決算委員会 第12号
- 発言数
- 16 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1951/03/01
会議録
○菅家委員長 ただいまから委員会を開きます。 議事に入る前に、ちよつと御報告申し上げておきたいことがありますので、一応お聞きとりを願いたいと思います。 去る二月十二日でありましたか、司令部の渉外局渉外課長を通じまして、ウイリアムス氏が、両院の決算委員長に会見したいという話でありました。二十二日ということでありましたが、ちようど向うの都合がありまして、二十三日の十時半に司令部に参りまして、ウイリアムス氏に会見をいたしましたところが、ウイリアムス氏でなくて、リゾー氏が会うということになりまして、私と参議院の決算委員長両名でリゾー氏に会見をしたのであります。そのおもなる点を御参考に——別段に報告せよという話もなければ、また何らの命令でもなければ、むしろ向うから国会の意見を聞かせてもらいたいというふうなことでありまして、この内容は、かなり多方面にわたる事柄でありますが、第一に向うから尋ねられたことは、決算の報告が非常に遅れているという点であります。たとえば、二十三年度のものが今会計検査院からまわつて来てやるというようなことで、今度の会計検査院法の改正の運用の状態はそれでいいか、どうしてそう遅くなるものであるか、この前自分たちが調査したところによつても、四六年度、四七年度になつて、四三年度の分の決算をやつているということでは、ほんとうの意味の会計検査が適正に行われていることにならないじやないか、こういうように遅れているのはどういうことだろうか、それらに対する意見を求めるということが第一です。これに対して私どもは、それぞれの立場から意見を述べたのでありますが、リゾー氏の言うのには、大体今われわれ二十四年度のものが政府から来ているので見ておる。テーブルの上にありました英文の二十四年度の報告書を見ておつたようであります。今まででありますと、政府は大体関係方面のオーケーを得なければ、こつちへ提案できないという建前をとつておつたようであります。その点を確かめましたところが、司令部としては、別段にオーケーするとかしないとかいう問題ではない、参考に決算報告書の提出を求めるだけのことであつて、こちらからオーケーのないものを国会に提出してはいけないなどいうことはないと、はつきり申しておられたのであります。またさらに向うの言うのには、日本文のものを欧文にするまでにも、少くとも一箇月以上かかつているのだろう、だからごく縮めて言えば、この翻訳をする前に、日本文のものは国会に提出されてもよさそうなものである。それでも一箇月半は違うではないかというような、しごくごもつともな御意見で、この点に対しては、さらにわれわれの方としては、両院の委員長、專門員等が協議しまして、適当な方法によつて政府並びに会計検査院にこのことを申し入れようということにいたした次第であります。その他何か会計検査院の今の制度のもとにおいて、適正なるものが行われるか、どうかというような、まことに示唆に富んだ話でありまして、具体的にこれこれということはなかつたのであります。ざつくばらんに言いますと、今のようなことでは、ほんとうに会計検査院が各官庁の会計検査ができないじやないかというような意図を、多分に含んでいるようであります。私の方は、各公団の不正事件というものを取調べたのでありますが、その経過を一応述べておきました。会計検査院が本委員会に提出しましたあの書類を見ましても、会計検査院が会計検査上の手落ちはなかつたような意味のことが書かれておる。一面これは各種公団の不正事実を見ましても、各関係官庁の監督の不行届きということはもとよりでありますが、会計検査院というものが、もう少し適正にはつきりあの制度を動かしておれば、各種公団のあの不正事件というものも、幾分阻止できたのではないかと思われるというようなことも、雑談の中に話しておりました。ちようど十二時まで、いろいろな話合いをいたしたのでありますが、最後に非常に向うは喜びまして、国会の方がそれほどまでに考えていてくれるならば、われわれの方から別段こういう注文をつけるとか、こういうようなことを言うという何ら意見はない、これは予算と併行して決算は大切なものであるということを、国会がそこまで認識してくださるならば、何も言うことはない、十分ひとつ決算の重要性にかんがみられて、もし今の制度にして不備なことがあれば、これは国会において訂正することができるではないか、また会計検査院がそれだけの手が不足であつてできないというならば、それを増すことも国会においてできるじやないか、制度が悪ければ制度も直せ、経費の上において足りないというならば、経費も増すことができるではないか、そのくらい決算というものは重大に考えて、ひとつ運営をはかつてもらいたいというので、今まで諸君に御審議願つた審議の経過等も大あらましを述べて来たような次第であります。 以上のようなことでありまして、別段とりまとめて、箇條的にこれこれというようなことはありませんが、総合的に結論を申し上げますと、今のような話合いでありました。 御参考までに一応その経過を皆様にごひろう申し上げておく次第であります。 なおこれについて、近く第二回目に、われわれがいろいろな意見を持つて司令部に出ることになつておりますから、それらに関してまた各委員諸君のうちに御意見等がありましたならば、本委員会でなくてもけつこうでありますから、どうぞ專門員なり委員長までお申出くだされば、それらを総合的にこちらであんばいいたしまして、一つの考え方を司令部に申告いたしておきたいと思う次第であります。 —————————————
○菅家委員長 では前会に引続いて、昭和二十三年度一般会計歳入歳出決算及び同特別会計歳入歳出決算を議題といたします。 前会、文部省所管審議の際、関係局長に対する質疑が留保されております。この際その質疑を許すことにいたします。三宅則義君。
○三宅(則)委員 ただいま委員長から、司令部との交渉の結果を御報告になつたのでありますが、私どもも、かねてからそのことは本委員会を初めといたしまして、国会でも考えておつたところであります。本日委員長の御発議でありましたが、幸いに大蔵省の主計局長河野さんがこちらにおいでになりましたから、この決算のあり方について、一応の私見を申し述べ、またこの機会に政府当局の現在の考え方を承りたいと存ずるのであります。 私は、多年私経済の方を担当しておるのでありますが、どの私経済——会社等におきましても、決算が終了いたしまして二週間、もしくは一月ないし二月以内には、必ず会計報告、決算報告があるわけであります。その会計報告、決算報告を承認することによつて、初めて会社の運営状態がわかり、また今後の方針等も定まるわけであります。ところが国家の財政になりますと、もちろん範囲は広いわけでありますが、約一箇年ぐらい遅れて出て来る。これではまことに審議する期間が順調ではございません。私は少くとも——私経済と同様とは言いませんが、半年ぐらいのうちには必ずあとのことはわかるのだ、たとえば昭和二十五年度のことは、二十六年の中ごろにはわかつてしまうのだというようにしなければならぬと思うのでございますが、往々にいたしまして、会計検査院の御報告をまとめたり、いろいろな証拠書類等も御検査なさる関係等もありましようが、十箇月ないし一年あとにならなければ出て来ないということは、はなはだ政府当局といたしましても、熱意が足らない、端的に言うとそう思う。ですから、幸いに私が本委員会の委員を拜命した以上は、ぜひともひとつ、この今までの観念を根本的に改めて、もつと迅速にやる、たとえば年度末と行かないでも年度の途中でもけつこうでありますからして、中間報告をどんどんとつておく、そうしておいて二十五年度でありますならば、二十六年の三月あるいは出納期間を一箇月といたしますならば、四月、五月には、ちやんと締めくくる、そして至急に報告して、六月、七月にはでき上るということでなければ、とうてい審議は進みません。この制度におきまして、お互いにこれを見ますとわかると思いますが、会計検査院の批難事項もありますが、さて責任はだれがとるかと言いますと、だれもとる人がない。こんなばかなことはないのでありまして、批難事項もけつこうでありますが、われわれといたしましては、国政の運営上において、きわめて適切なる意見を大いに取入れて、今後政府がやらなかつた場合には嚴重にこれを戒告する、こういう制度にしなければなりません。ただ頭を下げて申訳ありませんでは、問題にならぬのでございまして、どうか政府といたしましても、今までの機構もけつこうでありますが、これを根本的に改めて、もつと早く——会社の決算期は、二箇月以内には必ず完了することになつておりますから、この二十四年度はもちろんでありますが、二十五年度も、そういうような方式で、今後政府も監督してもらいたいと思います。これについては、多少法律の改廃とか、あるいは手続の簡素化ということがあらうかと思いますが、これに対しまして主計局長河野さんに、真相を発表していただいて、今後改善される資とされたい、かように思います。
○河野(一)政府委員 決算報告書が遅れて出まして、まことに相済まぬと思つております。一般民間の会社、企業等でありますならば、すぐ出るのでありますが、なにせ国の方は数千億、数兆というような大きな経理をしておる。また会計職員の数も数万に及ぶ多数のもので、これらのものが下からずつと積み上つて上まで来て、これが一冊のものにまとまるには、相当時間的に期間を要するわけであります。すなわち各年度の歳入歳出の確定するのが、七月ないし八月というような状況であるということも、ある程度御了承願えると思うのでありますが、今後はできるだけそういうような主計簿の締切り後における決算の確定、そしてこれの議会への提出ということにつきましては、格段の努力を拂いたいと思うわけであります。 ただいま三宅さんの言われました点でありますが、現在の制度がいいか悪いかということについては、私ども私見として相当疑問を持つております。決算というものは、予算と並んで非常に重要なものであり、予算は国の收入、支出ということもございますが、国民経済の計画であるわけでありますから、これを決算の面においてどういうふうに表わして行くかということは、根本問題として検討すべきことなのであります。ところが従来は、ややもすれば收入、支出という單なる金銭の出納、あるいは物品の経理という点だけを見て決算制度を考えておつた傾きがあるのではないかと思うのであります。つまり予算でありますと、各款項ごとに事項をあげまして、そしてどういう目的でこの予算が必要である、どういう積算においてこの金が出て来たのであるというようなことを予算書に書き、またこれを御説明申し上げて御協賛を得ておつたのでありますが、この決算に出て来ました姿というものは、一年たつた後における金銭の收支だけにすぎません。單に予算款項における支出額がどうなつておる、幾ら不要になつておるという点だけでありまして、予算に目的としておつたところが、結果においてどういうふうになつたのである、特別会計で申し上げますならば、米は幾らの單価でもつて何千万石買う予定であつたが、これが幾らしか買えなかつた、單価はどうであつた。早場米の奬励金は一石当り幾らで積算した、そして幾石を買うつもりであつたが、どうであつたというような表現が、決算書には全然ないのであります。この点につきましては、予算、従つて国の財政というものが国民経済に持つ大きな意義、支配的な影響力にかんがみまして、この点はぜひとも私どもとしては、今後は考えて行かねばならぬことであると思うのであります。 それからもう一つは、今申し上げた点にも関連いたすのでありますが、予算というものは国民経済の計画である。従つて予算を通じて経済界にどういうような影響を、與えるであろうということが、予算審議の際において詳細に論議せられておるのであります。現在の予算審議の建前からして、そうであるのみならず、また国としても、この予算を通じて、どういうふうに各種の経済政策を執行しておるか、財政政策というものがそこに生れて来るわけであります。従つてこれの現実的な執行である決算というものは、この予算を執行した結果、経済界にいかなる影響を来したのである、毎月の收支の結果、通貨の増発がどうである、あるいは補助金を出した結果の生産がどうであつた、あるいは供出計画がどうであつたというような、国民経済の動きに対しての判断が、できるような制度でなければならぬのではないかというふうに考えるのであります。 それからもう一つは、会計の監査制度、あるいは検査制度の問題でありまして、三宅委員がお話になりましたように、決算は一年たつて初めてわかる。そうでなしに、何月ごとに出したらどうか、これはまことにごもつともなお言葉だと思うのであります。国の会計検査というものが、現在のような制度でいいかどうかということについては、相当に私は疑問があるのではないかと思う。これは私見でありますが、つまり最近における会計検査の方向というものは、單に法令に違反しているとか、あるいは非違があるという点を剔抉するというような行き方でなしに、行政そのものを会計の面から監査監督して、実効あるような行政をやつて行く、こういう建前に進まねばならぬのではないかというふうに思うのであります。すなわち監査というものは、行政と結びついての監査であり、検査でなければたらない。たとえば、ここに今申し上げるのはどうかと思いますが、いろいろな歳入の問題につきましても、その積算がいいとか悪いとかいう問題も、もちろんございますけれども、これはどういうふうなとり方をしたらいいのであるか、あるいはいかにとるべきか。あるいは個々の経済情勢についても、会計上、予算執行上、効果的にやるには、どうしたらいいか、こういう行政監査の面と結びついて、初めて意義があるのではないか、現在この機関といたしましては、各種の機関が政府部内にもあるのであります。経済調査庁でありますれば、経済行政について全面的の監査権を持つております。また大蔵省は、予算の執行について監査の権限を持つております。それから行政管理庁は、行政能率の問題から行政事務の執行について、監督権を持つておるのでありますが、これと相並んで、会計検査院が会計という面で検査をせられておるのであります。これらのものが総合的にマツチして、そうして初めて決算の審査において、非常に有効に役立つようなものができ上るのではないか。実はそういうふうないろいろな面で、目下決算制度の改革について考えておるわけでありますが、これは何しろ多年にわたつてのことでありますし、実行にあたつては、相当困難な点もなくもありませんし、なお研究を要する点がありますので、目下大蔵省に財政制度審議会というものを置いておるのでありますが、そこにおいて検討を重ねておる次第であります。結論を得ましたならば、できるだけ早急の機会にこれを実行に移しまして、三宅先生初め委員皆さんの御期待に沿おうと考えておる次第であります。
○三宅(則)委員 もう一点、ただいま河野政府委員が大胆率直に感想を御発表になつたのでありまして、私どもも大蔵当局にそういう熱意のあることを了承するわけです。ただうらむらくは、河野さんのような明敏なる人が長くおつて、それを実行に移すまで見届けてもらえればよろしいのですが、ちよいちよいおかわりになる。そういうことになると、せつかくの名案がむだになるおそれがありますから、ぜひ今お話になりました財政制度審議会というものがあるそうでありますが、それをひとつ早急にまとめていただいて、決算委員会その他の委員会に提出なさつて、審議して、あるいは立法化した方がよければ立法化する。それでなければ、取扱いなら取扱いでやつていただいてけつこうでございますが、わかりやすく、また国民大衆が早く知り得るという制度を持つて来ることが、喫緊事であると思います。今のようなやり方でやつておりましては、百年たつても、何ら改善の跡がないわけであります。官庁簿記は、前からまことに活気がないということがいわれておりますから、これをもう一段考えまして、私経済と同様に貸借対照表、損益計算書というようなものをつくれということは言いませんが、もう少し企業体というような意味合いを加味して会計制度を直したら、もつと迅速に、また正確に国民も判断できる、こう思うのです。これに対しまして、河野さんから、もう一段と進んだ意見ではありましようが、御決意のほどをもう一ぺん承りたい。
○河野(一)政府委員 国家の機能が昔のような夜警国家あるいは警察国家という時期からかわつて参りまして、いわゆる機能国家というような時期に、必然の方向でありますが、なつて来た現在において、一般会計の中においても、おつしやるような問題がいろいろあるわけであります。しかし特別会計におきましては、決算ばかりでなく、会計の制度につきましては、相当これは考究を要するものがあるのではないか。根本論から言いますと、今までの国会において御審議を仰いでおるような、ああいう姿で予算そのものを御議決いただくのは、どうであろうかという考え方すらあるわけであります。たとえて申しますれば、鉄道で一億三千万トンの貨物を運ぶという計画をしておつた、これがふえて一億五千万トンになつて金がないという場合に、予算がなければできないというような行き方についても、一つの問題があるわけであります。もちろん、これは現在予算の彈力條項ということで、解決はつけられておりますが、その他の内部的ないろいろな経費におきまして、相当私どもは考え方について改めて行かねばならぬのじやないか、こういうような考えをいたしております。この問題についても、もちろん先ほど申し上げました財政制度審議会において、これを研究いたすことにいたしております。ことに三宅さんのおつしやつたことで問題になるのは、物品会計の問題であります。企業における物品の経理というものは、現在は物品会計規則というものがありまして、どういうふうな物品でありましても、一律同様の制度において扱われておる。そうして、金は一銭でも支出をゆるがせにすることはしない、もし亡失すれば、会計検査院の検査監督で、場合によつてはその責任を問われるということであるにもかかわらず、物品である紙とか、いすとかいうものは、おそまつに扱われても、大したあれはないというような、実は欠陷があるわけであります。物品の中にも、そういつたような調度品であるとかいうものもありまするほかに、工場等における機械であるとか、あるいは販売用の商品であるとか、つまりタバコのようなああいう商品であるとか、あるいは米であるとか、商品的な色彩を持つたもの、それから不動産的な色彩を持つたもの、それらは経理の上からいつて扱い方が当然違つてしかるべきである、つまりそういつた会計制度の企業会計、私企業に類似した国の会計の問題については、今申し上げた金銭の経理においてもそうでありますが、物品の取扱い、不動産の取扱いについて、相当画期的な考え方でこれを改革すべきものではないかというふうに思う次第であります。
○渕委員 少し遅れて参りましたので、はなはだ恐縮でございますが、ただいま三宅委員の質問の要旨の概略はわかるのでございますが、私は一点この決算制度のよつて来たるゆえんから考えてみまして、ふに落ちなとことがあるのです。これは過去決算委員会におきまして、絶えず論議の的となりましたところの、俗に三月相場という言葉が使われておるそうですが、相かわらず今日も三月相場があると承つております。たとえば、地方に参りますると、二月から三月になりますと、不必要な——不必要ではございませんけれども、予定しなかつたものを、金が余るので自動車を買つてみたり、その他のいろいろなものを買い上げるといつたようなことがよく行われておるのであります。こういつたことは、国家の財政上許すべからざる問題だと信じます。こういつたことは、今日もなおかつ行われておるだろうと思いますが、その点につきまして、政府当局の今日までの傾向を承りたいと同時に、もう一歩進みまして、なるほどここに出て参ります事案というものは、すべて不合理なもの、悪かつたものを、総決算として批難するということでありまして、けつこうなことでありますが、しかしその過程においては、何らこれが使われていないという点に私は疑問を持たざるを得ない。たとえば官公庁の自動車のガソリンの使用量の今日の状況というようなことも——これは結果的には、ガソリンを使用するのはさしつかえないけれども、それがはたして国家の主要目的のために使われておるのかどうか、疑問なきにしもあらず。またこれを一歩進んで言いますならば、たとえば予備隊なら予備隊の款項目ができまして、その予算をとられます。予備隊の予算案に対しては、相当議会においては議論が盡される。しかし予備隊予算というものが、どういうふうに使用されておるかというその過税につきましては、何ら調査がなされておらない。たとえばここに甲乙の両地がある。乙の地は何ら政府の金を使わずしてただちに予備隊の庁舎ができ、その活動に不便がない、甲の地は全然そういうことがなくして、予備隊の庁舎にするには、三千万円の国家の費用を使わなければ、完全な予備隊庁舎となり得ないというようなことがあり得ると存じますが、こういつた場合、政府は予備隊の予算は三百億なら三百億ときまつておる、その三百億の予算があるのであるから、たとえば五百万円で済むところもこれを押えまして、三千万円のところに使うということが、おそらくあり得ると思います。こういう場合に対して、政府は国家の金でありますから、もしこれが私企業の金であつたなら、そんなばかなことはやりません、国家の目的に従つてやる。しかも甲乙両地について、国家目的というものは乙において非常に強いという場合もなきにしもあらず、またある。こういう場合における国家の金の使い方というものを、どういうふうに考えておるのか、これは重大問題だと思いますので、一応承りたいと思います。
○河野(一)政府委員 最初の年度末経費の濫費の問題でありますが、これは年度末において、場合によつては慰労出張が行われるとか、あるいは買込みをやるとか、予算を残しておくと、その次の査定で削られるからというようなことを聞くのでありますが、まだ完全に跡を絶つていないところがまだありますことは、私としてはまことに遺憾に存じております。ただこの点については、いろいろ実は問題があるわけでありまして、一概にも——弁解がましくなりますが、予算は、少くとも当初においては、補正予算を予期しておるものでありませんし、従つて一定の金を三月三十一日までに効果的に使用する、つまり突発的な需要があるかもしれぬというようなことを、各官庁が予想せられまして、ある程度の留保をして使つておられるわけであります。自動車がほしいかもしれぬが、ほかの方でなお緊要なものがあると、もし予算が最後に見通しがついたならば、そこでもつてやろうというような経理をしておられる方も——大部分がそうであろうと私も思うのでありまして、必ずしも年度末によけいに金が出ることが、すべてが濫費である、不当使用であるとは私は思いませんが、とかくそういうふうなうわさがある点は、十分かんがみまして、毎年年度の終りにおいては、そういうことにつきまして大蔵大臣の通牒を出しまして、嚴に監督をいたしておるような次第であります。もしそういうふうな点につきまして疑点がありまするならば、会計検査院等におきまして、十分の御検査を賜わりまして、非違がある点は直して行きたいと考える次第であります。 それからもう一つの、予算の使用に関連しての問題でありますが、これはただいま三宅委員に申し上げました通り、現在の会計検査あるいは決算というものは、現金の收支にだけやや拘泥しておる気味があり、その前提となり、その基礎となつておる行政というものについての判断なりが、相当欠けておる点があるんじやないか。仕事はして、金は出してしまつて、そのあとを金でもつて追いかけまわして、いいとか悪いとか言つても、これが非違であるとか、不正であるとかいうならまた別でありますが、行政自体としての判断というものがそこに加わらなければ、会計收支としての意味がないのではないか。これはもうおつしやる通りでありまして、要するに国の会計というものは、事業の会計と違いまして、物を買つたりあるいは製造したりする予算ということでなしに、国民の税金による金を、いかに合理的に、効果的に、効率的に使用するかということが問題になるのでございまして、従つて、それにはどうしても行政監査、行政指導というものが、そこに加わつて行かなければならぬ。最近の会計検査院法にも、あるいは財政法にも、指導しあるいは一定の指示をするというような規定が入つておるのでありまして、これが現在の建前では、單に会計面のいろいろな指導になつておりますが、この行政指導の面とあわせてこそ初めて意味がある。現在の建前としては、各官庁が行政指導の点を責任を負つておられるわけでありますが、行政と申しますか、仕事の効果をあまりにあせると申しますか、会計面の拘束を除くことが、すなわち行政を全うするゆえんであるというような誤れる観念が、とかく戰時中を通じてあつたので、その後においても、とかくこの点が完全に拂拭し切れないでおるということは事実であります。従いまして、今後におきましては、その一般行政に当る監督の面、実際の指導の面に当る人におきまして、国の予算というものは国民の税金から出ておるものである。これを行うについては、そういう金を使つておるのだという点から考えて、できるだけ国民の負担を軽減し、最小の経費をもつて最大の効果をあげるというふうな方向に、行政会計相まつて指向するような方向に制度的にも相当考究しなければならぬ、こういうふうに思つておる次第であります。三宅委員にお答え申し上げましたことと多少重複いたしますが、私としてはただいまそう考えておる次第であります。
○渕委員 考究ということでございますが、実際大蔵省といたしましては、決算を離れまして、大蔵省は予算の実行に対して、今言つた行政監査の責任がある。であるならば、国家的に見まして、たとえば甲乙の両地があるといたしまして、甲地を使うことにおいて一億円以上の国家の予算を使う、乙地を使う場合においては、最低五百万円ぐらいで上るというような明らかな地点が場合においては、これは予算があるから、予算を使わなければならぬという、いわゆる旧式な官僚式な考え方ではいかぬ。そこには予算の執行面にあたつて、少しぐらいの発言権がなかつたならば、とても国家の金というものは経済的に、高能率的に行かないと存じます。その点に対して、大蔵大臣がいないからわかりませんが、局長の考えとしては、そういう場合にどうするというぐらいのことをきめて執行しなければ、ただ金をやつたらほつたらかしで、先はどうなろうとよろしい、これではあまりにひどい。現にそういうことがある。その点をはつきりひとつ言つてもらいたい。
○河野(一)政府委員 現在行政の責任は各省大臣にあり、会計の責任も各省大臣にあるという建前になつております。それから国庫大臣たる大蔵大臣は、総括的な責任ということで、この責任を全部大蔵大臣に統一するかどうかということについては、各国とも、いろいろ制度もあるようでありますが、ただいまの日本の制度としては、別になつているわけであります。ただおつしやつたような甲、乙の両地があつて、こちらの方が安く行くというような指導をする面につきましては、これは予算においても、年度当初の計画において幾らくらいの金でやれというふうに——もちろん予算の積算もありましようし、また予算の科目において、こういうものの金は、この程度でやれというような、科目の区分もあると思います。こういうものについて流用して、ほかの方で金が余つたからこつちで使うというような場合につきましては、その流用の承認の際において、いろいろ審議する機会があるという建前になつております。もちろん制度の裏をくぐつてやるというような行き方につきましては、これは職員の素質の問題でありまして——これはもちろん私どもとしても、重大な関心を持つているところでありますけれども、制度的には、一応そういうような運用で行くという考え方をいたしているのであります。しかし今後におきましても、常時行政、会計監査というような方向におきまして、そういつた不当な経費の使用がないことを期したいと考えているわけであります。
○高橋(權)委員 ちよつとお尋ねいたしますが、復興金融公庫のような問題に関連した問題で、もし不正な問題があつた場合には、かりに会計検査院で通過せしめておつても、あなたの方でそれをまたもとに返してやり直すようなお考えがあるかどうかを、ちよつとお伺いしたいと思います。
○河野(一)政府委員 会計検査院が検査確定せられましたところによつて、私どもはそれに非違があり、不当があれば直しておるのでありますが、かりにその後においていろいろなことが起りました場合におきましては、これは会計検査院においてもう一回検査せられ、前の検査確定を取消されて訂正をされるということもございましようし、またそういうことがなくても、そういう非違がありますれば、当然行政官庁としては、そういつた措置をとるべきが至当であると思います。それが職務を盡すゆえんであると考えるわけであります。
○高橋(權)委員 ただいま公団の数億万金のうちから、金を不正事業に支出しておることがあつて、その結果、その衝に当つておつた人間は、その金が回收ができないために自殺をしておる。そのために今細君は非常にそれを悲しんでおるというような事実も私は聞いております。また先ほど申し上げましたように、その人間の行方を調べて、その細君を呼び出してよく聞いて、そういう金を回收するように努められるようにということで、会計検査院ではそれが通つておるということを聞いておる。これははなはだ聞捨てならぬことだと思う。人命は非常に尊きものでありまして、得がたいものであります。しかも自分の主人が、なすべからざることを、あるもとの有力者からなさしめられて、その結果自殺したということは、一人としても見のがすことができないことであると思う。 〔委員長退席、三宅(則)委員長代理着席〕 事実そういうことがあつたとするならば、その家族の今いるところを調べて、もう一ぺん会計検査院にも警告を與えて、やり直すようなお考えがあるかどうかということを、ちよつとお伺いしたいのであります。
○河野(一)政府委員 会計検査院がやり直しなさいますかどうですか、それは答弁申し上げかねるのでありますが、高橋さんのおつしやいましたようなお気の毒な具体的な事実がありますれば、十分御事情を承りまして、善処いたしたいと思います。
○三宅(則)委員長代理 ほかに御質問ありませんか。——河野主計局長は久しぶりで御出席でありますから、ひとつ心行くまで御質問願います。 〔三宅委員長代理退席、渕委員長代理着席〕
○渕委員長代理 質疑の通告者が急用のため出かけましたので、他に質疑の通告もございません。 本日はこの程度にて散会いたします。次会は公報をもつて通知いたします。 午後二時三十一分散会