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10回国会衆議院1951/02/27

経済安定委員会 第10号

発言数
91
登壇者
10
会派数
3
開催日
1951/02/27

会議録

圖司安正自由党

○圖司委員長 これより経済安定委員会を開会いたします。  公共事業に関する件について質疑を行います。羽田野次郎君。

羽田野次郎農民協同党

○羽田野委員 これは緊急質問の性質があるのですが——安本の公共事業の方あるいは周東安本長官がお見えになれば、一番ありがたいのですが、見えませんから、さしあたり櫻井部長にお聞きいたします。二十二年以来農林省の方で防災ため池をやつておられます。そしてその効果が非常に上つている、農林省といたしましては大いに張り切つて、今後とも農地保全のために防災ため池の築造を着々やろうという計画のようであります。ところが、二十五年度からそのための予算の名前がなくなつてしまつて、農林省を面くらわしている、さらに二十六年度からは、何でもその施行を建設省の方でやるということになつているというふうなことを聞き及んでおります。それは農林省に対しましても相当問題があろうと思うのですが、その問題についての経過をお聞きしたいと思います。

櫻井志郎農林技官(農地局建設部長)

○櫻井説明員 ただいまの御質問に私からお答えいたします。おつしやいました通り昭和二十二年に農林省といたしましては、たびたび水害等を受けます農地保全のために、防災ため池という予算項目を設けさせていただきまして、事業量としてははなはだ僅少でございますけれども、施行して参つたのであります。それが非常に効果が顯著であることが一般に確認されましたために、各府県から非常な要望が出ておりますことも御承知のことと思います。ところが、二十五年度の予算審議の際に、経済安定本部といたしましては、これはひとしく土地改良事業であるという見解をもちまして、特別にその予算の項目を設けてくれなかつたわけであります。このため二十六年度の予算審議の時期に至りまして、これは治水事業であるという見解が一部に発生いたしましたようで、そのことのために、所管をどうするかという議論が出て参つたようであります。私ども農林省といたしましては、農地の保全、改良という事柄につきましては、これは御承知の通り、農林省の設置法の中に、農林省の業務としてはつきり規定いたされておりますので、農地の改良、保全ということのために行います仕事は農林省の所管である、こういう見解を持つておるわけでありますが、一方建設省といたしましても、治水という見地から、これに対してどうも所管の分野がはつきりしない。御承知の通り、たとえば砂防について申し上げますと、渓流砂防はいや農林省の林野庁の所管であるとか、いや建設省の所管であるとかいうようなことで、その所管が、考えようによつては、おもしろくないことでありますが、所管争いというようなこともあつたように聞き及んでおります。いずれにいたしましても、いい仕事であるということについてはだれも異存がないのでありますが、いずれの省の責任においてやるかという議論が、まだはつきりしておりません。最近におきまして建設省、農林省、経済安定本部、この三省で協議をいたしまして、どの分は農林省で、どの分は建設省でという一応の分野をはつきりして行こうじやないか、こういう下打合せをいたしておる次第でございます。

羽田野次郎農民協同党

○羽田野委員 まだ安定本部から見えないのでありますが、われわれの考えをもつていたしますと、ただいまのお話のように、行政の整理といいますか、合理化といいますか、そういつた見地から、農地保全のためといえども、やはりこのため池は治水である。それから建設省の大規模のいわゆる治水事業、そういうものも治水であるというところから一緒にするのだというようなことであるらしいのであります。そういうりくつも一応わかるのでありますけれども、要は機械的に分離したり、あるいは統合したりというような傾向が多いのであります。合理化とか、整理とかいうような美名のもとに、機械的にやる傾向がある。この問題はこの例に入るものだと私は思います。それで問題としては、一体防災ため池は、農林省で今やつております防災ため池を、農林省でやるがいいか、あるいはそういつた機械的な考えで、建設省の方に移すがいいか、どちらがその事業としての効果が上るかということ、それによつていずれかに決定すべきであると思います。これは農林省の方を前に置いてこういうことを言うのはおかしいので、むしろ建設省や安本の方に聞かせたいと思うのですが、見えないからやむを得ないが、農林省としては何しろこの防災ため池については、二十二年度以来の経験がある。さらに一般農業ため池、灌漑ため池と申しますか、そういうものについては、実に千個以上のため池の築造をやつておる。そしてその管理もやつておられる。従つてその長い間の経験と知識とは、これは尊重しなければならないものだと思います。しかもまたその防災ため池の効果に至つては、さつきの部長の説明にありましたように、これは非常に世上確認されておる。さらに農林委員会におきましても、先般視察の結果、防災ため池の農地保全の上における効果は、非常に大きいものがあるということを確認しておるようであります。それをこの際建設省の方がとると申しますか、自分の方に移そうということは、これは不当なことである、こういうように私は考えるのであります。それで農林省の部長さんのお考えはどうでありますか。農地保全ということはきわめて重大なことであつて、農林省のおやりになることは、究極は農業生産の確保、あるいは生産の増強でなければならぬと思う。ところが災害によつて毎年五百六万石も減收である。だからあなた方は、この考えから申しましても、この防災ため池を農林省によつて確保するということは、これは真劍でなければならぬと思うのですが、御所見はいかがでありますか。

櫻井志郎農林技官(農地局建設部長)

○櫻井説明員 お答え申し上げます。農地の保全、改良という行政分野は、農林省の責任であることはただいまおつしやいました通りであります。そのことのために、私どもは全力を尽してやらなければならぬこともよく承知いたしております。  ただ行政官庁間の所管の争いのために、国民に迷惑をかけるということが万一ございましたら、これはまつたく許されないことだというふうに考えております。いかなる仕事でございましようとも、申し上げるまでもなく国民の税金が基本になつておる国費でございます。それを最良の効果を上げるように使用することも、これは私どもよく承知させていただいておる点でございます。従いまして、私どもはいかにして農業経営を合理化するか、いかにして農業の生産を増加するか、あくまでそういう見地から、その手段を遂行さるべきであるというふうに考えております。御承知でもございましようが、今日開拓なり、土地改良に相当の国費を使用させていただいております。それによる増收額というものを、当然供出の中に織り込ませていただいておる次第でもございます。あくまでも農民の生活向上、それから増産そのものと、こういう見地から考えておりますので、農業経営の本質をつかんでおるものが、この仕事を遂行すべきであるというふうに考えております。

羽田野次郎農民協同党

○羽田野委員 それで農林省の意向ははつきりしました。そこで委員長にお願いいたしますが、きようは安本も建設省も——建設省は要求しなかつたから見えなくても当然でありますが、この趣旨をお伝え願いたいと思います。  それでこの問題の解決は、先ほどちよつと部長さんのお話にあつたと思いますが、要は話合いによるべきことではないか。農業関係の防災にしても治水である、あるいは建設省関係の大規模の洪水防止のためのものも、やはり治水であるということでありますから、その間一線を引くということは、きわめて技術上困難ではないかと私どもしろうとながら考えるのであります。それではつきり法律か何か、あるいは文書でもつて一線を引くということは困難でありましようから、何かそこに基準を設けて、そして建設省と農林省とお話合いの上で、あるいは安本がそれに立ち会つて、そして適当な振りわけをすべきものであると考えます。その点につきましては、農林省の方でこういうものがあるのを私は見ておるのであります。それは「農林省防災溜池採択方針」というもので、これのごときは大いに参考になると思います。農林省がこの基準によつて建設省と話合いをつけて、そして農林省でやるべきものをきめて行かれることが一番妥当であると思うのです。これを読んでみますと、一、その受益区域内における農地及び農業用施設並びに農作物の被害が他の被害に比して圧倒的に大であること。二、洪水時期以外のときに貯溜し得る水量で稻の植付用水に利用できること。三、ため池の築造地点は河川の最上流部、小支流川または直接海に注ぐ小河川であつて、いわゆる河川の洪水防禦または河川の改修計画とは直接関係の少きこと。こういう採択の基準を農林省としては持ち合せておるようでありますから、これは妥当であると私は考えます、こういう基準において、ひとつ建設省と話合いの上で妥当な振りわけをして、そうして相ともに農地の保全、広くは国土の保全と申しますか、そういうもののためにおやりになることが、国民のためであると私は信ずるものであります、繰返しますが、先ほど申し上げましたように、関係の安本長官が見えると一番いいと思いますけれども、おいでになりませんから、委員長から特にこの点をお伝え願いまして、適当な解決を願いたいと思います。

圖司安正自由党

○圖司委員長 この際物価の統制について、多田委員より質疑を求められております。多田勇君。

多田勇自由党

○多田委員 二十三日の委員会で物価庁の長谷川次長に、価格の値上りを防止するような措置についての具体的な考え方をお尋ねしたのでございますが、その際に物価庁では、具体的な考え方は目下考慮中であるというような、非常に漠とした答弁をいただいたのでございます。実はきよう物価庁にもおいで願つて、物価庁と経済調査庁との関係についても、お伺いすることができれば幸いだと思つておるのでございますが、物価庁からお見えになりませんので、調査庁の方から、二十三日に発表されました価格の正常化のための措置について、物価庁とどの程度の打合せを遂げられた上でそういう措置を考えられたか、その点について次長から御説明願いたいと思います。

奥村重正経済調査庁次長

○奥村(重)政府委員 お答えいたします。二十三日に決定いたしまして、現に実施中の措置は生活必需物資の売惜しみ、買占め等に関する抑制措置、こういうことがねらいでございます。最近におきまする、ことに一月に相なりましてから重要物資の価格が相当高騰いたしまして、二月に入りましてからは基礎資材の値上りが目立つて参つたようであります。また現在値上りを見ておりませんでも、将来において値上りを見る可能性があると伝えられておるものもありますので、これらの物資を対象にいたしまして、ただいま申し上げました売惜しみ、買占め等の傾向が、一部思惑業者の中には看取されますから、それらの実情を、つまり思惑の所在をつきとめまして、お互いに話合いで、こういう情勢であるから自粛してもらいたいというようなことで処理して行きたい、かような考えを持つております。従いまして、ただちに不当高価でありますとか、あるいはある種の資材について行われております基準価格の決定でありますとか、さようなことはただいままでのところは運んでおりません。従いまして、事務的に物価庁と密接な関連を要するというふうな段階に行つておりませんので、ただいまのところ事務的な折衝はあまり取進めておらないような状況であります。

多田勇自由党

○多田委員 措置としては非常に適当な措置だと考えるのでございますが、ただ問題になります点は、基準価格をどの程度におくかというような点、あるいは暴利と見るべきものをどの程度の限度に見るかというような点が非常にむずかしい問題になつて来るだろうと思う。前回調査庁が行われましたこれらの措置も、これらの問題でなかなか思うように進まなかつたというように聞いておりますけれども、物価庁自体がこの措置に対して、あまり相談を受けなかつたような傾向があるのではないか。基準価格の一つの標準を見ます場合でも、これは物価庁の所管といいますか、物価庁の考え方が相当大きな基本になるように感ずるのでございますが、こういつた基準価格をどの程度の線に引くかという点と、暴利という考え方をどの程度に見るかという点について、調査庁としての考え方をひとつお聞かせ願いたい。

奥村重正経済調査庁次長

○奥村(重)政府委員 暴利の基準をどこに置くか、あるいは不当高価の基準を奈辺に置くかという問題につきましては、ただいま御指摘のように、昨年綿糸のいわゆる暴利取締りをやりました際には、相当問題になりまして、実はいろいろ論議があつた次第でございます。その経験に徴しますと、実際問題としてなかなかむずかしいのでございます。少し極言いたしますと、むしろ不可能に近いというようなことであるかもわかりません。但し、この問題は、結局は裁判所の判決において決定せられるという性質のものでございます。行政機関の間でかりに何らかの目安をきめまして、それを検察庁等と打合せていたしましても、これは当該関係機関の目安であるというにとどまりまして、マル公その他にありますような、かくかくのラインで行くんだというような明確な線を引くことは性質上困難なのでございます。これは私が申し上げるまでもないことと存じますが、さような過去の経験もございますし、また暴利ないし不当高価の本来の性質にもかんがみまして、ただいまのところでは今申し上げましたような心組みで、この仕事を進めたいと思つております。情勢の推移によりまして、あるいは暴利とか、不当高価とかいうようなことをきめなければならない、何とかしてその近い線を引かなければならないというような事態が参りましたならば、ひとつまたその点関係方面と大いに相談を繰返しまして大体の目安をきめて行きたいと考えておりますが、今回の措置といたしましては、そこまで持つて行かずに、ひとつ何とか物価の暴騰傾向を緩和したい、アツプ・カーブを少し鈍化せしめたいというのがねらいであります。

多田勇自由党

○多田委員 御趣旨はよくわかりました。そこで指定されました物資の九品目のうちに、マル公の物資が入つているのでございますが、マル公の物資については物価統制令等によつて、当然取締りの対象になるべき性質のものと考えているのでありますが、マル公のある物資を特に九品目に加えられました理由をお話願いたい。

奥村重正経済調査庁次長

○奥村(重)政府委員 たとえば砂糖のごときは御指摘の一例に相なるわけでありますが、これは現在私どもの方でこの措置を決定いたします以前から、昨年の六、七月ごろからであつたと存じますが、外人商社特にSPSを中心にいたしまして、しかも物資の対象を砂糖におおむね限定いたしまして調査を継続中でございます。従つて、と申しますと少し口はばつたくなるかもしれませんが、砂糖のやみの価格は最近非常に下つて参つております。今回この中に砂糖を入れましたのは、この仕事を別にやつておりますので、それを含めてあわせてこういうことにいたしたのでありまして、この際特に砂糖の問題を取上げまして、新らしい角度で何か仕事をして行くという予定はございません。

福井勇自由党

○福井委員 政府委員の奥村次長に簡単にお伺いしたいと思います。  奥村次長は御就任以来(経済調査庁において非常に物価統制について御尽力されておることは、われわれ委員の方でもよく存じております。最近輸出中心の最も主流をなすものは、何と申しても繊維品でございます。繊維品の過去半年ぐらいの経過を一応概念的に申し上げれば、綿糸を中心とすれば、特需関係で一こうり三十五万、四十万の線を横行するというようなことも、昨年の九月、十月にありました。ところが安本、経済調査庁の方針そのよろしきを得て、その価格も適正なところまで引下げられたのが十月ごろでございました。ところが昨今の情勢を見ますると、若干でありますが、またその繰返しが芽ばえて来ておるやに見られる節があるのでありますが、この輸出中心の繊維関係の統制について、私は通告申し上げておかなかつたので、ほんの簡単でよろしゆうございますから、ちよつと政府委員の御意見をお願いいたします。

小峯柳多自由党経済安定本部政務次官

○小峯政府委員 全般的な問題のようですから、私の方から一応本筋だけお答え申し上げたいと思います。  原則的に申し上げますと、国際経済の中に入つた日本経済のマル公ということは、非常に私は困難な性格を持つておると思うのであります。国際物価に正常に反映したものの物価に関しましては、これを不当に押えて行くというようなことは非常にむずかしいと思います。綿糸、綿布の問題も、そういう意味で原則的には国際物価の一環として日本の綿糸、綿布の関連で、マル公で押えて行くことはむずかしいのであります。ただ幸いに、御承知のように今まで国で綿を買いまして、国有綿の払下げをやつておりましたような関係で、実はマル公を持つて来たわけであります。従つてそのマル公を中心として、マル公に反するような行動は、経済調査庁からも十分取締りをされて来たわけであります。しかし輸出の方がなかなか盛んでありまして、特需だけでありませんで、海外への売行きが非常にいいものですから、ついそういう形で押えておきますと、内需の確保が物価の関係で実際上困難になるわけであります。そこで内需を確保しながら値段も適当なところで供給するような方法を、どうして考えたらよいかということが、実は懸案でございました。今まで内需で確保しておりましたものが、どうも輸出に流れやすいものですから、今度はその量を相当量ふやそう。しかしその数字だけをふやしましても、実際にそれを確保するためには、マル公が非常に理不尽な数字になつておるものですから、最近の綿花の相場や何かと関連して、マル公の考え方もかえて行こうじやないか、そうじやないと、安いマル公で押えておきますと、数字的に机の上で立てた計画はなかなか実現いたしません。そこで内需で確保いたします数量を相当量引上げよう。相当量引上げるためには、ここでマル公を一ぺん考え直そうじやないか。しかしその場合に、今私どもが化学繊維や何かに対してとつております方針、すなわち輸出の値段を中心とした基準価格をつくりまして、行政指導でもつて値段の安定を考えて行きたいというやり方に、この綿糸、綿布も同じように考えようじやないかというような意見も出ておるのであります。そこで基準価格の制度をとろうか、それとも最近の綿花の値段に合せて、マル公を引上げて、合理的なマル公にしようかというようなことが、実は問題の考え方の中心になつておるようであります。化学繊維はすでに基準価格でやつておりまして、なお今の国際関係の中では、私どもは上手にかじがとれておると思いますので、綿糸、綿布の価格につきましても基準価格の線に沿つて行きたい。しかし何と申しましても、綿糸、綿布は主食と並んで生活を支える大きな柱だという立場から、まず内需を確保するというような点について、関係方面とも十分連絡し、それが実現できて基準価格でやりましても、相当行政指導で持つて行けるという見通しがつきますまでは、もう少し時間を置こうじやないか、従つてマル公を一応改訂して、一方で内需の量を確保しながら、しばらく動きを見て、化学繊維と同様に持つて行つたらどうかという考え方で、実は今検討中でございます。マル公の問題も、実は御承知のように、私どももなるべくこういう方法ははずしたい。従つて現在ありますマル公の洗い直しをいたしております。その一環として綿糸、綿布も取上げられたのでありますが、今申しましたように、これが非常に生活必需物資の大きな柱である点と、なおまた内需に確保する量と輸出とのにらみ合せの問題で、これは多少関係方面とも打合せがありますので、そういう線を連絡しながら、しばらくはこのマル公の改訂でもつて進んで行こう、そしてそれを見て化学繊維と同じような方向に持つて行きたい、かように考えておる次第であります。

福井勇自由党

○福井委員 小峯政務次官の非常に詳細な御答弁で了承いたしました。次にこの委員会の関連事項でございまして、若干他の委員会の方に関係を持ちますので、もし資料がなければ後ほど文書でよろしゆうございますという前提のもとに、ちよつと木材の統制について質問をいたします。最近地方の国有林あるいはまた民有林も含めて、木材統制を何らかの措置に出ようとする空気があるといううわさが地方に相当飛んでおります。つきまして、特に国有林の払下げなどは、相当いろいろな関連問題が複雑しておりますので、林野庁の方や農林関係の方々の直接管掌かもしれませんが、価格統制に関連がありますので、経済安定委員会として、第一に木材の統制についてはどういうふうなお考えを今持つておられるかということと、もし協議事項が今までに関連があつたならば、国有林の払下げについては、価格統制の問題と関連がありますので、他省と協議されたことがあつたならば、この席でわかつている程度をお知らせ願いたい。もしわからなければ先ほど申し上げました前提でよろしゆうございます。

小峯柳多自由党経済安定本部政務次官

○小峯政府委員 木材の問題は、御指摘のように非常に重要な問題になりまして、私どもが自立経済三箇年計画の中でいろいろ取り上げましたときも、この木材の需給につきましては、なかなか困難な問題があつたのであります。加えて御承知のように、最近はパルプの輸入が船の関係その他で少し遅れぎみでありますので、自然国内の木材にパルプ資源を期待するような動きも出て参りました。本来ここで申し上げるまでもなく、山林、木材の関係は同時に国の治山、治水対策の根源をなす問題でありますから、そういう問題がありませんでも、適当に施業の上で調整する必要がありはしないかというような考え方を持つております。しかし統制というお言葉で御指摘になりました点とは、おのずから考え方が違うのであります。施業の調整をやりまして、幼齢林を無理に切らぬとか、あるいは治水、治山対策から、どうしても残したい林野につきましては、新しい角度からこれを研究し、指摘をして行くという方法、従つて植林と造林と伐採の関係の計画的な措置が必要じやないかと考えております。もちろんこれをこまかく立ち入りまして、所有者の関係まで、強制的な命令でどうのこうのするということは考えたくないのでありますが、そういう大きな計画は、当然国の経済計画の上では、必要となつて参ると考えるのであります。その点に関連して国有林の中で、飛地になつておりますようなもので、管理上能率が悪いとか、あるいはことに民間団体に払い下げました場合には、より効果的に経営ができるというふうな国有林につきましては、これを払い下げることも考えていいのではないか、そういう根本的な点も考えまして、その線に沿つて林野庁の方でも研究立案してくださつておると存じております。

福井勇自由党

○福井委員 もう一点だけ、約一分間でよろしゆうございます。関連事項として、戦前米材が相当輸入されましたが、今後米材の輸入についての見通し、あるいはその他の国々から輸入されるというような見通しについて、おわかりでありましたら簡単に……。

小峯柳多自由党経済安定本部政務次官

○小峯政府委員 戦前は米材の輸入はかなりあつたのでありますが、今日私ども輸入採算を検討いたしてみますると、実は飛び離れて輸入採算が高いのであります。加えて船の問題等がありますから、私は輸入材に期待がほとんどできないのではないかというような考え方をいたしております。ただパルプの方は、これをなるべく海外に仰ぐように努力を続けて参りますが、間接には外材輸入と同じ高価になるという考え方をいたしておりますが、直接米材その他外国の木材を輸入いたしますことは、為替の関係もあり、船の関係もありまして、非常に輸入採算が不利になつておりますので、この面期待するわけには参らぬと考えております。

圖司安正自由党

○圖司委員長 本件については通告による御質疑は全部終了いたしました。  次に公共事業に関して、先刻羽田野委員の御質疑が中断中でありますから、これを続けます。羽田野君。

羽田野次郎農民協同党

○羽田野委員 小峯政務次官にお尋ねいたします。先刻農林省関係の方にその御意向を聞きまして、はつきりしたのでありますが、防災ため池の問題であります。御承知かどうか知りませんが、大体のことはこうであります。昭和二十二年以後、農林省でもつて農地保全関係のためのため池を農林省所管でやつておるのであります。そうして非常に効果を上げておるのでありますが、二十五年度において防災ため池といえども、これは土地改良の関係であるというので、予算項目を設けることを安本の方から差しとめられたということをさつき承つたのであります。それでかなり農林省はめんくらつたそうであります。ところが二十六年度におきましては、さらに施行は建設省でやるという方針になつたらしくて、かなり両省の間に問題になつておるように聞き及んでおるのであります。何しろこの問題は、一見両省のセクシヨナリズムと申しますか、なわ張り争いみたいな感がいたしますけれども、農林省側から見ますると、決してそんなものではなくて、何しろ防災ため池と申しますのは、農地保全の上に、従つてまた食糧確保の上に、非常に重大な意義を有しておるもののようであります。これは農林委員会でもこの防災ため池の食糧確保上に果しておる効果の大きいことを認めておるのであります。しかも二十二年以来それをやつており、さらにこのため池の築造につきまして農林省の経験知識がないかといいますと、そうではなくて、もうすでに農業用、灌漑用のため池を千以上もつくつて管理している。そういう知識と経験を活用して、さらに二十二年以後において、防災のためのため池をつくつておるというのであります。これを建設省の方から、やはり農業用の防災ため池といえども治水ではないか、建設省でやつておる大規模のいわゆる河水統制、洪水防禦と申しますか、そういうこともやはり同じ治水である。でありますから一括してこれを建設省で施行するのであるという建前に立つようでございます。それはいかにも合理化する意味ではよさそうでありますけれども、結果においてははなはだおもしろくない。その効果は、農業用の防災ため池は農地保全にある、食糧生産確保にあるのでございますから、どうしても農林省にやらせる方が、その責任上よろしいと私どもは信ずるのであります。それについて特に安本の方では、昨年その予算項目を削りました理由といたしまして、そういつたため池は、やはり土地改良に含むべきものではないかという見地に立たれておるのです。それで建設省は、二十六年度からは、これは治水事業だといつて建設省にとろうとしておる。これは何のことはない、農林省は建設省や安本に、いびられておると言わざるを得ません。農林省は従来からどうも弱いと思うのですが、この問題についてもはつきり現われておるようであります。どうかひとつ——先ほど詳しいことを申しましたので繰返しませんが、安本の方で両省の間に立つて、このため池に関しては、どつちにやらせることが妥当であるかということをおとりなしを願いたい。一定の基準がありますから、その基準に従つて話合いをいたしましたならば、決してそこに問題は起きないで、適当な解決ができるものであると信じますから、一応その点に関しましての次官の御意見を伺いたいと思います。

小峯柳多自由党経済安定本部政務次官

○小峯政府委員 水の問題は、御指摘のように見方によりまして、あるいはその地形などに応じまして、いろいろの見方があるのであります。農業に関しますものを特に引離して建設省というようなことは、これはきわめて明確な場合には少々無理ではないかと思いますが、事務当局の間でどういう考えをしておりますか、私うかつにしてまだ詳細存じておりませんが、さつそく取調べまして、御趣旨に沿うように、これは安定本部の仕事だと確信しておりますから、貴意に沿うように努力いたしたいと存じます。

圖司安正自由党

○圖司委員長 志田義信君。

志田義信自由党

○志田委員 実は昭和二十六年度の公共事業につきまして、この書類が前もつて配付されておりますれば、これによつて御質問を申し上げたいと思つておつたのでありまするが、何せただいま配付されたばかりでありまして、まだ数字の字面を見たにすぎません。一応この問題はさらに私の方も検討し、また安本当局、あるいは各所管官庁の責任の政府委員にお尋ね申し上げてから質問するといたしまして、これは留保しておきます。  そこできよう幸いにも安定本部の次官が見えられておりまするので、次官に特にお尋ね申し上げたいと思いまするが、日本の今日の国土復興の建設を急がなければならぬ建前におきまして、公共事業に何らかの法的あるいは事務的な隘路がありはしないかという声が、相当強く高まつております。そこでこの隘路を、安定本部といたしましては認識せられて、これが打開に專念しておられるかどうか、その点を一つ承りましてから御質問を申し上げたいと思います。

小峯柳多自由党経済安定本部政務次官

○小峯政府委員 志田委員の御指摘の隘路というものはどういう内容ですか、それからなおつけ加えて御説明を申し上げたいと思いますが、公共事業というものが行政の中で今日のように大きい地歩を占めるようになりましたその歴史はまだ浅いものでありますから、この遂行にあたりましては、予算を編成する場合にあたりましても、またそれを実施する場合の総合調整の問題にいたしましても、問題は相当あると思います。私どもはたまたまそれを主管いたす立場におるものですから、そういうことをもつときつぱりとするような形で、公共事業法みたいなものを、どうしても研究してみる必要があるのじやないか——これはもちろん私の私見でありますが、そういう気持で今までのまちまちになつておりましたものを総合いたしまして、その扱い方などをもう少し明確にしておく必要があるのじやないか、かように考えております。

志田義信自由党

○志田委員 ただいま次官から公共事業の遂行の上におきまして、単行法としての公共事業法を考えておるという重大な発言がございました。これは次官の私見だというお話でありましたが、私はまことに当を得たお考えを持つておると思いまして、その点につきましては深く敬意を表したいと思います。ことにこの建設事業というものの性格が示しておりまするように、計画や施工というものは、おおむね長期にわたりまして、いろいろな風水害その他の天然的な現象等もありまするし、それに失業その他の雇用の関係等の増大の問題、社会的な要求というものも相当あると思うのであります。そういう場合に、今日の公共事業を円満に遂行するためには、やはり相当彈力性のある、しかも機動性を持つておる公共事業の推進でなければならないと思うのでありまするが、そういう公共事業法のような単行法を制定する場合に、現在の財政法ないしは会計法との間に、相当なさしさわりが出て来るのではないかということが考えられまするが、それに対する次官の御説明をいただきたいと思います。

小峯柳多自由党経済安定本部政務次官

○小峯政府委員 私見ではありまするが、もしそういうものが考えられるといたしまするならば、当然相抵触します分は、公共事業の特別法的な規定をしなければならぬものと考えます。何にいたしましても御指摘のように、近代政治の中で公共事業の持つ意義、役割というものは、ますます大きくなるばかりだと思いますので、その公共事業というものを正しく取上げて、能率よく、また彈力性ある、実行のできるような、また施工の方法などにつきましても、いろいろの担当の省などによりまして、多少違うところがあるようにも存じますが、そういうふうな点、また公共事業と他の経済面との折衝の面、私どもときどき痛感いたします点は、たとえば護岸をいたしましても、遊水地として特に護岸のできない場所がございます。しかしその遊水地で被害を受ける面に対しましては、これは何かの保護ということも考えなければならぬという問題も経済面に出て参ります。そういうふうなものを全部うたい、また災害復旧の補助の問題、標準災害補助規定の関係等を含めた問題を盛り込んだようなものを、将来どうしても考えければいかぬというような考え方をいたしております。

志田義信自由党

○志田委員 公共事業法をもし——これはもちろんまだ私見でございましようが、単行法として制定せられる場合に、いろいろと財政法や会計法等の関係法令の改廃、あるいは特例を設けるということについて、次官も大体御意見は同じように思われまするが、特に公共事業についてお尋ね申し上げておきたいのは、継続費の制度を設けて、そうして支出負担行為の認証制度というものを廃止する考えがあるかどうか。また翌年度にわたる契約や、材料を買入れるというような、購入に関する処置につきまして、どういう処置を今後とつたらば、公共事業遂行上の隘路として今考えられていることが打開できるか、その点をお尋ねいたします。

小峯柳多自由党経済安定本部政務次官

○小峯政府委員 公共事業の能率的な運営の角度からだけは、御指摘のように彈力性のある方法が必要だと思いますが、またそれと同時に、ほかの財政法や何かの関係で、おのずから系統立てなければなりません面も出て参ると思いますので、その辺の調整のことは、なお今後十分研究しなければならぬと思います。ただ今御指摘のように、材料その他を非常に先まわりをして準備するというような彈力性の問題は——これはほんとうに私見中の私見でありますが、何かそういうふうな公共事業に対する資材の増加といいますか、資材の特別会計みたいなものでもつくれば、非常に能率よくなるのではないかと思います。何にいたしましても、まだそこまで研究が行つておりませんので、御指導をいただきまして研究いたしたいと考えております。

志田義信自由党

○志田委員 認証制度の問題は非常に事務的な複雑さ、あるいは手続というようなことから、この直轄工事に挺身しておられる建設省あるいは農林省、その他の工事該当責任者が、往々にして公文書偽造等の名前で逮捕せられ、あるいは起訴せられておるという現実がございます。私はさきの国会におきまして増田建設大臣に対しまして、災害特別対策の委員会の席上、特にこの点を申し上げました。たとえば、私は山形県の出身でありまするが、最上川の上流並びに下流に関する不正工事事件として訴えられ、さらに司直の逮捕と監禁等を受けておる当該職員が多数あつたのであります。こういうような点も、認証制度その他に関連する大きな問題でありまして、安んじてその職を遂行することができないような状態があります。これに対して増田建設大臣は、さようなことになつては安んじて職を奉ずることはできないし、建設省に職を奉ずるということは、刑務所につながれるというような現実では困るから、安本当局、大蔵当局とよく打合せて、さようなことのないように至急に問題を究明して行きたいという答弁をいたしております。これに対して安本当局としては、どういうふうにお考えになつておるか、それをお尋ねします。

小峯柳多自由党経済安定本部政務次官

○小峯政府委員 認証のやり方には、事業の認証と資金の認証とあるわけでありますが、資金の方は大蔵省でやつていただいております。事業のときの認証も——多分そのときの御質疑のことは、認証が四半期ごとに行われておつた時期じやないかと考えます。私どもはそういう煩瑣な、あるいは能率的な面で阻害のあるようなことがありますことも承知いたしておりましたから、認証を一回に改訂いたしております。もともと認証の制度は、まだ資材が十分出まわりませんで、物動的な意味で、資材の需給の関係を調整いたしたいためにやつておつた仕事でありますから、資材面が改善されました今日、四半期ごとの認証は必要ない、従つてそういう意味の煩瑣な事務だけは直しておるつもりであります。

志田義信自由党

○志田委員 四半期ごとの認証を年一回の認証に切りかえたということは、私もたいへんけつこうだと思いますが、もう一歩を進めて、この認証制度ということが、支出負担行為官といいますか、認証官といいますか、そういう方々の認証制度というものが、現在の予算の科目の取方で、はたして事業の実態に即しておると考えておるかどうか、その点を特にお尋ね申し上げたい。

小峯柳多自由党経済安定本部政務次官

○小峯政府委員 御指摘の認証の問題は、多分主計局の問題になつて来ると思いますので、主計局長から御答弁いたしたいと思います。

河野一之大蔵事務官(主計局長)

○河野(一)政府委員 お答え申し上げますが、いわゆる公共事業の認証というものには、事業自体の認証と、それからこれを予算で使用する場合の、すなわち資金の認証とあるわけであります。おつしやつている点は両方であろうと思いますが、これによる経費の使い方の問題であります、従来各四半期ごとに事業の認証があり、かつまた資金の認証があつたわけであります。従つて個々の川あるいは道路ごとに事業の認証があり、その金を幾らつけるかということがあるのでありますが、その資金の認証が、つまり支出負担行為の認証になるわけであります。これは予算というものが国民経済に占める非常に大きな地位からいいまして、どうしても国の財政計画というのは、やはり四半期ごとに、資金の出入りを見て考えて行かなければならぬ。従つて支出負担行為の認証が現在あるわけでありますが、ただ御指摘の経費の費目がこれに適するか適しないか、こういう問題につきましては、従来そういうような御非難がありましたのにかんがみまして、昭和二十五年度から根本的にやり直しております。つまり従来施設費でありますとか、役務費でありますとか、いわゆる支出の直接の対象になつておりました費目を、請負費であるとか、工事費であるとかいうふうに直しておりますので、その点に関する限りにおきましては、おつしやるような点はすでに解消しておるのではないかというふうに考えております。なお御参考までに申し上げておくのでありますが、いろいろな状況にかんがみまして、明年度からそういつた支出負担行為の認証につきましても、個々の経費についての認証というものは、でき得れば廃止した方がいいのではないかというように、目下研究を進めておる次第であります。

志田義信自由党

○志田委員 今予算の現行科目の問題を主計局長はおつしやつておるようでありますが、前の旧科目の考え方、たとえばある工事費で幾ら幾ら、あるいは船舶機械器具で幾ら、あるいは用地費で幾らというふうに考えて行くような方針でおるのか、それとも用地費などというものは、のけて考えておるか、それをひとつ承りたいと思います。

河野一之大蔵事務官(主計局長)

○河野(一)政府委員 おつしやる点がよくわかりませんけれども、大体工事費の中には、直接工事とか、請負とか、いろいろありましようが、そういうふうな支出の目的に沿つて、つまりどういう目的にその経費を使用するか、こういうことで科目をつくりたい、こういうふうに考えております。

志田義信自由党

○志田委員 私の言うことがよくわからぬというお話でありますが、たとえば今の科目の中には、用地費というものがありますか。ダムをつくる場合に土地を買收しなければならぬが、現行の科目の中では、どういうふうになつておりますか。

河野一之大蔵事務官(主計局長)

○河野(一)政府委員 たしか土地買收費という科目になつておると思います。これはほかの方の予算と、公共事業の予算との科目の組み方が全然違います。元来予算の科目のつくり方につきましては、機能別、たとえば食糧増産であるとか、あるいは生活保護であるとか、そういうふうな組み方が一つあります。それからもう一つ下には、俸給であるとか、旅費であるとか、あるいはサービス——電気、ガス、水道、そういうような組み方と二つあるわけであります。一般の予算につきましては、大きな科目については機能別になつており、小さなのはその下において、ただいま申し上げたような対象別になつておるのでありますが、公共事業においては、ちようど中間の形式をとりまして、すなわち利根川の工事なら工事について、あるいは買收費もありましよう、機械器具費もありましよう、あるいは工事費もありましよう、そういう中間的な科目をとる、こういう考えであります。

志田義信自由党

○志田委員 今度は私の方がわからなくなつたのですが、結局その点をお尋ね申し上げておるのであります。それでは、たとえば公共事業の遂行に必要な交際費はどこから出ておるか、それをひとつお示し願いたいと思います。

河野一之大蔵事務官(主計局長)

○河野(一)政府委員 私は、交際費というものが公共事業に必要であるかどうか、その点は非常に疑問であろうと思いますけれども、交際費というのは、工事に直接のものではないのであつて、各建設局なら建設局に、事務費としてこの交際費が計上してあります。利根川工事費には、交際費が幾らというふうなことでは入つておりません。

志田義信自由党

○志田委員 そこが問題なのです。それではたとえば食糧費はどこにありますか。

河野一之大蔵事務官(主計局長)

○河野(一)政府委員 食糧費は両方ございます。工事費の中で流用して使うものもありますが、原則的には認めておりません。一部ございます。というのは、職員が徹夜をやつたり、そういう関係で食糧費を出すことがございます。その分は工事費の中に入つております。しかし一般的な交際費と食糧費は性質が違いますから——ただ使うところは食いものに使うでありましようが、そういうものは原則的に工事費にすべきものではない、こういうふうに考えております。

志田義信自由党

○志田委員 私の方の県に起つた事件でありますから、私は多くを言いたくない。しかし認識を改めて深く検討してもらうためにはどうしてもこれを爼上に載せなければならぬ。これは遺憾でありますけれども、私は当委員会で申し上げるのであります。というのは、この公共事業に対する監査というものは非常に複雑であります。主計局長さんも御承知だと思いますけれども、もちろんこれは建設省からも、安本からも、大蔵省の財政監査官、会計検査院からも、内閣の公共事業監査委員会というものも出て来る。人事院、労働基準局からも出て来る。職業安定局からも来る。しかも来た人は、一日三百円で何とかしてくれというので、地建の方々にお願いする。せつかく来た人たちでありますから、地元でも三百円であげるような方法をとる。一日三百円では木賃宿の食事よりほか出せない。今あなたは交際費というものは考えられない、そう言いますけれども、その他の交際費は別といたしましても、現実に認証官がおいでになる。地元もせつかくおいでくださつた方々に対して、粗茶粗餐を差上げるにいたしましても、三百円ではいかんともいたし方がないのであります。そうするとそういう費用は、今あなたは食糧費に関する限りは、工事費流用を認めておる、工事費流用の予算を認めておるとおつしやるのでありますが、はたしてこの流用は認めておるのでありましようか、どうでしようか。

河野一之大蔵事務官(主計局長)

○河野(一)政府委員 私は現実と制度のあるべき姿、制度上ではいけないというようなことに相なるのかもしれませんが、そういうこと自体は私はいいとは思つておりません。これは改善すべきことである。従つてそういうような弊風があるとするならば——弊風というか何というかわかりませんが、とにかく国民の税金を預かつてそれを使う上において、そういうようなものに工事費を使う場合において、あるいは監査に来るとか、何とかいうことでそういうことをすることがいいのか、悪いのか、私は疑問に思うのであります。ただ最後にお話になりました食糧費の問題でありますが、これは先ほど申し上げましたように、食糧費というのは原則的に流用を認めておらないのであります。これは工事費ばかりではありません。一般の官庁におきましても、各省を通じまして約二億円あると思います。そのほか刑務所の囚人のものは別でありますが、普通の交際費類似のものは二億円程度あろうと思いますが、これは原則的には流用を認めておりません。ただ事情によつて職員が徹夜をしたり、あるいは場合によつては会議の回数が重つたりして茶菓を出す。こういう場合においては、その事情を認めてやつております。これは会計の厳正を期する上において当然であろうと思います。原則としては認めませんが、事情によつてはある程度認めておる。こういう趣旨であります。

志田義信自由党

○志田委員 主計局長の言うことはよくわかる、原則的にはいかぬけれども、実情においては認めてやつておるのだというお話であります。そういうふうにやつていただけるならば非常に私はありがたいと思つております。むしろ地方におられる地方建設局の方にも、一生懸命になつて、一身を犠牲にしてやろうという考えになるのでありますが、現実の問題を私がここに取上げるのは、なるほど実際の法律上から行けばいかぬかもわからぬ、予算の流用になるかもわからぬ、しかし今あなたがおつしやつたように、夜勤をして遅くなつて飯の一ぱいも出してやらなければならぬというのは、人情としてしからしむるところであるということになれば、原則としては流用は認めないが、事実においては認めておる。ところが警察官は、原則は認めるけれども事実は認めないというのが現状です。そうしますと今の食糧費の問題なんかも、幽霊人夫の食糧の問題、その米の問題から、いろいろ食管法の問題にまで発展いたしまして、主計局長さんが大いに志をそれらの人たちに深くせられてやつてくださつておることでも、事実において反対になつておる。犯罪行為になつておる。そうして続々とやはり検挙せられれば、有罪の決定を見なければならぬような状態であります。そこで私が申し上げるのは、そういう状態では、とてもこの公共事業はいかに慈悲深い主計局長さんがおつても、片方には牢屋につつ込む役人があるのでありますから、そのままでは私はいけないと思う。その点、公共事業の遂行に必要な交際費というものは、認めてやる必要があるのではないかと思う。あるいはやはり食糧費の増額を特に考えてやる必要があるのではないか、そういう点を先ほどからお尋ね申し上げておるのでありまして、たとえば赴任旅費やあるいは普通の旅費について見ましても、それは非常に微々たるもののように私たちは聞いておるのです。今一体どれくらい出しておりますか。

河野一之大蔵事務官(主計局長)

○河野(一)政府委員 これは、日額旅費というのはいろいろ省によつ違つております。一般会計におきまして全体九十四、五億でありますが、それは職員が全体で約四十万、警察予備隊を入れて五十万程度でありますから、大体平均一人あたり二万円程度になつております。しかしこれは省によつて非常に違つております。ほとんど出張をしなくてもいいところもありましようし、それからたびたび出張を要するところもありましよう。建設省関係におきましては、これは常時出張を要するというような関係上、日額旅費という制度もございます。それから月できめて——きめるというとおかしいのでありますが、何日出張するものと見て打切りの旅費というものがあるわけでございます。その範囲内でもつていろいろ支弁していただくという建前でありまして、大体省によつて違いますが、役所のある所在地におきましては、大体二百円くらいじやないかと思います。月額の旅費のものは、月できまつておりますので、相当高いと思います。

志田義信自由党

○志田委員 そこでお尋ねしますが、それではひとつ労働賃金のわくというものに、今非常に縛られておりまするが、このわくに特例を出すような考えがないかどうか、今大分賃金は上つておつて、普通の賃金というものは大分差があるというように思いますが、その点はいかがでしようか。

河野一之大蔵事務官(主計局長)

○河野(一)政府委員 公共事業の関係の人夫その他につきましては、いわゆるプリヴエーリング・ウエージ、一般職種別賃金というものがありまして、それによつて給料を払う、こういう建前になつております。これは最近一割ほど上げまして、もちろん一般よりは低いかとも存じますが、大体支障なく施行されておるように私は今のところ承知いたしております。

志田義信自由党

○志田委員 一割値上げしたというのはどういう対象で一割値上げしたのかわかりませんが、日銀の物価指数からいつても二・六くらいに上つておるのではないかと考えるのであります。その一割を上げたという根拠は何によつて一割を上げたのですか。

河野一之大蔵事務官(主計局長)

○河野(一)政府委員 これは法律の名前をちよつと忘れましたが、労働省の告示によつて一般民間賃金を調べまして、それと大体同等の労銀を出す。これは非常に職種がたくさんございます。それから県によつて非常に違います。最近、今度の一月から政府職員の給与も上りましたので、そのときから上げたのでありますが、それ以前のものは、たしか二十四年の末ぐらいではなかつたかと思います。一割と申しましても、これは一律に一割を上げたのではございませんで、大工とか、石工とか、あるいは建築というようなものについては、相当上つておるのであります。ところが事務的な方面その他につきましては、そう大して上つておりません。平均で申し上げたのでありまして、公共事業関係のものについては、おそらく三、四割も上つておるというふうに了承いたしております。

志田義信自由党

○志田委員 一割は平均で、三、四割上つておるというお話でありますが、一般民間の賃金と同じようにやつていただくということになれば、私たちは非常に仕事をする面においても仕合せじやないかと思います。事実はそうでないようなんですが、これは主計局長さんもお忙しいようですから、もう一度よくその点もお調べ願いまして、そしてまたお尋ねする機会にお答えを願えればけつこうだと思います。  それから年度予算の早期の決定の問題が非常に遅れて困るという問題、早目に示達をしてもらいたいという要望が、各地方建設局にあるやに聞いておりますが、それにつきましてのお考えをひとつ。

河野一之大蔵事務官(主計局長)

○河野(一)政府委員 これは現在の、考えてみれば公共事業の根本的欠陷とでも申しますか、というべきものかもしれないのであります。以前におきましては、先ほど志田さんのおつしやいましたように、継続事業の制度がございました。従つてそれから翌年度の予算というものは、予算が提出の際におきましては、どこの川をやる、どこの道路をやると、はつきりきまつておつたわけであります。従いまして、すぐに四月から予算がつけられるわけでありますが、いろいろな事情によりまして、ことに物資その他の関係で、認証という制度が始まつたということも一つの原因でありますが、これがなかなか早期にきまらない。それで私どもといたしましては、この内容のきまり次第、いつでも予算をつける用意をいたしておるでありますが、大体四月から夏にかけまして工事の最盛期でありますので、去年の実情にかんがみましても、災害復旧事業は年度の当初に八割もつける、あるいは北海道等におきましては六割も予算をつける、そういうことにおきまして立法上において十分留意いたしておるつもりであります。御趣旨の点もありますから、明年度予算においては、ぜひ御期待に沿うように予算を配付いたしたいと考えております。

志田義信自由党

○志田委員 この問題は、ぜひ主計局長の今おつしやつたように決定してもらうと同時に、早く示達もしてもらいたい。これは重ねてお願い申し上げます。  そこで今の流用禁止科目の問題ですが、先ほど工事費の食糧費への流用は、多少大目に見るというお話でありますが、流用を絶対禁止しておる科目にどんなものがございますか。

河野一之大蔵事務官(主計局長)

○河野(一)政府委員 絶対禁止という科目は実はないのであります。ただ弊害のあり得るようなものにつきましては、大蔵大臣の承認を得て流用ができる、こういうのが会計法の建前であります。流用を禁止されておるおもなものは俸給、旅費、手当、いわゆる人件費の系統であります。それから補助金、営繕費、工事費なんかでもそうであります。食糧費もそうであります。交際費、交渉費、こういつたよその方に使われては困る、たとえばセメントを食つて賞与を出すというようなことがあつては困るものでありますから、そういつた相互にされると困るというものについては、原則的に大蔵大臣の承認を要する事情を見てこれを許す、こういう建前になつております。

志田義信自由党

○志田委員 経済自立計画によりますと電力をまず起さなければならぬということになつております。そうすると電力を起すにはダムをつくらなければならぬ。ダムをつくるという場合におきまして、おおむね予定地とか、問題を起すのは移転補償費の問題である。現に私の方でも荒沢ダムが一部の社会党の連中の暴力的行動によりまして、移転がなかなかうまく行かなかつた、そういう事実が現在あるのであります。そこでこの支障物件の移転補償費の科目をこの際廃止したらどうだろうかという問題が一つあります。廃止してそれを用地費一本にまとめてしまつたらどうか、その方がやりいいのじやないか、そうして日本の自立経済のために必要な電力を起すためのダムの建設に支障なからしめたらどうか、こういうことが考えられておりまするが、それに対する御見解をお尋ね申し上げます。

河野一之大蔵事務官(主計局長)

○河野(一)政府委員 会計制度というものは、これは手段的な性質を持つておるものでありまして、別の目的に対してこれが請求をするということは、原則としてはあまり適当でないのであります。つまり科目があるから、ないから、この仕事を出す、これは予算全体の——予算の協賛を経た目的となれば、これはまた別であります。すなわちどういう項であるか、どういう款であるかというものであれば別でありますが、一つの項の経費の中において、科目があるから、ないからということで、実体を左右するということは適当でない。従つてそれを移転補償費で出しましようと、あるいは用地買收費で出しましようと、その点は会計制度においてはおそらく関知する筋合いではない、こういうふうに考えます。

志田義信自由党

○志田委員 それでは安本政務次官にお尋ね申し上げますが、会計法の内容から行けば、法理論的にいつて、そういうものではないという懇々たる御説明がございました。建設事業の円満なる発達のためには、やはりこの事業用地の取得が容易になるか、ならぬかということは重大な問題であります。それに対して法的な処置を講じなければどうしてもだめだという事態が、私はかなりあるだろうと思います。土地收用法その他の強権を発動するというようなことまで行かなくても、何かやはり建設事業を推進するために、あるいはダムをつくるために、あるいはその他の事業を行うために、この事業を容易ならしめるためには、その用地の取得を容易ならしめることが、前提條件であると思うのでありますが、そういう法的な処置を考えないで行かれるかどうか、また考えておるかどうか、その点をひとつ御質問申し上げます。

小峯柳多自由党経済安定本部政務次官

○小峯政府委員 先ほど来の御質問で、公共事業を機動的に、能率的に運営するために、会計法の規定が触れるという問題があります私はこれはかじのとり方、あるいは当事者の腕と言うと語弊がありましようが、やり方で、問題はこなせると考えております。ただ全体から見て、どうしてもそれにひつかかるという問題がありますれば、先ほどから申し上げますように、当然公共事業は法律で一応優先するような形できめなければならぬと考えます。

志田義信自由党

○志田委員 建設省の方も見えているようでありまするが、どうでしよう、現在の公共事業を直営でやつて行く上におきまして、今の官庁の営繕の請負工事といいますか、これが全般的にあと金になつております。工事をやつて、でき上つたら金をやるということでやつております。ところが現実におきましては、あと金で仕事をやる工事者は、私も土木会社を一つやつておりますが、なかなかないのじやないかと思います。三分の一を前渡金で受けるということになつておりますが、官庁営繕の公共事業の下請をやらせる場合に、下請工事の全般に対しまして、前渡金を、今後出してやらなければならぬような状態ではないか、こう私どもは考えますが、政府の御見解はいかがでございますか。

河野一之大蔵事務官(主計局長)

○河野(一)政府委員 直営工事の場合におきましては、前渡金の問題はないわけであります。ただ予算をそのまま食うわけでありますが、請負に付する場合に、そういう問題があるのであろうと思います。現在の建前といたしましては、会計法では九割まで概算払いができる、前渡しができるという建前になつております。ただ御指摘のように、これは従来におきましては八割まででありましたが、会計の実行上におきまして、なかなか実行に相ならぬ、これは全面的にそういうことになつておるのであります。と申しますことは、いろいろ業者の御関係、それから信用といつたような問題もございましよう。検査の問題もございます。それからもう一つは、やはり予算の範囲内と申すか、契約も予算の範囲内においてやればいいのであるが、一括して後にとれるべき、配当あるべき予算も含めて契約をされる。そういつたような実際上の問題で、そういうようなことが起るのでありましようが、制度としては十分概算払いができるわけであります。

志田義信自由党

○志田委員 制度として概算払いができても、実際上概算払いをしていないようでありますが、制度がそうなつておるということになれば、これは出先の人たちに概算払いできるように願うことが本然だと思います。先ほどあなたのお話では、直営に関する限りはそういう問題はないのだということであります。ところが現在の日本の公共事業は、直営といいましても、実際においては下請工事のような状況を呈しておる。たとえば下請の工事会社の者が飯場長となりまして、その会社に所属する労務者が全部入つて、そうして一こま一こま区切つての請負仕事をやつておる。これをなおかつ直営工事とあなたたちはごらんになつておられるのでありますかどうか、私は純粋な意味での直営工事ではないと考えますが、ぞの点どうですか。

河野一之大蔵事務官(主計局長)

○河野(一)政府委員 私もよく事情を存じませんが、おそらくこれは直営工事ではないのじやないかと思いますただ形態が、直営と申しましても、請負といつても、その限界が実際はつきりいたしませんので、直営と申しますものには、国が直接材料を支給し、労銀を払い、小切手を切つてやるというやり方でありますし、請負の場合でありますれば、請負の契約をいたしましたものに一括金を払つて、その責任において物資を調達し、賃金を払う、これは具体的な個々の問題についてでありませんと、なかなか判別は困難であるというふうに思います。

志田義信自由党

○志田委員 それから私の一つお尋ね申し上げたいのは、官庁の営繕におきましては、事業費というようなものの配分を、どういうふうに考えておるのか、どうも出先の営業所その他工事現場に参りますると、先日も私は日光のダムを見に行つて参りましたところが、小屋がけをして、毎朝そこに新聞を入れるけれども、その新聞の費用がない。それを所長さんが自分のポケツト・マネーから出さなければ、その山では新聞が見られない、そうすると、日本の公共事業の責任者というものは、新聞を見なくても工事ができるように思つておられるのではないかという質問を私受けたのでありますが、そういう官庁の営繕における事業の事務費の配分につきまして、主計局長としては、どういうふうにお考えになつておりますか。

河野一之大蔵事務官(主計局長)

○河野(一)政府委員 営繕というものにつきましては、たとえば工事費、あるいは用地費もございましよう。それに対して一定の割合の事務費がついているわけであります、これは非常に大きな工事でありますれば、事務費があまりいりません。小さな工事でありますれば比較的いりましよう。大体四、五分から一割程度の事務費がついているわけです。この中から俸給を支弁し、調査費を支弁する。これは工事とは別であります。工事の実体と工事の施行の経費とは別でございます。その中から支弁されて来るという建前になつており、これも予算で配当してある、あるいはそれが少いという問題はございましようけれども、建前はそうなつているわけでございます。

志田義信自由党

○志田委員 どうも私たちの聞いておる工事費のうちの事務費というものは、非常に少いように思うのです。二割そこそこのパーセンテージじやないかというふうに聞いておるのですが、それより下まわつているのじやないかということであります。だからそういうような少い金で、一切をやれといつても、なかなかまかない切れない、そこでいろいろな不正の起る可能性が非常にあるのではないか、私はこう思うのでありますが、せつかく主計局長さん、御同情のある御見解を持つておられるようでありますから、そういう点を事務費の配分にあたりまして、増額するようなお考えがあるかどうか、それをひとつお尋ねいたします。

河野一之大蔵事務官(主計局長)

○河野(一)政府委員 営繕関係の事務費は、普通一般的に二分七厘ということになつております。それから一般の公共事業につきましては、河川港湾、これは大体一割というのが普通の標準でございます。その中で支弁すべき筋合いのものでありまして、最近物価も上つておりまするので、事務費もできるだけ増強をはかつておるのでありますが、これは一応限度の問題でありまして、予算がたくさんあれば非常にけつこうでありますが、できるだけ所定の事務費の範囲で支弁してもらう、こういう建前になつておるわけであります。人一人につきまして、大体の基準があるのでありまするが、個々のものにつきまして増減いたしておりまして、実情に応じて事務費も予算を組んでおるという次第でございます。

志田義信自由党

○志田委員 事務費はそれでよくわかりました。これはできるだけ増強していただきたいと思つておりまするが、官庁の営繕に関する限りは、調査費というものがないということを聞いております。これはいかがでございましようか。調査費というものはいらぬというふうにお考えになりますか。それともやはり調査経費というものは、十分に見ておかなければならぬ。事業の年間調査のために必要な調査経費を認めないと、十分なことができないという声がありまするが、それはいかがでありましようか。

河野一之大蔵事務官(主計局長)

○河野(一)政府委員 調査費といつても、公共事業なんかにつきましては、ある工事をするにつきまして、どういう工法でやつたらいいか、どういう場所を選定したらいいかというような調査費があるわけでありますが、営繕の場合におきましては、大体どこに建てる、あるいは予算の査定その他の面におきまして、どこに用地を求めてどこに建てる、あるいは木造にするか、鉄筋にするかというようなことで、予算を御要求になるときに、ある程度の調査をしておるのが実は大部分でございます。ただ事情によりまして、予算の本格的な実行につきまして、いろいろ調査を要する点があるいはあるかとも思うのでありますが、そういう面につきましては、工事雑費というようなものが大体組まれておるのが普通でありまして、それによつて支弁せられておるのが普通の例ではないか、こういうように考えております。

志田義信自由党

○志田委員 調査経費というものを工事雑費の中に入れるということには私は反対です。これはひとつ御検討願いまして、さようなことのないように、また調査経費を出している場合には、年の当初に配分することが必要だと思います。  そこで主計局長さんに最後のお尋ねを申し上げますが、最近兵庫県の尼崎に防潮堤の問題があります。この防潮堤の樋門は五キロにわたるもののようでありますが、その五キロにわたる防潮堤を一時につくるためには、三年ないし四年、あるいは五年くらいかかるのではないかという計算も出ておるようであります。ところがこれに対して建設省の方面では、これは一時に樋管を五キロもつくるものではない。むしろブロツクの樋管をつくるべきであるといつておる。費用は、一つの防潮堤にいたしますると、五キロの防潮堤で二十億のように聞いております。四ブロツクにすると二十五、六億から三十億かかるという話であります。そこでこれは建設省と運輸省との間に技術上の対立がありまして、最近運輸省の方が勝つたという形になつて、尼崎市では防潮堤をつくることにきまつたという話を聞いております。ところがそのきまつた原因の中には、ブロツクをつくることに反対する地元の尼崎市の工場が、二十億の金を一時市に対して貸与するという形をとつた。その金はどこから出て来るかというと、ジエーン台風その他によつて、われわれが大いに努力いたしました工場復旧費の中から、市に三箇年間貸し与えるという形をとる。なぜそんな無理をするかといいますと、ブロツクの防潮堤をつくられると、その防潮堤の要所々々に、川に出ている工場のクレーンがありまして、クレーンの高さを上げなければならぬという問題がある。そのために市に猛運動いたしまして、工場が結束して、それらの工場が工場復旧費の中から、そういう金を三年間も、四年間も、その工事に貸すというような実情になつておるということでありますが、これに対して大蔵当局としては、そういうことが許されるものかどうか、その点をひとつお聞きしたい。

河野一之大蔵事務官(主計局長)

○河野(一)政府委員 これは国が直接やる場合と、公共団体がやる場合とは違うと存じます。工場が国に金を貸す、すなわち一時立てかえるというようなことは、予算の目的に反することであります。すべて国が経費を使います場合には、予算に盛つて、議会の協賛を経まして使うのでありまして、将来の債務を残すということはいけないことであります。従つて国としては、国が直轄でやる場合においてはそれは原則ではありません。大体禁止せられておるところでありますが、これをもし公共団体の方において、そういう金を借りて一時おやりになるということは、これは国の会計とは別でございます。従つて府県なりその他の会計法規で、そういうことを事実上借入予算を組んでおやりになるということは、必ずしも国の立場からはいえないと存じますが、あまり適当なことではないと私は思います。補助金といたしましては、地方団体がやつた工事に対して、何割かの補助を出す——たしか三割の補助であつたと思いますが、そういう建前で考えておるので、国の場合においてはもしそういうことがあれば適当でない、かように思います。

志田義信自由党

○志田委員 そうしますと、政府関係の金融機関が貸し出した工場復旧費の中の二十億を、工場プロパーの復旧に使わないで、県営ないしは市営のそうした事業に三年間融資するというようなことは、大蔵省の財政監査の立場において、金融監査の建前において許されるかどうか、それをひとつ聞きたい。

河野一之大蔵事務官(主計局長)

○河野(一)政府委員 これが預金部資金であるとか、あるいは見返り資金でありますと、この使途について国が直接の監督権、監査権を持つのでありますが、一般の金融機関からそういう工場がお借りになるということについては、大蔵省としては別にこれに関与すべき限りでありません。金融機関が、そういうことをやつていいのかどうか、それがペイするかどうかという、自主的な立場で御決定になるものであろうと思います。特にこの点について金融上の監査権ということは考えておりません。

志田義信自由党

○志田委員 それが政府預託金であつた場合については、どういうふうになりますか。

河野一之大蔵事務官(主計局長)

○河野(一)政府委員 預託金と申しますと、預金部の預託金なんでありましようか。その点において御趣旨を忖度いたしかねますが、国の金を、少くとも国のひものついた金をそういうふうにするということは、適当でないように私は考えます。

志田義信自由党

○志田委員 今まで長時間にわたつて御質問申し上げましてありがとうございました。そこで最後に、最初から終りまで御質問申し上げたことにつきましては、ひとり本員だけの質疑にとどまりませんで、責任をもつて全国の公共事業の遂行に挺身しておられる各地方建設局の全員の要望であるということを、特に申し添えておきたいと思いまするが、そういう要望が政府に現実にもうすでにあるやに聞いておりまするので、それに対する経済安定本部政務次官の御所見を伺いたいと思います。

小峯柳多自由党経済安定本部政務次官

○小峯政府委員 そういうお話もだんだん承つております。そこでそういう問題を直しますために、私どもといたしましてもできるだけ調整策をとりたい、必要とあれば、先ほど申しましたように、公共事業法でも考えるような場合には、ぎりぎりのところで考えたい、あとは上手に調整をするなり、あるいは当事者の御努力でも解消する分もありはせぬかと思つております。

志田義信自由党

○志田委員 公共事業法は、今回あるいは次の国会に早急に出されるようなお考えがありますか、その点お尋ねいたします。

小峯柳多自由党経済安定本部政務次官

○小峯政府委員 これはまだ研究の域を脱しておりません。なるべく早く出したいとは思つておりますが、まだ具体的な成案を持つておりません。

竹山祐太郎国民民主党

○竹山委員 私は一点だけ。公共事業全体について、四月から実施するとすれば、最近の物価高によつて当初予算編成のときから見て、どのくらいの事業の分量の減少が起りますか。今の段階でお説明願いたい。

河野一之大蔵事務官(主計局長)

○河野(一)政府委員 公共事業の予算の積算は、これは具体的に内容のこまかいところまで行つておりませんが、大体昨年の十月ないし十一月ごろで一応積算いたしまして、そのとき大体十二、三パーセント程度単価を上げてありました。その後多少値上りはあると思いますが、明年度予算では千八十億で、事業量に換算して千六百七十億程度に相なります。前年度は見返り資金の分を入れまして、予算では千百八十億、事業分量で千五百七十億程度と御了承願いたいと思います。従いまして、事業分量で約百億ほどふえておりますが、これを物価の点から考えますと、大体事業分量としては同じ程度ではないかと思います。今後物価が上りますればその点はまた別でありますが、ただいまのところでは大体同じ程度と御了承願いたいと思います。

竹山祐太郎国民民主党

○竹山委員 そうすると予算を組む時分と大体同じと考えておりますか。今後の推移を含んでという意味ですか。その辺をもう少し伺いたい。

河野一之大蔵事務官(主計局長)

○河野(一)政府委員 大体予算を組みました当時においてのものであります。ものによつてはいろいろ変動がございます。セメントなども上つたものがございますが、石炭などはほとんど上つておりません。今後上るかも存じませんが、ものによつては値下りしておるものもあるという状況で、何とも申し上げかねます。大体昨年暮ごろの状況で組んでおるというふうに御了承願いたいと思います。

竹山祐太郎国民民主党

○竹山委員 そうすると、今後上りますと、ものによつては仕事を縮小するのですか。補正等の処置をやるお考えでありますか。これは事務当局としての御見解を承りたい。

河野一之大蔵事務官(主計局長)

○河野(一)政府委員 物価が上れば必ず補正をいたすという考え方は、私どもは原則的にとらないのでございます。つまりそういうような情勢にあります際におきましては、国としては財政の整理、緊縮を要するという意味合いがまず考えらるべきものだろうと思います。節約にももちろん限度がございますが、今後できるだけ予算の効率的使用をはかりまして、所期の目的を達成するように運営をいたしたいと考えておるわけであります。

竹山祐太郎国民民主党

○竹山委員 今の御方針に対して、安本の次官として、いわゆる自立計画の立案者の立場からのお考えを、少し承つておきたいと思います。

小峯柳多自由党経済安定本部政務次官

○小峯政府委員 私も河野主計局長の御答弁と大体同じ趣旨で努力いたしたいと思います。しかしいろいろな点で、どうしても所定の事業量を確保する必要がありますような場合、すなわち大きな変化があります場合には、私どもの立場としましては、補正のこともあるいはお願いしなければならないかと考えております。

竹山祐太郎国民民主党

○竹山委員 もう一点だけ。今お話が出ましたが、見返り資金を二十六年度にはほとんど公共事業に出しておりません。これはあちらさんの考えもありましようけれども、向うの考えを含んでの政府として打切りました理由を一応お伺いしたいと思います。

河野一之大蔵事務官(主計局長)

○河野(一)政府委員 見返り資金を公共事業に使用する問題につきましては、いろいろ御議論があると思うのでありますが、御承知のように見返り資金が非常に減つて参りまして、明年度予算では一億四千八百万ドルということに一応なつておるのでありますが、前年度はこれが三億二千五百万ドルですから二十七年度においてはさらに減るであろうといつた時期におきまして、公共事業のごとく、多年の計画をもつて計画的に実行すべきものについて、見返り資金にたよるということは、今後非常に支障が起きやしないだろうかというような考え方がございます。それとともに、見返り資金の額が相当多いときは別でございますが、私企業その他金融債等に、積極的に活用いたしたいという趣旨からいたしまして、従来の公共事業の支弁の分も一般会計に引取つて仕事をするようにというのが、私どもの考え方でございます。

竹山祐太郎国民民主党

○竹山委員 そうしますと、前にさかのぼつて行くのですが、見返り資金を一旦出されるときの考えからいえば、公共事業に相当積極的に出されておるが、もう一、二年で打切らなければならないという見返り資金を、将来のあるいは私企業の援助の形になつて来るであろう方向に近づける意味において、早く打切るという考え方も一応考えられる。しかしまた逆に考えれば、あるうちに公共的な方面へ集中的に入れておくということでなければ、今の国家財政が欠乏している際であれば、公共事業はできやしない。その辺の政府の考え方というものは、そのときどきの出まかせのように考えられる。もし今お話のように、見返り資金はだんだん公共的なものへは出さないということであるならば、むしろ公共事業費そのものを、相当思い切つてふやして行かなければ——金のあるだけやつて行けばいいのだという大蔵省的なお考えであるならばいざ知らず、自立経済計画を立てておる政府の考え方とするならば、その辺は一向公共事業費がふえていない、むしろ減つておるという考え方になるのですが、まだ一年くらい続くのですけれども、見返り資金及び公共事業費との関係について、最後に一応政府の現在の考え方を承つておきたいと思います。

小峯柳多自由党経済安定本部政務次官

○小峯政府委員 公共事業の見返り資金をやめました理由につきましては、河野政府委員から答弁があつた通りであります。しかし実は私どもも、直接公共事業を担当している立場からいいますと、未練がたつぷりありまして、また全面的にこれが使えなくなるものじやない、一応今後の折衝に待つて——公共事業は自立経済の立場から多々ますます弁ずるのでありますから、今後も折衝し、またなるべく関係省とも打合せて公共事業の推進にこれを使うように努力を進めたい、かように考えております。

圖司安正自由党

○圖司委員長 本件に付する質疑はこれにて全部終了いたしました。  本日はこの程度にて散会いたします。次回は公報をもつてお知らせいたします。     午後一時五十七分散会

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