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10回国会衆議院1951/07/10

経済安定委員会 第24号

発言数
110
登壇者
9
会派数
2
開催日
1951/07/10

会議録

圖司安正自由党

○圖司委員長 ただいまより会議を開きます。  これより新経済基本政策を議題に供し、政府より説明を聴取いたします。平井説明員。

平井富三郎経済安定事務官(総裁官房長)

○平井説明員 先般政府から声明の形で発表されました経済施策の内容につきましては、すでに御存じかと存じますが、先般発表いたしました施策といいますか、これは施策のごく大綱を記述したものでございまして、今後の、ことに講和を控えました日本の経済施策のあり方というものを、やや網羅的に政府の考えておるところを述べたものでございます。従いまして、この施策の関係は、国内対策のみならず、今後の国際経済におきまする日本の経済施策の行き方についてもふれておるわけでありまして、この大綱に基きまして今後具体的な施策を逐次打つて行きたい、こういうような考え方でございます。  第一の経済運営の基本方針といたしまして考えましたことは、マーカツト声明が日米経済協力に関しまして声明をいたしました。その内容は日米経済協力ということに関連いたしまして、日本の経済施策の根本にわたる事項についてもふれておるのであります。それに対応いたしまして、ただいま申し上げましたような、経済施策全般についての政府の考え方をうたつたものであります。従つてまず第一に、経済の基本の考え方といたしましては、今後経済の安定を維持するということと同時に、民主自由国家に対する経済協力ということを推進するという態度を明確にいたしまして、これに伴いまして、貿易、生産等の経済規模の拡大と同時に、国民経済の水準についても維持、向上を考えて行きたいということを基本の方針にいたしておるわけであります。従いまして、財政金融につきましては、この面から従来とつておられました均衡財政あるいは健全金融と申しますか、そういう面がやはり強く出ておるわけであります。特に金融につきましては、今後の生産の上昇という点からいいまして、資金が緊要な部面に流れるような措置を全般的にとる必要があるのではないか。不急不用の用途に流れまする資金を、重要用途に向けて行く何らかの措置が必要ではないか、こういうふうに考えております。従つてこれに対する今後の施策といたしまして、最近の新聞等に現われておりますような、大蔵省、日銀あるいは市中銀行等が中心になりまして、自主的にこれらの資金の運用面について統制の手を打つて行くことに相なるかと考えておるわけであります。  次に現在の——現在といいますか、最近までの一番の大きな問題は物価の問題でありまして、今後もなお電力の問題、電力料金の問題あるいは米価の問題、あるいは運賃の問題等から見まして、やはり価格政策というものが非常に大きな比重を占めるのではないかというふうに考えられるわけであります。  価格政策といたしましては、結局価格の安定という目安をどこに置くかということが、一番の根本になるわけでありますが、その点に関しましては、国際価格との加速におきまして、できるだけそれにさや寄せをして参りたい、国際価格より非常に割高なものにつきましては、合理的な引下げをはかるような方法をとつて参りたい、かように考えておる次第であります。ただ物価対策が、これは生産なり、あるいは貿易なり、金融なり、財政なり、それらそれぞれの施策の結果が物価に現われて来る点もございますし、あるいは国際情勢の動きというものが、端的に非常に大きな影響を及ぼして参るわけでありますので、価格政策として、いわゆる個別的な価格統制措置というものは最小限度において考える。すなわち電力料金であるとかいうような、公益的な、あるいは独占的なものについての料金であるとか、あるいは米その他の主食等につきましてとられているような最小限度のものにとりまして、その他は他の施策と関連せしめつつ、物価の安定を期して参りたい、かように考えておる次第であります。この問題に関連いたしまして、ことに最近輸出あるいは特需等の契約の状況を見ましても、国際的な買控えというような点もございますし、あるいは将来の国際価格の下落ということを見越しまして、輸出が伸びなりになつておるわけでありますが、今後の施策の一つの中心点といたしまして、貿易規模の拡大をはかつて参りたい、かように考えておる次第であります。特にその際問題になりますのは、国際価格に対しまして割高になつておる物資というものについて、輸出をいかに伸ばして行くかというところに問題点があろうかと考えております。  次に産業の政策につきまして、ごくおおまかに申し上げますと、まず石炭、電力というような動力源の拡充を中心に考えて参りたい、かように考えております。それから最近の国際情勢の推移から見まして、やはり地下資源の開発が世界的に要請されて参るのではないかという点から、地下資源の開発というものに相当の重点を置いて参りたいと思います。一般的に申し上げまして、動力源の拡充というものと、特定の国際的に不足しておる資源というものの開発、その他の産業につきましては、むしろ能力の拡充をはかるということよりも、合理化と申しますか、近代化という点を促進して参ることが必要ではなかろうか、かように考えておるわけであります。これに関連いたしまして、最近の生産指数でごらんになりますように、一般の生産指数は非常な上昇を示しておるわけであります。今後の問題といたしましては、この生産を支え、あるいはさらに向上さして行くために、ただいま申し上げました動力源の拡充というのと相並びまして、輸送力を強化して行くことが必要ではなかろうか。すなわち基礎的な動力源、あるいは輸送力の拡充ということをはかつて参りたい、かように考えております。  以上は主として鉱工業関係の産業についての考え方でありますが、これと並行いたしまして、農林、水産資源というものの培養、食糧需給度の向上ということも、もちろんあわせて講じて参りたい、かように考えております。  かように貿易産業規模を拡大いたしまして、全般的に物資の需給というものを調整して参る方針でございます。従いまして個々の物資につきまして、再び前の統制を行つて行くような方向には参りませんけれども、ただ今後世界的に不足しております稀少資源と申しますか、稀少物資と申しますか、そういうものにつきましては、アメリカにおける輸出許可制がすでに相当品目について行われております。また国際割当会議等も設置され、その活動の準備を現在着々整えておるような状況でございますし、これらの割当会議の対象になつております物資の中に、需給の非常に逼迫しておるものにつきましては、割当てをするためには、どういう用途にこの物資を割当てて行くかという点が、まず前提の問題になりますので、こういうものにつきましては、その使用の制限なり、あるいは輸入いたしましたものの流用を防止するための措置が部分的に必要であろう、かように考えております。国際経済政策といたしましては、従来考えておりました方針を踏襲して参るのでありまして、国際経済にありまして、公正と信義の原則を貫きまして、国際会議等にも積極的に参加を要請いたしまして、民主自由国家としての経済施策というものを中心にとつて参りたい、かように考えておるわけであります。これは従来政府として、あるいは日本の国といたしましてとつて参りました方針を、今後も強く踏襲して参りたいというふうに考えておるわけでございます。  以上大体簡単でございますが、先般発表されました声明の内容について御説明申し上げた次第であります。これはごらんになりましたように、考え方の基本を書きましたものでありまして、これに基きまして今後具体的な政策を実施して参りたい、こういうふうな仕組みに考えておるような次第であります。

圖司安正自由党

○圖司委員長 以上政府の説明に対し、質疑があればこれを許します。勝間田清一君。

勝間田清一日本社会党

○勝間田委員 この前大臣と争つたわけですが、きようはいないようですから、ひとつ小峯さんに、私見でなく政府の態度をお聞きしたいと思います。  一つお聞きしたいと思うのは、朝鮮の停戦問題も大分条件が違つておると私は思うのですが、この案はもう少しかえる必要がないですか。この点についての安本の準備をお尋ねしたいと思います。

小峯柳多自由党経済安定本部政務次官

○小峯説明員 大臣がお見えになりませんで御不満でしようが、ひとつ私どもの考え方を申し上げたいと思います。  先ほど官房長からお話がありましたように、私どもの国の経済のかじの取り方を、きわものでなしに、これからやや長きにわたつてとらなければならぬという方針を示しておるのでありまして、朝鮮の動乱のものも、きわもの的に読み込んではおらぬつもりであります。もちろんいろいろ日本の経済に影響を及ぼす諸現象には注意深く監視は怠らないつもりでありますが、そのために特に政府の声明をかえる必要はないというふうに承知しております。

勝間田清一日本社会党

○勝間田委員 きわものという言葉がありましたが、朝鮮問題を考慮に入れることは少しもきわものではないと思います。むしろ非常に大事な点が今出ていると思うのです。日本の経済再建の要素も非常に違つて来ていると思う。先ほど来の御説明でも、国際価格は非常に下つているということを聞いているわけです。条件は違つておると私は思う。むしろこの中を見ますと、民主自由国家云々ということを、計算してみると四箇所も書いてある。これだけだという感じがいたします。これだけを結局声明しようと努力したので、どつちかというとその方がきわものではないかと思う。もつと広い立場で日本の経済を見通すことが必要ではないか、私はそう思う。そういう意味ではどつちがきわものであるかということは、私は少し小峯政務次官の御考慮を煩したいと思う。たとえば民主自由国家との連繋ということを四箇所も書いてある。そこに日本の経済を結びつけて行こうというのが考え方でしようが、ところがここで停戦ということがかなり話が進んでおるわけであります。特需、新特需がどうなるかということが非常に大きな問題になる。特需、新特需があつて国際貿易のバランスがとれて行くという点ならば、今まではあるいは考えられたかもしれぬ。しかしこの点が非常に大きな変化があつて、世界的な平和の道が、少くともアジアの平和の道が開かれて来るということになりますと、そういうバランスで一体貿易ができるか、特に貿易のところへ行きますと、貿易規模の拡大ということを言つておる。そういう形で一体貿易規模の拡大の見通しがつくのかどうかということが、私は一つ問題になると思う。むしろこういうときに和平ができれば、去年の六月以前の状態に復帰するとも考えられる。六月以前の状態に復帰するということであれば、六月以降に起きた、たとえば中共貿易の禁止、あるいはアジア貿易の不合理なあり方というものが合理化されて来る可能性も私はあると思う。そういうことが現に出て来ておるわけでありますから、私は最近の国際情勢の変化というものと、それから経済を民主国家に連繋さして行くということと、貿易規模の拡大ということは、これは一体できるのかどうか、これは非常に矛盾した考えじやないか、私に言わせれば目先の非常に不安定な条件の上に、日本の経済を建てようとしているということが、むしろ心配になる。この点についてひとつ小峯政務次官の御答弁を願いたいと思います。

小峯柳多自由党経済安定本部政務次官

○小峯説明員 私がきわものと申し上げたのは、戦況から来る一張一弛を指したのでありまして、今御指摘になつたような意味とは少し違うのであります。ただ自由国家群に結びつくことは、長い世界経済の流れから見ると、それがきわもの的じやないかという御指摘だろうと思います。あるいは朝鮮の問題が、その後非常に平和的に展開するようになりますと、御指摘のようなことがあるかと思いますが、しかしそのときには、むしろ相手の国々も自由国家群に入つて来るのだというふうに考えてもいいのじやないかと思います。なおまたそういうふうに特定なグループとの結びつきで、貿易の拡大が不可能だろうというふうな御指摘でありますが、その国々の間においても、未開発地域の開発その他の問題等がありますので、かじのとりようで、決して私どもはそういうふうに考えておりません。

勝間田清一日本社会党

○勝間田委員 しかしここは特に最後の国際経済機構との問題がありますが、武力を持つとか、そういう形においていろいろの多角貿易方式の中に日本が入つて来るという考え方の方が正しいんじやないですか。そういう本質的なものをむしろよそに置いて、この自由民主国家とだけ云々という形で行くところに間違いがあるんじやないでしようか。むしろ日本の経済の実態から行けば、世界各国との、いわゆる多角貿易方式によつて日本は成り立つて行くのではないか、これが私は日本経済の特色だと思う。それがある特定の、ある一定の時期において不可能な場合もあるし、可能な場合もあるということが出て来るのであつて、あなたが恒久対策ということであれば、日本の経済施策の根本というものは、やはり多角貿易方式でなければならぬ。部分的には一時的なもので処理して行くのだ、こういう立場をつくつて行くのがほんとうじやないですか。

小峯柳多自由党経済安定本部政務次官

○小峯説明員 御指摘になるようなことが理想でありましようし、当然世界の平和が確保され、世界の自由な国際経済というものが復帰するということについては、あなたと私は同感だと思います。しかし現実の政治の状態というものは、必ずしもそういうふうに理想だけおつかけて考えても、しばらくはむずかしいのじやないかと思う。もし御指摘のような事態が展開すれば、多々ますます弁ずるということになるので、この考え方が、私は現実に即さなければならぬ経済政策のかじのとり方からいつて、決して間違いではないと考えます。

勝間田清一日本社会党

○勝間田委員 私は非常に間違いだと思います。非常に部分的な一時的な現象をとらえて、それにこう日本経済をくつつけさせて行こうとする、そこに私は非常に間違いがあると思う。これはただ口の上だけならいいのでありますが、これも産業構造の変化ということが伴つて来るわけですから、そういう一時的なもので私はものは進まないと思う。そこで私は、これは非常に研究されていると思うけれども、一体日本の産業構造というものが、民主主義国家の平時の形において、どの程度一体主張する余地があるのか、結びつく余地があるのか、あるいはものを入れるについても、あるいはものを売るについても、特にコマーシヤル・ベースにおいてどういう可能性があるか、これは特に安本は研究されていると思う。私はそこの目安を実は聞きたい。これは確信あつて貿易の進展ができる。しかもそれはバランスがとれて行くという確信があられると私は思うのですけれども、そういうところの根拠を聞きたいと思うのです。そうでなくて特需や新特需、緊急開発計画という、そういうふうな軍需動員計画に結びついた経済施策というものが本筋だというふうに考えられて行くとすれば、非常に日本の経済をミスリードする、私はそう思いますが、そこをひとつお聞かせ願いたい。

小峯柳多自由党経済安定本部政務次官

○小峯説明員 自由国家群との結びつきの中には、今御指摘のような軍事的な面だけでは私はないと思う。いわゆる日米経済協力の問題でも、向うのいう緊急調達というような線は、今御指摘の線に近いと思いますが、ポイント・フオアに関連した未開発地域開発に関する問題は、むしろ恒久的な性質を持つものだと思います。今御指摘になりましたように、一方だけを重く見て、それだけをミス・リードするというふうに考えておりません。和戦両様といいますか、筋の違つたものまで含めて考えておるのであります。そういう意味で、軍事的な面だけでの一張一弛をきわもの的に取入れたのではないということを最初に申し上げたのでございます。

勝間田清一日本社会党

○勝間田委員 そこでまたもう一つ問題を聞きますが、東南アジアの未開発地域の開発と日本との結びつきということを言つておりますが、これについてどういう構想を持つていらつしやいますか、どういう形で日本は未開発地域の開発に協力して行かれますか、その点を聞きたい。

小峯柳多自由党経済安定本部政務次官

○小峯説明員 これはマーカツト声明にもありましたように、資金の面はアジア政策で援助しようじやないか、それに必要な設備、技術等の面で日本でできるだけのお手伝いをしようじやないか、そうすれば日本の生産財のはけ口にもなりますし、そのことによつて民土が上り、開発が進み、平和商品の使用も開拓されて来ると思います。

勝間田清一日本社会党

○勝間田委員 資本の場合でも、アメリカの資本と日本の技術というようなことをあなたはおつしやつておるように思うんですが、アメリカの資本は一体どの程度のものが大体考えられるんですか。

小峯柳多自由党経済安定本部政務次官

○小峯説明員 具体的にどうこうという数字はまだ私は正式に受取つておりません。またマーカツト声明にも非常に用心深くありますように、やはりコマーシヤル・ベースというものもありますので、一つは日本の経済の努力の仕方というものできまるように思いますので、今のところ幾ら幾らという数字はありません。

勝間田清一日本社会党

○勝間田委員 これはもちろん計算はできないだろうと思いますが、しかし識者の間では、せいぜい二十億程度ということもいわれておるのであります。これで一体どの程度その開発ができるかということは、私は非常に疑問だろうと思う。それからもう一つの問題は、最近のエカフエの会議の状態を見ましても、日本の資本の動員ということがかなりいわれておる。こういうことについても話が進んでおるのか、進んでいないのか、この点を伺いたい。

小峯柳多自由党経済安定本部政務次官

○小峯説明員 まだ具体的に進んでおるものではありません。ただよくいろいろな話の中に、輸出銀行などを通して、実際の問題として、こつちとしても援助する面があるのではないか、これも日本の力にも応ずることでありまして、非公式の話に出るようなことはありますが、正式にはそういうことはありません。

勝間田清一日本社会党

○勝間田委員 資本と技術の結びつき方というものについては、具体的にどういう考え方を持つておりますか。

小峯柳多自由党経済安定本部政務次官

○小峯説明員 これはきまつた問題だと御承知願うと困りますが、たとえば一つの例として鉄のことを考えましても、日本の鉄鋼の立地からいつて、あそこで銑をつくつて、その銑を加工するような方法も考えているのではないかと思います。その点でアメリカの資本、日本の資本、技術、現地の労力と結ひついて、一貫溶鉱炉のようなものを考えて、その二次加工を日本でやるということも考えられるのじやないかと思います。しかし最初にお話申し上げましたように、具体的なものではありませんが、その方法も一つ考えられるのではないかと思います。

勝間田清一日本社会党

○勝間田委員 それは小峯さんの私見ですか、安本の考えですか。

小峯柳多自由党経済安定本部政務次官

○小峯説明員 私の私見ですが、私は多少その方面を知つておるつもりですから、そういうふうに進展する可能性もあるということを御承知願いたいのであります。

勝間田清一日本社会党

○勝間田委員 そういう形式の資本投資が、アジアで一番危険に思われておる。私たちが一番恐れている問題は、やはり日本の再軍備の問題と、もう一つは、植民地的進出の問題であります。これがアジアの民衆の一番恐れている問題だと思う。この東南アジアの開発計画が、今あなたの私見をおつしやつた形で出て行く、こういう形のは、ちようどインドに対してイギリスがとつた政策と同じです。これは特に軽工業と結びつく関係で、同じであります。そういう考え方で、一体今ほんとにやられるということになると、私はアジアにもう一ぺん罪を犯すことになると思う。この点はひとつ、小峯さんの私見であるということだから、小峯さん個人にこれはもう一ぺん考えて政策に当つてほしいと私は思う。最近のアメリカの資本と日本の技術が東南アジアにおいて進出をして、資本開発をやつて行くという点は、これは現地資本という問題と、もう一つはイギリスの資本という問題——いわゆる民族資本とイギリスの資本と、アメリカを中心とする資本というものが対立をしておるわけです。私は現在の状態からいえば、アジアをむしろ三つにわけられるおそれがある。アジア経済は三つに分割されるおそれがあるという感じを、私は濃厚にいたします。アジアの経済を分割させて行くという形ではなく、やはりアジアが統一がとれておる形というものを考えて行くべきであつて、私は国際資本主義の一翼をになつて、日本が進出をするということについては、あまり感心しない、どうかこの点はひとつ根本的に考え直してもらいたいと思う。日本の資本家は一時それでいいようであるかもしれぬけれども、それでは過去二十年間の戦争の経験や、敗残の経験というものは無になつてしまう、私はそう思います。どうかこの点はひとつお考えを願いたいと思います。特に最近における中東あるいは東南アジア地域に対する各国の資本の争いということも、私は忘れてはならぬと思うので、その点はどうかしつかりとお考えを願いたいと私は思う。これはひとつ御意見があれば聞かせていただきたい。

小峯柳多自由党経済安定本部政務次官

○小峯説明員 非常に高邁な議論を教えていただいたのですが、私は世界平和の経済的基礎というものは、やはり各地域における経済的な特長というものを生かして、それを相結び合うということが一番いいのだろうと思づております。非常に今は色めがねでものをお考えくださつたような御指摘がありましたが、私の方は手ごめにしてやるという考えはもちろんございません。皆さんのお話合いで、これがよろしいという話が合いましたときにできることなんで、前の形を押し込むようなことをいまさら考えたくもございません。それならば、御指摘のように、私たちが苦労した意味がないのでありますから、そういう点はどうか御心配ないように。私はむしろ勝間田委員がもう少しわれわれの方の考え方も、虚心坦懐に聞いてくださつて、あまり一方的にものを御判断されないように、むしろこちらから御考慮願いたいと思います。

勝間田清一日本社会党

○勝間田委員 色めがねをかけていないつもりでございまして、どうかひとつその点は御心配なく……。それからもう一つ重要なことと思うのは、やはり価格政策です。この点はこの前長官と長口舌をやりましたけれども、遺憾ながらどうも私の方が結果において勝つたと思う。どうしても国際価格とのさや寄せの問題は私はわからない。どうしておやりになるかということがわからない。ましてや最近電力の値上げとか云々という、いわゆるインフレのしわ寄せの解決の問題が日本に到達しておるわけです。そうしてまた朝鮮問題で国際価格がむしろ下つておる。一体こういう状態で、新しい情勢をも加えて、さや寄せをどうされるかということを、ひとつ納得の行くように、小峯次官の頭のいいところで御説明を願いたい。

小峯柳多自由党経済安定本部政務次官

○小峯説明員 大臣の御答弁で御不満だつた勝間田君に、私から説明をするというのはおこがましいかと思うのでありますが、私はいつ何時までに必ずさや寄せするという話ではなくて、一歩でも二歩でも前進するという意味で、今日本の産業の中に残つております後進性というものをなるべく取除くという方法が、一口に言えばさや寄せの根本の問題ではないかと思います。関連して船なんかの不自由な点でもつて、船賃の負担も相当加わつております。船に対する対策、それから設備の更新に関する対策等が、やはりさや寄せの根本になると思います。もつともそのほかに仮需要でもつて相当値段を上げておるような面もあるというふうに見られる面もないわけではありません。そういう面に対しては、新経済政策でうたつてありますように、金融の面でも、財政の面でも、今までの方針を再確認して出直すのだというやり方で、仮需要に対する面は抑えられる。たまたま朝鮮動乱の問題が御承知のような段階になつておりまして、朝鮮動乱の拡大見越しで買いつけたような面もあるのではないかと思います。そういう面も手伝いまして、最初に申し上げましたような根本的な施策と相まつて、国際的なさや寄せというものがだんだん進むのだというふうに考えております。

勝間田清一日本社会党

○勝間田委員 それでは全然わからないのでありますが、もう少しそれでは具体的に伺います。去年の暮れまでは相当輸入不振であつた。それから例の五億ドルのナシヨナル・シテイ・バンクに預金ができて、そして皆さんのお骨折りで相当貿易が進んで、おそらく四、五月ころまでの間に、大体五、六億くらいは輸入されたでしよう。ところがこの価格は非常に高い。それをユーザンスで一応支払いをとめておいたのですね。とめておいて各国の問屋筋、輸入商いろいろな者が、あるいは手持ちになつて困つておる、引取りもできない。それからもう一つは、それに対して相当大口の金融を金融業者がつけておつたと思います。こういう高い品物を買つておいて、国際的には値下りになる、国内需要は最近は低下しておる。そうして輸入商品は相当の量にわたつてキヤンセルされておるという状態ですね。こういう状態下において、私はどういう処置をとるかということを、ひとつあなたに聞きたいと同時に、そういう状態下において、今度は電力、肥料、食糧、それから賃金、こういうものを上げることに対して、一体どういう考えを持つておるか、私は矛盾しやしないかと思うが、その矛盾を一体どう解決されようとするか、この点をこの過渡期においてはつきりとひとつお聞かせ願いたい、こう思いますが、どうですか。

小峯柳多自由党経済安定本部政務次官

○小峯説明員 ただいま高い原材料を買つておつて、国際的に安いので売れないじやないかというのが前段の御指摘だつたと思いますが、これはお説の通りに、高い物を買つて安い物を売るということになると、どうしても赤字が出るわけであります。しかし前の御答弁で申し上げましたように、ことしのうちに国際価格にさや寄せするのだという意味ではありません。ことに今まで封鎖された経済が、世界経済につながる過渡期において起りました今のような問題は、なしくずし的に、安い原材料が入つて、ならされる面も出て参りましよう。そういうような面で、なしくずしになるという方法以外にはないだろうと思います。なおまた、そういうふうな面がある上に、政府はいろいろな物価の値上げについても、生産コストの上るようなことも考えておるのじやないかということもありますが、特に電力の問題はやかましい問題になつております。全体的な一つの考え方は、物価というものの均衡が、特定な部面にだけしわ寄せされておるというような形では、とても国際価格にさや寄せするという問題はできることではない。ことに電力の問題も、いわれておるような率は、非常に不合理でありましようし、私どもも決して賛成するものではありませんが、特に電力が適正な償却もできない、新規の仕事もできにくい、あるいは資本の投下を優利にするためには、企業経理が不健全だというような状態では、やはり電力にある程度のしわが寄つておるということは考えなくてはならぬだろうと思う。そういう意味で、そういうしわもなるべく延ばして行きたい。そうして全体のバランスをとつて、一つの体系を考えて、そうしてその上に今御指摘になつたような面で、やはり日本の産業の後進性というもの、船などを含めた意味での後進性、あるいは弱さというものを、どうして克服して行くかというように考えなければならぬのであります。また給与の問題なども、これはいつも勝間田委員からお教えをいただいておるわけですが、給与のベースをそのままにしておいていいかという問題になりますと、やはりこれは国際的のさや寄せだけでもつて、この問題を抹殺してはいかぬ問題だろうと思います。いろいろな面で出ておるゆがみをとりながら、全体としての体系を無理なく流して、その体系をもつて比較するというように根本を持つて行きませんと、日本の封鎖的な経済の形において、世界の物価体系と比較はできないのではないかというふうに考えられます。そういうふうに考えて、一つは寄つているしわを伸ばして行くとか、今高くなつているところは安いものとの突き合せでならして行く以外に方法はない。従つて国際価格にさや寄せして、あしたから、来年から日本の経済が全部国際物価とさや寄せできるのだというふうに考えることは早計だろうと思います。私どもはさや寄せのことは考えますが、努力の目標として申し上げておるので、強引な手を用いてそれに持つて行くというようなことは考えておりません。

勝間田清一日本社会党

○勝間田委員 その議論はかなり飛躍した議論だと私は思います。結局今手持ちの高い原料を安くして行かなければならぬ。またそういう状態が出て来る。問屋なりそういう筋なりが、ここでほんとうにかぶつてしまうかということが出て来なければ、今度は電力その他のいわゆる原料及び労力費を値上げして行つて、国際価格へさや寄せするということはなかなかできない。あなたはなしくずし的にということを言われるけれども、結局そこに二重の合理化が必要になつて来る。その二重の合理化の余地が日本の産業にあればけつこうだけれども、ない。また近代化が遅れた部面も、それにテンポが合つて行くということになればいいが、テンポは合つて行かないと思う。またそれは許さないと思う。結局どこかに大きな必要以上の負担をかけなければ、あなたの言うようなことはできない。それは一つの非常に破壊的な要素がそこに出て来ると私は思う。だから私があなたに具体的に聞きたいのは、前者の問題について具体的にどういう手を打たれるか、金融の面あるいはその他の面において、どういう手を打たれるかということと、今度新たなる生産コストの値上げに伴つて出て来るより一層の矛盾を、どこで一体どういうようにカバーできるか、そうしてなしくずし的にどう解決するのか、その見通しと手段をあなたに聞きたい。どうかひとつ絵に描いたようにうまく説明していただきたい。

小峯柳多自由党経済安定本部政務次官

○小峯説明員 非常に理論的な御指摘をいただいて、お教えいただいたところは多いのでありますが、結局前段の問題は、どうして金融の措置をつけて行くかというふうな問題になるのじやないかと思います。そこで滞貨に対する金融なども、もちろんこれは政府だけが取切つてやるということでなしに、各業者それぞれ努力はしていただいております。幸い利潤等も相当上つておる部分もありますので、それとのなしくずしといいますか、キヤンセルでもつて埋め合せていただいておる面もありましよう。なお金融全体についていろいろ問題もありますので、その金融の疏通の問題は、必要なところへは流すという趣旨で努力しておるつもりであります。またもう一つの矛盾とあなたが指摘される近代化の問題などにいたしましても、これはもちろん長期金融の問題も出て参りましよう。また社内保留に対する特別の考慮等の問題も出て参りましよう。あなたは絵に描いたようにとおつしやいますが、なかなか経済の問題は絵に描いたようにはつきり割り切れるものでなしに、そういう筋で一つ一つその中の具体的問題をつかみ出しては、累積して考えて行かなければならぬものだと思いますので、とかく絵はぼやけるのでありますが、考え方としてはそういうことであります。

勝間田清一日本社会党

○勝間田委員 今特に貿易会計などを中心にして、対民間の財政収支は猛烈な引上げ超過になつております。それに対する日銀中心の貸出しは非常にふえております。預金部関係はずつと減つております。こういう状態と、今起つているような状態から見て、これに対して何か手を打たなければならぬと私は思う。引上げの超過があれば、引上げ超過の面をゆるめるとか、あるいは金融措置が必要であれば、中小企業への特別の融資をふやすとか、そういうことがあると思う。そういう財政政策とその他の政策をあなたに聞きたい。それが絵というものであつて、それが国民の知りたいところである。だからこの朝鮮事変の停戦に伴つた経済混乱に対してどういう施策をとられるか。これが国民の聞きたいところだと私は思うのですから、どうかお答え願いたい。

小峯柳多自由党経済安定本部政務次官

○小峯説明員 今御指摘のようなことですと、多少申し上げることができると思います。やはり金融の問題が、いろいろ御指摘に相なりますように、きわめて不円滑であります。特に政府の手持資金が相当の額にふえておりまして、よくいわれることでありますが、その政府資金を活用するということが第一段の問題になりましよう。今引上げ超過との調整の問題が出ましたが、引上げたものの活用の方法を進めるということで、その問題も調整できるのじやないかと思います。たとえば開発銀行の資金をもつとふやすとか、あるいは国民金融公庫の資金をもつとふやすとか、あるいはまた中小企業の設備に対する見返り資金は、月額三億というふうに数字はふやしたのでありますが、実際の活用面がそう生きておりません。これは日銀がやかまし過ぎるとか、あるいは市銀が、小品の扱いが少し手数がかかり過ぎるので、どうしても扱い方が消極的になるのだろうといわれておりますが、いずれにいたしましても、せつかくとりました金が十分に動いていないということは非常な損失でありますので、あるいはこういうものを、直接中小企業金融にパイプを持つ金融機関、たとえば無尽会社あるいは信用組合というふうなものに預託するような方法も考えなければならぬ。そういうふうに政府資金を活用する道を第一に考え、第二段としては、まだ隠れておる資金が相当あるのじやないだろうか。よくそのことで言われますのは、無記名定期預金をもう一ぺん復活したらどうかというお話であります。たまたま有価証券市場で、先般の国会で御協賛いただいた投資信託法に基く投資信託の募集を始めておりますが、非常に成績がいいようであります。このみそは、結局無記名の証券だということにあるのだと思いますが、この投資信託の成績がいいことにもかんがみまして、まだ上手に資金をひつぱり出す方法を考えて貯蓄奨励をすれば、民間の資金を集中して効果的に使うことができるのじやないかという考え方もございます。そこでりくつの上から言いますと、無記名定期預金などというものは、ほんとうにナンセンスだということは、識者が指摘する通りであります。また税の理論から言いましても、こまかいところまで総合的に追い込まなければならず、またその出所まで追究するような徴税の形も、あるいは税を適正にぎりぎりまでとるためには必要でありましよう。しかしそういうふうな理論は理論として、今の資金面を調整する必要があるとすれば、それに対して十分検討して、資金をとにかく集める、隠れておるものをひつぱり出して、それを民間預金の形において吸収して、その資金を活用するような方法を考えることがぜひ必要だと思います。新経済政策の中では、抽象的にしかうたつておりませんが、その中身において知恵才覚を働かして、今申し上げたようなことを早急に進めなければならぬと考えます。

勝間田清一日本社会党

○勝間田委員 これは大蔵大臣に聞いた方がほんとうかもしれませんけれども、結局今の政府資金の利用ということですね。現在の銀行なりいろいろの財政収支の関係からいつて、大事なところはそこだと思います。そこをもう少し的確にお話できませんか。そうしたらいいということでなく、政府としてはこうするつもりだということを言えませんか。

小峯柳多自由党経済安定本部政務次官

○小峯説明員 非常に恐縮ですが、もしそういうことでありますれば、大蔵大臣あるいは私のところの大臣に御答弁いただきたいと思います。私が申し上げてもしかたがございませんから……。

勝間田清一日本社会党

○勝間田委員 それではその問題は留保しておきます。結局現在の処置に対してどうするかという問題と、もう一つ、これは時間の関係上簡単に質問いたしますが、さつきの電力その他に関する問題を政府はどう考えておるのですか。電力と肥料と食糧と賃金、これについてはどう考えておりますか。この点をこの際もう発表していいのじやないかと思います。ひとつはつきりしてください。

小峯柳多自由党経済安定本部政務次官

○小峯説明員 これも国政の基本問題ですから、まだ発表する段階にはなつていないだろうと思いますが、私どもがいろいろ今までの経過を、関知している範囲で申し上げま。れば、電力の問題については、過般私の方の物価庁で公聴会のときに二割という数字を発表しております。私は電力の問題は最初に申し上げましたように、やはり電力にしわが寄つておつて、今日の日本の産業が運転されておるのじやないか、日本の輸出貿易の額も、ある程度まで電力にしわを寄せながら維持されておるのじやないか、そういう意味で電力に乗つている竹馬というものをとつてみる必要があるのじやないか、ことに電力に対して内債にしろ外債にしろ、長期建設資金を導入しなければなりませんときには、やはり電力の企業経理というものを適正にする必要があるのじやないか、そういう意味で電力料金に対する検討はぜひ必要だろうと思います。そうかといつて、これは何といつても産業の中での基本産業でありますから、その上げる率は最小限度でなければならぬと思いますし、他の物価に及ぼす影響等も最小限度としなければならぬ。そのためには公共事業の性格に照して、会社自体の自粛も必要でありましよう。またかりに一応の数字が出ましても、段階的にその進み方も考えなければならぬと思いますし、あるいは消費者に対する負担の問題等も、いろいろ内容を検討しながら、合理的に改善するものは改善しなければならないのではないかと思います。そこでそういうふうに一番しわの寄つておるものを直すことが、電力事業の発展のために必要である。結局この事業が発展しません限りは、日本の産業の構造といいますか、産業の発展、生産量の増加もあり得ないわけでありますから、これは基本中の基本として、ぜひ考えたい。もつともこれだけで電力の開発ができるものではありませんから、電力に対する建設資金などに対しましては、どうしても特別な政府資金というものを考えなければならないのではないか。それから先ほど御指摘のあつた政府資金の活用の問題の重点志向は、やはり電力部門に考えなければならないのではないか。そうして全体の産業の生産を上げて行く。全体の産業の生産量が上つて行くと、各企業の操業度が上る。操業度が上れば、その会社の収益といいますか、利益の関係がよくなるので、従つて従業員の給与べースの改善というものもできる。何といつても企業会社が正当な利潤を上げません限り、一般の税金の上にも適正徴収というものがあり得ないわけでありますから、法人所得等の増加とにらみ合せて、低額所得者のべース・アツプも考えて行く。しかしお米の問題、肥料の問題等になりますと、これはもちろん生産コストの中に基本的に占める比重が重いものですから、私どもは物価は自由な体系で持つて行きたいとは考えますが、肥料や食料に関しましては、多少の考慮がいるのではないか。従来も食糧に関しては特別な会計で処理しておりますのはそれでありますし、また補給金などを廃止する方針ではありますが、燐鉱石に対する補給金なども考えておりますのは、そういう意味だろうと思います。そういうふうに考えて、全体としてのしわのない、流れるような物価の体系を考えながら、しかしその中で基本になる面については、政府の特別な施策というものが必要ではないか、こういうふうに考えておるわけであります。どうか詳細なことは、これまた逃げるようでありますが、所管の大臣から答弁していただきたいと思います。

勝間田清一日本社会党

○勝間田委員 肥料のうち、燐鉱石の八月以降のものはどうなりますか。補給金は出しますか、出さないのですか。

小峯柳多自由党経済安定本部政務次官

○小峯説明員 まだこれも決定いたしておりません。しかし私どもが今申し上げたような気分から行つて、やはりこれは必要ではないかと考えております。まだ政府としては決定いたしておりません。

勝間田清一日本社会党

○勝間田委員 補給金を出す場合には、当然価格は統制いたしますね、過燐酸石灰については。

小峯柳多自由党経済安定本部政務次官

○小峯説明員 補給金を出すのに、マル公がなくてはおかしいじやないかという意見が関係方面にあるようでありますが、何から何までこれをやる必要はないので、必要なときには考えてもいいのではないかと思います。

勝間田清一日本社会党

○勝間田委員 もう一つ肥料について聞いておきたいと思います。需給調整の関係の予算を出したいと考えておると新聞に出ておりましたが、これはどういう状況でありますか。

平井富三郎経済安定事務官(総裁官房長)

○平井説明員 ただいま燐鉱石の補給金の問題で御質問がありましたが、肥料の問題として、単に過燐酸石灰のみならず、硫安その他肥料全般について、価格の安定ということが必要ではないか、それにはまず第一に、需給の調整をはかつて行く、こういうことが前提になるわけであります。従いまして肥料については、いわゆる戦時中の統制、あるいは戦後の統制と違いまして、従前から肥料の価格安定については、いろいろの措置をとつておつたわけであります。そういう観点から、補給金問題というよりも、むしろ肥料全般として価格の安定をはかる根本的な措置をとる方が望ましいのではないかということから、ただいまいろいろな案を検討中でございまして、まだ政府の案として一個のまとまつた案は出ておりませんけれども、要は肥料その他の生産と需要との食い違いを、どう調整して行くかという問題になりますので、これに対してはいろいろな案が出ると思います。一つの案といたしましては、政府に特別会計を設けて肥料を買上げ、需要期にこれを放出するというようなことも一つの案であります。また金融で行く案もございます。いずれにいたしましても、肥料全般に対しまして、何らかの需給調整措置、価格安定措置を全般的にとつて参りたい、こういうわけで、今関係省と検対中でございます。

勝間田清一日本社会党

○勝間田委員 最後に、どうもきようもお尋ねしてみましたが、大体新経済政策というものは少上時期がずれたという感じがいたします。どうか安定本部では、至急最近の国際情勢の変化に伴つて、緊急に必要な事項、緊急対策というものを立案して、われわれに示して欲しいと思います。これをお願いいたしまして、一応私の質問を終ります。

圖司安正自由党

○圖司委員長 志田義信君。

志田義信自由党

○志田委員 同僚委員から総括的な質問がありましたので、私は簡単にその内容になる点についてお尋ね申し上げたいと思います。  先ほどの質疑の中に、日本の経済規模を拡大して行くための、日米経済協力であるというお話がありました。価格の構成の問題では、物価水準を国際物価水準に合せるのだ、そういうふうにお考えのようでありますが、それは当然だろうと思います。けれどももし国際経済がかわつたときの官衙措置については何か考えておりますか、それをひとつ伺いたい。

小峯柳多自由党経済安定本部政務次官

○小峯説明員 国際経済の変化という問題、先ほど平和の問題に関しましては、勝間田委員の質疑にお答えしたつもりでありますが、国際的な物価が逆に下つたような場合というふうなことを考えますと、それは輸入原材料の値下りを通しまして、自然に調節できるような感じもいたします。また非常になずかしい世界の情勢が来たときに備えるためには、自立経済計画にございましたように、重要原材料の自給度の問題も高めるようにうたつております。御質問の点が広範囲にわたりますので、それだけお答えいたしますが、なお続けて御質問があればお答えいたします。

志田義信自由党

○志田委員 たとえば外国為替の特別会計等におきまして、何か特殊な影響があるというような場合には、どういう自衛措置でこれを措置して行くつもりであるか、それを伺いたい。

平井富三郎経済安定事務官(総裁官房長)

○平井説明員 日米経済協力の問題に関連して、自衛措置ということでございますが、日米経済協力は、もちろん米国が一つの指導的な地位に立つことは当然でございますが、日米経済協力ということは、他の諸国との経済協力という点もございます。ことに協力の仕方がコマーシヤル・ベースに基いて行くのだ、一つのビジネスで処理して行くのだ、こういう根本的な考え方でございますので、日米経済協力の進展の仕方も、一つのビジネスとして進行させて行くわけであります。従つて各企業といたしましては、もちろんその採算において、その責任において、引受けられるものを引受けて行く、こういう形で日米経済協力の問題が進行して行くのじやないか、かように考えておりますので、この問題に関しまして、ただいま政府がすぐ状況がかわつた場合に、企業に対してどういう措置をとるかということを考えるところまで進展していないのじやないかというように考えておる次第であります。

志田義信自由党

○志田委員 政務次官は、政府を代表いたしまして、いろいろと議会及び地方でも日米経済協力についての啓蒙をなさつておられるようでありますが、この大体の骨子は、民需生産を圧迫しない、資本の援助はする、経済方針はかえない、この三つの柱で日米経済協力を推進するということを言つておられる。そこで私たちの考えておる点では、一体日本の物価政策に重大な影響のある日米経済協力においては、将来政府は、場合によつては為替レートをかえる時期が来るかもしれないということについての、何か含みのある政策を立てておられるかどうか、それをひとつお尋ね申し上げておきたい。

小峯柳多自由党経済安定本部政務次官

○小峯説明員 それは新経済政策にうたつておりますように——為替はいじらないで行きたいということを明確にうたつております。為替をいじつていろいろ調整政策をやりますことは非常に楽だと思いますし、また為替を通しまして国際物価水準にさや寄せをすることも、方法として非常にイージーだと思います。しかし為替をいじるということは国際的に非常に不信を高めることになると思いますし、近く予想される国際通貨協定への参加等の問題もありますので、むしろこの為替を柱にして、この中において骨を折るのだ、協力して行くのだというふうに考えなければならぬと思います。また政府もその線で努力するつもりでおります。

志田義信自由党

○志田委員 今ブレトン・ウツズ協定に参加する時期が近づいているというお話でありましたが、ブレトン・ウツズ協定に参加するための一つの条件としては、御承知の通り金の問題が伴う、その負担金があると思いますが、これについては何か考えておられるかどうか。たとえば在外資産を処理することについて、安本としてはどういうふうに考えておられるか。社債あるいは在外資産についての処理の方向がどの程度に進んでおるか、あるいはそれを目当にして、ブレトン・ウツズ協定に参加したときの国際銀行の負担金を考えておられるか、その点を伺いたい。

小峯柳多自由党経済安定本部政務次官

○小峯説明員 御指摘のような点で、政府としても準備しなければならぬものだと思いますが、まだ内容を発表することは控えさせていただきたいと思います。当然御指摘のようなことの準備をしなけりやならぬことになるし、あるいは国会で御協賛願わなけりやならぬこともあると思いますが、まだ発表はしばらく差控えたいと思います。

志田義信自由党

○志田委員 ブレトン・ウツズ協定に参加することが、時期的に、われわれの聞いている範囲では、九月ごろからそろそろそういう準備が進められるのじやないかという希望的な考えもあるのでありますが、これに参加した場合に、そして資金のまかないも考えられた場合に、その資金の二倍だけは日本のために国際銀行から借り出すことができるように聞いておるのでありますけれども、そういう資金を日米経済協力にまわすような組立てを考えておるのかどうか、その点をお尋ねいたします。

小峯柳多自由党経済安定本部政務次官

○小峯説明員 御指摘のような点は考慮いたしております。

志田義信自由党

○志田委員 そこで今日は時間ももう定刻が来ておるようでありますけれども、少し時間をいただきまして、ユーザンスの問題に少し入つてみたいと思うのであります。輸入資金の限度を越えて国内の金融が追加——追いかけた状況になりますと、これが思惑資金になるという考え方を、政府は今日持つているか、それをひとつ伺つておきたい。

小峯柳多自由党経済安定本部政務次官

○小峯説明員 思惑という文字は、私はこれはなかなかむずかしい文字だろうと思います。自由経済ということは、本来見通しの経済だろうと思いますが、もしそういうことだとすると、思惑のない自由経済というものはないのだと思いますが、いわゆる問題になります思惑は、不当な思惑というか、行き過ぎな思惑というか、そういうことになるのだろうと思います。しかし輸入資金の問題に関しましては、あの当時の雰囲気は、輸入を大分政府としては勧めたような雰囲気になつておりまして、どこからが思惑で、どこからが思惑でないということは、なかなか判定が困難なところであります。

志田義信自由党

○志田委員 このごろ、金融面から行きますと、どうも政府は、ややもすれば利潤インフレになつておるというような言葉を使うのでありますが、一体利潤インフレというのはどういうことですが。よく安本の書きものでも、大蔵省の書きものでも、利潤インフレという言葉が出ておりますが、それをひとつ説明をいただいてから質問をしたいと思います。

小峯柳多自由党経済安定本部政務次官

○小峯説明員 私も実は利潤インフレということはよくわかりませんので、役所の中の正式な通知には利潤インフレという言葉は使つてない。これはおそらく一部の人がごく世俗的な意味で使つたのだろうと思いますが、そういう不明確なものを使いたくないと思つて、私の方では使つておりません。

志田義信自由党

○志田委員 利潤インフレというのは、インフレ利潤ということと私たちは同意語のように思いますけれども、どうもそれとは違うようにも政府は考えておるのではないか、ここに日本の金融梗塞の問題として、非常に大きな問題が伏在しておるのではないかと思います。コストが高い。コストが高いということはもう政府で十分わかつている。企業の利益が増大する形、これならばインフレ利潤とちつともかわりない。それを特に利潤インフレという形で、安本の正式な文書には使つておらぬとおつしやいますが、安本で出されている印刷物の中にも見えますし、大蔵省あたりでは堂々とそれを言つておられるようであります。それでそういう点から考えまして、この物価高を国際物価水準とバランスを合せて行くのだ、それでは財政面ではどういうふうにしてやつて行くのかということが、日米経済協力を推進して行く上においては、非常に重大な問題になると私は思います。その点をひとつ具体的に話していただかなければ、日米経済を協力させることは、日本に対しては昇天の慈雨だといつても、業界ではそれをそのまま受取りにくいという考えを持つているわけでありますが、それをひとつお尋ねいたしたい。

小峯柳多自由党経済安定本部政務次官

○小峯説明員 国際物価とのさや寄せの問題を中心とする日米経済協力の問題は、新経済政策にうたいましたように、もともとドツジ・ラインでやつて来ましたが、私ども非常に苦難の道を歩いて参りました。そうしてたまたまその過程において特需問題があり、今また新特需ともいうべき日米経済協力の問題がありまして、一部の産業ではありましようが、割合に自立の経済、経済再建を安易に考えるような傾向が出たのではないかと考えます。それに対して、いやそう簡単なものではない、世界の情勢は非常に変転きわまりないものだから、もう一ぺん出発した当時のかたい決意に返つて、こういう環境であればあるほど、ますます全体の政策をしめてかかるという意味のことが、新経済政策を貫いた一つの精神だと思います。具体的にとおつしやられますと、すでに私どもがとつて来ました方策を再確認しながら、その線を強力に進めるということなんで、特に具体的に違つたものではないと思います。私どもはそういうふうに解釈しておるのであります。

志田義信自由党

○志田委員 そうしますと、問題を特需に限定した場合に、特需の発注で特定の方面に利潤的な影響があるといつた場合に、先ほど政務次官の言われますには、できるだけ地ならしをして行くというようなお話でありましたが、そういう影響を一般の産業にはどうするつもりか、お尋ねいたしたい。

小峯柳多自由党経済安定本部政務次官

○小峯説明員 特需から来た部分的なものを、景気の上ではどういうふうに広げて行くのかということに承知してよろしゆうございましようか。

志田義信自由党

○志田委員 はい。

小峯柳多自由党経済安定本部政務次官

○小峯説明員 なるほど特需からの部面で、特別の部面では利潤が相当上つている部面もあります。特に特需の当初の見積りが相当甘かつたような傾向もあるかと思いますので、その当初は相当幅もあつたのでありますが、だんだん発注の方もなれ、こなす方もなれて参りましたので、特需の単価はだんだん引下げられて来ております。しかし何といたしましても操業度が上つたという面では、この影響を受けているものが相当活発な生産活動を営み、従つて利潤もふえるような傾向にあることは事実であります。そこで特殊なものだけにそういう費用を充てておいて、ほかはどうするのだということをしばしば御指摘いただくわけでありますが、私どもの考え方では、その上つた利潤を設備の更新なり、あるいは社内保留を十分にしていただいてやつていただく、またそれが今一番国民経済全般として問題になつております資金の少い、金融の梗塞している面に、間接ながら貢献するのだ、産業の一角に明るい日が当り出したのを、神経質につみとるようなことをしないで、むしろそれを広げるような形をとるべきではないか、そういうようなことで、前後の違いはありますが、その面がだんだん広がつて行くのだ、かように解釈しているわけであります。

志田義信自由党

○志田委員 つまりそういう特需の方面に対して特別の利潤があるという点もあるでありましようが、そういう場合にこれを一般と同じように自然増収と見て行かれるのか、あるいは超過利得と見て行かれるのか。超過利得として見て行かれるのなら、超過利得税をかければいい。自然増収と見て一般の税の対象とされるということになれば、これは非常に問題があると思いますが、その点はいかがですか。

小峯柳多自由党経済安定本部政務次官

○小峯説明員 特需の影響を受けておる会社の仕事が活発になつておることは事実でありますが、それが超過の利潤としていくらか目立つて来ておるということで、全体から見て超過利得の考え方でそれを縛るということは、まだまだ神経質ではないか、そういうふうに私どもはそれを考えております。

志田義信自由党

○志田委員 そういう法的な規制をやることは避けるという今のお考えは非常に妥当である。ぜひそういうふうにお願いしなければならぬ。つまりそうすれば回収能率が非常に低下する。回収能率が低下すれば、資金の効率運用を期しておられる安本当局としては、非常に自分の考えていることと相反しておる結果が生れますから、これはぜひともそういう方向でやつていただきたい。しかしそういう場合でも、そうしたインフレの防止に対して何か考えておられるか。一般的なインフレの防止に対してはどういうふうな考えを持つておられるか、それをひとつ伺いたい。

小峯柳多自由党経済安定本部政務次官

○小峯説明員 これは結局超過利得にいたしませんでも、法人税というようなもので徴収をして行けばいいわけで、先ほど利潤インフレという言葉をわれわれは正式に使つてないということを申し上げましたが、これは利潤の上つておる会社のその使い方が荒つぽいということを指しておるのではないかと思います。従つてそういうことのないように、社内保留をすることを勧める。これはお説教だけではいけませんから、できますならば国会の協賛をいただいて、社内保留をし、設備に使つたものに対する租税上の特典を与えるようなこともいたしたいと考えております。そういう意味で自粛をしていただくようにしたい。また事実相当よくなりましても、今までの借入金も相当あるわけでありまして、上りましたものの、借入金の回収につきましても、それがよそに行つてしまわないような意味では、復金なども抜け目なくやつておるように承知いたしております。

志田義信自由党

○志田委員 物価政策の立場からアンバランスを是正する、その幅はできるだけ最小限度の方がいいと私どもも思うのでありますけれども、貸出しの金利を上げるという問題が一つあるのであります。これに対しては安本はどういうふうに考えておるか。

小峯柳多自由党経済安定本部政務次官

○小峯説明員 貸出しの金利を上げるよりも預金金利を上げるという問題ではないかと思います。資本をなるべく集めたい、資金をなるべくひつぱり出したい、そういう点からいうと、郵便貯金の金利も上げたい。それに伴つて経費なども考えなければならぬ。といつて貸出し金利が上りますと、先ほど来申し上げておるように、国際物価のさや寄せなどの問題も出て参りますので、預金金利は上げるが貸出し金利は上げないということになりますと、結局その間における金融業者に、幅の縮小の努力をお願いする以外に方法はないのではないかと思います。私どもの大臣もよくお話しておりますが、どうも金融業者の建物がこのごろ一番目立つて大きくなつて行く。そういうふうな資金も資金量の上から扱つて行けば、自然扱う資金量の幅から、貸出しに対する利ざやは縮小できるのではないか。従つて資金をなるべく集める、薄利多売ということも、金融業者にお願いしなければならぬのではないか。そういう面で金利の問題は考えておるような次第であります。

志田義信自由党

○志田委員 その点よくわかりました。  それからさつきのお話の中で、国の余裕金が非常にあるので、それをうまく使つて行きたいということでありましたが、やはり設備資金や運転資金に、今後とも見返り資金を活用できる面が相当あると思つておられるかどうか。その点を伺つておきます。

小峯柳多自由党経済安定本部政務次官

○小峯説明員 これは御承知のように、見返り資金というものは先がないのであります。たまたま繰越して来ましたものが相当ありますから、その弾力的な運用はできるわけでありますが、筋道からいうと、これは打切られるわけであります。従つてほかの、たとえば預金部資金等の活用にまたなければならない。従つて貯蓄奨励という民間人の蓄積の問題も、非常に重要な意味を持つて来るものと考えております。

志田義信自由党

○志田委員 私はきよう国立国会図書館の調査立法考査局の「リフアレンス」という表題のリーフレツトをいただいた。この中に「しかしながら、論議は、農林省側が、食糧の価格面から検討を行つているのに対し、安本側では賃金ベースと一般物価の均衡を中心に考え、大蔵省では予算を基礎としておる点からそれぞれ主張を異にして意見の一致をみなかつた。すなわち、農林、安本両当局は消費者価格の値上げ防止策として、主食の中間経費の削減方法を主張した。」こういうことが出ておりますが、これは事実でございましようか。

小峯柳多自由党経済安定本部政務次官

○小峯説明員 御指摘のようなことは私の方も考えております。なるべく中間の経費を安くすれば、高く買い上げて安く売ることができるわけでありますから、経済調査庁などでもそういう意味で調査してくださいまして、その調査に基いて、具体的に食糧庁とも話合いの上、すでに改善された面も相当あるのではないかと思います。

志田義信自由党

○志田委員 そうしますと、今度の肥料とかそういうものに匹敵するくらい食糧の問題は大きいと思うのでありますが、この中間経費を削減することによつて、一体どのくらいのものになるか、それがどの程度米価に対して影響があるのかどうか。それがわかつておりましたらお知らせ願いたいと思います。

小峯柳多自由党経済安定本部政務次官

○小峯説明員 一度大体の目安は伺つたように思つておりますが、記憶いたしておりません。後日資料をもちましてお答え申し上げます。

志田義信自由党

○志田委員 大蔵省ではこれには反対していて、安本と農林が主張しているというのでありますが、その点では話合いはまだついてないのですか。

小峯柳多自由党経済安定本部政務次官

○小峯説明員 これは書き方が少しおかしいのではないかと思います。中間経費の節約は、特にさいふを持つている大蔵省は大賛成で、ただそのほかに財政上の組み方から、食糧会計に対する財政支出の面で、いろいろ大蔵省には大蔵省らしい意見があるという意味ではないかと思います。

多田勇自由党

○多田委員 時間がないので、三つほどお伺いしたいと思います。ただいまいろいろ質疑応答をお聞きしましたので、大体わかつたのでありますが、経済政策については、根本的な考え方として経済の安定をはかることを考えておられるようでありまして、それにはどうしても価格政策というものがよほど大きな役割を果すということは当然でございます。最近電力料金の値上げ等についていろいろ社会的にも大きな問題になつておるようでございますが、電力料金について従来一本で行つておつた価格の行政的な行き方を、特に電力料金についでどうして切り離されたのか。その点について今後電力料金その他も、安本日体に価格統制を一本化するような考え方に改める意思がないか、この点についてお伺いいたします。

小峯柳多自由党経済安定本部政務次官

○小峯説明員 特別な形で公益事業委員会ができましたので、ああいうふうになりましたが、私どもも物価全体をあずかる建前からいつて、電力に対しましても、これは産業の基礎でありますから、私どもが見るようにさせていただく方がいいと思つております。

多田勇自由党

○多田委員 東京で開かれました聴聞会の報道を新聞で見ましても、物価庁は二割程度でいいというような考え方を示しておるのでありますが、二割と五割何分では相当開きがあります。これは他の物価に非常に大きな影響を及ぼす問題でありますので、急速に価格政策については物価庁に呼応するというような措置をとることが必要ではないか。公益事業委員会が電力会社の代弁機関のような形になる形勢が相当多いのではないかということが一般にいわれておりますので、その点についても急速にそれに対する予防的な措置を講じていただきたい。  その次に、先ほど政務次官から一つの試案として話されました、東南アジア開発の問題についての具体的の例として鉄鋼の問題が出ましたが、政務次官の考え方のような方法で参りますと、日本の製鉄企業は相当大きな打撃を受ける形勢がありはせぬかということがおそれられるわけでありまして、それに対してそういつた心配はないかどうか。それと国際価格にさや寄せをする問題を、先ほどお話がありましたような形でなしに、今一番大きな問題は輸送費の問題であろうと思いますが、たとえば製鉄の粘詰炭は買入れ価格よりも輸送費が倍以上も高い。従つて日本に持つて参りますと三倍程度の価格になつてしまうというような現在において、船の問題をまず解決することに努力をした上で、日本の企業をさらに発展させるような行き方、すなわち日本の企業に大きな打撃を与え、将来日本の製鉄企業に致命的な破壊を与えるのではないかという心配を与えるような行き方をとらずに、もつと別の国際価格へのさや寄せを考えて行く必要はないか、その点についてお伺いします。

小峯柳多自由党経済安定本部政務次官

○小峯説明員 私先ほど試案として申し上げましたのは、これはもちろんどこまでも試案でありますが、日本の製鉄業のためになるという意味合いから申し上げたのであります。これは一貫作業と平炉作業との問題でいろいろ議論はありますが、熱いうちに加工できるという意味で、やはり一貫作業が純理的に考えればいいと思います。ただ立地条件が御承知のように非常に悪いものですから、当然何らかそれを埋め合せるような方法を考えますと、さつき試案として申し上げたようなわけであります。しかしそれだけが全部ではございません。御指摘のように船の問題等があります。この船も、でき得べくんば、製鉄業者に自家船でも持つていただくところにまででも行けば、よほど違つて来るのではないか。必要なときに必要な資材が運べる、しかも自家船でありますから、船舶運営に関する利潤というものが中で消えてしまう。これは製鉄のさや寄せという問題は非常に複雑でありますから、あの手、この手で累積して攻め上げる以外には方法はないと思いますが、その間において日本の鉄鋼業が非常に大きな打撃を受けるような意味合いでは毛頭考えないつもりであります。よく貿易業者のお考えを伺つて、妥当なる線で考えて行くつもりであります。

多田勇自由党

○多田委員 いま一つ非常に具体的な問題でありますが、輸出組合の問題であります。貿易を進展させるためにはどうしても輸出が必要だということは、これは終戦後の貿易の実績からはつきり示されて来ていると思うのであります。輸出組合がまだ非常に困難であるというようないろいろな制約もあるようでございますが、最近新聞等では、通産省あたりが輸出組合をつくりたいという考え方で努力しているように伝えられておりますが、この輸出組合をつくること自体が非常に困難だということは十分承知しておりますので、それに対してどのような努力をされておるか。たとえば現在カン詰の輸出について非常にダンピングが行われましてアメリカにおいてすら日本のカン詰の輸入を禁止する法律をつくろうではないかというようなことがいわれておりますために、日本のカン詰輸出の将来に対して大きな懸念をされている。しかもカン詰が非常に安い価格で輸出される反面に、国内のカン語のメーカーが崩壊の危機に立たざるを得ないというような状態になつておる現在において、輸出組合という制度を急速につくることがどうしても必要だと考えておりますが、それに対して政府は今までどのような努力をされて来たか、またその見通しについて伺いたいと思います。

小峯柳多自由党経済安定本部政務次官

○小峯説明員 この輸出組合の問題についてかねがね御勉強なさつておりまして、いろいろ御指導いただいているのでありますが、御承知のように独占禁止の問題、事業者団体法等の問題が触れるのであります。しかしリツジウエイ司令官の声明にもありましたように、もしほんとうに日本の実情に合わない、公共の利益に反しない、むしろそれが利益になるという意味で、ぜひそれが必要なような場合には、それに触れるような面について改正したいというのは、政府の部内にもございます。政令審査委員会でも当初の問題としてそういうことをおきめになつているようであります。私どももぜひこの問題は促進したいと考えまして、委員会の案なども伺いながら検討を進めております。

多田勇自由党

○多田委員 ただいまリツジウエイ声明の話がありましたが、リツジウエイ声明に対する再検討は、ただいま政務次官の言われたように、政令のみでなしにあらゆる法律についてであるという非常に広範囲な考え方であるのか、あるいは私どもがそれぞれの筋から聞いている範囲では、あの声明は政令に対してのみに限定しているんだというように聞いておるのであります。それに対して政務次官は、貿易等についても、この政令の範囲は及ぶんだというお話がありましたが、その点についてはつきりお聞かせ願いたいと思います。

小峯柳多自由党経済安定本部政務次官

○小峯説明員 これはいろいろ解釈はあるようでして、御指摘のようにあるいは不明確なのかもしれません。しかし私どもは、法の精神を殺さない範囲で、実情に合うように、革に政令だけでなしに、ほかの問題についても検討してみたいと思つております。しかしあちら様の言葉でありますから、この解釈のほどはまだ一致いたしていないようであります。

圖司安正自由党

○圖司委員長 他に御質疑がなければ、本問題に関する質疑はこの程度で終了いたし、午後は一時半より再開いたします。     午後零時二十七分休憩      ————◇—————     午後二時八分開議

圖司安正自由党

○圖司委員長 休憩前に引続き、会議を開きます。  これより電力問題特に電力割当、電力料金を議題に供し、当局より説明を聴取いたします。松田太郎君。

松田太郎公益事業委員会事務総長

○松田説明員 さきにここにお呼び出しを受けましたときに、大体電気料金、また電力の割当等の問題につきまして、簡単な御説明をいたしたのでありますが、特に本日は、電力料金の問題につきまして、その後どういうような経緯になつているかというような点につきまして、お話を申し上げたいと存じます。要するに、具体的の結論という点におきましては、先般お話申し上げたときと同じ状態でございます。と申しますのは委員会といたしましては、各社から出て参りました電気料金の改訂案を、そのまま聴聞会にかけまして、聴聞会が終りました上で、需要者側の御希望を十分考慮に入れて、最終決定をしたい、こういう手順で進めておりますので、従つて今日におきましては、電気料金の改訂を、どの程度いたすかということにつきましては、まつたく委員会としては、白紙であるのであります。ただこの前には、まだ新会社から何ら正式の改訂料金の案を出して参つておらなかつたのでありますが、六月の二十日から二十二、三日にかけまして全部出そろいましたので、一応新会社の出しました値上率についての概要をお話申し上げまして、それから聴聞会における各意見等を御紹介しておきたいと思うのであります。  新聞等にすでに出ておりますので、ここで繰返す必要もないかと思いますが、新会社の出しましたいわゆる料金の値上率は、これを九会社総合いたしてみますと、六割四分の値上率になつておるのであります。この六割四分と申しますのは、現在の会社のそれぞれの収入に対して、発生電力によつてそれを割りました一キロワット・アワーに対して幾らという、その価値に対して六割四分の値上げということになつておるのであります。これは北海道で申しますと七割、東北におきましては五割、東京におきましては五割六分、中部におきましては六割五分、北陸におきましては六割六分、関西におきましては六割九分、中国におきましては七割、四国におきましてはやはり七割、九州におきましても同様七割、こういうような料率になつておるのであります。これをいわゆる電燈の関係とそれから業務用電力と申しますか、いわゆる電力関係とにわけて申しますと、電燈関係では、北海道は六割五分、それから電力関係では七割三分、東北が電燈関係で五割二分、電力関係で六割、東京は四割六分の六割、中部が五割五分の六割九分、北陸は四割六分の七割八分、関西が五割九分の七割五分、中国が六割四分の七割五分、四国も六割五分の七割六分、それから九州が七割の七割というように、結論はなつておるのであります。このうち、たとえば農事用等の電力に対する特別の割引の制度でありますとか、それからまた一般の電力の割当につきましては、大体におきまして五十キロワット未満の電力の需用に対しましては、いわゆる割当制をやめまして、使用量に応じて料金をきめて行くという行き方で、ただ五十キロワツト以上につきましては、すべて現地の割当制度を存置するというような行き方になつておりまして、その他こまかな点ではいろいろあるのでありますが、要するに今申しましたような線が新会社の料金の改訂案として、ただいま聴聞会に付されております原案であります。これに対しまして、新会社の所在地であります九地区において、今月の五日から聴聞会を開いておりまして、ただいま各地で聴聞会の開催中であります。大体この十二日ないし十三日には聴聞会を終えることになつておるのでありますが、東京における聴聞会におきまして、いろいろ意見が出ております。そのうちのおも立つたものについて御紹介を申し上げますと、第一が減価償却の問題でございます。これにつきましては、まず再評価はどの程度すべきかということが各方面で問題になつておりまして、今日会社ができたばかりであつて、従つて会社の経理等についても十分の検討をするひまもないわけである、また相当陳腐化された資産もあるわけであるので、そういう意味でこの再評価については、この際限度一ぱいすべきでなくて、他の一般産業の再評価と同様に、六〇%ないし七〇%程度の再評価をして、しかも償却は定率法によらずに、定額法によるべきであるという意見が相当多数出ております。それから次に人件費につきましては、この人件費あるいは営業費等については、できるだけ各社において企業の合理化を見込んで、そうして必要な費用を計上しなければいかぬ、大いに合理化の線を加味した上で、人件費というものは考えてもらわなくちや困る、こういう意見、それから第三が修繕費の問題でございますが、この修繕費のうちでも、いわゆる償却を見る以上は、資本的性質を持つたものについては、これはどこまでも修繕費から落して、そうして償却の方で見るべきものである、これを修繕費の中に加えるようなことがあつてはならぬ、こういう意見であります。それから石炭費につきましていろいろ意見があつたのでありますが、この石炭費については、最近のいろいろな状況から判断をして、その数量においても、また単価においても妥当なところを考えてもらわなければ困る、こういう意向であります。それからなお電気事業の公益性という点にかんがみて、値上げというものは、どうしても必要な場合においても、一挙に大幅の値上げをすべきでなくして、暫定的に、かつ段階的にこれを行つてもらわなければ困る、こういう意見。それから電力の割当制の問題でございますが、これにつきましては、特に産業界においては、大体において現在の割当方式をそのまま存置してもらいたい、これに対して、たとえば東京都川明あるいは電鉄会社等におきましては、割当制というものは、ぜひこの際廃止してもらいたい、またこの割当制度に伴う火力料金制というものは、これは絶対反対である、こういう制度があるために、実際の料金というものも、割当の問題とひつからまつて思いのほか多額になつて来るので、従つてこういつた現地の割当制度、これとうらはらをなす火力料金制というものは反対であるというような、逆な意見も出ておりました。それからまた負荷の調整をはかるために、負荷率の割引であるとか、あるいは深夜間の割引というような制度を、やはりこの際引続いて設けてもらいたいというような意見。それからまた電気事業者の責によつて、きまつた電力を送ることができなかつた場合、たとえば電圧か低下したり、あるいはサイクルが下つたというような場合には、電気料金を割引いてもらえる制度をつくつてもらいたい、それからまた農事用の電力料金については、農業の特殊性にかんがみて、高率の割引をする特別の措置を講じてもらいたい、それからまた一般電燈とか小口電力の料金を引下げて、それから大口電力等の料金との間の、従来存しておる不均衡を是正してもらいたい、こういう意見。またこれとは逆に特に三千キロワツト以上の大口の値上率というものは、極力引下げてもらいたい、これは産業会社いずれも大体こういうような意向であります。それからまた電鉄会社からは、特に電鉄のような公共事業については、特別の考慮を払つてもらつて、特に電鉄事業については相互契約で需用料金を計算するようにしてもらいたいというような、これは非常に技術的な問題でありますが、そういう意見がいずれの電鉄会社からもございました。  大体以上申し上げましたのが反対をせられるおもだつた点でありますが、これに対して特に東京電力の株主からの意見としましては、料金決定というものは、経済事情に応じて株価が額面を維持できるような配当を考慮して決定しなくちやならぬ。そういう意味で料金についても将来の電気事業の姿を十分考えた上で、あまり低率にならぬ、むしろ今後の株価の維持ないしはそれに基いて資金の調達ができる程度の、比較的緩い料率を考えるべきじやないかという、賛成的な意見もあつたのでありますが、大体今申しましたような線で、各方面からの非常に熱心な、まじめな御意見の陳述が多数あつたのであります。このうちで今申しました減価償却の問題でありますとか、あるいは人件費、修繕費、石炭費といつたような点が、おそらく委員会といたしまして、この料金改訂を検討します上において最も重要なポイントになつて来ると思うのであります。先ほど申しましたように、再評価の限度をどの程度にするか、また償却は定率法によるか、定額法によるか、その他人件費、修繕費、石炭費等について、どの程度の計数を確保する必要が最小限度であるかというような点については、委員会として十分検討する考えであります。なかんずく石炭の問題につきましては、ただいま経済安定本部あるいは通産省等とも、いろいろ御協議もし、また御協力も願つておるのでありますが、一番大事な点は、ただいま一応計画をいたしております電力の供給を確保いたしますためには、約六百二、三十万トンの石炭を本年度必要とするのでありますが、ただいまでの四月、五月の実績から申しましても、この六百二、三十万トンのベース以上に石炭を消費いたしておるのであります。そういうような関係で、本来ですと、渇水期に対する対策といたしまして、今日から相当の貯炭ができるように石炭の入手に努めなければならぬのでありますが、いろいろな事情がございまして、今日では結論的に申しますと、大体その日その日が暮せるというような程度の石炭の入手でありまして、八月あるいは先の十二月から来年の三月ころまでの間の渇水期に対しての石炭の手当というものが、非常に大きな問題になつて参ります。これの確保方については各方面といろいろ御相談もし、御協力も願い、電気事業会社としても従来の行き方を根本的に改めまして、石炭の入手には努めておるのでありますが、この料金決定の際に、石炭をどの程度確保できるかということを考えて参るというような点も、やはり問題点たなると思うのであります。  以上申しましたような聴聞会における意向を十分検討いたしまして料金の内容をきめなければならぬのでありますが、先ほど申しましたように、まだ他の地区における聴聞会の結果がわかつておりませんので、来週早々には各社の存在します地区における聴聞会の結果も全部わかるわけでありますから、その上で慎重に検討をし、各方面とも御相談を十分いたしまして結論を出したい、かように考えておるのであります。そういつた事情でございますので、今日におきましては、いまだ具体的にどの程度にするかということについては白紙であることを、重ねて申し上げておきたいと思うのであります。  なお電力の割当の問題につきましては、特にこの六月から七月にかけまして、御承知のように石炭の入手関係も円滑に参つておりません上に、特に七月に入りましては相当水の出方もよくないような状況もございますので、七月におきましては最初本年度の電力の割当計画を立てました線に沿つて割当をいたしておるのでありますが、今後の需要の状況と、それから今申しましたような電力の供給面におけるいろいろな問題等を総合的に考えまして、今後の供給力についても万全の措置を講じなければならないと思つておりますが、そういつたような線の検討中でございますので、今のところでは、まだ八月以降の電力の割当をどういうぐあいにするかということについては、本年度の初めに暫定計画を立てました線以外には、まだ新しい線は出ておらぬのであります。  まことに簡単でございますが、以上のような点を概要御説明申し上げまして、なお各社から出ております案について、もう少し具体的にこまかくお話を申し上げる必要があれば、今日は監理課長も伴つて参つておりますので、監理課長から御説明を申し上げるようにいたしますし、またその他の点について御質問がございますれば、お答えをいたしたい、かように思つております。

圖司安正自由党

○圖司委員長 以上の説明に対し質疑があればこれを許します。

多田勇自由党

○多田委員 ただいま各会社の値上げの案並びに聴聞会の内容等についてお話がございましたが、ただいまお話を伺いました各電力会社から申請されました電力料金、これは公益事業委員会として会社側といろいろ話し合い、あるいは当初提出されました会社の原案に対しまして、相当修正された案として出ておるのでありますが、この案は公益事業委員会として一応検討された上で聴聞会に出されたと考えます。現在出ております案がある程度現状においては妥当なものだというような見解を委員会はとつておられるか。  それからいま一つ、新聞によりますと、東京における聴聞会で、物価庁からは二割程度の値上げでいいのだ、あるいは通産省からは、三割程度の値上げでやれるんだというような意見が出たように報道されておりますが、電力料金について相当長い間価格の面を担当された物価庁が、二割程度の値上げが妥当だというような意見を出しておるにかかわらず、公益事業委員会が聴聞会に出された案が、平均して八割四分の値上げということになりますと、その間に相当大きな開きがある。これはどのような理由でそう大きな食い違いがあるのか、その点について御説明願いたいと思います。

松田太郎公益事業委員会事務総長

○松田説明員 まず第一に、聴聞会にかけております案につきましては、これは会社から出して参りました案をそのまま聴聞会に出しておりまして、委員会としては全然その検討も何もしない、と言うと語弊があるかもしれませんけれども、要するに委員会として、この案はいわゆる料率の点から見て妥当のものであるという前提のもとに、聴聞会にかけておるわけではないのです。要するにある程度の値上げをすることは必要である。しかしこの料率については、電気事業者側の意向と、それから需用者側の方の意向と、両方の意向を十分伺つた上でその結論を出して行こう、従つて一方だけの意見を聞いて、かんじんの消費者側の方の御意向を、正式に聴聞会において伺う前に委員会として結論を出すことは、適当でないという見解のもとに聴聞会にかけておりますので、この六制四分平均というようなものにつきまして、委員会としては、これをこのまま認可すべきものであるというような考えは毛頭持つておりません。  それから今お話の物価庁から二割という案が出ておる。これに対して各社から出ておりますのが平均六割四分程度になつておるという点の大きな開きと申しますと、第一点は、先ほど申しました再評価の問題、並びに減価償却の問題でございます。会社側が出しております案は、多少その陳腐化されましたものについては、一%とかあるいは〇・何パーセントというような引き方をいたしておりますけれども、大きく申しますならば一〇〇%、要するに資産再評価法によつて認められておる最高限度の再評価を出して、しかもそれを定率法で償却したい、こういうことになつております。それがおそらく物価庁でお考えになつておる案では、一〇〇%にして定額法になさつておりますが、あるいはその再評価の限度を六〇%とかあるいは七〇%とかいうぐあいに低く見られて、しかもそれを定額法によるというような線で出ておられるのじやないかと思います。そこが一つの大きな開きになつて参ります。それからあと人件費とか、あるいは修繕費、石炭費というような問題につきまして、先ほどの聴聞会にも相当意見がございましたように、各社における合理化を前提として、人件費を相当査定しておられるのじやないか。それからまた修繕費につきましても、やはり聴聞会に出ました意見と同じように、たとえば従来は償却につきまして、再評価をいたしておらない時代でございますので、結局帳簿価格によつて定率法で償却いたしましても、その償却額はきわめてわずかでございますので、それをある意味でカバーいたしますために、いわゆる特別修繕費というものを、従来各社とも修繕費の中に計上いたしておつたのであります。しかしながら今度公然と再評価に基いての償却ができるとなれば、そういつた特別修繕費というものは修繕費から落して、償却費の中で見るべきであるというような観点が、確かに私は筋としていえると思うのです。そういう線に基いて、その辺の方針から、各社から出て参つております案を査定すれば、私どもといたしましても、そこにある程度の開きが当然出て参ると思いますが、そういう点を物価げとしても考えられておるように思います。それから石炭の問題につきましても、今われわれといたしましては、先ほどもちよつと触れましたように、本年度の石炭の使用量を六百二、三十万トンと考えておるのでありますが、いろいろ石炭の入手状況等から考えまして、それを、あるいは五百万トンとか、五百五十万トンくらいに見たらどうかというような意見が物価庁にもおありになるようであります。従つてそういう数量で現在の炭価を検討して計画せられますと、大分そこに開きが出て来ると思うのであります。そのほかのこまかな点につきましては、さほど開きは出て来ないだろうと思いますが、今申しましたような四点についていろいろ検討を加えますれば、相当の開きがそこに出て参ります、そういう線で物価庁はおそらく二割程度のお話をなさつておるのではないか、かように考えるのであります。

多田勇自由党

○多田委員 ただいまのお話で、大体会社からの原案を聴聞会に出されたというようなお話でございますが、実際問題は、相当会社に対して委員会からいろいろな示唆をされ、最初に出て参りました値上げの案に対しましても、相当検討された上で修正されたというような話も聞いております。また公益事業委員会といたしましても、電力料金をこのように値上げしなければならないという、社会的にも経済的にも、あるいはまた政治的にも、大きな問題になる電力料金について、一応対外的に意見を求めるということであれば、相当委員会官体としても、ある程度の考え方を持つた上でなされなければならない問題だろうと思います。それにもかかわらず、同じ行政官庁である通産省あるいは物価庁、あるいは安本等の考え方との間に、相当大きな食い違いがあるというようなことであつては、これは非常に公益事業員会自体の権威に関する問題でもありますし、今後の日本の電力料金の問題、さらに日本の経済全般の問題に、大きな影響を及ぼすことになるだろうと思います。あるいはまたこの問題を突き詰めて参りますれば、日本の価格政策が従来物価庁一本でやつて参りましたものを、電力料金だけ特に公益事業委員会で取上げたというその裏面に、何かあるのではないかというような疑いを持たれるおそれもございますので、この点については、いま少しく慎重にやるべきではなかつたかと考えておるのであります。これはもちろん今お話のようないろいろ見解の相違もありますし、見方の相違もあるかと思いますが、物価庁が長い間価格、ことに電力料金についても、長い間いじつて参りました経験から見まして二割、あるいは通産省が電力について今まで実際実務を担当された考え方で、三割の線を出されているというような実情であるとすれば、現在聴聞会にかけられている電力料金の案は、相当無理な案であるという印象を一般に与えると思いますので、きよう幸いに通産省の政務次官が見えておりますので、通産省は、この料金に対して相当大きな疑問を持つておられるような新聞記事でありますから、ひとつ通産省の考え方をお聞かせ願うと同時に、また委員会からは、この値上げの案に対して、通産省あるいは物価庁等から出ている案が、案として取上げるだけの妥当性があるというような意見を持つておられるかどうか、その点についてお伺いいたします。

首藤新八自由党通商産業政務次官

○首藤説明員 御承知のごとく通産省は生産の主管省でありますので、今回の電力料金値上げに対しましては、格別の関心を持つておるのであります。従いまして一般の世論に耳を傾けますとともに、通産省自体といたしましても、この各電力会社の案の検討に対しましては、慎重を期してやつて参つておるのであります。しかるに先般一応通産省で検討いたしました結果、概括的に三割程度はやむを得ないのではないかということを発表されたのが一部誤伝されまして、通産省側では全般的に三割が至当であるというふうに考えておるかのごとく伝えられておるらしいのであります。しかしこれはごく概括的に、こういう計算によるとこの程度が妥当ではないかという意見を申し上げたのでありまして、以下申し述べる通産省の検討いたしました方法によつて、かりに東京の電力会社の案を査定いたしますと、それは二割一分になります。また四国の電力会社の案を、通産省の検討方法によつて採算いたしますれば、二割八分前後になるということに相なつておるのでありまして、個々の会社の案にこれを適用いたしますれば、おのずから各会社とも違つた結果が出て来るのではないかと考えておるのであります。そこで大体通産省といたしましては、詳細は企業局長が見えておりますから企業局長から申し上げますが、一応おもな勘定項目について検討してみたのであります。これは第一番は人件費、さらに石炭費、修繕費並びに減価償却費、さらに固定資産税、また再評価の限度、おおむねこういう点に重点を置きまして検討を加えたのであります。そこでこの人件費でありまするが、大体昨年の年末ごろの人員を基準にいたしまして、本年の三月ごろには大体一・八一%、このくらいは自然的でも減少するのではないかという考え方をもつて推算いたしたのであります。  さらにまたこの賃金の単価でありまするが、これも中労委の裁定の一万二百円を維持しておるかどうか。さらにまた基準外賃金も二〇%の範囲にとどまつておるかどうかということも査定しなければならないのであります。さらにまた賞与は大体当初から料金に織り込むべきものではないという考え方をもちまして、この問題は削除するという方針をとつておるのであります。もう一つはこの人件費の建設費への振りかえでありますが、これも振りかえる人件費は配電費、給料手当の八%くらいに押えるのが適当ではないか、こういうような考え方をもつて算定いたしました。それから法定厚生費、給料手当の一〇%程度が適当である。また厚生費は基準賃金の五%程度が適当でないか。退職給与金引当て、これも基準賃金の七%半程度が適当である、かような考え方を持つております。  石炭費でありまするが、これが各方面とも非常に重く取扱われておるのでありまして、会社案は六百五十万トンであつたかと記憶いたしまするが、算定いたしております。しかし実際問題として六百五十万トン消費し得るやいなやという点に、若干の疑問を持つておるものでありまして、昨年の実消費量が五百万トンでありましたから、それに二割を加えた六百万トンを計上いたしますれば十分ではないかというふうな考え方を持つております。さらにまた炭価でありますが、これも会社案は五千五百円だつたと記憶いたしまするが、将来の値上りを予想してこの際計上することはいかがかと考えまして、失体最近の炭価の全国的平均をとりましてと四千五百円を算定の基礎にすることが適当ではないかというふうな考え方で、これは四千五百円を基礎としておるのであります。  さらにまた修繕費であります。これも先ほども問題になつておりましたが、減価償却の方に今度は相当ウエートがかかりますので、大体一〇%程度に押えることが最も妥当ではないか。またこの程度に押えても十分やつて行けるであろうという考え方のもとに、一〇%に査定したのであります。  さらに減価償却でありますが、これは会社側は一〇〇%を基準にいたしておりますが、一般産業界では六〇%が普通になつておるようであります。しかしながら今日まで会社は久しい間減価償却というものをあまりやつていないことは事実でありますので、一応この際陳腐化を除いた再評価を、八〇%程度にいたしたらどうかというふうに考えまして、八〇%の再評価ということに基礎を置いておるのであります。なおまた償却でありますが、これは定率法よりも定額法によるのが至当であると考えまして、定額法によつて計算しております。  なお固定資産税でありますが、これは再評価の一・六%として計算いたしたのであります。  かくのごとくいたしまして計算いたしました結果が、先ほど申しましたことく、大体三割程度の値上げならば十二分にやつて行けるのではないかというふうに考えておるのであります。もう一つは社会各般におきまして、値上げについては非常に強い反対の意見があることは十分に了解しております上、また通産省といたしましては、先ほど申し上げておりまするごとく、生産の主管庁である。電力は日本経済自立のために絶対的条件であるというような点を考慮いたしました場合、この値上げに対しましては特に関心を持たざるを得ないのであります。しかしながらそれだからといつて現在の電気料金、さらにそれを過去に比較した場合の率、さらにまた一般物価の、戦前から今日に至るところの比例等々を考慮いたし、さらにまた会社の現状と申しますか、これほど厖大な資産を持ちながら、会社の株価が額面よりはるかに下まわつておる。少くとも今後会社が自力をもつて電源を開発して行かなければならぬ。それがためにはある程度会社の自己の力によつて金融ができる方法を講じておくことも、大局から考えて必要ではないか、この際目先の小事にこだわりまして、いたずらに値上げに反対いたしますれば、会社はいつまでたつても自己の力によつて電力の開発はできない。そういたしますれば、いつまでも現在のごとく非常に割高な火力電気を使わねばならぬのみならず、産業の根幹でありますところの電気量そのものが、今後ますます不足する。従つてそれが日本経済の飛躍のために、非常な圧力を加えて来るというような点も、あわせてこの際は冷静に考慮すべきではないか。従つてこれがためには少くとも会社が自立できるように増資もでき、あるいはまた外資も十分獲得できるというような内容を培養するということも一応考慮することが、結局将来電源の開発を促進いたし、同時にまた火力料金のごとき不当な料金を排除いたしますためにも、この際若干の値上げはむしろ認めるのが至当ではないかというような考え方を持つておるのであります。むろんそれだからといつて、先ほど申し上げましたごとく、これが原価に吸収できないような値上げになりますならば、それはただちに当面の輸出産業に非常な悪影響を及ぼしまするので、できる限り原価に吸収できる範囲内においての値上げにとどめる。そうして先ほども松田事務局長が言われましたことく、これを段階的に、必要があれば当然引上げてもやむを得ませんが、一回に大幅の引上げをするよりも、徐々に引上げて行き、そうして正常な姿に持つて行くということが、この際は適当な方法ではないかというふうな考え方を持つておるのであります。

松田太郎公益事業委員会事務総長

○松田説明員 ただいま首藤政務次官がお話になりましたことは、私どもとしても十分検討しなければならぬまつたく重要な点を御指摘になつておると考えております。最初申しましたように、われわれといたしましては今日はまだ白紙でございますので、しからば今どういうぐあいに、どの点を改めるかということを申し上げる時期には産しておらぬのでありますが、結論といたしまして、通産省、物価庁あるいは経済安定本部方面でいろいろお考えいただき、研究をしていただいておる点については、公益事業委員会といたしましても十分御相談をいたして、われわれの意見も申し上げ、また今申されました各省の御意見も十分承つて、むしろ一緒になつて、事務的にこの問題を結論に持つて行くような作業をしたいとまで私は考えたのであります。そこで、しからばどういう点が問題になるかということについては、最初私もちよつと触れましたように、今政務次官からもるるお話になりましたような点が、おそらく今度の料率を決定する上においての一番重要な点であつて、その点の検討に尽きるといつても過言でないと私は思つておるのであります。ただ問題としましては、これも首藤政務次官から詳しくお話がありましたから、私から補足的につけ加えることもないと思うのでありますが、要するに世間でときどき誤解がございます点は、今度の料金改訂によつて、いわゆる電源開発その他電力増強に必要な新規工事の費用を、まかなうようなことになつておるのではないかという点でございますが、これは各社から出しておりまする案においても、そういう考えではつくつておりませんし、また公益事業委員会としましても、しばしば国会における各種の委員会において委員みずから申し上げておりますように、そういう考えは持つておりません。要するに問題は、今後の電力の供給を何とか産業の進展に応じて供給できるようにして参りますために、いわゆる資金の調達がなるべく円滑に行くようにしたい。それには社債の募集等につきましても、現在では四十三億程度のものが余力として残つているだけなのでありますが、これを再評価することによりまして、その限度がふえますことは御承知の通りであります。そういつた問題であるとか、あるいは明年くらいになれば増資も考えられるのではないかと思いますが、それに対する態勢、それからまた最近〇・C・I等の技術調査団の人にも来てもらいまして、只見川その他の電源開発地点についての基礎調査を願うことにしております。そういうような点からだんだんと話が進展して、できれば外資導入ということについても、政府全体としていろいろお考えを願つておるわけでありますが、そういう場合にいわゆる国内、国外から資金を調達して行く上において、まずまずこの程度の内容になつている会社なら、そういう問題についても考えられるというところまでは、やはりこの際考える必要があるのではないかと思つております。ただその場合に、しからばかりに最小限度するにしても、それを一挙に持つて行きますか。資産再評価法の改正によりまして、電力会社におきましても再再評価ができるような形にもなつております。それから最初に申し上げましたように、この陳腐化等につきましても、現状におきましてどの程度陳腐化しているのかということが、まだ詳しく明らかにされていないという点もあると思います。従つてそういうような点についても、ある程度の余裕を考えなければならぬという問題もあると思つておりますが、そういうようないろいろの点を考えまして、やはり段階的にこの問題を処理して行かなければならぬじやないかという考え方も、私は十分成り立つと思つております。今首藤政務次官からお話になりましたような点については、われわれ事務局としましては十分研究を重ねなければならぬ問題と思つておりますので、聴聞会が済みまして、各利害関係者の御要求というものが十分明瞭になりました上において、早速そういつた点について関係省の方とも十分お打合せして、御意見を承つて結論を出すように進めて参りたい、かように考えております。

多田勇自由党

○多田委員 私素人で専門的なことはよくわからぬのでありますが、値上げは火力発電の炭価の問題が相当大きな要素になつておるし、火力発電の料金問題は、電力料金において相当大きな役割を果しておりまして、火力が非常に多くなるという理由、あるいは火力を使わなければならないという理由で、電力料金の算定をされておるようであります。ところで実際問題として火力発電が水力よりもそう大きな痛手があるものかどうか。この点については相当大きな疑問があるのではないか、かように考えられる節もあるのであります。私先般四国に参りまして、ある県のある会社に参りました際に、その会社の自家発電は、現在四国電力から買電している価格程度で発電ができる。その詳しいデータは私今日忘れましたけれども、そういうような実例がございます。しかもその自家発電は、大体一箇月間のうち半分程度しか発電をしていないというような状態であつても、四国電力から買電しておる程度の価格で発電ができる。しかも発電設備というものは資産の再評価もすでに済んでいるし、いろいろな面で、現在電力会社が考えられておるような状態においてすら、現在買電しておる程度の価格で発電ができるというような話を聞いて参りました。これが事実だとすると、電力料金の計算の上に相当大きな影響があるのではないかというふうに考えられますが、これらに対しての委員会の御見解をお述べ願います。

松田太郎公益事業委員会事務総長

○松田説明員 火山発電の問題、水力発電の問題につきましては、委員会といたしましてもいろいろ研究はいたしております。本来御承知のように、日本といたしましては、水力資源に非常に恵まれておりますので、いろいろな計画と申しますと、大体において水力電源というものの開発に力が入りがちなのであります。しかしながら何分にも水力電源の問題でございますと、大きな規模の只見川のようなものは別といたしましても、相当やはり期間的には長期間を要する。火力発電の方は御承知のように、これが完成には割合に短期間で済みますので、従つてたとえば東京電力のような、むしろ水力電源にはあまり恵まれておらぬような地区については、やはりこの需要の急増に呼応して参りますような意味で、多少炭価はかかつても、火力発電所の増設というような点を考えなければならぬような面も出て参ると思うのであります。そこでしからば火力発電所を使う場合に、電気料金が水力の場合に比べて上るではないかという点は、これは最初申しましたように、石炭の価格等が、御承知のように相当年々上つて参つておりますのと、それから水力の方は償却等その他については相当かかりますけれども、できたものについては、そういつたような原材料をどうするというような点もございませんので、従つて火力と水力とを比べれば、やはり火力の方が高くなるのであります。今お話の具体的の問題については、私もよく実は存じないのでありますが、この火力発電所につきましても、いろいろ修理の状況とか、そういつたどの程度うまく使えるようになつているかという点が、やはり非常に問題だと思うのであります。また火力発電所の優秀なものにつきましては、相当カロリーの低いような炭でも、これをこなして行けるような設備をとりつけてあるようなところもあるのでありますが、御承知のように、従来日発の持つておりました火力発電所と申しますものは、戦時中からこれが補修とか修理というものについて、ある程度のことはいたして参つておるとは申すものの、相当老朽化されたものが多いのであります。特に最近のごとく非常に電力の需要がふえまして、本来でありますと、四月、五月、六月というような、いわゆる豊水期におきましては、火力発電というものは、従来の例から申しますと、ほとんど動員をいたしませんで、むしろ渇水期に備えてその修理に当るというのが実情なのでありますが、先ほど申しましたような電力需要の激増からいたしまして、この豊水期におきましても相当量の石炭をたいておる、従つて完全な修理もできないというような状況にもなつておりまして、そういつたような点から、やはりこの火力発電所のコストというものに、ある程度の影響が来ておると思うのであります。今お話の中部の点についての具体的なことは私知りませんから、申し上げてもそれは想像にすぎないのでありますが、要するに年間絶えずフル活動をしておるのでなくて、相当休ませて、修繕もきくし、また自家発電と申しましても、相当に設備を持つておられるところもあるのであります。そういうような場合に、個々的に当りますと、自家発をしてもかえつて安くつくというような場合があり得ると思います。しかしながらまた一方、今日よく問題になつておりますのは、炭鉱の自家発電の問題でございます。これにつきましては、一般の割当てられます電力料金に比べると、どうしても自家発の方が相当高くつくので、何とかこの際すべての炭鉱の自家発というものを、電力会社に委託発電してもらうような形にして、炭鉱の電力料金も一般の産業並の電力料金にしてもらつて、そうしてその高くかかる幅を、他の産業の方にある程度持つてもらいたいというような考えも最近いろいろございまして、従つて場所々々によりまして、一概に火力発電所と申しましても、そこから出て参ります炭価というものが、高いところ、低いところがいろいろあるような状況であります。従いまして、一概にどうとは申せませんが、われわれの今後の行き方といたしましては、でき得べくんば水力電源につきましても、いわゆる水路式の行き方でなしに、貯水池式の電源開発というものに主力を置きまして、いわゆる渇水期において高い石炭をたいて、相当年をとつた発電所をむりに動かすということよりも、貯水池に水をためて置いて、渇水期においてその貯水された水を使つて電力を起して行こうというような線に大きく進んで参りたい、かように考えておるのであります。ただ最初申しましたように、時間的にいろいろの問題がありますので、火力発電に対しましても、たとえば東京電力のごとく、地区的な主格によりましては、相当この際火力発電所にも力を入れなくちやならぬというような問題が起つて参るのであります。

多田勇自由党

○多田委員 今度の電力料金の値上げが、産業に及ぼす影響は非常に大きなものがあるようであります。たとえば最初に出ました案で、これは関西地方ですが、開四地方の調査によつて見ましても、ことに硫安等におきましては、電力の原価に占める率が二九・一四%のものが、新電力料金によりますと、五二・四五%になる。あるいはカーバイドにつきましては、二二・八一%のものが、新電力料金によりますと、四一・〇四%になるというようなことになりますと、非常に大きな影響があるわけでありますが、これは電力料金のきめ方にもよることだろうと思いますけれども、これらに対して通産省として、何らかの措置をとる必要がないのかどうか、また現在どのような考え方があるか、この点について承りたいと思います。

首藤新八自由党通商産業政務次官

○首藤説明員 先ほど申し上げましたごとく、通産省といたしましては、電力の値上げが生産コストに非常に影響するところが大きいので、特に関心を持つているのであります。しかしながらただいままでの会社側の案によつて、それぞれの産業に、いかなる影響があるかということを一応推算いたしたのでありますが、ただいま多田委員から申された率とは、相当相違いたしているのであります。もつとも正確な数字とは断定はいたしませんけれども、大体御指摘の通り、硫安あるいは電気線あるいはカーバイド等が最も値上りの影響を受けることがはなはだしいのでありますけれども、しかしそれらの影響も大体一割、最高一割九分以下——その他は全部以下でありまして、おおむね一割以内にとどまるものが多いのではないか。一割以上出ますのは、特殊の金属産業あるいは肥料等等でございます。しかしながらそれだからといつて、現在の炭価が相当高くなつておりますので、その高くなつた炭価に、かりに一割九分の値上りといたしましても、その幅は相当大きくなります。従つて先ほど申し上げましたごとく、この値上げの限度は、せいぜい三割程度に押えてもらいたい、また実際問題として三割程度であるならば、十二分にやつて行けるであろうという、実は考え方を持つておるのであります。そこでまだ最終的な決定を見ておりませんので、これが産業に実際にどういう影響を及ぼすかということは未知の問題でありまして、今後いよいよ委員会で最終的な結論を得まして、そうしてしかる後に、それが個々の産業にどういう影響を及ぼすかという問題につきましては、とくと検討いたしたいと考えております。もしこれが二割あるいは三割以内で値上げが終るということに相なりますならば、別の面における合理化あるいはその他の点におきまして、原価に吸収してもらわなければならぬというふうな考え方を持つているのでありまして、電力料金が上つたからといつて、特にこれに対して助成金を出すとか、そういうような特別の措置は不可能だと考えております。

多田勇自由党

○多田委員 これは特別の措置といえるかどうかわかりませんけれども、たとえば一つの例をとつて申し上げますと、愛媛県の新浜にあります住友関係の各企業、これは住友電力が電力を開発することによつて——あるいは企業を興すために電力を開発したいというのかいずれかわかりませんけれども、とにかく住友電力が相当大きな電源の開発をしたために、あそこに大きな企業が興つております。ところが実際住友電力自体で発電をいたすということになれば、住友関係の企業というものが、相当程度現存よりよくなる。現存ではたとえばアルミにしましても、日本軽合金の静岡の工場とは、さか立ちしても競争ができないというような状態になつておるわけでありますが、そういつた一つの例から見ましても、企業自体が、かつて自己が開発しました電源をみずから運営して行きたいというような希望が相当多いようであります。そこで公益事業委員会としまして、そういつた希望に対して電源を開発するというような考え方、相当大幅な復元をするというような考え方を持つておられるか、その点をお伺いします。

松田太郎公益事業委員会事務総長

○松田説明員 今のお話は要するに自家発電の返還の問題でありますが、この問題につきましても、委員会としては、再編成後いろいろ料金の問題その他の問題に時を費しておりますために、それに対する根本の考え方、またどういうぐあいに進めて行くかという点については、率直に申しまして何ら決定をいたしておりません。ただしかしながら一応の概括論としては、こういうことが申されるのではないかと思うのであります。その点は要するに、今日の電力の需給関係から申しまして、何分にも供給が需用に対して非常に苦しいのであります。従つてそういう意味から申しますならば、できるだけ今日各方面で発電せられております電力を極力——これはもちろん九地区にわかれておるのでありますが、九地区別においては、これをできるだけ総合的に供給力のうちに入れて行く必要があるのじやないかと思うのであります。しかしながら、たとえばある会社について、その会社が従来持つておりました発電設備というものが、もしも今日どこそこの新電力会社に属しておりましても、結局そこから発生せられる電力というものは、特定の工場のみにしか供給されていない。言いかえれば、それによつて他の産業が何ら裨益を受けていない。従つてこれを元にもどしても、結局全体の供給力の上から申して何らかわりがない。またほとんどかわりがないというような場合におきましては、返還問題が起つた場合に、十分これは考慮してあげなければならぬ問題だと思うのであります。しかしながらすでに産業界といわず、一般家庭といわず、各方面にその電力があるために裨益をされているという場合に、今後の電力の供給力というものと、たえず相にらみ合せまして、そこをはずして一定の工場の独占的な自家発電としていいかどうかというような点を考慮した上でなければ、一概にここでお返しした方がいいとか、待つた方がいいとかいうことは言えないと思うのであります。そういう点につきましては——今後おそらく自家発電返還の問題につきましては、各社間でいろいろその点の御要望なり御要求なりがあると思うのでありますが、ただいまの行き方としましては、一応具体的に自家発電を返還してもらいたいという事業体と、それからその自家発を現に管理しておりますところの電力会社との間におきましては、話合いを進めていただいて、そうしてもしも話合いがどうしてもつかぬという場合には、委員会の方で今申しましたような意味で、十分検討した土で、いずれかにごあつせんして行くというような行き方がとられるのではないかと思うのであります。しかしながら先ほど申しましたように、これに対するまだ根本的な考え方はきまつておりません。私が今申しましたのも、むしろ私個人の意見で、概括的に常識的なお話を申し上げただけでありまして、具体的な問題が出ました上におきましては、あらゆる点を考慮いたしまして考えなければならぬ問題だ、かように考えております。

多田勇自由党

○多田委員 次に地域差の問題でありますが、先ほどお話がありましたような式で、電力料金の値上げをされるということになりますと、現在でも相当大きな地域差で非常に困つておるところもあると思うのであります。なお地域差がはなはだしくなりはしないかというような点が懸念されるのでありますが、そういつた点についての調整を十分考慮に入れていただきたい。この点をお願いすると同時に、東京をかりに一〇〇といたしますと、現存九会社から出ております値上げの案によりますと、大体どの程度の差が出るか、資料がありましたら御説明願いたいと思います。

松田太郎公益事業委員会事務総長

○松田説明員 先ほど、私がちよつと最初に各社から一応出て参つておりますという案で御説明をいたしました数字が、これが地域差の料金も加えました上での料金になつておりまして、従つてもう一度簡単に申しますならば、東京が五割六分の値上げに対して……。

多田勇自由党

○多田委員 値上げ後の地域差であります。

松田太郎公益事業委員会事務総長

○松田説明員 先ほど申し上げましたのが値上げ後の地域差を含めました料率になつております。従いまして東京が五割六分に対しまして、大体一番低いところで五割、それから一番高いところで七割、もつとも北海道、四国だけは、御承知のように電力の融通というような問題ができません関係になつておりますので、多少事情は違つておるかと思いますが、大体東京の五割六分に対して五割ないし七割というようなとこるが最高、最低になつております。

多田勇自由党

○多田委員 私のお伺いした点が違つておるかもしれませんが、私のお伺いしたがつたのは、かりに東京が一〇〇といたしますと、値上げ後に各九配電会社の率がどの程度になるかという点なんです。この値上げの率が、全国平均の電力料金を基本にした値上げの率であるということになれば、これでわかりますけれども……。

小島廉二総理府事務官(公事業委員会事務局監理課長兼調査課長)

○小島説明員 大体北陸電力の場合を一〇〇といたしまして、現行のものと、それから改正後のものとどういうふうに開くかという点を申し上げて大たいと思うのであります。現行におきましては、北陸を一〇〇といたしますと、たとえば北海道の場合は二〇九、これだけの地域差があります。これは電燈、電力全部合計いたしました平均の一キロワツト・アワー当りの単価であります。それが改正後におきましては、公社の案をそのままとつてみますと、二一六になります。ほんのちよつと開くということに相なります。それから東京の場合をとつてみますと、現行の北陸の一〇〇に対しまして、東京の現行は三一三であります。これが改正後におきましては、改正後の北陸のベースを一〇〇といたしますと、二〇一になつて参りまして、多少下るということになるわけであります。各地によりまして多少差異がありますけれども、大体現行の地域差が、そう大きく開かないということに相なります。その点はさつき事務総長からお答えしましたのと大した違いはございません。

多田勇自由党

○多田委員 電力料金値上げの問題は、非常に大きな問題であります。事務局長は通産行政についての権威者でありますが、日本の産業が萎縮しないような限度、われわれの生活に脅威を与えないような限度において、電力料金を考えていただきたいということを申し上げて私の質問を終ります。     —————————————

圖司安正自由党

○圖司委員長 他に御質疑がなければ、通商白書を議題に供し、政府当局より説明を聴取いたします。首藤政務次官。

首藤新八自由党通商産業政務次官

○首藤説明員 今回お手元に差上げてありまする通商白書というものを通産省では発表いたしたのであります。通商白書を発表いたしました趣旨を一応御説明申し上げたいと思います。  御承知の通り終戦後六年の間、アメリカの援助によつて日本の経済はどうにか運用して参つたのでありますが、いよいよこの援助も先月、六月三十日をもつて、全面的に切られたのでありまして、この七月以降は、日本の自立によつて経済を運行して行かなければ相ならぬという状態になつて参つたのであります。従つて今後日本経済を自立によつて運営いたしまするためには何が最も重要であるか。言うまでもなくこれがためには、どうしても輸出を振興いたして、そうして外貨を獲得いたす。これによつて日本経済を運行いたす以外には何ら方法がないのであります。ただ貿易外の収入といたしまして運賃あるいは特需というものがありますけれども、しかしこれも結局その比重はさして重くないのでありまして、根幹はやはり貿易を振興する以外はないのであります。そこでこの貿易白書は過去、終戦後の日本の輸出貿易並びに輸入貿易、さらに輸出の協定を結んだ対象の国々の内容、あるいはまたこれが円満な推進をいたしますために、海外各地に通商事務所を設置いたし、それぞれ係官を派遣いたしまして、これが担当をいたさせておるところ、あるいはまた輸入に対しましては、昨年一月以来初めて民貿が許されたのであります。しかも久しい間まつたぐ中絶しておりました輸入が開始されましたが、当時はわずかに先着順の輸入という変形的な方法が許されまして、しかも物資が欠乏いたしております関係上、輸入に申込みが殺到して、いろいろの弊害を生じましたのと、いま一つは、御承知のごとく、昨年六月二十五日、朝鮮事変が勃発いたしまして——それまでの日本経済はアメリカの援助によつて、どうにか運営して参りましたが、しかしながら相次ぐところの統制撤廃と、もう一つは、いわゆるドツジ・ラインと申しますか、デイス・インフレの政策によりまして、昨年の上半期は、日本の経済実相は、かなり不安視されておつたのであります。たまたま朝鮮事変が起りまして、これを契機として、特需の発注が非常な勢いで躍進いたしましたので、日本経済は、これを動機といたして、まつたく様相を一変いたしたのであります。特にこの朝鮮事変を契機といたしまして、アメリカの厖大な軍備拡張が計画され、これによつてさらに厖大な原材量の購入がアメリカによつて行われた。さらにまたこれに関連いたしまして、各国のあらゆる製品に対するところの需要が一機に活気を呈しまして、そうして日本の輸出産業に非常な好影響を及ぼして参つた。かようなことから、昨年の日本の輸出は八億二千万ドルというような、意想外な金額に上つたのであります。先ほど申し上げましたごとく、輸入は、上半期にいろいろの隘路のために一向進まなかつたのでありまするが、しかし、朝鮮事変勃発以後、どうしてもこの厖大な輸出に応じまするために、積極的に輸入を敢行する以外に方法はないというような見解から、いろいろの隘路を打開いたしまして、また一方におきましては、この協定国の範囲の拡大に努めまする等、さらにまた金融問題に対するところの隘路を、次から次へ打開いたしまして、下半期から年末にかけまして相当輸入も伸びて参り、総額は九億七千万ドルというような金額に上つたのであります。ここで今回の白書が、先ほど申し上げましたごとく、終戦以後の趨勢、特に昨年春、民貿が許されて以後の状態につきまして、詳細に内容を発表いたしておるのでありまして、お手元に差上げてありますところの貿易白書をとくとごらん願いたいと存ずるのであります。  さらに輸出貿易の今後の正常化への方法、これが構想という問題についても、大体記してありますとともに、輸で振興のもろもろの施策、あるいはまた輸入の面におきまして、民間輸入方式の発足あるいは朝鮮動制の影響、本年におけるところの輸入政策の推移、輸入金融の現状、また貿易、特に輸入貿易の促進によりまして船舶が非常に欠乏して参つた。特に昨年はこの船舶不足によりまして運賃が異常の高騰を示したのでありまして、一例を上げますれば、昨年夏時分はアメリカ航路が大体七ドル前後であつたものが、年末には二十ドルあるいは二十三ドルというような、異常の暴騰を来しまして、これがために生産原価をこの運賃によつてはなはだしく高めて参つた。従つてインフレでないにもかかわらず、表面的には非常にそれがインフレらしく見えるというような状態になつたのみならず、これがために輸出をはなはだしく組害するというような状態にも相なりましたので、政府におきましてはできる限り造船の進捗に努力いたしますとともに、さらに当面の応急処置といたしまして、買船を敢行いたしたのであります。大体この春から今日まで契約しました買船が、三十隻前後に達しておると考えます。これがために昨年春までは外航適格船が三十万トン前後にすぎなかつたが、今日では七十七万トン、おそらくもう一、二箇月しますれば、九十万トン、来春になりますれば大体百三十万トンとい、りようなところまで行くであろうことを想定しておるのであります。しかしながら現在の七十七万トンないし八十万トンでも、本年度の計画輸入量十四百万トンを輸送いたしますためには、わずかに三割強内外にすぎませんので、船腹の確保は、今後も引続いて積極的に推進しなければ相ならぬというふうに考えておるのであります。  もう一つは貿易業者の状態でありますが、御承知の通り戦前には三井、三菱あるいは大倉というような財閥的色彩を帯びたものが相当ありましたので、大部分はこういう大貿易業者によつて扱われておつたのでありますが、終戦後は財閥解体と、経済組織が根本的にかわりましたので、現在におきましては、いわゆる小資本家の濫立と申しますか、過去のような厖大な資本を持つているところの貿易商は、ほとんどないと申し上げてもいいのであります。従つて中堅的な貿易業者が、戦前の大貿易商と同様な数量を扱わなければならぬ。ここに無理があるのでありまして、いわゆる資本の少いものが過重な輸入を、あるいは輸出をやつておる。従つて政府は昨年来の朝鮮事変のあとにおける世界経済の状態から考んまして、ぜひとも輸入を積極的に推進しなければならぬということで、ただいま大幅な為替の許可を敢行したのでありますが、これに民間の貿易業者が協力いたしまして、巨大な輸入をやつたのであります。しかもそれが一瞬に殺到いたしました関係上、現在では非常な金融上の困難に直面いたしまして、ある商品は国際価格よりも著しく安値によつて売買しなければならぬというような状態に置かれておるのみならず、いわゆるユーザンスの決済資金にも相当困難性を加重しておるのでありまして、現在最も重要なる問題は、この輸入資金をいかに円滑に処理するかということが、当面の大きな問題となつております。通産省はこの点につきましては、特に重要視いたしまして、今日まで日銀あるいは大蔵省、あるいは安本あるいは為替管理委員会等々を対象といたしまして、あらゆる会議を開きまして、もつてこの金融難打開の方法に努めて参つたのであります。幸いに日銀、大蔵省その他との了解もほぼできまして、現在のところ各企業者ごとの個々の金融をあつせんするという方法によつて、漸次金融は解決いたしておりまするけれども、なお七・九の決済資金が相当臣額に上つておりますので、今後なお当分はこの輸入決済資金のために、あらゆる努力を払わなければ相ならぬのではないかというふうな考え方を持つておるのであります。同時に先ほど申しました、この現在の貿易業者は、まことに資金の乏しい群小貿易商の濫立でありまして、どうしても自己だけでは政府の期待するような貿易の目的を達するのは困難ではないかというふうにも考えられまするので、今後も資金の関係は、やはり政府の方で何らかの方法で育成援助する必要がある、かように考えておるのであります。さらに海外の市場の構成、あるいはまた各国の市場の動向等々におきましても、できる限り詳細に記してあるのでありまするが、同時に国内の産業に対しましても、これをできる限り綿密に調査いたしまして、鉄鋼あるいは機械工業、あるいは化学工業、あるいは繊維工業、それぞれの産業別の内容を、残りなくこれを調査いたしまして、もつて現状を詳細に記してあるのであります。かようにいたしまして、日本の現在の産業の構成がどういう状態にあるか、あるいはまたこれに関連して重要性を持つところの金融関係が、どういう状態にあるか、あるいはまだこれを扱うところの貿易業者が、どういう状態にあるかということを、できる限り詳細に記してあるのでありまして、今後いよいよ自立経済を推進しなければならぬ日本の現状から考えまして、相当御参考になりはせぬかというふうに考えておるのであります。  以上大体の状態を御説明申し上げました。なお御質問がございますれば、個々についてお答えを申し上げたいと存じます。

圖司安正自由党

○圖司委員長 通商白書に関する質疑はこれを次会に譲りまして、本日はこれにて散会いたします。     午後三時三十八分散会

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