決算委員会 第4号
- 発言数
- 124 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1951/02/07
会議録
○三宅(則)委員長代理 これより本日の決算委員会を開会いたします。 委員長はやむなき事情のため御欠席でありまするから、私が代行いたします。何とぞよろしくお願いいたします。 ただいまより昭和二十三年度一般会計歳入歳出決算、昭和二十三年度特別会計歳入歳出決算を議題とし、審議を進めます。 まず七十九ページ、批難番号三一七ないし三二三、職員の犯罪に因り国に損害を與えたもの——本事項に関し一応説明を求めます。主税局調査課長忠佐市君。
○忠説明員 会計検査院から御指摘になりました三一七から三二三までの七件につきましては、検査院御指摘の通り、税務職員が納税者から受入れましたところの税金を横領いたしたという事件でございまして、監督の立場からいたしますれば、まことに申訳のない事件のみでございます。この点につきましては、はなはだ遺憾でありましたことを、おわび申し上げる次第でございます。この点につきまして、善後措置を述べさせていただきたいと思うのであります。 まず検査院で御指摘になりましたように、六件、五百八十余万円の公金費消がございまして、そのうち二百五十万円弁償になつておりますが、その後の残額については、受入れが進んでおりません。こういう事件につきまして、まず問題は、税務職員が納税者の滞納税金を督促に参りまして、税金を受取つて帰つて来る、そういう次第でございまして、その際このような使い分の金額は、納税者との関係においてどうなるかという問題でございますが、税務職員が権限に基いて預かりました金銭は、これは国の所有に帰するという解釈をとつておりまするので、納税者の方は、一度税務職員に差出しました金額について、二度と請求を受けることがない、かようなことに相なつておる次第でございます。従いまして、被害者は国ということに相なりますのですが、そこで国といたしましては、この損害を補填いたしまするために、それぞれ手段を講じております。まず任意の弁償ということを第一義といたしまして、できるだけ自発的に、本人あるいは父兄子弟から弁償いたして来ることをはからつておる次第でございまするが、なおそのような弁償の手段がとり得ない分につきましては、昔の制度によりまするところの私訴あるいは訴訟上の和解、あるいは訴訟上の認諾というような方法によりまして、いつでも強制執行ができるというような債権にいたしておりまして徴收をはかり、国に対する損害を埋めるということを考えておる次第でございます。 このような関係にございまして弁償し得る程度の金額は弁償をはかつておる次第でございまするが、何分にも年齢の若い経済力のないものでございまして、親戚あるいは友人等におきまして、百方奔走いたしまして弁償いたしました金額のほかは、なかなかこれを弁償するだけの資力が出て参らないというような次第でございまして、その後関係税務署においては、本人に対する請求をいたしておるのでございまするが、はかばかしく收入になつておらないというような状況でございます。経過は以上のような程度でございます。
○三宅(則)委員長代理 委員諸君に申し上げまするが、なお本日の委員会に大蔵省主税局長平田敬一郎君並びに国税庁長官高橋衛君の両君を呼んであります。後刻御出席になりまするから、両君に対する質疑は御出席の後に許します。次いでは忠課長の説明がありましたが、これに対しまして会計検査院側の御意見を承ります。小林会計検査院第一局長。
○小林会計検査院説明員 三一七から三二三までの問題でございますが、これはただいま御当局の方から説明がありました通りで、別につけ加えて申し上げることはございません。
○三宅(則)委員長代理 検査院側の御説明は終りました。これより質疑を許します。
○井之口委員 これはどういう処罰を受けたのでございますか。それからこのほかにやはり同様な收賄——税金を受取つたんじやなくて、收賄というふうな事件は、会計検査院の方では調査になつておりませんでしようか。 それからもう一つ、なぜこういうふうに税務官吏が税金を直接徴收するような制度を許しているのか、この点三つです。
○小林会計検査院説明員 收賄の問題を検査院はどういうふうに調べているかという点でございますが、收賄の問題につきましても、收賄した官吏が、課税上何か納税者に対して手心を加えていはしないかということで、この点は特に嚴重に調査いたしております。しかしその結果、收賄したから非常に課税上不当な軽減をしているというような問題は、ただいまのところまで、この年度の分にはございませんので、その点は特に検査報告としては報告してございません。 なおもう一点は、大蔵省の方から御説明願つた方がよかろうと思います。
○忠説明員 最初のお尋ねでございますが、このような税務職員がどのような処分を受けたかという問題でございますが、説明書に記載いたしておりまする通り——四十一ページから四十三ページまでに書いておりますが、いずれも刑事上の処罰を受けております。中には弁償をいたしまするについて、非常に誠意を示したという場合には、執行猶予という恩典に浴しておる者もございまするが、全部懲役の刑に処せられておる。従いまして、税務職員の資格は、あるいは懲戒処分、あるいはそれに相当する手続によりまして、免職ということに相なつておる次第でございます。 それから、なぜこのような税務職員に税金を領收させる方法を考えておるかという御質問でございまするが、税金の受入れの手続といたしましては、原則といたしまして、郵便局または銀行の窓口を通じまして、收納機関である日本銀行に取扱わせるというのが趣旨でございますが、なお税務署長及びその代理官に現金領收の権限が與えられておりまして、これは納税者にとつて便利であるというような面も考えまして、その事務が正確に行われますれば、これはかえつて納税者の側から申しまして好ましいということを考えて、現金領收、すなわち税務職員が納税者のところへ出かけて参りまして現金を受取つて帰る、あるいは納税者が税務署に出て来ておりまする際に、税務署の職員に現金を渡して帰るといたしますれば、郵便局とか銀行とかに足を運ぶ手数が省けるということで、この制度はやはり将来存続すべきものであると考えております。なお差押えという手続をいたしまする際に、現金を差押えるのは非常に例外でございますが、そういう手続もございまして、現金を全税務職員に取扱わせないということは、ただいまのところ考えておらない次第でございます。
○井之口委員 この間、国税庁長官が言われておりましたが、八百屋さん、あるいは魚屋さん等の強制執行をする場合に、すぐそこで品物を売るそうです。こういう場合はやはり現金差押えよりももつとひどい影響を持つと思うのですが、そうしたものに対して税務官吏が直接いろいろな徴税の金を取扱うというふうなことはやらぬような仕組みにした方が、こうした犯罪も起らないし、それから徴税差押えに対して無理も行かないというふうになるのじやなかろうか、その点を改良するような意思はないでしようか。
○忠説明員 ただいまの問題は、後段の方が重要だと思います。現金を税務職員に扱わせない方が弊害が起らないからというお話がございましたが、これは逆でございまして、できるだけ弊害を絶滅いたしまして、現金領收というような、納税者に対しまして便宜の点だけはぜひ残したいと考えます。それでただいま会計検査院から御指摘に相なつておりまするような税務職員の使い込みの事件を、その後どういう方法によつて防止することをはかつておるかということにつきましては、これは国税庁から詳細お話願つた方がいいと思いますが、一例を申し上げますれば、この当時は税務職員に通し番号づきの帳簿を渡しておりました。それは二枚が一組になつておりまして、一枚を手控えとして自分が持つていて、一枚を領收証として納税者に渡して来る、こういう制度でございました。ところが二枚一組でございますと、納税者に対しましては、あたりまえの領收証書を渡しまして、それから自分の手控えの方は改竄をいたして、その差額を横領する。こういうことが往々行われやすかつたものですから、最近は二枚一組を三枚一組にかえまして、そのような改竄手段ができないような帳簿をつくつております。それからなお監督者が、毎日々々税務職員の報告と、その取扱つて参りました現金とをつけ合せまして監督をする。のみならず、その受取つて参りました金が、徴收簿と申しますが、徴收簿の上ではつきり納税済みとなるような方法を講じまして、それをときどき点検することによつて事件の発生を未然に防ぐ、こういうようないろいろな内部的な措置も講じておるような次第でございまして、この点は、やはり現金を税務職員に取扱わせるということが必要であろうと考えております。 それから先ほどの差押えの場合の問題でございますが、これはきわめて例外でございまして、法規の解釈から申しますれば、差押えをいたしました物件が、腐敗その他のおそれがあつて保管が困難であるという場合に、とりあえずその物件を金にかえておきまして、価値を保存するという考えでございます。従いまして、ただいまのような問題は例外でございまして、国税庁長官もこの前申し上げられましたように、大体においてそのような方法は、他に適当な方法があればとらないというような言明がございました次第でございまして、大体運用で片づく問題であろうかと考えておる次第でございます。
○三宅(則)委員長代理 各位に申し上げますが、税の問題は、国民大衆諸君に対してきわめて密接な関係がありまするから、御自由に御発言を許したいと思いますので、御遠慮なくお申込み願います。——それでは主税局長平田敬一郎氏がおいでになりましたから、十分に御質疑を願います。
○田中(角)委員 簡單に二、三の点をただしたいと思うのであります。現在徴税機構の改革、それから徴税方法の改善と、簡單な言葉で表現をせられておりますが、これは非常にむずかしい問題だろうと思います。しかし過日の施政方針演説によつても、吉田総理大臣は、税法の改正、徴税機構の拔本的改革、いわゆる国民の納得するところの税制を立て、徴税方法の改善を行うということを言つておるのですが、直接その衝に当つておられるところの主税局長並びに国税庁長官は、これが具体的な処置に対して、どういう御意見を持つておられるかということをまず伺いたいと思います。
○平田政府委員 御質問の点は、今お話にもありました通り、きわめて広汎な範囲にわたりまする困難な問題でございまして、一つや二つの措置では、なかなか目的を達しかたいような大問題であろうと考えるのでございます。根本的には、最近いろいろ税務に関しまして円滑に行かないところが多くて、実は政府といたしましても、閉口いたしておるような問題が多数あるわけでございますが、根本的に考えますと、やはり税の負担が全体として重いとか、あるいは特に所得税等の納税者数が、昔と比べまして著しくふえておりまして、従いましてそれだけ納税者側におきましても、税の問題について非常に問題があると同時に、その徴税機関といたしましても、適切な調査、納税の促進ということにつきまして、この問題が非常に多いのでございます。従いまして、でき得る限り全体としての負担を合理化すると申しますか、やはりいくら法律できまつたと申しましても、大体その時のレベルにおきまして、まずこういう税金はいたし方ない——まあ喜んで納めるというところまで徹底するのは、私はなかなかむずかしいと思いますが、法律できまつたものはしかたがないという決意をきめて納めるというところまで、納税者の心理が行くような負担であるのが、一番必要だと考えるのでございまして、そういう点につきましては、政府におきましても、極力財政規模の圧縮、あるいは税法の改正等を行いまして、適正化をはかるように努めておるのでございます。これがやはりうまく行きませんと、なかなかいろいろな問題も簡單に行かないのじやないかということを、痛切に感じておるのでございます。ことに過去二、三年の例を申しますと、インフレをいかにして防ぐかという意味におきまして、税金の形で多額の購買力を国民から吸收するというようなフアンクシヨンを、相当強く経済の安定計画の一環として織り込まれました等の関係もありまして、率直に申しまして、相当重い税金であつたということを、私どもつくづく感じておるのでございます。従いまして、こういう問題は、安定の促進に伴いまして負担は極力合理的に軽くすることに、私ども税務当局といたしましても、邁進いたしておるような次第でございます。その一端を、昨年も国税につきましては相当やりましたし、二十六年度におきましても、その計画で進んでおりますことは、御承知の通りでございます。この問題はやはり相当のところまで行かないと、なかなかむずかしいと思いますが、それにいたしましても、重い負担も、やり方ではまた相当納めやすくなるという点も多数あるのでございまして、その点につきまして、いろいろな方法で苦心いたしております。一番問題になつておりますのは、申告納税の課税の適正化を、どうしてはかればいいかということが、さしあたりとしては一番の大きな問題になつておるのでございます。この申告納税制度は、二十二年度から始まりましたのですが、これはなかなか理想通り行つていない。それでこの制度は、もともと納税者が自分で課税標準なり税額を計算して、役所から税金の通知が来る前に納めるという、非常に進んだ制度であつた。しかもさき申しましたように、始めました時期が、税の負担も全体として重い、納税者も多い、しかも納金は相当適時適切に徴收する必要があるといつたような関係もありまして、なかなかうまく行つていなかつたのであります。でございますが、これは何としましても、一刻も早く本道にもどるような行政をやつて行くようにしたらどうかということを考えておるのでございまして、あくまでも更正決定をやる際におきましても、でき得る限り実際をよく調べた上で、的確な基本をつかんで更正決定をする。更正決定をする前におきましても、でき得る限り納税者によく話しまして、申告で出て来るような措置を講じて円滑化をはかる、そういう点につきまして格段の勉強を要するのではないか。国税庁の方針もそのような方針で相当強く、前年度もそうでございますが、本年度はさらに一層そういう方向へ行く計画に進んでおります。そういうような点を中心といたしまして、極加円滑な措置を講ずるようにして参りたい。 それからもう一つは、制度の上におきましてもいろいろございますが、税法はなるべく簡素化する必要が確かにあるのでございます。ただ、また一面税の負担が重いと、相当いろいろな規定を設けておきまして、負担の公平化をはかるようにしておかないと、これはまた税法通り納めてもらうということになりましても、なかなか抵抗が多くて納まらないということになりますので、一方において複雑化し、他方においては簡易化する、この両方の要請をうまく兼ね合せまして、妥当な法律をつくることに極力努めておるのでございますが、かような点につきましても、極力考えることにいたしまして、今回提案する見込みの法律案にも、そのような趣旨の改正を大分織り込むことにいたしております。 それからもう一点は、徴税の税務職員の訓練と申しますか、なれた有能な税務職員を一刻も早く育て上げるというのが、これまた私は徴税の円滑化をはかる問題としましては、非常に大きな問題じやないか。仕事が非常に大きくなつたのに対して、今までは、なれた税務官吏が十分得られない、ふなれな者が多いというような状態、これはいろいろな原因でそういうことにならざるを得なかつたのが多いのでございます。しかし一昨年、昨年あたりから、大分情勢がかわつて参りまして、訓練につきましても、よほどしやすくなりましたし、また新しく採用するにいたしましても、相当な年配の者で、しかも優秀な者を採用できるというような道も開けて参りましたので、この処置の改善ということにつきましては、よほどやりやすくなつて来ておるのであります。これをしつかりやりますと、私は納税者との間の摩擦も、急激に減りはしないかというふうに考えておるのでございます。そういうような方面、あるいはその他税務署の施設その他につきましても、極力仕事の能率化をはかる、いろいろな問題がございましようが、できます限り私ども各般の問題を考えまして、妥当なるやり方をいたしたい。 なおまた査察につきましても、これは一方においていろいろ題題が起きておりますが、申告納税の本旨から考えますと、どうしても脱税をはかる惡質な者に対しましては適当な調査をし、それに対して適正な制裁を加えて行かないと、まじめな納税者の納税しようという意欲を大きく阻害することになりますので、これはいたし方ない方法だと思います。ただやり方につきましては、これはやはりだんだんなれて参つておりますのと、それからまた方法につきましても、納税者に最少限度の迷惑を與えつつ同じ目的を達するというようなことにつきまして、いろいろ勉強する余地があるのじやないかというので、現にそういうことにつきましていろいろの改善方策を考えておるのであります。税務署におきましても、そういうことの適正化をはかりまして、全体としまして、できる限り徴税の円滑化をはかるように努力して行きたい、今のところいろいろな方案を考えまして皆様の御期待に沿うように勉強するということでございます。総論として申しますと、そういう点じやないかと思う次第であります。
○田中(角)委員 当決算委員会の任務として、毎年度々々々の決算の状況が報告せられて、われわれ審議に当つておるわけでありますが、非常にたくさんの批難事項が盛られております。しかし私は、決算委員会の任務は、このような一つ一つのものの間違いから、もちろん後車の戒めとなすということが目的だと思いますが、それよりも、ここに掲げられておるものを目に見て小さく起したりなんかするよりも、もつともつと大きな、ただい申し上げたような租税体系、機構をどうするかということを真劍に討議をしなければいかぬと私は思つておる。普通の状況からいつて、税法などに対しましては、予算委員会や大蔵委員会の專管であるかのごとき感を持つて、そこだけで審議をいたしておるようでありますが、かつての帝国議会当時は、予算委員会と決算委員会というような立場から、改められるべきものはほとんどこの委員会でもつて取上げておつたわけです。そういう意味で、私どもこれからはそういう大きな面でいろいろの御注意を喚起すると同時に、また御協力を申したい、こう考えておるわけであります。ただいまの租税の問題、これは非常に大きな問題であります。自動的に入つて来なければならない租税であるにかかわらず、ただいまいわゆる一千億に近いところの大滯納があるということでありますので、これは確かに解決するにはむずかしい問題であります。しかも同時に税負担が非常に重いということはだれでも一目瞭然にわかります。しかしこの重いという問題は、客観的にあらゆる情勢が解決されなければ解決しない問題であるが、ただ、求めて與えられる範囲内において、最も高能率的な徴税方法をとり、かつ時代に合つた税法によつて徴收しなければならぬということだけは、たれが考えても異論のないところである。ところが、非常に各般にわたる大問題でありますが、ただいま申されたようなだれでもわかるようなことを、総理大臣も大蔵大臣も言われ、また私たちも言つているのです。ところが現在においては、可及的すみやかに、相当荒つぽいやり方をもつてしなければ、私は解決できないのではないかと、こう考えておるのです。お互いがあまりにも実情を知り数字をつかんでおりすぎると、專門家なるがゆえになかなか大手術はできない。農村に対する問題もしくは中小企業に対する金融、このようなことは、今の体系の中で考えていると、これはななかなかできない。思い切つて拔本的な非常立法を行うくらいの勇気を必要とするということを、私は常に党内においても申しているのですが、この徴税方法の改革に対しては相当非常的なことを考えなくてはいかぬ。ところが、先ほど申された通り、申告納税とかつてのいわゆる帝国議会当時の掠奪徴税法との間には、相当大きな変革が、過去の日本と二つにわかれてあるわけです。必要な金だからとらなければならない。とる額というものは、確実にきまつておるのです。ところがいわゆる民主主義の体制下における現在としては、勧告もあり何もあるというので、好むと好まざるとにかかわらず申告制度をとつている。私はこういう問題に対しては、実際にそぐわないものは、勇敢にこれを改革することこそ、非常に大切なことであると思う。現在の状態における申告納税制というものは、理論的な基盤もりつぱであるし、その言うところはわかるのでありますが、しかしながら、現在の日本にはなかなかそぐわないではないかと考えておるのです。申告納税制に対する非難は、われわれ十分知つている。徴税機構の改革とか、税法の改正という場合には、この根本的な問題を、あなた方にもつと掘り下げてやつていただかなければならぬ。現在の申告納税制は、正直者のみ、ばかを見るやり方であります。大きく所得しながら脱税をしている連中は、ほとんど申告をいたしておりません。申告者の中で一番少いであろうと思つた中小企業が、比較的たくさん申告をしているはずであります。現在基礎産業なども、申告をすることは知つているが、毎年々々赤字々々であるので、申告はしてもしなくても同じことである、こういう意味で、申告が延び延びになつて時間的にずれているのが現実でありますから、国が持つているデータの中で、一番辛辣なものを国民の前にさらけ出して、そうしてこれをどうするというふうにお考えになることが、拔本的に物を樹立するために必要であると思う。税という問題について、專門の中の專門である大蔵省の主税局、現在徴税の任に当つておられるところの国税庁の方々だけが、秘密のデータを持つておられるのであるならば、大蔵大臣がいかに言われても、徴税機構の改革はできません。非常にむずかしい仕事であるだけに、なかなかそのがんを取除くことはできない。普通ならば、国民所得をはつきり算定しまして、生活を脅かさない範囲内に税をとり、この税でまかなつて行ける範囲内において歳出を考えるのが当然なんですが、現在の日本は逆であります。出る金をまずきめておいて、それに合せて徴税を行うのですから、もうこれは申告という美名に隠れながら、掠奪徴税を行つているということは、いなむことができません。ここに無理があるのです。だから、民主主義日本は立ち上らなければならないけれども、過渡的なる際においては、最低限の国の支出というものが要求せられるのであるから、掠奪徴税もまたやむを得ないとしても、いわゆる羊頭をかかげて狗肉を売るという名前だけの政策をとることは、不得策であると私は考える。そういうことはやつておらないと、国税局当局は言うのですが、大体所得税に対して、二十六年度に関東信越は幾ら、近畿幾ら、東北幾らとこう割りつけておられることは、わかり切つております。これは掠奪徴税でないというので、割当額は言わないけれども、指示目標額、こういうことを——同じことを言えば幾らでもあります。こういうことをおやりにならなければならないあなた方の苦しい立場もわかりますが、これを続けている以上、適正なる課税はできないと私は思つております。その意味で、あなた方が適正なる課税をし、適正なる所得層を完全につかもうとしても、現在の国税庁の人が十倍にならなければ、私は絶対につかみ得ないと思う。これは国の支出をうんと押え、圧縮をして、健全財政を堅持するということとは、まさに逆行的な行き方をしなければ、絶対に徴税機構の確立ということはできない。その意味から昔に帰つてはどうか、一時過渡的なことではあるが、昔に帰つてはどうか。あなた方は、非常に專門家であるので、そんなばかなことができるかと言うけれども、歴史というものは、私はときどき過去を振り返つてみる必要があると思う。やはり長い過去には、いいこともたくさんあります。そのいいことをうまく取上げて行く。とにかく、かつて救農土木工事を行わなければならなかつた当時も、零細なる農家から徴税を行つたときでも、税金ぐらいのことは、かつての日本人はあまり気にしなかつた。ところが、現在の農村、中小企業者というものは、税金恐怖症である。あらゆるものよりも、税金のことのみ考えておる。われわれが選挙区へ行つても、ほかのことは何も聞かない。税金のことだけです。というのは、少くとも過重であるということを示す間違いない事実だと思います。だから、当時も相当高率な税金をとられておつたのですが、あの戰時中厖大な軍事費をまかなつておつた時の徴税というものは、比較的適正だつたということが、ある一面においては言えると思います。その当時の徴税の方法を、今振り返つてみるおつもりがあるかどうか、これを真劍に考えてもらいたい。私どもの党に所属する総理大臣さえも、徴税機構の改革は行う、税法は簡單なものにするということを言つておるのですから、その所属党員である私どもは、それに十分責任を感じ、これが実現をはかるよう努力しておるわけであります。そういう意味からいつて、私は申告納税かどうか、名前は惡いけれども、適正なる割当をやつたらどうかというような問題も、これは考えられるし、現在の徴税機構というものに対しては、いろいろな問題があります。先ほど井之口君の質問に対して、当局からのお話もありましたが、そんななまぬるいことではだめだと思うのです。一つ一つの問題を取上げて、これはこうしておきますというようなことでは、どうにもなりません。もちろん今の徴税官吏に十倍の月給をくれても、適正なるものが——今よりいいかもしれませんが、絶対に国民の喜ぶ適正なるものができようはずはありません。私はこういう問題は簡單には解決はできないと思うけれども、一つ一つやつてみる。今こそ過渡期であり、朝令暮改ということは、日本人は一番きらいであるが、だれがやつても結論の出ないことは、まずやつてみるのです。そうして思い切つてやつてみて、惡かつたら夕方またこれを取消せばいいのです。もう占領軍の治下において過去五年間、毎議会税法の改正法律案は提出せられておりますが、だんだんむずかしくなつて来ておる。だんだん大衆から離れた税法になり、徴税方法をとられておるということだけは、絶対改めなければならないと、私は深く信じておるわけであります。そうして端的な方法としては、税務職員をふやし、月給を上げるということよりも、昔各町村に全部、納税に対する委員会があつたのですが、あの委員会にもう一ぺん協力させてみるお気持がありますかどうですか。こういうことは、部内においては必ず反対が起きる。しかし私は少くとも二十や二十二、三の若い連中が飛び歩くよりも、村でもつて割りつけたものは、みなそれをのむのです、そして一日も早く納税をする。彼らがのんだものに九百億、千億の滯納が出るはずはありません。こういうことは、お互いに言いにくい話でありますし、しかもいいことなのであるが、そうするとわれわれの権限が削減をせられるというようなことで、ついうやむやになるのですが、今はもうそういう時期ではありません。かつて納税に対するところの税の対策委員が、みな各町村、各市においてやつたように、私はこれは市長を中心にしてもいいし、町村会議員を中心にしてもいい。しかしてこれらは税金の割りつけに対して、少くとも適正なものを行つて参ります。そうしてあなた方が全然つかめないところのやみ所得をつかむことができる。隣の人が一番よく知つておる。税を納めた人はいわしを食つておるが、税を納めない人がやみ所得でたいを食つておる。これは少くとも現在の徴税機構では把握するわけには行きません。こういう簡單なものを少し真劍に考えられて、そういうふうな人の力を借りて——しかも現在は昔と違いまして、官僚一本の政治ではなく、大衆によつて選挙をせられた人たちが市長になり、市会議員になり、町村議会の議員になり、町村長になりやつておるのです。こういう実情に非常に明るい、しかも直接的な声の上に立つておる人たちを中心に、いわゆる適正なる所得層の把握ということを考えられる。しかもその中には必ず分割納税であるとか、不納の場合のあれはどうするか。税を納められない人に、日歩四銭だ五銭だとかけておるから、ますます納められなくなる。最後にはどうしますか、結局欠損勘定として落さなければならぬ。とにかく三年なり四年なり逃げていれば、国税庁はみな欠損勘定で落してくれるのだというようなことで、大口納税者が絶対に納めないという弊風が起きておる。だから專門家であればあるほど、法律で争うことをやつております。しろうとは、一審で負けると、すぐ民事裁判は妥協する。專門家は、最後の最高裁まで争う。負けるということはわかつていても、五年でも十年でもひつぱる。こういう問題があらゆる戰後の新法律の適用に対して行われている。代執行を命ずる、拒否をする、最高裁まで争う。工事は途中でもつてやめてしまう。やめても幾らか示談金がもらえる。こういうことは、実際のやみ所得者や実際の高額所得者、現在滯納せられておる人の中にはたくさんあるのです。こういう面をいくら徴税の対象にしても、問題にならない。だから私はほんとうを言えば、きよう大蔵大臣を呼んで言うつもりだつたのですが、與党の中でも、そんなにちようちん持ちばかりをしておるときではない、国民の前に明らかにすべきものは明らかにしなければならないという熱意は持つております。その意味においては、あなた方がうんとやつてみて、これはだめだ、なかなかうまく行かぬわいというときには、三分の一か五分の一を大衆にわけてやつたらどうですか。野には人があります。今の徴税機構で、今の法規でもつて、われわれ以外にとれるものがあるかと思うことは行き過ぎです。野に人がある。私たちは、いわゆる講和が終つて、実際に主権在民という憲法通りの政治が運行されたならば、やはり近い将来には、確実にそういう行政の動き方にかわつて来るという強烈な自信を持つているが、少くとも税の問題は、そういう体形の問題ではなく、実際に困つている、実際に徴收しなければ、国がどうにもならなくなつてしまうというジレンマにあるあなた方だけに——こういう問題に対して、私は蛇足を申し上げて長い発言をしたようでありますが、これほど真劍なものはありません。こういう問題を大いに研究せられて、この不納の者に対してどうするか。しかも徴税の機構は、金を上げる、人数もふやすということでなく、金も減らし、人数も減らして、どうしてうまくとるかということで、徴税機構の改革を大いに考えていただきたい。それから新所得層の完全なる把握、徴税不能なる千億に近いものをどういうふうにするか。その場合特別なる金利をまけてやるとか——大蔵大臣はこの間分納制度を認めると申されましたが、拂わなければ分納制度を認める、拂つた人はばかを見るということは、これは非常に大きな問題であつて、これを行う場合には、相当はつきりした見込みをもつて行つてもらわなければならぬ、こう思うのですが、総理が述べ、大蔵大臣が発表せられた税制改革、徴税方法の改善というような問題、今また当局から申述べられた発言の内容、そういうものを一貫して、具体的に今年の三月ぐらいまでに——新しい予算が通つて二十六年度の徴收を行うにあたつて、いかなる具体的なる方策があるか。もしおありになつたら、箇條的に簡單にお答えを願いたい。
○平田政府委員 まことに御熱心な御意見でございまして、私どももよく承る必要がある言葉だと思うのでありますけれども、論点が何分多岐にわたつておりますので、あるいはさらにお尋ねを願つてお答えした方がいいかと思います。いろいろお話がありましたが、今の税負担が、どういうふうに重いものであるかといつたようなことに関しまして、私ども若干研究いたしておるのでございます。まずその一端を申し上げてみますと、所得税の負担というのは一体戰前に比べてどうか、こういう問題ですが……。
○田中(角)委員 そうじやないのです、こういうふうにお聞きしたのです。簡單に要約してあるはずです。私の質問をはずしてお答えになることは幾らでもできる。それではならぬので、私は、ただいまたくさん申し上げましたが、完全なる徴税をするために、具体的にどういう処置があるかということだけをお答え願えばいい。
○平田政府委員 やろうとしておりますことにつきましては、結局大蔵大臣が財政演説で申し上げ、あるいは予算委員会におきましても説明され、あつちこつちで申し上げておることを反復することになるわけでありまして、第一は先ほど申し上げましたように、国民の負担をできるだけ総体的に減らす、これが私どもやはり第一だと考えております。第二といたしましては、税法におきましても、各種の改正を行いましてでき得る限り納税者の負担力に即したような改正をする。そのために、今回も若干ではございますが、未亡人の控除とか、あるいは老年者の控除といつたような制度を採用することにいたしておるのであります。 それから簡素化につきましても、合算をやめるとか、いろいろ改正を加えることにいたしておりますが、かような点につきまして、ここで重ねて申し上げるのはいかがかと思いましたので、そういうふうに負担の軽減をはかりつつ、全体としてでき得る限り合理的な税制をつくり上げまして、納めやすい制度にする、これが私第一だろうと思います。 その次は、今お尋ねになりました申告納税制度の可否の問題でございます。これはやや具体的な問題だと思いますので、その問題としてお答えいたしますが、この制度は、先ほど申し上げましたように、あるいはすでに今お話になりましたように、どつちかというと、非常に進んだ制度でございます。これがはたして日本で消化できるかできないかということは、率直に申し上げまして、私はいろいろな見ようがあるだろうと思います。ことに、実行しました時が二十二、三、四という非常に経済が混乱し、しかも納税者の負担はインフレ防止のために相当重い負担をしなければならない、納税者の数も多い。税務職員も、先ほど申し上げましたようになれていない職員を置かざるを得なかつたという、こういう実情がございましたので、なおさら円滑に行かなかつたと私考えるのでございます。でございますが、私は、先ほどお話になりましたのとちよつと違いまして、徐々に改善を加えられつつある、その跡はあると考えております。ことに会社の税金は、最近飛躍的によくなつておりまして、会社は申告で相当出るようになりました。正しい申告が非常に多くなり、更正決定等も非常に少くて済むような状況になつております。それから個人の納税者におきましても、農業所得者の場合におきましては、御承知の通り事前指導と申しますか、事前にできる限り所得の計算方法等を具体的に納税者に示しまして、それによつて所得を計算してもらう。そうしたものによつて申告して納税をするというような方法で行きました結果、農業者の方も、もちろんいやいやながら押しつけられたという声も一方にございますが、しかし他方におきましては、相当の申告納税の実績をあげておるものがふえております。一番問題は、実は個人の営業所得と申しますが、これが一番問題である。それと中小の法人、この点がいろいろ問題がございますが、この点につきましては、昨年度導入しました青色申告の制度、これは一つのよりどころだと思います。これが一ペンに三月までに問題を解決するというような何か名案はないかというお話でありましたが、私は率直に申し上げましで、これはなかなかむずかしいのじやないかと思います。やはりでき得る限りスピートは早くしなければなりませんが、ある程度順序をふんで改善をはかつて行くというよりほかないのじやないか。その見込みがなければ、お話のようにまた課税制度の根本について考え直すかどうか。これは私率直に申し上げまして、人間のつくつた制度でございますから、惡ければ、いつかえてもいいと思うのでありますが、しかし今までの経過から見まして、まだ見捨てたものではない。営業者等につきましても、相当税務署の調査の方法も適切化し、また税の負担の合理化等もはかることができますれば、申告で相等納まるようなふうに行くことができるのではないかと私見ております。ただ一挙に行き得るかということでありますと、やはりなかなかむずかしい、かすに若干の時日は要するだろう、こういうふうに考えまして、申告納税制度は、今のところ私このような見地で一生懸命勉強する考えでありまして、この制度をすぐどうするという考えは、実は持つていないのであります。 そこで問題は、もう一つ具体的に触れました調査委員会の制度でございますが、この制度は御承知の通り昔大分いろいろありまして、わが国におきまして相当有効な役目を果して来た。しかしこの制度におきましても、いろいろ利弊がありまして、地方では割合によく運用されまして、うまく行つておるのが多かつたが、大都市方面になりますと、調査員の個人的に知り合いのような一部の人だけが調査が行き届いて、一般的に行き届かないというような結果、かえつて場合によりますと、うまく行かぬ場合も相当あつたと思います。私は率直に申し上げまして、いいところもあり、惡いところもあつたと思いますが、申告納税制度を開きました後におきましては、どうもこの制度とうまく結びつかないのでありまして、納税者が税法に従つて正しく申告する、それが正しいかどうかを税務署がよく調べまして更正決定するわけであります。更正決定をする段階におきまして、審査の段階において、民間の委員会をつくつて審査にかけるようにしたらどうか、こういう意見がございます。これは確かに一つの尊重すべき意見だと思いますが、ただこの点も、やや理想に走り過ぎておるという感じをお持ちになるかもしれませんが、大体所得が幾らあるかというようなことは、これは事実認定の問題——もちろん法規の解釈を伴いますが、税法の解釈に従つて、所得がそれぞれ幾らあるかということを、これは相当專門的に詳しく調べてからでないと、ほんとうははつきりしない。外形的に常識的にきめるということと、事柄の本質がやや違うのじやないか。むしろ将来の方向といたしましては、的確なる材料をつかんで、それに基いて責任のある者がよく調べて、調べたところで更正決定をやつて行く。それに異議のある場合には、正しく堂々と主張して、自己の権利を守つて行く。審査の段階といたしましても、再調査の請求という段階、審査の請求という段階、それから訴訟に行き得る、こういうふうにいたして、おりますが、そういう法律で定められた所定の手続をふみまして、自己の正当の権利は堂々と主張して行く。この意味におきまして、私どもは租税のケースにつきましても、合理的な根拠に基く訴訟がふえることにつきましては、何らやぶさかではないのでありますが、そういうふうな制規の法律的方法によりまして問題を解決する。適当に話をつけるとか、常識的に物事をさばいてしまうということは、どうも本来のあるべき方向ではないのじやないか。場合によりましては、そういうこともやむを得ない、あるいはその方が日本の実情に即するというお考えもあるかもしれません。そこが見解の相違になりますが、あるいはもう少し実行したあとで、はたして日本の国民がそういう方向の問題の処理になれることになるか、あるいはもう少し常識的であるが、簡單な方法でさばくような方向で解決するような道を選ばざるを得ないか、これは将来やつてみた結果わかれるところだと思いますけれども、方向としては今のところそのような方向で進んで行くべきじやないか。またすでにそういう方向に進んだ実例が相当ございますし、私どももできる限りそういう方向に徴税者の方も頭を切りかえまして、適切な運用をはかつて行くようにしていただきたい、このように実は考えているのでございます。 それから、いろいろなお問題がございましたが、割当の問題でございます。これは率直に申し上げまして、二十四年度以来やつておりません。もちろん割当というのは最初からやつていなかつたのですが、割当の印象を受けたことは、まことに遺憾だと思つております。税金は、あくまでも法律に基きまして徴收すべきものでありまして、非常に突き詰めて言いますと、一定の人が、一定の仕事なり一定の働きをしまして、一定の所得がある。これは一定の事実の結果から生れて来ると思うのでありますが、理想を申し上げますと、その事実関係をよく調べれば、税法を機械的に当てはめて、幾らだということが機械的に出て来るわけであります。従いまして、これはあくまでも法律に基きまして所得を計算し、それに基くところの税金を徴收するということ以外には実はあり得ない。予算の見積りといえども、單に見積りにすぎないのです。予算の見積りがどうだからというので、個別的に納税者に対しまして税額を云々するというのは、全然理由にならない。納税者が税金を納めなければならない唯一の根拠は、法律でございまするし、政府の方もまた、納税者から強制的に税金を徴收し得る唯一の根拠は、法律でございます。この法律に基きまして正しく納税をし、また徴税をするというのが、問題解決の最初であり、かつ最後の考え方でございまして、私どもまつたくそういう見地でこの運用をはかるようにして行つたらどうか。従いまして、法律をつくる際におきましては、歳入の必要と予算の必要との見合いをとりまして、妥当な税法をつくることを一生懸命勉強しなければならず、できた税法は、なるべく適正に執行して行く、それによりまして、適正に徴税をして行くということで、この問題を解決して行くべきではないか。そういう意味から考えますと、実際問題としましても、今お話のような問題は、世間から声が出ないように私ども努めて行きたい、こういうふうに考えておるのでございます。
○三宅(則)委員長代理 委員長からちよつと申し上げます。税の收入に関しまする問題は、わが国経済の根幹をなすものでありまして、予算、決算と同様、きわめて重要なる問題でございます。幸い平田主税局長が御出席でありまするし、後刻国税庁長官高橋衛君も御出席になりますから、本日心行くまで御質問を願いまして、ほんとうに国民の代表としての職責を全うせられんことを希望いたします。 〔三宅(則)委員長代理退席、余光 委員長代理着席〕
○田中(角)委員 基本的にいろいろな御説明がありましたし、私の希望も、これは国民の希望でありまするので大体わかつておりますが、私がここで端的に申し上げたいのは、予算委員会においても、大蔵委員会においても、皆様を相手にして私たちが質問するというのが無理かもしれぬのです。これは新憲法の建前上、国会は立法の府でありますので、皆さんからお聞きしないで、私たちが適切なる立案をすればいいのですが、私たちは、とにかく決算の報告が出たので、それに対する批難事項に関連して御質問するというので、ついそうなるのです。ただいつも大蔵大臣にしても皆さんの御答弁にしても、結論的には、国民所得が上らなければならぬ。現在の税は御承知の通り確かに多いのです。これは大蔵当局が考えてもだめだし、私たちが考えても当然できないものなんです、私たちはそれだけを言つておるのではありません。もう一つは、現在の税法が適切であるかどうかというので、しよつちゆう改正法律案が出ておる。もちろん、ただすべきところはたださなければならない、こういうのでありますが、ただ最善の策ができない場合は次善の策、次善の策ができない場合は三善の策というので、現在の法律下において、また現在の国情下において、適切妥当なるものを皆さんの手でとるのにはどうするかという問題、もつとはつきり言えば、大蔵省の主税局の現在の権限と国税庁の権限、国税庁の義務というようなわくの中でも、相当拔本的な改正が行われれば、適正なる徴税ができるのではないか、こういうことを私は考えるのです。そういうことを聞きたい。そうすれば、法律案をつくらなくても——今あなたが発表すれば、あしたからそういうことがかわるということは、非常にはつきりしているので、そういうことはいいのです。だから私の言うのは、やみ所得者の把握は、今の徴税機構を倍にし三倍にし十倍にし、月給をくれて警察官をうんと増すのと同じことで、それは幾らでもできるのですが、そうではなく、増すというよりも縮めるような方向でありながら、何とかして今の三倍も四倍も実績をあげられる妙案はないか、こういうふうにお聞きしているわけです。だからその意味において、二、三簡單にお聞きしますが、現在滯納しておるところの租税を早急にお取立てになるのに、どういうふうな具体策をお持ちであるか、これについて、まず簡單にお聞きします。
○平田政府委員 ただいま何か妙案はないか、一ぺんに解決するようなことを適当にやつたらどうかというお話でございますけれども、なかなかそう行かないところに、問題のむずかしさがあるのではないかと考えます。一番いいのは、税金をうんと軽くすることである。これはいろいろ財政計画、経済情勢等との関係もございますので、できるだけ私ども努めておりまして、今大蔵省といたしましても、予算を減らして、税金を軽くするよりほかないと思つております。しかし今の状況で、すぐ一ぺんに問題を解決するということは、率直に申し上げて、なかなかむずかしいのではないかと思います。それにもかかわらず、仰せの通り直すべき余地はたくさんあると思います。 今の滯納の問題につきましては、後ほど国税庁の長官が見えてお話になつた方が適切かと思いますが、運用の実際上でございますので、これにつきましては、いろいろ新規な方法等も考えましてやつているようでございます。たとえば、最近やつておる一つの例は、ある程度まとめて納税者を税務署に呼び出しまして、納税上の希望等について自由に相談し、相談に基いた結果を確実に実行してもらうといつたような、個別的な納税者との納得ずくの滯納の整理といつたような方法もとつております。それから分割納付も、実際上相当認めております。また、もちろん差押えの方法等につきましても、実益のない者はなるべくやめまして、実効のあるものをなるべくやるというようなことをやつておりまするし、要するに、いろいろな方案を、できるだけ適切に計画を実行して行くということによりまして解決するよりほか、ないじやないか。さらに、それにもかかわらずこげついて残つて来ているのがあるようでございますが、この点につきましては、法規の改正の問題といたしましても、さらにもう少し運用がやりやすいように、分納の制度、あるいは三年間たな上げの制度等につきましても、目下検討中でありまして、これも成案を得まして、今度の国会に提出する見込みでございます。但し、その際におきましても、先ほどお話になりましたように、すでに納めた納税者との公平の問題がありまして、簡單に一刀両断的に問題が全部解決するといつたような名案は、なかなかむずかしいと思いますが、極力勉強したいと考えておるのでございます。
○田中(角)委員 一刀両断的にはできないと言われますが、滯納した者には分納を認める、早く納めた人はばかをみたじやないかと、一言や二言国民から言われても、その責任は大いに感じて、これからはさようなことはいたしませんからというくらいで、思い切つて断行せられた方がよろしい、こういうふうに希望を申し上げておきます。 第二には、徴收不能がほとんど確定的な者に対しては、どういう処置をおとりになるお気持でありますか。
○平田政府委員 本人がたとえば行方不明になりまして、いくら調べてもわからぬといつたような場合、それから資力を完全に喪失しまして、税金を納めることがとうてい不可能と認められる場合には、現在でも欠損処分等の方法を採用いたしております。しかし、そこまでははつきりしないでも、ほとんど納めにくい者、すぐ納めたら生活が著しく困窮するとか、あるいは事業がつぶれてしまうとかいうおそれのあるような場合におきましては、三年間ぐらい一種の自然債務の形にしまして、延滯金等をつけないで、たな上げするというような方法も、少し考えてみたらどうかと思います。
○田中(角)委員 徴收不可能の中に、特に農村や積雪寒冷地帶というような中に入つておつて、非常に苦しい特別の事情の人がおります。こういう、普通であるならば、営業しておらなければ国から扶養を受けなければならないような人に対して、十五万円、二十万円という税金をかける。あんまをやつておつたり、買出しをやつたりして、ささやかに生きておる人に、営業をしておるという見方でもつて——感情的なものも相当あります、実例をあげれば幾らでもありますが、こういうような弱い女の人に対して十五万円、二十万円、しかもそれを割り当てたら、面子にかけてもとつてみせるというので、どこまでも延滯利子をつけておるという事例があるのです。こういうものは、あつさりかぶとを脱がれますか。場合によつたら、私はそういう人を処分しなければならぬと思つておるのですが、処分どころか、東京に栄転をさせおる。さらさらとした、喜んで收められるような納税にするには、こういう者に対してどうするか。これは長官にお聞きするのがほんとうですが、無理を言つてもしようがありませんから——これは現実にある、あるから税はやかましい。これはひとつ大いに考えてもらいたい。 もう一つは、これと関連して、昭和二十五年度の五月から施行せられておるところの予算執行職員の弁償責任ということについて、いわゆる弁償法というものを私たちも合同審議をしてつくつたのです。このときには大蔵当局もあまりいい顏をなさらなかつたのですが、特にもう一年、二年実施してみて、歳出だけに適用せずに、歳入面に対しても適用したらというような話もあつたわけです。しかし今は泣いて馬謖を切るというか、惡徳徴税吏の処分を行うことが必要だと思う。今までは簡單に、まあ部内のことは部内で、何とか表に出さないでというようなことで、転職処分で大体片づけ、場合によつては栄転というようなことでやつておられるのですが、そういうことは、確実にびしびしとやられなければならないと思うのです。そこで、もう一年間過ぎたので、私たちはこれも入れようとも思つておるのですが、これに対してのお考えはどうか。と同時に、これは会計検査院が一々検査をし、承諾を與えるのですが、会計検査院の権限立法とでもいうべきこの法律案に対して、会計検査院も、予算はわれわれとは別だということでなく、予算によつてまかなわれている金が、適切に使われているかいないかを検査する権限を持つあなた方であるので、大蔵省とは全然別な観点になるかもしれませんが、入れたらいいか惡いか、もし入れたら徴税機構はうまく行くか行かないかというくらいな御答弁をひとつお願いいたしたい。
○小林会計検査院説明員 課税上の問題につきまして、今の滯納が非常に多いということについて、その原因を一応考えてみますと、先ほど来お話のありまするように、更正決定の事実が非常に多い。会計検査院でも、徴收可能のものがありはしないかということを、同時に検査いたしておるのであります。その分は、その率も非常に多いのでありますが、これらはいずれも納税者の方から審査請求なりが出ておるのでありまして、会計検査院といたしましては、その確定したものにつきまして検査をいたしておるわけでありまするので、なお継続中のものについては、検査中であるという結果からして、徴税上の問題については、割合に問題が少くなつております。 もう一点の予算執行職員の責任の問題でございますが、これは御承知の通り、ただいまのところ歳入徴收官というものに対しては、その責任をまだ法律上考えておりません。歳入徴收官も、ただいまのお説の中にありましたように、責任を問うことに改めてはどうかという点でございますが、そういう点になりますと、国有の物品を売り拂つている国有林であるとか、あるいは租税その他、歳入徴收官というものは相当広範囲でありますので、その責任を律するのに、画一的な標準だけでは律し切れないというような点もありまして、ただいまなお検討いたしておる次第でございます。
○平田政府委員 今の問題は、私ども大体検査院と同意向でありまして、歳出の方よりも歳入の方に責任を負わせようとしますと、やはり相当考えなければならぬ意向が多いのではないかというふうに考えておりますので、まず今の段階におきましては、しかし、それにもかかわらず、行政措置といたしましてできる限り責任を明らかにするというので、これも後ほど国税庁からお見えになりますと、お話になるかもしれませんが、それぞれ必要な責任は問うということを、最近は相当励行しておるようでございます。そのような方法をまずとりまして、できるだけベストを盡してみた上で、あるいは、さらに再検討するというふうに考えてみたらどうかと思います。 なお先ほどからいろいろお尋ねがありまして、お答えしたのでございますが、田中委員に、はつきり申し上げておきますけれども、税が一番重くてむずかしかつたのは、二十三年と二十四年で、五年、六年になるに従いまして、経済の状況もよくなつて、税制も大分合理化されて来ておりますので、私は、あまり惡くなつてばかりいるというこの説は納得しがたい。徐々にながら改善されている面が、実は相当あるのであります。従いまして、おそらく巷間にお話になる際におきましては、そういう点十分御了承の上でお話になると思いますが、あまり何でもかんでも惡くて、どうにも穴に入つたような気持にならないようにお願いいたします。私どもとしても、一生懸命勉強したいと思いますから、どうかその点……。
○田中(角)委員 私も自由党員であります。しかも大減税を行つておるので、その点は心得ておりますが、錦上花を添えたいために申し上げておるのです。私は共産党員ではありませんから、全然違うのです。まさに建設的意見を申し上げておるのです。 もう一つ、やみ所得の適切なる把握、これはみんなが言うのですが——私のきようの発言は非常に強いようですが、一応言つておきたい。やみ所得の適切なる把握ということで、割当はしておらないというのですが、とにか一定の支出をするのだから、これだけをとらなければならぬということが、必然的に起ると思う。所得の実際的な把握に対しては、一利一害はありますが、われわれの手が万全であるということではなく、その他の手、なかんずく民間団体で、最も合理的だというよりも、最も軋轢の少い方法を講じられる意思があるかないかということを、ひとつお聞きしておきます。
○平田政府委員 やみ所得の把握の問題は、なかなかむずかしい問題で、一昨年あたり、国会で大分共産党の方々から私も議論をかけられまして、御説明申し上げたことを記憶しておるのでありますが、お話のように、何か団体等でやるというのは、なかなかそうは行かぬのじやないかと思うのです。しかしどういう方法でありますか、具体的にそうなりましたら、お聞きして、十分考えるところは考えたいと思います。今の政府といたしましては、どうも日本の国民感情に合わぬという非難もございますけれども、例の密告制度、第三者通報の制度によりまして、相当的確なのがみつかりまして、現に査察官等が摘発をいたしておる例も相当ございます。しかしそれよりも、むしろ、やはり專門の職員を置きまして、その方の調査に当らしめるというのが妥当だと考えまして、査察官がこのような点につきまして、相当重要な活躍をいたして参つておるのでございます。私はその成績も相当上つておるものが多いと思いますが、むしろ今後におきましては、調査の方法をもつと合理化し、うまくやるという方向に行きますれば、なおさら効果があるのではないかと思います。それと根本には、二、三年前と違いまして、やみ所得というものは、ほとんど少くなりまして、現在ではそういうことに悩まされるところは少い。従いまして、一面におきましては、会社等も利益を自然に申告するという傾向にもなつているようでありまして、一時のようにやかましい問題にはならないだろうというふうに考えております。
○田中(角)委員 大蔵当局として、現在の徴税に当つておられる御苦心はわかります。私たちの発言する場合には、どうも惡いところだけ申し上げるようで、まことに共産党みたいで惡いのですが、意のあるところは、建設的な自由党でありますので、ひとつお考え願いたい。 先ほども申し上げましたように、いわゆる徴税官吏は、自由裁量の権限を持たず、法規裁量だ。だから私たち選挙区へ行くと、こういうことを言うのです。税が重い重いと言つても、私たちの責任ではない。この税法は自由党がつくつたのだから、そこにいる田中に聞いてごらんなさい。こういう実に無礼、失敬なことを言うやつがいるのです。こういうことは、その人の感情であるし、われわれあえてこのささいなものを、取上げるわけではありませんが、少くとも私が先ほども申し上げたように、実際年に一万円しか拂えない者に、十五万円のものをやつているものがある。ところが、わずか一徴税官吏の面子のために、これを処置できない。これは国民的感情において、私は断じて許すわけには参らぬ、こういうふうに考えております。これを早急にひとつ処置してくれれば、せつない税をとるのだから、私たちもせつないけれども、とる方もたいへんだろうということで、私たちは納税が促進されるだろうと思う。その意味において法規裁量の美名のもとに隠れて、いわゆる苛酷なる徴税を行つているような徴税吏員に対して、処罰の方法を具体的に即時実行される意思があるかないか。私はこういうことを、今政府に対して要望しておく。これはただに徴税官吏のみでなく、いわゆる行政機構の監察委員会が、今度不当財委から考査委員会を経て、きのうの本会議でできました。私もその委員になつて、特に理事になつて、大いにひとつ運用しよう、こういうふうに思つているのですが、これはただに感情的に行政府に対立するということは全然ありません。私はこの前の経済調査庁法の一部改正法律案のときも、行政機構の紛淆、行政権限の紛淆を来しちやいかぬからというので、反対をしたような立場にありますので、筋は通しておるつもりですが、マイナスがあるものは、やはりひとつはつきりしなければいかぬ。こういう意味で、ひとつ昔の幕府がやつたように、とにかく国会の玄関に箱を設けて、あらゆることに対して投書を求めなさい。委員会でもつて、これをばんばんとやれば、きつと非常にお喜びになるだろうと思います。人民裁判式なものをやろう、それをやればいいのですが、じきこれを共産党が利用する。これはかなわないので、いい方法は幾らでもあるのですが、共産党がじきこれを妨害するので困つておるのです。これはだれでも見わけがつく。何万通の中でも、これは共産党だから燒けあとのものは建設的なものだから、これをやろうということを、私は真劍に考え、自由党の中でも討議してくれ、そういう国民の声をじかに聞くという方法——徴税というのは、これは真劍ですから、ひとつ国税庁の玄関に、とにかくどうぞりつぱなものに対して、もしこれが苛酷である、不当であると思う徴税官吏に対しては、どんどん意見を言つて来る、あなた方がこれをぽんぽん裁くのです。あなた方は專門家だからすぐわかる。話を聞いておつたところで、なるほどこれは惡いわいと思つたら、断じて処分を行つてもらいたい。こういう、われわれが行政府、いわゆる日本政府に対して大きく要求しておることを、まずまつ先に国税庁が取上げてもらいたい、こういうことを考えておるのですが、いかがですか。これで私の質問は終ります。
○平田政府委員 あるいは国税庁からお答えした方が適切かもしれませんが、今のお話のうち、もしも税務官吏等が法律違反であるということをみずから知りながら、それをなかなか訂正もしないし、あるいは強行する。その取締りにあたつて変な責任のがれなことをするといつたようなことは、これは断じてよろしくないと考えます。そのようなことが事実ありますれば、やはり適当な処置をとるべきものではないか、かように考えております。ただしかし、法律の説明を求められて、いろいろ説明した結果、どうにもそれ以上は説明が不可能な部分につきまして、国会で定まつた税法であるといつたような説明を與える場合があるということは、これは頭から処置するわけにも参らぬと思うのであります。その辺はできるだけ税務官吏の常識を養うようにいたしまして、うまくさばくようにいたしたいと思います。 それからもう一つは、苦情相談所の話でございますが、それは現に国税庁の玄関にも看板がかかつておるはずでございます。その結果、そうした変なものが見つかつて、責任を問われた例もあるように聞いておりますが、これはやはりそういうこともできるだけいたしまして、なるべく税金が円滑に納まるように、政府としても鋭意努力いたして行きたいと思います。そのような点につきましては、後ほど国税庁長官からお話があるかもしれませんが、それだけ私から申し上げておきます。
○田渕委員 関連して——私は決算委員会に初めて出て来たので、きようはエキストラだからあまり発言したくないのだが、こういう機会にひとつ申し上げたいと思うのです。同僚田中議員からお話があつた通り、納税調査委員会という制度が非常に円滑に行われておるのですが、これを進んで積極的に取上げるべきでないか、そうして行くことにおいて、ほんとうに民主的な徴税方法ができるので、自由党の一月二十日の党大会において首相の、つまり総理の年頭の所感といいましようか、発言で、これほどわれわれの胸を打つたものはないのです。何としても国民大衆が納得する方法に徴税方法をかえなければいかぬ。これに対してはほんとうに力を入れて進みたいというような、これは総理の年頭所感として党大会における一番われわれの意を強うし、また、さすがは自由党の総裁である、そこまで民心を把握したかと思つたのでありますが、そういうことをどうして総理が言つたかということは、やはり総理の耳に入るべき下の空気があつたということです。やはり田中議員も言つておりまする通り、われわれが地方に遊説に参りましたときに、一番民の悲鳴と申しましようか、哀訴嘆願の陳情請願を持つて来い。 〔金光委員長代理退席、田中(角) 委員長代理着席〕 演説会が終つたら何でも聞くからということで、私はずつとやつておつたのですが、何としてもこの徴税方法に対する不平不満が一番多かつた。こういうようなことが、総理の年頭所感に現われて来たのだろうと思う。そして党大会で発表したのだろうと思うのでありますが、実際二十四年度から割当制をなくして、非常によくなつておるわけだと、主税局長はおつしやつておりますけれども、ほんとうに末端はまだそこまで行つておらぬ。大分時間的ずれがある。私はきわめて深刻なことをやつておるのだから、まさかあれだけ税務官吏は惡いことをしておらぬだろうと思つておりましたが、それを聞いてびつくりした。これは過ぎたことでしかたがない。これは大勢の人間の中だからありましよう。こういうような意味において、とにかく民主的な、つまり納得の行く徴税方法とするならば、まずこういうことがいいということは、遠慮なくやつてみる。それと、まずこの納税調査委員会という制度は、非常によかつたと私は思う。われわれもあの当時は納得しておつた。こういうような線でも、ともかくいいと思うもの、プラスになるものはただちにやつてみて、国民に納得させてやりさえすれば、共産党の跋扈する余地もなかろうと私は思う。ただここに先ほど忠課長からお話があつた、換価処分は、これは断じてとるべきものではありません。但し有価証券などを持つておるところの階級に対して、相場の下落を防ぐために換価処分をするということはよろしいが、小さい八百屋、魚屋のこまかい商店のものを、ただちにその場で差押えをして換価処分をするということがこれからも行われるとすれば、それは断然中止してもらいたい。これほど残酷なものはありません。今日のほんとうにいわゆる営業者で、最も小さい、その日の所得によつてどうやらこうやら生活を行つて、そうして税金を拂つて行くというようなその根本財産であるところの商品を換価する。生鮮食料品であるとか、卵とか魚、野菜、菓子というようなものは、程度においては、それは大きな中央市場の何十貨車を受けたようなりんご、みかんというようなものを処分するのと違つて、小さい方面の換価処分というものは、断じてやるべきことではないと思う。これは共産党のやることです。そんなことは自由党吉田内閣のやることではない。これはぜひともひとつ小さい商店に対する換価処分などは、有価証券で相場の変動があるためにやるというような有産階級、あるいはやられても痛くない階級、ここらにやる、こういうような方面に私はかえていただきたいと思う。 それから一例を申し上げれば、非常に若い官吏を多く置いておつたのが、二十二年、二十三年、ここらの若い官吏が医者のうちへ行つても、突然黙つて入つて行つて、それで徹底的にもうずつとにらめつこでやつておる。向うでは三人も四人もで来るのだから、こつちは一人でいるのでたまりませんということで、服従したということも聞いておる。これは現実に私が陳情を受けておる。また先ほど田中委員からお話があつたように、事情を知つた者に税の徴收をやらせるということは、非常にいいことなのに、とかく末端の税務署へ行きますと、土地の者を使わぬ、管内の者を他の管内に使う。これはまけてやつたら、いろいろな情実があるという弊害もあるだろうし、実際民意を早く知り、真相を知るのは、それらが一番よく知つておるのだから、納税調査委員会などをつくる前提としては、なるべく土地の者を、情実因縁によつてこの弊害のないように、署長の訓示一つ、署長の腕一つで行けるのであるから、そうして使用して行くということにしなければ、遠くほかの管内に出て行くために、通勤手当も高くなる、能率も上らぬ、それに世帶持ちなども非常に困つておるというようなことの陳情をたくさん受けております。ともあれ、われわれが行つて見て多く聞くことは、巡査よりも税務署が一番こわいということを言つておる。子供は、巡査が来たからといつても泣きやまぬけれども、税務署が来たといえば泣きやむという状態です。こういうようなことは、これは一月の十五日から十八日までに聞いておるのだからしようがない。巡査だつたらこわくない、おまわりさんだつたらこわくない、税務署が来たら子供が泣きやむというほど恐怖心にかられておる。こんな点は徐々に二十二、三年ごろから改正されておると思つたのだが、こういうような点で陳情が十五、六件ありました。かような点から見ても、大蔵省の首脳部の持つておる思想が末端に徹底しておらない、まだ時間的ずれがある、こういうようなことについては、ぜひとも早速かえてもらいたい。ともあれ一千億からある滯納は、講和でもあるということになつたら徳政でもひいて解放すべきものである。そうして大いに国家再建に寄與せしめる。特に委員会などをやつてみますと、たいていわかるのです。芸妓屋組合の方から、お前の家は毎晩客が来ているかりこれだけ納めろということをいえば、納得しますが、税務署が行つて申告でやろうとすれば無理がある。漁業組合にしてもしかり、その他の組合においても、その組合自体が実態を把握したら、君らのところは税を納める資格があるよということで、納得させればいいのだから、なるべくこの際ひとつ名主税局長と言われておる平田さん時代に、こういうような点を遠慮なく実行してもらいたい。また特に国税庁長官にお願いしておきたいのは、われわれの演説会の陳情、請願において、いまだに税務署に対する不平があるということは、はなはだ遺憾であります。一例を申しますと、私の和歌山県の第二区ですが、紀州みかんで有名な有田郡の湯浅町に、大阪国税局長から第二のいい成績をもつて賞讃されたばかな署長がある。田淵のところでこういうことをしたと、私は怒つたのですが、御承知の通り、いもあめ税というものをとつておるので、百姓どもが逃げてしまう。逃げてしまうから、いもが十八円に下つた。ほんとうにつくれつくれといつて、みかんやかきの木を切らせてしまつて、そこにいもをつくらせて、今度はそのいもを何とかしようというときに、いもあめ以外にないというので、あめをつくると、一貫目のいもあめをつくつて、脱税で何十万円とかけて来る。こういう苛酷なことをやつたので、五十何人のいもあめ業者が寄つて、ひとつ助けてもらいたいというので、私は湯浅の税務署に行つた。こういうようなのがほんとうの惡徳官吏で、国民をいじめて納めさせれば、これが国税局長に気に入つておる、こういうようなやり方、それがために百姓の小づかいがなくなつた。いもあめに税がかかつて来れば、いもは売れない、だんだん腐つて行くから、これが二十円から十八円になり、十七円になつて来た。こういうようなことで、私は税務署に行きまして、課長に責任を持たさぬ、署長に責任を持たさぬ、いけなければ国税局長に会おう、いけなければ大臣にも会つてみようじやないかということで、そこらはほんとうに危險な線までやつた。ともあれ税務官吏が来たら、やみ夜に足をかつぱらうのだということまで言つておつた。私はまあ待て待て、お前らも惡い、戰時中に供出せいというときに、いもあめをつくつて、もうかることをやつたのだから、税務署が来て恐怖心が起るのも、かつて惡いことをしたからだ。しかし今日限りそういう納めるべき税金だけは納めなければならぬ。そうして税金の科目を調べてみると、水あめという中に入れておる。水あめは米からつくつたあめであるのに、いもあめを中にぶち込んでやつておる。これは徹底的に調べてみようと思つたが時間がなかつたので、陳情だけ受けて帰つて来たのですが、その土地の税務署長が苛斂誅求をやつて、それが出世してどんどん栄転するというようなことでは、大衆はたまらぬ。それは自由党の政策に反する、総理が正月の大会に言つたことと反するのだから、こういうことのないようにしてもらいたい。 もう一つひどいのは、こういうことがあつた。湯浅の税務署ですが、これは若いのです、二十五です。いもしようちゆうをつくつている工場に行つて、そうしてしようちうが出る蒸溜機のところへ持つて行つて、まるで税関が外国から来たものを検査するごとく嚴重なことをやつておる。これには損害賠償もとつてやるということを言つておるが、こういう惡辣なことがまだ末端において行われておる。あえて共産党の口をかりなくても、われわれはやることはやるのです、ほめることはほめるのです。こういうようなことをすることが、結局共産党を乘じさせることになる。自由党の代議士が来ても、そんなことはだめだからおれの方に持つて来いということを言うから、共産党に入つてしまうということになる。そういうことのないようにしなければならぬのに、こういう一例があつた。これはまことに昭和の、ことにわが党の内閣において、はなはだ遺憾なことだと思つておるが、そういう署長が栄転しておる。こういうような点において、先ほど田中議員の言うたことく、まつたくむちやなことをやつておる。こういうようなことがあつたら、はつきり処罰してもらいたい、左遷すべきです。ほんとうに納得し、いい署長が来たら税金が上らぬ——あまり国民を甘やかしてもいかぬけれども、納得をして、いい税務署長だという制度に持つて行かなければならぬ。私は今までの話を聞いて、きようはただ補欠で来たのだから、こういうことを言いたくなかつたのですけれども、幸いいい機会でありますし、委員長も率直に言えというから、忌憚なく申し上げたのですが、こういうようなことはどうか国税局、主税局の方から、末端の税務署、末端の税務官吏に至急に透徹して、ほんとうに自由党の政策というものを納得し、民主政治を実行しているのだというような線に持つて行つていただきたいということをお願いしておきます。 今申し上げたことに対して私はそういうことがあつたとか、なかつたとか、あるいはどうするかというような御答弁はいりません。ただこういう例があつたということを申し上げて、あなた方は大蔵省におられて、あまり困つてはおらぬだろう、国民が納得して納めておるのだろうということをお思いなさるかしらぬが、そういうことが現地にあつたということを申し上げておきたい。そこでまず第一にお願い申し上げるのは、大蔵省はわれわれががんがん言つているのを聞いていると思うが、ともかく大衆と抱き合うという線に行つていただきたい。大蔵省のあの窓口などというものは、駅のさくみたいなものをつくつてしまつて、面会しようと思つても、われわれは議員バツジを持つておりますから、すつと行つておりますけれども、定めし困つたことだろうと思う。あれは親切にテントでも張つて、雨の日の用意ぐらいしてやれませんか。なぜ衞守に看視させなければならぬほど国民が多く来たかという、用件の目的というものをデータにとつてごらんなさい、おそらく私は下平の陳情じやなかつたと思う。こういうことなども、大いに考えてもらわなければならぬ。ともあれ、大蔵省に行けば頭を下げなければならぬということで行つておる代議士が多かつた。かつての古い代議士にはみなそれがある。課長の前に来たらぺこぺこ頭を下げて、ただ私利私欲、自分の選挙区のことばかり考えておるから、そうさせてしまつた。少くともわれわれは、大臣の部屋にも、局長の部屋にも入つて、そこで円滑に話をするのがわれわれの責任だ。こういうような点において、高橋長官も平田局長も、われわれと懇意であるから、訓辞してくれておるとは思うけれども、本省があの思想なら、地方の国税局等はどんなであろうか。地方の税務署などでは、まるで神様の前に参るようなこわい思いをしなければならぬ。これでは大衆と抱き合えません。そこでお願いしたいのは、窓口政治をやつてもらいたい。たとえば地方では税務署長が窓口に出てやつてもらいたいのだが、地方に行くと、税務署長の部屋に入るのは、なかなか容易なことではない。そういうことをやつているから、こういうような間違いの起つたものが五百何十万円も出て来たのである。あれだけ苛斂誅求をした惡いやつの出て来たのもそこにある。窓口政治、そういうような点をお願いしたいと思います。私の希望はそれだけであります。
○平田政府委員 ただいまのお話、まことにごもつともなところが多いと考えられるのでございまして、私どもできるだけ今お話になりましたようなことを、たびたび繰返して言つたことも実は多いのでございます。なお一層努力いたしまして、改善に努めたいと考えます。ただ最後の点だけは、これは会計課長がおりますが、なぜああいうことをしなければならなかつたかということについては、少しお聞き願つておいた方が、もつと国税のほんとうの状態がおわかりになると思いますから、会計課長から説明さしていただきたいと思います。
○小川政府委員 たまたま庁舎の問題は、私責任を持つておりますので——私は会計課長に就任いたしまして、ああいう門衞の出入というものは自由にして、何でも気やすく入つてくれという方針をとつておるのでありまして、上司にも相談したらけつこうだということで、徹底的にやつておりましたが、暮は御承知のように、いろいろ賃上げ闘争その他の問題がありまして、いわゆる集団的に上の方へ交渉に来られる方々が多かつたので、やむを得ず緊急の措置としてやりましたが、年も明けまして正月になりましたので、もう門松を立てまして、さつとあれを取上げて原状に復しておりますから、その点はどうぞ御了承を願います。
○井之口委員 あとで国税庁長官がお見えになつたとき、なおひとつお聞きしたいと思いますが、主税局長さんにひとつお聞きしたいと思うのは、この価格差益納付の問題であります。これは今まで物価庁が管轄しておつたのですが、今度はまとまつて管轄外になつているそうです。そうして滯納が約五十億からあるというふうな報告がこの間ありましたが、これはどういうふうにしてとつて行くか、その点についての見通し、また何か計画もあるのか。非常に人数も少いし、これはとれるかとれぬかわからないというふうなことを、係の人も言つておるような状態でありますから、この点をひとつ聞いてみたい。 それから、これに関連いたしまして、漁業家に対していろいろ報償物資奨励物資を出しておつた。それが綿類の価格下落によりまして、非常な損失を荷受業者がこうむつて、それを補償しなければならないというのです。約四千万円くらいの見当だそうですが、こういうものは価格差益として、水産関係の業者から政府に、騰貴して行く場合にはどれくらいのものが上つておつたか、そういうものと、ちやんと政府に納入になつておるのか、そうして差引きしてみればどんなふうになるかというような点も、ちよつと聞いてみたいと思います。
○平田政府委員 価格差益の問題は、御指摘のように、前は物価庁が所管していたのでございますが、公定価格の仕事が減りまして、特別なシステムを物価庁に置いておくのは不適当だというので、今国税庁が所管しております。そうして相当滯納の多いことも聞いておりますが、その詳細は国税庁の方から最近のをお答えした方が適切かと思います。中にははつきり徴收できるものも非常に多いようであります。もちろん今となつては徴收しにくいものも、ある程度あろうと思いますが、これは極力業界の納め得るような時期を選びまして、適当の時期に納付してもらうということで、計画を進めておると思いますが、この内容は国税庁からお答えいたしたいと思います。 それから第二の問題、これは私の方も間接に承知いたしておるのであります。農村に配給する見込みのものが、計画の当時から実行の時までに相当時日がたちまして、その結果配給機関及び消費者に不当な損害を及ぼしたというので、補償することになつております。これはたしかこの前の国会で予算も通りまして、実行する運びになつておると承知しております。その際は、もちろん価格差益と残りの分との関係はよく考慮いたしまして、適切な補償額をきめることになつておると私ども聞いておつたのでありますが、この点具体的なことは、主計局の方からお答えするのが妥当だと思いますので、その方からお答えしたいと思います。
○井之口委員 大蔵委員会か予算委員会の資料に、二十五年六月末一千百三十九億の滯納が、十月末になりますと九百九十六億に減つて出ておりますが、これは過年度分も入つて、二十一年からずつと二十二年、二十三年と全部にわたつてのものでしようか。またこのほかに、たとえば政府の国有財産を貸した分、あるいは売り拂つた代金、いろいろな報償物資の代金、その他廃兵器類一切を入れて政府の取りまえを計算して総決算してみると、一体どれくらいになるものか、もつとこれよりふえるだろうと思うのですが——それから大蔵大臣は、二十五年度以前の分は、近いうちに法令をもつて切り捨てるというふうなことも言つておられるようでありますが、その方針もわかつたらちよつと聞きたいと思います。なお、もしこれが切り捨てられるとすれば、どういうところが切り捨てられるか。今のところ所得税、相続税、戰時補償特別税、その他いろいろな税金の関係で、五十万円以上の滯納の分の報告が、県別あるいは税務署別に出ておりますが、具体的にどこのどういう人がこういうことをやつているのだということが、全国的に出ていない。私先からその資料を要求しているのですが、こういうものはできないのですか。これはやろうと思えばできるのか、ひとつその点。
○平田政府委員 ただいま一番最初にお尋ねの点は、おそらく税金だけの二十四年以前の分を二十五年度に繰越した額と、それから六月末現在の税金だけの滯納額、その資料かと存じます。なお最近の資料を昨日予算委員会へ提出したのでございますが、二十四年度から繰越しました税金の総額は千二百五十八億三千六百万円、そのうち最近までに大分片づきまして、現在残つております税額が六百十四億二千五百万円になつております。これは現金で入りました三百四十六億五千二百万円と、それから誤謬訂正、欠損処分等で減つたものもございまして、十二月末の滯納額は六百十四億二千五百万円になつております。それから二十五年度におきまして新しく発生した滯納額、これは滯納税額の合計からいたしますると八百七十三億九千七百万円が一応税務署の徴收簿に滯納額として載つかつたものでございますが、そのうち相当片づきまして、十二月末日現在では三百八十二億六百万円になつております。従いまして、十二月末日現在の滯納額の総額は三百八十二億六百万円に六百十四億二千五百万円を加えました約九百九十六億余万円になつておる次第であります。なおそのほかに、税金以外にそういう繰越し未納額が幾らあるかという問題でございますが、これは主計局かどこかから、あとで申し上げることにいたしたいと思います。それからもう一つ、過去の滯納税額の処理につきまして、切り捨ててしまうというお話でございましたが、今のところ、全部一律に切り捨てるということは、著しく公平を欠きますので、そこまでは行きがたいと考えております。先ほど田中委員にお答えしました通り、あるものは分納を認め、あるものは五年間ぐらい自然債務の形でたな上げしておく、はつきり資力がなくてとうてい納税が困難だと認められるものは、欠損処分等を適切に行いまして片、つけて行く、そういうように段階的にわけて考えまして、この滯納の整理を促進するようにいたしたい。その具体的な法律案を、目下実は立案中でありまして、近く国会に提案になりました際に、さらに詳細御説明申し上げたいと思います。 それからもう一つは、滯納額の報告でございますが、これは相当多額の計数になつておりますので、具体的なものを低いところから出すのは、なかなか手数だと思いますが、今までどの程度まで出しておりますか。この辺国税庁によく相談しましてお答えいたしたいと思います。
○田中(角)委員長代理 井之口委員に申しますが、国税庁からただいま政府委員が見えられたそうでありますから、御質問は後刻に願います。
○三宅(則)委員 私は決算委員会でお聞き申し上げてはどうかと思いましたが、幸い主税局長がお見えになりましたから、国民の声として露骨に申し上げますから、どうぞお聞き取り願いたいと思います。今度の総理の演説といい、また大蔵大臣の演説といい、適正な課税をするということは当然なことと思いますが、だんだんと申告納税もよくなつて参りましたので、いよいよ本二十六年度あたりは、八割程度は納税者の申告通りにし、あとの二割見当を更生決定するというような線かと思いますが、政府の方では、出て来なければわからぬとおつしやるかもしれませんが、一体どのような方針でおられますか、主税局長が今おわかりでございましたら承りたいと思います。
○平田政府委員 今のお話は、行政の運営に関するきわめて実際的な問題でございますので、国税庁長官からお答え願つた方が適切かと思いますが、私どもも、国税庁におきまして、大体お話のような方針でやつていることを聞いております。非常にいいことだと思つております。極力申告で納税してもらう、更正決定の分はよく実際を調べまして、自信のあるところを更正決定して行くということにいたしまして、大体お話のようなことにおちつくような方向で運用して行くということじやなかろうかと思います。ただこれは一つの目安にすぎませんので、別に大してそれ自体に意味のあることとは思いませんが、そういう気持で運用をはかつて適正を期するという考えでおります。
○三宅(則)委員 今の主税局長のお話によりまして、大体の方針はわかつたわけであります。国民もまつ正直なことを申告するであろうと、このことを期待するわけであります。ただ過去のことを申しましてはなはだ恐縮でございますが、二十三年、二十四年は、非常に税務官吏の方も経験が足りなかつたり、あるいは年齢も若かつたり、社会情勢も混乱しておつたというわけで、御承知の通りここにありますような事例がかなりあつたわけでありまして、税務官吏の怠慢というか、あるいは常識が足りなかつたという意味合いでありますか、そういう関係上、いろいろの事件が多かつたわけでありますが、これは漸次改良せられつつあることを私も認めております。ただ主税局長も部下を監督する上におきまして、税務官吏は練達堪能の士を採用するという御決意を示しておられることはよく了承するわけであります、だんだん上昇して来たと思いますが、本年あたりは七万有余の税務官吏のうち、どのくらいの年齢になつておりますか、経験年数がありますか。もし最近の調査がありましたら、国民に知らしめるために、ひとつお示しを願いたい、かように考えます。
○熊野説明員 私から答弁させていただきますが、今のお話は表は出ております。大体全般としては二十五歳以下でございます。階層別に何歳以上は何パーセント、何歳以上は何パーセントということは、一応わかつております。
○田中(角)委員長代理 皆さんにお諮りいたしますが、平田大蔵省主税局長が、予算委員会に出席の都合もあるそうでありますし、ただいま高橋国税庁長官が見えられたので、税に関する質問は、高橋さんに御集中願いたいと思います。
○三宅(則)委員 それでは要求がありまするから、早くやります。私の心配いたしておりますのは、納税者と税務官吏との間の、やみ取引じやありませんが、強制的にきめるというような場合があります。はなはだ露骨なことでありますが、若い青年官吏が納税者を呼びつけて、これでやつて行かないとあとがこわいぞというようなことを言う人があります。そういうことで、その中に税務代理士があるにかかわらず、税務代理士の質問もしくは応答を聞かないで、かつてにきめているということがあるそうでありますが、これはどうも行き過ぎであると思います。今後税務代理士のあるものについては、税務代理士の意見を聞いて、しかる後にやつていただきたいという意見を持つております。これに対して何か方法を持つておられますか、おられませんか、その点を聞きたい。 もう一つ、先ほど来たびたび申されておりますが、税法はむずかし過ぎる。私は各委員会でたびたび言つておるが、今度は何とかもう少し便法的な、わかりやすいような法文の文章に書き直す意見を持つておりますが、そういう用意を持つておられますか。この二つの点を、主税局長から本委員会において伺いたい。
○平田政府委員 今の最初の点につきましては、税務代理士が納税者の代理をいたしまして、書類を提出したような場合には、必ず税務代理士のみに交渉して行くということにしてしまうかどうかということは、これは法律問題としまして、そのようなことにつきましても、実は研究いたしてみたのでございますが、ただ一律に全部そこまで縛つて行つてしまうのも、ただいま必ずしもうまく行かないじやないかと思いまして、目下どちらにいたしますか、研究いたしております。よく三宅先生のお話も承りまして、善処いたしたいと思います。 第二の点は、簡易の問題でございますが、これは率直に申しまして、ただいまお話のありました通り、私どももなるべく簡易にいたしたいと思うのでございますが、簡易にすると荒削りになりまして、いろいろな意味の負担の公平に反する。たとえば、今度いろいろ控除制度をとりましたが、あれだけ條文が複雑になつて来るといたしましても、それは改正してみないと、答えが出て来ないということになりまして、税法は複雑化しつつ簡易化し、また複雑化しつつあるというのが実際の行き方じやないか。イギリスの所得税法なども、千條に近い厖大な條文になつているのであります。アメリカの税法も同様でありまして、税法を簡單にするということは、なかなかむずかしいことであるようであります。従いまして、私どもといたしましては、その補充といたしまして、なるべくわかりやすい解説書を、法文等にあまりこだわらずつくりまして、まず普通の人が申告する上においては、それを見れば大体わかるようなものをつくることにいたしたい。国税庁も勉強して、そういう計画があるようでありますが、非常にけつこうな計画であると考えております。非常にむずかしい專門的な問題になつて来ますと、これはやはり弁護士、税務代理士、あるいは役所の人に聞いてもらわぬと、税務署員がやるということはなかなかむずかしい。非常に低いわずかの税金をとるならば、法三章で済むと思いますが、二千五百億になんなんとする所得でありますから、必ずしも簡單に行かないということを、あわせて御了承願いたいと思います。
○三宅(則)委員 今のお話でたいへんけつこうであります。今お話のありました割合に簡單な解説書を出す、これはぜひひとつ全国民に知らしめるために、国税庁並びに税務署、あるいは団体等に配付せられんことを要望いたします。 〔田中(角)委員長代理退席、三宅 (則)委員長代理着席〕
○三宅(則)委員長代理 それではただいま高橋国税庁長官が御出席になりましたから、一昨日以来残つております質問の継続を許します。井之口君。
○井之口委員 ただいま主税局長にもお尋ねしたのでありますが、要領を得ぬので、国税庁長官にお尋ねいたしたいと思います。この滯納分の報告が二十五年十月末で九百九十六億になつております。これは大蔵委員会に提出された資料によるのでありますが、このほかになおいろいろな、たとえば政府国有財産の貸付、あるいはこれの売却、それから放出物資の売却問題、またいろいろな解撤した艦体の総決算、あるいはその他さまざまの、政府のとるべくしていまだにとれないような一切の決算の総括をしたならば、一体幾らぐらいのものになるであろうか。当然今整理の段階も非常に近づいておりますので、そういうようなものが明瞭にわかつていないと、切り捨てられて国民が大きな損害を受けるだろうと思うのでありますが、そうしたものの総括的な、総体的な計算がどうなつているか、ひとつ御返事を願いたいと思います。
○高橋政府委員 国税庁の主管しておりまする滯納金額は、十二月末におきまして九百九十六億円に相なつております。
○井之口委員 十月と同じですね。
○高橋政府委員 十月末と大体ほとんど差のない金額になつております。十月以後におきまして相当整理は推進したのでありまするが、同時にまた新しく申告され、また賦課決定された金額で滯納になりましたものが追加されましたために、結局残高としては、大体同様な金額に相なつておるのであります。しかしてそれ以外の滯納の分につつきましては、私の主管でございませんので、この際お答えすることは、ちよつといたしかねると思います。
○渕委員 この滯納の金額の問題にからみまして、この前から井之口さんが申されておりました通り、内容を明らかにしてもらいたい。ただ内容を明らかにすることは、なかなか困難でしようから、たとえば十万円以上の滯納者だとかいうようなものをパーセンテージで出しまして、そういう方がたとえば三〇%、あるいは五百万円以上が五%、こういうものくらいは、簡單に即座に現われると思いますから、これを一応はつきり国民に知らせてもらいたい。それによつて、いかに滯納状態というものが、零細な者と高額所得者との間に、不均衡があるかという問題の解決点になるかと思いますから、そういうものは即座に発表できると思いますので、一応やつていただきたいと思います。
○井之口委員 今の政府から発表されておりまするものは、局別になつておりますが、これではどうしてもわからない。また同様に、十万円以上の滯納者のパーセンテージを出されても、どういう人たち、ほんとうに担税力のある人がそういうことをやつているのかどうかということはわからない。これは大きく見てもよろしい、五十万以上でもよろしいから、だれが日本国民の中において、そういうふうな古い時代から滯納をして、今日まで義務を果さないでいるのか、こういうものを具体的に出すことはできないのかどうか。
○高橋政府委員 ただいまここに詳しい数字を持ち合せておりませんので、満足な御答弁もいたしかねることを遺憾と存ずる次第でありますが、大体の数字を申し上げますと、五十万円以上の滯納者の数が約一万人足らずということになつております。税額におきまして百五十九億かと承知いたしております。従つて九百九十六億に対して百五十九億でありますから、約一割六分程度のものが、五十万円以上の滯納者ということに相なつております。しかして、それ以下の階級別につきましては、私の方で資料をとつておりません。各税務署におきましては、あるいは個々のものも調べ得るかと思うのでありますが、御承知の通り、滯納税額は日々変化しておるものでありますし、しかも件数におきまして、十二月末におきましても七百七十一万件という、非常に厖大な数に上つております。従つてこれを各階級別に分類するという作業は、ちよつとやそつとでできる作業ではないのでありまして、非常に税務署でも忙しいということを、ひとつ御同情願いまして、新しくそういうふうな調査をするということにつきましては、いま少し年度が過ぎたころに——私どもとしましても、この分析はぜひ出したいと思つておりますので、そのころまで御猶予を願いたいと存じます。
○渕委員 今の説明によりますと、五十万円以上が一万人と申しますが、その残は五十万円以下と見てもさしつかえございませんですか。
○高橋政府委員 その通りでございます。
○渕委員 そうすればなおさら、たとえば最も零細な一万円以下はどのくらいのパーセンテージになるかということは、わからないわけはないと思います。数学的に考えても、一万円以下が何パーセントを占めておるぐらいのことは、わかるだろうと思います。何となれば、五十万円以上が一万人で、それは全体の一割六分ということになると、その残りは非常に零細な人の集合体であるということが言えます。そうであるならば、数学的にも必ず出て来ると思います。それがわからぬということは、おかしいような気がしますが、その点はつきりしてもらいたい。
○高橋政府委員 先ほどもお話いたしましたように、滯納の税額は、日々整理をしておりまするし、日々納まつておりますので、やはり一時点をとつて、その時の固定した状態において全部調べなければいかぬわけであります。そういう作業は、実は相当に手数を食います。一つの税務署におきましても、多い税務署では四万件も五万件もあります。これを全部そういうふうに分類するためには、相当の日数と、それからその作業をするためには、ほかの仕事をやめてやらなければならぬということになりますので、実は私どもそれまでやることについて、非常に躊躇して参つておるのであります。しかしながらきわめて大ざつぱな分類は、実は先般拔き検査的に東京、大阪の税務署二十五署について調べたものはあるのでありますが、その結果、ただいま持つておりませんけれども、大体の傾向として申し上げますと、二十万円以上の滯納の人員は、約二割九分かと記憶しております。税額がそれに対して六割三分ぐらいになつておるかと思つております。それ以外のこまかい分類は実はいたしておりません。それは二十五署についての調査だけでありまして、これでもつて、はたして全般をほんとうに代表できるかどうかということについても、確実なことを申し上げかねると思いますが、大体の傾向はこれによつて推定できるのじやないかというふうに考えておる次第であります。
○井之口委員 ただいま国税庁長官は、なかなか人手がかかつてできぬとおつしやいましたけれども、せんだつて私たちが国政調査で大阪国税局並びに広島国税局の調査に行きましたときには、向うではちやんとできておる。名簿も何もちやんとできておる。そういうふうに、部分的には下の方ではできておるのであつて、これを中央に集めて全国に発表するということは、二十五年度の十二月とか十月とかいうふうなところで切つたらできないかしれませんけれども、二十五年の三月末ぐらいのところで切つたならば、できるのじやないかと思いますがどうでしようか。
○高橋政府委員 各税務署によりましては、そういうふうな調査を自主的にやつておるものが、ちよいちよいあるのであります。しかしながら、全国的な統計といたしましては、どうしても一時点を限つて、その時に一齊にやるという建前にいたしませんと、統計として意義をなしませんので、従つてたまたまあつたその税務署の数字でもいいからということであれば、一、二の税務署については御説明することができると思います。それといま一つは、先ほどもお話しましたように、滯納の税額が日々非常に動いておる。たとえて申しますと、昭和二十五年度に二十四年度から繰越しました滯納税額は千二百五十八億に相なつております。そのうち十二月末までに整理いたしました全額が六百六十六億、約五割三分が十二月末までに整理済みに相なつております。従つてどういたしましても、一つの時点を限つて、たとえば十二月末という時点を限つて統計をとるのでなければ、全体としてのほんとうに参考になる資料になり得ないと考えます。従つて手数をかけるということにつきましては、この際いましばらく御猶予をお願いしたいと思います。
○三宅(則)委員長代理 この際委員長から申し上げます。会計検査院といたしましては、そういう調査をしていらつしやいますか、いらしやいませんかということについて、答弁を求めます。
○小林会計検査院説明員 会計検査院におきましては、滯納税額が年度末において幾らであるかということは、もちろん調べております。そこで今の各人別の内訳でございますが、これは元来の建前から言うと、会計検査院としても、そういうものを知つておらなければならないわけでありますが、しかしそういう調書を提出するということが、国税庁の方におかれても非常に手数がかかつて、早急に提出しかねるという状況でありますので、全体のものは提出しておりません。時々検査等に参りまして、おもな税務署の分については、たとえば三十万円以上というようなものについては、年度末であるとか、あるいは時点を限つた場合の滯納者の内訳というようなものを持つておるような状況でございます。
○三宅(則)委員長代理 委員長から、質問しますが、そうすると、会計検査院といたしましては、一応国税庁もしくは国税局あるいは税務署等において調査いたした書類をごらんになつたという意味でございましようか、いかがでございましようか、それについて御答弁を求めます。
○小林会計検査院説明員 国税庁の方で調査作成された書類を、こちらで檢査しておる、こういうことでございます。
○三宅(則)委員長代理 わかりました。
○渕委員 ちよつと関連してただいまの高橋さんのお話を聞いておりますと、非常に統計がむずかしい。なるほど、統計はむずかしいのでございます。ところが、かつて私は木材の差益金のことで、その当時は吉田さんでしたが、話合つたときに、国家には一つの基本となるべきところの統計数字が必要であると思う、ところが国家の基本となるべき統計数字が三つも四つもある。従つてどれを信用したらいいかわからぬという問題が起つたのです。従つて私など、木材の場合であつたら、林野庁の統計を基本として、それから算出するのが当然ではないか。ところが国税庁に言わせると、いや大蔵省の統計が妥当なんだということで、同じ国家の統計の中に対立がある状態です。もともと統計の確実を期するということは、学問的立場においても必要である上、実際の立場においても必要でありますけれども、そこまで行けない。今われわれが要求しております統計というものは、国民大衆に対して、いかなる滯納状況の歩合が現われておるかということの一つの方向を示すものであります。それによつて、政治の今後のあり方を見出して行くというのが、統計の要求する目的でありますから、そういう点であつたならば統計は——私は統計学を大学においてやつておりまして、なお現在も統計に集中いたしておりますが、そう五、六箇月もかかるものじやないのです。そういう見通しの統計であつたならば、わずかの人間でできるものなんです。そういうことを前提として早く発表してもらつて、そして滯納の歩合を出す、これによつてわれわれの政治の糧に資するということが、こういう場合の一番必要な問題だと思います。そこでさきの六百億円だけの納入があつたということですが、これによりますと、日々納入されておるところの滯納者の納税の歩合というものは、はたして高額滯納者の歩合が多いのであるか、それとも零細なる方々の納めておる歩合が入るのであるかどうかという問題を、ひとつはつきり表わしてもらいたいと思います。
○高橋政府委員 お話の通り、統計というものが非常に必要であるということについては、私どもも痛感いたしております。国税庁本庁におきましても、統計の專門の職員を置いておりますし、各局にも統計課というものを置いておりまして、そうして統計の確実を期しておるのであります。しかしながら、この統計というものは、非常に時期的に遅れておるのでありまして、あるいはこの二十三年度分というような統計については、すでにできておりますけれども、実は統計数字の確実を期するという意味をもちまして、どうしてもその作成が遅れて、ただちにそのときの質疑の参考になる、またはいろいろな批判の参考になるということになつていないのを、非常に遺憾といたしまして、最近何とかしてもつと早く統計ができるようにということを考えておるのであります。今後だんだんその時期を早くすることができるようになると考えておるのであります。しかしながら、ただいまお尋ねの点は、現実にさしあたり、確実な数字として固まつた後のものの集計ということよりも、時々動いておる途中のものの一断面をとろうという性質のものでありますから、国家の統計として、別個に一つの基準を設けて、一時点またはその辺等を見るという性質のものは違つて来ておりますので、その面で非常に別の作業をやりますときにおいて、負担が重くなるということを申し上げた次第であります。その点は十分御了承を願いたいと思います。
○井之口委員 国税庁長官は、納税というものは流れて行つてずつと続いているということをおつしやいましたが、もとよりその通りであります。でありますから、つまり二十五年度の三月末日を一つ区切つて、ここのところで大きな五十万円以上の滯納者というふうなものは、国税庁の方において必ず調べておられなければならぬはずだ。現に会計検査院においても見ている、こういうふうにおつしやるのでありますから、これを発表する意思はないのか。これを発表しないということになりますと、日本国民は、非常に大きな疑惑を持つのであります。大きな滯納者がおつて、そうして彼らはやれ裁判だとか何だとかで長引かせて、追徴税や加算税くらいの損害は受けても、なおそれをほかに運用して、今日の金融をしておるとかいうことも、しばしば聞くのであります。これを明確に出して、国民の前にこうこういう者が滯納しているが、どういうわけで滯納しておるということを政府が発表されることが、今後の徴税の意欲を増進せしめることにもなるし、また公平なる負担ということにも適合するのでありますから、これはぜひとも、発表を願いたいと思いますが、それはどうしてもできぬのですか。 また第二番目に、先ほど東京、大阪の方はわかつておる、こういうふうにおつしやいました。東京だけでも過年度分だけで二百六十四億、それから大阪で二百八十四億、名古屋で百億というふうになつておりますが、東京、大阪、名古屋辺だけでも、個別的に五十万円以上の滯納者の名簿を発表できないものか。現に税務署においては、税の額並びにその徴收状態は、相当の手続をとれば人民全般が見られるような仕組みになつております。国全体といたしましても、これを明確にすることが非常に必要ではないかと思います。
○高橋政府委員 滯納者の氏名を発表するということにつきましては、実は賛否両論ありまして、私どもも、いずれがよいかということについて、決しかねておる次第であります。ことに、地方によりまして、滯納者の氏名をずつと税務署の前に書き上げたというふうな事例もあるのでありますが、そういうふうな場合におきまして、実はその反応といたしまして、非常に滯納者が——一時的な滯納者ももちろんその中には含まれるのでありますが、そういう人が非常に社会的な信用の失墜からいたしまして、税法以外に被害を受けるというようなことがあり、そのために全般の非常な非難を買つたというような例もありまして、場合によつては、滯納者の氏名を発表するということも必要ではあると思いますが、全般的に滯納者の氏名を発表することがいいか惡いかということについては、私どもも、まだ確信を持ち得ないのであります。なお二十五年三月末の滯納者ということになりますと、そういうふうな方につきましては、先ほどもお語いたしましたように、すでに金額において半分は徴收されておるのであります。そういうふうに過去の滯納を拾い上げると、すでにもう納められた方も相当その中に含まれると思いますから、そういうような人の名前を発表することこそ、むしろ弊害があつてあまり効果がないのじやないか。どうしても発表するということであれば、きわめて最近の数字であつて、しかもほんとうに大口の方、私どもの方で十人と十五人はときどき発表しておりますが、五十万円以上ということになりますと、一万人の人になります。それらの人について全部発表するかどうかということにつきましては、先ほども申し上げましたように、いずれがよいかということについて、まだ確信を得ていない次第でありますので、御了承願います。
○三宅(則)委員長代理 委員長から申しますが、それでは、政府の方の御意見もありましようが、大きいものだけでも少しでもお示し願います。あとはパーセンテージでよろしゆうございますから……。
○渕委員 ちよつと関連があるのですが、千葉さんがおいでになりましたから、言つておきますが、実は同じ滯納の中にも価格差益金の滯納というのが、この前から大分取上げられておつたのです。これは問題が非常にデリケートなものです。と申しますのは、税金も不公平であつたと思いますが、価格差益金ぐらい不公平なものはないのです。そこで私は吉田管財局長に申したのですが、差損のあつたときに認めてくれと言つたにかかわらず、差損は認められずに、差益だけがとられているという現況であります。最近また問題になりましたのは、医薬関係に対するところの差益金の問題です。これは実は先般厚生省、あるいは千葉さんなどにも来てもらいまして、医薬に対する差益というものは、法律の解釈から推しても、とるべき筋合いのものではないという結論が、はつきり法律的に出ておるわけです。これもやはりとらなければならぬというので、スタンダードがはつきりしておらないのに無理にとるから、結局納めぬということになる。最後は最高裁判所で争うということになつて、十五年もかかると、世の中がかわつて来ますから、拂わないでよいということになるかもしれません。この点でありますが、差損の滯納がありますけれども、そういつた点も、公平であつたと思われるか、不公平であつたと思われるか、その点をお伺いいたします。
○高橋政府委員 実は価格差益金の徴收だけを、二十五年度から国税庁が引継いだわけであります。従つてその基本になるところの賦課に関しましては、国税庁は全然関連をいたしておりませんので、むしろその当時賦課をせられた方面に御質問願つた方が妥当であろうかと思います。
○渕委員 今の高橋長官は、当時の担当者でないから当然でありますが、当時の人はもういないのですか。千葉さんをとつちめてもしようがないのです。
○三宅(則)委員長代理 それは総理庁のときにやつてもらうというお話もございますが、千葉君が来ておりますから、簡單に千葉さんから説明してください。
○千葉説明員 その当時の責任者は、ただいま全部かわりまして、私一人、責任者ではありませんが、事務官として残つておるだけであります。今医薬品の問題が出ましたが、この問題につきましては、目下私のところでやつておりますので、いずれ判明次第御返事したいと思つております。
○井之口委員 国税庁長官は、これを発表することはどうかという意見を述べられておりますが、当委員会は国会の決算委員会でありまして、当委員会で発表できないということになれば、日本の政治というものは、全部暗黒の鉄のカーテンの中でやられているということになります。(笑声)それではまつたく英米式の民主主義というものの欠点を最も痛烈に暴露することになるのです。ひとつここは明確に出されて、そうして国民の疑惑を解かれた方がよかろう。もしできるとすれば、どの範囲で発表ができますか、その点をお聞きしたいと思います。委員長も、ある程度の形をとつて発表したならば、それはできぬこともあるまいというふうな意見でありますが、それについて国税庁長官の御意見を承りたい。
○高橋政府委員 先ほどもお話いたしましたように、滯納者の氏名を発表する場合におきましては、きわめて最近の事実をとらえて、その時における滯納状況を発表いたしませんと、非常な誤解を招くおそれもありますし、不必要に名誉毀損をするというおそれもありますので、もしも委員会として御要求があれば、そういうようにいたしたいと思います。しかしながら、先ほどお話いたしましたように、五十万円以上にいたしましても、一万人の人間がおります。現在われわれとして手元に、過去の記録でありますが、とつてありますものは、せいぜい四、五十人程度の人しか報告をとつておりません。従つてあらためてこれを各税務署、各国税局からとらなければいかぬということに相なるかと思うのでありますが、それらの点もひとつ十分御考慮願います。もちろん委員会から正式の御要求があれば、提出する義務は当然あるかと思います。
○井之口委員 それではその四、五十名のを一応発表していただいて、それから最近拂つた人たちの分を考慮に加えて、十月ごろを一つのけじめとして、これを計算するというようなことができるでしようか。
○高橋政府委員 たとえばその五十名の者にいたしましても、十月ごろの現状を発表することは、差控えたいと思います。もしも発表するということになれば、ごく最近、たとえば一月末であるとか、二月十日現在であるとかいうものを、あらためて報告をとりまして、それによつて発表することにいたしたいと考えております。
○田中(角)委員 議事進行について発言する前に、ただいまの問題を委員会の態度として申し上げたいのですが、今の発表をせられないということは、発表することが一利一害のあることは、もちろん識者のつとに認むるところであつて、発表せられないのでありますから、井之口君が共産党員の立場として御要求になるような発表には、私たちは断じて賛成をするわけには行きません。但し、いわゆる正直者がばかを見ることのないように、これを発表することによつて、厖大なる滯納が整理せられるという見通しがあるならば、当然発表すべきである、これは論をまたないところであります。だから一月とか十月とかいう過去のものでは、害があつて何ら益がありません。だからこれは三月三十一日までに納めない人は発表するぞという、十分なる警告を発しておいて初めて発表すべき問題であると思う。この滯納者の名簿の発表ということについては、本委員会として要求すれば、政府としては、たとい一万円以上の滯納者の名簿であろうとも、当然お出しになるだけの誠意もあろうと思います。要求の権限もあろうと思います。これは非常に大きな問題でありますので、私たちにもいろいろな論があります。これは本日軽軽に五十人だとか三十人だとかいつて要求すべきものではありません。 なお税の問題はまだまだ他の委員からも相当な論議があるだろうと思いますし、予算委員会が二十六年度予算案を審議するのと並行して、本問題はひとつ十分に今後本委員会でも討議を必要とすると思います。よつて本日は議題はたくさん掲げてあるのでありますし、政府並びに関係説明員の御出席もありますので、この税の問題は便宜他に日時を求めて十分討議をすることとして、本日の日程中より税の分だけはあとまわしにして、次の日程に移られんことを希望します。
○三宅(則)委員長代理 田中角榮君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三宅(則)委員長代理 御異議がないようでありますから、本日はそうしたいと思います。
○井之口委員 価格差益の納付金の問題は、国税庁長官の方でおやりになるのでありますか。
○高橋政府委員 二十五年度から、大蔵省設置法が変更になりまして、価格差益の納付未納になつておるものの徴收は、国税庁の所管に相なつたのであります。
○井之口委員 五十億からのそういう滯納の納付金、これをたつた一人でやるということを聞いておるのでありますが、そういうことはとてもできるものであろうか。と同時に、もしこれをとるといたしますれば、どういうふうな手段をもつてやられるか、それに対する見通しと国税庁の決心をひとつ聞かせていただきたい。
○高橋政府委員 今年度に入りましてから、すでに收納済みになりました金額が約四十八億円に相なつております。従つて残つておりますものは、約二億円の程度かと考えるのであります。しかして価格差益金の徴收の仕事につきましては、国税庁に移管すると同時に、たしか百数十名の職員を私の方に引継ぎまして、その職員がやつておるのでありまして、一人がやつておるのでは全然ないのであります。しかもその人たちは、完全に国税庁の全般の組織に入つて来て、国税庁全般の組織として、これが処理に当つておるのでありまして、これがあとの整理も大体なし得るというふうに考えておる次第であります。
○三宅(則)委員長代理 もういいですか。この程度にしていただけませんか。——もう一回だけ、井之口君。
○井之口委員 今度は水産関係です。先ほども質問いたしましたのですが、水産関係で価格差益の逆に損があつて、約四千万円ぐらいのものを補償しようというのでありますが、今まで水産関係の組合とかそういうふうなもので、従来の価格差益の目的がどうなつておりますか。
○高橋政府委員 ただいまの御質問の点は、現在調査中であります。従つてこの際はつきりした結論を申し上げることは、できない段階にあるのでありますが、大体の見込みとしては、徴收されないような方向に行くんじやないかというふうに考えております。
○三宅(則)委員長代理 それでは委員長から最後に一言だけ、国税庁長官に申し上げます。この徴税に関する点はきわめて重大でございますから、円滑妥当にして親切なる徴税をいたしていただきたいということを、特に希望いたしておきます。 なお本日は議題がたくさんありまするから、徴税に関しまして、あるいは歳入に関しましては、この程度にいたしまして、次の議題に移ることに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三宅(則)委員長代理 御異議なきものと認めます。 次に八十ページをお開き願いまして、一般会計歳出批難番号三二四号、架空の名義により支出しこれを予算外に経理したもの——この件に対しまして説明を求めます。
○熊野説明員 簡單に御説明申し上げます。 この事案は検査院の御報告通りでありまして、私どもの方といたしましては、重々会計法規を破り、手続に違反した行為でありまして、まことに遺憾に存じております。ただ、しいて弁解を申し上げますれば、いろいろ当事者には理由があるのでありますが、そういう内情を拔きにいたしましても、とにかくこういう不当な金の使い方をしたことはたいへん惡いことでございます。会計検査院の方から御指摘を受けまして、さつそく不当に保有しておりました金額は、ただちに返還させますし、また使用しておりました分につきましても、二十四年度の正当課目から歳出をいたしまして、これも全額返納してございます。なお当事者につきましても、その当人に対して長官名をもちまして、嚴重に訓告いたしまして、一般につきましてもこういう例がないようにということを各国税局に通達をいたしまして、二度と繰返さないように取締つておるような状況でございます。簡單でございますが、経過だけ申し上げます。
○三宅(則)委員長代理 それでは会計検査院側の説明を求めます。小林局長。
○小峰会計検査院説明員 三二四は、ここに書いてありますように、建物を購入したとありますが、実はその建物がない。その代金を保管いたしておりまして、庁舎のペンキ塗り代金その他に充当した、こういう事案でございます。かようなことは、はなはだ遺憾だと存ずる次第であります。
○三宅(則)委員長代理 これに対する質疑はありませんか。
○井之口委員 第一、七十五坪で百三十六万円というのは、この値から見てもちよつと安過ぎるということを、すぐ上の監督官が不審を抱かなかつたのですか。これは会計検査院の指摘をまつて、初めてこれが出て来たわけですが、これの責任者はどんな処罰を受けておりますか。
○熊野説明員 お答え申し上げます。新しい建物でありますれば、もつと高いのもあります。また同時に、これは二十三年度のことでございまして、現在の建築單価から行きますと、必ずしも不当に安いとも私どもはただちに判断はできない、かように考えます。 それから第二段の処分でありますが、これは当時の財務局の局長はすでに退官しておられましたから、総務部長より訓告せられました。
○三宅(則)委員長代理 質疑はありませんか。——質疑がなければ次に移ります。 次に批難番号三二五ないし三二七、経費の年度区分をみだつたもの——本事項の説明を願います。
○熊野説明員 三二五と三二六が、私どもの方の関係の事項でございます。一つは工事であり、一つは物品の納入であります。いずれも検査院の御指摘の通りでございまして、前の工事の方から行きますと、五月から八月までの間に完成したという表現でございますが、五月から初めて着手したものではございませんで、早いものは五月に終り、一番おそいものが八月までという意味でございます。それにいたしましても、一つの工事を当然三月三十一日までに終つておくべきであり、それができなければ、工事の延長、二年度にまたがるということの事前の了解を得べきにかかわらず、こういうふうに事実を早く終つたようなことにして金を出した、これはまことに不当なことでありまして、これまた当事者に言わせますと、いろいろな余儀ない事情があつたようでございますが、そういう点を考えましても、たいへん遺憾なことであると考えております。 三二六号の方は、物の購入でございますが、契約主が下請に出しまして、契約のときには、年度内に製品を納めることができるというふうな話でやつておりましたが、事実は下請が非常に遠距離でありまして、なかなか所期の通りに入つて来ない、従つて期限が非常に遅れて、新しい年度に入つて物が入つたということになつております。弁解と申しますか、そういういろいろな事情がありましたにしましても、結果としてこういうことになりまして、たいへん申訳ない仕儀でありまして、今後十分注意したいと考えます。なお私どもとして考えますれば、こういう期限を要する物品の購入とか、物の建築ということにつきましては、なるべく早目に予算を示しまして、本年度内にどれだけのものを買わねばならぬか、あるいはどれだけのものをつくらねばならぬかという計画を早く出先に立てさせまして、年度近くなつてから急にあわてて計画を立てて、期限を逸するということのないように、十分注意をしてやつております。
○三宅(則)委員長代理 委員長から政府当局に申し上げたいと思いますが、こういう問題はまことに遺憾に存じます。ことに会計検査院におきましても問題になつたようでありますが、何分当局といたしましては、早く予算を執行いたしまして、同時に事務を完了し、また工事も終るという線を強く出すことが至当であると思います。これに対して会計検査院の御意見はありませんか。
○小峰会計検査院説明員 本件等につきましては、他の事例の際にも申し上げた通りでございまして、格別ございません。
○三宅(則)委員長代理 質疑を許します。質疑はありませんか。——質疑がなければ次に移ります。八十一ページ批難番号三二八、工事の施行に当り処置当を得ないもの——本件の説明を求めます。
○熊野説明員 これも検査院の御指摘の通りでありまして、特に何も申し上げません。重々惡いことでございまして、ただわずかに弁解の言葉として申し上げますれば、予定の工事金額よりも、非常に安いもので同じものができる。従つて契約を二箇にわけまして、初めから堂々とやれば、何でもない問題であつたのであります。ただ書類をつくり直すのがめんどうくさいというような考え方から、一つの工事のように偽装したという点が、非常に会計法上まずいのでございますが、実質上には実害を特に與えたという点はないので、その点はいささか慰め得るかと思います。これは私どものほんとうに自己弁解のようでございますが、そういう点でわずかな慰めとしておるような事件でございます。ただもう一つ申し上げますが、これは東京局の事案になつておりますが、ちようどこの年関東信越国税局と、分割の時期が迫つております。そういうごたごたの際であつたために、何かと忙しくて、書類をつくることができなかつたのではないかと、私ども考えておりますが、結果としては非常に遺憾な事件であると思います。
○三宅(則)委員長代理 会計検査院の御意見はありませんか。
○小峰会計検査院説明員 本件は三百九十万円をもつて入札に付したところ、三百二十八万円で落札になりまして契約を締結し、その間六十二万円の差額ができた、その六十二万円で宿舎を建てさせたのでありまするが、その際に入札金額を書きかえたという点でありまして、かように文書を書きかえるというようなことは、はなはだ遺憾なことであると考えます。
○三宅(則)委員長代理 質疑を許します。質疑はありませんか。——質疑がなければその次に移ります。八十二ページ、批難番号三二九、賠償機械の梱包作業に当り処置当を得ないもの——本件の説明を求めます。
○小川政府委員 主管といたしまして一応御説明申し上げます。なお先ほど八十一ページの三二七の御説明が一つ落ちましたので、主管として補足いたします。三二七は、いわゆる年度区分をみだつたものでございまして、大阪財務局で昭和二十二年四月から二十三年の間にやりました賠償機械の手入れ、運搬代金を、その年に拂うべきところを翌年の予算で支出しておる。これはいつも批難事項にあります数多い年度区分をみだつたものといたしましては、むしろ珍しい例で、たいていはその年の工事が間に合わなくて、翌年に年度区分をみだつて前の年の予算で拂つておりますが、この場合は逆でありまして、来年になれば予算があるが、今年は拂えないから来年拂おうというやり方でありまして、事情としては起りがちなことでありますが、会計法上は年度区分というものが嚴重にございまして、予算でもつてわれわれの支出は押えられておるのに、こういうことをいたしたのは、会計常識並びに会計の頭のない者のやつた行為であり、非常に遺憾な点でございまして、嚴重に当局から関係者に注意処分をいたしております。 三二九号の賠償機械の梱包の問題でございますが、例の昭和二十三年、相模工廠並びに海軍の釜利谷の支廠で起きました問題ですが、三千二百四十四こうりの賠償の梱包をさせましたところが、二百九十一こうりの手直しが出たという問題であります。これは検査院の御指摘になる通りに、木材は支給をしておる。しかもその支給木材からは、二割なり三割いいところをとる余裕があつたにかかわらず、その選択を誤つたのか、つくつたものがくずれてしまつたという問題で、もう一回司令部の方から手直しを命ぜられた。もつと注意すればこういう手直しによる二百万円の国家の損失ということも、防げたのではないかという御指摘でありまして、その後調査いたしましたら、御指摘通りやはり木材の選択にもう少し熱心に国務を取扱つて行けば、こういう問題は起きなかつたのではないかという点がございましたので、この点は大いに注意いたしたところでございます。
○三宅(則)委員長代理 会計検査院の御意見を求めます。
○小峰会計検査院説明員 三二九号について御説明申し上げます。これは今大蔵省の会計課長からお話がありましたが、元の相模の陸軍造兵廠、それから元の第一海軍航空技術廠の釜利谷支廠にございました賠償機械の梱包にあたりまして、木材の調達が不備だつた、それから作業監督が不十分であつたために、たくさんの手直しを生じまして、二百六万円以上の損失を来した、こういう事案であります。大体賠償梱包作業というものは、規格もきちんときまつておりますし、ほかにはあまり手直しを命ぜられるというような事態はないのでありますが、結局先ほど会計課長からお話がありました通り、たくさんにあります官給材の中から選択を誤つて、腐つていたり、乾燥の十分でない、こういうようなものを使わせたというのが原因であつたと認められるのであります。
○三宅(則)委員長代理 これに対する質疑はありませんか。——なければ次へ移ります。 八十三ページ、批難番号三三〇、物品購入に当り処置当を得ないもの——本件の説明を求めます。
○小川政府委員 所管として申し上げます。この問題はいわゆる管理局の中におきまして、賠償施設の青写真の複写を注文いたしますのに、自分のところに青写真の手持を相当持つていながら、その出し方が、業者へ出すのが非常に少くて、大部分は業者から買い込んでやつている。これは国に処分すべき青写真があるにかかわらず、それを使わないでやつてしまつたということは、国にもつと経費を節減できたのに、よけいな支出をしてしまつたという問題でありまして、検査院の御指摘によりまして調査いたしましたら、やはり弁明書に書いておりますように、青写真の官給をもう少しやれたのではないかというような点がありましたので、これは担当官が少し甘くて業者につられたうらみもありますが、これも検査院の指摘通り非常に申訳ないことと思つております。
○三宅(則)委員長代理 次に、検査院の御意見はありませんか。
○小峰会計検査院説明員 三三〇号について申し上げます。これは今お話がありましたように、賠償の評価調書、これの複製用青写真感光紙でありますが、これがたくさん在庫があるのに、さらに新しいのを三千本余り、金額にして二百七十四万円余り、これを買つて、その大半を使わないでそのまま死蔵しておる、こういう案件であります。
○三宅(則)委員長代理 質疑はありませんか。——質疑がなければ次へ移ります。 八十四ページ、批難番号三三一号、賠償指定工場管理委託費の支拂に当り過拂をしたもの——本件の説明を求めます。
○小川政府委員 埼玉県の賠償指定工場の富士産業、昔の中島でございますが、この賠償の管理を委託しております経費が過拂いになつておる。それは委託費は大体そこの労務者の警備員の数を基準として支出いたしておるのでありますが、その員数の数え方が間違つていた。本来ならば警備員はその賠償指定の設備を收容しておる建家だけを計算するのに、その指定地域内の建家を全部計算して国家に請求した、そしてまたそれを気がつかずに支拂つてしまつたという問題でありまして、これは検査院の指摘通りでありましたので、誤つた不足の分は二十九万円ばかりでございますが、さつそくとつております。ここの批難事項には、まだ收納してないとございますが、これはその後完納しております。
○三宅(則)委員長代理 会計検査院の御意見を求めます。
○小峰会計検査院説明員 三三一号について御説明申し上げます。これも会計課長から詳しい御報告がありましたから、簡單にしておきます。これは賠償指定工場の施設管理費の支拂いにあたりまして、算定の基準を誤つたため、二十九万七千円、これが過拂いとなつたものでありますが、会計実地検査の際に注意いたしまして、徴收をさせることにしたのであります。昨年検査報告をつくりました当時はまだ四万円足らずしか入つておりませんでしたが、現在ではこれは大体全部入つております。
○三宅(則)委員長代理 質疑はありませんか。
○井之口委員 この賠償施設処理費や、後に出て参ります終戰処理費の使い方については、世間に大きな疑惑を持たれておるものであります。ここに今日出ておりまするのは、二十九万七千円の過拂いになつておりますが、後に出て来る例の大橋法務総裁が関與されると見られておりまするところの足利板金の問題では、二千万円からの終戰処理費の過拂いが出ておるような次第であります。こういうふうなものを会計検査院においては、もつと徹底的に調査されておるかどうか。するのに非常に困難を感じておりやせぬか。またこの請負を請負わせるとか、あるいは注文をするという場合の評価が、非常に過大に失しておる。これは世間みな一様に認めておる。たとえば建築をする場合にも、ほとんど半分以上は水増しの見積りになつておる。概算でもつてそれを出されておる。またストーブの注文やら、連合軍のいろいろな注文を、やあ白木屋に注文するとか、三越に注文するとか、直接メーカーには注文しないで、そういう二重、三重の中間搾取をやつておる人たちに注文を出して、特別の人間に指定して出して、入札というようなものを省いておるために、かなり高価なものになつておる。これはいろいろな雑誌で指摘されている通りではなかろうかと思うのですが、そういう点について、会計検査院はもつと徹底的に、全般的な調査をされていないのでしようか。かつこれは死蔵されて——感光紙が死蔵されておるというのが出て来ていますが、例の二重煙突でも、あれは死蔵されて、百万円からの莫大な保管料を拂つております。こんな死蔵物資、賠償施設処理費並びに終戰処理費から購入されたもので死蔵されておるものが、莫大な額に達するのじやないだろうか。またそれを処分する場合は、捨値で処分されている。片つ方では高い値で購入し、片つ方では安い値で処分しておるという場合が、しばしば新聞や雑誌にも暴露されておりますが、会計検査院ではそこにもつと嚴格なるところのメスを入れて検査されるようにしたらどうか、この点をひとつお聞きしておきたい。
○小峰会計検査院説明員 井之口さんの御質問にお答えいたします。賠償の案件が、比較的小さいものが上つておる。もつと大きなものがたくさんあるのじやないか。第一点はこういうふうに伺いました。二十三年度は、もう賠償が大体ないということにきまりまして、二十三年度としては、もう賠償の経費といたしましては、いわば末期であります。二十二年度が比較的多かつたのでありますが、二十二年度の検査報告は、もうここで御審議いただきましたが、相当大きな案件が実は上つております。賠償梱包用に買いました木材が、買い方がよけい買い過ぎたとか、保管が惡いとか、こういう相当大きな問題が実は上つております。賠償と終戰処理と両方に関連いたしますが、私どもといたしましては、会計検査は、井之口さんもおつしやるように、実は非常にむずかしいのでありまして、幅が大きいし、内容も非常に複雑であります。相当の人員を配しまして、重点的に検査をしております。私どもとしては、相当やつておるつもりでおります。もちろん、むずかしいからといつて、なおざりにもしておりませんし、ことに二十三年度、二十四年度はいろいろな面にわけまして——終戰処理費と申しましても相当検査の種類がたくさんございますので、一人の人間が工事を見たり、物品購入を見たり、あるいは物品の処分を見たりというようなやり方をいたしますと、とかく散漫になりがちでありますから、一人の人間は一年間物品の売拂いなら売拂いだけを見る、工事なら工事だけを見る、こういうふうな検査の方法をとりまして、従来よりは相当成績を上げたつもりであります。この端的な現われがこの検査報告でありますが、終戰処理費の案件は、このすぐ次にもございますが、三五三からずつと終戰処理費であります。こんなふうに続きまして、この中には非常に質の惡い案件——先ほど二重煙突のお話が出ましたが、あれは大橋さんの名前も出たようですが、大橋さんということを私どもは別に、もちろんそれは検査の上であれしたわけではございませんが、案件自体としては非常に質の惡い案件であります。物品のあれといたしまして言えば、二十何件という大きな案件が出たのですが、そのトップに書いたような次第でございまして、質としては非常に惡い。物が入りもしないのに、その代金を、二重煙突、五万フイート分ですか、拂つてしまつた。こういう案件でありまして、そう方々にごろごろころがつているというような案件ではございません。質が惡いのであります。それでトツプに掲げたような次第であります。二重煙突以下の案件、これも物品を実は六人ほどの人間が一年中、日本中をかけずりまわりまして、調べ上げた案件でありますが、在庫の多いものというのは、結局いりもしないものを買つた、こういうことになるのでありますが、これを全部拾い出しましてまとめ上げたのが、「国有物件」として二重煙突以下二十数件並んでおります。こういうようなわけで、終戰処理費も、私どもとしては、手の及ぶ限りこまかくやつておるつもりであります。それから物品の処分というようなことも、いろいろ問題がございますが、いずれ終戰処理費の方の御説明のときにいたしたいと思います。
○三宅(則)委員長代理 次は八十五ページ、批難番号三三二、職員の犯罪により国損となつたもの、昭和二十二年度分、本件に対する説明を求めます。
○小川政府委員 批難書の通りに、山口地方部の嘱託の兼安何がしと、もう一人は坪井というのでございますが、会計職員を奇貨といたしまして、架空の職員名簿をつくりまして、給料八万一千円を出して、自分だちで使つていた。これは純然たる犯罪でございまして、文書偽造、横領ということになつておりまして、説明書にも書いておりますように、刑事問題になつておりまして、懲役一年、それからこの被害金額は三万四千円だけは取立て保管中と説明書には書いてありますが、今日においては、すでに歳入の雑收入の方に入れております。それから責任者に対しては、公務員法の戒告という処分を行つております。
○三宅(則)委員長代理 これに対する検査院の御意見はありませんか。
○小峰会計検査院説明員 本件は公務員の犯罪によりまして国に損害を與えたもの、今会計課長から詳細に御説明があつた通りであります。
○三宅(則)委員長代理 御質疑はありませんか。——御質疑がなければ、本日はこの程度にいたします。 一言、委員長より申し上げます。各政府当局も御出席くださいまして、愼重に御質問なり御答弁を賜わつたことをここに感謝いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時二十四分散会