ということが一つの基盤になりますので、その点についても、いろいろ御心配になつておられるのであります。そうした面は、生産者各位の全面的な協力を得まして、これが実行されるというときになりますれば、結論的に輸入食糧が減つて参ることになろうかと思うのであります。私どもといたしましては、それとにらみ合せまして——しかしながらいたずらにそれのみを期待できないものでありますから、輸入食糧の確保という点も並行的に努力いたしておりまして、しかして国内の生産力がそういつた施策によつて高揚いたしますれば、輸入食糧を減らしまして、自給度の方を高めて行きたいと思つております。

井之口政雄日本共産党

○井之口委員 それでは、最後にもう一つお尋ねいたします。朝鮮、台湾方面からの米の輸入も見込みがないという先ほどのお答えでありましたが、将来中華人民協和国並びにベトナム協和国、あるいは麦類に対しましてはシベリアが非常な増産計画を立てております。そういう方面と日本の緊密なる食糧の貿易関係を結ぶことによつて、この食糧問題の不安を除くというような遠大なる方針が政府において立てられておるか、この点は全然不可能であるとして投げておるのか。向うからならば、運賃も非常に少い。それから中華人民協和国においては、農業が機械化される傾向にどんどん進んで参つております。そうしてみますと、もしこれがあの広大な地面において、一億の人間によつて大きく農業が発展し、生産力が機械によつて発達して来るとすれば、そういう方面からの輸入ということも日本の食糧問題を解決する根本のかぎになるのではないかと思いますが、政府としては、そうした方面に進んで行くことは不可能なのか、あるいは何か障害があるのか、あるいは可能でぐんぐんやれるとお考えであるか、その点を最後にお尋ねしてみたいと思います。

安孫子藤吉食糧庁長官

○安孫子政府委員 私見にわたつて恐縮でありますけれども、中華民国の食糧については、いろいろ機械化をやろうといたしましても、相当あそこは自給度が困難だと私は見ております。満州は別問題であります。

井之口政雄日本共産党

○井之口委員 満州も中華人民共和国に入つております。

安孫子藤吉食糧庁長官

○安孫子政府委員 入つておりますけれども、あそこの問題は、輸送路の問題がネックでありまして、全般的に申しますと、大体において自給ができるはずのものでありますけれども、奥地と海岸寄りの都市地域との間の流通というものが、なかなか円滑に参ませんので、むしろ外国から物を入れた方が安く円滑に行くというようなのが、その特性だつたと思つております。従つて、上海にしろ北京にしろ、天津にしても青島にいたしましても、ほとんど外国産の小麦でもつて大部分やつておつたというような実情であります。そうした経済関係あるいは政治的情勢の障害が除去されるならば別として、しからざればなかなか困難と思います。それから朝鮮でありますけれども、これは私どもも若干朝鮮米の輸入に期待を持つております。ただ現状をもつていたしますと、相当生産力が破壊されておるのではないかと思います。これが軌道に乗つて参りますれば、朝鮮といたしまして相当の輸出力を持つと思つております。台湾も昔日の比ではありませんけれども、若干の輸入は期待できると思つております。

井之口政雄日本共産党

○井之口委員 ただいま安孫子長官のお考えで、中国は輸送路の関係のために非常に困難だ、だからそこからの輸入はほとんど見込みがない、向う自身の自給さえもできないようにおつしやいましたが、これは国際上の知識をもしもう少し御研究なさいましたならば、向うの輸送路の開発というものは、ここ二、三年のうちに三倍になる大きな計画をしております。しかもこの計画は、実現する可能性が十分にある。これは向うの計画経済の本質から当然結論されるのであります。そういう点も考えて、将来の日本の食糧問題の解決のかぎになる点を見落さないようにすれば、もつと正確な方針が立つのではないかと思います。これを申し上げておきます。

三宅則義自由党

○三宅(則)委員長代理 それでは安孫子長官にもう一、二点追加的な事柄を御質問いたします。当委員会で聞くのは、委員会違いかとも存じますが、せつかくおいでになりましたから、関連してお伺いいたしたいと思います。  地方をまわりますと、米価に関しまして、肥料に対する補給金が切られることになりまして、補給金を切られたその差額と申しますか、その額だけが買上げ米価になつて来ればよろしいのですが、それ以上に差額がありますと、非常に困るということを言つておるのでありますが、政府といたしまして、何か対策を持つておられますか。ただ補給金を切る、将来の米価はあとで考えるというような意味でしようか。もしその辺の御構想がありましたら、承りたいと存じます。

安孫子藤吉食糧庁長官

○安孫子政府委員 大体政府の今までやつております方法並びに考え方から申しますと、現在米価は、パリテイ計算でやつておりますから、そのパリテイ計算の基礎になります諸物資が値上りをいたしますと、その分だけ農業生産の上に影響を持つて来るということになります。去年の暮れに米価をきめたわけでありますが、今年の九月だと思いましたが、九月までのパリテイの上昇あるいは下降——現在からいえば上昇でありますが、そうしたものを織り込みまして一年間の総決算をやりまして、そして差額についてはバツク・ペイするような建前になつております。従つて肥料が上つてそれがパリテイ指数の上に結果的に現われて来ると思いますので、そういたしますれば、直接的ではありませんが、間接的に肥料の値上りが現実にあつたといたしますれば、それがパリテイ・ナンバーを通しまして、追払いされて行くというような筋道になろうかと考えております。

三宅則義自由党

○三宅(則)委員長代理 今の御説明において、大体了承したわけです。これは希望でありますから、御答弁はむずかしいかと存じまするが、供出代金についての支払いを早くしてほしいということは、全国的に津々浦々の各農民の要望だろうと思うのであります。もちろん政府といたしましては、いろいろな機関にかけまして最後の価格を決定しなければなりませんから、そう単純には行きませんでしようが、何かもうちよつと早くお支払いなさる御用意と御努力がありましようか。ありましたら、ひとつ承りたいと存じます。

安孫子藤吉食糧庁長官

○安孫子政府委員 米価なり麦価の支払いについては、非常に問題がありまして、前には組合等でまとめまして、組合に払つて行くというようなことで代金の支払いが遅れておつた。それははなはだ生産者に対して迷惑でもあるし、よろしくないということで、実は今個人払いをしておるような状況であります。その場合は、検査をいたしまして政府が買入れをいたしますと、ただちにそこでその生産者に対しまして、支払い証票を発行いたします。これは小切手のようなものでありまして、それを銀行なり、信用組合に持つて行きますれば、もちろん預金として入りますが、現金にもかわるわけでありまして、そうしたわけで、ほとんど現金払いに近い支払い制度をとつております。だから、建前といたしましても、ただいま委員長の御指摘のありましたようなことには、ならないはずのものでありますが、実情は、協同組合等において末端でそれをまとめてやつておる。それが個人々々に行きますときに、必ずしも円滑にその代金が渡らぬというような点が一つございます。これは組合を通じて、できるだけ解消するように努力いたしております。それから、もう一ついろいろ不幸が出て参りますのは、米価の決定が、去年なんかも十二月の末になつたのであります。ところが、実際は早場米は九月の半ばごろに出ておる、最盛期は十一月、十二月である。ところがこの場合、米価がきまりませんために、前年度の三等米の価格を暫定価格といたしましてそれで支払いをして、そして十二月に本価格がきまりますとその差額を払つておる。一面供出をさせながら、その代金もきめないでやつておるのはけしからぬというのは、もつともなことだと思うのであります。このために、米価をできるだけ早くきめたいのでありますけれども、いろいろ現在の客観的な情勢からいたしまして、打合せする箇所も多いし、そのために延び延びになつておるのでありますが、本価格がきまりますれば、ただちにその差額については、先ほど申しましたようなやり方によつて、支払いをいたしておるのであります。地方をおまわりになりましてお話が出ましたならば、そこの協同組合において、ほんとうに事務処理をうまくやつておられるかどうかという点もお確かめ願いますと、よほど問題がはつきりして来るかと思います。政府といたしましては、個人々々に小切手支払いをするというような制度までも、実はやつておるような実情であります。

三宅則義自由党

○三宅(則)委員長代理 ただいまの安孫子長官のお話によりまして、末端の方にも早くやるということを示されて、よくわかりました。中には協同組合等におきまして、多少事務の煩瑣もしくは渋滞ということが、なきにしもあらずでありますから、よく注意をいたしたいと思います。  次に、これに関連してもう一、二点追加させていただきまするならば——これは俗つぽい質問でありまして、政策的な質疑というわけではないかもしれませんが、早場米というのは、御承知の通り東北地方、あるいは関東の北部であるとかいうような所はできるのですが、中部地方、あるいは近畿、中国、九州というようなところになりますと、早場米ということは言えないところがあると思うのであります。ですから、この早場米というものは、もちろん端境期でありますから、早くほしいという政府の要望は、当然のことでありますが、生産者側といたしましては、産地別に早場米をきめたらどうかと思うのであります。たとえば東北は九月の末日、中部地方は十一月の末日とか、あるいは近畿地方は十二月末日とか御指定なさるのが、ほんとうの早場米ではないかと思つておるのでありますが、やはりそういうことは時期的にやるべきものではなくて、九月なら九月一ぱいを早場米と称し、あとはどんなに出しても早場米ではない、こういうふうに一律的にやつた方がいいというお考えでありますか。これはたいへん俗つぽい質問でありますが、私見でもよろしゆうございますから、参考にお聞かせ願いたいと思うのであります。

安孫子藤吉食糧庁長官

○安孫子政府委員 御承知かとも思いますが、早場米の奨励金は、四期にわけた時代がありますが、現在は三期にわけております。九月までが第一期、十月十五日までが第二期、十月末日までが第三期というふうにわけておりまして、地域的なわけ方はしておりません。それから、その時期によりまして奨励金の額が違つて参ります。早い方が需給操作上効果的だというので、第一期が八百円、第二期が五百円、第三期が三百円というふうにわけております。従つて全国的に量の多少はありますけれども、三期までのうちには若干ずつ若干の県は入つております。西の方では、たとえば高知なんかは二期作地帯でありますので、相当早場米が出ております。それから岐阜県、あるいは滋賀県なんかでも、北の方の高島郡あたりでは相当早場米が出ております。そういうようなことで、地域的に限定しないで、時期的に限定しております。そのために、それまでに出たのは、どこのものでもよろしいという建前にしております。

三宅則義自由党

○三宅(則)委員長代理 よくわかりました。  次に、大分最後々々がたびたびになりましたが、食管特別会計というのは、国策の上におきまして重大な問題であります。幸い安孫子長官は、経験の深い官吏でありますから、よく部下の方を督励せられまして、過去におきますような多少いかがわしい問題のないように、よくその方の監督を厳にせられ、また日本の食糧事情を満足させるために、万全を期せられたいと思うのでありますが、本委員会に対しましても、ひとつ長官から決意のほどをお示し願えれば幸いであります。

安孫子藤吉食糧庁長官

○安孫子政府委員 食糧管理特別会計につきましては、よけいなことを申し上げるようでありますけれども、この会計の運用につきましては、若干農業政策的な意味が加味された性質のもので、当初スタートしておつたのであります。従つて、何と申しますか、いわゆる赤字というものは、そういう政策的の意味においてならやむを得ないという感覚のもとに、長いこと運営されて来ておつたのであります。もちろん基本的には、会計の整備ということが基本でありますけれども、そうしたことがあつたのであります。ところが一昨々年ごろから、特別会計の収支の均衡、あるいは独立性というものが、非常に強調されましたために、その面に相当私どもとしても努力いたして来ております。しかしながら、一面伝統的にあります農業政策的な意図を全然払拭いたしまして、独立性あるいは収支の均衡性ということだけでもつてやり得ない因子が、食糧にはあるものだと思つております。従つて、そういう点から、またそれを若干逸脱しておる点もあろうかと思いますが、そうした面からいたしまして、いろいろ批判をいたし、またわれわれも反省しなければならない点が多々ありまして、この委員会等におきましても、いろいろ御注意をいただいておるのであります。この点につきましては、私どもできるだけそうしたことのございませんように、なお一層の努力をいたしたいつもりでおります。またさような政策上、どうしてもそうせざるを得ない問題につきましては、きわめて公明にその問題を処理して参りたいと存じております。いろいろ御注意の点につきましては、できるだけ努力をいたしまして、そうしたことのないようにいたしたいと思つております。

井之口政雄日本共産党

○井之口委員 食管特別会計には、政策的な面を加味して、赤字もやむを得ないという考えがあつたというようなお話でしたが、しかし価格補給金が出ているのだし、買うて売つた金は出ているのだし、そろばん上は、そういうものは成り立ち得ないように思うのでありますが、どういう点がそういう農業政策をこれに加味せられて、やはり会計上出すべからざるものが出て行くというふうになるのでありますか。

安孫子藤吉食糧庁長官

○安孫子政府委員 これは出すべからざるものを出すという意味ではありませんので、端的に一例を申し上げますと、たとえば早場米奨励金というようなものであります。こうしたものは、予算上六十億組まれておる。しかしながら、供出意欲が相当旺盛で、かりに八十億つまり予定以上に物が出た。それを押えるかという場合には、それはやはり押えるべきではない。予算の積算の際には六十億であつたけれども、現実にそれだけのものが農民から供出されるならば、やはり八十億の支出もやむを得ないのではないか、そういう意味において申し上げておるのであります。また一面、早場米奨励金なんかをやめたらいいじやないかという議論も、会計の面からはあり得るわけであります。これは財政当局なんかも、相当強くその点は主張いたしておるのであります。しかしながら、農業生産者の立場を考えますれば、これを一挙にやめることは適当でないというので、二十六年度においても三十億を組んでおるのでありまして、そういう意味において申し上げたのでありますから、どうぞ……。

三宅則義自由党

○三宅(則)委員長代理 もう一つ追加しますが、生産者の価格と消費者の価格というものは、二重というふうに考えられるわけであります。これは非常な国策の問題でもあるし、あるいは将来の問題になるわけですが、地方をまわりますと、農業者の方は、なるべく高く買つてもらいたい、また都市の人は、なるべく安く売つてもらいたい、こういうわけで、常に米価審議会等においても検討を加えられておることと思うのでありますが、食糧庁長官といたしましては、もちろんその方の担当官でもあるし、また実際をよく知つておられるわけでありますが、最後はやはり生産者のことを中心に聞くことになるのでありましようか、その辺を参考に聞かせていただきたい。

安孫子藤吉食糧庁長官

○安孫子政府委員 非常にむずかしい問題でありますが、結局生産がありましての配給でありますから、やはり基礎は生産者価格というものに重点を置いて考うべきものであろうと思います。その結果、配給価格がそれほど高くならないように、中間経費の節約でありますとか、あるいは一部御議論がありますように、これは大蔵大臣は絶対に反対をいたしますけれども、食管特別会計の中の人件費、事務費等五十億あつたと思いますが、こういうようなものは一般会計で持つ行政費じやないか、行政費であるがゆえに、これを消費者価格にかけないで、行政費として一般会計から繰入れるというような建前にして、なるべく配給価格を安くするというような方策も、あわせて考えなければいかぬというふうに存じます。

三宅則義自由党

○三宅(則)委員長代理 ほかにございませんか。——それでは、本日は安孫子食糧庁長官が出席せられまして、各委員との間に熱心なる質疑応答が開陳せられました。これをもちまして食糧庁関係は終了することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

三宅則義自由党

○三宅(則)委員長代理 御異議なきものと認めます。それでは食糧庁関係はこれをもつて終了いたします。  以上で昭和二十三年度決算の審議は、予定通り終了いたしたと存じまするので、これで一応質疑は打切りたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

三宅則義自由党

○三宅(則)委員長代理 御異議なきものと認めます。  次会は追つて公報をもつてお知らせいたします。  本日はこれをもつて散会いたします。     午後四時二十五分散会

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